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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132911
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】ガスコンロ
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/02 20210101AFI20230914BHJP
   F24C 15/10 20060101ALI20230914BHJP
   F24C 15/20 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
F24C3/02 Q
F24C15/10 D
F24C15/20 A
F24C15/20 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038495
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】定國 由
(57)【要約】
【課題】天板カバーを使用した場合でも、天板カバーを使用していない場合と同等に被加熱物を効率よく加熱することができるガスコンロを提供する。
【解決手段】ガスコンロは、第一天板50と、第一天板50の板面50aの上に重ねて配置される第二天板60と、第二天板60を第一天板50の上に重ねて配置した状態で、第一穴及び第二穴61から露出し、被加熱物を加熱するバーナ20と、バーナ20を囲み且つ第一天板50又は第二天板60の板面上に配置され、被加熱物が載置される載置面33を有する五徳30と、を備えている。五徳30は、バーナ20と載置面33との鉛直方向の距離を変えることなく、第一天板50の板面50a上に配置されたときには第一天板50に当接し、第二天板60の板面60a上に配置されたときには第二天板60に当接するように、載置面33からの鉛直方向の距離が変更可能に構成された当接面を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一穴を有する第一天板と、
前記第一天板の上に重ねて配置され、配置された状態で前記第一穴の全体が露出する第二穴を有する第二天板と、
前記第二天板を前記第一天板の上に重ねて配置した状態で、前記第一穴及び前記第二穴から露出し、被加熱物を加熱するバーナと、
前記バーナを囲み且つ前記第一天板の板面上又は前記第二天板の板面上に配置され、前記被加熱物が載置される載置面を有する五徳と、を備え、
前記五徳は、前記バーナと前記載置面との鉛直方向の距離を変えることなく、前記第一天板の前記板面上に配置されたときには前記第一天板に当接し、前記第二天板の前記板面上に配置されたときには前記第二天板に当接するように、前記載置面からの鉛直方向の距離が変更可能に構成された当接面を有するガスコンロ。
【請求項2】
前記五徳は、円環状の枠部と、前記枠部に固定され径方向に沿って配置された複数の脚部とを有し、前記枠部及び前記脚部の少なくとも一方に前記当接面を有している請求項1に記載のガスコンロ。
【請求項3】
前記枠部及び前記脚部の前記当接面を有している箇所にはキャップが装着されており、前記キャップの着脱により、前記当接面の前記載置面からの鉛直方向の距離が変更される請求項2に記載のガスコンロ。
【請求項4】
前記載置面に前記被加熱物が載置されていることを検出する検出部をさらに備え、
前記五徳は、前記第一天板の前記板面上に配置されたときと、前記第二天板の前記板面上に配置されたときとで、前記載置面と前記検出部との鉛直方向の距離が変化しない請求項1から3のいずれか一項に記載のガスコンロ。
【請求項5】
グリルと、前記グリルで発生した燃焼排ガスを排気する排気口をさらに備え、
前記排気口は、前記第二天板を前記第一天板の上に重ねて載置した状態で、鉛直方向で前記第一天板の前記板面と前記第二天板の前記板面との間に位置する請求項1から4のいずれか一項に記載のガスコンロ。
【請求項6】
前記第二天板の外周部は、弾性部材により前記第一天板の外周部に対して固定される請求項1から5のいずれか一項に記載のガスコンロ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスコンロに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスコンロは、トッププレートと五徳とを有しており、五徳は着脱可能であるが、トッププレートは着脱不能に構成されている。したがって、通常、ガスコンロ購入後にトッププレートが交換されるのは、トッププレートが破損等してガスコンロとして使い続けることが不可能、困難あるいは極めて好ましくない等の場合のみに限られている。しかも、交換されるトッププレートは、交換前に取り付けられていたものと同じものになる場合が多いので、トッププレートの外観を変更することは困難である。
