IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイディール インダストリーズ,インク.の特許一覧

<>
  • 特開-転換力ラッチングシステム 図1A
  • 特開-転換力ラッチングシステム 図1B
  • 特開-転換力ラッチングシステム 図2
  • 特開-転換力ラッチングシステム 図3
  • 特開-転換力ラッチングシステム 図4
  • 特開-転換力ラッチングシステム 図5A
  • 特開-転換力ラッチングシステム 図5B
  • 特開-転換力ラッチングシステム 図6
  • 特開-転換力ラッチングシステム 図7
  • 特開-転換力ラッチングシステム 図8
  • 特開-転換力ラッチングシステム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001331
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】転換力ラッチングシステム
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20221222BHJP
【FI】
H01R13/639 A
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022180252
(22)【出願日】2022-11-10
(62)【分割の表示】P 2020534359の分割
【原出願日】2018-12-21
(31)【優先権主張番号】62/608,958
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515059049
【氏名又は名称】アイディール インダストリーズ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジア ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン,ブライアン ロバート
(57)【要約】
【課題】転換力ラッチングシステムを提供する。
【解決手段】転換力ラッチングシステムは、2つの相補的なコネクタボディを含む。各コネクタボディは、その下に2つの一連の磁石が交互の方向に向けられた第1の係合面を有する。ラッチングシステムの可動部分は、コネクタボディ及び内部の磁石が、所定の動作経路に沿ったユーザの相互作用によって、それらのアライメントを変更することを可能にする。第1の配置では、一連の磁石は、一方のコネクタボディの磁石が他方のコネクタボディの磁石に引き付けられるように整列される。ユーザの作動が可動部分をシフトさせるとき、第2の配置は、一方のコネクタボディの磁石が他方のコネクタボディの磁石に反発するように、一連の磁石が整列するように一列の磁石を配置する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の係合面を持つ第1のコネクタボディであって、前記第1のコネクタボディはさらに:
少なくとも1つの磁石の第1のシリーズであって、第1の方向に向けられたN極及びS極を持つ各第1の磁石が、前記第1の係合面に近接して前記第1のコネクタボディ内に配置される、少なくとも1つの磁石の第1のシリーズと;
少なくとも1つの磁石の第2のシリーズであって、前記第1の方向とは異なる第2の方向に向けられたN極及びS極を持つ各第2の磁石が、前記第1のコネクタボディ内に配置される、少なくとも1つの磁石の第2のシリーズと;
を有する、第1のコネクタボディと;
第2の係合面を持つ第2のコネクタボディであって、前記第2のコネクタボディはさらに:
少なくとも1つの磁石の第3のシリーズであって、第1の方向に向けられたN極及びS極を持つ前記第2のコネクタボディに完全に囲まれた各第3の磁石が、前記第1のシリーズの配置と相補的な方法で前記第2の係合面に近接して前記第2のコネクタボディ内に配置される、少なくとも1つの磁石の第3のシリーズと;
少なくとも1つの磁石の第4のシリーズであって、前記第1の方向とは異なる第2の方向に向けられたN極及びS極を持つ前記第2のコネクタボディに完全に囲まれた各第4の磁石が、前記第2のシリーズと相補的な方法で前記第2のコネクタボディ内に配置される、少なくとも1つの磁石の第4のシリーズと;
を有する、第2のコネクタボディと;
前記第1のコネクタボディの周囲に位置する円形ラッチ部と;
を有し、
第1の配置において、前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズは、第1の位置において、前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズが前記磁石の前記第3及び前記第4のシリーズに引き付けられるように、前記磁石の前記第3及び前記第4のシリーズとそれぞれ整列され;
