(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132703
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】クレジットカードの決済情報を扱うコンピュータシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/24 20120101AFI20230914BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20230914BHJP
【FI】
G06Q20/24
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038184
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】519388701
【氏名又は名称】立花 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100149836
【弁理士】
【氏名又は名称】森定 勇二
(72)【発明者】
【氏名】立花 良一
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049BB21
5L055AA52
(57)【要約】
【課題】利便性に優れたクレジットカードの決済情報を扱うコンピュータシステムを提供すること。
【解決手段】クレジットカードの決済情報を扱うコンピュータシステム1は、インターネットを介してアクセス可能なサーバ11を備える。サーバ11上で稼働するデータベース12には、顧客のランクに応じて付与するポイント数を決定するポイント付与率キーを包含する顧客ランク仕様テーブル121と、決済金額によって顧客ごとを分別する顧客ランクキーを包含する顧客ランク管理テーブル122と、その後の後の演算処理によって作成する顧客ランクによるポイント管理テーブル125と、を少なくとも備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットを介してアクセス可能でかつ少なくともデータベースが稼働するサーバを包含するクレジットカードの決済情報を扱うコンピュータシステムであって、
前記データベース(12)には、顧客のランクに応じて付与するポイント数を決定するポイント付与率キーを包含する顧客ランク仕様テーブル(121)と、顧客を分別するための決済金額の範囲を定める最小売上高キー及び最大売上高キーを包含する顧客ランク管理テーブル(122)と、前記顧客ランク仕様テーブル及び顧客ランク管理テーブルに基づいてその後の後の演算処理によって作成する顧客ランクによるポイント管理テーブル(125)と、を備え、
前記顧客ランク仕様テーブルへの入力をクレジットカードの発行組織が行い、かつ、前記顧客ランク管理テーブルへの入力を前記クレジットカードの発行組織の提携先が行うコンピュータシステム。
【請求項2】
さらに、前記データベース(12)に、当該クレジットカードを利用する顧客を特定する情報並びに利用金額及び利用日時を特定する情報に関するキーを包含する売上高管理テーブル(123)と、前記売上高管理テーブルに基づいてその後の演算処理によって作成する一時売上高管理テーブル(124)と、を備える請求項1のコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明はクレジットカードの決済情報をインターネットからアクセス可能なサーバ上のデータベースで扱う所定のコンピュータシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
クレジットカードの利用を欲する者は、当該クレジットカードの発行組織に申請を行い、一定の審査を通過した場合にはその発行がなされ当該クレジットカードを利用しうる者(クレジットカードを利用する顧客)になる。
【0003】
前記クレジットカードを利用する顧客は、当該クレジットカードの決済が可能な提携先で、様々な商品が購入できまた様々なサービスの提供を受けることができる。
【0004】
ところで、前記クレジットカードの決済情報について、当該クレジットカードの発行組織で集計(演算)処理され、その処理結果は当該クレジットカードの発行組織でのみ活用されているのが現状であるものと考える(例えば、特許文献1など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、クレジットカードの決済情報の集計及びその集計処理をした結果は、クレジットカードの発行組織のみでしか活用ができず、仮に提携先が一定の関与やその活用を望む場合であったとしても、困難であった。
