(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132617
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0633 20230101AFI20230914BHJP
【FI】
G06Q10/06 324
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038038
(22)【出願日】2022-03-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトによる公開、最先日:2021年9月3日、https://b-yard.jp/ ウェブサイトによる公開、最先日:2022年2月28日、https://byard.io/ ウェブ会議による公開、最先日:2021年7月5日、株式会社Epsilon Molecular Engineering 他132件
(71)【出願人】
【識別番号】517157927
【氏名又は名称】株式会社SmartHR
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】武内 俊介
(72)【発明者】
【氏名】辰本 貴通
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA07
(57)【要約】
【課題】テンプレートを用いたワークフローを効率よく支援すること。
【解決手段】情報処理装置が、複数のジョブを含むワークフローのテンプレートを取得すること、テンプレートから業務に利用されるワークフローを生成すること、生成されたワークフローに含まれるジョブが変更された場合、ワークフローのジョブの変更内容に関する変更情報に基づいてテンプレートを更新すること、を実行する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が、
複数のジョブを含むワークフローのテンプレートを取得すること、
前記テンプレートから業務に利用されるワークフローを生成すること、
生成された前記ワークフローに含まれるジョブが変更された場合、当該ワークフローのジョブの変更内容に関する変更情報に基づいて前記テンプレートを更新すること、
を実行する情報処理方法。
【請求項2】
前記更新することは、
前記テンプレートから複数のワークフローが生成された場合、特定のワークフローに対するジョブの変更情報に基づいて前記テンプレートを更新することを含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記更新することは、
前記テンプレートから複数のワークフローが生成された場合、2以上のワークフローそれぞれに対するジョブの変更情報に基づいて前記テンプレートを更新することを含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記更新することは、
前記変更情報と、前記テンプレートへの更新に制約を課す第1制約情報とに基づいて、前記ジョブの変更内容を前記テンプレートに反映しないことを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記ジョブの変更内容は、ジョブの増減、ジョブ間の関係の変更、及びジョブ内のタスクの変更の少なくとも1つを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記更新することは、
前記テンプレートから複数のワークフローが生成された場合、更新後のテンプレートに基づいて、前記ジョブが変更されたワークフロー以外の他のワークフローを更新することを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記更新することは、
前記変更情報と、前記他のワークフローへの更新に制約を課す第2制約情報とに基づいて、前記ジョブの変更内容を前記他のワークフローに反映しないことを含む、請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
1又は複数のプロセッサを含む情報処理装置であって、
前記1又は複数のプロセッサが、
複数のジョブを含むワークフローのテンプレートを取得すること、
前記テンプレートから業務に利用されるワークフローを生成すること、
生成された前記ワークフローに含まれるジョブが変更された場合、当該ワークフローのジョブの変更内容に関する変更情報に基づいて前記テンプレートを更新すること、
を実行する情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置に、
複数のジョブを含むワークフローのテンプレートを取得すること、
前記テンプレートから業務に利用されるワークフローを生成すること、
生成された前記ワークフローに含まれるジョブが変更された場合、当該ワークフローのジョブの変更内容に関する変更情報に基づいて前記テンプレートを更新すること、
を実行させるプログラム。
【請求項10】
情報処理装置に、
複数のジョブを含むワークフローのテンプレートから生成され、業務に利用されるワークフローを画面に表示制御すること、
表示された前記ワークフローに含まれるジョブを変更すること、
表示された前記ワークフローのジョブの変更内容を前記テンプレートに反映させる変更情報を、前記テンプレートを管理する他の情報処理装置に送信すること、
を実行させるプログラム。
【請求項11】
前記ジョブを変更することは、
前記ワークフロー内のジョブの移動とジョブ間のフローの生成とを含むジョブ間の関係の変更、及び、前記ワークフロー内のジョブの増減の少なくとも1つを含む、請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記ジョブを変更することは、
前記テンプレートに反映される変更と、前記テンプレートに反映されない変更とを識別可能にしてジョブの変更を行うことを含む、請求項10又は11に記載のプログラム。
【請求項13】
情報処理装置が、
複数のジョブを含むワークフローのテンプレートから生成され、業務に利用されるワークフローを画面に表示制御すること、
表示された前記ワークフローに含まれるジョブを変更すること、
表示された前記ワークフローのジョブの変更内容を前記テンプレートに反映させる変更情報を、前記テンプレートを管理する他の情報処理装置に送信すること、
を実行する情報処理方法。
【請求項14】
1又は複数のプロセッサを含む情報処理装置であって、
前記1又は複数のプロセッサが、
複数のジョブを含むワークフローのテンプレートから生成され、業務に利用されるワークフローを画面に表示制御すること、
表示された前記ワークフローに含まれるジョブを変更すること、
表示された前記ワークフローのジョブの変更内容を前記テンプレートに反映させる変更情報を、前記テンプレートを管理する他の情報処理装置に送信すること、
