(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133081
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】自己適応型の重荷重歯車伝動走行装置
(51)【国際特許分類】
B66C 17/00 20060101AFI20230914BHJP
F16H 1/08 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
B66C17/00
F16H1/08
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144451
(22)【出願日】2022-09-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】202210221113.9
(32)【優先日】2022-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522362235
【氏名又は名称】徐州徐工伝動科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】XUZHOU XCMG DRIVELINE TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.8 Tuolanshan Road, Economic and Technological Development Zone of Xuzhou City, Jiangsu Province, China
(71)【出願人】
【識別番号】520054873
【氏名又は名称】徐州工程学院
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】秦 大同
(72)【発明者】
【氏名】張 農
(72)【発明者】
【氏名】蒋 立▲しょう▼
(72)【発明者】
【氏名】馬 鳴
(72)【発明者】
【氏名】呂 昌
(72)【発明者】
【氏名】王 忠賓
(72)【発明者】
【氏名】胡 建軍
(72)【発明者】
【氏名】黄 伝輝
(72)【発明者】
【氏名】孫 丹丹
(72)【発明者】
【氏名】宋 軍
(72)【発明者】
【氏名】殷 浩東
(72)【発明者】
【氏名】薛 力戈
(72)【発明者】
【氏名】何 明虎
(72)【発明者】
【氏名】朱 洪睿
(72)【発明者】
【氏名】胡 明輝
(72)【発明者】
【氏名】劉 永剛
(72)【発明者】
【氏名】劉 長▲しょう▼
(72)【発明者】
【氏名】劉 新華
(72)【発明者】
【氏名】韓 鯤
(72)【発明者】
【氏名】王 聖程
【テーマコード(参考)】
3F203
3J009
【Fターム(参考)】
3F203AA10
3F203CA07
3F203DA01
3F203DA09
3F203EA02
3J009EA13
3J009FA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自己適応型の重荷重歯車伝動走行装置を提供する。
【解決手段】自己適応型の重荷重歯車伝動走行装置は、ガイドレール1を含み、ガイドレール1に受け座2がスライド可能に取り付けられ、受け座2に載物ステージ3が設けられ、受け座2の底部に対応してマッチングフレーム4が設けられる。受け座2に第1駆動機構、走行機構、第1ブラケット、ストップ機構、第2ブラケットが設けられ、マッチングフレーム4内に、垂直支持機構及び水平支持機構が設けられる。第1駆動機構は、走行機構の一端に接続され、第1駆動機構は、走行機構を駆動して移動させるために使用され、走行機構は、受け座2を貫通してガイドレール1に磁気的に接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドレール(1)を含む自己適応型の重荷重歯車伝動走行装置であって、ガイドレール(1)に受け座(2)がスライド可能に取り付けられ、受け座(2)に載物ステージ(3)が設けられ、受け座(2)の底部にマッチングフレーム(4)が対向して設けられ、受け座(2)に第1駆動機構(5)、走行機構(6)、第1ブラケット(8)、ストップ機構(10)、第2ブラケット(11)が設けられ、マッチングフレーム(4)内に、垂直支持機構(13)及び複数組の水平支持機構(14)が設けられ、
