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特開2023-132958ネジ締付装置およびネジ保持ユニット
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  • 特開-ネジ締付装置およびネジ保持ユニット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132958
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】ネジ締付装置およびネジ保持ユニット
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/06 20060101AFI20230914BHJP
   B25B 23/12 20060101ALN20230914BHJP
【FI】
B23P19/06 D
B25B23/12
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038582
(22)【出願日】2022-03-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-28
(71)【出願人】
【識別番号】521429465
【氏名又は名称】株式会社フォーワード
(74)【代理人】
【識別番号】100129001
【弁理士】
【氏名又は名称】林 崇朗
(72)【発明者】
【氏名】吉村 正行
【テーマコード(参考)】
3C038
【Fターム(参考)】
3C038AA02
3C038BB02
3C038BC02
3C038EA06
(57)【要約】
【課題】ネジ締付装置において、ビット先端部に工具穴が嵌り合わずにネジを締め付けられない状態になることを抑制する。
【解決手段】ネジ締付装置のネジ保持ユニットは、連結部と、胴部と、吸着部とを有する。連結部は、ビットホルダに連結する。胴部は、ドライバービットの外周を覆う筒状を成し、連結部からビット先端部の位置よりも長く延びている。吸着部は、胴部の先端を構成し、ネジの頭部の外周に嵌り合う形状を成し、ネジを吸着可能な磁力を帯びている。胴部は、軸方向の押圧を受けた場合、吸着部に吸着されているネジの工具穴へとビット先端部が嵌り合う位置まで軸方向に収縮可能に構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部に工具穴を有する磁性体のネジを、締め付けるネジ締付装置であって、
前記工具穴に嵌り合うビット先端部を有する棒状のドライバービットと、
前記ドライバービットを保持するビットホルダと、
前記ドライバービットの同軸上に前記ネジを保持可能に構成されたネジ保持ユニットと
を備え、
前記ネジ保持ユニットは、
前記ビットホルダに連結する連結部と、
前記ドライバービットの外周を覆う筒状を成し、前記連結部から前記ビット先端部の位置よりも長く延びた胴部と、
前記胴部の先端を構成し、前記ネジの前記頭部の外周に嵌り合う形状を成し、前記ネジを吸着可能な磁力を帯びた吸着部と
を有し、
前記胴部は、軸方向の押圧を受けた場合、前記吸着部に吸着されている前記ネジの前記工具穴へと前記ビット先端部が嵌り合う位置まで軸方向に収縮可能に構成されている、ネジ締付装置。
【請求項2】
頭部に工具穴を有する磁性体のネジを、締め付けるネジ締付装置において、前記工具穴に嵌り合うビット先端部を有する棒状のドライバービットの同軸上に前記ネジを保持可能に構成されたネジ保持ユニットであって、
前記ドライバービットを保持するビットホルダに連結する連結部と、
前記ドライバービットの外周を覆う筒状を成し、前記連結部から前記ビット先端部の位置よりも長く延びた胴部と、
前記胴部の先端を構成し、前記ネジの前記頭部の外周に嵌り合う形状を成し、前記ネジを吸着可能な磁力を帯びた吸着部と
を有し、