を実行する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の技術は、情報処理方法、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、業務を効率化するため、ワークフローのテンプレートを用意し、テンプレートから生成した個別のワークフローを編集する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、実際の業務に合わせるように個別のワークフローを編集した場合でも、この個別のワークフローの生成元となるテンプレートはそのままであり、個別に生成されたワークフローと、生成元となるテンプレートとは、別々に管理されていた。また、個別に生成されたワークフローは、複数のユーザにより共有され、それぞれ独立して編集がなされ、最終的に効率的なワークフローが生成されるケースが多い。この場合、適切なワークフローをテンプレートにしようとすると、新しくテンプレートを生成しなければならず、管理が煩雑になっていた。
【0005】
そこで、開示技術は、ワークフローのテンプレートと、このテンプレートから生成された個別のワークフローとを関連付けておくことで、テンプレートを用いたワークフローを効率よく支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の一態様における情報処理方法は、情報処理装置が、複数のジョブを含むワークフローのテンプレートを取得すること、前記テンプレートから業務に利用されるワークフローを生成すること、生成された前記ワークフローに含まれるジョブが変更された場合、当該ワークフローのジョブの変更内容に関する変更情報に基づいて前記テンプレートを更新すること、を実行する。
【発明の効果】
【0007】
開示技術によれば、テンプレートを用いたワークフローを効率よく支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】一実施形態に係るサーバの一例を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態に係るユーザ端末の一例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係るテンプレート情報の一例を示す図である。
【
図5】一実施形態に係るワークフロー情報の一例を示す図である。
【
図6】一実施形態に係るワークフローの反映に関する処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図7】一実施形態に係るテンプレートへの反映が行われる画面編集の遷移例を示す図である。
【
図8】一実施形態に係るテンプレートへの反映が行われない画面編集の遷移例を示す図である。
【
図9】一実施形態に係るタスク生成画面の一例を示す図である。
【
図10】一実施形態に係るチャット機能画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、本開示の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0010】
[実施形態]
<システム構成>
図1は、開示の一実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示す図である。
図1に示すとおり、情報処理システム1は、サーバ10と、1又は複数のユーザ端末20A、20B、20Cを含む。以下、ユーザ端末を区別しない場合は、ユーザ端末20と表記する。例えば、実施形態に係る情報処理システム1は、ワークフロー支援システムを構成する。
【0011】
サーバ10と、1又は複数のユーザ端末20とは、ネットワークNを介して相互にデータの送受信が可能である。サーバ10は、複数の処理装置により構成されてもよく、ユーザ端末20は任意の数でもよい。例えば、ユーザ端末20は、同一又は異なる組織に属する各ユーザが業務において使用する処理装置である。
【0012】
情報処理システム1は、例えば、複数のジョブを含むテンプレートを用いて業務に利用されるワークフローを生成し、このワークフローに含まれるジョブが変更された場合、ジョブの変更内容をテンプレートに反映するシステムである。また、情報処理システム1は、テンプレートへの反映に制約を設けたり、テンプレートへの反映のタイミングを設定したり、テンプレートに反映した内容を、このテンプレートを元に生成されたワークフローに反映したりしてもよい。
【0013】
以上の情報処理システム1によれば、テンプレートを用いたワークフローを効率よく支援することができる。例えば、情報処理システム1によれば、テンプレートから業務用に生成されたワークフローが変更された場合、この変更内容をテンプレートに反映することができ、テンプレートに基づいて新たにワークフローを生成する場合は更新後のテンプレートに基づいてワークフローを生成することが可能になる。以下、情報処理システム1に備えられるサーバ10とユーザ端末20とについて説明する。
【0014】
サーバ10は、上述したワークフロー支援に関する処理を実行する情報処理装置である。サーバ10は、例えば、1又は複数のプロセッサを備える情報処理装置である。サーバ10は、一例として、各ユーザのユーザ端末20からワークフロー生成の指示を受け付けたり、ワークフローを生成したり、ワークフローの変更に伴うテンプレートへの変更指示を受け付けたり、変更指示に基づきテンプレートへワークフローの変更を反映したりする。
【0015】
ユーザ端末20は、サーバ10が提供するワークフロー支援サービスに対し、テンプレートを特定してワークフローの生成を指示したり、ワークフローを画面に表示し、ワークフローのジョブを変更したりする情報処理装置(又は情報処理端末)である。ユーザ端末20は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、又はスマートフォン等の携帯端末等であり、その他、ユーザがワークフローの編集を操作できる機能と、ワークフローを用いて業務を遂行する機能とを有する装置でもよい。
【0016】
ユーザ端末20には、サーバ10が提供するワークフロー支援サービスを利用するためのアプリケーションプログラム(アプリ)がインストールされてもよい。このアプリは、サーバ10が提供するサービスにおいて、実施形態において開示されたワークフローの支援に関する処理の少なくとも1部をユーザ端末20に実行させる。このアプリを実行することにより、ユーザ端末20はサーバ10にアクセスして、アプリの実行に用いる情報を送受信する。
【0017】
また、ユーザ端末20は、ウェブブラウザを用いて、サーバ10が提供するウェブサイト(又はウェブページ)にアクセスし、このウェブサイトにおいて提供されるワークフロー支援サービスを受けてもよい。以下、上述したワークフロー支援サービスを実行可能にする情報処理システム1の各構成等について詳細に説明する。
【0018】
<サーバの構成>
図2は、開示の一実施形態に係るサーバ10の一例を示すブロック図である。サーバ10は、1つ又は複数のプロセッサ(例えばCPU)110、1つ又は複数のネットワーク通信インタフェース120、記憶装置(記憶部)130、及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数の通信バス170を含む。
【0019】
