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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133044
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】毛髪処理剤ならびに毛髪処理方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/49 20060101AFI20230914BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20230914BHJP
   A61Q 5/04 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
A61K8/49
A61Q5/00
A61Q5/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022057464
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】518035145
【氏名又は名称】株式会社イングラボ
(72)【発明者】
【氏名】中谷 靖章
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC111
4C083AC112
4C083AC231
4C083AC232
4C083AC641
4C083AC642
4C083AC841
4C083AC842
4C083AD411
4C083AD412
4C083BB53
4C083CC31
4C083CC33
4C083CC34
4C083CC35
4C083CC36
4C083DD23
4C083DD41
4C083EE06
4C083EE28
4C083EE29
4C083FF05
(57)【要約】
【課題】縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させず毛髪損傷を抑える又は、損傷した毛髪を修復できる毛髪処理剤ならびに毛髪処理方法の提供。
【解決手段】炭酸アルキレンからなる毛髪処理剤ならびに、毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を毛髪に塗布する前に前処理剤として塗布する毛髪処理方法、及び毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)に均一混合する毛髪処理方法により縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させず毛髪損傷を抑える、又は、毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤を毛髪に塗布する前に塗布する毛髪処理方法、及び毛髪処理剤を単独又は毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤に均一混合し、塗布する毛髪処理方法により損傷した毛髪を修復する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭酸プロピレン単体又は、炭酸プロピレンと炭酸エチレンの混合物であり、炭酸プロピレン/炭酸エチレンの質量比は、100/0~10/90であることを特徴とする炭酸アルキレンからなる毛髪処理剤。
【請求項2】
レブリン酸を含有することを特徴とする請求項1に記載の毛髪処理剤。
【請求項3】
プロテイン及び/又はジマレイン酸化合物を含有していることを特徴とする請求項2に記載の毛髪処理剤。
【請求項4】
多価アルコールを含有することを特徴とする請求項1~3に記載の毛髪処理剤。
【請求項5】
レブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質を含有することを特徴とする請求項2~4に記載の毛髪処理剤。
【請求項6】
請求項1~5の何れかに記載の毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を毛髪に塗布する前に前処理剤として塗布することを特徴とする毛髪処理方法。
【請求項7】
請求項1~5の何れかに記載の毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)に対して2~20質量%均一混合することを特徴とする毛髪処理方法。
【請求項8】
請求項1~5の何れかに記載の毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤を毛髪に塗布する前に塗布することを特徴とする毛髪処理方法。
【請求項9】
請求項1~5の何れかに記載の毛髪処理剤を単独又は毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤に均一混合し、塗布することを特徴とする毛髪処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、炭酸アルキレンからなる毛髪処理剤ならびに、毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を毛髪に塗布する前に前処理剤として塗布する毛髪処理方法、及び毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)に均一混合する毛髪処理方法により縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させず毛髪損傷を抑える、又は、毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤を毛髪に塗布する前に塗布する毛髪処理方法、及び毛髪処理剤を単独又は毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤に均一混合し、塗布する毛髪処理方法により損傷した毛髪を修復する。
【背景技術】
【0002】
一般的な縮毛矯正は、主成分の還元剤、酸化剤の作用及び高温での機械的処理によりクセを矯正することができる。具体的には、チオグリコール酸又はその塩、システアミン又はその塩等の還元剤と、アンモニア水、モノエタノールアミン、炭酸水素アンモニウム、アルギニン等のアルカリ剤を含有する第1剤を毛髪に塗布することによりケラチンタンパクに存在するジスルフィド結合を還元開裂した後、中間水洗し、ドライヤーなどで乾燥し、アイロンによる約180℃での機械的処理によりストレート状に伸ばした上で、過酸化水素あるいは臭素酸ナトリウム等の酸化剤を主成分とする第2剤で処理して、ジスルフィド基を酸化再形成させ、毛髪をストレート状に固定する。
【0003】
一般的なパーマネントウェーブは、主成分の還元剤、酸化剤の作用によりカールを形成することができる。具体的には、チオグリコール酸又はその塩、システアミン又はその塩等の還元剤と、アンモニア水、モノエタノールアミン、炭酸水素アンモニウム、アルギニン等のアルカリ剤を含有する第1剤をロッドに巻いた毛髪に塗布することによりケラチンタンパクに存在するジスルフィド結合を還元開裂した後、中間水洗し、過酸化水素あるいは臭素酸ナトリウム等の酸化剤を主成分とする第2剤で処理して、ジスルフィド基を酸化再形成させ、毛髪をカール状に固定する。
【0004】
一般的な加熱式パーマネントウェーブは、主成分の還元剤、酸化剤の作用及び高温での処理によりカールを形成することができる。具体的には、チオグリコール酸又はその塩、システアミン又はその塩等の還元剤と、アンモニア水、モノエタノールアミン、炭酸水素アンモニウム、アルギニン等のアルカリ剤を含有する第1剤を毛髪に塗布することによりケラチンタンパクに存在するジスルフィド結合を還元開裂した後、中間水洗し、加熱ロッドに巻き付け60℃~120℃での処理によりカール状にした上で、加熱ロッドをはずす前後どちらかで過酸化水素あるいは臭素酸ナトリウム等の酸化剤を主成分とする第2剤で処理して、ジスルフィド基を酸化再形成させ、毛髪をカール状に固定する。又、加熱ロッドの代わりに高温整髪用アイロンにて毛髪をカール状にした上で、過酸化水素あるいは臭素酸ナトリウム等の酸化剤を主成分とする第2剤で処理して、ジスルフィド基を酸化再形成させ、毛髪をカール状に固定する場合もある。
【0005】
一般的な酸化染毛剤は、酸化染料とアルカリ剤を含有する第1剤と過酸化水素を含有する第2剤を使用直前に混合し、毛髪に処理することで染毛する。
【0006】
一般的な脱色剤(ブリーチ剤)は、過硫酸塩とアルカリ剤を含有する第1剤と過酸化水素を含有する第2剤を使用直前に混合し、毛髪に処理することで脱色する。
【0007】
しかし、縮毛矯正、パーマネントウェーブ、及び加熱式パーマネントウェーブのいずれも、アルカリ性の第1剤を作用させ毛髪が膨潤軟化し、毛髪の損傷が発生する。又、酸化染毛、脱色(ブリーチ)においても、アルカリ性で作用させ毛髪が膨潤し、毛髪の損傷が発生する。縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させず毛髪損傷を抑える又は、損傷した毛髪を修復できる毛髪処理剤ならびに毛髪処理方法が望まれている。
【0008】
一般的に、毛髪損傷を防ぎ、損傷した毛髪の損傷の進行を防ぐため、縮毛矯正、パーマネントウェーブ、加熱式パーマネントウェーブ、酸化染毛、脱色(ブリーチ)を行う前に、前処理剤を塗布することが知られている。しかしながら、その損傷の抑制効果は低く、効果を向上させるために保護成分を高濃度に含有する前処理剤を使用すると、保護効果が高くなり損傷の抑制効果を発揮することはできるが、縮毛矯正、パーマネントウェーブ、加熱式パーマネントウェーブ、酸化染毛、脱色(ブリーチ)の本来機能の低下を伴っていた。又、一般的に、損した毛髪を修復するため、様々なヘアトリートメントを施術しているが、修復効果は不十分であった。
【0009】
特許文献1には、(A)分子量300以下の芳香族スルホン酸又はその塩 (B)カチオン電荷密度が4.5meq/g以上であるカチオン性ポリマー)を含有し、成分(A)に対する成分(B)の質量比(B)/(A)が0.7以上5.0以下である毛髪化粧料及び毛髪脱色又は酸化染毛前処理剤として使用する方法が開示されている。これにより、染毛などの化学処理後に発生する、毛髪のうねり・髪の広がりを抑え、毛髪のまとまりや感触をより一層向上させ、更には単回の処理でその効果が一定期間持続することができことができるが、酸化染毛及び脱色の効果に関する記載がない。
【0010】
特許文献2には、クエン酸、レブリン酸及びマレイン酸から選ばれた一種又は二種以上が配合され、酸性、且つ1剤式の前処理剤、並びにこの前処理剤を使用する酸化染毛方法及び脱色方法が開示されている。これにより、クエン酸、レブリン酸及びマレイン酸から選ばれた一種又は二種以上が配合された酸性のものであるから、酸化染毛処理又は脱色処理に伴う毛髪損傷の抑制に優れるが、酸化染毛及び脱色の効果に関する記載がない。
