(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132704
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】スポット溶接方法
(51)【国際特許分類】
B23K 11/11 20060101AFI20230914BHJP
【FI】
B23K11/11 593A
B23K11/11 540
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038185
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山村 浩之
(72)【発明者】
【氏名】生田 篤志
【テーマコード(参考)】
4E165
【Fターム(参考)】
4E165AA05
4E165AB12
4E165AC01
4E165BA06
4E165BB02
4E165BB13
(57)【要約】
【課題】スリーブをシャフトにスポット溶接する際に、スリーブの損傷が抑制されるスポット溶接方法を提供すること。
【解決手段】スポット溶接方法は、円筒状のスリーブの内周側に円柱状のシャフトを挿入する挿入工程と、第1電極および第2電極を含む溶接装置を用いて、スリーブとシャフトとをスポット溶接するスポット溶接工程と、を含む。挿入工程において、スリーブにシャフトを挿入した状態では、シャフトの外周面は、スリーブに覆われる第1外周面部と、スリーブに覆われずに露出する第2外周面部と、を有する。スポット溶接工程において、第1電極は、スリーブと接触し、第2電極は、スリーブと非接触であり、シャフトの第2外周面部と接触し、溶接電流は、第1電極からスリーブおよびシャフトを介して第2電極に流れる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のスリーブの内周側に円柱状のシャフトを挿入する挿入工程と、
第1電極および第2電極を含む溶接装置を用いて、前記スリーブと前記シャフトとをスポット溶接するスポット溶接工程と、を含み、
前記挿入工程において、
前記スリーブの軸方向長さは前記シャフトの軸方向長さよりも短く、前記スリーブに前記シャフトを挿入した状態では、前記シャフトの外周面は、前記スリーブに覆われる第1外周面部と、前記スリーブに覆われずに露出する第2外周面部と、を有し、
前記スポット溶接工程において、
前記第1電極は、前記スリーブと接触し、
前記第2電極は、前記スリーブと非接触であり、前記シャフトの前記第2外周面部と接触し、
溶接電流は、前記第1電極から前記スリーブおよび前記シャフトを介して前記第2電極に流れる、
スポット溶接方法。
【請求項2】
前記スリーブおよび前記シャフトは、軸方向である第1方向に延び、
前記第1電極は、前記スリーブに対して、前記第1方向に交差する第2方向の一方側に配置され、
前記第2電極は、前記スリーブおよび前記シャフトに対して、前記第2方向の他方側に配置される、
請求項1に記載のスポット溶接方法。
【請求項3】
前記第2電極は、
前記シャフトの前記第2外周面部と接触する第1部位と、
前記スリーブに対して、前記第1方向に交差する第2方向第2方向の他方側に対向して配置され、且つ、前記スリーブから離隔して当該スリーブと絶縁状態になる第2部位と、を備える、
請求項2に記載のスポット溶接方法。
【請求項4】
前記溶接装置は、前記スリーブを前記第2方向の他方側に押し付け可能な押し付け装置を備え、当該押し付け装置は、
前記スリーブに対して、前記第1方向に交差する第2方向の一方側に対向して配置され、且つ、前記スリーブに当接可能な押し付け部材と、
前記押し付け部材を前記第2方向の他方側に付勢する付勢部材と、を有する、
請求項2または3に記載のスポット溶接方法。
【請求項5】
前記押し付け部材には、前記第2方向に延びる貫通孔が設けられ、当該貫通孔に前記第1電極が挿入可能である、
請求項4に記載のスポット溶接方法。
【請求項6】
前記シャフトの外径は、前記スリーブの内径よりも小さく、
前記溶接装置は、
前記スリーブに対して前記第2方向の他方側に対向して配置され、且つ、前記スリーブの前記第2方向の他方側に当接可能な受け面が設けられるスリーブ受け治具を備える、
請求項4または5に記載のスポット溶接方法。
【請求項7】
前記スリーブ受け治具の前記受け面は、
V字状の切欠部に面する一対の第1傾斜面および第2傾斜面を有する、
請求項6に記載のスポット溶接方法。
【請求項8】
前記スリーブ受け治具の前記受け面は、
前記スリーブの外周面に沿う円弧状の曲面部を有する、
請求項6に記載のスポット溶接方法。
【請求項9】
前記スリーブ受け治具の前記受け面は、
U字状の切欠部に面し、且つ、互いに離隔して対向する一対の第3傾斜面および第4傾斜面を有する、