サーバ10は、場合によりユーザインタフェース150を含んでもよく、これとしては、ディスプレイ、及び入力装置(キーボード及び/又はマウス、又は他の何らかのポインティングデバイス等)を挙げることができる。
【0020】
記憶装置130は、例えば、DRAM、SRAM、他のランダムアクセス固体記憶装置などの高速ランダムアクセスメモリ(主記憶装置)である。また、記憶装置130は、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリ(補助記憶装置)でもよい。また、記憶装置130は、プログラム等を記憶した、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記録媒体でもよい。また、記憶装置130は、主記憶装置(メモリ)又は補助記憶装置(ストレージ)のいずれかでもよく、あるいは両方を備えてもよい。
【0021】
記憶装置130は、情報処理システム1により用いられるデータ、プログラム等を記憶する。例えば、記憶装置130は、システムを利用するユーザ情報、テンプレート情報、業務用に個別に生成されたワークフロー情報などを記憶する。なお、テンプレート情報及びワークフロー情報については、
図4及び
図5を用いて後述される。
【0022】
また、記憶装置130の他の例として、プロセッサ110から遠隔に設置される1つ又は複数の記憶装置でもよい。ある実施形態において、記憶装置130はプロセッサ110により実行されるプログラム、モジュール及びデータ構造、又はそれらのサブセットを格納する。
【0023】
プロセッサ110は、記憶装置130に記憶されるプログラムを実行することで、例えば、サービス制御部112、取得部113、生成部114、更新部115、進捗管理部116、出力部117を構成する。
【0024】
サービス制御部112は、実施形態に開示されるサービスを制御する。例えば、サービス制御部112は、各ユーザ端末20からのワークフローに関する情報を取得したり、テンプレートの取得、ワークフローの生成、ワークフローの編集(例えばジョブの変更)、ワークフローの進捗管理などを制御したりする。また、サービス制御部112は、実施形態に開示されるサービスの実行を制御するために、取得部113、生成部114、更新部115、進捗管理部116、出力部117を有する。
【0025】
取得部113は、複数のジョブを含むワークフローのテンプレートを取得する。例えば、取得部113は、各ユーザが利用する各ユーザ端末20から、テンプレート識別情報とともにワークフローの取得リクエストを受け付けると、テンプレート識別情報に対応するテンプレートを記憶装置130から取得する。また、取得部113は、各ユーザ端末20からのテンプレート生成リクエストに応じてテンプレートが生成されることで、テンプレートを取得してもよい。取得されたテンプレートは、リクエストを送信したユーザ端末20に出力部117により出力される。また、取得部113は、ワークフローの編集、保存、進捗管理等に関する情報又はデータ、リクエスト等を取得する。
【0026】
生成部114は、テンプレートから業務に利用されるワークフローを生成する。例えば、生成部114は、ユーザ端末20によりテンプレートが編集されることでワークフローを生成する。具体例として、生成部114は、ユーザ端末20からの指示により、各ジョブの名称変更、ジョブの増減、ジョブの移動、ジョブの並び替え、ジョブ内のタスク変更等を指示されてワークフローを生成する。生成部114は、ワークフローを生成する場合、ワークフロー識別情報を付与し、このワークフローの元となるテンプレートのテンプレート識別情報とワークフロー識別情報とを関連付ける。
【0027】
更新部115は、生成部114により生成された個別のワークフローに含まれるジョブが変更された場合、このワークフローのジョブの変更内容に関する変更情報に基づいてテンプレートを更新する。例えば、更新部115は、ワークフロー識別情報とテンプレート識別情報とが関連付けられていることで、ワークフローが変更された場合、このワークフローのワークフロー識別情報に関連付けられたテンプレートを特定し、特定されたテンプレートにワークフローの変更内容を反映する。
【0028】
出力部117は、所定のリクエストを行ったユーザ端末20に対し、リクエストされたデータを出力する。例えば、出力部117は、テンプレートやワークフロー、各画面情報などを出力する。
【0029】
以上の処理により、テンプレートから業務用に生成されたワークフローが変更された場合、この変更内容をテンプレートに反映することができる。その結果、サーバ10は、テンプレートに基づいて新たにワークフローが生成される場合は更新後のテンプレートに基づいてワークフローを生成することが可能になる。例えば、最新のワークフローをテンプレートに反映することができ、新たなワークフロー生成時に、旧テンプレートから最新のワークフローを生成するまでの処理を省くことができ、処理の効率化を図り、サーバ10の演算資源を効率よく使用することができる。
【0030】
具体例として、バックオフィスなどの業務では、作業をしながら思考錯誤を繰り返し、より適切なワークフローが生成されるケースが多い。そして、生成されたワークフローは繰り返し使用されるが、従来技術ではテンプレートと最新のワークフローとには乖離がある。この乖離により、テンプレートからワークフローが生成される場合、再度最新のワークフローに編集するか、又は最新のワークフローを新たなテンプレートとして保存することになり、作業効率が悪かったり、テンプレートの管理が煩雑になったりしていた。
【0031】
上記問題点に対し、開示技術によれば、適切なワークフローがテンプレートに反映されているため、テンプレートの管理が煩雑にならず、テンプレートからワークフローが生成される場合、適切なワークフローがテンプレートに反映されているため、編集が不要又は少なくて済む。また、テンプレートへの反映について、何の制約もなく反映を許可することも可能であるが、管理者等により様々な制約が課されてもよい。以下、様々な制約について説明する。
【0032】
《ワークフローに関する制約》
更新部115は、1つのテンプレートから複数のワークフローが生成された場合、特定のワークフローに対するジョブの変更情報に基づいてテンプレートを更新することを含んでもよい。例えば、更新部115は、テンプレートAから、ワークフローAとワークフローBとが生成された場合、ワークフローAの変更情報のみをテンプレートAに反映してテンプレートAを更新する。換言すると、ワークフローBに対してユーザが変更を加えても、テンプレートAには反映されない。
【0033】
具体的な処理としては、更新部115は、ワークフロー識別情報に関連付けられた反映の可否情報を参照し、変更が加えられたワークフローが、反映の可否のどちらを示すかを判定すればよい。なお、特定の生成済みワークフローは、最も直近に作られたワークフローであってよい。
【0034】
これにより、テンプレートへの反映を許容するワークフローを定めておくことにより、管理者等が望んでいないワークフローの変更に基づいてテンプレートが更新されることを防止することができる。
【0035】