【0011】
【特許文献1】特開2019-123710号
【特許文献2】特開2020-11905号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前記従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させず毛髪損傷を抑える又は、損傷した毛髪を修復できる毛髪処理剤ならびに毛髪処理方法を提供することを目的とする。なお、本明細書の縮毛矯正剤の機能とは、クセ毛、波状毛、縮毛、加齢によるうねりやちらつき等、損傷によるパサつきや広がり等を、矯正する、ストレート状にする、キレイにする等を含む広義の意味である。又、パーマネントウェーブ剤及び加熱式パーマネントウェーブ剤の機能とは、カールやウェーブ等の毛髪を変形させることを含む広義の意味である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、炭酸アルキレンからなる毛髪処理剤ならびに、毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を毛髪に塗布する前に前処理剤として塗布する毛髪処理方法、及び毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)に均一混合する毛髪処理方法により縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させず毛髪損傷を抑えることを実現できる、又は、毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤を毛髪に塗布する前に塗布する毛髪処理方法、及び毛髪処理剤を単独又は毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤に均一混合し、塗布する毛髪処理方法により損傷した毛髪の修復を実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明の毛髪処理剤は、炭酸プロピレン単体又は、炭酸プロピレンと炭酸エチレンの混合物であり、炭酸プロピレン/炭酸エチレンの質量比は、100/0~10/90である。
【0015】
本発明の前記毛髪処理剤には、なめらかさを付与するために、レブリン酸を加えてもよい。
【0016】
本発明の前記毛髪処理剤には、弾力を付与するために、プロテイン及び/又はジマレイン酸化合物を加えてもよい。
【0017】
本発明の前記毛髪処理剤には、しっとり感を付与するために、多価アルコールを加えてもよい。
【0018】
本発明の前記毛髪処理剤には、指通りのよさを付与するために、レブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解するカチオン性物質を加えてもよい。
【0019】
本発明の毛髪処理方法は、前記毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を毛髪に塗布する前に前処理剤として塗布する方法である。
【0020】
本発明の毛髪処理方法は、前記毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤又は、脱色剤(ブリーチ剤)に対して2~20質量%均一混合し、塗布する方法である。
【0021】
本発明の毛髪処理方法は、前記毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤を毛髪に塗布する前に塗布する方法である。
【0022】
本発明の毛髪処理方法は、前記毛髪処理剤を単独又は毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤に均一混合する方法である。
【発明の効果】
【0023】
本発明の炭酸アルキレンからなる毛髪処理剤ならびに毛髪処理方法により縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させず毛髪損傷を抑える又は、損傷した毛髪を修復することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の炭酸アルキレンからなる毛髪処理剤ならびに、毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を毛髪に塗布する前に前処理剤として塗布する毛髪処理方法、及び毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)に均一混合する毛髪処理方法により縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させず毛髪損傷を抑える、又は、毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤を毛髪に塗布する前に塗布する毛髪処理方法、及び毛髪処理剤を単独又は毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤に均一混合し、塗布する毛髪処理方法により損傷した毛髪を修復する。なお、加熱式パーマネントウェーブには、加熱ロッドによるカール形成と高温整髪用アイロンによるカール形成等を含む。さらに、縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、又は加熱式パーマネントウェーブ剤には、化粧品分類の洗い流すヘアセット料であるストレート料、カーリング料、又は加熱式カーリング料等を含む広義の意味である。以下、本発明について詳述する。
【0025】
本発明の毛髪処理剤は、炭酸プロピレン単体又は、炭酸プロピレンと炭酸エチレンの混合物であり、炭酸プロピレン/炭酸エチレンの質量比は、100/0~10/90、好ましくは70/30~30/70である。炭酸プロピレン/炭酸エチレンの質量比が10/90より炭酸エチレンの質量比を超えると、常温で結晶化してしまい利便性に欠ける。炭酸アルキレンは浸透促進効果があり、縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させず毛髪損傷を抑えることを可能にする。又、炭酸アルキレンは、損傷した毛髪を修復する効果も有する。
【0026】
本発明の毛髪処理剤には、レブリン酸を加えてもよい。毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を毛髪に塗布する前に前処理剤として塗布する毛髪処理方法の場合、毛髪処理剤の炭酸アルキレンの含有量は30質量%以上かつレブリン酸の含有量は1質量%以上である。炭酸アルキレンの含有量が30質量%未満では、十分な縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させず毛髪損傷を抑える効果を得ることができない。レブリン酸の含有量が1質量%未満では、十分ななめらか付与効果を得ることができない。毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)に均一混合する毛髪処理方法の場合、毛髪処理剤の炭酸アルキレンの含有量は30質量%以上かつ毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を均一混合した薬剤のレブリン酸の含有量は、0.3~6質量%となるように調整する。炭酸アルキレンの含有量が30質量%未満では、十分な縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させず毛髪損傷を抑える効果を得ることができない。毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を均一混合した薬剤のレブリン酸の含有量が0.3質量%未満では十分ななめらか付与効果を得ることができず、6質量%を超えて含有すると縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させる。毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤を毛髪に塗布する前に塗布する毛髪処理方法の場合、毛髪処理剤の炭酸アルキレンの含有量は10質量%以上かつレブリン酸の含有量は1質量%以上である。炭酸アルキレンの含有量が10質量%未満では、十分な修復効果が得られない。レブリン酸の含有量が1質量%未満では、十分ななめらか付与効果を得ることができない。毛髪処理剤を単独で塗布し、損傷した毛髪を修復する毛髪処理方法の場合、炭酸アルキレンの含有量は5質量%以上、かつレブリン酸の含有量は0.3質量%以上である。炭酸アルキレンの含有量が5質量%未満では、十分な修復効果が得られない。レブリン酸の含有量が0.3質量%未満では、十分ななめらか付与効果を得ることができない。又、毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤に均一混合する損傷した毛髪を修復する毛髪処理方法の場合、毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤を均一混合した薬剤の炭酸アルキレンの含有量は2質量%以上、かつレブリン酸の含有量は0.3質量%以上となるように調整する。炭酸アルキレンの含有量が2質量%未満では、十分な修復効果が得られない。レブリン酸の含有量が0.3質量%未満では、十分ななめらか付与効果を得ることはできない。
【0027】
