(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133043
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液ならびに、酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/49 20060101AFI20230914BHJP
A61Q 5/04 20060101ALI20230914BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
A61K8/49
A61Q5/04
A61K8/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022057463
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】518035145
【氏名又は名称】株式会社イングラボ
(72)【発明者】
【氏名】中谷 靖章
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB082
4C083AC231
4C083AC232
4C083AC302
4C083AC692
4C083AC761
4C083AC762
4C083AC841
4C083AC842
4C083AD132
4C083CC34
4C083DD06
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE25
(57)【要約】
【課題】縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させず毛髪損傷を抑える又は、損傷した毛髪を修復できる毛髪処理剤ならびに毛髪処理方法の提供。
【解決手段】炭酸アルキレンからなる毛髪処理剤ならびに、毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を毛髪に塗布する前に前処理剤として塗布する毛髪処理方法、及び毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)に均一混合する毛髪処理方法により縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させず毛髪損傷を抑える、又は、毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤を毛髪に塗布する前に塗布する毛髪処理方法、及び毛髪処理剤を単独又は毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤に均一混合し、塗布する毛髪処理方法により損傷した毛髪を修復する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤の何れかの調製に用いられる炭酸アルキレンを5~95質量%含有し、さらにチオグリコール酸グリセリルを含有することを特徴とする炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液。
【請求項2】
炭酸アルキレンが、炭酸プロピレン単体又は、炭酸プロピレンと炭酸エチレンの混合物であり、炭酸プロピレン/炭酸エチレンの重量比は、100/0~10/90であることを特徴とする請求項1に記載の炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液。
【請求項3】
レブリン酸を含有することを特徴とする請求項1~2に記載の炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液。
【請求項4】
請求項1~3の何れかに記載の炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤とから調製され、調製された時のpHが7.0未満であることを特徴とする酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤。
【請求項5】
請求項1~3の何れかに記載の炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤とから調製され、調製された時のpHが3.5以上7.0未満であることを特徴とする酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤。
【請求項6】
請求項1~3の何れかに記載の炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤とから調製され、調製された時のpHが3.5以上5.5以下であることを特徴とする酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤。
【請求項7】
請求項1~3の何れかに記載の炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤とから調製され、調製された時の炭酸アルキレンの含有量が2質量%以上、かつ、チオグリコール酸グリセリルの含有量が2質量%以上であることを特徴とする請求項4~6に記載の酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、良好な縮毛矯正効果又はカール効果、及び良好なツヤを有する炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液ならびに酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な縮毛矯正は、主成分の還元剤、酸化剤の作用及び高温での機械的処理によりクセを矯正することができる。具体的には、チオグリコール酸又はその塩、システアミン又はその塩等の還元剤と、アンモニア水、モノエタノールアミン、炭酸水素アンモニウム、アルギニン等のアルカリ剤を含有する第1剤を毛髪に塗布することによりケラチンタンパクに存在するジスルフィド結合を還元開裂した後、中間水洗し、ドライヤーなどで乾燥し、アイロンによる約180℃での機械的処理によりストレート状に伸ばした上で、過酸化水素あるいは臭素酸ナトリウム等の酸化剤を主成分とする第2剤で処理して、ジスルフィド基を酸化再形成させ、毛髪をストレート状に固定する。
