(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133259
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】ポリシリコン抵抗および接合終端エッジから形成されるキャパシタを有するRCスナバ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/8234 20060101AFI20230914BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20230914BHJP
H02M 3/155 20060101ALI20230914BHJP
H02M 1/34 20070101ALI20230914BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20230914BHJP
【FI】
H01L27/06 102A
H01L27/088 A
H01L27/088 331E
H02M3/155 R
H02M1/34
H02M7/48 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023037555
(22)【出願日】2023-03-10
(31)【優先権主張番号】17/692,509
(32)【優先日】2022-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】599158797
【氏名又は名称】インフィニオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Infineon Technologies AG
【住所又は居所原語表記】Am Campeon 1-15, 85579 Neubiberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】デサード ピータース
(72)【発明者】
【氏名】グアン ツェン
【テーマコード(参考)】
5F048
5H730
5H740
5H770
【Fターム(参考)】
5F048AC01
5F048AC10
5F048BA14
5F048BA16
5F048BB09
5F048BB11
5F048BB19
5F048BC03
5F048BC12
5F048BD07
5H730AS04
5H730BB14
5H730DD04
5H730DD41
5H730ZZ11
5H730ZZ12
5H730ZZ15
5H740BA12
5H740MM03
5H770AA07
5H770AA21
5H770JA11X
5H770JA14X
5H770KA05X
5H770QA01
5H770QA04
5H770QA06
5H770QA22
(57)【要約】 (修正有)
【課題】半導体デバイス内の振動を減衰する装置を提供する。
【解決手段】装置200は、接合終端エッジ260と、並列に結合されるユニポーラパワートランジスタおよびRCスナバ201と、を含む。RCスナバ201は、ポリシリコン構造221と半導体基板212との間にあり、接合終端エッジ260の一部であるキャパシタ220を有する。キャパシタ220は、pn接合を有する。RCスナバ201は、ユニポーラパワートランジスタのソース244とキャパシタ220を形成する第1の層214との間のポリシリコン抵抗218を有する。ユニポーラパワートランジスタおよびRCスナバ201は、並列に結合される。RCスナバ201およびユニポーラパワートランジスタは、半導体基板212上にモノリシックに形成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接合終端エッジと、
ユニポーラパワートランジスタと、
RCスナバと、
を備える装置であって、
前記RCスナバは、
ポリシリコン構造と半導体基板との間にあり、前記接合終端エッジの一部であり、pn接合を備えるキャパシタと、
前記ユニポーラパワートランジスタのソースと前記キャパシタを形成する第1の層との間のポリシリコン抵抗と、
を備え、
前記ユニポーラパワートランジスタおよび前記RCスナバは、並列に結合され、
前記RCスナバおよび前記ユニポーラパワートランジスタは、前記半導体基板上にモノリシックに形成される、
装置。
【請求項2】
前記半導体基板は、炭化ケイ素基板を備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記pn接合は、p型材料の前記第1の層およびn型材料の第2の層を備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第2の層は、前記第1の層と前記半導体基板との間にある、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ポリシリコン抵抗は、前記ポリシリコン構造を含み、前記ポリシリコン抵抗は、前記RCスナバのスナバ電極と前記第1の層との間にある、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ポリシリコン抵抗は、スナバコンタクトによって前記RCスナバのスナバ電極に接続され、前記ポリシリコン抵抗は、前記スナバ電極を前記第1の層に接続する、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記ポリシリコン構造は、前記ユニポーラパワートランジスタのドレインを前記ユニポーラパワートランジスタのゲートから分離する、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ポリシリコン抵抗は、ソースコンタクトによって前記ソースに接続されている、
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ポリシリコン抵抗は、前記キャパシタに電気的に結合されている、
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の層は、p型材料を備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ユニポーラパワートランジスタは、3端子トランジスタを備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記ユニポーラパワートランジスタは、炭化ケイ素金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)または炭化ケイ素接合ゲート電界効果トランジスタ(JFET)の少なくとも1つを備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記キャパシタは、p型材料の前記接合終端エッジを含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記半導体基板は、窒化ガリウム基板を備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記装置は、RCスナバ層を備え、前記RCスナバ層は、