本発明の毛髪処理剤には、プロテイン及び/又はジマレイン酸化合物を加えてもよい。毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を毛髪に塗布する前に前処理剤として塗布する毛髪処理方法の場合、毛髪処理剤の炭酸アルキレンの含有量は30質量%以上かつプロテイン及び/又はジマレイン酸化合物の含有量は0.5質量%以上である。炭酸アルキレンの含有量が30質量%未満では、十分な縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させず毛髪損傷を抑える効果を得ることができない。プロテイン及び/又はジマレイン酸化合物の含有量が0.5質量%未満では、十分な弾力付与効果を得ることができない。毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)に均一混合する毛髪処理方法の場合、毛髪処理剤の炭酸アルキレンの含有量は30質量%以上かつ毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を均一混合した薬剤のプロテイン及び/又はジマレイン酸化合物の含有量は、0.1~4.5質量%となるように調整する。炭酸アルキレンの含有量が30質量%未満では、十分な縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させず毛髪損傷を抑える効果を得ることができない。毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を均一混合した薬剤の含有量が0.1質量%未満では十分な弾力付与効果を得ることができず、4.5質量%を超えても含有量に見合った弾力付与効果の向上は期待できない。毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤を毛髪に塗布する前に塗布する毛髪処理方法の場合、毛髪処理剤の炭酸アルキレンの含有量は10質量%以上かつプロテイン及び/又はジマレイン酸化合物の含有量は0.5質量%以上である。炭酸アルキレンの含有量が10質量%未満では、十分な修復効果が得られない。プロテイン及び/又はジマレイン酸化合物の含有量が0.5質量%未満では、十分な弾力付与効果を得ることができない。毛髪処理剤を単独で塗布し、損傷した毛髪を修復する毛髪処理方法の場合、炭酸アルキレンの含有量は5質量%以上、かつプロテイン及び/又はジマレイン酸化合物の含有量は0.1質量%以上である。炭酸アルキレンの含有量が5質量%未満では、十分な修復効果が得られない。プロテイン及び/又はジマレイン酸化合物の含有量が0.1質量%未満では、十分な弾力付与効果を得ることができない。又、毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤に均一混合する損傷した毛髪を修復する毛髪処理方法の場合、毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤を均一混合した薬剤の炭酸アルキレンの含有量は2質量%以上、かつプロテイン及び/又はジマレイン酸化合物の含有量は0.1質量%以上となるように調整する。炭酸アルキレンの含有量が2質量%未満では、十分な修復効果が得られない。プロテイン及び/又はジマレイン酸化合物の含有量が0.1質量%未満では、十分な弾力付与効果を得ることはできない。
プロテインとしては、加水分解ケラチン、加水分解コラーゲン、加水分解シルク、カルボキシメチルシステインリシン等が挙げられる。又、ジマレイン酸化合物としては、ジマレイン酸シスタミン、ジマレイン酸プロピレンジアンモニウム、セスキマレイン酸イソホロンジアミン等が挙げられる。これらプロテイン及び/又はジマレイン酸化合物は、炭酸アルキレンと相溶性がないため、レブリン酸に溶解させてから、炭酸アルキレンと均一混合する。ただし、炭酸アルキレンは、水により分解することで徐々に効果が低下する。製品としての保存性のため水として5質量%以下の含有となるように調製することが好ましく、水を含有していないように調製することがより好ましい。従って、プロテイン及び/又はジマレイン酸化合物は、水を実質的に含まない粉体が好ましい。
【0028】
本発明の毛髪処理剤には、多価アルコールを加えてもよい。毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を毛髪に塗布する前に前処理剤として塗布する毛髪処理方法の場合、毛髪処理剤の炭酸アルキレンの含有量は30質量%以上かつ多価アルコールの含有量は1質量%以上である。炭酸アルキレンの含有量が30質量%未満では、十分な縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させず毛髪損傷を抑える効果を得ることができない。多価アルコールの含有量が1質量%未満では、十分なしっとり感付与効果を得ることができない。毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)に均一混合する毛髪処理方法の場合、毛髪処理剤の炭酸アルキレンの含有量は30質量%以上かつ毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を均一混合した薬剤の多価アルコールの含有量は、0.3~10質量%となるように調整する。炭酸アルキレンの含有量が30質量%未満では、十分な縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させず毛髪損傷を抑える効果を得ることができない。毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を均一混合した薬剤の多価アルコールの含有量が0.3質量%未満では十分なしっとり感付与効果を得ることができず、10質量%を超えても含有量に見合ったしっとり感付与効果の向上は期待できない。毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤を毛髪に塗布する前に塗布することを特徴とする毛髪処理方法の場合、毛髪処理剤の炭酸アルキレンの含有量は10質量%以上かつ多価アルコールの含有量は1質量%以上である。炭酸アルキレンの含有量が10質量%未満では、十分な修復効果が得られない。多価アルコールの含有量が1質量%未満では、十分なしっとり感付与効果を得ることができない。毛髪処理剤を単独で塗布し、損傷した毛髪を修復する毛髪処理方法の場合、炭酸アルキレンの含有量は5質量%以上かつ多価アルコールの含有量は0.3質量%以上である。炭酸アルキレンの含有量が5質量%未満では、十分な修復効果が得られない。多価アルコールの含有量が0.3質量%未満では、十分なしっとり感付与効果を得ることができない。又、毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤に均一混合する損傷した毛髪を修復する毛髪処理方法の場合、毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤を均一混合した薬剤の炭酸アルキレンの含有量は2質量%以上、かつ多価アルコールの含有量は0.3質量%以上となるように調整する。炭酸アルキレンの含有量が2質量%未満では、十分な修復効果が得られない。多価アルコールの含有量が0.3質量%未満では、十分なしっとり感付与効果を得ることはできない。
多価アルコールとしては、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
【0029】
本発明の毛髪処理剤には、レブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質を加えてもよい。毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を毛髪に塗布する前に前処理剤として塗布する毛髪処理方法の場合、毛髪処理剤の炭酸アルキレンの含有量は30質量%以上かつレブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質の含有量は0.5質量%以上である。炭酸アルキレンの含有量が30質量%未満では、十分な縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させず毛髪損傷を抑える効果を得ることができない。レブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質の含有量が0.5質量%未満では、十分な指通りのよさ付与効果を得ることができない。毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)に均一混合する毛髪処理方法の場合、毛髪処理剤の炭酸アルキレンの含有量は30質量%以上かつ毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を均一混合した薬剤のレブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質の含有量は、0.1~4.5質量%となるように調整する。炭酸アルキレンの含有量が30質量%未満では、十分な縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させず毛髪損傷を抑える効果を得ることができない。毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を均一混合した薬剤のレブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質の含有量が0.1質量%未満では十分な指通りのよさ付与効果を得ることができず、4.5質量%を超えても含有量に見合った指通りのよさ付与効果の向上は期待できない。毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤を毛髪に塗布する前に塗布する毛髪処理方法の場合、毛髪処理剤の炭酸アルキレンの含有量は10質量%以上かつレブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質の含有量は0.5質量%以上である。炭酸アルキレンの含有量が10質量%未満では、十分な修復効果が得られない。レブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質の含有量が0.5質量%未満では、十分な指通りのよさ付与効果を得ることができない。毛髪処理剤を単独で塗布し、損傷した毛髪を修復する毛髪処理方法の場合、炭酸アルキレンの含有量は5質量%以上かつレブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質の含有量は0.1質量%以上である。炭酸アルキレンの含有量が5質量%未満では、十分な修復効果が得られない。レブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質の含有量が0.1質量%未満では、十分な指通りのよさ付与効果を得ることができない。又、毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤に均一混合する損傷した毛髪を修復する毛髪処理方法の場合、毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤を均一混合した薬剤の炭酸アルキレンの含有量は2質量%以上、かつレブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質の含有量は、0.1質量%以上となるように調整する。炭酸アルキレンの含有量が2質量%未満では、十分な修復効果が得られない。レブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質の含有量が0.1質量%未満では、十分な指通りのよさ付与効果を得ることはできない。
レブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質としては、カチオン界面活性剤、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等が挙げられる。これらカチオン性物質は、炭酸アルキレンと相溶性がないため、レブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解させてから、炭酸アルキレンと均一混合する。ただし、炭酸アルキレンは、水により分解することで徐々に効果が低下する。製品としての保存性のため水として5質量%以下の含有となるように調製することが好ましく、水を含有していないように調製することがより好ましい。従って、レブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質は水を含まない粉末、多価アルコール溶液、低級アルコール溶液が好ましい。
【0030】
前記毛髪処理剤には、炭酸アルキレン、レブリン酸、プロテイン、ジマレイン酸化合物、多価アルコール、レブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質以外にも、多塩基酸エステル、非イオン界面活性剤、安息香酸アルキル(C12~15)、有機溶剤等を、本発明の効果を損なわない範囲内で任意に添加することができる。成分としては、液状物が好ましい。又、炭酸アルキレンは、水により分解することで徐々に効果が低下する。製品としての保存性のため水として5質量%以下の含有となるように調製することが好ましく、水を含有していないように調製することがより好ましい。
【0031】
前記多塩基酸エステルとしては、具体的には、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル等が挙げられる。
【0032】
前記非イオン界面活性剤としては、具体的には、POEアルキルエーテル、POPアルキルエーテル、POE・POPアルキルエーテル、POE・POPグリコール、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POEソルビトールテトラ脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、N-アルキルジメチルアミンオキシド、POPグリセリルエーテル、POPソルビット、POE・POPグリセリルエーテル等が挙げられる。
【0033】
前記有機溶剤としては、低級アルコール、芳香族アルコール、N-アルキルピロリドン等が挙げられる。
【0034】
縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させず毛髪損傷を抑える本発明の毛髪処理方法は、前記毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を毛髪に塗布する前に前処理剤として塗布し、重ねて縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を塗布し、その後は重ねて塗布した縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の用法により施術する。前記毛髪処理剤をそのまま又は、薄めた時に炭酸アルキレンの含有量が30質量%以上、さらに、レブリン酸の含有量が1質量%以上、又は、レブリン酸を1質量%以上含有していてプロテイン及び/又はジマレイン酸化合物の含有量が0.5質量%以上、及び/又は、多価アルコールの含有量が1質量%以上、及び/又は、レブリン酸を1質量%以上及び/又は多価アルコールを1質量%以上含有していてレブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質の含有量が0.5質量%以上の範囲になるように、水又はお湯で薄めてもよい。水又はお湯で薄める場合は、施術前に均一混合することによって用時調整するが、直前であることが好ましい。前記毛髪処理剤の塗布後に、放置時間をおいてもよく、おかなくてもよい。
【0035】
又、縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させず毛髪損傷を抑える本発明の毛髪処理方法は、前記毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)に対して2~20質量%、好ましくは5~15質量%均一混合した薬剤を塗布し、その後は均一混合した縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の用法により施術する。2質量%未満では十分な毛髪損傷を抑える効果を得ることができず、一方、20質量%を超えて配合すると、縮毛矯正剤、パーマネントウェーブ剤、加熱式パーマネントウェーブ剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)の機能を低下させる。前記毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤又は、脱色剤(ブリーチ剤)の均一混合は、縮毛矯正、パーマネントウェーブ、加熱式パーマネントウェーブ、酸化染毛、脱色(ブリーチ)の施術前に均一混合することによって用時調整するが、直前であることが好ましい。
【0036】
縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)としては、縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、ストレート料、カーリング料、加熱式カーリング料、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)等が挙げられ、公知の縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、ストレート料、カーリング料、加熱式カーリング料、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)等そのものでもよい。
【0037】
損傷した毛髪を修復する本発明の毛髪処理方法は、前記毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤を毛髪に塗布する前に塗布し、重ねて前記水性基剤を塗布する。その後、重ねて塗布した前記水性基剤の用法により施術する。前記毛髪処理剤の塗布後に、放置時間をおいてもよく、おかなくてもよい。さらに、重ねて塗布した前記水性基剤の用法により施術した後、クセ毛のおさまりを良くする(クセを伸ばす)ために、乾燥した後及び/又は乾燥させながら、表面温度が120~230℃、好ましくは180~210℃の整髪又は毛髪矯正アイロンで毛髪に機械力及び熱を加えながらストレート状にしてもよい。
【0038】
又、損傷した毛髪を修復する本発明の毛髪処理方法は、前記毛髪処理剤を単独又は前記毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤を均一混合し、毛髪に塗布する。前記毛髪処理剤を単独で使用する場合は、そのまま又は、水又はお湯で薄めてもよく、塗布し、放置後、洗い流してもよく、洗い流さなくてもよい。水又はお湯で薄める場合は、施術前に均一混合することによって用時調整するが、直前であることが好ましい。又、前記毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤を均一混合する場合は、前記毛髪処理剤を縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤に任意の比率で混合する。前記毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤の均一混合は、施術前に均一混合することによって用時調整するが、直前であることが好ましい。前記毛髪処理剤を単独又は前記毛髪処理剤と縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤を均一混合して施術後、クセ毛のおさまりを良くする(クセを伸ばす)ために、乾燥した後及び/又は乾燥させながら、表面温度が120~230℃、好ましくは180~210℃の毛髪矯正アイロンで毛髪に機械力及び熱を加えながらストレート状にしてもよい。
【0039】
縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)以外の水性基剤としては、縮毛矯正用第2剤、パーマネントウェーブ用第2剤、加熱式パーマネントウェーブ用第2剤、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー、ヘアリンス等が挙げられ、公知の縮毛矯正用第2剤、パーマネントウェーブ用第2剤、加熱式パーマネントウェーブ用第2剤、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー、ヘアリンス等そのものでもよい。
【0040】
本発明の毛髪処理剤の形態は、液状、粘性液、ジェル状等であってもよい。
【実施例0041】
以下に具体例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例等における配合量は特に断らない限り質量%を示す。
【0042】
(実施例1~7)
下記の表1に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、各成分が均一になるまで撹拌混合することで調製した。
調製した毛髪処理剤を下記縮毛矯正施術、下記パーマネントウェーブ施術、下記加熱式パーマネントウェーブ施術、下記酸化染毛施術、下記脱色(ブリーチ)施術を行う前の前処理剤として1g塗布し、十分にコームでなじませ、重ねて縮毛矯正第1剤、パーマネントウェーブ第1剤、加熱式パーマネントウェーブ第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を塗布する。施術効果及び損傷抑制効果を、下記の方法により評価した。損傷抑制効果は、まとまり効果とツヤ効果から判断した。
【0043】
<縮毛矯正施術における評価用試験毛束の作成>
天然クセ毛(インド人黒毛)を伸長時の長さが30cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、市販のシャンプーにて2回洗浄し、十分にタオルドライし、試験毛束とした。
<パーマネントウェーブ施術、加熱式パーマネントウェーブ施術、染毛剤施術、脱色(ブリーチ)施術における評価用試験毛束の作成>
人毛(中国人)を長さが30cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、市販のシャンプーにて2回洗浄し、十分にタオルドライし、試験毛束とした。