【0003】
特許文献1には、既存のガスコンロ(特許文献1では「コンロ」)のトッププレート(特許文献1では「天板」)上に載置する天板カバーが開示されている。トッププレートのデザインと異なるデザインの天板カバーを用いれば、天板カバーを載置することにより、ガスコンロの外観を容易に変更することができる。また、特許文献1には、この天板カバーがシリコンコーキングやねじ等によりトッププレートに対して固定されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-313045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ガスコンロのバーナはコンロ本体に取り付けられているので、天板カバーの使用不使用に関わらず、バーナから出る炎口の位置は変わらず、トッププレートに対して同じ高さにある。一方、五徳は、天板カバー不使用時にはトッププレート上に配置され、天板カバー使用時には天板カバー上に配置されて使用されるため、天板カバー使用時には、五徳は天板カバーの厚みの分だけ高い位置に配置される。鍋などの被加熱物は五徳に載置されて加熱されるので、天板カバーを使用したときには、バーナの炎口に対する被加熱物の位置が天板カバーの高さ分だけ高くなる。
【0006】
通常、ガスコンロはトッププレートに五徳を配置したときに被加熱物を最も効率よく加熱できるように設計されており、トッププレート上に天板カバーを載置することは想定されていない。そのため、天板カバーを使用して被加熱物を加熱するときには、天板カバーを使用せずに被加熱物を加熱する場合と比べて加熱効率が低下するおそれがある。
【0007】
また、ガスコンロには、加熱される鍋等の被加熱物の有無を検知すると共に被加熱物の温度を検出して火力を制御するセンサを備えたものがある。このようなセンサは、五徳に載置した被加熱物で押し下げられることにより被加熱物の検知等を行う。そのため、天板カバーを使用することによりバーナの炎口に対する被加熱物の位置が高くなると、センサの押し下げ量が不十分になり、センサが正常に機能しないおそれがある。
【0008】
そのため、天板カバーを使用した場合でも、天板カバーを使用していない場合と同等に被加熱物を効率よく加熱することができるガスコンロが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係るガスコンロの特徴構成は、第一穴を有する第一天板と、前記第一天板の上に重ねて配置され、配置された状態で前記第一穴の全体が露出する第二穴を有する第二天板と、前記第二天板を前記第一天板の上に重ねて配置した状態で、前記第一穴及び前記第二穴から露出し、被加熱物を加熱するバーナと、前記バーナを囲み且つ前記第一天板の板面上又は前記第二天板の板面上に配置され、前記被加熱物が載置される載置面を有する五徳と、を備え、前記五徳は、前記バーナと前記載置面との鉛直方向の距離を変えることなく、前記第一天板の前記板面上に配置されたときには前記第一天板に当接し、前記第二天板の前記板面上に配置されたときには前記第二天板に当接するように、前記載置面からの鉛直方向の距離が変更可能に構成された当接面を有する点にある。
【0010】
上記特徴構成によれば、五徳の載置面から当接面までの鉛直方向の距離を変更することにより、第一天板と第二天板のいずれを用いたときでも、バーナと載置面との鉛直方向の距離を変えることなく、同じ五徳を使用することができる。
【0011】
本発明に係るガスコンロの他の特徴構成は、前記五徳は、円環状の枠部と、前記枠部に固定され径方向に沿って配置された複数の脚部とを有し、前記枠部及び前記脚部の少なくとも一方に前記当接面を有している点にある。
【0012】
上記特徴構成によれば、安定して五徳を支持することができる。
【0013】
本発明に係るガスコンロの他の特徴構成は、前記枠部及び前記脚部の前記当接面を有している箇所にはキャップが装着されており、前記キャップの着脱により、前記当接面の前記載置面からの鉛直方向の距離が変更される点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、キャップの着脱という簡易な方法により当接面の載置面からの鉛直方向の距離を変更することができる。
【0015】
本発明に係るガスコンロの他の特徴構成は、前記載置面に前記被加熱物が載置されていることを検出する検出部をさらに備え、前記五徳は、前記第一天板の前記板面上に配置されたときと、前記第二天板の前記板面上に配置されたときとで、前記載置面と前記検出部との鉛直方向の距離が変化しない点にある。