第2の配置において、前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズは、第2の位置において、前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズが前記磁石の前記第3及び前記第4のシリーズによって反発されるように、前記磁石の前記第4及び前記第3のシリーズとそれぞれ整列され;
前記円形ラッチ部は、前記第1の位置から前記第2の位置に前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズの配置をシフトさせるように所定の動作経路に沿った回転のユーザの相互作用を直接受けるように構成される、
転換力ラッチングシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの磁石の前記第1又は前記第2のシリーズの少なくとも一方は、電磁石である、
請求項1に記載の転換力ラッチングシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの磁石の前記第1又は前記第2のシリーズの少なくとも一方は、永久磁石である、
請求項1に記載の転換力ラッチングシステム。
【請求項4】
前記永久磁石は、希土類磁石、アルニコ磁石、又はセラミック磁石である、
請求項3に記載の転換力ラッチングシステム。
【請求項5】
力作動インターフェース機構をさらに含む、
請求項1に記載の転換力ラッチングシステム。
【請求項6】
前記力作動インターフェース機構は、ハンドル又はタブである、
請求項5に記載の転換力ラッチングシステム。
【請求項7】
前記第1のコネクタボディは、前記所定の動作経路に沿って前記第1のコネクタボディの動作を制限する動作ガイドをさらに有する、
請求項1に記載の転換力ラッチングシステム。
【請求項8】
前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズは、円形に配置される、
請求項1に記載の転換力ラッチングシステム。
【請求項9】
係合解除が、前記第1のコネクタボディに対する前記第2のコネクタボディの回転運動によって、作動される、
請求項8に記載の転換力ラッチングシステム。
【請求項10】
前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズは、交互のパターンで配置される、
請求項1に記載の転換力ラッチングシステム。
【請求項11】
各前記コネクタボディに少なくとも1つの電気接点をさらに有する、
請求項1に記載の転換力ラッチングシステム。
【請求項12】
前記第1及び前記第2のコネクタボディ内に位置する電気接点の交換可能な組み合わせをさらに有する、
請求項11に記載の転換力ラッチングシステム。
【請求項13】
前記所定の動作経路に沿った前記第2のコネクタボディの相対運動中に前記電気接点の相対運動がない動作分離システムをさらに有する、
請求項12に記載の転換力ラッチングシステム。
【請求項14】
前記所定の案内経路に沿った動きを防止するためのロック機構をさらに有する、
請求項1に記載の転換力ラッチングシステム。
【請求項15】
前記磁石は、前記コネクタボディ内に形成される、
請求項1に記載の転換力ラッチングシステム。
【請求項16】
一側に第1の係合面を持つ第1のコネクタボディであって、前記第1の係合面は、実質的に第1の電気接点の周りに位置し;
前記第1のコネクタボディは、磁石の第1及び第2のシリーズを有し、各前記シリーズに少なくとも1つの磁石を持ち、各前記磁石はN極及びS極を持ち、前記第1及び前記第2のシリーズは、前記第1及び前記第2のシリーズの前記磁石を前記第1のコネクタボディ内に交互のパターンで円形に配置され、前記第1のシリーズの前記磁石は第1の方向に向けられ、前記第2のシリーズの前記磁石は前記第1の方向とは反対の第2の方向に向けられる、第1のコネクタボディと;
前記第1のコネクタボディの周囲に位置する円形ラッチ部と;
一側の第2の係合面及び動作ガイドを持つ第2のコネクタボディであって、前記第2の係合面は、実質的に第2の電気接点の周りに位置し、前記第2の係合面は、前記第1の係合面及び前記第1の電気接点に相補的であるように形成され;
前記第2のコネクタボディは、前記第2のコネクタボディに完全に囲まれた磁石の第3及び第4のシリーズを有し、各前記シリーズに少なくとも1つの磁石を持ち、各前記磁石はN極及びS極を持ち、前記第3及び前記第4のシリーズは、前記第3及び前記第4のシリーズの前記磁石を前記第2のコネクタボディ内に交互のパターンで円形に配置され、前記第3のシリーズの前記磁石は第1の方向に向けられ、前記第4のシリーズの前記磁石は前記第1の方向とは反対の第2の方向に向けられる、第2のコネクタボディと;
