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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132780
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】静電噴出装置
(51)【国際特許分類】
   B05B 5/025 20060101AFI20230914BHJP
【FI】
B05B5/025 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038306
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅原 博勝
(72)【発明者】
【氏名】小林 遼
(72)【発明者】
【氏名】藤波 進
(72)【発明者】
【氏名】橋爪 啓暢
(72)【発明者】
【氏名】藤原 充
【テーマコード(参考)】
4F034
【Fターム(参考)】
4F034AA03
4F034AA10
4F034BA01
4F034BB04
4F034BB15
4F034BB25
4F034BB28
(57)【要約】
【課題】液体組成物の固着や液だれを防止することができる静電噴出装置に関する。
【解決手段】液体に電圧を印加して前記液体を噴出させる静電噴出装置であって、液体を収容する液収容部及び前記液体を噴出させる噴出部を有するカートリッジと、前記カートリッジの前記液収容部を挿脱可能な前記静電噴出本体と、前記噴出部の先端のノズルを密閉するキャップとを備え、前記キャップは、前記ノズルの噴出孔を密閉する閉状態と、前記ノズルの噴出孔を開放する開状態とを変更可能に構成されており、開状態において、前記カートリッジ又は前記静電噴出本体に保持されている。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体に電圧を印加して前記液体を噴出させる静電噴出装置であって、
液体を収容する液収容部及び前記液体を噴出させる噴出部を有するカートリッジと、
前記カートリッジの前記液収容部を挿脱可能な前記静電噴出本体と、
前記噴出部の先端のノズルに設けられた噴出孔を密閉するキャップと
を備え、
前記キャップは、前記ノズルの噴出孔を密閉する閉状態と、前記ノズルの噴出孔を開放する開状態とを変更可能に構成されており、開状態において、前記カートリッジ又は前記静電噴出本体に保持されている
静電噴出装置。
【請求項2】
前記キャップの開状態から閉状態へと向かう変位を規制するよう前記キャップを保持する規制部を備え、
前記キャップは、開状態において、前記規制部により前記ノズルの先端部の電場に影響しない位置に保持される
請求項1に記載の静電噴出装置。
【請求項3】
前記キャップと、前記カートリッジ又は前記静電噴出本体とを連結可能な連結部を備え、
前記キャップは、前記連結部により連結された状態で閉状態と開状態との間を変更可能に構成されている
請求項1又は2に記載の静電噴出装置。
【請求項4】
前記キャップは、前記連結部が前記静電噴出本体又は前記カートリッジの少なくとも一部と一体成形により形成されたヒンジキャップである
請求項3に記載の静電噴出装置。
【請求項5】
前記キャップは、開状態において、180度以上回転する請求項3に記載の静電噴出装置。
【請求項6】
前記キャップは、開状態において、前記ノズル先端から10mm以上後方に保持される
請求項1~5のいずれか1項に記載の静電噴出装置。
【請求項7】
前記連結部がリンク機構である
請求項3に記載の静電噴出装置。
【請求項8】
前記連結部が可撓性を有する材料からなる
請求項3に記載の静電噴出装置。
【請求項9】
前記キャップは、開状態において、前記静電噴出本体に磁力により支持される
請求項8に記載の静電噴出装置。
【請求項10】
液体に電圧を印加して前記液体を噴出させる静電噴出装置であって、
液体を収容する液収容部及び前記液体を噴出させる噴出部を有するカートリッジの前記液収容部を挿脱可能な前記静電噴出本体と、
前記噴出部の先端のノズルに設けられた噴出孔を密閉するキャップと
を備え、
前記キャップは、前記ノズルの噴出孔を密閉する閉状態と、前記ノズルの噴出孔を開放する開状態とを変更可能に構成されており、開状態において、前記カートリッジ又は前記静電噴出本体に保持されている
