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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133234
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】電池プローブモジュール
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/06 20060101AFI20230914BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
G01R1/06 Z
H01M10/48 P
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023036094
(22)【出願日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】111109010
(32)【優先日】2022-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】505441638
【氏名又は名称】致茂電子股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chroma Ate Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100217412
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 亜子
(72)【発明者】
【氏名】譚世清
(72)【発明者】
【氏名】歐俊男
(72)【発明者】
【氏名】陳慈福
(72)【発明者】
【氏名】▲温▼鎮洲
(72)【発明者】
【氏名】范姜正
【テーマコード(参考)】
2G011
5H030
【Fターム(参考)】
2G011AA10
2G011AC06
2G011AF06
5H030AA09
5H030FF41
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、異なる極性の第1の電極領域と第2の電極領域に区分される接触面が定義される電池を検出する、電池プローブモジュールを提供する。
【解決手段】電池プローブモジュール1は、フレーム10と、複数のプローブユニット12とを含む。フレーム10は、対向する天板100と底板102とを有する。各プローブユニット12は、台座と、第1のプローブと、複数の第2のプローブとを含む。前記台座に天面と底面が定義され、天面に固定ユニットが設けられ、固定ユニットは、底板に傾動可能に固定される。第1のプローブは、台座に設けられ、かつ底面から突出し、第1の電極領域に接触する。複数の第2のプローブは、台座に設けられ、かつ底面から突出し、第2の電極領域に接触する。底面に垂直な垂直方向において、第1のプローブは、前記複数の第2のプローブにより囲まれた周縁内にある。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる極性の第1の電極領域と第2の電極領域に区分される接触面が定義される電池を検出する、電池プローブモジュールであって、
対向する天板と底板とを有するフレームと、
複数のプローブユニットとを含み、
各プローブユニットは、
天面と底面が定義され、該天面に固定ユニットが設けられ、該固定ユニットが底板に傾動可能に固定される台座と、
該台座に設けられ、かつ該底面から突出し、該第1の電極領域に接触する第1のプローブと、
該台座に設けられ、かつ該底面から突出し、該第2の電極領域に接触する複数の第2のプローブとを含み、
該底面に垂直な垂直方向において、該第1のプローブは、これらの第2のプローブにより囲まれた周縁内にある、電池プローブモジュール。
【請求項2】
該固定ユニットは、固定部材、スペーサ及びクランプブロックを含み、該スペーサは、環状であり、かつ該底板の固定孔に設けられ、該クランプブロックと該台座は、それぞれ該底板の両側に位置し、該固定部材は、該垂直方向において、該クランプブロック及び該スペーサに順に挿設され、かつ該台座に固定される、請求項1に記載の電池プローブモジュール。
【請求項3】
該クランプブロックは、第1の孔を有し、該台座は、第2の孔を有し、該固定部材は、該垂直方向において該第1の孔に挿設され、かつ該第2の孔内に固定され、該固定部材と該第1の孔との間は、隙間嵌めであり、該固定部材と該スペーサとの間及び該固定部材と該第2の孔との間は、それぞれ締まり嵌めである、請求項2に記載の電池プローブモジュール。
【請求項4】