第1駆動機構(5)は、走行機構(6)の一端に接続され、第1駆動機構(5)は、走行機構(6)を移動させるように駆動するために使用され、走行機構(6)は、受け座(2)を貫通してガイドレール(1)に磁気的に接続され、走行機構(6)は他端に第1伝動シャフト(7)が接続され、第1伝動シャフト(7)は、第1ブラケット(8)を貫通し、かつブレーキディスク(9)が固定的に取り付けられ、ストップ機構(10)は、ブレーキディスク(9)の回動を止めるために使用され、第2ブラケット(11)に第2駆動機構(12)が設けられ、第2駆動機構(12)はストップ機構(10)を移動させるように駆動するために使用され、
走行機構(6)は、受け座(2)に相対的に設けられた2組の第3ブラケット(601)を含み、すべての第3ブラケット(601)に、三角ディスク(602)が回動可能に取り付けられ、三角ディスク(602)に、いずれも3組の第1ガイドシャフト(603)が設けられ、第1ガイドシャフト(603)にいずれも第1スライドブロック(604)がスライド可能に取り付けられ、第1ガイドシャフト(603)にいずれも第1スプリング(605)が嵌着され、第1スプリング(605)は一端が第1スライドブロック(604)に固定的に接続され、他端が三角ディスク(602)に固定的に接続され、2組の対向する第1スライドブロック(604)はいずれも第2伝動シャフト(606)を介して接続され、第2伝動シャフト(606)にいずれも磁石アセンブリ(607)が相対回動して取り付けられ、磁石アセンブリ(607)は、受け座(2)を貫通してガイドレール(1)に磁気的に接続され、走行機構(6)は、受け座(2)に設けられたアングルリングフレーム(608)をさらに備え、アングルリングフレーム(608)の内輪面は、第2伝動シャフト(606)にスライド可能に接続され、
磁石アセンブリ(607)は、磁石とカウンターウェイトとが固定して接続されることにより構成され、カウンターウェイトは、第2伝動シャフト(606)に回動可能に接続され、
磁石アセンブリ(607)のカウンターウェイトの作用力の下で、磁石アセンブリ(607)は、自体の重力により、ガイドレール(1)の水平面に対して常に垂直であり、1組の磁石アセンブリ(607)が移動中である場合に、その下端がガイドレール(1)の水平表面に接触すると、磁石アセンブリ(607)がガイドレール(1)に対して吸着力を発生させ、このときに、第1スライドブロック(604)は第2伝動シャフト(606)を駆動して引き続き移動させ、次の組の磁石アセンブリ(607)が移動中である場合に、その下端がガイドレール(1)の水平表面に接触すると、磁石アセンブリ(607)は再びガイドレール(1)に対し新たな吸着力を発生させ、前にガイドレール(1)に吸着された磁石アセンブリ(607)は、移動軌跡の設定によりガイドレール(1)への吸着が解除され、このように往復することで、走行機構(6)の動作が実現される
ことを特徴とする自己適応型の重荷重歯車伝動走行装置。
【請求項2】
前記第1駆動機構(5)は、受け座(2)に設けられた第1電機(501)を含み、第1電機(501)の出力シャフトに第1歯車(502)が設けられ、走行機構(6)の片側の第3ブラケット(601)に第2歯車(503)が回動可能に取り付けられ、第1歯車(502)と第2歯車(503)はいずれもヘリンボーン歯車であり、第2歯車(503)と第1歯車(502)は互いに噛み合う
ことを特徴とする請求項1に記載の自己適応型の重荷重歯車伝動走行装置。
【請求項3】
前記ストップ機構(10)は、受け座(2)に設けられたベース(1001)を含み、ベース(1001)に複数組の第2ガイドシャフト(1002)が設けられ、複数組の第2ガイドシャフト(1002)の両側にいずれも第2スプリング(1004)が嵌着され、且つ第2ガイドシャフト(1002)にブレーキディスク(9)を止めるためのブレーキパッド(1003)が相対スライド可能に取り付けられ、第2スプリング(1004)は一端がブレーキパッド(1003)に固定的に接続され、第2スプリング(1004)は他端がベース(1001)に固定的に接続される
ことを特徴とする請求項2に記載の自己適応型の重荷重歯車伝動走行装置。
【請求項4】
