(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133303
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】自動心臓弁縫製
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20230914BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023110891
(22)【出願日】2023-07-05
(62)【分割の表示】P 2020538534の分割
【原出願日】2019-01-11
(31)【優先権主張番号】62/617,114
(32)【優先日】2018-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】チャクペット・リムサコウネ
(72)【発明者】
【氏名】ニナ・ロブソン
(72)【発明者】
【氏名】ジャネット・コロナ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ホワイト
(72)【発明者】
【氏名】ジュアン・クエヴァス
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・エステル
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・マシュニ
(72)【発明者】
【氏名】オスカー・ロサレス
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル・サルガド
(72)【発明者】
【氏名】ケニー・イン
(57)【要約】
【課題】本発明は、インプラントを縫合するために用いることができるシステムに関する。
【解決手段】当該システムは、関節アームおよびターゲットデバイスホルダを含むことができる第1の自動フィクスチャと、縫製機として動作してインプラントに材料を縫い付けるように構成された第2の自動フィクスチャと、を含む。第2の自動フィクスチャは、湾曲針を用いて、プロセス中に針を解放する必要なくステッチを形成する。第2の自動フィクスチャはまた、湾曲針と協調して移動して、単一縫合糸または単一糸のステッチを実行するステッチルーパを含むことができる。
【選択図】
図8A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラントデバイス(110,210,410,510,1810)を縫合する方法であって、
第1の自動フィクスチャ(720,1070,1878)のホルダコンポーネント(1080,1880)に前記インプラントデバイス(110,210,410,510,1810)を配置するステップと、
前記インプラントデバイス(110,210,410,510,1810)を第1の位置に配置するように前記第1の自動フィクスチャ(720,1070,1878)に指示するステップと、
前記インプラントデバイス(110,210,410,510,1810)に縫合される材料(116,712,716)に針(740)を出入りさせることによって、前記インプラントデバイス(110,210,410,510,1810)上に第1のステッチを実行するように第2の自動フィクスチャ(710,1070)に指示するステップと、
前記インプラントデバイス(110,210,410,510,1810)を第2の位置に配置するように前記第1の自動フィクスチャ(720,1070,1878)に指示するステップと、
前記インプラントデバイス(110,210,410,510,1810)に縫合される前記材料(116,712,716)に前記針(740)を出入りさせることによって、前記インプラントデバイス(110,210,410,510,1810)上に第2のステッチを実行するように前記第2の自動フィクスチャ(710,1070)に指示するステップであって、前記第2の自動フィクスチャ(710,1070)は、前記針(740)と協調して移動して、前記第1のステッチおよび前記第2のステッチを形成するステッチルーパ(745)を含む、ステップと、
を含む、方法において、
前記針(740)が、湾曲針(740)とされ、
前記方法が、前記インプラントデバイス(110,210,410,510,1810)を前記湾曲針(740)の経路に配置させるために、ホルダコンポーネント(1080,1880)を三次元的に移動させるステップであって、前記湾曲針(740)が、前記インプラントデバイス(110,210,410,510,1810)に所定の縫合パターンを実装するために、前記第1のステッチ及び前記第2のステッチそれぞれについて、2つの異なる場所で前記インプラントデバイス(110,210,410,510,1810)の布地を通過する、前記ステップを備えていることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記インプラントデバイス(110,210,410,510,1810)は人工心臓弁である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記インプラントデバイス(110,210,410,510,1810)を所定の位置で周方向に回転させるように、前記第1の自動フィクスチャ(720,1070,1878)に指示するステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の自動フィクスチャ(720,1070,1878)および前記第2の自動フィクスチャ(710,1070)を少なくとも部分的に制御するように構成された1つ以上のプロセッサを用いて、事前プログラムされた縫合手順スクリプトをロードするステップをさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の自動フィクスチャ(710,1070)は、前記湾曲針(740)を用いて、前記第1のステッチがシングル縫合ステッチとなるように前記第1のステッチを実行する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記湾曲針(740)は、前記湾曲針(740)の固定経路に沿って前記材料(116,712,716)に出入りする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ステッチルーパ(745)は、前記第1のステッチの形成中に形成された挿入点を通して前記湾曲針(740)が引き抜かれるときに、縫合糸の一部を固定する2つ以上のタインを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ステッチルーパ(745)は、縫合糸の前記一部でループを形成するように回転して、前記第1のステッチを形成するように構成されており、
