(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132888
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】情報収集システム及び情報評価方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20230914BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038460
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉永 圭吾
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 祥樹
(72)【発明者】
【氏名】山本 祐史
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC04
(57)【要約】
【課題】複数のテーマに関するデータを効率的に収集することが可能な情報収集システム及び情報評価方法を提供する。
【解決手段】想定コスト算出部63は、データを蓄積する蓄積処理のログ情報に基づいて、データごとに、データの蓄積にかかったコストを評価したコスト評価値を算出する。想定効果算出部62は、データを参照する参照処理のログ情報に基づいて、テーマごとに、データの価値を評価した効果評価値を算出する。費用対効果可視部64は、テーマごとに、コスト評価値と前記効果評価値とを比較した比較値である費用対効果値を算出する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のテーマに関するデータの蓄積及び参照を行う情報収集システムであって、
前記データを蓄積する蓄積処理のログ情報に基づいて、前記テーマごとに、前記データの蓄積にかかったコストを評価したコスト評価値を算出するコスト算出部と、
前記データを参照する参照処理のログ情報に基づいて、前記テーマごとに、前記データの価値を評価した効果評価値を算出する効果算出部と、
前記テーマごとに、前記コスト評価値と前記効果評価値とを比較した比較値を算出する比較部と、を有する情報収集システム。
【請求項2】
前記蓄積処理は、前記データとして1次データを収集して蓄積する収集処理と、前記1次データを加工して2次データとして蓄積する加工処理と、を含む、請求項1に記載の情報収集システム。
【請求項3】
前記コスト算出部は、前記1次データ及び前記2次データのそれぞれについて、前記コスト評価値を算出し、
前記効果算出部は、前記1次データ及び前記2次データのそれぞれについて、前記効果評価値を算出し、
前記比較部は、前記1次データ及び前記2次データのそれぞれについて、前記比較値を算出する、請求項2に記載の情報収集システム。
【請求項4】
前記コスト算出部は、前記蓄積処理のログ情報に基づいて、前記1次データを収集した収集回数と、前記1次データの収集にかかった収集時間とを算出し、前記収集回数及び前記収集時間に基づいて、前記1次データの前記コスト評価値を算出する、請求項2に記載の情報収集システム。
【請求項5】
前記コスト算出部は、前記蓄積処理のログ情報に基づいて、前記2次データを生成した加工回数と、前記2次データの生成にかかった加工時間とを算出し、前記加工回数及び加工時間に基づいて、前記2次データの前記コスト評価値を算出する、請求項2に記載の情報収集システム。
【請求項6】
前記効果算出部は、前記参照処理のログ情報に基づいて、前記参照処理が実行された参照回数と、各参照処理で参照された前記データの数である参照数とを算出し、前記参照回数及び前記参照数に基づいて、前記効果評価値を算出する、請求項1に記載の情報収集システム。
【請求項7】
前記比較部は、前記コスト評価値に対する前記効果評価値の比率を前記比較値として算出する、請求項1に記載の情報収集システム。
【請求項8】
複数のテーマに関するデータの蓄積及び参照を行う情報収集システムによる情報評価方法であって、
前記データを蓄積する蓄積処理のログ情報に基づいて、前記テーマごとに、前記データの蓄積にかかったコストを評価したコスト評価値を算出し、
前記データを参照する参照処理のログ情報に基づいて、前記テーマごとに、前記データの価値を評価した効果評価値を算出し、
前記テーマごとに、前記コスト評価値と前記効果評価値とを比較した比較値を算出する、情報評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報収集システム及び情報評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
産業分野などでは、近年、工場及び部署などにおける業務の改善のために、バリューチェーンの各所からデータを収集してデータレイクに保存する情報収集システムの利用が注目されている。この種の情報収集システムを利用することで、データレイクに保存されたデータを分析して、様々なテーマに対する対策手段の早期開発及び共有化などを図ることが可能となり、業務のさらなる改善が可能となる。
【0003】
