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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132692
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20230914BHJP
【FI】
G06Q50/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038170
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】398067904
【氏名又は名称】株式会社ビーマップ
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】杉野文則
(72)【発明者】
【氏名】横山和佳
(72)【発明者】
【氏名】藤原丈也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC27
(57)【要約】      (修正有)
【課題】街を散策している最中の利用客が不動産物件の内覧を可能とする情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理システム100において、通信網6を経由してネットワークに接続された利用客に係る携帯情報端末4より受信した端末ID及び位置情報と、不動産管理会社に係る情報処理システム5より取得した内覧可能物件情報と、希望物件情報とより、位置情報と、希望物件情報と、位置情報から定められた距離の範囲内にある内覧可能物件情報と、が一致した場合に、利用客に係る携帯情報端末4に、内覧可能物件情報の内見をレコメンドする情報をプッシュ配信し、受動的に知らせる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運用サーバと、利用客に係る携帯情報端末と、不動産管理会社に係る情報処理システムとがネットワークを介して接続され、利用客が住みたい街の散策中に、希望条件に見合う不動産物件案内をプッシュ配信するためのシステムであって、
前記運用サーバは、
前記利用客に係る携帯情報端末より取得した端末IDと、本人確認情報と、住みたい街情報と、建物の条件情報と、を紐づけた希望物件情報を記録部に保存する機能と、
前記利用客に係る携帯情報端末から位置情報を取得し、該位置情報及び前記端末IDと、前記不動産管理会社に係る情報処理システムより取得した内覧可能物件情報と希望物件情報とを比較する機能と、
前記内覧可能物件情報が、前記位置情報から定められた距離の範囲内にあり、前記希望物件情報に一致した場合に、前記端末IDの利用客に係る携帯情報端末に、前記内覧可能物件情報の内見をレコメンドする情報を、プッシュ配信し受動的に知らせる機能と
を備えることを特徴とする不動産の受動的物件探索情報処理システム。
【請求項2】
前記運用サーバは、前記利用客に係る携帯情報端末より内見を希望するという情報を受信すると、前記端末IDと前記本人確認情報とを確認し、
前記希望物件情報に合致する建物に備えられたスマートロック装置を開錠するために必要なワンタイムパスワードを前記利用客に係る携帯情報端末に発行することを特徴とする請求項1に記載の不動産の受動的物件探索情報処理システム。
【請求項3】
前記スマートロック装置は、定められた距離の範囲内に前記利用客に係る携帯情報端末があることを、前記端末IDおよび/または前記ワンタイムパスワードと、前記位置情報とより照合確認し、前記スマートロック装置を開錠作動させることを特徴とする請求項2に記載の不動産の受動的物件探索情報処理システム。
【請求項4】
前記スマートロック装置は、定められた時間が経過したときに、開錠作動させないことを特徴とする請求項3に記載の不動産の受動的物件探索情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不動産の受動的物件探索に係る情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現状の不動産物件探しは、本人がインターネットを使用して能動的な不動産アプリによる検索を行ったり、居住を希望する地域の不動産の管理会社を訪問したりして、希望物件の紹介を受けて、内見予約をするのが一般的である。
【0003】
