(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133011
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】仕分けステーション及びそれを備える物品集配システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20230914BHJP
【FI】
B65G1/137 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038665
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000110011
【氏名又は名称】トーヨーカネツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】林 恭矢
(72)【発明者】
【氏名】土屋 匠
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB01
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3F522LL02
3F522LL09
3F522LL10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】物品処理速度を高め、設備、作業、及び、人員の無駄及びコストを削減し、作業員の熟練度によらないミスによる作業効率低下を防止することによって、総合的な生産性を向上すると共に、SKU数の変動にも対応可能な仕分けステーションを備えた物品集配システムを提供する
【解決手段】各間口の両面に作業指示器4045が備えられているラック4041を境として、一方の間口に隣接して所定の注文品の集品が全て完了した集品完了容器3082が供給される空間と、他方の間口に隣接して配送容器3091が供給される空間とを備え、物品集配システム設置面を走行する機能を有すると共に、集品容器を移載する機能を有する無人搬送車が、所定の注文品を供給する集品ステーションを巡回することによって集品が全て完了した集品完了容器3082を、仕分けステーションに供給する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各間口の両面に物品情報に基づいて制御される作業指示器が備えられている一列一段又は一列複数段のラックと、
前記ラックを境として、一方の前記間口に隣接して所定の注文品の集品が全て完了した集品完了容器が供給される空間と、
他方の前記間口に隣接して配送容器が供給される空間と、
を備え、
前記作業指示器に従って、前記集品完了容器及び/又は前記所定の注文品が前記ラックを通過することによって仕分けされる仕分けステーション。
【請求項2】
前記間口に開閉ゲートが付設されていることを特徴とする請求項1に記載の仕分けステーション。
【請求項3】
物品情報に基づいて制御されるシステムであって、物品集配システム設置面を走行する機能を有すると共に、前記集品容器を移載する機能を有する無人搬送車が、前記所定の注文品を供給する集品ステーションを巡回することによって集品が全て完了した前記集品完了容器を、請求項1又は2に記載の仕分けステーションに供給することを特徴とする物品集配システム。
【請求項4】
前記集品ステーションが前記物品集配システム設置面に複数点在していることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の物品集配システム。
【請求項5】
前記無人搬送車が発着し、前記集品容器を空の状態で前記無人搬送車に供給する空集品容器供給ステーションと、
前記集品ステーションと、
前記集品完了容器を積載した前記無人搬送車が発着する集品完了容器引渡しステーションと、
前記仕分けステーションと、
前記仕分けステーションから供給される前記配送容器を集約する段積みステーションと、
をさらに備えていることを特徴とする請求項3又は4に記載の物品集配システム。
【請求項6】
前記空集品容器供給ステーションに、袋掛機が備えられていることを特徴とする請求項5に記載の物品集配システム。
【請求項7】
前記集品ステーションが、
物品情報に基づいた制御システムで稼働する集品ステーションであって、
物品集配システム設置面を走行する機能を有すると共に、集品容器を移載する機能を有する無人搬送車の発着空間と、
前記発着空間と隣接して前記集品容器を所定の間隔で搬送する搬送装置と、
前記搬送装置に隣接した物品格納棚と、
を備え、
前記搬送装置に前記無人搬送車が一時停留して前記搬送装置へ前記集品容器を移載すると共に、前記物品格納棚から停止状態にある前記集品容器に所定の注文品が投入され、前記注文品が収納された前記集品容器を前記無人搬送車が回収することを特徴とする請求項3~6のいずれか一項に記載の物品集配システム。
【請求項8】
前記集品容器に前記注文品が投入される時点で、少なくとも前記注文品が投入される前記集品容器が視認される視野制限フェンスが備えられていることを特徴とする請求項7に記載の物品集配システム。
【請求項9】
前記集品ステーションに、前記集品容器に所定の注文品が投入されたことを確認する表示器及び前記集品容器に所定の注文品が投入されたことを送信する送信部を備えていることを特徴とする請求項7又は8に記載の物品集配システム。
【請求項10】
前記集品ステーションの走行軸にロボットが搭載され、前記ロボットが少なくとも前記物品格納棚から前記集品容器に所定の注文品を投入することを特徴とする請求項7~9のいずれか一項に記載の物品集配システム。
【請求項11】
前記配送容器及び/又は入庫容器の内容物を確認する検査ステーションを備えていることを特徴とする請求項3~10のいずれか一項に記載の物品集配システム。
【請求項12】
前記検査ステーションが、検査装置と開梱ロボットとが連接されていることを特徴とする請求項11に記載の物品集配システム。
【請求項13】
前記検査装置が、X線検査装置であることを特徴とする請求項12に記載の物品集配システム。
【請求項14】
前記物品集配システムと同一敷地内又は同一建屋内に立体自動倉庫が備えられ、前記無人搬送車が、前記同一敷地内又は同一建屋内を走行及び移動することを特徴とする請求項3~13のいずれか一項に記載の物品集配システム。
【請求項15】
前記無人搬送車が、AGV(Automatic Guided Vehicle)、AMR(Autonomous Mobile Robot)、及び、ANR(Autonomous Mobile Robot)の範疇に属する無人搬送車から選択されるいずれか一種以上であることを特徴とする請求項3~14のいずれか一項に記載の物品集配システム。
【請求項16】
前記無人搬送車の自動充電ステーションが備えられていることを特徴とする請求項3~15のいずれか一項に記載の物品集配システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時と共に変化する市場の需要動向に対応する集品ステーション及びそれを備える物品集配システムに関する。特に、出荷件数当たりのSKU(Stock Keeping Unit)数が少ない商品カテゴリーを扱う物流センターおいて、物品処理速度を高め、設備、作業、及び、人員の無駄及びコストを削減し、作業員の熟練度によらないミスによる作業効率低下を防止することによって、総合的な生産性を向上すると共に、SKU数の変動にも対応可能な仕分けステーション及びそれを備えた物品集配システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のスーパーマーケット、ホームセンター、生活協同組合、及び、電子商取引ショップ等では、出荷件数が多い上、出荷件数当たりのSKU数も多い傾向にあったため、これらの物流センター等の仕分け作業では、作業効率向上及び人員削減を図ることが可能であるDPS(Digital Picking System)及びGTP(Goods To Person System)が導入されてきた(非特許文献1及び2)。
【0003】
例えば、DPS10は、空集品容器1011を搬送する集品コンベヤ102を挟むように、注文される物品を保管されるフローラック103と、注文される物品を状況に応じて一時待機させる仮置台104が配置される
図1に示すような設備が用いられ、これらに備えられたピッキング指示器105、オーダー表示器106、及び、投入指示器107等の指示に従って、作業員Pが、フローラック103の物品を、又は、フローラック103から仮置台104に一時待機されている物品を、集品コンベヤ102で次々と搬送されてくる空集品容器1011へ次々に仕分けして、物品収納済み集品容器1012を送出するシステムである(特許文献1及び2)。
【0004】
このDPSでは、上位情報システムに保存されている莫大な物品情報に基づいてコンピュータでプログラミングし制御されることによって、コンベア等の物流機器と機能的に連動するピッキング指示器105、オーダー表示器106、及び、投入指示器107に従って、作業員Pが、集品コンベヤ102で次々と搬送されてくる配送先等に紐づけられた空集品容器1011へ、フローラック103及び仮置台104の物品を次々に投入するだけでよいため、物品の処理速度が高い上、作業員の熟練度によらないミスが防止され、出荷件数及びSKU数が多い物流センター等の作業効率を高めるために導入されてきた。
【0005】
また、GTP20としては、格納棚2031、仮置台2032、リフター2033、(図示されていない)物品搬送車、及び、その搬送車の走行空間2034等から構成される立体自動倉庫203、並びに、その倉庫203に物品を送出入する物品入出庫コンベヤ2051、2052、及び、物品を移載する物品提示コンベヤ2053等から構成される物品搬送コンベヤ205、並びに、これらの物品搬送コンベヤ205に隣接して備えられる、空集品容器2011を各仕分けゾーンに搬送する空集品容器搬送コンベヤ2021、仕分けゾーンに空集品容器2011を供給する空集品容器供給コンベヤ2022、仕分けゾーンで物品が空集品容器2011に投入される物品投入部2023、物品が投入された物品収納済み集品容器2012を搬出する物品収納済み集品容器搬出コンベヤ2024、物品収納済み集品容器2012を次の工程に移動させる物品収納済み集品容器搬送コンベヤ2025等から構成される集品コンベヤ202等、DPSと比較して大規模な設備を要するシステムを例示しているが、基本的には、DPS20同様、立体自動倉庫203から物品搬送コンベヤ205を経由して次々と送出される物品を、集品コンベヤ202から次々と搬送されてくる空集品容器2011へ次々に仕分けして、物品収納済み集品容器2012を送出するシステムである(特許文献3及び4)。
【0006】
これは、GTPの場合、上位情報システムに保存されている莫大な物品情報に基づいてコンピュータでプログラミングし制御される立体自動倉庫203から注文された物品が搬出され、その立体倉庫203と連携されている作業表示器206に従って、作業員Pが、物品提示コンベヤ2053に搬送されてくる物品収納容器204の物品を、空集品容器供給コンベヤ2022から次々と搬送されてくる配送先等に紐づけられた空集品容器2011へ投入するだけでよく、DPSと同等以上の効果を発現することができ、より出荷件数及びSKU数が多い大規模物流センター等の作業効率を高めるために導入されてきた。
【0007】
