(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133149
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】揺動選別機
(51)【国際特許分類】
B07B 1/28 20060101AFI20230914BHJP
B07B 13/11 20060101ALI20230914BHJP
B07B 4/02 20060101ALI20230914BHJP
B07B 9/00 20060101ALI20230914BHJP
B07B 1/46 20060101ALI20230914BHJP
B07B 1/55 20060101ALI20230914BHJP
B07B 1/42 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
B07B1/28 Z
B07B13/11 E
B07B4/02
B07B9/00 A
B07B1/46 Z
B07B1/55
B07B1/42 C
B07B1/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018088
(22)【出願日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】P 2022037435
(32)【優先日】2022-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】396006181
【氏名又は名称】ウエノテックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002608
【氏名又は名称】弁理士法人オーパス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上野 光陽
(72)【発明者】
【氏名】楠 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】澤井 宏和
(72)【発明者】
【氏名】水澤 貴彦
【テーマコード(参考)】
4D021
【Fターム(参考)】
4D021AA03
4D021AB01
4D021AB02
4D021BA20
4D021CA03
4D021CB16
4D021DA01
4D021DB16
4D021DB20
4D021EA10
4D021FA02
4D021GA02
4D021GA11
4D021GB01
4D021GB03
4D021HA10
4D021JA09
4D021JB03
4D021KA12
4D021KB01
4D021LA01
4D021LA15
4D021LA20
4D021NA10
(57)【要約】
【課題】篩部材と篩部材との隙間に廃棄物が進入することを抑制できる揺動選別機を提供する。
【解決手段】揺動選別機1は、複数の短冊形状の篩部材30を有している。複数の篩部材30は幅方向に並べられており、篩部材30の前端が後端30bより上方に配置されている。複数の篩部材30が前後方向および上下方向に揺動されるとともに、隣接する篩部材30同士が位相をずらして揺動される。複数の篩部材30のそれぞれが、幅方向両端に立設された、前後方向に延在する壁部35を有している。そして、壁部35の外面35aの上端に、上方に向かうにしたがって壁部35の内面35bに近づく傾斜面36が形成されている。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の短冊形状の篩部材を有する揺動選別機であって、
前記複数の篩部材が前後方向に延在しかつ幅方向に並べられており、
前記複数の篩部材の前端が後端より上方に配置され、
前記複数の篩部材が前後方向および上下方向に揺動されるとともに、隣接する篩部材同士が位相をずらして揺動され、
前記複数の篩部材のそれぞれが、幅方向両端に立設された、前後方向に延在する壁部を有し、
前記壁部の外面の上端に、上方に向かうにしたがって前記壁部の内面に近づく傾斜面が形成されていることを特徴とする揺動選別機。
【請求項2】
前記傾斜面の上下方向に対する角度が、21度以上でかつ47.5度以下である、請求項1に記載の揺動選別機。
【請求項3】
前記揺動選別機が、前記複数の篩部材の上方に配置され、下方に向けられた第1空気噴出ノズルを有し、
前記第1空気噴出ノズルが、幅方向に揺動される、請求項1に記載の揺動選別機。
【請求項4】
前記揺動選別機が、前記複数の篩部材を収容する筐体と、第2空気噴出ノズルと、を有し、
前記筐体が、前記複数の篩部材の上方に配置され、横方向に向けられた投入口を有し、
前記投入口または前記投入口の近傍に、コンベアの下流端が配置され、
前記第2空気噴出ノズルが噴出した空気が前記コンベアの下流端の下方の箇所および前記投入口を通って前記筐体の内面に当たるように、前記第2空気噴出ノズルが配置されている、請求項1に記載の揺動選別機。
【請求項5】
前記揺動選別機が、前記コンベアの下流端から落下する廃棄物を受けるように配置された傾斜板を有し、
前記傾斜板の一端が前記投入口の内側に配置されかつ他端が前記投入口の外側に配置されており、前記一端が前記他端より上方に配置され、
前記第2空気噴出ノズルが噴出した空気が前記傾斜板上を進むように、前記第2空気噴出ノズルが配置されている、請求項4に記載の揺動選別機。
【請求項6】
前記揺動選別機が、前記複数の篩部材の下方に配置され、幅方向に延在する洗浄水噴出管を有し、
前記洗浄水噴出管の外周面に、洗浄水を噴出する噴出口が設けられ、
前記洗浄水噴出管が、軸周りに回転可能である、請求項1に記載の揺動選別機。
【請求項7】
前記揺動選別機が、前記複数の篩部材を収容する筐体と、洗浄水噴出ノズルと、を有し、
前記筐体が、前記複数の篩部材の上方に配置され、上方に向けられた投入口と、前記投入口より後方に配置された上壁部と、を有し、
前記洗浄水噴出ノズルが、前記筐体内において前記複数の篩部材の上方に配置され、下方に向けられており、
前記洗浄水噴出ノズルが、前記上壁部の下方の位置と前記投入口の下方の位置との間を移動可能である、請求項1に記載の揺動選別機。
【請求項8】
前記揺動選別機が、前記複数の篩部材を揺動させる揺動機構を有し、
前記揺動機構が、複数の揺動ユニットを有し、
前記複数の揺動ユニットのそれぞれが、回転軸と、前記回転軸に固定された円形状の偏心板と、前記偏心板に回転可能に支持され、前記篩部材が固定される旋回部材と、を有し、
前記複数の揺動ユニットのそれぞれが有する回転軸が直線状に並べられ、隣接する回転軸同士が連結部材で接続されている、請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の揺動選別機。
【請求項9】
前記連結部材が、前記回転軸が内側に配置される筒形状を有し、
前記揺動機構が、前記連結部材を回転可能に支持する軸受を有している、請求項8に記載の揺動選別機。
【請求項10】
複数の短冊形状の篩部材を有する揺動選別機であって、
前記複数の篩部材が前後方向に延在しかつ幅方向に並べられており、
前記複数の篩部材の前端が後端より上方に配置され、
前記複数の篩部材が前後方向および上下方向に揺動されるとともに、隣接する篩部材同士が位相をずらして揺動され、
前記複数の篩部材のそれぞれが、前後方向に延在する2つの壁部と、前後方向に並べられた複数の背ビレ部と、を有し、
前記2つの壁部が、前記篩部材の幅方向両端に立設され、
前記壁部の外面の上端に、上方に向かうにしたがって前記壁部の内面に近づく傾斜面が形成され、
前記複数の背ビレ部が、前記2つの壁部の間に立設され、
前記複数の背ビレ部のそれぞれが、前方側に配置された傾斜部と、後方側に配置された円弧部と、を有することを特徴とする揺動選別機。
【請求項11】
前後方向に並ぶ2つの前記背ビレ部の間に平坦部が配置され、
前記平坦部の前後方向の長さが、前記背ビレ部の前後方向の長さの0.5~1倍である、請求項10に記載の揺動選別機。