前記湾曲針(740)は、前記ステッチルーパ(745)によって形成された前記ループを通過して、前記第1のステッチを形成する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
複数の電動アクチュエータデバイスおよび縫合ターゲットホルダを含む第1の自動フィクスチャ(720,1070,1878)であって、前記縫合ターゲットホルダに取り付けられているとき、ターゲット縫合デバイスを回転させるように構成されている、第1の自動フィクスチャ(720,1070,1878)を備えている縫合システムであって、
前記縫合システムが、第2の自動フィクスチャ(710,1070)であって、湾曲針(740)であって、前記第2の自動フィクスチャ(710,1070)が固定経路において前記湾曲針(740)を移動させるように構成された、前記湾曲針(740)と、縫合糸の一部を固定し、前記湾曲針(740)が前記固定経路において移動するときに、前記縫合糸の前記一部を用いてループを形成するように構成された、複数のタインを有するステッチルーパ(745)と、を含む第2の自動フィクスチャ(710,1070)を含み、
前記第1の自動フィクスチャ(720,1070,1878)および前記第2の自動フィクスチャ(710,1070)は、互いに対して配置され、前記第1の自動フィクスチャ(720,1070,1878)が前記ターゲット縫合デバイスを3次元的に移動させて、前記ターゲット縫合デバイスを前記湾曲針(740)の前記固定経路に配置し、前記ターゲット縫合デバイス上に所定の縫合パターンを実装することができるように構成されている、縫合システム。
【請求項10】
前記第1の自動フィクスチャは、前記ターゲット縫合デバイスをどのように配置するかを前記第1の自動フィクスチャに指示するように構成された第1のコントローラを含む、請求項9に記載の縫合システム。
【請求項11】
前記第2の自動フィクスチャ(710,1070)は、前記湾曲針(740)を移動させて前記縫合パターンを実装するときを前記第2の自動フィクスチャ(710,1070)に指示するように構成された第2のコントローラを含み、
前記第2の自動フィクスチャ(710,1070)は、前記縫合パターンを実装するときに縫合糸を定張力の状態に保つことができる張力デバイスを含む、請求項9または10に記載の縫合システム。
【請求項12】
前記第1の自動フィクスチャ(720,1070,1878)は、前記ターゲット縫合デバイスを少なくとも4つの方向に移動させるように構成されており、
前記第1の自動フィクスチャ(720,1070,1878)は、関節アームを含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の縫合システム。
【請求項13】
前記第2の自動フィクスチャ(710,1070)は、前記湾曲針(740)を用いて、前記縫合パターンをシングル縫合ステッチングとして実装するように構成されている、請求項9から12のいずれか一項に記載の縫合システム。
【請求項14】
前記湾曲針(740)の移動は、前記ステッチルーパ(745)の移動に対してロックされている、請求項9から13のいずれか一項に記載の縫合システム。
【請求項15】
前記ステッチルーパ(745)は、前記ステッチルーパ(745)の回転を含む第2の固定経路に沿って移動し、前記縫合糸の前記一部を用いて前記ループを形成する、請求項9から13のいずれか一項に記載の縫合システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2018年1月12日に出願された「Automated Heart Valve Sewing」という名称の、Limsakouneらの米国仮特許出願第62/617,114号から優先権を主張するものであり、これを参照により本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
医療デバイス、人工インプラント、人工心臓弁などには、そのいくつかの部分および/または構成要素の縫製、処理、検査などが要求されることがある。このようなデバイスのための縫合または他の動作の実行における精度および/または効率は重要であり得る。さらに、いくつかの心臓弁縫合動作または他の動作は時間がかかり、困難なことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2015/070249号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、インプラントデバイスを縫合する方法および縫合システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この概要は、いくつかの例を提供することを意味しており、決して本発明の範囲を限定することを意図していない。たとえば、この概要の例に含まれるいかなる特徴も、請求項がその特徴を明示的に規定していなければ、請求項によって要求されない。また、この概要およびこの開示内の他の場所における例に記載の特徴、ステップ、概念などは、さまざまな方法で組み合わせることができる。本明細書の説明は、心臓弁および/または関連もしくは関係する構成要素、デバイス、装置などを製造ならびに処理するために利用することができるデバイス、装置、システム、アセンブリ、方法、組合せなどに関する。他の特徴の中で、これらもしくはこれらの要素は、パラメータのセットを入力として受け取ることができるロジックを利用または包含することができ、この入力は、パラメータが入力として受け取られた後、ユーザにグラフィック表示することができ、および/または分析されて新たなデータを生成および/またはグラフィック表示することができる。