請求項6に記載のスポット溶接方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スポット溶接方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される様々な部品は、スポット溶接によって接合される場合がある。例えば、特許文献1に示すトルクセンサにおいては、円筒状のスリーブが円柱状のステアリングシャフトの外周側に挿入された状態で、ステアリングシャフトにスポット溶接される。具体的には、スリーブの内周にステアリングシャフトを軸方向に挿入し、電極の先端をスリーブに押し当てて電流を流すことにより、スリーブをステアリングシャフトに接合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スリーブは、円筒状の薄い金属板である。従って、スリーブの溶接打点における接線に対して電極の向きが大きく傾くと、スリーブと電極とが局所的に過剰に接触し、過剰に接触した点の周辺に過剰な電流が流れ、スリーブが電流によって損傷する可能性がある。
【0005】
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、スリーブをシャフトにスポット溶接する際に、スリーブの損傷が抑制されるスポット溶接方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本開示のスポット溶接方法は、円筒状のスリーブの内周側に円柱状のシャフトを挿入する挿入工程と、第1電極および第2電極を含む溶接装置を用いて、前記スリーブと前記シャフトとをスポット溶接するスポット溶接工程と、を含み、前記挿入工程において、前記スリーブの軸方向長さは前記シャフトの軸方向長さよりも短く、前記スリーブに前記シャフトを挿入した状態において、前記シャフトの外周面は、前記スリーブに覆われる第1外周面部と、前記スリーブに覆われずに露出する第2外周面部と、を有し、前記スポット溶接工程において、前記第1電極は、前記スリーブと接触し、前記第2電極は、前記スリーブと非接触であり、前記シャフトの前記第2外周面部と接触し、溶接電流は、前記第1電極から前記スリーブおよび前記シャフトを介して前記第2電極に流れる。
【0007】
前述したように、スリーブは、円筒状の薄い金属板であるため、スリーブの溶接打点における接線に対して電極の向きが大きく傾くと、スリーブと電極とが局所的に過剰に接触し、過剰に接触した点の周辺に過剰な電流が流れ、スリーブが電流によって損傷する可能性がある。
【0008】
本開示において、第2電極は、スリーブと非接触であるため、電流は、第1電極からスリーブおよびシャフトの第2外周面部を介して第2電極に向けて流れる。これに対して、第2電極がスリーブと接触する場合、電流は、第1電極からスリーブを通って第2電極に流れる。つまり、本開示におけるスポット溶接時の電流の流れでは、第1電極から第2電極までの間にスリーブおよびシャフトが介在する。従って、本開示の方が、スリーブを流れる電流がより少なくなるため、本開示によれば、スポット溶接時にスリーブの損傷をより小さく抑えることができる。
【0009】
スポット溶接方法の望ましい態様として、前記スリーブおよび前記シャフトは、軸方向である第1方向に延び、前記第1電極は、前記スリーブに対して、前記第1方向に交差する第2方向の一方側に配置され、前記第2電極は、前記スリーブおよび前記シャフトに対して、前記第2方向の他方側に配置される。
【0010】
従って、円筒部品と円柱部品とにスポット溶接を行う際に、第1電極と第2電極とを周方向で最も離隔させている。従って、第1電極および第2電極をスリーブの周方向で、例えば、180度よりも小さい90度離隔して配置する場合よりも、スリーブおよびシャフトの全体における電流の流れが均等化され、スリーブの損傷がより抑制される。
【0011】
スポット溶接方法の望ましい態様として、前記第2電極は、前記シャフトの前記第2外周面部と接触する第1部位と、前記スリーブに対して、前記第1方向に交差する第2方向の他方側に対向して配置され、且つ、前記スリーブから離隔して当該スリーブと絶縁状態になる第2部位と、を備える。これによれば、第2電極は、スリーブから離隔する第2部位を備えるため、簡単な構造で第2電極をスリーブに対して絶縁状態にすることができる。
【0012】
スポット溶接方法の望ましい態様として、前記溶接装置は、前記スリーブを前記第2方向の他方側に押し付け可能な押し付け装置を備え、当該押し付け装置は、前記スリーブに対して、前記第1方向に交差する第2方向の一方側に対向して配置され、且つ、前記スリーブに当接可能な押し付け部材と、前記押し付け部材を前記第2方向の他方側に付勢する付勢部材と、を有する。これによれば、付勢部材で付勢される押し付け部材によってスリーブをシャフトに対して押し付けることができる。これによれば、溶接打点位置において、スリーブとシャフトとを接触させることができるため、溶接品質がより向上する。
【0013】
スポット溶接方法の望ましい態様として、前記押し付け部材には、前記第2方向に延びる貫通孔が設けられ、当該貫通孔に前記第1電極が挿入可能である。これによれば、第1電極が上下動する際の位置ずれを抑制することができる。
【0014】
スポット溶接方法の望ましい態様として、前記シャフトの外径は、前記スリーブの内径よりも小さく、前記溶接装置は、前記スリーブに対して前記第2方向の他方側に対向して配置され、且つ、前記スリーブの前記第2方向の他方側に当接可能な受け面が設けられるスリーブ受け治具を備える。
