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特開2023-133268カッティングワイヤーを冷却するシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133268
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】カッティングワイヤーを冷却するシステム
(51)【国際特許分類】
   B23D 57/00 20060101AFI20230914BHJP
   B23D 61/18 20060101ALI20230914BHJP
   B23Q 11/10 20060101ALI20230914BHJP
   B23Q 11/00 20060101ALI20230914BHJP
   B24B 27/06 20060101ALI20230914BHJP
   B24B 55/02 20060101ALI20230914BHJP
   B24B 55/08 20060101ALI20230914BHJP
   G21F 9/30 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
B23D57/00
B23D61/18
B23Q11/10 F
B23Q11/00 L
B24B27/06 D
B24B55/02 Z
B24B55/08 B
G21F9/30 531K
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023037745
(22)【出願日】2023-03-10
(31)【優先権主張番号】2022/5163
(32)【優先日】2022-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(71)【出願人】
【識別番号】522495577
【氏名又は名称】エスエムオー ベーフェーベーアー
【氏名又は名称原語表記】SMO bvba
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139491
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 隆慶
(72)【発明者】
【氏名】アルネ ドラベ
【テーマコード(参考)】
3C040
3C047
3C158
【Fターム(参考)】
3C040AA19
3C040EE00
3C040GG03
3C040GG04
3C040GG16
3C040JJ00
3C047FF09
3C047FF17
3C047FF19
3C047GG11
3C158AA05
3C158AC04
3C158CA01
3C158CB03
3C158DA03
(57)【要約】
【課題】本発明は、カッティングワイヤーの機械の動作中に汚染物質が拡散する問題を解決することを目的とする。
【解決手段】このシステムは、複数の水ノズルを備えた冷却ボックスを含むシステムを提供し、この冷却ボックスは、カッティングケーブルを冷却しながらカッティングプロセスから生じる残留物を閉じ込めるように構成される。また、このシステムは、ガイドプーリーからワイヤーを脱線させることなく複数の切断方向に誘導することを可能にする複数のカッティングワイヤー誘導要素を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カッティングワイヤーの水冷却ボックスであって、
2つの仕切り要素で区切られた3つのセクションと、
カッティングワイヤーを第1のセクションに、次いで、第2及び第3のセクションに進入させるための第1の近位開口部と、
前記水冷却ボックスの最後の第3のセクションの端にあるエアーワイプと、を含み、
前記水冷却ボックスは、下部に取り付けられたノズルと上部に取り付けられた空気出口をさらに含み、前記水冷却ボックスの第1のセクションは、上部に取り付けられたノズルと下部に取り付けられた水出口を有することを特徴とする、カッティングワイヤーの水冷却ボックス。
【請求項2】
前記水冷却ボックスは、前記仕切り要素の下縁と底壁との間の隙間が維持されるように、内部側壁又は内部上壁から延びる少なくとも1つの仕切り要素を含み、前記仕切り要素は板状であり、前記ワイヤーカッティングボックスの第1及び第2の開口部と整合する穴を有する、請求項1に記載のカッティングワイヤーの水冷却ボックス。
【請求項3】
前記水冷却ボックスは、上半分と下半分を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のカッティングワイヤーの水冷却ボックス。
【請求項4】
前記水冷却ボックスの上半分と下半分は、前記水冷却ボックスの一方の側で少なくとも1つのヒンジによって接続されることを特徴とする、請求項3に記載のカッティングワイヤーの水冷却ボックス。
【請求項5】
前記水冷却ボックスの上半分と下半分は、前記少なくとも1つのヒンジが設置された前記ケーブルカッティングボックスの側とは反対側の側で、少なくとも1つのラッチによって接続されることを特徴とする、請求項3又は4に記載のカッティングワイヤーの水冷却ボックス。
【請求項6】
前記水冷却ボックスの端部の少なくとも1つは、カッティングワイヤーを覆うためのシュラウドを備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のカッティングワイヤーの水冷却ボックス。
【請求項7】
