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特開2023-132801コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132801
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20230914BHJP
   A63F 13/85 20140101ALI20230914BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20230914BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/85
A63F13/79
A63F13/69 520
A63F13/79 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038332
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100212923
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴雄
(72)【発明者】
【氏名】丸山 敦史
(72)【発明者】
【氏名】大塚 慧
(57)【要約】
【課題】ユーザのゲームへの定着あるいは復帰を促すことができるコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】本開示は、1以上の端末装置に、次の各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、特定ステップでは、第1ユーザによる所定のゲームの進行状況に基づいて、ゲーム内のオブジェクトのうち現実物品を生成することのできる対象オブジェクトを特定し、関連づけステップでは、第1ユーザおよび/または第1ユーザとは異なる第2ユーザの操作に基づいて対象オブジェクトに対応する現実物品が生成されたことを契機として、第1ユーザおよび/または第2ユーザに特典を関連づける。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の端末装置に、次の各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
特定ステップでは、第1ユーザによる所定のゲームの進行状況に基づいて、前記ゲーム内のオブジェクトのうち現実物品を作製することのできる対象オブジェクトを特定し、
関連づけステップでは、前記第1ユーザおよび/または前記第1ユーザとは異なる第2ユーザの操作に基づいて前記対象オブジェクトに対応する前記現実物品が作製されたことを契機として、前記第1ユーザおよび/または前記第2ユーザに特典を関連づける、
コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記対象オブジェクトは、前記第1ユーザに関連づけられているオブジェクトであり、
前記特典は、前記対象オブジェクトに関する特典である、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記対象オブジェクトは、前記第1ユーザに関連づけられているオブジェクトであり、
前記関連づけステップでは、前記対象オブジェクトに対応する前記現実物品が前記第2ユーザの操作に基づいて作製されたことを契機として、前記第1ユーザによる前記ゲームの進行を通常よりも有利にする特典を、前記第1ユーザに関連づける、
請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記対象オブジェクトは、前記第1ユーザに関連づけられているオブジェクトと、前記第2ユーザに関連づけられているオブジェクトと、の組み合わせで構成され、
前記関連づけステップでは、前記対象オブジェクトに対応する前記現実物品が前記第2ユーザの操作に基づいて作製されたことを契機として、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザそれぞれに前記特典を関連づける、
請求項1~3のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記対象オブジェクトは、現時点で前記第1ユーザに関連づけられていないオブジェクトであり、
前記特典は、前記対象オブジェクトが前記第1ユーザに関連づけられることである、
請求項1~4のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記対象オブジェクトは、前記第1ユーザに関連づけられているオブジェクトであり、
前記関連づけステップでは、前記ゲーム内での前記対象オブジェクトの状況に応じて、前記特典の内容を決定する、
請求項1~5のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、
を備える、
コンピュータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンピュータプログラムおよびコンピュータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲームオブジェクトを3Dプリントするために、ゲーム内のデータから3Dプリント用のデータを取得する技術が知られている(例えば、特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-076738号公報
【特許文献2】特開2016-207203号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の技術では、ユーザは、3Dプリントを実行してゲーム内のオブジェクトに関する現実物品を作製することができるにすぎなかった。そのため、前記従来の技術では、ユーザにゲームに対する愛着をわかせたり、一度ゲームから離れたユーザをゲームに復帰させたりすることができなかった。
【0005】
本開示の目的は、ユーザのゲームへの定着あるいは復帰を促すことができるコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の開示は、
1以上の端末装置に、次の各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
特定ステップでは、第1ユーザによる所定のゲームの進行状況に基づいて、前記ゲーム内のオブジェクトのうち現実物品を作製することのできる対象オブジェクトを特定し、
関連づけステップでは、前記第1ユーザおよび/または前記第1ユーザとは異なる第2ユーザの操作に基づいて前記対象オブジェクトに対応する前記現実物品が作製されたことを契機として、前記第1ユーザおよび/または前記第2ユーザに特典を関連づける、
コンピュータプログラムである。
【0007】
また、第1の開示において、
前記対象オブジェクトは、前記第1ユーザに関連づけられているオブジェクトであり、
前記特典は、前記対象オブジェクトに関する特典である、
ことができる。
【0008】
また、第1の開示において、
前記対象オブジェクトは、前記第1ユーザに関連づけられているオブジェクトであり、