【0015】
スリーブに2点のスポット溶接を行う際に、例えば、周方向に180度離れた位置にそれぞれ打点(溶接点)を設ける場合がある。この場合、まず、スポット溶接を1点打ったあと、スリーブおよびシャフトを180度回転させて、1点目の溶接点を下側に配置し2点目の打点部位である溶接点を上側に配置する。しかし、下側の1点目の溶接点でスリーブおよびシャフトが接合されているため、上側の2点目の打点部位(溶接点)において、スリーブおよびシャフトの間に間隙が生じている。従って、スリーブの上側の2点目の打点部位(溶接点)を押して、スリーブをシャフトに接触させてから2点目のスポット溶接を行うことができる。これにより、スリーブの内径がシャフトの外径よりも大きくスリーブにシャフトを挿入した状態でスリーブとシャフトとの間に隙間が生じる場合であっても、複数の打点でスリーブとシャフトとにスポット溶接を行うことができる。
【0016】
スポット溶接方法の望ましい態様として、前記スリーブ受け治具の前記受け面は、V字状の切欠部に面する一対の第1傾斜面および第2傾斜面を有する。従って、スリーブの外周面は、押し付け部材との接触点と、第1傾斜面との接触点と、第2傾斜面との接触点と、の3つの接触点で接触するため、溶接時におけるスリーブの位置がより安定する。
【0017】
スポット溶接方法の望ましい態様として、前記スリーブ受け治具の前記受け面は、前記スリーブの外周面に沿う円弧状の曲面部を有する。従って、接触点よりも、より広い面積の曲面部でより安定してスリーブを受けることができる。
【0018】
スポット溶接方法の望ましい態様として、前記スリーブ受け治具の前記受け面は、U字状の切欠部に面し、且つ、互いに離隔して対向する一対の第3傾斜面および第4傾斜面を有する。従って、スリーブの外周面は、押し付け部材との接触点と、第3傾斜面との接触点と、第4傾斜面との接触点と、の3つの接触点で接触するため、溶接時におけるスリーブの位置がより安定する。
【0019】
本開示によれば、スリーブをシャフトにスポット溶接する際に、スリーブの損傷が抑制されるスポット溶接方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、第1実施形態のステアリング装置の一部を示す分解斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態において、スリーブとシャフトとをスポット溶接している状態を示す模式的な斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2のスポット溶接時における電流の流れを示す模式図である。
【
図4】
図4は、比較例に係るスポット溶接時における電流の流れを示す模式図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態において、スリーブとシャフトとをスポット溶接している状態を示す模式的な斜視図である。
【
図6】
図6は、
図5のスポット溶接時における電流の流れを示す模式図である。
【
図7】
図7は、第3実施形態において、スリーブとシャフトとをスポット溶接している状態を示す模式的な斜視図である。
【
図8】
図8は、
図7のスポット溶接時における電流の流れを示す模式図である。
【
図9】
図9は、
図7のスポット溶接時における第1電極、第2電極、スリーブおよびシャフトを当該シャフトの軸方向から見た模式図である。
【
図10】
図10は、スポット溶接時において、1点目を打点する際の打点周辺部の模式図である。
【
図11】
図11は、
図10の状態からスリーブを周方向に180度回転させて2点目を打点する際の打点周辺部の模式図である。
【
図12】
図12は、第4実施形態において、スリーブとシャフトとをスポット溶接している状態を示す模式的な斜視図である。
【
図13】
図13は、第4実施形態に係るスリーブ受け治具を含む模式図であり、当該スリーブ受け治具と押し付け部材とでスリーブおよびシャフトを上下に挟んでいる状態を示す図である。
【
図15】
図15は、変形例1に係るスリーブ受け治具を含む模式図であり、当該スリーブ受け治具と押し付け部材とでスリーブおよびシャフトを上下に挟んでいる状態を示す図である。
【
図16】
図16は、変形例2に係るスリーブ受け治具を含む模式図であり、当該スリーブ受け治具と押し付け部材とでスリーブおよびシャフトを上下に挟んでいる状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、図面のXYZ直交座標系において、Y方向は、例えば、シャフト40の軸方向を示す。Y方向は、第1方向である。X方向は、Y方向に交差(直交)する方向を示す。Z方向は、X方向とY方向との双方に交差(直交)する方向を示す。Z方向は、第2方向である。Y1側は、Y2側の反対側を示す。X1側は、X2側の反対側を示す。Z1側は、Z2側の反対側を示す。Z1側は、第2方向の一方側であり、Z2側は、第2方向の他方側である。