前記シュラウドは、複数の伸縮部を含むことを特徴とする、請求項6に記載のカッティングワイヤーの水冷却ボックス。
【請求項8】
カッティングワイヤーを冷却及び誘導するためのシステムであって、前記装置は、
a.請求項1に記載のカッティングワイヤーの水冷却ボックスを含み、前記水冷却ボックスは、当該水冷却ボックスの近位端にある第1の開口部と、傾斜した底面と、当該傾斜した底面の最下部に位置するくず用フィルターを備えた水出口と、当該水冷却ボックスの内部に向けられた上部に取り付けられたノズルと、当該水冷却ボックスの内部の底面に向けられた下部に取り付けられた水ノズルと、当該水冷却ボックスの上部又は側壁のいずれかの上に設けられた空気出口と、当該水冷却ボックスの遠位端にある環状のエアーワイパーを備えた第2の開口と、をさらに含むものであり、
b.2つのワイヤー誘導要素を含み、それぞれが、垂直方向可動ブラケットと、前記垂直方向可動ブラケットに回転可能に取り付けられた旋回ブラケットと、前記旋回ブラケットから水平方向に延びる軸に回転可能に取り付けられたワイヤー誘導プーリーと、を含むものであり、
さらに、カッティングワイヤーを含み、このカッティングワイヤーは、前記2つのケーブル誘導要素の間を通り、前記水冷却ボックス内を通るループを形成することを特徴とするシステム。
【請求項9】
前記垂直方向可動ブラケットは、少なくとも1つのリニアガイドと、実質的に垂直方向に向けられたねじ付きカラーとを含む第1の側面を有する、請求項8に記載のカッティングワイヤーを冷却及び誘導するためのシステム。
【請求項10】
前記垂直方向可動ブラケットは、前記第1の側面とは反対の第2の側面をさらに含み、この第2の側面は、前記第1のブラケットの表面から延びる少なくとも2つの平行で実質的に水平なラグを含み、前記ラグは垂直軸を有することを特徴とする、請求項8又は9に記載のカッティングワイヤーを冷却及び誘導するためのシステム。
【請求項11】
前記旋回ブラケットの水平方向に延びる軸は、サイドプレートから延び、前記サイドプレートは、トラニオンに固定され、前記トラニオンは、前記垂直方向可動ブラケットの前記ラグの垂直軸に回転可能に取り付けられることを特徴とする、請求項8から10のいずれか1項に記載のカッティングワイヤーを冷却及び誘導するためのシステム。
【請求項12】
前記旋回ブラケットの前記サイドプレートは、少なくとも2つの水平方向を向いたスロットを含み、前記スロットは、トラニオンに取り外し可能に取り付けられるファスナーを受け入れるように構成されることを特徴とする、請求項8から11のいずれか1項に記載のカッティングワイヤーを冷却及び誘導するためのシステム。
【請求項13】
前記旋回ブラケットは、前記トラニオンの垂直軸を中心とする旋回ブラケットの回転を検出するように構成された第1のセンサをさらに備えることを特徴とする、請求項8から12のいずれか1項に記載のカッティングワイヤーを冷却及び誘導するためのシステム。
【請求項14】
前記旋回ブラケットは、前記旋回ブラケットの前記サイドプレートに取り付けられたアームをさらに備え、前記アームは、当該アームに対するカッティングワイヤーの角度を測定するように構成された第2のセンサを含む遠位端を有することを特徴とする、請求項8から13のいずれか1項に記載のカッティングワイヤーを冷却及び誘導するためのシステム。
【請求項15】
前記システムは、水管理要素とバキューム装置とをさらに含み、この水管理要素は、水冷却ボックスの上部に取り付けられたノズルと流体連通し、この水管理要素は、水冷却ボックスの下部に取り付けられた水出口とも流体連通し、水冷却ボックスの空気出口は、バキューム装置とさらに連通していることを特徴とする、請求項8から14のいずれか1項に記載のカッティングワイヤーを冷却及び誘導するためのシステム。
【請求項16】
切断動作中にカッティングワイヤーを周期的に冷却及び洗浄する方法であって、当該方法は
a.カッティングワイヤーを第1のワイヤー誘導要素に通して受け入れるステップと、
b.前記カッティングワイヤーによって切断される対象に前記カッティングワイヤーを通すステップと、
c.前記カッティングワイヤーを第2のワイヤー誘導要素に通すステップと、
d.前記カッティングワイヤーを、第1の開口部を通して水冷却ボックス内に受け入れるステップと、
e.上部に取り付けられたノズルを通して噴射される水を前記カッティングワイヤーに吹き付けるステップと、
f.エアーワイパーを通過し、前記水冷却ボックスの第2の開口部から水冷却ボックスの外に出るステップと、
を含む、方法。
【請求項17】
システムの動作中に、前記上部に取り付けられたノズルによって前記カッティングワイヤーに噴霧された水は、水出口に排出されることを特徴とする、請求項16に記載の切断動作中にカッティングワイヤーを周期的に冷却及び洗浄する方法。
【請求項18】
システムの動作中、前記エアーワイパーによって前記水冷却ボックスに導入された空気は、空気出口を通して排出されることを特徴とする、請求項16又は17に記載の切断動作中にカッティングワイヤーを周期的に冷却・洗浄する方法。
【請求項19】
システムの動作中に、下部に取り付けられた水ノズルによって水が前記水冷却ボックス内に導入されることを特徴とする、請求項16から18のいずれか1項に記載の切断動作中にカッティングワイヤーを周期的に冷却及び洗浄する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カッティングワイヤーを冷却するシステムに関するものである。第2の態様において、本発明はまた、このシステムを操作する方法に関する。
