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特開2023-133246直接噴射システムのための燃料ポンプ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133246
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】直接噴射システムのための燃料ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F02M 59/36 20060101AFI20230914BHJP
   F02M 59/46 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
F02M59/36 E
F02M59/46 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023036593
(22)【出願日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】102022000004700
(32)【優先日】2022-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】523058504
【氏名又は名称】マレッリ ヨーロッパ ソチエタ ペル アツィオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】アルマンド スピッツィーリ
(72)【発明者】
【氏名】リカルド マリアネッロ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ マンチーニ
(72)【発明者】
【氏名】ステーファノ ペトレッキア
(72)【発明者】
【氏名】ミケーレ ペートローネ
(72)【発明者】
【氏名】パオロ パスクヮーリ
【テーマコード(参考)】
3G066
【Fターム(参考)】
3G066BA56
3G066CA22S
3G066CA25
3G066CA34
3G066CA35
3G066CB09
3G066CD10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コンパクトであり且つ迅速に取り付け可能であると同時に、製造が容易且つ低廉である燃料ポンプを提供する。
【解決手段】燃料ポンプのためのバルブアセンブリであって、燃料の流出のみを許す一方向出口閉鎖弁と、燃料の流入のみを許す一方向圧力逃し弁と、内側にハウジングを有するコネクタと、コネクタのハウジングと係合し、複数の貫通出口孔及び貫通逃し孔を有する弁ディスクとを有する、バルブアセンブリ。出口閉鎖弁のシャッタが、前記弁ディスクに固定された可撓性シート22から成り、そして出口孔の領域内に配置された複数の閉鎖部分23と、環状形状を有する周囲取り付け部分25と、それぞれが前記周囲取り付け部分25を対応する閉鎖部分23に結合する複数の外側結合部分26と、中心取り付け部分24と、それぞれが中心取り付け部分24を対応する閉鎖部分23に結合する複数の内側結合部分27と、を有している。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ポンプ(1)のためのバルブアセンブリ(7)であって、
燃料の流出のみを許す一方向出口閉鎖弁(8)と、
燃料の流入のみを許す一方向圧力逃し弁(9)と、
内側にハウジング(13)を有するコネクタ(11)と、
前記コネクタ(11)の前記ハウジング(13)と係合する弁ディスク(14)であって、前記出口閉鎖弁(8)の部分であり且つそれぞれが前記弁ディスク(14)の第1壁(16)の領域内に設けられる第1弁座(19)を備えた複数の貫通出口孔(18)と、前記圧力逃し弁(9)の部分であり且つ前記第1壁(16)に対して平行であり前記第1壁とは反対側にある、前記弁ディスク(14)の第2壁(15)の領域内に設けられる第2弁座(21)を備えた貫通逃し孔(20)とを有する、弁ディスク(14)と、
を含み、
前記出口閉鎖弁(8)が第1シャッタを含み、前記第1シャッタが前記出口孔(18)の前記第1弁座(19)と係合し、そして前記弁ディスク(14)の下流側の燃料圧が前記弁ディスク(14)の上流側の燃料圧よりも十分に低いときには、前記第1シャッタ自体を前記第1弁座(19)から引き離すように移動可能であり、
前記圧力逃し弁(9)が第2シャッタ(29)を含み、前記第2シャッタが前記逃し孔(20)の前記第2弁座(21)と係合し、そして前記弁ディスク(14)の下流側の燃料圧と前記弁ディスク(14)の上流側の燃料圧との間の差が所定の介入閾値を超えると、前記第2シャッタ自体を前記第2弁座(21)から引き離すように移動可能であり、そして
