(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133175
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】景品支持部及び景品取得ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63F 9/30 20060101AFI20230914BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023030655
(22)【出願日】2023-03-01
(62)【分割の表示】P 2022036264の分割
【原出願日】2022-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100080953
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 克郎
(72)【発明者】
【氏名】小川 将慶
(72)【発明者】
【氏名】若生 晃
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ネジを使用せずに、簡易な構成を用いて景品支持部同士の連結を実現でき、連結作業の生産性を向上させることができる景品取得ゲーム装置を提供する。
【解決手段】景品支持部40a、bは、景品を直接又は間接的に支持する本体部と、景品支持部同士を連結する連結部42a、bと、を備える。連結部42a、bは、回転部と、回転部の回転を案内しつつ、回転部を挟んで支持する支持部とを有する。回転部は、凸部又は凹部である第1部432a、bを有する。支持部のうちの第1支持部は、第1部432a、bに対応する凹部又は凸部である第2部452a、bを有する。第1部432a、b及び第2部452a、bは、回転可能に嵌め合っており、第1部432a、bは、回転部の回転によって、一部が第2部452a、bとの嵌め合いを維持し、他の一部が他の景品支持部40a、bの第2部452a、bと嵌め合えるように構成されている。
【選択図】
図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品取得ゲーム装置の景品展示部を構成するための景品支持部であって、
景品を直接又は間接的に支持する本体部と、
前記本体部の周縁に設けられた、景品支持部同士を連結する連結部と、
を備え、
前記連結部は、
前記本体部に対して回転可能に設けられた回転部と、
前記回転部の回転を案内しつつ、前記回転部の厚み方向の両側から前記回転部を挟んで
支持する支持部と、
を有し、
前記回転部は、少なくとも前記厚み方向の一方側ある第1面に設けられた、凸部又は凹
部である第1部を有し、
前記支持部は、前記第1面に向かう第2面に設けられた、前記第1部に対応する凹部又
は凸部である第2部を有し、
前記第1部及び前記第2部は、回転可能に嵌め合っており、
前記第1部は、前記回転部の回転によって、一部が前記第2部との嵌め合いを維持し、
他の一部が他の景品支持部の第2部と嵌め合えるように構成されている、
景品支持部。
【請求項2】
前記第1部は、第1側面を有し、
前記第2部は、前記第1側面と接触する第2側面を有し、
前記第1面を平面視するとき、前記第1側面及び前記第2側面のそれぞれの平面視形状
は、円弧状をなしており、
前記第1部は、前記第1側面が前記第2側面に沿ってスライドすることを介して、前記
第2部に対して回転可能なように設けられている、
請求項1に記載の景品支持部。
【請求項3】
前記支持部は、前記本体部の側面に開口する開口部を含む収容空間を有し、
前記回転部は、前記第1面が前記側面に交差し、かつ回転によって前記開口部を通して
前記収容空間に出入り可能なように、前記収容空間内に配置されている、
請求項1又は2に記載の景品支持部。
【請求項4】
前記第1部は、第1側面を有し、
前記第2部は、前記第1側面と接触する第2側面を有し、
前記第2部は、前記開口部が前記他の景品支持部の開口部と連通するように配置される
とき、前記第2部の前記第2側面の平面視形状と前記他の景品支持部の第2部の第2側面
の平面視形状とが一つの円周上に位置するように、構成されている、
請求項3に記載の景品支持部。
【請求項5】
前記第1部及び前記第2部の互いに対向する表面には、凸部である第1ストッパ及び第
2ストッパが設けられており、
前記第1ストッパ及び前記第2ストッパは、前記回転部の回転によって、互いに当接し
て、前記第1部の前記第2部に対する回転を停止させるように設けられている、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の景品支持部。
【請求項6】
前記第1ストッパ及び前記第2ストッパは、前記第1部の前記他の一部が他の景品支持
部の第2部と嵌め合うときに当接するように設けられている、
請求項5に記載の景品支持部。
【請求項7】
前記支持部は、前記本体部の側面に開口する開口部を含む収容空間を有し、
前記収容空間は、前記開口部と対向する側設けられた第2開口部を有し、
前記回転部は、前記第1部を含む本体部と、前記本体部の回転を操作するためのノブと
、を有し、
前記ノブは、前記本体部から前記第2開口部を通して前記収容空間の外部へ伸び、かつ
回転することで前記第2開口部の両端と当接する可能なように設けられており、
前記本体部は、前記ノブが前記第2開口部の第1端と当接するとき、前記本体部の全体
が前記収容空間内に収容され、前記ノブが前記第2開口部の第2端と当接するとき、前記
第1部の半分が前記収容空間の外部に位置し他の景品支持部の第2部と嵌め合えるように
、構成されている、
請求項6に記載の景品支持部。
【請求項8】
ゲーム空間を有する景品展示部と、
前記ゲーム空間において景品を支持する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の景品
支持部と、
を備える、
景品取得ゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品取得ゲーム装置の景品展示部を構成するための景品支持部及び景品支持
部を備える景品取得ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、景品収容部と、景品取得部と、景品取得部を吊設する吊設部材と、景品取得部を
昇降させる昇降手段と、景品取得部を吊り上げる方向へ付勢する吊上付勢手段と、吊上付
勢手段による付勢力を変更する吊上付勢力変更手段と、景品取得部を水平方向へ移動させ
る移動手段と、景品取得部を水平移動及び昇降させる制御を行う制御手段と、遊戯者が景
品取得部の水平移動を操作する操作手段と、景品取得部の下降を停止する下降停止手段と
、を備え、吊上付勢力変更手段は、駆動手段を有し、外部からの動作命令により駆動手段
を動作させ付勢部材の付勢力を無段階で変更する景品取得ゲーム機が知られている(例え
ば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示されたような従来の景品取得ゲーム装置では、景品取得部
間の連結はネジによって行われていた。このようなネジによる景品取得部間の連結を行う
場合、連結を確実に行うために多数のネジが必要となる場合が多く、それらのネジのねじ
込みを行うために相当な手間や作業時間が必要となる。その結果、景品取得部間の連結作
業が滞ってしまい、装置の生産性が低下してしまうという問題が発生していた。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ネジを使用せずに、簡易な構成を
用いて景品支持部同士の連結を実現でき、連結作業の生産性を向上させることができる景
品取得ゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明に係る景品取得ゲーム装置の景品展示部を構成するた
めの景品支持部は、景品を直接又は間接的に支持する本体部と、本体部の周縁に設けられ
た、景品支持部同士を連結する連結部と、を備え、連結部は、本体部に対して回転可能に
設けられた回転部と、回転部の回転を案内しつつ、回転部の厚み方向の両側から回転部を
挟んで支持する支持部と、を有し、回転部は、少なくとも厚み方向の一方側ある第1面に
設けられた、凸部又は凹部である第1部を有し、支持部は、第1面に向かう第2面に設け
られた、第1部に対応する凹部又は凸部である第2部を有し、第1部及び第2部は、回転
可能に嵌め合っており、第1部は、回転部の回転によって、一部が第2部との嵌め合いを
維持し、他の一部が他の景品支持部の第2部と嵌め合えるように構成されているものであ
る。
【0007】
かかる構成を採用すると、ネジを使用せずに、簡易な構成を用いて景品支持部同士の連
結を実現でき、連結作業の生産性を向上させることができる。具体的には、かかる構成を
採用して連結作業を行う場合を、ネジを使用して連絡作業を行う場合と比較して、連結作
業に使用される部品の数を減少できるとともに、連結作業の簡易化を実現して、連結作業
に掛かる手間やコストを軽減することができる。その結果、連結作業の生産性の向上を実
現できる。
【0008】
本発明に係る景品支持部において、第1部は、第1側面を有し、第2部は、第1側面と
接触する第2側面を有し、第1面を平面視するとき、第1側面及び第2側面のそれぞれの
平面視形状は、円弧状をなしており、第1部は、第1側面が第2側面に沿ってスライドす
ることを介して、第2部に対して回転可能なように設けられてもよい。
【0009】
かかる構成を採用すると、第2部を第1部の回転を案内する構成として使用することが
でき、連結部の構成の簡易化を実現できる。
【0010】
本発明に係る景品支持部において、支持部は、本体部の側面に開口する開口部を含む収
容空間を有し、回転部は、第1面が側面に交差し、かつ回転によって開口部を通して収容
空間に出入り可能なように、収容空間内に配置されてもよい。
【0011】
かかる構成を採用すると、回転部の収容空間への出入りを容易に実現できる。
【0012】
本発明に係る景品支持部において、第2部は、開口部が他の景品支持部の開口部と連通
するように配置されるとき、第2部の第2側面の平面視形状と他の景品支持部の第2部の
第2側面の平面視形状とが一つの円周上に位置するように、構成されてもよい。
【0013】
かかる構成を採用すると、景品支持部間の連結を円滑かつ安定に行うことができる。
【0014】
本発明に係る景品支持部において、第1部及び第2部の互いに対向する表面には、凸部
である第1ストッパ及び第2ストッパが設けられており、第1ストッパ及び第2ストッパ
は、回転部の回転によって、互いに当接して、第1部の第2部に対する回転を停止させる
ように設けられてもよい。
【0015】
かかる構成を採用すると、簡易な構成を用いて、第1部の回転の停止を実現できる。
【0016】
本発明に係る景品支持部において、第1ストッパ及び第2ストッパは、第1部の他の一
部が他の景品支持部の第2部と嵌め合うときに当接するように設けられてもよい。
【0017】
かかる構成を採用すると、景品支持部間の連結を簡易に維持することができる。
【0018】
本発明に係る景品支持部において、収容空間は、開口部と対向する側設けられた第2開
口部を有し、回転部は、第1部を含む本体部と、本体部の回転を操作するためのノブと、
を有し、ノブは、本体部から第2開口部を通して収容空間の外部へ伸び、かつ回転するこ
とで第2開口部の両端と当接する可能なように設けられており、本体部は、ノブが第2開
口部の第1端と当接するとき、本体部の全体が収容空間内に収容され、ノブが第2開口部
の第2端と当接するとき、第1部の半分が収容空間の外部に位置し他の景品支持部の第2
部と嵌め合えるように、構成されてもよい。
【0019】
かかる構成を採用すると、簡易な構成を用いて、回転部の回転範囲及び景品支持部間の
連結の安定性を調整することができる。
【0020】
本発明に係る景品取得ゲーム装置は、ゲーム空間を有する景品展示部と、ゲーム空間に
おいて景品を支持する上述したいずれか1つの景品支持部と、を備えるものである。
【0021】
かかる構成を採用すると、ネジを使用せずに、簡易な構成を用いて景品支持部同士の連
結を実現でき、連結作業の生産性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ネジを使用せずに、簡易な構成を用いて景品支持部同士の連結を実現
でき、連結作業の生産性を向上させることができる景品取得ゲーム装置を提供することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の構成を示す斜視図である。
【
図5】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置のコントロールパネルの変形例を示す斜視図である。
【
図6】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置のコントロールパネルの変形例を示す側面図である。
【
図7】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の表示ユニットの構成を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の管理者キー識別部の構成を示す図である。
【
図10】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の景品支持部の回転部が収容された状態を示す斜視図である。
【