【0022】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態のステアリング装置の分解斜視図である。ステアリング装置80は、
図1に示すように、ギアボックス920と、中間プレート10と、コラムハウジング820と、を含む。ギアボックス920が車両に取り付けられており、コラムハウジング820が中間プレート10を介してギアボックス920に固定されている。
【0023】
入力軸82aの端部は、トーションバー82cに連結されている。トーションバー82cは、入力軸82aの中心に設けられた穴に嵌まっており、ピンを介して入力軸82aに固定されている。減速装置92は、例えばウォーム減速装置であって、ギアボックス920と、ウォームホイール921と、を含む。
【0024】
トルクセンサ1は、トーションバー82cを介して連結された入力軸82a及び出力軸の相対回転に応じて、出力を変化させる。ECU(Electronic Control Unit)がトルクセンサ1から得た情報に基づきモータを制御し、モータで生じるトルクが操舵を補助する。トルクセンサ1は、マグネットアッセンブリ20を有し、マグネットアッセンブリ20は、第1スリーブ21と、マグネット25と、を含む。
【0025】
第1スリーブ21は、円筒状の金属部材であって入力軸82aの外周面に挿入されている。
【0026】
図2は、第1実施形態において、スリーブとシャフトとをスポット溶接している状態を示す模式的な斜視図である。
図3は、
図2のスポット溶接時における電流の流れを示す模式図である。
【0027】
図2および
図3に示すように、第1実施形態において、溶接対象物は、スリーブ30およびシャフト40である。例えば、入力軸82aと第1スリーブ21とをスポット溶接する場合において、
図2および
図3のスリーブ30が第1スリーブ21に対応し、
図2および
図3のシャフト40が入力軸82aに対応する。ただし、本発明の溶接方法は、
図1の第1スリーブ21と入力軸82aとを溶接する溶接方法に限定されず、シャフト状の部材と円筒状の部材とを溶接する場合に、広く適用可能である。
【0028】
溶接対象物のスリーブ30は、円筒形状を有する金属部材であり、例えば、
図1の第1スリーブ21が適用可能である。ただし、本発明のスリーブ30は、
図1の第1スリーブ21に限定されず、種々の円筒部材に適用可能である。スリーブ30の材質は、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)が挙げられる。スリーブ30は、種々の方法により形成することができる。スリーブ30を、絞り加工により形成する場合や、平板を丸めて形成する場合には、その厚さを0.6mm以上1mm以下程度とすることができる。シャフト40は、例えば、円柱形状を有する金属部材である。シャフト40は、スリーブ30の内周に挿入される。シャフト40の外径は、スリーブ30の内径よりも小さい。従って、シャフト40がスリーブ30に挿入された状態では、シャフト40の外周面41とスリーブ30の内周面32との間にわずかな間隙が設けられる。なお、スリーブ30およびシャフト40は、シャフト40の中心軸AXの軸方向(Y方向)に沿って延びる。スリーブ30の軸方向長さは、シャフト40の軸方向長さよりも短い。よって、シャフト40の外周面41において、Y方向の中央部の第1外周面部411は、スリーブ30で覆われ、スリーブ30よりもY1側の第2外周面部412およびスリーブ30よりもY2側の第2外周面部413は、露出する。
【0029】
また、溶接装置100は、第1電極110と、第2電極200と、溶接電源101と、を備える。第1電極110は、例えば、Z方向に延びる円柱形状を有する。第1電極110は、スリーブ30よりもZ1側(上側)に位置する。第1電極110は、Z方向に昇降可能である。第1電極110は、X方向において、スリーブ30およびシャフト40の中央に位置する。換言すると、第1電極110の中心軸AXの延長線が中心軸AXと交差する。溶接電源101は第1電極110および第2電極200に接続され、第1電極110に電気を供給する。
【0030】
第2電極200は、Y方向に延び、シャフト40の外周面41におけるZ2側(下側)に接する。第2電極200は、第1部位210、230と、第2部位220と、を備える。第1部位210、230、および第2部位220は、例えば、一体である。第2電極200は、Y1側からY2側に向かう順に、第1部位210、第2部位220および第1部位230が隣接して配置される。
【0031】
第1部位210は、第2電極200におけるY1側に位置する。第1部位210は、Y方向において、シャフト40の第2外周面部412に対応する。第1部位210は、略角柱形状を有し、Z1側(上側)に円弧状の凹部211が設けられる。凹部211の内面211aは、Y方向から見て円弧状である。凹部211の内面211aの曲率半径は、シャフト40の外周面41の曲率半径と略同一である。従って、凹部211の内面211aとシャフト40の外周面41とが広い面積で接触する。
【0032】