【0003】
一般的なパーマネントウェーブは、主成分の還元剤、酸化剤の作用によりカールを形成することができる。具体的には、チオグリコール酸又はその塩、システアミン又はその塩等の還元剤と、アンモニア水、モノエタノールアミン、炭酸水素アンモニウム、アルギニン等のアルカリ剤を含有する第1剤をロッドに巻いた毛髪に塗布することによりケラチンタンパクに存在するジスルフィド結合を還元開裂した後、中間水洗し、過酸化水素あるいは臭素酸ナトリウム等の酸化剤を主成分とする第2剤で処理して、ジスルフィド基を酸化再形成させ、毛髪をカール状に固定する。
【0004】
一般的な加熱式パーマネントウェーブは、主成分の還元剤、酸化剤の作用及び高温での処理によりカールを形成することができる。具体的には、チオグリコール酸又はその塩、システアミン又はその塩等の還元剤と、アンモニア水、モノエタノールアミン、炭酸水素アンモニウム、アルギニン等のアルカリ剤を含有する第1剤を毛髪に塗布することによりケラチンタンパクに存在するジスルフィド結合を還元開裂した後、中間水洗し、加熱ロッドに巻き付け60℃~120℃での処理によりカール状にした上で、加熱ロッドをはずす前後どちらかで過酸化水素あるいは臭素酸ナトリウム等の酸化剤を主成分とする第2剤で処理して、ジスルフィド基を酸化再形成させ、毛髪をカール状に固定する。又、加熱ロッドの代わりに高温整髪用アイロンにて毛髪をカール状にした上で、過酸化水素あるいは臭素酸ナトリウム等の酸化剤を主成分とする第2剤で処理して、ジスルフィド基を酸化再形成させ、毛髪をカール状に固定する場合もある。
【0005】
しかし、縮毛矯正、パーマネントウェーブ、及び加熱式パーマネントウェーブのいずれも、アルカリ性の第1剤を作用させ毛髪が膨潤軟化し、毛髪の損傷が発生するため、第1剤を毛髪の損傷が発生しにくい酸性にすることが試みられているが、十分な縮毛矯正効果及びカール効果を得ることができない。さらに、毛髪が綺麗に見える要素としてはツヤが縮毛矯正効果及びカール効果とともに重要な要素であり、十分な縮毛矯正効果及びカール効果、及びツヤを有する酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤の開発が望まれている。
【0006】
特許文献1には、チオグリコール酸と、有機酸及び/又はリン酸と、有機酸塩及び/又はリン酸塩と、を含み、酸性である、毛髪処理剤組成物が開示されている。パーマネントウエーブ剤又は縮毛矯正剤として、良好なカール効果及び縮毛矯正効果を有しているが、未だ十分な効果ではなく、かつツヤに関する記述がない。
【0007】
特許文献2には、2-メルカプト-ラクトン(ラクタム)9~30重量%を含有し、パーマネントウェーブ1剤の調製に用いられる炭酸アルキレン希釈液ならびに、炭酸アルキレン希釈液と水性基剤とから調製されるパーマネントウェーブ1剤が開示されている。これにより、還元性物質として2-メルカプト-ラクトン(ラクタム)を使用し、且つウェーブ効率及びウェーブ感等に優れたパーマネントウェーブ1剤水溶液を容易に用時調製することができるがpHの範囲が限定されておらず、さらにツヤに関する記述がない。
【0008】
特許文献3には、油性原料および/またはアルコールを85~99.9重量%の量で含み、さらにチオグリコール酸エステル類および/または環状メルカプト類からなる還元剤を含む毛髪変形剤が開示されている。パーマネント・ウェーブ用第1剤として用いることにより、ウェーブ形成力を低下させることなく、パーマネント・ウェーブ施術後の毛髪に、艶、まとまり、およびなめらかさを付与することができ、従来のパーマネント・ウェーブ用第1剤では得られにくかった処理後の毛髪に対するダメージ抑制効果を確実に得ることができるが、油性原料の割合が多くなると施術時の洗い流しがしにくく利便性に欠ける。
【0009】
【特許文献1】特開2016-204282号
【特許文献2】特許第4370479号
【特許文献3】特許第5196756号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、良好な縮毛矯正効果又はカール効果、及び良好なツヤ効果を有する炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液ならびに酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤を提供することを目的とする。なお、本明細書の縮毛矯正効果とは、クセ毛、波状毛、縮毛、加齢によるうねりやちらつき等直毛以外の毛髪、損傷によるパサつきや広がり等を、矯正する、ストレート状にする、キレイにする等を含む広義の意味である。又、カール効果とは、カールやウェーブ等の毛髪を変形させることを含む広義の意味である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、炭酸アルキレンを5~95質量%含有し、さらにチオグリコール酸グリセリルを含有する炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液、ならびに炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤とから調製され、調製された時のpHが7.0未満である酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤を使用することにより良好な縮毛矯正効果又はカール効果、及び良好なツヤを実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明の炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液は、炭酸アルキレンを5~95質量%含有し、さらにチオグリコール酸グリセリルを含有することを特徴とする。