しかしながら、多様なデータを単に収集するだけでは、データレイクに保存するデータの量が膨大となるなど、データを収集して蓄積するコストが高くなるため、業務を効率的に改善することは難しい。
【0004】
これに対して特許文献1には、既に取得しているデータを解析した解析結果及びデータを記憶する記憶部の状況などに基づいて、これから収集するデータの精度(画像の解像度及び音声のサンプリングレートなど)を調整する技術が開示されている。この技術を用いることで、収集するデータのサイズを低減しつつ、必要なデータを収集することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
工場などでは、改善などが要求される様々なテーマが存在するため、データレイクには、様々なテーマに関するデータが保存されるが、通常、各テーマの担当者は他のテーマに関するデータの収集コストを把握していない。このため、業務改善に対する費用対効果が低い特定のテーマに関するデータが他のテーマに関するデータと比べて大量に蓄積されたりするなど、業務全体における費用対効果が低くなることがある。
【0007】
特許文献1に記載の技術では、複数のテーマが存在することについては考慮されていないため、複数のテーマに関するデータを効率的に収集することができず、業務全体に対する費用対効果が低くなることを抑制することが難しい。
【0008】
本開示の目的は、複数のテーマに関するデータを効率的に収集することが可能な情報収集システム及び情報評価方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に従う情報収集システムは、複数のテーマに関するデータの蓄積及び参照を行う情報収集システムであって、前記データを蓄積する蓄積処理のログ情報に基づいて、前記テーマごとに、前記データの蓄積にかかったコストを評価したコスト評価値を算出するコスト算出部と、前記データを参照する参照処理のログ情報に基づいて、前記テーマごとに、前記データの価値を評価した効果評価値を算出する効果算出部と、前記テーマごとに、前記コスト評価値と前記効果評価値とを比較した比較値を算出する費用対効果算出部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数のテーマに関するデータを効率的に収集することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】情報収集システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図2】情報収集システムの機能的な構成の一例を示す図である。
【
図3】アプリアカウントテーブルの一例を示す図である。
【
図4】DB参照アカウントテーブルの一例を示す図である。
【
図5】収集アカウントテーブルの一例を示す図である。
【
図10】アカウント登録処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図11】収集処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図12】加工処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図13】データ参照処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図14】効果算出処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図15】コスト算出処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図16】可視化処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本開示の一実施形態における情報収集システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
図1に示す情報収集システム1は、データ収集装置10と、データ加工装置20と、データ蓄積装置30及び40と、データ参照装置50と、データ分析装置60とを有する。各装置10~60は、ネットワーク70を介して相互に通信可能に接続される。
【0014】
データ収集装置10は、複数のテーマに関するデータを収集して蓄積する収集処理を行う。例えば、データ収集装置10は、収集対象エリアに配置されたセンサ、検査装置及び処理装置などの対象機器からデータを収集する。収集対象エリアは、例えば、工場及び店舗などの施設である。本実施形態では、収集対象エリアは工場である。データは、例えば、時系列データなどであり、音声データ、映像データ及びセンサデータなどを含む。また、データは、テーブル構造などを有していてもよい。テーマは、例えば、解決対象となる課題であり、さらに具体的に言えば、工場の各ラインにおける生産効率の向上又はミスの削減などである。この場合、テーマに関するデータは、課題を解決するために有益又は有益と考えらえるデータであり、テーマとデータとの関係は、情報収集システム1を運営するシステム運営者などにて予め設定される。
【0015】