また、更新部115は、1つのテンプレートから複数のワークフローが生成された場合、2以上のワークフローそれぞれに対するジョブの変更情報に基づいてテンプレートを更新することを含んでもよい。例えば、更新部115は、テンプレートAからワークフローA乃至Eが生成された場合、ワークフローA乃至Eのうちの少なくとも2つ以上の組み合わせのワークフローそれぞれに対するジョブの変更情報を、テンプレートAに反映して更新する。なお、更新部115は、全てのワークフローそれぞれに対する変更をテンプレートに反映してもよい。
【0036】
具体的な処理としては、更新部115は、各変更情報に含まれるワークフロー識別情報から、元となるテンプレート識別情報を特定し、特定されたテンプレートにそれぞれの変更情報を反映すればよい。
【0037】
これにより、現場で作業する各ユーザに権限を持たせ、各ユーザがワークフローを変更した場合に、それぞれのワークフローの変更内容をテンプレートに反映させることができる。また、更新部115は、生成された各ワークフローに対する最新の変更と、既存のテンプレートとの差分のみを用いてテンプレートに反映して更新してもよい。
【0038】
《ジョブに関する制約》
更新部115は、ワークフローに対するジョブの変更情報と、テンプレートへの更新に制約を課す第1制約情報とに基づいて、ジョブの変更内容をテンプレートに反映しないことを含んでもよい。例えば、更新部115は、変更が許容されないジョブがある場合、ワークフローにおいてはそのジョブの移動等が許容されても、このジョブの変更情報をテンプレートに反映しない。また、変更が許容されないジョブは、ワークフローにおいても変更が許容されなくてもよい。
【0039】
ワークフローに対するジョブの変更内容は、例えば、ジョブの増減、ジョブ間の関係の変更、及びジョブ内のタスクの変更の少なくとも1つを含む。ジョブ間の関係の変更は、ジョブのフローの変更であり、ジョブの移動や、ジョブ間の順番の並び替えなどを含む。ジョブ内のタスクの変更は、ジョブについてタスクを追加したり、削除したりすることを含む。例えば、新入社員のPC設定というジョブがある場合、タスクとして、セキュリティ設定、通信設定などの複数のタスクが設定されてもよい。
【0040】
具体的には、第1制約情報は、テンプレート反映可否情報として、テンプレートへの反映を許可しないジョブや、ジョブ間のフローなどを管理者等に設定させて記憶装置130等に記憶される。更新部115は、変更情報に含まれる変更内容が第1制約情報に設定されているか否かの照合処理を行う。更新部115は、第1制約情報に含まれる変更情報についてはテンプレートに反映しない。
【0041】
これにより、例えば、削除できないジョブや、ジョブ間の順番が確定しているフローなどについてはワークフローの変更をテンプレートに反映させないようにすることが可能になる。なお、更新部115は、法的に必要なジョブの追加等の変更であれば、このジョブに対する変更は強制的にテンプレートに反映するようにしてもよい。
【0042】
《タイミングに関する制約》
更新部115は、ジョブの変更内容をテンプレートに反映するタイミングに制約を課してもよい。例えば、更新部115は、変更情報を取得するとすぐにテンプレートに反映するのではなく、反映のタイミングに関する所定の条件を満たすときに反映処理を実行する。
【0043】
所定の条件は、以下のいずれか又は複数の組み合わせを含む。
・ユーザにより明示的に反映指示がある場合
・変更情報を取得してから所定期間が経過した場合
・変更情報を取得してから所定期間、変更されたジョブに変更が加えられなかった場合
・変更されたジョブの作業が完了した場合
・変更されたジョブを含むワークフローの全てのジョブが完了した場合
・テンプレートの表示指示があった場合(最新のテンプレートを表示するため)
【0044】
これにより、テンプレートへの反映処理を煩雑にすることなく、適切なタイミングでワークフローの変更をテンプレートに反映することができる。また、テンプレートごとに更新の責任者が設定されてもよい。この場合、更新部115は、ジョブの変更がされる度に責任者に変更の可否を問合せ、責任者からの許可通知を受信した場合に変更を反映してもよい。
【0045】
また、上述したテンプレートへの反映に対する各制約条件がまとめて管理され、記憶部130にテンプレート反映制約情報として記憶されてもよい。更新部115は、変更情報を取得すると、テンプレート反映制約情報を参照して変更の可否を判定する。以上の制約処理により、必要以上の反映処理に制約を課すことができ、サーバ10の処理負荷を軽減することが可能になる。
【0046】
(テンプレートからワークフローへの反映)
また、実施形態に開示される技術では、テンプレートに反映された変更内容を、このテンプレートから既に生成された複数のワークフローに対して反映することも可能である。更新部115は、テンプレートから複数のワークフローが生成されている場合、更新後のテンプレートに基づいて、ジョブが変更されたワークフロー以外の他のワークフローを更新することを含んでもよい。
【0047】
例えば、更新部115は、テンプレートAから、ワークフローAとワークフローBとが生成されている場合、ワークフローAの変更情報をテンプレートAに反映してテンプレートAを更新する。次に、更新部115は、テンプレートAに対する変更内容を、ワークフローBに反映する。更新部115は、テンプレート識別情報を用いて、このテンプレート識別情報に関連付けられたワークフローBを特定することで、ワークフローBへの反映処理を実行することが可能になる。
【0048】
これにより、同一のテンプレートから生成されたワークフローに対して最新のテンプレートの内容を反映することが可能になる。また、他のワークフローへの反映について、何の制約もなく反映を許可することも可能であるが、管理者等により様々な制約が課されてもよい。以下、様々な制約について説明する。
【0049】
《ワークフローに関する制約》
更新部115は、テンプレートの反映をワークフローごとに任意に反映してもよい。例えば、更新部115は、ワークフローごとに関連付けられた、テンプレートの変更を反映するか否かを示すフラグ等に基づいて、反映の可否を判定すればよい。また、更新部115は、テンプレートが変更されると、同一のテンプレートから生成されたワークフロー全てに変更を反映してもよい。
【0050】
また、生成部114は、ワークフローの生成時に、ワークフロー識別情報とテンプレート識別情報との関連付けを行わないことで、テンプレートの変更が反映されないようにしてもよい。なお、ワークフロー識別情報とテンプレート識別情報との関連付けの解消は、任意のタイミングで行われてもよい。
【0051】
また、更新部115は、更新後のテンプレートからワークフローが生成された以降は、更新後のテンプレートがどのような変更を受けても、その変更をワークフローに反映しないようにしてもよい。
【0052】
また、更新部115は、ワークフローの進捗状況に応じて、テンプレートの変更を反映するワークフローを選定してもよい。例えば、更新部115は、ワークフロー内の各ジョブの進捗状況が所定割合(例えば70%)以上のワークフローについて、テンプレートの変更を反映しないようにする。また、更新部115は、ワークフロー内の所定のジョブが完了している場合は、そのワークフローについてはテンプレートの変更を反映しないようにしてもよい。