実際に住んでみたい街で、希望に合う物件を探すのは、なかなか容易ではない。単に間取りや、金額だけで判断することはあまりなく、実際に現地を訪れてみて、周囲の環境や雰囲気、お店の充実度などを含め総合的に判断する必要がある。
【0004】
また、内見には、希望物件を管理する不動産の管理会社の担当者または大家が付き添うため、後日の物件訪問となるケースも多く、実際に物件を決めるまでには、労力及び時間を費やすことにならざるを得ないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-219727
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された技術思想では、所定の不動産物件を検索し、携帯端末の表示画面に対して検索結果が表示される。次に、検索結果に基づき不動産の内見リストが生成され、携帯端末の表示画面に表示され、携帯端末の表示画面に一般向け不動産情報ページが表示される。次に、携帯端末のカメラを用いて、個人向け情報が内見リストの不動産に関連付けられた後、個人向け情報と関連付けられた不動産物件の不動産情報をレイアウトして、個人向けリーフレットを生成する。
【0007】
しかし、特許文献1に記載された技術思想では、実際に現地を訪れてみて、周囲の環境や雰囲気、お店の充実度などを含め総合的に判断する必要があり、所望の不動産物件にたどり着くには時間と労力を要することに変わりはない。
【0008】
本発明は、こうした従来技術上の問題点に鑑み、「このあたりに住みたい」という願望の街を散策している最中や、遊びや仕事などの移動のあいだに通った街の環境や雰囲気から「このあたりに住んでみたい」と感じた瞬間に、不動産物件の内覧を可能とする情報処理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る不動産の受動的物件探索情報処理システムは、運用サーバと、利用客に係る携帯情報端末と、不動産管理会社に係る情報処理システムとがネットワークを介して接続され、利用客が住みたい街の散策中に、希望条件に見合う不動産物件案内をプッシュ配信するためのシステムであって、前記運用サーバは、前記利用客に係る携帯情報端末より取得した端末IDと、本人確認情報と、住みたい街情報と、建物の条件情報と、を紐づけた希望物件情報を記録部に保存する機能と、前記利用客に係る携帯情報端末から位置情報を取得し、該位置情報及び前記端末IDと、前記不動産管理会社に係る情報処理システムより取得した内覧可能物件情報と希望物件情報とを比較する機能と、前記内覧可能物件情報が、前記位置情報から定められた距離の範囲内にあり、前記希望物件情報に一致した場合に、前記端末IDの利用客に係る携帯情報端末に、前記内覧可能物件情報の内見をレコメンドする情報を、プッシュ配信し受動的に知らせる機能とを備える。
【0010】
これにより、利用者側の視点からすれば、リアルタイムで、今いる場所にプッシュ配信で空室情報の通知がくるため、建物の外観や雰囲気をその場ですぐに確認することができる。また、従来は建物の外観や雰囲気が良い物件を見つけても、インターネットを使用して不動産アプリによる検索や、地域の不動産の管理会社を訪問し、大家の予定を調整して内覧をしなければならず、内見を諦めてしまうケースが多くあったところ、本態様によれば、プッシュ配信で空室情報が分かり、不動産の管理会社の訪問、大家の予定の調整が不要で、内見予約までをアプリ内で一気に行えるため、内見をするための手間を十分に省くことができる。
【0011】
本発明の第1の態様において、運用サーバは、利用客に係る携帯情報端末より住みたくないエリア情報を取得し、住みたくないエリア以外の街を住みたい街情報に置き換え、本人確認情報と、建物の条件情報とを紐づけた希望物件情報を記録部に保存してもよい。
【0012】
本発明の第1の態様において、利用客に係る携帯情報端末より取得した検索履歴情報、移動履歴情報より内覧可能物件情報の内見をレコメンドする機能を備えていてもよい。
【0013】
本発明の第1の態様において、本人確認情報は、名前・電話番号・住所など個人の特定ができる情報、あるいは免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類の写真データを使い、安全性の確保を特徴としても良い。
【0014】
本発明の第1の態様において、建物の条件情報は、最寄り駅からの距離、建物の広さ、間取り、階数、築年数、建物種別、構造、方位、室内設備、建物設備、セキュリティ、家賃、敷金、礼金、仲介手数料を少なくとも一つを含む情報を特徴としてもよい。