前記関連づけステップでは、前記対象オブジェクトに対応する前記現実物品が前記第2ユーザの操作に基づいて作製されたことを契機として、前記第1ユーザによる前記ゲームの進行を通常よりも有利にする特典を、前記第1ユーザに関連づける、
ことができる。
【0009】
また、第1の開示において、
前記対象オブジェクトは、前記第1ユーザに関連づけられているオブジェクトと、前記第2ユーザに関連づけられているオブジェクトと、の組み合わせで構成され、
前記関連づけステップでは、前記対象オブジェクトに対応する前記現実物品が前記第2ユーザの操作に基づいて作製されたことを契機として、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザそれぞれに前記特典を関連づける、
ことができる。
【0010】
また、第1の開示において、
前記対象オブジェクトは、現時点で前記第1ユーザに関連づけられていないオブジェクトであり、
前記特典は、前記対象オブジェクトが前記第1ユーザに関連づけられることである、
ことができる。
【0011】
また、第1の開示において、
前記対象オブジェクトは、前記第1ユーザに関連づけられているオブジェクトであり、
前記関連づけステップでは、前記ゲーム内での前記対象オブジェクトの状況に応じて、前記特典の内容を決定する、
ことができる。
【0012】
第2の開示は、
第1の開示のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、
を備える、
コンピュータ装置である。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、ユーザのゲームへの定着あるいは復帰を促すことができるコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態における、特典システムの構成を示す図である。
図2】本実施形態における、特典システムで送受信されるデータの一例を示す図である。
図3】本実施形態における、特典システムで送受信されるデータの一例を示す図である。
図4】本実施形態における、特典付与処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施形態]
本開示の実施形態にかかる特典システム1について、図1図4を参照して説明する。特典システム1は、図1のとおり、ゲームサーバ2と、3D(Three Dimensional)プリンタサーバ3と、ユーザ端末装置4とを備える。なお、特典システム1および後述の処理手順は一例であり、本開示の実施形態はこれらには限られない。特典システム1および処理手順は、本開示の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更をすることができる。
【0016】
<3Dプリントの説明>
本実施形態では、図2図3のとおり、ゲームサーバ2を介して、ユーザ端末装置4と3Dプリンタサーバ3との間でデータの送受信が行われる。
【0017】
ユーザ端末装置4では、ユーザの操作に基づいて所定のゲームが進行される。このゲームの進行状況は、ゲームサーバ2で管理されている。本実施形態には、2人以上のユーザ(第1ユーザ、第2ユーザなど)が存在し、ユーザ数に対応する数のユーザ端末装置4が存在する例が記載されている。
【0018】
そして、ゲームサーバ2は、第1ユーザによるゲームの進行状況(例えば、第1ユーザのユーザランクが10となったこと、第1ユーザが特定のクエストをクリアしたこと)に基づいて、ゲーム内で、第1ユーザが所有する(第1ユーザに関連づけられている)キャラクタ、アイテム、および/または、パーツ(オブジェクトの一例)などのゲーム媒体のうちから、フィギュア(現実物品の一例)を作製することのできる対象オブジェクトを特定する。
【0019】
以下では、ゲームサーバ2を介して、第1ユーザとは異なる第2ユーザが、特定されている対象オブジェクトについてのフィギュアを作製するよう3Dプリンタサーバ3に作製指示を出す例が記載されている。
【0020】
第2ユーザは、第1ユーザと同様、対象のゲームをプレイしているユーザであって、そのゲームにおいて第1ユーザのフレンドユーザとなっているユーザである。
【0021】
なお、以下では、第1ユーザが操作する装置を「ユーザ端末装置4A」、第2ユーザが操作する装置を「ユーザ端末装置4B」といい、両者を意味する場合には、単に「ユーザ端末装置4」という。また、第1ユーザおよび第2ユーザの両者を意味する場合には、単に「ユーザ」という。
【0022】
そして、例えば、第1ユーザと第2ユーザとにゲーム内でフレンド関係が設定されている場合に、前述のとおり第1ユーザのゲーム内で特定された対象オブジェクト(図2図3の例では、「キャラクタA」)に関するデータ(以下、「対象オブジェクトデータ」という)が、ゲームサーバ2を介して、第1ユーザのユーザ端末装置4Aから第2ユーザのユーザ端末装置4Bへと送信される。
【0023】
なお、対象オブジェクトデータは、対象オブジェクトを特定するためのデータである。この対象オブジェクトデータには、オブジェクトの固有名称、ゲーム内でのステータス情報、ゲーム内で設定されている容姿および外寸などのほか、対象オブジェクトがキャラクタであれば装備デザイン、ゲーム内でとられる特徴的なポーズを表す情報、などの少なくとも1つが含められる。また、対象オブジェクトデータは、後述の3Dプリンタ330でフィギュアが作製される際に使用される設計データともなりうる。
【0024】
第2ユーザのユーザ端末装置4Bにおいては、この対象オブジェクトデータには、ゲームで用いられる第1ユーザのユーザ識別情報(ゲームID)のみならず、第2ユーザのゲームIDも関連づけられる。
【0025】
第2ユーザのゲーム内で第2ユーザによりフィギュア(図2図3の例では、「キャラクタA」のフィギュア)の作製指示が入力された際に、ゲームサーバ2を介して、3Dプリンタサーバ3が、該当するフィギュアの作製指示信号、第1ユーザのゲームID、第2ユーザのゲームID、および、該当するフィギュアの対象オブジェクトデータを、第2ユーザが操作するユーザ端末装置4Bから受信する。
【0026】
ついで、作製指示信号を受信した3Dプリンタサーバ3が、プリンタインターフェース33を介して接続されている3Dプリンタ330に対して該当する対象オブジェクトデータおよび該当する作製指示信号を送信し、3Dプリンタ330にフィギュアを作製させる。このフィギュアは、例えば、所定の樹脂などを積層することで作製される。
【0027】
3Dプリンタ330がフィギュアを作製する方法として、例えば、粉末焼結積層造形方式、光造形方式、インクジェット方式など、様々なものを採用することができる。
【0028】
なお、3Dプリンタ330は、3D CG(Computer Graphics)などの3次元データをもとに断面形状を積層して立体物を作製することができるものであって、従来から知られているものであるため、以下では、その詳細な説明は省略する。
【0029】
ついで、3Dプリンタ330は、フィギュアを作製したのち、フィギュアが作製された旨を示す完了信号(図2図3の例では、「キャラクタA」に関する完了信号)を生成する。
【0030】
3Dプリンタサーバ3は、この完了信号に、作製されたフィギュアにかかる対象オブジェクトデータ、ならびに、この対象オブジェクトデータに関連づけられていた第1ユーザのゲームIDおよび第2ユーザのゲームIDを関連づける。
【0031】