図11】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の景品支持部の回転部が突出した状態の景品支持部の様子を示す斜視図である。
【
図12】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の景品支持部の構成を示す分解斜視図である。
【
図13】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の景品支持部の本体部の構成を示す斜視図である。
【
図14】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の景品支持部の第1支持部の構成を示す平面図である。
【
図15】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の景品支持部の第1支持部の構成を示す斜視図である。
【
図16】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の景品支持部の回転部の構成を示す斜視図である。
【
図18】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の景品支持部間の連結を示す図である。
【
図19】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の上方から見た景品取得部及び駆動部の様子を示す斜視図である。
【
図20】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の下方から見た景品取得部及び駆動部の様子を示す斜視図である。
【
図21】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の景品取得部の一部の構成を示す図である。
【
図22】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の景品取得部及び第3駆動部の構成を示す図である。
【
図23】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の第3駆動部の支持部の構成を示す図である。
【
図24】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の第3駆動部の本体部の構成を示す図である。
【
図25】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の付勢力調整部による付勢力がばね弱状態にある場合に第3駆動部の本体部が景品に接近している状態を示す図である。
【
図26】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の付勢力調整部による付勢力がばね弱状態にある場合に第3駆動部の本体部が景品に当接した状態を示す図である。
【
図27】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の付勢力調整部による付勢力がばね強状態にある場合に第3駆動部の本体部が景品に接近している状態を示す図である。
【
図28】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の付勢力調整部による付勢力がばね強状態にある場合に第3駆動部の本体部が景品に当接した状態を示す図である。
【
図29】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の制御部の機能的構成を示す図である。
【
図30】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の制御部による使用モード設定処理制御を説明するためのフローチャートである。
【
図31】本実施形態に係る景品取得ゲーム装置の制御部による景品取得ゲームのメイン処理制御を説明するためのフローチャートである。
【
図32】
図31のステップS10の詳細を説明するためのフローチャートである。
【
図33】
図31のステップS20の詳細を説明するためのフローチャートである。
【
図34】
図31のステップS30の詳細を説明するためのフローチャートである。
【
図35】
図31のステップS50の詳細を説明するためのフローチャートである。
【
図36】
図35のステップS56の詳細を説明するためのフローチャートである
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、各図を参照しながら、本実施形態について説明する。なお、図面の上下左右等の
位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。また、図面の
寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。さらに、以下の実施形態は、本発明
を説明するための例示であり、本発明をこの実施形態のみに限定する趣旨ではない。また
さらに、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
【0025】
<景品取得ゲーム装置1の概要>
まず、
図1を参照しつつ、本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1の概要について説明
する。
図1は、景品取得ゲーム装置1の斜視図である。
【0026】
本実施形態に係る景品取得ゲーム装置1は、景品を把持して取得する景品取得ゲームを
行うことができる装置の一例である。景品取得ゲーム装置1は、
図1に示すように、景品
取得ゲーム装置1の下部に設けられた本体部2と、本体部2の上方に設けられ、ゲーム空
間Sを有する景品展示部3と、ゲーム空間Sにおいて景品を支持する景品支持板4と、本
体部2及び景品展示部3を連結するように設けられ、景品を落下させる景品落下口5と、
景品を取得するための、ゲーム空間Sに移動可能に設けられた景品取得部6と、ゲーム空
間Sの上方側に設けられた、景品取得部6を駆動する駆動部7と、を備える。
【0027】
ここで、ゲーム空間Sは、景品を展示するとともに、景品取得部6による景品を取得す
る動作を行うための空間である。景品は、景品取得部6に把持できる物であればよく、例
えば、ぬいぐるみや人形等の玩具(箱に入れた玩具を含む)である。また、景品は、景品
支持板4に載置されることで、景品展示部3に展示されている。
【0028】
また、景品取得ゲーム装置1は、
図1に示すように、2人のプレイヤが同時に景品取得
ゲームを行える2人用ゲーム装置である。このため、景品取得ゲーム装置1の上記構成は
、後述する本体部2の表示ユニット9を除き、景品取得ゲーム装置1の幅方向において左
右にそれぞれ1セットが設けられている。以下では、特別な説明がない場合、右側にある
セットを中心に説明する。
【0029】
<景品取得ゲーム装置1の詳細>
次に、
図1乃至
図28を参照しつつ、景品取得ゲーム装置1の各構成、すなわち、本体
部2、景品展示部3、景品支持板4、景品落下口5、景品取得部6、及び駆動部7の詳細
を順次説明する。
図1乃至
図9は、本体部2及び景品展示部3の詳細を示す図である。図
10乃至
図18は、景品支持板4の詳細を示す図である。
図19乃至
図28は、駆動部7
の詳細を示す図である。
【0030】
以下では、景品取得ゲーム装置1及びゲーム空間Sの幅方向、奥行き方向、及び上下方
向のそれぞれを、「X方向」、「Y方向」、及び「Z方向」と呼ぶことがある。また、以
下の説明に係る「ユーザ」は、特別な説明がない場合、景品取得ゲーム装置1を管理する
管理者と、景品取得ゲーム装置1を使用して景品取得ゲームのプレイを行うプレイヤと、
の両方を含む。
【0031】
[本体部2]
まず、
図1乃至
図9を参考しつつ、本体部2の詳細について説明する。
【0032】
本体部2は、
図1に示すように、その正面側に設けられた操作ユニット8と、ゲームに
関するプレイ情報の表示及びゲーム条件等の初期設定等を行うための表示ユニット9と、
ゲーム料金を受け入れる硬貨投入口10と、景品落下口5に連通された景品収容部11と
、景品収容部11の外部に向かう開口である景品払出口12と、を有する。また、本体部
2は、その内部に収容された機能的構成である、景品取得ゲームの実施に使用されるデー
タ及びプログラムを格納する格納部13と、現在時刻を取得するタイマ14と、景品取得
ゲーム装置1の様々な動作を制御するための制御部15と、を有する。
【0033】
(操作ユニット8)
操作ユニット8は、景品取得ゲームに関する様々な操作を行うための構成である。操作
ユニット8は、筐体81と、筐体81の上面に設けられたコントロールパネル82と、コ
ントロールパネル82に設けられたユーザが操作する操作部83と、筐体81の下方側に
設けられたスピーカ(図示せず)と、を有する。
【0034】
コントロールパネル82は、
図4に示すように、後述する景品展示部3の載置部36の
稜部363を覆うように、載置部36の前方側に配置されている。なお、コントロールパ
ネル82の配置の詳細は、後の景品展示部3の載置部36の説明に合わせて説明する。
【0035】
操作部83は、景品取得部6を操作するための構成である。具体的には、操作部83は
、ユーザの操作によって、その操作に係る景品取得部6の動作に対応する移動要求を受け
付ける構成である。ここで、移動要求は、ユーザによる、ゲーム空間内S内の所定の面6
01において、景品取得部6をX方向及び/又はY方向に沿って移動させるための要求で
ある。
【0036】
また、操作部83は、景品取得部6をX方向に移動させる要求を受け付けるための第1
ボタン831と、景品取得部6をY方向に移動させる要求を受け付けるための第2ボタン
832と、を有する。なお、操作部83は、ボタン以外の構成であってもよい。例えば、
操作部83は、ジョイステックや、レバー等であってもよい。また、操作部83は、第1
ボタン831及び第2ボタン832のほか、景品取得部6をZ方向に移動させる要求を受
け付けるための第3ボタン(
図5に示す例の第3ボタン833を参照)を有してもよい。
【0037】
スピーカは、BGM等のゲーム音声及びアラーム音等を出力する構成である。通常状態
において、スピーカは、BGM等のゲーム音声を出力する。一方、景品取得ゲーム装置1
が一定の衝撃を受けた場合、スピーカは、アラーム音を出力することができる。
【0038】
(表示ユニット9)
表示ユニット9は、景品取得ゲーム装置1の右側にあるセット及び左側にあるセットの
それぞれに関する表示や操作を行うための構成である。表示ユニット9は、
図1に示すよ
うに、幅方向において、右側にあるセットの操作ユニット8及び左側にあるセットの操作
ユニット8の間に設けられている。また、表示ユニット9は、
図7に示すように、表示ユ
ニット9の上方側に設けられた2枚の表示操作パネル91と、2枚の表示操作パネル91
上に設けられたパネル保護部92と、表示ユニット9の下方側に設けられた管理者キー識
別部93と、を有する。
【0039】
2枚の表示操作パネル91は、それぞれに対応する景品取得ゲーム装置1の右側にある
セット又は左側にあるセットにおいて行われる景品取得ゲームに関する、プレイ情報の表
示、ゲームの初期設定の実施、及び設定された初期設定情報の表示等を行うためのパネル
である。ここで、プレイ情報は、景品取得部6の移動情報と、各プレイのプレイ履歴と、
を含む。初期設定情報は、景品取得部6の各構成(すなわち、後述する本体部60及びア
ーム61)の移動及び停止等に関する景品取得部の設定情報と、スピーカに流れる音声種
類及びそのボリューム等に関する音声の設定情報と、景品展示部3の照明の設定情報と、
を含む。
【0040】
パネル保護部92は、ユーザが表示操作パネル91上に腰掛けることや手掌で強く表示
操作パネル91を押圧することによって、表示操作パネル91に過剰な圧力を与えること
に起因した表示操作パネル91の破損の発生を抑制するための構成である。パネル保護部
92は、
図7及び
図8に示すように、本体部921と、本体部921に設けられた2枚の
表示操作パネル91を露出させるための窓部922と、窓部922の全周を囲むように設
けられた突起部923と、を有する。
【0041】
表示操作パネル91の厚み方向において、本体部921及び突起部923は、表示操作
パネル91の上方に形成されている。突起部923の断面視形状は、
図8に示すように、
略三角形状をなしている。すなわち、突起部923は、表示操作パネル91側に位置する
根元部925から、表示操作パネル91に離れる側に位置する先端部927に向かって薄
くなるように盛り上がっている。また、突起部923の先端部927は、表示操作パネル
91の厚み方向において、本体部921の上面よりも盛り上がっている。
【0042】
このような突起部923を有するパネル保護部92によれば、突起部923が設けられ
ていない場合と比較して、突起部923の先端部927から表示操作パネル91の上面ま
での距離を大きくすることができる。よって、仮にユーザが表示操作パネル91に対応す
るパネル保護部92の部分に腰掛けたり手掌でその部分を強く押圧したりしても、突起部
923の先端部927から表示操作パネル91の上面までは一定の距離を有するため、ユ
ーザの上記行為による表示操作パネル91への押圧力を軽減することができる。また、突
起部923の先端部927が薄くなっているため、ユーザが表示操作パネル91に対応す
るパネル保護部92の部分に腰掛けたり手掌でその部分を強く押圧したりすると、多少痛