前記胴部は、軸方向の押圧を受けた場合、前記吸着部に吸着されている前記ネジの前記工具穴へと前記ビット先端部が嵌り合う位置まで軸方向に収縮可能に構成されている、ネジ保持ユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、ネジ締付装置およびネジ保持ユニットに関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
ネジ締付装置は、ネジを締め付ける装置であり、ナットランナーとも呼ばれる。引用文献1には、頭部に工具穴を有する磁性体のネジを締め付けるネジ取付装置について開示されている。引用文献1のネジ締付装置は、空気圧で浮上させたネジに対して、磁力を帯びたドライバービットを回転させながら押し付けることによって、ビット先端部が工具穴に嵌り合った状態でドライバービットにネジを吸着させる。その後、引用文献1のネジ締付装置は、ネジを吸着した状態のドライバービットを作業領域に移動させて、ドライバービットに吸着されているネジを加工対象物に向けて押し付けながら回転させることによって加工対象物に対してネジを締め付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-38546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
引用文献1のネジ締付装置では、空気圧で浮上させた不安定なネジに対してドライバービットを回転させながら押し付けるため、ビット先端部に工具穴が嵌り合わずに、ドライバービットの軸に対してネジの軸がズレた状態でネジがビット先端部に吸着されてしまい、ネジを締め付けられない状態になるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示する技術は、以下の形態として実現できる。
【0006】
本明細書に開示する一形態は、頭部に工具穴を有する磁性体のネジを、締め付けるネジ締付装置である。このネジ締付装置は、前記工具穴に嵌り合うビット先端部を有する棒状のドライバービットと;前記ドライバービットを保持するビットホルダと;前記ドライバービットの同軸上に前記ネジを保持可能に構成されたネジ保持ユニットとを備える。前記ネジ保持ユニットは、前記ビットホルダに連結する連結部と;前記ドライバービットの外周を覆う筒状を成し、前記連結部から前記ビット先端部の位置よりも長く延びた胴部と;前記胴部の先端を構成し、前記ネジの前記頭部の外周に嵌り合う形状を成し、前記ネジを吸着可能な磁力を帯びた吸着部とを有する。前記胴部は、軸方向の押圧を受けた場合、前記吸着部に吸着されている前記ネジの前記工具穴へと前記ビット先端部が嵌り合う位置まで軸方向に収縮可能に構成されている。
この形態のネジ締付装置によれば、ネジ保持ユニットの吸着部にネジの頭部の外周を嵌め合わせて吸着することによって、ビット先端部が工具穴に嵌り合う前にドライバービットの同軸上にネジを位置決めできるため、ビット先端部に工具穴が嵌り合わずにネジを締め付けられない状態になることを抑制できる。
【0007】
本明細書に開示する技術は、ネジ締付装置とは異なる種々の形態で実現できる。本明細書に開示する技術は、例えば、ネジ保持ユニットの形態のほか、ネジを締め付ける方法などの形態で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ネジ締付装置100の構成を示す説明図である。
図2】ネジ保持ユニット200の詳細構成を示す説明図である。
図3】ネジ締付装置100の動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、ネジ締付装置100の構成を示す説明図である。ネジ締付装置100は、ネジ300を締め付ける装置であり、ナットランナーとも呼ばれる。本実施形態では、ネジ締付装置100は、工業製品を製造する製造ラインに設置された据置型の製造装置である。図1には、ネジ300に接触する部位を中心とするネジ締付装置100の一部が図示されている。ネジ締付装置100は、ネジ300を締め付ける構成として、駆動軸110と、ビットホルダ120と、ドライバービット130と、ネジ保持ユニット200とを備える。
【0010】