前記第1シャッタが、前記弁ディスク(14)に固定された可撓性シート(22)から成り、前記シートが、複数の閉鎖部分(23)であって、それぞれが円形状を有し、対応する出口孔(18)の第1弁座(19)の領域内に配置され、そして前記出口閉鎖弁(8)が閉鎖されたときに、燃料が前記対応する出口孔(18)を貫流するのを防止するように形成された、複数の閉鎖部分(23)と、前記弁ディスク(14)の外縁に沿って配置された、環状形状を有する周囲取り付け部分(25)と、それぞれが前記周囲取り付け部分(25)を対応する閉鎖部分(23)に結合する複数の外側結合部分(26)と、を含む、バルブアセンブリ(7)において、
前記バルブアセンブリ(7)は、
各閉鎖部分(23)がただ1つの外側結合部分(26)に常に結合され、そしてその逆も当てはまり、すなわち各外側結合部分(26)がただ1つの閉鎖部分(23)に常に結合されるように、前記シート(22)が各閉鎖部分(23)のための対応する外側結合部分(26)を含み、
前記シート(22)が、前記閉鎖部分(23)の中心に配置された中心取り付け部分(24)を含み、
各閉鎖部分(23)がただ1つの内側結合部分(27)に結合され、そしてその逆も当てはまり、すなわち各内側結合部分(27)がただ1つの閉鎖部分(23)に常に結合されるように、前記シート(22)が複数の内側結合部分(27)を含み、それぞれの内側結合部分が前記中心取り付け部分(24)を対応する閉鎖部分(23)に結合しており、
各閉鎖部分(23)が、単一の外側結合部分(26)及び単一の内側結合部分(27)によって専ら支持され、そして前記対応する外側結合部分(26)及び前記対応する内側結合部分(27)以外の結合を有さず、そして、
各閉鎖部分(23)が、別の閉鎖部分(23)に決して直接には結合されていない
ことを特徴とする、バルブアセンブリ(7)。
【請求項2】
同じ閉鎖部分(23)の前記2つの結合部分(26,27)が前記閉鎖部分(23)の互いに対向する側に配置されている、請求項1に記載のバルブアセンブリ(7)。
【請求項3】
各外側結合部分(26)が半円の形状を有している、請求項1に記載のバルブアセンブリ(7)。
【請求項4】
各内側結合部分(27)がU字形である、請求項1に記載のバルブアセンブリ(7)。
【請求項5】
前記中心取り付け部分(24)が環状形状を有しており、前記逃し孔(20)を取り囲んでいる、請求項1に記載のバルブアセンブリ(7)。
【請求項6】
前記周囲取り付け部分(25)が前記弁ディスク(14)に不動に結合されている、請求項1に記載のバルブアセンブリ(7)。
【請求項7】
前記中心取り付け部分(24)が前記弁ディスク(14)に不動に結合されている、請求項1に記載のバルブアセンブリ(7)。
【請求項8】
前記中心取り付け部分(24)が前記弁ディスク(14)から完全に分離されている、請求項1に記載のバルブアセンブリ(7)。
【請求項9】
外部応力が存在しない状態で、前記可撓性シートがゼロ以外の予め負荷された力で前記出口孔(18)の前記第1弁座(19)に対して押し潰されるように、前記可撓性シート(22)が予め変形させられている、請求項1に記載のバルブアセンブリ(7)。
【請求項10】
前記コネクタ(11)の前記ハウジング(13)が、前記弁ディスク(14)の前記第2壁(15)が当て付けられる第1外側環状当接部(17)と、前記弁ディスク(14)の前記第2壁(15)に面した第2内側環状当接部(28)とを有しており、前記第2内側環状当接部(28)が、前記可撓性シート(22)から所与の距離をおいて配置され、そして前記可撓性シート(22)の前記閉鎖部分(23)のための制限ストップであることにより、前記可撓性シート(22)の最大変形を制限するように構成されている、請求項1に記載のバルブアセンブリ(7)。
【請求項11】
前記弁ディスク(14)が正確に3つの貫通出口孔(18)を含み、それによって前記可撓性シート(22)が、前記弁ディスク(14)の長手方向軸線の周りに対称的に配置された正確に3つの閉鎖部分(23)を含む、請求項1に記載のバルブアセンブリ(7)。
【請求項12】
直接噴射システムのための燃料ポンプ(1)であって、前記燃料ポンプ(1)が、
本体(2)と、
前記本体(2)内で得られるポンピングチャンバ(4)と、
前記ポンピングチャンバ(4)から直接に始まる出口通路(6)と、
前記出口通路(6)と同軸であり、前記出口通路(6)と直接に連通し、そして前記ポンピングチャンバ(4)に対して前記出口通路(6)の下流側に配置された、包含キャビティ(10)と、
前記包含キャビティ(10)内に配置された請求項1から11までのいずれか1項に記載のバルブアセンブリ(7)と
を含む、直接噴射システムのための燃料ポンプ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2022年3月11日付けで出願されたイタリア国特許出願第102022000004700号明細書の優先権を主張する。この開示内容全体は参照することにより本明細書中に援用される。