【0044】
<縮毛矯正施術>
試験毛束に、市販の縮毛矯正用第1剤を8g塗布し、20分間放置する。その後、お湯で十分に縮毛矯正用第1剤を洗い流す。十分にタオルドライしてからドライヤーで乾燥させ、180℃に熱した毛髪矯正アイロンにて10秒間かけて毛髪をストレート状にした。次に、市販の縮毛矯正用第2剤(過酸化水素)を10g塗布し、室温にて5分間放置し、お湯で十分に縮毛矯正用第2剤を洗い流す。その後、市販のシャンプーにて2回洗浄し、十分にタオルドライし、コームで整えた後に毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置して十分に乾燥した後に、下記の評価基準により、10年以上の美容師経験を有する3名が評価した。
【0045】
<縮毛矯正施術効果評価基準>
毛髪処理剤を使っていない時との比較
1.クセの伸びが悪い。
2.クセの伸びがやや悪い。
3.クセの伸びが同等。
4.クセの伸びがやや良い。
5.クセの伸びが良い。
<縮毛矯正施術まとまり効果評価基準>
毛髪処理剤を使っていない時との比較
1.まとまりがやや悪い。
2.まとまりが同等。
3.まとまりがやや良い。
4.まとまりが良い。
5.まとまりが非常に良い。
<縮毛矯正施術ツヤ効果評価基準>
毛髪処理剤を使っていない時との比較
1.ツヤがやや悪い。
2.ツヤは同等。
3.ツヤがやや良い。
4.ツヤが良い。
5.ツヤが非常に良い。
【0046】
<パーマネントウェーブ施術>
試験毛束を直径約20mmのロッドに巻きつけ、市販のパーマネントウェーブ用第1剤を5g塗布し、15分間放置する。その後、お湯で十分にパーマネントウェーブ用第1剤を洗い流す。次に、市販のパーマネントウェーブ用第2剤(臭素酸ナトリウム)を5g塗布し、室温にて15分間放置する。さらに、ロッドから試験毛束をはずし、お湯で十分に第2剤を洗い流す。その後、市販のシャンプーにて2回洗浄し、十分にタオルドライし、コームで整えた後に毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置して十分に乾燥した後に、下記の評価基準により、10年以上の美容師経験を有する3名が評価した。
【0047】
<パーマネントウェーブ施術効果評価基準>
毛髪処理剤を使っていない時との比較
1.カールが弱い。
2.カールがやや弱い。
3.カールが同等。
4.カールがやや強い。
5.カールが強い。
<パーマネントウェーブ施術まとまり効果評価基準>
毛髪処理剤を使っていない時との比較
1.まとまりがやや悪い。
2.まとまりが同等。
3.まとまりがやや良い。
4.まとまりが良い。
5.まとまりが非常に良い。
<パーマネントウェーブ施術ツヤ効果評価基準>
毛髪処理剤を使っていない時との比較
1.ツヤがやや悪い。
2.ツヤは同等。
3.ツヤがやや良い。
4.ツヤが良い。
5.ツヤが非常に良い。
【0048】
<加熱式パーマネントウェーブ施術>
試験毛束に市販の加熱式パーマネントウェーブ用第1剤を8g塗布し、15分間放置する。その後、お湯で十分に加熱式パーマネントウェーブ用第1剤を洗い流す。次に、タオルドライし、直径約20mmの加熱ロッドに巻きつけ80℃で加熱し乾燥する。次に、市販の第2剤(臭素酸ナトリウム)を10g塗布し、室温にて15分間放置する。さらに、加熱ロッドから試験毛束をはずし、お湯で十分に第2剤を洗い流す。その後、市販のシャンプーにて2回洗浄し、十分にタオルドライし、コームで整えた後に毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置して十分に乾燥した後に、下記の評価基準により、10年以上の美容師経験を有する3名が評価した。
【0049】
<加熱式パーマネントウェーブ施術効果評価基準>
毛髪処理剤を使っていない時との比較
1.カールが弱い。
2.カールがやや弱い。
3.カールが同等。
4.カールがやや強い。
5.カールが強い。
<加熱式パーマネントウェーブ施術まとまり効果評価基準>
毛髪処理剤を使っていない時との比較
1.まとまりがやや悪い。
2.まとまりが同等。
3.まとまりがやや良い。
4.まとまりが良い。
5.まとまりが非常に良い。
<加熱式パーマネントウェーブ施術ツヤ効果評価基準>
毛髪処理剤を使っていない時との比較
1.ツヤがやや悪い。
2.ツヤは同等。
3.ツヤがやや良い。
4.ツヤが良い。
5.ツヤが非常に良い。
【0050】
<酸化染毛施術>
試験毛束に市販の10レベル(アッシュ系)の染毛剤と2剤(6%過酸化水素)を用法に基づき混合し、混合した酸化染毛剤を8g塗布し、30分間放置する。その後、お湯で十分に薬剤を洗い流す。その後、市販のシャンプーにて2回洗浄し、十分にタオルドライし、コームで整えた後に毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置して十分に乾燥した後に、下記の評価基準により、10年以上の美容師経験を有する3名が評価した。
【0051】
<酸化染毛施術効果評価基準>
毛髪処理剤を使っていない時との比較
1.染毛が弱い。
2.染毛がやや弱い。
3.染毛が同等。
4.染毛がやや強い。
5.染毛が強い。
<酸化染毛施術まとまり効果評価基準>
毛髪処理剤を使っていない時との比較
1.まとまりがやや悪い。
2.まとまりが同等。
3.まとまりがやや良い。
4.まとまりが良い。
5.まとまりが非常に良い。
<酸化染毛施術ツヤ効果評価基準>
毛髪処理剤を使っていない時との比較
1.ツヤがやや悪い。
2.ツヤは同等。
3.ツヤがやや良い。
4.ツヤが良い。
5.ツヤが非常に良い。
【0052】
<脱色(ブリーチ)施術>
試験毛束に市販の粉末タイプの脱色剤と2剤(6%過酸化水素)を用法に基づき混合し、混合した脱色剤(ブリーチ剤)を8g塗布し、40分間放置する。その後、お湯で十分に薬剤を洗い流す。その後、市販のシャンプーにて2回洗浄し、十分にタオルドライし、コームで整えた後に毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置して十分に乾燥した後に、下記の評価基準により、10年以上の美容師経験を有する3名が評価した。
【0053】
<脱色(ブリーチ)施術効果評価基準>
毛髪処理剤を使っていない時との比較
1.脱色が弱い。
2.脱色がやや弱い。
3.脱色が同等。
4.脱色がやや強い。
5.脱色が強い。
<脱色(ブリーチ)施術まとまり効果評価基準>
毛髪処理剤を使っていない時との比較
1.まとまりがやや悪い。
2.まとまりが同等。
3.まとまりがやや良い。
4.まとまりが良い。
5.まとまりが非常に良い。
<脱色(ブリーチ)施術ツヤ効果評価基準>
毛髪処理剤を使っていない時との比較
1.ツヤがやや悪い。
2.ツヤは同等。
3.ツヤがやや良い。
4.ツヤが良い。
5.ツヤが非常に良い。
【0054】
【表1】
【0055】
実施例1~7に示されるように、炭酸プロピレン/炭酸エチレンの質量比が100/0~10/90の場合に、十分な施術効果及び毛髪損傷抑制効果(まとまり効果、ツヤ効果)が得られた。
【0056】
(実施例8~14及び比較例1~2)
下記の表2に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、各成分が均一になるまで撹拌混合することで調製した。
調製した毛髪処理剤を前記縮毛矯正施術、前記パーマネントウェーブ施術、前記加熱式パーマネントウェーブ施術、前記酸化染毛施術、前記脱色(ブリーチ)施術を行う前の前処理剤として1g塗布し、十分にコームでなじませ、重ねて縮毛矯正第1剤、パーマネントウェーブ第1剤、加熱式パーマネントウェーブ第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を塗布する。施術効果及び損傷抑制効果、レブリン酸を含有した場合のなめらか付与効果を、前記の方法により評価した。レブリン酸を含有した場合のなめらか付与効果の評価基準は、下記の通りである。
【0057】
<なめらか付与効果評価基準>
炭酸プロピレン/炭酸エチレンの質量比が50/50である実施例2及び4~7との比較でなめらか付与効果を評価する。
1.なめらかさの向上がない。
2.なめらかさの向上がほんの少ししかない。
3.なめらかさの向上がややある。
4.なめらかさの向上がある。
5.なめらかさの向上が非常にある。
【0058】
【表2】
【0059】
実施例8~14に示されるように、炭酸アルキレンの含有量が30質量%以上、かつレブリン酸の含有量が1質量%以上の場合、十分な施術効果及び毛髪損傷抑制効果(まとまり効果、ツヤ効果)が得られ、かつ十分ななめらか付与効果が得られた。これに対し、比較例1~2に示されるように、炭酸アルキレン、又はレブリン酸の含有量が前記範囲外の場合は、施術効果及び毛髪損傷抑制効果(まとまり効果、ツヤ効果)が不十分、又はなめらか付与効果が不十分であった。
【0060】
(実施例15~21、比較例3~4)
下記の表3に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、各成分が均一になるまで撹拌混合することで調製した。
調製した毛髪処理剤を前記縮毛矯正施術、前記パーマネントウェーブ施術、前記加熱式パーマネントウェーブ施術、前記酸化染毛施術、前記脱色(ブリーチ)施術を行う前の前処理剤として1g塗布し、十分にコームでなじませ、重ねて縮毛矯正第1剤、パーマネントウェーブ第1剤、加熱式パーマネントウェーブ第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を塗布する。施術効果及び損傷抑制効果、プロテイン及び/又はジマレイン酸化合物を含有した場合の弾力付与効果を、前記の方法により評価した。プロテイン及び/又はジマレイン酸化合物を含有した場合の弾力付与効果の評価基準は、下記の通りである。
【0061】
<弾力付与効果評価基準>
炭酸プロピレン/炭酸エチレンの質量比が50/50である実施例2及び4~7との比較で弾力付与効果を評価する。
1.弾力の向上がない。
2.弾力の向上がほんの少ししかない。
3.弾力の向上がややある。
4.弾力の向上がある。
5.弾力の向上が非常にある。
【0062】
【表3】
【0063】
実施例15~21に示されるように、炭酸アルキレンの含有量が30質量%以上、かつレブリン酸を1質量%以上含有していてプロテイン及び/又はジマレイン酸化合物の含有量が0.5質量%以上の場合、十分な施術効果及び毛髪損傷抑制効果(まとまり効果、ツヤ効果)が得られ、かつ十分ななめらか付与効果が得られ及び十分な弾力付与効果が得られた。これに対し、比較例3~4に示されるように、炭酸アルキレン、又はプロテイン及び/又はジマレイン酸化合物の含有量が前記範囲外の場合は、施術効果及び毛髪損傷抑制効果(まとまり効果、ツヤ効果)が不十分、又は弾力付与効果が不十分であった。
【0064】
(実施例22~28及び比較例5~6)