前記RCスナバと、
複数の抵抗と、
を備え、
前記複数の抵抗は、前記抵抗を備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項16】
ユニポーラパワートランジスタと、
RCスナバと、
を備える装置であって、
前記RCスナバは、
ポリシリコン構造と半導体基板との間にあり、pn接合を備えるキャパシタと、
前記ユニポーラパワートランジスタのソースと前記キャパシタを形成する第1の層との間のポリシリコン抵抗と、
を備え、
前記ユニポーラパワートランジスタおよび前記RCスナバは、並列に結合され、
前記RCスナバおよび前記ユニポーラパワートランジスタは、前記半導体基板上にモノリシックに形成される、
装置。
【請求項17】
前記ポリシリコン抵抗は、前記ポリシリコン構造を含む、
請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記ポリシリコン抵抗は、ソースコンタクトによって前記ソースに接続され、スナバコンタクトによって前記RCスナバのスナバ電極に接続されている、
請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記ポリシリコン抵抗は、テストパッドコンタクトによってテストパッドに接続されている、
請求項16に記載の装置。
【請求項20】
接合終端エッジと、
ユニポーラパワートランジスタと、
RCスナバと、
を備える装置であって、
前記RCスナバは、
ポリシリコン構造と半導体基板との間にあり、前記接合終端エッジの一部であり、pn接合を備えるキャパシタと、
前記ユニポーラパワートランジスタのソースと前記キャパシタを形成する第1の層との間の抵抗と、
を備え、
前記ユニポーラパワートランジスタおよび前記RCスナバは、並列に結合され、
前記RCスナバおよび前記ユニポーラパワートランジスタは、前記半導体基板上にモノリシックに形成される、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体デバイス内の振動を減衰する分野に関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな種類のトランジスタ、例えば、炭化ケイ素金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(SiC MOSFET)および他のタイプのトランジスタは、高電力かつ高電圧の範囲での使用用途のために、例えば、牽引および風力エネルギーの用途において用いられうる。この種の用途は、高い電流および大きなパワーモジュールまたは並列の接続モジュールを利用しうる。これらのトランジスタの動作は、結果として、比較的高い整流(commutation)インダクタンス、例えば、整流経路当たり20nHから100nHの範囲になりうる。これらのトランジスタの1つにおいて負荷電流が急速にスイッチングオフされる場合、整流振動はトリガされうる。整流振動は、結果として、電磁干渉および/または電磁干渉限界の不順守になりうる。この種の整流振動は、高負荷電流を利用する用途のために望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この概要は、詳細な説明においてさらに後述する概念の簡略化された形での選択を導くように提供される。この概要は、請求項の主題の主要因または基本的特徴を識別することを意図するものではなく、請求項の主題の範囲を制限するために用いられることを意図するものでもない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願明細書において提示される技術の一実施形態において、装置が提供される。装置は、接合終端エッジ(junction termination edge)を備える。装置は、ユニポーラパワートランジスタを備える。装置は、ユニポーラパワートランジスタ内で並列に結合されたRCスナバを備える。RCスナバおよびユニポーラパワートランジスタは、半導体基板上にモノリシックに形成される。RCスナバは、キャパシタを備える。キャパシタは、ポリシリコン構造と半導体基板との間にあり、接合終端エッジの一部である。キャパシタは、pn接合を備える。RCスナバは、ポリシリコン抵抗を備える。ポリシリコン抵抗は、ユニポーラパワートランジスタのソースとキャパシタを形成する第1の層との間にある。
【0005】
上述の目的および関連する目的の達成のために、以下の説明および添付の図面は、特定の例示的な態様および実施態様を記載する。これらは、1つまたは複数の態様が使用されてもよい種々の方法の一部のみを示す。開示の他の態様、利点および新しい特徴は、添付の図面に関連して考慮されるとき、以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】2つのトランジスタを含むハーフブリッジを備える装置を示す構成要素のブロック図であり、各トランジスタは、同じ半導体基板上に形成されるRCスナバに並列に結合される。
【
図2】同じ半導体基板上に形成されるRCスナバに並列に結合されるトランジスタを備える装置の断面である。
【
図3】同じ半導体基板上に形成されるRCスナバに並列に結合されるトランジスタを備える装置の平面図である。
【
図4】同じ半導体基板上に形成されるRCスナバに並列に結合するトランジスタを備える装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、請求項の主題は、図面を参照して記載され、同様の参照符号は、全体を通して、同様の要素を参照するために用いられる。以下の記載では、説明のために、多数の具体的な詳細は、請求項の主題の完全な理解を提供するために記載される。しかしながら、請求項の主題がこれらの具体的な詳細なしで実行されてもよいことは明らかでありうる。他の例において、請求項の主題を容易に説明するために、周知の構造およびデバイスは、ブロック図の形態で示される。
【0008】