【0002】
本発明は、直接噴射システムのための燃料ポンプに関する。
【背景技術】
【0003】
直接噴射システムは、複数の噴射器と、これらの噴射器へ加圧燃料を供給するコモンレールと、高圧供給導管を介してコモンレールへ燃料を供給し且つ流量調節装置を備えた高圧燃料ポンプと、エンジンの動作状態に応じて時間とともに概ね変化し得る所期値にコモンレール内部の燃料圧を維持するために流量調節装置を制御する制御ユニットとを含む。
【0004】
特許文献1に記載された高圧ポンプは、ピストンが内部で往復運動によってスライドする円筒形ポンピングチャンバを画定する本体と、低圧燃料をポンピングチャンバ内へ供給するように設けられ、入口弁によって調整される入口導管と、ポンピングチャンバから供給導管を通してコモンレールへ向かって高圧燃料を供給するために出口弁(OCV-出口閉鎖弁(Outlet Closing Valve)とも称される)によって調整される出口導管とを含む。燃料を出口導管からポンピングチャンバへのみ流れさせる一方向最大圧力弁(PRV-圧力逃し弁(Pressure Relief Valve)とも称される)もある。圧力逃し弁の機能は、コモンレール内の燃料圧が設計時間中に設定された最大値を超えると(例えば制御ユニットによる制御エラーの場合、又は噴射器の故障の場合)に、燃料を逃がすことである。換言すれば、圧力逃し弁は、その端部における圧力低下が設計時間中に設定された閾値を上回ると自動的に開くように、ひいてはコモンレール内の燃料圧が設計時間中に設定された最大値を超えるのを防止するように較正される。
【0005】
燃料ポンプの構造を単純化するために、出口閉鎖弁及び圧力逃し弁は両方が出口通路内に同軸的に配置され、そして互いに一体化されて単一のバルブアセンブリを形成している。
【0006】
特許文献2に記載された、直接噴射システムのための燃料ポンプの場合、入口弁は、燃料が貫流し得る一連の貫通供給孔を有するディスクと、ディスクの基部上に載置され、ひいては供給孔を通る流路を閉じる可撓性円形シートとを含む。可撓性シートは円形の外縁を含み、この外縁を起点として、中心に配置されたシャッタ体を支持する3つの細いステムが延びている。シャッタ体は6つの円形シャッタ領域を有しており、これらの領域のそれぞれは、供給孔に配置されており、そして6つの円形シャッタ領域は、シャッタ体の中心要素の周りに配置され、シャッタ体の中心要素の上には制御棒が載置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2021/234661号
【特許文献2】欧州特許出願公開第3088728号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、直接噴射システムのための燃料ポンプであって、コンパクトであり且つ迅速に取り付け可能であると同時に、製造が容易且つ低廉である燃料ポンプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、添付の特許請求の範囲において主張された、直接噴射システムのための燃料ポンプが提供される。
【0010】
特許請求の範囲は、本明細書の不可欠な部分を形成する、本発明の好ましい実施態様を記述する。
【発明の効果】
【0011】
添付の図面を参照しながら本発明を以下に説明する。これらの図面は本発明の非限定的な実施態様を示している。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明に基づいて形成された高圧燃料ポンプを、明確さのために部材が取り除かれた状態で示す断面図である。
図2図2は、図1に示された高圧燃料ポンプの出口閉鎖弁及び圧力逃し弁を組み入れたバルブアセンブリを示す縦断面図である。
図3図3は、図2のバルブアセンブリを拡大して示す図である。
図4図4は、図2のバルブアセンブリを、出口閉鎖弁がはっきり見える状態で示す斜視図である。
図5図5は、図2のバルブアセンブリの出口閉鎖弁を形成するシートを示す平面図である。
図6図6は、図2のバルブアセンブリを示す分解斜視図である。
図7図7及び8は、図2のバルブアセンブリの支持エレメントを示す2つの異なる斜視図である。
図8図7及び8は、図2のバルブアセンブリの支持エレメントを示す2つの異なる斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1において、符号1は、高圧燃料ポンプを全体として示している。高圧燃料ポンプは、内燃機関のためのコモンレール型直接燃料噴射システムの部分である。
【0014】
高圧ポンプ1は、長手方向軸線3を有する本体2を含み、そして内側に円筒形ポンピングチャンバ4を画定している。ピストン(図示せず)がポンピングチャンバ4内部にスライド可能に取り付けられており、そして長手方向軸線3に沿って往復運動によって動くことにより、ポンピングチャンバ4の容積を周期的に変化させる。