静電噴出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、静電噴出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、静電気力によって液体を噴出する静電噴出装置が知られている。例えば特許文献1には、使用者の手で握ることができる寸法に作られたハウジングの内部に、モータ、高電圧発生器及び電池等を備え、高電圧発生器からの高電圧により静電チャージ(静電的に帯電)された液体組成物を、ノズルから対象物に向けて噴出する静電噴出装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-195957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、使用後にキャップを閉め忘れることがなく、液体組成物の固着や液だれを防止することができる静電噴出装置に関する。特に乾燥固着し易い液体組成物は、キャップを閉め忘れるとノズル内で固着して噴出できなくなる為、キャップの閉め忘れは致命的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における静電噴出装置は、液体に電圧を印加して前記液体を噴出させる静電噴出装置であって、液体を収容する液収容部及び前記液体を噴出させる噴出部を有するカートリッジと、前記カートリッジの前記液収容部を挿脱可能な前記静電噴出本体と、前記噴出部の先端のノズルに設けられた噴出孔を密閉するキャップとを備え、前記キャップは、前記ノズルの噴出孔を密閉する閉状態と、前記ノズルの噴出孔を開放する開状態とを変更可能に構成されており、開状態において、前記カートリッジ又は前記静電噴出本体に保持されている。
【0006】
本開示における静電噴出装置は、液体に電圧を印加して前記液体を噴出させる静電噴出装置であって、液体を収容する液収容部及び前記液体を噴出させる噴出部を有するカートリッジの前記液収容部を挿脱可能な前記静電噴出本体と、前記噴出部の先端のノズルに設けられた噴出孔を密閉するキャップとを備え、前記キャップは、前記ノズルの噴出孔を密閉する閉状態と、前記ノズルの噴出孔を開放する開状態とを変更可能に構成されており、開状態において、前記カートリッジ又は前記静電噴出本体に保持されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示における静電噴出装置は、使用後にキャップを閉め忘れることがなく、液体組成物の固着や液だれを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態における静電噴出装置を、キャップ閉状態で示す斜視図である。
図2】第1実施形態における静電噴出装置を、キャップ開状態で示す斜視図である。
図3】第1実施形態における静電噴出装置を、キャップ開状態で示す部分断面図である。
図4A】第1実施形態における静電噴出装置を、カートリッジを外した状態で示す分解斜視図である。
図4B】第1実施形態における静電噴出装置の主電源操作部の詳細図である。
図5A】第2実施形態における静電噴出装置を、キャップ閉状態で示す部分断面図である。
図5B】第2実施形態における静電噴出装置を、キャップ開状態で示す部分断面図である。
図6A】第3実施形態における静電噴出装置を、キャップ閉状態で示す部分断面図である。
図6B】第3実施形態における静電噴出装置を、キャップ開状態で示す部分断面図である。
図7】実施の形態における静電噴出装置のハウジング内に備えた構成を示すブロック構成図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0010】
(第1実施形態)
以下、図を用いて第1実施形態を説明する。
【0011】
[静電噴出装置の全体構成と動作概要]
第1実施形態に係る静電噴出装置10は、図1から図4Aに示すように、液体を収容するカートリッジ100と、該カートリッジ100を挿脱可能な静電噴出本体200とを備えている。また、第1実施形態に係る静電噴出装置10は、カートリッジ100に装着されるキャップ11と、キャップ11とカートリッジ100とを連結させる連結部15とを更に備えており、使用時にはキャップ11を開き(図2及び図3参照)、使用後にキャップ11を閉じるようになっている(図1参照)。
【0012】
第1実施形態に係る静電噴出装置10は、使用者が手で握ることができる形状と大きさになっているハンドヘルドタイプの装置であり、静電スプレー法により、液体組成物(液体)を対象物に向けて噴出する。静電スプレー法とは、液体組成物(例えば、高分子化合物を揮発性の溶媒に溶解した溶液)に、高電圧(例えば、数kVから数十kV)を印加して液体組成物を静電チャージし(静電的に帯電させ)、帯電した液体組成物と対象物との電位差に基づく静電気力によって、液体組成物を対象物に向けて噴出する方法である。静電スプレー法により噴出された液体組成物は、霧状または極細の糸状になって対象物に向かって送り出される。噴出された液体組成物は、噴出されてから対象物に向かって送り出されている過程、及び、対象物に付着した後に、揮発性物質である溶媒が乾燥することで、対象物の表面に被膜を形成することができる。なお、第1実施形態に係る静電噴出装置10は、静電紡糸用の原料を含む溶液すなわち紡糸用液を、対象物に向けて噴出する静電紡糸装置としても使用することができる。
【0013】
液体組成物として、例えば、揮発性物質と繊維形成用水不溶性ポリマーと水を含む溶液を採用した場合には、使用者が静電噴出装置10を手で握り、この液体組成物を使用者の皮膚に向けて噴出することで、使用者の皮膚の表面に被膜を形成することができる。被膜は、繊維を含む堆積物である。
