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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132919
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】採取管自動準備装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/154 20060101AFI20230914BHJP
   A61J 1/05 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
A61B5/154 300
A61J1/05 313N
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038514
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小牧 靖史
【テーマコード(参考)】
4C038
4C047
【Fターム(参考)】
4C038TA01
4C038UA10
4C047AA01
4C047CC01
4C047CC04
4C047DD22
(57)【要約】
【課題】動作不良を軽減し信頼性を向上させる採血管自動準備装置を提供する。
【解決手段】採取管自動準備装置は、複数の採取管を、前記採取管の長手方向が特定方向を向くように重ねて並べて収容する前記収容カセットを有する。収容カセットは、採取管の長手方向の一方に配置された第1壁面と、第1壁面を挟み採取管の長手方向に平行に延びる両側壁面と、第1壁面と両側壁面に囲まれた1つの面であり開口部を有する低面と、底面の開口部に、長手方向に平行なシャフトを中心軸として所定回転量で回動可能に配置されたカムと、採取管の長手方向の第1壁面に向かう先端部に接触可能に第1壁面から突出し両側壁面に向かって伸びるリブとを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の採取管を、前記採取管の長手方向が特定方向を向くように重ねて並べて収容する収容カセットを有する採取管自動準備装置であって、
前記収容カセットは、
前記採取管の前記長手方向の一方に配置された第1壁面と、
前記第1壁面を挟み前記採取管の前記長手方向に平行に延びる両側壁面と、
前記第1壁面と前記両側壁面に囲まれた1つの面であり開口部を有する底面と、
前記底面の前記開口部に、前記長手方向に平行なシャフトを中心軸として所定回転量で回動可能に配置されたカムと、
前記採取管の前記長手方向の前記第1壁面に向かう先端部と接触可能に前記第1壁面から突出し前記両側壁面に向かって伸びるリブとを備えた
ことを特徴とする採取管自動準備装置。
【請求項2】
前記リブは、前記第1壁面に所定間隔で複数設けられることを特徴とする請求項1に記載の採取管自動準備装置。
【請求項3】
前記リブは、前記先端部の大きさよりも大きく且つ2つの並んだ前記採血管が前記先端部間の長さよりも短い前記所定間隔で配置されることを特徴とする請求項2に記載の採取管自動準備装置。
【請求項4】
前記リブは、前記採取管が前記底面に向けて移動する際に前記先端部が前記リブに当接し、且つ、前記先端部が前記リブに当接した状態で前記採取管の前記長手方向の前記先端部とは逆側の他端部が前記底面に向けて移動する際に前記先端部が外れる高さを有することを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の採取管自動準備装置。
【請求項5】
前記リブは、前記底面の方向とは逆側の上面と前記底面の方向の下面とを有し、前記上面は前記第1壁面の法線からの角度が前記下面は前記第1壁面の前記法線からの角度よりも小さいことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の採取管自動準備装置。
【請求項6】
前記カムは、前記中心軸に対して前記底面とは逆の方向にあり且つ前記中心軸からの最も離れた位置にある先端までの距離が、前記両側壁面との間で前記採取管がアーチ状に詰まった場合に、回動時に前記採取管に接触可能な最低限の長さを有することを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の採取管自動準備装置。
【請求項7】
前記カムは、前記両側壁面と前記カムとの間の距離が前記採取管の直径以上の範囲で回動することを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の採取管自動準備装置。
【請求項8】
前記カムは、前記中心軸に対して前記底面とは逆の方向にあり且つ前記中心軸からの最も離れた位置にある先端からなだらかな形状を有することを特徴とする請求項7に記載の採取管自動準備装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採取管自動準備装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療行為における様々な領域で、採血に用いられる採血管や尿検査のための採尿管などの検体を採取する採取管が用いられる。このような採取管を用いる際に、取り違えなどのミスの軽減や処理の迅速化を図るために、自動的に採取管にラベルを張り付けて提供する採取管自動準備装置が用いられる。
【0003】