【0002】
本発明は、鋸盤の技術分野に関する。特に、本発明は、カッティングワイヤーを使用する鋸盤の技術分野に関する。
【背景技術】
【0003】
上述したようなシステムは、特許文献1、特許文献2、特許文献3からも知られている。特許文献1は、さらに、ワイヤーソーのためのガイドプーリーについて記載している。特許文献2は、カッティングワイヤーが使用される石ブロックなどを切断するための機械を記載しており、このケーブルは、さらに複数のプーリーによってガイドされている。特許文献3は、ワークピースから成形体をスライスするためのワイヤーソーを記載している。特に、特許文献3には、互いに平行で、上方に間隔を空けて配置した一組のローラーと、ローラー間に巻かれたカッティングワイヤーとを含むワイヤーソーが記載されている。これらの文献のコンセプトは、不都合なことに、そこに記載されたプーリーの配置では限られた数の切断方向についてしか対処できないという点で制限的である。
【0004】
特許文献4、特許文献5、特許文献6も冒頭の記述に係るシステムを開示する。特許文献4は、脆性材料用の鋸盤を開示している。この鋸は、切断要素としてワイヤーを使用する。装置の動作中の温度上昇に対処するために、前記装置は、カッティングワイヤーが切断される対象に入る直前に配置された冷却要素を含む。このような配置では、冷却液が失われ、切りくずやスラリーが流出することになる。特許文献5では、冷却媒体として気体を利用した切断を示している。また、特許文献5に開示された装置は、冷却媒体を周囲に逃がすことができる。特許文献6は、乾式法と調整可能な冷却液供給を用いた原子力発電所の構造物切断装置を開示している。この装置は、ワイヤーに冷却媒体を噴霧する冷却装置を含む。さらに、この装置は、バキュームチャンバー内に設けられたカッティングワイヤーの駆動手段を、フラッシング装置とともに含んでおり、その結果、駆動手段は、鋸引きからのダスト及び/又はスラリーで汚染されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-036231号公報
【特許文献2】国際公開第2013/156606号
【特許文献3】独国特許出願公開第19739966号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第0990498号明細書
【特許文献5】特開2005-329506号公報
【特許文献6】韓国登録特許第10-2057085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の問題点や不都合な点の少なくとも一部を解決することを目的とする。また、本発明の目的は、これらの不都合な点を解消する方法を提供することである。本発明は、上述の不都合な点の少なくとも1つを解決することを目標とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明およびその実施形態は、上述の不都合な点の1つ又は複数に対する解決策を提供するのに役立つ。このため、本発明は、請求項1に記載のカッティングワイヤーの冷却ボックスに関する。
【0008】
本装置の好ましい実施形態は、請求項2から7のいずれかに示される。具体的な好ましい実施形態は、請求項2に係る発明に関する。さらに別の好ましい実施形態は、請求項7に係る発明に関する。
【0009】
第2の側面において、本発明は、請求項8に係る、カッティングワイヤーを冷却して誘導するためのシステムに関する。カッティングワイヤーの冷却は、本発明の第1の側面による冷却ボックスによって提供される。このシステムの好ましい実施形態は、請求項9から15に示される。本発明の具体的な好ましい実施形態は、請求項15に係り、このシステムは、水管理要素とバキューム装置をさらに備え、他の水源からのシステムの独立性を高めることができる。
【0010】
第3の側面において、本発明は、請求項16に係る方法に関する。より詳細には、本明細書に記載される方法は、請求項1から7のいずれかに記載の装置が、物体の切断のために請求項8から15のいずれかに記載のシステムにおいて使用されることを提供する。したがって、請求項16は、切断される対象の切断を実現するためにカッティングワイヤーを誘導する一方、同じ動作中にカッティングワイヤーを冷却する方法を開示する。本方法の好ましい実施形態は、請求項17から19のいずれかに示されている。
【0011】
本発明の具体的な実施形態の図に関する以下の説明は、性質上、単なる例示であり、この教示、その適用又はその使用を限定することを意図するものではない。図面全体を通して、対応する参照番号は、同種又は対応する部品及び特徴を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】水冷ボックスの断面図である。
図2】水管理システムとバキューム装置を接続した水冷ボックスを示す図である。
図3】ワイヤー誘導要素の等角図である。
図4】ワイヤー誘導要素の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、カッティングワイヤーの冷却ボックスに関する。本発明は、冷却液を流出させることなくカッティングワイヤーを冷却することを可能にするという利点を有する。これにより、本装置は、限定されるものではないが、原子炉の廃炉作業のような、より高い安全性が要求される切断作業において使用することができる。