みを感じる。このため、突起部923の先端部927の存在により、ユーザが上記行為を
行う意欲を抑制することができる。その結果、突起部923の採用によって、ユーザによ
るパネル保護部92の破損の発生を抑制することができ、パネル保護部92を確実に保護
することができる。
【0043】
なお、
図7に示す例では、突起部923は、窓部922の全周を囲むように設けられて
いるが、これに限定されるものではない。突起部923は、窓部922の全周の一部、例
えば、窓部922の幅方向の一対の辺側に形成されてもよい。
【0044】
管理者キー識別部93は、管理者が管理モードを起動するための管理者キーKの「ID
」の識別と、管理者キーKが景品取得ゲーム装置1の右側にあるセット及び左側にあるセ
ットのいずれか一方に対応する挿入口に挿入されていることの識別と、を行うための構成
である。ここで、管理モードは、例えば、管理者が景品取得ゲーム装置1のメンテナンス
や設定を行うための使用モードである。なお、管理モードは、ほかの管理内容を含んでも
よい。管理者キー識別部93は、
図9に示すように、左挿入口941と、右挿入口942
と、管理者キーKのIDを識別する1枚の読取基板95と、挿入検知センサ96と、を有
する。
【0045】
左挿入口941は、管理者が景品取得ゲーム装置1の左側にあるセットの管理モードを
起動させたい場合、管理者キーKを挿入するための挿入口である。右挿入口942は、管
理者が景品取得ゲーム装置1の右側にあるセットの管理モードを起動させたい場合、管理
者キーKを挿入するための挿入口である。
【0046】
1枚の読取基板95は、左挿入口941から挿入された管理者キーKの「ID」及び右
挿入口942から挿入された管理者キーKの「ID」のいずれも識別できる構成である。
1枚の読取基板95は、管理者キーKのIDを識別できた場合、その情報を制御部15に
送信する。一方、1枚の読取基板95は、管理者キーKが左挿入口941及び右挿入口9
42のいずれか一方から「挿入されていること」を識別することができない。
【0047】
挿入検知センサ96は、挿入口に管理者キーKが挿入されているか否かを検知するため
のセンサである。挿入検知センサ96は、例えば、左挿入口941の上方に設けられてい
る。挿入検知センサ96は、左挿入口941に管理者キーKが挿入されていることを検知
した場合、その情報を制御部15に送信する。一方、挿入検知センサ96は、左挿入口9
41に管理者キーKが挿入されていることを検知できない場合、制御部15への送信を行
わない。
【0048】
こうして、制御部15は、1枚の読取基板95及び挿入検知センサ96の両者からの送
信を受信した場合、管理者キーKが左挿入口941に挿入されていると判断し、景品取得
ゲーム装置1の左側にあるセットの管理モードを起動する。一方、制御部15は、1枚の
読取基板95からの送信のみを受信した場合(すなわち、挿入検知センサ96からの送信
を受信していない場合)、管理者キーKが右挿入口942に挿入されていると判断し、景
品取得ゲーム装置1の右側にあるセットの管理モードを起動する。
【0049】
なお、
図9に示す例では、挿入検知センサ96は、左挿入口941の上方に設けられて
いるが、これに限定されるものではない。挿入検知センサ96は、右挿入口942の上方
に設けられてもよい。この場合、制御部15は、挿入検知センサ96からの送信の有無に
基づいて、管理者キーKが挿入された挿入口を判断し、それに対応する景品取得ゲーム装
置1の左側にあるセット又は右側にあるセットの管理モードを起動する。
【0050】
ここで、一般的に、異なる挿入口を有する管理者キー識別部に対して、管理者キーKが
どちらかの挿入口に挿入されたことを識別するために、それぞれの挿入口に対応する2枚
の読取基板を採用する必要がある。これに対して、上述した挿入検知センサ96を採用す
れば、1枚の読取基板95のみを使用しても、容易に管理者キーKが左挿入口941に挿
入されているか若しくは右挿入口942に挿入されているかを識別することができる。こ
のような挿入検知センサ96及び1枚の読取基板95の組み合わせによれば、2枚の読取
基板95を採用する場合と比較して、制御部15の識別処理の簡易化を実現できるととも
に、管理者キー識別部93の製造コストを軽減することができる。
【0051】
(景品収容部11)
景品収容部11は、景品落下口5から落下した景品がユーザによって景品取得ゲーム装
置1から外部に取り出される前に、落下した景品を一時的に収容するための構成である。
景品収容部11は、景品落下口5の下方に設けられている。
【0052】
(景品払出口12)
景品払出口12は、本体部2の正面に、景品収容部11と連通するように設けられてい
る。景品払出口12には、開閉可能な扉121が取り付けられている。扉121が閉まる
と、景品払出口12が閉じられ、景品が外に飛び出すことを防ぐとともに、異物等が景品
払出口12を通して景品取得ゲーム装置1の内部に進入すること(景品の盗難を含む)を
回避することができる。一方、扉121が開くと、景品払出口12が開放され、景品収容
部11に保存された景品を外部に取り出すことができる。
【0053】
(制御部15)
制御部15は、景品取得ゲーム装置1の全体の動作を制御するための構成である。制御
部15は、操作部83及び表示ユニット9が受け付けた移動要求と、タイマ14が取得し
た時刻情報と、を受信した上で、格納部13に格納されたデータ及びプログラムに基づい
て、景品取得部6のゲーム空間Sにおける移動、スピーカの出力、及び景品展示部3の照
明等を制御することで、景品取得ゲームを実施させる。なお、制御部15の詳細について
は、後述する。
【0054】
[景品展示部3]
次に、
図1乃至
図6を参照しつつ、景品展示部3の詳細について説明する。
図5及び図
6は、載置部36のカバー部の変形例を示す図である。
【0055】
景品展示部3は、
図1乃至
図3に示すように、筐体部30と、筐体部30の正面、左右
両側面、及び背面に各々設けられた、正面板31、側面板32、及び背面板33と、筐体
部30の上方側に形成された駆動部7を支持する支持部34と、支持部34の上方の正面
側に設けられた電飾部35と、筐体部30の下方側に形成された正面板31を載置させる
載置部36と、を有する。
【0056】
(正面板31、側面板32、及び背面板33)
正面板31、側面板32、及び背面板33は、ゲーム空間Sを画定するための構成であ
る。また、正面板31、側面板32、及び背面板33は、光が透過可能な材料、例えば、
透明なアクリル樹脂又はガラスによって形成されている。このような構成により、景品取
得ゲーム装置1の正面側、両側面側、及び背面側から視認できるゲーム空間Sが構成され
ている。なお、背面板33は、金属等の板部材によって形成されてもよい。
【0057】
正面板31は、
図1及び
図2に示すように、幅方向にスライド移動可能な第1正面板3
11及び第2正面板312を有する。第1正面板311は、第2正面板312よりも背面
側に設けられている。第1正面板311及び第2正面板312は、幅方向にスライドする
ことによってゲーム空間Sを開閉可能にする扉部の一例である。このような構成により、
景品取得ゲーム装置1の管理者は、第1正面板311及び第2正面板312を開くことで
ゲーム空間Sを開放して、景品取得部6の操作及びメンテナンスや、景品の補充等の作業
を行うことができる。なお、管理者による作業が行われる時以外、第1正面板311及び
第2正面板312が閉まってゲーム空間Sを閉鎖する状態である。
2が閉まってゲーム空間Sを閉鎖する状態である。
【0058】
(載置部36)
載置部36は、第1正面板311及び第2正面板312を可動に支持する構成である。
載置部36の表面には、筐体部30のその他の部分と同様に、塗装がなされている。塗装
によって、載置部36の視認可能な部分の見栄えを向上させることができる。
【0059】
載置部36は、
図4に示すように、上面部361と、正面部362と、上面部361及
び正面部362によって形成された稜部363と、上面部361に形成された、第1正面
板311及び第2正面板312をそれらの下方からスライド可能に支持するサッシ37と
、を有する。ここで、サッシ37は、第1正面板311及び第2正面板312をそれらの
下方から開閉可能に支持する支持部の一例である。なお、支持部は、サッシ以外の構成、
例えば、第1正面板311及び第2正面板312のそれぞれを回転させて開閉させる構成
であってもよい。
【0060】
サッシ37は、上面部361に取り付けられている。また、サッシ37は、
図4に示す
ように、上面部361の稜部363よりも後方に設けられて第1正面板311及び第2正
面板312を支持する第1部分371と、第1部分371よりも前方に設けられて稜部3
63の上面側部分を覆う第2部分372と、を有する。こうして、サッシ37の第2部分
372は、載置部36の稜部363の上面部分を覆うカバー部の一部として機能すること
ができる。なお、サッシ37を上面部361と別体に形成されたものとして説明したが、
サッシ37は、上面部361と一体に形成されたものであってもよい。
【0061】
次に、上述した操作ユニット8のコントロールパネル82と載置部36との配置関係に
ついて説明する。コントロールパネル82は、載置部36の正面部362に対して傾斜す
るように配置されている。より詳細に説明すると、コントロールパネル82は、
図4に示
すように、正面部362の近傍に位置する上端部821が載置部36の上面部361より
も高く位置するように、載置部36の正面部362側に配置されている。言い換えれば、
上端部821は、稜部363の正面側部分を覆うように配置されている。こうして、コン
トロールパネル82の上端部821は、載置部36の稜部363の正面部分を覆うカバー
部の他の一部として機能することができる。
【0062】
このように、サッシ37の第2部分372及びコントロールパネル82の上端部821
は、載置部36の稜部363を保護するように、その稜部363を覆うカバー部を構成し
ている。このようなカバー部によれば、第1正面板311及び第2正面板312の開閉操
作によって稜部363に擦り傷等を与えることで、稜部363の塗装剥がれの発生を回避
することができる。その結果、載置部36の見栄えを向上させるとともに載置部36の耐
久性を改善することができる。
【0063】
また、コントロールパネル82の配置は、上述した方法に限定されるものではない。例
えば、コントロールパネル82は、上端部821が載置部36の上面部361と同じ平面
に属するように配置されてもよい。また、コントロールパネル82は、
図5及び
図6に示
すように、コントロールパネル82と一体に構成されたカバー部820を有してもよい。
カバー部820は、コントロールパネル82の上端部821から延びるように設けられた
延長部である。また、カバー部820は、
図5及び
図6に示すように、稜部363の正面
側部分及び上面側部分を覆うように設けられている。また、カバー部820は、コントロ
ールパネル82及びサッシ37と別体に構成されてもよい。また、カバー部820、コン
トロールパネル82、及びサッシ37という3つの部分は、一体に構成されてもよい。
【0064】
(支持部34)
支持部34は、駆動部7を移動可能に支持し、かつ、駆動部7の一部(後述する第1駆
動部71及び第2駆動部72)を収容するための構成である。支持部34は、
図1に示す
ように、その内周面に設けられた、駆動部7を移動可能に支持するレール341を有する
。支持部34と駆動部7との取付の詳細は、駆動部7の説明に合わせて説明する。
【0065】
(電飾部35)
電飾部35は、景品展示部3の外部に光を発する構成である。電飾部35は、
図1に示
すように、導光部材351と、発光素子として複数の発光ダイオード352と、を有する
。導光部材351は、アクリル樹脂によって形成された透明な平板であり、正面側出射面
及び側面側出射面を有する。複数の発光ダイオード352は、導光部材351の背面側に
設けられている。
【0066】
また、複数の発光ダイオード352が発した光は、導光部材351の背面側の端部から
入射して、導光部材351の内部で反射しながら正面側に導かれて、正面側出射面及び側
面側出射面から出射する。通常状態において、電飾部35は点灯する。よって、景品取得
ゲーム装置1の見栄えを向上させることができる。一方、景品取得ゲーム装置1が一定の
衝撃を受けた場合、電飾部35は点滅する。よって、電飾部35は、周囲にアラーム信号
を出すことができる。
【0067】
[景品支持板4]
続いて、
図1乃至
図3、及び
図10乃至
図18を参照しつつ、景品支持板4の詳細につ
いて説明する。
【0068】
景品支持板4は、上下方向において本体部2と景品展示部3との間に形成された板状の
構成である。景品支持板4は、
図1及び
図3に示すように、正面板31、側面板32、背
面板33、及び支持部34とともに、ゲーム空間Sを画定している。景品支持板4は、厚
み方向の上方側にある、景品を載置するための景品支持面401を有する。
【0069】
また、景品支持板4は、
図1及び
図2に示すように、複数の景品支持部40を有する。
景品支持部40は、例えば、合成樹脂によって構成された板部材である。複数の景品支持
部40は、互いに連結することで景品支持板4を構成している。また、複数の景品支持部
40は、自由に組合わせられることで、異なる形状を有する景品支持板4を構成すること
ができる。よって、景品の種類等やゲームルールの変化に応じて、景品支持板4の景品支
持面401の形状及び大きさを容易に変更することができる。
【0070】
景品支持部40は、
図10乃至