【0014】
具体的には、静電噴出装置又は静電紡糸装置において使用される液体組成物又は紡糸用液としては、例えば、被膜形成可能な高分子化合物、より好ましくは繊維形成の可能な高分子化合物が溶媒に溶解した溶液を用いることができる。そのような高分子化合物としては、水溶性高分子化合物または水不溶性高分子化合物のいずれも用いることができる。繊維形成可能な高分子化合物としては水不溶性高分子化合物を含むことが好ましい。
【0015】
水不溶性高分子化合物を用いる場合、液体組成物は、アルコール及びケトンから選ばれる揮発性液剤を50質量%以上含有する。揮発性液剤は、液体の状態において揮発性を有する物質である。揮発性液剤はその蒸気圧が20℃において0.01kPa以上、106.66kPa以下であることが好ましく、0.13kPa以上、66.66kPa以下であることがより好ましく、0.67kPa以上、40.00kPa以下であることが更に好ましく、1.33kPa以上、40.00kPa以下であることがより一層好ましい。
【0016】
揮発性液剤のうち、アルコールとしては例えば一価の鎖式脂肪族アルコール、一価の環式脂肪族アルコール、一価の芳香族アルコールが好適に用いられる。一価の鎖式脂肪族アルコールとしてはC-Cアルコール、一価の環式アルコールとしてはC-C環式アルコール、一価の芳香族アルコールとしてはベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等がそれぞれ挙げられる。それらの具体例としては、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、フェニルエチルアルコール、n-プロパノール、n-ペンタノールなどが挙げられる。これらのアルコールは、これらから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。
【0017】
揮発性液剤のうち、ケトンとしてはジC-Cアルキルケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらのケトンは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0018】
揮発性液剤は、より好ましくはエタノール、イソプロピルアルコール及びブチルアルコールから選ばれる1種又は2種以上を含有し、より好ましくはエタノール及びブチルアルコールから選ばれる1種又は2種を含有し、形成される繊維の感触の観点から更に好ましくはエタノールを含有する揮発性液剤である。上記揮発性アルコールの含有量は、揮発性液剤中85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることが好ましく、100質量%以下であることが好ましい。
【0019】
液体組成物における揮発性液剤の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましい。また、95質量%以下であることが好ましく、94質量%以下であることがより好ましく、93質量%以下であることが更に好ましい。液体組成物における揮発性液剤の含有量は、50質量%以上95質量%以下であることが好ましく、55質量%以上94質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上93質量%以下であることが更に好ましい。この割合で液体組成物中に揮発性液剤を含有させることで、静電スプレー法を行うときに液体組成物を十分に揮発させることができ、皮膚又は爪の表面に繊維を含む被膜を形成することができる。
【0020】
また、エタノールは、揮発性の高さと形成される繊維の感触の観点から、揮発性液剤の全量に対して、50質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることが更に好ましく、80質量%以上であることが一層好ましい。また100質量%以下であることが好ましい。エタノールは揮発性液剤の全量に対して、50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、65質量%以上100質量%以下であることが更に好ましく、80質量%以上100質量%以下であることが一層好ましい。
【0021】
また、液体組成物は、繊維形成用水不溶性ポリマーを含むことが好ましい。繊維形成用水不溶性ポリマーは、揮発性液剤に溶解することが可能な物質である。ここで、溶解するとは20℃において分散状態にあり、その分散状態が目視で均一な状態、好ましくは目視で透明又は半透明な状態であることをいう。
【0022】
