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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132859
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】玩具部品、及び、模型玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/36 20060101AFI20230914BHJP
【FI】
A63H3/36 G
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038422
(22)【出願日】2022-03-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林田 翔一
(72)【発明者】
【氏名】生頼 卓也
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150BC02
2C150CA04
2C150DA27
2C150EH07
2C150EH08
(57)【要約】
【課題】手の握りの表現をより自然なものとする手の玩具部品を提供する。
【解決手段】
模型玩具の手の玩具部品であって、前記玩具部品の第1面の側に折れ曲がり可能にそれぞれ構成された複数の第1の指構造体と、前記複数の第1の指構造体のそれぞれが回動可能に接続された第1の部材と、前記第1の部材が回動可能に接続された第2の部材と、前記第2の部材の、前記第1面とは反対側の第2面の側に結合された第1のカバー部材と、前記第1のカバー部材と回動可能に接続された第2のカバー部材とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
模型玩具の手の玩具部品であって、
前記玩具部品の第1面の側に折れ曲がり可能にそれぞれ構成された複数の第1の指構造体と、
前記複数の第1の指構造体のそれぞれが回動可能に接続された第1の部材と、
前記第1の部材が回動可能に接続された第2の部材と、
前記第2の部材の、前記第1面とは反対側の第2面の側に結合された第1のカバー部材と、
前記第1のカバー部材と回動可能に接続された第2のカバー部材と
を備え、
前記手の玩具部品は、前記手を開いた第1の状態と、前記手を閉じた第2の状態とを有し、
前記第2の状態において、前記複数の第1の指構造体の前記第1面の側への折れ曲がりに応じて、前記第1の部材と前記第2のカバー部材とが、前記第1面側へ回動可能に構成されている、玩具部品。
【請求項2】
前記複数の第1の指構造体のそれぞれは、球形状の端部を有する第1の連結部を有し、
前記第1の部材は、前記第1の部材の表面に設けられた、前記複数の第1の指構造体のそれぞれの前記第1の連結部に対応する複数の第1の凹部を有し、
複数の前記第1の連結部と前記複数の第1の凹部とが結合することにより、前記第1の指構造体のそれぞれは前記第1の部材に回動可能に接続される、請求項1に記載の玩具部品。
【請求項3】
前記第1の部材は、前記複数の第1の凹部を異なる高さにおいて有する、請求項2に記載の玩具部品。
【請求項4】
前記複数の第1の指構造体のそれぞれは、
第1のパーツと、
前記第1のパーツと回動可能に接続された第2のパーツと、
前記第2のパーツと回動可能に接続された第3のパーツと、
前記第3のパーツと回動可能に接続され、前記第1の連結部を有する第4のパーツと
を備え、
前記手の玩具部品は、前記第1の状態において、
前記第1のパーツは前記第2のパーツに対して第1の所定角度だけ回動し、
前記第2のパーツは前記第3のパーツに対して第2の所定角度だけ回動し、
前記第3のパーツは前記第4のパーツに対して第3の所定角度だけ回動する
ことにより前記第2の状態に移行する、請求項2または3に記載の玩具部品。
【請求項5】
前記第1の部材は底面の少なくとも一部に第1の平坦部と第1の傾斜部とを含み、
前記第1の状態において、前記第1の部材は前記第1の平坦部により前記第2の部材の上面と接し、
前記第2の状態において、前記第1の部材は前記第1の傾斜部により前記第2の部材の前記上面と接する、請求項1から4のいずれか1項に記載の玩具部品。
【請求項6】
前記第2の部材の上面は、少なくとも一部に第2の平坦部と第2の傾斜部とを含み、
前記第1の状態において、前記第2の部材は前記第2の平坦部により前記第1の部材の底面と接し、