例えば、複数の種類の採取管を収容ケースに収容し、収容ケースから特定種類の採血管を取り出して、その採血管に患者情報や検査情報が印字されたラベルを自動的に貼り付けて、患者毎にトレイや袋に収容する採血管自動準備装置が提案されている。
【0004】
採取管には、キャップの有無や管の形状毎に異なる種類の採取管が存在する。さらに、キャップにも、多数の種類が存在する。また、取り扱いの際の採取管の状態として、管内に格納された薬液の有無や格納された薬液の量による違いなど様々な状態が考えらえる。また、スピッツ管と呼ばれる先端がとがった採取管が用いられる場合もある。
【0005】
このような採取管を格納する採取管自動準備装置の収容ケースには、収納した採取管を外部に送り出す機構が設けられた繰り出しカセットと呼ばれるものがある。この繰り出しカセットは、様々な種類の採取管や様々な状態の採取管をいずれも取り扱えるように設計されている。
【0006】
繰り出しカセットには繰り出し用のカムが配置され、収容ケースは収容した採取管がカムに入るように設計された内部構造を有する。カムは、残りの採取管同士による詰まりを解消するため、収容された採取管を拡販する形状を有する。また、収容ケースの内部の壁面は、採取管の落下を妨げないように垂直平面とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2019/189604号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の採取管自動準備装置では、スピッツ管を安定的に繰り出すことが困難な場合がある。スピッツ管は先端形状がとがっているため、スピッツ管が積まれた状態になると先端側に隙間が発生する。また、スピッツ管は、軽量なものが多く、採取管の撹拌を伴うカムの繰り出し動作で向きが変わり易い。また、スピッツ管は、従来の管種と比べて先端側に管の重心位置がある。これらの理由から、採取管自動準備装置による繰り出し動作が行われる際に、繰り出しカセットに残っているスピッツ管が繰り出される状態とは異なる方向に向きを変え、スピッツ管の先端がカムに挟まり動作不良を起こすおそれがある。
【0009】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、動作不良を軽減し信頼性を向上させる採取管自動準備装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の開示する採取管自動準備装置の一つの態様において、複数の採取管を、前記採取管の長手方向が特定方向を向くように重ねて並べて収容する前記収容カセットを有する。前記収容カセットは、前記採取管の前記長手方向の一方に配置された第1壁面と、前記第1壁面を挟み前記採取管の前記長手方向に平行に延びる両側壁面と、前記第1壁面と前記両側壁面に囲まれた1つの面であり開口部を有する底面と、前記底面の前記開口部に、前記長手方向に平行なシャフトを中心軸として所定回転量で回動可能に配置されたカムと、前記採取管の前記長手方向の前記第1壁面に向かう先端部と接触可能に前記第1壁面から突出し前記両側壁面に向かって伸びるリブとを備える。
【発明の効果】
【0011】
1つの側面では、本発明は、動作不良を軽減し信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、採取管自動準備装置の斜視図である。
図2図2は、繰り出しカセットの斜視図である。
図3図3は、繰り出しカセットの一面を取り除いた状態の斜視図である。
図4図4は、リブの断面図である。
図5図5は、リブの間隔を説明するための図である。
図6図6は、繰り出しカセットの断面の一部を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本願の開示する採取管自動準備装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例により本願の開示する採取管自動準備装置が限定されるものではない。
【実施例0014】
図1は、採取管自動準備装置の斜視図である。採取管自動準備装置1は、図1に示すように、内部に繰り出しカセット100を複数搭載する。例えば、図1の採取管自動準備装置1は、6つの繰り出しカセット100を搭載する。繰り出しカセット100には、採取管200が収容される。採取管自動準備装置1は、繰り出しカセット100の数に対応する異なる種類の採取管200を一度に取り扱うことができる。
【0015】
採取管200は内部が空洞の柱状であり、長手方向の端部は、一端が検体を注入するように開口しており、他端は閉じられている。ただし、採取管200は、開口する側にキャップが取り付けられている場合がある。ここでは、長手方向の開口した端部を「開口部」と呼び、閉じられた端部を「先端部」と呼ぶ。
【0016】
図2は、繰り出しカセットの斜視図である。図2は、図1に示した採取管自動準備装置1から取り出した2つの繰り出しカセット100である繰り出しカセット100A及び100Bを並べた状態を示す。
【0017】
繰り出しカセット100Aと繰り出しカセット100Bとは、幅L1と幅L2との長さが異なる。繰り出しカセット100Aの幅L1は、繰り出しカセット100Bの幅L2と比べて長い。繰り出しカセット100Aと繰り出しカセット100Bとは、収容可能な採取管200の数が異なる。ただし、幅L1及びL2以外の以下で説明する構成については、繰り出しカセット100Aと繰り出しカセット100Bとは同様の構成を有する。以下では、単に繰り出しカセット100として説明する。ここでは、図1に示す採取管自動準備装置1が机などに置かれた状態で収容された採取管200が落ちる方向を「下」と呼び、逆方向を「上」と呼ぶ。また、繰り出しカセット100の下側の面を底面と呼ぶ。