【0006】
いくつかの実装形態において、本開示は、ターゲットデバイスまたはコンポーネントを製造する方法、たとえば、人工インプラントデバイス(たとえば、人工ヒトインプラントデバイス、人工心臓弁、人工ヒト心臓弁など)を製造または縫合する方法に関する。この方法は、自動フィクスチャに指示(たとえば、入力を提供する、プログラミングする、プログラムを実行させる、ボタンを押す、アイコンをクリックするなど)して、ターゲットデバイス(たとえば、人工インプラントデバイスなど)を第1の位置に配置するステップと、ターゲットデバイスに対して第1の動作または手順を実行するステップと、自動フィクスチャに指示(たとえば、入力を提供する、プログラミングする、プログラムを実行させる、ボタンを押す、アイコンをクリックするなど)して、ターゲットデバイスを第2の位置に配置するステップと、ターゲットデバイスに対して第2の動作または手順を実行するステップと、を含む。この方法は、ターゲットデバイスをホルダコンポーネントに配置するステップを含むことができる。
【0007】
この方法はまた、針およびステッチルーパを用いて、針が縫合糸または糸を解放することなくステッチが形成されるように、ターゲットデバイス上にステッチを形成するステップを含むことができる。針は湾曲針とすることができ、これはステッチルーパと連動して往復運動し、ステッチルーパはこの湾曲針と協調して往復運動してターゲットデバイス上にステッチを形成する。
【0008】
いくつかの実装形態において、インプラントデバイスを縫合する方法が、ターゲットまたはインプラントデバイス(たとえば、人工心臓弁など)を第1の自動フィクスチャのホルダコンポーネントに配置するステップと、第1の自動フィクスチャに指示(たとえば、入力を提供する、プログラミングする、プログラムを実行させる、ボタンを押す、アイコンをクリックするなど)して、ターゲットまたはインプラントデバイスを第1の位置に配置するステップと、を含む。
【0009】
いくつかの実装形態において、この方法はまた、第2の自動フィクスチャに指示(たとえば、入力を提供する、プログラミングする、プログラムを実行させる、ボタンを押す、アイコンをクリックするなど)して、ターゲットまたはインプラントデバイスに縫合される材料に湾曲針を出入りさせることによってインプラントデバイス上に第1のステッチを実行するステップを含む。
【0010】
この方法はまた、第1の自動フィクスチャに指示(たとえば、入力を提供する、プログラミングする、プログラムを実行させる、ボタンを押す、アイコンをクリックするなど)して、ターゲットまたはインプラントデバイスを第2の位置(および、任意選択で、第3の、第4の、第5の、および/またはさらなる追加の位置)に配置するステップを含むことができる。
【0011】
いくつかの実施形態において、この方法はまた、第2の自動フィクスチャに指示(たとえば、入力を提供する、プログラミングする、プログラムを実行させる、ボタンを押す、アイコンをクリックするなど)して、ターゲットまたはインプラントデバイスに縫合される材料に湾曲針を出入りさせることによってインプラントデバイス上に第2のステッチを実行するステップを含む。
【0012】
第2の自動フィクスチャは、湾曲針と協調して移動して第1のステッチおよび第2のステッチを形成するステッチルーパを含むことができる。
【0013】
この方法はまた、インプラントデバイスを所定の位置で周方向に回転させるように第1の自動フィクスチャに指示するステップを含むことができる。
【0014】
いくつかの実施形態において、この方法は、第1の自動フィクスチャおよび第2の自動フィクスチャを制御するように構成された1つ以上のプロセッサを用いて、事前プログラムされた縫合手順スクリプトをロードするステップを含む。
【0015】
第2の自動フィクスチャは、湾曲針を用いて、第1のステッチがシングル縫合ステッチとなるように第1のステッチを実行することができる。湾曲針は、湾曲針の固定経路に沿って材料に出入りするように構成することができる。湾曲針は、第1のステッチおよび第2のステッチのそれぞれについて2つの異なる場所で材料を通過することができる。
【0016】
ステッチルーパは、第1のステッチの形成中に形成された挿入点を通して湾曲針が引き抜かれるときに縫合糸の一部を固定する2つ以上のタインを含むことができる。ステッチルーパは、縫合糸の一部でループを形成するように回転して第1のステッチを形成するように構成することができる。湾曲針は、ステッチルーパによって形成されたループを通過して第1のステッチを形成することができる。
【0017】
いくつかの実装形態において、縫合システムが1つ以上の自動フィクスチャを含む。たとえば、このシステムは少なくとも第1の自動フィクスチャを含む。第1の自動フィクスチャは、複数の電動アクチュエータデバイスおよび縫合ターゲットホルダを含むことができる。第1の自動フィクスチャは、たとえば、ターゲット縫合デバイス(たとえば、心臓弁など)が縫合ターゲットホルダに取り付けられているとき、このターゲット縫合デバイスを移動または回転させるように構成されている。
【0018】
いくつかの実施形態において、このシステムはまた、少なくとも第2の自動フィクスチャを含む。いくつかの実施形態において、第2の自動フィクスチャは湾曲針を含み、固定経路において湾曲針を移動させるように構成することができる。
【0019】
