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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133040
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】食品粉末体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20230914BHJP
【FI】
A23L33/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022054541
(22)【出願日】2022-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】599003970
【氏名又は名称】櫻井 光一
(71)【出願人】
【識別番号】500010222
【氏名又は名称】櫻井 洋子
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 光一
(72)【発明者】
【氏名】梅田 和助
【テーマコード(参考)】
4B018
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB02
4B018LB10
4B018LE03
4B018MD49
4B018MD61
4B018MD64
4B018MD71
4B018MD76
4B018ME06
4B018ME11
4B018ME14
4B018MF02
(57)【要約】
【課題】 抗酸化機能や保湿機能を向上させ、高血圧、糖尿病、胃腸障害などを抑制することができるとともに、加工食品として広範囲での使用が可能となる食品粉末体の製造方法および加工食品を提供すること。
【解決手段】 本発明の食品粉末体の製造方法は、粉末化した青汁粉と、粉末化した繭粉と、粉末化した朝鮮人参粉と、からなる複合粉末体を、小麦粉、大麦粉、そば粉、米粉、牛乳粉に配合させることを特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末化した青汁粉と、粉末化した繭粉と、粉末化した朝鮮人参粉と、からなる複合粉末体を、小麦粉に配合させることを特徴とする食品粉末体の製造方法。
【請求項2】
前記複合粉末体を、大麦粉に配合させる請求項1記載の食品粉末体の製造方法。
【請求項3】
前記複合粉末体を、そば粉に配合させる請求項1記載の食品粉末体の製造方法。
【請求項4】
前記複合粉末体を、米粉に配合させる請求項1記載の食品粉末体の製造方法。
【請求項5】
前記複合粉末体を、牛乳粉に配合させる請求項1記載の食品粉末体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗酸化機能や保湿機能を高めるとともに、高血圧、糖尿病、胃腸障害などを抑制することができ、さらに広範囲に利用できる食品粉末体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に青汁粉は、緑葉野菜を粉末化することにより形成されるもので、食物繊維、ビタミン類、ミネラル類などを多く含み、昨今、健康食品として注目を浴びている。
【0003】
また繭を粉末状とした繭粉は、抗酸化機能や保湿機能を高めるとともに、高血圧、糖尿病、胃腸障害などを抑制することが公知とされている。そのため化粧品、和紙、インテリア、高級繊維、日常品等に幅広く使用されている。
【0004】
さらに、朝鮮人参は高麗人参とも呼ばれ、糖尿病、動脈硬化、生活習慣病、骨粗しょう症等の改善効果を発揮する。また血行促進、滋養強壮、疲労回復効果があり、美容や健康促進効果にも優れるとされている。
【0005】
上記の青汁粉末に朝鮮人参粉末とシルクパウダーとを添加した飲料用青汁用粉末が本出願により既出願されている(例えば特許文献1参照)。
上掲特許文献1には、青汁粉末70~90%、朝鮮人参粉末5~30%、シルクパウダー5~30%の配合比率を特徴とする飲料用青汁用粉末が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-41746号公報(特許請求の範囲等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上掲特許文献1の飲料用青汁用粉末は、風味を高め、抗酸化機能や保湿機能を向上させるとともに、高血圧、糖尿病、胃腸障害などを抑制することができる。一方で、飲料用青汁用粉末は飲料に限定しているため、食料品としての広い範囲での使用は望めなかった。
【0008】
そこで本発明は上記の点に鑑み、抗酸化機能や保湿機能を向上させ、高血圧、糖尿病、胃腸障害などを抑制することができるとともに、加工食品として広範囲での使用が可能となる食品粉末体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の食品粉末の製造方法は、粉末化した青汁粉と、粉末化した繭粉と、粉末化した朝鮮人参粉と、からなる複合粉末体を、小麦粉に配合させることを特徴とする。