【請求項12】
複数の短冊形状の篩部材を有する揺動選別機であって、
前記複数の篩部材が前後方向に延在しかつ幅方向に並べられており、
前記複数の篩部材の前端が後端より上方に配置され、
前記複数の篩部材が前後方向および上下方向に揺動されるとともに、隣接する篩部材同士が位相をずらして揺動され、
前記複数の篩部材のそれぞれが、幅方向両端に立設された、前後方向に延在する壁部を有し、
前記壁部の外面の上端に、上方に向かうにしたがって前記壁部の内面に近づく傾斜面が形成され、
前記揺動選別機が、前記複数の篩部材を揺動させる揺動機構を有し、
前記揺動機構が、複数の揺動ユニットを有し、
前記複数の揺動ユニットのそれぞれが、回転軸と、前記回転軸に固定された円形状の偏心板と、前記偏心板に回転可能に支持され、前記篩部材が固定される旋回部材と、を有し、
前記複数の揺動ユニットのそれぞれが有する回転軸が直線状に並べられ、隣接する回転軸同士が連結部材で接続され、
前記揺動ユニットが、前記偏心板と前記旋回部材との間に配置された旋回軸受と、前記偏心板に固定された円板部材と、前記旋回部材に固定された円環板部材と、をさらに有し、
前記円板部材の外周面に、第1凸部と第1凹部とが設けられ、
前記円環板部材の内周面に、第2凸部と第2凹部とが設けられ、
前記第1凸部が前記第2凹部の内側に間隔をあけて配置され、
前記第2凸部が前記第1凹部の内側に間隔をあけて配置され、
前記円板部材と前記円環板部材との間に全周にわたって隙間が形成されていることを特徴とする揺動選別機。
【請求項13】
前記揺動ユニットが、
前記偏心板に固定された円板形状もしくは円環板形状の蓋部材、または、
前記旋回部材に固定された円環板形状の蓋部材、を有し、
前記蓋部材が、前記隙間を覆うように配置されている、請求項12に記載の揺動選別機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物を選別する揺動選別機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、資源の有効活用の観点から、廃棄物をリサイクル可能な資源として再利用することが求められている。例えば、家屋などの解体現場から排出される混合廃棄物には、コンクリートや木材などが含まれている。このような混合廃棄物を選別する従来の揺動選別機の一例が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1の揺動選別機は、複数の短冊形状のスクリーンを有している。スクリーンは、篩部材であり、多数の孔が設けられている。複数のスクリーンは幅方向に並べられており、各スクリーンの前端は後端より上方に配置されている。複数のスクリーンは、前後方向および上下方向に揺動される。隣接するスクリーン同士はタイミング(位相)をずらして揺動される。これにより、複数のスクリーン上に混合廃棄物が投下されると、小さい廃棄物が複数のスクリーンの多数の孔を通過して下方に落下し、軽い廃棄物が前方に移動し、重い廃棄物が後方に移動して、混合廃棄物の選別が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した選別機では、各スクリーンに鋸歯部材が取り付けられている。鋸歯部材は、スクリーンの幅方向両端に立設されており、当該スクリーンの長手方向に延在している。隣接するスクリーンの隙間から廃棄物が落下しないようにするために、各スクリーンは幅方向に近接して配置されている。しかしながら、この隙間に廃棄物が進入してしまうことがあり、廃棄物が潰れて各スクリーンに押し付けられる。そのため、スクリーンの揺動が阻害されてしまうおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、篩部材と篩部材との隙間に廃棄物が進入することを抑制できる揺動選別機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る揺動選別機は、複数の短冊形状の篩部材を有する揺動選別機であって、前記複数の篩部材が前後方向に延在しかつ幅方向に並べられており、前記複数の篩部材の前端が後端より上方に配置され、前記複数の篩部材が前後方向および上下方向に揺動されるとともに、隣接する篩部材同士が位相をずらして揺動され、前記複数の篩部材のそれぞれが、幅方向両端に立設された、前後方向に延在する壁部を有し、前記壁部の外面の上端に、上方に向かうにしたがって前記壁部の内面に近づく傾斜面が形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、複数の篩部材のそれぞれが、幅方向両端に立設された、前後方向に延在する壁部を有する。そして、壁部の外面の上端に、上方に向かうにしたがって壁部の内面に近づく傾斜面が形成されている。このようにしたことから、傾斜面によって篩部材の幅方向の端に凹状の空間(廃棄物滞留空間)が形成され、当該空間に廃棄物が進入して隣接する篩部材の隙間に挟まりそうになったときに、傾斜面が廃棄物を受け止める。このとき、廃棄物に加わる荷重の分力のうち傾斜面の法線方向のものが小さくなるため、篩部材と廃棄物との間の摩擦力が低下して、廃棄物が隙間に進入してしまうことを抑制できる。
【0009】
本発明において、前記傾斜面の上下方向に対する角度が、21度以上でかつ47.5度以下であることが好ましい。当該角度が、38度以上でかつ47.5度以下であることがより好ましい。このようにすることで、廃棄物が隣接する篩部材の隙間に進入してしまうことをより効果的に抑制できる。
【0010】
本発明において、前記揺動選別機が、前記複数の篩部材の上方に配置され、下方に向けられた第1空気噴出ノズルを有し、前記第1空気噴出ノズルが、幅方向に揺動される、ことが好ましい。このようにすることで、複数の篩部材上の混合廃棄物の絡まりを解くことができ、混合廃棄物をより効果的に選別することができる。
【0011】
本発明において、前記揺動選別機が、前記複数の篩部材を収容する筐体と、第2空気噴出ノズルと、を有し、前記筐体が、前記複数の篩部材の上方に配置され、横方向に向けられた投入口を有し、前記投入口または前記投入口の近傍に、コンベアの下流端が配置され、前記第2空気噴出ノズルが噴出した空気が前記コンベアの下流端の下方の箇所および前記投入口を通って前記筐体の内面に当たるように、前記第2空気噴出ノズルが配置されている、ことが好ましい。このようにすることで、コンベアの下流端から落下する混合廃棄物に第2空気噴出ノズルから筐体内に向かって噴出される空気を当てることができる。そのため、第2空気噴出ノズルから噴出される空気の風量を調節することで、混合廃棄物のうちの超重量物のみを筐体の外側に落下させ、超重量物以外のものを筐体内に飛ばすことができる。これにより、混合廃棄物に重量物より重い超重量物が含まれていた場合に、超重量物が篩部材に落下することを防いで、篩部材の損傷を抑制することができる。
【0012】
本発明において、前記揺動選別機が、前記コンベアの下流端から落下する廃棄物を受けるように配置された傾斜板を有し、前記傾斜板の一端が前記投入口の内側に配置されかつ他端が前記投入口の外側に配置されており、前記一端が前記他端より上方に配置され、前記第2空気噴出ノズルが噴出した空気が前記傾斜板上を進むように、前記第2空気噴出ノズルが配置されている、ことが好ましい。このようにすることで、傾斜板に受け止められた混合廃棄物は落下方向の速度が小さくなり、傾斜板上の混合廃棄物に第2空気噴出ノズルが噴出した空気が当たることで、より効率的に混合廃棄物のうちの超重量物のみ筐体の外側に落下させ、超重量物以外のものを筐体内に飛ばすことができる。これにより、混合廃棄物に超重量物が含まれていた場合に、超重量物が篩部材に落下することを防いで、篩部材の損傷をより効果的に抑制することができる。
【0013】