従って、DPS、更には、GTPの導入によって、これらが開発される前に行われてきた受注伝票やピッキング指示書等から作成、印刷されたピッキングリストに基づいたピッキング業務と比較すれば、出荷件数及びSKU数が多い物流センター等において、作業員の削減、作業能率及び処理速度の向上、誤操作の低減、作業員の研修期間短縮、ペーパーレス化によるコスト削減等、総合的な生産性が飛躍的に改善された。
【0008】
しかしながら、例えば、
図3に示す、スーパーマーケットの2019年~2021年における商品カテゴリー別SKU(Stock Keeping Unit)数増減率(=「前年からSKU数の増加した割合」-「前年からSKU数の減少した割合」)から明らかなように、非食品については、顕著なSKU数の減少が認められる(非特許文献1)。このような市場の需要動向は、スーパーマーケットだけでなく、ホームセンター、生活協同組合、及び、電子商取引ショップ等でも生じており、社会状況や消費者心理等が複雑に絡み合い、時と共に変化し、予測することが困難である。そのため、市場の需要変動に対応可能な集配システムが、常に求められている。
【0009】
特に、出荷件数当たりのSKU数が少ない商品カテゴリーを扱う、又は、出荷件数当たりのSKU数が減少及び変動する傾向にある商品カテゴリーを扱う物流センターにおいて、ピッキングプロセスとして従来のDPSやGTPを適用すると、
図4から明らかなように、例えば、ゾーン3で作業員Pが空集品容器1011に注文された物品を投入した物品収納済み集品容器1012は、出荷当たりのSKU数が多い場合(a)と出荷当たりのSKU数が少ない場合(b)とを比較すれば、3/8に激減しており、作業者Pを通過するだけの未処理集品容器が約60%以上もある。すなわち、作業員Pのピッキングを行う作業時間が短く、無駄な集品容器が多いため、生産性が著しく低下する。従って、従来の市場動向に対しては適切な集配システムであったDTP及びGTPが、最近及び今後の出荷件数及びSKU数が変動する市場の需要動向に対応できる集配システムとは必ずしも言えなくなってきており、新たな集配システムが要請されている。
【0010】
このようなDPS及びGTPが変化する市場の需要動向に対応困難な原因は、集配システムの根幹となる幹線がコンベヤであり、物品及びその収納容器が、予め設置された連続的に連結された搬送路を移動することにあると考えられる。勿論、コンベヤを幹線とする集配システムは、集荷数及びSKU数が多く、扱う物品量の変動が少ない場合には、極めて有効な最適なシステムであることに変わりない。
【0011】
ところで、近年、無人搬送車又は無人搬送ロボットと和訳されているAGV(Automatic Guided Vehicle)、及び、自律走行搬送ロボットと和訳されているAMR(Autonomous Mobile Robot)を集配システムに導入する動きが活発化しつつある(特許文献5及び6、並びに、非特許文献4~8)。両者の差異は、AGVが、レール、磁気テープ、ライン等の何らかの搬送車を誘導し、案内するハードウェアを必要とするが、AMRは、AGVで必要とされる搬送車を誘導し、案内するハードウェアを必要としないことにあると認められるが、近年の目覚ましいシステム制御技術の進展により、両者の区別は不明確となってきている。いずれにしろ、コンベヤとの相違点は、物流センター等の路面上を自由自在に移動可能に制御でき、物品及びその収納容器並びに格納棚等の移載が可能で、不連続的な物品の取り扱いができるという点にある。
【0012】
従って、このようなコンベヤの機構及び機能とは根本的に異なるAGV及びAMRの集配システムへの採用は、作業員の負荷軽減や作業効率向上させると共に、集配システムに組み込み、作業員と物品及びその収納容器の保管棚とに介在し、作業員を補完するロボットとしての役割を担わせ、集配システム全体の生産性向上を図ること等を目的としているものと考えられる。
【0013】
しかしながら、コンベヤを幹線としてきた従来の集配システムに、AGV及びAMRを単純に導入するだけでは、作業員の負担軽減及び作業効率向上を実現し、更には、集配システムの効率改善、AGV及びAMR導入の設備投資回収等の総合的な生産性向上を図ることは、膨大な出荷数及びSKU数を扱う場合を除けば極めて困難であり、AGV及びAMRに適合するハードウェア及びシステムを新たに構築する必要があることが分かってきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2000-1203号公報
【特許文献2】特開2005-247554号公報
【特許文献3】特開2018-8775号公報
【特許文献4】特開2019-172446号公報
【特許文献5】特表2018-502388号公報
【特許文献6】特表2018-513817号公報
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】株式会社タカハタ電子,「デジタルピッキングシステムの5つの導入効果!」,[on line],[2022年1月6日検索],インターネット<https://www.takahata-denshi.co.jp/trivia/2538/>
【非特許文献2】株式会社ナノシード,「GTP(Goods to person)」,[on line],[2022年1月6日検索],インターネット<https://nanoxeed.co.jp/application/gtp/?gclid=CjOKCQiAieWOBhCYARIsANcOw0xitHDNHjze6JT6lap-POzK4J3QN6XDhnFTdFZ3bp6Ak6oUxg7eKWAaAvmtEALw_wcB>
【非特許文献3】一般社団法人全国スーパーマーケット協会,一般社団法人日本スーパーマーケット協会,及び,オール日本スーパーマーケット協会,「2021年スーパーマーケット年次統計調査報告書」,第一版,2021年10月19日,[on line],[2022年1月6日検索],インターネット<URL:http://www.super.or.jp/wp-content/uploads/2021/10/2021nenji-tokei1.pdf>
【非特許文献4】株式会社関通,「AGV(無人搬送車)とは|物流で使われるロボットの重要性やそのメリット」,[on line],[2022年1月6日検索],インターネット<https://www.kantsu.com/case/2019-10-11/>
【非特許文献5】株式会社関通,「AMR(自律走行搬送ロボット)とは|物流でのAGVとの違いや運用や重要性」,[on line],[2022年1月6日検索],インターネット<https://www.kantsu.com/case/amr(自律走行搬送ロボット)とは|agvとの違いや運/>
【非特許文献6】Zhejiang LiBiao Robot Co.,Ltd,「Sorting robots」,[on line],[2022年1月21日検索],インターネット<http://libiaorobot.com/en/product>
【非特許文献7】物流倉庫プランナーズ,「(AMR)自動自律走行型搬送ロボットОTTO」,[on line],[2022年1月21日検索],インターネット<https://lplanners.jp/products/otto/>
【非特許文献8】物流倉庫プランナーズ,「協働型自律搬送ロボットAMR ForwardX」,[on line],[2022年1月21日検索],インターネット<https://lplanners.jp/products/forwardx-amr/>
【非特許文献9】株式会社マクニカ,「SLAM(スラム)とは?」,[on line],[2022年1月21日検索],インターネット<https://www.macnica.co.jp/business/maas/colums/134751/>
【非特許文献10】THK株式会社,「THKのピッキングロボットハンドシステム(PS)が、鴻池運輸株式会社様の「鴻池技術研究所イノベーションセンター」で実験導入されました」,2021年3月3日,[on line],[2022年1月21日検索],インターネット<https://www.thk.com/?q=jp/node/21661>
【非特許文献11】株式会社エスアンドエフ,「GUDEL-グーデル ロボット走行軸TMF~垂直多関節ロボットの走行軸モジュールTMF~」,[online],[2022年1月21日検索],インターネット<https://www.sandfinc.co.jp/gudel/5537.html>
【非特許文献12】森田幹,「空港手荷物用X線検査装置 IXI100/140 シリーズ」,IIC Review,36号,pp.59-62,2006年10月,[on line],[2022年1月21日検索],インターネット<https://www.iic-hq.co.jp/library/pdf/036_11.pdf>
【非特許文献13】株式会社なんつね,「ABOT M1」,[on line],[2022年1月29日検索],インターネット<file:///C:/Users/Owner/Downloads/210929_rev13_ABOT-M1.pdf>
【非特許文献14】株式会社安川電機,「より使いやすく!より身近な領域へのロボット展開!-新世代双腕形ロボットを活用した自動開梱システムを開発-」,2011年5月18日,[on line],[2022年1月21日検索],インターネット<https://www.yaskawa.co.jp/newsrelease/product/5906>
【非特許文献15】物流倉庫プランナーズ,「自動追従機能搭載物流支援ロボットCarriRо」,[on line],[2022年1月21日検索],インターネット<https://lplanners.jp/products/carriro/>
【非特許文献16】トーヨーカネツ株式会社,「マルチシャトル」,[on line],[2022年1月25日検索],インターネット<https://www.tksl.co.jp/products-info/Keeping-sys/mshuttle.html>
【非特許文献17】トーヨーカネツ株式会社,「マルチシャトルAutоStоre」,[on line],[2022年1月25日検索],インターネット<https://www.tksl.co.jp/products-info/keeping-sys/autostore.html>
【非特許文献18】物流倉庫プランナーズ,「自動棚搬送ロボットGeeK+EVE」,[on line],[2022年1月21日検索],インターネット<https://lplanners.jp/products/eve/>
【非特許文献19】シーオス株式会社,「第13回 国際物流総合展2018 に出展しました~SEAOS Rоbоtics Lоgiler」,[on line],[2022年1月21日検索],インターネット<https://www.seaos.co.jp/press/exhibition2018.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
背景技術で説明したように、多量の出荷数及びSKU数を扱う集配システムではその生産性に効果的であったDPSやGTPが、変化する市場の需要動向、特に、出荷件数当たりのSKU数の減少又は変動に必ずしも適したシステムではないため、新たなシステムの構築の必要性に迫られている。また一方では、集配システムの幹線として存在してきたコンベヤに代わり、物流センター等の路面上を自由自在に移動可能に制御でき、物品及びその収納容器並びに格納棚等の移載が可能で、不連続的な物品の取り扱いができる、機構及び機能共にコンベヤとは全く相違するAGV及びAMRの集配システムへの導入が積極的に進められつつある。
【0017】