エレクトロニクスの分野において、炭化ケイ素金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(SiC MOSFET)、炭化ケイ素接合ゲート電界効果トランジスタ(SiC JFET)、ユニポーラパワートランジスタなどのようなトランジスタは、さまざまな用途、例えば、高電力および/または高電圧の用途においてスイッチングするために用いられてもよい。デバイスのトランジスタがスイッチングされるとき、整流振動をトリガすることがあり、したがって、デバイスの動作に悪影響を及ぼしうる、デバイス内の望ましくない振動エネルギーを引き起こす。例えば、トランジスタが高電圧(例えば、600ボルト以上の電圧)を有するパワートランジスタとして用いられるとき、整流振動は、トリガされ、トランジスタをスイッチングオフすることは、非常に高速であるので、整流振動が生ずる。これらの整流振動は、デバイスの動作に悪影響を及ぼす高周波LC振動でありうる。例えば、整流振動は、結果として、デバイスの正しい動作に影響を与える電磁干渉になりうる。電磁干渉の一例において、トランジスタは、最初にオフ状態にあってもよい。オン状態にある間、トランジスタのドレインおよびソース電圧はローである。トランジスタがスイッチングオフされるとき、直流電圧に到達するまで、電圧は増加を開始する。電流は、通常動作モードの間、減少を開始し、したがって、振動が発生し始める。振動は、望ましくない電磁干渉を引き起こす。
【0009】
デバイス内の整流振動を減衰するための1つの技術は、高いゲート抵抗値によって動作可能なSiC MOSFETのような絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)の構成要素またはユニポーラ構成要素を用いることに関する。しかしながら、これは、結果として、デバイスの全体効率に悪影響を及ぼす増加したスイッチング損失になりうる。デバイス内の整流振動を減衰するのを助けるのに用いることができる他の技術は、RCネットワーク/スナバの使用に関する。RCスナバは、パワーエレクトロニクスが高周波LC振動に反応してこの種の振動を減衰するために用いることができる。振動については、RCスナバのキャパシタは、抵抗を通して電流を引き起こして振動を減衰し、これはまた、結果として容認できない損失になる。これらのRCスナバは、減衰されているトランジスタの外部にあり、例えば、負荷接続上に、または、補助接続上に配置されている。これによって、RCスナバとトランジスタ(チップ)との間に漏れインダクタンス(寄生インダクタンス)が生じる。
【0010】
したがって、本願明細書において提供されるように、RCスナバは、装置のユニポーラパワートランジスタの振動を減衰するために、装置内に組み込まれる。RCスナバおよびユニポーラパワートランジスタは、並列に一緒に結合される。RCスナバおよびユニポーラパワートランジスタは、同じ半導体基板上にモノリシックに形成され、したがって、RCスナバおよびユニポーラパワートランジスタは、同じ半導体デバイス内に一緒に組み込まれ、例えば、RCスナバの抵抗(ポリシリコン抵抗)およびキャパシタは、ユニポーラパワートランジスタを形成する材料の層から形成され、したがって、RCスナバは、ユニポーラパワートランジスタの一部として形成される。加えて、キャパシタは、装置の接合終端エッジの一部として形成されてもよく、例えば、接合終端エッジのp型材料は、キャパシタを形成する。RCスナバは、装置内に組み込まれ、ユニポーラパワートランジスタと同じ半導体基板上に形成されるので、RCスナバは、RCスナバがユニポーラパワートランジスタの外部にある場合より、ユニポーラパワートランジスタの近くに(その一部として)位置決め可能である。これは、振動の改善された減衰を提供するとともに、さもなければ装置およびユニポーラパワートランジスタの外部のRCスナバから生ずる漏れインダクタンスを減少させる。RCスナバは、ユニポーラパワートランジスタ内に組み込まれるので、装置内のより少ない面積が、RCスナバによって消費される。RCスナバをユニポーラパワートランジスタ内に組み込むことによって、多数のユニポーラパワートランジスタを備えるデバイスのためのスケーリングアウト(scaling out)を可能にする。なぜなら、各ユニポーラパワートランジスタがそれ自身の組み込まれたRCスナバを有するからである。
【0011】
開示されたRCスナバは、外部のRCスナバおよび振動を減衰するために用いられる他の技術に勝るさまざまな利点を提供し、例えば、振動は、高いL×Iの積を有する適用における振動であり、L×Iの積は、整流インダクタンス(例えば、
図1のインダクタンス102)とそれを流れる電流との積に対応する。このRCスナバについては、RCスナバは、装置およびユニポーラパワートランジスタ内に組み込まれるので、RCスナバとして用いられている追加の/外部の構成要素はない。RCスナバは、ユニポーラパワートランジスタ内に組み込まれるので、例えば、すでに装置の一部であるゲートパッドの下の領域内に組み込まれるので、RCスナバによって消費される追加の面積はほとんどない。装置が十分に冷却されるので、RCスナバは、RCスナバ内の電力損失の消散を提供する。RCスナバは、寄生インダクタンスが含まれないので、振動に直接作用し、振動を減衰することができる。RCスナバは、各装置/トランジスタ内に組み込まれるので、RCスナバは、モジュール内の並列の装置/トランジスタの数に対応する。
【0012】
一実施形態において、RCスナバの抵抗は、ポリシリコンを備えるポリシリコン抵抗である。ポリシリコン抵抗は、他のタイプの材料から形成される抵抗と比較して、改善された絶縁を提供する。また、ポリシリコン抵抗は、他のタイプの材料から形成される抵抗より高いオーバーシュート電圧を維持することができる。一実施形態において、ポリシリコン抵抗は、約90オームと約110オームとの間の抵抗値、例えば、約100オームまたは他の任意の抵抗値を有する。
【0013】
一実施形態において、RCスナバのキャパシタは、装置の接合終端エッジのp型材料から形成される。接合終端エッジは、ユニポーラパワートランジスタのような装置のメインデバイス構成要素の周りでエッジ終端を提供する。このようにして、接合終端エッジを用いて、装置内のある点で電界を制御する。RCスナバのキャパシタは、接合終端エッジ内に組み込み(形成)可能である。これは、接合終端エッジがユニポーラパワートランジスタを囲み、装置の有意な面積(例えば、10%の面積)をカバーするからである。したがって、キャパシタは、接合終端エッジから形成可能であり、ユニポーラパワートランジスタの出力キャパシタンスの10%のキャパシタンスのような特定のキャパシタンスを有することができる。