前記第2の状態において、前記第2の部材は前記第2の傾斜部により前記第1の部材の前記底面と接する、請求項1から5のいずれか1項に記載の玩具部品。
【請求項7】
前記第1のカバー部材は、前記第2の部材の前記第2面側と、側面の少なくとも一部とを覆うように構成され、
前記第2のカバー部材は、前記第1の部材の前記第2面側と、側面の少なくとも一部とを覆うように構成された、請求項1から6のいずれか1項に記載の玩具部品。
【請求項8】
前記玩具部品の前記第1面の側に折れ曲がり可能に構成された第2の指構造体を更に含み、
前記第2の指構造体は、前記第2の部材と回動可能に接続され、
前記第2の指構造体は、前記第2の状態において、前記複数の前記第1の指構造体の折れ曲がり方向と交差する方向に折れ曲がるように構成されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の玩具部品。
【請求項9】
前記第2の指構造体は球形状の端部を有する第2の連結部を有し、
前記第2の部材は、前記第2の部材の表面に設けられた、前記第2の指構造体の前記第2の連結部に対応する第2の凹部を有し、
前記第2の連結部と前記第2の凹部とが結合することにより、前記第2の指構造体は前記第2の部材に回動可能に接続される、請求項8に記載の玩具部品。
【請求項10】
前記第2の指構造体は、
第5のパーツと、
前記第5のパーツと回動可能に接続された第6のパーツと、
前記第6のパーツと回動可能に接続された第7のパーツと、
前記第7のパーツと回動可能に接続され、前記第2の連結部を有する第8のパーツと
を備え、
前記手の玩具部品は、前記第1の状態において、少なくとも、
前記第8のパーツが前記第2の部材に対して第4の所定角度だけ回動し、
前記第7のパーツが前記第8のパーツに対して第5の所定角度だけ回動する
ことにより前記第2の状態に移行する、請求項9に記載の玩具部品。
【請求項11】
前記第2の部材は、前記模型玩具の手首を構成する部材と回動可能に更に結合する、請求項1から10のいずれか1項に記載の玩具部品。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の玩具部品を有する模型玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具部品、及び、模型玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、組立玩具の玩具部品として手の構造について記載されている。当該玩具部品では、手の平の部分が一体的に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-107275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の玩具部品よりも、手の握りの表現をより自然なものとする手の玩具部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、模型玩具の手の玩具部品であって、前記玩具部品の第1面の側に折れ曲がり可能にそれぞれ構成された複数の第1の指構造体と、前記複数の第1の指構造体のそれぞれが回動可能に接続された第1の部材と、前記第1の部材が回動可能に接続された第2の部材と、前記第2の部材の、前記第1面とは反対側の第2面の側に結合された第1のカバー部材と、前記第1のカバー部材と回動可能に接続された第2のカバー部材とを備え、前記手の玩具部品は、前記手を開いた第1の状態と、前記手を閉じた第2の状態とを有し、前記第2の状態において、前記複数の第1の指構造体の前記第1面の側への折れ曲がりに応じて、前記第1の部材と前記第2のカバー部材とが、前記第1面側へ回動可能に構成されている。
【0006】
また、本発明は、上記の玩具部品を有する模型玩具である。
【発明の効果】
【0007】
手の握りの表現をより自然なものとする手の玩具部品及び玩具部品を使用した模型玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に対応する組立玩具の外観の一例を示す図。
図2】実施形態に対応する玩具部品の第1の状態における外観の一例を示す図。
図3】実施形態に対応する玩具部品の第2の状態における外観の一例を示す図。
図4】実施形態に対応する玩具部品の第1面における分解構成の一例を示す図。