ついで、3Dプリンタサーバ3は、対象オブジェクトデータ、完了信号、第1ユーザのゲームIDおよび第2ユーザのゲームIDなどをゲームサーバ2へ送信する。
【0032】
完了信号を受信したゲームサーバ2は、該当する第1ユーザのゲームIDに第1特典を関連づけるとともに、該当する第2ユーザのゲームIDに第2特典を関連づける。この第1特典に関するデータ(以下では、「第1特典情報」という)および第2特典に関するデータ(以下では、「第2特典情報」という)は、それぞれ第1ユーザのユーザ端末装置4Aおよび第2ユーザのユーザ端末装置4Bへと送信される。これにより、ゲーム内で、第1ユーザに第1特典が付与され、第2ユーザに第2特典が付与される。
【0033】
なお、特典情報(第1特典情報および第2特典情報)とは、特典(第1特典および第2特典)の内容を表すデータ(すなわち、特典が何かを表すデータ)である。この特典情報には、特典の固有名称、ゲーム内でのパラメータ、ステータスなどが含まれる。
【0034】
本実施形態において、第1特典は、第1ユーザが所有している対象オブジェクトのパラメータが上昇することである。
【0035】
また、第2特典は、第2ユーザがそれまで所有していなかった対象オブジェクトを第2ユーザに関連づけることである。すなわち、第2ユーザが対象オブジェクトのフィギュアを作製することで、第2ユーザに対する特典として、ゲーム内で対象オブジェクトが第2ユーザに付与される。
【0036】
このように、対象オブジェクトに関してフィギュアが作製されたことを契機として特典が付与されることで、ユーザにゲームへの愛着をわかせることができる。
【0037】
なお、作製された現実物品であるフィギュアは、後日、第2ユーザが指定した住所へと郵送されてもよい。
【0038】
<ゲームの説明>
ゲームサーバ2により、ユーザ端末装置4で実行される下記のゲームが提供される。ゲームは、ユーザがタッチパッド450を介して仮想ゲーム空間上のプレイヤキャラクタを操作することで、複数のイベント(以下、「クエスト」という。)が進行するゲームである。
【0039】
本実施形態において、ゲームには、ユーザの操作に基づいて使用キャラクタとして設定されるとともにユーザが操作するプレイヤキャラクタが敵キャラクタであるモンスターを討伐するクエストパートがある。例えば、ゲーム中の1つのクエストでは、制限時間内にプレイヤキャラクタがモンスターを討伐すればそのクエストのクリア条件が満たされる。このクエストは、ユーザがタッチパッド450を操作することで進行する。
【0040】
クエストパートでは、ユーザは、ユーザが所有する(ゲームIDに関連づけられている)キャラクタで構成されるデッキを構成してゲームを進行させる。具体的には、デッキに組み込まれたキャラクタが、ユーザの操作に基づいて敵キャラクタと戦う。なお、クエストは、時間の経過とともに回復するスタミナが必要量だけ消費される(必要量のスタミナとユーザとの関連づけが解除される)ことによって実行される。
【0041】
また、ゲームには、前記クエストパートのほか、媒体抽選パート(ガチャパート)がある。このガチャパートでは、複数種類のゲーム媒体(例えば、キャラクタ、アイテム)のうちからいずれかのゲーム媒体が選択される。
【0042】
具体的には、ガチャパートでは、ユーザが、所有するゲーム内通貨を消費してガチャを要求することを条件として、あらかじめ用意された抽選テーブル(ガチャテーブル)に記憶された複数種類のゲーム媒体からゲーム媒体が選択され、その選択されたゲーム媒体(ゲーム媒体に関する情報)とユーザ(ゲームID)とが関連づけられる。
【0043】
本実施形態のガチャパートにおいては、複数のガチャイベントが用意されている。ガチャイベントには、例えば、期間限定で提供されるガチャイベント、あるいは常時提供されるガチャイベントなどがある。ユーザは、いずれかのガチャイベントを選択したのち、そのガチャイベントのために用意されたガチャテーブルに基づいてガチャを実行することができる。
【0044】
また、それぞれのガチャイベントにおいては、1回の抽選要求(ガチャ要求)で1体のゲーム媒体が選択される単発ガチャと、1回のガチャ要求で10回のガチャが連続して行われて10体のゲーム媒体が選択される10連ガチャとが用意されている。
【0045】
本実施形態においてガチャで選択されるゲーム媒体、あるいは、例えばクエストのクリア報酬で付与されるゲーム媒体は、キャラクタである。また、キャラクタには、それぞれパラメータの種類として体力値、攻撃力、防御力、スキル値、職業のほか、属性、レアリティ(希少度)が設けられている。
【0046】
例えば、本実施形態では、キャラクタに設定される属性には、火属性、水属性、風属性などがパラメータとして設けられている。この属性とは、各キャラクタに設定される性質の一例であり、この属性の効果が発揮されることで、ゲームの進行がバラエティに富んだものになる。
【0047】
また、レアリティには、ノーマル、レア、激レア、超激レアがパラメータとして設けられている。レアリティは、超激レア、激レア、レア、ノーマルの順に希少度が高い。このレアリティとは、入手の難易度を表す指標である。
【0048】
また、職業とは、仮想ゲーム空間上において、キャラクタに与えられた役割である。そして、職業ごとに、スキル値あるいは防御値などの、職業以外のパラメータが異なる場合がありうる。
【0049】
各キャラクタには、いずれか1つの職業と、いずれか1つの属性と、いずれか1つのレアリティとが設定されている。
【0050】
ユーザは、ガチャあるいはクエストのクリア報酬によって得られたキャラクタをデッキに組み込んで使用キャラクタとして設定することができる。
【0051】
ユーザは、クエストをクリアすることによって、ユーザランクを上げることができる。このユーザランクは、例えば、ユーザに称号を付与するため、あるいは、後述のとおり、ゲームの進行状況を特定するため、などに使用される。
【0052】
<ハードウェア構成>
図1を参照して、ゲームサーバ2のハードウェア構成および機能的構成、3Dプリンタサーバ3のハードウェア構成および機能的構成、ならびに前記ゲームが実行されるユーザ端末装置4のハードウェア構成および機能的構成について説明する。
【0053】
ユーザ端末装置4が通信ネットワーク5を介してゲームサーバ2と通信を行う場合には、そのユーザ端末装置4からゲームIDが送信される。送信されたゲームIDは、ゲームサーバ2において認証処理が行われる。これにより、ゲームサーバ2とユーザ端末装置4との通信が可能となる。
【0054】
<ゲームサーバ2のハードウェア構成>
ゲームサーバ2は、図1のとおり、制御部20、記憶部21、およびネットワークインターフェース22を備える。
【0055】
記憶部21およびネットワークインターフェース22は、バス29を介してゲームサーバ2の制御部20に接続される。
【0056】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、各種入出力インターフェースなどで構成されており、ゲームサーバ2の動作を制御する。詳細は後述する。
【0057】
記憶部21は、主にHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)などで構成される。
【0058】