該天板に複数の換気管が設けられ、各該換気管は、これらのプローブユニットのうちの1つに対応し、各該換気管は、対応する該天面に向かって気流を吹き出し、該台座は、中空構造であり、かつ該中空構造は、該台座の該天面と該底面を連通する、請求項1に記載の電池プローブモジュール。
【請求項5】
各該換気管は、温度調整ユニットに電気的に接続され、該温度調整ユニットは、該接触面、該第1のプローブ又はこれらの第2のプローブの温度に基づいて、対応する該換気管を流れる気流量又は気流温度を調整する、請求項4に記載の電池プローブモジュール。
【請求項6】
該底面に複数のガイド部材が設けられ、各該ガイド部材は、該底面から突出し、かつ円錐状の端部を有し、該端部は、該電池のケースの縁部に接触する、請求項1に記載の電池プローブモジュール。
【請求項7】
該底面から突出した各該ガイド部材の高さは、該底面から突出した該第1のプローブ及びこれらの第2のプローブの高さよりも大きい、請求項1に記載の電池プローブモジュール。
【請求項8】
該第1のプローブの第1の端面と各該第2のプローブの第2の端面は、いずれも同じ方向に向かう、請求項1に記載の電池プローブモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池プローブモジュールに関し、特に、プローブをわずかにヨーイングさせることができる電池プローブモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的には、ロットごとに電池に対して電気的試験を行う場合、まず、複数の電池をトレイに配置し、かつトレイと電池プローブモジュールとを位置合わせした上で、次に、電池プローブモジュールに接近するようにトレイを制御することができる。しかしながら、トレイ上の電池の迅速な交換を容易にするため、又は、他の実際的な理由から、これらの電池は、一般的にはトレイに緊密に固定されていない。例えば、トレイに複数の電池スロットが設けられる可能性があり、各電池がそのうちの1つの電池スロットに配置されるように設計されるが、電池スロットの直径が常に電池の直径よりも大きいため、電池が電池スロットに変位するか、又はわずかに揺動する可能性がある。すなわち、各電池は、実際には電池スロットの中心に正確に配置されるとは限らず、トレイを搬送する過程において電池が振動により電池スロットの一辺に密着する可能性があるため、電池と電池スロットの内側との隙間は、異なる方向に明らかに異なる。
【0003】
換言すれば、トレイと電池プローブモジュールとを位置合わせしたが、トレイにおける各電池が電池スロット内で更にわずかに移動できるため、電池プローブモジュールにおける複数のプローブが電池の電極に当接するとき、電池の電極は、全てのプローブに効果的に接触することができない可能性がある。また、電池が電池スロット内で傾いた場合、その後に複数のプローブを電池の電極に押し付ける過程において、電池の電極が位置ずれによりプローブに傷付けられる可能性があり、プローブも傾いた電池によって破損される可能性がある。一方、従来の電池プローブモジュールの異なる極性の複数のプローブは、常に異なる方向で対応する電極に接触し、例えば、正極プローブは、上から下へ正極に接触し、負極プローブは、下から上へ負極に接触する。当業者であれば理解できるように、複数のプローブが異なる方向で電池を押し付ける場合、電池に予期外の揺動又は傾動を発生させる可能性があるため、電池の電極は、同様に、全てのプローブに効果的に接触することができない。これにより、業界は、電池の電極とプローブを効果的に接触できるように、電池が電池スロット内で変位するか、又は傾くという問題を解消できる新たな電池プローブモジュールを必要とする。
【発明の概要】
【0004】
本発明に係る電池プローブモジュールは、傾動可能な台座を提供することにより、台座に設けられたプローブを、変位したか又は傾いた電池の電極に柔軟に位置合わせすることができる。また、前記電池プローブモジュールにおける異なる極性のプローブが同じ接触面に向かうため、異なる方向のプローブが電池の異なる側面を押し付けることによる電池の予想外の揺動又は傾動を回避することができる。
【0005】
本発明は、異なる極性の第1の電極領域と第2の電極領域に区分される接触面が定義される電池を検出する、電池プローブモジュールを提供する。前記電池プローブモジュールは、フレームと、複数のプローブユニットとを含む。前記フレームは、対向する天板と底板とを有する。前記各プローブユニットは、台座と、第1のプローブと、複数の第2のプローブとを含む。前記台座に天面と底面が定義され、天面に固定ユニットが設けられ、固定ユニットは、底板に傾動可能に固定される。前記第1のプローブは、台座に設けられ、かつ底面から突出し、第1の電極領域に接触する。前記複数の第2のプローブは、台座に設けられ、かつ底面から突出し、第2の電極領域に接触する。底面に垂直な垂直方向において、第1のプローブは、前記複数の第2のプローブにより囲まれた周縁内にある。