【0010】
また、複合粉末体を大麦粉に配合させる。
【0011】
また、複合粉末体をそば粉に配合させる。
【0012】
さらに、複合粉末体を米粉に配合させる。
【0013】
またさらに、複合粉末体を牛乳粉に配合させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の食品粉末体の製造方法は、粉末化した青汁粉と、粉末化した繭粉と、粉末化した朝鮮人参粉と、からなる複合粉末体を、小麦粉、大麦粉、そば粉、米粉、牛乳粉に配合させるものであり、この方法で製造された食品粉末体により加工された加工食品を食することで、糖尿病、動脈硬化、滋養強壮、抗酸化機能、皮膚ガン発現の抑制作用、アトピー性皮膚炎の抑制作用、保湿機能、高血圧や糖尿病、胃腸障害などを抑制、抗高血圧効果、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、スーパーオキサイドティムターゼの活性等の効果を得ることができる。またこの方法で製造される加工食品は中華麺、パスタ、そうめん、うどん、そば、パン、和菓子、洋菓子、アイスクリーム等であるため、幅広い範囲で優れた効果を発揮することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の複合粉末体を構成する青汁粉は、大麦若葉、ケール、緑茶、明日葉、よもぎ等の植物を粉砕機等で粉砕乾燥して粉末化することにより形成される。
【0016】
前記複合粉末体を構成する青汁粉は、食物繊維、ビタミン類、ミネラル類などを多く含み、抗高血圧効果、有害物質の吸着、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、スーパーオキサイドティムターゼの活性化などの効果を有し、健康食品として注目を浴びている。
【0017】
また前記複合粉末体を構成する繭粉は、繭から糸を引き出し、その糸を粉砕機等でミクロン単位の径に粉砕することにより形成される。
【0018】
前記繭粉の繭は、家蚕や野蚕等からなる繭が使用される。特に野蚕としてはクリキュラ繭、ヨナクニサン繭、タサールサン繭、エリサン繭、ムガサン繭等が使用される。なお、前記繭粉は、家繭や野繭を単品で、または適宜量で混合して使用することができる。
【0019】
前記繭粉はアルギニン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、トリプトファン、シスチンの18種類の蛋白質アミノ酸で構成されている。
【0020】
前記蛋白成分アミノ酸18種類は、過ギ酸参加処理後、塩酸加水分解し測定した結果、アルギニン(598mg/100g)、リジン(368mg/100g)、ヒスチジン(160mg/100g)、フェニルアラニン(588mg/100g)、チロシン(1430mg/100g)、ロイシン(675mg/100g)、イソロイシン(607mg/100g)、メチオニン(110mg/100g)、バリン(2470mg/100g)、アラニン(26800mg/100g)、グリシン(34500mg/100g)、プロリン(450mg/100g)、グルタミン酸(1920mg/100g)、セリン(13200mg/100g)、スレオニン(1220mg/100g)、アスパラギン酸(2530mg/100g)、トリプトファン(検出せず)、シスチン(94mg/100g)であった。
株式会社日本食品機能分析研究所:アミノ酸自動分析法
【0021】
また前記繭粉は、活性酸素の作用を抑える抗酸化機能、紫外線から皮膚を守る皮膚ガン発現の抑制作用、アトピー性皮膚炎の抑制作用、保湿機能、高血圧や糖尿病、また胃腸障害などを抑制することが公知とされている。そのため化粧品をはじめ、和紙、インテリア、高級繊維、日常品等に幅広く使用されている。
【0022】
また、前記複合粉末体を構成する朝鮮人参粉は、朝鮮人参を粉砕機等で粉砕乾燥して粉末化することにより形成される。前記朝鮮人参ウコギ科の多年草で、中国から朝鮮半島を経て日本に伝えられ、糖尿病、動脈硬化、滋養強壮等に優れた特性を有する。
【0023】
前記複合粉末体を製造する場合、前記青汁粉、繭粉、朝鮮人参粉が適宜の割合で配合されるが、その配合比率は特に限定されるものではなく、使用目的や用途に応じて適宜変更することが好ましい。
【0024】
本発明の食品粉末体は、前記複合粉末体を小麦粉に配合することにより製造される。小麦を粉砕機等で粉砕し、粉末化された小麦粉に前記複合粉末体を配合して食品粉末体が製造される。この食品粉末体に水を加え加工することで、中華麺、パスタ、そうめん、うどん等の加工食品を作ることができる。それらの加工食品を食することで、糖尿病、動脈硬化、滋養強壮、抗酸化機能、皮膚ガン発現の抑制作用、アトピー性皮膚炎の抑制作用、保湿機能、高血圧や糖尿病、胃腸障害などを抑制、抗高血圧効果、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、スーパーオキサイドティムターゼの活性等の効果を得ることができる。