【0016】
上記特徴構成によれば、被加熱物の底面と検出部との距離が変化しないので、五徳が第一天板の板面上と第二天板の板面上のいずれに配置されたときであっても、検出部を正常に機能させることができる。
【0017】
本発明に係るガスコンロの他の特徴構成は、グリルと、前記グリルで発生した燃焼排ガスを排気する排気口をさらに備え、前記排気口は、前記第二天板を前記第一天板の上に重ねて載置した状態で、鉛直方向で前記第一天板の前記板面と前記第二天板の前記板面との間に位置する点にある。
【0018】
上記特徴構成によれば、第二天板を配置したときと第二天板を取り外したときのいずれの場合でも、グリルの燃焼排ガスを排気口から排気することができる。
【0019】
本発明に係るガスコンロの他の特徴構成は、前記第二天板の外周部は、弾性部材により前記第一天板の外周部に対して固定される点にある。
【0020】
上記特徴構成によれば、第二天板を安定して第一天板に対して固定することができると共に、第二天板を容易に第一天板から取り外すことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るガスコンロによれば、天板カバー(第二天板)を使用した場合でも、天板カバーを使用していない場合と同等に被加熱物を効率よく加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第一実施形態に係るガスコンロの斜視図である。
図2】ガスコンロの分解斜視図である。
図3】五徳の斜視図である。
図4】ガスコンロの第一状態のコンロバーナ近傍の拡大図である。
図5】ガスコンロの第二状態のコンロバーナ近傍の拡大図である。
図6】変形例に係るガスコンロの第一状態のコンロバーナ近傍の拡大図である。
図7】変形例に係るガスコンロの第二状態のコンロバーナ近傍の拡大図である。
図8】変形例に係るガスコンロの第一状態のコンロバーナ近傍の拡大図である。
図9】変形例に係るガスコンロの第二状態のコンロバーナ近傍の拡大図である。
図10】変形例に係るガスコンロの第一状態のコンロバーナ近傍の拡大図である。
図11】変形例に係るガスコンロの第二状態のコンロバーナ近傍の拡大図である。
図12】第二実施形態に係るガスコンロの第一状態のコンロバーナ近傍の拡大図である。
図13】第二実施形態に係るガスコンロの第二状態のコンロバーナ近傍の拡大図である。
図14】第二トッププレートの第一トッププレートへの固定状態を示す図である。
図15】第二トッププレートの第一トッププレートへの固定状態を示す図である。
図16】第二トッププレートの第一トッププレートへの固定状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係るガスコンロの実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に記載される実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
【0024】
〔第一実施形態〕
図1図3に示されるように、本実施形態に係るガスコンロ1は、コンロ本体10の上面に備えられた2つのコンロバーナ(バーナの一例)20,20、各コンロバーナ20に対応する円形状の五徳30、及び、グリル40を備える形態に構成されている。ガスコンロ1のコンロ本体10の上面は、鉛直方向視で矩形状のガラス製の第一トッププレート(第一天板の一例)50にて覆われている。さらに、第一トッププレート50の上に重ねて配置される、鉛直方向視で矩形状のガラス製の第二トッププレート(第二天板の例)60を有している。第一トッププレート50と第二トッププレート60とは概ね同形状であり、第二トッププレート60の外周が第一トッププレート50の外周よりも少し大きくなるように構成されている。
【0025】
ガスコンロ1は、第二トッププレート60を用いず第一トッププレート50だけを用いた状態でも使用することができ、第一トッププレート50の上に第二トッププレート60を重ねて配置した状態で使用することもできる。以下、第一トッププレート50だけを用いた状態を第一状態、第一トッププレート50の上に第二トッププレート60を重ねて配置した状態を第二状態と称する。すなわち、ガスコンロ1の使用者は、第一状態では第一トッププレート50の上面(板面の一例)50aを視認して使用し、第二状態では第二トッププレート60の上面(板面の一例)60aを視認して使用することとなる。図1に示す状態は第二状態である。以下、ガスコンロ1の第二状態を説明する。
【0026】