【0013】
本発明の前記炭酸アルキレンは、炭酸プロピレン単体又は、炭酸プロピレンと炭酸エチレンの混合物であり、炭酸プロピレン/炭酸エチレンの重量比は、100/0~10/90である。
【0014】
本発明の炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液には、なめらかさを付与するために、さらに、レブリン酸を加えてもよい。
【0015】
又、本発明の酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤は、前記炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤とから調製され、調製された時のpHが7.0未満である。さらに、pHが3.5以上7.0未満、さらには、pHが3.5以上5.5以下であることが好ましい。
【0016】
さらに又、本発明の酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤は、前記炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤とから調製され、調製された時のpHが前記範囲であることに加え、炭酸アルキレンの含有量が2質量%以上、かつ、チオグリコール酸グリセリルの含有量が2質量%以上となるようにする。さらに、前記炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液にレブリン酸を含有する場合には、調製された本発明の酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤のレブリン酸の含有量が0.2質量%以上となるようにする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液ならびに酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤により、良好な縮毛矯正効果又はカール効果、及び良好なツヤ効果が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液は、炭酸アルキレンを5~95質量%含有し、さらにチオグリコール酸グリセリルを含有し、ならびに酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤は、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤とから調製される。なお、酸性加熱式パーマネントウェーブには、加熱ロッドによるカール形成、高温整髪用アイロンによるカール形成等を含む。さらに、酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤には、化粧品分類の洗い流すヘアセット料である酸性ストレート料1液、酸性カーリング料1液、又は酸性加熱式カーリング料1液等を含む広義の意味である。以下、本発明について詳述する。
【0019】
本発明の炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液は、炭酸アルキレンとチオグリコール酸グリセリルを均一混合したもので、チオグリコール酸グリセリルは還元成分で、炭酸アルキレンはチオグリコール酸グリセリルの浸透促進効果があり、良好な縮毛矯正効果又はカール効果を可能にする。さらに、炭酸アルキレンは、良好なツヤ効果も有する。
炭酸アルキレンの含有量は、5~95質量%、好ましくは30~60質量%である。炭酸アルキレンの含有量が5質量%未満では良好なツヤ効果を得ることができない。さらに、十分な浸透促進効果を発揮することができないため、良好な縮毛矯正効果又はカール効果を得ることができないことがある。さらに、一方、95質量%を超えて含有するとチオグリコール酸グリセリルの含有量が少なくなりすぎるため、良好な縮毛矯正効果又はカール効果を得ることができない。
【0020】
炭酸アルキレンは、炭酸プロピレン単体又は、炭酸プロピレンと炭酸エチレンの混合物であり、炭酸プロピレン/炭酸エチレンの質量比は、100/0~10/90、好ましくは70/30~30/70である。炭酸プロピレン/炭酸エチレンの質量比が10/90より炭酸エチレンが多くなると、炭酸アルキレン混合液が常温で結晶化してしまい、チオグリコール酸グリセリルとの混合均一時に加熱溶解作業が必要となり、利便性に欠ける。
【0021】
前記炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液には、炭酸アルキレン、チオグリコール酸グリセリル、及びレブリン酸以外にも、多塩基酸エステル、多価アルコール、非イオン界面活性剤、安息香酸アルキル(C12~15)、有機溶剤等を、本発明の効果を損なわない範囲内で任意に添加することができる。成分としては、液状物が好ましい。また、炭酸アルキレン及びチオグリコール酸グリセリルは、水により分解することで徐々に効果が低下する。製品としての保存性のため水として5質量%以下の含有となるように調製することが好ましく、水を含有しないように調製することがより好ましい。
【0022】
前記多塩基酸エステルとしては、具体的には、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル等が挙げられる。
【0023】
前記多価アルコールとしては、具体的には、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
【0024】