【0006】
いくつかの実施例では、固定ユニットは、固定部材、スペーサ及びクランプブロックを含んでもよく、スペーサは、環状であり、かつ底板の固定孔に設けられてもよく、クランプブロックと台座は、それぞれ底板の両側に位置してもよく、固定部材は、垂直方向において、クランプブロック及びスペーサに順に挿設され、かつ台座に固定されてもよい。また、クランプブロックは、第1の孔を有してもよく、台座は、第2の孔を有してもよく、固定部材は、垂直方向において、第1の孔に挿設され、かつ第2の孔内に固定されてもよく、固定部材と第1の孔との間は、隙間嵌めであり、固定部材とスペーサとの間及び固定部材と第2の孔との間は、それぞれ締まり嵌めである。
【0007】
いくつかの実施例では、天板に複数の換気管が設けられてもよく、各換気管は、前記複数のプローブユニットのうちの1つに対応し、かつ各換気管は、対応する天面に向かって気流を吹き出し、台座は、中空構造であってもよく、かつ中空構造は、台座の天面と底面を連通する。また、各換気管は、温度調整ユニットに電気的に接続されてもよく、温度調整ユニットは、接触面、第1のプローブ又は前記複数の第2のプローブの温度に基づいて、対応する換気管を流れる気流量又は気流温度を調整することができる。また、底面に複数のガイド部材が設けられてもよく、各ガイド部材は、底面から突出し、かつ円錐状の端部を有してもよく、端部は、該電池のケースの縁部に接触する。また、第1のプローブの第1の端面と各第2のプローブの第2の端面は、同じ方向に向かってもよい。
【0008】
以上より、本発明に係る電池プローブモジュールは、傾動可能な台座によって、変位したか又は傾いた電池の電極に柔軟に位置合わせされることにより、電池の電極とプローブとの間の接触効率を向上させることができる。また、前記電池プローブモジュールにおける異なる極性のプローブは、いずれも同じ接触面に向かうことにより、複数のプローブが異なる方向に向かって押し付けることによる予想外の揺動又は傾動を解決するとともに、電池の電極とプローブとの間の接触効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施例に係る電池プローブモジュールを示す斜視図である。
図2】本発明の一実施例に係る、サイドカバーを取り外した電池プローブモジュールを示す斜視図である。
図3】本発明の一実施例に係るフレームを示す斜視図である。
図4】本発明の一実施例に係るプローブユニットを示す斜視図である。
図5】本発明の一実施例に係るプローブユニットを別の角度から示す斜視図である。
図6】本発明の一実施例に係るプローブユニットを示す分解図である。
図7】本発明の一実施例に係るプローブユニットを示す側面図である。
図8】本発明の一実施例に係るプローブユニットを示す部分拡大概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の特徴、目的及び機能を更に説明する。しかしながら、以下の説明は、本発明の実施例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、すなわち、本発明の特許請求の範囲で行われた均等変化及び修飾は、いずれも本発明の主旨を逸脱せず、本発明の精神及び範囲から逸脱しないため、本発明の更なる実施態様とみなされるべきである。
【0011】
図1及び図2を併せて参照すると、図1は、本発明の一実施例に係る電池プローブモジュールを示す斜視図であり、図2は、本発明の一実施例に係る、サイドカバーを取り外した電池プローブモジュールを示す斜視図である。図に示すように、電池プローブモジュール1は、フレーム10及び複数のプローブユニット12を有し、1つ又は複数の電池(図示せず)を検出する。実際には、ロットごとに電池を検出する場合、複数の電池をトレイ(図示せず)に規則的に配置してもよく、例えば、トレイには、アレイ状に配列された電池スロットが設けられてもよく、各電池は、1つの電池スロットに配置されてもよい。次に、電池プローブモジュール1と上記トレイは、先に垂直に位置合わせされてもよく、位置合わせされた後に、トレイは、垂直に上昇して電池プローブモジュール1に接近してもよい。当然のことながら、本実施例は、垂直に上昇するのがトレイであるか、又は電池プローブモジュール1であるかを限定せず、当業者であれば、異なる試験機台に基づいてトレイ又は電池プローブモジュール1を移動させることができる。本実施例は、電池の外観及びサイズを限定せず、一例では、電池は、ほぼ円柱体にパッケージされてもよく、上記円柱体の上部は、接触面として定義されてもよく、接触面は、異なる極性(正負極性)の第1の電極領域と第2の電極領域に区分されてもよい。例えば、第1の電極領域と第2の電極領域は、2つの同心円であってもよく、第1の電極領域は、第2の電極領域の内側にある。
