(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132969
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】不織布製品用の装飾体及び不織布製品用の装飾体の製造方法
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20230914BHJP
A44B 18/00 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A44B18/00
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038600
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】522101003
【氏名又は名称】榮 和美
(74)【代理人】
【識別番号】100085246
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 清一郎
(72)【発明者】
【氏名】榮 和美
【テーマコード(参考)】
3B100
【Fターム(参考)】
3B100DA02
3B100DB01
(57)【要約】
【課題】不織布製品に対する着脱を簡易且つ確実に行うことができ、再使用できる経済性を有する不織布製品用の装飾体を提供する。
【解決手段】不織布を用いて構成された不織布製品(例えばマスク)の不織布面部5に着脱可能に取り付けられる不織布製品用の装飾体である。装飾片6の裏面部7に雄型面状ファスナ9が止着されている。雄型面状ファスナ9は、不織布面部5の不織布の繊維10に絡んで係合状態となり得る雄型係合片11が基片12の一面部13に配置されている。基片13の他面部15の全面が接着剤16を介して裏面部7に接着され、且つ基片13が、接着された部分において装飾片6に部分的に縫着されることにより雄型面状ファスナ9が装飾片6の裏面部7に止着されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布を用いて構成された不織布製品の不織布面部に着脱可能に固定される不織布製品用の装飾体であって、
装飾片の裏面部に雄型面状ファスナが止着されてなり、該雄型面状ファスナは、前記不織布面部の不織布の繊維に絡んで係合状態となり得る雄型係合片が基片の一面部に密集状態に配置されており、該基片の、該一面部と対向する他面部の全面が接着剤を介して前記裏面部に接着され、且つ該基片が、該接着された部分において前記装飾片に部分的に縫着されることによって、前記雄型面状ファスナが前記装飾片の前記裏面部に止着されていることを特徴とする不織布製品用の装飾体。
【請求項2】
前記縫着は、前記基片に、線状及び/又は点状に施されていることを特徴とする請求項1記載の不織布製品用の装飾体。
【請求項3】
前記縫着は、前記基片の対向する外側縁部分に、該外側縁に沿う全長又は一部分で施されていることを特徴とする請求項1記載の不織布製品用の装飾体。
【請求項4】
前記縫着は、前記基片に散点状に施されていることを特徴とする請求項1記載の不織布製品用の装飾体。
【請求項5】
前記縫着は、前記基片の中央部でのみ点状に施されていることを特徴とする請求項1記載の不織布製品用の装飾体。
【請求項6】
前記装飾片はレース生地を用いて形成されており、前記縫着は該レース生地の柄模様部分で施されていることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載の不織布製品用の装飾体。
【請求項7】
前記不織布製品は不織布製のマスクであり、該マスクの表側の前記不織布面部に着脱可能に固定されるものであることを特徴とする請求項1~6の何れかに記載の不織布製品用の装飾体。
【請求項8】
請求項1記載の不織布製品用の装飾体を製造する製造方法であって、前記基片を前記装飾片に部分的に縫着する縫製をミシンで行う場合、該縫製を、前記装飾片の表面部から前記裏面部に向けて針落ちさせて行うことを特徴とする不織布製品用の装飾体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は不織布製品用の装飾体に関するものであり、又、不織布製品用の装飾体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
不織布製品、例えば不織布製マスクに、ファッション性を向上させるために装飾を施すことが行われている。装飾を施す従来の一般的な手法としては、例えばマスクの表側の面に絵柄を印刷したり、絵柄が付された粘着シートを台紙から剥がしてマスクの表側の面に貼着すること(例えば特許文献1、2、3)が行われていた。
【0003】
かかる装飾が施されたマスクは、使用後にこれを廃棄する際は、付されていた装飾も同時に廃棄されることとなり、該装飾を再使用できず不経済であった。そこでマスクの機能を損なうことなく装飾を再使用可能とするマスク用の装飾品として特許文献4が開示するマスク用装飾品が提供されている。
【0004】