図1(a)には、ネジ締付装置100にネジ保持ユニット200を装着する様子が図示されている。図1(b)には、ネジ締付装置100に装着されたネジ保持ユニット200にネジ300を吸着する様子が図示されている。図1(b)のネジ保持ユニット200は、片側断面図によって表されている。図1のXYZ軸は、ネジ締付装置100における各部の位置関係を示す座標系である。図1のX軸およびY軸は、水平方向に平行な軸である。図1のZ軸は、鉛直方向に平行な軸であり、+Z軸方向は鉛直上向きであり、-Z軸方向は鉛直下向きである。図1のXYZ軸は、他の図におけるXYZ軸に対応する。
【0011】
ネジ締付装置100が取り扱うネジ300は、頭部310に工具穴312を有するネジである。ネジ300は、鉄を主成分とする磁性体である。ネジ300の頭部310からネジ先端部330に亘って、軸AX3を軸心とする円柱状の軸部320が延びている。軸部320には、ねじ山が形成されている。本実施形態では、頭部310はフランジ付きのトラス形状を成し、工具穴312はヘクサロビュラ形状を成す。
【0012】
ネジ締付装置100の駆動軸110は、Z軸方向に平行な軸AX1を軸心とする円柱状の部品である。駆動軸110における-Z軸方向側の端部は、ビットホルダ120を着脱可能に構成されている。駆動軸110は、ネジ締付装置100が備える駆動モータ(図示しない)によってX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の各方向に移動可能に構成されている。駆動軸110は、ネジ締付装置100が備える駆動モータ(図示しない)によって軸AX1を中心に回転可能に構成されている。駆動軸110に装着されたビットホルダ120、ドライバービット130およびネジ保持ユニット200は、駆動軸110と共に移動および回転する。
【0013】
ネジ締付装置100のビットホルダ120は、ドライバービット130を保持する円柱状の工具である。ビットホルダ120における+Z軸方向側の端部は、駆動軸110に対して着脱可能に構成されている。駆動軸110に装着されたビットホルダ120は、駆動軸110と同軸上に位置する。ビットホルダ120における-Z軸方向側の端部は、ドライバービット130を着脱可能に構成されている。ビットホルダ120は、鉄を主成分とする磁性体であり、ネジ保持ユニット200の磁力による吸着力によってネジ保持ユニット200を保持可能に構成されている。
【0014】
ネジ締付装置100のドライバービット130は、ネジ300の工具穴312に嵌り合ってネジ300を回転させる棒状の工具である。ドライバービット130における+Z軸方向側の端部は、ビットホルダ120に対して着脱可能に構成されている。ビットホルダ120に装着されたドライバービット130は、駆動軸110およびビットホルダ120と同軸上に位置する。ドライバービット130は、鉄を主成分とする磁性体であり、ネジ300を吸着可能に着磁されている。他の実施形態では、ドライバービット130は、ネジ300を吸着しないように消磁されていてもよい。
【0015】
ドライバービット130は、ビット先端部132と、ビット胴部134と、シャンク136とを有する。ビット先端部132は、ネジ300の工具穴312に嵌り合う先端形状(本実施形態では、ヘクサロビュラ形状)を成す。ビット胴部134は、ビット先端部132とシャンク136との間を接続する円柱状の部位である。シャンク136は、ビットホルダ120に着脱可能な形状(本実施形態では、六角柱状)を成す。
【0016】
図2は、ネジ保持ユニット200の詳細構成を示す説明図である。図2(a)には、+Z軸方向から見たネジ保持ユニット200の平面図が表されている。図2(b)には、+Y軸方向から見たネジ保持ユニット200の正面図が表されている。図2(c)には、-Z軸方向から見たネジ保持ユニット200の底面図が表されている。図2(d)には、軸AX2に沿って切断したネジ保持ユニット200の断面図が表されている。
【0017】
図3は、ネジ締付装置100の動作を示す説明図である。図3(a)には、ネジ保持ユニット200にネジ300が保持されている様子が図示されている。図3(b)には、ネジ保持ユニット200に保持されているネジ300を加工対象物OPに対して締め付ける様子が図示されている。