本発明において、前記揺動選別機が、前記複数の篩部材の下方に配置され、幅方向に延在する洗浄水噴出管を有し、前記洗浄水噴出管の外周面に、洗浄水を噴出する噴出口が設けられ、前記洗浄水噴出管が、軸周りに回転可能である、ことが好ましい。このようにすることで、洗浄水噴出管に比較的大きな廃棄物が衝突することを防ぎつつ、複数の篩部材を効率的に洗浄することができる。
【0014】
本発明において、前記揺動選別機が、前記複数の篩部材を収容する筐体と、洗浄水噴出ノズルと、を有し、前記筐体が、前記複数の篩部材の上方に配置され、上方に向けられた投入口と、前記投入口より後方に配置された上壁部と、を有し、前記洗浄水噴出ノズルが、前記筐体内において前記複数の篩部材の上方に配置され、下方に向けられており、前記洗浄水噴出ノズルが、前記上壁部の下方の位置と前記投入口の下方の位置との間を移動可能である、ことが好ましい。このようにすることで、洗浄水噴出ノズルが上壁部の下方の位置と投入口の下方の位置との間を前後方向に移動して、複数の篩部材を効率的に洗浄することができる。また、上壁部の下方の位置に洗浄水噴出ノズルが移動することで、投入口に投入された廃棄物が洗浄水噴出ノズルに衝突することを防ぐことができる。
【0015】
本発明において、前記揺動選別機が、前記複数の篩部材を揺動させる揺動機構を有し、前記揺動機構が、複数の揺動ユニットを有し、前記複数の揺動ユニットのそれぞれが、回転軸と、前記回転軸に固定された円形状の偏心板と、前記偏心板に回転可能に支持され、前記篩部材が固定される旋回部材と、を有し、前記複数の揺動ユニットのそれぞれが有する回転軸が直線状に並べられ、隣接する回転軸同士が連結部材で接続されている、ことが好ましい。このようにすることで、揺動ユニット単位で交換することができる。そのため、揺動機構のメンテナンスによるダウンタイムを短くすることができるとともに、メンテナンス費用を低減できる。
【0016】
本発明において、前記連結部材が、前記回転軸が内側に配置される筒形状を有し、前記揺動機構が、前記連結部材を回転可能に支持する軸受を有している、ことが好ましい。例えば、揺動ユニットの回転軸が軸受に支持されている構成では、揺動ユニットを交換するときに回転軸を軸受および連結部材から取り外す必要がある。一方、連結部材が軸受に支持されている構成では、揺動ユニットの回転軸を連結部材から取り外すだけでよい。そのため、揺動ユニットをより簡単に交換することができる。
【0017】
上記目的を達成するため、本発明の他の一態様に係る揺動選別機は、複数の短冊形状の篩部材を有する揺動選別機であって、前記複数の篩部材が前後方向に延在しかつ幅方向に並べられており、前記複数の篩部材の前端が後端より上方に配置され、前記複数の篩部材が前後方向および上下方向に揺動されるとともに、隣接する篩部材同士が位相をずらして揺動され、前記複数の篩部材のそれぞれが、前後方向に延在する2つの壁部と、前後方向に並べられた複数の背ビレ部と、を有し、前記2つの壁部が、前記篩部材の幅方向両端に立設され、前記壁部の外面の上端に、上方に向かうにしたがって前記壁部の内面に近づく傾斜面が形成され、前記複数の背ビレ部が、前記2つの壁部の間に立設され、前記複数の背ビレ部のそれぞれが、前方側に配置された傾斜部と、後方側に配置された円弧部と、を有することを特徴とする。
【0018】
本発明において、前後方向に並ぶ2つの前記背ビレ部の間に平坦部が配置され、前記平坦部の前後方向の長さが、前記背ビレ部の前後方向の長さの0.5~1倍である、ことが好ましい。
【0019】
上記目的を達成するため、本発明の他の一態様に係る揺動選別機は、複数の短冊形状の篩部材を有する揺動選別機であって、前記複数の篩部材が前後方向に延在しかつ幅方向に並べられており、前記複数の篩部材の前端が後端より上方に配置され、前記複数の篩部材が前後方向および上下方向に揺動されるとともに、隣接する篩部材同士が位相をずらして揺動され、前記複数の篩部材のそれぞれが、幅方向両端に立設された、前後方向に延在する壁部を有し、前記壁部の外面の上端に、上方に向かうにしたがって前記壁部の内面に近づく傾斜面が形成され、前記揺動選別機が、前記複数の篩部材を揺動させる揺動機構を有し、前記揺動機構が、複数の揺動ユニットを有し、前記複数の揺動ユニットのそれぞれが、回転軸と、前記回転軸に固定された円形状の偏心板と、前記偏心板に回転可能に支持され、前記篩部材が固定される旋回部材と、を有し、前記複数の揺動ユニットのそれぞれが有する回転軸が直線状に並べられ、隣接する回転軸同士が連結部材で接続され、前記揺動ユニットが、前記偏心板と前記旋回部材との間に配置された旋回軸受と、前記偏心板に固定された円板部材と、前記旋回部材に固定された円環板部材と、をさらに有し、前記円板部材の外周面に、第1凸部と第1凹部とが設けられ、前記円環板部材の内周面に、第2凸部と第2凹部とが設けられ、前記第1凸部が前記第2凹部の内側に間隔をあけて配置され、前記第2凸部が前記第1凹部の内側に間隔をあけて配置され、前記円板部材と前記円環板部材との間に全周にわたって隙間が形成されていることを特徴とする。
【0020】
本発明において、前記揺動ユニットが、前記偏心板に固定された円板形状もしくは円環板形状の蓋部材、または、前記旋回部材に固定された円環板形状の蓋部材、を有し、前記蓋部材が、前記隙間を覆うように配置されている、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、篩部材と篩部材との隙間に廃棄物が進入することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施例に係る揺動選別機の構成を示す図である。
【
図4】揺動選別機の筐体の投入口およびその近傍を拡大した図である。
【
図6】篩部材および揺動ユニットの一部分の側面図である。
【
図8】篩部材および揺動ユニットの他の断面図である。
【
図11】篩部材が有する壁部の傾斜面の角度とその評価結果を示す図である。
【
図12】篩部材および揺動ユニットの背面図である。
【
図13】第1空気噴出部の構成を説明する図である。
【
図14】混合廃棄物に含まれる重量物および軽量物の割合と、第1空気噴出ノズルの揺動速度および風量と、の関係の一例を示す図である。
【
図15】混合廃棄物に含まれる重量物および軽量物の割合と、篩部材の角度および第1空気噴出ノズルの揺動角度と、の関係の一例を示す図である。
【
図16】ベルトコンベアの幅と第2空気噴出ノズルの風量と、の関係の一例を示す図である。
【
図17】
図1の揺動選別機の変形例の構成を示す図である。
【
図19】
図17の揺動選別機の洗浄水噴出部の構成を説明する図である。
【
図20】篩部材が有する引掛部を説明する図である。
【
図21】篩部材の一部分を拡大した他の断面図である。
【
図22】揺動ユニットの変形例を示す断面図である。
【
図23】
図22の揺動ユニットの一部分を拡大した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施例に係る揺動選別機について、
図1~
図16を参照して説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施例に係る揺動選別機の構成を示す図である。
図2は、揺動選別機の平面図である。
図3は、揺動選別機の背面図である。
図4は、揺動選別機の筐体の投入口およびその近傍を拡大した図である。
図1、
図4は、揺動選別機の筐体を透過して側方から見た状態を示している。
図5は、揺動選別機が有する複数の篩部材を示す平面図である。
図6は、篩部材および揺動ユニットの一部分の側面図である。
図7、
図8は、篩部材および揺動ユニットの断面図である。
図7は、
図6のVII-VII線に沿う断面図である。
図8は、
図7に示す状態から揺動ユニットの回転軸が180度回転した状態を示している。
図9は、篩部材の一部分の斜視図である。
図10は、隣接する篩部材の一部分を拡大した断面図である。
図11は、篩部材が有する壁部の傾斜面の角度と判定結果を示す図である。