【0014】
特に定義しない限り、技術用語及び科学用語を含む、本発明を開示する際に使用されるすべての用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるような意味を有する。さらなる指針として、本発明の教示をよりよく理解するために、用語の定義が含まれる。
【0015】
本明細書で使用される以下の用語は、以下の意味を有する。
【0016】
本明細書で使用される「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに異なる場合を除き、単数及び複数の両方を指し示す語である。例として、「a compartment」は、1つ又は複数の区画を指す。
【0017】
本明細書で使用される"comprise"、"comprising"、及び "comprises"、"comprised of "は、"include"、"including"、"includes"、又は "contain"、"containing"、"contains"と同義であり、例えば部品に続くものの存在を特定する包摂的又はオープンエンドな用語であって、当該技術分野で知られているか又はそこに開示されている、追加的で特定されていない部品、特徴、要素、部材、ステップの存在を排除又は除外するものではない。
【0018】
さらに、本明細書及び特許請求の範囲における第1、第2、第3などの用語は、指定されない限り、同様の複数の要素を区別するために使用され、必ずしも逐次的又は経時的な順序を記述するために使用されるわけではない。このように使用される用語は、適当な場合には交換可能であり、ここに記載される本発明の実施形態は、ここに記載又は説明される以外の順序で動作可能であることが理解されよう。
【0019】
境界値で特定された数値範囲の記載は、記載された境界値だけでなく、その範囲に含まれるすべての数値および端数を含む。
【0020】
グループを形成する構成要素のうちの1つ、2つ以上、又は、少なくとも1つなどのように、「1つ又は2つ以上」、「少なくとも1つ」という用語は、それ自体明確であるが、さらなる例示によって、この用語は、特に、前記構成要素のうちの任意の1つ、例えば、前記構成要素のうちの任意の≧3、≧4、≧5、≧6又は≧7などのような、前記構成要素のうちの任意の2つ又は3つ以上を含むものであり、さらに、前記構成要素のすべてまでも含むものであることを意味する。
【0021】
特に定義しない限り、技術用語及び科学用語を含む、本発明を開示する際に使用されるすべての用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるような意味を有する。さらなる指針として、本発明の教示をよりよく理解するために、本明細書で使用される用語の定義が含まれる。ここで使用される用語又は定義は、本発明の理解を助けるためにのみ提供される。
【0022】
本明細書を通じて「1つの実施形態」又は「一実施形態」への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じて様々な場所で「1つの実施形態において」又は「一実施形態において」という表現が現れることは、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではないが、その可能性はある。さらに、特定の特徴、構造又は特性は、本開示から当業者に明らかなように、1つ又は複数の実施形態において、任意の適切な方法で組み合わされ得る。さらに、本明細書に記載のいくつかの実施形態は、他の実施形態に含まれるいくつかの特徴を含むものの他の特徴は含まない一方で、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、本発明の範囲内にあることを意味し、当業者によって理解されるように、異なる実施形態を形成する。例えば、以下の特許請求の範囲において、請求される実施形態のいずれかを任意の組み合わせで使用することができる。
【0023】
第1の側面において、本発明は、カッティングワイヤーの水冷却ボックスであって、
2つの仕切り要素によって区分された3つのセクションと、
カッティングワイヤーを第1のセクションに、次いで、第2及び第3のセクションに進入させるための第1の近位開口部と、
冷却ボックスの最後の第3のセクションの端にあるエアーワイプと、
を含む水冷却ボックスが提供される。
【0024】
このボックスはさらに、下部に取り付けられたノズルと上部に取り付けられた空気出口を含み、冷却ボックスの第1のセクションは、上部に取り付けられたノズルと下部に取り付けられた水出口を有する。水冷却ボックスは、冷却するだけでなく、冷却ボックスの遠位端でさらにエアーワイプによって乾燥・洗浄される前に、カッティングケーブルから切りくずを取り除くことによってカッティングケーブルを洗浄することも可能にする。このようにして、ケーブルの材料と構造の全体の状態が保たれるという点で有利である一方、ケーブルの切りくずの除去が再度可能になり、それによって、実質的に長い期間、最大の切断効率が確保される。
【0025】
さらなる実施形態では、水冷却ボックスは、仕切り要素の下縁と底壁との間の隙間が維持されるように、内部側壁又は内部上壁から延びる少なくとも1つの仕切り要素を含み、前記仕切り要素は板状であり、水冷却ボックスの第1及び第2の開口部と整合する穴を有する。このような仕切り要素は、水冷却ボックス内をワイヤーが自由に通過できるようにする一方で、エアーワイパーからの空気流によってスラッジや切りくずがワイヤーに吹き戻されるのを阻止する。