しかしながら、AGV及びAMRの集配システムへの適用を検討した結果、これらを従来の集配システムに単純に導入するだけでは、作業員の負担軽減及び作業効率向上を実現し、更には、集配システムの効率改善、AGV及びAMR導入の設備投資回収等の総合的な生産性向上を図ることは、膨大な出荷数及びSKU数を扱う場合を除けば極めて困難であることが分かった。特に、多量の出荷数及びSKU数を扱う集配システムではその生産性に効果的であったDPSやGTPにとって代わり、出荷件数当たりのSKU数の減少又は変動する市場の需要動向に対応可能な新たなシステムにAGV及びAMRを適用する場合、作業員の負担軽減及び作業効率向上、並びに、集配システムの効率改善及びAGV及びAMR導入の設備投資回収等の総合的な生産性向上を実現するためには、作業員の作業内容及び配置、並びに、AGV及びAMRに適合するハードウェア及びシステムを新たに構築する必要があることが分かってきた。
【0018】
そこで、本発明は、出荷件数当たりのSKU数の減少又は変動する市場の需要動向に対応可能な新たな物品集配システムを、物品集配システムの幹線として、従来のコンベヤに代わり、AGV及びAMR等の無人搬送車を適用して構築することを目的としている。より具体的には、AGV及びAMRを導入することによって、作業員の負担軽減及び作業効率向上を実現すると共に、限られた数量のAGV及びAMRの効率的な稼働により、物品集配システムの効率改善、AGV及びAMR導入の設備投資回収等の総合的な生産性向上を図ることが可能となる、作業員とAGV及びAMRとに介在して、物品又はその収納容器が効率良く正確に移載される仕分けステーション及びそれが組み込まれた新たな物品集配システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明者は、無人搬送車をコンベヤの代替えとして使用し、無人搬送車に積載されている集品容器への注文品の投入が完了した集品完了容器の仕分けの最適化を検討した結果、各間口の両面に作業指示器が備えられている一列一段又は一列複数段のラックに、集品完了容器の注文品を通過させることによって仕分け可能な仕分け手段が、無人搬送車が集品した注文品を効率的に仕分けして配送することができることを見出した。更に、この仕分け手段に、無人搬送車が効率よく注文品を集品できる手段、無人搬送車が集品を完了した注文品を配送するための適切な手段、配送容器の内容物を確認する手段、注文される物品の保管手段及びその物品の搬送手段等を配設することによって、出荷件数当たりのSKU数の減少又は変動する市場の需要動向に対応可能な新たな物品集配システムを構設できることを見出し、本発明の完成に至った。
【0020】
すなわち、本発明は、各間口の両面に物品情報に基づいて制御される作業指示器が備えられている一列一段又は一列複数段のラックと、このラックを境として、一方の間口に隣接して所定の注文品の集品が全て完了した集品完了容器が供給される空間と、他方の間口に隣接して配送容器が供給される空間とを備え、前記作業指示器に従って、集品完了容器及び/又は所定の注文品が一列一段又は一列複数段のラックを通過することによって仕分けされる仕分けステーションである。更に、このラックの各間口に開閉ゲートが付設されていることが誤操作を防止するために好ましい。この作業指示器を制御する物品情報に基づいた制御システムは、一般的に行われている、中央情報システムの下位に備えられた各種データ管理コンピュータ及び各種データ制御コンピュータを用い、膨大な商品情報から所定のプログラムに基づいて動作される制御システムであり、以下同様である。
【0021】
この仕分けステーションに供給される集品完了容器への注文品の集品手段は特に限定されるものではなく、この仕分けステーションを導入するどのようなDPSやGTP等の物品集配システムにおいても、出荷件数当たりのSKU数の減少又は変動する市場の需要動向に対応可能な効率的な仕分け手段として提供することができる。
【0022】
特に、より生産性の高い物品集配システムを構築するためには、少なくとも、物品情報基づいて制御されるシステムであって、物品集配システム設置面を走行する機能を有すると共に、集品容器を移載する機能を有する無人搬送車が、所定の注文品を供給する集品ステーションを巡回することによって集品が全て完了させる無人搬送車を利用した手段が好ましい。従って、本発明の物品集配システムの一態様としては、上記集品ステーションを巡回した無人搬送車が積載している集品完了容器を、上記仕分けステーションに供給することを特徴とする物品集配システムを提供することができる。
【0023】
このような本発明の物品集配システムは、仕分けステーションが、配送先及び配送順等の順立てを含む仕分けが簡単に行われるので、無人搬送車は、所定の注文品を保管している集品ステーションだけを巡回すればよく、無人搬送車の走行距離及び時間が少なく、空の集品容器が搬送されることのない集品工程となるため、出荷件数当たりのSKU数の減少又は変動する市場の需要動向に対応可能な効率的な物品の集配が可能となる。
【0024】
また、本発明の仕分けステーションと集品ステーションとが連携される物品集配システムは、各種物流センターで必要とされる空の集品容器の供給工程、集品が完了した所定の注文品の梱包工程、梱包された配送容器の配送工程等、各種物流センター特有の各種工程と連設されることができ、特に限定されるものではない。
【0025】
しかし、本発明の上記物品集配システムは、無人搬送車が発着し、集品容器を空の状態で無人搬送車に供給する空集品容器供給ステーションと、無人搬送車が所定の集品ステーションを巡回し、所定の注文品の集品が全て完了した集品完了容器を積載した無人搬送車が発着する集品完了容器引渡しステーションと、仕分けステーションから供給される配送容器を集約する段積みステーションを備えていることが、効率的な物品の集配を行う上でより好ましい。
【0026】
すなわち、本発明の物品集配システムの一態様として、搬送車が発着し、前記集品容器を空の状態で無人搬送車に供給する空集品容器供給ステーションと、上記集品ステーションと、集品完了容器を積載した無人搬送車が発着する集品完了容器引渡しステーションと、上記仕分けステーションと、上記仕分けステーションから供給される配送容器を集約する段積みステーションとを備えていることを特徴とする物品集配システムを提供することができる。
【0027】
更に、これらの各ステーションは、本発明の物品集配システムを効率的に機能させ、生産性の高いシステムとするためには、下記のように構成されることが好ましい。
【0028】
空集品容器供給ステーションには、袋掛機が備えられていることが好ましい。袋掛け機能を付与することによって、冷蔵や冷凍が必要な物品、特に、食料品等のような濡れた物品の集配も行える幅広い物品集配システムを構築することができるためである。
【0029】
この機能は、袋掛機が空集品容器の搬送経路に併設又は列設されることによって具現化できる。空集品容器の搬送経路に袋掛機を併設する場合には、濡れた物品を扱わない空集品容器を袋掛機に分岐搬送させることなく、濡れた物品を扱う空集品容器を袋掛機に分岐搬送させればよい。空集品容器の搬送経路に袋掛機を列設する場合には、濡れた物品を扱わない空集品容器に袋掛機を作動させることなく、濡れた物品を扱う空集品容器に袋掛機を作動させればよい。
【0030】
特に、集品ステーションは、本発明の仕分けステーションとの連携上重要な役割を担っており、物品情報に基づいた制御システムで稼働する集品ステーションであって、物品集配システム設置面を走行する機能を有すると共に、集品容器を移載する機能を有する無人搬送車の発着空間と、この発着空間と隣接して集品容器を所定の間隔で搬送する搬送装置と、この搬送装置に隣接した物品格納棚とを備え、搬送装置に無人搬送車が一時停留して搬送装置へ集品容器を移載すると共に、物品格納棚から停止状態にある集品容器に所定の注文品が投入され、こうして注文品が収納された集品容器を無人搬送車が回収することを特徴とする集品ステーションである。また、搬送装置は、無人搬送車の発着空間と、無人搬送車が発着空間に一時停留している際に、無人搬送車が搬送してきた集品容器を所定の時間又は距離の間隔で間欠的に移動する搬送装置であることが好ましい。
【0031】
この集品ステーションに適合する無人搬送車は、物品集配システム設置面を走行する機能を有すると共に、集品容器を移載する機能を有する無人搬送車であれば特に限定されないが、無人搬送車と和訳されるAGV(Automatic Guided Vehicle)や、自律走行搬送ロボットと和訳されるAMR(Autonomous Mobile Robot)が好ましいが、一般的には、レールや磁気テープ等のガイドで移動経路が定められるAGVよりも、操作端末等が搭載され、物品集配システム設置面を自由自在に自律走行可能なAMRの方が好ましい。しかし、技術的進歩に伴い、実際上、このような無人搬送車の移動様式によって分類することは難しくなっており、物品情報に基づいて制御され走行し、物品又は物品を収納した棚等を移載可能な無人搬送車であれば限定されるものではなく、AGVやAMRの範疇に属する無人搬送車であれば特に限定されるものではない。例えば、人工知能(AI、Artificial Intelligence)の有無にかかわらず、無人搬送車自体が、自車両の位置特定と地図作成を同時に行うためのLiDARセンサー(Laser Imaging Detection and Ranging)、HD(High Definition)カメラ、TоF(Time of Flight)カメラ、及び、これらの組合せ等のセンサー及び/又はカメラを用いるSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を適用した、ロボットも含めた移載機能を有する無人搬送車であってもよい(非特許文献9)。このような高度に発達した無人搬送車は、本出願人が既に提案しているANR(Autonomous Navigation Robot)、自律測位移動搬送ロボットと呼称する無人搬送車の範疇に入るものである。
【0032】
一方、集品ステーションの発着空間は、無人搬送車の到着と出発とが異なる空間でも、同一空間であってもよい。無人搬送車の到着と出発が異なる空間の場合、それに隣接して配備される集品容器を所定の時間又は距離の間隔で間欠的に移動する搬送装置は、コの字状、半円形状等のコンベヤシステムであることが好ましく、ストレートコンベヤ又はカーブコンベヤのベルトコンベヤ又はローラコンベヤで構成され、駆動方式や材質は特に問われないが、集品容器が停止する時点で、物品格納棚から集品容器に所定の注文品が投入されるように、水平分岐コンベヤ、カーブコンベヤ、アキュムレーションコンベヤ、プレート式サークルコンベヤ等を要所に配置している搬送装置であることが好ましい。これらのコンベヤの長さ及び幅等の形状は、後述する物品集配システムの目的や構成、取扱う物品等から適宜決定されるものであるが、可動式にしてもよい。一方、到着と出発が同一空間の場合、直線状、閉曲線状等のコンベヤシステムであることが好ましく、ストレートコンベヤ又はカーブコンベヤのベルトコンベヤ又はローラコンベヤで構成され、駆動方式や材質は特に問われないが、集品容器が停止する時点で、物品格納棚から集品容器に所定の注文品が投入されるように、水平分岐コンベヤ、カーブコンベヤ、アキュムレーションコンベヤ、正逆運転可能コンベヤ、プレート式サークルコンベヤ等を要所に配置している搬送装置であることが好ましい。このような集品容器を所定の時間又は距離の間隔で間欠的に移動する搬送装置は、構造的な観点からは、直線状の正逆運転可能コンベヤが最も簡単になるが、無人搬送車が供給する空の集品容器に注文品を投入した物品収納済み集品容器を、無人搬送車が回収する必要があり、処理速度が遅くなるので、コンベヤの長さ及び幅等の形状同様、後述する物品集配システムの目的や構成、取扱う物品等から適宜決定されるものである。