第1部位230は、第2電極200におけるY2側に位置する。第1部位230は、Y方向において、シャフト40の第2外周面部413に対応する。第1部位230は、略角柱形状を有し、Z1側(上側)に円弧状の凹部が設けられる。この凹部の内面の形状は、第1部位210と同じである。
【0033】
第2部位220は、第2電極200におけるY方向の中央側に位置する。換言すると、第2部位220は、第1部位210のY2側に隣接する。第2部位220には、X方向から見て矩形状の切欠部221が設けられる。即ち、第2部位220の上面部222は、第1部位210の上面部212よりもZ2側(下側)に位置する。切欠部221は、X1側およびX2側にそれぞれ設けられる。また、第2部位220には、Z1側(上側)に円弧状の凹部が設けられる。第2部位220の凹部223の内面223aは、第1部位210の凹部211の内面211aおよび第1部位230の凹部の内面よりもZ2側(下側)に位置する。具体的には、溶接対象物のスリーブ30およびシャフト40を第2電極200に載置した状態で、スリーブ30から離隔する位置である。換言すると、スリーブ30およびシャフト40を第2電極200に載置した状態では、シャフト40の第2外周面部412および第2外周面部413は、第2電極200の第1部位210および第1部位230に接する。つまり、シャフト40と第2電極200とは、通電状態となる。また、スリーブ30は第2電極200に接しておらず、スリーブ30と第2電極200とは、絶縁状態となる。
【0034】
次に、
図2および
図3を参照して、本実施形態のスポット溶接方法について説明する。本実施形態のスポット溶接方法は、円筒状のスリーブ30の内周側に円柱状のシャフト40を挿入する挿入工程と、第1電極110および第2電極200を含む溶接装置100を用いて、スリーブ30とシャフト40とをスポット溶接するスポット溶接工程と、を含む。
【0035】
スリーブ30の軸方向長さはシャフト40の軸方向長さよりも短い。従って、挿入工程において、スリーブ30にシャフト40を挿入した状態では、シャフト40の外周面41は、スリーブ30に覆われる第1外周面部411と、スリーブ30に覆われずに露出する第2外周面部412、413と、を有する。
【0036】
スポット溶接工程において、第1電極110は、スリーブ30と接触する。また、第2電極200は、スリーブ30と非接触である。第2電極200は、シャフト40の第2外周面部412、413と接触する。具体的には、シャフト40の第2外周面部412および第2外周面部413は、第2電極200の第1部位210および第1部位230に接する。
【0037】
次に、
図3を参照して、電流の流れを説明する。まず、電流Cを流す前に、第1電極110でスリーブ30をZ2側に押し付ける。前述のように、シャフト40の外径はスリーブ30の内径よりも大きくシャフト40とスリーブ30との間には間隙がある。そこで、第1電極110の先端でスリーブ30をZ2側に押し付けることにより、スリーブ30の内周面32の部位のうち最もZ1側(上側)の頂部が、シャフト40の外周面41の部位のうち最もZ1側(上側)の頂部に接する。なお、スリーブ30は第2電極200に接していない。
【0038】
この状態で、溶接電源101から電流C(破線で示す)を流すと、第1電極110の先端からスリーブ30を介してシャフト40に電流Cが流れる。ここで、スリーブ30は第2電極200に接していない絶縁状態であるため、電流Cは、スリーブ30の下部に位置する第2電極200の第2部位220に向けては流れず、第2電極200の第1部位210、230に向けて流れる。
【0039】
具体的には、第1電極110で押し付けられたスリーブ30のシャフト40との接触部位から、第1部位210に設けられた凹部の内面とシャフト40の外周面41との当接部分(
図3に楕円状の二点鎖線で示す)に向けて流れる。また、同時に、第1電極110で押し付けられたスリーブ30のシャフト40との接触部位から、第1部位230に設けられた凹部の内面とシャフト40の外周面41との当接部分(
図3に楕円状の二点鎖線で示す)に向けて流れる。
【0040】
ここで、前述したように、凹部211の内面211aの曲率半径は、シャフト40の外周面41の曲率半径と略同一であるため、第1部位210、230に設けられた凹部の内面とシャフト40の外周面41との当接部分の面積が大きい。従って、シャフト40の外周面41と第1部位210、230に設けられた凹部の内面とが線接触する場合と比較すると、本実施形態の方が広い面積で電流Cを流すことができるため、当接部分で生じる発熱量を抑制することができる。
【0041】
(比較例)
ここで、電流Cの流れについての比較例を説明する。
図4は、比較例に係るスポット溶接時における電流の流れを示す模式図である。
【0042】
図4に示すように、比較例では、スリーブ30の下部が比較例に係る第2電極200Aに接している。このため、スリーブ30と比較例に係る第2電極200Aとは通電状態となる。従って、第1電極110からスリーブ30に流れた電流Cは、そのままシャフト40の中心軸AXに向かう電流C1と、スリーブ30の周方向に沿って流れる電流C2とに分かれる。電流Bが閾値以上の大きさになると、スリーブ30が損傷を起こす可能性があり好ましくない。従って、実施形態のように、スリーブ30と第2電極200Aとは、絶縁状態が好ましい。