【0014】
図1は、RCスナバ110を備える装置を含むモジュール100を示す。装置は、DCリンクキャパシタ104をさらに備える。DCリンクキャパシタ104は、電流をスイッチングするために低インピーダンス経路を提供し、かつ、エネルギー貯蔵を提供する中間回路キャパシタとして用いられてもよい。モジュール100は、負荷120に接続されてもよい。モジュール100は、第1のボディダイオード108を備える。一実施形態において、モジュール100は、第1のユニポーラパワートランジスタを備え、第1のボディダイオード108は、第1のユニポーラパワートランジスタのドレインとソースとの間にある。第1のボディダイオード108は、第1のユニポーラパワートランジスタのソースとドレインとの間の第1のユニポーラパワートランジスタのpn接合によって形成される。モジュール100は、任意数のユニポーラパワートランジスタを備えてもよく、例えば、第2のユニポーラパワートランジスタのドレインとソースとの間の第2のボディダイオード106を有する第2のユニポーラパワートランジスタを備えてもよい。第2のボディダイオード106は、第2のユニポーラパワートランジスタのソースとドレインとの間の第2のユニポーラパワートランジスタのpn接合によって形成される。モジュール100のユニポーラパワートランジスタは、DCリンク電位122またはグラウンド124の一方に負荷120を選択的に結合する。DCリンク電位は、600V、1200V、1800Vまたはいくつかの実施形態では3.3kV以上さえでもよい。グラウンド124は、0Vまたはいくつかの実施形態では0V以下さえでもよい。モジュール100は、インダクタンス102、例えば、DCリンクキャパシタ104とモジュール100との間の接続のインダクタンスに対応する寄生インダクタンスを有する。
【0015】
一実施形態において、第1のユニポーラパワートランジスタおよび/または第2のユニポーラパワートランジスタは、SiC MOSFETトランジスタである。一実施形態において、第1のユニポーラパワートランジスタおよび/または第2のユニポーラパワートランジスタは、SiC JFETトランジスタである。一実施形態において、第1のユニポーラパワートランジスタおよび/または第2のユニポーラパワートランジスタは、3端子トランジスタである。なぜなら、外部のRCスナバに接続するための追加の端子を必要とせずに、RCスナバは、ユニポーラパワートランジスタ内に組み込まれるからである。
【0016】
モジュール100は、任意数のRCスナバ110を備えてもよく、例えば、第1のユニポーラパワートランジスタ内に組み込まれ、第1のユニポーラパワートランジスタに並列に結合される第1のRCスナバ111と、第2のユニポーラパワートランジスタ内に組み込まれ、第2のユニポーラパワートランジスタに並列に結合される第2のRCスナバ113と、を備えてもよい。第1のRCスナバ111および第1のユニポーラパワートランジスタは、第1の半導体基板上にモノリシックに形成される。一実施形態において、第1の半導体基板は、炭化ケイ素基板を備える。一実施形態において、第1の半導体基板は、窒化ガリウム基板を備える。第2のRCスナバ113および第2のユニポーラパワートランジスタは、第2の半導体基板上にモノリシックに形成される。一実施形態において、第2の半導体基板は、炭化ケイ素基板を備える。一実施形態において、第2の半導体基板は、窒化ガリウム基板を備える。
【0017】
第1のRCスナバ111は、第1のキャパシタ114および第1の抵抗112、例えば、ポリシリコン抵抗を備える。第1のキャパシタ114は、第1のユニポーラパワートランジスタのポリシリコン構造と第1の半導体基板との間に位置する。ポリシリコン構造は、第1のユニポーラパワートランジスタのソースに接続されてもよい。ポリシリコン構造は、第1のユニポーラパワートランジスタのドレインを第1のユニポーラパワートランジスタのゲートから分離する。第1のキャパシタ114は、pn接合、例えば、第1のボディダイオード108を形成する第1のユニポーラパワートランジスタのpn接合を備える。pn接合は、p型材料を備える第1の層およびn型材料を備える第2の層を備えてもよい。第2の層は、第1の層と第2の半導体基板との間にある。第1のキャパシタ114は、第1のユニポーラパワートランジスタの出力側に位置する。第1のキャパシタ114は、モジュール100の接合終端エッジの一部として形成されてもよい。一実施形態において、第1のキャパシタ114は、接合終端エッジのp型材料から形成される。
【0018】
第1の抵抗112は、第1のユニポーラパワートランジスタのソースと第1のキャパシタ114を形成する第1の層との間に位置する。一実施形態において、第1の抵抗112および第1のキャパシタ114は、互いに電気的に結合されている。一実施形態において、第1の抵抗112は、スナバコンタクトによって第1のRCスナバ111のスナバ電極に結合され、第1の抵抗112は、スナバ電極を第1の層に接続する。一実施形態において、第1の抵抗112は、ポリシリコン構造を含み、第1の抵抗112は、スナバ電極と第1の層との間に形成される。一実施形態において、第1の抵抗112は、ソースコンタクトによって第1のユニポーラパワートランジスタのソースに接続される。一実施形態において、第1の抵抗112は、テストパッドコンタクトによってテストパッドに接続され、テストパッドコンタクトを用いて、第1の抵抗112を測定することができる。
【0019】
第2のRCスナバ113は、第2のキャパシタ118および第2の抵抗116、例えば、ポリシリコン抵抗を備える。第2のキャパシタ118は、第2のユニポーラパワートランジスタのポリシリコン構造と第2の半導体基板との間に位置する。ポリシリコン構造は、第2のユニポーラパワートランジスタのソースに接続されてもよい。ポリシリコン構造は、第2のユニポーラパワートランジスタのドレインを第2のユニポーラパワートランジスタのゲートから分離する。第2のキャパシタ118は、pn接合、例えば、第2のボディダイオード106を形成する第2のユニポーラパワートランジスタのpn接合を備える。pn接合は、p型材料を備える第1の層およびn型材料を備える第2の層を備えてもよい。第2の層は、第1の層と第2の半導体基板との間にある。第2のキャパシタ118は、第2のユニポーラパワートランジスタの出力側に位置する。第2のキャパシタ118は、モジュール100の接合終端エッジの一部として形成されてもよい。一実施形態において、第2のキャパシタ118は、接合終端エッジのp型材料から形成される。