図12は、篩部材および揺動ユニットの背面図である。
図13は、第1空気噴出部の構成を説明する図である。
図13は、揺動選別機の筐体を透過して背面方向から見た状態を示している。
図3、
図13において、篩部材については背面側を向く部分のみ示している。
図14は、混合廃棄物に含まれる重量物および軽量物の割合と、第1空気噴出ノズルの揺動速度および風量と、の関係の一例を示す図である。
図15は、混合廃棄物に含まれる重量物および軽量物の割合と、篩部材の角度および第1空気噴出ノズルの揺動角度と、の関係の一例を示す図である。
図16は、ベルトコンベアの幅と第2空気噴出ノズルの風量と、の関係の一例を示す図である。各図において、矢印Xで示すX方向が左右方向(幅方向)であり、矢印Yで示すY方向が前後方向であり、矢印Zで示すZ方向が上下方向である。矢印Xにおいて「X」の文字がある方が右方であり、矢印Yにおいて「Y」の文字がある方が後方であり、矢印Zにおいて「Z」の文字がある方が上方である。左右方向および前後方向を横方向ともいう。
【0025】
本実施例に係る揺動選別機は、混合廃棄物を、小さい廃棄物(小径物)と、軽い廃棄物(軽量物)と、重い廃棄物(重量物)と、非常に重い廃棄物(超重量物)と、に選別する。
【0026】
図1に示すように、揺動選別機1は、筐体10と、傾斜板20と、複数の篩部材30と、揺動機構50と、第1空気噴出部60と、第2空気噴出部70と、第3空気噴出部80と、複数の洗浄水噴出管90と、を有している。
【0027】
筐体10は、全体的に箱形状を有している。
図1~
図4に示すように、筐体10には、投入口11と、テラス部12と、が設けられている。投入口11は、後方に向けて開口している。投入口11または投入口11の近傍には、混合廃棄物を搬送するベルトコンベア5の下流端5aが配置されている。なお、ベルトコンベア5以外の他の種類の搬送装置によって混合廃棄物が搬送されてもよい。テラス部12は、投入口11の後方側に配置されている。テラス部12の上面12aの前端は後端より上方に配置されており、上面12aは前方から後方に向かって下るように傾斜している。筐体10の内側には、混合廃棄物を選別するための選別空間13が形成されている。筐体10は、前方に向けられた排気口14が設けられている。
【0028】
傾斜板20は、投入口11に配置されている。
図4に示すように、傾斜板20は、固定部21と、可動部22と、アクチュエータ25と、を有している。固定部21は、平板形状を有しており、筐体10に固定されている。固定部21の前端は後端より上方に配置されており、固定部21は前方から後方に向かって下るように傾斜している。可動部22は、基部23と、受け部24と、を有している。基部23は、平板形状を有し、固定部21の上面にスライド可能に重ねて配置されている。本実施例において、基部23のスライド可能距離Hは180mmである。受け部24は、平板形状を有し、基部23の前端に連設されている。受け部24の前端は後端より上方に配置されており、受け部24は前方から後方に向かって下るように傾斜している。基部23の傾斜角度(基部23の前後方向に対する角度)は、固定部21の傾斜角度と同じである。受け部24の傾斜角度は、基部23の傾斜角度より小さい。アクチュエータ25は、可動部22を固定部21に対してスライドさせる。
【0029】
傾斜板20は、ベルトコンベア5の下流端5aの下方に配置されている。傾斜板20の前端(可動部22の受け部24の前端)は、投入口11の内側に配置されている。傾斜板20の後端(固定部21の後端)は、投入口11の外側に配置されており、テラス部12の上面12aに連なっている。傾斜板20は、ベルトコンベア5の下流端5aから落下する混合廃棄物を受けるように配置されている。本実施例において、混合廃棄物がベルトコンベア5の下流端5aから可動部22の受け部24(または基部23における受け部24近傍の箇所)に落下するように、傾斜板20の可動部22の位置が調整されている。
【0030】
図5に示すように、複数の篩部材30は、短冊形状を有している。複数の篩部材30は、選別空間13において、投入口11の下方で前後方向(概ね前後方向を含む、以下篩部材30およびその構成部材について同じ)に延在しかつ互いに平行に幅方向に並べられている。篩部材30の前端30aは後端30bより上方に配置されており、篩部材30は前端30aから後端30bに向かって下るように傾斜している。篩部材30の前後方向に対する傾斜の角度θは、例えば、5~30度の範囲で調整可能である。
図6~
図9に示すように、篩部材30は、2つのフレーム31と、本体32と、スクリーン37と、複数の滑り防止部材40と、を有している。2つのフレーム31と、本体32と、スクリーン37とは、前後方向に延在している。篩部材30は、揺動機構50の旋回部材54に固定されている。
【0031】
2つのフレーム31は、四角柱形状を有しており、幅方向に間隔をあけて平行に並べて配置されている。
【0032】
本体32は、中央部33と、2つのフランジ部34と、2つの壁部35と、を有している。中央部33は、角樋形状を有している。中央部33は、2つのフレーム31の間に配置されている。2つのフランジ部34は、中央部33の2つの上端に連設されている。フランジ部34は、フレーム31の上面に配置されている。2つの壁部35は、2つのフランジ部34の幅方向外側の端に連設されている。2つの壁部35は、前後方向に延在している。2つの壁部35は、篩部材30の幅方向両端において直立している。壁部35の外面35aは、フレーム31の外側面31aと面一である。すなわち、壁部35の外面35aとフレーム31の外側面31aとが、同一の平面上に配置されている。本体32は、短冊形状の金属板をプレス加工することにより形成されている。2つの壁部35の外面35aは幅方向外側を向いており、2つの壁部35の内面35bは幅方向に向かい合う。
【0033】
壁部35の外面35aの上端には、傾斜面36が形成されている。傾斜面36は、上方に向かうにしたがって壁部35の内面35bに近づくように傾斜している。なお、壁部35において、傾斜面36を省略してもよい。
【0034】
スクリーン37は、スクリーン本体38と、2つの櫛歯部39と、を有している。スクリーン本体38は、板形状を有している。スクリーン本体38は、多数の孔38aを有している。多数の孔38aは、小径物として選別すべき廃棄物が通過可能でかつ軽量物および重量物として選別すべき廃棄物が通過不可となる大きさに形成されている。スクリーン本体38は、メッシュ形状を有していてもよい。スクリーン本体38は、本体32の2つのフランジ部34の間に架け渡されている。なお、本体32の中央部33には、多数の孔38aを通過した小径物が下方に落下するように、図示しない開口が形成されている。2つの櫛歯部39は、板形状を有しており、スクリーン本体38の幅方向両端に連設されている。2つの櫛歯部39は、前後方向に延在している。2つの櫛歯部39は、矩形状の凸部39aと矩形状の凹部39bとが交互に配置されている。2つの櫛歯部39は、本体32の2つの壁部35の幅方向内側に配置されている。なお、スクリーン37は、櫛歯部39に代えて、三角形状の鋸歯を有する鋸歯部を有していてもよい。また、壁部35を省略してもよく、この場合、櫛歯部39が、篩部材30の幅方向両端において直立していてもよい。スクリーン37は、短冊形状の金属板をプレス加工することにより形成されている。
【0035】
スクリーン37は、2つの櫛歯部39に代えて、例えば、
図20A、
図20Bに示す引掛部139を2つ有していてもよい。
図20Aは、引掛部139を幅方向から見た図である。
図20Bは、引掛部139の1つの背ビレ部139aを拡大した図である。
図20A、