記憶部21には、例えば、本開示のコンピュータプログラム、ユーザ端末装置4にてプレイされるゲームを実行するためのゲームプログラム(ゲームアプリケーション)を配信するための配信プログラムおよびデータ、ならびに、ユーザデータ(ゲームID、ユーザの所有オブジェクト、ゲーム進行状況など)が記憶される。
【0059】
ネットワークインターフェース22は、プリンタサーバ3との間、および、ユーザ端末装置4との間で、データを送受信するために、通信ネットワーク5に接続される。
【0060】
<ゲームサーバ2の制御部20の機能の説明>
ゲームサーバ2の制御部20は、コンピュータプログラムを実行することにより、以下の各手段として機能し、以下の各ステップを実行する。
【0061】
<認証ステップの説明>
制御部20は、認証手段として機能することで認証ステップを実行する。以下では、認証手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0062】
制御部20は、ユーザ端末装置4から送信されるユーザのゲームIDを用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0063】
<進行ステップの説明>
制御部20は、ゲーム進行管理手段として機能することで進行ステップを実行する。以下では、ゲーム進行管理手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0064】
制御部20は、ユーザの操作に基づいてゲームを進行させる。
【0065】
具体的には、制御部20は、時間ごとに発生する複数のクエスト(例えば、午後1時~午後3時に敵キャラクタが登場するクエスト)、期間ごとに発生するクエスト、あるいは常時実行することのできるクエストをユーザに提供する。
【0066】
また、制御部20は、ユーザ端末装置4からクエストを選択するために必要なスタミナ量が消費される旨の情報を受信したのちに、選択されたクエストを開始する。
【0067】
また、制御部20は、ユーザ端末装置4のユーザからの操作信号を受信して、ユーザが設定したデッキの構成に基づいた、ゲームの本編(クエスト)に関する進行状況を管理する。
【0068】
具体的には、制御部20は、例えば、仮想ゲーム空間でキャラクタを動作させたり、キャラクタの体力値を管理したりする。
【0069】
<特定ステップの説明>
制御部20は、特定手段として機能することで特定ステップを実行する。以下では、特定手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0070】
制御部20は、第1ユーザによるゲームの進行状況に基づいて、ゲーム内に登場するオブジェクトのうち、第1ユーザについての対象オブジェクトを特定する。ゲーム内ではさまざまなオブジェクトが登場するが、対象オブジェクトとは、前述のとおり、さまざまなオブジェクトのうち現実物品(フィギュアなど)を作製することができるようになったオブジェクトのことをいう。
【0071】
ゲームの進行状況としては、例えば、第1ユーザがキークエスト(ユーザランクを上げるために必要なクエスト)をクリアしたこと、第1ユーザのユーザランクが10となったこと、第1ユーザのフレンドが10名になったこと、などがあげられる。
【0072】
そして、例えば、第1ユーザがキークエストAをクリアしたとき、あるいは、第1ユーザのユーザランクが10となったときに、第1ユーザについて、キャラクタAが対象オブジェクトとして特定され、第1ユーザがキークエストBをクリアしたとき、あるいは、第1ユーザのユーザランク20となったときに、第1ユーザについて、キャラクタBおよび装備Xのパーツ1が対象オブジェクトとして特定される。
【0073】
つまり、ゲーム内のオブジェクトを現実物品として作製することが許可される(作製解放される)ための所定条件が、例えばオブジェクトごとに複数定められている。第1ユーザがゲームを進める上で所定条件が満たされると、その所定条件に対応するオブジェクトが対象オブジェクトとして特定され、現実物品を作製することが許可される(作製解放される)。
【0074】
また、制御部20は、特定された対象オブジェクトに関する対象オブジェクトデータに第1ユーザのゲームIDを関連づけ、記憶部21に記憶させる。
【0075】
また、制御部20は、第1ユーザと第2ユーザとの間でフレンド関係が設定されている場合であって、かつ、その時点で第1ユーザについて対象オブジェクトが特定されている場合には、特定されている対象オブジェクトデータは、第2ユーザのユーザ端末装置4Bへと送信される。これにより、対象オブジェクトデータと第2ユーザのゲームIDとが関連づけられ、第2ユーザにも、第1ユーザについての対象オブジェクトが関連づけられる。
【0076】
さらに、制御部20は、第1ユーザについてその後に新たに対象オブジェクトが特定された場合には、その対象オブジェクトデータと第2ユーザのゲームIDとを関連づける。
【0077】
また、制御部20は、第1ユーザについて対象オブジェクトデータが特定されるたびに、第2ユーザに対象オブジェクトが追加されたことを通知するための情報を生成するとともに、第2ユーザについての対象オブジェクトデータのリスト(図2参照)を表示するための情報を生成する。
【0078】
したがって、第2ユーザは、自身でゲームを進めることで作製することができるようになる対象オブジェクトの数および種類を増やすこともできるが、フレンド関係にある第1ユーザがゲームを進めることで作製することができるようになった対象オブジェクトについても作製することができるようになる。
【0079】
<フレンド設定ステップの説明>
制御部20は、フレンド設定手段として機能することでフレンド設定ステップを実行する。以下では、フレンド設定手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0080】
制御部20は、第1ユーザおよび第2ユーザのいずれか一方のユーザである申請ユーザの操作に基づいて、他方のユーザである被申請ユーザを指定して、フレンド申請を受けつける。このとき、制御部20は、申請ユーザのゲームIDが関連づけられた申請情報を、申請ユーザのユーザ端末装置4から受信して、被申請ユーザのユーザ端末装置4へ送信する。
【0081】
また、制御部20は、被申請ユーザの操作に基づいて承認された場合に、被申請ユーザのゲームIDが関連づけられた承認情報を、被申請ユーザのユーザ端末装置4から受信して、申請ユーザのユーザ端末装置4へ送信する。これにより、制御部20は、申請ユーザのゲームIDと被申請ユーザのゲームIDとを関連づけ、申請ユーザと被申請ユーザとの間にフレンド関係を設定する。
【0082】
<関連づけステップの説明>
制御部20は、関連づけ手段として機能することで関連づけステップを実行する。以下では、関連づけ手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0083】
制御部20は、図2図3のとおり、第2ユーザの操作に基づいて、第1ユーザについての対象オブジェクトに対応するフィギュアが作製されたことを契機として、第1ユーザに第1特典を付与するとともに、第2ユーザに第2特典を付与する。
【0084】
具体的には、制御部20は、3Dプリンタサーバ3から完了信号を受信したのち、その完了信号に関連づけられている対象オブジェクトデータ、第1ユーザのゲームID、第2ユーザのゲームIDを参照して、第1ユーザに第1特典情報を関連づけるとともに、第2ユーザに第2特典情報を関連づける。これらの特典情報はそれぞれ、第1ユーザのユーザ端末装置4Aおよび第2ユーザのユーザ端末装置4Bに送信される。