図5】実施形態に対応する玩具部品の第2面における分解構成の一例を示す図。
図6】実施形態に対応する玩具部品の第1の状態における断面構成の一例を示す図。
図7】実施形態に対応する玩具部品を第2の状態における断面構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴うち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。また、各図において、紙面に対する上下左右表裏方向を、本実施形態における部品(またはパーツ)の上下左右表裏方向として、本文中の説明の際に用いることとする。
【0010】
まず、本実施形態に対応する模型玩具として、人形型の組立玩具の外観の一例を図1に示す。図1は、実施形態に係る組立玩具1の外観を簡略化して示す模式図である。組立玩具1は、頭部10、胴体部11、腕部12、腰部13、及び、脚部14の各模型部品を有し、これらが結合されて構成されている。また、腕部12の先端には、本実施形態の玩具部品100に対応する手が結合されている。なお、本実施形態では、模型玩具としてユーザが模型部品を組み立てて完成させる組立玩具の例を説明するが、これに限られるものではなく、例えば組立済のものであってもよい。
【0011】
個々の部位10~14及び100の少なくとも一部は、隣接する部位に対して回動(或いは揺動)可能に支持される。例えば、頭部10は胴体部11に対して回動可能に支持され、腕部12は胴体部11に対して回動、前傾、後傾が可能に支持される。玩具部品100も腕部12に対して回動可能に支持されている。
【0012】
このようにして組立玩具1の各部位には関節構造が設けられており、ユーザ(例えば、組立玩具1の所有者)は、このような組立玩具1を所望の姿勢にすることができる。図1では、省略しているが、組立玩具1には1つ以上の装飾部品を取り付けることができる。装飾部品も本実施形態で説明する組立玩具の模型部品と同様に構成することができる。装飾部品には、例えば、剣や銃のような武器や、盾のような防具等がある。本実施形態の玩具部品100によれば、そのような武器や防具を把持することができると共に、武器等を把持している際の玩具部品100の外観をより自然なものとすることができる。
【0013】
次に、本実施形態に対応する玩具部品のより詳細な外観の一例を図2及び図3に示す。本実施形態においては、組立玩具1の手の玩具部品100について、手を開いた状態を「第1の状態」と称し、手を閉じた状態を「第2の状態」と称する。図2は、手の玩具部品100の第1の状態における外観の一例を示し、図3は、玩具部品100の第2の状態における外観の一例を示す。また、玩具部品100の第1の状態において、手の平側を「第1面」、手の甲側を「第2面」と称する。
【0014】
図2(A)は、実施形態に係る、組立玩具1の手の玩具部品100の第1面側の外観を示す図である。図2(B)は、玩具部品100の第2面側の外観を示す図である。図2において、玩具部品100は、親指部101、人差し指部102、中指部103、薬指部104、小指部105に相当する複数の指構造体を有する。ここで指の本数は組立玩具1の構造に応じて可変とすることができる。
【0015】
各指構造体は、それぞれ第1から第3までの関節部を有しており、第1面側に対して折り曲げることができる。また、手の平の部分は、2つのパーツ106と107とから構成されており、パーツ106とパーツ107とは手の平の内側方向(第1面側に向かう方向)に回動可能に接続されている。パーツ106には、人差し指部102、中指部103、薬指部104、小指部105が、少なくとも第1面側に回動可能に接続されていると共に、パーツ107には、親指部101が矢印201、202の方向に回動可能に接続されている。ここで、各指構造体の接続先の部位の違いに基づき、パーツ106と接続する人差し指部102、中指部103、薬指部104、小指部105を、「(複数の)第1の指構造体」と称し、パーツ107と接続する親指部101を「第2の指構造体」と称することができる。また、パーツ107には、手首を構成する連結部111が回動可能に接続されており、当該連結部111を介して組立玩具1の腕部12と接続することができる。
【0016】
