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特開2023-133206電気プラグコネクタのハウジング、および電気プラグコネクタ
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  • 特開-電気プラグコネクタのハウジング、および電気プラグコネクタ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133206
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】電気プラグコネクタのハウジング、および電気プラグコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/627 20060101AFI20230914BHJP
   H01R 13/639 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
H01R13/627
H01R13/639 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023033754
(22)【出願日】2023-03-06
(31)【優先権主張番号】10 2022 105 676.7
(32)【優先日】2022-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】511051753
【氏名又は名称】ヴァーゴ・フェアヴァルトゥングスゲゼルシャフト・エムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】トーベン・オーバーホメルト
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ・マステル
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA02
5E021FA09
5E021FA14
5E021FB02
5E021FC27
5E021HC09
5E021JA01
(57)【要約】
【課題】電気プラグコネクタのハウジング、および電気プラグコネクタを提供すること。
【解決手段】本発明は、a)プラグコネクタの差込面からアクセス可能な少なくとも1つのプラグチャンバであって、プラグコネクタに対する相手側部片として形成された相手側プラグコネクタを差し込むことができる少なくとも1つのプラグチャンバを備え、b)少なくともプラグチャンバを外周側で取り囲み、相手側プラグコネクタをプラグチャンバに差し込むことができる差込方向に平行に延びる、4つの周壁を備え、c)少なくとも1つの周壁に、相手側プラグコネクタをプラグコネクタにロックするための少なくとも1つの弾性ばね式のロックタブが形成され、d)少なくとも1つのロックタブが、両側の切抜部によって周壁の材料から分離された材料舌片として形成される、電気プラグコネクタのハウジングに関する。本発明はさらに、上述したタイプのハウジングを備えた電気プラグコネクタに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気プラグコネクタ(1)のハウジング(2)であって、
a)前記プラグコネクタ(1)の差込面(10)からアクセス可能な少なくとも1つのプラグチャンバ(25)であって、前記プラグコネクタ(1)に対する相手側部片として形成された相手側プラグコネクタを差し込むことができる少なくとも1つのプラグチャンバ(25)を備え、
b)少なくとも前記プラグチャンバ(25)を外周側で取り囲み、前記相手側プラグコネクタを前記プラグチャンバ(25)に差し込むことができる差込方向(E)に平行に延びる、4つの周壁(21、22、23、24)を備え、
c)少なくとも1つの周壁(21、22、23、24)に、前記相手側プラグコネクタを前記プラグコネクタ(1)にロックするための少なくとも1つの弾性ばね式のロックタブが形成され、
d)前記少なくとも1つのロックタブが、両側の切抜部によって前記周壁(21、22、23、24)の材料から分離された材料舌片(3)として形成され、
e)前記ハウジング(2)が、前記分離された材料舌片(3)および前記両側の切抜部を跨って延びる少なくとも1つのフレーム部分(4)を有する、
ハウジング(2)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのフレーム部分(4)が、前記プラグチャンバ(25)から見て、前記フレーム部分(4)が跨って延びる前記材料舌片(3)の後方に配置されることを特徴とする請求項1に記載のハウジング。
【請求項3】