【0020】
第2の抵抗116は、第2のユニポーラパワートランジスタのソースと第2のキャパシタ118を形成する第1の層との間に位置する。一実施形態において、第2の抵抗116および第2のキャパシタ118は、互いに電気的に結合されている。一実施形態において、第2の抵抗116は、スナバコンタクトによって第2のRCスナバ113のスナバ電極に結合され、第2の抵抗116は、スナバ電極を第1の層に接続する。一実施形態において、第2の抵抗116は、ポリシリコン構造を含み、第2の抵抗116は、スナバ電極と第1の層との間に形成される。一実施形態において、第2の抵抗116は、ソースコンタクトによって第2のユニポーラパワートランジスタのソースに接続される。一実施形態において、第2の抵抗116は、テストパッドコンタクトによってテストパッドに接続され、テストパッドコンタクトを用いて、第2の抵抗116を測定することができる。
【0021】
一実施形態において、モジュール100は、RCスナバ層を備えてもよい。RCスナバ層は、ユニポーラパワートランジスタ内の振動を減衰するのに用いられるRCスナバを備えてもよい。RCスナバ層は、複数の抵抗、例えば、ポリシリコン抵抗を備えてもよい。RCスナバからの損失を分散するために、抵抗は、ユニポーラパワートランジスタのゲートパッドの1つまたは複数の側面の周りに位置決めされる抵抗値ブリッジとして実施されてもよく、抵抗値を分散させ、それにより、振動を減衰するRCスナバからの損失を分散する。
【0022】
図2から
図4に関連して、ユニポーラパワートランジスタ内に組み込まれるRCスナバの一実施形態がさらに記載されていることを認識されたい。
【0023】
図2は、RCスナバ201を備える装置200の断面を示し、RCスナバ201は、装置200のユニポーラパワートランジスタ内に組み込まれる。装置200は、1つまたは複数のユニポーラパワートランジスタが位置するアクティブトレンチトランジスタセル領域202を備える。一実施形態において、ユニポーラパワートランジスタのソース244は、アクティブトレンチトランジスタセル領域202内に位置する。装置200は、装置200のゲート207のゲートパッドが形成されるゲートパッド領域204を備える。装置200は、半導体基板212を備える。一実施形態において、半導体基板212は、炭化ケイ素基板を備える。一実施形態において、炭化ケイ素基板は、n
+炭化ケイ素基板である。一実施形態において、半導体基板212は、窒化ガリウム基板を備える。半導体基板212が他の材料を備えてもよいことを認識されたい。
【0024】
装置200は、第1の層214を備える。一実施形態において、第1の層214は、ドリフトゾーン層、例えば、nドリフトゾーン層である。一実施形態において、第1の層214は、装置200の半導体基板212上に位置決めされる。一実施形態において、第1の層214は、n型材料を備えるnドープドリフトゾーンである。一実施形態において、第1の層214は、RCスナバ201のキャパシタ220の一部を形成するn型層である。
【0025】
装置200は、第2の層210を備える。一実施形態において、第2の層210は、アノード層、例えば、p+型アノード層である。一実施形態において、第2の層210は、ソース244に接続される。一実施形態において、第2の層210は、装置200の第1の層214上に位置決めされる。一実施形態において、第2の層210は、RCスナバ201のキャパシタ220の一部を形成するp型層である。このようにして、n型層としての第1の層214およびp型層としての第2の層210は、RCスナバ201のキャパシタ220のpn接合を形成する。pn接合は、装置200のユニポーラパワートランジスタのドレイン242を保護する。一実施形態において、装置200は、接合終端エッジ260を備える。一実施形態において、接合終端エッジ260は、p型材料を備える。キャパシタ220は、接合終端エッジ260から形成されてもよく、例えば、キャパシタ220は、接合終端エッジ260のp型材料から形成されてもよい。このようにして、RCスナバ201のキャパシタ220は、接合終端エッジ260内に組み込まれてもよい(接合終端エッジ260の一部を形成してもよい)。これは、接合終端エッジ260がユニポーラパワートランジスタを囲み、装置200の有意な面積(例えば、10%の面積)をカバーするからである。したがって、キャパシタ220は、接合終端エッジ260から形成可能であり、ユニポーラパワートランジスタの出力キャパシタンスの10%のキャパシタンスのような特定のキャパシタンスを有する。
【0026】
装置200は、第3の層222を備える。一実施形態において、第3の層222は、ゲート酸化物層である。一実施形態において、第3の層222は、ゲート酸化物材料、例えば、二酸化シリコン材料、高誘電率材料、誘電材料などを備える。一実施形態において、第3の層222は、第2の層210上に位置決めされる。
【0027】
装置200は、ポリシリコン構造221、例えば、s-polyプレートを備える。一実施形態において、ポリシリコン構造221は、第3の層222上、例えば、ゲート酸化物層上に位置決めされる。一実施形態において、ポリシリコン構造221は、ゲートパッド領域204内に位置決めされる。一実施形態において、ポリシリコン構造221を用いて、ユニポーラパワートランジスタのドレイン242をユニポーラパワートランジスタのゲート207から分離する。一実施形態において、ゲート207は、導電材料を備える。一実施形態において、導電材料は、アルミニウム銅AlCuまたは他の金属材料または導電材料を備える。一実施形態において、ポリシリコン構造221は、ソーススナバ電位(Ssn)に接続される。一実施形態において、抵抗218は、ポリシリコン抵抗であり、ポリシリコン抵抗は、ポリシリコン構造221の一部としておよび/または他のポリシリコン材料266の一部として形成される。一実施形態において、抵抗218は、スナバコンタクト264によってRCスナバ201のスナバ電極261に結合され、抵抗218は、スナバ電極261を第2の層210に接続する。一実施形態において、抵抗218は、スナバ電極261と第2の層210との間に形成される。一実施形態において、第2の層210は、抵抗218およびソースコンタクト262を通して第1のユニポーラパワートランジスタのソース244に接続され、ソースコンタクト262は、抵抗218をソース244に接続する。一実施形態において、抵抗218は、テストパッドコンタクトによってテストパッドに接続され、テストパッドコンタクトを用いて、抵抗218を測定することができる。一実施形態において、抵抗218は、約90オームと約110オームとの間の抵抗値、例えば、約100オームまたは他の任意の抵抗値を有する。