いくつかの実施形態において、第2の自動フィクスチャはまた、ステッチルーパを含む。ステッチルーパは1つ以上のタインを有することができる。ステッチルーパ(たとえば、ステッチルーパのタイン)は、縫合糸の一部を固定し、湾曲針が固定経路において移動するときに縫合糸の一部を用いてループを形成するように構成することができる。いくつかの実施形態において、ステッチルーパは、ステッチルーパの回転を含む第2の固定経路に沿って移動し、縫合糸の一部を用いてループを形成する。湾曲針の移動は、ステッチルーパの移動に対してロックされる、または同期させることができる。
【0020】
いくつかの実施形態において、システムの第1の自動フィクスチャおよび第2の自動フィクスチャは、互いに対して配置され、第1の自動フィクスチャがターゲット縫合デバイスを3次元で移動させてターゲット縫合デバイスを湾曲針の経路に配置することができるように構成されている。このシステムおよびその構成要素またはフィクスチャは、ターゲット縫合デバイス上に所定の縫合パターンを実装するように構成することができる。
【0021】
いくつかの実施形態において、第1の自動フィクスチャは、ターゲット縫合デバイスをどのように配置するかを第1の自動フィクスチャに指示するように構成された第1のコントローラを含む。いくつかの実施形態において、第2の自動フィクスチャは、湾曲針を移動させて縫合パターンを実装するときを第2の自動フィクスチャに指示するように構成された第2のコントローラを含む。
【0022】
第2の自動フィクスチャは、縫合パターンを実装するときに縫合糸を定張力の状態に保つことができる張力デバイスを含むことができる。
【0023】
いくつかの実施形態において、第1の自動フィクスチャは、ターゲット縫合デバイスを少なくとも4つの方向に移動させるように構成されている。第1の自動フィクスチャは関節アームを含むことができる。
【0024】
このシステム、たとえば、システムの第2の自動フィクスチャは、湾曲針を用いて、縫合パターンをシングル縫合ステッチングとして実装するように構成することができる。
【0025】
これらの例において具体的に述べていないが、本明細書の他の場所で説明している、または他の方法で知られている他のステップ、特徴、構成要素なども含まれ、および/またはここで説明した例とともに用いることができる。
【0026】
さまざまな実施形態が例示の目的で添付の図面に描かれているが、本明細書に開示された発明のいずれかの範囲を限定するとして決して解釈されるべきではない。加えて、異なる開示された実施形態のさまざまな特徴を組み合わせて、追加の実施形態を形成することができ、これらはこの開示の一部である。図面全体を通して、参照要素間の対応を示すため、参照番号を再利用することができる。
[付記項1]
インプラントデバイスを縫合する方法であって、
第1の自動フィクスチャのホルダコンポーネントに前記インプラントデバイスを配置するステップと、
前記インプラントデバイスを第1の位置に配置するように前記第1の自動フィクスチャに指示するステップと、
前記インプラントデバイスに縫合される材料に湾曲針を出入りさせることによって、前記インプラントデバイス上に第1のステッチを実行するように第2の自動フィクスチャに指示するステップと、
前記インプラントデバイスを第2の位置に配置するように前記第1の自動フィクスチャに指示するステップと、
前記インプラントデバイスに縫合される前記材料に前記湾曲針を出入りさせることによって、前記インプラントデバイス上に第2のステッチを実行するように前記第2の自動フィクスチャに指示するステップであって、前記第2の自動フィクスチャは、前記湾曲針と協調して移動して、前記第1のステッチおよび前記第2のステッチを形成するステッチルーパを含む、ステップと、
を含む、方法。
[付記項2]
前記インプラントデバイスは人工心臓弁である、付記項1に記載の方法。
[付記項3]
前記インプラントデバイスを所定の位置で周方向に回転させるように、前記第1の自動フィクスチャに指示するステップをさらに含む、付記項1または2に記載の方法。
[付記項4]
前記第1の自動フィクスチャおよび前記第2の自動フィクスチャを少なくとも部分的に制御するように構成された1つ以上のプロセッサを用いて、事前プログラムされた縫合手順スクリプトをロードするステップをさらに含む、付記項1から3のいずれか一項に記載の方法。
[付記項5]
前記第2の自動フィクスチャは、前記湾曲針を用いて、前記第1のステッチがシングル縫合ステッチとなるように前記第1のステッチを実行する、付記項1から4のいずれか一項に記載の方法。
[付記項6]
前記湾曲針は、前記湾曲針の固定経路に沿って前記材料に出入りする、付記項1から5のいずれか一項に記載の方法。
[付記項7]
前記ステッチルーパは、前記第1のステッチの形成中に形成された挿入点を通して前記湾曲針が引き抜かれるときに、縫合糸の一部を固定する2つ以上のタインを含む、付記項1から6のいずれか一項に記載の方法。
[付記項8]
前記ステッチルーパは、縫合糸の前記一部でループを形成するように回転して、前記第1のステッチを形成するように構成されている、付記項7に記載の方法。
[付記項9]
前記湾曲針は、前記ステッチルーパによって形成された前記ループを通過して、前記第1のステッチを形成する、付記項8に記載の方法。
[付記項10]
前記湾曲針は、前記第1のステッチおよび前記第2のステッチのそれぞれについて、2つの異なる場所で前記インプラントデバイスの布地を通過する、付記項1から9のいずれか一項に記載の方法。
[付記項11]
複数の電動アクチュエータデバイスおよび縫合ターゲットホルダを含む第1の自動フィクスチャであって、前記縫合ターゲットホルダに取り付けられているとき、ターゲット縫合デバイスを回転させるように構成されている、第1の自動フィクスチャと、