前記第2駆動機構(12)は、第2ブラケット(11)に設けられた第2電機(1201)を含み、前記第2電機(1201)の出力シャフトは、第2ブラケット(11)を貫通し、駆動ディスク(1202)が固定取り付けられ、駆動ディスク(1202)にコネクティングロッド(1203)が相対回動可能に取り付けられ、コネクティングロッド(1203)は他端がいずれもブレーキパッド(1003)に回動可能に接続される
ことを特徴とする請求項3に記載の自己適応型の重荷重歯車伝動走行装置。
【請求項5】
垂直支持機構(13)は、マッチングフレーム(4)内に設けられた固定ブロック(1301)を含み、固定ブロック(1301)の両端に第3スプリング(1302)が設けられ、第3スプリング(1302)の他端に第1サポート(1303)が固定的に取り付けられ、第1サポート(1303)の両側に第1スライドスティック(1304)が設けられ、マッチングフレーム(4)に、第1スライドスティック(1304)の位置に対応するスライド穴が開けられ、第1スライドスティック(1304)は、マッチングフレーム(4)とスライド可能に接続され、第1サポート(1303)に第1滑車(1305)が回動可能に取り付けられる
ことを特徴とする請求項4に記載の自己適応型の重荷重歯車伝動走行装置。
【請求項6】
水平支持機構(14)は、マッチングフレーム(4)内に設けられた第4スプリング(1401)を含み、第4スプリング(1401)の他端に第2サポート(1402)が固定的に取り付けられ、第2サポート(1402)の両側に第2スライドスティック(1403)が設けられ、マッチングフレーム(4)に、第2スライドスティック(1403)の位置に対応するスライド穴が開けられ、マッチングフレーム(4)は、第2スライドスティック(1403)とスライド可能に接続され、第2サポート(1402)に第2滑車(1404)が回動可能に取り付けられる
ことを特徴とする請求項5に記載の自己適応型の重荷重歯車伝動走行装置。
【請求項7】
前記第1伝動シャフト(7)に、アングルリングフレーム(608)の位置に対応するリミットピース(609)が設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の自己適応型の重荷重歯車伝動走行装置。
【請求項8】
第1駆動機構(5)に近い三角ディスク(602)の中心シャフトは、第3ブラケット(601)を貫通し、第2歯車(503)の中心シャフトと固定的に接続され、
第1ブラケット(8)に近い三角ディスク(602)の中心シャフトは、第3ブラケット(601)を貫通し、第1伝動シャフト(7)の一端に固定的に接続される
ことを特徴とする請求項2に記載の自己適応型の重荷重歯車伝動走行装置。
【請求項9】
ガイドレール(1)の材料は磁性金属である
ことを特徴とする請求項1に記載の自己適応型の重荷重歯車伝動走行装置。
【請求項10】
第1滑車(1305)は、マッチングフレーム(4)を貫通し、ガイドレール(1)にスライド可能に接続され、第2滑車(1404)は、マッチングフレーム(4)を貫通し、ガイドレール(1)にスライド可能に接続される
ことを特徴とする請求項6に記載の自己適応型の重荷重歯車伝動走行装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重荷重走行装置の技術分野に関し、特に自己適応型の重荷重歯車伝動走行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
軌道上を走行する重荷重トロリー及び駆動装置は、重荷重貨物を運ぶのに適し、狭いスペースでの中継輸送によく使用され、つまり、搬送移動の精度、大負荷を保証しようとするが、現在、市場で非常に成熟した解決手段はない。
【0003】
従来技術では、特許文献1に開示されている歯車ラック駆動による自己適応性の重荷重走行機構は、走行台車、サスペンションシステム、複合軌道、水平限界シートを含み、複合軌道はラック軌道と鋼板軌道とがからなり、走行台車には電機-大歯車伝動機構が設けられ、サスペンションシステムは走行台車の両端に設けられ、サスペンションシリンダーのピストン端は走行台車にヒンジで接続され、シリンダー端はシリンダーブロックにヒンジで接続され、走行台車と水平限界シートとはスライドブロックシャフト-スライドブロック機構により可動接続され、水平限界シートとシリンダーブロックは、それぞれ被駆動機構に接続され、走行台車の伝動大歯車はラック軌道と噛み合い、走行台車の歯車-ラック駆動システムを構成し、サスペンションシリンダー、走行台車の車輪群、および鋼板軌道は、走行台車の走行輪システムを構成し、歯車ラックの駆動により走行台車の車輪は、鋼板軌道に密接に取り付けられており、スムーズかつ自己適応的に走行し、駆動機構の変形により自己適応的に微調整されることができる。