【0015】
入口通路5がポンピングチャンバ4の側壁を直接の起点としており、そして使用中には、低圧ポンプに接続され、ポンピングチャンバ4の領域内に配置された一方向入口弁(図示せず)によって調整される。入口通路5とは反対側では、出口通路6がポンピングチャンバ4の側壁を直接の起点としており、出口通路6はコモンレールに接続され、バルブアセンブリ7によって係合されている(図2及び3に詳細が示されている)。すなわち、入口通路5はポンピングチャンバ4の一方の側から直接に始まっているのに対して、出口通路6はポンピングチャンバ4の反対側から直接に始まっている。
【0016】
バルブアセンブリ7はポンピングチャンバ4の領域内(近く)に配置され、そして燃料が出口通路6を通ってポンピングチャンバ4から流出することのみ許容する一方向出口弁8(OCV-出口閉鎖弁(Outlet Closing Valve)とも称される)と、燃料が出口通路6を通ってポンピングチャンバ4内へ流入することのみ許容する一方向最大圧力弁9(PRV-圧力逃し弁(Pressure Relief Valve)とも称される)との両方を一体化する。換言すれば、圧力逃し弁9は出口閉鎖弁8と一緒に同軸的に配置されており、これにより、出口閉鎖弁8と一緒に単一の一体型の組立体(バルブアセンブリ7)を形成する。すなわち、一方向出口閉鎖弁8は、燃料が出口通路6を通ってポンピングチャンバ4から流出することのみ許容し、これに対して、一方向圧力逃し弁9は、圧力逃し弁9の下流側の燃料圧が閾値を超えたときに開き、燃料が出口通路6を通ってポンピングチャンバ4内へ流入することのみ許容する。
【0017】
高圧ポンプ4の正常動作中には、出口閉鎖弁8は各ポンプサイクルとともに開閉する。すなわち出口閉鎖弁8は圧力制御されており、具体的には、出口閉鎖弁8は、ポンピングチャンバ4内(すなわち出口閉鎖弁8の上流側)の燃料圧が、出口閉鎖弁8の下流側の燃料圧よりも十分に高いとき(すなわちピストンがポンピング段階にあり、ポンピングチャンバ4の容積を減らしつつあるとき)には開いており、そしてポンピングチャンバ4内(すなわち出口閉鎖弁8の上流側)の燃料圧が、出口閉鎖弁8の下流側の燃料圧よりも低いとき(すなわちピストンが取り込み段階にあり、ポンピングチャンバ4の容積を増やしつつあるとき)に閉じられる。
【0018】
圧力逃し弁9の機能は、コモンレール内(すなわちバルブアセンブリ7の下流側)の燃料圧が設計時間中に設定された最大値を超えると(例えば制御ユニットによる制御エラーの場合、又は噴射器の故障の場合)、燃料が逃れるのを許容することである。換言すれば、圧力逃し弁9は、その端部における圧力低下が設計時間中に設定された閾値を上回ると自動的に開くように、ひいてはコモンレール内(すなわちバルブアセンブリ7の下流側)の燃料圧が設計時間中に設定された最大値を超えるのを防止するように較正される。当然ながら、圧力逃し弁9は、ピストンが取り込み段階にあり、ポンピングチャンバ4の容積を増やしつつあるときに(コモンレール内の燃料圧が過剰な場合に)のみ開くことができ、ピストンがポンピング段階にあり、ポンピングチャンバ4の容積を減らしつつあるときには開くことはできない。
【0019】
燃料ポンプ1は円筒形の雌ねじ山付き包含キャビティ10を有しており、雌ねじ山付き包含キャビティ10は、出口通路6と同軸であり、出口通路6と直接に連通しており(すなわち出口通路6に直接的に隣接し、出口通路6の自然な連続部分を構成する)、そしてポンピングチャンバ4に対して出口通路6の下流に配置され、更に、バルブアセンブリ7は円筒形の雄ねじ山付きコネクタ11を含み、雄ねじ山付きコネクタ11は、包含キャビティ10内へねじ込まれており、そして出口通路6を後続の燃料供給導管に接続するように構成されており、典型的には、燃料供給導管は、コネクタ11の噴出口の周りに螺合されている。
【0020】
好ましくは、コネクタ11と包含キャビティ10との間にはシーリングガスケット12も介在している。
【0021】
図2及び3に示されているように、コネクタ11は、燃料ポンプ1の本体2に面するハウジング13を有し、すなわちコネクタはポンピングチャンバ4に面している。換言すれば、円筒形のコネクタ11は包含キャビティ10内に挿入されており、ポンピングチャンバ4の近位側に一方の端部を有するハウジング13を内側に有しており、この端部は開いており、出口通路6と同軸であり、そして出口通路6に面していることにより、出口通路6から直接に軸線方向に流れる燃料を受容し、ひいては燃料をハウジング13に軸線方向に流入させる。
【0022】