【0053】
これにより、あるワークフローが変更されたことを契機に、元が同一のテンプレートを介して、所定のワークフローに変更が反映されないようにすることが可能になる。例えばワークフロー内の全てのジョブが完了間近になって、ワークフローが変更されてしまうことなどを防止することができる。
【0054】
《ジョブに関する制約》
また、更新部115は、テンプレートに対するジョブに関する変更情報と、他のワークフローへの更新に制約を課す第2制約情報とに基づいて、ジョブの変更内容を他のワークフローに反映しないことを含んでもよい。例えば、テンプレート内のジョブやジョブ間の関係に対して、テンプレートへの変更は許容しても、ワークフローへの反映を不可とするワークフロー反映可否情報を第2制約情報として関連付けておく。更新部115は、テンプレートからワークフローに変更内容を反映する際に、このワークフロー反映可否情報を参照し、ワークフローに反映するか否かを判定してもよい。
【0055】
具体的には、更新部115は、テンプレートの変更情報が、第2制約情報に設定されているか否かの照合処理を行う。更新部115は、第2制約情報に含まれる変更情報についてはワークフローに反映しない。また、更新部115は、法的に必要なジョブの追加等の変更であれば、このジョブに対する変更は強制的に他のワークフローに反映するようにしてもよい。
【0056】
これにより、例えば、既に生成したワークフローに含まれるジョブやジョブ間の関係を変更してほしくない場合などに、第2制約情報を利用することで、テンプレートの変更をワークフローに反映させないようにすることが可能になる。
【0057】
《タイミングに関する制約》
更新部115は、ジョブの変更内容をワークフローに反映するタイミングに制約を課してもよい。例えば、更新部115は、テンプレートを変更するとすぐに他のワークフローに反映するのではなく、反映のタイミングに関する所定の条件を満たすときに反映処理を実行する。
【0058】
所定の条件は、以下のいずれか又は複数の組み合わせを含む。
・ユーザにより明示的に反映指示がある場合
・変更情報を取得してから所定期間が経過した場合、
・変更情報を取得してから所定期間、変更されたテンプレートに変更が加えられなかった場合
【0059】
これにより、ワークフローへの反映処理を煩雑にすることなく、適切なタイミングでテンプレートの変更をワークフローに反映することができる。また、ワークフローごとに更新の責任者が設定されてもよい。この場合、更新部115は、テンプレート内のジョブの変更がされる度に責任者に変更の可否を問合せ、責任者からの許可通知を受信した場合に変更を反映してもよい。
【0060】
また、上述した他のワークフローへの反映に対する各制約条件がまとめて管理され、記憶部130にワークフロー反映制約情報として記憶されてもよい。更新部115は、変更情報を取得すると、ワークフロー反映制約情報を参照して変更の可否を判定する。以上の制約処理により、必要以上の反映処理に制約を課すことができ、サーバ10の処理負荷を軽減することが可能になる。
【0061】
(進捗管理)
進捗管理部116は、生成された各ワークフローの進捗状況を管理する。例えば、ワークフロー内の各ジョブに対して、完了した場合にチェックするチェックボックスを用いることで、進捗管理部116は、各ジョブの進捗状況を管理することができる。
【0062】
また、進捗管理部116は、ジョブ内に1又は複数のタスクが存在する場合、全タスクが完了した場合に、そのジョブは完了したと判定し、完了ステータスにしてもよい。また、進捗管理部116は、ワークフロー内の全ジョブが完了すると、そのワークフローは完了したと判定し、完了ステータスにしてもよい。
【0063】
また、ワークフローのテンプレート、ワークフロー、ジョブ、タスク(「オブジェクト」ともいう。)にはそれぞれ責任者、担当者等(「責任者等」ともいう。)が設定されてもよい。この場合、進捗管理部116は、責任者等が完了を指示すると、該当するオブジェクトを完了ステータスに変更する。
【0064】
進捗管理部116は、外部サービスとAPI(Application Programming Interface)を用いて連携する場合、APIを介して取得される情報を用いて、ジョブやタスクのステータスを自動的に変更してもよい。例えば、ワークフロー内のジョブ又はタスクとして、外部サービスから電子署名された電子契約の締結がある場合、この電子契約のデータを外部サービスからサーバ10が受信した場合に、進捗管理部116は、このジョブ又はタスクの進捗状況を完了に変更することが可能である。
【0065】
(UI/UX)
生成部114は、UI/UX(User eXperience)を向上させるために、ワークフローの生成を直感的な操作で編集又は更新することを可能にする。例えば、生成部114は、ジョブを1つのボックスで表現し、ユーザ操作に基づきボックス間を線でつなぐことで、ジョブ間のフローを構築してもよい。また、生成部114は、ボックスに対してドラッグアンドドロップなどの操作で簡単にワークフローの順番を変更できるようにする。
【0066】
また、ボックスが線で連結されたタイミングで、ユーザ端末20からサーバ10に変更指示が送信されるようにし、生成部114は、変更指示に基づいてワークフローを生成する。また、同一のテンプレートに基づくワークフローがリアルタイムに編集されている場合、更新部115は、他のワークフローを編集しているユーザ端末20へ、変更情報をリアルタイムに送信してもよい。
【0067】
また、更新部115は、ユーザ端末20で受信した差分の変更部分のみをテンプレートに反映させてもよい。また、更新部115は、テンプレート内で、変更されたジョブ等を強調して表示するようにしてもよく、変更された日時を表示してもよい。
【0068】
また、生成部114は、テンプレートに基づいてワークフローが生成された場合、テンプレートとワークフローとが関連付けられた状態か否かをユーザ側に明示するようにしてもよい。これにより、ユーザは、現在編集中のワークフローの変更が、テンプレートに反映されるか否かを把握することが可能になる。
【0069】
(その他の機能)
更新部115は、テンプレートに対する更新に対してバージョン番号を付与するなどして、テンプレートの変更履歴を保存してもよい。これにより、管理者等は、テンプレートの変更履歴を参照することができ、各ワークフローの比較などを行うことができる。
【0070】
サービス制御部112は、ワークフロー内のジョブにチャット機能を設けてもよい。サービス制御部112は、チャット機能によりコメントされた内容を分析してもよく、例えば、ジョブごとにネガティブコメント、ポジティブコメント等を分析してもよい。また、サービス制御部112は、ジョブごとにキーワード検出をしてキーワードの頻度を分析してもよい。
【0071】
また、サービス制御部112は、テンプレートをリコメンドするリコメンド機能を有してもよい。例えば、企業Aは、テンプレートAのワークフローに対してジョブを追加したりフローを変更したりせずに、そのままワークフローAを生成し、業務を遂行しているとする。この場合、例えば、サービス制御部112は、所定数以上の他の企業がテンプレートAにジョブを追加したワークフローBを利用している場合、このワークフローBを企業Aにリコメンドしてもよく、企業AにワークフローAとワークフローBとの差分をワークフローAに追加することをリコメンドしてもよい。
