(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133034
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】洗浄装置
(51)【国際特許分類】
A47L 15/37 20060101AFI20230914BHJP
A47L 15/46 20060101ALI20230914BHJP
A47L 15/24 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
A47L15/37
A47L15/46 A
A47L15/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038708
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】396011174
【氏名又は名称】くら寿司株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(72)【発明者】
【氏名】田中 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 英俊
(72)【発明者】
【氏名】橋本 大介
【テーマコード(参考)】
3B082
【Fターム(参考)】
3B082AA01
3B082AA03
3B082AA04
3B082AA08
3B082DC01
(57)【要約】
【課題】洗浄効果を向上することができる、皿の洗浄装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る皿の洗浄装置は、複数の前記皿を、上面を同じ方向に向けた状態で第1方向に搬送する搬送部と、前記皿の上面を清掃する第1ブラシユニットと、前記第1ブラシユニットの動作を制御する制御部と、を備え、前記第1ブラシユニットは、前記皿の上面に略垂直な第2方向回りに回転する第1回転軸と、前記第1回転軸に支持される第1支持部と、前記第1支持部に取り付けられ、前記第2方向に延び、前記搬送路で搬送される前記皿の上面に接するように構成された複数の毛と、を備え、前記制御部は、前記第1回転軸の回転方向を所定のタイミングで変更可能に構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皿の洗浄装置であって、
複数の前記皿を、上面を同じ方向に向けた状態で第1方向に搬送する搬送部と、
前記皿の上面を清掃する第1ブラシユニットと、
前記第1ブラシユニットの動作を制御する制御部と、
を備え、
前記第1ブラシユニットは、
前記皿の上面に略垂直な第2方向回りに回転する第1回転軸と、
前記第1回転軸に支持される第1支持部と、
前記第1支持部に取り付けられ、前記第2方向に延び、前記搬送路で搬送される前記皿の上面に接するように構成された複数の毛と、
を備え、
前記制御部は、前記第1回転軸の回転方向を所定のタイミングで変更可能に構成されている、洗浄装置。
【請求項2】
前記制御部によって動作を制御され、前記皿の下面を清掃する第2ブラシユニットをさらに備え、
前記第2ブラシユニットは、
前記第2方向回りに回転する第2回転軸と、
前記第2回転軸に支持される第2支持部と、
前記第2支持部に取り付けられ、前記第2方向に延び、前記第1方向に搬送される皿の下面に接するように構成された複数の毛と、
を備え、
前記制御部は、前記第2回転軸を、前記第1回転軸とは反対方向に回転するように制御するように構成されている、請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記搬送路の上流側に、洗浄前の前記皿を供給する供給部と、
前記搬送路の下流側から、洗浄後の前記皿を排出する排出部と、
をさらに備えている、請求項1または2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
少なくとも、前記搬送部及び前記第1ブラシユニットを収容する筐体をさらに備え、
前記供給部は、前記筐体に形成された投入口から投入された複数の前記皿を積層させ、1枚ずつ前記搬送部に供給するように構成され、
前記排出部は、前記筐体に形成された排出口から、複数の前記皿を積層状態で排出するように構成されている、請求項3に記載の洗浄装置。
【請求項5】
積層された全ての前記皿が、前記投入口を通過後に、前記制御部は、前記第1回転軸の回転方向を変更するように構成されている、請求項4に記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記搬送部は、前記第1方向に延びる一対の搬送スクリューを有しており、