バルブアセンブリ7は、コネクタ11のハウジング13内に配置された弁ディスク14(すなわち弁ディスクはコネクタ11のハウジング13と係合している)を含み、そしてポンピングチャンバ4に面する円形壁15と、円形壁15に対して平行であり且つ円形壁15とは反対側の円形壁16であって、ポンピングチャンバ4とは反対側に面し、そしてハウジング13の環状当接部17に当て付けられた円形壁16とを有している。好ましくは、弁ディスク14は、これが当接部17に当接するまでハウジング13内へ締り嵌めされ、加えて、弁ディスク14が当接部17に当接するまで締まり嵌めされたら、(壁15に近接して)コーキングを施すことにより、ハウジング13の壁上にシールリング(縁取り)を形成する。このシールリングは弁ディスク14を軸線方向に固定する。
【0023】
弁ディスク14は、一連の貫通出口孔18(具体的には弁ディスク14の長手方向軸線の周りに対称的に配置された3つの貫通出口孔18)を有しており、これらの貫通出口孔を燃料は貫流することができ、出口閉鎖弁の部分であり、すなわち、これらの貫通出口孔は、出口閉鎖弁8によってのみ使用される。各出口孔18は、弁ディスク14の壁16の領域内で得られる弁座19を備えている。加えて、弁ディスク14は(中心に配置された)単一の貫通逃し孔20を有しており、この貫通逃し孔を燃料は貫流することができ、圧力逃し弁9の一部である。すなわち、貫通逃し孔は圧力逃し弁によってのみ使用される。逃し孔20は、弁ディスク14の壁15の領域内に保持された弁座21を備えている。
【0024】
添付の図面に示された実施態様では、弁ディスク14は単一の、中心に配置された逃し孔20と、逃し孔20上に中心を有する仮想円周に沿って逃し孔20の周りに配置された複数の出口孔18(例えば弁ディスク14の長手方向軸線の周りに対称的に配置された3つの出口孔18)とを有している。具体的には、添付の図面に示された実施態様では、弁ディスク14は、弁ディスク14の長手方向の中心軸線の周りに対称的に配置された3つの出口孔18を有してはいるものの、図示していない他の実施態様によれば、出口孔18の数及び/又は配列は異なっていてよい。
【0025】
出口閉鎖弁8は(図4及び5によりよく示されている)円形の可撓性シート22をさらに含む。可撓性シートは、弁ディスク14の壁16に当て付けられ、出口孔18を貫通する流路を閉じる。具体的には、可撓性シート22は弁ディスク14の壁16に(出口孔18から比較的隔たった)所定の個所で常に結合(溶接)されるので、可撓性シートは出口孔18と隣接した状態で弁ディスク14に固定される。出口閉鎖弁8のシャッタを構成し、そしてまた各弾性エレメントを組み入れる可撓性シート22は、出口孔18の弁座19と係合し、そして弁ディスク14の下流側の燃料圧が弁ディスク14の上流側の燃料圧よりも小さいときには可撓性シート22自体を弁座19から引き離すように移動できる。
【0026】
出口閉鎖弁8は圧力制御されており、そして出口閉鎖弁8は、弁ディスク14の上流側(すなわちポンピングチャンバ4内)の燃料圧が、弁ディスク14の下流側の燃料圧よりも低いときには閉じられ、そして弁ディスク14の上流側(すなわちポンピングチャンバ4内)の燃料圧が、弁ディスク14の下流側の燃料圧よりも(十分に)高いときには開いている。具体的には、燃料がポンピングチャンバ4から出口通路6内へ流入すると、可撓性シート22は燃料の加圧下で弁ディスク14から離れるように変形して、燃料が貫通出口孔18を貫流するのを許し、他方において、燃料が出口通路6からポンピングチャンバ4へ流れようとすると、可撓性シート22は弁ディスク14に圧着し、出口孔18をシールして、ひいては燃料が出口孔18を貫流するのを防止する。
【0027】
図5に示されているように、可撓性シート22は3つの閉鎖部分23(すなわち3つの花弁状部分(petals))を含み、花弁状部分のそれぞれは、円形形状を有し、対応する出口孔18の弁座19に配置されており、そして、出口閉鎖弁8が閉じられたときに、燃料が対応する出口孔18を貫流するのを防止するように形成されている。したがって、3つの閉鎖部分23は、弁ディスク14の長手方向軸線の周りに対称的に配置されており、対応する出口孔18と同軸である。
【0028】
加えて、可撓性シート22は中心取り付け部分24を含み、中心取り付け部分24は中心に配置され、そして逃し孔20を塞がないように中心に穿孔されている(すなわち中心取り付け部分は中心に貫通孔を有している)。換言すれば、中心取り付け部分24は、逃し孔20を(これを塞ぐことなしに)取り囲むように環状形状を有している。可撓性シート22は横方向に(すなわち弁ディスク14の外縁に沿って)配置された環状の周囲取り付け部分25を含む。周囲取り付け部分25は弁ディスク14に所定の個所で不動に結合(具体的には溶接)されている。中心取り付け部分24は、弁ディスク14に不動に結合(具体的には溶接)されてよく、あるいは弁ディスク14から完全に分離されてもよい。
【0029】