【0007】
そこで、クレジットカードの発行組織の提携先も一定の関与が可能であり、集計処理した結果を当該提携先でも活用可能となるコンピュータシステムを提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は、上述の課題を解決するために、インターネットを介してアクセス可能でかつ少なくともデータベースが稼働するサーバを包含するクレジットカードの決済情報を扱うコンピュータシステムであって、前記データベースには、顧客のランクに応じて付与するポイント数を決定するポイント付与率キーを包含する顧客ランク仕様テーブルと、顧客を分別するための決済金額の範囲を定める最小売上高キー及び最大売上高キーを包含する顧客ランク管理テーブルと、前記顧客ランク仕様テーブル及び顧客ランク管理テーブルに基づいてその後の後の演算処理によって作成する顧客ランクによるポイント管理テーブルと、を備え、前記顧客ランク仕様テーブルへの入力をクレジットカードの発行組織が行い、かつ、前記顧客ランク管理テーブルへの入力を前記クレジットカード発行組織の提携先が行うコンピュータシステムを提供する。
【0009】
本願発明は、上述の課題を解決するために、さらに、前記データベースに、当該クレジットカードを利用する顧客を特定する情報並びに利用金額及び利用日時を特定する情報に関するキーを包含する売上高管理テーブルと、前記売上高管理テーブルに基づいてその後の演算処理によって作成する一時売上高管理テーブルと、を備えるコンピュータシステムを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本願発明は、インターネットを介してアクセス可能でかつ少なくともデータベースが稼働するサーバを包含するクレジットカードの決済情報を扱うコンピュータシステムであって、前記データベースには、顧客のランクに応じて付与するポイント数を決定するポイント付与率キーを包含する顧客ランク仕様テーブルと、顧客を分別するための決済金額の範囲を定める最小売上高キー及び最大売上高キーを包含する顧客ランク管理テーブルと、前記顧客ランク仕様テーブル及び顧客ランク管理テーブルに基づいてその後の後の演算処理によって作成する顧客ランクによるポイント管理テーブルと、を備え、前記顧客ランク仕様テーブルへの入力をクレジットカードの発行組織が行い、かつ、前記顧客ランク管理テーブルへの入力を前記クレジットカードの発行組織の提携先が行うコンピュータシステムであるため、前記提携先があらかじめ定める顧客ランクに応じたポイント付与を行うことが可能となる。
【0011】
本願発明は、さらに、前記データベースに、当該クレジットカードを利用する顧客を特定する情報並びに利用金額及び利用日時を特定する情報に関するキーを包含する売上高管理テーブルと、前記売上高管理テーブルに基づいてその後の演算処理によって作成する一時売上高管理テーブルと、を備えるコンピュータシステムであるため、所定の演算処理を実行することにより一時売上高管理テーブルを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は本願のコンピュータシステムの全体構成を示す構成図である。
【
図2】
図2はクレジットカードの発行組織側の入力操作を示したイメージ図である。
【
図3】
図3は提携先である小売店側の入力操作を示したイメージ図である。
【
図4】
図4は提携先であるインターネットショッピングサイト側の入力操作を示したイメージ図である。
【
図5】
図5は提携先であるスーパー側の入力操作を示したイメージ図である。
【
図6】
図6は顧客ごとのクレジットカードの利用状況を示した図である。
【
図7】
図7はクレジットカードaにポイント付与をするイメージ図である。
【
図8】
図8はクレジットカードbにポイント付与をするイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
クレジットカードの決済情報を扱うコンピュータシステムとして実施する。
【実施例0014】
クレジットカードの決済情報を扱うコンピュータシステムの全体構成について、
図1に従い説明する。
【0015】
クレジットカードの決済情報を扱いコンピュータシステム(1)は、クレジットカードの発行組織(10)が管理を行う所定のサーバ(11)と、前記クレジットカードの発行組織の提携先である小売店(20)、インターネットショッピングサイト(30)、スーパー(40)などの事業提供者と、前記小売店が管理を行うクライアント端末(21)と、前記インターネットショッピングサイトが管理を行うクライアント端末(31)と、前記スーパーが管理を行うクライアント端末(41)と、前記クレジットカードの発行組織が発行したクレジットカード(50)と、前記クレジットカードの顧客(60)と、で構成する(