【0043】
以上説明したように、第1実施形態に係るスポット溶接方法は、スリーブ30の内周側にシャフト40を挿入する挿入工程と、スリーブ30とシャフト40とをスポット溶接するスポット溶接工程と、を含む。スポット溶接工程において、第1電極110は、スリーブ30と接触し、第2電極200は、スリーブ30と非接触であり、シャフト40の第2外周面部412、413と接触する。
【0044】
従って、電流Cは、第1電極110の先端からスリーブ30を介してシャフト40に流れる。ここで、スリーブ30は第2電極200に接していない絶縁状態であるため、電流Cは、第2電極200の第1部位210、230に向けて流れるが、スリーブ30の下部に位置する第2部位220に向けては流れにくくなる。このように、電流Cが、溶接の打点部位からシャフト40の軸方向に沿って第1部位210、230に向けて流れる。
【0045】
これに対して、
図4を参照した比較例で説明したように、スリーブ30の下部にも電極を設けると、スリーブ30の周方向に沿って流れる電流C1、C2が発生するため、シャフト40の軸方向に沿って第1部位210、230に向けて流れる電流が少なくなる。即ち、比較例の場合は、スリーブ30に流れる電流量が本実施形態よりも多くなる。以上より、スリーブ30の下部に接する電極を設ける場合よりも、本実施形態の方が、溶接に起因するスリーブ30の損傷が抑制される。
【0046】
第1電極110は、スリーブ30に対してZ1側に配置され、第2電極200は、スリーブ30およびシャフト40に対してZ2側に配置される。即ち、第1電極110および第2電極200を周方向で略180度離隔させている。従って、円柱部品にスポット溶接を行う際に、第1電極110と第2電極200とを周方向で最も離隔させている。従って、第1電極110および第2電極200をスリーブ30の周方向で、例えば、180度よりも小さい90度離隔して配置する場合よりも、スリーブ30およびシャフト40の全体における電流Cの流れが均等化され、スリーブ30の損傷がより抑制される。
【0047】
第2電極200は、シャフト40の第2外周面部412、413と接触する第1部位210と、スリーブ30から離隔してスリーブ30と絶縁状態になる第2部位220と、を備える。従って、簡単な構造で、第2電極200にスリーブ30と絶縁状態となる部位を形成することができる。
【0048】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。
図5は、第2実施形態において、スリーブとシャフトとをスポット溶接している状態を示す模式的な斜視図である。
図6は、
図5のスポット溶接時における電流の流れを示す模式図である。第2実施形態では、第1実施形態に対して、押し付け装置300を追加している。第1実施形態では、第1電極110の先端でスリーブ30の外周の円筒面を押しているため、スリーブ30とシャフト40との密着性が必ずしも十分でない可能性がある。よって、押し付け装置300によってスリーブ30をシャフト40に対して押し付ける。以下、具体的に説明する。
【0049】
図5および
図6に示すように、押し付け装置300は、押し付け部材310と、付勢部材320と、を備える。
【0050】
押し付け部材310は、例えば、角柱形状を適用可能である。しかし、角柱以外に、例えば、底面を上側に凹む曲面としてもよい。曲面の曲率半径は、スリーブ30の外周面31と略同一またはスリーブ30よりも大きいことが望ましい。また、押し付け部材310の少なくとも一部は絶縁体であるが、押し付け部材310の全体を絶縁体とせずに、スリーブ30に接する部位のみを絶縁体としてもよい。押し付け部材310は、Z方向(上下方向)に移動可能である。押し付け部材310の下面がスリーブ30の外周面31を押し付ける。押し付け部材310には、Z方向に延びる貫通孔312が設けられる。貫通孔312の内周には、第1電極110が挿入される。第1電極110は、貫通孔312の内周において上下移動が可能である。
【0051】
付勢部材320は、第1付勢部材321と、第2付勢部材322とを備える。第1付勢部材321は、押し付け部材310の上面に接続される。第1付勢部材321は、押し付け部材310をZ2側に向けて付勢し、これにより押し付け部材310がスリーブ30を押し付ける。第2付勢部材322は、第1電極110の上部に接続される。第2付勢部材322は、第1電極110をZ2側に向けて付勢し、これにより第1電極110がスリーブ30に押し付けられて接し、溶接電流が流れる。
【0052】
以上説明したように、第2実施形態の溶接装置は、押し付け装置300を備える。押し付け装置300は、スリーブ30に対して、Y方向(軸方向、第1方向)に交差するZ方向(第2方向)のZ1側(一方側)に対向して配置され、且つ、スリーブ30に当接可能な押し付け部材310と、押し付け部材310をZ2側(第2方向の他方側)に付勢する第1付勢部材321(付勢部材)と、を有する。