図14に示すように、景品を直接又は間接的に支持する
本体部41と、本体部41の周縁に設けられた、景品支持部40同士を連結する複数の連
結部42と、を有する。
【0071】
本体部41は、
図12及び
図13に示すように、枠状部材であり、側面である外周面4
11及び内周面412を有する。また、本体部41の上面には、図示されていない景品を
載置させるための板部材が設けられている。
【0072】
連結部42は、
図12に示すように、本体部41に対して回転可能に設けられた回転部
43と、回転部43の回転を案内しつつ、回転部43の厚み方向の両側から回転部43を
挟んで支持する支持部44と、を有する。以下の説明では、回転部43が、支持部44に
よって本体部41に対して回転可能に取り付けられた状態を「組立状態」と呼ぶことがあ
る。
【0073】
支持部44は、
図12に示すように、本体部41に対して取付可能な第1支持部45と
、本体部41の一部である第2支持部46と、を有する。第1支持部45及び第2支持部
46の間には、
図11及び
図12に示すように、収容空間S2が形成されている。収容空
間S2は、
図10乃至
図12に示すように、本体部41の外周面411に開口する開口部
47と、本体部41の内周面412に開口しかつ開口部47と対向する側設けられた第2
開口部48と、を含む。回転部43は、
図10及び
図11に示すように、回転によって開
口部47を通して収容空間S2に出入り可能なように、収容空間S2内に配置されている
。
【0074】
なお、以上の説明では、本体部41を1つの部品として説明したが、本体部41は、開
口部47を境に上下に2つに分割された構成であってもよい。この場合、その上下に分割
された本体部41のいずれかが支持部44を含んでもよい。言い換えれば、支持部44は
、上下に分割された本体部41のいずれかに相当するものである。また、上下に分割され
た本体部41が、回転部43を挟んで嵌合されることで、景品支持部40を構成するよう
に形成されてもよい。
【0075】
回転部43及び第1支持部45の構成をより詳細に説明する。回転部43は、
図16に
示すように、本体部430と、本体部430の回転を操作するためのノブ437と、を有
する。本体部430は、平面視形状が略半円状の板部材である。また、本体部430は、
その厚み方向の一方側にある第1面431と、第1面431に設けられた凹部である第1
部432と、を有する。回転部43は、第1面431が外周面411に交差し、かつ回転
によって開口部47を通して収容空間S2に出入り可能なように設けられている。
【0076】
第1部432は、平面視形状が略半円環状の溝である。また、第1部432は、
図16
及び
図17に示すように、第1側面4321と、第1側面4321に対向する第3側面4
322と、第1側面4321及び第3側面4322を連結する底面4323と、を有する
。第1側面4321は、
図17に示すように、第1支持部45と接触する部分である。第
1側面4321の平面視形状は、円弧状をなしている。
【0077】
図16に示すように、第1部432の底面4323には、凸部である第1底面ストッパ
435が2つ設けられており、第3側面4322には凸部である第1側面ストッパ436
が設けられている。第1底面ストッパ435及び第1側面ストッパ436は、第1ストッ
パの例である。
【0078】
ノブ437は、
図16に示すように、本体部430の周縁部から伸びるように設けられ
ている。組立状態において、ノブ437は、
図18に示すように、第2開口部48を通し
て収容空間S2の外部へ伸び、かつ回転することで第2開口部48の両端(すなわち、後
述する第1支持部45の第1端部4571及び第2端部4572)と当接する可能なよう
に設けられている。
【0079】
第1支持部45は、
図14及び
図15に示すように、本体部450と、組立状態に回転
部43の第1面431に向かう第2面451と、第2面451に設けられた第1部432
に対応する凸部である第2部452と、第2面451の両端に設けられた筒状の第1端部
4571及び第2端部4572と、を有する。
【0080】
第2部452は、第1部432に挿入可能な、平面視形状が略半円環状の突起である。
また、第2部452は、
図14及び
図15に示すように、第2側面4521と、第2側面
4521に対向する第4側面4522と、第2側面4521及び第4側面4522を連結
する底面4523と、を有する。第2側面4521は、
図17に示すように、第1部43
2の第1側面4321と接触する。第2側面4521の平面視形状は、円弧状をなしてい
る。また、第2側面4521の平面視形状の曲率は、第1側面4321の平面視形状の曲
率と同じである。なお、第2側面4521の平面視形状の曲率は、第1側面4321の平
面視形状の曲率より少し大きく形成されてもよい。
【0081】
また、
図14及び
図15に示すように、第2部452の底面4523には、凸部である
第2底面ストッパ455が2つ設けられており、第4側面4522には凸部である第2側
面ストッパ456が設けられている。第2底面ストッパ455及び第2側面ストッパ45
6は、第2ストッパの例である。
【0082】
組立状態において、第1部432及び第2部452は、回転可能に嵌め合うように構成
されている。具体的には、第1部432は、第1側面4321が第2側面4521に沿っ
て円滑にスライドすることを介して、第2部452に対して回転可能なように設けられて
いる。
【0083】
次に、景品支持部間の連結の一例の説明を用いて、景品支持部の連結部42の特徴を詳
細に説明する。以下の説明では、2つの景品支持部40を区別するために、一方の景品支
持部40を景品支持部40aと呼び、他方の景品支持部40を景品支持部40bと呼ぶ。
1つの景品支持部40aの連結部42aの開口部47aが他の景品支持部40bの連結部
42bの開口部47bと連通するように配置されるとき、
図18に示すように、連結部4
2aの第2部452aの第2側面4521aの平面視形状と、連結部42bの第2部45
2bの第2側面4521bの平面視形状とは、一つの円周上に位置するように構成されて
いる。また、同様に、その場合、連結部42aの第1部432aの第1側面4321aの
平面視形状と、連結部42bの第1部432bの第1側面4321bの平面視形状とも、
一つの円周上に位置するように構成されている。
【0084】
上述した構成によって、景品支持部40aと景品支持部40bとを連結するとき、連結
部42aの第1部432aは、連結部42aの第2側面4521a及び連結部42bの第
2側面4521bに沿って円滑に回転して、スムーズに他の景品支持部40bの収容空間
S2bに入り、連結部42bの第2部452bと嵌め合うことができる。その場合、連結
部42aの第1部432aは、一部が連結部42aの第2部452aとの嵌め合いを維持
し、他の一部が連結部42bの第2部452bと嵌め合うように、構成されている。また
、連結部42bの第1部432bも、同様に、一部が連結部42bの第2部452bとの
嵌め合いを維持し、他の一部が連結部42bの第2部452bと嵌め合うように、構成さ
れている。その結果、連結部42a及び連結部42bによって、1つの景品支持部40a
と他の景品支持部40bとが確実に連結されることができる。
【0085】
また、連結部42aの第1部432aの回転により、ノブ437aは、第2開口部48
aの両端を構成する第1端部4571a又は第2端部4572aと当接することができる
。ノブ437aが第1端部4571aと当接するとき、連結部42aの本体部430aは
、
図10及び
図18に示すように、本体部430aの全体が収容空間S2a内に収容され
ている。一方、ノブ437aが第2端部4572aと当接するとき、連結部42aの本体
部430aは、
図11及び
図18に示すように、半分が第2部452aとの嵌め合いを維
持し、他の半分が他の景品支持部40bの第2部452bと嵌め合えるように構成されて
いる。また、連結部42bの本体部430bも同様である。このような構成によって、1
つの景品支持部40aと他の景品支持部40bとの連結の安定性を向上させることができ
る。
【0086】
また、ノブ437aが第2端部4572aと当接するとき、すなわち、連結部42aの
及び連結部42bのそれぞれの半分が互いに嵌め合ったとき、連結部42aの及び連結部
42bのそれぞれにあるストッパは、それぞれに対応するストッパと当接する。具体的に
は、その場合、図示されていないが、連結部42aのストッパでは、連結部42aの一方
の第1底面ストッパ435aは第2底面ストッパ455aと当接し、連結部42aの他方
の第1底面ストッパ435aは第2底面ストッパ455bと当接し、連結部42aの第1
側面ストッパ436aは第1側面ストッパ436a及び第2側面ストッパ436bと接触
するようになっている。また、連結部42bのストッパも同様である。このようなストッ
パ間の当接によって、第1部432の第2部452に対する回転が停止される。その結果
、回転部43の回転をロックすることができる。
【0087】
[景品落下口5]
次に、
図2及び
図3を参照しつつ、景品落下口5の詳細について説明する。
【0088】
景品落下口5は、ゲーム空間Sと景品収容部11とを連通する構成である。景品落下口
5は、
図2及び
図3に示すように、景品支持板4のプロント側に形成された第1落下口5
1と、第1落下口51及び景品支持板4の下方側に形成された、第1落下口51及び景品
収容部11を連通する第2落下口52と、を有する。
【0089】
第1落下口51は、景品支持板4の景品支持部40の組み合わせ方の変更によって、大
きさを変更することができる。第2落下口52には、
図3に示すように、景品の落下を検
知する落下検知センサ53が設けられている。このような落下検知センサ53により、ユ
ーザによる景品の取得の有無を正しく検出することができる。
【0090】
[景品取得部6]
続いて、
図1及び
図19乃至
図21を参照しつつ、景品取得部6の詳細について説明す
る。
【0091】
景品取得部6は、ゲーム空間S内で移動し、景品支持板4に載置された景品を把持する
ための構成である。景品取得部6は、ゲーム空間S内において、駆動部7から吊り下げら
れるように設けられている。また、景品取得部6は、
図19に示すように、ゲーム空間S
内に移動可能に設けられた本体部60と、本体部60の移動に伴い移動しかつ本体部60
に対して移動することが可能なように設けられた一対のアーム61と、を有する。ここで
、一対のアーム61は、景品を取得するためのアームの一例である。また、アーム61の
数は、2つに限定されるものではない。例えば、アームは、景品を引っ掛けるように設け
られた1つのアームであってもよいし、また、景品を掴むように設けられた3つ以上のア
ームであってもよい。本体部60は、駆動部7に接続されており、一対のアーム61は、
本体部60から下方に延びている。以下の説明では、本体部60と一対のアーム61とが
伴う移動を「景品取得部6の移動」と呼ぶことがある。
【0092】
本体部60は、
図19乃至
図21に示すように、筐体66と、筐体66の内部に設けら
れた、景品取得部6を駆動部7に取り付けるための取付部62と、一対のアーム61の開
閉移動を駆動するアーム駆動部63と、を有する。ここで、一対のアーム61の開閉移動
は、アーム移動の一例であり、一対のアーム61が互いに離反して開くように移動するこ
とと、一対のアーム61が互いに接近して閉じるように移動することと、を含む。なお、
一対のアーム61は、開閉移動以外の移動を行ってもよい。
【0093】
アーム駆動部63は、取付部62に取り付けられており、ケーブル64によって給電さ
れている。筐体66の底部は、
図20に示すように、本体部60の底部67を構成してい
る。底部67には、図示されていない、本体部60の底部67が景品に与える圧力を検出
することが可能な底部センサが搭載されている。底部センサは、例えば、既知の圧力セン
サや接触センサ、測距センサ等を含む。また、本体部60は、
図1及び
図19に示すよう
に、筐体66の正面部分に形成された、デザインシート等を展示するための展示部65を
有する。デザインシートの展示によって、本体部60の見栄えを向上させることができる
。
【0094】
アーム駆動部63は、
図21に示すように、取付部62に固定され、アーム61を回転
可能に支持する回転軸631と、回転軸631に回転可能に取り付けられた把持力動作ギ
ア632と、回転軸631に巻回された巻回ばね633と、把持力動作ギア632の回転
を駆動するモータ634と、アーム61の開度を検知する開度センサ635と、を有する
。
【0095】
モータ634は、図示されていないピニオンギアが嵌合された出力軸を有する。把持力
動作ギア632は、モータ634側のピニオンギアと噛み合う円板状の歯車である。把持
力動作ギア632は、その周縁部に設けられた所定長の円弧状の長穴部6321と、その
厚み方向の一方側の主面に設けられたボス部6322と、を有する。巻回ばね633は、
一端(図示せず)が長穴部6321内に移動自在に遊挿され、他端6332がアーム61
に固定されるように、把持力動作ギア632及びアーム61に対して取り付けられている
。このような巻回ばね633によって、把持力動作ギア632及びアーム61が連動可能
に構成されている。
【0096】
アーム駆動部63は、景品の把持又は解放ために、一対のアーム61の開閉移動を駆動
する。具体的には、モータ634は、制御部15の制御に基づいて、所定方向の回転力を
出力し、出力軸及びピニオンギアを介してその回転力を把持力動作ギア632に伝達させ