【0012】
以上のことから、実際の例では、接触面の中央位置は、第1の電極領域(正極に対応する)であってもよく、接触面の縁部位置は、第2の電極領域(負極に対応する)であってもよい。当業者であれば理解できるように、第1の電極領域と第2の電極領域との間に更に絶縁領域を有するべきであり、上記第1の電極領域、絶縁領域及び第2の電極領域は、3つの同心円であってもよい。一例では、同心円の円心から始めると、内から外へ順に第1の電極領域、絶縁領域及び第2の電極領域であり、第2の電極領域は、接触面の縁部位置をちょうどカバーする。第1の電極領域が正極性であり、第2の電極領域が負極性であると仮定すると、本実施例は、負極性の等電位範囲を限定せず、電池の側面(円柱体の側面)も第2の電極領域と同じ極性(負極性)を有する可能性がある。なお、接触面(円柱体の上部)が平坦でない可能性があり、例えば、第1の電極領域と第2の電極領域とは高低差がある可能性があるが、第1の電極領域と第2の電極領域との法線方向が同じであれば、第1の電極領域と第2の電極領域は、依然として、本実施例に定義された接触面に属する。
【0013】
図から分かるように、フレーム10は、中空の箱体であってもよく、かつ対向する両側の天板100と底板102を有する。フレーム10内の構造を説明するために、本実施例は、図1における天板100と底板102との間のサイドカバー10aを取り外した後、図2から天板100と底板102との相対位置を見ることができる。実際には、天板100と底板102は、それぞれフレーム10の上下両側に位置し、かつ天板100と底板102は、それぞれ開孔を有し、フレーム10の内部に他の部品を収容する空間を有してもよい。一例では、複数のプローブユニット12は、底板102に設けられ、天板100に複数の換気管104が設けられてもよい。上記複数の換気管104は、外部の空調設備(図示せず)に連通して気流を送る。図2にはフレーム10の外側にある複数の換気管104の管路が示されていないが、当業者であれば、複数の換気管104がそれぞれ独立した空調設備に連通してもよく、複数の換気管104がより大きな管路により互いに連通して、更に上記管路により同じ空調設備に連通してもよいことを理解すべきであり、本実施例は限定されない。また、換気管104の数は、プローブユニット12の数に対応することができ、かつ各換気管104の排気口の位置は、垂直方向の下方のプローブユニット12に位置合わせすることができる。
【0014】
一例では、各換気管104が送る気流量又は気流温度を調整することができる。例えば、複数の換気管104が同じ空調設備に連通する場合、各換気管104の管径、長さ又は材料などの変数がほぼ同じであるという条件の下で、各換気管104が送る気流量及び気流温度もほぼ同じであるべきである。したがって、本実施例は、外部の空調設備から吹き出された総気流量を設定し、かつ吹き出された気流温度を制御することにより、各換気管104が送る気流量又は気流温度を決定することができる。また例えば、各換気管104がそれぞれの空調設備に連通する場合、本実施例は、それぞれの空調設備からの気流量と気流温度を直接制御できることにより、連通する換気管104が送る気流量又は気流温度を決定することができる。
【0015】
なお、複数の換気管104が同じ空調設備に連通しても、各換気管104が送る気流量と気流温度が異なる可能性がある。一例では、各換気管104の内部にファン(図示せず)が設けられてもよく、かつ上記ファンは、温度調整ユニット(図示せず)によって制御されてもよい。上記温度調整ユニットは、換気管104に対応するプローブユニット12が降温する必要があると判断すると、ファンの回転速度を制御して換気管104の送風量を増加させることができる。温度調整ユニットは、対応するプローブユニット12が昇温する必要があると判断すると、ファンの回転速度を制御して換気管104の送風量を低減することができる。上記の例から分かるように、本実施例は、各プローブユニット12に対して個別化された温度制御を実現することができる。また、フレーム10の内側にある換気管104の管路は、図2に示した管路よりも長くてもよく、例えば、換気管104は、プローブユニット12に向かって更に延在することにより、隣接する換気管104の間の気流の干渉を回避することができるだけでなく、プローブユニット12に対してより優れた温度制御効果を有する。本実施例は、換気管104の管径、長さ又は材料を限定せず、当業者であれば、自分で選択することができる。