を有し、
第1の配置において、前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズは、第1の位置において、前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズが前記磁石の前記第3及び前記第4のシリーズに引き付けられるように、前記磁石の前記第3及び前記第4のシリーズとそれぞれ整列され;
第2の配置において、前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズは、第2の位置において、前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズが前記磁石の前記第3及び前記第4のシリーズによって反発されるように、前記磁石の前記第4及び前記第3のシリーズとそれぞれ整列され;
前記円形ラッチ部は、前記第1の位置から前記第2の位置に前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズの配置をシフトさせるように所定の動作経路に沿った回転のユーザの相互作用を直接受けるように構成される、
電気コネクタのための転換力ラッチングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本説明は、概して電気コネクタに関し、より正確には、電気コネクタのための転換力ラッチングシステム(convertible force latching system)に関する。
【0002】
[関連出願情報]
本出願は、2017年12月21日に出願された米国仮出願第62/608,958号の利益を主張し、その継続出願であり、その全体が参照により援用される。
【背景技術】
【0003】
種々の磁気ラッチングシステムが知られており、キャビネットのような技術分野でしばしば使用される。米国特許第3,790,197号(特許文献1)は、ヒンジ部材を閉位置に維持するために使用される磁気ラッチを記載している。磁石は、軸方向に移動可能であり、反発力のために磁石位置を変更するために、ピボットに取り付けられたレバーバー(lever bar)などの手動で操作可能な部材を必要とする。
【0004】
他の例示の磁気ラッチは、キャビネット、戸棚、クローゼット、又は他の物体のスイングドアなどの部材を固定するために使用される磁気ラッチを記載する米国特許第2,990,210号(特許文献2)を含む。米国特許第2,877,041号(特許文献3)は、冷蔵庫ドア用の磁気ラッチが記載し、これは、キャビネット内からの空気漏れを防止するために冷蔵庫ドアを固定するために使用される。米国特許出願公開第2011/0193354号(特許文献4)は、磁気ゲートラッチ装置を記載している。米国特許第3,984,795号(特許文献5)は、磁石の電磁的特性を利用する磁気ラッチ構造を記載している。米国特許第6,195,898号(特許文献6)は、クイックリリース磁気ラッチを記載している。米国特許第5,909,100号(特許文献7)は、電気自動車用の充電コネクタを記載している。
【0005】
上記の磁気ラッチに加えて、コネクタをラッチするための種々の他の機構が、特に電気コネクタの分野において利用されることがある。例えば、ねじ付きラッチ、スプリングラッチ、手動ラッチ、スナップ嵌めラッチ、ツイスト及びロック機構、及び/又はラッチ機構なし。ねじ付きラッチは、典型的には、保持するために係合部品にねじ山を追加し、係合(mate)及び係合解除する(unmate)ためにツールを必要とし、係合及び係合解除するために時間を消費する。スプリングラッチは、係合及び係合解除するためにロックを作動及び非作動させるために、スプリング機構を有する部品にロック機能を追加する。保持力は、しばしば、材料の摩耗及び係合及び係合解除によるバネの劣化のために、時間の経過とともに劣化し、それによって、典型的には、サイクル寿命を短くする。手動ラッチは、典型的には、保持のために物理的停止部に引っかかる。これらのタイプのラッチは、それらが適切な位置にあることを確実にするために、しばしば位置合わせする(整列させる)(align)ことが困難である。スナップ嵌めラッチ機構は、しばしば、係合を解除するために工具を必要とする。ねじれ及びロック機構は、典型的には、製造が困難であり、係合及び係合解除による材料の経時的摩耗のため、サイクル寿命がより短い。
【0006】
最後に、ラッチを使用せず、部品を係合状態に保つために接触保持に依存することは、一般に、部品が接触保持を克服する必要があるため、係合解除が困難である。さらに、使用される接点は、保持力が経時的に低下するような係合及び非係合による材料の摩耗のため、より短いサイクル寿命を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第3,790,197号