繊維形成用水不溶性ポリマーとしては、揮発性物質に可溶で、水に対して不溶なポリマーである。本明細書において「水溶性ポリマー」とは、1気圧・23℃の環境下において、ポリマー1gを秤量したのちに、10gのイオン交換水に浸漬し、24時間経過後、浸漬したポリマーの0.5g以上が水に溶解する性質を有するものをいう。一方、本明細書において「水不溶性ポリマー」とは、1気圧・23℃の環境下において、ポリマー1g秤量したのちに、10gのイオン交換水に浸漬し、24時間経過後、浸漬したポリマーの0.5g以上が溶解しない性質を有するもの、言い換えれば溶解量が0.5g未満の性質を有するものをいう。
【0023】
水不溶性である繊維形成能を有するポリマーとしては、例えば被膜形成後に不溶化処理できる完全鹸化ポリビニルアルコール、架橋剤と併用することで被膜形成後に架橋処理できる部分鹸化ポリビニルアルコール、ポリ(N-プロパノイルエチレンイミン)グラフト-ジメチルシロキサン/γ-アミノプロピルメチルシロキサン共重合体等のオキサゾリン変性シリコーン、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ツエイン(とうもろこし蛋白質の主要成分)、ポリエステル、ポリ乳酸(PLA)、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリメタクリル酸樹脂等のアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。これらの水不溶性ポリマーから選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの水不溶性ポリマーのうち、被膜形成後に不溶化処理できる完全鹸化ポリビニルアルコール、架橋剤と併用することで被膜形成後に架橋処理できる部分鹸化ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリメタクリル酸樹脂等のアクリル樹脂、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリ(N-プロパノイルエチレンイミン)グラフト-ジメチルシロキサン/γ-アミノプロピルメチルシロキサン共重合体等のオキサゾリン変性シリコーン、ポリ乳酸(PLA)、ツエインから選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。これらの水不溶性ポリマーのうち、アルコール溶媒への分散性、繊維の感触の観点等から、部分鹸化ポリビニルアルコール、完全鹸化ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂がより好ましく、部分鹸化ポリビニルアルコール、完全鹸化ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール樹脂がさらに好ましく、皮膚又は爪の表面に繊維を含む被膜を安定して効率的に形成することができる点、被膜の耐久性、被膜の形成性、皮膚への追随性と耐久性との両立の点からポリビニルブチラール樹脂が殊更に好ましい。
【0024】
液体組成物中の繊維形成用水不溶性ポリマーの含有量は、3質量%以上であることが好ましく、4質量%以上であることがより好ましく、6質量%以上であることが一層好ましい。また、30質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが更に好ましい。液体組成物の繊維形成用水不溶性ポリマーの含有量は、3質量%以上30質量%以下であることが好ましく、3質量%以上25質量%以下であることが更に好ましく、5質量%以上20質量%以下が一層好ましい。この割合で液体組成物中に繊維形成用水不溶性ポリマーを含有させることで、繊維状の被膜を安定して効率的に形成することができる。
【0025】
また、液体組成物は、水が含まれていても良い。水は、エタノール等の電離しない溶媒に比べて電離し荷電するため、あるいはイオン性成分を溶解して電離を誘導し、液体組成物に導電性を付与することができる。そのため、静電スプレーにより皮膚や爪の表面上に繊維状の被膜が安定して形成される。また、水は、静電スプレーにより形成される被膜の皮膚や爪への密着性の向上、耐久性の向上、外観に寄与する。これらの作用効果を得る点から、水は、液体組成物中に0.2質量%以上20質量%以下含有することが好ましく、0.3質量%以上15質量%以下がより好ましく、湿度の高い環境においても繊維状の被膜の形成性の観点から、0.4質量%以上10質量%以下がさらに好ましい。
【0026】
液体組成物は、更に他の成分が含まれていてもよい。他の成分としては、例えば上記揮発性液剤以外のポリオール、25℃で液状の油、繊維形成用水不溶性ポリマーの可塑剤、液体組成物の導電率制御剤、粘結剤、着色顔料、体質顔料等の粉体、染料、香料、忌避剤、酸化防止剤、安定剤、防腐剤、各種ビタミン等が挙げられる。液体組成物中に他の成分が含まれる場合、当該他の成分の含有割合は、0.1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上20質量%以下であることがさらに好ましい。