前記非イオン界面活性剤としては、具体的には、POEアルキルエーテル、POPアルキルエーテル、POE・POPアルキルエーテル、POE・POPグリコール、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POEソルビトールテトラ脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、N-アルキルジメチルアミンオキシド、POPグリセリルエーテル、POPソルビット、POE・POPグリセリルエーテル等が挙げられる。
【0025】
前記有機溶剤としては、低級アルコール、芳香族アルコール、N-アルキルピロリドン等が挙げられる。
【0026】
本発明の酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤は、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤とから調製することができる。
【0027】
本発明の水性基剤は特に限定されないが、前記炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤とから調製された酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤のpHを7.0未満に保持することが必要である。好ましくはpHが3.5以上7.0未満、より好ましくはpH3.5以上5.5以下、さらに好ましくはpHが4.5以上5.5以下の範囲である。3.5未満では、良好な縮毛矯正効果又はカール効果、及び/又は良好なツヤを得ることができず、pHが7.0以上では、酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤から逸脱する。
【0028】
水性基剤としては、水以外にも、通常化粧品や医薬部外品等に用いられる他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲内で任意に添加することができる。このような成分として、例えば乳酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、酸性アミノ酸等の有機酸及び塩類、リン酸等の無機酸及び塩類、アンモニア水、モノエタノールアミン、塩基性アミノ酸等の有機塩基、水酸化ナトリウム等の無機塩基、カチオン高分子、アニオン高分子、非イオン高分子、両性高分子、多価アルコール、糖類、アミノ酸、ペプチド、プロテイン、高級アルコール、エステル、シリコーン、油剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、増粘剤、植物抽出物、香料、粉末成分、色素、有機溶剤、金属イオン封鎖剤、防腐剤等を含有することができる。
【0029】
更に、水性基剤には、還元成分(チオグリコール酸及び塩類、システイン及び塩類、アセチルシステイン、システアミン及び塩類、チオ乳酸及び塩類、チオグリセリン、チオグリコール酸システアミン等)を含有していてもよいし、含有していなくてもよい。例えば、水性基剤としては、公知の縮毛矯正用第1剤、酸性縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤から還元成分を除いたものでもよいし、公知の縮毛矯正用第1剤、酸性縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤そのものでもよい。
【0030】
本発明の酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤は、前記炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と還元成分を含有していない水性基剤とから調製されることで得られる。例えば、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液の混合量が還元成分を含有していない水性基剤に対して少な過ぎると、炭酸アルキレン及び/又はチオグリコール酸グリセリルの含有量が少なくなり、良好な縮毛矯正効果又はカール効果、及び/又は良好なツヤ効果を得ることができないことがある。具体的には、前記炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と還元成分を含有していない水性基剤とから調整後の炭酸アルキレンの含有量が2質量%以上、かつ、チオグリコール酸グリセリルの含有量が2質量%以上、好ましくは炭酸アルキレンの含有量が10質量%以上、かつ、チオグリコール酸グリセリルの含有量が10質量%以上になるよう調製する。又、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液の混合量が還元成分を含有していない水性基剤に対して多すぎても含有量に見合った縮毛矯正効果又はカール効果、及び/又はツヤ効果の向上は期待できない。具体的には、前記炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と還元成分を含有していない水性基剤とから調整後の炭酸アルキレンの含有量が38質量%以下、チオグリコール酸グリセリルの含有量が18質量%を以下となるよう調整することが好ましい。さらに又、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液の混合量が還元成分を含有していない水性基剤に対して多すぎると水の含有量が少なくなり、作用時間が長くなる場合がある。具体的には、還元成分を含有していない水性基剤の混合量が60質量%以上になるよう調製することが好ましい。
【0031】
