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  • 特開-クリップ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133292
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】クリップ
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/36 20060101AFI20230914BHJP
   A63H 3/00 20060101ALI20230914BHJP
   B42F 1/02 20060101ALI20230914BHJP
   A44B 99/00 20100101ALI20230914BHJP
【FI】
A63H3/36 Z
A63H3/00 L
A63H3/36 B
B42F1/02 Z
A44B99/00 601Z
A44B99/00 611B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109039
(22)【出願日】2023-07-03
(62)【分割の表示】P 2020036463の分割
【原出願日】2018-05-01
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】誉田 恒之
(72)【発明者】
【氏名】門奈 ひかる
(57)【要約】
【課題】クリップとして使用していないときに机上等に安定して設置可能なクリップを提供する。
【解決手段】クリップ1は、回動可能に連結された第1挟持部材2及び第2挟持部材3と、第1挟持部材2と第2挟持部材3との間で第1挟持部材2及び第2挟持部材3の連結部4側から第1方向7aに延びる挟持間隙7を狭めるように、第1挟持部材2と第2挟持部材3とを付勢するコイルばね6と、を備え、第2挟持部材3は、設置部9を有し、設置部9は、第1挟持部材2の腕部22よりも第1方向7aに突出して配置される脚部32を有し、脚部32は、設置部9が置かれた設置面50に接する一つ以上の接点部9a、9bと、第1挟持部材2の腕部22に対して第1方向7aに対向して配置される凸部32aと、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動可能に連結された第1挟持部材及び第2挟持部材と、
前記第1挟持部材と前記第2挟持部材との間で第1挟持部材及び第2挟持部材の連結部側から第1方向に延びる挟持間隙を狭めるように、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材とを付勢する付勢部材と、
を備え、
前記第2挟持部材は、設置部を有し、
前記設置部は、前記第1挟持部材の先端部よりも前記第1方向に突出して配置される突出部を有し、
前記突出部は、前記設置部が置かれた設置面に接する一つ以上の接点部と、前記第1挟持部材の先端部に対して前記第1方向に対向して配置される凸部と、を有する、
クリップ。
【請求項2】
請求項1記載のクリップであって、
前記設置部は、前記設置面に接する三つの接点部を有し、
前記突出部は、前記三つの接点部のうち二つの接点部を有し、
前記挟持間隙が閉じられている状態で、前記三つの接点部によって形成される三角形の法線方向に見た場合に、前記第1挟持部材の重心は前記三角形の内側に位置するクリップ。
【請求項3】
請求項2記載のクリップであって、
頭部及び脚部を有する人形形状を呈しており、
前記頭部は前記第1挟持部材に設けられ、
前記脚部は前記第2挟持部材の前記突出部であるクリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリップに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されたクリップは、挟持部の一部又は全体にぬいぐるみが取り付けられており、紙袋等の開口部の端部をクリップで挟持した場合に、ぬいぐるみの一部が当たり止めとして作用すると共に、ぬいぐるみによって挟持部が補強されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-310314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたクリップでは、挟持部を挟んで一方に配置されるぬいぐるみの一部が、他方に配置されるぬいぐるみの一部よりも長く、相対的に長い一部によってクリップの把持部が形成されている。しかし、把持部を形成しているぬいぐるみの一部は挟持に寄与していない。また、特許文献1に記載されたクリップは、装飾性を有するが、クリップとして使用していないときにぬいぐるみとして机上等に置いておくことは考慮されていない。
【0005】