可撓性シート22は3つの外側結合部分26を含んでおり、これらの外側結合部分のそれぞれは半円形状を有し、周囲取り付け部分25を対応する閉鎖部分23に結合している。すなわち、各外側結合部分26は周囲取り付け部分25から始まり、そして対応する閉鎖部分23で終わっている。可撓性シート22は3つの内側結合部分27を含み、これらの内側結合部分のそれぞれは「U」字形であり、中心取り付け部分24を対応する閉鎖部分23に結合している。すなわち、各内側結合部分27は中心取り付け部分24から始まり、そして対応する外側結合部分26とは反対側で、対応する閉鎖部分23で終わっている。換言すれば、同じ閉鎖部分23の2つの結合部分26及び27は、その閉鎖部分23の互いに対向する側に配置されている。
【0030】
図5に示されているように、各閉鎖部分23がただ1つの外側結合部分26に常に結合され、そしてその逆も当てはまり、すなわち各外側結合部分26がただ1つの閉鎖部分23に常に結合されるように、シート22は各閉鎖部分23のための対応する外側結合部分26を含む。同様に、各閉鎖部分23がただ1つの内側結合部分27に結合され、そしてその逆も当てはまり、すなわち各内側結合部分27がただ1つの閉鎖部分23に常に結合されるように、シート22は複数の内側結合部分27を含み、それぞれの内側結合部分が中心取り付け部分24を対応する閉鎖部分23に結合している。
【0031】
図5に示されているように、各閉鎖部分23が、単一の外側結合部分26及び単一の内側結合部分27によって専ら支持され、そして対応する外側結合部分26及び対応する内側結合部分27以外の結合を有さず、結果として各閉鎖部分23は、別の閉鎖部分23に決して直接には結合されていない(すなわち、単一のエレメントが閉鎖部分23から始まり、隣接の閉鎖部分23で終わる)。
【0032】
好ましい実施態様によれば、外部応力が存在しない状態で(すなわち、加圧された燃料によって発生した液圧力が存在しない状態で)、予め負荷される力がゼロ以外で、可撓性シートが出口孔18の第1弁座19に押し付けられるように、可撓性シート22は予め変形させられている。概ねこの予め負荷される力は1ニュートン超であり、1~3ニュートンである。具体的には、外部応力及び制約が存在しない状態で、閉鎖部分23が平行であり、取り付け部分24及び25から離隔されるように、可撓性シート22の結合部分26及び27は予め塑性変形させられる。可撓性シート22が弁ディスク14の壁16に固定されたときに、取り付け部分24及び25を閉鎖部分23と同一平面上にあるようにするために、可撓性シート22に予め負荷を加え、ひいては結合部分26及び27を弾性変形させることが必要である。
【0033】
シート22の上記構成は、シート22が高い捩じれ強さを有するのを可能にし、ひいては、シート22の閉鎖部分23が互いに平行に(したがって弁ディスク14の壁15に対して平行に)常に動き、開放時及び閉鎖時の両方において、出口閉鎖弁8の最適な動力学特性を保証する(すなわち出口閉鎖弁8が素早く且つ不確実性なしに開閉する)。
【0034】
図3に示された(非限定的)実施態様によれば、コネクタ11は環状当接部28を有しており、環状当接部28は、環状当接部17よりも半径方向内側へ向かって配置され、環状当接部17に対して軸線方向に変位され、弁ディスク14の壁16の近くに(弁ディスク14の壁16に面して)、可撓性シート22から所定の距離をおいて配置され、そして可撓性シート22(すなわち可撓性シート23の閉鎖部分22)の最大変形を制限する(包含する)ように構成されている。換言すれば、可撓性シート22の閉鎖部分23が燃料の加圧下で変形すると、これらの閉鎖部分は弁ディスク14の壁16から遠く離れるように動くことはできない。なぜならば、これらの閉鎖部分は、ある点で、コネクタ11の環状当接部28に衝突するので、環状当接部は閉鎖部分の最大変形を制限する。
【0035】
すなわち、コネクタ11の環状当接部28は、可撓性シート22の閉鎖部分23のための制限ストップであり、制限ストップは、可撓性シート22の閉鎖部分23が燃料の加圧下で変形するときに達し得る、ディスク14の壁16からの最大距離を定める。
【0036】
可撓性シート22の閉鎖部分23の制限ストップがコネクタ11内に組み込まれている(すなわち制限ストップがコネクタ11の環状当接部28から成る)という事実により、同じ機能を発揮するために加えられた(溶接された)付加的な構成部分を省略することができ、ひいてはバルブアセンブリ7の取り付けを単純化することができる。
【0037】
圧力逃し弁9は球状シャッタ29を含み、球状シャッタは逃し孔20の弁座21と係合するように構成されており、弁ディスク14の下流側の圧力と、弁ディスク14の上流側(すなわちポンピングチャンバ4内)の燃料圧との差が所定の介入閾値を超えると、弁座21から分離するように移動可能である。シャッタ29は金属(典型的には鋼)又はセラミック材料から形成されてよい。圧力逃し弁9は較正されたばね30を含み、ばねは弁座21の流体密封の係合位置へ向かってシャッタ20を押す。添付の図面に示された好ましい実施態様では、シャッタ29は球形状を有しており、結果として弁座21は、シャッタ29に流体密封に連結され得る円錐形状を有する。図示していない他の実施態様によれば、シャッタ29(そして結果として、シャッタ20に連結されなければならない弁座21)は異なる形状、例えばより平らな、又はより平らでない形状を有する。