データ加工装置20は、データ収集装置10にて収集されたデータである1次データを加工して2次データを生成して蓄積する加工処理を行う。1次データを加工する加工処理の具体的な内容は、特に限定されないが、例えば、データの形式の変換、データの統廃合、特定の要素の抽出、及び、データの圧縮などである。
【0016】
データ蓄積装置30及び40は、データ収集装置10による収集処理及びデータ加工装置20による加工処理にて収集及び生成されたデータを蓄積する。データを蓄積する。本実施形態では、データ蓄積装置30は、データ収集装置10にて収集された1次データを蓄積する1次蓄積装置であり、データ蓄積装置40は、データ加工装置20にて加工された2次データを蓄積する2次蓄積装置である。なお、収集処理及び加工処理は、データを蓄積する蓄積処理に含まれる。
【0017】
データ参照装置50は、データ蓄積装置30及び40に蓄積されたデータを参照する参照処理を行う。具体的には、データ参照装置50は、データ蓄積装置30及び40に蓄積されたデータを参照するアプリケーションプログラムを実行し、アプリケーションプログラムにてデータの参照が行われる。
【0018】
データ分析装置60は、蓄積処理及び参照処理のログ情報に基づいて、データ収集装置10にて収集されたデータを分析して、テーマごとに、テーマに関するデータ収集の費用対効果を評価する。
【0019】
情報収集システム1に含まれる各装置10~60は、例えば、情報処理装置などで実現され、
図1の例では、入力部101と、通信インタフェース(通信I/F)102と、記憶装置103と、メモリ104と、CPU(Central Processing Unit)105とを有する。
【0020】
入力部101は、各装置10~60を利用するユーザから種々の情報を受け付ける。通信インタフェース102は、ネットワーク70を介して他の装置と通信可能に接続し、他の装置との間で種々の情報の送受信を行う。
【0021】
記憶装置103は、CPU105の動作を規定するプログラム(コンピュータプログラム)、及び、各装置10~60で使用及び生成される種々の情報を記憶する。メモリ104は、記憶装置103に記憶されたプログラムのワークエリアとして機能する記録媒体である。CPU105は、各装置10~60を制御するプロセッサであり、記憶装置103に記憶されたプログラムを読み取り、その読み取ったプログラムを、メモリ104をワークエリアとして用いて実行することで、種々の処理を行う。なお、本開示に含まれる情報収集システムまたは情報評価方法は、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブのような非一時的記憶媒体MMに記憶させることができる。この記憶媒体は、コンピュータに直接接続されてもよいし、通信ネットワークを介してコンピュータに接続されてもよい。コンピュータは記憶媒体MMとの間でコンピュータプログラムを送受信可能である。
【0022】
図1に示した情報収集システム1のハードウェア構成は単なる一例であって、これに限定されるものではない。例えば、各装置10~60は、図示した構成に加えて、種々の情報を表示する表示装置などの別の構成を備えていてもよい。
図1の例では、データ分析装置60が表示装置106を備えている。また、各装置10~60の少なくとも一部が同一の装置で実現されてもよい。例えば、データ蓄積装置30及び40が同一の装置で構成されることで、1次データ及び2次データが同一の装置に蓄積されてもよい。また、各装置10~60が複数の装置で構成されてもよい。また、情報収集システム1は、システム運営者などが操作する入力装置(
図2の入力装置80を参照)などの他の構成を備えていてもよい。
【0023】
図2は、情報収集システム1の機能的な構成を示す図である。
【0024】
図2に示すように情報収集システム1のデータ収集装置10は、データ収集情報11と、データ収集情報管理部12とを有する。データ収集情報11は、データ収集装置10によるデータを収集して蓄積する収集処理に関する情報であり、例えば、収集処理のログ情報であるデータ収集ログを含む。データ収集情報11は、データ収集装置10の記憶装置103に記憶される。
【0025】
データ収集情報管理部12は、データ収集情報11を管理する管理部であり、例えば、データ収集情報11をデータ分析装置60に送信する。データ収集情報管理部12は、例えば、データ収集装置10のCPU105がプログラムを実行することで実現される。
【0026】
また、データ加工装置20は、データ加工情報21と、データ加工情報管理部22とを有する。データ加工情報21は、データ加工装置20による1次データを加工して2次データとして蓄積する加工処理に関する情報であり、例えば、加工処理のログ情報であるデータ加工ログを含む。データ加工情報21は、データ加工装置20の記憶装置103に記憶される。
【0027】
データ加工情報管理部22は、データ加工情報21を管理する管理部であり、例えば、データ加工情報21をデータ分析装置60に送信する。データ加工情報管理部22は、例えば、データ加工装置20のCPU105がプログラムを実行することで実現される。
【0028】