【0026】
さらなる又は別の実施形態において、水冷却ボックスは、上半分と下半分を含む。好ましくは、水冷却ボックスの上半分と下半分は、水冷却ボックスの一方の側で少なくとも1つのヒンジによって接続される。さらに好ましくは、水冷却ボックスの上半分と下半分は、少なくとも1つのヒンジが設置されたケーブルカッティングボックスの側とは反対側の側で、少なくとも1つのラッチによって接続される。このことはワイヤーループを開くことなく、水冷却ボックスをワイヤーの周りに設置することを可能にする点で有利である。さらに、水冷却ボックスのヒンジ構造は、当該ボックスの内部へのアクセスを容易にし、水冷却ボックスの保守を著しく容易にする。
【0027】
さらなる又は別の実施形態では、ボックスの端部の少なくとも1つは、カッティングワイヤーを覆うためのシュラウドを備えている。このようにすると、残存する鋸くず、切りくず、スラッジなどを食い止める点で有利である。好ましくは、各シュラウドは、複数の伸縮部を含む。このようにすると、異なる長さのワイヤーをカバーすることができる。一実施形態において、シュラウドの少なくとも1つは、水、冷却剤、潤滑剤、又は、少なくとも1つの不活性ガスを前記シュラウドに注入することができる内向きのノズルを含む。このようにすると、本装置が動作可能な動作条件の範囲が拡大される点が有利である。例えば、マグネシウム要素のアルミニウムを切断する場合、可燃性のダストが発生するが、このダストは、切断される要素と水冷却ボックスとの間の少なくとも1つのシュラウド内に不活性雰囲気を作り出すことによって発火しないようにする必要がある。
【0028】
第2の側面において、本発明は、カッティングワイヤーを冷却及び誘導するためのシステムを提供し、この装置は、
a.本発明の第1の側面によるカッティングワイヤーの水冷却ボックスであって、前記水冷却ボックスは、当該ボックスの近位端にある第1の開口部と、傾斜した底面と、当該傾斜した底面の最下部に位置するくず用フィルターを備えた水出口と、当該ボックスの内部に向けられた上部に取り付けられたノズルと、当該ボックスの内部の底面に向けられた下部に取り付けられた水ノズルと、当該ボックスの上部又は側壁のいずれかの上に設けられた空気出口と、当該ボックスの遠位端の環状のエアーワイパーを備えた第2の開口と、
b.2つのワイヤー誘導要素を含み、それぞれが、垂直方向可動ブラケットと、前記垂直方向可動ブラケットに回転可能に取り付けられた旋回ブラケットと、前記旋回ブラケットから水平方向に延びる軸に回転可能に取り付けられたワイヤー誘導プーリーと、
を含む。
【0029】
このシステムはさらに、カッティングワイヤーを含み、このカッティングワイヤーは、2つのケーブル誘導要素の間を通り、水冷却ボックス内を通るループを形成する。これにより、連続的な切断と冷却のサイクルが可能になる。このようにして、ケーブルは、切断される対象に入る前に常に冷却される。さらにもう1つの利点は、水冷却ボックスをワイヤーが通過することによる洗浄効果であり、カッティングワイヤーの摩擦や過度の切りくず及び/又はダストの蓄積を低減することに貢献する。また、前述の有利な効果が複合的に作用することで、切断動作中の熱の蓄積を大幅に低減することとなる。工場で行われたテストでは、本システムで使用されたカッティングワイヤーは、同じ環境下で同様のシステムで使用された同一のケーブルよりも、最大で10倍長い寿命を示した。また、同じテストでは、切断速度を通常動作速度の3倍以上に向上させることができることがわかった。
【0030】
さらなる実施形態において、垂直方向可動ブラケットは、少なくとも1つのリニアガイドと、実質的に垂直方向に向けられたねじ付きカラーとを含む第1の側面を有する。このようにすると、ワイヤー誘導要素は、垂直方向に沿って移動することができる。この運動は、ねじ付きカラーによってより安定し、より正確になる。これにより、切断対象の切断前および切断中に、切断対象上にカッティングワイヤーを非常に正確に配置することができるという点で有利である。
【0031】
さらなる実施形態において、垂直方向可動ブラケットは、第1の側面とは反対の第2の側面をさらに含み、この第2の側面は、第1のブラケットの表面から延びる少なくとも2つの平行で実質的に水平なラグを含み、前記ラグは垂直軸を有している。好ましくは、前記軸は、ローラー及び/又はボールベアリングを備える。好ましくは、前記ベアリングは、密閉されたベアリングである。これにより、旋回ブラケットを安全に取り付けることができる一方で、前記旋回ブラケットの円滑な回転を可能にする点で有利である。この円滑な回転は、ベアリングのシールによってベアリングにごみが入らないようにされることで、維持されるという点で有利である。
【0032】
さらなる実施形態において、旋回ブラケットの水平方向に延びる軸は、サイドプレートから延び、当該サイドプレートは、トラニオンに固定され、当該トラニオンは、垂直方向可動ブラケットのラグの垂直軸に回転可能に取り付けられる。好ましくは、旋回ブラケットのサイドプレートは、少なくとも2つの水平方向に向いたスロットを含み、これらのスロットは、トラニオンに取り外し可能に取り付けられるファスナーを受け入れるように構成される。これにより、トラニオンに対する旋回ブラケットのサイドプレートの調節が可能になる点で有利である。これにより、プーリーの摩耗を補正し、プーリーとワイヤーとの間の良好なアライメントを維持することができるという点で有利である。好ましくは、旋回ブラケットのサイドプレートは、プッシュボルトをさらに含み、このプッシュボルトは、前記スロットの長手方向と同じ方向に向けられている。これにより、トラニオンに対する旋回ブラケットのサイドプレートの正しい位置決めが確保されるという点で有利である。また、このプッシュボルトは、プッシュボルトのねじ山によって旋回ブラケットのサイドプレートの位置についてより細かい変化を可能とするため、サイドプレートの位置を調節するためのより有利な手段となり得る。