水性基剤に還元成分を含有している場合でも、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液の混合量が還元成分を含有している水性基剤に対して少な過ぎると、炭酸アルキレン及び/又はチオグリコール酸グリセリルの含有量が少なくなり、良好な縮毛矯正効果又はカール効果、及び/又は良好なツヤ効果を得ることができないことがある。具体的には、前記炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と還元成分を含有している水性基剤とから調整後の炭酸アルキレンの含有量が2質量%以上、かつ、チオグリコール酸グリセリルの含有量が2質量%以上、好ましくは炭酸アルキレンの含有量が10質量%以上、かつ、チオグリコール酸グリセリルの含有量が5質量%以上になるよう調製する。又、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液の混合量が還元成分を含有している水性基剤に対して多すぎても含有量に見合った縮毛矯正効果又はカール効果、及び/又はツヤ効果の向上は期待できない。具体的には、前記炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と還元成分を含有している水性基剤とから調整後の炭酸アルキレンの含有量が38質量%以下、チオグリコール酸グリセリルと還元成分を含有している水性基剤に含有されている還元成分の合計含有量が20質量%以下であることが好ましい。さらに又、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液の混合量が還元成分を含有している水性基剤に対して多すぎると水の含有量が少なくなり、作用時間が長くなる場合がある。具体的には、還元成分を含有している水性基剤の混合量が60質量%以上になるよう調製することが好ましい。
【0032】
本発明の酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤の調製は、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤を施術前に均一混合することによって用時調整するが、直前であることが好ましい。
【0033】
本発明の酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤の形態は、液状、乳化液、粘性液、クリーム状、ジェル状等であってもよい。
【実施例0034】
以下に具体例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例等における配合量は特に断らない限り質量%を示す。
【0035】
(実施例1~5及び比較例1~5)
下記の表1に掲げた組成を有する炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液及び水性基剤を、各成分が均一になるまで撹拌混合することで調製し、その後調製した炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤を均一混合することにより酸性縮毛矯正用第1剤を調製した。
調製した酸性縮毛矯正用第1剤の縮毛矯正効果及びツヤ効果を、下記の方法により評価した。
【0036】
また、第2剤を以下の通り調製した
臭素酸ナトリウム 10.0
塩化セチルトリメチルアンモニウム 1.0
カチオン化セルロール 0.2
リン酸 0.4
水酸化ナトリウム 適量(pH6.5に調整)
精製水 残量
合計 100.0
【0037】
<酸性縮毛矯正用第1剤評価用試験毛束の作成>
天然クセ毛(インド人黒毛)を伸長時の長さが30cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、各毛束を市販の12レベルの酸化染毛剤にて処理し、市販のシャンプーにて7回洗浄し、十分にタオルドライし、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置する。その後、再度、各毛束を市販の8レベルの酸化染毛剤にて処理し、市販のシャンプーにて7回洗浄し、十分にタオルドライし、試験毛束とした。
【0038】
<縮毛矯正効果及びツヤ効果の評価>
試験毛束に調製した酸性縮毛矯正用第1剤を8g塗布し、40℃で20分間放置する。その後、お湯で十分に酸性縮毛矯正用第1剤を洗い流す。十分にタオルドライしてからドライヤーで乾燥させ、190℃に熱した毛髪矯正アイロンにて10秒間かけて毛髪をストレート状にした。次に、前記第2剤を10g塗布し、室温にて15分間放置し、お湯で十分に第2剤を洗い流し、十分にタオルドライし、コームで整えた後に毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置して十分に乾燥した後に、下記の評価基準により、10年以上の美容師経験を有する3名が評価した。
【0039】
<縮毛矯正効果評価基準>
1.クセが残っており、まとまりが悪い。
2.クセは少し残っており、まとまりがやや悪い。
3.クセがほぼ伸びていて、まとまりがある。
4.クセが伸びていて、まとまりが良い。
5.クセが伸びていて、まとまりが非常に良い。
<ツヤ効果評価基準>
1.ツヤがやや悪い。
2.ツヤは普通。
3.ツヤがある。
4.ツヤが良い。
5.ツヤが非常に良い。
【0040】
【0041】
実施例1~5に示されるように、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液の炭酸アルキレンを5~95質量%含有し、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤とから調製後の炭酸アルキレンの含有量が2.0質量%以上かつチオグリコール酸グリセリルの含有量が2.0質量%以上の場合に、十分な縮毛矯正効果及びツヤ効果が得られた。これに対し、比較例1、5に示されるように、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液の炭酸アルキレンの含有量が前記範囲外の場合には、縮毛矯正効果又はツヤ効果が不十分であった。また、比較例2~4に示されるように、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液の炭酸アルキレンの含有量が前記範囲であっても、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤とから調製後の炭酸アルキレンの含有量が2.0質量%未満及び/又はチオグリコール酸グリセリルの含有量が2.0質量%未満の場合には、縮毛矯正効果及び/又はツヤ効果が不十分であった。