【0015】
本発明の第2の態様に係る不動産の受動的物件探索情報処理システムとして、第1の態様において、前記運用サーバは、前記利用客に係る携帯情報端末より内見を希望するという情報を受信すると、前記端末IDと前記本人確認情報とを確認し、前記希望物件情報に合致する建物に備えられたスマートロック装置を開錠するために必要なワンタイムパスワードを前記利用客に係る携帯情報端末に発行するようにしてもよい。
【0016】
本発明の第3の態様に係る不動産の受動的物件探索情報処理システムとして、第2の態様において、前記スマートロック装置は、定められた距離の範囲内に前記利用客に係る携帯情報端末があることを、前記端末IDおよび/または前記ワンタイムパスワードと、前記位置情報とより照合確認し、前記スマートロック装置を開錠作動させるようにしてもよい。
【0017】
本発明の第4の態様に係る不動産の受動的物件探索情報処理システムとして、本発明の第3の態様において、前記スマートロック装置は、定められた時間が経過したときに、開錠作動させないようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の各態様によれば、利用者的には、「このあたりに住みたい」という願望の街を散策している最中に、今いる場所から近辺の内覧可能な物件情報を受けとる受動的な物件探しを支援し、大家、管理会社の立合いなしに内見が可能となり、システム的には、不動産管理サーバに本人確認情報を登録することにより、安全性の確保を可能とする基盤を与える情報システムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に至るコンセプトに基づく本発明の一実施形態に係る情報システムの構成を説明するための概略図である。
図2】本発明に至るコンセプトに基づく本発明の一実施形態に係る情報システム100を構成する運用サーバ2の概略構成を示すブロック図である。
図3】本発明に至るコンセプトに基づく本発明の一実施形態に係る情報システム100を構成するスマートロック装置3の概略構成を示すブロック図である。
図4】本発明に至るコンセプトに基づく本発明の一実施形態に係る情報システム100を構成する、利用客に係る情報処理端末4の概略構成を示すブロック図である。
図5】本発明に至るコンセプトに基づく本発明の一実施形態に係る情報システム100を構成する、不動産管理会社に係る情報処理システム5の概略構成を示すブロック図である。
図6】本発明に至るコンセプトに基づく、本発明の一実施形態に係る情報処理システム100の動作シーケンスを示すシーケンス図である。
図7】本発明に至るコンセプト及び/もしくは本発明の一実施形態を説明するための利用客に係る情報処理端末の内覧可能部物件の概略表示図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明を実施する為の形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0021】
本発明の一実施形態は(一部、本願に至るコンセプトについての説明を含む)図1図6に示される。以下に、図1から図7を使用して、本発明の一実施形態について説明する。まず、本発明の一実施形態の構成について説明する。
【0022】
図1は、本発明に至るコンセプトに基づく本発明の一実施形態に係る情報システムの構成を説明するための概略図である。
【0023】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る情報システム100は、運用サーバ2と、スマートロック装置3と、利用客に係る情報処理端末4と、管理会社に係る情報処理システム5が、通信網6を経由して、相互に接続されて構成されている。
【0024】