前記プラグチャンバ(25)への前記相手側プラグコネクタの差込み時に、前記ロックタブが、前記相手側プラグコネクタの前記差込方向(E)に垂直な方向に弾性的に撓むことができることを特徴とする請求項1または2に記載のハウジング。
【請求項4】
前記少なくとも1つのフレーム部分(4)が前記ロックタブのためのストッパを形成するように、前記ロックタブの撓み運動が、前記少なくとも1つのフレーム部分(4)によって、前記差込方向(E)に垂直な方向で制限されることを特徴とする請求項3に記載のハウジング。
【請求項5】
前記4つの周壁(21、22、23、24)が、互いに平行に配置された上壁(24)と下壁(22)、および互いに平行に配置され、前記上壁と前記下壁(22)に対して字実質的に直角に配置された2つの側壁(21、23)を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のハウジング。
【請求項6】
一方または両方の側壁(21、23)に、前記少なくとも1つの弾性ばね式のロックタブが形成され、前記ロックタブが、両側の切抜部によって前記側壁(21、23)の材料から分離された材料舌片(3)として形成されることを特徴とする請求項5に記載のハウジング。
【請求項7】
一方または両方の側壁(21、23)に、前記少なくとも1つのフレーム部分(4)が存在し、前記フレーム部分(4)が、前記側壁(21、23)で、前記分離された材料舌片(3)および前記両側の切抜部を跨って延びることを特徴とする請求項6に記載のハウジング。
【請求項8】
前記少なくとも1つのフレーム部分(4)が、第1の端部から第2の端部まで延び、前記第1の端部が、前記フレーム部分(4)が配置される前記側壁(21、23)、および/または前記上壁(24)に接続され、前記第2の端部が、前記フレーム部分(4)が配置される前記側壁(21、23)、および/または前記下壁(22)に接続されることを特徴とする請求項7に記載のハウジング。
【請求項9】
前記少なくとも1つのフレーム部分(4)が、前記分離された材料舌片(3)の根元領域よりも前記分離された材料舌片(3)の自由端の近くに配置されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のハウジング。
【請求項10】
前記少なくとも1つのフレーム部分(4)が、前記プラグコネクタ(1)の前記差込面(10)の一部を形成することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のハウジング。
【請求項11】
前記分離された材料舌片(3)が、前記プラグコネクタ(1)の前記差込面(10)において、前記分離された材料舌片(3)の自由端で終端することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のハウジング。
【請求項12】
前記分離された材料舌片(3)が、差込方向(E)で測定される長さを有し、前記分離された材料舌片(3)の前記長さは、前記差込方向(E)で測定される前記ハウジング(2)の長さの20~60%、特に前記ハウジング(2)の前記長さの30~50%であることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載のハウジング。
【請求項13】
前記分離された材料舌片(3)が、前記差込方向(E)に対して垂直に測定される幅を有し、前記幅が、前記差込方向(E)に垂直に測定される、前記材料舌片(3)が形成されている前記周壁(21、22、23、24)の幅の40~90%、特に前記周壁(21、22、23、24)の前記幅の50~80%であることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載のハウジング。
【請求項14】
前記少なくとも1つのフレーム部分(4)が、前記4つの周壁(21、22、23、24)を有する前記ハウジング(2)のハウジング基体(20)と一部片を形成するように設計されることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載のハウジング。
【請求項15】
前記少なくとも1つのフレーム部分(4)が、前記4つの周壁(21、22、23、24)を有する前記ハウジング(2)のハウジング基体(20)に固定される別個の構成部品として形成されることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載のハウジング。
【請求項16】