【0033】
更に、このような集品ステーションにおける操作に集中し、誤操作を防止することを主たる目的として、集品容器に所定の注文品が投入される時点で、少なくともこの注文品が投入される集品容器が視認される視野制限フェンスが備えられていることが好ましい。特に、この視野制限フェンスは、物品格納棚から集品容器に所定の注文品を作業員が投入する際、すなわち、集品容器が停止する時点で、人間工学的観点から、人間が最も集中できる中央にだけ注文品を投入すべき集品容器が視認されるように、視野が制限されるフェンスが、上記間欠的に移動する搬送装置に沿った所定の位置に定設されることが好ましい。
【0034】
また、集品ステーションにおける誤操作を防止するために、集品容器に所定の注文品が投入されたことを確認する表示器及び集品容器に所定の注文品が投入されたことを送信する送信部を備えていることが好ましい。この表示器は、集品容器が停止する位置の正面の眼の位置の高さに備えられ、投入数量や投入品目等が認識できることが好ましい。また、この送信部は、スイッチであれば特に限定されないが、作業員の手動操作を物品投入にのみ集中させるため、フットスイッチとして床面に配置することが好ましい。
【0035】
このように、本発明の集品ステーションは、従来のDPSやGTPのように、連続的に移動する集品容器に物品格納棚からピッキングされる所定の注文品を投入するのではなく、所定の時間又は距離の間隔で間欠的に移動する搬送装置によって搬送されて一時停止する集品容器に物品格納棚からピッキングされる所定の注文品を投入する、定点停止投入であることに特徴がある。そして、これは、所定の注文品を収納する集品容器が、従来のDPSやGTPのようなコンベヤによる連続的搬送ではなく、集品ステーションに一時停留することができるという無人搬送車による断続的搬送において合理性及び適合性を有しているのである。コンベヤ搬送においても、定点停止投入は可能であるが、コンベヤに係る動作が全て停止するという問題が生じるため、全体的な処理速度を大きく低下させる原因となる。
【0036】
しかも、定点停止投入によって、作業員の誤操作を低減できる効果を奏するだけでなく、作業員に代わり、走行軸にロボットを搭載することが容易となる。このロボットは、誤操作のないピンキング行うことを目的とするものであり、特に、比較的形状の小さい物品を扱うことができるピースピッキングロボット(Piece-Picking Robot、PPR)に代表されるアームユニット、ハンドユニット、カメラを備えたロボットを走行軸に搭載することが好ましい。しかし、作業員の業務はピッキングだけではないので、必要に応じた業務が可能なロボットで、作業員一人に対して一台のロボットで代替することが好ましいが、作業員一人に対して複数台備えてもよい。
【0037】
このような集品ステーションは、集品容器をコンベヤで搬送するDPSやDTPにおけるピッキングステーションに相当し、コンベヤの代替えとして使用する無人搬送車にとって合理性及び適合性を有するものであり、例えば、各種物流センター等における物品集配システムにおいては、集品ステーションがこの物品集配システム設置面に複数点在し、無人搬送車が集品ステーションを巡回できる物品集配システムを構成することが好ましい。
【0038】
そして、集品ステーションが配設される場所は、同一階上及び同一床上であることが好ましいが、同一階上及び同一床面上である必要はなく、階上及び階下を連通するリフター、鉛直型段差解消機や斜行型段差解消機等のリフター、及び、スロープ等を備えることによって無人配送車の移動が可能である場所であれば限定されるものではない。
【0039】
以上の、空集品容器供給ステーション、集品ステーション、集品完了容器引渡しステーション、仕分けステーション、及び、段積みステーションを備えていることを特徴とする本発明の物品集配システムは、次のように作動される。まず、空集品容器供給ステーションでは、後述する集品完了集品容器の所定の注文品全てを仕分けステーションに移載した空集品容器が供給されて無人搬送車に積載される。この供給経路に直列又は並列に袋掛機が配設され、必要に応じ、袋掛けされた空集品容器が無人搬送車に積載される。以後の動作は、集品容器の袋の有無に関わりないため、袋掛けされていない集品容器を用いて説明する。次いで、空集品容器を積載した無人搬送車は、所定の注文品が保管されている格納棚を備えている集品ステーションを巡回し、集品が完了すると、集品完了容器引渡しステーションに集品が完了した集品完了容器を積載した無人搬送車が到着し、この集品完了容器が仕分けステーションに供給される。この集品完了容器は、そのまま仕分けステーションに供給されてもよいが、更に別の容器に梱包し直した注文品の集品完了容器として供給されてもよく、別の容器に梱包し直した注文品だけを移載してもよい。空になった集品容器は、上述したように、空集品容器供給ステーションに供給されて無人搬送車に積載される。一方、仕分けステーションに供給された集品完了容器の所定の注文品又は別の容器に梱包された所定の注文品は、仕分けステーションの仕分けラックを通過することによって仕分けされ、配送容器に投入される。特に、配送スケジュールに従って順立てされることが好ましい。そして、例えば、順立てされた配送容器は、段積みステーションに供給され、配送先等に集約されて配送される。
【0040】
このような本発明の物品集配システムは、特に、無人搬送車による物品集配に適合した集品ステーション及び仕分けステーションに設計されており、所定の注文品だけを保管している集品ステーションを巡回する上、仕分けステーションの仕分けラックを通過するだけで更に仕分けが行われ、仕分けされた空集品容器が無人搬送車に回収されるため、DPSやGTPの連続的コンベヤ搬送のように、物品集配システム作動中に扱われることがない集品容器が一つもなく、無人搬送車の台数を最低限に抑制することができるので、無駄のなく、極めて生産性に優れている。そのため、出荷件数当たりのSKU数の減少又は変動する市場の需要動向に対応可能な新たな物品集配システムとして提供することができる。
【0041】
ところで、一般的に、入出荷時には、誤入荷及び誤出荷を防止するための入出荷時検品が行われている。検品工程に回され、在庫管理システム(WMS、Warehouse Management System)を利用したハンディターミナル等を用いたバーコードスキャンで、開梱後及び梱包前の商品・伝票・数量の一致が確認されているが、梱包されている容器内に入集荷品以外の異物や危険物が混入されていないかという検査工程は存在しなかった。しかし、特に、入荷時の容器内に混入されている異物や危険物は、火薬類の場合には、倉庫、物流センター等の建造物、物品、及び、従業員の安全・安心を損ねるものであり、電子機器類の場合には、高度に張り巡らされた制御システムを破壊するため、本発明の物品集配システムでは、梱包された配送容器及び/又は入庫時の入庫容器の内容物を確認する検査ステーションを導入したことを特徴としている。
【0042】
検査ステーションは、検査装置と開梱ロボットとが連接されており、物品集配システムにオフライン又はインラインで導入することによって具現化される。検査装置としては、X線検査装置が好ましく、空港の手荷物検査等で活用されているX線検査装置をそのまま活用することができ、開梱ロボットは、容器、特に、段ボールを開梱し、内容物を取り出すことができる、アームユニット及びハンドユニットを少なくとも備えたロボットであればよい。
【0043】
更に、本発明の物品集配システムは、上記物品集配システムと同一敷地内又は同一建屋内に倉庫が付設され、無人搬送車が、この同一敷地内又は同一建屋内を走行及び移動する物品集配システムとすることが好ましい。この倉庫は、本発明の集品ステーションの物品格納棚で不足した物品を補給するためのものであり、無人搬送車に物品又は物品を収納した棚を積載して倉庫と集品ステーションを行き交うことができるように設計されているものであれば、特に限定されるものではない。無人搬送車への物品又は物品を収納した棚等の移載を考慮すれば、スタッカークレーンや走行車等を備えた立体自動倉庫であることが好ましい。
【0044】
そして、本発明の物品集配システムに適した無人搬送車は、既に集品ステーションで説明した無人搬送車を用いることが好ましいのであるが、各ステーション間の集品容器の移動に適した異なる種類の無人搬送車を利用してもよい。特に、物品集配システムに倉庫が付設されている場合には、倉庫-集品ステーション間の物品搬送に適した各ステーション間とは異なる無人搬送車を適用することが好ましい。
【0045】
ただし、無人搬送車の動力源の定期的な充電を効率よく行うことは、本発明の物品集配システムを円滑に作動させるために不可欠であるため、自動充電ステーションが、物品集配システム内で、無人搬送車の移動経路に近接して配備されていることが好ましい。充電方式は、一般的に、接触充電システム(コンダクティブ充電)、非接触充電システム(インダクティブ充電、ワイヤレス給電)、電池交換等があるが、簡単な構造と低コストで実用化が容易な接触充電システムで、ピンとスリーブで結合するピンスリーブ方式や、電気のリレー接点のように突き当てて接触させるバット方式等の実用化されている接触充電システムが好ましく用いられる。また、非接触充電システムの電磁誘導方式及び電界結合方式、並びに、ある程度の距離を介して充電が可能な磁界共鳴方式及び電波受信方式のいずれもより好ましく適用可能である。特に、電磁誘導方式及び電界結合方式の送電部を無人搬送車の走行面に設置することが効率的でより更に好ましい。
【発明の効果】
【0046】
本発明の仕分けステーションは、注文品を集約した集品完了容器の注文品が、間口の両面に作業指示器が備えられている一列一段又は一列複数段のラックを通過するだけで、順立て等の仕分けが行われて、注文品が配送容器に収納されるので、極めて効率的である。特に、集品容器の移動経路が固定されているコンベヤ上を連続的に移動し停止することのない集品容器にピッキングされた所定の注文品が投入されるDPSやGTPと異なり、コンベヤの代替えとして無人搬送車を使用し、自由自在に選択可能な移動経路に基づいて集品容器を巡回させ、断続的に移動し停止する集品容器にピッキングされた所定の注文品が定点停止投入されて、注文品が収納された集品容器を無人搬送車が回収することを集品の幹線とするシステムの連携によって、取り扱われることのない集品容器がなく、必要最低限の無人搬送車で集品可能であるため、プロセス的及び設備的に無駄のない、生産性が高い物品集配システムであり、出荷件数当たりのSKU数の減少又は変動する市場の需要動向に対応可能な新たな物品集配システムを提供することができる。
【0047】
更に、集品ステーションの特徴である定点停止投入は、作業員をロボットに置き換えることができ、更に自動化率を高めることができる。
【0048】
また、検査ステーションの設置により、安全・安心な物品集配システムの運営ができ、配送先の安全・安心も獲得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】代表的なDPS(Digital Picking System、デジタル・ピッキング・システム)の概要を示す模式図である(特許文献1及び2、並びに、非特許文献2)。
【
図2】代表的なGTP(Goods To Person System、グッズ・トゥ・パースン・システム)の概要を示す模式図である(特許文献3及び4、並びに、非特許文献3)。