ガスコンロ1のそれぞれのコンロバーナ20は、バーナ本体21、バーナリング22、バーナキャップ23を含んでいる。バーナ本体21は、コンロ本体10の内部に収容されており、その上部は第一トッププレート50に形成された円形の第一穴51と第二トッププレート60に形成された円形の第二穴61とを貫通して第一トッププレート50及び第二トッププレート60の上方に露出している。バーナリング22は第一トッププレート50の第一穴51に接着等の方法により固定、又は、載置されている。バーナキャップ23はバーナ本体21の上部に配置されている。バーナ本体21からは、コンロバーナ20で加熱される鍋等の被加熱物(不図示)の有無を検知すると共に被加熱物の温度を検出して火力を制御するセンサ(検出部の一例)24がバーナキャップ23を貫通して突出している。
【0027】
五徳30は、図3に示されるように、円環状の金属製の枠部31と枠部31に固定され枠部31の径方向に沿って配置された複数(本実施形態では6つ)の金属製の脚部32とを有している。それぞれの脚部32は、径内側の端部が枠部31に接着や溶接等により固定され、当該固定された箇所から上方に延出し、そこから径外方向に水平に延出し、そこからさらに下方に向けて延出し、径外側の端部(支持部32a)に至る。本実施形態に係る五徳30は、枠部31の下面がバーナリング22に当接し、脚部32の径外側の支持部32aの当接面32a1が第一トッププレート50に当接するように、第一穴51の周囲に配置されている。枠部31は、バーナリング22と当接したときに、不図示の機構により水平方向の位置決めがなされるよう構成されている。五徳30の脚部32において径外方向に水平に延出した箇所の上面には、被加熱物が載置される載置面33が形成されている。
【0028】
ガスコンロ1の上面の後側からは、コンロ本体10の内部に収容されたグリル40で調理したときの燃焼排ガスを排気するための排気管41がグリル40の内部から後上方に延出しており、第一トッププレート50の上面50aから上方に突出している。排気管41の延出端である排気口42は、排気口カバー43により覆われている。第一トッププレート50の上面50aからの排気管41の突出量は、第一トッププレート50の上に第二トッププレート60を重ねて配置した状態で、排気口42が第二トッププレート60の上面60aより突出しない程度である。すなわち、排気口42は、第二状態で、鉛直方向で第一トッププレート50の上面50aと第二トッププレート60の上面60aとの間に位置している。これにより、第一状態、第二状態のいずれの場合でも、グリル40の燃焼排ガスを排気口42から排気することができる。また、第二状態では、第二トッププレート60の上面60aと排気口カバー43の上面とが略面一になるように構成されている。
【0029】
上述したように、ガスコンロ1は、第一状態と第二状態とのいずれの状態でも使用することができるが、その際、五徳30はどちらの状態でも用いられる。本実施形態に係る五徳30は、第一状態と第二状態とでコンロバーナ20の炎口に対する五徳30の載置面33の高さ方向の位置が変化しないように構成されている。具体的な構成は後述する。
【0030】
図3に示されるように、五徳30の脚部32のそれぞれの径外側の端部である支持部32aには、キャップ32bが着脱可能に装着されている。支持部32aの下面が当接面32a1となり、キャップ32bが支持部32aに装着されたときのキャップ32bの下面が当接面32b1となる。五徳30は、第一状態においてはキャップ32bを装着して用いられ、第二状態においてはキャップ32bを取り外して用いられる。すなわち、第一状態において第一トッププレート50の上面50aに当接するのは当接面32b1であり、第二状態において第二トッププレート60の上面60aに当接するのは当接面32a1である。脚部32の径外側の端部に支持部32a(当接面32a1)を設けることにより、安定して五徳30を支持することができる。
【0031】
図4は、第一状態におけるコンロバーナ20近傍の拡大図を示す。第一状態では、第一トッププレート50の上面50aにバーナリング22が取り付けられ、その上に五徳30の枠部31が載置されている。脚部32の支持部32aにはキャップ32bが装着され、キャップ32bの当接面32b1が上面50aに当接している。このとき、五徳30の載置面33とセンサ24の上面との高さの差がXとなるように構成されている。また、このとき、コンロバーナ20の炎口から五徳30の載置面33までの高さ(炎の高さ)が、被加熱物の加熱効率を最も高めると共にセンサ24を正常に機能させるように構成されている。なお、バーナリング22の厚さはXよりも薄い。
【0032】