【0053】
従って、第1付勢部材321で付勢される押し付け部材310によってスリーブ30をシャフト40に対して押し付けることができる。これによれば、溶接打点位置において、スリーブ30とシャフト40とを接触させることができるため、スリーブ30をシャフト40により強固に接合させることができる。
【0054】
また、押し付け部材310には、Z方向(第2方向)に延びる貫通孔312が設けられ、貫通孔312に第1電極110が挿入可能である。これによれば、第1電極110が上下動する際の位置ずれを抑制することができる。
【0055】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態を説明する。
図7は、第3実施形態において、スリーブとシャフトとをスポット溶接している状態を示す模式的な斜視図である。
図8は、
図7のスポット溶接時における電流の流れを示す模式図である。
図9は、
図7のスポット溶接時における第1電極、第2電極、スリーブおよびシャフトを当該シャフトの軸方向から見た模式図である。
図10は、スポット溶接時において、1点目を打点する際の打点周辺部の模式図である。
図11は、
図10の状態からスリーブを周方向に180度回転させて2点目を打点する際の打点周辺部の模式図である。
【0056】
第3実施形態では、第2実施形態に対して、スリーブ受け治具500を追加している。以下、具体的に説明する。
図7に示すように、第3実施形態の第2電極200Bは、第1および第2実施形態の第2電極200に対して、第2部位220がない。つまり、第3実施形態の第2電極200Bは、Y1側の第1部位210と、Y2側の第1部位230と、を備え、第1部位210および第1部位230はY方向に離隔している。そして、この離隔部分に、スリーブ受け治具500を配置している。即ち、スリーブ受け治具500は、スリーブ30の下側に配置される。スリーブ受け治具500は、絶縁性を有する。スリーブ受け治具500は、例えば、平板である。スリーブ受け治具500の平板の上面(受け面)501で、スリーブ30の下側の外周面31を受ける。
【0057】
図9に示すように、スポット溶接時において、スリーブ30の上側の溶接点33は押し付け部材310の下面311で下側に押し付け、スリーブ30の下側の溶接点34はスリーブ受け治具500の上面(受け面)501で受ける。これにより、スリーブ30の上側の溶接点33および下側の溶接点34の双方において、スリーブ30とシャフト40とが隙間なく接する。よって、
図10および
図11に示すように、1点目のスポット溶接を行う際も、2点目のスポット溶接を行う際も、スリーブ30とシャフト40とが隙間なく接した状態で溶接を行うことができる。
【0058】
以上説明したように、第3実施形態では、溶接装置は、スリーブ受け治具500を備える。スリーブ受け治具500は、スリーブ30に対してZ2側(第2方向の他方側)に対向して配置され、且つ、スリーブ30のZ2側に当接可能な受け面が設けられる。
【0059】
スリーブ30に2点のスポット溶接を行う際に、例えば、周方向に180度離れた位置にそれぞれ打点(溶接点)を設ける場合がある。この場合、まず、スポット溶接を溶接点33に1点打ったあと、スリーブ30およびシャフト40を180度回転させて、1点目の溶接点33を下側(Z2側)に配置し2点目の打点部位である溶接点34を上側(Z1側)に配置する。しかし、下側の1点目の溶接点33でスリーブ30およびシャフト40が接合されているため、上側の2点目の打点部位(溶接点34)において、スリーブ30およびシャフト40の間に間隙が生じている。従って、スリーブ30の上側の2点目の打点部位(溶接点34)を下側に押して、スリーブ30をシャフト40に接触させてから2点目のスポット溶接を行うことができる。これにより、スリーブ30の内径がシャフト40の外径よりも大きくスリーブ30にシャフト40を挿入した状態でスリーブ30とシャフト40との間に隙間が生じる場合であっても、複数の打点でスリーブ30とシャフト40とにスポット溶接を行うことができる。
【0060】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態を説明する。
図12は、第4実施形態において、スリーブとシャフトとをスポット溶接している状態を示す模式的な斜視図である。
図13は、第4実施形態に係るスリーブ受け治具を含む模式図であり、当該スリーブ受け治具と押し付け部材とでスリーブおよびシャフトを上下に挟んでいる状態を示す図である。
図14は、
図13のスリーブ受け治具を示す斜視図である。第4実施形態では、第3実施形態に対して、スリーブ受け治具の形状を変えている。以下、具体的に説明する。
【0061】
図13および
図14に示すように、第4実施形態のスリーブ受け治具500Aには、上面(受け面)501AにV字状の切欠部502が設けられる。換言すると、スリーブ受け治具500Aの上面(受け面)501Aは、切欠部502が面する第1傾斜面503および第2傾斜面504を有する。第1傾斜面503は、X1側に行くに従ってZ2側に傾斜する傾斜面である。第2傾斜面504は、X2側に行くに従ってZ2側に傾斜する傾斜面である。第1傾斜面503および第2傾斜面504は、スリーブ30の外周面31を受ける受け面である。スリーブ受け治具500Aは、絶縁性を有する。