データ蓄積装置30は、クエリ実行情報31と、クエリ実行情報管理部32とを有する。クエリ実行情報31は、データ参照装置50からのデータの参照を要求するクエリに応じた処理であるクエリ実行処理に関する情報であり、例えば、クエリ実行処理のログ情報であるクエリログを含む。クエリ実行情報31は、データ蓄積装置30の記憶装置103に記憶される。
【0029】
クエリ実行情報管理部32は、クエリ実行情報31を管理する管理部であり、例えば、クエリ実行情報31をデータ分析装置60に送信する。クエリ実行情報管理部32は、例えば、データ蓄積装置30のCPU105がプログラムを実行することで実現される。
【0030】
データ蓄積装置40は、クエリ実行情報41と、クエリ実行情報管理部42とを有する。クエリ実行情報41は、クエリ実行情報31と同等の情報であり、クエリ実行情報管理部42はクエリ実行情報管理部32と同等の機能を有する管理部である。
【0031】
データ参照装置50は、データ参照情報51と、データ参照情報管理部52とを有する。データ参照情報51は、データを参照するアプリケーションプログラムにより実行される処理である参照処理に関する情報であり、例えば、参照処理のログ情報であるアプリログを含む。データ参照情報51は、データ参照装置50の記憶装置103に記憶される。
【0032】
データ参照情報管理部52は、データ参照情報51を管理する管理部であり、例えば、データ参照情報51をデータ分析装置60に送信する。データ参照情報管理部52は、例えば、データ参照装置50のCPU105がプログラムを実行することで実現される。
【0033】
データ分析装置60は、アカウント情報登録部61と、想定効果算出部62と、想定コスト算出部63と、費用対効果可視部64とを有する。なお、各部61~64は、データ分析装置60のCPU105がプログラムを実行することで実現される。
【0034】
アカウント情報登録部61は、情報収集システム1を利用するアカウントに関するアカウント情報を登録する登録部であり、アカウント情報受付部611と、アカウント情報保存部612とを有する。
【0035】
アカウント情報受付部611は、入力装置80からアカウント情報を受け付ける。なお、入力装置80は、情報収集システム1を運営するシステム運営者が利用する端末などである。また、入力装置80は、
図2では、データ分析装置60とは別に示されているが、
図1に示したデータ分析装置60の入力部101などでもよい。
【0036】
アカウント情報保存部612は、アカウント情報受付部611にて受け付けられたアカウント情報をデータ分析装置60の記憶装置103などに保存する保存部である。本実施形態では、アカウント情報は、アプリアカウントテーブル201と、DB参照アカウントテーブル202と、収集アカウントテーブル203と、ETL(Extract/Transform/Load)テーブル204とを含む。
【0037】
想定効果算出部62は、データ蓄積装置30及び40に蓄積されたデータを分析して、テーマごとに、そのテーマに関するデータの価値を評価した効果評価値を算出する効果算出部である。想定効果算出部62は、データ取得部621と、利用効果算出部622と、利用効果保存部623とを有する。
【0038】
データ取得部621は、データ蓄積装置30、40及びデータ参照装置50からクエリ実行情報31、41及びデータ参照情報51を取得する。
【0039】
利用効果算出部622は、データ取得部621にて取得されたクエリ実行情報31、41及びデータ参照情報51に含まれるログ情報に基づいて、テーマごとに、データ蓄積装置30及び40に蓄積されたデータの効果評価値を算出する。
【0040】
利用効果保存部623は、利用効果算出部622にて算出された効果評価値を示す想定効果テーブル205を生成して、データ分析装置60の記憶装置103などに保存する。
【0041】
想定コスト算出部63は、データ蓄積装置30及び40に蓄積されたデータを分析して、テーマごとに、そのテーマに関するデータの蓄積にかかったコストを評価したコスト評価値を算出するコスト算出部である。想定コスト算出部63は、データ取得部631と、利用コスト算出部632と、利用コスト保存部633とを有する。
【0042】
データ取得部631は、データ収集装置10及びデータ加工装置20からデータ収集情報11及びデータ加工情報21を取得する。
【0043】
利用コスト算出部632は、データ取得部631にて取得されたデータ収集情報11及びデータ加工情報21に含まれるログ情報に基づいて、テーマごとに、データ蓄積装置30及び40に蓄積されたデータのコスト評価値を算出する。
【0044】
利用コスト保存部633は、利用コスト算出部632にて算出されたコスト評価値を示す想定コストテーブル206を生成してデータ分析装置60の記憶装置103などに保存する。
【0045】
費用対効果可視部64は、想定効果テーブル205及び想定コストテーブル206に基づいて、テーマごとに、テーマに関するデータ収集の費用対効果を評価した費用対効果値を算出することで、各テーマのデータ収集の費用対効果を可視化する比較部である。費用対効果可視部64は、費用対効果算出部641と、費用対効果保存部642と、表示情報生成部643とを有する。