第2の自動フィクスチャであって、湾曲針であって、前記第2の自動フィクスチャが固定経路において前記湾曲針を移動させるように構成された、湾曲針と、縫合糸の一部を固定し、前記湾曲針が前記固定経路において移動するときに、前記縫合糸の前記一部を用いてループを形成するように構成された、複数のタインを有するステッチルーパと、を含む第2の自動フィクスチャと、
を含み、
前記第1の自動フィクスチャおよび前記第2の自動フィクスチャは、互いに対して配置され、前記第1の自動フィクスチャが前記ターゲット縫合デバイスを3次元的に移動させて、前記縫合デバイスを前記湾曲針の前記経路に配置し、前記ターゲット縫合デバイス上に所定の縫合パターンを実装することができるように構成されている、
縫合システム。
[付記項12]
前記ターゲット縫合デバイスは心臓弁である、付記項11に記載の縫合システム。
[付記項13]
前記第1の自動フィクスチャは、前記ターゲット縫合デバイスをどのように配置するかを前記第1の自動フィクスチャに指示するように構成された第1のコントローラを含む、付記項11または12に記載の縫合システム。
[付記項14]
前記第2の自動フィクスチャは、前記湾曲針を移動させて前記縫合パターンを実装するときを前記第2の自動フィクスチャに指示するように構成された第2のコントローラを含む、付記項11から13のいずれか一項に記載の縫合システム。
[付記項15]
前記第2の自動フィクスチャは、前記縫合パターンを実装するときに縫合糸を定張力の状態に保つことができる張力デバイスを含む、付記項11から14のいずれか一項に記載の縫合システム。
[付記項16]
前記第1の自動フィクスチャは、前記ターゲット縫合デバイスを少なくとも4つの方向に移動させるように構成されている、付記項11から15のいずれか一項に記載の縫合システム。
[付記項17]
前記第1の自動フィクスチャは関節アームを含む、付記項11から16のいずれか一項に記載の縫合システム。
[付記項18]
前記第2の自動フィクスチャは、前記湾曲針を用いて、前記縫合パターンをシングル縫合ステッチングとして実装するように構成されている、付記項11から17のいずれか一項に記載の縫合システム。
[付記項19]
前記湾曲針の移動は、前記ステッチルーパの移動に対してロックされている、付記項11から18のいずれか一項に記載の縫合システム。
[付記項20]
前記ステッチルーパは、前記ステッチルーパの回転を含む第2の固定経路に沿って移動し、前記縫合糸の前記一部を用いて前記ループを形成する、付記項11から19のいずれか一項に記載の縫合システム。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】埋め込み可能な人工弁デバイスの一例を示す図である。
【
図2】別の人工心臓弁の一例の斜視図を示す図である。
【
図3A】一例の外科用弁のための支持ステント用のフレームを示す図である。
【
図4】インプラントデバイスに対して動作を実行しているオペレータの一例を示す図である。
【
図5】手での保持および縫合を用いて縫合されている心臓弁インプラントデバイスの拡大図を示す図である。
【
図6】インプラントデバイスに関連し得る布地の拡大図を示す図である。
【
図7】一例の縫合システムを示すブロック図を示す図である。
【
図8A】一例の縫合システムの斜視図を示す図である。
【
図8B】
図8Aの例の縫合システムを用いてインプラントデバイスを縫合するための一例のプロセスを示す図である。
【
図8C】
図8Aの例の縫合システムを用いてインプラントデバイスを縫合するための一例のプロセスを示す図である。
【
図8D】
図8Aの例の縫合システムを用いてインプラントデバイスを縫合するための一例のプロセスを示す図である。
【
図8E】
図8Aの例の縫合システムを用いてインプラントデバイスを縫合するための一例のプロセスを示す図である。
【
図8F】
図8Aの例の縫合システムを用いてインプラントデバイスを縫合するための一例のプロセスを示す図である。
【
図8G】
図8Aの例の縫合システムを用いてインプラントデバイスを縫合するための一例のプロセスを示す図である。
【
図8H】
図8Aの例の縫合システムを用いてインプラントデバイスを縫合するための一例のプロセスを示す図である。
【
図8I】
図8Aの例の縫合システムを用いてインプラントデバイスを縫合するための別の一例のプロセスを示す図である。
【
図8J】
図8Aの例の縫合システムを用いてインプラントデバイスを縫合するための別の一例のプロセスを示す図である。
【
図8K】
図8Aの例の縫合システムを用いてインプラントデバイスを縫合するための別の一例のプロセスを示す図である。
【
図8L】
図8Aの例の縫合システムを用いてインプラントデバイスを縫合するための別の一例のプロセスを示す図である。
【
図8M】
図8Aの例の縫合システムを用いてインプラントデバイスを縫合するための別の一例のプロセスを示す図である。
【
図8N】
図8Aの例の縫合システムを用いてインプラントデバイスを縫合するための別の一例のプロセスを示す図である。
【
図8O】
図8Aの例の縫合システムを用いてインプラントデバイスを縫合するための別の一例のプロセスを示す図である。
【
図9】自動縫合フィクスチャを制御するための一例の制御システムのブロック図を示す図である。
【
図10】ホルダコンポーネントに結合された自動縫合フィクスチャの一例の遠位関節アームを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