て、把持力動作ギア632を回転させる。そして、把持力動作ギア632の回転は、巻回
ばね633を介してアーム61に伝達されて、アーム61を回転させて開かせる。その後
、把持力動作ギア632の回転が停止すると、巻回ばね633のばね力によって、アーム
61が回転し続けてボス部6322に接触してから停止する。このように、アーム駆動部
63は、モータ634の動作のもとで、出力軸、ピニオンギア、把持力動作ギア632、
及び巻回ばね633を介して、予め設定された設定開度で一対のアーム61を開くことが
できる。
【0097】
一方、一対のアーム61を閉じるとき、モータ634は、制御部15の制御に基づいて
、所定方向の反対方向の回転力を出力する。そして、アーム駆動部63は、モータ634
の逆動作のもとで、出力軸、ピニオンギア、把持力動作ギア632、及び巻回ばね633
を介して、一対のアーム61を閉じることができる。
【0098】
開度センサ635は、把持力動作ギア632の回転角度を検知することで、一対のアー
ム61の開度を検知するセンサである。開度センサ635は、アーム61の開度を検知す
ると、その情報を制御部15に送信する。制御部15は、開度センサ635から送信され
たアーム61の開度情報が設定開度に至ったことを検知したとき、把持力動作ギア632
の回転を停止させる。こうして、一対のアーム61の開度を設定開度に維持させることが
できる。また、制御部15は、開度センサ635から送信されたアーム61の開度情報が
所定の閾値以上の移動になったことを検知したとき、本体部60の移動を停止させている
。こうして、一対のアーム61の本体部60に伴う移動を停止させることができる。
【0099】
ここで、上述した設定開度及び開度に係る所定の閾値とも、格納部13に格納された初
期情報である。開度に係る所定の閾値は、設定開度よりも大きなものである。例えば、開
度に係る所定の閾値は、90度であり、設定開度は、90度よりも小さい角度であっても
よい。なお、設定開度及び開度に係る所定の閾値とも、設定によって変更することができ
る。
【0100】
また、設定開度は、本体部60の景品に接近する接近方向に沿う接近移動が開始される
前かつ本体部60が後述する接近開始点に停止しているとき、制御部15の制御によって
、一対のアーム61が閉じた状態から、景品を取得するための開き状態に開かれたときの
開度である。制御部15の制御のもとで、一対のアーム61がアーム駆動部63の駆動力
のみを受けた場合、その一対のアーム61が設定開度以上の開度で開かれることがない。
【0101】
一方、本体部60の接近移動が進行すると、一対のアーム61のいずれか一方又は両方
が景品又は景品支持板4と当接して所定の閾値以上の移動となることがある。このような
当接が発生した場合、本体部60の接近移動を続けさせると、アーム61は、景品又は景
品支持板4からの反力によって筐体66の側面に当接して、本体部60とともに景品又は
景品支持板4に大きな圧力を与える。この場合、アーム61及び本体部60が景品又は景
品支持板4に与える圧力は、アーム61の重量と本体部60の重量の少なくとも一部との
合計重量である。これに対して、このような当接が発生した場合、本体部60の進行中の
移動を停止させると、景品又は景品支持板4に作用する圧力は、アーム61の重量のみに
なり、本体部60の接近移動を停止させない場合と比較して、景品取得部6が景品又は景
品支持板4に作用する圧力を軽減することができる。
【0102】
また、景品取得部6は、ゲーム空間S内において、X方向、Y方向、及びZ方向に移動
することができる。ここで、Z方向は、下方に向かう方向(以下、「Z方向下降方向」と
呼ぶ)及び上方に向かう方向(以下、「Z方向上昇方向」と呼ぶ)を含む。Z方向下降方
向は、景品に接近する接近方向の一例であり、Z方向上昇方向は、近方向の逆方向である
遠離方向の一例である。以下では、Z方向下降方向に沿う移動を「接近移動」と呼び、Z
方向上昇方向に沿う移動を「遠離移動」と呼び、両者を区別しない場合、両者を合わせて
「Z方向移動」と呼ぶことがある。また、景品取得部6のX方向移動及び/又はY方向移
動を区別しない場合、両者を合わせて「面移動」と呼ぶことがある。また、ゲームが開始
する前の景品取得部6が停止している位置を「待機位置」と呼び、景品取得部6の面移動
が行われた後かつ接近移動が行われる前の、景品取得部6の位置を「接近開始点」と呼ぶ
ことがある。
【0103】
景品取得部6は、例えば、面移動を行った後に、Z方向移動を行うように構成されてい
る。また、景品取得部6の面移動は、ユーザの意思に基づいて行われるものであり、一方
、景品取得部6のZ方向移動は、ユーザの意思に関わらず、初期設定に基づいて行われる
ものである。なお、操作部83には、Z方向の移動に関する第3ボタン833が含まれた
場合(
図5に示す例を参照)、景品取得部6のZ方向移動は、ユーザの意思、すなわちユ
ーザによる第3ボタン833への操作に基づいて行われることができる。
【0104】
景品取得部6の移動をより詳細に説明する。景品取得部6のX方向移動及びY方向移動
は、景品取得ゲーム装置1の管理者が管理モードで景品取得部6を手動で移動させる第1
方法、又は、制御部15が、景品取得ゲーム装置1の管理者が管理モードで又はプレイヤ
がプレイヤモードで操作部83の第1ボタン831及び第2ボタン832を操作すること
によって入力された移動要求に基づいて景品取得部6を移動させる第2方法によって実現
されている。
【0105】
第1方法は、景品取得部6の待機位置、移動範囲、及び景品投入位置の確定に使用され
る方法である。ここで、景品取得部6の待機位置は、例えば、景品取得部6が移動できる
座標空間(XYZ空間)の原点になる。なお、原点は、待機位置と異なる位置であっても
よい。移動範囲は、座標空間のXY面における景品取得部6が移動できる範囲である。景
品投入位置は、景品を景品落下口5に投入するために、景品取得部6が景品落下口5の上
方の位置である。また、景品取得部6が第1方法によって待機位置に移動された後に、景
品取得部6の位置に対応する点の座標は、駆動部7の位置センサ及びエンコーダ(すなわ
ち、後述するX方向原点センサ715、X方向位置センサ714、及び/又は、Y方向原
点センサ725、Y方向位置センサ724と、第1エンコーダ713及び第2エンコーダ
723と)によって自動的に取得される。また、移動範囲及び景品投入位置に対応する点
の座標の取得も同様である。このような第1方法によって、管理者は、原点、待機位置、
移動範囲、及び景品投入位置の取得及び変更等を容易に取得することができる。
【0106】
第2方法は、景品取得部6による景品の取得に使用される方法である。第2方法を使用
する場合、制御部15の制御のもとで、駆動部7が景品取得部6のX方向移動及び/又は
Y方向移動を駆動する。また、第1方法と同様に、景品取得部6が第2方法によって移動
された後に、景品取得部6の位置に対応する点の座標は、駆動部7の位置センサ及びエン
コーダによって自動的に取得される。このような第2方法によって、管理者及びプレイヤ
は、景品取得部6を自由に移動させることができるとともに、景品取得部の移動経路上の
点の座標を取得することができる。
【0107】
また、第1方法及び第2方法のいずれか一方を使用する場合、景品取得部6は、駆動部
7のレール(後述する第1レール711及び/又は第2レール721)に沿って移動され
る。駆動部7のレールは、長手方向が景品支持面401に平行するように設けられている
。よって、景品取得部6は、その重心が景品支持面401に平行する所定の面601(図
1参照)において移動することができる。
【0108】
景品取得部6の接近移動は、景品に接近して景品を把持するために、所定の面移動が行
われた後に、自動的にZ方向下降方向に沿って行われる移動である。また、景品取得部6
の接近移動は、制御部15の制御のもとで、駆動部7によって駆動される移動である。具
体的には、景品取得部6の面移動が行われた後、すなわち、景品取得部6の所定の面60
1にある接近開始点に停止した後に、制御部15の制御のもとで、アーム駆動部63が、
設定開度で一体のアーム61を開いてから、駆動部7が、初期設定に基づいて、景品取得
部6の接近移動を駆動する。その後、景品取得部6のアーム61が所定の閾値以上の移動
となると、又は景品取得部6の本体部60の底部67が所定の圧力で景品を押し付けたこ
とを底部センサにより検出すると、本体部60の接近移動が停止される。その後、制御部
15の制御のもとで、アーム61による景品又は景品支持部40への圧力を調整する第1
圧力調整、又は本体部60による景品への圧力を調整する第2圧力調整が行われる。
【0109】
ここで、第1圧力調整は、景品取得部6のアーム61が所定の閾値以上の移動となると
き、本体部60の接近移動を停止させることで、アーム61による景品又は景品支持部4
0への圧力を軽減するための調整である。第2圧力調整は、本体部60の底部67と景品
との位置調整によって行われている。具体的には、本体部60の底部67が所定の圧力で
景品を押し付けたことを底部センサにより検出すると、本体部60の接近移動を停止させ
た後に、本体部60を遠離方向に沿って第1距離で移動させてから停止させることで、本
体部60による景品への圧力を軽減するための調整である。
【0110】
また、第2圧力調整に係る第1距離は、本体部60の底部67と景品との接触を維持し
つつ、本体部60が景品に与える圧力を所定値に軽減できる距離であり、例えば、数ミリ
である。なお、第1距離は、制御部15が、景品の種類に応じて、本体部60の底部67
と景品との接触を維持しつつ、本体部60が景品に与える圧力を所定値に軽減するように
決定されるものである。このような第1距離により、本体部60による景品への圧力の軽
減を実現しつつ、本体部60の景品に対する姿勢をほぼ変化しない状態に維持することが
できる。よって、第2圧力調整による景品取得動作への影響を抑制することができる。な
お、底部67に搭載された接触センサや測距センサ等を含む底部センサにより、景品に圧
力をかける前にアーム61による景品又は景品支持部40への圧力を軽減させるようにし
てもよい。
【0111】
一対のアーム61の開閉移動は、制御部15の制御のもとで、景品取得部6の位置変化
に伴い変化する。具体的には、一対のアーム61は、景品取得部6が待機位置にいるとき
に閉じており、景品取得部6が面移動を介して接近開始点に移動した後に設定開度で開き
、景品取得部6が接近移動を行って停止した後に景品を把持するように閉じ、そして、景
品取得部6が遠離移動を介して景品投入位置に移動した後に、把持した景品を解放するよ
うに開いた後に再び閉じる。その後、景品取得部6は、一対のアーム61が閉じたままの
状態で、待機位置に戻る。
【0112】
[駆動部7]
続いて、
図1及び
図19乃至
図28を参照しつつ、駆動部7の詳細について説明する。
【0113】
駆動部7は、景品取得部6を駆動部7から吊り下げるように支持し、かつ、制御部15
の制御に基づいて、ゲーム空間Sの所定の面601において景品取得部6を駆動するため
の構成である。駆動部7は、景品取得部6のX方向移動を駆動する第1駆動部71と、景
品取得部6のY方向移動を駆動する第2駆動部72と、景品取得部6のZ方向移動を駆動
する第3駆動部73と、を有する。また、駆動部7は、制御部15と通信可能に構成され
、制御部15とともに、第1駆動部71、第2駆動部72、及び第3駆動部73のそれぞ
れの電気構成を制御するための制御基板70を有する。
【0114】
第1駆動部71は、第1レール711と、第1レール711の一端側に設けられた第1
モータ712及び第1エンコーダ713と、第1レール711の長手方向に沿って設けら
れたX方向原点センサ715及び3つのX方向位置センサ714と、第1レール711の
両端に設けられたドグ716と、第1レール711の両端部側に設けられた第1レール7
11を支持部34に取り付けるための取付構成717と、を有する。
【0115】
第1レール711は、第1駆動部71のローラと支持部34のレール341との取付に
よって、幅方向に沿って、支持部34に対して移動可能のように設けられている。なお、
第1レール711の長手方向が景品支持面401に平行するように設けられているため、
第1レール711の長手方向は、景品取得部6の移動のX方向に該当する。
【0116】
第1モータ712は、第2駆動部72及び第3駆動部73を第1レール711(すなわ
ち、X方向)に沿って移動させることで、第3駆動部73に取り付けられた景品取得部6
のX方向移動を実現する構成である。第1エンコーダ713は、第1モータ712の回転
状態(例えば、第1モータ712の回転の移動量や角度等)を検知することで、景品取得
部6がX方向で移動した距離を検知する構成である。このような第1エンコーダ713に
より、簡易な構成を用いて景品取得部6がX方向で移動した距離を正確に検知することが
できる。
【0117】
X方向原点センサ715及び3つのX方向位置センサ714は、景品取得部6の位置、
すなわち、景品取得部6の移動経路上の所定の点の座標を検知する位置センサの一例であ
る。X方向原点センサ715は、後述するY方向原点センサ725とともに、景品取得部
6の待機位置を原点として検知するセンサである。原点座標の取得により、景品取得部6
が所在する座標空間(XYZ空間)を確定できる。ここで、景品取得部6の待機位置は、
ゲーム空間Sのフロント側の端部の上方にある。また、景品取得部6の待機位置は、景品
取得ゲーム装置1の管理者が景品取得部6を手動で移動させることによって指定される位
置である。
【0118】
3つのX方向位置センサ714は、景品取得部6の移動経路上の点のX座標を検知する