前記皿は、前記一対の搬送スクリューによって支持されながら搬送される、請求項1から5のいずれかに記載の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皿の洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
皿を大量に洗浄する装置として、例えば、特許文献1に記載の装置が提案されている。この装置は、皿を水平方向に搬送しながら、皿の上面を回転ブラシで洗浄するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この洗浄装置の回転ブラシは、水平方向に延びる回転軸周りに回転するように構成されているため、水平方向に搬送される皿と回転ブラシとは線接触しており、十分な洗浄効果を得られているとはいえなかった。したがって、さらなる洗浄効果の向上が要望されていた。本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、洗浄効果を向上することができる、皿の洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る皿の洗浄装置は、複数の前記皿を、上面を同じ方向に向けた状態で第1方向に搬送する搬送部と、前記皿の上面を清掃する第1ブラシユニットと、前記第1ブラシユニットの動作を制御する制御部と、を備え、前記第1ブラシユニットは、前記皿の上面に略垂直な第2方向回りに回転する第1回転軸と、前記第1回転軸に支持される第1支持部と、前記第1支持部に取り付けられ、前記第2方向に延び、前記搬送路で搬送される前記皿の上面に接するように構成された複数の毛と、を備え、前記制御部は、前記第1回転軸の回転方向を所定のタイミングで変更可能に構成されている。
【0006】
上記洗浄装置においては、前記制御部によって動作を制御され、前記皿の下面を清掃する第2ブラシユニットをさらに備え、前記第2ブラシユニットは、前記第2方向回りに回転する第2回転軸と、前記第2回転軸に支持される第2支持部と、前記第2支持部に取り付けられ、前記第2方向に延び、前記第1方向に搬送される皿の下面に接するように構成された複数の毛と、を備え、前記制御部は、前記第2回転軸を、前記第1回転軸とは反対方向に回転するように制御するように構成することができる。
【0007】
上記洗浄装置においては、前記搬送路の上流側に、洗浄前の前記皿を供給する供給部と、前記搬送路の下流側から、洗浄後の前記皿を排出する排出部と、をさらに備えることができる。
【0008】
上記洗浄装置においては、少なくとも、前記搬送部及び前記第1ブラシユニットを収容する筐体をさらに備えることができ、前記供給部は、前記筐体に形成された投入口から投入された複数の前記皿を積層させ、1枚ずつ前記搬送部に供給するように構成され、前記排出部は、前記筐体に形成された排出口から、複数の前記皿を積層状態で排出するように構成することができる。
【0009】
上記洗浄装置においては、積層された全ての前記皿が、前記投入口を通過後に、前記制御部が、前記第1回転軸の回転方向を変更するように構成することができる。
【0010】
上記洗浄装置において、前記搬送部は、前記第1方向に延びる一対の搬送スクリューを有しており、前記皿は、前記一対の搬送スクリューによって支持されながら搬送されるように構成することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、洗浄効果を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態に係る洗浄装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<1.皿の洗浄装置の概要>
以下、本発明に係る皿の洗浄装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は洗浄装置の斜視図、
図2は洗浄装置の断面図、
図3は皿の断面図である。
【0014】
図1及び
図2に示すように、この洗浄装置は、筐体1と、この筐体1に設けられる皿の供給部2、搬送部3、及び排出部4と、皿を洗浄する第1及び第2ブラシユニット6,7と、を備えている。この洗浄装置では、積層状態の円板状の皿10が供給部2によって筐体1の内部に供給される。そして、供給された皿10は、筐体1の内部において一列に並んで搬送部3によって搬送され、この搬送の途中で一対のブラシユニット6,7により洗浄される。洗浄後の皿10は、積層状態で、排出部4によって筐体1の外部に排出される。以下、各構成について詳細に説明する。