該マスク用装飾品は、樹脂製の凸係合部と樹脂製の嵌入係合部と、樹脂製の装飾片とを備える。そして、マスク本体部の表面に該凸係合部の凸部を押し当てた状態で、該マスク本体部の裏面側で嵌入係合部を押し当て、該凸部をマスク本体部と共に該嵌入係合部の孔部に嵌め込むことにより、該凸係合部と該嵌入係合部とをマスク本体部に取着するように構成されていた。
【0005】
一方、マスク用装飾品をマスクから取り外す場合は、前記マスク本体部の裏面において前記嵌入係合部の周端部に指先又は爪をかけて引っ張る。これにより、該凸係合部と該嵌入係合部との係合状態が解除され、マスク用装飾品がマスクから取り外されるものであった。そのため、使用後のマスクを廃棄するときには、マスクからマスク用装飾品を取り外してマスクだけを処分することができるので、マスク用装飾品は再使用可能であった。
【0006】
しかしながら該マスク用装飾品によるときは、前記マスク本体部の裏面側で嵌入係合部を押し当て、前記凸部を前記マスク本体部と共に前記孔部に嵌め込むことにより、前記凸係合部と前記嵌入係合部とを前記マスク本体部に取着しなければならないという、小さな部品を取り扱わなければならない煩瑣な作業を強いられる問題があり、又、小さな部品は使用中に変形したり折損し易い等、損傷されやすい問題があった。
【0007】
又、前記マスク用装飾品をマスクに取り付けた状態では、前記凸部が、マスク本体部をその内側に凸状に突出させるため、マスク本体部に対する前記マスク用装飾品の取り付け位置によっては、マスク本体部の内側に凸状に突出した部分が顔面に当たって違和感を感じさせる問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3121584号公報
【特許文献2】実用新案登録第3165173号公報
【特許文献3】実用新案登録第3088052号公報
【特許文献4】実用新案登録第3228464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、不織布製のマスク等としての前記不織布製品に対する着脱を簡易且つ確実に行うことができると共に、再使用できる経済性を有する不織布製品用の装飾体の提供を課題とするものである。又、該不織布製品用の装飾体の該不織布製品に対する取り付け部となる雄型係合片の損傷を極力生じさせることなくミシン縫製を可能とする不織布製品用の装飾体の製造方法の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係る不織布製品用の装飾体の第1の態様は、不織布を用いて構成された不織布製品の不織布面部に着脱可能に固定されるものであり、装飾片の裏面部に雄型面状ファスナが止着されている。該雄型面状ファスナは、前記不織布面部の不織布の繊維に絡んで係合状態となり得る雄型係合片が基片の一面部に密集状態に配置されている。そして、該基片の、該一面部と対向する他面部の全面が接着剤を介して前記裏面部に接着され、且つ該基片が、該接着された部分において前記装飾片に部分的に縫着されることによって、前記雄型面状ファスナが前記装飾片の裏面部に止着されていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係る不織布製品用の装飾体の第2の態様は、前記第1の態様において、前記縫着が、前記基片に線状及び/又は点状に施されていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る不織布製品用の装飾体の第3の態様は、前記第1の態様において、前記縫着が、前記基片の対向する外側縁部分に、該外側縁に沿う全長又は一部分で施されていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明に係る不織布製品用の装飾体の第4の態様は、前記第1の態様において、前記縫着が、前記基片に散点状に施されていることを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係る不織布製品用の装飾体の第5の態様は、前記第1の態様において、前記縫着が、前記基片の中央部でのみ点状に施されていることを特徴とするものである。
【0015】
本発明に係る不織布製品用の装飾体の第6の態様は、前記第1~5の態様の何れかにおいて、前記装飾片はレース生地を用いて形成されており、前記縫着は該レース生地の柄模様部分で施されていることを特徴とするものである。
【0016】
本発明に係る不織布製品用の装飾体の第7の態様は、前記第1~6の態様の何れかにおいて、前記不織布製品は不織布製のマスクであり、該マスクの表側の前記不織布面部に着脱可能に固定されるものであることを特徴とするものである。
【0017】
本発明に係る不織布製品用の装飾体の製造方法は、第1の態様に係る不織布製品用の装飾体を製造する製造方法であって、前記基片を前記装飾片に部分的に縫着する縫製をミシンで行う場合、該縫製を、前記装飾片の表面部から前記裏面部に向けて針落ちさせて行うことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る不織布製品用の装飾体によるときは、前記不織布製品に対する着脱を簡易且つ確実に行うことができると共に、再使用できる経済性を有する不織布製品用の装飾体を提供できる。又、該不織布製品用の装飾体の該不織布製品に対する取り付け部となる雄型係合片の損傷を極力生じさせることのなくミシン縫製を可能とする織布製品用の装飾体の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る不織布製品用の装飾体を不織布製のマスクに着脱可能に取り付けた状態を示す正面図である。