下記の表4に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、各成分が均一になるまで撹拌混合することで調製した。
調製した毛髪処理剤を前記縮毛矯正施術、前記パーマネントウェーブ施術、前記加熱式パーマネントウェーブ施術、前記酸化染毛施術、前記脱色(ブリーチ)施術を行う前の前処理剤として1g塗布し、十分にコームでなじませ、重ねて縮毛矯正第1剤、パーマネントウェーブ第1剤、加熱式パーマネントウェーブ第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を塗布する。施術効果及び損傷抑制効果、多価アルコールを含有した場合のしっとり感付与効果を、前記の方法により評価した。多価アルコールを含有した場合のしっとり感付与効果の評価基準は、下記の通りである。
【0065】
<しっとり感付与効果評価基準>
炭酸プロピレン/炭酸エチレンの質量比が50/50である実施例2及び4~7との比較でしっとり感付与効果を評価する。
1.しっとり感の向上がない。
2.しっとり感の向上がほんの少ししかない。
3.しっとり感の向上がややある。
4.しっとり感の向上がある。
5.しっとり感の向上が非常にある。
【0066】
【表4】
【0067】
実施例22~28に示されるように、炭酸アルキレンの含有量が30質量%以上、かつ多価アルコールの含有量が1質量%以上の場合、さらに、レブリン酸の含有量が1質量%以上、又は、レブリン酸を1質量%以上含有していてプロテイン及び/又はジマレイン酸化合物の含有量が0.5質量%以上の場合、十分な施術効果及び毛髪損傷抑制効果(まとまり効果、ツヤ効果)が得られ、かつ十分なしっとり感付与効果が得られ、さらに、十分ななめらか付与効果が得られ、又は、十分ななめらか付与効果が得られ及び十分な弾力付与効果が得られた。これに対し、比較例5~6に示されるように、炭酸アルキレン、又は多価アルコールの含有量が前記範囲外の場合は、施術効果及び毛髪損傷抑制効果(まとまり効果、ツヤ効果)が不十分、又はしっとり感付与効果が不十分であった。
【0068】
(実施例29~36、比較例7~8)
下記の表5に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、各成分が均一になるまで撹拌混合することで調製した。
調製した毛髪処理剤を前記縮毛矯正施術、前記パーマネントウェーブ施術、前記加熱式パーマネントウェーブ施術、前記酸化染毛施術、前記脱色(ブリーチ)施術を行う前の前処理剤として1g塗布し、十分にコームでなじませ、重ねて縮毛矯正第1剤、パーマネントウェーブ第1剤、加熱式パーマネントウェーブ第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を塗布する。施術効果及び損傷抑制効果、レブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質を含有した場合の指通りのよさ付与効果を、前記の方法により評価した。レブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質を含有した場合の指通りのよさ付与効果の評価基準は、下記の通りである。
【0069】
<指通りのよさ付与効果評価基準>
炭酸プロピレン/炭酸エチレンの質量比が50/50である実施例2及び4~7との比較で指通りのよさ付与効果を評価する。
1.指通りのよさの向上がない。
2.指通りのよさの向上がほんの少ししかない。
3.指通りのよさの向上がややある。
4.指通りのよさの向上がある。
5.指通りのよさの向上が非常にある。
【0070】
【表5】
【0071】
実施例29~36に示されるように、炭酸アルキレンの含有量が30質量%以上、かつレブリン酸を1質量%以上及び/又は多価アルコールを1質量%以上含有していてレブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質の含有量が0.5質量%以上の場合、さらに、レブリン酸の含有量が1質量%以上、又は、レブリン酸を1質量%以上含有していてプロテイン及び/又はジマレイン酸化合物の含有量が0.5質量%以上、及び/又は、多価アルコールの含有量が1質量%以上の場合、十分な施術効果及び毛髪損傷抑制効果(まとまり効果、ツヤ効果)が得られ、かつ十分ななめらか付与効果及び/又はしっとり感付与効果が得られ及び十分な指通りのよさ付与効果が得られ、さらに、十分ななめらか付与効果が得られ、又は、十分ななめらか付与効果及び十分な弾力付与効果が得られ、及び/又は、しっとり感付与効果が得られた。これに対し、比較例7~8に示されるように、炭酸アルキレン、又はレブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質の含有量が前記範囲外の場合は、施術効果及び毛髪損傷抑制効果(まとまり効果、ツヤ効果)が不十分、又は指通りのよさ付与効果が不十分であった。
【0072】
(実施例37~45、比較例9~10)
下記の表6に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、各成分が均一になるまで撹拌混合することで調製した。
調製した毛髪処理剤と縮毛矯正第1剤、パーマネントウェーブ第1剤、加熱式パーマネントウェーブ第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を均一混合した薬剤を、前記縮毛矯正施術、前記パーマネントウェーブ施術、前記加熱式パーマネントウェーブ施術、前記酸化染毛施術、前記脱色(ブリーチ)施術の、縮毛矯正第1剤、パーマネントウェーブ第1剤、加熱式パーマネントウェーブ第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)として使用する。施術効果及び損傷抑制効果を、前記の方法により評価した。
【0073】
【表6】
【0074】
実施例37~45に示されるように、炭酸プロピレン/炭酸エチレンの質量比が100/0~10/90、かつ縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)に対し2~20質量%均一混合した場合に、十分な施術効果及び毛髪損傷抑制効果(まとまり効果、ツヤ効果)が得られた。これに対し、比較例9~10に示されるように、縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)に対する混合量が前記範囲外の場合は、施術効果又は毛髪損傷抑制効果(まとまり効果、ツヤ効果)が不十分であった。
【0075】
(実施例46~52、比較例11~13)
下記の表7に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、各成分が均一になるまで撹拌混合することで調製した。
調製した毛髪処理剤と縮毛矯正第1剤、パーマネントウェーブ第1剤、加熱式パーマネントウェーブ第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を均一混合した薬剤を、前記縮毛矯正施術、前記パーマネントウェーブ施術、前記加熱式パーマネントウェーブ施術、前記酸化染毛施術、前記脱色(ブリーチ)施術の、縮毛矯正第1剤、パーマネントウェーブ第1剤、加熱式パーマネントウェーブ第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)として使用する。施術効果及び損傷抑制効果、レブリン酸を含有した場合のなめらか付与効果を前記の方法により評価した。レブリン酸を含有した場合のなめらか付与効果の評価基準は、下記の通りである。
【0076】
<なめらか付与効果評価基準>
炭酸プロピレン/炭酸エチレンの質量比が50/50である実施例38及び42~45との比較でなめらか付与効果を評価する。
1.なめらかさの向上がない。
2.なめらかさの向上がほんの少ししかない。
3.なめらかさの向上がややある。
4.なめらかさの向上がある。
5.なめらかさの向上が非常にある。
【0077】
【表7】
【0078】
実施例46~52に示されるように、炭酸アルキレンの含有量が30質量%以上、かつ縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を均一混合した薬剤のレブリン酸の含有量が0.3~6質量%の場合、十分な施術効果及び毛髪損傷抑制効果(まとまり効果、ツヤ効果)が得られ、かつ十分ななめらか付与効果が得られた。これに対し、比較例11~13に示されるように、炭酸アルキレン、又は縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を均一混合した薬剤のレブリン酸の含有量が前記範囲外の場合は、施術効果及び毛髪損傷抑制効果(まとまり効果、ツヤ効果)が不十分、又はなめらか付与効果が不十分であった。
【0079】
(実施例53~59、比較例14~15)
下記の表8に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、各成分が均一になるまで撹拌混合することで調製した。
調製した毛髪処理剤と縮毛矯正第1剤、パーマネントウェーブ第1剤、加熱式パーマネントウェーブ第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を均一混合した薬剤を、前記縮毛矯正施術、前記パーマネントウェーブ施術、前記加熱式パーマネントウェーブ施術、前記酸化染毛施術、前記脱色(ブリーチ)施術の、縮毛矯正第1剤、パーマネントウェーブ第1剤、加熱式パーマネントウェーブ第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)として使用する。施術効果及び損傷抑制効果、プロテイン及び/又はジマレイン酸化合物を含有した場合の弾力付与効果を前記の方法により評価した。プロテイン及び/又はジマレイン酸化合物を含有した場合の弾力付与効果の評価基準は、下記の通りである。
【0080】
<弾力付与効果評価基準>
炭酸プロピレン/炭酸エチレンの質量比が50/50である実施例38及び42~45との比較で弾力付与効果を評価する。
1.弾力の向上がない。
2.弾力の向上がほんの少ししかない。
3.弾力の向上がややある。
4.弾力の向上がある。
5.弾力の向上が非常にある。
【0081】
【表8】
【0082】
実施例53~59に示されるように、炭酸アルキレンの含有量が30質量%以上、かつ縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を均一混合した薬剤のレブリン酸を0.3~6質量%含有していてプロテイン及び/又はジマレイン酸化合物の含有量が0.1~4.5質量%の場合、十分な施術効果及び毛髪損傷抑制効果(まとまり効果、ツヤ効果)が得られ、かつ十分ななめらか付与効果が得られ及び十分な弾力付与効果が得られた。これに対し、比較例14~15に示されるように、炭酸アルキレン、又は縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を均一混合した薬剤のプロテイン及び/又はジマレイン酸化合物の含有量が前記範囲外の場合は、施術効果及び毛髪損傷抑制効果(まとまり効果、ツヤ効果)が不十分、又は弾力付与効果が不十分であった。