【
図3】スーパーマーケットにおける商品カテゴリー別SKU(Stock Keeping Unit)数増減率(=「前年からSKU数の増加した割合」-「前年からSKU数の減少した割合」)の2019年~2021年の推移を示す図である。
【
図4】市場の需要動向の変化に伴うDPSの課題を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る、袋掛けされた空集品容器を積載したAMRが、定点停止投入装置及び物品を保管しているフローラック等を含む集品ステーションを巡回して所定の注文品を全て空集品容器に収納した後、所定の注文品を全て順立て工程に移載した空集品容器を積載して袋掛機に移動する一方、所定の注文品は、全て順立てラックを経由して配送容器に順立てされて収納された後、段積みされる物品集配システムの概要を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る、
図5に示す物品集配システムの具体的構成を示す立体模式図である。
【
図8】
図6及び7に示す順立てステーションで行われる操作の全容を示す、集品容器側から視た拡大斜視模式図である。
【
図9】
図8に示す順立てステーションの集品容器側で行われる操作を示す集品容器側から視た斜視模式図である。
【
図10】
図8に示す順立てステーションの順立てラックで行われる順立ての仕組みを示す集品容器側から視た斜視模式図である。
【
図11】
図8に示す順立てステーションの配送容器側で行われる操作を分かり易くするために、配送容器の供給経路を省略した配送容器側から視た斜視模式図である。
【
図12】
図8に示す順立てステーションの配送容器側で行われる操作を示す配送容器側から視た斜視模式図である。
【
図13】
図8~12に示す順立てステーションで行われる操作を説明する概念図である。
【
図14】
図8~12に示す順立てステーションの順立てラックの仕組みを説明する概念図である。
【
図15】
図8~12に示す順立てステーションの順立てラックに付設される誤操作を防止するための開閉ゲートを示す斜視模式図である。
【
図16】
図6及び7に示す空集品容器供給ステーションの拡大斜視模式図である。
【
図18】本発明の一実施形態に係る、集品ステーションの具体的構成を示す斜視模式図である。
【
図19】
図19に示す集品ステーションを、AMR走行領域から視た正面模式図である。
【
図20】本発明の一実施形態に係る集品ステーションの特徴を、DPSと比較して表現した概念図である。
【
図21】誤操作を防止するための投入完了を送信するフットスイッチを付設した、
図19及び20に示す集品ステーションのフローラック側から視た背面模式図である。
【
図22】誤操作を防止するためのフットスイッチ、視野制限フェンス、及び、オーダー表示器を付設した、
図19及び20に示す集品ステーションのフローラック側から視た背面模式図である。
【
図23】本発明の一実施形態に係る物品集配システムに使用されるAMR(Autonomous Mobile Robot、自律走行搬送ロボット)(a)とその走行領域のフロア(b)の構成を示す模式図である。
【
図24】
図6及び7に示す集品完了容器引渡しステーションの拡大斜視模式図である。
【
図25】
図6及び7に示す配送容器段積みステーションの拡大斜視模式図である。
【
図26】本発明の一実施形態に係る、作業員に代わる走行軸に搭載されたピースピッキングロボット(Piece―Picking Robot,PPR)の概要を示す斜視模式図(a)及びそのハンドユニットの構成を示す拡大模式図である。
【
図27】本発明の一実施形態に係る、物品集配システムを構成する(
図6及び7には組み込まれていない)検査ステーションの概要模式図である。
【
図28】本発明の一実施形態に係る、物品集配システムを構成する(
図6及び7には組み込まれていない)集品ステーションのフローラックとの間において、物品を搬出入する立体自動倉庫「マルチシャトル」の概要模式図である。
【
図29】本発明の一実施形態に係る、集品ステーションのフローラックと立体自動倉庫との間の工程間物品搬送を担う物流支援ロボットの4種の動作様式を示す概要模式図である。
【
図30】本発明の一実施形態に係る、集品ステーションのフローラックと立体自動倉庫との間の工程間物品搬送を担う4種のSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)式搬送ロボットを示す概要模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、図面に示した実施形態を用い、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能であり、特許請求の範囲に記載した技術思想によってのみ限定されるものである。
【0051】
図5は、本発明の一実施形態に係る、定点停止投入装置及びラック等を含む集品ステーションを備える物品集配システムの概要30であって、袋掛けされた空集品容器を積載したAMRが、定点停止投入装置及び物品を保管しているフローラック等を含む集品ステーションを巡回して所定の注文品を全て空集品容器に収納した後、所定の注文品を全て順立て工程に移載した空集品容器を積載して袋掛機に移動する一方、所定の注文品は、全て順立てラックを経由して配送容器に順立てされて収納された後、段積みされる物品集配システムの概要を示す図である。
【0052】
空集品容器3081が袋掛機302で集品袋3083が掛けられ、走行部3031とコンベヤ部3032を備えたAMR303に積載され、所定の注文品の集品が開始される。なお、空集品容器3081は、集品が完了し、コンベヤ307を経由して所定の注文品を順立てラック305に搬送して空になったものを示している。
【0053】
空集品容器3081を積載したAMR303は、集品と記載されている所定の注文品が保管されている集品ステーションだけを巡回する最短ルートを走行して集品が完了する。
【0054】
集品が完了した後、所定の注文品が収納された集品袋は、パックに移載されて順立てラック305を通過して順立てされたパックが、段積みスペース3061で段積みロボット306により段積みカート3062に集約されて出荷される。
【0055】
本発明の物品集配システムは、
図5に示すようなフローで動作するが、より具体的に、物流センター等に構設される集配システムを
図6及び7に示す。
図6は、本発明の一実施形態に係る、
図5に示す物品集配システムの具体的構成を示す立体模式図であり、
図7は、
図6の平面模式図である。
【0056】
図6及び7に示すように、本発明の一実施形態に係る、定点停止投入装置301及びフローラック311等を含む集品ステーション402を備える物品集配システム40は、空集品容器供給ステーション401、AMR走行領域406(304)外周に沿って複数が点在する集品ステーション402、集品完了容器引渡しステーション403、二つの順立てステーション404、配送容器段積みステーション405、AMR走行領域406(304)、及び、AMR走行領域406(304)外周に連接するAMRステーション407を基本的な構成装置として列設されている。
【0057】
AMR303は、物品搬送の幹線として機能し、空集品容器供給ステーション401からAMR走行領域406(304)を移動して、所定の集品ステーション402を巡回し、それぞれの集品ステーション402でフローラック311から定点停止投入装置301による所定の注文品の集品が行われ、集品が完了すると、集品完了容器引渡しステーション403に到着する。そして、これ以降の物品搬送の幹線はコンベヤ408であり、所定の注文品を全て収納した集品完了容器が、集品完了容器引渡しステーション403からコンベヤ408を経由して順立てステーション404に搬送されると共に、配送容器が、(図示されていない)階上の配送容器保管棚からコンベヤ408を経由して順立てステーション404に搬送され、所定の注文品が、順立てラック305を通過して集品容器から配送容器に移載されて順立てが行われる。順立てが完了した配送容器は、コンベヤ408を経由して配送容器段積みステーション405に搬送された後、出荷される。一方、空集品容器順立てステーション404で所定の注文品が配送容器に移載されて空となった空集品容器は、コンベヤ408を経由して空集品容器供給ステーション401に搬送されるが、必要に応じて袋掛機302で集品袋3083が空集品容器に取り付けられる。このような物品集配システム40が動作する間に、適宜、AMR303はAMRステーション407の自動充電器4071で充電される。ここでは、一般的な接触充電システムが採用されている。
【0058】
以下、必要に応じて、上記各ステーションの詳細な説明を行う。まず本発明の仕分けステーションについて、順立てを行う順立てステーション404を代表例として説明する。順立てステーション404は、AMR303の集品作業に、順立てを行うプロセス制御が必要なく、集品作業をより効率的に行うことができる重要な役割を果たす。
図8に、
図6及び7に示す順立てステーション404で行われる操作の全容を示す、集品容器側から視た拡大斜視模式
図404-1である。そして、
図9には、
図8に示す順立てステーション404の集品容器側で行われる操作を示す集品容器側から視た斜視模式
図404-1を、
図10には、
図8に示す順立てステーション404の順立てラックで行われる順立ての仕組みを示す集品容器側から視た斜視模式
図404-1を、
図11には、
図8に示す順立てステーション404の配送容器側で行われる操作を分かり易くするために、配送容器の供給経路を省略した配送容器側から視た斜視模式
図404-2を、
図12には、
図8に示す順立てステーション404の配送容器側で行われる操作を示す配送容器側から視た斜視模式
図404-2を示している。
【0059】
図8~12から明らかなように、集品容器側4042においては、作業員Pが、集品完了容器引渡しステーション403からコンベヤ408で搬送されてきた集品完了容器3082の所定の注文品を、順立てラック4041の間口周縁に定設された仕分け指示器4045の指示に従って所定の位置の順変換棚4044に移載し、配送容器側4043においては、作業員Pが、順立てラック4041の間口周縁に定設された移載指示器4046の指示に従って、所定の順変換棚4044の所定の注文品を空配送容器3091に移載した後、更に配送容器段積みステーション405に繋がるコンベヤ8に物品収納済み配送容器3092(順立て完了配送容器)を移載して順立てが完了し、順立て完了配送容器3092が順序通りコンベヤ408を経由して配送容器段積みステーション405に搬送される。
【0060】
ここで、空配送容器3091は、(図示されていない)階上の配送容器保管棚からコンベヤ408を経由して順立てステーション404に搬送され、作業員Pが、空配送容器3091を下段のコンベヤ408に移動させて所定の注文品を投入した後、更に、配送容器段積みステーション405に繋がるコンベヤ408に順立て完了配送容器3092を移載している。
【0061】
図13に、
図8~12に示す順立てステーションで行われる操作を説明する概念図を示す。すなわち、集品された順不同の配送容器単位の注文品を表示器の指示に従って順序通りに順立てラックへ移載するオーダー順立てから、順立てラックの配送容器単位の注文品を表示器の指示に従って順序通りに配送容器へ移載する配送容器順立てに変換する順立てが行われているのである。
【0062】
更に具体的に、
図8~12に示す順立てステーション404の順立てラック4041の仕組みを