【特許文献2】米国特許第2,990,210号
【特許文献3】米国特許第2,877,041号
【特許文献4】米国特許出願公開第2011/0193354号
【特許文献5】米国特許第3,984,795号
【特許文献6】米国特許第6,195,898号
【特許文献7】米国特許第5,909,100号
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本開示の教示によるラッチングシステムの例示的な第1及び第2のコネクタボディの斜視図である。
図1B】本開示の教示によるラッチングシステムの別の例示的な第1及び第2のコネクタボディの斜視図である。
図2図1Aの例示的なラッチングシステムの第1のコネクタボディの係合面の斜視図を示す。
図3】第1の位置における図1Aの例示的なラッチングシステムの第2のコネクタボディの係合面の斜視図を示す。
図4】第2の位置における図1Aの例示的なラッチングシステムの第2のコネクタボディの係合面の別の斜視図を示す。
図5A】第1の位置における動作ガイド機構を示す図1Aの例示的なラッチングシステムの第2のコネクタボディの係合面の第1の斜視図を示す。
図5B】第2の位置における動作ガイド機構を示す図1Aの例示的なラッチングシステムの第2のコネクタボディの係合面の第2の斜視図を示す。
図6図1Aの例示的なラッチングシステムの第1のコネクタボディの分解図を示す。
図7図1Aの例示的なラッチングシステムの第2のコネクタボディの分解図を示す。
図8図1Aの例示的ラッチングシステムをユーザが手動で作動させることを示す斜視図である。
図9】力作動インターフェース機構をユーザが利用することを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の例示的な方法及び装置の説明は、本明細書に詳述される正確な形態に本説明の範囲を限定することを意図するものではない。その代わりに、以下の説明は、他人がその教示に従うことができるように例示的であることを意図している。
【0010】
上述した既知の技術のいくつかに伴う問題のいくつかは、コネクタ、特に電気コネクタが、高い係合力及び係合解除力を有する傾向があることを含む。物理的なラッチは、どのような種類のコネクタのサイズであっても、取り外しが難しい場合がある。物理的ラッチは、また、設計によっては持たない多くのスペースを占める。ラッチは摩耗し、接続を保持できず、必要な結合力を維持できない可能性がある。また、ラッチは、係合及び解除の両方、ならびにラッチが適切な位置にあることを確実にするアライメントのために、使用の容易に問題を有することがある。
【0011】
本明細書に開示されている例示的なラッチングシステムは、一貫した保持を有するほとんど無限のサイクル寿命を有し、係合及び係合解除が容易である。より具体的には、現在開示されている磁石ラッチでは、異なる磁極の引力がコネクタ同士を位置合わせし且つ引っ張りを助けるため、ラッチングの動作が容易になり、これは係合を容易にする。交互極を持つ磁石の配置は、必要に応じて引力と反発力との間で力が切り替わることを可能にするパターンである。次に、同様の磁極の反発力を用いて、コネクタを互いから離れるように押すことができ、これは結合解除を容易にする。磁石を円形パターンに配置することによって、以下に開示する例のいくつかは、ラッチの強度を犠牲にすることなく、ラッチの全体的なサイズを低減するのに役立つことができる。最後に、係合及び係合解除による磁石の損傷又は摩耗はなく、磁石は、通常の状況下では、経時的に強度を失うことはない。この特徴により、例示的なラッチングシステムは、一定の保持力とほとんど無限のサイクル寿命を有することができる。
【0012】
本開示において、交互の磁極が、図1Aに示される例において円形パターンで割り当てられ、このラッチングシステムを独特のものとする磁気配向を有するように配置される。最もコンパクトなサイズを有する最大のラッチ強度を提供するために、他のものではなく円形パターンが選択されたが、特定のユーザのニーズにより有益であり得る他の例が以下に示され、説明される。例示的な装置は、単一の用途における磁石の引力特性と反発特性の両方を利用し、また、コネクタのラッチング部の単純な回転、並進移動、又は他の移動によって必要とされる引力と反発力との間で力を容易に切り替えることを可能にする。
【0013】
これらの例では、全ての磁石は、係合された状態及び係合解除状態の両方の下でラッチ内に完全に囲まれている。これは、磁石の追加の保護を提供し、ラッチを清潔に保ち、メンテナンスを容易にすることができ、これらはラッチの寿命を長くすることができる。
【0014】