センサである。2つのドグ716は、景品取得部6のX方向の移動範囲の両端に設けられ
た被検出片である。この2つのドグ716によって、景品取得部6が、X方向の移動範囲
内に移動することができる。
【0119】
第2駆動部72は、第2レール721と、第2レール721の一端側に設けられた第2
モータ722及び第2モータ722の回転状態を検知する第2エンコーダ723と、第2
レール721の長手方向に沿って設けられたY方向原点センサ725及び3つのY方向位
置センサ724と、第2レール721の両端に設けられたドグ726と、を有する。また
、第2駆動部72は、第2レール721の両端に設けられた、支持部34のレール342
に移動可能に取り付けるためのローラ727と、第1レール711に移動可能に取り付け
るための取付部728と、を有する。
【0120】
第2レール721は、ローラ727及び支持部34のレール342の取付と、取付部7
28及び第1レール711の取付とによって、奥行方向に沿って、支持部34及び第1駆
動部71に対して移動可能のように設けられている。なお、第2レール721の長手方向
が景品支持面401に平行するように設けられているため、第2レール721の長手方向
が第2レール721の長手方向は、景品取得部6の移動のY方向に該当する。
【0121】
第2モータ722は、第3駆動部73及び第1駆動部71を第2レール721(すなわ
ち、Y方向)に沿って移動させることで、第3駆動部73に取り付けられた景品取得部6
のY方向移動を実現する構成である。第2エンコーダ723は、第2モータ722の回転
状態(例えば、第2モータ722の回転の移動量や角度等)を検知することで、景品取得
部6がY方向で移動した距離を検知する構成である。このような第2エンコーダ723に
より、簡易な構成を用いて景品取得部6がY方向で移動した距離を正確に検知することが
できる。
【0122】
Y方向原点センサ725及び3つのY方向位置センサ724は、景品取得部6の位置、
すなわち、景品取得部6の移動経路上の所定の点の座標を検知する位置センサの一例であ
る。Y方向原点センサ725は、X方向原点センサ715とともに、景品取得部6の待機
位置を原点として検知するセンサである。3つのY方向位置センサ724は、景品取得部
6の移動経路上の点のY座標を検知するセンサである。2つのドグ726は、景品取得部
6のY方向の移動範囲の両端に設けられた被検出片である。この2つのドグ726によっ
て、景品取得部6が、Y方向の移動範囲内に移動することができる。
【0123】
第3駆動部73は、本体部730と、景品取得部6を昇降可能に支持する支持部731
と、を有する。
【0124】
支持部731は、
図23に示すように、順次小径となっている4本のパイプ7311,
7312,7313,7314を入子式で摺動自在に嵌合させて形成された伸縮管である
。パイプ7311,7312,7313,7314は、それぞれの周面に設けられたスト
ッパ7315と溝7316との係合によって、互いに回転せずかつ抜け落ちないように構
成されている。また、支持部731は、パイプ7311の上方に設けられた上端部733
0と、パイプ7314の下方に設けられた下端部7350と、を有する。支持部731は
、上端部7330と本体部730の筐体との連結と、下端部7350と景品取得部6の取
付部62との連結を介して、景品取得部6を第3駆動部73に取り付けられている。
【0125】
景品取得部6が所定の面601に位置するとき、パイプ7311,7312,7313
,7314の重量が景品取得部6に掛かっている。一方、景品取得部6の接近移動の進行
に伴い、パイプ7312のストッパ7315がパイプ7311の溝7316の下端に達す
ることで、パイプ7312の重量がパイプ7311によって支持され、続いてパイプ73
13の重量がパイプ7312によって支持され、さらにその後、パイプ7314の重量が
パイプ7313によって支持された状態になる。
【0126】
本体部730は、
図22及び
図24に示すように、本体部730の筐体の内部に設けら
れた、景品取得部6に取り付けられた巻取巻戻部732と、巻取巻戻部732によって巻
き取られたワイヤ734と、を有する。
【0127】
巻取巻戻部732は、
図22及び
図24に示すように、第3モータ733と、図示され
ていない減速ギア部と、ワイヤ巻取りプーリ735と、Z方向移動停止部737と、付勢
力調整部739と、を有する。第3モータ733は、減速ギア部の減速を介して、ワイヤ
巻取りプーリ735を正回転又は逆回転させることで、ワイヤ734の繰り出し又は巻き
取りを実現している。ワイヤ734の繰り出し又は巻き取りによって、ワイヤ734に固
定された景品取得部6が、Z方向に接近移動又は遠離移動を行うことができる。この場合
、繰り出し又は巻き取りによるワイヤ734の長さの変化に伴い、支持部731はZ方向
に伸縮する。
【0128】
Z方向移動停止部737は、本体部60の接近移動によって、本体部60の底部67が
景品と当接して所定の圧力で景品を押し付けるとき、本体部60のZ方向移動、すなわち
、接近移動又は上昇移動を停止させるための構成である。Z方向移動停止部737は、ド
グ回転軸7371と、ドグ回転軸7371を中心として揺動可能な揺動アーム7372と
、揺動アーム7372の一端に設けられ揺動アーム7372とともに揺動するZ方向ドグ
7373と、揺動アーム7372に回転可能に支持されたテンションプーリ7374と、
テンションプーリ7374をワイヤ734に押し付けるようにして、景品取得部6を吊り
上げる方向へ揺動アーム7372を付勢するコイルばね7375と、Z方向の接近移動(
下降移動)を停止させるための接近停止センサ7376と、Z方向の上昇移動を停止させ
るための上昇停止センサと、有する。
【0129】
ワイヤ734は、一端が巻取巻戻部732のワイヤ巻取りプーリ735によって巻き取
られており、他端がZ方向移動停止部737のテンションプーリ7374から繰り出され
て、支持部731のパイプ7311,7312,7313,7314の内側を通過するよ
うになっている。また、ワイヤ734の他端には、
図23に示すように、パイプ7314
内に上下動可能な円柱状の連結部738が設けられている。ワイヤ734は、連結部73
8を介して、景品取得部6の取付部62に固定されている。このように、景品取得部6は
、ワイヤ734に吊られるように設けられている。
【0130】
付勢力調整部739は、
図22及び
図24に示すように、コイルばね7375による吊
り上げ方向への付勢力を変更するための構成である。付勢力調整部739は、可動抑え板
部材7391と、調整ツマミ7392と、調整ツマミ7392を支持するツマミ支持部材
7394と、を有する。
【0131】
可動抑え板部材7391は、ドグ回転軸7371に回転可能に取り付けられている板状
部材であり、コイルばね7375の端部が当接するように配置されている。ここで、コイ
ルばね7375は、一端が揺動アーム7372に引っ掛けられて固定され、他端が可動抑
え板部材7391に引っ掛けられている。このため、ドグ回転軸7371を中心に可動抑
え板部材7391を回転させると、回転量に応じてコイルばね7375の付勢力、すなわ
ち、テンションプーリ7374をワイヤ734に押し付けるようにして、景品取得部6を
吊り上げる方向へ揺動アーム7372を付勢する際の付勢力の強弱が変化する。
【0132】
調整ツマミ7392は、可動抑え板部材7391の角度を変化させるための部材であり
、回転量に応じて先端部7393の位置を変位させるネジ部を有する。先端部7393は
、可動抑え板部材7391の外側面に当接し、コイルばね7375の反発力に抗して押さ
え付けるように設けられている。
【0133】
また、調整ツマミ7392は、本体部730の筐体に取り付けられたツマミ支持部材7
394により、好ましくは2箇所で回転可能に支持されている。調整ツマミ7392のツ
マミ部分は、本体部730の筐体の外側に位置するので、管理者は、本体部730の筐体
の外側からツマミ部分を摘んで当該調整ツマミ7392を操作できるため付勢力の変更が
行いやすい。また、ネジ機構からなる調整ツマミ7392によれば、コイルばね7375
の付勢力を無段階で変更することができる。
【0134】
調整ツマミ7392を正転させて先端部7393を前進させると、可動抑え板部材73
91は
図27及び
図28に示すように押し込まれ、コイルばね7375の付勢力が増大し
て「ばね強」の状態となる。よって、景品取得部6を吊り上げる方向へ揺動アーム737
2を付勢するコイルばね7375の付勢力が増大することとなる結果、揺動アーム737
2及びワイヤ734を介して景品取得部6自体に作用する吊り上げ方向への付勢力も増大
することとなる。
【0135】
一方、調整ツマミ7392を逆転させて先端部7393を後退させると、可動抑え板部
材7391は
図25及び
図26に示すように該調整ツマミ7392の方へ戻り、コイルば
ね7375の付勢力が減少して「ばね弱」の状態となる。そうすると、景品取得部6を吊
り上げる方向へ揺動アーム7372を付勢するコイルばね7375の付勢力が減少するこ
ととなる結果、揺動アーム7372及びワイヤ734を介して景品取得部6自体に作用す
る吊り上げ方向への付勢力も減少することとなる。
【0136】
また、景品取得ゲーム装置として、景品の形状や大きさの変更、レイアウトの変更、景
品落下口5の位置変更等に応じ、アーム61の大きさや数を自在に変えられるようにした
ものがある。アーム61の大きさや数を変えると、景品取得部6の重量が変わる。景品取
得部6の重量が変わった場合に、コイルばね7375の付勢力を適宜変更することによっ
て、景品取得部6から景品に作用する押込み力を調整することができる。
【0137】
接近停止センサ7376は、本体部60が接近移動をしているとき、Z方向ドグ737
3の検知状態に基づいて、制御部15に本体部60の接近移動の停止要求を送信可能なセ
ンサである。具体的には、本体部60が接近移動を進行しかつ本体部60の底部67が景
品に当接しないとき、ワイヤ734に作用するZ方向下降方向の力は、ワイヤ734に作
用するZ方向上昇方向の力よりも大きい。この場合、ワイヤ734に作用するZ方向下降
方向の力は、本体部60の重量と、パイプ7311,7312,7313,7314の一
部又は全部の重量と、幾分かのケーブル64の重量とからなる合計重量である。ワイヤ7
34に作用するZ方向上昇方向の力は、コイルばね7375による吊り上げ方向への付勢
力である。このため、ワイヤ734は、
図25又は
図27に示すように、引っ張られた状
態である。この場合、Z方向ドグ7373は、
図24、
図25、及び
図27に示すように
、接近停止センサ7376の後方側に位置する。よって、接近停止センサ7376は、Z
方向ドグ7373を検知することができるので、制御部15に本体部60の接近移動の停
止要求を送信しない。その結果、制御部15の制御のもとで、第3モータ733によるワ
イヤ巻取りプーリ735への駆動が続けられるので、本体部60の接近移動が継続する。
【0138】
一方、本体部60の底部67が景品に当接して所定の圧力で景品を押し付けるとき、ワ
イヤ734に作用するZ方向下降方向の力は、ワイヤ734に作用するZ方向上昇方向の
力よりも小さくなる。この場合、ワイヤ734に作用するZ方向下降方向の力は、本体部
60の重量と、パイプ7311,7312,7313,7314の一部又は全部の重量と
、幾分かのケーブル64の重量とからなる合計重量である。一方、ワイヤ734に作用す
るZ方向上昇方向の力は、コイルばね7375による吊り上げ方向への付勢力と、景品に
よる前述した合計重量への反力とからなる合力である。このため、ワイヤ734は、
図2
6又は
図28に示すように、掛けられたテンションが緩くなった状態である。そして、コ
イルばね7375の作用により、Z方向ドグ7373は、揺動アーム7372とともに上
方へ揺動する。よって、接近停止センサ7376は、Z方向ドグ7373を検知できなく
なり、制御部15に本体部60の接近移動の停止要求を送信する。その結果、制御部15
の制御のもとで、第3モータ733によるワイヤ巻取りプーリ735への駆動が停止され
るので、本体部60の接近移動が停止する。また、本体部60の接近移動が停止した直後
に、制御部15の制御のもとで、第3モータ733によるワイヤ巻取りプーリ735への
駆動が再開されて、本体部60は、その底部と景品との接触を維持しつつ、本体部60が
景品に与える圧力を所定値に軽減するように、遠離方向に沿って、第1距離で移動してか
ら停止する。
【0139】
上昇停止センサは、本体部60がZ方向の上方にある所定の点(例えば、接近開始点又
は所定の面601にある任意点)に戻ったか否かを検知するためのセンサである。本体部
60がZ方向の上方にある所定の点に戻ったことを検知したとき、上昇停止センサは、制
御部15に本体部60の上昇移動の停止要求を送信する。その結果、制御部15の制御の
もとで、第3モータ733によるワイヤ巻取りプーリ735への駆動が停止されるので、
本体部60の上昇移動が停止する。一方、本体部60がZ方向の上方にある所定の点に戻
ったことを検知していないとき、上昇停止センサは、制御部15に本体部60の接近移動
の停止要求を送信しない。その結果、制御部15の制御のもとで、第3モータ733によ
るワイヤ巻取りプーリ735への駆動が続けられるので、本体部60の上昇移動が継続す
る。
【0140】
以下の説明では、駆動部7のX方向原点センサ715、3つのX方向位置センサ714
、Y方向原点センサ725、及び3つのY方向位置センサ724を「位置センサ」と総称