図14に示す。集品容器側4042では、順不同で搬送されてくる集品完了容器3082の注文品が、仕分け指示器4045に従って配送容器単位に順立てラック4041の順変換棚4044に仕分けされる。そして、配送容器側4043では、順序通りに仕分けされた順変換棚4044の注文品が空配送容器3091に投入されて順立て完了配送容器3092が順序通り並べられ、順序通りに配送容器段積みステーション405に繋がるコンベヤ408に移載される。
【0063】
このような順立てにおいては、作業員Pの指示器に従った操作に依存しているため、誤操作を極力防止する必要があるため、
図15に示すような開閉ゲート4048を順立てラック4041の順変換棚4044の各間口に付設することが好ましい。
【0064】
図16は、
図6及び7に示す空集品容器供給ステーション401の拡大斜視模式図である。順立てステーション404で空となった集品容器3081が、コンベヤ408によって搬送され、AMR303に積載される。ここでは、順立てステーション404と空集品容器供給ステーション401の間に直列に袋掛機302が装入されているが、並列に装入されてもよく、冷蔵や冷凍が必要な物品を扱う場合等、必要に応じて袋掛機302を稼働させることができる。特に必要がなければ、
図16のように、袋掛機302を装入する必要はない。
図17には、
図16に示す袋掛機で行われる動作の概念図を示した。
【0065】
図18は、
図6及び7に示す集品ステーション402の具体的構成を示す斜視模式図であり、
図19は、
図18に示す集品ステーション402のAMR走行領域406(304)から視た正面模式図である。
図18及び19に示すように、集品ステーション402は、コの字状コンベヤである定点停止投入装置301、コの字状コンベヤの両先端に隣接するAMR303の発着する空間、フローラック311、作業表示器312等が配備されており、作業員Pは、定点停止投入装置301とフローラック311との間の作業空間に位置して、フローラック311からピッキングされた所定の注文品を定点停止投入装置301で搬送されてきた空集品容器3081に移載する。
【0066】
AMR走行領域304(406)から、集品ステーション402のAMR303の(コの字状コンベヤの一方の先端に隣接する)到着する空間に空集品容器3081を積載したAMR303が到着すると、空集品容器3081は、集品容器供給コンベヤ3011に移載され、集品容器待機直角分岐コンベヤ3012に搬送された後、集品容器待機コンベヤ3013を経由して物品投入部3014に搬送されて一時停止する。その停止時間に、作業員Pは、フローラック311からピッキングされた所定の注文品を空集品容器3081に投入し、その後、所定の注文品が投入された物品納済み集品容器3082は、物品収納済み集品容器搬出コンベヤ3015を経由して、(コの字状コンベヤの一方の先端に隣接する)到着する空間から(コの字状コンベヤの他方の先端に隣接する)出発する空間に移動したAMR303に移載され、次の集品ステーション402へ移動する。なお、この説明では、AMR303が搬送してきた集品容器に所定の注文品を投入する説明となっているが、定点停止投入装置301における集品容器の搬送・滞在時間を短縮するため、複数の集品容器を用意しておき、集品容器を断続的に移動することが好ましい。また、集品袋3083の有無に関わりない動作であるため、集品袋3083を省略して説明している(以下、同様)。
【0067】
この集品ステーション402におけるフローラック311から空集品容器3081への物品投入は、定点で停止した状態で行うことに特徴があり、集品容器のAMR303による搬送に適合した物品投入方法である。コンベヤで集品容器を搬送する場合には、コンベヤを停止することになり、物品集配システム全体の処理速度低減することになる。また、この定点停止投入は、停止状態で物品投入を行うため、誤操作を劇的に削減することができる。この比較は、本発明の集品ステーションの特徴をDPSと比較して表現した概念図である
図20に示した。
【0068】
更に、この集品ステーション402における誤操作を削減する手段として、注文品が集品箱に投入された情報を集品ステーションの制御システムへ送信する送信部としての役割を担うフットスイッチ313、注文品を投入する集品箱だけに視野を限定する視野制限フェンス314、及び、作業員の目の高さにオーダー表示器315を設置することが好ましい。
図21には、フットスイッチを付設した、
図18及び19に示す集品ステーションのフローラック側から視た背面模式図を、
図22には、フットスイッチ、視野制限フェンス、及び、オーダー表示器を付設した、
図18及び19に示す集品ステーションのフローラック側から視た背面模式図を示した。
【0069】
フットスイッチ313は、手の作業に集中できること、視野制限フェンス314は、人間工学的に、人間の目は中央に注意が集中する傾向にあること、そして、オーダー表示器315は、作業員の目の高さの表示は、目及び身体の負担を低減することに基づいている。
【0070】
このような定点停止投入可能な定点停止投入装置301を備えた集品ステーション402は、従来の集配システムの物品搬送の幹線であるコンベヤに代わり、無人搬送車を使用する物品集配システムの重要な役割を果たす無人搬送車に適合した装置であるが、無人搬送車も、本発明の物品集配システムの中心的な存在である。ただし、この無人搬送車は、Zhejiang LiBiao Robot社製Sorting Robot(非特許文献6)、Clearpath Robotics社製ОTTO(非特許文献7)、ForwardX Robotics社製AMR X(非特許文献8)等、各種AGV、AMR、及び、ANRを広く用いることができ、特に限定されるものではない。代表例として、
図23には、Zhejiang LiBiao Robot社製のAMRであるConveyer Sorting Robot(a)と、それが自律走行可能な仕組みを示すその走行領域のフロアの構成(b)を示した。このAMRは、走行部3031とコンベヤ部3032とを備え、コンベヤ部3032による物品の搬送が可能であり、AMR走行領域304(406)の床材3043に組み込まれたRFID(Radio Frequency Identification)タグ及び磁気テープ3042によって、AMR走行領域304(406)を自由自在に自律走行できる。
【0071】
図24は、
図6及び7に示す集品完了容器引渡しステーション403の拡大斜視模式図である。集品ステーション402を巡回し、集品が完了した物品納済み集品容器3082(ここでは、集品完了容器)が積載されたAMR303が到着する空間が設けられ、AMR303が積載する集品完了容器3082が移載される直角分岐コンベヤ4031を含むコンベヤが二列備えられており、順立てステーション404に繋がるコンベヤ408に集品完了容器が移載される。この二列のコンベヤの一方は、状況に応じた仮置きコンベヤである。
図6及び7では、このような集品完了容器引渡しステーション403がAMR走行領域406の外周に沿って対称的に二か所配備され、これに対応して、後述する順立てステーション404も二か所配備されているが、これは、本発明の物品集配システムが扱う物品の数量等に応じて適宜設定されるものである。
【0072】
最後に、
図6及び7に示す配送容器段積みステーション405に搬送されるが、その拡大斜視模式図を
図24に示す。段積みロボット306により、段積みカート3062に順立て完了配送容器3092が集約されて出荷される。
【0073】
さて、本発明の物品集配システムの集品ステーション402におけるフローラック311から集品容器308への物品の投入は、作業員Pによって行われることを前提として説明してきた。また、この作業員Pをロボットで代替することが検討されてきたが、実用化には至っていない。これは、DPSやGTPでは、連続的に運転され停止することないコンベヤによって搬送されてくる集品箱に物品を投入する必要があったためと考えられる。しかしながら、本発明の集品ステーション402におけるフローラック311から集品容器308への物品の投入は定点停止投入であるため、作業員Pをロボットで代替しても、投入ミスがなく本発明の物品集配システムの安定した動作を実現できた。
【0074】
本発明に使用できるロボットは、人間の手や腕を模造した、人間の扱う物品の取り扱いが可能であることが求められ、ピースピッキングロボット(Piece―Picking Robot、PPR)であることが好ましい。例えば、
図26に示すTHK社製ピッキングロボットハンドシステム(Picking Robot Hand System、PRS)50を用いることができる(非特許文献10)。
図26の(a)はPRSの概要を示す斜視模式図であり、(b)はそのハンドユニットの構成を示す拡大模式図である。
【0075】
このロボットは、ベースユニット501、アームユニット502、及び、ハンドユニット503から構成され、ハンドユニット503は、小さな物品の取り扱いが可能なハンドユニット503の動作を掌る空圧機器5031、並びに、物品を把持する第一関節5032、第二関節5033、旋回関節5034、及び、吸着パッド5035、並びに、ハンドユニット503の動作を制御する感圧センサー5036及びRGB-D(Red・Green・Blue-Depth)センサー5037から構成されている。そして、作業員Pの代替として使用するためには、
図26に示すように、このロボットシステム50のベースユニット501を走行軸54に搭載して、限定的ではあるが移動可能とすることが好ましい(非特許文献11)。
【0076】
また、
図6及び7には組み込まれていないが、本発明の物品集配システムに備えられていることが好ましい装置及び設備として、
図27に示す
図27に示すような物品の品質など安全面を確認できる検査ステーション60、
図28に示す立体自動倉庫70がある。前者は、入出庫される梱包された容器、特に、段ボール箱の内容物に、例えば、縫い針や爆発物等の、異物や危険物等の有無を検査し、これらの存在が確認されると、ロボットで自動的に開梱され、内容物の確認を行うものである。後者は、集品ステーション402のフローラック311に供給する物品の保管倉庫である。
【0077】
図27に示す、本発明の一実施形態に係る物品集配システムを構成する検査ステーション60は、X線検査装置601、開梱ロボット602、コンベヤ603、604等から構成される。X線検査装置601は、例えば、空港の手荷物検査で使用されるX線検査装置601を転用することができ、X線発生装置6011から走査されるX線ファンビーム6012をX線ラインセンサー6013により透過画像6014としてモニターに映像して検査することができる。このX検査装置601を物品収納済み配送容器605(3092)通過した結果、異物混入配送容器606と看做された場合、開梱ロボット602によって自動的に開梱され内容物が確認される。開梱ロボットとしては、人間の目に相当するセンサーを有し、アーム及びハンド等を備えた開梱機能を有するロボットを適用することができ、例えば、米国ロボティカ社製ABOT M1や安川電機社製MOTOMAN-SDA20D等を挙げることができる(非特許文献13及び14)。
図27には、ボディユニット6021、アームユニット6022、及び、ハンドユニット6023に、開梱のためのカッター等の道具と各種センサーを備えている、安川電機社製MOTOMAN-SDA20Dをベースユニット6024に搭載した開梱ロボットシステム602として例示している。
【0078】