加えて、本ラッチングシステムの一例におけるラッチは、コネクタの外部にあり、これは、ラッチ解除のための回転のために、手によってよりアクセス可能である。これは、ラッチ解除するために内部に接続される追加の機構の必要性を排除し、ラッチが、よりコンパクトなサイズを有することを可能にし、且つ、含まれる構成要素がより少ないために、より低い製造コストを有することを可能にする。
【0015】
図面を参照すると、図1A及び図1Bは、本開示の教示による転換力ラッチングシステムの一例を具体化する一対のコネクタの2つの例を示す。この例におけるラッチングシステムは、第1のコネクタボディ102及び第2のコネクタボディ104として図1Aに示されている、2つの適合するコネクタボディから構成されている。第1及び第2のコネクタボディ102、104は、係合面106、108で接続され、それによって、それぞれの電気コネクタ110を結合する。
【0016】
第1及び第2のコネクタボディ102、104は、第1のコネクタボディ102の形が凹部内で第2のコネクタボディ104の突起をしっかりと受け入れるように、相補的な形状で係合するように構成される。いくつかの例における第1及び第2のコネクタ102、104の結合は、コネクタが接続されるときに互いに相対的に移動できないように、僅かな圧入(press fit)である。
【0017】
第1及び第2のコネクタボディ102、104のいくつかは、少なくとも2つの可能なサブセクション、すなわち、電気接点110を収容する接続部112及びラッチ部114を有する。ラッチ部114は、通常、接続部112の周囲に位置する。図示の例では、第2のコネクタボディ104は、移動ラッチ部114を有する。ラッチングシステム100の他の例では、当業者が理解するように、ラッチ部をスライドさせて直線的に並進させてもよく、又は他の適切な手段によって移動させてもよい。互いに対向する側面には、第1のコネクタボディ102及び第2のコネクタボディ104は、それぞれ、電気接点110の周囲に位置する係合面106及び108を有する。これらは、図1Aに示す例における各コネクタボディ102、104の外周部近傍のコネクタボディ102、104のラッチ部114上の比較的平坦な部分である。係合面は、磁気ラッチ機構の部分を適切に配向させ、機能させるために十分に互いに近接させるように機能する。
【0018】
当業者は、図示の例における電気接点110が、使用可能な多くの構成のうちの1つに過ぎないことを理解するであろう。種々のゲージ(gauges)の任意の数の電気的接続及びその配置は、各コネクタボディ102、104に収容することができる。当業者はまた、本開示の教示が、データ、流体移送、又は他の適切な接続のような他のタイプの解除可能な接続に等しく適用され得ることを理解するであろう。本ラッチングシステムのいくつかの例では、コネクタボディは、内部で有効になる接続を交換するように構成されており、例えば、異なる電気コネクタが挿入されることを可能にしている。
【0019】
各コネクタボディ102、104の内部には、ラッチ部114の一部として、係合面106、108の直下に位置する磁石が配置されている。図示の例では、ラッチ部114は、接続部112に対して移動することができる。この例では、この例におけるラッチ部114の回転が、一方のコネクタボディ104上の磁石を他方のコネクタボディ102に対して再位置決めされることを可能にする。当業者であれば、この磁石は、永久磁化された強磁性材料又は希土類磁石などの任意の種類の磁石であり得ることを理解するであろう。本ラッチングシステム100の他の例では、電磁石を使用して、磁極に選択的に係合又は逆転させることができる。
【0020】
図2図3に示すように、異なる配向の2つの交互の一連の磁石202及び204(磁石202及び204の2つの交互のシリーズ)がある。各磁石は、その形状及び付随する磁場にかかわらず、N極及びS極を有する。磁石の向きは、磁石がコネクタボディ102、104に取り付けられたときに、磁石内に磁極がどのように配置されるか、及びそれらの相対構成に基づいている。この説明の目的のために、磁石は、その磁石のN極がそれぞれの係合面106又は108に最も近い場合には上向きと称され、磁石のS極が係合面106又は108に最も近い場合には下向きと称される。図中、可視化のみのために、緑色の円はN磁極、紫色の円はS磁極を表す。磁石は、図2及び図3では、図示の目的のみのために露出されているが、いくつかの例では、図6図7に示すようにねじ602でカバー600によって囲まれている。磁石は、必要に応じて、露出され、部分的に露出され、又は任意の他の手段によって完全に囲まれ且つ保持されてもよい。
【0021】
図に示す例示的な転換力ラッチングシステムのように、一連の磁石の各々は交互のパターンで配置される。このパターンは、コネクタボディ102でのように、反対側のコネクタボディ104上で同様の方法で繰り返される。図示の例では、磁石は、コネクタボディ102上に円形のパターンで配置され、第1の一連の磁石のN極が係合面106に最も近く、「上」を向き、第2の一連の磁石のS極が係合面106に最も近く、「下」を向いている。