いくつかの好ましい実施形態および例を以下に開示するが、発明の主題は、具体的に開示された実施形態を超えて、他の代替実施形態および/または使用、ならびにその修正および同等物に及ぶ。したがって、ここから生じ得る請求項の範囲は、以下に説明する特定の実施形態のいずれによっても限定されない。たとえば、本明細書に開示された任意の方法またはプロセスにおいて、その方法またはプロセスの行為または動作は、任意の適切な順序で実行することができ、いかなる特定の開示された順序に必ずしも限定されない。さらに、1つの方法に関して開示された1つ以上のステップは、本明細書に開示された他の方法に組み込むことができる。いくつかの実施形態を理解するのに役立ち得る方法で、複数の別個の動作としてさまざまな動作を順に説明することができるが、説明の順序は、これらの動作が順序に依存することを意味すると解釈すべきではない。加えて、本明細書に記載の構造、システム、および/またはデバイスは、統合された構成要素として、または別個の構成要素として実施することができる。さまざまな実施形態を比較する目的で、これらの実施形態のいくつかの態様および利点を説明する。必ずしもすべてのこのような態様または利点が、いずれかの特定の実施形態によって達成されるわけではない。したがって、たとえば、本明細書で教示されるような1つの利点または利点の群を達成または最適化する方法で、これも本明細書で教示または示唆され得るような他の態様または利点を必ずしも達成することなく、さまざまな実施形態を実行することができる。1つの例示的な実施形態に関して説明された特徴は、本明細書に開示された他の実施形態に、その実施形態に関して具体的に説明されていなくても、組み込むことができる。
【0029】
人工心臓弁インプラント、ならびに多くの他の種類の人工インプラントデバイスおよび他の種類のデバイスは、さまざまな縫合された構成要素および/または部分を含むことができる。たとえば、封止部分、スカートなどを人工心臓弁のフレームに縫合して、人工心臓弁の外縁または周囲に血液が漏れることを防止するのを助けることができる。人間のオペレータによる縫合の実行は、いくつかの状況において比較的困難および/または煩雑なことがある。たとえば、小さなステッチが高精度で作製されるべき場合、複雑さおよび/または関連するオペレータの負担は、怪我および/または製品の質の望ましくない低下という結果をもたらすことがある。さらに、いくつかの心臓弁インプラントデバイスには数百の縫合が要求されることがあり、これは実質的に労働集約的で過誤を受けやすい縫合手順を伴う可能性がある。したがって、製造の品質、速度を改善する、および/または人間のオペレータに関連する問題を防止するのを助けるため、インプラントの縫合に自動化を追加することが望まれ得る。
【0030】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、1つ以上の自動機械式関節フィクスチャ、コンポーネントおよび/もしくはサブアセンブリの物理的操作および/もしくは配置を伴う縫合手順を実行するための心臓弁縫合システム、デバイス、ならびに/または方法を提供する。このような関節フィクスチャもしくはコンポーネントは、人工ヒト心臓弁インプラントデバイス、または有利に一緒に縫合され得る1つ以上の構成要素もしくは部分を有する他の縫合対象もしくはインプラントデバイスを保持もしくは固定するように構成することができる。本明細書に提示される心臓弁縫合に関するさまざまな実施形態は、任意の種類の縫合および/または構造的構成もしくはパターンを有する心臓弁に適用可能であり得る。本明細書に提示されるいくつかの実施形態に適用可能であり得る心臓弁構造および心臓弁縫合技術の例が、特許文献1に開示されており、これの全内容を参照により本明細書に明示的に組み込む。
【0031】
図1は、1つ以上の実施形態による埋め込み可能な人工ヒト弁デバイス110を示す。本明細書に記載の弁110の特徴は、本明細書の他の場所に記載の他の弁を含め、他の弁に適用することができる。弁110は、たとえば、経カテーテル心臓弁(THV)、バルーン拡張型心臓弁、および/または機械拡張型心臓弁であり得る。図示の実施形態における弁110は概して、フレームまたはステント112、フレーム112によって支持された小葉構造193、および小葉構造193の外表面に固定(たとえば、縫合)された封止部材またはスカート116を含むことができる。いくつかの実施形態において、弁110は、大動脈弁のような、人間の生来の心臓弁の輪に埋め込まれるように構成されている。しかしながら、弁110は加えて、または代わりに、心臓の他の生来の弁、または身体のさまざまな他の脈管構造、管、または孔、または体内に埋め込まれた移植片、ドッキングステント、ドッキングステーション、リングなどに埋め込まれるように適合することができる。弁110の図示の向きによる下端180は流入端を表す一方、弁110の図示の向きによる上端182は流出端を表す。
【0032】
弁110およびフレーム112は、送達カテーテルを用いて体内へ導入するために折り畳みまたは縮み状態もしくは構成に径方向に折り畳み可能であるように構成することができ、体内の所望の場所(たとえば、生来の大動脈弁)で弁を埋め込むために拡張状態または構成に径方向に拡張可能であるようにさらに構成することができる。いくつかの実施形態において、フレーム112は、弁110の送達および拡張のために弁をより小さな外形に縮ませることを可能にするプラスチック、ポリマー、形状記憶材料、または金属拡張可能材料を含む。いくつかの実装形態において、バルーンカテーテルのバルーンまたは機械的拡張のためのツールのような拡張デバイスを用いて、弁を拡張する、または弁の拡張を助けることができる。いくつかの実施形態において、弁110は自己拡張型弁であり、フレームは、形状記憶材料または金属(たとえば、ニチノール)のような自己拡張型材料からなる。自己拡張型弁は、より小さな外形に縮ませることができ、弁を覆うシースのような拘束デバイスで縮み状態に保持することができる。弁がターゲット部位またはその近くに配置されると、拘束デバイスを取り外し、または引っ込めて、弁がその拡張された機能的サイズまたは展開構成へ自己拡張することを可能にすることができる。
【0033】
封止部分またはスカート116は、互いに固定されて