集品ステーションのフローラックとの間において、物品を搬出入する物品の保管倉庫は、物品集配システムの目的及び規模等に応じて設置されるもので、特に限定されないが、立体自動倉庫であるAutоStore(登録商標)社が開発した「オートストア」やDematic社が開発した「マルチシャトル(登録商標)」等を用いることができる(非特許文献15及び16)。
図28には、代表例として、マルチシャトルを示した。
【0079】
そして、このようなフローラックと保管倉庫との間の物品の搬送は、コンベヤで行うことも可能であるが、搬送頻度や搬送経路等の自由度及び物品集配システムとの適合性を考慮すると、本発明の物品集配システムで活用されるAGV、AMR、及び、ANRを併用することが好ましい。
【0080】
しかし、この場合、保管倉庫の配設される状況によって、適用する搬送車を使い分けることが好ましい。保管倉庫と物品集配システムとが、例えば、同一建屋内の同一フロアの比較的近距離にあり、複雑な搬送経路が要求されない場合は、必ずしもAMRやANRを必要とせず、有人自動搬送車やガイドで移動経路が定められる、所謂、AGVが利用し易い。逆に、保管倉庫と物品集配システムとが、例えば、同一建屋内の同一フロアになく、比較的遠距離にあり、複雑な搬送経路が要求される場合は、SLAM技術が適用されているAMRやANRが好ましい(非特許文献9)。
【0081】
複雑な搬送経路が要求されない場合に適用することが好ましい搬送車の代表例としては、ZMP社製物流支援ロボットCarriRoを挙げることができ、
図29には、この物流支援ロボットによる運搬システム80として、4種の動作様式を示した。
【0082】
(a)は、自動運転カート801で、ハンドル8011の操作だけで、力を使うことなく自由自在に移動して物品を搬送することができるドライブモードである。(b)は、自動追従カート802で、ドライブモードの親機8021に子機8022が追従して移動するカルガモモードである。(c)は、自律移動ロボット803で、ランドマーク804を読み取り、軽量棚805間の移動経路806を自律走行して物品の搬送ができる。(d)は、例えば、自律移動ロボット803に装着されたタブレット端末809及びRFIDリーダー/ライター、事務所のPC端末810、及び、物品811に貼着されたRFIDタグを用いた物品情報と自律移動ロボット803の搬送システムとの連携により業務を効率化するモードである。
【0083】
一方、複雑な搬送経路が要求される場合は、SLAM技術を用い、位置特定と地図作成を同時に行い、様々な障害や設備配置の変更に対応して自律走行し、物品を搬送することが可能なAMR及びANRが好ましい。このようなSLAM式搬送ロボットとしては、ギークプラス社製GeeK+EVEやシーオス社と豊田自動織機社の共同開発であるLogiler等を用いることができる。
図30には、代表例として、GeeK+EVEを示した。(a)及び(c)は同じリフター機能搭載SLAM式搬送ロボットで、(c)はかご台車Kを積載している。(b)はコンベヤ機能搭載SLAM式搬送ロボット、(c)はSLAM式カート型搬送ロボットである。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明の仕分けステーション及びそれを用いた物品集配システムは、スーパーマーケット、ホームセンター、生活協同組合、及び、電子商取引ショップ等の市場の需要動向の変動が予測される物流センター等に幅広く利用され、産業上の利用可能性は極めて高い。また、本発明の仕分けステーション及び集品ステーションに認められる無人搬送車と既存のコンベヤを幹線とする物流システムとを適合化させる技術は、自動車、半導体、電子機器等の各種製造工場の物流システムにも応用することができ、技術的にも幅広く利用されるものと考えられる。
【符号の説明】
【0085】
10 代表的なDPS(Digital Picking System)
101 集品容器
1011 空集品容器
1012 物品収納済み集品容器
102 集品コンベヤ
103 フローラック(保管棚)
104 仮置台
105 ピッキング指示器
106 オーダー表示器
107 投入指示器
20 代表的なGTP(Goods To Person System)
201 集品容器
2011 空集品容器
2012 物品収納済み集品容器
202 集品コンベヤ
2021 空集品容器搬送コンベヤ
2022 空集品容器供給コンベヤ
2023 物品投入部
2024 物品収納済み集品容器搬出コンベヤ
2025 物品収納済み集品容器搬送コンベヤ
203 立体自動倉庫(保管棚)
2031 格納棚
2032 仮置台
2033 リフター
2034 物品収納容器搬送車走行空間
204 物品収納容器
205 物品搬送コンベヤ
2051 物品入庫コンベヤ
2052 物品出庫コンベヤ
2053 物品提示コンベヤ
206 作業表示器
30 定点停止投入装置及びフローラック等を含む集品ステーションを備える物品集配システムの概要
301 定点停止投入装置
3011 集品容器供給コンベヤ
3012 集品容器待機直角分岐コンベヤ
3013 集品容器待機コンベヤ
3014 物品投入部
3015 物品収納済み集品容器搬出コンベヤ
302 袋掛機
303 AMR(Autonomous Mobile Robot、自律走行搬送ロボット)
3031 走行部
3032 コンベヤ部
304 AMR走行領域
3041 RFID(Radio Frequency Identification)タグ
3042 磁気テープ
3043 床材
305 順立てラック
306 段積みロボット
3061 段積み場
3062 段積みカート
307 コンベヤ
308 集品容器
3081 空集品容器
3082 物品納済み集品容器
3083 集品袋
309 配送容器
3091 空配送容器
3092 物品収納済み配送容器
310 注文物品
311 フローラック
3111 ピッキング指示器
312 作業表示器
313 フットスイッチ
314 視野制限フェンス
315 オーダー表示器
40 定点停止投入装置及びフローラック等を含む集品ステーションを備える物品集配システム
401 空集品容器供給ステーション
4011 作業表示器
402 集品ステーション
403 集品完了容器引渡しステーション
4031 直角分岐コンベヤ
404 順立てステーション
404-1 集品容器側から視た順立てステーション
404-2 配送容器側から視た順立てステーション
4041 順立てラック(305)
4042 集品容器側
4043 配送容器側
4044 順変換棚
4045 仕分け指示器
4046 移載指示器
4047 作業表示器
4048 開閉ゲート
405 配送容器段積みステーション
4051 作業表示器
406 AMR走行領域(304)
407 AMRステーション
4071 自動充電器
408 コンベヤ
50 ピッキングロボットハンドシステム(Picking Robot Hand System、PRS)
501 ベースユニット
502 アームユニット
503 ハンドユニット
5031 空圧機器
5032 第一関節
5033 第二関節
5034 旋回関節
5035 吸着パッド
5036 感圧センサー
5037 RGB-D(Red・Green・Blue-Depth)センサー
504 走行軸
60 検査ステーション
601 X線検査装置
6011 X線発生装置
6012 X線ファンビーム
6013 X線ラインセンサー
6014 透過画像
6015 モニター
6016 X線遮蔽ボックス
6017 X線遮蔽カーテン
602 開梱ロボットシステム
6021 ボディユニット
6022 アームユニット
6023 ハンドユニット
6024 ベースユニット
603 コンベヤ
604 開梱コンベヤ
605 物品収納済み配送容器(3092)
606 異物混入配送容器
70 立体自動倉庫(マルチシャトル)
701 搬入コンベヤ
702 搬出コンベヤ
703 走行台車
704 走行レール
705 昇降機
706 昇降搬送台
707 仮置搬送台
708 格納棚
709 物品収納容器
80 搬送支援ロボットによる運搬システム
801 自動運転カート
8011 ハンドル
8012 車輪
802 自動追従カート
8021 親機
8022 子機
803 自律移動ロボット
804 ランドマーク
805 軽量棚
806 移動経路
807 RFIDタグ
808 RFIDリーダー/ライター
809 タブレット端末
810 PC端末
811 物品
812 物品搬送容器
90 SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)式搬送ロボット
901 リフター機能搭載SLAM式搬送ロボット
9011 走行部
9012 リフター部
902 コンベヤ機能搭載SLAM式搬送ロボット
9021 走行部
9022 コンベヤ部
903 SLAM式カート型搬送ロボット
9031 走行部
9032 フレーム
9033 荷台
9034 ハンドル
9035 タブレット端末
9036 物品搬送容器
P 作業員
K カゴ台車
【手続補正書】
【提出日】2022-11-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品情報に基づいて制御され、仕分けステーションと無人搬送車とを少なくとも備える物品集配システムであって、
前記無人搬送車は、
物品集配システム設置面を走行する機能を有すると共に、前記集品完了容器を移載する機能を有し、前記所定の注文品を供給する集品ステーションを巡回することによって集品が全て完了した前記集品完了容器を前記仕分けステーションに供給し、
前記仕分けステーションは、
複数の段を備え、一方の面と該一方の面に対向する他方の面とを備えるラックであって、前記複数の段を構成する各間口の前記一方の面及び前記他方の面にそれぞれ、物品情報に基づいて制御される第1及び第2の作業指示器が備えられているラックと、
前記ラックを境として、前記一方の面に係る前記間口に隣接して所定の注文品の集品が全て完了した集品完了容器が順不同に供給される集品容器側空間と、
前記他方の面に係る前記間口に隣接して配送容器が供給される配送容器側空間と、
前記所定の注文品を該注文の順序通りに前記ラックへ移載するオーダー順立てから、配送容器単位の注文品の順序通りに配送容器へ移載する配送容器順立てに変換する順立て手段と、
前記集品容器側空間においては、前記集品完了容器が順不同に供給され、前記集品容器側空間においては、前記順立て手段によって変換された順立を前記第2の作業指示器に表示させることで、前記集品完了容器及び/又は前記所定の注文品が前記ラックを通過することによって仕分けされる手段と
を備えることを特徴とする物品集配システム。
【請求項2】
前記間口に開閉ゲートが付設されていることを特徴とする請求項1に記載の物品集配システム。
【請求項3】
前記集品ステーションが前記物品集配システム設置面に複数点在していることを特徴とする請求項1に記載の物品集配システム。
【請求項4】
前記無人搬送車が発着し、前記集品容器を空の状態で前記無人搬送車に供給する空集品容器供給ステーションと、
前記集品完了容器を積載した前記無人搬送車が発着する集品完了容器引渡しステーションと、
前記仕分けステーションから供給される前記配送容器を集約する段積みステーションと、
をさらに備えていることを特徴とする請求項1-3のうちのいずれか1項に記載の物品集配システム。
【請求項5】
前記空集品容器供給ステーションに、袋掛機が備えられていることを特徴とする請求項4に記載の物品集配システム。
【請求項6】
前記集品ステーションが、
物品情報に基づいた制御システムで稼働する集品ステーションであって、
物品集配システム設置面を走行する機能を有すると共に、集品容器を移載する機能を有する無人搬送車の発着空間と、
前記発着空間と隣接して前記集品容器を所定の間隔で搬送する搬送装置と、