図20Bの左方が前方であり、右方が後方である。2つの引掛部139は、板形状を有しており、スクリーン本体38の幅方向両端に連設されている。2つの引掛部139は、前後方向に延在している。2つの引掛部139は、背ビレ部139aと、平坦部139bと、が交互に配置されている。2つの引掛部139は、本体32の2つの壁部35の幅方向内側に配置されている。背ビレ部139aは、前方側に配置された傾斜部139a1と、後方側に配置された円弧部139a2と、傾斜部139a1と円弧部139a2とを接続する直線状の接続部139a3と、を有している。背ビレ部139aは、接続部139a3を省略して、傾斜部139a1と円弧部139a2とが直接接続されていてもよい。前後方向に並ぶ背ビレ部139aの間に平坦部139bが配置されている。平坦部139bは、その前方側の背ビレ部139aの円弧部139a2と、その後方側の背ビレ部139aの傾斜部139a1と、を接続する。平坦部139bの前後方向の長さは、背ビレ部139aの前後方向の長さの0.5~1倍であることが好ましい。このようにすることで、背ビレ部139aに小さな軽量物が引っ掛かりやすくなる。平坦部139bの前後方向の長さは、背ビレ部139aの前後方向の長さの0.5より小さくてもよく、平坦部139bを省略してもよい。
【0036】
複数の背ビレ部139aは、スクリーン本体38の幅方向両端において上方に突出しており、前後方向に2列に並べられる。複数の背ビレ部139aは、2つの壁部35の間に立設される。複数の背ビレ部139aのそれぞれが、前方側に配置された傾斜部139a1と、後方側に配置された円弧部139a2と、を有する。
【0037】
図20A、
図20Bに示す引掛部139において、平坦部139bと背ビレ部139aの傾斜部139a1とがなす角度は110度である。
【0038】
複数の背ビレ部139aにおいて、軽量物は背ビレ部139aの前方の傾斜部139a1に引っ掛かりやすく、後方の円弧部139a2には引っ掛かりにくい。また、円弧部139a2で廃棄物が跳ね上げられ、小径物がスクリーン37の多数の孔38aから効率よく下方に落下する。そのため、混合廃棄物をより効果的に選別することができる。
【0039】
複数の滑り防止部材40は、スクリーン本体38の上面に前後方向に間隔をあけて配置されている。各滑り防止部材40は、断面L字状に形成されている。各滑り防止部材40は、2つの櫛歯部39の間で幅方向に延在している。
【0040】
図10に示すように、本実施例において、隣接する篩部材30のそれぞれの壁部35の外面35aの間隔の大きさAは4mmである。傾斜面36の高さBは5mmである。隣接する篩部材30のそれぞれの壁部35の内面35bの間隔の大きさCは最大15mmである。傾斜面36の上下方向に対する角度αは45度である。
【0041】
なお、
図21に示すように、フレーム31からの高さが、櫛歯部39よりも壁部35の方が低くてもよい。隣接する篩部材30のそれぞれの櫛歯部39の外面の間隔の大きさEは15mm以上であることが好ましい。また、櫛歯部39の外面は、壁部35の内面35bと間隔をあけていてもよく、壁部35の内面35bと接していてもよい。櫛歯部39に代えて、引掛部139を採用した構成においても同様である。
【0042】
隣接する篩部材30のそれぞれの傾斜面36は廃棄物が進入する空間(廃棄物滞留空間S1)を形成する。廃棄物滞留空間S1は、上方から下方に向かうにしたがって幅が狭くなる空間である。廃棄物滞留空間S1には隣接する篩部材30の隙間S2が連なっている。隣接する篩部材30のそれぞれの傾斜面36の上端の間隔の大きさ(廃棄物滞留空間S1の開口の大きさD)は、傾斜面36の角度αに応じた値となる。
【0043】
廃棄物には自重に応じた荷重P0が加わる。角度α=0の場合、壁部35の外面35aと壁部35の上端面とが直角をなしており、上端面にある廃棄物には、当該廃棄物の質量に重力加速度を乗じた値の下向きの荷重P0が加わる。すなわち、廃棄物が壁部35の上端面に荷重P0で押し付けられる。そして、角度α≠0の場合、角度αに応じて廃棄物を傾斜面36に押し付ける力P(荷重P0の分力のうち傾斜面36の法線方向のもの)が変化する。押し付ける力Pは、廃棄物と当該廃棄物が接する面との摩擦力と関係する。当該摩擦力が小さいと、廃棄物が廃棄物滞留空間S1から脱出しやすくなる。そのため、押し付ける力Pおよび隙間S2への廃棄物の進入のしにくさFは、簡易的に、角度αに応じた値である開口の大きさDに比例するものとする。
図11に、角度α、廃棄物滞留空間S1の開口の大きさD、押し付ける力P、隙間S2への廃棄物の進入のしにくさF、および、判定結果を示す。
【0044】
角度α(α≠0)のときの廃棄物を押し付ける力Pおよび進入のしにくさFは、次の式(1)、式(2)を用いて算出した。
(1) P=P0×(D/D0)
(2) F=P/P0
ただし、D0は角度α=0のときの開口の大きさであり、P0は角度α=0のとき押し付ける力(廃棄物に加わる荷重)である。Dは角度α≠0のときの開口の大きさである。
【0045】
判定結果は、次の判定基準に基づく。
◎…開口の大きさDが15mm以下でかつ進入のしにくさFが3以上である。
○…開口の大きさDが15mm以下でかつ進入のしにくさFが2以上である。
△…開口の大きさDが15mm以下でかつ進入のしにくさFが1.5以上である。
×…開口の大きさDが15mm超または進入のしにくさFが1.5未満である。
【0046】
図11に示すように、角度αが、21度~47.5度の範囲では、開口の大きさDが15mm以下でかつ進入のしにくさが2以上であり、隣接する篩部材30の隙間の奥への廃棄物の進入を効果的に抑制することができる。また、角度αが、38度~47.5度の範囲では、開口の大きさDが15mm以下でかつ進入のしにくさが3以上であり、隣接する篩部材30の隙間の奥への廃棄物の進入をより効果的に抑制することができる。
【0047】
揺動機構50は、複数の篩部材30を前後方向および上下方向に揺動させる。揺動機構50は、駆動部50Aと、従動部50Bと、を有している。駆動部50Aは、複数の篩部材30の後端30b寄りの箇所に配置されている。従動部50Bは、複数の篩部材30の前端30a寄りの箇所に配置されている。
【0048】
駆動部50Aは、複数の揺動ユニット51と、複数の軸受58と、モーター59と、を有している。従動部50Bは、複数の揺動ユニット51と、複数の軸受58と、を有している。
【0049】
図12に示すように、揺動ユニット51は、回転軸52と、2つの偏心板53と、2つの旋回部材54と、を有している。回転軸52には、2つの偏心板53が固定されている。偏心板53は、円板形状を有している。回転軸52は、2つの偏心板53における中心からずれた位置を貫通している。回転軸52を軸周りに回転させたときに一方の偏心板53に対して他方の偏心板53が位相をずらして回転するように、各偏心板53が配置されている。本実施例において、一方の偏心板53と他方の偏心板53との位相差は60度または90度である。旋回部材54は、偏心板53に回転可能に支持されている。具体的には、旋回部材54は、2つの旋回軸受55を有しており、2つの旋回軸受55の内側に偏心板53が嵌め込まれている。旋回部材54には、篩部材30の2つのフレーム31が固定されている。旋回軸受55は、例えば、ラジアル玉軸受である。
【0050】
複数の揺動ユニット51は、それぞれの回転軸52が直線状に並べられ、隣接する回転軸52同士が連結部材56で接続されている。本実施例では、連結部材56が円筒形状を有しており、回転軸52が連結部材56の内側に配置されている。回転軸52および連結部材56の一方に軸方向に延在するキー溝(図示なし)が形成され、他方にキー溝に嵌まるキー突起(図示なし)が形成されている。連結部材56は、隣接する2つの回転軸52間で回転を伝達する。連結部材56の内側において、2つの回転軸52は接していてもよく、離れていてもよい。
【0051】
複数の軸受58は、筐体10に設けられた梁15に固定されている。梁15は幅方向に延在しており、複数の軸受58が梁15上に幅方向に間隔をあけて配置されている。複数の軸受58のうちの両端に配置された2つの軸受58は、回転軸52を回転可能に支持しており、残りの軸受58は、連結部材56を回転可能に支持している。