【0016】
図示を容易にするために、本実施例は、図2におけるフレーム10とプローブユニット12を分解してそれぞれ説明する。図2図6を併せて参照すると、図3は、本発明の一実施例に係るフレームを示す斜視図であり、図4は、本発明の一実施例に係るプローブユニットを示す斜視図であり、図5は、本発明の一実施例に係るプローブユニットを別の角度から示す斜視図であり、図6は、本発明の一実施例に係るプローブユニットを示す分解図である。図に示すように、フレーム10の天板100に孔1000が設けられてもよく、各換気管104は、孔1000に挿設され、かつフレーム10の内部空間へ延在することができ、例えば、換気管104は、フレーム10の内部空間において底板102に向かって一定の長さだけ延在することができる。フレーム10の底板102に複数の孔1020及び複数の固定孔1022が設けられてもよく、図に示す1つの孔1020及び孔1020の周囲に配列された複数の固定孔1022は、同じプローブユニット12に対応することができる。例えば、孔1020の中心軸位置は、プローブユニット12の台座120の中心軸位置とちょうど重なることができる。実際には、孔1020は、換気管104から吹き出された気流を流通することができるため、換気管104から吹き出された気流は、台座120に直接的に吹きかけられ、孔1020は、対応するプローブユニット12を接続するために使用された電線を収容する可能性もある。また、孔1020の周囲に配列された固定孔1022は、プローブユニット12の台座120を固定することができる。
【0017】
本実施例で例示された複数のプローブユニット12は、同じであってもよく、以下、そのうちの1つのプローブユニット12を使用して説明し、例示する。図から分かるように、プローブユニット12は、台座120、第1のプローブ122及び複数の第2のプローブ124を有する。台座120には、天面120aと底面120bが定義され、第1のプローブ122及び複数の第2のプローブ124は、台座120に設けられ、かつ底面120bから突出する。実際には、台座120は、中空構造であり、例えば、上記中空構造は、1つ又は1つ以上の中空孔120cで構成されてもよい。これにより、上記中空構造は、台座120の天面120aと底面120bとを連通することにより、換気管104から吹き出された気流が台座120の全体を容易に通過することができる。一例では、換気管104から吹き出された気流は、第1のプローブ122の全体及び各第2のプローブ124を直接吹き抜けることができ、更に、気流は、電池の接触面に容易に到達することができる。また、台座120の中空構造は、更に、台座120の天面120aと底面120b以外の側面を中空にすることができるため、台座120を軽量化し、かつ第1のプローブ122及び複数の第2のプローブ124の放熱効果を向上させることができる。
【0018】
前述の例では、各換気管104の内部にファン(図示せず)が設けられてもよく、かつ上記ファンは、温度調整ユニット(図示せず)によって制御されてもよい。ここで、温度調整ユニットは、感温線を電池の接触面の近傍(例えば、第1のプローブ122又は1つの第2のプローブ124に貼り付ける)に配置することにより、電池の接触面を昇温又は降温する必要があるか否かを判断することができる。電池の接触面の昇温又は降温の手段は、前述の実施例で例示されており、本実施例では説明を省略する。
【0019】
また、第1のプローブ122及び複数の第2のプローブ124は、電池を検出し、例えば、電気的試験の場合、第1のプローブ122及び複数の第2のプローブ124は、電池に給電してもよく、電池の電圧又は電流を検出してもよい。また、複数の第2のプローブ124は、それぞれ第1のプローブ122の周囲に設けられ、底面120bに垂直な垂直方向(例えば、底面120bの法線方向)において、第1のプローブ122は、複数の第2のプローブ124により囲まれて形成された周縁内にある。本実施例の例では、位置合わせした後のトレイは、検出対象の電池をプローブユニット12の下方に移動させることにより、電池の接触面が第1のプローブ122及び複数の第2のプローブ124に隣接する。トレイが電池を支持して上昇させるとき、第1のプローブ122は、第1の電極領域(図示せず)に徐々に接触して押し当てられ、複数の第2のプローブ124は、第2の電極領域(図示せず)に徐々に接触して押し当てられる。第1のプローブ122と複数の第2のプローブ124が同じ方向であるため、特に、第1のプローブ122の第1の端面122aと第2のプローブ124の第2の端面124aが同じ方向に向かっており、例えば、下方の電池の接触面に向かっているという利点がある。すなわち、本実施例の異なる極性のプローブ(第1のプローブ122及び複数の第2のプローブ124)は、いずれも下向きに延出し、第1のプローブ122は、電池の接触面の中心(第1の電極領域)に下向きに押し当てられ、複数の第2のプローブ124は、電池の接触面の縁部(第2の電極領域)に均一に下向きに押し当てられる。