前記搬送装置に隣接した物品格納棚と、
を備え、
前記搬送装置に前記無人搬送車が一時停留して前記搬送装置へ前記集品容器を移載すると共に、前記物品格納棚から停止状態にある前記集品容器に所定の注文品が投入され、前記注文品が収納された前記集品容器を前記無人搬送車が回収することを特徴とする請求項1-5のうちのいずれか1項に記載の物品集配システム。
【請求項7】
前記集品容器に前記注文品が投入される時点で、少なくとも前記注文品が投入される前記集品容器が視認される視野制限フェンスが備えられていることを特徴とする請求項6に記載の物品集配システム。
【請求項8】
前記集品ステーションに、前記集品容器に所定の注文品が投入されたことを確認する表示器及び前記集品容器に所定の注文品が投入されたことを送信する送信部を備えていることを特徴とする請求項6又は7に記載の物品集配システム。
【請求項9】
前記集品ステーションの走行軸にロボットが搭載され、前記ロボットが少なくとも前記物品格納棚から前記集品容器に所定の注文品を投入することを特徴とする請求項6-8のうちのいずれか1項に記載の物品集配システム。
【請求項10】
前記配送容器及び/又は入庫容器の内容物を確認する検査ステーションを備えていることを特徴とする請求項1-9のうちのいずれか1項に記載の物品集配システム。
【請求項11】
前記検査ステーションが、検査装置と開梱ロボットとが連接されていることを特徴とする請求項10に記載の物品集配システム。
【請求項12】
前記検査装置が、X線検査装置であることを特徴とする請求項11に記載の物品集配システム。
【請求項13】
前記物品集配システムと同一敷地内又は同一建屋内に立体自動倉庫が備えられ、前記無人搬送車が、前記同一敷地内又は同一建屋内を走行及び移動することを特徴とする請求項1-12のうちのいずれか1項に記載の物品集配システム。
【請求項14】
前記無人搬送車が、AGV(Automatic Guided Vehicle)、AMR(Autonomous Mobile Robot)、及び、ANR(Autonomous Mobile Robot)の範疇に属する無人搬送車から選択されるいずれか一種以上であることを特徴とする請求項1-13のうちのいずれか1項に記載の物品集配システム。
【請求項15】
前記無人搬送車の自動充電ステーションが備えられていることを特徴とする請求項1-14のうちのいずれか1項に記載の物品集配システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、時と共に変化する市場の需要動向に対応する集品ステーション及びそれを備える物品集配システムに関する。特に、出荷件数当たりのSKU(Stock Keeping Unit)数が少ない商品カテゴリーを扱う物流センターにおいて、物品処理速度を高め、設備、作業、及び、人員の無駄及びコストを削減し、作業員の熟練度によらないミスによる作業効率低下を防止することによって、総合的な生産性を向上すると共に、SKU数の変動にも対応可能な仕分けステーション及びそれを備えた物品集配システムに関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
また、
図2に示すGTP20としては、格納棚2031、仮置台2032、リフター2033、(図示されていない)物品搬送車、及び、その搬送車の走行空間2034等から構成される立体自動倉庫203、並びに、その倉庫203に物品を送出入する物品入出庫コンベヤ2051、2052、及び、物品を移載する物品提示コンベヤ2053等から構成される物品搬送コンベヤ205、並びに、これらの物品搬送コンベヤ205に隣接して備えられる、空集品容器2011を各仕分けゾーンに搬送する空集品容器搬送コンベヤ2021、仕分けゾーンに空集品容器2011を供給する空集品容器供給コンベヤ2022、仕分けゾーンで物品が空集品容器2011に投入される物品投入部2023、物品が投入された物品収納済み集品容器2012を搬出する物品収納済み集品容器搬出コンベヤ2024、物品収納済み集品容器2012を次の工程に移動させる物品収納済み集品容器搬送コンベヤ2025等から構成される集品コンベヤ202等、DPSと比較して大規模な設備を要するシステムを例示しているが、基本的には、DPS20同様、立体自動倉庫203から物品搬送コンベヤ205を経由して次々と送出される物品を、集品コンベヤ202から次々と搬送されてくる空集品容器2011へ次々に仕分けして、物品収納済み集品容器2012を送出するシステムである(特許文献3及び4)。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
しかも、定点停止投入によって、作業員の誤操作を低減できる効果を奏するだけでなく、作業員に代わり、走行軸にロボットを搭載することが容易となる。このロボットは、誤操作のないピンキングを行うことを目的とするものであり、特に、比較的形状の小さい物品を扱うことができるピースピッキングロボット(Piece-Picking Robot、PPR)に代表されるアームユニット、ハンドユニット、カメラを備えたロボットを走行軸に搭載することが好ましい。しかし、作業員の業務はピッキングだけではないので、必要に応じた業務が可能なロボットで、作業員一人に対して一台のロボットで代替することが好ましいが、作業員一人に対して複数台備えてもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0063】
このような順立てにおいては、作業員Pの指示器に従った操作に依存している
ことから、誤操作を極力防止する必要があるため、
図15に示すような開閉ゲート4048を順立てラック4041の順変換棚4044の各間口に付設することが好ましい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
この集品ステーション402におけるフローラック311から空集品容器3081への物品投入は、定点で停止した状態で行うことに特徴があり、集品容器のAMR303による搬送に適合した物品投入方法である。コンベヤで集品容器を搬送する場合には、コンベヤを停止することになり、物品集配システム全体の処理速度
を低減することになる。また、この定点停止投入は、停止状態で物品投入を行うため、誤操作を劇的に削減することができる。この比較は、本発明の集品ステーションの特徴をDPSと比較して表現した概念図である
図20に示した。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品情報に基づいて制御され、仕分けステーションと無人搬送車とを少なくとも備える物品集配システムであって、
前記仕分けステーションは、
複数の段を備え、一方の面と該一方の面に対向する他方の面とを備えるラックであって、前記複数の段を構成する各間口の前記一方の面及び前記他方の面にそれぞれ、物品情報に基づいて制御される第1及び第2の作業指示器が備えられているラックと、
前記ラックを境として、前記一方の面に係る前記間口に隣接して所定の注文品の集品が全て完了した集品完了容器が順不同に供給される集品容器側空間と、
前記他方の面に係る前記間口に隣接して配送容器が供給される配送容器側空間と、
前記所定の注文品を前記所定の注文品に係る注文の順序通りに前記ラックへ移載するオーダー順立てから、配送容器単位の注文品の順序通りに配送容器へ移載する配送容器順立てに変換する順立て手段と、
前記集品容器側空間においては、前記集品完了容器が順不同に供給され、前記集品容器側空間においては、前記順立て手段によって変換された順立を前記第2の作業指示器に表示させることで、前記集品完了容器及び/又は前記所定の注文品が前記ラックを通過することによって仕分けされる手段と
を備え、
前記無人搬送車は、
物品集配システム設置面を走行する機能を有すると共に、前記集品完了容器を移載する機能を有し、前記所定の注文品を供給する集品ステーションを巡回することによって集品が全て完了した前記集品完了容器を前記仕分けステーションに供給することを特徴とする物品集配システム。
【請求項2】
前記間口に開閉ゲートが付設されていることを特徴とする請求項1に記載の物品集配システム。
【請求項3】
前記集品ステーションが前記物品集配システム設置面に複数点在していることを特徴とする請求項1に記載の物品集配システム。
【請求項4】
前記無人搬送車が発着し、前記集品容器を空の状態で前記無人搬送車に供給する空集品容器供給ステーションと、
前記集品完了容器を積載した前記無人搬送車が発着する集品完了容器引渡しステーションと、
前記仕分けステーションから供給される前記配送容器を集約する段積みステーションと、
をさらに備えていることを特徴とする請求項1-3のうちのいずれか1項に記載の物品集配システム。
【請求項5】
前記空集品容器供給ステーションに、袋掛機が備えられていることを特徴とする請求項4に記載の物品集配システム。
【請求項6】
前記集品ステーションが、
物品情報に基づいた制御システムで稼働する集品ステーションであって、
物品集配システム設置面を走行する機能を有すると共に、集品容器を移載する機能を有する無人搬送車の発着空間と、
前記発着空間と隣接して前記集品容器を所定の間隔で搬送する搬送装置と、
前記搬送装置に隣接した物品格納棚と、
を備え、
前記搬送装置に前記無人搬送車が一時停留して前記搬送装置へ前記集品容器を移載すると共に、前記物品格納棚から停止状態にある前記集品容器に所定の注文品が投入され、前記注文品が収納された前記集品容器を前記無人搬送車が回収することを特徴とする請求項1-5のうちのいずれか1項に記載の物品集配システム。
【請求項7】
前記集品容器に前記注文品が投入される時点で、少なくとも前記注文品が投入される前記集品容器が視認される視野制限フェンスが備えられていることを特徴とする請求項6に記載の物品集配システム。
【請求項8】
前記集品ステーションに、前記集品容器に所定の注文品が投入されたことを確認する表示器及び前記集品容器に所定の注文品が投入されたことを送信する送信部を備えていることを特徴とする請求項6又は7に記載の物品集配システム。
【請求項9】
前記集品ステーションの走行軸にロボットが搭載され、前記ロボットが少なくとも前記物品格納棚から前記集品容器に所定の注文品を投入することを特徴とする請求項6-8のうちのいずれか1項に記載の物品集配システム。
【請求項10】
前記配送容器及び/又は入庫容器の内容物を確認する検査ステーションを備えていることを特徴とする請求項1-9のうちのいずれか1項に記載の物品集配システム。
【請求項11】
前記検査ステーションが、検査装置と開梱ロボットとが連接されていることを特徴とする請求項10に記載の物品集配システム。
【請求項12】
前記検査装置が、X線検査装置であることを特徴とする請求項11に記載の物品集配システム。
【請求項13】
前記物品集配システムと同一敷地内又は同一建屋内に立体自動倉庫が備えられ、前記無人搬送車が、前記同一敷地内又は同一建屋内を走行及び移動することを特徴とする請求項1-12のうちのいずれか1項に記載の物品集配システム。
【請求項14】
前記無人搬送車が、AGV(Automatic Guided Vehicle)、AMR(Autonomous Mobile Robot)、及び、ANR(Autonomous Mobile Robot)の範疇に属する無人搬送車から選択されるいずれか一種以上であることを特徴とする請求項1-13のうちのいずれか1項に記載の物品集配システム。
【請求項15】
前記無人搬送車の自動充電ステーションが備えられていることを特徴とする請求項1-14のうちのいずれか1項に記載の物品集配システム。