【0027】
液体組成物の粘度は、繊維状の被膜を安定して形成する点、静電スプレー時の紡糸性の観点、被膜の耐久性を向上する観点と、被膜の感触を向上する観点から、25℃で2mPa・s以上3000mPa・s以下が好ましく、10mPa・s以上1500mPa・s以下がより好ましく、15mPa・s以上1000mPa・s以下がさらに好ましく、15mPa・s以上800mPa・s以下がよりさらに好ましい。液体組成物の粘度は、E型粘度計を用いて25℃で測定される。E型粘度計としては例えば東京計器株式会社製のE型粘度計(VISCONICEMD)を用いることができる。その場合の測定条件は、25℃、コーンプレートのローターNo.43、回転数は粘度に応じた適切な回転数が選択され、500mPa・S以上の粘度は5rpm、150mPa・S以上500mPa・S未満の粘度は10rpm、150mPa・S未満の粘度は20rpmとする。
【0028】
静電噴出本体200は、図4Aに示すように、ハウジング210を備えており、該ハウジング210は、カートリッジ100を着脱可能に構成されている。
【0029】
ハウジング210は、絶縁性材料、すなわち、電気を通し難い性質を有する材料により形成されている。なお、ここでいう「絶縁性」又は「電気を通し難い」とは、例えば1012Ωmを超える体積抵抗率(ASTM D257、 JIS K6911)を有することをいうものとする。ハウジング210に用いられる絶縁性材料としては、例えば、合成樹脂等の絶縁性の有機材料、又はガラス若しくはセラミック等の絶縁性の無機材料等が例示される。絶縁性の有機材料としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、モノマーキャストナイロンなどを用いることができる。一方、導電性材料とは、電気を通し易い性質を有する材料、すなわち、例えば10-2Ωm以下の体積抵抗率を有する材料をいうものとする。
【0030】
[カートリッジの構成]
カートリッジ100は、液体の供給対象となる装置に交換可能に装着される使い捨て容器であり、その使用用途は特に制限されるものではないが、第1実施形態では、静電紡糸装置に用いられる静電紡糸装置用カートリッジである。具体的には、図4Aに示すように、カートリッジ100は、液体組成物を収容可能なシリンダ型の液収容部110と、液収容部110内の液体組成物を噴出させる噴出部120とを有している。
【0031】
噴出部120は、図3に示すように、装着体121と、接続体122と、ノズル123とを有しており、第1実施形態では装着体121の一部が導電性樹脂(例えば、カーボンを含有する樹脂)により形成されている。なお、「導電性樹脂」とは、金属やカーボン等の導電性材料を含み、また、電気抵抗が低く、電気が流れ易い樹脂をいい、例えば、10-2Ωm以下の体積抵抗率を有する樹脂のことをいう。また、樹脂としては、例えば、PP(ポリプロピレン:polypropylene)樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート:polyethylene terephthalate)、PE(ポリエチレン:polyethylene)樹脂、PОМ(ポリアセタール:polyacetal)樹脂など、エタノール等の溶媒に対して耐溶媒性を有する樹脂を採用可能である。なお、装着体121の全て、または装着体121および接続体122を導電性樹脂で構成しても良い。
【0032】
装着体121は、その内部に、流路及び小電極を有している。流路は、液体組成物を流通させる通路である。また、小電極は、流路内を流通する液体組成物を付加的に静電チャージするように構成されている。接続体122は、液収容部110に接続されると共に、液収容部110の内部に連通しており、液収容部110内の液体組成物を、装着体121の流路に導くように構成されている。ノズル123は、装着体121に接続されており、先端に噴出孔123aを有すると共に、噴出孔123aと装着体121の流路とを接続する直線状のノズル流路を有している。なお、第1実施形態において、装着体121は、接続体122と別体のものとして構成されているが、装着体121と、接続体122とが一体的に構成されていても良い。また、ノズル123は、装着体121と別体のものとして構成されているが、ノズル123と、装着体121とが一体的に構成されていても良い。
【0033】
液収容部110は、噴出部120と接続可能な第1筒部材111と、第1筒部材111と接続可能でかつ第1筒部材111よりも径の小さい第2筒部材112とを備えるシリンダ形状を有している。第1筒部材111は、プラスチック製のシリンダ状の容器であり、液体組成物を収容可能に構成されている。
【0034】
第2筒部材112は、プラスチック製のシリンダ状の容器であり、後述する駆動部246が駆動して発生した回転力により、第1筒部材111に対して回転するよう構成されている。また、第2筒部材112の内部には、ピストンロッド112aと、ピストンロッド112aの噴出部120側の端部に設けられたピストン112bが配されている。