【0033】
さらなる実施形態において、旋回ブラケットは、トラニオンの垂直軸を中心とする旋回ブラケットの回転を検出するように構成された第1のセンサをさらに備える。好ましくは、旋回ブラケットは、旋回ブラケットのサイドプレートに取り付けられたアームをさらに備え、前記アームは、当該アームに対するカッティングワイヤーの角度を測定するように構成された第2のセンサを含む遠位端を有する。複数の平面における迎角の制御は、望ましくない摩耗パターン、或いは、ワイヤー及び/又はシステムの他の要素の破損又は破壊をもたらす可能性のある状況の早期検出を可能にする点で有利である。
【0034】
一実施形態において、システムは、水管理要素とバキューム装置とをさらに含み、この水管理要素は、水冷却ボックスの上部に取り付けられたノズルと流体連通し、この水管理要素は、水冷却ボックスの下部に取り付けられた水出口とも流体連通し、水冷却ボックスの空気出口は、バキューム装置とさらに連通している。これにより、使用済みの水がろ過され、リサイクルされ、再利用されるため、システムは外部の水源に依存することなく機能する。
【0035】
本発明の第3の側面は、切断動作中にカッティングワイヤーを周期的に冷却及び洗浄する方法に関するものであり、
a.カッティングワイヤーを第1のワイヤー誘導要素に通して受け入れるステップと、
b.前記カッティングワイヤーによって切断される対象に前記カッティングワイヤーを通すステップと、
c.前記カッティングワイヤーを第2のワイヤー誘導要素に通すステップと、
d.前記カッティングワイヤーを、第1の開口部を通して水冷却ボックス内に受け入れるステップと、
e.上部に取り付けられたノズルを通して噴射される水を前記カッティングワイヤーに吹き付けるステップと、
f.エアーワイパーを通過し、水冷却ボックスの第2の開口部を通して水冷却ボックスの外に出るステップと、を含む。
【0036】
さらなる実施形態において、システムの動作中に、上部に取り付けられたノズルによってカッティングワイヤーに噴霧された水は、水出口に排出される。このようにして、カッティングワイヤーが冷却及び洗浄される一方で、切りくずやダストが噴霧された水に付着し、その水が捕捉される。好ましくは、前記水出口は、捕捉された水に含まれるくずのためのフィルターを含む。このようにして、捕捉された水を再循環させることができ、外部の水源からの独立性を高めることが可能となる点で有利である。
【0037】
さらなる実施形態において、システムの動作中、エアーワイパーによって水冷却ボックスに導入された空気は、空気出口を通して排出される。好ましくは、空気は、エアーワイプによって水冷却ボックス内に導入された空気を補うことができ、それによって、水冷却ボックス内の圧力を一定に保つことができるような割合で、利用可能な出口を通して除去される。好ましくは、この圧力は水冷却ボックスの外側の圧力よりも低い。これにより、冷却後のカッティングワイヤーに付着している粒子や水滴は、まずエアーワイパーによって水冷却ボックスの内部へと移動させられ、その後、空気出口を通して吸引される。水冷却ボックスの外部への水やくずの放出がなくなるので、水冷却ボックスから出たカッティングワイヤーは乾いている。これにより、原子炉の廃炉作業など(ただし、これに限定されない)、安全性への要求が非常に高い切断作業においても、本システムを使用することが可能となる。
【0038】
さらなる実施形態において、システムの動作中に、下部に取り付けられた水ノズルによって水が水冷却ボックス内に導入される。これにより、切くずやその他のくずを水管理システムに向けて排出することが可能となる。好ましくは、下部の水ノズルを介したワイヤー冷却ボックスへの水の導入は、再循環する水温に応じて自動的に実施される。より好ましくは、水管理システムは、システム内の液体水の残量を測定し、前記測定値をコントローラに送信する手段を含む。このようにして、再循環する水は自動的に補充され、それによって、例えば蒸発による水の損失を補償する。さらに、システム内に残っている水を冷却することで、蒸発による損失をさらに減らすことができるという利点もある。
【0039】
本発明は、本発明をさらに説明する以下の非限定的な実施例によって説明されるが、これらは本発明の範囲を限定することを意図しておらず、またそのように解釈されるべきではない。
【0040】
次に、本発明を、限定的でない実施例を参照しながら、より詳細に説明する。
【0041】
[図面の説明]
本発明の特性をより良く説明する目的として、以下では、他の潜在的な用途を何ら制限することのない例示として、カッティングワイヤーを冷却及び誘導するためのシステムの主要要素のいくつかの好ましい実施形態の説明を提示する。
【0042】