図1に示す環状形状を形成するか、または弁の周囲に延在する両端を備えた単一片以上片または材料(たとえば、布、ポリマーなど)を含むことができる。いくつかの実施形態において、封止部分またはスカート116の上縁は、フレーム112のストラットの形状に概ね従う波状形状を有する。このように、封止部分またはスカート116の上縁部は、縫合糸156でそれぞれのストラットにしっかりと固定することができる。封止部分またはスカート116は、フレーム112の外側またはフレーム112の内側に(図示のように)配置することができ、封止部分またはスカート116の上縁部を、フレームストラットの上表面の周りに巻き付けて縫合糸で適所に固定することができる。縫合糸156により、封止部分またはスカート116のフレーム112への耐久性のある取り付けが提供される。
【0034】
小葉構造193は、いくつかの実施形態において3つの小葉(
図1に示すように)を含むことができ、これらは三尖配置に折り畳めるように配置することができる。3つの小葉の実施形態を示しているが、本明細書に開示される実施形態に従って縫合される弁インプラントは、たとえば、2つまたは4つのような任意の数の小葉を有することができるということが理解されるべきである。小葉193は、材料もしくは組織の別個のフラップから形成することができ、または3つすべての小葉を単一の材料から得ることができる。小葉構造193の下縁はさまざまな形状を有することができる。いくつかの実施形態において、小葉構造193の下縁は、フレーム112に縫合することができる波状、湾曲、および/またはスカラップ形状を有することができる。小葉193は、それらの隣接する側で互いに固定されて小葉構造の交連184を形成することができ、ここで小葉の縁部が一体となる。小葉構造193は、任意の適切な技術および/または機構を用いてフレーム112に固定することができる。たとえば、小葉構造の交連184は、たとえば、縫合糸、接着剤、締め付け部分、圧着、および/または他の取り付け手段を用いて、支持ポスト118と位置を合わせてこれらに固定することができる。いくつかの実装形態において、小葉193のポスト118への取り付け点を、たとえば、より剛性の材料またはステンレス鋼を含むバーで補強することができる。
【0035】
図2は、1つ以上の実施形態による人工心臓弁210の斜視図を示す。心臓弁210は、心臓弁腔に心臓弁210を入れ子にする、および/または心臓の輪もしくは他の構造上に載せる、または取り付けるための支持を提供するように構成された周辺封止リング構造291を含むことができる。弁210は、金属フレームのようなフレーム部材292をさらに含むことができ、これは、複数の可撓性小葉293のための支持を提供することができるとともに3つの直立交連ポスト294を画定することができ、交連ポスト294間で小葉293を支持することができる。いくつかの実装形態において、
図2に示すように、封止リング291は、弁210の流入端でフレーム部材292の周囲に取り付けることができ、交連ポスト294は流出方向に突出している。
【0036】
小葉293は、材料もしくは組織の別個のフラップから形成することができ、または3つすべての小葉を単一の材料から得ることができる。小葉293は、交連ポスト294によって、ならびに交連ポスト間のフレーム部材の弓状の先端に沿って固定および支持することができる。
【0037】
図3Aは、
図2の弁210のような外科用心臓弁用の支持ステント用のフレーム392を示す。フレーム392は、軸方向流出端に向かって突出する複数の交連322と交互になっている軸方向流入端に向かって湾曲した複数の尖部を含むことができ、支持ステント392は波状の流出縁を画定する。支持ステント392は、周囲を概ね囲む3つの尖部324と交互になっている3つの直立交連322を有するワイヤフォーム320を含むことができる。ワイヤフォーム320内または外に補剛バンド326を配置することができる。バンド326の流入縁は、ワイヤフォーム320の尖部324に適合または少なくとも部分的に適合させることができ、たとえば、
図3Aに示すように、ワイヤフォーム交連322の領域においては間で流出方向に湾曲させることができる。いくつかの実施形態において、支持ステント392は、
図2の一方向人工心臓弁(たとえば、弁210)の支持構造を提供する。
【0038】
図3Bは、布地340で覆われた
図3Aのフレームを示しており、布地340をフレーム392のためのカバーリングとして固定するため、布地340を1つ以上の部分において縫合することができる。布地で覆われた支持ステント342は概ね管状であり得、軸方向流出端に向かって突出する複数の交連346と交互になっている軸方向流入端に向かって湾曲している複数の尖部344を含むことができる。支持ステント342は、布地340がその周りに固定保持されている波状の流出縁を含むことができる。いくつかの実施形態において、支持ステントの周りに布地340を固定する流入縁352に隣接して縫い目350が縫合されている。縫い目350は、明瞭にするために流入縁352の僅かに軸方向上方に示されているが、流入端に直接、または支持ステントの内部にさえ配置することができる。いくつかの実装形態において、1つ以上の縫い目を布地に沿った他の位置に配置することができる。支持ステント342の縫合は、複数の方法で実行または追加することができる。さらに、いくつかのステッチを
図3Bに示しているが、支持ステント342および/または
図2の弁インプラント210は、任意の種類もしくは数のステッチまたは縫合を含むことができる。たとえば、支持ステント342および/または関連するインプラントデバイスの1つ以上の他の構成要素にも、小葉および/または他の材料を縫合することができる。
【0039】
上述のもののような人工心臓弁デバイスおよび/または他のインプラントデバイスの縫合は、さまざまな方法で実行することができる。たとえば、人工ヒトインプラントデバイスを縫合するためのいくつかの手持ちのプロセスを実施することができ、オペレータが、インプラントデバイスを保持、固定、および/または縫合するために両手を利用する。
図4は、人工ヒトインプラントデバイス410に対して動作を実行しているオペレータ405を示す。たとえば、オペレータ405は、上述のように、デバイス410の外側のワイヤフレームを内側スカートまたは布に縫合することができ、ここでインプラントデバイス410は経カテーテル心臓弁デバイスである。あるいは、インプラントデバイス410は、外科用弁デバイス、または他のタイプのインプラントデバイスであり得る。インプラントデバイス410は、本明細書に示す弁の1つと同じもしくは同様であり得、または異なる種類の弁もしくはインプラントデバイスであり得る。