【0035】
ピストンロッド112aは、第2筒部材112の回転により軸方向に前進し、ピストン112bを噴出部120側に押し上げるように構成されている。具体的には、第2筒部材112の内面とピストンロッド112aの外面には、互いに螺合可能なねじ(図示せず)がそれぞれ形成されており、第2筒部材112の回転によってピストンロッド112aが噴出部120側に螺進するように構成されている。ピストン112bは、ピストンロッド112aにより、軸方向(液収容部110に沿う方向)に進退可能に構成されており、ピストンロッド112aにより噴出部120側に押し上げられることにより、液体組成物を噴出部120に押し出すように構成されている。
【0036】
[ハウジングの構成及び動作]
図1図2及び図4Aに示すハウジング210は、使用者が手で握ることができる形状と大きさとなっている。具体的には、ハウジング210は、筒型形状、すなわち、ノズル軸に平行する断面が長軸と短軸を有する楕円形状を有している。また、ハウジング210は、ノズル軸に沿う方向の長さが、例えば、3cm以上11cm以下である。なお、「ノズル軸」とは、ノズル123の噴出孔123aの中心を通り、かつ、液体の噴出方向に沿う軸を意味する。このハウジング210内には、カートリッジ100の液収容部110を収容可能な収容空間220(図4A参照)が形成されると共に、液体組成物を静電チャージ(静電的に帯電)する帯電構造や、第2筒部材112を駆動する駆動部等が配置されている。帯電構造や駆動部等の詳細については、後述する。
【0037】
また、ハウジング210には、一端部側(図4Aの上端部側)に液収容部110を挿通可能な挿入孔221が形成されている。該挿入孔221は、ハウジング210内の収容空間220に連通しており、カートリッジ100の液収容部110が、挿入孔221を挿通して収容空間220に挿脱することができる形状及び大きさになっている。第1実施形態において、挿入孔221及び収容空間220は、ハウジングの端に形成されており、他方の側に、帯電構造や駆動部等の収容スペースを広く確保することが可能となっている。
【0038】
[キャップの構成]
キャップ11は、図1に示すように、噴出部120のノズル123に設けられた噴出孔123aを密閉するように構成されており、第1実施形態では、全体としてノズル123を覆う半球形状を有している。また、キャップ11は、キャップ11がノズル123の噴出孔123aを密閉した閉状態と、ノズル123の噴出孔123aを開放した開状態とを変更可能に構成されており、開状態において、カートリッジ100に保持されている。具体的には、キャップ11は、連結部15によりカートリッジ100と連結されており、連結部15により連結された状態で閉状態と開状態との間を変更可能に構成されている。より具体的には、第1実施形態において、キャップ11は、連結部15を中心として、閉状態と開状態との間を回転自在に構成されている。
【0039】
このように、キャップ11がカートリッジ100に保持されていることにより、キャップ11の閉め忘れやキャップ11を紛失する事態等を防止することができるため、液体組成物がノズル123内で固着して噴出できなくなる事態や液体組成物がノズル123から液だれする事態等を防止することができる。
【0040】
また、キャップ11は、図3に示すように、該キャップ11の開状態から閉状態へと向かう変位を規制するよう該キャップ11を保持する規制部14を備えている。第1実施形態において、規制部14は、連結部15が偏心構造を有する回転軸部であることによって実現されている。すなわち、第1実施形態では、連結部15の他に規制部14が設けられる構成ではなく、連結部15自体の形状によって、連結部15が規制部14としても機能している。具体的には、連結部15は、キャップ11の開状態において、回転中心からノズル123の噴出方向側端部までの長さが、鉛直方向の長さよりも長く形成された断面略雫形状を有している。連結部15がこのような形状を有していることにより、キャップ11を閉める際に、キャップ11が大きな円弧を描いて可動し、キャップ11内面とノズル123先端が接触する際に、ノズル123の先端側から接触して流路を適切に塞ぐことが可能となる。また、キャップ11を開閉する際に無理な力をかけることなく、適切な力でキャップ11の開閉が可能となる。なお、第1実施形態では、連結部15が規制部14として機能するものとして説明したが、これに限定されず、連結部15とは別に規制部14が設けられる構成としても良いし、規制部14が設けられなくても良い。
【0041】
図1に示すキャップ11の閉状態において、キャップ11の内側先端に配されたパッキン12によりノズル123先端がシールされ、液の固着が防止されている。キャップ11の内側両サイドには凸部13が構成され、ノズル123の根元部の凹部124と嵌合することにより、パッキン12の反力を受けると共に持運び時に静電噴出装置10にかかる振動等によりキャップ11が開くのを防止している。図2は、キャップ11の開状態で、ノズル123先端が開放され、静電噴出出来る状態である。