【0018】
ネジ締付装置100のネジ保持ユニット200は、Z軸方向に平行な軸AX2を軸心とする円筒状の部品である。ネジ保持ユニット200は、ドライバービット130の同軸上にネジ300を保持可能に構成されている。ネジ保持ユニット200の内側には、ドライバービット130を通す貫通孔THが形成されている。ネジ保持ユニット200は、ドライバービット130が装着されたビットホルダ120に対して装着可能に構成されている。ビットホルダ120に装着されたネジ保持ユニット200は、駆動軸110、ビットホルダ120およびドライバービット130と同軸上に位置する。
【0019】
ネジ保持ユニット200は、ネジ吸着ガイド210と、ネジ吸着磁石220と、スリーブ230と、コイルスプリング240と、ベース250と、ホルダ吸着磁石260とを備える。ホルダ吸着磁石260は、ビットホルダ120に連結する連結部CNを構成する。ネジ吸着ガイド210、スリーブ230およびベース250は、ドライバービット130の外周を覆う筒状を成し、ビットホルダ120との連結部CNからドライバービット130のビット先端部132の位置よりも長く延びた胴部BDを構成する。
【0020】
ネジ吸着ガイド210の先端部212は、吸着部ASを構成する。吸着部ASは、胴部BDの先端を構成し、ネジ300の頭部310の外周に嵌り合う形状を成す(図3(a)を参照)。吸着部ASは、ネジ300を吸着可能な磁力を帯びている。
【0021】
胴部BDが軸AX2に沿った軸方向(Z軸方向)の押圧を受けていない場合、ドライバービット130のビット先端部132は、吸着部ASに吸着されているネジ300から離れた位置にある(図3(a)を参照)。胴部BDが軸AX2に沿った軸方向(Z軸方向)の押圧を受けた場合、胴部BDは、吸着部ASに吸着されているネジ300の工具穴312へとビット先端部132が嵌り合う位置まで軸方向(Z軸方向)に収縮可能に構成されている(図3(b)を参照)。
【0022】
ネジ保持ユニット200のネジ吸着ガイド210は、軸AX2を軸心とする円筒状を成し、胴部BDを構成する部品である。ネジ吸着ガイド210の内周は、ドライバービット130を通す貫通孔THを構成する。ネジ吸着ガイド210における+Z軸方向側の内周には、スリーブ230に嵌り合う雌ネジ部214が形成されている。ネジ吸着ガイド210の-Z軸方向側の先端には、吸着部ASを構成する先端部212が形成されている。ネジ吸着ガイド210は、鉄を主成分とする磁性体であり、ネジ吸着磁石220によって先端部212にネジ300を吸着可能な磁力を帯びている。本実施形態では、先端部212は、ネジ300の頭部310のフランジに当たって接しながらトラス形状の外周に嵌り合う(図3(a)を参照)。
【0023】
ネジ保持ユニット200のネジ吸着磁石220は、ネジ吸着ガイド210にネジ300を吸着可能な磁力を及ぼす磁石である。本実施形態では、ネジ吸着磁石220は、円筒状のネオジム磁石であり、ネジ吸着ガイド210の+Z軸方向側に接触する位置においてスリーブ230の外側に嵌め込まれ、コイルスプリング240によってネジ吸着ガイド210に押し付けられている。
【0024】
ネジ保持ユニット200のスリーブ230は、軸AX2を軸心とする円筒状を成し、胴部BDを構成する部品である。スリーブ230の内周は、ドライバービット130を通す貫通孔THを構成する。スリーブ230の-Z軸方向側の外周には、ネジ吸着ガイド210の雌ネジ部214に嵌り合う雄ネジ部234が形成されている。スリーブ230の+Z軸方向側の外周には、外側に突出したフランジ部236が形成されている。フランジ部236は、ベース250の内側においてZ軸方向に沿って移動可能であるとともに、ベース250の突出部256に係り合うことによってベース250からスリーブ230が-Z軸方向に抜けることを阻止する。
【0025】