前記ハウジング(2)が、前記プラグコネクタ(1)のプラグ接点(5)を受け入れるための少なくとも1つの受入れチャンバを有することを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載のハウジング。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載のハウジング(2)と、前記プラグチャンバ(25)に差し込まれた相手側プラグコネクタによって電気的に接触可能な少なくとも1つのプラグ接点(5)とを備えた電気プラグコネクタ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
a)プラグコネクタの差込面からアクセス可能な少なくとも1つのプラグチャンバであって、プラグコネクタに対する相手側部片として形成された相手側プラグコネクタを差し込むことができる少なくとも1つのプラグチャンバを備え、
b)少なくともプラグチャンバを外周側で取り囲み、相手側プラグコネクタをプラグチャンバに差し込むことができる差込方向に平行に延びる、4つの周壁を備え、
c)少なくとも1つの周壁に、相手側プラグコネクタをプラグコネクタにロックするための少なくとも1つの弾性ばね式のロックタブが形成され、
d)少なくとも1つのロックタブが、両側の切抜部によって周壁の材料から分離された材料舌片として形成される
電気プラグコネクタのハウジングに関する。
【0002】
本発明はさらに、上述したタイプのハウジングを備えた電気プラグコネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、本発明は、電気プラグ接続の分野に関する。ここで、例えばWAGOシリーズ0832のピンストリップでは、そのような電気プラグコネクタは、ハウジングの外側の側壁がそれぞれのロックタブを有する多極ピンストリップの形態で知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の根底には、電気プラグコネクタのそのようなハウジング、およびそれを備えて形成された電気プラグコネクタをさらに改良するという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、冒頭で述べたタイプのハウジングにおいて、ハウジングが、分離された材料舌片および両側の切抜部を跨って延びる少なくとも1つのフレーム部分を有することによって解決される。ここで、フレーム部分は、分離された材料舌片および2つの切抜部上を延びる一種のブリッジを形成する。このようにして、分離された材料舌片によって周壁が脆弱化された位置で、ハウジングの安定性を大幅に高めることができる。したがって、分離された材料舌片が存在する周壁で、安定化する外形部分が追加され、これは、例えば上側ハウジング領域と下側ハウジング領域とをつなぐ。このようにして、機械的な負荷の下でハウジング部品が内側に窪む、または容易に外側に押し広げられる可能性を回避することができる。少なくとも1つのそのような安定化フレーム部分により、電気プラグコネクタの誤った差込みに対する保護および接触に対する保護を改良することができる。例えばテストフィンガが挿入されたときでも、ハウジングの望ましくない拡がりが回避される。これにより、ハウジングは、機能不全に対する改良された機械的抵抗力を生成する。フレーム部分は、特に差込方向に垂直な方向で材料舌片を跨って延びることができる。
【0006】
ここで、少なくとも1つのフレーム部分は、分離された材料舌片に面するプラグチャンバの側に配置することができる。フレーム部分は、そのフレーム部分が跨って延びる材料舌片に直接隣接して、例えば、分離された材料舌片を有する周壁と、これに平行な、上述した4つの周壁のうちの一つの周壁との間の距離の半分未満の距離で配置することができる。
【0007】
本発明の有利な形態によれば、少なくとも1つのフレーム部分が、プラグチャンバから見て、そのフレーム部分が跨って延びる材料舌片の後方に配置されることが企図されている。これは、少なくとも1つのフレーム部分によって、プラグチャンバへの相手側プラグコネクタの差込みが妨げられないという利点を有する。したがって、相手側プラグコネクタの差込みは、既知のプラグコネクタの場合と同様に行うことができる。したがって、少なくとも1つのフレーム部分は、プラグチャンバから見て、材料舌片よりもさらに外側に配置される。言い換えると、フレーム部分は、特に差込方向に垂直な方向における、外側で材料舌片を跨って延びる。
【0008】
本発明の有利な形態によれば、プラグチャンバへの相手側プラグコネクタの差込み時に、ロックタブが、相手側プラグコネクタの差込方向に垂直な方向に弾性的に撓むことができることが企図されている。これは、電気プラグコネクタのハウジングでの相手側プラグコネクタの確実なロックを可能にする。したがって、ロックタブは、ロックタブが配置されている周壁の平面から弾性的に曲げ出されることができる。プラグコネクタと相手側プラグコネクタとのロックは、例えばラッチ要素によって行うことができ、例えば、ロックタブに配置されたラッチ要素と、相手側プラグコネクタにあるそれに対応する相手側ラッチ要素とによって行うことができる。