また、玩具部品100の第2面側には、パーツ108とパーツ109が、パーツ106及びパーツ107を覆うように配置されており、パーツ108は、パーツ109に対して、第1面側に回動可能に接続されている。パーツ106とパーツ108とは直接に接続されてはいないが、パーツ106が手の平側に折り曲げられた際に、併せて折り曲げることが可能となっている。なお、パーツ108の動作をパーツ106と連動させるように構成してもよい。パーツ107とパーツ109とは、指構造体やパーツ106が回動する際に土台として機能する。
【0017】
次に、図3(A)は、実施形態に係る、複数の指構造体を折り曲げて第2の状態とした場合の玩具部品100の第1面側の外観を示す図である。図3(B)は、指構造体を折り曲げて第2の状態とした場合の玩具部品100の第2面側の外観を示す図である。
【0018】
上述のように、パーツ108はパーツ109に対して回動可能に接続されており、図3(B)では、パーツ108がパーツ109に対し、第1面側に回動している様子が示されている。このとき図3(A)に示すように、人差し指部102、中指部103、薬指部104、小指部105は、第1面側に折り曲げられている。更に親指部101を矢印201、202の方向に回転させることにより、折り曲げた人差し指部102、中指部103、薬指部104、小指部105の下側に、横倒しの形で配置される。
【0019】
次に、図4及び図5を参照して、玩具部品100を構成する各パーツの構造について説明する。図4は、玩具部品100の手の第1面側から見た分解構成の一例を示す図であり、図5は、玩具部品100の第2面側から見た分解図である。
【0020】
図4及び図5において、親指部101、人差し指部102、中指部103、薬指部104、小指部105には、それぞれ連結部101a、102a、103a、104a、105aが設けられており、連結部101aは球形状の接続部がパーツ107に設けられた凹部107aと回動可能に、ボールジョイント形式にて接続する。連結部102a、103a、104a、105aは、それぞれの端部に設けられた球形状の接続部が、パーツ106に設けられた凹部106aから106dとそれぞれ回動可能にボールジョイント形式にて接続する。
【0021】
パーツ106は下側に突起106eと106fとを有しており、パーツ107の凹部107cと107dと回動可能に接続する。この接続により、パーツ106はパーツ107に対して、第1面側に回動可能となる。パーツ107は、パーツ109と接続するための突起部107e、107f及び凹部107gを有しており、突起部107e、107fは、パーツ109の開口109c、109dと、凹部107gは、パーツ109の突起部109eと、それぞれ結合することにより、パーツ107とパーツ109との接続が確保される。また、パーツ107の下側には連結部111の開口111aと回動可能に結合する突起部107bが設けられている。
【0022】
パーツ108は、下側に突起部108aと108bとを備えて構成され、当該突起部はパーツ109の上側に設けられた凹部109a、109bと回動可能に接続する。この接続により、パーツ108はパーツ109に対して、第1面側に回動することが可能となる。
【0023】
次に、図6を参照して、手を開いた第1の状態における玩具部品100の断面構造について説明する。図6は、図2(A)のA-A'線、B-B'線、C-C'線、D-D'線、E-E'線における玩具部品100の断面構造の一例を示す断面図である。
【0024】
図6(A)はA-A'線における玩具部品100の断面構造、特には親指部101の断面構造の一例を示す。親指部101は、第1親指パーツ101b、第2親指パーツ101c、第3親指パーツ101dとからなり、第2親指パーツ101cには、第1親指パーツ101b、第3親指パーツ101dの接続軸と結合するための開口がそれぞれ設けられている。第1親指パーツ101bは第2親指パーツ101cに対し、当該接続軸を介して矢印601aの方向に回動が可能である。また、第2親指パーツ101cは第3親指パーツ101dに対し、当該接続軸を介して矢印601bの方向に回動が可能である。また、第3親指パーツ101dには、連結部101aが設けられている。連結部101aは、十字型の断面構造を有しており、十字の縦軸を回転軸として矢印201の方向に回動可能に構成されている。
【0025】
図6(B)はB-B'線における玩具部品100の断面構造、特には人差し指部102の断面構造の一例を示す。人差し指部102は、第1人差し指パーツ102b、第2人差し指パーツ102c、第3人差し指パーツ102dとからなり、第2人差し指パーツ102cには、第1人差し指パーツ102b、第3人差し指パーツ102dの接続軸と結合するための開口がそれぞれ設けられている。第1人差し指パーツ102bは第2人差し指パーツ102cに対し、当該接続軸を介して矢印602aの方向に回動が可能である。