ネジ保持ユニット200のコイルスプリング240は、胴部BDを伸長した状態に付勢する部品である。本実施形態では、コイルスプリング240は、スリーブ230の外側に嵌め込まれた状態でネジ吸着磁石220とベース250との間に挟まれ、ベース250を+Z軸方向に押し付けている。これによって、胴部BDは、軸AX2に沿った軸方向(Z軸方向)の押圧を受けていない場合、スリーブ230のフランジ部236がベース250の突出部256に当たって接する状態に保持される(図2(d)を参照)。
【0026】
ネジ保持ユニット200のベース250は、軸AX2を軸心とする円筒状を成し、胴部BDを構成する部品である。ベース250の内側は、ドライバービット130を通す貫通孔THを構成する。ベース250の-Z軸方向側の内周には、内側に突出した突出部256が形成されている。
【0027】
ネジ保持ユニット200のホルダ吸着磁石260は、磁力によってビットホルダ120に吸着する磁石であり、連結部CNを構成する。ホルダ吸着磁石260の内周は、ドライバービット130を通す貫通孔THを構成する。本実施形態では、ホルダ吸着磁石260は、円筒状のネオジム磁石であり、ベース250の+Z軸方向側の内側に嵌め込まれている。
【0028】
本実施形態では、ネジ締付装置100の近傍には、頭部310を+Z軸方向側に向けてネジ300を供給するネジ供給装置(図示しない)が併設されている。ネジ締付装置100は、ネジ300よりも+Z軸方向側において、ビットホルダ120、ドライバービット130およびネジ保持ユニット200が装着された駆動軸110を、ネジ300と同軸上に移動させる。その後、ネジ締付装置100は、+Z軸方向側から吸着部ASをネジ300へと移動させて吸着部ASにネジ300の頭部310を吸着させる(図1(b)および図3(a)を参照)。図3(a)に示すように、胴部BDがZ軸方向の押圧を受けていない場合、Z軸方向の胴部BDの長さは「L1」である。
【0029】
ネジ300を吸着部ASに吸着した後、ネジ締付装置100は、ネジ300を吸着した状態で駆動軸110を加工対象物OP上に移動させる。その後、ネジ締付装置100は、ネジ300を締め付ける方向に回転させながら駆動軸110を-Z軸方向に移動させて、加工対象物OPに対してネジ300のネジ先端部330を押し付ける。図3(b)に示すように、加工対象物OPに対してネジ300のネジ先端部330を押し付けることによって、胴部BDがZ軸方向の押圧を受けた場合、ネジ300の工具穴312へとドライバービット130のビット先端部132が嵌り合う位置までスリーブ230がベース250の内側に押し込まれ、Z軸方向の胴部BDの長さは、「L1」よりもスリーブ230の移動量DFだけZ軸方向に収縮した「L2」となる。これによって、駆動軸110の回転がドライバービット130を通じてネジ300に伝わり、ネジ300が加工対象物OPに対して締め付けられる。
【0030】
以上説明した実施形態によれば、ネジ保持ユニット200の吸着部ASにネジ300の頭部310の外周を嵌め合わせて吸着することによって、ビット先端部132が工具穴312に嵌り合う前にドライバービット130の同軸上にネジ300を位置決めできるため、ビット先端部132に工具穴312が嵌り合わずにネジ300を締め付けられない状態になることを抑制できる。
【0031】
本明細書に開示する技術は、上述した実施形態、実施例および変形例に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現できる。例えば、上述した実施形態、実施例および変形例における技術的特徴のうち、発明の概要の欄に記載した各形態における技術的特徴に対応するものは、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えおよび組み合わせることができる。また、本明細書中に必須なものとして説明されていない技術的特徴については、適宜、削除できる。
【0032】
ネジ保持ユニット200は、据置型の製造装置に限らず、可搬型の電動工具および手動工具に適用可能である。ネジ保持ユニット200は、ビットホルダ120に着脱可能な形態に限らず、ビットホルダ120およびドライバービット130の少なくとも一方と一体的に構成された形態であってもよい。
【0033】