図2は、本発明に至るコンセプトに基づく本発明の一実施形態に係る情報システム100を構成する運用サーバ2の概略構成を示すブロック図である。図2に示すように、運用サーバ2は、送受信部2A、記録部2B、制御部2C、入出力部2D、表示部2Eを備えている。ハードウエアとしては、好適には、通信モジュール、ハードディスク、メモリー、CPUを内蔵したサーバと、キーボード、ディスプレイを備えて構成される(図示しない)。運用サーバ2は、制御部2Cにより記録部2Bに格納されたプログラムを実行することでデータの処理を行い、記録部2Bは管理および情報処理のためのプロクラム、当該プログラムにより処理された各種情報等のデータを記憶する。入出力部2Dは、プリンタ、スピーカ等に対応した、必要に応じて各種情報を出力する出力機能と、キーボード、バーコードリーダ、スキャナ等に対応した、必要に応じて情報の入力を行う機能を有する。表示部2Eは、ディスプレイ等に対応した、情報のディスプレイ等へ出力する機能を担う。運用サーバ2は最終的に本発明の態様に係る情報処理システムとしての機能遂行が可能であれば、単独でも複数のシステムから構成されていてもかまわない。運用サーバ2を構成する送受信部2A、記録部2B、制御部2C、入出力部2D、表示部2Eは、上述したハードウエア資源を記録部2Bに格納されたソフトウェアに基づいて動作する制御部2Cが動作させることで上述した各機能を運用サーバ2に果たさせることで所望の情報処理を達成することができる。
【0025】
図3は、本発明に至るコンセプトに基づく本発明の一実施形態に係る情報システム100を構成するスマートロック装置3の概略構成を示すブロック図である。図3に示すように、スマートロック装置3は、送受信部3A、記録部3B、制御部3C、入出力部3D、表示部3Eを備えている。ハードウエアとしては、好適には、メモリー、CPUを内蔵したICチップ、アンテナ、ディスプレイ、入力用キーを備えて構成される(図示しない)。スマートロック装置3は、制御部3Cにより記録部3Bに格納されたスマートロックに関連するプログラムを実行することでデータの処理を行い、記録部3Bはスマートロックに係る管理および情報処理のためのプロクラム、当該プログラムにより処理された各種情報等のデータを記憶する。入出力部3Dは、プリンタ、スピーカ等に対応した、必要に応じて各種情報を出力する出力機能と、キーボード、バーコードリーダ、スキャナ等に対応した、必要に応じて情報の入力を行う機能を有する。表示部3Eは、ディスプレイ等に対応した、スマートロック機能に係る情報のディスプレイ等へ出力する機能を担う。スマートロック装置3は最終的に本発明の態様に係る情報処理システムとしての機能遂行が可能であれば、単独でも複数のシステムから構成されていてもかまわない。スマートロック装置3を構成する送受信部3A、記録部3B、制御部3C、入出力部3D、表示部3Eは、上述したハードウエア資源を記録部3Bに格納されたソフトウェアに基づいて動作する制御部3Cが動作させることで上述した各機能をスマートロック装置3に果たさせることで所望の情報処理を達成することができる。
【0026】
図4は、本発明に至るコンセプトに基づく本発明の一実施形態に係る情報システム100を構成する、利用客に係る情報処理端末(以下、「利用客情報処理端末」ともいう。)4の概略構成を示すブロック図である。利用客情報処理端末4は、携帯情報端末であることが好ましい。図4に示すように、利用客情報処理端末4は、送受信部4A、記録部4B、制御部4C、入出力部4D、表示部4E、位置センサー部4Fを備えている。ハードウエアとしては、好適には、通信モジュール、タッチパネル付きディスプレイ、メモリー、CPUを内蔵したスマートフォン、センサーデバイスを備えて構成される(図示しない)。利用客情報処理端末4は、制御部4Cにより記録部4Bに格納された利用客の情報処理に関連するプログラムを実行することでデータの処理を行い、記録部4Bは利用客の情報処理に係る管理および情報処理のためのプロクラム、当該プログラムにより処理された各種情報等のデータを記憶する。入出力部4Dは、プリンタ、スピーカ等に対応した、必要に応じて各種情報を出力する出力機能と、キーボード、バーコードリーダ、スキャナ等に対応した、必要に応じて情報の入力を行う機能を有する。表示部4Eは、ディスプレイ等に対応した、利用客情報処理機能に係る情報のディスプレイ等へ出力する機能を担う。位置センサー部4Fは、対象物の動きを検知して、処理、伝送または制御に適した信号に変換する機能を担う。利用客情報処理端末4は最終的に本発明の態様に係る情報処理システムとしての機能遂行が可能であれば、単独でも複数のシステムから構成されていてもかまわない。利用客情報処理端末4を構成する送受信部4A、記録部4B、制御部4C、入出力部4D、表示部4E、位置センサー部4Fは、上述したハードウエア資源を記録部4Bに格納されたソフトウェアに基づいて動作する制御部4Cが動作させることで上述した各機能を利用客情報処理端末4に果たさせることで所望の情報処理を達成することができる。
【0027】