【0085】
<通信ステップの説明>
制御部20は、通信手段として機能することで通信ステップを実行する。以下では、通信手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0086】
制御部20は、3Dプリンタサーバ3との間で、ユーザのゲームID、作製指示信号、対象オブジェクトデータ、完了信号などを送受信する。
【0087】
また、制御部20は、ユーザのゲームID、ユーザによる操作信号(操作情報を含む)、クエスト開始要求情報、ガチャ要求情報、作製指示信号などをユーザ端末装置4から受信する。
【0088】
また、制御部20は、ゲームアプリケーション、ゲームデータ、クエストの進行状況に関する情報、当選キャラクタに関する情報、第1特典情報、第2特典情報などをユーザ端末装置4へ送信する。
【0089】
<3Dプリンタサーバ3のハードウェア構成>
3Dプリンタサーバ3は、図1のとおり、制御部30、記憶部31、ネットワークインターフェース32、プリンタインターフェース33、および、3Dプリンタ330を備える。
【0090】
記憶部31およびネットワークインターフェース32は、バス39を介して3Dプリンタサーバ3の制御部30に接続される。
【0091】
制御部30は、CPU、メモリ、各種入出力インターフェースなどで構成されており、3Dプリンタサーバ3の動作を制御する。詳細は後述する。
【0092】
記憶部31は、主にHDD、RAM、ROM、SSDなどで構成される。
【0093】
記憶部31には、例えば、所定の3Dプリントプログラムおよびデータ、ならびに、ユーザごとのユーザデータ(例えば、3Dプリンタサーバ3でユーザの認証に使用されるユーザID、ユーザのゲームID、ユーザの住所、ユーザの氏名、クレジットカード情報などのユーザの設定情報)が記憶される。
【0094】
ネットワークインターフェース32は、ゲームサーバ2との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク5に接続される。
【0095】
プリンタインターフェース33には、3Dプリンタ330が接続されている。
【0096】
<3Dプリンタサーバ3の制御部30の機能の説明>
3Dプリンタサーバ3の制御部30は、コンピュータプログラムを実行することにより、以下の各手段として機能し、以下の各ステップを実行する。
【0097】
<認証ステップの説明>
制御部30は、認証手段として機能することで認証ステップを実行する。以下では、認証手段としての制御部30が実行する処理を説明する。
【0098】
制御部30は、ゲームサーバ2を介してユーザ端末装置4Bから送信される第2ユーザのユーザIDを用いて、ユーザアカウントの認証を行う。このユーザアカウントには、あらかじめ第2ユーザの住所、氏名、クレジットカード情報などが関連づけられている。
【0099】
また、第2ユーザのユーザIDには、ゲームにおける第2ユーザのゲームIDが関連づけられている。すなわち、制御部30は、ゲームサーバ2から送信された第2ユーザのゲームIDと、記憶部31においてユーザIDに関連づけられているゲームIDとを対比することで、作製指示信号にかかる第2ユーザの認証を行う。
【0100】
<作製ステップの説明>
制御部30は、作製手段として機能することで作製ステップを実行する。以下では、作製手段としての制御部30が実行する処理を説明する。
【0101】
制御部30は、ゲームサーバ2から対象オブジェクトデータを含む作製指示信号を受信した場合に、該当する対象オブジェクトのフィギュアを作製するための作製指示を3Dプリンタ330に対して行う。これにより、3Dプリンタ330において、対象オブジェクトのフィギュアが作製される。
【0102】
また、制御部30は、対象オブジェクトのフィギュアが作製された場合に(フィギュアの作製が終了したときに)、完了信号を生成する。そして、制御部30は、完了信号に、作製した対象オブジェクトの対象オブジェクトデータ、該当する対象オブジェクトにかかる第1ユーザのゲームID、および、作製指示信号にかかる第2ユーザのゲームIDを関連づける。この完了信号は、通信手段を介して、ゲームサーバ2へと送信される。
【0103】
<通信ステップの説明>
制御部30は、通信手段として機能することで通信ステップを実行する。以下では、通信手段としての制御部30が実行する処理を説明する。
【0104】
制御部30は、3Dプリンタサーバ3とゲームサーバ2との間で、ゲームID、ユーザID、作製指示信号、対象オブジェクトデータ、完了信号などを送受信する。
【0105】
<ユーザ端末装置4のハードウェア構成>
ユーザ端末装置4は、図1のとおり、スピーカ430、液晶画面440、タッチパッド450が内蔵される、例えば、スマートフォンなどの端末装置である。このユーザ端末装置4において、ゲームサーバ2から配信されたゲームアプリケーションおよびデータに基づいてゲームが進行する。
【0106】
また、ユーザ端末装置4は、ゲームサーバ2との間で、インターネットなどの通信ネットワーク5を介して互いにデータ通信をすることができる。
【0107】
ユーザ端末装置4は、制御部40、記憶部41、ネットワークインターフェース42、オーディオ処理部43、グラフィック処理部44、および操作部45を備える。
【0108】
記憶部41、ネットワークインターフェース42、オーディオ処理部43、グラフィック処理部44、および操作部45は、バス49を介して、制御部40に接続される。
【0109】
制御部40は、CPU、メモリ、各種入出力インターフェースなどで構成されており、ユーザ端末装置4の動作を制御する。
【0110】
記憶部41は、主にHDD、RAM、ROM、SSDなどで構成される。記憶部41には、例えば、ゲームアプリケーションおよびデータが記憶される。
【0111】
ネットワークインターフェース42は、ユーザ端末装置4とゲームサーバ2との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク5に接続される。これにより、ユーザ端末装置4にゲームアプリケーションおよびゲームデータがダウンロードされる。
【0112】
オーディオ処理部43は、制御部40の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ処理部43には、スピーカ430が接続される。ゲーム音声は、スピーカ430から出力される。
【0113】
グラフィック処理部44は、制御部40の指示に従って仮想ゲーム空間およびプレイヤキャラクタなどを含むゲーム画像を動画形式で描画する。グラフィック処理部44にて動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面として液晶画面440に表示される。
【0114】
操作部45には、ユーザからの操作信号が入力される。本実施形態において操作部45には、入力位置検出装置であるタッチパッド450を介してユーザからの操作信号が入力される。ユーザは、タッチパッド450をタッチすることによって、キャラクタの編成(デッキの構成)、クエストの選択、プレイヤキャラクタの操作、作製指示などを行う。
【0115】
<ユーザ端末装置4の制御部40の機能の説明>