【0020】
一例では、台座120は、更に、複数のガイド部材126を有してもよく、複数のガイド部材126は、底面120bに設けられ、かつ第1のプローブ122、複数の第2のプローブ124及び複数のガイド部材126は、同じ方向である。実際には、第1のプローブ122及び複数の第2のプローブ124に比べて、複数のガイド部材126は、底面120bから更に突出しており、トレイが電池を支持して上昇させるとき、複数のガイド部材126が対応する電池に先に接触し、かつ電池の位置を限定できることにより、第1のプローブ122が第1の電極領域に正確に位置合わせし、複数の第2のプローブ124が第2の電極領域に正確に位置合わせすることができることを確保することを目的とする。本実施例は、台座120の底面120bの四隅にそれぞれ1つのガイド部材126があることを示しているが、本実施例は、ガイド部材126の数又は形状を限定せず、ガイド部材126が電池をガイドし、かつ電池の位置を限定することができれば、いずれも本実施例でいうガイド部材126に属するべきである。例えば、ガイド部材は、3つだけがあり、かつ三角形に配列されてもよい。或いは、ガイド部材の形状を環状に変更し、かつ第1のプローブ122と複数の第2のプローブ124を囲む。ガイド部材の端部には依然として底面120bの中心に向かう環状斜面があれば、いずれも電池の位置を限定するという目的を達成することができる。
【0021】
ここで、各ガイド部材126は、円錐状の端部126aを有してもよく、端部126aが円弧状の表面を有するため、トレイの電池スロット内の電池の最初位置がわずかにずれても、複数のガイド部材126が電池に接触した後、電池が上昇するにつれて電池を同期に押し付けることにより、電池スロット内の電池の位置を調整することができる。また、端部126aは、電池のケースの縁部にほぼ接触し、かつ電池のケースの縁部を押し付けることにより、電池を移動させる。例えば、電池が円柱体であると仮定すると、円柱体の最も上側の平面は、本実施例でいう接触面であってもよく、円柱体の弧度を有する側面と接触面との境界は、本実施例でいうケースの縁部であってもよい。当業者であれば理解できるように、電池スロットのスロット径と電池の直径とは、差異があるが、電池が一般的にはわずかに揺動しかできないため、電池が電池スロットに配置されてわずかにずれた場合、所定の位置から離れすぎることはない。したがって、トレイが電池を支持して上昇させるとき、各ガイド部材126の端部126aが接触するのは、いずれもケースの縁部であるべきであり、接触面に直接突っ込む状況はない。
【0022】
従来の異なる極性のプローブが異なる方向に向かって電池を押すことと異なり、本実施例のプローブは、いずれも電池の同じ側の接触面に接触し、複数のプローブからの押し付け応力方向が異なることを回避するだけでなく、予想外の揺動又は傾動が発生しにくく、また、電池の接触面が第1のプローブ122及び複数の第2のプローブ124の下方にあるため、電池をトレイに更に押し付けて下方のトレイに安定して配置することができる。したがって、第1のプローブ122と複数の第2のプローブ124との方向が同じであるため、本実施例は、電池の電極と第1のプローブ122及び複数の第2のプローブ124との間の接触安定度を向上させ、第1のプローブ122及び複数の第2のプローブ124が電極に完全に接触しない状況を減少させることができる。
【0023】
当業者であれば理解できるように、第1のプローブ122が第1の電極領域に正確に接触(ぴったりと接触)する場合、第1のプローブ122と第1の電極領域との接触面積が大きいことを表し、すなわち、第1のプローブ122と第1の電極領域との間のインピーダンスを低下させる。同様に、第2の電極領域に正確に接触(ぴったりと接触)することができる第2のプローブ124が多いほど、複数の第2のプローブ124と第2の電極領域との接触総面積が大きいことを表し、すなわち、複数の第2のプローブ124と第2の電極領域との間のインピーダンスを低下させる。このようにして、本実施例に係るプローブと電池の電極との間のインピーダンスを低下させた後、電池の接触面の発熱状況を改善することができ、プローブが電池の電気的パラメータをより正確に検出するだけでなく、電池の接触面を効果的に温度制御することができる。