【0052】
駆動部50Aの複数の揺動ユニット51において、モーター59によって回転軸52が回転されると、偏心板53が偏心回転され、偏心板53に回転可能に支持された旋回部材54が前後方向および上下方向に揺動される。旋回部材54の揺動が篩部材30を介して、従動部50Bの複数の揺動ユニット51に伝達される。駆動部50Aおよび従動部50Bにおける前後方向に対応する偏心板53(すなわち、1つの篩部材30の前部および後部に固定された2つの旋回部材54を支持する2つの偏心板53)は、互いに回転の位相が合わせられている。そのため複数の篩部材30が互いに平行な状態を維持したまま前後方向および上下方向に揺動される。
【0053】
図22は、揺動ユニットの変形例を示す断面図である。
図23は、
図22の揺動ユニットの一部分(一点鎖線の部分)を拡大した断面図である。揺動ユニット51は、
図22、
図23に示すように、異物抑制機構150を有していてもよい。異物抑制機構150は、旋回軸受55への異物の進入を抑制する。異物抑制機構150は、円板部材151と、円環板部材152と、蓋部材153と、を有している。
【0054】
円板部材151は、偏心板53に図示しないボルトによって固定されている。円板部材151と偏心板53とは、同軸に配置されている。回転軸52が、円板部材151を貫通している。円環板部材152は、旋回部材54に図示しないボルトによって固定されている。円環板部材152の内側に、円板部材151が同軸に配置される。旋回部材54が偏心板53に対して回転すると、円環板部材152が円板部材151に対して回転する。
【0055】
円板部材151の外周面には、第1凸部151aと第1凹部151bとが設けられている。円環板部材152の内周面には、第2凸部152aと第2凹部152bとが設けられている。円板部材151の第1凸部151aは、円環板部材152の第2凹部152bの内側に配置されている。円環板部材152の第2凸部152aは、円板部材151の第1凹部151bの内側に配置されている。円板部材151の外周面と円環板部材152の内周面との間(凸部と凹部の間)には全周にわたって隙間155が設けられており、円板部材151と円環板部材152とは接していない。
【0056】
円板部材151の外径および円環板部材152の内径は、旋回軸受55の外径より小さくかつ内径より大きい。そのため、円板部材151と円環板部材152との隙間155は、旋回軸受55と軸方向(X方向)に並ぶ。
【0057】
蓋部材153は、円環板形状を有している。蓋部材153は、円環板部材152に同軸に固定されている。蓋部材153の内径は、円板部材151の外径より小さい。蓋部材153は、円板部材151と円環板部材152との隙間155を覆うように配置される。蓋部材153と円板部材151との間にはわずかな隙間があり、蓋部材153と円板部材151とは接していない。なお、蓋部材153は、円板形状または円環板形状を有し、偏心板53に固定されていてもよい。
【0058】
円板部材151と円環板部材152との隙間155は、凸部と凹部とが隙間をあけてかみ合う複雑な形状(ラビリンス形状)を有している。また、蓋部材153によって、隙間155が覆われている。そのため、異物抑制機構150は、旋回軸受55に異物が進入することを抑制できる。
【0059】
図13に示すように、第1空気噴出部60は、複数の第1空気噴出ノズル61と、リンク62と、アクチュエータ63と、を有している。複数の第1空気噴出ノズル61は、筐体10の内側に配置されている。複数の第1空気噴出ノズル61は、篩部材30の上方において幅方向に間隔をあけて配置されており、それぞれの先端が下方に向けられている。本実施例において、第1空気噴出ノズル61の先端は、篩部材30の上面における前後方向中央よりやや後方寄りの箇所に向けられている。第1空気噴出ノズル61は、先端が幅方向に揺動可能に筐体10に支持されている。各第1空気噴出ノズル61は、リンク62を介してアクチュエータ63に接続されており、互いに同期して幅方向に揺動される。第1空気噴出部60は、複数の第1空気噴出ノズル61が噴出する空気によって、複数の篩部材30上にある混合廃棄物の絡みつきを解いて、混合廃棄物の選別を促進する。
【0060】
本実施例において、第1空気噴出ノズル61の揺動速度は10~60回/分であり、揺動角度βは、20~65度であり、風量は最大1.2m
3/分であり、噴射圧力は0.3~0.9MPaである。例えば、
図14、
図15に示すように、混合廃棄物に含まれる重量物および軽量物の割合に応じて、第1空気噴出ノズル61の揺動速度および風量を変更したり、篩部材30の角度θおよび第1空気噴出ノズル61の揺動角度βを変更したりする。第1空気噴出ノズル61からの空気の噴出時間を変更したりしてもよい。このようにすることで、混合廃棄物の選別をより効果的にかつより少ないエネルギーで促進できる。
図14において、揺動角度βは65度固定である。
図15において、揺動速度は60回/分固定である。
【0061】
第2空気噴出部70は、第2空気噴出ノズル71を有している。第2空気噴出ノズル71は、筐体10のテラス部12の上方に配置されている。
図4に示すように、第2空気噴出ノズル71の先端は、投入口11または投入口11の近傍に配置されており、前方斜め上方に向けられている。第2空気噴出ノズル71は、開口71aが向く方向(噴出方向)に移動可能である。本実施例において、第2空気噴出ノズル71の移動可能距離Lは140mmである。第2空気噴出ノズル71が噴出した空気がベルトコンベア5の下流端5aの下方の箇所および投入口11を通って筐体10の内面に当たるように、第2空気噴出ノズル71が配置されている。
【0062】
また、第2空気噴出ノズル71が噴出した空気が傾斜板20上を進むように、第2空気噴出ノズル71が配置されている。本実施例では、傾斜板20の可動部22の受け部24が第2空気噴出ノズル71の開口71aを噴出方向に筐体10の内面まで延長した領域Kに近接するように(または、領域K内に配置されるように)、アクチュエータ25によって受け部24の位置を調整する。受け部24は、噴出方向と平行であることが好ましい。なお、第2空気噴出ノズル71が噴出した空気が傾斜板20の可動部22の基部23に当たって当該傾斜板20上を進み、筐体10の内面に当たるように、第2空気噴出ノズル71が配置されていてもよい。
【0063】
第2空気噴出部70は、第2空気噴出ノズル71が噴出する空気によって、傾斜板20に落下した混合廃棄物に含まれる超重量物以外のもの(小径物、軽量物および重量物)を筐体10の内側に吹き飛ばし、混合廃棄物に含まれる超重量物が傾斜板20およびテラス部12の上面12aを転がり落ちるようにする。
【0064】
本実施例において、第2空気噴出ノズル71の風量は最大140m
3/分である。例えば、
図16に示すように、ベルトコンベア5の幅に応じて、第2空気噴出ノズル71の風量を変更することで、混合廃棄物の選別をより効果的に促進できる。
【0065】
第3空気噴出部80は、第3空気噴出ノズル81を有している。第3空気噴出ノズル81の大部分が筐体10の外側に配置されており、第3空気噴出ノズル81の先端が筐体10の内側に配置されて前方に向けられている。第3空気噴出ノズル81が噴出した空気が複数の篩部材30の上方を通って筐体10の内面に当たるように、第3空気噴出ノズル81が配置されている。第3空気噴出部80は、第3空気噴出ノズル81が噴出する空気によって、複数の篩部材30の上面にある混合廃棄物の絡みつきを解いて、混合廃棄物の選別を促進する。本実施例において、第3空気噴出ノズル81の風量は最大200m3/分である。第3空気噴出ノズル81と第1空気噴出ノズル61とは、同時に空気を噴出してもよく、一方が空気を噴出しているときに他方の空気の噴出を停止してもよい。
【0066】