【0009】
本発明の有利な形態によれば、少なくとも1つのフレーム部分がロックタブのためのストッパを形成するように、ロックタブの撓み運動が、少なくとも1つのフレーム部分によって、差込方向に垂直な方向で制限されることが企図されている。このようにして、ロックタブの不適切な過度の撓み、したがって起こり得る損傷が回避される。有利には、この機能をフレーム部分によって満たすことができるので、この目的のために追加の構成部品は必要ない。有利には、少なくとも1つのフレーム部分は、この目的のためにロックタブと重なる、例えばロックタブの自由端と重なるように配置される。
【0010】
本発明の有利な形態によれば、4つの周壁が、互いに平行に配置された上壁と下壁、および互いに平行に配置され、上壁と下壁に対して実質的に直角に配置された2つの側壁を含むことが企図されている。このようにして、プラグチャンバの実質的に長方形または正方形の断面輪郭を提供することができる。
【0011】
ここで、一方または両方の側壁に、少なくとも1つの弾性ばね式のロックタブを形成することができ、ロックタブが、両側の切抜部によって側壁の材料から分離された材料舌片として形成される。一方または両方の側壁に、少なくとも1つのフレーム部分が存在することがあり、フレーム部分が、それぞれの側壁で、分離された材料舌片および両側の切抜部を跨って延びる。したがって、フレーム部分は、上側および下側の周壁を安定させるように互いに接続する。
【0012】
本発明の有利な形態によれば、少なくとも1つのフレーム部分が、フレーム部分の第1の端部からフレーム部分の第2の端部まで延び、第1の端部が、フレーム部分が配置される側壁、および/または上壁に接続され、第2の端部が、フレーム部分が配置される側壁、および/または下壁に接続されることが企図されている。このようにして、プラグチャンバの周りに堅牢な実質的に四辺形のフレームを形成することができ、それによってハウジングは、切り抜かれた材料舌片の領域内でも支持されて安定化される。このようにして、フレーム部分は、相手側プラグコネクタのための差込開口部に、外周側で閉じたフレームを形成することができる。
【0013】
2つの側壁にそれぞれ1つのロックタブが、周壁の材料の両側で切り抜かれた部分である、分離された材料舌片として形成される場合、2つの側壁それぞれの領域内に1つのフレーム部分が存在することができ、フレーム部分は、それぞれの側壁で分離された材料舌片、および両側の切抜部を跨って延びる。2つのフレーム部分により、上壁および下壁の領域と共に、差込面の領域に実質的に四辺形のフレームを提供することができる。ここで、2つのフレーム部分間の距離は、2つの側壁間の距離よりも大きくすることができる。
【0014】
本発明の有利な形態によれば、少なくとも1つのフレーム部分が、分離された材料舌片の根元領域よりも、分離された材料舌片の自由端の近くに配置されることが企図されている。これにより、フレーム部分の安定化効果を最大化することができる。
【0015】
本発明の有利な形態によれば、少なくとも1つのフレーム部分が、プラグコネクタの差込面の一部を形成することが企図されている。これにより、少なくとも1つのフレーム部分は、機能的に及び設計の観点の両方において効果的に、ハウジングに統合されることができる。さらに、分離された材料舌片の自由端が、プラグコネクタの差込面で終端することができる。
【0016】
本発明の有利な形態によれば、分離された材料舌片が、差込方向で測定される長さを有し、この長さは、差込方向で測定されるハウジングの長さの20~60%の範囲内、特にハウジングの長さの30~50%の範囲内であることが企図されている。これにより、高い可動性および低い破損リスクを有する材料舌片を実現することができる。
【0017】
本発明の有利な形態によれば、分離された材料舌片が、差込方向に対して垂直に測定される幅を有し、その幅が、差込方向に垂直に測定される、材料舌片が形成されている周壁の幅の40~90%の範囲内、特に周壁の幅の50~80%の範囲内であることが企図されている。このようにして、材料舌片は、特に堅牢に設計することができ、さらに、相手側プラグコネクタをロックするためのラッチ要素を収容するための十分なスペースも提供する。分離された材料舌片の材料厚さは、例えば、割り当てられた周壁の材料厚さに実質的に対応することができる。
【0018】