【0015】
<2.皿>
図3に示すように、洗浄対象となる皿10は、平面視円形の皿板101と、この皿板101の下面に下方に突出する円筒状の高台102と、を備えており、これらが一体的に形成されている。皿板101の上面は、外縁から中央に行くにしたがって曲面状にやや窪んでおり、断面円弧状に形成されている。そして、皿板101の上面には、種々の飲食物(図示省略)が載せられる。
【0016】
<3.筐体>
図1に示すように、筐体1は直方体状に形成され、その上面には、間隔をおいて円形状の投入口11及び排出口12が形成されている。投入口11は、皿10を筐体1内に供給するための開口であり、皿10の形状に合わせて円形状に形成されている。一方、排出口12は、筐体1内で洗浄された皿10を筐体1の外部に排出するための開口であり、投入口11と同様に、皿10の形状に合わせて円形状に形成されている。これら投入口11及び排出口12の周縁には、所定間隔をおいて、上下方向に延びる複数の支持棒13,14がそれぞれ配置されており、作業者は、これら支持棒13,14で囲まれた空間内に皿10を積層していく。したがって、支持棒13,14により積層された複数の皿10が崩れないように支持される。
【0017】
<4.供給部>
図2に示すように、供給部2は、投入口11から投入される皿10を下方に案内する部位であり、上下方向に延びるガイド21と、このガイド21の下方に配置される一対の受け取りローラ22,23と、を有している。ガイド21は、皿10を水平状態に保ったまま、下方に案内するものであり、皿10の外形に沿うように円筒状に形成されている。
【0018】
図4は皿の供給を説明する図である。
図2及び
図4に示すように、各受け取りローラ22,23は、円柱状に形成されており、水平方向に延びる軸周りに回転可能となっている。各受け取りローラ22,23は、ギアボックス28を介してモータ(図示省略)に連結されており、モータ及びギアボックス28により軸周りに回転するように構成されている。また、
図4に示すように、これら受け取りローラ22,23は、皿10の皿板101の下面を支持するように構成されている。具体的には、両受け取りローラ22,23は、皿10の高台102の外形よりも広く、皿板101の外形よりも狭い間隔をおいて配置されている。また、各受け取りローラ22,23の外周面には軸方向に延びる溝221,231がそれぞれ形成されており、各溝221,231に、皿板101の外縁が嵌まるようになっている。
【0019】
次に、供給部2の動作について説明する。
図4(a)に示すように、投入口11から投入された皿10は、積層状態でガイド21によって下方に案内され、最も下方にある皿10aが両受け取りローラ22,23によって支持される。これにより、積層状態の皿10の下方への移動が規制される。この状態で、
図4(b)に示すように、両受け取りローラ22,23が互いに向き合うように回転すると、各受け取りローラ22,23の溝221,231が最も下方にある皿10aの皿板101の外縁に嵌まる。そして、両受け取りローラ22,23がさらに回転すると、
図4(c)に示すように、両受け取りローラ22,23は、下から2番目の皿10bの皿板101を下から支持しつつ、最も下方にある皿10aの外縁を溝221,231で挟みながら下方に移動させる。したがって、
図4(d)に示すように、両受け取りローラ22,23によって、最も下方にある皿10aのみを下方に移動させることができる。すなわち、皿10を所定時間おきに、断続的に下方に移動させることができる。
【0020】
また、
図2に示すように、ガイド21の上端付近には、センサ211が取り付けられており、ガイド21を通過する皿10を検知するようになっている。そして、積層された皿10が下方に移動していき、さらに皿10が検知できなくなると、後述する制御部5によって、洗浄装置の駆動を停止するようになっている(少なくとも供給部2、搬送部3、排出部4、ブラシユニット6,7、水の噴射等の停止)。その後、供給部2に皿10を供給し、センサ211によって皿10を検知すると、制御部5は、洗浄装置を再駆動するようになっている。
【0021】
<5.搬送部>
図2及び
図5に示すように、供給部2によって下方に移動した皿10は、搬送部3によって水平方向(第1方向)に搬送される。より詳細には、搬送部3は、水平方向に所定間隔をおいて並ぶ一対の公知の搬送スクリュー31を有している。各搬送スクリュー31は第1端部及び第2端部を有しており、水平方向に延びる軸周りに回転可能となっている。そして、供給部2側にある各搬送スクリュー31の第1端部は、上述したギアボックス28を介してモータに連結されており、モータ及びギアボックス28により軸周りに回転するように構成されている。これら搬送スクリュー31の間には、供給部2から下方に移動した皿が所定時間おきに配置される。そして、