【0026】
また、第2人差し指パーツ102cは第3人差し指パーツ102dに対し、当該接続軸を介して矢印602bの方向に回動が可能である。また、第3人差し指パーツ102dの下側端部は連結部102aと矢印602cの方向に回動可能に接続されている。連結部102aの上側端部には、第3人差し指パーツ102dと矢印602cの方向に回動可能に接続するための開口が設けられている。一方の下側端部は球形状を有しており、パーツ106の凹部106aと任意の方向に回動可能にボールジョイント形式にて接続する。また、パーツ107は凹部107aを有しており、親指部101の連結部101aと矢印202の方向に回動可能にボールジョイント形式にて接続している。図6(B)に示す第1の状態においては、パーツ107の上面は、パーツ106の底面の平坦部と接触しており、パーツ106の底面の傾斜部106gとは接触していない。
【0027】
図6(C)はC-C'線における玩具部品100の断面構造、特には中指部103の断面構造の一例を示す。中指部103は、第1中指パーツ103b、第2中指パーツ103c、第3中指パーツ103dとからなり、第2中指パーツ103cには、第1中指パーツ103b、第3中指パーツ103dの接続軸と結合するための開口がそれぞれ設けられている。第1中指パーツ103bは第2中指パーツ103cに対し、当該接続軸を介して矢印603aの方向に回動が可能である。また、第2中指パーツ103cは第3中指パーツ103dに対し、当該接続軸を介して矢印603bの方向に回動が可能である。
【0028】
また、第3中指パーツ103dの下側端部は連結部103aと矢印603cの方向に回動可能に接続されている。連結部103aの上側端部には、第3中指パーツ103dと矢印603cの方向に回動可能に接続するための開口が設けられている。一方の下側端部は球形状を有しており、パーツ106の凹部106bと任意の方向に回動可能にボールジョイント形式にて接続する。
【0029】
また、パーツ107は凹部107cを有しており、パーツ106の突起部106eと回動可能に接続することにより、パーツ106は第1面側に回動することができる。また、パーツ108の突起部108aと、パーツ109の凹部109aとが回動可能に接続することにより、パーツ108は第1面側に回動することができる。図6(C)に示す第1の状態においては、パーツ107の上面の傾斜部107gは、パーツ106の底面と接触しておらず、パーツ107の上面の平坦部がパーツ106の底面と接触している。また、パーツの突起107bと連結部111の開口111aとが結合することにより、玩具部品100の連結部111より上側の構成が、連結部111に対して矢印610で示す方向に回動可能となる。
【0030】
図6(D)はD-D'線における玩具部品100の断面構造、特には薬指部104の断面構造の一例を示す。薬指部104は、第1薬指パーツ104b、第2薬指パーツ104c、第3薬指パーツ104dとからなり、第2薬指パーツ104cには、第1薬指パーツ104b、第3薬指パーツ104dの接続軸と結合するための開口がそれぞれ設けられている。第1薬指パーツ104bは第2薬指パーツ104cに対し、当該接続軸を介して矢印604aの方向に回動が可能である。また、第2薬指パーツ104cは第3薬指パーツ104dに対し、当該接続軸を介して矢印604bの方向に回動が可能である。また、第3薬指パーツ104dの下側端部は連結部104aと矢印604cの方向に回動可能に接続されている。連結部104aの上側端部には、第3薬指パーツ104dと矢印604cの方向に回動可能に接続するための開口が設けられている。一方の下側端部は球形状を有しており、パーツ106の凹部106cと任意の方向に回動可能にボールジョイント形式にて接続する。
【0031】
また、パーツ107は凹部107dを有しており、パーツ106の突起部106fと回動可能に接続することにより、パーツ106は第1面側に回動することができる。また、パーツ108の突起部108bと、パーツ109の凹部109bとが回動可能に接続することにより、パーツ108は第1面側に回動することができる。図6(D)に示す第1の状態においては、パーツ107の上面は、パーツ106の底面の平坦部と接触しており、パーツ106の底面の傾斜部とは接触していない。また、パーツの突起107bと連結部111の開口111aとが結合する。