本発明の有利な形態によれば、少なくとも1つのフレーム部分が、4つの周壁を有するハウジングのハウジング基体と一部片を形成するように設計されることが企図されている。これは、1つのフレーム部分または複数のフレーム部分を備えたハウジングを、1つの製造ステップ、例えばプラスチック射出成形プロセスで特に効率的かつ安価に製造することができるという利点を有する。
【0019】
本発明の有利な形態によれば、少なくとも1つのフレーム部分が、4つの周壁を有するハウジングのハウジング基体に固定される別個の構成部品として形成されることが企図されている。このようにして、ハウジングに、例えば使用者が取り付けることができる後付け可能なフレーム部分を提供することもできる。本発明の上述した構成は、例えば1つのフレーム部分がハウジング基体と一部片を形成するように設計され、別のフレーム部分が別個の構成部品として形成されるように、互いに組み合わせることもできる。
【0020】
本発明の有利な形態によれば、ハウジングが、プラグコネクタのプラグ接点を受け入れるための少なくとも1つの受入れチャンバを有することが企図されている。プラグチャンバに加えて存在するそのような受入れチャンバは、プラグ接点のための、例えばハウジング内でのプラグ接点の機械的ラッチ接続のための有利な取付け可能性を提供する。プラグ接点は、例えばピン接点またはブレード接点として形成することができる。この場合、プラグ接点は、プラグ接点がハウジングに取り付けられた状態でプラグチャンバ内に突出する接点ピンまたは接点ブレードを有する。受入れチャンバは、例えばプラグチャンバに隣接して配置することができ、例えばハウジング壁のみによってプラグチャンバから分離することができる。
【0021】
本発明の有利な形態によれば、材料舌片は、フレーム部分を越えては差込方向に突出しない。
本発明の有利な形態によれば、少なくとも1つのフレーム部分は、差込方向での材料舌片の長さの半分未満である、差込方向での寸法を有する。
【0022】
本発明の有利な形態によれば、側壁が、両側の切抜部を除いて、完全に閉じた壁として形成されることが企図されている。
本発明の有利な形態によれば、少なくとも1つのフレーム部分が、ハウジングの差込面側に配置されることが企図されている。
【0023】
冒頭で述べた課題は、さらに、上述したタイプのハウジングと、プラグチャンバに差し込まれた相手側プラグコネクタによって電気的に接触可能な少なくとも1つのプラグ接点とを備えた電気プラグコネクタによって解決される。これによっても、上述した利点が実現される。例えば、電気プラグコネクタは、2つの側壁で切り抜かれた材料舌片をロックタブとして有するハウジングを備えた単極ピンストリップとして形成することができる。
【0024】
本発明の意味において、不定詞「ein(ある1つの)」は、数字として理解されるべきではない。すなわち、例えば構成部品に言及するとき、これは「少なくとも1つの構成部品」の意味で解釈されるべきである。角度が度で表されている場合、これらは、360度(360°)の円周に関するものである。
【0025】
以下、図面を用いて例示的実施形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】電気プラグコネクタの斜視図である。
図2図1による電気プラグコネクタの側面図である。
図3】プラグコネクタのプラグ接点の斜視図である。
図4】プラグコネクタの部分断面側面図である。
図5】プラグコネクタの断面上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1に示される電気プラグコネクタ1は、4つの周壁21、22、23、24が形成されたハウジング基体20を有するハウジング2を有する。周壁21、22、23、24は、互いに平行に配置された左右にそれぞれ1つの側壁21、23、および同様に互いに平行に配置された上壁24と下壁22を形成する。側壁21、23はそれぞれ、下壁22および上壁24に対して実質的に直角に配置される。
【0028】
周壁21、22、23、24は、外周側でプラグチャンバ25を取り囲む。プラグチャンバ25内に電気プラグ接点5の一部が延び、電気プラグ接点5は、人が触れないようにするために接触保護要素6を有する。プラグチャンバ25に差し込まれる相手側プラグコネクタが、このプラグ接点5に電気的に接触することができる。このとき、相手側プラグコネクタは、差込方向Eでプラグチャンバ25に差し込むことができる。相手側プラグコネクタをプラグコネクタ1に接続することができる側は、差込面10とも呼ばれる。
【0029】