図5に示すように、これら搬送スクリュー31で皿10が支持されつつ、水平方向に排出部4に向かって搬送されるようになっている。したがって、搬送スクリュー31によって、皿が1枚ずつ所定間隔をおいて水平方向に搬送されるようになっている。
【0022】
<6.排出部>
図2及び
図6に示すように、排出部4は、両搬送スクリュー31の第2端部側に配置されるプッシャー41と、このプッシャー41の上方に配置され、皿10の下方への移動を規制する一対のストッパ42,43と、上下方向に延びるガイド47と、を備えている。プッシャー41は、両搬送スクリュー31の下方に配置され、これら搬送スクリュー31の間で上下動するように構成され、搬送スクリュー31によって支持される皿10を上方に押し上げるようになっている。プッシャー41は、例えば、エアシリンダなどで駆動することができる。押し上げられた皿10は、一対のストッパ42,43の間を通過した後、これらストッパ42,43によって支持される。ガイド47は、皿10を水平状態に保ったまま、上方に案内するものであり、皿10の外形に沿うように円筒状に形成されている。
【0023】
より詳細に説明すると、各ストッパ42,43は、側面視直角三角形状の三角柱状に形成されており、水平方向に延びる軸周りに回転可能となっている。また、各ストッパ42,43は、上述した受け取りローラ22,23と同様に、皿10の皿板101の下面を支持する支持面421,431を有している。そして、両ストッパ42,43は、皿10の高台102の外形よりも広く、皿板101の外形よりも狭い間隔をおいて配置されている。但し、各ストッパ42,43の回転軸422,432は、皿10の外側に配置されている。
【0024】
各ストッパ42,43は、支持面421,431が皿板101を支持するように上方に位置している第1位置と、第1位置から軸周りに上方に回転し(矢印Y1方向)、両ストッパ42,43の間を皿10が通過できる第2位置との間を回転するように構成されている。第2位置は、支持面421,431が約45~80度程度回転した位置である。但し、両ストッパ42,43は、第1位置から下方には回転しないようになっている。また、両ストッパ42,43の間を皿10が通過し、第2位置にある両ストッパ42,43に力が作用しなくなったときには、各ストッパ42,43は、重心の偏りによって第1位置に戻るようになっている。
【0025】
次に、皿の排出について,
図7及び
図8を参照しつつ説明する。
図7(a)に示すように、両ストッパ42,43が第1位置にあるときには、支持面421,431によって皿10を支持するようになっている。この状態において、搬送スクリュー31上にある皿10がプッシャーによって押し上げられ、この皿10が両ストッパ42,43を下側から押し上げると、
図7(b)に示すように、ストッパ42,43が第2位置まで矢印Y1方向に回転し、両ストッパ42,43の間を押し上げられた皿10が通過するようになっている。そして、
図7(c)に示すように、両ストッパ42,43の間を押し上げられた皿10が通過し、両ストッパ42,43に作用する力がなくなると、両ストッパ42,43は第1位置まで戻るように矢印Y2方向に回転する。これに続いて、
図7(d)に示すように、プッシャー41を降下させると、両ストッパ42,43の間を通過した皿10も下降し、第1位置にある両ストッパ42,43によって支持される。こうして、ストッパ42,43に皿10が積層されていく。
【0026】
<7.第1及び第2ブラシユニット>
次に、ブラシユニットについて、
図9及び
図10も参照しつつ説明する。
図2及び
図9に示すように、第1ブラシユニット6は、搬送部3の上方に配置され、搬送部3を移動する皿10の上面を洗浄するように構成されている。一方、第2ブラシユニット7は、搬送部3の下方に配置され、搬送部3を移動する皿10の下面を洗浄するように構成されている。
【0027】
第1ブラシユニット6は、皿10の上面を洗浄する第1ブラシ体61と、この第1ブラシ体61を回転自在に支持する第1支持体62と、を備えている。第1支持体62に設けられた回転軸は、上下方向(第2方向)に延びており、この回転軸の下端に第1ブラシ体61が取り付けられている。第1ブラシ体61は、円板状の基板(第1支持部)611と、この基板611の下面から下方に延びる複数の毛612と、を備えている。基板611の大きさは、皿板101の上面と概ね同じまたはそれより大きい形状に形成されている。また、基板611上には、所定の数の毛612が束ねられた毛束613が、基板611の下面全体に亘って配置されている。