図5は、第二状態におけるコンロバーナ20近傍の拡大図を示す。第二状態でも、第一トッププレート50の上面50aにバーナリング22が取り付けられ、その上に五徳30の枠部31が載置されている。第二トッププレート60は、第一穴51の全体が露出すると共に、五徳30の枠部31の外径よりも大きな第二穴61を有しており、パッキン62を介して第一トッププレート50の上に重ねて配置されている。脚部32の支持部32aからはキャップ32bが取り外され、支持部32aが露出した状態になっている。そして、支持部32aの当接面32a1が第二トッププレート60の上面60aに当接している。枠部31は第一状態と同様にバーナリング22の上に載置されている。第二状態では、第二トッププレート60の厚みとパッキン62の厚みの合計が、五徳30の載置面33とセンサ24の上面との高さの差と同じXになるように構成されている。また、キャップ32bの当接面32b1と支持部32aの当接面32a1との高さの差もXになるように構成されている(図4参照)。つまり、キャップ32bを取り外すことにより、載置面33から当接面32b1までの鉛直方向の距離と載置面33から当接面33a1までの鉛直方向の距離を、第二トッププレート60の厚みとパッキン62の厚みの合計であるXだけ変化させることができる。そのため、第二状態であっても、五徳30の載置面33とセンサ24の上面との高さの差は第一状態と同じXとなる。したがって、コンロバーナ20の炎口から五徳30の載置面33までの高さ(炎の高さ)も変わることなく、第二状態であっても、被加熱物の加熱効率は第一状態と同じになると共に、センサ24は正常に機能する。
【0033】
このように、五徳30の支持部32aに着脱可能なキャップ32bを設けることにより、五徳30の載置面33から当接面32a1までの鉛直方向の距離と、載置面33から当接面32b1までの鉛直方向の距離とを異なる距離にすることができる。これにより、コンロバーナ20の炎口から五徳30の載置面33までの高さ(炎の高さ)が変わらないので、第一状態でも第二状態でも、被加熱物の加熱効率を同等にすると共にセンサ24を正常に機能させるガスコンロ1を実現することができる。また、同じ五徳30を用いて第一状態と第二状態とにすることができるので、第二トッププレート60を第一トッププレート50とは異なる色、柄、材質等をもつ別デザインにしてガスコンロ1から着脱することにより、容易にガスコンロ1の全体の外観、美観を第一トッププレート50と第二トッププレート60とで変えることができる。さらに、第二トッププレート60が破損、汚損等した場合にも、第二トッププレート60を交換するだけで、ガスコンロ1を継続して使用することができる。また、第二トッププレート60を第一トッププレート50のカバー(天板カバー)として用いることもできる。
【0034】
〔第一実施形態の変形例〕
(1)図6図7には、第一実施形態よりも厚さが薄いホーロー製の第一トッププレート50、同じくホーロー製の第二トッププレート60が用いられたガスコンロ1が示されている。本変形例においては、バーナリング22が用いられておらず、代わりに第一トッププレート50の第一穴51近傍がバーナリング22の厚さ分だけ上方に盛り上がってバーナリング52が形成されている。本変形例においては、図6に示されるように、第一状態では、バーナリング52の上に五徳30の枠部31が載置されている。脚部32の支持部32aにはキャップ32bが装着され、キャップ32bの当接面32b1が上面50aに当接している。このとき、五徳30の載置面33とセンサ24の上面との高さの差がXとなるように構成されている。また、このとき、コンロバーナ20の炎口から五徳30の載置面33までの高さ(炎の高さ)が、被加熱物の加熱効率を最も高めると共にセンサ24を正常に機能させるように構成されている。なお、バーナリング52の厚さ(第一トッププレート50の上面50aからの盛り上がり量)はXよりも小さい。
【0035】
図7は、第二状態におけるコンロバーナ20近傍の拡大図を示す。第二状態でも、バーナリング52上に五徳30の枠部31が載置されている。第二トッププレート60は、第一穴51の全体が露出すると共に、五徳30の枠部31の外径よりも大きな第二穴61を有している。本変形例では、第二穴61の内面が径外方向に折り返されて第一トッププレート50の上に重ねて配置されている。このとき、第二トッププレート60の折り返し部を含む厚みがXになるように構成されている。脚部32の支持部32aからはキャップ32bが取り外され、支持部32aが露出した状態になっており、支持部32aの当接面32a1が第二トッププレート60の上面60aに当接している。枠部31は第一状態と同様にバーナリング52の上に載置されている。また、キャップ32bの当接面32b1と支持部32aの当接面32a1との高さの差もXになるように構成されている(図6参照)。そのため、第二状態であっても、五徳30の載置面33とセンサ24の上面との高さの差は第一状態と同じXとなる。したがって、コンロバーナ20の炎口から五徳30の載置面33までの高さ(炎の高さ)も変わることがないので、第二状態であっても、被加熱物の加熱効率は第一状態と同じになると共に、センサ24は正常に機能する。