【0024】
引き続き図面を参照すると、台座120の天面120aに固定ユニット128が設けられ、固定ユニット128は、固定部材1280、スペーサ1282及びクランプブロック1284を含んでもよい。図から分かるように、プローブユニット12と固定ユニット128は、1対1の関係であってもよく、すなわち、プローブユニット12は、対応する固定ユニット128により底板102に傾動可能に固定される。ここで、本実施例は、固定部材1280、スペーサ1282及びクランプブロック1284の数を限定せず、固定部材1280及びスペーサ1282の数は、孔1020の周囲に配列された同じグループ(同じプローブユニット12に対応する)の固定孔1022の数に関連付けることができる。図から分かるように、クランプブロック1284は、フレーム10の内部空間内にあり、台座120は、フレーム10の内部空間外にあり、すなわち、台座120とクランプブロック1284は、それぞれ底板102の両側にある。一例では、クランプブロック1284の中央位置は、孔1284aと、孔1284aの周囲に配列された複数の第1の孔1284bとを有してもよい。ここで、孔1284aと第1の孔1284bの配列方式は、孔1020と固定孔1022の配列方式と同じであってもよい。
【0025】
換言すれば、クランプブロック1284は、底板102の上方にあるが、位置に対応する孔1020及び孔1284aにより、換気管104から吹き出された気体は、クランプブロック1284及び底板102を通過することができる。一例では、第1のプローブ122及び複数の第2のプローブ124は、電線を介して外部の試験機台(図示せず)に電気的に接続され、位置に対応する孔1020及び孔1284aにより、第1のプローブ122及び複数の第2のプローブ124が使用した電線は、クランプブロック1284及び底板102を通過してフレーム10の内部空間に収容されてもよい。また、固定部材1280は、ネジ又は釘であってもよく、クランプブロック1284は、第1の孔1284bを有し、台座120は、第2の孔120dを有する。各固定部材1280がクランプブロック1284の第1の孔1284b、底板102の固定孔1022、台座120の第2の孔120dを順に通過するとき、固定部材1280がロックされているか否かに関わらず、台座120と底板102は、明らかな位置ずれ又は変位が起こらないはずである。
【0026】
台座120がどのように固定ユニット128により底板102に傾動可能に固定されるかを説明するために、図2図8を併せて参照する。図7は、本発明の一実施例に係るプローブユニットを示す側面図であり、図8は、本発明の一実施例に係るプローブユニットを示す部分拡大概略図である。本実施例は、図7において1つの固定部材1280の周辺の範囲Aを選択して例示とし、クランプブロック1284と台座120の天面120aとの間に隙間hがあることを見ることができ、図7に底板102が示されていないため、ここで、隙間hが底板102の厚さであることを説明する。すなわち、図7に示す例は、クランプブロック1284と台座120が底板102をクランプする状態をシミュレーションするが、底板102が示されていない。実際には、クランプブロック1284の第1の孔1284bの孔径は、固定部材1280の直径よりも大きく、固定部材1280は、第1の孔1284b内にわずかに緩み、図8に示すように、第1の孔1284bと固定部材1280との間に2倍の隙間wがある。上記に基づいて、当業者であれば分かるように、固定部材1280と第1の孔1284bとの間は、隙間嵌め(clearance fit)である。
【0027】
また、底板102の固定孔1022の孔径が固定部材1280の直径よりも大きく、固定部材1280と固定孔1022とを緊密に接続するために、固定孔1022に環状のスペーサ1282が設けられてもよいため、固定部材1280が固定孔1022を通過するとき、スペーサ1282が固定部材1280の外側に嵌着され、かつスペーサ1282が固定孔1022に当接することにより、固定部材1280と、スペーサ1282と固定孔1022との間が相対移動することはない。実際には、環状のスペーサ1282の中央開口の口径が固定部材1280の直径よりもわずかに小さいため、スペーサ1282は、固定部材1280外に緊密に嵌着することができる。また、台座120の第2の孔120dの孔径が固定部材1280の直径よりもわずかに小さいため、固定部材1280の一端が第2の孔120dに挿入された後に、より優れた固定効果を有してもよい。上記に基づいて、当業者であれば分かるように、固定部材1280とスペーサ1282との間及び固定部材1280と第2の孔120dとの間は、いずれも締まり嵌め(interference fit)である。