図5は、本発明に至るコンセプトに基づく本発明の一実施形態に係る情報システム100を構成する、不動産管理会社に係る情報処理システム(以下、「不動産管理情報処理システム」ともいう。)5の概略構成を示すブロック図である。図5に示すように、不動産管理情報処理システム5は、送受信部5A、記録部5B、制御部5C、入出力部5D、表示部5Eを備えている。ハードウエアとしては、好適には、通信モジュール、ハードディスク、メモリー、CPUを内蔵したパソコンやサーバと、キーボード、ディスプレイを備えて構成される(図示しない)。不動産管理情報処理システム5は、制御部5Cにより記録部5Bに格納された不動産管理に係る情報処理に関連するプログラムを実行することでデータの処理を行い、記録部5Bは不動産管理情報処理に係る管理および情報処理のためのプロクラム、当該プログラムにより処理された各種情報等のデータを記憶する。入出力部5Dは、プリンタ、スピーカ等に対応した、必要に応じて各種情報を出力する出力機能と、キーボード、バーコードリーダ、スキャナ等に対応した、必要に応じて情報の入力を行う機能を有する。表示部5Eは、ディスプレイ等に対応した、不動産管理情報機能に係る情報のディスプレイ等へ出力する機能を担う。不動産管理情報処理システム5は最終的に本発明の態様に係る情報処理システムとしての機能遂行が可能であれば、単独でも複数のシステムから構成されていてもかまわない。不動産管理情報処理システム5を構成する送受信部5A、記録部5B、制御部5C、入出力部5D、表示部5Eは、上述したハードウエア資源を記録部5Bに格納されたソフトウェアに基づいて動作する制御部5Cが動作させることで上述した各機能を不動産管理情報処理システム5に果たさせることで所望の情報処理を達成することができる。
【0028】
次に、上述したような構成を備える本発明の一実施形態に係る情報処理システム100の作用・動作について説明する。
【0029】
図6は、本発明に至るコンセプトに基づく、本発明の一実施形態に係る情報処理システム100の動作シーケンスを示すシーケンス図である。概略、本発明の一実施形態に係る情報処理システム100は、運用サーバ2と、スマートロック装置3と、利用客情報処理端末4と、不動産管理情報処理システム5とが、それぞれの、送受信部2A、送受信部3A、受信部4A、送受信部5Aにより、通信網6を経由して、情報の送受信を相互に行う。ただし、各ステップの順番はこれに限定されるものではない。
【0030】
まず、不動産物件を探している利用客(以下、「本人」ともいう。)に係る利用客情報処理端末4の入出力部4Dと表示部4Eとがそれぞれ操作/情報入力されることを契機として、運用サーバ2の制御部2C及び送受信部2Aが、通信網6を経由して、専用アプリケーションを記録部2Bにダウンロードする(ステップS1)。
【0031】
次に、利用客情報処理端末4の制御部4Cは、ダウンロードされた専用アプリケーションを使用して、入出力部4D及び表示部4Eを動作させ、利用客情報処理端末4の端末IDを獲得するとともに、本人確認情報と、住みたい街情報と、希望する建物の条件情報とが入力されるように制御/操作する。こうして入力データとして得られた、利用客情報処理端末4の端末IDと、本人確認情報と、住みたい街情報と、入居を希望する建物の条件情報とは、送受信部4Aより、通信網6を経由して、運用サーバ2へと送信される。運用サーバ2においては、送受信部2Aを介してこれらの情報を受け取った制御部2Cが、これら、利用客情報処理端末4の端末IDと、本人確認情報と、住みたい街情報と、入居を希望する建物の条件情報とを、希望物件情報として記憶部2Bに保存する(ステップS2)。
【0032】
運用サーバ2において、送受信部2Aを介した制御部2Cが、通信網6を経由して、利用客情報処理端末4の専用アプリケーションより選択された住みたくないエリア情報を取得し、「住みたくないエリア以外の街」に係る情報を「住みたい街」に係る情報に置き換える。制御部2Cが、本人確認情報と、入居を希望する建物の条件情報とを少なくとも備える希望物件情報を記録部2Bに保存するようにしてもよい。
【0033】
本人確認情報は、名前・電話番号・住所など個人が特定できる情報、あるいは、利用客情報処理端末4の入出力部4Dのカメラ機能が撮像することで得られる撮像データ、または記憶部4Bに保存されている免許証やマイナンバーカードなど本人確認書類の写真データであることができる。
【0034】
このように、本人を特定できるようにすることで、たとえば本人なりすまし等を誘引して個人情報を引き出すことなどによって発生し得る犯罪等を抑止する仕組みとなっている。