第1空気噴出ノズル61には、空気を供給する図示しないエアコンプレッサーが接続されている。第2空気噴出ノズル71および第3空気噴出ノズル81には、空気を供給する図示しない送風機が接続されている。
【0067】
複数の洗浄水噴出管90は、複数の篩部材30の下方において前後方向に間隔をあけて配置されており、幅方向に延在している。洗浄水噴出管90は、円形管である。複数の洗浄水噴出管90は、筐体10に軸周りに回転可能に支持されている。複数の洗浄水噴出管90は、図示しない回転機構によって軸周りに回転される。洗浄水噴出管90は、外周面に図示しない複数の噴出口を有している。複数の噴出口は、幅方向に間隔をあけて1列または複数列に並べて配置されている。洗浄水噴出管90は、複数の噴出口から洗浄水を噴出しつつ軸周りに回転されることで、複数の篩部材30、駆動部50Aおよび従動部50Bに付着した廃棄物を洗い流す。
【0068】
本実施例において、洗浄水噴出管90は、圧力が3MPa以上の洗浄水を複数の噴出口から噴出する。洗浄水は、圧力が3MPa未満で水温が40度以上の温水や微小気泡(直径1~100μmのマイクロバブルや直径数十~数百nmのマイクロナノバブル)を含む気液二相流であってもよい。
【0069】
また、洗浄水噴出管90は、複数の噴出口が篩部材30の前後方向中央(特に混合廃棄物が落下してくる部分)に向いているときに回転速度を低くし、それ以外のときに回転速度を高くしてもよい。または、洗浄水噴出管90は、幅方向中央およびその近傍に配置されている噴出口における洗浄水の噴出量を、幅方向両端に配置された噴出口における洗浄水の噴出量より多くしてもよい。このようにすることで、篩部材30の汚れが付着しやすい部分(混合廃棄物が落下してくる部分および幅方向の中央およびその近傍の部分)を効率的に洗浄することができ、洗浄水を節約することができる。
【0070】
次に、揺動選別機1における選別動作の一例を説明する。
【0071】
ベルトコンベア5によって投入口11に搬送された混合廃棄物は、ベルトコンベア5の下流端5aから傾斜板20に落下する。傾斜板20に落下した混合廃棄物に含まれる超重量物は、傾斜板20およびテラス部12を転がり落ちて、揺動選別機1の後方に集積される。傾斜板20に落下した混合廃棄物に含まれる超重量物以外のもの(小径物、軽量物および重量物)は、第2空気噴出ノズル71から噴出された空気によって吹き飛ばされ、投入口11を通り、複数の篩部材30に落下する。
【0072】
複数の篩部材30上の混合廃棄物は、第1空気噴出ノズル61および第3空気噴出ノズル81から噴出された空気によって混合廃棄物の絡みつきが解かれ、各篩部材30が前後方向および上下方向に揺動されることによって小径物、軽量物および重量物に選別される。小径物は、篩部材30のスクリーン37の多数の孔38aを通過し、篩部材30の下方に集積される。軽量物は、前方に移動し、篩部材30の前端30aから落下して集積される。重量物は、後方に移動し、篩部材30の後端30bから落下して集積される。
【0073】
また、選別動作の合間、または、選別動作の終了後に、洗浄水噴出管90を軸周りに回転させつつ複数の噴出口から洗浄水を噴出して、複数の篩部材30、駆動部50Aおよび従動部50Bを洗浄する。
【0074】
以上説明したように、揺動選別機1は、複数の短冊形状の篩部材30を有している。複数の篩部材30が前後方向に延在しかつ幅方向に並べられている。複数の篩部材30の前端30aが後端30bより上方に配置されている。複数の篩部材30が前後方向および上下方向に揺動されるとともに、隣接する篩部材30同士が位相をずらして揺動される。複数の篩部材30のそれぞれが、幅方向両端に立設された、前後方向に延在する壁部35を有している。そして、壁部35の外面35aの上端に、上方に向かうにしたがって壁部35の内面35bに近づく傾斜面36が形成されている。このようにしたことから、傾斜面36によって篩部材30の幅方向の端に凹状の廃棄物滞留空間S1が形成され、廃棄物滞留空間S1に廃棄物が進入して隣接する篩部材30の隙間に挟まりそうになったときに、傾斜面36が廃棄物を受け止める。このとき、廃棄物に加わる荷重P0の分力のうち傾斜面36の法線方向のものが小さくなるため、篩部材30と廃棄物との間の摩擦力が低下して、廃棄物が隙間に進入してしまうことを抑制できる。
【0075】
また、傾斜面36の上下方向に対する角度αが、21度以上でかつ47.5度以下であることが好ましい。角度αが、38度以上でかつ47.5度以下であることがより好ましい。このようにすることで、廃棄物が隣接する篩部材30の隙間に進入してしまうことをより効果的に抑制できる。
【0076】
また、揺動選別機1が、複数の篩部材30の上方に配置され、下方に向けられた第1空気噴出ノズル61を有している。そして、第1空気噴出ノズル61が、幅方向に揺動される。このようにすることで、複数の篩部材30上の混合廃棄物の絡まりを解くことができ、混合廃棄物をより効果的に選別することができる。
【0077】
また、揺動選別機1が、複数の篩部材30を収容する筐体10と、第2空気噴出ノズル71と、を有している。筐体10が、複数の篩部材30の上方に配置され、後方に向けられた投入口11を有している。投入口11に、ベルトコンベア5の下流端5aが配置されている。第2空気噴出ノズル71が噴出した空気がベルトコンベア5の下流端5aの下方の箇所および投入口11を通って筐体10の内面に当たるように、第2空気噴出ノズル71が配置されている。このようにすることで、ベルトコンベア5の下流端5aから落下する混合廃棄物に第2空気噴出ノズル71から筐体10内に向かって噴出される空気を当てることができる。そのため、第2空気噴出ノズル71から噴出される空気の風量を調節することで、混合廃棄物のうちの超重量物のみを筐体10の外側に落下させ、超重量物以外のものを筐体10内に飛ばすことができる。これにより、混合廃棄物に超重量物が含まれていた場合に、超重量物が篩部材30に落下することを防いで、篩部材30の損傷を抑制することができる。
【0078】
また、揺動選別機1が、ベルトコンベア5の下流端5aから落下する廃棄物を受けるように配置された傾斜板20を有している。傾斜板20の前端(一端)が投入口11の内側に配置されかつ後端(他端)が投入口11の外側に配置されている。傾斜板20の前端が後端より上方に配置されている。第2空気噴出ノズル71が噴出した空気が傾斜板20上を進むように、第2空気噴出ノズル71が配置されている。このようにすることで、傾斜板20に受け止められた混合廃棄物は落下方向の速度が小さくなり、傾斜板20上の混合廃棄物に第2空気噴出ノズル71が噴出した空気が当たることで、より効率的に混合廃棄物のうちの超重量物のみ筐体の外側に落下させ、超重量物以外のものを筐体10内に飛ばすことができる。これにより、混合廃棄物に超重量物が含まれていた場合に、超重量物が篩部材30に落下することを防いで、篩部材30の損傷をより効果的に抑制することができる。
【0079】
また、揺動選別機1が、複数の篩部材30の下方に配置され、幅方向に延在する洗浄水噴出管90を有している。洗浄水噴出管90の外周面に、洗浄水を噴出する複数の噴出口が設けられており、洗浄水噴出管90が、軸周りに回転可能である。このようにすることで、洗浄水噴出管90に比較的大きな廃棄物が衝突することを防ぎつつ、複数の篩部材30を効率的に洗浄することができる。
【0080】
また、揺動選別機1が、複数の篩部材30を揺動させる揺動機構50を有している。揺動機構50が、複数の揺動ユニット51を有している。複数の揺動ユニット51のそれぞれが、回転軸52と、回転軸52に固定された円形状の偏心板53と、偏心板53に回転可能に支持され、篩部材30が固定される旋回部材54と、を有している。複数の揺動ユニット51のそれぞれが有する回転軸52が直線状に並べられ、隣接する回転軸52同士が連結部材56で接続されている。このようにすることで、揺動ユニット51単位で交換することができる。そのため、揺動機構50のメンテナンスによるダウンタイムを短くすることができるとともに、メンテナンス費用を低減できる。