【0022】
この配置は、移動ラッチ部114の位置に応じて、一方のコネクタボディ上の磁石の他方の磁石に対する相対配置に応じて、異なる使用を可能にする。図3に示す第1の配置では、反対の極を有する各コネクタボディ102、104上のそれぞれの交互の一連の磁石は、ラッチングシステム100を互いに保持するのを助けるために互いに対向している。したがって、第1及び第2の一連の磁石は、第1及び第2の一連の磁石が第3及び第4の一連の磁石に引き付けられるように、第1の位置において第3及び第4の一連の磁石とそれぞれ整列する。
【0023】
対照的に、ラッチ部114は、所定の動作経路に沿って動かされて、磁石の整列を変化させることができる。図3に示す例では、ラッチ部を回転されて、各一連の磁石202及び204を、対向する磁極から、同一の帯電磁極に面する図4に示す位置にシフトさせることができる。類似の極の反発は、ラッチングシステム100を切り離すことを助ける。したがって、図4に示す第2の配置は、第1及び第2の一連の磁石が第3及び第4の一連の磁石によって反発されるように、第2の位置で、第4及び第3の一連の磁石とそれぞれ整列した第1及び第2の一連の磁石を有する。本発明のいくつかの例では、ロック機構を追加して、ユーザが望まない場合に回転を防止することができる。
【0024】
磁気吸引と反発の両方を可能にすることによって、接続は補助結合及び結合解除を可能にする。係合中に、両方のコネクタボディ102、104からの異なる磁極の引力が部品を自動的に引き寄せ、これは部品同士の係合を容易にする。たとえ、コネクタボディ102、104上の磁石が完全に整列していなくても、ラッチが互いに近づくにつれて、磁石の反発は同様の磁極を互いから離れる方に押し、磁石の引力は異なる磁極を一緒に引っ張る。このプッシュ/プル効果により、ラッチ2は自動的に回転し、係合のためにラッチ2内のすべての磁石をラッチ1に位置合わせする。すべての磁石対の引力の組み合わせは、部品を係合したままに保つための保持力としても機能する。
【0025】
磁石が反対の極に整列されるとき、吸引力は、コネクタボディを互いに正しく配置するのに役立つ。磁石が同じ極に整列されると、反発がコネクタを離すのを助ける。ユーザに十分な力を加えることを要求する代わりに、磁石は、それによって、コネクタを結合するのに必要な力を低減することによって、これらのコネクタを結合するユーザの能力を増加させる。
【0026】
ラッチ部114は、スケーラブルなラッチングシステム100の任意のサイズに対して、ラッチ解除のための回転のために手でアクセス可能であるコネクタボディの外部にある。これにより、ラッチ解除のために内部的に接続されるトリガ又は係合解除ユニットなどの付加的な機構の必要性がなくなり、これにより、転換力ラッチングシステムは、含まれる構成部品がより少ないために、よりコンパクトなサイズを有することができ、且つ、製造コストがより低くなる。このような例示的なラッチングシステム100は、図8に示されている。いくつかの実施形態では、コネクタボディ104は、ラッチ部114をより容易に利用するために、ハンドル又はタブのような力作動インターフェース機構をさらに含む。このような例示的なラッチングシステム100は、図1Bに示され、図9でハンドル902を有する第2のコネクタボディ104’として使用される。
【0027】
図3に示すコネクタボディ104のラッチ部114の動きは、動作停止部502を含む一連の動作ガイドによって示される例において制限される。停止部502は、第2のコネクタボディ104からの突起であり、第2のコネクタボディ104内の整合凹部504に係合する。停止部502及び凹部504の形状及びサイズは、上述のアライメントの各々の間の磁石のシフトを可能にするように決定される。例えば、ラッチングシステム100が図4に示す位置に回転されるとき、停止部502及び凹部504は、コネクタボディ102及び104自体の形状と合わせて、引力位置と反発位置との間の適切なシフトに沿ってユーザの相互作用を方向付け及び案内する所定の動作経路を形成する。回転後、対応するコネクタボディ102内のすべての磁石は、対応するコネクタボディ104内の対応する相手磁石と同じ正確な極を有する。
【0028】
図1A図5に示すように、両方のコネクタボディ102、104は、図示のような回転アライメント機構300を有する。図1Aに示すように、磁石は円形のパターンに配置されているので、磁石が整列している限り、ラッチを有する部分は複数の向きで係合することができる。図1Aに示される機構のような回転アライメント機構は、コネクタボディ102、104に付加されるいくつかの例に含まれ、それらが誤った向きで係合するのを防止する。図の例では、アライメント機構は、係合面を完全な丸い形状から「D」の形状に変更する。2つのコネクタが間違った向きで係合するとき、「D」の形状の平らな部分が丸い形状に干渉する。平らな部分が互いに整列している間にだけそれらは係合することができる。アライメント機構は、任意の他の形態、形状、又は所望の手段であり得る。図1Aに示された機構のようなこれらの回転アライメント機構は、コネクタボディ102、104に付加されたいくつかの例に含まれ、それらが誤った向きで係合するのを防止する。