【
図5】装飾体を不織布製品の不織布面部に着脱可能に取り付けた状態を説明する断面図である。
【
図6】装飾片に対する雄型面状ファスナの縫着位置を例示する説明図である。
【
図7】装飾体をマスクに取り付けた状態の他の態様を説明する説明図である。
【
図8】装飾体をマスクに取り付けた状態のその他の態様を説明する説明図である。
【
図9】装飾体をマスクに取り付けた状態のその他の態様を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0020】
図1~5において本発明に係る不織布製品用の装飾体(以下装飾体ともいう)1は、不織布2を用いて構成された不織布製品3の不織布面部5に着脱可能に固定されるものであって、装飾片6の裏面部7に雄型面状ファスナ9が止着されてなる。
【0021】
該雄型面状ファスナ9は、
図5に示すように、前記不織布製品3の前記不織布面部5の不織布の繊維10に絡んで係合状態となり得る雄型係合片11が基片12の一面部13に密集状態に配置されている。そして、該一面部13と対向する該基片12の他面部15の全面が接着剤16を介して前記装飾片6の前記裏面部7に接着され、且つ該基片12が該装飾片6に部分的に縫着17されることによって、前記雄型面状ファスナ9が前記装飾片6の前記裏面部7に止着されている。以下、これを具体的に説明する。
【0022】
前記不織布製品3は、本実施例においては
図1~2に示すように不織布製のマスク19として構成されており、該マスク9は、同図においては、該マスクの19の左右方向に延びる公知のプリーツ32が設けられている。前記装飾体1は、該マスク19の表側の前記不織布面部5の、マスク着用者の欲する所望部位に着脱可能に固定される。該装飾体1は、本実施例においてはレース生地を用いて形成されており、例えば花形形状の前記装飾片6を以て構成されている。そして、該装飾片6の前記裏面部7には
図4~5に示すように、前記雄型面状ファスナ9が止着されている。
【0023】
該雄型面状ファスナ9は、
図4~5に示すように、例えば矩形状を呈する前記基片12の前記一面部13に、前記マスク19の表側の前記不織布面部5の不織布の繊維10に絡んで係合状態となり得る前記雄型係合片11が密集状態に配置されている。該雄型係合片11は、該不織布の繊維10に絡んで係合状態となり得るものであるならば、一般的な鉤型状を呈するものには特定されず、きのこ型等の、該不織布の繊維10に絡み得る係合片からなるものである。
【0024】
前記装飾片6の前記裏面部7に対する前記雄型面状ファスナ9の前記接着は、前記基片12の前記他面部15の全面に前記接着剤16を塗布した後、該塗布された面20を前記装飾片6の前記裏面部7の所要部位、例えば前記中央部位21に押し当て、該接着剤16を固化させて行う。
【0025】
前記縫着17は、縫い糸22が前記雄型係合片11に被って該雄型係合片9が不織布の繊維10に絡むことができなくなる不具合を極力生じさせないように部分的に施す。好ましくは、前記基片12に線状及び/又は点状に施すのがよい。ここに、該縫着17が線状を呈する場合の該縫着17の長さは、例えば10~20mmであり、該縫着17が点状を呈する場合の該縫着17の長さは、例えば1~4mmである。
【0026】
図3~5、
図6は、前記部分的な縫着17の一例を示すものである。
図6においては、前記基片12は矩形状に形成され、その長辺は例えば25mmでその短辺は例えば20mmに設定されている。
図6(A)においては、前記縫着17が前記基片12の対向する外側縁部分23,23に、該外側縁24,24に沿う状態で施された場合の一例が示されており、該外側縁24,24に沿って線状に施されている。
図3~4、
図6(B)においては、前記縫着17が該外側縁部分23の一部で施されており、例えば一方の対角位置の両端部分25,25でのみ施されている。
図6(C)においては、前記縫着17が前記基片12に散点状に施されている。
図6(D)においては、前記縫着が前記基片12の中央部でのみ点状に施されている。前記線状を呈する前記縫着17と前記点状を呈する前記縫着17は、適宜に組み合わされることもある。
【0027】
前記基片12を前記装飾片6に縫着する工程は、手縫いによってもミシンによってもよい。該縫着17をミシンで行う場合は、該縫着17を、前記装飾片6の表面部27(
図5)から前記裏面部7(
図5)に向けて針落ちさせて行うのがよい。このように縫着17を行うことにより、縫製時に、ミシンの押さえ金が前記雄型面状ファスナ9の前記雄型係合片11を直接には押圧しないため、該雄型係合片11を損傷させにくい利点がある。該縫着17を、これとは逆に、前記装飾片6の裏面部7から前記表面部27に向けて針落ちさせて行うと、前記押さえ金が前記雄型係合片11を直接に押圧するため、該雄型係合片11が、折れ曲がる等損傷され易い。
【0028】