ただし、この特許は横転や転倒が発生しやすく、軌道がスムーズに接続されていない箇所で揺れが生じ、材料漏れが発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の欠点を考慮して、本発明の第1駆動機構は、支持力が高く動作が安定するヘリンボーン歯車伝動を使用し、本発明の走行機構は、安定性が高く、滑りにくく、高耐荷重の使用環境で大きな慣性牽引が可能となることができ、本発明の第2駆動機構は、ストップ機構と連動して走行機構の停止を補助し、停止位置決め精度を効果的に制御し、本発明の垂直支持機構および水平支持機構は、弾性的に支持された滑車によって支持され、耐荷重能力および振動防止能力を向上させ、横転および揺れを防止する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明がその技術的問題を解決して採用される技術的解決手段は以下のとおりである。ガイドレールを含む自己適応型の重荷重歯車伝動走行装置であって、ガイドレールに受け座がスライド可能に取り付けられ、受け座に載物ステージが設けられ、受け座の底部にマッチングフレームが対向して設けられ、受け座に第1駆動機構、走行機構、ブラケット1、ストップ機構、第2ブラケットが設けられ、マッチングフレーム内に、垂直支持機構及び水平支持機構が設けられ、第1駆動機構は、走行機構の一端に接続され、第1駆動機構は、走行機構を移動させるように駆動するために使用され、走行機構は、受け座を貫通してガイドレールに磁気的に接続され、走行機構は他端に第1伝動シャフトが接続され、第1伝動シャフトは、ブラケット1を貫通し、かつブレーキディスクが固定的に取り付けられ、ストップ機構は、ブレーキディスクの回動を止めるために使用され、第2ブラケットに第2駆動機構が設けられ、第2駆動機構はストップ機構を移動させるように駆動するために使用され、走行機構は、受け座に相対的に設けられた2組の第3ブラケットを含み、すべての第3ブラケットに、三角ディスクが回動可能に取り付けられ、三角ディスクに、いずれも3組の第1ガイドシャフトが設けられ、第1ガイドシャフトにいずれも第1スライドブロックがスライド可能に取り付けられ、第1ガイドシャフトにいずれも第1スプリングが嵌着され、第1スプリングは一端が第1スライドブロックに固定的に接続され、他端が三角ディスクに固定的に接続され、2組の対向する第1スライドブロックはいずれも第2伝動シャフトを介して接続され、第2伝動シャフトにいずれも磁石アセンブリが相対回動して取り付けられ、磁石アセンブリは、受け座を貫通してガイドレールに磁気的に接続され、走行機構は、受け座に設けられたアングルリングフレームをさらに備え、アングルリングフレームの内輪面は、第2伝動シャフトにスライド可能に接続される。
【0007】
さらに、前記第1駆動機構は、受け座に設けられた第1電機を含み、第1電機の出力シャフトに第1歯車が設けられ、走行機構の片側の第3ブラケットに第2歯車が回動可能に取り付けられ、第1歯車と第2歯車はいずれもヘリンボーン歯車であり、第2歯車と第1歯車は互いに噛み合う。
【0008】
さらに、前記ストップ機構は、受け座に設けられたベースを含み、ベースに複数組の第2ガイドシャフトが設けられ、複数組の第2ガイドシャフトの両側にいずれも第2スプリングが嵌着され、且つ第2ガイドシャフトにブレーキディスクを止めるためのブレーキパッドが相対スライド可能に取り付けられ、第2スプリングは一端がブレーキパッドに固定的に接続され、第2スプリングは他端がベースに固定的に接続される。
【0009】
さらに、前記第2駆動機構は、第2ブラケットに設けられた第2電機を含み、前記第2電機の出力シャフトは、第2ブラケットを貫通し、駆動ディスクが固定的に取り付けられ、駆動ディスクにコネクティングロッドが相対回動可能に取り付けられ、コネクティングロッドは他端がいずれもブレーキパッドに回動可能に接続される。
【0010】
さらに、垂直支持機構は、マッチングフレーム内に設けられた固定ブロックを含み、固定ブロックの両端に第3スプリングが設けられ、第3スプリングの他端に第1サポートが固定的に取り付けられ、第1サポートの両側に第1スライドスティックが設けられ、マッチングフレームに、第1スライドスティックの位置に対応するスライド穴が開けられ、第1スライドスティックは、マッチングフレームとスライド可能に接続され、第1サポートに第1滑車が回動可能に取り付けられる。