プラグチャンバ25に差し込まれた相手側プラグコネクタをプラグコネクタ1に確実にロック(換言すれば、固定)するために、ハウジング2の側壁21、23にはそれぞれのロックタブがあり、ロックタブは、両側の切抜部(換言すれば、切欠き部)によって側壁21、23の材料から分離された材料舌片3としてそれぞれ形成される。材料舌片3は、それらの自由端が差込面10に向かって延びる。各材料舌片3にはラッチ(換言すれば、係止)要素30があり、ラッチ要素30は、プラグコネクタ1への相手側プラグコネクタのロックを行うために、相手側プラグコネクタにある対応する相手側ラッチ要素と相互作用することができる。図示される例示的実施形態では、ラッチ要素30は、それぞれの材料舌片3の凹部として設計されている。しかし、ラッチ要素30は、材料突起として形成することもできる。
【0030】
このようにして、材料舌片3は、弾性ばね式のロックタブを形成し、ロックタブは、差込方向Eに垂直な方向に、すなわちそれぞれの側壁21、23の平面から出る方向に撓ませることができる。
【0031】
切抜部により脆弱化された側壁21、23は、それぞれのフレーム部分4によって安定化される。ここで、各材料舌片3にそれぞれ1つのフレーム部分4が割り当てられる、またはそのすぐ近くに配置される。フレーム部分4が外側に、すなわちプラグチャンバ25から見てそれぞれの材料舌片3の後方に配置されていることが分かる。ここで、それぞれのフレーム部分4は、それぞれ割り当てられた、分離された材料舌片3および関連の切抜部を跨って延びる。このために、それぞれのフレーム部分4は、その一端(上端)で、割り当てられた側壁21もしくは23および/または上壁24に接続することができる。それぞれのフレーム部分4は、その他端(下端)で、割り当てられた側壁21もしくは23および/または下壁22に接続することができる。
【0032】
図2は、プラグコネクタの長手方向または差込方向Eにおいて、それぞれの材料舌片3がそれに割り当てられたフレーム部分4と重なるように形成されていることを明瞭に示す。材料舌片3が外方向に撓められる場合、この撓み運動は、割り当てられたフレーム部分4によって制限される。したがって、フレーム部分4は、材料舌片3またはロックタブのためのストッパを形成する。
【0033】
図3は、例えばブレードまたはピン接点の形でプラグチャンバ25内に突出する接続セクション51を有することができる例示的な電気プラグ接点5を示す。この接続セクション51に、例えば相手側プラグコネクタのフォーク接点が電気的に接触することができる。プラグ接点5は、例えばプリント回路基板にはんだ付けすることができる例えばピン接点の形の少なくとも1つの電気配線に接続するために、外部終端接点50を有することができる。さらに、プラグ接点5は、例えばラッチ接続によってプラグ接点5をハウジング2内に固定するのを支援することができる固定要素52を有することができる。図2に示されているように、終端接点50は、ハウジング2から突出することができる。
【0034】
図4は、特に断面図で表されたプラグコネクタ1の前側領域、すなわち差込面10に面する領域に基づいて、プラグ接点5の接続セクション51が、相手側プラグコネクタによって接触されるために、プラグチャンバ25内に突出することができる様子を明瞭に示す。
【0035】
図5は、個々の要素の配置を断面上面図で明瞭に示す。フレーム部分4は、例えば傾斜した移行部によってそれぞれの側壁21、23または下壁および/または上壁22、24と接続することができることが分かる。傾斜した移行部によって、ハウジング2の周壁21、22、23、24へのフレーム部分4の堅牢な取り付けが保証される。さらに、傾斜した移行部は、相手側プラグコネクタのための挿入漏斗形状部を形成することができる。
【0036】
さらに、図5には、プラグ接点5の固定要素52の少なくとも1つが、ハウジング2内に配置されたプラグ接点5用の受入れチャネル26の横方向凹部27内に突出することが明瞭に示されている。受入れチャネル26内に突出する材料突起28は、差込方向Eで見て固定要素52の後方に設けられる。材料突起28は、例えば相手側プラグコネクタによって引き起こされる引張荷重がハウジング2に加えられている場合に、ハウジング2が差込方向Eとは逆方向にプラグ接点5から引き抜かれ得るのを妨げる。したがって、材料突起28は、固定要素52のためのストッパを形成する。
【符号の説明】
【0037】
1 電気プラグコネクタ
2 ハウジング
3 分離された材料舌片
4 フレーム部分
5 電気プラグ接点
6 接触保護要素
10 差込面
20 ハウジング基体
21 側壁(周壁)
22 下壁(周壁)
23 側壁(周壁)
24 上壁(周壁)
25 プラグチャンバ
26 受入れチャネル
27 凹部
28 材料突起
30 ラッチ要素
50 終端接点
51 接続セクション
52 固定要素
E 差込方向
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】