【0072】
また、サービス制御部112は、更新部115によりテンプレートが複数回更新され、その変更履歴を保存している場合、ジョブ間のフローの前後関係を示す情報や、チャット機能により抽出されたコメント等に基づいて、いずれのテンプレートが適切かをリコメンドしてもよい。例えば、変更履歴に保存された各テンプレートの中で、ポジティブコメントが一番多いテンプレートをユーザにリコメンドしてもよい。
【0073】
また、サービス制御部112は、各テンプレートに対して、チャット機能のコメントやジョブ数、タスク数、進捗状況などの変数を用いてスコアリングを行うスコアリングモデルを利用し、スコアが一番高いテンプレートをリコメンドしてもよい。スコアリングモデルは機械学習により学習されてもよい。
【0074】
<ユーザ端末の構成>
図3は、開示の一実施形態に係るユーザ端末20の一例を示す図である。ユーザ端末20は、1つ又は複数のプロセッサ(例、CPU)210、1つ又は複数のネットワーク通信インタフェース220、記憶装置(記憶部)230、ユーザインタフェース250、及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数の通信バス270を含む。
【0075】
ユーザインタフェース250は、ディスプレイ251、及び入力装置(キーボード及び/又はマウス、又は他の何らかのポインティングデバイス等)252を含む。
【0076】
記憶装置230は、例えば、DRAM、SRAM、又は他のランダムアクセス固体記憶装置などの高速ランダムアクセスメモリ(主記憶装置)である。また、記憶装置230は、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリ(補助記憶装置)でもよい。また、記憶装置230は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体でもよい。また、記憶装置230は、主記憶装置(メモリ)又は補助記憶装置(ストレージ)のいずれかでもよく、あるいは両方を備えてもよい。
【0077】
記憶装置230は、情報処理システム1により用いられるデータやプログラムを記憶する。例えば、記憶装置230は、情報処理システム1におけるユーザ端末20用のアプリケーションプログラムなどを記憶する。
【0078】
プロセッサ210は、記憶装置230に記憶されるプログラムを実行することで、クライアントアプリケーション212を構成する。クライアントアプリケーション212は、例えば、ウェブブラウザやメールアプリケーションなどを含む。ウェブブラウザは、サーバ10により提供されるウェブページの閲覧を可能にする。また、インストールされたユーザ端末用のアプリケーションの実行により、上述したサービスが提供されるウェブページの閲覧が可能になる。クライアントアプリケーション212は、サービス提供を受けるため、通信制御部213、表示制御部214、変更部215、作業部216を有する。
【0079】
通信制御部213は、サーバ10から送信されたワークフロー生成画面(編集画面)、作業画面などの各画面情報を取得する。また、通信制御部213は、サーバ10に対し、各画面を利用して生成、変更されたワークフローのジョブに関する変更情報や、所定のリクエスト、ワークフローの各ジョブに関する作業情報などを出力する。
【0080】
表示制御部214は、通信制御部213により取得された各画面情報に基づいて、ワークフロー編集画面(例えば
図7、
図8、
図9)、作業画面(例えば
図10)をディスプレイ251に表示するよう制御する。例えば、表示制御部214は、複数のジョブを含むワークフローのテンプレートから生成され、業務に利用されるワークフローを画面に表示制御する。各画面については後述する。
【0081】
変更部215は、画面に表示されたワークフローに含まれるジョブを変更する。例えば、変更部215は、画面に表示されたジョブを示すボックスに対するユーザ操作に基づいて、このユーザ操作に対応するジョブの変更を受け付ける。
【0082】
通信制御部213は、変更部215が受け付けた、ワークフローのジョブに関する変更内容を示す変更情報を、ネットワーク通信インタフェース220を介して、テンプレートを管理するサーバ10に送信する。変更情報は、例えば、ワークフローの生成元となるテンプレートに反映させるための情報である。
【0083】
これにより、ユーザ端末20は、ワークフローのジョブに関する変更情報をサーバ10側に送信することで、ワークフローに関連付けられたテンプレートを管理するサーバ10に反映指示を送信することができる。
【0084】
また、ジョブに関する変更情報は、ワークフロー内のジョブの増減、及び、ジョブの移動とジョブ間のフローの生成とを含むジョブ間の関係の変更の少なくとも1つを含む。
【0085】
また、変更部215は、テンプレートに反映される変更と、テンプレートに反映されない変更とを識別可能にしてジョブの変更を行うことを含んでもよい。例えば、変更部215は、テンプレートへの反映を指示するUI部品を用いて、テンプレートに反映される変更と、テンプレートに反映されない変更とを識別できるようにしてもよい。また、変更部215は、変更画面の背景色又はパターンなどを利用して、テンプレートに反映される編集状態か、テンプレートに反映されない編集状態かを識別又は判別できるようにしてもよい。
【0086】
作業部216は、生成されたワークフローの各ジョブの作業を行う。例えば、作業部216は、ユーザによりジョブの完了が指示された場合、ジョブ完了通知をサーバ10に送信するよう通信制御部213に指示する。通信制御部213は、作業部216から指示を受けると、ジョブを識別する情報とともに作業完了通知をサーバ10に送信する。
【0087】
<各データの例>
次に、サーバ10の記憶装置130に格納される各データの例について
図4及び
図5を用いて説明する。
図4は、一実施形態に係るテンプレート情報の一例を示す図である。
図5は、一実施形態に係るワークフロー情報の一例を示す図である。
【0088】
図4に示すテンプレート情報には、テンプレートID(以下、「テンプレID」とも称す。)に関連付けて、テンプレート内容情報等の各情報が含まれる。「テンプレID」は、テンプレートを識別する情報を含む。また、テンプレート情報には、テンプレートへの反映の可否に関する第1制約情報が含まれてもよい。
【0089】
「テンプレート内容情報」は、テンプレートを示すワークフローの情報を含み、テンプレートが更新された場合はバージョン情報により変更履歴を含んでもよい。例えば、テンプレIDが「T001」は、テンプレート内容情報として、バージョン1「V1」の「J1→J2,J3→J5→J6」と、バージョン2「V2」の「J2→J1,J3,J4→J6→J5」とを含む。V2のテンプレートは、V1のテンプレートにより生成されたワークフローが変更されることで、その変更が反映されたワークフローを示す。
【0090】