【0025】
なお、前記複合粉末体と小麦粉との配合比率は、特に限定されるものではなく、使用目的や用途、また風味や食感に応じて適宜変更することが好ましい。
【0026】
また他の好適例として、本発明の食品粉末体は、複合粉末体を大麦粉に配合することが好ましい。大麦を粉砕機等で粉砕し、粉末化された大麦粉に前記複合粉末体を配合することにより食品粉末体が製造される。この食品粉末体に水を加え加工することで、パン、和菓子、洋菓子等の加工食品に幅広く活用することができる。また、それらの加工食品を食することで、糖尿病、動脈硬化、滋養強壮、抗酸化機能、皮膚ガン発現の抑制作用、アトピー性皮膚炎の抑制作用、保湿機能、高血圧や糖尿病、胃腸障害などを抑制、抗高血圧効果、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、スーパーオキサイドティムターゼの活性等の効果を得ることができる。
【0027】
なお、前記複合粉末体と大麦粉との配合比率は、特に限定されるものではなく、使用目的や用途、また風味や食感に応じて適宜変更することが好ましい。
【0028】
また他の好適例として、本発明の食品粉末体は、複合粉末体をそば粉に配合することが好ましい。そばの実を細かく粉砕し、粉末化されたそば粉に前記複合粉末体を配合することにより食品粉末体が製造できる。その食品粉末体に水を加え加工することで、日本伝統のそばに活用することができる。そのそば粉にて作られたそばを食することで、糖尿病、動脈硬化、滋養強壮、抗酸化機能、皮膚ガン発現の抑制作用、アトピー性皮膚炎の抑制作用、保湿機能、高血圧や糖尿病、胃腸障害などを抑制、抗高血圧効果、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、スーパーオキサイドティムターゼの活性等の効果を得ることができる。
【0029】
なお、前記複合粉末体とそば粉との配合比率は、特に限定されるものではなく、使用目的や用途、また風味や食感に応じて適宜変更することが好ましい。
【0030】
また他の好適例として、本発明の食品粉末体は、複合粉末体を米粉に配合することが好ましい。米粉は日本人の主食である米を細かく粉砕した米粉に前記複合粉末体を配合し、水を加え加工することにより、パン、ケーキ、麺類等に幅広く活用することができる。その米粉にて作られた加工食品を食することで、糖尿病、動脈硬化、滋養強壮、抗酸化機能、皮膚ガン発現の抑制作用、アトピー性皮膚炎の抑制作用、保湿機能、高血圧や糖尿病、胃腸障害などを抑制、抗高血圧効果、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、スーパーオキサイドティムターゼの活性等の効果を得ることができる。
【0031】
なお、前記複合粉末体と米粉との配合比率は、特に限定されるものではなく、使用目的や用途、また風味や食感に応じて適宜変更することが好ましい。
【0032】
また他の好適例として、本発明の食品粉末体は、複合粉末体を牛乳粉に配合することが好ましい。牛乳粉は牛乳から水分を除去して粉末状にしたものであり、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、乳清等が挙げられる。前記牛乳粉に前記複合粉末体を配合し、水を加え加工することにより、アイスクリーム等の乳製品に幅広く活用することができる。その牛乳粉にて作られた加工食品を食することで、糖尿病、動脈硬化、滋養強壮、抗酸化機能、皮膚ガン発現の抑制作用、アトピー性皮膚炎の抑制作用、保湿機能、高血圧や糖尿病、胃腸障害などを抑制、抗高血圧効果、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、スーパーオキサイドティムターゼの活性等の効果を得ることができる。
【0033】
なお、前記複合粉末体と牛乳粉との配合比率は、特に限定されるものではなく、使用目的や用途、また風味や食感に応じて適宜変更することが好ましい。
【0034】
上述の如く、本発明の食品粉末体の製造方法は、粉末化した青汁粉と、粉末化した繭粉と、粉末化した朝鮮人参粉と、からなる複合粉末体を、小麦粉、大麦粉、そば粉、米粉、牛乳粉に配合させる製造される食品粉末体であり、この食品粉末体に水を加え加工することで、中華麺、パスタ、そうめん、うどん、そば、パン、和菓子、洋菓子、アイスクリーム等の加工食品が形成される。またこの加工食品を食することで、糖尿病、動脈硬化、滋養強壮、抗酸化機能、皮膚ガン発現の抑制作用、アトピー性皮膚炎の抑制作用、保湿機能、高血圧や糖尿病、胃腸障害などを抑制、抗高血圧効果、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、スーパーオキサイドティムターゼの活性等の効果を得ることができる。