【0081】
また、連結部材56が、回転軸52が内側に配置される筒形状を有している。そして、揺動機構50が、連結部材56を回転可能に支持する軸受58を有している。例えば、揺動ユニット51の回転軸52が軸受58に支持されている構成では、揺動ユニット51を交換するときに回転軸52を軸受58および連結部材56から取り外す必要がある。一方、連結部材56が軸受58に支持されている構成では、揺動ユニット51の回転軸52を連結部材56から取り外すだけでよい。そのため、揺動ユニット51をより簡単に交換することができる。
【0082】
上述した揺動選別機1の変形例に係る揺動選別機1Aについて、
図17~
図19を参照して説明する。揺動選別機1Aの説明において、揺動選別機1の構成要素と同一(実質的に同一を含む)の構成要素については、揺動選別機1の構成要素と同一の符号を付して詳細説明を省略する。
【0083】
図17は、
図1の揺動選別機の変形例の構成を示す図である。
図17は、揺動選別機の筐体を透過して側方から見た状態を示している。
図18は、
図17の揺動選別機の平面図である。
図19は、洗浄水噴出部の構成を説明する図である。
図19は、
図17の揺動選別機の筐体を透過して背面方向から見た状態を示している。
図19において、篩部材については背面側を向く部分のみ示している。
【0084】
図17~
図19に示すように、揺動選別機1Aは、筐体10Aと、傾斜板20Aと、複数の篩部材30と、揺動機構50と、洗浄水噴出部90Aと、を有している。
【0085】
筐体10Aは、全体的に箱形状を有している。筐体10Aには、投入口11Aと、ホッパー16と、上壁部17と、が設けられている。投入口11Aは、複数の篩部材30の上方に配置されており、上方に向けて開口している。ホッパー16は、投入口11Aを囲むように配置されている。上壁部17は、投入口11Aの後方側に配置されている。投入口11Aの上方には、混合廃棄物を搬送するベルトコンベア5の下流端5aが配置されている。筐体10Aの内側には、混合廃棄物を選別するための選別空間13が形成されている。
【0086】
傾斜板20Aは、上方から見たときに投入口11Aの前部を塞ぐように配置されている。傾斜板20Aは、平板形状を有しており、筐体10Aに固定されている。傾斜板20Aの前端は後端より上方に配置されており、傾斜板20Aは前方から後方に向かって下るように傾斜している。傾斜板20Aは、ベルトコンベア5の下流端5aの下方に配置されている。傾斜板20Aは、ベルトコンベア5の下流端5aから落下する混合廃棄物を受けるように配置されている。
【0087】
洗浄水噴出部90Aは、2本のレール91と、ハンガー92と、複数の洗浄水噴出ノズル93と、図示しないアクチュエータと、を有している。
【0088】
2本のレール91は、筐体10Aの幅方向に向かい合う両側壁の内面に取り付けられている。2本のレール91は、複数の篩部材30よりも上方に前後方向に延在して配置されている。2本のレール91は、互いに平行である。2本のレール91の前端は後端より上方に配置されており、2本のレール91は前方から後方に向かって下るように傾斜している。
【0089】
ハンガー92は、柱形状を有しており、幅方向に延在している。ハンガー92の両端は、2本のレール91に移動可能に支持されている。ハンガー92は、アクチュエータによって2本のレール91の延在方向に移動する。本実施例において、ハンガー92は、上壁部17の下方の位置P1と投入口11Aの下方の位置P2(具体的には傾斜板20Aの後端の下方の位置)との間を移動可能である。
【0090】
複数の洗浄水噴出ノズル93は、ハンガー92に幅方向に間隔をあけて取り付けられている。複数の洗浄水噴出ノズル93は、それぞれの先端が下方に向けられている。複数の洗浄水噴出ノズル93には、洗浄水を供給するホース94が接続されている。複数の洗浄水噴出ノズル93は、圧力が3MPa以上の洗浄水を噴出する。洗浄水は、圧力が3MPa未満で水温が40度以上の温水や微小気泡を含む気液二相流であってもよい。
【0091】
投入口11Aに混合廃棄物が投入されるとき、アクチュエータによって、ハンガー92および複数の洗浄水噴出ノズル93は位置P1に移動する。これにより、投入口11Aに投入された混合廃棄物がハンガー92および複数の洗浄水噴出ノズル93に衝突することを防ぐ。そして、混合廃棄物の投入が終了すると、アクチュエータによって、複数の洗浄水噴出ノズル93はハンガー92とともに位置P1と位置P2との間を移動し、複数の篩部材30に付着した廃棄物を洗い流す。なお、投入口11Aに混合廃棄物が投入されるとき、ハンガー92および複数の洗浄水噴出ノズル93は位置P2に移動するようにしてもよい。位置P2において、傾斜板20Aによって、投入口11Aに投入された混合廃棄物がハンガー92および複数の洗浄水噴出ノズル93に衝突することを防ぐことができる。
【0092】
揺動選別機1Aが、複数の篩部材30を収容する筐体10Aと、洗浄水噴出ノズル93と、を有している。筐体10Aが、複数の篩部材30の上方に配置され、上方に向けられた投入口11Aと、投入口11Aより後方に配置された上壁部17と、を有している。洗浄水噴出ノズル93が、筐体10A内において複数の篩部材30の上方に配置され、下方に向けられている。洗浄水噴出ノズル93が、上壁部17の下方の位置P1と投入口11Aの下方の位置P2との間を移動する。このようにすることで、洗浄水噴出ノズル93が上壁部17の下方の位置P1と投入口11Aの下方の位置P2との間を前後方向に移動して、複数の篩部材30を効率的に洗浄することができる。また、上壁部17の下方の位置P1に洗浄水噴出ノズル93が移動することで、投入口11Aに投入された廃棄物が洗浄水噴出ノズル93に衝突することを防ぐことができる。
【0093】
上記に本発明の実施例を説明したが、本発明は実施例の構成に限定されるものではない。前述の実施例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、実施例の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の趣旨に反しない限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0094】
1、1A…揺動選別機、5…ベルトコンベア、5a…下流端、10、10A…筐体、11、11A…投入口、12…テラス部、12a…上面、13…選別空間、14…排気口、15…梁、16…ホッパー、17…上壁部、20、20A…傾斜板、21…固定部、22…可動部、23…基部、24…受け部、25…アクチュエータ、30…篩部材、30a…前端、30b…後端、31…フレーム、31a…外側面、32…本体、33…中央部、34…フランジ部、35…壁部、35a…外面、35b…内面、36…傾斜面、37…スクリーン、38…スクリーン本体、38a…孔、39…櫛歯部、39a…凸部、39b…凹部、40…滑り防止部材、50…揺動機構、50A…駆動部、50B…従動部、51…揺動ユニット、52…回転軸、53…偏心板、54…旋回部材、55…旋回軸受、56…連結部材、58…軸受、59…モーター、60…第1空気噴出部、61…第1空気噴出ノズル、62…リンク、63…アクチュエータ、70…第2空気噴出部、71…第2空気噴出ノズル、71a…開口、80…第3空気噴出部、81…第3空気噴出ノズル、90…洗浄水噴出管、90A…洗浄水噴出部、91…レール、92…ハンガー、93…洗浄水噴出ノズル、94…ホース、139…引掛部、139a…背ビレ部、139a1…傾斜部、139a2…円弧部、139a3…接続部、139b…平坦部、150…異物抑制機構、151…円板部材、151a…第1凸部、151b…第1凹部、152…円環板部材、152a…第2凸部、152b…第2凹部、153…蓋部材