【0046】
費用対効果算出部641は、想定コストテーブル206に基づいて、テーマごとに、そのテーマに関するデータ収集の費用対効果を評価した費用対効果値を算出する。その際、費用対効果算出部641は、必要があれば、アプリアカウントテーブル201、DB参照アカウントテーブル202と、収集アカウントテーブル203、ETLテーブル204、想定効果テーブル205及び想定コストテーブル206などを使用してもよい。
【0047】
費用対効果保存部642は、費用対効果算出部641にて算出された費用対効果値を示す費用対効果テーブル207をデータ分析装置60の記憶装置103などに保存する。
【0048】
表示情報生成部643は、費用対効果テーブル207に基づいて、費用対効果値を示す表示情報を生成して、データ分析装置60の表示装置106に表示する。
【0049】
図3は、アプリアカウントテーブル201の一例を示す図である。
図3に示すアプリアカウントテーブル201は、フィールド210~213を有する。
【0050】
フィールド210は、収集対象エリアである工場を識別するための工場名を格納する。フィールド211は、工場におけるテーマの名称であるテーマ名を格納する。テーマは、同じ工場に対して複数あってもよいし、複数の工場で1つのテーマが共有されてもよい。フィールド212は、テーマを識別するためのテーマIDを格納する。フィールド213は、テーマを管理するユーザを識別するためのユーザアカウント名として、ユーザが使用する管理用のアプリケーションプログラムを識別するためのアプリアカウント名を格納する。
【0051】
図4は、DB参照アカウントテーブル202の一例を示す図である。
図4に示すDB参照アカウントテーブル202は、フィールド220~223を有する。
【0052】
フィールド220は、工場名を格納する。フィールド221は、テーマ名を格納する。フィールド222は、テーマIDを格納する。フィールド223は、テーマIDのテーマに係るデータを参照するアプリケーションプログラムを識別するための参照アカウント名を格納する。
【0053】
図5は、収集アカウントテーブル203の一例を示す図である。
図5に示す収集アカウントテーブル203は、フィールド230~233を有する。
【0054】
フィールド230は、工場名を格納する。フィールド231は、テーマ名を格納する。フィールド232は、テーマIDを格納する。フィールド233は、テーマIDのテーマに関するデータを収集するアプリケーションプログラムを識別するための収集アカウント名を格納する。
【0055】
図6は、ETLテーブル204の一例を示す図である。
図6に示すETLテーブル204は、フィールド240~240を有する。
【0056】
フィールド240は、工場名を格納する。フィールド241は、テーマ名を格納する。フィールド242は、テーマIDを格納する。フィールド243は、テーマIDのテーマに関するデータを加工するアプリケーションプログラムを識別するためのETL名を格納する。
【0057】
図7は、想定効果テーブル205の一例を示す図である。
図7に示す想定効果テーブル205は、フィールド250~269を有する
【0058】
フィールド250は、工場名を格納する。フィールド251は、テーマ名を格納する。フィールド252は、テーマIDを格納する。フィールド253は、テーマIDのテーマに関するデータの効果評価値を集計した集計期間を格納する。
図7の例では、1カ月単位で効果評価値が集計されているが、集計期間は1カ月に限らず、システム運用者などにて適宜設定可能である。
【0059】
フィールド254は、集計期間において、テーマIDのテーマに関する1次データである対象1次データを参照する参照処理が実行された参照回数である1次DL総参照頻度[回/月]を格納する。フィールド255は、各参照処理で参照された1次データの数である参照数の平均値である1次DL平均参照範囲[データ数/回]を格納する。フィールド256は、対象1次データの効果評価値である1次想定効果を格納する。
【0060】
1次想定効果は、参照回数及び1次DL平均参照範囲に基づいて算出される値であり、本実施形態では、参照回数の平均値である1次DL総参照頻度に1次DL平均参照範囲を乗算した値である。ただし、1次想定効果は、この例に限らず、例えば、1次DL総参照頻度の代わりに、又は、1次DL総参照頻度に加えて、参照回数の中央値、最大値、最小値又は総和などの他の統計値が用いられて算出されてもよい。
【0061】
フィールド257は、集計期間において、テーマIDのテーマに関する2次データである対象2次データを参照した参照処理が実行された参照回数である2次DL総参照頻度[回/月]を格納する。フィールド258は、各参照処理で参照された2次データの数である参照数の平均値である2次DL平均参照範囲[データ数/回]を格納する。フィールド259は、対象2次データの効果評価値である2次想定効果を格納する。2次想定効果は、参照回数及び2次DL平均参照範囲に基づいて算出される値であり、本実施形態では、参照回数の平均値である2次DL総参照頻度に2次DL平均参照範囲を乗算した値である。ただし、2次想定効果は、この例に限らず、例えば、2次DL総参照頻度の代わりに、又は、2次DL総参照頻度に加えて、参照回数の中央値、最大値、最小値又は総和などの統計値が用いられて算出されてもよい。