【0029】
一連の磁石202、204の配置は、使用される磁石のサイズ、形状及び総数の多くの組み合わせを含むことができ、用途に応じて変化させることができる。使用されるネジ又は任意の他の適切な締結具のサイズ及び総数も、要件に基づいて変化させることができる。例えば、本提示の教示による別の例のラッチングシステム100は、反対向きに配向されたわずか2つの磁石を含むことができる。ラッチングシステム100の他の例では、交互の一連の磁石は、上方及び下方を向く磁石の繰り返しパターンを有する他の形状に配置することができる。いくつかの例では、磁石は、2列に配置され、コネクタボディ102、104は、互いに対する磁石の整列を変化させることを可能にする並進動作を可能にするように成形されることができる。当業者はまた、本開示の教示に従って使用される場合、任意の反復パターン及び制限の組み合わせが適切であることを理解するであろう。
【0030】
特定の例示的な方法及び装置が本明細書に記載されているが、本特許の範囲は、それらに限定されない。それどころか、この特許は、文言通り又は均等論の下で添付の特許請求の範囲の範囲内にある製造方法、装置、及び物品のすべてをカバーしている。
【0031】
次の付記を記す。
(付記1) 第1の係合面を持つ第1のコネクタボディであって、前記第1のコネクタボディはさらに:
少なくとも1つの磁石の第1のシリーズであって、第1の方向に向けられたN極及びS極を持つ各第1の磁石が、前記第1の係合面に近接して前記第1のコネクタボディ内に配置される、少なくとも1つの磁石の第1のシリーズと;
少なくとも1つの磁石の第2のシリーズであって、前記第1の方向とは異なる第2の方向に向けられたN極及びS極を持つ各第2の磁石が、前記第1のコネクタボディ内に配置される、少なくとも1つの磁石の第2のシリーズと;
を有する、第1のコネクタボディと;
第2の係合面を持つ第2のコネクタボディであって、前記第2のコネクタボディはさらに:
少なくとも1つの磁石の第3のシリーズであって、第1の方向に向けられたN極及びS極を持つ各第3の磁石が、前記第1のシリーズの配置と相補的な方法で前記第2の係合面に近接して前記第2のコネクタボディ内に配置される、少なくとも1つの磁石の第3のシリーズと;
少なくとも1つの磁石の第4のシリーズであって、前記第1の方向とは異なる第2の方向に向けられたN極及びS極を持つ各第4の磁石が、前記第2のシリーズと相補的な方法で前記第2のコネクタボディ内に配置される、少なくとも1つの磁石の第4のシリーズと;
を有する、第2のコネクタボディと;
を有し、
第1の配置において、前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズは、第1の位置において、前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズが前記磁石の前記第3及び前記第4のシリーズに引き付けられるように、前記磁石の前記第3及び前記第4のシリーズとそれぞれ整列され;
第2の配置において、前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズは、第2の位置において、前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズが前記磁石の前記第3及び前記第4のシリーズによって反発されるように、前記磁石の前記第4及び前記第3のシリーズとそれぞれ整列され;
所定の動作経路に沿ったユーザの相互作用が、前記第1の位置から前記第2の位置に前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズの配置をシフトさせる、
転換力ラッチングシステム。
(付記2) 前記少なくとも1つの磁石の前記第1又は前記第2のシリーズの少なくとも一方は、電磁石である、
付記1に記載の転換力ラッチングシステム。
(付記3) 前記少なくとも1つの磁石の前記第1又は前記第2のシリーズの少なくとも一方は、永久磁石である、
付記1に記載の転換力ラッチングシステム。
(付記4) 前記永久磁石は、希土類磁石、アルニコ磁石、又はセラミック磁石である、
付記3に記載の転換力ラッチングシステム。
(付記5) 力作動インターフェース機構をさらに含む、
付記1に記載の転換力ラッチングシステム。
(付記6) 前記力作動インターフェース機構は、ハンドル又はタブである、