図1は、水冷却ボックス1の断面図である。この図において、水冷却ボックス1は、2つの仕切り要素4によって3つのセクションに分割されて示されている。カッティングワイヤー2は、第1の開口部を通って水冷却ボックス1に入り、上部に取り付けられたノズル3と下部に取り付けられた水出口7を含む第1のセクションに入る。このワイヤーは、第2のセクションを横断し、最後の第3のセクションに到達し、そこで、第3のセクションと水冷却ボックス1を離れる前に、ワイヤエアーワイプ5を通過することが示されている。図には、下部に取り付けられたノズル8と上部に取り付けられた空気出口6も示されている。
【0043】
図2は、水管理要素9とバキューム装置10に接続された水冷却ボックス1を示す。この図は、水が前記水管理要素9から進み、上部に取り付けられたノズル3を通して水冷却ボックス1内に入る様子を示している。同じ水管理要素9は、下部に取り付けられた水出口7を通して水冷却ボックス1から水を受け取り、このようにして、水のリサイクル流路を形成することが示されている。水冷却ボックスは、空気出口6によってバキューム装置10とさらに接続された状態で示されている。この図には、水冷却ボックス1の2つのヒンジ部分を閉じられた状態に保つラッチ11も示されている。
【0044】
図3は、ワイヤー誘導要素12の等角図である。このワイヤー誘導要素12は、3つの主要なアセンブリ、つまり、垂直方向可動ブラケット13、旋回ブラケット14、及び、プーリー20を含む。垂直方向可動ブラケット13は、さらに、一方の側にリニアガイド16とねじ付きカラー17を備え、反対側の側にラグ24のペアを備えていることが示されている。旋回ブラケット14は、プーリー20を支持する水平軸25を備えたサイドプレート21を含み、当該サイドプレート21は、第2のセンサ23を支持するアーム15をさらに備えることが示されている。この図はさらに、トラニオン18に固定されたサイドプレート21を示し、このトラニオンは、垂直方向可動ブラケット13のラグ24に回転可能に取り付けられている。図4は、ワイヤー誘導要素の側面図である。この図は、スロット26によってトラニオン18に取り付けられたサイドプレート21を示し、このスロット26とプッシュボルト19との組み合わせによって、トラニオンに対する旋回ブラケット14全体の位置の調節が可能となる。
【0045】
本発明は、先に説明したいかなる実現形態にも限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲を再評価することなく、提示した製作例にいくつかの変更を加えることができるものと考えられる。例えば、本発明は、研磨剤で被覆されたワイヤーを参照して説明されてきたが、本発明は、例えばカッティングチェーンや研磨剤で被覆されたビーズワイヤーなどにも適用できることは明らかである。
【0046】
本発明は、実施例に記載される、及び/又は、図に示される実施形態に決して限定されるものではない。それどころか、本発明による方法は、本発明の範囲から逸脱することなく、多くの異なる方法で実現することができる。
【符号の説明】
【0047】
番号が付された部位リスト
1 水冷却ボックス
2 カッティングワイヤー
3 上部に取り付けられたノズル
4 仕切り
5 エアーワイプ
6 空気出口
7 水出口
8 下部に取り付けられたノズル
9 水管理要素
10 バキューム要素
11 ラッチ
12 ワイヤー誘導要素
13 垂直方向可動ブラケット
14 旋回ブラケット
15 アーム
16 リニアガイド
17 ねじ付きカラー
18 トラニオン
19 プッシュボルト
20 プーリー
21 サイドプレート
22 第1のセンサ
23 第2のセンサ
24 ラグ
25 水平軸
26 スロット
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-05-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カッティングワイヤーの水冷却ボックスであって、
2つの仕切り要素で区切られた3つのセクションと、
カッティングワイヤーを第1のセクションに、次いで、第2及び第3のセクションに進入させるための第1の近位開口部と、
前記水冷却ボックスの最後の第3のセクションの端にあるエアーワイプと、を含み、
前記水冷却ボックスは、下部に取り付けられたノズルと上部に取り付けられた空気出口をさらに含み、前記水冷却ボックスの第1のセクションは、上部に取り付けられたノズルと下部に取り付けられた水出口を有することを特徴とする、カッティングワイヤーの水冷却ボックス。
【請求項2】
前記水冷却ボックスは、前記仕切り要素の下縁と底壁との間の隙間が維持されるように、内部側壁又は内部上壁から延びる少なくとも1つの仕切り要素を含み、前記仕切り要素は板状であり、前記水冷却ボックスの第1及び第2の開口部と整合する穴を有する、請求項1に記載のカッティングワイヤーの水冷却ボックス。
【請求項3】
前記水冷却ボックスは、上半分と下半分を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のカッティングワイヤーの水冷却ボックス。
【請求項4】
前記水冷却ボックスの上半分と下半分は、前記水冷却ボックスの一方の側で少なくとも1つのヒンジによって接続されることを特徴とする、請求項3に記載のカッティングワイヤーの水冷却ボックス。
【請求項5】
前記水冷却ボックスの上半分と下半分は、前記少なくとも1つのヒンジが設置された前記水冷却ボックスの側とは反対側の側で、少なくとも1つのラッチによって接続されることを特徴とする、請求項に記載のカッティングワイヤーの水冷却ボックス。
【請求項6】