図1)。
【0016】
前記サーバ(11)について、少なくともデータベース(12)、Webサーバ(13)及びJSPサーバ(14)が稼働していること及びインターネットを介してアクセス可能であることを要する(
図1)。
【0017】
前記データベース(12)上で稼働するテーブルとして、少なくとも所定の顧客ランク仕様テーブル(121)と、顧客ランク管理テーブル(122)と、売上高管理テーブル(123)と、一時売上高管理テーブル(124)と、顧客ランクによるポイント管理テーブル(125)と、を備える(
図1)。
【0018】
前記顧客ランク仕様テーブル(121)について、顧客ランクID、顧客ランク名、顧客ランクポイント付与率、開始期間、終了期間のキーで構成する。なお、主キーは、顧客ランクID、開始期間、終了期間である。
【0019】
前記顧客ランクポイント付与率キーとは、顧客のランクに応じて付与するポイント数を決定するキーである。
【0020】
前記顧客ランク管理テーブル(122)は、店ID、顧客ランクID、最小売上高、最大売上高、開始期間、終了期間のキーで構成する。なお、主キーは、店ID、顧客ランクID、開始期間、終了期間である。
【0021】
前記最小売上高キー及び最大売上高キーとは、顧客を分別するため(いずれの顧客ランクに該当するかを分類するため)の決済金額の範囲を定めるためのキーである。
【0022】
前記売上高管理テーブル(123)は、店ID、クレジットカードを利用する顧客ID、売上高、売上日時のキーで構成する。なお、主キーは、店ID、クレジットカードを利用する顧客ID、売上日時である。
【0023】
前記一時売上高管理テーブル(124)は、店ID、クレジットカードを利用する顧客ID、顧客ランクID、売上高合計、開始期間、終了期間のキーで構成する。
【0024】
前記顧客ランクによるポイント管理テーブル(125)は、店ID、クレジットカードを利用する顧客ID、顧客ランクによるポイント、集計開始期間、集計終了期間のキーで構成する。なお、主キーは、店ID、クレジットカードを利用する顧客ID、集計開始期間、集計終了期間である。
【0025】
前記顧客ランクによるポイント管理テーブル(125)は、前記顧客ランク仕様テーブル(121)及び前記顧客ランク管理テーブル(122)に基づいて演算処理によって作成する。
【0026】
前記小売店(20)が管理するクライアント端末(21)について、前記サーバ(11)へ所定の情報を送信するため、Webブラウザ(22)がインストールされていることが好ましい(
図1)。
【0027】
なお、前記クライアント端末(21)について、パーソナルコンピュータ、タブレット端末あるいはスマートフォンを想定するが、インターネットを介して前記サーバ(11)にアクセス可能でかつ所定の情報を入力可能な端末機器であれば良いものとする。
【0028】
前記インターネットショッピングサイト(30)が管理するクライアント端末(31)について、前述した小売店(20)が管理するクライアント端末(21)と同様にWebブラウザ(32)がインストールされていることが好ましい(
図1)。
【0029】
また、前記スーパー(40)が管理するクライアント端末(41)についても、前述した小売店(20)が管理するクライアント端末(21)と同様にWebブラウザ(42)がインストールされていることが好ましい(
図1)。
【0030】
次に、クレジットカードを利用する者の顧客ランク仕様やいずれの顧客ランクに該当するかを分類するための決済金額の範囲を定める入力操作について、
図2から
図5に従い説明をする。
【0031】
(顧客ランク仕様テーブル(121)への入力)
前記クレジットカードの発行組織(10)の入力担当者は、前記サーバ(11)に、所定のWebブラウザ(15)を使用して、提携先の事業提供者ごとの顧客ランクに応じたポイント付与率に関する所定の情報を送信する(
図2)。
【0032】
前記送信する所定の情報について、例えば、提携先の事業提供者ごとの顧客ランクが「最上顧客」「上顧客」「通常顧客」の3つに分別する場合であって、ポイントの付与率が、「最上顧客」に対しては一定期間(2022年2月1日から2022年2月28日まで。)売上高の3%、「上顧客」に対しては2%、「通常顧客」に対しては0%であるとき、第1のデータ(151)として、自動採番による値、「最上顧客」、3、20220201、20220228を、第2のデータ(152)として、自動採番による値、「上顧客」、2、20220201、20220228を、第3のデータ(153)として、自動採番による値、「通常顧客」、0、20220201、20220228を、送信する(