【0062】
図8は、想定コストテーブル206の一例を示す図である。
図8に示す想定コストテーブル206は、フィールド260~269を有する。
【0063】
フィールド260は、工場名を格納する。フィールド261は、テーマ名を格納する。フィールド262は、テーマIDを格納する。フィールド263は、テーマIDのテーマに関するデータのコスト評価値を集計した集計期間を格納する。なお、コスト評価値の集計した集計期間は、効果評価値の評価値集計期間と同じ期間である。
【0064】
フィールド264は、集計期間において、対象1次データを収集した収集回数である総収集頻度[回/月]を格納する。フィールド265は、集計期間における、各収集処理にかかった収集時間の平均値である平均収集時間[s]を格納する。フィールド266は、集計期間における対象1次データのコスト評価値である収集想定コストを格納する。
【0065】
収集想定コストは、総収集頻度及び収集時間に基づいて算出される値であり、本実施形態では、総収集頻度に収集時間の平均値である平均収集時間を乗算した値である。ただし、収集想定コストは、この例に限らず、例えば、平均収集時間の代わりに、又は、平均収集時間に加えて、収集時間の中央値、最大値、最小値又は総和などの他の統計値が用いられて算出されてもよい。
【0066】
フィールド267は、集計期間において、加工処理を行って対象2次データを生成した加工回数である総加工頻度[回/月]を格納する。フィールド268は、集計期間において、各加工処理にかかった加工時間の平均値である平均加工時間[s]を格納する。フィールド269は、集計期間における対象2次データのコスト評価値である加工想定コストを格納する。
【0067】
加工想定コストは、総加工頻度及び加工時間に基づいて算出される値であり、本実施形態では、総収集頻度に加工時間の平均値である平均加工時間を乗算した値である。ただし、加工想定コストは、この例に限らず、例えば、平均加工時間の代わりに、又は、平均加工時間に加えて、加工時間の中央値、最大値、最小値又は総和などの他の統計値が用いられて算出されてもよい。
【0068】
図9は、費用対効果テーブル207の一例を示す図である。
図9に示す費用対効果テーブル207は、フィールド270~275を有する。
【0069】
フィールド270は、工場名を格納する。フィールド271は、テーマ名を格納する。フィールド272は、テーマIDを格納する。フィールド273は、集計期間を格納する。
【0070】
フィールド274は、テーマIDのテーマに関する対象1次データに対する費用対効果値である1次DL費用対効果を格納する。1次DL費用対効果は、1次想定効果と収集想定コストとを比較した比較値であり、本実施形態では、収集想定コストに対する1次想定効果の比率である。つまり、1次DL費用対効果は、(総収集頻度・平均収集時間)/(1次DL総参照頻度・1次DL平均参照範囲)となる。
【0071】
フィールド275は、テーマIDのテーマに関する対象2次データに対する費用対効果値である2次DL費用対効果を格納する。2次DL費用対効果は、2次想定効果と加工想定コストとを比較した比較値であり、本実施形態では、加工想定コストに対する2次想定効果の比率である。つまり、2次DL費用対効果は、(総加工頻度・平均加工時間)/(2次DL総参照頻度・2次DL平均参照範囲)となる。
【0072】
図10は、アカウント情報を登録するアカウント登録処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0073】
アカウント登録処理では、先ず、入力装置80は、情報収集システム1のシステム運用者からアカウント情報を受け付け、そのアカウント情報をデータ分析装置60に送信する(ステップS101)。
【0074】
データ分析装置60のアカウント情報登録部61のアカウント情報受付部611は、アカウント情報を受け付ける。アカウント情報保存部612は、そのアカウント情報に基づいて、アプリアカウントテーブル201、DB参照アカウントテーブル202、収集アカウントテーブル203及びETLテーブル204を更新して(ステップS102)、処理を終了する。
【0075】
図11は、データ収集装置10による収集処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0076】
データ収集処理では、先ず、データ収集装置10のデータ収集情報管理部12は、所定のタイミングで(例えば、定期的に)対象機器からデータを取得する(ステップS201)。データ収集情報管理部12は、取得したデータを1次データとしてデータ蓄積装置30に保存する(ステップS202)。そして、データ収集情報管理部12は、取得したデータに関するデータ収集ログを生成してデータ収集情報11に追加し(ステップS203)、処理を終了する。
【0077】
図12は、データ加工装置20による加工処理の一例を説明するためのフローチャートである。加工処理は、例えば、バッチ処理であり、所定のタイミングで実行される。