し、第1モータ712、第2モータ722、及び第3モータを「モータ」と総称し、第1
エンコーダ713及び第2エンコーダ723を「エンコーダ」と総称することがある。
【0141】
<制御部15の詳細>
次に、
図29乃至
図36を参照しつつ、制御部15の詳細について説明する。
図29は
、制御部15の機能的構成を示す図である。
図30は、制御部15による使用モード設定
処理制御のフローチャートである。
図31は、制御部15による景品取得ゲームのメイン
処理制御のフローチャートである。
図32乃至35は、
図31のステップS10、ステッ
プS20、ステップS30、ステップS50の詳細を説明するためのフローチャートであ
る。
図36は、
図35のステップS56の詳細を説明するためのフローチャートである
【0142】
(制御部15の機能的構成)
制御部15は、
図29に示すように、格納部13、タイマ14、操作ユニット8、表示
ユニット9、景品取得部6、電飾部35、駆動部7の制御基板70、及び落下検知センサ
53に接続されている。また、制御部15は、制御基板70との接続を介して、景品取得
部6の各センサと、駆動部7の各位置センサ、各モータ、及び各エンコーダと、に接続さ
れている。このように、制御部15は、ユーザによって硬貨投入口10に所定のプレイ料
金が投入されたことを検知すると又は管理者キーKのIDを識別できたと、上記の構成へ
の制御を開始する。
【0143】
具体的には、制御部15は、ユーザが操作ユニット8の第1ボタン831及び第2ボタ
ン832又は表示ユニット9の表示操作パネル91を介して入力した移動要求と、タイマ
14が取得した時刻情報と、を受信した上で、格納部13に格納されたデータ及びプログ
ラムに基づいて、景品取得部6のアーム駆動部63及び駆動部7の各モータを駆動し、景
品取得部6の本体部60の移動(面移動及びZ方向移動)及び一対のアーム61の開閉移
動を行わせて、景品取得ゲームを実施させる。ここで、本体部60の移動では、制御部1
5は、例えば、面移動を行わせた後に、Z方向移動を行わせる。また、制御部15は、景
品取得ゲームの進行状況等に応じた演出照明や効果音を出力すべく、電飾部35及びスピ
ーカ等の出力制御を実行する。
【0144】
また、制御部15は、駆動部7の各位置センサ、落下検知センサ53、アーム駆動部6
3の開度センサ635、表示ユニット9の管理者キー識別部93の挿入検知センサ96、
及びタイマ14から送信された、第2方法によって移動された景品取得部6の複数のプレ
イの各々のプレイ情報、又は第1方法によって移動された景品取得部6の移動情報を受信
して格納部13に格納することができる。
【0145】
ここで、プレイ情報は、各プレイに対応する移動情報及びプレイ履歴を含む。移動情報
は、駆動部7の各位置センサ及び各エンコーダによって取得された、上述した第1方法及
び第2方法によって移動された景品取得部6のゲーム空間Sにおける過去移動の情報であ
る。プレイ履歴は、タイマ14によって取得された各プレイが行われた時刻、落下検知セ
ンサ53によって取得された各プレイに対応する景品取得の有無、1つの景品を取得する
ために連続プレイを行った回数、及び連続プレイによる取得された景品の数等を含む。
【0146】
また、制御部15は、景品取得部6と景品又は景品支持部40との当接状態に基づいて
、アーム61による景品又は景品支持部40への圧力を調整する第1圧力調整、又は本体
部60による景品への圧力を調整する第2圧力調整を行うことができる。制御部15は、
景品取得部6のアーム61が所定の閾値以上の移動となったとき、第1圧力調整を行う。
また、制御部15は、本体部60の底部が所定の圧力で景品を押し付けるとき、第2圧力
調整を行う。第1圧力調整は、本体部60の接近移動を停止させることで、アーム61に
よる景品又は景品支持部40への圧力を軽減するための調整である。第2圧力調整は、本
体部60の接近移動を停止させた後に、本体部60を遠離方向に沿って第1距離で移動さ
せてから停止させることで、本体部60による景品への圧力を軽減するための調整である
。
【0147】
また、制御部15は、景品の種類に応じて、本体部60の底部67と景品との接触を維
持しつつ、本体部60が景品に与える圧力を所定値に軽減するように、第1距離を決定す
ることができる。
【0148】
(制御部15による制御)
続いて、
図1、及び
図30乃至
図36を参照しつつ、制御部15による景品取得ゲーム
への制御の一例について詳細に説明する。なお、設定によって、制御部15は、異なる景
品取得ゲームへの制御を行うことができる。
【0149】
制御部15は、使用モード設定処理(すなわち、管理モード又はプレイヤモードの設定
)を行った上で、設定された使用モードにおいて景品取得ゲームを実施するためのメイン
処理を実行する。
【0150】
まず、
図30を参照しつつ、制御部15による使用モード設定処理を説明する。
【0151】
使用モード設定処理において、制御部15は、まず、管理者キー識別部93の読取基板
95からの送信の有無に基づいて、管理者キーのIDが識別されたか否かを判断する(ス
テップS1)。管理者キーのIDが識別されたと判断した場合(ステップS1のYES)
、制御部15は、管理者キー識別部93の挿入検知センサ96からの送信の有無を判断す
る(ステップS2)。挿入検知センサ96からの送信があると判断した場合(ステップS
2のYES)、制御部15は、景品取得ゲーム装置1の左側のセットの設定処理を起動す
る(ステップS3)。そして、制御部15は、管理モードが設定されたか否かを判断する
(ステップS5)。管理モードが設定されたと判断した場合(ステップS5のYES)、
制御部15は、管理モードを起動して(ステップS6)、使用モード設定処理を終了させ
る。
【0152】
一方、管理者キーのIDが識別されていないと判断した場合(ステップS1のNO)、
制御部15は、処理をステップS1へ戻す。挿入検知センサ96からの送信がないと判断
した場合(ステップS2のNO)、制御部15は、景品取得ゲーム装置1の右側のセット
の設定処理を起動する(ステップS4)。管理モードが設定されていないと判断した場合
(ステップS5のNO)、制御部15は、プレイヤモードを起動して(ステップS7)、
使用モード設定処理を終了させる。
【0153】
次に、
図31乃至
図36を参照しつつ、制御部15によるメイン処理を説明する。
【0154】
(ステップS10)
まず、制御部15は、初期化処理を行う(ステップS10)。
【0155】
ステップS10において、制御部15は、
図32に示すように、まず、景品取得部6の
原点位置が設定されたか否かを判断する(ステップS11)。景品取得部6の原点位置が
設定されたと判断した場合(ステップS11のYES)、制御部15は、景品取得部6の
移動範囲が設定されたか否かを判断する(ステップS13)。景品取得部6の移動範囲が
設定されたと判断した場合(ステップS13のYES)、制御部15は、景品取得部6の
景品投入位置が設定されたか否かを判断する(ステップS15)。景品取得部6の景品投
入位置が設定されたと判断した場合(ステップS15のYES)、制御部15は、初期化
処理を終了させる。
【0156】
一方、景品取得部6の原点位置が設定されていないと判断した場合(ステップS11の
NO)、制御部15は、原点の設定指示を表示操作パネル91に表示する(ステップS1
2)。この場合、管理者が、原点の設定指示に基づいて、第1方法によって手動で景品取
得部6を待機位置に移動させることができる。景品取得部6が待機位置に停止すると、駆
動部7のX方向原点センサ715及びY方向原点センサ725は、景品取得部6の待機位
置の座標を取得して制御部15に送信する。そして、制御部15は、待機位置を原点とし
て設定し、その情報を格納部13に格納した上で、処理をステップS13へ進む。
【0157】
同様に、景品取得部6の移動範囲が設定されていないと判断した場合(ステップS13
のNO)、制御部15は、移動範囲の設定指示を表示操作パネル91に表示する(ステッ
プS14)。この場合、管理者が、移動範囲の設定指示に基づいて、第1方法によって手
動で景品取得部6を希望の移動範囲に沿って移動させることができる。そして、駆動部7
のX方向位置センサ714、Y方向位置センサ724、第1エンコーダ713、及び第2
エンコーダ723は、移動経路上の点の座標を取得して制御部15に送信する。そして、
制御部15は、移動範囲情報を格納部13に格納した上で、処理をステップS15へ進む
。
【0158】
また、景品取得部6の景品投入位置が設定されていないと判断した場合(ステップS1
5のNO)、制御部15は、景品投入位置の設定指示を表示操作パネル91に表示する(
ステップS104)。この場合、管理者が、景品投入位置の設定指示に基づいて、第1方
法によって手動で景品取得部6を希望の景品投入位置に移動させることができる。そして
、駆動部7のX方向位置センサ714、Y方向位置センサ724、第1エンコーダ713
、及び第2エンコーダ723は、移動経路上の点の座標を取得して制御部15に送信する
。そして、制御部15は、景品投入位置情報を格納部13に格納した上で、初期化処理を
終了させる。
【0159】
(ステップS20)
図31の説明に戻る。使用モード設定処理において、プレイモードが選択された場合、
制御部15は、同一人判断処理を行う(ステップS20)。
【0160】
ステップS20において、制御部15は、
図33に示すように、まず、今回プレイの開
始時刻に関するプレイ情報を取得して格納部13に格納し(ステップS21)、その後、
今回プレイの開始時刻と、格納部13に格納された直前回プレイの終了時刻と、の時間間
隔に関するプレイ情報を計算して、格納部13に格納する(ステップS22)。次に、制
御部15は、取得した時間間隔は、所定の時間間隔(例えば、60秒)以下であるか否か
を判断する(ステップS23)。所定の時間間隔以下であると判断した場合(ステップS
23のYES)、制御部15は、両プレイは同一人によるプレイと判断し、直前回プレイ
のプレイ情報又は直前回プレイのプレイ情報に紐付けられたプレイ情報を、同一のプレイ
ヤに紐付けて(ステップS24)、同一人判断処理を終了させる。
【0161】
一方、所定の時間間隔を超えたと判断した場合(ステップS23のNO)、制御部15
は、両プレイは非同一人によるプレイと判断し、直前回プレイのプレイ情報又は直前回プ
レイのプレイ情報に紐付けられたプレイ情報を、同一のプレイヤに紐付けせずに(ステッ
プS25)、同一人判断処理を終了させる。
【0162】
(ステップS30)
図31の説明に戻る。次に、制御部15は、景品取得部6の面移動処理を行う(ステッ
プS30)。
【0163】
ステップS30において、制御部15は、
図34に示すように、まず、景品取得部6の
X方向移動を行わせる。具体的には、制御部15は、プレイヤによる第1ボタン831の
押下の有無を判断する(ステップS31)。プレイヤによる第1ボタン831の押下があ
ると判断した場合(ステップS31のYES)、制御部15は、第1ボタン831からの
操作信号に基づいて、第1モータ712を動作させて、待機位置(原点)に位置していた
景品取得部6のX方向移動を開始させる(ステップS32)。その次に、制御部15は、
X方向のドグ716からの移動限界検出信号に基づいて、景品取得部6がX方向の移動範
囲の限界位置にまで移動したか否かを判断する(ステップS33)。景品取得部6がX方
向の移動範囲の限界位置にまで移動していないと判断した場合(ステップS33のNO)
、制御部15は、プレイヤによる第1ボタン831の押下が解除されたか否かを判断する
(ステップS34)。プレイヤによる第1ボタン831の押下が解除されたと判断した場
合(ステップS34のYES)、制御部15は、景品取得部6のX方向移動を停止させる
(ステップS35)。ステップS35が行われた後、景品取得部6は、X方向移動の停止
位置、すなわち方向変更点に位置する。そして、制御部15は、駆動部7の位置センサ及
びエンコーダによって送信されたプレイ情報、すなわち、方向変更点の座標情報を取得し
、格納部13に格納する(ステップS36)。
【0164】
続いて、制御部15は、景品取得部6のY方向移動を行わせる。具体的には、制御部1
5は、プレイヤによる第2ボタン832の押下の有無を判断する(ステップS37)。プ
レイヤによる第2ボタン832の押下があると判断した場合(ステップS37のYES)
、制御部15は、第2ボタン832からの操作信号に基づいて、第2モータ722を動作
させて、方向変更点にある景品取得部6のY方向移動を開始させる(ステップS38)。
その次に、制御部15は、Y方向のドグ726からの移動限界検出信号に基づいて、景品
取得部6がY方向の移動範囲の限界位置にまで移動したか否かを判断する(ステップS3
9)。景品取得部6がY方向の移動範囲の限界位置にまで移動していないと判断した場合
(ステップS39のNO)、制御部15は、プレイヤによる第2ボタン832の押下が解
除されたか否かを判断する(ステップS40)。プレイヤによる第2ボタン832の押下
が解除されたと判断した場合(ステップS40のYES)、制御部15は、景品取得部6
のY方向移動を停止させる(ステップS41)。ステップS41が行われた後、景品取得
部6は、Y方向移動の停止位置、すなわち接近開始点に位置する。そして、制御部15は
、駆動部7の位置センサ及びエンコーダによって送信されたプレイ情報、すなわち、接近
開始点の座標情報を取得し、格納部13に格納して(ステップS42)、面移動処理を終
了させる。
【0165】
一方、上記面移動処理において、プレイヤによる第1ボタン831の押下がないと判断