制御部40は、ゲームサーバ2からダウンロードされたゲームアプリケーションを実行することで、以下の各手段として機能し、以下の各ステップを実行する。
【0116】
<実行ステップの説明>
制御部40は、ゲームアプリケーションの指示によって実行手段として機能することで、実行ステップを実行する。以下では、実行手段としての制御部40が実行する処理を説明する。
【0117】
制御部40は、ユーザによるタッチパッド450の操作に基づいて、クエストパートおよびガチャパートを備えるゲームをユーザ端末装置4に実行させる。
【0118】
すなわち、制御部40は、ユーザの操作およびゲームサーバ2の制御部20から送信される情報などに基づいてゲームを進行させる。
【0119】
具体的には、制御部40は、ゲームデータに含まれるゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部41から読み出し、二次元または三次元の仮想ゲーム空間を生成する。
【0120】
また、制御部40は、仮想ゲーム空間にプレイヤキャラクタを配置する。そして、制御部40は、ユーザによるタッチパッド450の操作、および、ゲームサーバ2の制御部20から送信されるゲームの進行状況に応じて、仮想ゲーム空間におけるプレイヤキャラクタの行動を制御する。
【0121】
また、制御部40は、仮想ゲーム空間、プレイヤキャラクタ、および仮想ボタンをゲーム画面として液晶画面440に表示するための情報を生成する。これらの情報に従って、グラフィック処理部44が液晶画面440上にゲーム画像を描画する。
【0122】
また、制御部40は、ユーザの操作に基づいてクエストの開始を要求するためのクエスト開始要求情報を生成する。クエスト開始要求情報は、通信ステップでゲームサーバ2へ送信される。
【0123】
<申請ステップの説明>
制御部40は、ゲームアプリケーションの指示によって申請手段として機能することで、申請ステップを実行する。以下では、申請手段としての制御部40が実行する処理を説明する。
【0124】
制御部40は、フレンド申請を行うユーザ(申請ユーザ)の操作に基づいて、他のユーザ(被申請ユーザ)に対するフレンド申請を行うための申請信号を生成する。この申請信号は、申請ユーザのゲームIDが関連づけられた状態で、通信手段を介して、被申請ユーザが操作するユーザ端末装置4へと送信される。
【0125】
<承認ステップの説明>
制御部40は、ゲームアプリケーションの指示によって承認手段として機能することで、承認ステップを実行する。以下では、承認手段としての制御部40が実行する処理を説明する。
【0126】
制御部40は、被申請ユーザの操作に基づいて、フレンド申請に対する承認信号を生成する。この承認信号は、被申請ユーザのゲームIDが関連づけられた状態で、通信手段を介して、申請ユーザが操作するユーザ端末装置4へと送信される。
【0127】
<作製指示ステップの説明>
制御部40は、3Dプリントアプリケーションの指示によって作製指示手段として機能することで、作製指示ステップを実行する。以下では、作製指示手段としての制御部40が実行する処理を説明する。
【0128】
なお、ゲームアプリケーションと3Dプリントアプリケーションとは、ゲームアプリケーション内で連動されており、この作製指示ステップは、ゲームアプリケーションにあらかじめ連動されている3Dアプリケーションの指示によって実行される。
【0129】
ユーザ端末装置4Bの制御部40は、第2ユーザの操作に基づいて、対象オブジェクトに関する作製指示信号を生成する。この作製指示信号は、図2のとおり、ユーザ端末装置4Bから、ゲームサーバ2を介して3Dプリンタサーバ3へと送信される。
【0130】
<付与ステップの説明>
制御部40は、ゲームアプリケーションの指示によって付与手段として機能することで、付与ステップを実行する。以下では、付与手段としての制御部40が実行する処理を説明する。
【0131】
ユーザ端末装置4Aの制御部40は、ゲームサーバ2から第1特典情報を受信した場合に、作製されたフィギュアにかかる対象オブジェクト(図3の例では、「キャラクタA」)を所有する第1ユーザに第1特典を付与する。
【0132】
また、ユーザ端末装置4Bの制御部40は、ゲームサーバ2から第2特典情報を受信した場合に、フィギュアの作製指示を出した第2ユーザに第2特典を付与する。
【0133】
これにより、第1ユーザおよび第2ユーザに対し、例えばゲームに対する愛着をわかせることができる。
【0134】
<通信ステップの説明>
制御部40は、ゲームアプリケーションおよび3Dプリントアプリケーションの指示によって通信手段として機能することで、通信ステップを実行する。以下では、通信手段としての制御部40が実行する処理を説明する。
【0135】
制御部40は、例えば、ゲームサーバ2からゲームに関するゲームプログラム(ゲームアプリケーション)、当選キャラクタに関する情報、特典情報などの情報を受信する。
【0136】
また、制御部40は、3Dプリンタサーバ3から3Dプリントアプリケーションなどを受信する。
【0137】
また、制御部40は、例えば、ユーザの操作に基づいて、ゲームID、ユーザID、インストール要求情報、クエスト開始要求情報、ガチャ要求情報、作製指示信号などをゲームサーバ2へ送信する。
【0138】
<特典付与処理の説明>
以下、図4を参照して、本開示の特典付与処理について説明する。
【0139】
まず、ゲームサーバ2の制御部20が、第1ユーザのゲームの進行状況を特定する(ステップS1)。
【0140】
ついで、ゲームサーバ2の制御部20が、ゲームの進行状況に基づいて、第1ユーザが所有するゲーム媒体のうちから対象オブジェクトを特定する(ステップS2)。
【0141】
ついで、ゲームサーバ2の制御部20が、第1ユーザとの間でフレンド関係が設定されている第2ユーザがいるか否かを判定する(ステップS3)。
【0142】
第1ユーザとフレンド関係が設定されている第2ユーザがいないと判定された場合(S3:NO)には、本開示の特典付与処理は終了する。
【0143】
一方、第1ユーザのフレンド関係が設定されている第2ユーザがいると判定された場合(S3:YES)には、ゲームサーバ2の制御部20が、第1ユーザについて特定されている対象オブジェクトデータを、その第2ユーザと関連づける。これにより、図2のとおり、第2ユーザのゲーム画面において、対象オブジェクトのリストが生成される(ステップS4)。
【0144】
ついで、ゲームサーバ2の制御部20が、第1ユーザのフレンドである第2ユーザのユーザ端末装置4Bにおいて、リストのうちからいずれかの対象オブジェクトの作製指示がなされたか否かを判定する(ステップS5)。
【0145】
第2ユーザのユーザ端末装置4Bにおいて、いずれの対象オブジェクトについても作製指示がなされていないと判定された場合(S5:NO)には、ゲームサーバ2の制御部20は、ステップS5を繰り返す。
【0146】
一方、第2ユーザのユーザ端末装置4Bにおいて、いずれかの対象オブジェクトについて作製指示が出されたと判定された場合(S5:YES)には、ゲームサーバ2の制御部20は、対象オブジェクトデータ、第1ユーザのゲームIDおよび第2ユーザのゲームIDなどとともに作製指示信号を3Dプリンタサーバ3へと送信する(ステップS6)。
【0147】
ついで、3Dプリンタサーバ3の制御部30は、第2ユーザの認証を行ったのちに、作製指示信号に基づいて、3Dプリンタ330に、対象オブジェクトにかかるフィギュアを作製させる(ステップS7)。