【0078】
加工処理では、先ず、データ加工装置20のデータ加工情報管理部22は、加工する1次データをデータ蓄積装置30から抽出する(ステップS301)。データ加工情報管理部22は、抽出した1次データを加工して2次データを生成する(ステップS302)。データ加工情報管理部22は、2次データをデータ蓄積装置40に保存する(ステップS303)。データ加工情報管理部22は、加工処理に関するデータ加工ログを生成してデータ加工情報21に追加し(ステップS304)、処理を終了する。
【0079】
図13は、データ参照装置50による参照処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0080】
参照処理では、先ず、データ参照装置50のデータ参照情報管理部52は、データを参照するタイミングになると、参照するデータに対するクエリを生成してデータ蓄積装置30及び40の少なくとも一方に送信する(ステップS401)。クエリの送信先は、参照するデータが1次データか2次データかに応じて決定される。ここでは、クエリはデータ蓄積装置30に送信されたとする。
【0081】
データ蓄積装置30のクエリ実行情報管理部32は、データ参照装置50からクエリを受信し、そのクエリを応じたデータを読み出す(ステップS402)。そして、クエリ実行情報管理部32は、読み出したデータをデータ参照装置50に送信すると共に、そのクエリに応じたクエリログを生成して、クエリ実行情報31に追加する(ステップS403)。なお、クエリがデータ蓄積装置40に送信された場合でも、データ蓄積装置40のクエリ実行情報管理部42にて同様な処理が行われる。
【0082】
データ参照装置50のデータ参照情報管理部52は、データを受信すると、そのデータを参照した所定の処理を実行する(ステップS404)。そして、所定の処理が終了すると(ステップS405)、データ参照情報管理部52は、参照処理のアプリログをデータ参照情報51に追加して(ステップS406)、処理を終了する。
【0083】
図14は、データ分析装置60の想定効果算出部62による効果算出処理の一例を説明するためのフローチャートである。効果算出処理は、例えば、バッチ処理であり、所定のタイミングで実行される。
【0084】
効果算出処理では、先ず、想定効果算出部62のデータ取得部621は、データ蓄積装置30、40及びデータ参照装置50からクエリ実行情報31、41及びデータ参照情報51を取得する(ステップS501)。
【0085】
利用効果算出部622は、クエリ実行情報31、41及びデータ参照情報51に基づいて、蓄積データをテーマごとに分析して、テーマごとに、参照頻度(1次DL総参照頻度及び2次DL総参照頻度)と、参照範囲(1次DL平均参照範囲及び2次DL平均参照範囲)とを算出する(ステップS502)。そして、利用効果算出部622は、算出した参照頻度及び参照範囲に基づいて、テーマごとに想定効果(1次想定効果及び2次想定効果)を算出する(ステップS503)。
【0086】
利用効果保存部623は、テーマごとの想定効果を示す想定効果テーブル205を生成して保存し(ステップS504)、処理を終了する。
【0087】
図15は、想定コスト算出部63によるコスト算出処理の一例を説明するためのフローチャートである。コスト算出処理は、例えば、バッチ処理であり、所定のタイミングで実行される。
【0088】
効果算出処理では、想定コスト算出部63のデータ取得部631は、データ収集装置10及びデータ加工装置20からデータ収集情報11及びデータ加工情報21を取得する(ステップS601)。
【0089】
利用コスト算出部632は、データ取得部631にて取得されたデータ収集情報11及びデータ加工情報21に基づいて、蓄積データをテーマごとに分析して、テーマごとに、総収集頻度、平均収集時間、総加工頻度及び平均加工時間を算出する(ステップS602)。利用コスト算出部632は、テーマごとに、総収集頻度、平均収集時間、総加工頻度及び平均加工時間に基づいて、収集想定コスト及び加工想定コストを算出する(ステップS603)。
【0090】
利用コスト保存部633は、テーマごとの想定コストを示す想定コストテーブル206を生成して保存し(ステップS604)、処理を終了する。
【0091】
図16は、費用対効果可視部64による可視化処理の一例を説明するためのフローチャートである。可視化処理は、例えば、バッチ処理であり、所定のタイミングで実行される。
【0092】
可視化処理では、先ず、費用対効果可視部64の費用対効果算出部641は、アプリアカウントテーブル201、DB参照アカウントテーブル202と、収集アカウントテーブル203、ETLテーブル204、想定効果テーブル205及び想定コストテーブル206を取得する(ステップS701)。
【0093】
費用対効果算出部641は、ステップS701で取得した情報に基づいて、テーマごとに、そのテーマに関するデータ収集の費用対効果を評価した費用対効果値を算出する(ステップS702)。本実施形態では、費用対効果値は、1次データに対する1次DL費用対効果と、2次データに対する2次DL費用対効果とを含む。1次DL費用対効果は、1次想定効果と収集想定コストとを比較した比較値(より具体的には、収集想定コストに対する1次想定効果の比率)であり、2次DL費用対効果は、2次想定効果と加工想定コストとを比較した比較値(より具体的には、加工想定コストに対する2次想定効果の比率)である。