【0011】
さらに、水平支持機構は、マッチングフレーム内に設けられた第4スプリングを含み、第4スプリングの他端に第2サポートが固定的に取り付けられ、第2サポートの両側に第2スライドスティックが設けられ、マッチングフレームに、第2スライドスティックの位置に対応するスライド穴が開けられ、マッチングフレームは、第2スライドスティックとスライド可能に接続され、第2サポートに第2滑車が回動可能に取り付けられる。
【0012】
さらに、前記第1伝動シャフトに、アングルリングフレームの位置に対応するリミットピースが設けられる。
【0013】
さらに、第1駆動機構に近い三角ディスクの中心シャフトは、第3ブラケットを貫通し、第2歯車の中心シャフトと固定的に接続され、ブラケット1に近い三角ディスクの中心シャフトは、第3ブラケットを貫通し、第1伝動シャフトの一端に固定的に接続される。
【0014】
さらに、ガイドレールの材料は磁性金属である。
【0015】
さらに、第1滑車は、マッチングフレームを貫通し、ガイドレールにスライド可能に接続され、第2滑車は、マッチングフレームを貫通し、ガイドレールにスライド可能に接続される。
【発明の効果】
【0016】
従来技術と比較すると本発明の有益な効果は次のとおりである。(1)本発明の第1駆動機構は、ヘリンボーン歯車伝動を使用し、支持力が高く、動作が安定する。(2)本発明の走行機構は、安定性が高く、滑りにくく、且つ高耐荷重の使用環境で大きな慣性牽引が可能となることができる。(3)本発明の第2駆動機構は、ストップ機構と連動して走行機構の停止を補助し、停止位置決め精度を効果的に制御する。(4)本発明の垂直支持機構および水平支持機構は、弾性的に支持された滑車によって支持され、耐荷重能力および振動防止能力を向上させ、横転および揺れを防止する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図7】本発明の走行機構の部分構造概略
図1である。
【
図8】本発明の走行機構の部分構造概略
図2である。
【
図10】本発明の第2駆動機構の構造概略図である。
【
図11】本発明の垂直支持機構の構造概略図である。
【
図12】本発明の水平支持機構の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の以下の説明において、注意すべきこととして、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「頂」、「底」、「内」、「外」という用語によって示される向きまたは位置関係は、添付の図面に示される向きまたは位置関係に基づくものであり、本発明を説明する便宜上および説明を簡略化するためのものに過ぎず、指摘された装置または要素が特定の向きを有し、特定の向きで構成および操作が行われなければならないことを示したり暗示したりするのではないため、本発明に対する限定として解釈されるべきではない。
【0019】
本発明の以下の説明において、注意すべきこととして、特に明示的に規定、限定されない限り、「取り付け」、「設置」および「接続」という用語については、広い意味で理解すべきであり、例えば、固定的な接続、取り外し可能な接続、または一体型接続のいずれかであってもよく、直接的な接続、中間媒体を介した間接的な接続、または2つの部材間の内部連通のいずれかであってもよい。当業者にとっては、具体的な状況によって本発明における上記の用語の特定の意味を理解することができる。
【0020】
以下、添付の図面と例示的な実施例を参照して本発明をさらに説明するが、ここで本発明の例示的な実施例及び説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明を限定するものではない。また、既知の技術の詳細な説明は、本発明の特徴を示すことにとって必要がない場合に、省略される。
【0021】
実施例:
図1~4に示すように、ガイドレール1を含む自己適応型の重荷重歯車伝動走行装置であって、ガイドレール1に受け座2がスライド可能に取り付けられ、受け座2に載物ステージ3が固定的に取り付けられ、載物ステージ3は重量物を運ぶために使用され、受け座2の底部に、マッチングフレーム4が対向して固定的に取り付けられ、受け座2に第1駆動機構5、走行機構6、ブラケット18、ストップ機構10、第2ブラケット11が設けられ、マッチングフレーム4内に、垂直支持機構13及び複数組の水平支持機構14が設けられ、複数組の水平支持機構14は、マトリックス状にマッチングフレーム4内に均一に分布し、垂直支持機構13は、本発明の耐荷重能力を高めるために使用され、水平支持機構14は、本発明の水平振動防止能力を向上させるために使用され、第1駆動機構5は、走行機構6の一端に接続され、第1駆動機構5は、走行機構6を移動させるように駆動するために使用され、走行機構6は、受け座2を貫通してガイドレール1に磁気的に接続され、走行機構6の他端に第1伝動シャフト7が設けられ、第1伝動シャフト7は、ブラケット18を貫通して、ブレーキディスク9が固定的に取り付けられ、ストップ機構10はブレーキディスク9の回動を止めるために使用され、第2ブラケット11に第2駆動機構12が設けられ、第2駆動機構12はストップ機構10を移動させるように駆動するために使用される。
【0022】
図2、
図5に示すように、第1駆動機構5は、受け座2に固定的に取り付けられた第1電機501を含み、第1電機501の出力シャフトに第1歯車502が固定的に取り付けられ、走行機構6の第1駆動機構5に近い一端に、第2歯車503が設けられ、第1歯車502と第2歯車503はいずれもヘリンボーン歯車であり、通常の平歯車と比較すると、へリンボーン歯車は、歯車伝動中に発生する軸力が非常に小さく、ヘリンボーン歯車は高い支持力を持ち、スムーズに動作する。第2歯車503と第1歯車502とは互いに噛み合う。
【0023】
第1電機501を起動し、第1電機501が第1歯車502を回動させるように駆動し、第1歯車502が第2歯車503を回動させるように駆動し、第2歯車503の中心シャフトが走行機構6を移動させるように駆動する。
【0024】
図2、
図6、
図7、
図8に示すように、走行機構6は、受け座2に対向して固定的に取り付けられた2組の第3ブラケット601を含み、第3ブラケット601に、いずれも三角ディスク602が回動可能に取り付けられ、第1駆動機構5に近い三角ディスク602の中心シャフトは、第3ブラケット601を貫通して第2歯車503の中心シャフトに固定的に接続され、ブラケット18に近い三角ディスク602の中心シャフトは、第3ブラケット601を貫通して第1伝動シャフト7の一端に固定的に接続され、三角ディスク602にいずれも3組の第1ガイドシャフト603が固定的に取り付けられ、第1ガイドシャフト603にいずれも第1スライドブロック604がスライド可能に取り付けられ、第1ガイドシャフト603にいずれも第1スプリング605が嵌着され、第1スプリング605は一端が第1スライドブロック604に固定的に接続され、他端が三角ディスク602に固定的に接続され、2組の対向する第1スライドブロック604はいずれも第2伝動シャフト606を介して接続され、第2伝動シャフト606にいずれも磁石アセンブリ607が対向して設けられ、磁石アセンブリ607は、磁石とカウンターウェイトとが固定して接続されることにより構成され、カウンターウェイトは、第2伝動シャフト606に回動可能に接続され、磁石アセンブリ607は、受け座2を貫通してガイドレール1に磁気的に接続され、ガイドレール1の材料は磁性金属であり、走行機構6は、受け座2に固定的に取り付けられたアングルリングフレーム608をさらに備え、アングルリングフレーム608は正三角形の形状であり、アングルリングフレーム608の内輪面は、第2伝動シャフト606にスライド可能に接続され、第1伝動シャフト7の位置ずれを防止するように、前記第1伝動シャフト7にアングルリングフレーム608の位置に対応するリミットピース609が固定的に取り付けられる。
【0025】