【0036】
このような構成にすることにより、第二トッププレート60の厚さが薄い場合であっても、第一実施形態と同じ五徳30を用いることができる。
【0037】
(2)図8図9には、バーナリング22の厚さがXである点で第一実施形態と異なるガスコンロ1が示されている。本変形例においては、図8に示されるように、第一状態では、第一実施形態と同様、第一トッププレート50の上面50aにバーナリング22が取り付けられ、その上に五徳30の枠部31が載置されている。脚部32の支持部32aにはキャップ32bが装着され、キャップ32bの当接面32b1が上面50aに当接している。このとき、五徳30の載置面33とセンサ24の上面との高さの差がXとなるように構成されている。また、このとき、コンロバーナ20の炎口から五徳30の載置面33までの高さ(炎の高さ)が、被加熱物の加熱効率を最も高めると共にセンサ24を正常に機能させるように構成されている。
【0038】
図9は、第二状態におけるコンロバーナ20近傍の拡大図を示す。第二状態でも、第一トッププレート50の上面50aにバーナリング22が取り付けられ、その上に五徳30の枠部31が載置されている。第二トッププレート60は、パッキン62を介して第一トッププレート50の上に重ねて配置されている。本変形例の第二トッププレート60は、第一穴51の全体が露出するが、五徳30の枠部31の外径よりも小さい第二穴61を有している点で第一実施形態と異なる。このため、枠部31は、バーナリング22と第二トッププレート60とに亘って載置される。脚部32の支持部32aからはキャップ32bが取り外され、支持部32aが露出した状態になっており、支持部32aの当接面32a1が第二トッププレート60の上面60aに当接している。このとき、第二トッププレート60の厚みとパッキン62の厚みの合計はXになるように構成されている。また、キャップ32bの当接面32b1と支持部32aの当接面32a1との高さの差もXになるように構成されている(図8参照)。そのため、第二状態であっても、五徳30の載置面33とセンサ24の上面との高さの差は第一状態と同じXとなる。したがって、コンロバーナ20の炎口から五徳30の載置面33までの高さ(炎の高さ)も変わることなく、第二状態であっても、被加熱物の加熱効率は第一状態と同じになると共に、センサ24は正常に機能する。
【0039】
このような構成にすることにより、第二状態では、第一状態よりも安定して五徳30を載置することができる。
【0040】
(3)図10図11には、バーナリング22が用いられておらず、代わりに第一トッププレート50の第一穴51近傍がバーナリング22の厚さ分だけ上方に盛り上がってバーナリング52が形成された点で第一実施形態と異なり、バーナリング52の厚さがXである点で変形例(2)と異なるガスコンロ1が示されている。本変形例においては、図10に示されるように、第一状態では、バーナリング52の上に五徳30の枠部31が載置されている。脚部32の支持部32aにはキャップ32bが装着され、キャップ32bの当接面32b1が上面50aに当接している。このとき、五徳30の載置面33とセンサ24の上面との高さの差がXとなるように構成されている。また、このとき、コンロバーナ20の炎口から五徳30の載置面33までの高さ(炎の高さ)が、被加熱物の加熱効率を最も高めると共にセンサ24を正常に機能させるように構成されている。
【0041】
図11は、第二状態におけるコンロバーナ20近傍の拡大図を示す。第二状態でも、バーナリング52上に五徳30の枠部31が載置されている。本変形例の第二トッププレート60は、第一穴51の全体が露出するが、五徳30の枠部31の外径よりも小さい第二穴61を有している点で変形例(2)と異なる。また、本変形例の第二トッププレート60は、第二穴61の内面が径外方向に折り返されて第一トッププレート50の上に重ねて配置されている。このとき、第二トッププレート60の折り返し部を含む厚みがXになるように構成されている。このため、枠部31は、バーナリング52と第二トッププレート60とに亘って載置される。脚部32の支持部32aからはキャップ32bが取り外され、支持部32aが露出した状態になっており、支持部32aの当接面32a1が第二トッププレート60の上面60aに当接している。また、キャップ32bの当接面32b1と支持部32aの当接面32a1との高さの差もXになるように構成されている(図10参照)。そのため、第二状態であっても、五徳30の載置面33とセンサ24の上面との高さの差は第一状態と同じXとなる。したがって、コンロバーナ20の炎口から五徳30の載置面33までの高さ(炎の高さ)も変わることなく、第二状態であっても、被加熱物の加熱効率は第一状態と同じになると共に、センサ24は正常に機能する。