【0148】
フィギュアが作製されたのちに、3Dプリンタサーバ3の制御部30は、フィギュアが作製された旨を示す完了信号を生成し、その完了信号をゲームサーバ2へ送信する(ステップS8)。この完了信号には、前述のとおり、対象オブジェクトデータ、第1ユーザのゲームID、および、第2ユーザのゲームIDが関連づけられている。
【0149】
ついで、完了信号を受信したゲームサーバ2の制御部20は、該当する第1ユーザおよび第2ユーザのユーザ端末装置4に、それぞれ第1特典情報、第2特典情報を送信する。これにより、ゲームサーバ2の制御部20は、特典付与指示を行う(ステップS9)。
【0150】
ついで、第1ユーザおよび第2ユーザのユーザ端末装置4において、それぞれ第1特典、第2特典が付与される(ステップS10)。
以上の手順により、本開示の特典付与処理が実行される。
【0151】
以上をまとめると、本開示は、
第1ユーザのユーザ端末装置4Aおよび第2ユーザのユーザ端末装置4Bに、次の各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
特定ステップでは、第1ユーザによるゲームの進行状況に基づいて、ゲーム内のオブジェクトのうちフィギュアを作製することのできる対象オブジェクトを特定し、
関連づけステップでは、第2ユーザの操作に基づいて対象オブジェクトに対応するフィギュアが生成されたことを契機として、第1ユーザおよび第2ユーザに特典を関連づける、
コンピュータプログラムである。
【0152】
<効果>
本実施形態のコンピュータプログラムによれば、ユーザのゲームへの定着あるいは復帰を促すことができる。
【0153】
[他の実施形態]
前記実施形態に限られず、本開示の特定ステップ、関連づけステップなどは、ゲームサーバ単体によって、あるいは、ゲームサーバとユーザ端末装置および/または3Dプリンタサーバとの協働によって、実行されてもよい。
【0154】
前記実施形態では、現実物品として、フィギュアが作製される例が記載されているが、本開示はこれには限られない。現実物品は、例えば、シール、カードなどであってもよい。
【0155】
また、対象オブジェクトが特定されるタイミング(ゲームの進行状況)は、前記実施形態に限られず、所定アイテムが使用された回数が所定回数となったとき、ガチャで特定アイテムが当選したとき、ゲームの累計プレイ時間が所定時間となったとき、プレイ時間に制限(例えば、1日1時間しかゲームをプレイすることができない)のあるユーザ(例えば、子ども)がその制限を守ったとき、などであってもよい。
【0156】
また、前記実施形態では、第2ユーザの作製指示に基づいて、対象オブジェクトにかかるフィギュアが作製される例が記載されているが、本開示はこれには限られない。例えば、第1ユーザの作製指示に基づいて、第1ユーザについて特定された対象オブジェクトにかかるフィギュアが作製されてもよい。この場合には、第1ユーザに特典が付与される。
【0157】
前記実施形態では、ゲームサーバを介して、ユーザ端末装置と3Dプリンタサーバとの間でデータの送受信が行われる例が記載されているが、本開示はこれには限られない。例えば、ゲームサーバを介することなく、ユーザ端末装置と3Dプリンタサーバとの間で直接的にデータの送受信が行われてもよい。
【0158】
なお、この場合には、例えば、3Dプリンタサーバから完了信号を受信した第2ユーザのユーザ端末装置が、ゲームサーバを介して(あるいは、第1ユーザのユーザ端末装置との間で確立されるピアツーピア(P2P)により)、完了信号を第1ユーザのユーザ端末装置に送信することができてもよい。
【0159】
また、前記実施形態では、第1ユーザと第2ユーザとがフレンドとなった場合に、ゲームサーバから第2ユーザのユーザ端末装置に対象オブジェクトデータが送信される例が記載されているが、本開示はこれには限られない。
【0160】
例えば、第1ユーザと第2ユーザとが、ゲーム内で互いに対戦相手として戦った場合、ゲーム内で共闘した場合、ゲーム内ですれ違った場合、現実世界ですれ違った場合(例えば、ユーザ端末装置のGPS機能によって互いの端末装置が所定距離内に近づいたと判定された場合)、および/または、同じギルドに所属した場合に、第1ユーザのユーザ端末装置から第2ユーザのユーザ端末装置に対象オブジェクトデータが送信されてもよい。
【0161】
また、前記実施形態では、第1特典および第2特典は、対象オブジェクトに関する特典(対象オブジェクトの付与、対象オブジェクトのパラメータ上昇)であったが、本開示はこれには限られない。特典は、ゲームポイント、経験値、スタミナ、ゲーム内通貨、および/または、無償でガチャを実行する権利(ガチャチケット)、がゲーム内で付与されること、対象オブジェクトに関する新技が開放されること、あるいは、ガチャにおけるレアリティの高いキャラクタの当選確率が上昇すること、などであってもよい。
【0162】
前記実施形態に限られず、対象オブジェクトは、第1ユーザに関連づけられているオブジェクト(例えば、装備p)と、第2ユーザに関連づけられているオブジェクト(例えば、キャラクタQ)と、の組み合わせ(例えば、装備pを装着したキャラクタQ)で構成されてもよい。
【0163】
この場合には、第1ユーザが所有するオブジェクトと第2ユーザが所有するオブジェクトとを組み合わせてフィギュアが作製される必要が生じるため、より第1ユーザと第2ユーザとの連携体制/協力体制を生じさせることができる。
【0164】
また、この場合において、第1ユーザがゲーム内でパーツaを生成し、第2ユーザがゲーム内でパーツbを生成し、第3ユーザがパーツaとパーツbとを組み合わせてゲーム内でアイテムXを生成したのち、第4ユーザがアイテムXのフィギュアを作製することもできる。この場合には、パーツaおよびパーツbを作製した第1ユーザおよび第2ユーザに特典が付与されるとともに、アイテムXをゲーム内で生成した第3ユーザに特典が付与されてもよい。
【0165】
さらにこの場合には、パーツa、パーツbについて、アイテムXを生成するうえでの貢献度に基づいて、特典の量および/または内容が変化してもよい。例えば、パーツaは、アイテムXを生成するうえで必須のオブジェクトでない場合にはパーツaの貢献度は低く、パーツbは、アイテムXを生成するうえで必須のオブジェクトである場合にはパーツbの貢献度は高くなる。この場合には、貢献度が高いパーツを生成したユーザのほうが、豊富な特典を受け取ることができる。
【0166】
前記実施形態に限られず、対象オブジェクトは、現時点で第1ユーザに関連づけられていないオブジェクト(使用期限が定められているオブジェクト、第1ユーザが試しに使用しているオブジェクトを含む)であってもよい。
【0167】
この場合において、対象オブジェクトにかかるフィギュアが作製されたことの特典は、この対象オブジェクトが、期限が定められることなく第1ユーザに関連づけられることであってもよい。
【0168】
この場合には、例えば使用期限が設けられた対象オブジェクトにかかるフィギュアが第1ユーザあるいは第2ユーザによって作製されることによって、第1ユーザは該当する対象オブジェクトをゲーム内で取得することができる。
【0169】
前記実施形態に限られず、ゲームサーバは、ゲーム内での対象オブジェクトの状況に応じて、特典の内容を決定してもよい。
【0170】