【0042】
また、キャップ11は、開状態において、規制部14によりノズル123先端部の電場Eに影響しない位置に保持される。ここで、図3にノズル123とキャップ11の位置関係の断面図と電場Eのイメージを示す。電場Eは、ノズル123先端から対象物Oに向かい、ノズル123近傍では略同心円状に構成され、対象物Oに接近するに従い対象物Oの表面に沿うように形成されるが、ノズル123先端の近傍に物体が存在すると、電場Eが部分的に歪められる。仮にキャップ11が電場Eに干渉すると、ノズル123先端から噴出された液体が真っすぐに噴出せずに曲がり、狙いの位置に噴出できなくなる。以上の観点から、キャップ11は、ノズル123先端と対象物Oとの間で構成する電場Eに干渉しない位置、例えば、開状態において、キャップ11の基端がノズル123先端から10mm以上後方にあることが好ましく、電場Eへの干渉をより防止する観点から、30mm以上後方にあることがより好ましい。
【0043】
更に、第1実施形態では、キャップ11は閉状態から開状態に180度以上回転する構成となっており、キャップ11が閉状態の場合は、確実にノズル123の先端をシールすることが可能となり、キャップ11が開状態の場合は、確実に電場Eに干渉しないことを両立できている。
【0044】
本実施形態において、キャップ11は、偏心回転軸からなる連結部15によりカートリッジ100と連結されるものとして説明したが、これに限定されず、例えば、連結部15がカートリッジ100の少なくとも一部と一体成形により形成されたヒンジキャップとして構成されていても良い。この場合において、ヒンジキャップは、連結部15(この場合では、樹脂ヒンジ)を部分的に薄肉に成形することにより回転可能となる。
【0045】
図7を参照して、ハウジング210内に備えた駆動部等について説明する。ハウジング210には、主電源操作部241と作動操作部242が、ハウジング210の外部から操作しうる状態で取り付けられている。ハウジング210の内部には、電源部243、高電圧発生部244、出力端子245及び駆動部246が備えられている。
【0046】
ここで、主電源操作部241と作動操作部242を操作することにより行われる動作を説明する。カートリッジ100がハウジング210の収納空間の規定位置に正確に装着されると、出力端子245は、カートリッジ100に設けられたリング電極(図示せず)を介してカートリッジ100の装着体121内部に備えた小電極に電気的に接続される。また、駆動部246は、カートリッジ100に備えた第2筒部材112に機械的に連結される。
【0047】
主電源操作部241をオフ(OFF)にしておくと、電源部243から高電圧発生部244や駆動部246に給電がされることはない。このため、高電圧発生部244から高電圧が発生することはなく、また駆動部246が駆動することもない。したがって、主電源操作部241をOFFにしておけば、使用者が間違って作動操作部242を操作しても、液収容部110に収容した液体組成物に静電チャージがされることはなく、液体組成物が噴出されることもない。
【0048】
作動操作部242は、例えば、オン(ON)状態とオフ(OFF)状態とを切り替えることが可能なスイッチにより構成されている。
【0049】
主電源操作部241がONの噴出モードになっているときに、作動操作部242をONすると、電源部243から高電圧発生部244と駆動部246に給電がされる。そうすると、駆動部246が駆動して回転力を発生し、この回転力は、カートリッジ100に備えた第2筒部材112に伝達され、第2筒部材112が回転する。第2筒部材112の回転により第2筒部材112の内面に螺合されたピストンロッド112aが噴出部120側に螺進し、ピストン112bを噴出部120側に押し上げ、第1筒部材111内の液体組成物が噴出部120側に押出される。また、高電圧発生部244は正の高電圧(例えば、数kVから数十kV)を発生し、発生した高電圧を出力端子245に送る。出力端子245は、カートリッジ100に設けられたリング電極を介してカートリッジ100に備えた小電極に高電圧を送る。小電極は高電圧が印加されることにより、カートリッジ100内を流通する液体組成物を静電チャージする。このようにして静電チャージされた液体組成物が、液収容部110から噴出部120に流入し、ノズル123にまで達すると、帯電した液体組成物と対象物との電位差に基づく静電気力によって、液体組成物は対象物に向かって噴出される。その後、作動操作部242をOFFにすると、液体組成物の噴出が停止する。
【0050】