【0042】
このような構成にすることにより、第二トッププレート60の厚さが薄い場合であっても、第一実施形態と同じ五徳30を用いることができると共に、第二状態では、第一状態よりも安定して五徳30を載置することができる。
【0043】
〔第二実施形態〕
次に、第二実施形態に係るガスコンロ1について、図12図13を用いて説明する。本実施形態の説明においては、第一実施形態と同じ構成の箇所には同じ符号を付し、同様の構成に関する説明は省略する。第二実施形態に係るガスコンロ1は、五徳30の形状が第一実施形態とは異なっている。
【0044】
本実施形態における五徳30においては、図12に示されるように、枠部31の内径がバーナリング22の外径よりも大きくなっている。すなわち、五徳30を第一トッププレート50に載置するとき、枠部31はバーナリング22の上に載置されるのではなく、第一トッププレート50の上面50aに載置される。そして、枠部31の裏面に複数の支持部31aが突設されており、支持部31aにキャップ31bが着脱可能に装着されている。また、複数の脚部32のそれぞれは、枠部31から径外方向に直線状に延出するように形成されており、径外方向の端部は第一トッププレート50の上面50aに当接していない。
【0045】
図12は、第一状態におけるコンロバーナ20近傍の拡大図を示す。第一状態では、上述したように、第一トッププレート50の上面50aに五徳30の枠部31が載置されている。枠部31の支持部31aにはキャップ31bが装着され、キャップ31bの当接面31b1が上面50aに当接している。このとき、五徳30の載置面33とセンサ24の上面との高さの差がXとなるように構成されている。また、このとき、コンロバーナ20の炎口から五徳30の載置面33までの高さ(炎の高さ)が、被加熱物の加熱効率を最も高めると共にセンサ24を正常に機能させるように構成されている。
【0046】
図13は、第二状態におけるコンロバーナ20近傍の拡大図を示す。第二状態では、第二トッププレート60の上面60aに五徳30の枠部31が載置されている。本実施形態では、第二トッププレート60は、第一穴51の全体が露出すると共に、バーナリング22の外径よりも大きく、且つ、枠部31の内径以下である第二穴61を有しており、パッキン62を介して第一トッププレート50の上に重ねて配置されている。枠部31の支持部31aからはキャップ31bが取り外され、支持部31aが露出した状態になっており、支持部31aの当接面31a1が第二トッププレート60の上面60aに当接している。このとき、第二トッププレート60の厚みとパッキン62の厚みの合計は、支持部31aの当接面31a1とキャップ31bの当接面31b1との高さの差と同じXになるように構成されている。また、キャップ31bの当接面31b1と支持部31aの当接面31a1との高さの差もXになるように構成されている(図12参照)。そのため、第二状態であっても、五徳30の載置面33とセンサ24の上面との高さの差は第一状態と同じXとなる。したがって、コンロバーナ20の炎口から五徳30の載置面33までの高さ(炎の高さ)も変わることなく、第二状態であっても、被加熱物の加熱効率は第一状態と同じになると共に、センサ24は正常に機能する。
【0047】
〔第二トッププレートの第一トッププレートへの固定〕
次に、第二トッププレート60を第一トッププレート50に重ねて配置したときの、第二トッププレート60の第一トッププレート50への固定方法について説明する。
【0048】
(1)図14に示されるように、第一トッププレート50の下面50bには、第一トッププレート50の外形に沿い、且つ、キッチンワークトップ70に載置される第一枠(外周部の一例)53がパッキン55を介して取り付けられている。鉛直方向視で矩形状の第一枠53の外周面における4つの角部の近傍には、窪み54が形成されている(例えば、各角部を挟む2箇所で計8箇所)。
【0049】
第二トッププレート60も、第一トッププレート50と同様に、下面60bには、第二トッププレート60の外形に沿い、且つ、キッチンワークトップ70に載置される第二枠(外周部の一例)63がパッキン65を介して取り付けられている。第二枠63の内周面の4つの角部の近傍であって窪み54に対応する箇所には、弾性力を有する金属からなる板バネ(弾性部材の一例)64が取り付けられている(本実施形態では8箇所)。
【0050】