第2歯車503が回動すると、第2歯車503は、隣接する三角ディスク602を駆動して回動させ、三角ディスク602が回動する過程中、第1ガイドシャフト603を介して第1スライドブロック604を回動させるように駆動し、第1スライドブロック604は、第2伝動シャフト606を介して他方側のスライドブロック1604を回動させるように駆動し、他方側の第1スライドブロック604は、ガイドシャフト1603を介して三角ディスク602を回動させるように駆動し、三角ディスク602は第1伝動シャフト7を回動させるように駆動し、第1伝動シャフト7は、ブレーキディスク9を回動させるように駆動し、第2伝動シャフト606が回動する過程中、アングルリングフレーム608の設置により、第1スプリング605の張力の作用により、第2伝動シャフト606がアングルリングフレーム608の内部を沿ってスライドし、正三角形の軌跡運動を行い、このプロセスにおいて、第2伝動シャフト606は、磁石アセンブリ607を移動させるように駆動し、磁石アセンブリ607は、第2伝動シャフト606に回動可能に接続されるので、磁石アセンブリ607におけるカウンターウェイトの作用力の下で、磁石アセンブリ607は、自体の重力により、ガイドレール1の水平面に対して常に垂直であり、1組の磁石アセンブリ607が移動中である場合に、その下端がガイドレール1の水平面に接触すると、磁石アセンブリ607がガイドレール1に対して吸着力を発生させ、このときに、第1スライドブロック604は第2伝動シャフト606を駆動して引き続き移動させ、次の組の磁石アセンブリ607が移動中である場合に、その下端がガイドレール1の水平表面に接触すると、磁石アセンブリ607は再びガイドレール1に対し新たな吸着力を発生させ、前にガイドレール1に吸着された磁石アセンブリ607は、移動軌跡の設定によりガイドレール1への吸着が解除され、このように往復することで、走行機構6の動作が実現され、そして、この動作モードは安定性が高い。
【0026】
図2、
図9、
図10に示すように、前記ストップ機構10は、受け座2に固定的に取り付けられたベース1001を含み、ベース1001に複数組の第2ガイドシャフト1002が固定的に取り付けられ、複数組の第2ガイドシャフト1002の両側にいずれも第2スプリング1004が嵌着され、且つブレーキディスク9を止めるためのブレーキパッド1003が相対スライド可能に取り付けられ、第2スプリング1004は一端がブレーキパッド1003に固定的に接続され、他端がベース1001に固定的に接続され、第2駆動機構12が起動していないときに、第2スプリング1004の作用力の下で、ブレーキディスク9とブレーキパッド1003は運動への相互の影響を回避するように、一定の距離に保たれ、前記第2駆動機構12は、第2ブラケット11に固定的に取り付けられた第2電機1201を含み、前記第2電機1201の出力シャフトは、第2ブラケット11を貫通し、駆動ディスク1202が固定的に取り付けられ、駆動ディスク1202にコネクティングロッド1203が相対回動可能に取り付けられ、コネクティングロッド1203は他端がいずれもブレーキパッド1003に回動可能に接続される。
【0027】
行き先まで重量物を輸送すると、本発明を停止する必要があり、第1駆動機構5を停止した後、第2駆動機構12をオンにし、第1駆動機構5を補助することができ、第2電機1201をオンにすると、第2電機1201は駆動ディスク1202を回動させるように駆動し、駆動ディスク1202はコネクティングロッド1203を揺動させるように駆動し、コネクティングロッド1203は揺動中、ブレーキパッド1003を第2ガイドシャフト1002上を相対的にスライドさせるように駆動し、ブレーキパッド1003をブレーキディスク9に完全に接触させることで、ブレーキパッド1003とブレーキディスク9との間の摩擦力によりブレーキディスク9が止められる。
【0028】
図4、
図11に示すように、垂直支持機構13は、マッチングフレーム4内に固定的に取り付けられた固定ブロック1301を含み、固定ブロック1301の両端に、少なくとも2組の第3スプリング1302が固定的に取り付けられ、第3スプリング1302の他端に、第1サポート1303が固定的に取り付けられ、第1サポート1303の両側に第1スライドスティック1304が設けられ、マッチングフレーム4に、第1スライドスティック1304の位置に対応するスライド穴が開けられ、マッチングフレーム4は、第1スライドスティック1304にスライド可能に接続され、第1サポート1303に第1滑車1305が回動可能に取り付けられ、第1滑車1305は、マッチングフレーム4を貫通してガイドレール1にスライド可能に接続される。
【0029】
載物ステージ3が重量物を積載して稼働すると、重力は受け座2を介してマッチングフレーム4に伝達され、この時に、マッチングフレーム4は、ある程度下へ移動し、移動中に、固定ブロック1301を下へ移動させるように駆動し、下側の第3スプリング1302は圧縮され、このときに第1滑車1305は第1サポート1303の駆動で正常に回動して稼働することができ、垂直支持機構13は、従来の伝動シャフトが重力を受けて変形し、伝動に影響を与えるのを防ぎ、伝動の安定性が向上する。