また、例えば、第1ユーザが、対象オブジェクトを所有している時間(対象オブジェクトが第1ユーザに関連づけられている期間)が長いほど、対象オブジェクトをデッキに組み込んでいる時間が長いほど、あるいは、対象オブジェクトのパラメータを上昇させているほど、特典が豊富化されてもよい。
【0171】
また、対象オブジェクトが特定されてから作製指示が出されるまでに制限時間が設けられており、制限時間が経過したのちは、その対象オブジェクトの特定が解除されてもよい。この場合には、対象オブジェクトについてのフィギュアを欲するユーザは、早急に作製指示を行う必要がある。そして、希少価値の高い対象オブジェクトであれば、プレミアム感が出る。
【0172】
また、ユーザに付与される特典の数には上限が設けられていてもよく、また、特典には、ユーザが使用することのできる期限が設けられていてもよい。
【0173】
また、フィギュアが作製されたことを示す図鑑がゲーム内に生成されてもよい。この場合には、各ユーザは、いずれの対象オブジェクトのフィギュアが作製されたかを容易に把握することができる。
【0174】
図鑑としては、フィギュアなどの現実物品を自身がどれだけ作製したかが示される図鑑、現実物品を作製することができるようになったオブジェクトのうち自身がどのオブジェクトに関する現実物品を作製したか(自身が作製したか、他人が作製したかにかかわらず)が示される図鑑、などがある。
【0175】
また、各ユーザで対象オブジェクトが異なる場合において、例えば、フレンド関係が設定されたユーザ同士で、それらの対象オブジェクトを交換することができてもよい。また、フレンド関係が設定されたユーザ同士で、相手方の対象オブジェクトのフィギュアを作製することに基づいて、両者に特典が付与されてもよい。
【0176】
また、前記実施形態に限られず、同一の対象オブジェクトであっても、作製されるフィギュアはユーザごとに異なっていてもよい。例えば、第1ユーザが作製することのできるキャラクタAと、第2ユーザが作製することのできるキャラクタAとでは、各ユーザのゲームの進行状況によって、フィギュアの色、大きさ、装備、ポーズなどのうちの少なくとも1つが異なっていてもよい。
【0177】
また、フィギュアが作製されたオブジェクトについて、フィギュアが作製された回数のランキングなどが算出されてもよい。あるいは、作製されたフィギュアに関するコンテスト(例えば、フィギュアのポーズの美しさを競うコンテストなど)がゲーム内で開催されてもよい。
【0178】
また、前記実施形態に限られず、1つの対象オブジェクトデータのフィギュアを作製することのできる回数が限られていてもよい。この場合には、対象オブジェクトデータに基づいて、多数のフィギュアが作製されることに起因して、そのフィギュア自体の価値が下がってしまうこと、および、ゲーム内での対象オブジェクト自体の価値が下がってしまうことを防ぐことができる。
【0179】
また、フィギュアの作製可能回数あるいは作製可能ユーザ数が、対象オブジェクトデータごとに設定されてもよい。この場合には、例えば、レアリティが低い対象オブジェクトの作製可能回数は100回とし、レアリティが高い対象オブジェクトの作製可能回数は10回とすることができる。
【0180】
また、ユーザのログイン回数、ログイン頻度、プレイ時間などに基づいて、そのユーザがフィギュアを作製した場合に、付与される特典の内容が変化してもよい。例えば、ログイン回数が、1週間のうち1回であったユーザは、1週間のうち3回であったユーザよりも、特典の数が多くなったり(あるいは特典の数が減ったり)、レアリティの高い特典(あるいはレアリティの低い特典)が付与されたりしてもよい。
【0181】
また、ゲームの進行状況に限られず、例えば、フレンド関係が設定されている第1ユーザと第2ユーザとの間の友好度に基づいて、対象オブジェクトが特定されてもよい。この場合には、例えば、第1ユーザと第2ユーザとの間の友好度が高いほど、レアリティの高い対象オブジェクトが特定される。
【0182】
また、前記実施形態に限られず、第2ユーザが以前は所有していたが手放した(例えば、そのオブジェクトを他のオブジェクトと合成することで第2ユーザとの関連づけが解除された、第2ユーザの操作に基づいて削除された、ストーリーの展開で第2ユーザとの関連づけが解除された、など)オブジェクトについて、第2ユーザがそのオブジェクトに関するフィギュアを作製したことで、そのオブジェクトを再びゲーム内で所有することができるようになってもよい。
【0183】
また、前記に限られず、第2ユーザは、現在も対象オブジェクトをゲーム内で所有しており、第1ユーザからの対象オブジェクトデータに基づいてフィギュアを作製することで、ゲーム内で対象オブジェクトが付与されてもよく、また、すでに所有済みの対象オブジェクトのパラメータが上昇してもよい。
【0184】
また、前記実施形態に限られず、フレンド関係が設定されているユーザ同士でも、対象オブジェクトデータの送受信が行われなくてもよい。この場合には、各ユーザが現実物品を作製することのできるオブジェクトを解放させて、解放させたユーザがそのオブジェクトの現実物品を作製したことに基づいてそのユーザが特典をもらうこともできる。この場合において、あるユーザが現実物品を作製した旨が、そのユーザのフレンドに通知されるようになっていてもよい。
【0185】
また、前記実施形態に限られず、対象オブジェクトは、第1ユーザが所有するものでなくてよい。対象オブジェクトは、第1ユーザのゲーム内で登場した敵キャラクタおよび/またはノンプレイヤキャラクタ、第1ユーザが所有していないがゲーム途中で登場したアイテム(武器、乗り物)などであってもよい。この場合には、対象オブジェクトに対応する現実物品が作製された特典として、第1ユーザにガチャチケットが付与されてもよい。
【0186】
また、前記実施形態に限られず、現実物品として作製されたオブジェクトの種類によって、特典が変化してもよい。
【0187】
例えば、ユーザが所有しているオブジェクトの現実物品が作製された場合における特典は、例えば、そのオブジェクトのパラメータが上昇するなど、その現実物品に対応するオブジェクトに関わるものであってもよい。
【0188】
また、例えば、ユーザが所有していないオブジェクトの現実物品が作製された場合における特典は、ガチャチケット、ゲーム内通貨、アイテムゲットなど、現実物品に対応するオブジェクトとは関係のないものであってもよい。
【0189】
またさらには、作製された現実物品がフィギュアであるか、カードであるか、シールであるかなどによって(例えば、現実物品の作製費用によって)、付与される特典が変わってもよい。
【0190】
また、前記実施形態に限られず、第2特典は、第2ユーザがすでに所有しているオブジェクト、あるいは、過去において所有したことのあるオブジェクトに関するものであってもよい。そして、第2ユーザがすでに対象オブジェクトを所有している場合には、その対象オブジェクトのパラメータが上昇することが第2特典となる。
【0191】
また、前記実施形態においては、ユーザ端末装置はスマートフォンなどの端末装置である例が記載されているが、本開示は、これには限られない。ユーザ端末装置は、例えば、ディスプレイおよびコントローラが外部接続される据え置き型のゲーム装置、あるいは、パーソナルコンピュータであってもよい。
【符号の説明】
【0192】
1 特典システム
2 ゲームサーバ
3 3Dプリンタサーバ
4 ユーザ端末装置
5 通信ネットワーク

図1
図2
図3
図4