(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133052
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】染色体(細胞核)交換細胞を使用した再生医療法
(51)【国際特許分類】
A61K 35/12 20150101AFI20230914BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20230914BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
A61K35/12
C12N5/10
A61P43/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022069079
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】518440899
【氏名又は名称】パテントフレア株式会社
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 学
【テーマコード(参考)】
4B065
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA93X
4B065AB01
4B065BA04
4B065CA44
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB64
4C087CA12
4C087NA14
4C087ZC01
(57)【要約】
【課題】 従来の再生医療は、治療対象者自身のips細胞や幹細胞から治療に必要な細胞を作成する(分化させる)、その細胞を培養し使用する、という考え方であったが、この方法は現在のところ作成できる(分化できる)細胞が限られており、様々な再生治療に必要な細胞を用意できないことが多いという課題があった。
【解決手段】治療対象者のips細胞や幹細胞を使用するのではなく、他者(ドナー)から治療に必要な細胞を提供してもらい、提供された染色体(細胞核)と治療対象者の細胞の染色体(細胞核)を、ゲノム編集などの技術を用いて交換する(入れ替える)。
(この時使用する治療対象者の細胞は、採取しやすい細胞を使用する。細胞の種類は限定されない。)
この細胞を必要量培養し、再生治療用の細胞として使用する。
この方法により、治療対象者と同じ遺伝情報で治療に必要な細胞を確実に用意できるため、課題を解決できる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生医療の方法で、治療対象者の治療に必要な器官、臓器に関係する細胞(治療に必要な細胞)を、治療対象者自身のips細胞や幹細胞を元にして作成する(分化させる)のではなく、他者(ドナー)から提供してもらった細胞の染色体(細胞核)を、ゲノム編集などの技術を用いて治療対象者の染色体(細胞核)と交換する(入れ替える)。
この細胞を培養して治療に必要な量を確保し、治療対象者の再生治療に使用する方法。
治療対象者が、再生医療のために必要な細胞と同じ細胞を、他者から提供を受け、この細胞の染色体(細胞核)と治療対象者の染色体(細胞核)を交換して(入れ替えて)必要量を培養し、再生治療に使用する方法。
(染色体(細胞核)は、全ての細胞共通であるため、治療対象者の染色体(細胞核)は、採取しやすい細胞のものを使用する。細胞の種類は限定されない。)
【請求項2】
請求項1に記載の方法を使用した再生医療及び、生体機能の改善治療に使用する細胞。
【請求項3】
請求項2に記載の細胞を使用した役務、事業。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分子生物学と再生医療技術の応用技術に関する。
【背景技術】
【0002】
再生医療の技術
【0003】
ゲノム編集の技術
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の再生医療で使用される細胞は、治療対象者のips細胞、幹細胞(脊髄由来、脂肪由来など)を培養し、治療に用いる方法であった。
現在のところ、この方法で作成できる(分化できる)細胞は限られるため、治療に必要な全ての器官、臓器に関係する細胞(治療に必要な全ての細胞)を用意できるわけではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
治療に必要な細胞を、治療対象者のips細胞や幹細胞から作成する(分化する)のではなく、治療に必要な細胞と同じ細胞を、他者(ドナー)から提供してもらい、ドナーの細胞の染色体(細胞核)と治療対象者の細胞の染色体(細胞核)を交換して(入れ替えて)、必要量を培養する。
(染色体(細胞核)は、全ての細胞に共通するため、治療対象者が染色体(細胞核)の交換用に用意する細胞は、限定されない。比較的採取しやすい細胞を使用する。)
この様にして作成した(培養した)再生治療用の細胞は、治療対象者の遺伝情報を持つ細胞であるため、アレルギー反応は起こらず、無菌状態で細胞を培養することにより、細胞のガン化も防ぐことができる。
(細胞のガン化の原因は、特定の病原性微生物(ウイルス、細菌など)が細胞に感染することであるため、無菌状態の培養により、防ぐことができる。)
さらに、初めから再生治療に必要な細胞を培養しているため、ips細胞や幹細胞から再生治療に必要な細胞を作成する(分化させる)工程、方法論を必要とせず、課題を解決する。
従来の移植治療である「特定臓器の提供、臓器の移植」という治療方法ではなく「特定細胞の提供、細胞の移植」という治療方法で、臓器の機能不全、ガンなどの外科手術によって、臓器の一部を切除した場合でも、この細胞移植治療によって臓器の再生が可能となる。