【0028】
より詳細には、
図10に示すように、複数の毛束613を環状に並べ、さらに環状に並んだ毛束613を同心円状に配置することで、基板611の全体に亘って毛束613を配置している。また、皿板101の上面には中央に行くにしたがって窪んでいるため、毛束613の長さは、基板611の中央付近に配置されているものが長く、基板611の外縁に行くにしたがってやや短くなっている。これにより、毛束613が皿板101の上面に沿い、適切に洗浄を行うことができる。毛612を構成する材料は特には限定されないが、例えば、ナイロン、PET、PEなどの樹脂材料、動物の毛などで形成することができる。
【0029】
第1ブラシ体61は、上述した一対の搬送スクリュー31の間に配置され、搬送スクリュー31によって搬送される皿10の上面に毛612を押し付けながら回転することで、皿10の上面を洗浄するようになっている。また、
図9に示すように、第1ブラシ体61は、モータ616からの回転駆動力が、第1支持体62を通過するギア及び軸部材(図示省略)によって伝達されて回転するように構成されている。
【0030】
第2ブラシユニット7も第1ブラシユニット6と同様に構成されている。第2ブラシユニット7は、皿10の下面を洗浄する第2ブラシ体71と、この第2ブラシ体71を回転自在に支持する第2支持体72と、を備えている。第2支持体72に設けられた回転軸は、上下方向(第2方向)に延びており、この回転軸の上端に第2ブラシ体71が取り付けられている。第2ブラシ体71の構成は、第1ブラシ体61と概ね同様であり、毛722が上方に延びている点以外は同じである。また、毛束613の長さは、第1ブラシ体61とは反対に、基板711の中央付近に配置されているものが短く、基板711の外縁に行くにしたがってやや長くなっている。
【0031】
また、第2ブラシ体71は、一対の搬送スクリュー31の間に配置され、搬送スクリュー31によって搬送される皿10の下面に毛712を押し付けながら回転することで、皿10の下面を洗浄するようになっている。また、第2ブラシ体71も、図示を省略するモータからの回転駆動力が、第2支持体72を通過するギア及び軸部材によって伝達されて回転するように構成されている。但し、第2ブラシ体71は、第1ブラシ体61とは反対方向に回転するように構成されている。
【0032】
<8.その他>
筐体1の内部において、搬送部3の上方及び下方には、搬送部3を通過する皿10に洗浄水を噴射する噴射部が複数設けられている。
図2に示すように、本実施形態では、搬送部3の上方において、第1ブラシ体61の上流側及び下流側に噴射部81,82がそれぞれ設けられており、皿10の上面に向かって洗浄水を噴射するようになっている。同様に、搬送部3の下方において、第2ブラシ体71の上流側及び下流側に噴射部83,84がそれぞれ設けられており、皿10の下面に向かって洗浄水を噴射するようになっている。また、図示を省略するが、噴射部81~84の上流側には、洗剤を噴射する洗剤用の噴射部が設けられている。
【0033】
また、下流側の噴射部82,84と、排出部4との間には、一対のエアノズル85,86が設けられている。各エアノズル85,86は、搬送部3の上方及び下方にそれぞれ配置されており、搬送部3を移動する皿10の上面及び下面にエアを吹き付けるようになっている。これにより、皿10の上面及び下面に付着する水分を飛ばすようになっている。
【0034】
上述した各部位は、制御部5によって制御されている。すなわち、制御部5によって、洗浄装置の電源のON/OFF、搬送スクリュー31の回転、受け取りローラ22,23の回転、ブラシ体61,71の回転等、この洗浄装置を駆動するための各種の制御を行っている。制御部5は、特には限定されないが、例えば、PLC等の公知のコンピュータによって構成することができる。
【0035】
特に、制御部5は、各ブラシ体61,71を所定のタイミングで正回転及び逆回転させるように制御している。上述したように、供給部2においては、センサ211で皿10を検知するように構成され、センサ211によって皿10が検知されなくなると、洗浄装置の駆動を停止しているが、その後にセンサ211によって皿10を検知すると、洗浄装置を再駆動している。制御部5は、洗浄装置が再駆動をするタイミングで、各ブラシ体61,71の回転方向を変更している。例えば、第1ブラシ体61を正回転(例えば、
図9のF1方向)させているときに、洗浄装置の駆動が停止すると、洗浄装置が再駆動したときには、第1ブラシ体61を逆回転(例えば、