【0035】
入居を希望する建物の条件情報は、最寄り駅からの距離、建物の広さ、間取り、階数、築年数、建物種別、構造、方位、室内設備、建物設備、セキュリティ、家賃、敷金、礼金、仲介手数料、のそれぞれに係る情報の少なくとも一つを含む。
【0036】
さて、次に、運用サーバ2において、送受信部2Aを介した制御部2Cが、通信網6を経由して、ネットワークに接続された利用客に係る携帯情報端末4より受信した端末IDおよび位置情報を受信する(ステップS3)。
【0037】
次に、運用サーバ2において、送受信部2Aを介した制御部2Cが、通信網6を経由して、不動産管理情報処理システム5に、内覧可能物件情報を確認する(ステップS4)。具体的には、制御部2Cが、通信網6を経由して、不動産管理情報処理システム5の送受信部5Aを介した制御部5Cに対して、内覧可能物件情報をプルするための情報(制御信号)を発信する。
【0038】
あるいは、運用サーバ2において、送受信部2Aを介した制御部2Cが、通信網6を経由して、あらかじめ不動産管理情報処理システム5の送受信部5Aを介した制御部5Cから、内覧可能物件情報を取得し、該取得した内覧可能物件情報を記録部2Bに保存することとしても良い。
【0039】
不動産管理情報処理システム5において、制御部5Cが、入出力部5D、表示部5Eを操作/制御することを通して、記録部5Bに事前に保存された物件一覧情報から内覧可能物件情報を確認した上で取得し、送受信部5Aより運用サーバ2へ送信する(ステップS5)。
【0040】
運用サーバ2において、制御部2Cが、送受信部2Aを通じ、スマートロック装置3の送受信部3Aから、通信網6を経由して、スマートロック装置3の設置位置情報を受信し、記憶部2Bに保存する(ステップS6)。
【0041】
次に、運用サーバ2において、制御部2Cが、利用客情報処理端末4より受信した端末IDおよび位置情報とより、受信した位置情報が、定められた距離、たとえば一例として100メートルの範囲内にある内覧可能物件情報と端末IDに紐づく記憶部2Bに保存した希望物件情報とが一致した場合に、利用客情報処理端末4に、内覧可能物件情報の内見をレコメンドする情報をプッシュ配信し受動的に知らせる(ステップS7)。
【0042】
すなわち、利用客側の視点からすれば、利用客が住みたい街を散策中に、事前登録した希望する物件が内覧可能な状態のときに、利用客情報処理端末4に対し、振動、音、画面立ち上げ、バナーなどの機能により受動的かつ自動的に、内覧可能物件情報が知らされることになる。
【0043】
こうして、利用客は、図7に示すように、利用客情報処理端末4の表示部4Eに表示された物件情報から物件内容を確認することが可能となる。
【0044】
利用客は、利用客情報処理端末4より表示部4Eを操作することができる。ここで図6に戻って参照する。システム側としては、図7に示す内見希望ボタンがクリック(操作)されることで、表示された物件情報の内覧が希望されていることを示す情報が、送受信部4Aより、通信網6を経由して、運用サーバ2に送信される(ステップS8)。
【0045】
上記において、利用客情報処理端末4より取得した検索履歴情報、移動履歴情報より内覧可能物件情報の内見をレコメンドする機能を備えていてもよい。
【0046】
また、利用者において、図7に示す履歴ボタンをクリックして、内覧/検索履歴を確認することを可能としてもよい。
【0047】
運用サーバ2において、制御部2Cは、内覧可能物件情報、本人確認情報に紐付けて、スマートロック装置3を開錠させるために必要なワンタイムパスワードを生成し、このワンタイムパスワードを送受信部2Aより、通信網6を経由して、利用客情報処理端末4に送信することで、図7に示すように、ワンタイムパスワードは表示される(ステップS9)。
【0048】
運用サーバ2において、制御部2Cは、送受信部2Aより通信網6を経由して、不動産管理情報処理システム5に内覧申請通知を送信すると、不動産管理情報処理システム5において、制御部5Cが、利用客が内覧することを確認する(ステップS10)。
【0049】
利用客は、内覧可能物件に到着したら、利用客情報処理端末4の表示部4Eに表示されたワンタイムパスワードを、スマートロック装置3の入力部3Dと、表示部3Eを使用して入力することができる。システム側としては、スマートロック装置3の入力部3Dにおいてワンタイムパスワードが入力される(ステップS11)。
【0050】
