(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133050
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】衣服用ベルト
(51)【国際特許分類】
A44B 11/12 20060101AFI20230914BHJP
【FI】
A44B11/12
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065041
(22)【出願日】2022-04-11
(31)【優先権主張番号】P 2022038017
(32)【優先日】2022-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】390033891
【氏名又は名称】株式会社三宅デザイン事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】弁理士法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】小林 信隆
(72)【発明者】
【氏名】河原 遷
(72)【発明者】
【氏名】板倉 裕樹
【テーマコード(参考)】
3B090
【Fターム(参考)】
3B090AC01
(57)【要約】
【課題】 ピンとピン孔を利用することなくバックルを本体上の所望の位置に位置決めすることができる衣服用ベルトを提供する。
【解決手段】 帯状を呈し、長手方向に伸縮性を有する本体と、枠部、及び、前記枠部の対向する部分同士を繋いで前記枠部に第1及び第2の開口を形成する軸部、を有するバックルと、を具備し、前記本体の一端が前記軸部に回動自在に取り付けられ、前記本体の他端が前記第1及び前記第2の開口に挿通された状態では、前記他端と前記一端及び前記バックルとの間に生じる摩擦力により、前記バックルが前記本体上の所望の位置に保持されること、を特徴とする衣服用ベルト。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状を呈し、長手方向に伸縮性を有する本体と、
枠部、及び、前記枠部の対向する部分同士を繋いで前記枠部に第1及び第2の開口を形成する軸部、を有するバックルと、を具備し、
前記本体の一端が前記軸部に回動自在に取り付けられ、
前記本体の他端が前記第1及び前記第2の開口に挿通された状態では、前記他端と前記一端及び前記バックルとの間に生じる摩擦力により、前記バックルが前記本体上の所望の位置に保持されること、
を特徴とする衣服用ベルト。
【請求項2】
前記本体がゴム素材から構成されること、
を特徴とする請求項1に記載の衣服用ベルト。
【請求項3】
前記ゴム素材がポリエステル及びエラストジエンを含むこと、
を特徴とする請求項2に記載の衣服用ベルト。
【請求項4】
前記本体のJIS L1096 B法に準拠する伸びが10%~30%であること、
を特徴とする請求項2又は3に記載の衣服用ベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣服用ベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1(実用新案登録第3231367号公報)は、長尺で帯状のベルト本体と、そのベルト本体の一端部に設けられ他端部を差し込んで保持するバックルとを備え、ベルト本体の他端部側には複数のピン孔が形成され、バックルにはピン孔に差し入れるピンが設けられた、ベルトを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のベルトでは、ピンとピン孔とでバックルをベルト本体上に位置決めするため、ユーザーは、その時の自分にとって最適な位置でベルトを留められない。また、屈んだ時や食後にベルトが食い込んで苦しいことがある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、ピンとピン孔を利用することなくバックルを本体上の所望の位置に位置決めすることができる衣服用ベルトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決すべく、本発明は、
帯状を呈し、長手方向に伸縮性を有する本体と、
枠部、及び、前記枠部の対向する部分同士を繋いで前記枠部に第1及び第2の開口を形成する軸部、を有するバックルと、を具備し、
前記本体の一端が前記軸部に回動自在に取り付けられ、
前記本体の他端が前記第1及び前記第2の開口に挿通された状態では、前記他端と前記一端及び前記バックルとの間に生じる摩擦力により、前記バックルが前記本体上の所望の位置に保持されること、
を特徴とする衣服用ベルト、を提供する。
【0007】
本発明の衣服用ベルトでは、前記本体がゴム素材から構成されること、が好ましい。
【0008】
また、本発明の衣服用ベルトでは、前記ゴム素材がポリエステル及びエラストジエンを含むこと、が好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ピンとピン孔を利用することなくバックルを本体上の所望の位置に位置決めすることができる。したがって、ユーザーは、その時の自分にとって最適なベルト位置でベルトを留めることができる。また、本体が伸縮性を有することから、屈んだ時や食後でもベルトが食い込むことがなく、自然に伸び縮みして体にフィットするので、体に負担が掛からない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係る衣服用ベルト1の概略を示す斜視図である。
【
図3】本体2の他端22がバックルに係合した状態の衣服用ベルト1の部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る衣服用ベルトの代表的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もあり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0012】
図1~
図3を参照して、本実施形態に係る衣服用ベルト1を説明する。