【0018】
繰り出しカセット100は、採取管200を水平な状態で積み重ねて収容する。繰り出しカセット100は、後壁101、両側壁102、カム103、アタッチメント104及び前壁105を有する。
【0019】
後壁101は、繰り出しカセット100に収容された状態の採取管200の先端部が向かう方向の側面である。すなわち、採取管200は、いずれも先端部を後壁101に向けた状態で収容される。両側壁102は、採取管200の長手方向と直交する方向の両側側面である。前壁105は、採取管200の開口部が向かう方向の底面付近を覆う側面である。また、繰り出しカセット100は、上側に面は設けられておらず開口している。また、繰り出しカセット100は、前壁105より上面側は開口する。さらに、繰り出しカセット100は、底面に開口部が設けられており、底面の開口部には採取管200を取り出すためのカム103が設置される。
【0020】
カム103は、繰り出しカセット100に収容された採取管200を一本ずつ取出し、取り出した採取管200を下向きに落下供給する。
【0021】
図3は、繰り出しカセットの一面を取り除いた状態の斜視図である。図3に示す繰り出しカセット100は、両側壁102の一方の面が取り外された状態を示す。本実施例に係る繰り出しカセット100は、後壁101にアタッチメント104が取り付けられる。
【0022】
アタッチメント104は、採取管200のサイズに応じて装着される。採取管200には、キャップの有無や種類、及び、採取管200の形状などにより長手方向の長さが違うものが存在する。採取管200を格納する場合、採取管200の落下以外の動きを抑えるために、後壁101と前壁105との間の距離は、採取管200の長さと同等の長さとすることが好ましい。そこで、採取管200の長手方向の長さに合わせて、採取管200と後壁101及び前壁105との間の隙間を減らすために、適当なサイズのアタッチメント104が取り付けられる。ただし、アタッチメント104を用いない採取管200も存在する。その場合、後壁101に以下に説明するアタッチメント104と同様の構造が設けられる。
【0023】
アタッチメント104は、後壁101とカム103との隙間に、カム103の回転軸となるシャフトを跨ぐように延びる。これにより、アタッチメント104は、後壁101とカム103との間の隙間を減らすことができ、採取管200が後壁101とカム103との間にはまることを防止できる。
【0024】
アタッチメント104は、繰り出しカセット100の両側壁102の一方から他方へと向かう水平方向に延びる凸部であるリブ140を有する。水平方向とは、言い換えれば、繰り出しカセット100の上下方向に直行する方向である。リブ140は、アタッチメント104上に所定間隔Lを開けて複数個形成される。
【0025】
リブ140は、スピッツ管である採取管200の先端部が下方向に向かい採取管200自身が立ち上がろうとする場合に、先端部がリブ140の上面に引っ掛かり、採取管200の立ち上がりを防ぐ。さらに、リブ140は、アタッチメント104の上下方向の高い位置から低い位置に亘って配置されることで、採取管200が多く積まれている状態でも、どの高さの採取管200の立ち上がりも防ぐことができる。
【0026】
図4は、リブの断面図である。図4は、リブ140の延びる方向に直行する平面でリブ140を切断した状態の一例を表す。ここで、図4を参照して、リブ140の形状について説明する。
【0027】
リブ140の高さ141は、採取管200の先端部がリブ140に引っ掛かった状態から、採取管200の開口部側が下がった際に先端部が外れやすい長さであることが好ましい。また、採取管200の立ち上がりが発生した際に、採取管200の先端がリブ140に引っ掛かることで立ち上がりを防ぐことができるので、リブ140の上面の角度が浅くなるように上面の上下方向の幅142を設定することが好ましい。さらに、リブ140は、カム103による揺さぶり動作で採取管200が下から上に移動した際に採取管200の先端がリブ140に引っ掛かりにくいことが望ましいので、リブ140の下面の角度が大きくなるように下面の上下方向の幅144は、大きくすることが好ましい。
【0028】
例えば、図4に示すリブ140の高さ141は、3.0mmとすることができる。また、先端部と上面とを接続する部分の幅142を0.5mmとすることで、上面の角度を浅くすることができる。また、先端部の幅143が1.0mmであれば、幅144を1.5mmとすることで、下面の角度を大きくすることができる。この場合、リブ140のアタッチメント104側の上下方向の幅145は、3.0mmとなる。
【0029】
図3に戻って説明を続ける。所定間隔Lは、例えば、リブ140とリブ140との間に間のスピッツ管である採取管200の先端部が1本分入り、且つ、2本分は入らないように設定される。また、所定間隔Lは、カム103による採取管200を揺さぶる動作により採取管200が上下に移動するため、スピッツ管である採取管200の先端部の大きさより大きく設定される。
【0030】