【0028】
装置200は、層間絶縁膜(ILD)層208を備える。一実施形態において、ILD層208は、低誘電率材料、例えば、約3.9より低いk値(誘電率)を有する材料を備える。いくつかの低誘電率材料は、約3.5より低いk値を有し、約2.5より低いk値を有してもよい。低誘電率材料のいくつかの例は、SiOxCyHz、SiOx、SiCN、酸素ドープSiC(ODC)、窒素ドープSiC(NDC)、テトラエチルオルトケイ酸塩(TEOS)からの化学蒸着(CVD)または他の適切な材料であり、x、yおよびzは1以上の整数である。一実施形態において、ゲートパッド領域204内のILD層208の部分は、ユニポーラパワートランジスタのゲート207とポリシリコン構造221との間に位置決めされる。一実施形態において、アクティブトレンチトランジスタセル領域202内のILD層208の他の部分は、アクティブトレンチトランジスタセル領域202内のポリシリコントレンチゲート構造224上に位置決めされる。一実施形態において、アクティブトレンチトランジスタセル領域202内のポリシリコントレンチゲート構造224は、ILD層208と第3の層222(例えば、ゲート酸化物層)との間に位置決めされ、例えば、ILD層208は、ポリシリコントレンチゲート構造224の上面に隣接して位置決めされ、第3の層222(例えば、ゲート酸化物層)は、ポリシリコントレンチゲート構造224の底面、第1の側面および/または第2の側面の1つまたは複数に隣接して位置決めされる。
【0029】
装置200は、ソース構造206を備える。一実施形態において、ソース構造206は、ユニポーラパワートランジスタのソース244を備える。一実施形態において、ソース構造206は、導電材料を備える。一実施形態において、導電材料は、アルミニウム銅AlCuまたは他の金属材料または導電材料を備える。一実施形態において、ソース構造の第1の寸法(例えば、高さ)は、約3μmと約7μmとの間にあり、例えば、約5μmまたは他の任意のサイズである。一実施形態において、アクティブトレンチトランジスタセル領域202内のソース構造206の部分は、ポリシリコントレンチゲート構造224上に位置決めされる。一実施形態において、ソース構造206の他の部分、例えば、ソーススナバ電位(Ssn)は、ユニポーラパワートランジスタのソース244とユニポーラパワートランジスタのゲート207との間に位置決めされる。
【0030】
装置200は、コンタクト金属構造232を備える。一実施形態において、コンタクト金属構造232は、アクティブトレンチトランジスタセル領域202内に位置決めされる。一実施形態において、コンタクト金属構造232は、アクティブトレンチトランジスタセル領域202内で、ポリシリコントレンチゲート構造224を覆うILD層208の部分の間に位置決めされる。
【0031】
装置200は、ソース材料構造230を備える。一実施形態において、ソース材料構造230は、n+ソース材料を備える。一実施形態において、ソース材料構造230は、アクティブトレンチトランジスタセル領域202内で、1つまたは複数のコンタクト金属構造232の下に位置決めされる。
【0032】
装置200は、ボディ構造228を備える。一実施形態において、ボディ構造228は、p-材料を備える。一実施形態において、ボディ構造228は、アクティブトレンチトランジスタセル領域202内で、ソース材料構造230の下に位置決めされる。
【0033】
装置200は、構造226を備える。一実施形態において、構造226は、n-型材料を備える。一実施形態において、構造226は、アクティブトレンチトランジスタセル領域202内で、ボディ構造228の下に位置決めされる。
【0034】
一実施形態において、ソース材料構造230、ボディ構造228および構造226は、npn構造を形成する。npn構造は、電流が流れることができるユニポーラパワートランジスタのためのチャネルとして用いられる。
【0035】
装置200は、RCスナバ201を備え、RCスナバ201は、装置200およびユニポーラパワートランジスタ内に組み込まれ、これらの一部として形成される。RCスナバ201およびユニポーラパワートランジスタは、並列に結合される。特に、RCスナバ201およびユニポーラパワートランジスタは、半導体基板212上にモノリシックに形成される。すなわち、RCスナバ201およびユニポーラパワートランジスタは、同じ半導体基板212上に形成される。RCスナバ201は、抵抗218およびキャパシタ220を備える。一実施形態において、抵抗218は、ポリシリコン材料266を備え、ポリシリコン材料266は、ユニポーラパワートランジスタのソース244に接続されてもよい(例えば、抵抗218上に位置決めされるソース構造206の部分に接続されてもよい)。一実施形態において、抵抗218の抵抗値およびキャパシタ220のキャパシタンスCoss(例えば、20pF、50pFなど)は、抵抗218のための異なる幅および長さを用いて適合可能である。
【0036】
一実施形態において、抵抗218は、ユニポーラパワートランジスタのソース244の下、例えば、ソース構造206の下に位置決めされる。一実施形態において、抵抗218は、スナバ電極261の下に位置決めされる。一実施形態において、抵抗218は、ソース244をスナバ電極261に接続してもよい。抵抗218は、第2の層210上に位置決めされてもよい。ポリシリコン材料266は、ユニポーラパワートランジスタの一部でもよく、したがって、RCスナバ201は、ユニポーラパワートランジスタの一部として装置200内に組み込まれる。したがって、RCスナバ201は、装置200内の追加の層および構成要素なしで形成可能である。
【0037】
キャパシタ220は、ポリシリコン構造221と半導体基板212との間に位置決めされる。一実施形態において、キャパシタ220は、接合終端エッジ260の一部として形成される。一実施形態において、キャパシタ220は、pn接合を備える。pn接合は、第2の層210(例えば、アノード層)のp型材料を備える。pn接合は、第1の層214(例えば、ドリフトゾーン層)のn型材料を備える。pn接合は、ユニポーラパワートランジスタのドレイン242を保護するために用いられる。キャパシタ220は、抵抗218に電気的に接続されている。このようにして、状態間でスイッチングされているユニポーラパワートランジスタに関連付けられた振動を減衰するために、RCスナバ201の抵抗218およびキャパシタ220は、装置200およびユニポーラパワートランジスタ内に組み込まれ、さもなければ、振動は、装置200の動作に悪影響を及ぼす電磁干渉を引き起こす。