図9のF1方向とは反対の方向F2)させるように構成されている。その後、洗浄装置が再駆動する度に、第1ブラシ体61を再駆動前とは反対側に回転させるようにしている。この点は、第2ブラシ体71でも同じであり、常に第1ブラシ体61とは反対方向に回転するように構成されている。
【0036】
<9.洗浄装置の動作>
まず、作業者によって、筐体1の投入口11に皿10を投入する。これにより、供給部2には皿10が積層されていくが、上記のように、積層された皿10は1枚ずつ、搬送部3の搬送スクリュー31に配置され、排出部4に向かって水平方向に搬送される。この過程においては、皿10の上面及び下面には、洗剤と水が噴射される。また、皿10の上面及び下面は、回転するブラシ体61,71によって洗浄される。ブラシ体61,71を通過した皿10には、水が噴射され、さらに、エアノズル85,86から噴射されるエアによって付着した水が飛ばされる。
【0037】
その後、皿10は、1枚ずつプッシャー41によって上方に押し上げられ、ストッパ42,43の上方で積層されていく。こうして複数の皿10が積み上がっていくと、上方に積層された皿10は、排出口12から筐体1の外側に排出されていく。作業者は排出された皿10を取り出し、所定の場所に保管する。
【0038】
<10.特徴>
以上のように構成された洗浄装置は、以下の効果を有する。
(1)第1ブラシユニット6及び第2ブラシユニット7により、皿10の上面及び下面を同時に洗浄することができる。特に、各ブラシ体61,71は、皿10の上下の面に対して垂直な軸周りに回転するため、ブラシ体61,71と皿10とが面接触しつつ洗浄できるため、汚れをしっかりと除去することができる。また、各ブラシ体61,71は、各毛612,712によって皿10を挟むように配置され、互いに反対方向に回転しているため、皿10を保持することができる。したがって、搬送中の皿10が搬送スクリュー31から離脱するのを抑制することができる。
【0039】
(2)例えば、各ブラシ体を同一方向に回転させ続けると、皿10に押し付けられている毛が傾斜し、毛が傾斜した状態に維持されるおそれがある(毛に傾斜する癖がつくおそれがある)。毛がこのような状態になると、毛が皿10を十分に押し付けられることができなくなり、洗浄効果が低減するおそれがある。これに対して、毛が傾斜しないように、毛を硬くすることも考えられるが、そのようにすると、皿10に傷が付くおそれがある。そこで、本実施形態においては、洗浄装置が再駆動する度に、各ブラシ体61,71を再駆動前とは反対側に回転させるようにしているため、例えば、毛が一方向に傾斜する癖がつくのを防止することができる。したがって、洗浄効果が低減するのを防止することができる。
【0040】
<11.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は適宜、組み合わせることができる。
【0041】
(1)上記実施形態では、洗浄装置が再駆動する度に、各ブラシ体61,71の回転を反対方向に変更しているが、各ブラシ体61,71の回転方向を変更するタイミングは、これに限定されず、種々のタイミングを設定可能である。例えば、洗浄装置の駆動時間をカウントし、所定の時間に達すると、各ブラシ体61,71の回転方向を変更することができる。あるいは、作業者によって、マニュアルで各ブラシ体61,71の回転方向を変更することもできる。
【0042】
(2)上記実施形態の洗浄装置の構成のうち、ブラシ体61,71以外の構成は特には限定されず、適宜変更したり、省略することが可能である。例えば、上記実施形態では、搬送部3として搬送スクリューを用いているが、皿10を搬送できるのであれば、他の手段であってもよい。また、上記実施形態では、皿10を搬送する方向を水平方向としているが、これも特には限定されず、他の方向であってもよい。その場合、皿10の搬送方向に合わせて、各ブラシユニット6,7を設ければよい。供給部2及び排出部4の構成も特には限定されず、少なくとも搬送部3に皿10を供給でき、洗浄後の皿10を取り出し可能であればよい。さらに、水や洗剤の噴射、エアの吹付についても、上記実施形態に限定されず、これらの位置、数、向きは適宜変更することができ、これらのいずれかを省略してもよい。
【0043】
(3)上記実施形態では、2つのブラシユニット6,7を設けているが、例えば、皿10の上面を洗浄する第1ブラシユニット6だけ配置することもできる。
【符号の説明】
【0044】
10 皿
1 筐体
2 供給部
3 搬送部
4 排出部
5 制御部
6 第1ブラシユニット
7 第2ブラシユニット