【0032】
図6(E)はE-E'線における玩具部品100の断面構造、特には小指部105の断面構造の一例を示す。小指部105は、第1小指パーツ105b、第2小指パーツ105c、第3小指パーツ105dとからなり、第2小指パーツ105cには、第1小指パーツ105b、第3小指パーツ105dの接続軸と結合するための開口がそれぞれ設けられている。第1小指パーツ105bは第2小指パーツ105cに対し、当該接続軸を介して矢印605aの方向に回動が可能である。また、第2小指パーツ105cは第3小指パーツ105dに対し、当該接続軸を介して矢印605bの方向に回動が可能である。また、第3小指パーツ105dの下側端部は連結部105aと矢印605cの方向に回動可能に接続されている。連結部105aの上側端部には、第3小指パーツ105dと矢印605cの方向に回動可能に接続するための開口が設けられている。一方の下側端部は球形状を有しており、パーツ106の凹部106dと任意の方向に回動可能にボールジョイント形式にて接続する。図6(E)に示す第1の状態においては、パーツ107の上面は、パーツ106の底面の平坦部と接触しており、パーツ106の底面の傾斜部106hとは接触していない。
【0033】
次に、図7を参照して、手を握った(閉じた)第2の状態における玩具部品100の断面構造について説明する。図7は、図3のF-F'線、G-G'線、H-H'線、I-I'線、J-J'線における玩具部品100の断面構造の一例を示す断面図である。
【0034】
図7(A)は図3のF-F'線における断面構造、特には親指部101の断面構造の一例を示す。ここでは、連結部101aの凹部107aに対する所定角度の回動、及び、第3親指パーツ101dの連結部101aに対する所定角度の回動により、親指部101がパーツ107の手前側(第1面側)に位置している。このとき、第1親指パーツ101b、第2親指パーツ101cも適宜回動させてもよい。図7(A)からは、連結部101aが凹部107aと接続すると共に、パーツ109の端部により係止されていることが分かる。また、図7(A)では、第3親指パーツ101d等の回動の妨げとならないよう、パーツ107の第1面側に突出している部分の角を落としている。その他の構成については、上記で既に説明した通りである。
【0035】
次に図7(B)は、図3のG-G'線における断面構造、特には人差し指部102の断面構造の一例を示す。図7(B)では、第1人差し指パーツ102bが第2人差し指パーツ102cに対して第1の所定角度(例えば、約90度)回動し、第2人差し指パーツ102cが第3人差し指パーツ102dに対して第2の所定角度(例えば、約90度)回動し、第3人差し指パーツ102dもパーツ102aに対して第3の所定角度(例えば、約90度)回動している。これにより、第1人差し指パーツ102bはパーツ106の表面に接触する位置まで到達している。このとき、親指部101は、第3親指パーツ101dと連結部101aとの接続により下側に回動することで、人差し指部102との接触を回避している。また、図7(B)では、パーツ106が前傾しており、パーツ106とパーツ107の接触状態が、図6(B)で示したパーツ106底面の平坦部とパーツ107の上面との接触状態から、パーツ106底面の傾斜部106gとパーツ107の上面との接触状態に変化している。パーツ106は、底面の一部に傾斜部106gを設けることにより、第1面側に前傾しやすい構造となっている。また、パーツ108とパーツ109との接触状態も、図6(B)で示したパーツ108の底面とパーツ109の上面とが接触している状態から、パーツ108の底面とパーツ109の上面とが離間した状態に変化している。
【0036】
次に図7(C)は、図3のH-H'線における断面構造、特には中指部103の断面構造の一例を示す。図7(C)では、第1中指パーツ103bが第2中指パーツ103cに対して第1の所定角度(例えば、約90度)回動し、第2中指パーツ103cが第3中指パーツ103dに対して第2の所定角度(例えば、約90度)回動し、第3中指パーツ103dもパーツ103aに対して第3の所定角度(例えば、約90度)回動している。これにより、第1中指パーツ103bはパーツ106及びパーツ107の表面に接触する位置まで到達している。また、図7(C)では、パーツ106が前傾しており、パーツ106とパーツ107の接触状態が、図6(C)で示したパーツ106の底面とパーツ107の上面の平坦部との接触状態から、パーツ106の底面とパーツ107の上面の傾斜部107gとの接触状態に変化している。パーツ107は、上面の一部に傾斜部107gを設けることにより、パーツ106が第1面側に前傾しやすい構造となっている。また、パーツ108とパーツ109との接触状態も、図6(C)で示したパーツ108の底面とパーツ109の上面とが接触している状態から、パーツ108の底面とパーツ109の上面とが離間した状態に変化している。