図5は、リブの間隔を説明するための図である。ここで、採取管200の直径が15mm程度、すなわち、採取管200を2つ重ねた状態での先端部間の幅が15mm程度である場合を考える。この場合に、図5の状態301のように、所定間隔Lを25mm程度といった採取管200の先端部が2本分以上入る長さにした場合、リブ140の間に2つの採取管200の先端部が入るスペースができてしまう。そのため、カム103により攪拌が行われると、リブ140に先端部が引っ掛かった採取管200の上にある採取管200は、リブ140に引っ掛からずに、矢印Pで示すように立ち上がってしまう。したがって、この設計ではリブ140による採取管200の立ち上がりの防止が困難となる。
【0031】
また、例えば、採取管200が繰り出しカセット100に格納された状態で、先端部のリブ140に引っ掛かる部分の直径が3mm以上ある場合で説明する。この場合に、図5の状態301のように、所定間隔Lを例えば2~3mmといった採取管200の先端部よりも狭い長さにした場合、採取管200の先端部がリブ140の間に入り難くなる。そのため、カム103により攪拌が行われると、採取管200は、リブ140に先端部が引っ掛からずに、矢印P’で示すように立ち上がってしまう。したがって、この設計ではリブ140による採取管200の立ち上がりの防止が困難となる。
【0032】
そこで、例えば、採取管200の直径が15mm程度で、先端部のリブ140に引っ掛かる部分の直径が3mm以上の場合、状態303に示すようにリブ140の間の所定間隔Lを10mm程度とすることができる。
【0033】
図3に戻って説明を続ける。例えば、カム103は、図3に示すように複数のスリットが設けられる。カム103のスリットを挟んだ複数の部品は一体としてシャフトを回転軸として左右に一定角度回動する。カム103のスリットは、他の機器のアームがスリットに挿入されて採取管200がカム103に適切に載置されているかを確認することなどに用いられる。
【0034】
図6は、繰り出しカセットの断面の一部を表す図である。カム103は、回動の軸となるシャフト132を有する。また、カム103は、採取管200に接触する側に先端131を有する。また、カム103は、凹溝133及び134を有する。カム103は、シャフト132を中心軸として矢印Q1及びQ2方向に回動する。
【0035】
カム103は、紙面に向かって右方向であるQ1方向に一定量回転した時に、凹溝134に採取管200を収容すると共に、凹溝133に収容された採取管200を移送ユニットに落下供給する。また、カム103は、紙面に向かって左方向であるQ2方向に一定量回転した時に、凹溝133に採取管200を収容すると共に、凹溝134に収容された採血管を移送ユニットに落下供給する。このカム103の回転量は、繰り出しカセット100に収容される採取管200のサイズに応じて適宜調整可能である。
【0036】
また、カム103は、回動することで、先端131が採取管200に接触して採取管200を揺り動かして攪拌する。ただし、攪拌力が大きい場合、カム103が、回動により採取管200を立ち上げてしまうおそれがある。そこで、カム103の回転中心から先端131までの長さL3は、攪拌力を抑えるために、図6に示すように採取管200が両側壁102の間にアーチ状に詰まって管詰まりが発生した場合に、採取管200に届いてアーチを崩せる最低限の長さを有する。例えば、長さL3は、18mmとすることができる。
【0037】
また、繰り出しカセット100の両側壁102の間の幅にはいくつか種類があり、幅が狭い繰り出しカセット100も存在する。幅が狭い繰り出しカセット100の場合、スピッツ管である採取管200の管径が大きいため、カム103と両側壁102との間に採取管200が挟まれて、カム103と両側壁102とが干渉するおそれがある。そこで、カム103と両側壁102との干渉を防ぐために、カム103の回転角度は、カム103と両側壁102との幅が採取管200よりも小さくならない角度である。例えば、カム103の回転角度は、34度とすることができる。
【0038】
また、回転角度を減らすことで、凹溝133及び134に採取管200が落ち難くなる。そこで、採取管200を凹溝133及び134に格納しやすくするために、カム103は、先端131から凹溝133及び134に向けてなだらかな形状を有する。これにより、凹溝133及び134につながる空間が広くなり、カム103の回動時に採取管200が凹溝133及び134に落ちやすくなる。
【0039】
以上に説明したように、本実施例に係る採取管自動準備装置は、繰り出しカセットの後壁に、採取管が繰り出しされたときの他の採取管の移動方向である下方向と直交する方向に延びる凸部であるリブが設けられる。これにより、カムの撹拌などにより採取管の先端部が下向きに移動して採取管が立ち上がろうとする場合に、先端部がリブと接触して下への移動が抑制され、採取管の立ち上がりを防ぐことができる。
【0040】
また、本実施例に係る採取管自動準備装置のカムは、採取管がアーチ状に詰まった場合に採取管を撹拌可能な最低限の長さを有し、且つ、先端から凹部までをなだらかな形状を有する。これにより、カムによる採取管の撹拌力を必要最低限に抑えることができ、採取管の立ち上がりを抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0041】
1 採取管自動準備装置
100 繰り出しカセット
101 後壁
102 両側壁
103 カム
104 アタッチメント
105 前壁
131 先端
132 シャフト
133、134 凹溝
140 リブ
200 採取管
図1
図2
図3
図4
図5
図6