本発明は、クリップとして使用していないときに机上等に安定して設置可能なクリップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るクリップは、回動可能に連結された第1挟持部材及び第2挟持部材と、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材との間で第1挟持部材及び第2挟持部材の連結部から第1方向に延びる挟持間隙を狭めるように、前記第1挟持部材と前記第2挟持部材とを付勢する付勢部材と、を備え、前記第2挟持部材は、設置部を有し、前記設置部は、前記第1挟持部材の先端部よりも前記第1方向に突出して配置される突出部を有し、前記突出部は、前記設置部が置かれた設置面に接する一つ以上の接点部と、前記第1挟持部材の先端部と前記第1方向に対向して配置される凸部と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るクリップにおいては、前記設置部は、前記設置面に接する三つの接点部を有し、前記突出部は、前記三つの接点部のうち二つの接点部を有し、前記挟持間隙が閉じられている状態で、前記三つの接点部によって形成される三角形の法線方向に見た場合に、前記第1挟持部材の重心は前記三角形の内側に位置してもよい。
【0008】
また、本発明に係るクリップにおいては、頭部及び脚部を有する人形形状を呈しており、前記頭部は前記第1挟持部材に設けられ、前記脚部は前記第2挟持部材の前記突出部であってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、クリップとして使用していないときは机上等に安定して設置可能なクリップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態を説明するためのクリップの一例を示す図であり、挟持部が互いに接近している状態を示す側面図である。
図2図1のクリップの挟持部が互いに離間している状態を示す側面図である。
図3図1のクリップの正面図である。
図4図1のクリップの重心位置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1から図3は、本発明の実施形態を説明するためのクリップの一例を示す。
【0012】
クリップ1は、頭部21、腕部22、胴部31及び一対の脚部32を有する人形の形状を呈している。頭部21及び腕部(先端部)22は一体に形成され、第1挟持部材2を構成しており、胴部31及び一対の脚部32は一体に形成され、第2挟持部材3を構成している。第1挟持部材2と第2挟持部材3とは連結部4によって連結されており、連結部4は、頭部21の内部に設けられた軸5を有し、第1挟持部材2と第2挟持部材3とは、軸5を中心に回動可能に連結されている。軸5の外周には、コイルばね(付勢部材)6が巻回されており、コイルばね6の一方の端部6aは第1挟持部材2に固定され、他方の端部6bは第2挟持部材3に固定されている。
【0013】
第1挟持部材2の腕部22と第2挟持部材3の胴部31との間には、連結部4側から第1方向7aに延びる挟持間隙7が形成され、コイルばね6は、挟持間隙7が狭くなる方向に第1挟持部材2と第2挟持部材3とを付勢している。これにより、挟持間隙7に差し込まれた紙束などの被挟持物8が、第1挟持部材2と第2挟持部材3とによって挟持される。
【0014】
第2挟持部材3は、クリップ1を机等の設置面50上に設置する場合に、設置面50に接する設置部9を有し、設置部9は、腕部(先端部)22よりも第1方向7aに突出して配置される一対の脚部(突出部)32を含む。そして、一対の脚部(突出部)32は、設置面50に接する接点部9a、9bを脚の踵に有し、また、腕部(先端部)22に対して第1方向7aに対向する凸部32aを脚のつま先に有する。
【0015】
図2に示すように、挟持間隙7が広がる方向に第1挟持部材2と第2挟持部材3とを開き、挟持間隙7に被挟持物8を配置する。そして、第1挟持部材2と第2挟持部材3とに加えていた力を緩めると、コイルばね6の付勢力により、挟持間隙7が狭くなる方向に第1挟持部材2と第2挟持部材3とが閉じられ、図1に示すように、腕部22と胴部31との間に被挟持物8が挟持される。さらに被挟持物8は、凸部32aに沿って曲げられ、腕部22と凸部32aとの間でも挟持される。従って、挟持間隙7を形成する腕部22と胴部31のみによって挟持される場合と比較して、被挟持物8の挟持力をより高めることができる。
【0016】
図4はクリップ1の重心位置を示す模式図である。
【0017】
設置面50に設置されたクリップ1の設置部9は、一対の脚部32に設けられた接点部9a、9bと、胴部31に設けられた接点部9cとを有する。挟持間隙7が閉じられている状態で、設置面50に対して垂直な方向(3つの接点部9a、9b、9cによって形成される三角形Tの法線Lの方向)にクリップ1を見た場合に、第1挟持部材2の重心Bは3つの接点部9a、9b、9cによって形成される三角形Tの内側に位置する。すなわち、重心Bから設置面50に対して垂直な方向に延ばした垂線(法線L)が三角形Tの内側で設置面50と交わる。重心Bが3つの接点部9a、9b、9cによって形成されるので内側に位置するので、クリップ1をより安定して設置することができる。
【0018】
なお、本実施形態では、クリップ1は人形形状であり、頭部21及び腕部22が設けられた第1挟持部材2と、胴部31及び一対の脚部32が設けられた第2挟持部材3とにより被挟持物8を挟持する構成であるが、本発明の構造を満足するものであれば、人形形状に限定されない。
【符号の説明】
【0019】
1 クリップ
2 第1挟持部材
3 第2挟持部材
4 連結部
5 軸
6 コイルばね
7 挟持間隙
7a 第1方向
8 被挟持物
9 設置部
9a、9b、9c 接点部
21 頭部
22 腕部
31 胴部
32 脚部
32a 凸部
50 設置面
図1
図2
図3
図4