吸着部ASは、永久磁石によって磁力を帯びる形態に限らず、吸着部AS自体が着磁されている形態であってもよいし、電磁石によって磁力を帯びる形態であってもよい。
【0034】
連結部CNは、ビットホルダ120に対して永久磁石によって吸着する形態に限らず、ビットホルダ120に対して機械的に連結する形態であってもよいし、ビットホルダ120に対して電磁石によって吸着する形態であってもよい。連結部CNは、ビットホルダ120に連結する形態に限らず、ドライバービット130に連結する形態であってもよい。
【0035】
ビット先端部132は、ヘクサロビュラ形状のネジに限らず、プラス形状、マイナス形状、四角穴、六角穴などの各種ネジの工具穴に対応した形状であってもよい。吸着部ASは、フランジ付きのトラス形状のネジに限らず、フランジ付き又はフランジ無しにかかわらず、六角形状、トラス形状、皿状、なべ状、平状などの各種ネジの頭部を吸着可能な形状であってもよい。
【符号の説明】
【0036】
100…ネジ締付装置
110…駆動軸
120…ビットホルダ
130…ドライバービット
132…ビット先端部
134…ビット胴部
136…シャンク
200…ネジ保持ユニット
210…ネジ吸着ガイド
212…先端部
214…雌ネジ部
220…ネジ吸着磁石
230…スリーブ
234…雄ネジ部
236…フランジ部
240…コイルスプリング
250…ベース
256…突出部
260…ホルダ吸着磁石
300…ネジ
310…頭部
312…工具穴
320…軸部
330…ネジ先端部
AS …吸着部
AX1…軸
AX2…軸
AX3…軸
BD …胴部
CN …連結部
OP …加工対象物
TH …貫通孔

図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-05-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部に工具穴を有する磁性体のネジを、締め付けるネジ締付装置であって、
前記工具穴に嵌り合うビット先端部を有する棒状のドライバービットと、
前記ドライバービットを保持するビットホルダと、
前記ドライバービットの同軸上に前記ネジを保持可能に構成されたネジ保持ユニットと
を備え、
前記ネジ保持ユニットは、
前記ビットホルダに連結する連結部と、
前記ドライバービットの外周を覆う筒状を成し、前記連結部から前記ビット先端部の位置よりも長く延びた胴部と、
前記ネジ保持ユニットの先端かつ前記胴部の先端を構成し、前記ネジの前記頭部より該ネジの軸部側へ突出することなく前記ネジの前記頭部の外周に嵌り合う形状を成し、前記ネジを吸着可能な磁力を帯びた吸着部と
を有し、
前記胴部は、軸方向の押圧を受けた場合、前記吸着部に吸着されている前記ネジの前記工具穴へと前記ビット先端部が嵌り合う位置まで軸方向に収縮可能に構成されている、ネジ締付装置。
【請求項2】
頭部に工具穴を有する磁性体のネジを、締め付けるネジ締付装置において、前記工具穴に嵌り合うビット先端部を有する棒状のドライバービットの同軸上に前記ネジを保持可能に構成されたネジ保持ユニットであって、
前記ドライバービットを保持するビットホルダに連結する連結部と、
前記ドライバービットの外周を覆う筒状を成し、前記連結部から前記ビット先端部の位置よりも長く延びた胴部と、
前記ネジ保持ユニットの先端かつ前記胴部の先端を構成し、前記ネジの前記頭部より該ネジの軸部側へ突出することなく前記ネジの前記頭部の外周に嵌り合う形状を成し、前記ネジを吸着可能な磁力を帯びた吸着部と
を有し、
前記胴部は、軸方向の押圧を受けた場合、前記吸着部に吸着されている前記ネジの前記工具穴へと前記ビット先端部が嵌り合う位置まで軸方向に収縮可能に構成されている、ネジ保持ユニット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本明細書に開示する技術は、以下の形態として実現できる。