図5に示すワークフロー情報には、ワークフローIDに関連付けて、テンプレID、ワークフロー内容情報等の各情報が含まれる。「ワークフローID」は、業務用に生成されたワークフローを識別する情報を含む。
【0091】
「テンプレID」は、ワークフローの生成元となるテンプレートのテンプレIDを含む。これにより、ワークフローとテンプレートとが関連付けられ(リンクされ)、ワークフローから、生成元のテンプレートを特定することが可能になる。なお、ワークフローとテンプレートとの関連付けは、解消することが可能である。
【0092】
「ワークフロー内容情報」は、例えば、テンプレートから生成されたワークフローの情報を含む。また、ワークフロー情報には、テンプレートの変更をワークフローに反映するかの可否に関する第2制約情報が含まれてもよい。
【0093】
図5に示す例では、ワークフローID「W001」のワークフローは、テンプレID「T001」から生成され、ワークフローとして「J1→J2,J3→J5→J6」が登録される。つまり、ワークフローID「W001」は、テンプレID「001」のバージョン「V1」のワークフローがそのまま利用されている。
【0094】
また、ワークフローID「W002」のワークフローは、テンプレID「T001」から生成され、ワークフローとして「J2→J1,J3,J4→J6→J5」が登録される。このワークフローの変更により、テンプレID「001」のテンプレートが更新され、バージョン「V2」として、ワークフローID「W002」のワークフローがテンプレートとして登録される。
【0095】
<動作説明>
次に、情報処理システム1の各動作について説明する。
図6は、一実施形態に係るワークフローの反映に関する処理の一例を示すシーケンス図である。
図6に示す例では、ユーザ端末20とサーバ10とが連携して処理を実行する。なお、
図6に示す例は、ユーザAのユーザ端末20A及びユーザBのユーザ端末20Bそれぞれが、1つのテンプレートを用いて異なるワークフローを生成する例である。
【0096】
ステップS102において、ユーザAのユーザ端末20Aは、開示のサービスにアクセスし、ユーザAの操作に基づいてワークフローの生成をサーバ10に指示する。このとき、サービスにおいて提供される各テンプレートから1つのテンプレートがユーザAにより選択されると、ユーザ端末20Aの通信制御部213は、選択されたテンプレートのテンプレIDと、ワークフロー生成リクエストとをサーバ10に送信する。
【0097】
ステップS104において、サーバ10の取得部113は、ユーザ端末20AからテンプレIDとワークフロー生成リクエストとを取得する。また、取得部113は、テンプレIDを用いて、記憶装置130に記憶されたテンプレート情報を参照して、テンプレート内容情報が示すテンプレートのワークフローを取得する。
【0098】
ステップS106において、サーバ10の出力部117は、取得部113により取得されたテンプレートのワークフローをユーザ端末20Aに送信する。
【0099】
ステップS108において、ユーザ端末20Aの通信制御部213は、テンプレートのワークフローを取得し、表示制御部214は、このワークフローを画面に表示するよう制御する。画面に表示されたワークフローに含まれるジョブに対してユーザ操作が行われると、変更部215は、ユーザ操作に基づいて、ジョブに関する変更を受け付ける。
【0100】
ステップS110において、ユーザ端末20Aの通信制御部213は、変更部215により受け付けられたジョブに関する変更内容を示す変更情報をサーバ10に送信する。
【0101】
ステップS112において、サーバ10の取得部113は、変更情報を取得し、更新部115は、取得された変更情報に基づいて、テンプレートを更新する。
【0102】
ステップS114において、ユーザが変更後のワークフロー(第1ワークフロー)に対して保存操作を行うと、ユーザ端末20Aの通信制御部213は、第1ワークフローの保存をサーバ10に指示する。例えば、通信制御部213は、第1ワークフローの保存命令をサーバ10に送信する。
【0103】
ステップS116において、サーバ10の取得部113は、第1ワークフローに対する保存指示を取得すると、生成部114は、この第1ワークフローに識別情報(ワークフローID)を付与し、付与したワークフローIDに第1ワークフローを関連付けて、記憶装置130に記憶されるワークフロー情報に登録する。
【0104】
これにより、ユーザ端末20Aにより変更されたワークフローの変更内容が、このワークフローの元となるテンプレートに反映される。
【0105】
ステップS202において、ユーザBのユーザ端末20Bは、開示のサービスにアクセスし、ユーザBの操作に基づいてワークフローの生成をサーバ10に指示する。このとき、サービスにおいて提供される各テンプレートから1つのテンプレートがユーザBにより選択されると、ユーザ端末20Bの通信制御部213は、選択されたテンプレートのテンプレIDと、ワークフロー生成リクエストとをサーバ10に送信する。
図6に示す例において、選択されたテンプレートは、ステップS102で選択されたテンプレートと同じであるとする。
【0106】
ステップS204において、サーバ10の取得部113は、ユーザ端末20BからテンプレIDとワークフロー生成リクエストとを取得する。また、取得部113は、テンプレIDを用いて、記憶装置130に記憶されたテンプレート情報を参照して、テンプレート内容情報が示すテンプレートのワークフロー(更新後の第1ワークフロー)を取得する。
【0107】
ステップS206において、サーバ10の出力部117は、取得部113により取得されたテンプレートのワークフロー(第1ワークフロー)をユーザ端末20Bに送信する。
【0108】
ステップS208において、ユーザ端末20Bの通信制御部213は、テンプレートのワークフロー(第1ワークフロー)を取得し、表示制御部214は、この第1ワークフローを画面に表示するよう制御する。画面に表示された第1ワークフローに含まれるジョブに対してユーザ操作が行われると、変更部215は、ユーザ操作に基づいて、ジョブに関する変更を受け付ける。
【0109】
ステップS210において、ユーザ端末20Bの通信制御部213は、変更部215により受け付けられたジョブに関する変更内容を示す変更情報をサーバ10に送信する。
【0110】
ステップS212において、サーバ10の取得部113は、変更情報を取得し、更新部115は、取得された変更情報に基づいて、テンプレート(第1テンプレート)を更新する。
【0111】
ステップS214において、サーバ10の更新部115は、テンプレートへの変更内容を、ユーザ端末20Aが生成した第1ワークフローに反映して更新する。
【0112】
ステップS216において、ユーザが変更後のワークフロー(第2ワークフロー)に対して保存操作を行うと、ユーザ端末20Bの通信制御部213は、第2ワークフローの保存をサーバ10に指示する。例えば、通信制御部213は、第2ワークフローの保存命令をサーバ10に送信する。
【0113】
ステップS218において、サーバ10の取得部113は、第2ワークフローに対する保存指示を取得すると、生成部114は、この第2ワークフローに識別情報(ワークフローID)を付与し、付与したワークフローIDに第2ワークフローを関連付けて、記憶装置130に記憶されるワークフロー情報に登録する。