【0083】
(実施例60~66、比較例16~17)
下記の表9に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、各成分が均一になるまで撹拌混合することで調製した。
調製した毛髪処理剤と縮毛矯正第1剤、パーマネントウェーブ第1剤、加熱式パーマネントウェーブ第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を均一混合した薬剤を、前記縮毛矯正施術、前記パーマネントウェーブ施術、前記加熱式パーマネントウェーブ施術、前記酸化染毛施術、前記脱色(ブリーチ)施術の、縮毛矯正第1剤、パーマネントウェーブ第1剤、加熱式パーマネントウェーブ第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)として使用する。施術効果及び損傷抑制効果、多価アルコールを含有した場合のしっとり感付与効果を前記の方法により評価した。多価アルコールを含有した場合のしっとり感付与効果の評価基準は、下記の通りである。
【0084】
<しっとり感付与効果評価基準>
炭酸プロピレン/炭酸エチレンの質量比が50/50である実施例38及び42~45との比較でしっとり感付与効果を評価する。
1.しっとり感の向上がない。
2.しっとり感の向上がほんの少ししかない。
3.しっとり感の向上がややある。
4.しっとり感の向上がある。
5.しっとり感の向上が非常にある。
【0085】
【表9】
【0086】
実施例60~66に示されるように、炭酸アルキレンの含有量が30質量%以上、かつ縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を均一混合した薬剤の多価アルコールの含有量が0.3~10重量%の場合、さらに、レブリン酸の含有量が0.3~6重量%、又は、レブリン酸を0.3~6重量%含有していてプロテイン及び/又はジマレイン酸化合物の含有量が0.1~4.5質量%の場合、十分な施術効果及び毛髪損傷抑制効果(まとまり効果、ツヤ効果)が得られ、かつ十分なしっとり感付与効果が得られ、さらに、十分ななめらか付与効果、又は、十分ななめらか付与効果及び十分な弾力付与効果が得られた。これに対し、比較例16~17に示されるように、炭酸アルキレン、又は縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を均一混合した薬剤の多価アルコールの含有量が前記範囲外の場合は、施術効果及び毛髪損傷抑制効果(まとまり効果、ツヤ効果)が不十分、又はしっとり感付与効果が不十分であった。
【0087】
(実施例67~74、比較例18~19)
下記の表10に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、各成分が均一になるまで撹拌混合することで調製した。
調製した毛髪処理剤と縮毛矯正第1剤、パーマネントウェーブ第1剤、加熱式パーマネントウェーブ第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を均一混合した薬剤を、前記縮毛矯正施術、前記パーマネントウェーブ施術、前記加熱式パーマネントウェーブ施術、前記酸化染毛施術、前記脱色(ブリーチ)施術の、縮毛矯正第1剤、パーマネントウェーブ第1剤、加熱式パーマネントウェーブ第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)として使用する。施術効果及び損傷抑制効果、レブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質を含有した場合の指通りのよさ付与効果を前記の方法により評価した。レブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質を含有した場合の指通りのよさ付与効果の評価基準は、下記の通りである。
【0088】
<指通りのよさ付与効果評価基準>
炭酸プロピレン/炭酸エチレンの質量比が50/50である実施例38及び42~45との比較で指通りのよさ付与効果を評価する。
1.指通りのよさの向上がない。
2.指通りのよさの向上がほんの少ししかない。
3.指通りのよさの向上がややある。
4.指通りのよさの向上がある。
5.指通りのよさの向上が非常にある。
【0089】
【表10】
【0090】
実施例67~74に示されるように、炭酸アルキレンの含有量が30質量%以上、かつ縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を均一混合した薬剤のレブリン酸を0.3~6質量%及び/又は多価アルコールを0.3~10質量%含有していてレブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質の含有量が0.1~4.5質量%以上の場合、さらに、レブリン酸の含有量が0.3~6質量%、又は、レブリン酸を0.3~6質量%含有していてプロテイン及び/又はジマレイン酸化合物の含有量が0.1~4.5質量%、及び/又は多価アルコールの含有量が0.3~10質量%の場合、十分な施術効果及び毛髪損傷抑制効果(まとまり効果、ツヤ効果)が得られ、かつ十分ななめらか付与効果及び/又は十分なしっとり感付与効果が得られ及び十分な指通りのよさ付与効果が得られ、さらに、十分ななめらか付与効果、又は、十分ななめらか付与効果及び十分な弾力付与効果、及び/又は、十分なしっとり感付与効果が得られた。これに対し、比較例18~19に示されるように、炭酸アルキレン、又は縮毛矯正用第1剤、パーマネントウェーブ用第1剤、加熱式パーマネントウェーブ用第1剤、酸化染毛剤、脱色剤(ブリーチ剤)を均一混合した薬剤のレブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質が前記範囲外の場合は、施術効果及び毛髪損傷抑制効果(まとまり効果、ツヤ効果)が不十分、又は指通りよさ付与効果が不十分であった。
【0091】
(実施例75~81、比較例20~24)
下記の表11に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、各成分が均一になるまで撹拌混合することで調製した。
調製した毛髪処理剤をトリートメント施術を行う前の前処理剤として、下記の方法により評価した。修復効果は、まとまり効果とツヤ効果から判断した。まとまり効果の評価基準、ツヤ効果の評価基準、レブリン酸を含有した場合のなめらか付与効果の評価基準、プロテイン及び/又はジマレイン酸化合物を含有した場合の弾力付与効果の評価基準、多価アルコールを含有した場合のしっとり感付与効果の評価基準、レブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質を含有した場合の指通りのよさ付与効果の評価基準は、下記の通りである。
【0092】
<トリートメント施術における評価用試験毛束の作成>
人毛(中国人)を長さが30cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、市販のシャンプーにて洗浄し、市販の粉末タイプの脱色剤と2剤(6%過酸化水素)にて処理し、市販のシャンプーにて2回洗浄し、十分にタオルドライし、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置する。その後、再度、市販の粉末タイプの脱色剤と2剤(6%過酸化水素)にて処理し、市販のシャンプーにて2回洗浄し、十分にタオルドライし、試験毛束とした。
【0093】
<ヘアトリートメント施術1>
試験毛束に、調製した毛髪処理剤を1g塗布し、十分にコームでなじませ、重ねて市販のトリートメントを4g塗布し、15分間放置する。その後、お湯で十分にトリートメントを洗い流す。十分にタオルドライし、コームで整えた後に毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置して十分に乾燥した後に、下記の評価基準により、10年以上の美容師経験を有する3名が評価した。
【0094】
<トリートメント施術まとまり効果評価基準>
トリートメント施術1で使用した市販のトリートメントとの比較
1.まとまりがやや悪い。
2.まとまりが同等。
3.まとまりがやや良い。
4.まとまりが良い。
5.まとまりが非常に良い。
<トリートメント施術ツヤ効果評価基準>
トリートメント施術1で使用した市販のトリートメントとの比較
1.ツヤがやや悪い。
2.ツヤは同等。
3.ツヤがやや良い。
4.ツヤが良い。
5.ツヤが非常に良い。
【0095】
<なめらかさ付与効果評価基準>
実施例75との比較でなめらかさの付与効果を評価する。
1.なめらかさの向上がない。
2.なめらかさの向上がほんの少ししかない。
3.なめらかさの向上がややある。
4.なめらかさの向上がある。
5.なめらかさの向上が非常にある。
<弾力付与効果評価基準>
実施例75との比較で弾力の付与効果を評価する。
1.弾力の向上がない。
2.弾力の向上がほんの少ししかない。
3.弾力の向上がややある。
4.弾力の向上がある。
5.弾力の向上が非常にある。
<しっとり感付与効果評価基準>
実施例75との比較でしっとり感の付与効果を評価する。
1.しっとり感の向上がない。
2.しっとり感の向上がほんの少ししかない。
3.しっとり感の向上がややある。
4.しっとり感の向上がある。
5.しっとり感の向上が非常にある。
<指通りのよさ付与効果評価基準>
実施例75との比較で指通りのよさの付与効果を評価する。
1.指通りのよさの向上がない。
2.指通りのよさの向上がほんの少ししかない。
3.指通りのよさの向上がややある。
4.指通りのよさの向上がある。
5.指通りのよさの向上が非常にある。
【0096】
【表11】
【0097】