前記水冷却ボックスの端部の少なくとも1つは、カッティングワイヤーを覆うためのシュラウドを備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載のカッティングワイヤーの水冷却ボックス。
【請求項7】
前記シュラウドは、複数の伸縮部を含むことを特徴とする、請求項6に記載のカッティングワイヤーの水冷却ボックス。
【請求項8】
カッティングワイヤーを冷却及び誘導するためのシステムであって、前記システムは、
a.請求項1に記載のカッティングワイヤーの水冷却ボックスを含み、前記水冷却ボックスは、当該水冷却ボックスの近位端にある第1の開口部と、傾斜した底面と、当該傾斜した底面の最下部に位置するくず用フィルターを備えた水出口と、当該水冷却ボックスの内部に向けられた上部に取り付けられたノズルと、当該水冷却ボックスの内部の底面に向けられた下部に取り付けられた水ノズルと、当該水冷却ボックスの上部又は側壁のいずれかの上に設けられた空気出口と、当該水冷却ボックスの遠位端にある環状のエアーワイパーを備えた第2の開口と、をさらに含むものであり、
b.2つのワイヤー誘導要素を含み、それぞれが、垂直方向可動ブラケットと、前記垂直方向可動ブラケットに回転可能に取り付けられた旋回ブラケットと、前記旋回ブラケットから水平方向に延びる軸に回転可能に取り付けられたワイヤー誘導プーリーと、を含むものであり、
さらに、カッティングワイヤーを含み、このカッティングワイヤーは、前記2つのケーブル誘導要素の間を通り、前記水冷却ボックス内を通るループを形成することを特徴とするシステム。
【請求項9】
前記垂直方向可動ブラケットは、少なくとも1つのリニアガイドと、実質的に垂直方向に向けられたねじ付きカラーとを含む第1の側面を有する、請求項8に記載のカッティングワイヤーを冷却及び誘導するためのシステム。
【請求項10】
前記垂直方向可動ブラケットは、前記第1の側面とは反対の第2の側面をさらに含み、この第2の側面は、前記第1のブラケットの表面から延びる少なくとも2つの平行で実質的に水平なラグを含み、前記ラグは垂直軸を有することを特徴とする、請求項に記載のカッティングワイヤーを冷却及び誘導するためのシステム。
【請求項11】
前記旋回ブラケットの水平方向に延びる軸は、サイドプレートから延び、前記サイドプレートは、トラニオンに固定され、前記トラニオンは、前記垂直方向可動ブラケットの前記ラグの垂直軸に回転可能に取り付けられることを特徴とする、請求項10に記載のカッティングワイヤーを冷却及び誘導するためのシステム。
【請求項12】
前記旋回ブラケットの前記サイドプレートは、少なくとも2つの水平方向を向いたスロットを含み、前記スロットは、トラニオンに取り外し可能に取り付けられるファスナーを受け入れるように構成されることを特徴とする、請求項11に記載のカッティングワイヤーを冷却及び誘導するためのシステム。
【請求項13】
前記旋回ブラケットは、前記トラニオンの垂直軸を中心とする旋回ブラケットの回転を検出するように構成された第1のセンサをさらに備えることを特徴とする、請求項11又は12に記載のカッティングワイヤーを冷却及び誘導するためのシステム。
【請求項14】
前記旋回ブラケットは、前記旋回ブラケットの前記サイドプレートに取り付けられたアームをさらに備え、前記アームは、当該アームに対するカッティングワイヤーの角度を測定するように構成された第2のセンサを含む遠位端を有することを特徴とする、請求項11又は12に記載のカッティングワイヤーを冷却及び誘導するためのシステム。
【請求項15】
前記システムは、水管理要素とバキューム装置とをさらに含み、この水管理要素は、水冷却ボックスの上部に取り付けられたノズルと流体連通し、この水管理要素は、水冷却ボックスの下部に取り付けられた水出口とも流体連通し、水冷却ボックスの空気出口は、バキューム装置とさらに連通していることを特徴とする、請求項8から1のいずれか1項に記載のカッティングワイヤーを冷却及び誘導するためのシステム。
【請求項16】
切断動作中にカッティングワイヤーを周期的に冷却及び洗浄する方法であって、当該方法は
a.カッティングワイヤーを第1のワイヤー誘導要素に通して受け入れるステップと、
b.前記カッティングワイヤーによって切断される対象に前記カッティングワイヤーを通すステップと、
c.前記カッティングワイヤーを第2のワイヤー誘導要素に通すステップと、
d.前記カッティングワイヤーを、第1の開口部を通して水冷却ボックス内に受け入れるステップと、
e.上部に取り付けられたノズルを通して噴射される水を前記カッティングワイヤーに吹き付けるステップと、
f.エアーワイパーを通過し、前記水冷却ボックスの第2の開口部から水冷却ボックスの外に出るステップと、
を含む、方法。
【請求項17】
システムの動作中に、前記上部に取り付けられたノズルによって前記カッティングワイヤーに噴霧された水は、水出口に排出されることを特徴とする、請求項16に記載の切断動作中にカッティングワイヤーを周期的に冷却及び洗浄する方法。
【請求項18】
システムの動作中、前記エアーワイパーによって前記水冷却ボックスに導入された空気は、空気出口を通して排出されることを特徴とする、請求項16又は17に記載の切断動作中にカッティングワイヤーを周期的に冷却・洗浄する方法。
【請求項19】
システムの動作中に、下部に取り付けられた水ノズルによって水が前記水冷却ボックス内に導入されることを特徴とする、請求項16又は17に記載の切断動作中にカッティングワイヤーを周期的に冷却及び洗浄する方法。
【外国語明細書】