【0114】
これにより、各ユーザ端末20でのワークフローの変更がテンプレートに反映される。また、テンプレートへ反映された内容を、既に生成された第1ワークフローにも反映することが可能である。なお、上述したように、ワークフローからテンプレートへの反映と、テンプレートからワークフローへの反映には、それぞれ制約が課されてもよい。
【0115】
<画面例>
次に、情報処理システム1において表示される各画面の一例について説明する。
図7は、一実施形態に係るテンプレートへの反映が行われる画面編集の遷移例を示す図である。
図8は、一実施形態に係るテンプレートへの反映が行われない画面編集の遷移例を示す図である。
図9は、一実施形態に係るタスク生成画面の一例を示す図である。
図10は、一実施形態に係るチャット機能画面の一例を示す図である。
【0116】
図7は、例えば、ユーザ端末20の表示制御部214により表示されるワークフロー編集画面の遷移例を示す。ユーザは、
図7に示す画面D02に表示されるワークフローを直感的に操作することで、ワークフロー内のジョブに変更を加えることができる。
【0117】
例えば、ユーザは、編集ボタンB02を押下すると、編集ボタンB02がアクティブになり、テンプレートに反映をするか否かを決定するチェックボックスB04が表示される。チェックボックスB04は、例えばデフォルトでチェックが入っており、変更内容がテンプレートに反映される。
【0118】
図7に示す例では、ユーザは、画面D02内のジョブ1のボックスJ01をドラッグするなどして位置を移動させる。また、ユーザは、その他にも、ジョブ2の位置をワークフローの先頭に移動させ、ジョブ4を新規に生成し、ジョブ1及び3と並列に並ばせ、ジョブ5とジョブ6とを入れ替える。ユーザ端末20の変更部215は、これらのジョブの変更を受け付けて、画面D02に表示されるワークフローを画面D04に表示されるワークフローに変更する。
【0119】
図7に示す画面D02内のワークフローは、
図4に示すテンプレID「T001」から生成されるワークフローID「W001」のワークフローを示す。また、
図7に示す画面D04内のワークフローは、
図4に示すテンプレID「T001」から生成されるワークフローID「W002」のワークフローを示す。サーバ10の更新部115は、このワークフローの変更情報を取得することで、テンプレID「T001」のテンプレートに反映し、反映後のテンプレートにバージョン「V2」を付与する。
【0120】
なお、チェックボックスB04にチェックが入ったまま、ユーザが編集画面を用いてワークフローを編集すると、ジョブを増減したとき、又は、ジョブ間の並びの関係を変更したときに、変更内容を示す変更情報がユーザ端末20からサーバ10に送信されてもよい。
【0121】
また、編集ボタンB02がアクティブであり、チェックボックスB04のチェックが入った状態では、画面に表示されるワークフローに含まれるジョブの変更は、テンプレートに反映される。この場合、変更部215は、この反映状態をユーザに知らせるため、画面の背景C02を特定の第1色に変更する。また、変更部215は、反映状態について、画面の背景C02を特定の第1パターンに変更してもよい。
【0122】
図8は、例えば、ユーザ端末20の表示制御部214により表示されるワークフロー編集画面の別の遷移例を示す。ユーザは、
図7と同様に、
図8に示す画面D06に表示されるワークフローを直感的に操作することで、ワークフロー内のジョブに変更を加えることができる。
【0123】
図8が
図7と異なる点は、ユーザが、編集ボタンB02を押下した後、チェックボックスB04のチェックを外すことである。この場合、ワークフローの変更内容がテンプレートに反映されない非反映状態になる。
【0124】
図8に示す例において、例えば、ユーザは、画面D06内のジョブ7のボックスJ07を新たに生成したとする。次に、ユーザはこのワークフローを保存することを指示したとすると、画面D08に示すワークフローが表示される。このとき、新たに生成されたジョブ7は、非反映状態において変更されたものであるため、テンプレートには反映されない。
【0125】
また、画面D08において、ジョブ7に関し、テンプレートに反映されないことを示すアイコンP01がジョブ7のボックスJ07に関連付けて表示されてもよい。アイコンP01に関する情報はサーバ10に送信され、サーバ10側において、テンプレートに反映されていないジョブJ07とアイコンP01に関する情報とが関連付けられてワークフロー情報に保存される。
【0126】
また、編集ボタンB02がアクティブであり、チェックボックスB04のチェックが入っていない状態では、画面に表示されるワークフローに含まれるジョブの変更は、テンプレートに反映されない。この場合、変更部215は、この非反映状態をユーザに知らせるため、画面の背景C04を特定の第2色に変更する。また、変更部215は、非反映状態について、画面の背景C04を特定の第2パターンに変更してもよい。第2色は第1色とは異なり、第2パターンは第1パターンとは異なる。
【0127】
図9は、例えば、ジョブ1に対してタスクを生成する画面例を示す。ユーザがジョブ1を指定すると、変更部215は、ジョブ1に関するウィンドウW01を表示させ、ジョブ1に関する情報をユーザに設定等させる。このとき、ユーザは、ジョブ1に含まれるタスクを設定することができる。
【0128】
図9に示す例において、ユーザは、タスク追加ボタン(ADD TASK)B12を押下すると、タスクを入力する欄T10が生成され、ユーザはタスク名を登録することが可能になる。ユーザは、タスク追加ボタンB12を押下することで、ジョブ1に複数のタスクを追加することができる。
【0129】
図10は、例えば、ワークフローのジョブ1に関するチャット機能の画面例を示す。
図10に示す例では、ユーザは、ワークフロー内のジョブ1の内容をAAAさんに説明してもらうため、チャット機能H02を利用して、「説明お願いします」と入力し、送信ボタンを押す。これにより、入力されたコメント等は、AAAさんに通知される。
【0130】
図10に示すチャット機能は、サーバ10によりそのコメント等が分析され、ワークフローのリコメンド等に用いられてもよい。
【0131】
以上、実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施形態のみに限定する趣旨ではなく、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。また、サーバ側、ユーザ端末側の各処理を適宜統合したり、他方の装置に処理を移行したりしてもよい。
【符号の説明】
【0132】
1…情報処理システム、10…サーバ、20…ユーザ端末、110…プロセッサ、130…記憶装置、112…サービス制御部、113…取得部、114…生成部、115…更新部、116…進捗管理部、117…出力部、210…プロセッサ、212…クライアントアプリケーション、213…通信制御部、214…表示制御部、215…変更部、216…作業部、230…記憶装置