【0038】
添付の図面に示された好ましい実施態様によれば、圧力逃し弁9は結合エレメント31を含んでおり、結合エレメントはシャッタ29とばね30との間に介在している。すなわち、一方の側では、結合エレメント31は座部32(図8に示されている)を有している。座部は、球状シャッタ28を部分的に包含するように構成されており、他方の側では、結合エレメント31は、ばね30に連結されるように成形されている。
【0039】
バルブアセンブリ7は環状体33を含み、環状体は、コネクタ11のハウジング13内に配置され、隙間なしにハウジング13と係合し(すなわち、環状体33の外壁がハウジング13の内壁と接触している)、弁ディスク14と本体2との間に配置されており、そして円筒形の中心貫通孔34を有している。中心貫通孔は、出口通路6から直接且つ軸線方向に来た燃料が弁ディスク14へ向かって軸線方向へ流れるのを許容する。環状体33はコネクタ11のハウジング13内に締まり嵌めされており、弁ディスク14をコネクタ11の環状当接部17に押し付ける。
【0040】
圧力逃し弁9のばね30は、環状体33の中心孔34内に配置されている。注目すべき重要な点は、結合エレメント31が、中心孔34に完全には係合されないように成形され寸法設定されることにより、燃料が中心孔34に沿って流れ、結合エレメント31を貫流し得ることである。図7及び8に示されているように、結合エレメント31は中心ピン35を含む。中心ピンは、ばね30内部に嵌まるように成形されており(すなわちばね30が中心ピン35を取り囲む)、そしてカップ36(中心ピン35よりも広幅であり、且つ環状体33の中心孔34よりも狭幅である)で終わり、カップ内にはシャッタ29の座部32が設けられる。すなわち、カップ36は中心ピン35と一体的である。さらに、結合エレメント31はガイドリング37を含んでおり、ガイドリングは、環状体33の中心孔34の壁と接触している外側壁を有することにより、中心孔34内部の結合エレメント31のスライドを案内する。こうして、結合エレメント31は、環状体33の中心孔34に沿って(いかなる傾倒もなしに)軸線方向にのみスライドすることができる。ガイドリング37は4つのスポーク38によってカップ36に結合されており、これらのスポークの間には、燃料が弁ディスク14へ向かって流れるのを許容する4つの流路39がある。注目すべき重要な点は、流路39が広幅であり(すなわちスポーク38が狭幅であり)、ひいては燃料が障害物なしに、すなわち目立った負荷損なしに弁ディスク14へ向かって流れるのを可能にすることである。
【0041】
環状体33の中心孔34の壁には、環状突起40が設けられており(図3によりよく示されている)、環状突起は中心孔34の壁から突出しており、結合エレメント31(すなわち結合エレメント31によって運ばれるシャッタ29)の行程を制限する制限ストップを構成している。換言すれば、圧力逃し弁9が弁ディスク14の下流側の燃料圧下で開くと、ばね30は圧縮され、そしてシャッタ29は、弁ディスク14の設けられた弁座21から軸線方向に離れるように(結合エレメント31と一緒に)移動する。シャッタ29のこの開放の動きは、環状突起40の存在によって制限され、結合エレメント31の軸線方向スライドが環状突起に当って遮断される。具体的には、環状体33の中心孔34の環状突起40は、結合エレメント31のガイドリング37に接触する。
【0042】
シャッタ29の開放行程を制限する環状突起40の存在は、シャッタ29の開放行程の可動域(ひいては開いた圧力逃し弁9を貫流する燃料の流量)が常に一定であり、ばね30の関連する構造及び取り付け許容誤差とは無関係に所望の設計値に等しいことを保証する。すなわち、環状突起40が存在しないと、シャッタ29の開放行程は、ばね30がぎっしり押し固められた(pack itself)ときにのみ停止し、したがって、ばね30の関連する構造及び取り付け許容誤差によって影響を及ぼされるのに伴って著しく不確実な可動域を有するようになる。シャッタ29の開放行程を、(環状突起40の存在に起因して)(比較的)小さく保つことはまた、圧力逃し弁9が閉じた時の弁座21に対するシャッタ29の跳ね返りを低減する。
【0043】
好ましい実施態様によれば、環状体33の中心孔34に沿ってストライカ体41が締まり嵌めされており、前記ストライカ体41は、圧力逃し弁9のばね30の一方の端部を内側に含むために、好ましくはカップ形であり(実際にこれは「カップ」である)、ばね30のための支持を提供する。結果として、圧力逃し弁9のばね30は、シャッタ29(通常、弁ディスク14の壁15内に形成された逃し孔20の弁座21に当て付けられている)と、ストライカ体41との間で圧縮される。カップ形ストライカ体41は、ばね30の一方の端部を内側に収納し、ばね30が当て付けられた、中心を穿孔された基底壁を有し、環状体33の中心孔34内に配置され、そして環状体33の内側に固定(締まり嵌め)されている。