付記5に記載の転換力ラッチングシステム。
(付記7) 前記第1のコネクタボディは、前記所定の動作経路に沿って前記第1のコネクタの動作を制限する動作ガイドをさらに有する、
付記1に記載の転換力ラッチングシステム。
(付記8) 前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズは、円形に配置される、
付記1に記載の転換力ラッチングシステム。
(付記9) 係合解除が、前記第2のコネクタに対する前記第1のコネクタの回転運動によって、作動される、
付記8に記載の転換力ラッチングシステム。
(付記10) 前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズは、一列に配置される、
付記1に記載の転換力ラッチングシステム。
(付記11) 係合解除が、前記第2のコネクタに対する前記第1のコネクタの並進運動によって、作動される、
付記10に記載の転換力ラッチングシステム。
(付記12) 前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズは、交互のパターンで配置される、
付記1に記載の転換力ラッチングシステム。
(付記13) 係合解除が、前記第2のコネクタに対する前記第1のコネクタの横運動によって、作動される、
付記10に記載の転換力ラッチングシステム。
(付記14) 各前記コネクタボディに少なくとも1つの電気接点をさらに有する、
付記1に記載の転換力ラッチングシステム。
(付記15) 前記第1及び前記第2のコネクタ内に位置する電気接点の交換可能な組み合わせをさらに有する、
付記14に記載の転換力ラッチングシステム。
(付記16) 前記所定の動作経路に沿った前記第1のコネクタの相対運動中に前記電気接点の相対運動がない動作分離システムをさらに有する、
付記15に記載の転換力ラッチングシステム。
(付記17) 前記所定の案内経路に沿った動きを防止するためのロック機構をさらに有する、
付記1に記載の転換力ラッチングシステム。
(付記18) 前記磁石は、前記コネクタボディ内に形成される、
付記1に記載の転換力ラッチングシステム。
(付記19) 一側に第1の係合面を持つ第1のコネクタボディであって、前記第1の係合面は、実質的に第1の電気接点の周りに位置し;
前記第1のコネクタボディは、磁石の第1及び第2のシリーズを有し、各前記シリーズに少なくとも1つの磁石を持ち、各前記磁石はN極及びS極を持ち、前記第1及び前記第2のシリーズは、前記第1及び前記第2のシリーズの前記磁石を前記第1のコネクタボディ内に交互のパターンで円形に配置され、前記第1のシリーズの前記磁石は第1の方向に向けられ、前記第2のシリーズの前記磁石は前記第1の方向とは反対の第2の方向に向けられる、第1のコネクタボディと;
一側の第2の係合面及び動作ガイドを持つ第2のコネクタボディであって、前記第2の係合面は、実質的に第2の電気接点の周りに位置し、前記第2の係合面は、前記第1の係合面及び前記第1の電気接点に相補的であるように形成され;
前記第2のコネクタボディは、磁石の第3及び第4のシリーズを有し、各前記シリーズに少なくとも1つの磁石を持ち、各前記磁石はN極及びS極を持ち、前記第3及び前記第4のシリーズは、前記第3及び前記第4のシリーズの前記磁石を前記第2のコネクタボディ内に交互のパターンで円形に配置され、前記第3のシリーズの前記磁石は第1の方向に向けられ、前記第4のシリーズの前記磁石は前記第1の方向とは反対の第2の方向に向けられる、第2のコネクタボディと;
を有し、
第1の配置において、前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズは、第1の位置において、前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズが前記磁石の前記第3及び前記第4のシリーズに引き付けられるように、前記磁石の前記第3及び前記第4のシリーズとそれぞれ整列され;
第2の配置において、前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズは、第2の位置において、前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズが前記磁石の前記第3及び前記第4のシリーズによって反発されるように、前記磁石の前記第4及び前記第3のシリーズとそれぞれ整列され;
前記動作ガイドによって決定される所定の動作経路に沿ったユーザの相互作用が、前記第1の位置から前記第2の位置に前記磁石の前記第1及び前記第2のシリーズの配置をシフトさせる、
電気コネクタのための転換力ラッチングシステム。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】