図2)。
【0033】
なお、前記Webブラウザ(15)について、前記サーバ(11)上で稼働するWebブラウザであってもよいものとする。
【0034】
(顧客ランク管理テーブル(122)への入力)
前記小売店(20)の入力担当者は、前記サーバ(11)に、所定のWebブラウザ(21)を使用して、当該提携先の顧客ランクに関する所定の情報を送信する(
図3)。
【0035】
前記送信する所定の情報について、例えば、前記小売店(20)側が定める顧客ランクの具体的決済金額の範囲が、集計月の売上高が3万円以上を「最上顧客」と、2万円以上3万円未満を「上顧客」と、2万円未満を「通常顧客」であって、提携店IDが「A020」であるとき、第1のデータ(221)として、「A020」、「最上顧客」、3万円、無限大、開始期間、終了期間を入力し、第2のデータ(222)として、「A020」、「上顧客」、2万円、3万円、開始期間、終了期間を入力し、第3のデータ(223)として、「A020」、「通常顧客」、0万円、2万円、開始期間、終了期間を送信する(
図3)。
【0036】
前記インターネットショッピングサイト(30)の入力担当者は、前記サーバ(11)に、所定のWebブラウザ(31)を使用して、当該提携先の顧客ランクに関する所定の情報を送信する(
図4)。
【0037】
前記送信する所定の情報について、例えば、前記インターネットショッピングサイト(30)側が定める顧客ランクの具体的決済金額の範囲が、集計月の売上高が1万円以上を「最上顧客」と、5千円以上1万円未満を「上顧客」と、5千円未満を「通常顧客」であって、提携店IDが「B030」であるとき、第1のデータ(321)として、「B030」、「最上顧客」、1万円、無限大、開始期間、終了期間を入力し、第2のデータ(322)として、「B030」、「上顧客」、5千円、1万円、開始期間、終了期間を入力し、第3のデータ(323)として、「B030」、「通常顧客」、0円、5千円、開始期間、終了期間を入力し、送信する(
図4)。
【0038】
前記スーパー(40)の入力担当者は、前記サーバ(11)に、所定のWebブラウザ(41)を使用して、当該提携先の顧客ランクに関する所定の情報を送信する(
図5)。
【0039】
前記送信する所定の情報について、例えば、前記スーパー(40)側が定める顧客ランクの具体的決済金額範囲が、集計月の売上高が5万円以上を「最上顧客」と、3万円以上5万円未満を「上顧客」と、3万円未満を「通常顧客」であって、提携店IDが「CB040」であるとき、第1のデータ(421)として、「C040」、「最上顧客」、5万円、無限大、開始期間、終了期間を入力し、第2のデータ(422)として、「C040」、「上顧客」、3万円、5万円、開始期間、終了期間を入力し、第3のデータ(423)として、「C040」、「通常顧客」、0、3万円、開始期間、終了期間を入力し、送信する(
図5)。
【0040】
次に、クレジットカードの利用及び集計期間(2022年2月1日から2022年2月28日とする。)のポイント付与処理について、
図6から
図8に従い説明する。
【0041】
顧客A(61)は、クレジットカードa(51)を利用して、小売店(20)で6万円の商品を2022年2月10日に、購入した(
図6)。
【0042】
また、顧客B(62)は、クレジットカードb(52)を利用して、小売店(20)で2万円の商品を2022年2月11日に、インターネットショッピングサイト(30)で2万円の商品を2022年2月12日に、スーパー(40)で2万円分の商品を2022年2月13日に、購入した(
図6)。
【0043】
次に、提携先ごと、かつ、クレジットカードの顧客ごとの、決済金額(利用金額)の合計を、集計期間ごとに集計する。
【0044】
前記顧客A(61)のクレジットカードa(51)は、集計期間中に、前記小売店(20)で6万円決済しているため、ランクは「最上顧客」となり、その3%である1800ポイントが付与される(
図7)。
【0045】
また、前記顧客B(62)のクレジットカードb(61)は、集計期間中に、前記小売店(20)では2万円決済しているため、ランクは「上顧客」となり、その2%である400ポイントが付与される。また、前記インターネットショッピングサイト(30)では2万円決済しているため、ランクは「最上顧客」となり、その3%である600ポイントが付与される。なお、前記スーパー(40)では2万円の決済であるため、ランクは「通常顧客」となりポイントは付与されない。よって、合計1000ポイントが付与される(
図8)。
【0046】
なお、前述のポイント付与のほか、クレジットカードの発行組織(10)独自のポイント付与を行っても良いものとする。