【0094】
費用対効果保存部642は、費用対効果算出部641にて算出された費用対効果を示す費用対効果テーブル207を生成して保存する(ステップS703)。
【0095】
その後、表示情報生成部643は、費用対効果テーブル207に基づいて表示情報を生成しする(ステップS704)。このとき、表示情報生成部643は、必要に応じて、アプリアカウントテーブル201、DB参照アカウントテーブル202、収集アカウントテーブル203及びETLテーブル204を使用してもよい。
【0096】
表示情報生成部643は、生成した表示情報を表示して(ステップS705)、処理を終了する。
【0097】
以上説明した本実施形態では、費用対効果値は、1次DL費用対効果及び2次DL費用対効果の両方を含んでいたが、これらの一方でもよい。また、費用対効果値は、1次DL費用対効果及び2次DL費用対効果の合算値のような、1次DL費用対効果及び2次DL費用対効果に基づいて算出される値でもよい。
【0098】
以上説明したように本実施形態によれば、想定コスト算出部63は、データを蓄積する蓄積処理のログ情報に基づいて、データごとに、データの蓄積にかかったコストを評価したコスト評価値を算出する。想定効果算出部62は、データを参照する参照処理のログ情報に基づいて、テーマごとに、データの価値を評価した効果評価値を算出する。費用対効果可視部64は、テーマごとに、コスト評価値と前記効果評価値とを比較した比較値である費用対効果値を算出する。したがって、テーマごとに、データの蓄積にかかったコストとデータの価値とが比較されるため、業務改善に対する費用対効果が低いテーマなどを判別することが可能となり、複数のテーマに関するデータを効率的に収集することが可能となる。
【0099】
また、本実施形態では、蓄積処理は、データとして1次データを収集して蓄積する収集処理と、1次データを加工して2次データとして蓄積する加工処理とを含む。このため、データを収集するコストだけでなく、そのデータを加工するコストも考慮することが可能となるため、テーマごとの費用対効果をより適切に把握することが可能となる。
【0100】
また、本実施形態では、費用対効果可視部64は、1次データ及び2次データのそれぞれについて、費用対効果値を算出する。したがって、テーマごとの費用対効果をより適切に把握することが可能となる。
【0101】
また、本実施形態では、想定コスト算出部63は、蓄積処理のログ情報に基づいて、1次データを収集した総収集頻度と、1次データの収集にかかった収集時間とを算出し、収集頻度及び前記収集時間に基づいて、1次データのコスト評価値である収集想定コストを算出する。この場合、1次データに関するコストをより適切に評価することが可能となる。
【0102】
また、本実施形態では、想定コスト算出部63は、蓄積処理のログ情報に基づいて、2次データを生成した総加工頻度と、2次データの生成にかかった加工時間とを算出し、総加工頻度及び加工時間に基づいて、2次データのコスト評価値である加工想定コストを算出する。この場合、2データに関するコストをより適切に評価することが可能となる。
【0103】
また、本実施形態では、想定効果算出部62は、参照処理のログ情報に基づいて、参照処理が実行された参照回数と、各参照処理で参照されたデータの数である参照数とを算出し、参照頻度及び参照数に基づいて、効果評価値を算出する。この場合、データに関する価値を適切に評価することが可能となる。
【0104】
また、本実施形態では、費用対効果可視部64は、コスト評価値に対する効果評価値の比率を費用対効果値として算出する。このため、データに関する費用対効果をより適切に評価することが可能となる。
【0105】
上述した本開示の実施形態は、本開示の説明のための例示であり、本開示の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本開示の範囲を逸脱することなしに、他の様々な態様で本開示を実施することができる。
【符号の説明】
【0106】
1:情報収集システム 10:データ収集装置 11:データ収集情報 12:データ収集情報管理部 20:データ加工装置 21:データ加工情報 22:データ加工情報管理部 30,40:データ蓄積装置 31、41:クエリ実行情報 32、42:クエリ実行情報管理部 50:データ参照装置 51:データ参照情報 52:データ参照情報管理部 60:データ分析装置 61:アカウント情報登録部 62:想定効果算出部 63:想定コスト算出部 64:費用対効果可視部 70:ネットワーク 80 入力装置 611:アカウント情報受付部 612:アカウント情報保存部 621:データ取得部 622:利用効果算出部 623:利用効果保存部 631:データ取得部 632:利用コスト算出部 633:利用コスト保存部 641:費用対効果算出部 642:費用対効果保存部 643:表示情報生成部