【0038】
図3は、装置200の平面
図300を示す。一実施形態において、抵抗218を形成するポリシリコン材料266は、ソースコンタクト262によってソース244に接続している。ソース244は、装置200のアクティブトランジスタ領域270の一部である。一実施形態において、抵抗218を形成するポリシリコン材料266は、テストパッドコンタクト304によってテストパッドに接続する。抵抗218はまた、ポリシリコン構造221のポリシリコン材料に接続してもよいし、または、これを備えてもよい。一実施形態において、ポリシリコン材料266は、ポリシリコン材料266が1つまたは複数の回数だけ前後にループするように、メアンダ形状を有する。
【0039】
図4は、装置200の平面
図400を示す。接合終端エッジ260は、第1の層214と第2の層210との間に位置決めされる。キャパシタ220は、接合終端エッジ260の一部として形成され、例えば、キャパシタ220は、接合終端エッジ260のp型材料を備える。キャパシタ220は、ドレイン242と抵抗218との間に形成される。キャパシタ220は、抵抗218に接続されている。抵抗218は、ソース244に接続されている。抵抗218は、ポリシリコン材料266から形成される。ソースコンタクト262は、ポリシリコン材料266(および抵抗218)をソース構造206に接続する。ソース構造206は、ポリシリコン材料266とアクティブトランジスタ領域270との間にある。スナバコンタクト264は、ポリシリコン材料266(および抵抗218)をスナバ電極261に接続する。抵抗218は、第2の層210上に形成される。
【0040】
装置200のRCスナバ201は、追加の構成要素(例えば、ユニポーラパワートランジスタの外部の構成要素)を用いることなく、振動の改善された減衰を提供する。なぜなら、RCスナバ201は、装置200およびユニポーラパワートランジスタ内に組み込まれる(例えば、RCスナバ201の抵抗およびキャパシタは、ユニポーラパワートランジスタの部分から形成される)からである。RCスナバ201は、装置200およびユニポーラパワートランジスタ内に組み込まれるので、例えば、すでに装置200の一部であるゲート207(ゲートパッド)の下の領域内に組み込まれるので、RCスナバ201によって消費される追加の面積はほとんどない。装置200が十分に冷却されるので、RCスナバ201は、RCスナバ201内の電力損失の消散を提供する。RCスナバ201は、寄生インダクタンスが含まれないので、振動に直接作用し、振動を減衰することができる。RCスナバは、各装置/トランジスタ内に組み込まれるので、RCスナバ201は、モジュール内の並列の装置/トランジスタの数に対応する。RCスナバ201は、ユニポーラパワートランジスタの外部にあることと対照的に、ユニポーラパワートランジスタ内に組み込まれるので、さもなければ外部のRCスナバとユニポーラパワートランジスタとの間に発生する漏れインダクタンスは、減少または除去される。RCスナバ201はまた、ユニポーラパワートランジスタのスイッチング挙動も抑える。
【0041】
本開示の主題の一実施形態は、装置を備える。装置は、接合終端エッジと、ユニポーラパワートランジスタと、RCスナバと、を備え、RCスナバは、ポリシリコン構造と半導体基板との間にあり、接合終端エッジの一部であり、pn接合を備えるキャパシタと、ユニポーラパワートランジスタのソースとキャパシタを形成する第1の層との間のポリシリコン抵抗と、を備え、ユニポーラパワートランジスタおよびRCスナバは、並列に結合され、RCスナバおよびユニポーラパワートランジスタは、半導体基板上にモノリシックに形成される。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、半導体基板は、炭化ケイ素基板を備える。
【0043】
いくつかの実施形態によれば、pn接合は、p型材料の第1の層およびn型材料の第2の層を備える。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、第2の層は、第1の層と半導体基板との間にある。
【0045】
いくつかの実施形態によれば、ポリシリコン抵抗は、ポリシリコン構造を含み、ポリシリコン抵抗は、スナバのスナバ電極と第1の層との間にある。
【0046】
いくつかの実施形態によれば、ポリシリコン抵抗は、スナバコンタクトによってスナバのスナバ電極に接続され、ポリシリコン抵抗は、スナバ電極を第1の層に接続する。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、ポリシリコン構造は、ユニポーラパワートランジスタのドレインをユニポーラパワートランジスタのゲートから分離する。
【0048】
いくつかの実施形態によれば、ポリシリコン抵抗は、ソースコンタクトによってソースに接続されている。
【0049】
いくつかの実施形態によれば、抵抗は、キャパシタに電気的に結合されている。
【0050】
いくつかの実施形態によれば、第1の層は、p型材料を備える。
【0051】
いくつかの実施形態によれば、ユニポーラパワートランジスタは、3端子トランジスタを備える。
【0052】
いくつかの実施形態によれば、ユニポーラパワートランジスタは、炭化ケイ素金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)または炭化ケイ素接合ゲート電界効果トランジスタ(JFET)の少なくとも1つを備える。
【0053】
いくつかの実施形態によれば、キャパシタは、p型材料の接合終端エッジを含む。
【0054】
いくつかの実施形態によれば、半導体基板は、窒化ガリウム基板を備える。
【0055】
いくつかの実施形態によれば、装置は、RCスナバ層を備え、RCスナバ層は、RCスナバと、複数の抵抗と、を備え、複数の抵抗は、抵抗を備える。
【0056】
本開示の主題の一実施形態は、装置を備える。装置は、ユニポーラパワートランジスタと、RCスナバと、を備え、RCスナバは、ポリシリコン構造と半導体基板との間にあり、pn接合を備えるキャパシタと、ユニポーラパワートランジスタのソースとキャパシタを形成する第1の層との間のポリシリコン抵抗と、を備え、ユニポーラパワートランジスタおよびRCスナバは、並列に結合され、RCスナバおよびユニポーラパワートランジスタは、半導体基板上にモノリシックに形成される。
【0057】
いくつかの実施形態によれば、ポリシリコン抵抗は、ポリシリコン構造を含む。
【0058】