上述したように、第一トッププレート50と第二トッププレート60とは概ね同形状であり、第二トッププレート60の外周が第一トッププレート50の外周よりも少し大きくなるように構成されている。したがって、第一トッププレート50の上に第二トッププレート60を重ねて配置することができる。第二トッププレート60を第一トッププレート50の上に重ねて配置するときは、板バネ64は弾性力により変形した後、復元して第一枠53の各窪み54に嵌まり込むことにより、第二トッププレート60は第一トッププレート50に対して固定される。このように板バネ64の弾性力を用いることにより、第二トッププレート60を安定して第一トッププレート50に対して固定することができると共に、第二トッププレート60を容易に第一トッププレート50から取り外すことができる。また、第二トッププレート60は、パッキン65を介してキッチンワークトップ70に当接する第二枠63を有しているので、第一トッププレート50の上に第二トッププレート60を重ねて配置した状態では、第一トッププレート50の窪み54や第二トッププレート60の板バネ64は外部から視認されず、ガスコンロ1の美観を損ねることがない。
【0051】
図14に示される構成では、第一トッププレート50、第二トッププレート60の側面は露出している。したがって、特にガラス製のトッププレートでは、美観を損ねることなく、安定して第二トッププレート60を第一トッププレート50に固定することができる。
【0052】
(2)図15においては、第一枠53、第二枠63がそれぞれ、第一トッププレート50、第二トッププレート60の側面を覆っている構成である点で、上記(1)の構成とは異なっているが、その他の点は同じである。図15に示される構成では、第一トッププレート50、第二トッププレート60がガラス製であった場合、側面の研磨加工が不要になるため、安価に構成することができる。
【0053】
(3)図16においては、第一トッププレート50、第二トッププレート60がホーロー製であった場合の構成を示している。第一トッププレート50、第二トッププレート60がホーロー製であれば、素地の材料は金属であるため、第一枠53や第二枠63を別部材として取り付ける必要はなく、第一トッププレート50、第二トッププレート60の端部を折り曲げる加工することにより、第一枠53、第二枠63を形成することができる。窪み54は第一枠53を加工して形成することができるが、板バネ64は、第二トッププレート60の素地の材料が弾性を有しない限りは別途の板バネ64を取り付ける必要がある。
【0054】
〔その他の実施形態〕
(1)第一実施形態及びその変形例においては、五徳30の支持部32aは脚部32の延出端に設けられていたが、これに限られるものではない。例えば、脚部32が径外方向に延出した後、径内方向に折り返されるような形状であれば、支持部32aは、脚部32の延出端ではなく、径外方向に延出した箇所に設けてもよい。
【0055】
(2)第二実施形態においては、五徳30の枠部31に支持部31aを設け、脚部32の径外側の端部は第一トッププレート50から離間していたが、これに限られるものではない。枠部31に加え、脚部32の径外側の端部にも支持部32aを設けるように構成してもよい。
【0056】
(3)上記実施形態及びその変形例においては、グリル40の排気管41は、第一トッププレート50の上面50aから上方に突出していたが、これに限られるものではない。排気管41を第一トッププレート50から突出させない構成であってもよい。この場合、排気口カバー43の下面に下方に突出する排気管を設けて排気管41に接続するように構成すれば、グリル40で調理したときの燃焼排ガスを排気口カバー43から排気することができる。
【0057】
(4)上記各実施形態及びその変形例においては、枠部31と脚部32のいずれか一方にキャップ31b,32bを装着していたが、五徳30の構成によっては、枠部31と脚部32の両方にキャップ31b,32bを装着してもよい。
【0058】
上記の各実施形態の構成は、可能な限り組み合わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、ガスコンロに利用することが可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 :ガスコンロ
20 :コンロバーナ(バーナ)
24 :センサ
30 :五徳
31 :枠部
31a1 :当接面
31b :キャップ
31b1 :当接面
32 :脚部
32a1 :当接面
32b :キャップ
32b1 :当接面
33 :載置面
40 :グリル
42 :排気口
50 :第一トッププレート(第一天板)
50a :上面(板面)
51 :第一穴
53 :第一枠(外周部)
60 :第二トッププレート(第二天板)
60a :上面(板面)
61 :第二穴
63 :第二枠(外周部)
64 :板バネ(弾性部材)

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16