かかる構成の不織布製品用の装飾体1は、本実施例においては、前記装飾片6がレース生地からなるため、該レース生地の柄模様部分で施されている縫着による前記縫い糸22(前記装飾片6の表面部27に露出する縫い糸端部分22a)は、該柄模様部分に埋没して目立たない。この場合、該縫着17を点状に施すと、該縫着作業の能率化を図ることができ且つ、該縫い糸22(前記縫い糸端部分22a)を一層目立ちにくくできてより好ましい。又、レース生地と同系色の糸を縫い糸22として用いる場合は、該縫い糸22(前記縫い糸端部分22a)を一層目立ちにくくなし得る。
【0029】
次に、前記構成を有する不織布2を用いて構成された前記マスク19の表側の不織布面部(前記不織布製品3の不織布面部の一種)5に前記装飾体1を着脱可能に取り付ける要領を説明する。
図1は、前記装飾体1を前記マスク19の表側の不織布面部5の例えば一側部位30(
図1~2)に取り付けた状態を示している。
【0030】
該装飾体1を該一側部位30(
図2)に固定するには、
図5に示すように、前記雄型係合片11が配置されている前記一面部13を前記一側部位30に向き合わせて当接させ、該装飾体1の表面側で、該一面部13を該一側部位30に向けて指先で押し付け、且つ該押し付け状態で、該雄型係合片11と該一側部位30(不織布面部5)とが擦れるように該装飾体1を数回往復移動Fさせる。
【0031】
これにより、該雄型係合片11が前記一側部位30の不織布の繊維10に絡んで係合状態となって前記装飾体1が前記マスク19に安定的に固定されることとなる。
【0032】
このように装飾体1が取り付けられたマスク19(
図1)は、ファッション性に優れ、おしゃれにマスクを装着できる。又、該装飾体1が取り付けられた状態では、特許文献4におけるようにマスク内側に突出した部分を生じさせるといったことがなく、マスク内側には何らの影響も及ぼさない。
【0033】
又マスク19を廃棄する際は、前記装飾片6の一部分を摘まんで該装飾片6を引き起こせば、前記雄型係合片11と前記不織布の繊維10との係合状態を解除して、前記装飾体1を、これを損傷させることなくマスク19から容易に剥がすことができるため、該装飾体1を繰り返して使用できることとなる。
【0034】
このように装飾体1は再使用できるものであるため、前記装飾片6の裏面部7に対する前記雄型面状ファスナ9の止着は確実なものでなければならない。そこで本発明では、前記のように、接着と縫着の両方の手段を採用して該止着を行うこととしている。
【0035】
もしも、前記装飾片6の裏面部7に対する前記雄型面状ファスナ9の止着を、接着だけで行ったとすれば、前記装飾体1を前記不織布面部5に押し付けた状態で前記雄型係合片11と前記不織布面部5とが擦れる前記往復移動を繰り返したときに、接着部がずれて、前記基片12が前記裏面部7から剥がれ易い。
【0036】
又、前記装飾片6の裏面部7に対する前記雄型面状ファスナ9の止着を縫着だけで行ったとすれば、縫着17されていない部分で前記基片12の縁部分等が前記不織布2から浮いた状態となり易い。その結果、前記装飾体1を前記不織布2に押し付けた状態で、前記雄型係合片11と該不織布面部5とが擦れる前記往復移動をさせても、該不織布面部5の不織布の繊維10に対する前記雄型係合片11の絡み状態が不十分となって前記固定を不安定化させ易い。
【0037】
この場合、該縫着17を前記基片12に細かく施したとすれば前記止着を安定化させることはできるが、前記縫い糸22が前記雄型係合片11の多くに被さった状態となってしまう。その結果、前記不織布の繊維10に絡むことができない前記雄型係合片11を多く生じさせてしまう。又、前記縫着17の縫い糸22の多く(前記縫い糸端部分22aの多く)が前記装飾片6の表面側に露出して該縫い糸が目立つ場合が生ずる。
【0038】
そこで本発明においては、接着手段と縫着手段を併用し、しかも該縫着は部分的に施すこととしている。これによって、繰り返し使用が可能であり、又、必要に応じて洗うことのできる耐久性に優れた不織布製品用の装飾体1を提供できることとなる。
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
(2)前記装飾体1を構成するための前記装飾片6は、縫製が可能な素材からなるものであれば、レース生地等の布製のものには特定されず、樹脂シート製や紙製等であってもよい。又該装飾片6は、平面的なものであっても立体的なものであってもよい。又該装飾片6は、レース生地等のシート片等に適宜の刺繍が施されたりビーズ等の適宜の装飾物が付されたものであってもよく、該シート片等に転写等で印刷が施されたものであってもよい。
(4)前記装飾片6の前記裏面部7に対する前記基片12の縫着部位は、前記不織布面部5に対する該装飾片6の固定状態の安定性も考慮して設定される。又該基片12の形状やそのサイズは、前記止着を行う部分の形状やその面積を考慮して所要に設定される。該基片12が矩形状を呈する場合は、その長辺長さは例えば20~30mm、その短辺長さは例えば5~20mmに設定される。
(6)本発明に係る不織布製品用の装飾体1の用途は、前記したマスクには特定されず、不織布2を用いて構成されてなる、テーブルナプキンや介護用のエプロン、よだれ掛け、帽子等、装飾を施すことが望まれる不織布製品全般を対象にできる。又これらの不織布製品3は、その全体が不織布からなるものには特定されず、該装飾体1を取り付けるための不織布面部5を部分的に備えているものであってもよい。