Bluetооth(登録商標)、赤外線短距離通信などの近距離無線通信を利用して、利用客情報処理端末4の送受信部4Aから通信網6を経由して、スマートロック装置3の送受信部3Aに、端末IDおよび/またはワンタイムパスワードが送信されてもよい。
【0051】
次に、スマートロック装置3において、制御部3Cは上記入力部3Dにおいて入力され、もしくは上記送受信部3Aにて受信されたワンタイムパスワードと、先に運用サーバ2から送信され記憶部3Bに保存されたワンタイムパスワードとの一致を確認し、当該一致が確認できた場合にはスマートロック装置3を解除するとともに、スマートロック装置3を解除したことを、送受信部3Aより、通信網6を経由して、運用サーバ2に送信する(ステップS12)。
【0052】
運用サーバ2において、制御部2Cが、通信網6を経由して、内覧可能物件情報に紐付けされたスマートロック装置3が開錠されたという情報を、送受信部2Aより不動産管理情報処理システム5に対して送信する(ステップS13)。
【0053】
利用客側の視点からすれば、物件の内覧が完了し、スマートロック装置3を施錠し、利用客情報処理端末4の専用アプリケーションから運用サーバ2に内覧完了を報告することができる。これをシステム側の視点から整理すると、利用客情報処理端末4において、制御部4Cが、通信網6を経由して、スマートロック装置3に対してスマートロックを施錠する施錠指示情報が送信され、これを受けたスマートロック装置3において、制御部3Cがスマートロックを施錠する(図示しない)。これと略同時期に、或いは、前後して、利用客情報処理端末4の制御部4Cが、通信網6を経由して、運用サーバ2に対して内覧完了の旨の情報を送信する(ステップS14)。
【0054】
或いは、上記において、スマートロック装置3において、制御部3Cが送受信部3Aから、通信網6を経由して、運用サーバ2に対して、上記スマートロックが施錠されたという情報を送信するようにしてもよい(図示しない)。
【0055】
運用サーバ2において、制御部2Cは、送受信部2Aより通信網6を経由して、内覧可能物件情報に紐付けされたスマートロック装置3が施錠されたという情報を、不動産管理情報処理システム5の送受信部5Aに送信すると、不動産管理情報処理システム5においては、制御部5Cは、内覧の完了を確認する(ステップS15)。
【0056】
以上の情報処理により、利用者側の視点からすれば、大家、管理会社の立ち合いなしに内見が可能となり、内見後に契約に進むことが可能となり、これまでと比して利便性が大幅に増すとともに、フレキシブルな予定組みが可能となる。
【0057】
図7に示すように、利用客情報処理端末4において、制御部4Cは、内覧有効時間を表示し、内覧有効時間を過ぎた場合には、送受信部4Aより通信網6を経由して、スマートロック装置3に対して、ワンタイムパスワードを無効とする情報を送信すると、スマートロック装置3において、制御部3Cは、記憶部3Bに保存されたワンタイムパスワードを無効とする、という処理としてもよい。
【0058】
あるいは、内覧有効時間を過ぎた場合には、運用サーバ2において、制御部2Cは通信網6を経由して、スマートロック装置3に対し、記憶部3Bに保存されたワンタイムパスワードを無効とする情報を送信する、という処理としてもよい。
【0059】
これにより内覧有効時間以内に入室しようとする方向に通常利用者を誘引でき、これにより、物件内(特にマンション共用部など)を不審者が歩き回るといった危険を回避し安全性を確保することが可能となることが期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の各態様に係る情報システムは、工業的に製造することができ、また商取引の対象とすることができるため、経済的価値を有しており、産業上利用することができる発明である。
【符号の説明】
【0061】
2 運用サーバ
2A 送受信部
2B 記録部
2C 制御部
2D 入出力部
2E 表示部
3 スマートロック装置
3A 送受信部
3B 記録部
3C 制御部
3D 入出力部
3E 表示部
4 利用客に係る情報処理端末
4A 送受信部
4B 記録部
4C 制御部
4D 入出力部
4E 表示部
4F 位置センサー部
5 管理会社に係る情報処理システム
5A 送受信部
5B 記録部
5C 制御部
5D 入出力部
5E 表示部
6 通信網
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7