【0037】
次に図7(D)は、図3のI-I'線における断面構造、特には薬指部104の断面構造の一例を示す。図7(D)では、第1薬指パーツ104bが第2薬指パーツ104cに対して第1の所定角度(例えば、約90度)回動し、第2薬指パーツ104cが第3薬指パーツ104dに対して第2の所定角度(例えば、約90度)回動し、第3薬指パーツ104dもパーツ104aに対して第3の所定角度(例えば、約90度)回動している。これにより、第1薬指パーツ104bはパーツ106及びパーツ107の表面に接触する位置まで到達している。また、図7(D)では、パーツ106が前傾しており、パーツ106とパーツ107の接触状態が、図6(D)で示したパーツ106の底面の平坦部とパーツ107の上面の平坦部との接触状態から、パーツ106の底面の傾斜部とパーツ107の上面の傾斜部107gとが離間した状態に変化している。ここでは傾斜部同士が接触していないが、接触していてもよい。パーツ107は、上面の一部に傾斜部107gを設けることにより、パーツ106が手の平側に前傾しやすい構造となっている。またパーツ106自体も、底面の一部に傾斜部と段差とを設けることにより、パーツ106が手の平側に前傾しやすい構造となっている。また、パーツ108とパーツ109との接触状態も、図6(D)で示したパーツ108の底面とパーツ109の上面とが接触している状態から、パーツ108の底面とパーツ109の上面とが離間した状態に変化している。
【0038】
次に図7(E)は、図3のJ-J'線における断面構造、特には小指部105の断面構造の一例を示す。図7(E)では、第1小指パーツ105bが第2小指パーツ105cに対して第1の所定角度(例えば、約90度)回動し、第2小指パーツ105cが第3小指パーツ105dに対して第2の所定角度(例えば、約90度)回動し、第3小指パーツ105dもパーツ105aに対して第3の所定角度(例えば、約90度)回動している。これにより、第1小指パーツ105bはパーツ106の表面に接触する位置まで到達している。また、図7(E)では、パーツ106が前傾しており、パーツ106とパーツ107の接触状態が、図6(E)で示したパーツ106の底面の平坦部とパーツ107の上面との接触状態から、パーツ106の底面の平坦部とパーツ107の上面とが離間し、パーツ106底面の傾斜部106h側に傾斜した状態となっている。パーツ106は、底面の一部に傾斜部106hを設けることにより、パーツ106が第1面側に傾斜しやすい構造となっている。また、パーツ108とパーツ109との接触状態も、図6(E)で示したパーツ108の底面とパーツ109の上面とが接触している状態から、パーツ108の底面とパーツ109の上面とが離間した状態に変化している。
【0039】
図7の説明では、人差し部102から小指部105までの各パーツの回動角度を第1の所定角度、第2の所定角度、及び、第3の所定角度として共通としていたが、これは説明の簡略のためであって、それぞれの回動角度が異なることを禁止する意図ではなく、それぞれ異なる角度において回動する場合も実施形態の範囲に含まれる。
【0040】
上述の実施形態の説明においては、パーツ108はパーツ106とは独立して回動する構成としていたが、パーツ106と係合する係合部材をパーツ108に追加することにより、パーツ106の動きと連動して回動するような構成としてもよい。
【0041】
本実施形態によれば、組立玩具の手の玩具部品を提供することができる。当該玩具部品は、手の握り込みの際に、5本の各指の付け根部分も手の平側に回動するため、握り込みの表現を向上させることができる。また、パーツ108や109により、手の握り込みの際に見た目的な不自然さや、違和感を軽減することができる。
【0042】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7