衣服用ベルト1は、帯状の本体2及びバックル3を具備する。
【0013】
本体2は、一端21から他端22まで略同じ幅及び厚みを有し、長手方向に延びる(
図2参照)。ただし、本体2は、各種ゴム製生地の帯、各種繊維製生地の帯、又はこれらの積層体等の伸縮性を有する柔軟な素材で作製されているため、
図1に示すように巻くことができる。
【0014】
本体2の一端21にはバックル3が取り付けられている。ここでは、バックル3として通しバックル(中一バックル、トレンチバックルとも呼ばれる)が用いられているが、これに限られない。
【0015】
バックル3は枠部31及び軸部32から構成されている。枠部31は略矩形であり(ただし矩形形状に限られない)、軸部32が枠部31の対向する部分同士を繋いでいる。したがって、枠部31には軸部32を挟んで2つの開口33,34が形成されている。そして、軸部32には本体2の一端21が巻き付けられ、これにより本体2がバックル3に回動自在に取り付けられる。
【0016】
なお、バックル3にピンは設けられていない。また、バックル3は例えば樹脂製であり(ただしこれに限られず金属製であってもよい)、軽量である。
【0017】
本体2の説明に戻ると、本体2は、上記のように例えばゴム製生地の帯で構成され、伸縮性を有している。定性的には、本体2は、屈んだ時や食後でもユーザーの腹部に食い込まず、体にフィットするほどの伸縮性を有すればよい。
【0018】
本体2の伸縮性は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜調整することができ、例えばJIS L1096 B法に準拠して荷重を掛けた場合に、10%~30%の伸びを示すものであればよいが、15%~25%の伸びを示すものが本発明の効果を確実に得るために好ましく、17.5%~20%の伸びを示すものが本発明の効果をより確実に得るために更に好ましい。
【0019】
また、図示しないが、表面部分(特にバックル3と接する表面部分)に、長さ方向に略垂直な方向に連続又は不連続に延びる細い線状の凸部(ないしは畝部)が存在していてもよい。かかる凸部があるとバックル3との間においてより確実に摩擦力が生じて保持させることができる。
【0020】
本体2を構成する生地としては、例えばポリエステル及びエラストジエンを含むゴム様のベルト生地を好適に利用でき、中でも、ポリエステル75~80%及びエラストジエン20~25%を含む生地が好ましい。本実施形態ではGevaert Bandweverij社(ベルギー)製のベルト生地(Art. 389/30.0)が利用されており、所望の厚み、柔軟性及び伸縮性を得るために2枚の生地が縫製されている。
【0021】
次いで、衣服用ベルト1の着用について説明する。
衣服用ベルト1を着用する際、ユーザーは、まず、ズボンのベルトループに衣服用ベルト1の他端22を通していく。そして、他端22をバックル3の開口33,34に順に通し、締め具合を調整する。
【0022】
このとき、本体2のバックル3の近傍は上側から見下ろしたときに略V字状となり、他端22(又は他端22側)は、外面において、枠部31の内面(つまり開口33,34を形成する縁部)と接触するとともに、内面において、軸部32に巻かれた一端21とも接触する(
図3参照)。この状態において本体2をバックル3から引き抜こうとすると、本体2の伸縮性(ゴム弾性)から、本体2とバックル3の間及び本体2同士の間に摩擦力が働き、本体2を引き抜こうとする力に抗する。
【0023】
つまり、バックル3は、本体2との間の摩擦力により本体2上の所望の位置に保持され、ピン及びピン孔ないしその他の保持機構を必要としない。したがって、衣服用ベルト1を簡単に着脱したり、無段階に調整したりすることができ、ユーザーはほど良いホールド感を得ることができる。
【0024】
また、衣服用ベルト1はゴム素材でできているため、伸縮性があり、取り外しやすい。この点、伸縮性がないベルトは、動いたときにずれ、逆にしっかりと留めると取りにくい。
【0025】
更に、衣服用ベルト1は伸縮性を有するため、屈んだ時や食後でもユーザーの腹部に食い込むことがなく、自然に伸び縮みして体にフィットするので、体に負担が掛からない。
【0026】
また、衣服用ベルト1はベルト穴を有しないので、ユーザーはその時の自分のベストポジションで衣服用ベルト1をしっかりと留められる。
【0027】
また、衣服用ベルト1は片手で簡単に着脱できる。つまり、本体2に伸縮性があり、また適度に摩擦力もある結果、衣服用ベルト1は、日常生活での体への負担が軽くなるように伸縮する(バックル3もあまりずれずに保持される)一方、片手で簡単に緩めることができる。
【0028】
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、かかる設計変更した態様も全て本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0029】
1 衣服用ベルト
2 本体
3 バックル
21 一端
22 他端
31 枠部
32 軸部
33,34 開口
【手続補正書】
【提出日】2023-03-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状を呈し、長手方向に伸縮性を有する本体と、
枠部、及び、前記枠部の対向する部分同士を繋いで前記枠部に第1及び第2の開口を形成する軸部、を有するバックルと、を具備し、
前記本体の一端が前記軸部に回動自在に取り付けられ、
前記本体の他端が前記第1及び前記第2の開口に挿通された状態では、前記他端と前記一端及び前記バックルとの間に生じる摩擦力により、前記バックルが前記本体上の所望の位置に保持され、
(1)前記ゴム素材がポリエステル及びエラストジエンを含み、
(3)前記本体のJIS L1096 B法に準拠する伸びが10%~30%であり、
(5)前記本体が2枚の
ること、
を特徴とする衣服用ベルト。
【請求項2】
前記本体がゴム素材から構成されること、
を特徴とする請求項1に記載の衣服用ベルト。
【請求項3】
前記ゴム素材がポリエステル及びエラストジエンを含むこと、
を特徴とする請求項2に記載の衣服用ベルト。
【請求項4】
ること、
を特徴とする請求項2又は3に記載の衣服用ベルト。