【0042】
(実施例6~9及び比較例6~8)
下記の表2に掲げた組成を有する炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液及び水性基剤を、各成分が均一になるまで撹拌混合することで調製し、その後調製した炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤を均一混合することにより酸性縮毛矯正用第1剤を調製した。
調製した酸性縮毛矯正用第1剤の縮毛矯正効果及びツヤ効果を、前記の方法により評価した。
【0043】
【0044】
実施例6~9に示されるように、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液の炭酸アルキレンを5~95質量%含有し、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と還元成分を含有する水性基剤とから調製後の炭酸アルキレンの含有量が2.0質量%以上かつチオグリコール酸グリセリルの含有量が2.0質量%以上の場合に、十分な縮毛矯正効果及びツヤ効果が得られた。これに対し、比較例6に示されるように、還元成分を含有する水性基剤のみの場合には、縮毛矯正効果及びツヤ効果が不十分であった。さらに、比較例7~8に示されるように、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と還元成分を含有する水性基剤とから調製後の炭酸アルキレンの含有量が2.0質量%未満又はチオグリコール酸グリセリルの含有量が2.0質量%未満の場合には、縮毛矯正効果又はツヤ効果が不十分であった。
【0045】
(実施例10~12)
下記の表3に掲げた組成を有する炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液及び水性基剤を、各成分が均一になるまで撹拌混合することで調製し、その後調製した炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤を均一混合することにより酸性縮毛矯正用第1剤を調製した。
調製した酸性縮毛矯正用第1剤の縮毛矯正効果及びツヤ効果を、前記の方法により評価した。
【0046】
【0047】
実施例10~12に示されるように、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液の炭酸プロピレン/炭酸エチレンの質量比が100/0~10/90場合に、十分な縮毛矯正効果及びツヤ効果が得られた。
【0048】
(実施例13~21及び比較例9~11)
下記の表4に掲げた組成を有する炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液及び水性基剤を、各成分が均一になるまで撹拌混合することで調製し、その後調製した炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液及と水性基剤を均一混合することにより酸性縮毛矯正用第1剤を調製した。
調製した酸性縮毛矯正用第1剤の縮毛矯正効果及びツヤ効果を、前記の方法により評価した。
【0049】
【0050】
実施例13~21に示されるように、pHが3.5以上7.0未満の場合に、十分な縮毛矯正効果及びツヤ効果が得られた。これに対し、比較例9~11に示されるように、pHが3.5未満である場合には、縮毛矯正効果及び/又はツヤ効果が不十分であった。
【0051】
(実施例22~23、比較例12~13)
下記の表5に掲げた組成を有する炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液及び水性基剤を、各成分が均一になるまで撹拌混合することで調製し、その後調製した炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤を均一混合することにより酸性パーマネントウェーブ用第1剤又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤を調製した。
調製した酸性パーマネントウェーブ用第1剤又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤のカール効果及びツヤ効果を、下記の方法により評価した。
【0052】
<酸性パーマネントウェーブ用第1剤又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤評価用試験毛束の作成>
人毛(中国人)を長さが30cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、各毛束を市販の12レベルの酸化染毛剤にて処理し、市販のシャンプーにて7回洗浄し、十分にタオルドライし、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置する。その後、再度、各毛束を市販の8レベルの酸化染毛剤にて処理し、市販のシャンプーにて7回洗浄し、十分にタオルドライし、試験毛束とした。
【0053】
<酸性パーマネントウェーブのカール効果及びツヤ効果の評価>
試験毛束を直径約20mmのロッドに巻きつけ、調整した酸性パーマネントウェーブ用第1剤を5g塗布し、40℃で15分間放置する。その後、お湯で十分に酸性パーマネントウェーブ用第1剤を洗い流す。次に、前記第2剤を5g塗布し、室温にて15分間放置する。さらに、ロッドから試験毛束をはずし、お湯で十分に第2剤を洗い流し、コームで整えた後に毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置して十分に乾燥した後に、下記の評価基準により、10年以上の美容師経験を有する3名が評価した。
【0054】
<カール効果評価基準>
1.カール形成が弱く、まとまりが悪い。