【0044】
環状体33の中心孔34に沿ってストライカ体41の位置を変化させる(すなわち環状体33の中心孔34内へストライカ体41を程度の差こそあれ押し込む)と、弁ディスク14からのストライカ体41の距離が変化し、ひいてはこれに相応してばね30の圧縮度、及びばね30によって発生する弾性力が変化する(しかしながら、環状突起40によって決定されるシャッタ29の開放行程は変化しない)。
【0045】
燃料ポンプ1を取り付けるときには、ばね30の実際の弾性定数(構造上の許容誤差を差し引いたもの)を測定し、ひいてはばねの実際の弾性定数に基づいて環状体33の中心孔34に沿ったストライカ体41の位置を選択できるので、圧力逃し弁9の介入閾値(すなわち圧力逃し弁9がそれを上回ると開く圧力閾値)は所期の公称値にできる限り近くなる。燃料ポンプ1を取り付けるときには、圧力逃し弁9の介入閾値を測定し、ひいては環状体33の中心孔34に沿ったストライカ体41の位置を補正することもできるので、圧力逃し弁9の介入閾値は所期公称値に可能な限り近くなる。
【0046】
(出口閉鎖弁8と圧力逃し弁9とから成る)バルブアセンブリ7は、出口導管の包含キャビティ10内へコネクタ11を挿入する(ねじ込む)前に、コネクタ11のハウジング13内で完全に組み立てられる。このようにすると、出口導管の包含キャビティ10内へコネクタ11を挿入する(ねじ込む)前に、バルブアセンブリ7を試験することができ、ひいては公称性能からの過剰な偏差が生じた場合に、バルブアセンブリ7を補正(修正)することができ、あるいは、完全に組み立てられた燃料ポンプ1に関与する必要なしに、又は完全に組み立て済みの燃料ポンプ1を廃棄する必要なしに、バルブアセンブリ7を高々廃棄すれば良い。
【0047】
具体的には、コネクタ11のハウジング13内でのバルブアセンブリ7の組み立てが完了すると、ばね30を圧縮することにより、ストライカ体41をハウジング13内に嵌め込み、バルブアセンブリ7の組み立てを完了する。この時点で、圧力逃し弁9の介入閾値(すなわち、圧力逃し弁9がそれを上回ると開く圧力閾値)を測定することができ、そして、圧力逃し弁9の介入閾値があまりにも低い(すなわち所期の公称値よりも著しく低い)場合には、ストライカ体41に作用する(ストライカ体41を押す)ことにより、弁ディスク14のより近くにストライカ体41を動かし、ひいてはばね30をさらに圧縮して、ばね30によって発生する弾性力を高めることができる。
【0048】
したがって、公称位置と比較して弁ディスク14から僅かにより遠くの位置にストライカ体41を最初に配置し、そして次いで、必要な場合には、圧力逃し弁9の介入閾値(すなわち、圧力逃し弁9がそれを上回ると開く圧力閾値)を測定した後、弁ディスク14のより近くにストライカ体41を動かすことにより、ストライカ体41の位置を補正すると好都合である。
【0049】
本明細書中に記載された実施態様は、本発明の保護範囲を逸脱することなしに、互いに組み合わせることができる。
【0050】
上記燃料ポンプ1は多くの利点を有する。
【0051】
まず第一に、上記燃料ポンプ1のバルブアセンブリ7は、構造・取り付け許容誤差が極めて効果的に補償されるのを可能にし、高い精度、ひいては公称性能の遵守を保証する。
【0052】
加えて、上記燃料ポンプ1のバルブアセンブリ7は、出口閉鎖弁8の最適な動力学特性を有する(すなわち出口閉鎖弁8が迅速且つ不確実性なしに開閉する)。
【0053】
最後に、上記燃料ポンプ1のバルブアセンブリ7は、同様の周知の燃料ポンプよりも組み立てが容易且つ低廉である。それというのも、これはより少数の部分から成っているからである。
【符号の説明】
【0054】
1 燃料ポンプ
2 本体
3 長手方向軸線
4 ポンピングチャンバ
5 入口通路
6 出口通路
7 バルブアセンブリ
8 出口閉鎖弁
9 圧力逃し弁
10 端部分(end portion)
11 コネクタ
12 シーリングガスケット
13 ハウジング
14 弁ディスク
15 壁
16 壁
17 当接部
18 出口孔
19 弁座
20 逃し孔
21 弁座
22 シート
23 閉鎖部分
24 中心取り付け部分
25 周囲取り付け部分
26 外側結合部分
27 内側結合部分
28 当接部
29 シャッタ
30 ばね
31 結合エレメント
32 座部
33 環状体
34 中心孔
35 中心ピン
36 カップ
37 ガイドリング
38 スポーク
39 流路
40 突起
41 ストライカ体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【外国語明細書】