【0028】
図8から分かるように、固定部材1280の一端のみが第2の孔120d内に固定され、固定部材1280の他端がクランプブロック1284内に確実に固定されていない。すなわち、固定部材1280の他端は、わずかな揺動を実現することができ、揺動可能な範囲は、2倍の隙間wである。しかしながら、固定部材1280が揺動できることは、固定部材1280がロックされていないことを表すものではなく、実際には、固定部材1280が第2の孔120d内に確実にロックされるが、台座120、スペーサ1282又は固定部材1280が剛性(stiffness)が極めて高い材料を意図的に選択することではないため、台座120、スペーサ1282又は固定部材1280がわずかに弾性を有するべきであり、かつわずかに押し当てることに耐えることができることにより、固定部材1280の他端が2倍の隙間w内で傾斜するか又は振動することを可能にする。本実施例は、ここで、固定部材1280の長さを限定せず、第2の孔120d内に固定された固定部材1280の長さを限定しない。当業者であれば理解できるように、固定部材1280の他端が2wの隙間内で傾斜するか又は振動することを可能にするために、第2の孔120d内に固定された固定部材1280の長さは、固定部材1280の全長の半分又は3分の1よりも小さくてもよい。
【0029】
実際の例として、トレイの電池スロット内の電池の最初位置がわずかにずれる(例えば、傾斜する)と仮定すると、複数のガイド部材126により電池の移動をガイドすることができる以外、台座120における第1のプローブ122と複数の第2のプローブ124がヨーイングする可能性もあるため、第1のプローブ122と複数の第2のプローブ124は、電池の接触面に垂直に直接接触することができる。一例では、電池が対応する台座120に向かって上昇し始めるとき、複数のガイド部材126、第1のプローブ122又は複数の第2のプローブ124は、電池に接触した後に徐々に応力を受け始める。特に、電池が正しく配置されていないことにより接触面が傾斜した場合、複数のガイド部材126が接触するケースの縁部、又は第1のプローブ122と複数の第2のプローブ124が接触する電極領域は、垂直方向の応力を受けることに加えて、明らかな横方向の応力も受ける。しかしながら、本実施例は、固定部材1280がヨーイングできる例を例示するため、複数のガイド部材126、第1のプローブ122又は複数の第2のプローブ124が横方向の応力を受けるとき、横方向の応力を共に受けるように台座120を駆動する。この場合、第2の孔120d内に確実にロックされた固定部材1280は、台座120に接続されるため、横方向の応力を受けることにもなる。しかしながら、固定部材1280の他端がわずかに揺動できるため、本実施例の固定部材1280は、水平又は角度のずれを適応的に発生させるように台座120を駆動することができることにより、横方向の応力が解放される。これにより、本実施例の第1のプローブ122と複数の第2のプローブ124は、端面向きの角度を調整する機会があるため、第1のプローブ122と複数の第2のプローブ124は、電池の接触面と互いに垂直である状況に戻ることができ、第1のプローブ122及び複数の第2のプローブ124がそれぞれの電極領域に接触する面積を更に向上させる。
【0030】
以上より、本発明に係る電池プローブモジュールは、傾動可能な台座によって、変位したか又は傾いた電池の電極に柔軟に位置合わせされることにより、電池の電極とプローブとの間の接触効率を向上させることができる。また、上記電池プローブモジュールにおける異なる極性のプローブは、いずれも同じ接触面に向かうことにより、複数のプローブが異なる方向に向かって押し付けることによる予想外の揺動又は傾動を解決し、電池の電極とプローブとの間の接触効率を同様に向上させることができる。
【符号の説明】
【0031】
1 電池プローブモジュール
10 フレーム
10a サイドカバー
100 天板
1000 孔
102 底板
1020 孔
1022 固定孔
104 換気管
12 プローブユニット
120 台座
120a 天面
120b 底面
120c 中空孔
120d 第2の孔
122 第1のプローブ
122a 第1の端面
124 第2のプローブ
124a 第2の端面
126 ガイド部材
126a 端部
128 固定ユニット
1280 固定部材
1282 スペーサ
1284 クランプブロック
1284a 孔
1284b 第1の孔
h 隙間
w 隙間
A 範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】