いくつかの実施形態によれば、ポリシリコン抵抗は、ソースコンタクトによってソースに接続され、スナバコンタクトによってスナバのスナバ電極に接続されている。
【0059】
いくつかの実施形態によれば、ポリシリコン抵抗は、テストパッドコンタクトによってテストパッドに接続されている。
【0060】
本開示の主題の一実施形態は、装置を備える。装置は、接合終端エッジと、ユニポーラパワートランジスタと、RCスナバと、を備え、RCスナバは、ポリシリコン構造と半導体基板との間にあり、接合終端エッジの一部であり、pn接合を備えるキャパシタと、ユニポーラパワートランジスタのソースとキャパシタを形成する第1の層との間の抵抗と、を備え、ユニポーラパワートランジスタおよびRCスナバは、並列に結合され、RCスナバおよびユニポーラパワートランジスタは、半導体基板上にモノリシックに形成される。
【0061】
主題が、構造的特徴および/または方法論的行為に特有の言語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲において定義されている主題が必ずしも上述した特定の特徴または行為に限定されるものではないことを理解されたい。むしろ、上述した特定の特徴および行為は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示される。
【0062】
出願において用いられているように、「構成要素」、「モジュール」、「システム」、「インタフェース」などの用語は、一般的に、ハードウェア、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、または、実行中のソフトウェアのいずれかのコンピュータ関連のエンティティを意味することを意図する。1つまたは複数の構成要素は、1つのコンピュータ上に局在してもよいし、および/または、2つ以上のコンピュータ間に分散してもよい。
【0063】
さらに、請求項の主題は、標準プログラミングおよび/またはエンジニアリング技法を用いて、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアまたは任意のそれらの組み合わせを生成し、開示された主題を実施するためにコンピュータを制御する方法、装置または製造品として実施されてもよい。本願明細書において用いられる「製造品」という用語は、任意のコンピュータ可読デバイス、キャリアまたは媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムを包含することを意図する。もちろん、当業者は、請求項の主題の範囲または精神を逸脱しない範囲で多くの修正がこの構成になされてもよいことを認識する。
【0064】
実施形態のさまざまな動作は、本願明細書において提供される。一実施形態において、記載されている動作の1つまたは複数は、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体上に記憶されるコンピュータ可読命令を構成することができ、コンピューティングデバイスによって実行される場合、コンピューティングデバイスに記載されている動作を実行させる。動作の一部または全部が記載されている順序は、これらの動作が必ずしも順序に依存することを示唆するものとして解釈されるべきではない。代替の順序は、この説明の利益を有する当業者によって認識される。さらに、すべての動作が、本願明細書において提供される各実施形態に必ずしも存在するわけではないことを理解されたい。
【0065】
「例」として本願明細書において記載される任意の態様または設計は、必ずしも他の態様または設計よりも有利であると解釈されるべきではない。むしろ、「例」という用語の使用は、本願明細書において提示される技術に属しうる1つの可能な態様および/または実施態様を提示することを意図する。この種の例は、この種の技術に必須ではないか、または、限定することを意図するものではない。この種の技術の種々の実施形態は、単独で、または、他の特徴と組み合わせて、この種の例を含んでもよく、および/または、図示例を変化させてもよく、および/または、図示例を省略してもよい。
【0066】
本出願において用いられるとき、「または」という用語は、排他的な「または」ではなく、包括的な「または」を意味することを意図する。すなわち、特に明記しない限り、または、文脈から明らかでない限り、「Xは、AまたはBを使用する」は、自然の包括的な順列のいずれかを意味することを意図する。すなわち、XがAを使用する、XがBを使用する、または、XがAおよびBを使用する場合、「Xは、AまたはBを使用する」は、上述した例のいずれかのもとで満たされる。加えて、本出願および添付の特許請求の範囲において用いられる単数形の不定冠詞は、概して、特に明記しない限り、または、単数形に向けられたものであることが文脈から明らかでない限り、「1つまたは複数」を意味すると解釈されうる。また、特に明記しない限り、「第1」、「第2」などは、時間的な側面、空間的な側面、順序などを意味することを意図するものではない。むしろ、この種の用語は、単に、特徴、要素、アイテムなどのための識別子、名称などとして用いられるだけである。例えば、第1の要素および第2の要素は、概して、要素Aおよび要素B、2つの異なる要素、2つの同一の要素または同じ要素に対応する。
【0067】
また、開示は、1つまたは複数の実施態様に関して図示および説明されてきたが、当業者は、この明細書および添付の図面の読解および理解に基づいて、同等の代替および修正に想到する。開示は、すべてのこの種の修正および代替を含み、以下の特許請求の範囲のみによって限定される。特に、上述した構成要素(例えば、要素、リソースなど)によって実行される種々の機能に関して、この種の構成要素を記載するのに用いられる用語は、本願明細書において示される開示の例示的実施態様において、機能を実行する開示された構造に構造的に同等ではない場合であっても、特に明記しない限り、記載されている構成要素の指定された機能を実行する(例えば、機能的に同等である)任意の構成要素に対応することを意図する。加えて、開示の特定の特徴がいくつかの実施態様のただ1つに関して開示されてきたかもしれないが、この種の特徴は、任意の所定の用途または特定の用途に望ましく、有利でありうるように、他の実施態様の1つまたは複数の他の特徴と組み合わせられてもよい。さらに、「含む」、「有する」という用語またはこれらの異形が、詳細な説明または特許請求の範囲のいずれかにおいて使用される限りにおいて、この種の用語は、「備える」という用語に類似の方法で包括的であることが意図されている。
【外国語明細書】