した場合(ステップS31のNO)、制御部15は、処理をステップS37へ進む。景品
取得部6がX方向の移動範囲の限界位置にまで移動したと判断した場合(ステップS33
のYES)、制御部15は、処理をステップS35へ進む。プレイヤによる第1ボタン8
31の押下が解除されていないと判断した場合(ステップS34のNO)、制御部15は
、処理をステップS33へ戻す。プレイヤによる第2ボタン832の押下がないと判断し
た場合(ステップS37のNO)、制御部15は、面移動処理を終了させる。景品取得部
6がY方向の移動範囲の限界位置にまで移動したと判断した場合(ステップS39のYE
S)、制御部15は、処理をステップS41へ進む。プレイヤによる第2ボタン832の
押下が解除されていないと判断した場合(ステップS40のNO)、制御部15は、処理
をステップS39へ戻す。
【0166】
(ステップS50)
図31の説明に戻る。景品取得部6の面移動処理を終了した後に、制御部15は、景品
取得部6の景品取得処理を行う(ステップS50)。
【0167】
ステップS50において、制御部15は、
図35に示すように、まず、景品取得部6の
接近移動、アーム61の開閉移動、及び圧力調整を行わせる。具体的には、制御部15は
、景品取得部6のアーム駆動部を作動させて、接近開始点にある景品取得部6の一対のア
ーム61を設定開度で開かせる(ステップS51)。そして、制御部15は、第3モータ
733を作動させて、景品取得部6のZ方向下降方向への移動、すなわち接近移動を開始
させて(ステップS52)。その次に、制御部15は、開度センサ635からの、アーム
61が景品又は景品支持部40との当接によって所定の閾値以上の移動となることを検知
した場合の検知信号の有無を判断する(ステップS53)。開度センサ635からの検知
信号があると判断した場合(ステップS53のYES)、制御部15は、アーム61によ
る景品又は景品支持部40への圧力を軽減するための第1圧力調整を行う(ステップS5
5)。ステップS55において、制御部15は、景品取得部6の接近移動を停止させる。
そして、制御部15は、景品取得部6のアーム駆動部を作動させて、一対のアーム61を
閉じさせることにより、景品を把持する動作を行わせる(ステップS57)。
【0168】
続いて、制御部15は、景品取得部6の景品投入位置への移動を行わせる。具体的には
、制御部15は、一対のアーム61を閉じさせた後に、第3モータ733を作動させて、
景品取得部6のZ方向上昇方向移動、すなわち遠離移動を開始させる(ステップS58)
。その次に、制御部15は、上昇停止センサからの上昇移動の停止要求の有無に基づいて
、景品取得部6がZ方向の移動範囲の限界位置まで移動したか否かを判断する(ステップ
S59)。上昇停止センサからの上昇移動の停止要求があると判断した場合(ステップS
59のYES)、制御部15は、景品取得部6のZ方向上昇方向移動(遠離移動)を停止
させる(ステップS60)。次いで、制御部15は、第2モータ722及び第1モータ7
12を順次作動させ、景品投入位置に向けて景品取得部6を移動させる(ステップS61
)。ステップS61において、制御部15は、景品取得部6のY方向移動及びX方向移動
を行わせる。続いて、制御部15は、景品取得部6が景品投入位置に到達したか否かを判
断する(ステップS62)。景品取得部6が景品投入位置に到達したと判断した場合(ス
テップS62のYES)、制御部15は、景品取得部6のアーム駆動部を作動させて、一
対のアーム61を開かせてから、閉じさせる(ステップS63)。
【0169】
ここで、ステップS57において一対のアーム61が景品を把持した場合、ステップS
63において、一対のアーム61の開きによって、景品が第1落下口51に落下する。景
品が落下した場合、その景品が第2落下口52を通過して、景品収容部11に一時的に収
容される。また、景品は、第2落下口52を通過するときに落下検知センサ53によって
検知される。よって、各プレイで景品の取得の有無を検知することができる。そして、制
御部15は、落下検知センサ53によって送信された景品取得の有無情報に関するプレイ
情報を取得し、格納部13に格納して(ステップS64)、景品取得処理を終了させる。
こうして、制御部15は、メイン処理を終了させる。
【0170】
一方、開度センサ635からの検知信号がないと判断した場合(ステップS53のNO
)、制御部15は、接近停止センサ7376からの、本体部60の底部67が景品と当接
して所定の圧力で景品を押し付けることを検知した場合の検知信号の有無を判断する(ス
テップS54)。接近停止センサ7376からの検知信号があると判断した場合(ステッ
プS54のYES)、制御部15は、本体部60による景品への圧力を軽減するための第
2圧力調整を行う(ステップS56)。ステップS56において、制御部15は、
図36
に示すように、本体部60の接近移動を停止させてから(ステップS561)、本体部6
0の遠離移動を開始させる(ステップS562)。その次に、制御部15は、本体部60
が遠離方向に沿って第1距離を移動したか否かを判断する(ステップS563)。ステッ
プS563において、制御部15は、景品の種類に応じて、本体部60の底部67と景品
との接触を維持しつつ、本体部60が景品に与える圧力を所定値に軽減するように、第1
距離を決定する。本体部60が遠離方向に沿って第1距離を移動したと判断した場合(ス
テップS563のYES)、制御部15は、本体部60の遠離移動を停止させて(ステッ
プS564)、第2圧力調整を終了させる。一方、本体部60が遠離方向に沿って第1距
離を移動していないと判断した場合(ステップS563のNO)、制御部15は、処理を
ステップS563へ戻す。
【0171】
また、上昇停止センサからの上昇移動の停止要求がないと判断した場合(ステップS5
9のNO)、制御部15は、処理をステップS59へ戻す。景品取得部6が景品投入位置
に到達していないと判断した場合(ステップS62のNO)、制御部15は、処理をステ
ップS62へ戻す。
【0172】
(ステップS70,90,110)
図31の説明に戻る。景品取得部6の景品取得処理を終了した後に、制御部15は、景
品取得部6を待機位置に移動させる(ステップS70)。その後、制御部15は、景品取
得部6が待機位置に到着したか否かを判断する(ステップS90)。景品取得部6が待機
位置に到着したと判断した場合(ステップS90のYES)、制御部15は、プレイの終
了時刻を取得して、格納部13に格納して(ステップS110)、メイン処理を終了させ
る。一方、景品取得部6が待機位置に到着していないと判断した場合(ステップS90の
NO)、制御部15は、処理をステップS90へ戻す。
【0173】
以上説明した実施形態に係る景品取得ゲーム装置1の景品展示部3を構成するための景
品支持部40においては、景品を直接又は間接的に支持する本体部41と、本体部41の
周縁に設けられた、景品支持部同士を連結する連結部42と、を備え、連結部42は、本
体部41に対して回転可能に設けられた回転部43と、回転部43の回転を案内しつつ、
回転部43の厚み方向の両側から回転部43を挟んで支持する支持部44と、を有し、回
転部43は、少なくとも厚み方向の一方側ある第1面431に設けられた、凸部又は凹部
である第1部432を有し、支持部44のうちの第1支持部45は、第1面431に向か
う第2面451に設けられた、第1部432に対応する凹部又は凸部である第2部452
を有し、第1部432及び第2部452は、回転可能に嵌め合っており、第1部432は
、回転部43の回転によって、一部が第2部452との嵌め合いを維持し、他の一部が他
の景品支持部40の第2部452と嵌め合えるように構成されている。その結果、ネジを
使用せずに、簡易な構成を用いて景品支持部同士の連結を実現でき、連結作業の生産性を
向上させることができる。具体的には、かかる構成を採用して連結作業を行う場合を、ネ
ジを使用して連絡作業を行う場合と比較して、連結作業に使用される部品の数を減少でき
るとともに、連結作業の簡易化を実現して、連結作業に掛かる手間やコストを軽減するこ
とができる。その結果、連結作業の生産性の向上を実現できる。
【0174】
また、以上説明した実施形態に係る景品支持部40において、第1部432は、第1側
面4321を有し、第2部452は、第1側面4321と接触する第2側面4521を有
し、第1面431を平面視するとき、第1側面4321及び第2側面4521のそれぞれ
の平面視形状は、円弧状をなしており、第1部432は、第1側面4321が第2側面4
521に沿ってスライドすることを介して、第2部452に対して回転可能なように設け
られてもよい。その結果、第2部452を第1部432の回転を案内する構成として使用
することができ、連結部42の構成の簡易化を実現できる。
【0175】
また、以上説明した実施形態に係る景品支持部40においては、支持部44のうちの第
1支持部45は、本体部41の側面である外周面411に開口する開口部47を含む収容
空間S2を有し、回転部43は、第1面431が外周面411に交差し、かつ回転によっ
て開口部47を通して収容空間S2に出入り可能なように、収容空間S2内に配置されて
もよい。その結果、回転部43の収容空間S2への出入りを容易に実現できる。
【0176】
以上説明した実施形態に係る景品支持部40においては、開口部47が他の景品支持部
40の開口部47と連通するように配置されるとき、第2部452の第2側面4521の
平面視形状と他の景品支持部40の第2部452の第2側面4521の平面視形状とが一
つの円周上に位置するように、構成されてもよい。その結果、景品支持部間の連結を円滑
かつ安定に行うことができる。
【0177】
また、以上説明した実施形態に係る景品支持部40において、第1部432及び第2部
452の互いに対向する表面には、凸部である第1ストッパの一例である第1底面ストッ
パ435及び第1側面ストッパ436と、第2ストッパ一例である第2底面ストッパ45
5及び第2側面ストッパ456とが設けられており、第1底面ストッパ435及び第1側
面ストッパ436と、第2底面ストッパ455及び第2側面ストッパ456とのうちのそ
れぞれに対応するストッパは、回転部の回転によって、互いに当接して、第1部432の
第2部452に対する回転を停止させるように設けられてもよい。その結果、簡易な構成
を用いて、第1部432の回転の停止を実現できる。
【0178】
また、以上説明した実施形態に係る景品支持部40においては、第1底面ストッパ43
5及び第1側面ストッパ436と、第2底面ストッパ455及び第2側面ストッパ456
とのうちのそれぞれに対応するストッパは、第1部432の他の一部が他の景品支持部4
0の第2部452と嵌め合うときに当接するように設けられてもよい。その結果、景品支
持部間の連結を簡易に維持することができる。
【0179】
また、以上説明した実施形態に係る景品支持部40においては、収容空間S2は、開口
部47と対向する側設けられた第2開口部48を有し、回転部43は、第1部432を含
む本体部430と、本体部430の回転を操作するためのノブ437と、を有し、ノブ4
37は、本体部430から第2開口部48を通して収容空間S2の外部へ伸び、かつ回転
することで第2開口部48の両端である第1端部4571及び第2端部4572と当接す
る可能なように設けられており、本体部430は、ノブ437が第2開口部48の第1端
部4571と当接するとき、本体部430の全体が収容空間S2内に収容され、ノブ43
7が第2開口部48の第2端部4572と当接するとき、第1部432の半分が収容空間
S2の外部に位置し他の景品支持部40の第2部452と嵌め合えるように、構成されて
もよい。その結果、簡易な構成を用いて、回転部43の回転範囲及び景品支持部間の連結
の安定性を調整することができる。
【0180】
以上説明した実施形態に係る景品取得ゲーム装置1においては、ゲーム空間Sを有する
景品展示部3と、ゲーム空間Sにおいて景品を支持する上述したいずれか1つの景品支持
部40と、を備えるものである。その結果、ネジを使用せずに、簡易な構成を用いて景品
支持部40同士の連結を実現でき、連結作業の生産性を向上させることができる。
【0181】
また、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、上述した形態に当業者
が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含さ
れる。すなわち、上述した実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サ
イズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、上
述した実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ
、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0182】
1…景品取得ゲーム装置
3…景品展示部
6…景品取得部
15…制御部
40…景品支持部
41…本体部
42…連結部
43…回転部
44…支持部
45…第1支持部
47…開口部
48…第2開口部
430…本体部
431…第1面
432…第1部
435…第1底面ストッパ
436…第1側面ストッパ
437…ノブ
451…第2面
452…第2部
455…第2底面ストッパ
456…第2側面ストッパ
4321…第1側面
4521…第2側面
4571…第1端部
4572…第2端部
S2…収容空間