2.カール形成がやや弱く、まとまりがやや悪い。
3.カール形成がやや強く、まとまりがある。
4.カール形成が強く、まとまりが良い。
5.カール形成が強く、まとまりが非常に良い。
<ツヤ効果評価基準>
1.ツヤがやや悪い。
2.ツヤは普通。
3.ツヤがある。
4.ツヤが良い。
5.ツヤが非常に良い。
【0055】
<酸性加熱式パーマネントウェーブのカール効果及びツヤ効果の評価>
試験毛束に調整した酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤を8g塗布し、40℃で15分間放置する。その後、お湯で十分に酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤を洗い流す。次に、タオルドライし、直径約20mmの加熱ロッドに巻きつけ80℃で加熱し乾燥する。次に、前記第2剤を10g塗布し、室温にて15分間放置する。さらに、加熱ロッドから試験毛束をはずし、お湯で十分に第2剤を洗い流し、コームで整えた後に毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置して十分に乾燥した後に、下記の評価基準により、10年以上の美容師経験を有する3名が評価した。
【0056】
<カール効果評価基準>
1.カール形成がやや弱く、まとまりがやや悪い。
2.カール形成が普通、まとまりが普通。
3.カール形成がやや強く、まとまりが良い。
4.カール形成が強く、まとまりが良い。
5.カール形成が強く、まとまりが非常に良い。
<ツヤ効果評価基準>
1.ツヤがやや悪い。
2.ツヤは普通。
3.ツヤがある。
4.ツヤが良い。
5.ツヤが非常に良い。
【0057】
【0058】
実施例22~23に示されるように、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液の炭酸アルキレンを5~95質量%含有し、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤の調製後の炭酸アルキレンの含有量が2.0質量%以上かつチオグリコール酸グリセリルの含有量が2.0質量%以上の場合に、十分なカール効果及びツヤ効果が得られた。これに対し、比較例12~13に示されるように、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液の炭酸アルキレンの含有量が前記範囲外で、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤の調製後の炭酸アルキレンの含有量が2.0質量%未満又はチオグリコール酸グリセリルの含有量が2.0質量%未満の場合には、カール果又はツヤ効果が不十分であった。
【0059】
(実施例24~32、比較例14~16)
下記の表6に掲げた組成を有する炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液及び水性基剤を、各成分が均一になるまで撹拌混合することで調製し、その後調製した炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤を均一混合することにより酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤を調製した。
調製した酸性縮毛矯正用第1剤、酸性パーマネントウェーブ用第1剤、又は酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤の縮毛矯正効果又はカール効果、及びツヤ効果を前記の方法により評価した。なお、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液にレブリン酸を含有した場合のなめらかさの付与効果の評価基準は、下記の通りである。
【0060】
<なめらかさの付与効果評価基準>
レブリン酸を含有していない場合のなめらかさに対する付与効果を評価する。
1.なめらかさの向上がない。
2.なめらかさの向上がほんの少ししかない。
3.なめらかさの向上がややある。
4.なめらかさの向上がある。
5.なめらかさの向上が非常にある。
【0061】
【0062】
実施例24~26に示されるように、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液の炭酸アルキレンを5~95質量%含有し、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤の調製後の炭酸アルキレンの含有量が2.0質量%以上かつチオグリコール酸グリセリルの含有量が2.0質量%以上の場合に、十分な縮毛矯正効果又はカール効果、及びツヤ効果が得られた。さらに、実施例27~32に示されるように、炭酸アルキレンを5~95質量%含有している炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液にレブリン酸を含有し、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤の調製後の炭酸アルキレンの含有量が2.0質量%以上かつチオグリコール酸グリセリルの含有量が2.0質量%以上かつレブリン酸の含有量が0.2質量%以上の場合に、十分な縮毛矯正効果又はカール効果、及びツヤ効果が得られ、かつ十分ななめらかさ付与効果が得られた。これに対し、比較例14~16に示されるように、炭酸アルキレンを5~95質量%含有している炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液にレブリン酸を含有し、炭酸アルキレン・チオグリコール酸グリセリル混合液と水性基剤の調製後の炭酸アルキレンの含有量が2.0質量%以上かつチオグリコール酸グリセリルの含有量が2.0質量%以上で、レブリン酸の含有量が0.2質量%未満の場合には、十分な縮毛矯正効果又はカール効果、及びツヤ効果は得られるが、なめらかさ付与効果が不十分であった。