【0062】
図13に示すように、スリーブ30の外周面31は、3つの接触点で接触する。具体的には、3つの接触点は、接触点313、314、315である。接触点313は、例えば、外周面31の上端である。接触点313は、押し付け部材310の下面311に接する部位である。接触点314は、第1傾斜面503に接する部位である。接触点315は、第2傾斜面504に接する部位である。
【0063】
以上説明したように、第4実施形態では、スリーブ受け治具500Aの上面(受け面)501Aは、V字状の切欠部502に面する一対の第1傾斜面503および第2傾斜面504を有する。従って、
図13に示すように、スリーブ30の外周面31は、3つの接触点で接触するため、溶接時におけるスリーブ30の位置がより安定する。
【0064】
[変形例1]
次に、変形例1を説明する。
図15は、変形例1におけるスリーブ受け治具を含む模式図であり、当該スリーブ受け治具と押し付け部材310とでスリーブ30およびシャフト40を上下に挟んでいる状態を示す図である。
【0065】
図15に示すように、変形例1に係るスリーブ受け治具500Bは、上面(受け面)501Bに円弧形状の曲面部507を有する。具体的には、上面(受け面)501Bは、X1側の平面部505と、X2側の平面部506と、2つの平面部505、506の間に位置する中央側の曲面部507と、を備える。曲面部507は、スリーブ30の外周面31に沿った円弧状である。スリーブ30の外周面31は、曲面部507に接する。曲面部507は、例えば、スリーブ30の外周面31の中心角θ1に対応する円弧の長さL1を有する。曲面部507は、中心軸AXを挟んで接触点313の反対側に位置する。スリーブ受け治具500Bは、絶縁性を有する。
【0066】
以上説明したように、変形例1では、上面(受け面)501Bは、スリーブ30の外周面31に沿った曲面部507を有する。従って、変形例1の接触点よりも、より広い面積の曲面部507でより安定してスリーブ30を受けることができる。
【0067】
[変形例2]
次に、変形例2を説明する。
図16は、変形例2に係るスリーブ受け治具を含む模式図であり、当該スリーブ受け治具と押し付け部材310とでスリーブ30およびシャフト40を上下に挟んでいる状態を示す図である。
【0068】
図16に示すように、変形例2に係るスリーブ受け治具500Cには、上面(受け面)にU字状の切欠部508が設けられる。換言すると、スリーブ受け治具500Cの上面(受け面)は、切欠部508が面する第3傾斜面510、第4傾斜面511および底面512を有する。第3傾斜面510は、X1側に行くに従ってZ2側に傾斜する傾斜面である。第4傾斜面511は、X2側に行くに従ってZ2側に傾斜する傾斜面である。底面512は、X方向に沿って延びる平面である。スリーブ30は、3つの接触点で接触する。具体的には、3つの接触点は、接触点313、316、317である。接触点313は、例えば、外周面31の上端である。接触点313は、押し付け部材310の下面311に接する部位である。接触点316は、第3傾斜面510に接する部位である。接触点317は、第4傾斜面511に接する部位である。
【0069】
スリーブ30は、押し付け部材310の下面311と、第3傾斜面510と、第4傾斜面511との3点で接している。接触点313、316、317は、周方向に沿って等間隔(120度ずつ)に配置されるが、本発明は、これに限定されず、様々な角度に設定することが可能である。スリーブ受け治具500Cは、絶縁性を有する。
【符号の説明】
【0070】
10 中間プレート
20 マグネットアッセンブリ
21 第1スリーブ(スリーブ)
25 マグネット
30 スリーブ
31 外周面
32 内周面
33、34 溶接点
40 シャフト
41 外周面
80 ステアリング装置
82a 入力軸
82c トーションバー
92 減速装置
100 溶接装置
101 溶接電源
110 第1電極
200、200A、200B 第2電極
210、230 第1部位
211 凹部
211a 内面
212 上面部
220 第2部位
221 切欠部
222 上面部
223 凹部
223a 内面
300 押し付け装置
310 押し付け部材
311 下面
312 貫通孔
313、314、315、316、317 接触点
320 付勢部材
321 第1付勢部材
322 第2付勢部材
411 第1外周面部
412 第2外周面部
413 第2外周面部
500、500A、500B、500C スリーブ受け治具
501、501A、501B 上面(受け面)
502 切欠部
503 第1傾斜面
504 第2傾斜面
505 平面部
506 平面部
507 曲面部
508 切欠部
510 第3傾斜面
511 第4傾斜面
512 底面
820 コラムハウジング
920 ギアボックス
921 ウォームホイール
AX 中心軸
C 電流
θ1 中心角