図4Bに示すように、主電源操作部241は、押しボタンとランプ表示で構成されており、液体組成物の噴出量を多段的(今回の事例では大/小の2段階)に調整できる機能があり、1回押し込むと高電圧を発生させずに液体組成物をノズル123にまで早く到達させるプライムモード(雫模様で示すモード)、更に押し込むと高電圧が発生し噴出量が小の噴出モード、更に押し込むと高電圧が発生し噴出量が大の噴出モードに切り替わる。すなわち、主電源操作部241のモードにより、電源部243から駆動部246に給電される電圧が調整され、駆動部246の回転数が調整される。そうするとカートリッジ100内に備えた第2筒部材112の回転数が調整され、液収容部110から噴出部120側に押出されてくる(流入してくる)液体組成物の量が調整され、噴出される液体組成物の噴出量も調整される。
【0051】
(その他の実施例)
本発明に係る静電噴出装置は、上述した第1実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内において種々の改変を行なうことができる。以下、変形例について説明する。なお、第1実施形態と共通する構成については、同様の符号で示している。
【0052】
(第2実施形態)
更に、連結部15は、キャップ11Aとカートリッジ100Aとを連結するリンク機構(連結部15A)であっても良い(図5A図5B)。第2実施形態において、リンク機構である連結部15Aは、第1可動軸132を介してキャップ11Aの一端部(図5Aにおける下端部)に回転自在に接続されると共に、第1固定軸131を介してカートリッジ100Aに回転自在に接続される第1リンク130と、第2可動軸142を介してキャップ11Aの他端部(図5Aにおける上端部)に回転自在に接続されると共に、第2固定軸141を介してカートリッジ100Aに回転自在に接続される第2リンク140とを備えている。
【0053】
具体的には、キャップ11Aの端面に第1リンク130の第1可動軸132と第2リンク140の第2可動軸142が配され、第1可動軸132と第2可動軸142はキャップ11Aに対して回転自在に支持されている。第1リンク130の第1可動軸132と反対端に第1固定軸131が配されると共に、第2リンク140の第2可動軸142と反対端に第2固定軸141が配されている。第1固定軸131及び第2固定軸141は、それぞれカートリッジ100Aに対して回転自在に支持されている。図5Aは、キャップ11Aの閉状態を示し、この閉状態において、キャップ11Aの内側先端に配されたパッキン12によりノズル123の先端(噴出孔123a)がシールされている。図5Bは、キャップ11Aの開状態を示し、この開状態において、ノズル123の先端(噴出孔123a)が開放されており、キャップ11Aは、ノズル123の先端から十分後方に位置しており、静電噴出に邪魔にならない。また、第2実施形態では、リンク機構である連結部15Aが、キャップ11Aの開状態から閉状態への変位を規制する規制部としても機能するよう構成されている。
【0054】
(第3実施形態)
更に、連結部15は、キャップ11Bとカートリッジ100Bとを繋ぐ鎖等の柔軟物(連結部15B)で構成されても良い(図6A図6B)。第3実施形態において、柔軟物である連結部15Bは、一端がキャップ11Bに接続されると共に、他端がカートリッジ100Bに接続されており、ノズル123にキャップ11Bが装着された閉状態(図6A参照)と、ノズル123からキャップ11Bが取り外された開状態(図6B)との間においてキャップ11Bを移動させることが可能な長さ及び可撓性を有している。
【0055】
第3実施形態において、キャップ11Bは、開状態において、静電噴出本体200Bに磁力により保持されるように構成されている。具体的には、キャップ11Bの一部が例えば金属等の磁性体151で構成されており、開状態において、静電噴出本体200Bに設置された磁石152とキャップ11Bの磁性体151が磁力により引き合うことによりキャップ11Bが保持され、静電噴出の邪魔にならない。なお、第3実施形態では、これら磁性体151及び磁石152が、キャップ11Bの開状態から閉状態への変位を規制する規制部として機能する。なお、第3実施形態において、磁性体151が静電噴出本体200Bに設けられ、磁石152がキャップ11Bに設けられる構成としても良いし、これら磁性体151及び磁石152以外の構成を規制部として採用しても良い。
【0056】
今回説明した全ての実施形態では、キャップ11はカートリッジ100に変更可能に保持されているが、静電噴出本体200に変更可能に保持されていてもよい。
【0057】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本開示は、静電噴出装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0059】
10 静電噴出装置
100 カートリッジ
110 液収容部
111 第1筒部材
112 第2筒部材
120 噴出部
121 装着体
122 接続体
123 ノズル
200 静電噴出本体
210 ハウジング
220 収納空間
E 電場
O 対象物
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7