【0030】
図4、
図12に示すように、水平支持機構14は、マッチングフレーム4内に設けられた第4スプリング1401を含み、第4スプリング1401の他端に第2サポート1402が固定的に取り付けられ、第2サポート1402の両側に第2スライドスティック1403が設けられ、マッチングフレーム4に、第2スライドスティック1403の位置に対応するスライド穴が開けられ、マッチングフレーム4は、第2スライドスティック1403にスライド可能に接続され、第2サポート1402に第2滑車1404が回動可能に取り付けられ、第2滑車1404は、マッチングフレーム4を貫通してガイドレール1にスライド可能に接続される。
【0031】
載物ステージ3が重量物を積載して稼働する場合に、貨物の転倒又は他の要因により載物ステージ3が水平方向に振動すると、水平方向の力が受け座2を介してマッチングフレーム4に伝達され、この時に、マッチングフレーム4は左右にずれ、移動中に、第4スプリング1401が圧縮され、このときに第2滑車1404は第2サポート1402の駆動で正常に回動して稼働することができ、水平支持機構14は、移動中に発生する水平振動が伝送に与える影響を低減させ、横転の発生率を低減させ、伝動の安定性をより高くする。
【0032】
本発明の作動原理は以下のとおりである。載物ステージ3に重量物を載せて第1駆動機構5を起動し、第1駆動機構5は、走行機構6を移動させるように駆動し、走行機構6は、ガイドレール1との交互磁気的接続により、受け座2及び受け座2に設けられた他の部材をガイドレール1に沿ってスライドさせるように駆動し、スライド中に、垂直支持機構13の設置により、本発明の耐荷重能力を向上させ、過度の重量によって引き起こされるガイドレール1と受け座2のスタック状態を回避し、水平支持機構14の設置により、本発明の水平振動防止能力を向上させ、輸送中に発生する横転などの問題を防止し、行き先まで重量物を輸送すると、第1駆動機構5をオフにし、第1駆動機構5は走行機構6の稼働を停止するように駆動するが、重量物の慣性などの不確定要因により、本発明はガイドレール1上を一定距離だけスライドさせることもあり、このような事態の発生を低減するために、第1駆動機構5をオフにすると同時に、第2駆動機構12を起動し、第2駆動機構12はストップ機構10を稼働させるように駆動し、ストップ機構10は、ブレーキディスク9の回動を止め、ブレーキディスク9は、第1伝動シャフト7の回動を停止させ、第1伝動シャフト7は走行機構6の回動も停止させ、第1駆動機構5が走行機構6を停止するのを補助し、ストップの位置決め精度を効果的に制御する。
【0033】
理解すべきこととして、上記の実施例は、本発明の技術的解決手段を説明するためのものに過ぎず、それらを限定するものではなく、当業者にとって、上記の実施例に記載の技術的解決手段を修正することができ、またはその一部の技術的特徴を同等に置き換えることができるが、これらすべての修正および置換は、本発明の添付する特許請求の範囲の保護範囲に属するべきである。
【符号の説明】
【0034】
1 ガイドレール
2 受け座
3 載物ステージ
4 マッチングフレーム
5 第1駆動機構
6 走行機構
7 第1伝動シャフト
8 第1ブラケット
9 ブレーキディスク
10 ストップ機構
11 第2ブラケット
12 第2駆動機構
13 垂直支持機構
14 水平支持機構
501 第1電機
502 第1歯車
503 第2歯車
601 第3ブラケット
602 三角ディスク
603 第1ガイドシャフト
604 第1スライドブロック
605 第1スプリング
606 第2伝動シャフト
607 磁石アセンブリ
608 アングルリングフレーム
609 リミットピース
1001 ベース
1002 第2ガイドシャフト
1003 ブレーキパッド
1004 第2スプリング
1201 第2電機
1202 駆動ディスク
1203 コネクティングロッド
1301 固定ブロック
1302 第3スプリング
1303 第1サポート
1304 第1スライドスティック
1305 第1滑車
1401 第4スプリング
1402 第2サポート
1403 第2スライドスティック
1404 第2滑車