実施例75~81に示されるように、毛髪処理剤の炭酸プロピレン/炭酸エチレンの重量比が100/0~10/90かつ、炭酸アルキレンの含有量が10重量%以上の場合、十分な修復効果(まとまり効果、ツヤ効果)が得られた。さらに、レブリン酸の含有量が1質量%以上、又は、レブリン酸を1質量%以上含有していてプロテイン及び/又はジマレイン酸化合物の含有量が0.5質量%以上、及び/又は、多価アルコールの含有量が1質量%以上、及び/又は、レブリン酸を1質量%以上及び/又は多価アルコールを1質量%以上含有していてレブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質の含有量が0.5質量%以上の場合、十分ななめらか付与効果が得られ、又は、十分ななめらか付与効果及び十分な弾力付与効果が得られ、及び/又は、十分なしっとり感付与効果が得られ、及び/又は、十分ななめらか付与効果及び/又は十分なしっとり感付与効果及び十分な指通りのよさ付与効果が得られた。これに対し、比較例20に示されるように、レブリン酸の含有量が前記範囲外の場合は、なめらか付与効果が不十分であった。比較例21に示されるように、プロテイン及び/又はジマレイン酸の含有量が前記範囲外の場合は、弾力付与効果が不十分であった。比較例22に示されるように、多価アルコールの含有量が前記範囲外の場合は、しっとり感付与効果が不十分であった。比較例23に示されるように、レブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質の含有量が前記範囲外の場合は、指通りのよさ付与効果が不十分であった。比較例24に示されるように、炭酸アルキレンの含有量が前記範囲外の場合は、修復効果(まとまり効果、ツヤ効果)が不十分であった。
【0098】
(実施例82~88、比較例25~29)
下記の表12に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、各成分が均一になるまで撹拌混合することで調製した。
調製した毛髪処理剤とトリートメントと均一混合し、下記の方法により評価し、評価基準は下記の通りである。修復効果は、まとまり効果とツヤ効果から判断した。まとまり効果の評価基準、ツヤ効果の評価基準は前記評価基準により評価した。レブリン酸を含有した場合のなめらか付与効果の評価基準、プロテイン及び/又はジマレイン酸化合物を含有した場合の弾力付与効果の評価基準、多価アルコールを含有した場合のしっとり感付与効果の評価基準、レブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質を含有した場合の指通りのよさ付与効果の評価基準は、下記の通りである。
【0099】
<ヘアトリートメント施術2>
ヘアトリートメント試験毛束に、調製した毛髪処理剤とヘアトリートメント施術1で使用した市販のトリートメントと均一混合した薬剤を5g塗布し、15分間放置する。その後、お湯で十分に毛髪処理剤とトリートメントの混合液を洗い流す。十分にタオルドライし、コームで整えた後に毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置して十分に乾燥した後に、10年以上の美容師経験を有する3名が評価した。
【0100】
<なめらかさ付与効果評価基準>
実施例82との比較でなめらかさの付与効果を評価する。
1.なめらかさの向上がない。
2.なめらかさの向上がほんの少ししかない。
3.なめらかさの向上がややある。
4.なめらかさの向上がある。
5.なめらかさの向上が非常にある。
<弾力付与効果評価基準>
実施例82との比較で弾力の付与効果を評価する。
1.弾力の向上がない。
2.弾力の向上がほんの少ししかない。
3.弾力の向上がややある。
4.弾力の向上がある。
5.弾力の向上が非常にある。
<しっとり感付与効果評価基準>
実施例82との比較でしっとり感の付与効果を評価する。
1.しっとり感の向上がない。
2.しっとり感の向上がほんの少ししかない。
3.しっとり感の向上がややある。
4.しっとり感の向上がある。
5.しっとり感の向上が非常にある。
<指通りのよさ付与効果評価基準>
実施例82との比較で指通りのよさの付与効果を評価する。
1.指通りのよさの向上がない。
2.指通りのよさの向上がほんの少ししかない。
3.指通りのよさの向上がややある。
4.指通りのよさの向上がある。
5.指通りのよさの向上が非常にある
【0101】
【表12】
【0102】
実施例82~88に示されるように、毛髪処理剤をヘアトリートメントに均一混合したとき炭酸アルキレンの含有量が2質量%以上の場合、十分な修復効果(まとまり効果、ツヤ効果)が得られた。さらに、レブリン酸の含有量が0.3質量%以上、又は、レブリン酸を0.3質量%以上含有していてプロテイン及び/又はジマレイン酸化合物の含有量が0.1質量%以上、及び/又は、多価アルコールの含有量が0.3質量%以上、及び/又は、レブリン酸を0.3質量%以上及び/又は多価アルコール0.3質量%以上含有していてレブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質の含有量が0.1質量%以上の場合、十分ななめらか付与効果が得られ、又は、十分ななめらか付与効果及び十分な弾力付与効果が得られ、及び/又は、十分なしっとり感付与効果が得られ、及び/又は、十分ななめらか付与効果及び/又は十分がしっとり感付与効果及び十分な指通りのよさ付与効果が得られた。これに対し、比較例25に示されるように、炭酸アルキレンの含有量が前記範囲外の場合は、修復効果(まとまり効果、ツヤ効果)が不十分であった。比較例26に示されるように、レブリン酸の含有量が前記範囲外の場合は、なめらか付与効果が不十分であった。比較例27に示されるように、プロテイン及び/又はジマレイン酸の含有量が前記範囲外の場合は、弾力付与効果が不十分であった。比較例28に示されるように、多価アルコールの含有量が前記範囲外の場合は、しっとり感付与効果が不十分であった。比較例29に示されるように、レブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質の含有量が前記範囲外の場合は、指通りのよさ付与効果が不十分であった。
【0103】
(実施例89~97、比較例30~34)
下記の表13に掲げた組成を有する毛髪処理剤を、各成分が均一になるまで撹拌混合することで調製した。
調製した毛髪処理剤を単独で使用し、下記の方法により評価し、評価基準は下記の通りである。修復効果は、まとまり効果とツヤ効果から判断した。まとまり効果の評価基準、ツヤ効果の評価基準、レブリン酸を含有した場合のなめらか付与効果の評価基準、プロテイン及び/又はジマレイン酸化合物を含有した場合の弾力付与効果の評価基準、多価アルコールを含有した場合のしっとり感付与効果の評価基準、レブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質を含有した場合の指通りのよさ付与効果の評価基準は、下記の通りである。
【0104】
<ヘアトリートメント施術3>
試験毛束に、調製した毛髪処理剤を5g塗布し、十分にコームでなじませ、15分間放置する。その後、お湯で十分に洗い流す。コームで整えた後に毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置して十分に乾燥した後に、10年以上の美容師経験を有する3名が評価した。
<ヘアトリートメント施術4>
試験毛束に、調製した毛髪処理剤5gを水で10倍に希釈し、コームでとかししながら毛髪にゆっくり全量塗布し、5分間放置する。その後、洗い流さず、コームで整えながらドライヤーで乾燥する。その後、190℃の毛髪矯正アイロンで10秒間かけてストレート状に整える。毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置した後に、下記の評価基準により、10年以上の美容師経験を有する3名が評価した。
【0105】
<トリートメント施術まとまり効果評価基準>
トリートメント施術における評価用試験毛束との比較
1.まとまりが同等。
2.まとまりがほんの少し良い。
3.まとまりがやや良い。
4.まとまりが良い。
5.まとまりが非常に良い。
<トリートメント施術ツヤ効果評価基準>
トリートメント施術における評価用試験毛束との比較
1.ツヤがやや同等。
2.ツヤがほんの少し良い。
3.ツヤがやや良い。
4.ツヤが良い。
5.ツヤが非常に良い。
【0106】
<なめらかさ付与効果評価基準>
実施例89との比較でなめらかさの付与効果を評価する。
1.なめらかさの向上がない。
2.なめらかさの向上がほんの少ししかない。
3.なめらかさの向上がややある。
4.なめらかさの向上がある。
5.なめらかさの向上が非常にある。
<弾力付与効果評価基準>
実施例89との比較で弾力の付与効果を評価する。
1.弾力の向上がない。
2.弾力の向上がほんの少ししかない。
3.弾力の向上がややある。
4.弾力の向上がある。
5.弾力の向上が非常にある。
<しっとり感付与効果評価基準>
実施例89との比較でしっとり感の付与効果を評価する。
1.しっとり感の向上がない。
2.しっとり感の向上がほんの少ししかない。
3.しっとり感の向上がややある。
4.しっとり感の向上がある。
5.しっとり感の向上が非常にある。
<指通りのよさ付与効果評価基準>
実施例89との比較で指通りのよさの付与効果を評価する。
1.指通りのよさの向上がない。
2.指通りのよさの向上がほんの少ししかない。
3.指通りのよさの向上がややある。
4.指通りのよさの向上がある。
5.指通りのよさの向上が非常にある。
【0107】
【表13】
【0108】
実施例89~91に示されるように、毛髪処理剤の炭酸プロピレン/炭酸エチレンの質量比が100/0~10/90場合に、十分な修復効果(まとまり効果、ツヤ効果)が得られた。実施例92~97に示されるように、毛髪処理剤の炭酸アルキレンの含有量が5質量%以上、さらに、レブリン酸の含有量が0.3質量%以上、又は、レブリン酸を0.3質量%以上含有していてプロテイン及び/又はジマレイン酸化合物の含有量が0.1質量%以上、及び/又は、多価アルコールの含有量が0.3質量%以上、及び/又は、レブリン酸を0.3質量%以上及び/又は多価アルコールを0.3質量%以上含有していてレブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質の含有量が0.1質量%以上の場合、十分な修復効果(まとまり効果、ツヤ効果)が得られ、さらに、十分ななめらか付与効果が得られ、又は、十分ななめらか付与効果及び十分な弾力付与効果が得られ、及び/又は、十分なしっとり感付与効果が得られ、及び/又は、十分ななめらか付与効果及び/又は十分がしっとり感付与効果及び十分な指通りのよさ付与効果が得られた。これに対し、比較例30に示されるように、レブリン酸の含有量が前記範囲外の場合は、なめらか付与効果が不十分であった。比較例31に示されるように、プロテイン及び/又はジマレイン酸の含有量が前記範囲外の場合は、弾力付与効果が不十分であった。比較例32に示されるように、多価アルコールの含有量が前記範囲外の場合は、しっとり感付与効果が不十分であった。比較例33に示されるように、レブリン酸及び/又は多価アルコールに溶解できるカチオン性物質の含有量が前記範囲外の場合は、指通りのよさ付与効果が不十分であった。比較例34に示されるように、炭酸アルキレンの含有量が前記範囲外場合は、修復効果(まとまり効果、ツヤ効果)が不十分であった。