本明細書に開示する一形態は、頭部に工具穴を有する磁性体のネジを、締め付けるネジ締付装置である。このネジ締付装置は、前記工具穴に嵌り合うビット先端部を有する棒状のドライバービットと;前記ドライバービットを保持するビットホルダと;前記ドライバービットの同軸上に前記ネジを保持可能に構成されたネジ保持ユニットとを備える。前記ネジ保持ユニットは、前記ビットホルダに連結する連結部と;前記ドライバービットの外周を覆う筒状を成し、前記連結部から前記ビット先端部の位置よりも長く延びた胴部と;前記ネジ保持ユニットの先端かつ前記胴部の先端を構成し、前記ネジの前記頭部より該ネジの軸部側へ突出することなく前記ネジの前記頭部の外周に嵌り合う形状を成し、前記ネジを吸着可能な磁力を帯びた吸着部とを有する。前記胴部は、軸方向の押圧を受けた場合、前記吸着部に吸着されている前記ネジの前記工具穴へと前記ビット先端部が嵌り合う位置まで軸方向に収縮可能に構成されている。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部に工具穴を有する磁性体のネジを、締め付けるネジ締付装置であって、
前記工具穴に嵌り合うビット先端部を有する棒状のドライバービットと、
前記ドライバービットを保持するビットホルダと、
前記ドライバービットの同軸上に前記ネジを保持可能に構成されたネジ保持ユニットと
を備え、
前記ネジ保持ユニットは、
前記ビットホルダに連結する連結部と、
前記ドライバービットの外周を覆う筒状を成し、前記連結部から前記ビット先端部の位置よりも長く延びた胴部と、
前記連結部へ向かう側の端部において磁石と接触する磁性体の先端部として前記ネジ保持ユニットの先端かつ前記胴部の先端を構成し、前記ネジの前記頭部より該ネジの軸部側へ突出することなく前記ネジの前記頭部の外周に嵌り合う形状を成し、前記磁石によって前記ネジを吸着可能な磁力を帯びた吸着部と
を有し、
前記胴部は、軸方向の押圧を受けた場合、前記吸着部に吸着されている前記ネジの前記工具穴へと前記ビット先端部が嵌り合う位置まで軸方向に収縮可能に構成されている、ネジ締付装置。
【請求項2】
頭部に工具穴を有する磁性体のネジを、締め付けるネジ締付装置において、前記工具穴に嵌り合うビット先端部を有する棒状のドライバービットの同軸上に前記ネジを保持可能に構成されたネジ保持ユニットであって、
前記ドライバービットを保持するビットホルダに連結する連結部と、
前記ドライバービットの外周を覆う筒状を成し、前記連結部から前記ビット先端部の位置よりも長く延びた胴部と、
前記連結部へ向かう側の端部において磁石と接触する磁性体の先端部として前記ネジ保持ユニットの先端かつ前記胴部の先端を構成し、前記ネジの前記頭部より該ネジの軸部側へ突出することなく前記ネジの前記頭部の外周に嵌り合う形状を成し、前記磁石によって前記ネジを吸着可能な磁力を帯びた吸着部と
を有し、
前記胴部は、軸方向の押圧を受けた場合、前記吸着部に吸着されている前記ネジの前記工具穴へと前記ビット先端部が嵌り合う位置まで軸方向に収縮可能に構成されている、ネジ保持ユニット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本明細書に開示する技術は、以下の形態として実現できる。
本明細書に開示する一形態は、頭部に工具穴を有する磁性体のネジを、締め付けるネジ締付装置である。このネジ締付装置は、前記工具穴に嵌り合うビット先端部を有する棒状のドライバービットと;前記ドライバービットを保持するビットホルダと;前記ドライバービットの同軸上に前記ネジを保持可能に構成されたネジ保持ユニットとを備える。前記ネジ保持ユニットは、前記ビットホルダに連結する連結部と;前記ドライバービットの外周を覆う筒状を成し、前記連結部から前記ビット先端部の位置よりも長く延びた胴部と;前記連結部へ向かう側の端部において磁石と接触する磁性体の先端部として前記ネジ保持ユニットの先端かつ前記胴部の先端を構成し、前記ネジの前記頭部より該ネジの軸部側へ突出することなく前記ネジの前記頭部の外周に嵌り合う形状を成し、前記磁石によって前記ネジを吸着可能な磁力を帯びた吸着部とを有する。前記胴部は、軸方向の押圧を受けた場合、前記吸着部に吸着されている前記ネジの前記工具穴へと前記ビット先端部が嵌り合う位置まで軸方向に収縮可能に構成されている。