【0040】
図4の図に示すように、いくつかのプロセスにおいて、オペレータ405は、関係する縫合動作を実行するためにオペレータの手の両方を利用する必要があり得る。たとえば、第1の手406を用いてインプラントデバイス410を保持および/または固定することができ、第2の手407を用いて縫合針などを手で操作することができる。
【0041】
オペレータ405がインプラントデバイス410に対して関係する縫合動作を効果的に実行するため、インプラントデバイス410の見た目を何らかの方法で拡大またはさもなければ強化することが必要であり、または望まれ得る。たとえば、図示のように、オペレータは、顕微鏡のような拡大システム460をさらに利用することができ、これは、接眼レンズコンポーネント461ならびに1つ以上のレンズおよび/または屈折要素463を含むことができる。いくつかの実施形態において、拡大システム460は、オペレータ405が第1の角度で視線409を有することができるように設計され、拡大システム460は、下向き角度408で中の光を少なくとも部分的に反射させて下のターゲット焦点面に焦点を合わせるように構成されている。
【0042】
図5は、上述のように、手での保持および縫合を用いて縫合されている人工ヒトインプラントデバイスの拡大図を示す。図示のように、手持ちの縫合の解決策では、第1の手506にはターゲットインプラントデバイス510を保持することが要求され得る一方、第2の手507には縫合針509などを操作することが要求され得る。いくつかのプロセスによれば、オペレータは、長期間にわたって顕微鏡の実質的に一定の焦点において1つ以上の手を保持することが要求され得る。さらに、オペレータは、ターゲットインプラントデバイス510および/もしくは縫合針509の1つ以上の部分を圧迫し、押し、引っ張り、またはさもなければこれに手で力を加えることが要求され得る。
【0043】
図6は、1つ以上の実施形態によるインプラントデバイスに関連する布地の拡大図を示す。このような布地は、間に比較的小さな隙間を有するリブを形成する織りストランドを含むことができる。たとえば、縫合されるべき布地領域における各リブは約0.2mm以下の厚さtを有することができる。いくつかのプロセスでは、このような布地を1リブの精度内で配置および縫製したいとどうしても、または望ましく思うことがある。したがって、縫合コンポーネントおよびターゲットの正確な位置決めおよび集点合わせが望ましい。
【0044】
上で特定された問題に対処して心臓弁および他のインプラントに対する要求を満たすため、縫製動作の自動化であれば、たとえば、接触時間、人的過誤、費用などを削減するため、製造に有益である可能性がある。
【0045】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、インプラントデバイスを縫合するためのマルチアクセスシステムおよび/または縫合システムを用いて、コンポーネントおよび/またはデバイス(たとえば、人工インプラントデバイス)を縫合するためのシステムおよびプロセスを提供する。このようなシステムは、コンポーネントまたはデバイス(たとえば、ヒト人工心臓弁デバイスなどのようなインプラントデバイス)を関節運動させるように構成することができ、コンポーネントまたはデバイスの正確な配置により、必要な、または所望の縫合動作が可能になり得る。さらに、このシステムは、後続の動作(たとえば、後続の縫合動作)のためにコンポーネントまたはデバイスを再配置するようにさらに構成することができる。
【0046】
インプラントデバイスまたは心臓弁を縫合することには、ミリメートル、半ミリメートル、またはそれ以下の縫合精度が要求され得るが、特に両手持ちの縫合手順を実施するとき、リブまたは糸の間で縫合糸の場所が容易に見失われることがある。本開示の実施形態により、精度の向上を促進することができ、人的過誤を低減または排除するのを助けることができる。
【0047】
本開示の実施形態に関して、1つ以上のカメラ、センサ、関節アーム、自動フィクスチャなどを組み込んだシステム、ならびに/またはたとえば経カテーテル心臓弁もしくは他のターゲットデバイスのためのフレームおよびスカート縫合に関して、所望の位置(たとえば、縫合位置など)を正しく配置および特定するためのこれらの2つ以上の組合せを用いることを通して、位置的精度を改善することができる。製造のための品質をさらに改善するための品質管理されたフィードバックを、たとえば、センサ、イメージング、および/またはフィードバック機構を用いて実装することもできる。
【0048】
本明細書に開示される実施形態は、ヒト用人工インプラントデバイス(たとえば、人工心臓弁)ならびに/または他の種類のデバイスもしくはコンポーネントのための1つ以上の動作(たとえば、縫合動作、検討もしくは検査動作、および/もしくは他の動作)を実行するためのシステム、デバイス、方法などを提供する。本明細書のシステムは、完全に、またはほとんど自動化されたシステムであり得る。完全に、またはほとんど自動化されたシステムは、1つ以上の自動化フィクスチャを含むことができる。たとえば、第1の自動フィクスチャ(これは本明細書に記載および例示の自動フィクスチャまたは自動縫合フィクスチャと同じまたは同様であり得る)を用いて、処理動作またはステップ(たとえば、縫合、処理、適用など)のためのさまざまな所望の位置にインプラントデバイスを関節運動および移動させることができる一方、第2の自動化フィクスチャまたはデバイスを用いれば、さまざまな所望の位置で処理動作またはステップを実行することができる。たとえば、第2の自動フィクスチャは、針を中および外に移動させる縫製機と同様に動作して(たとえば、これは単一の平面において、および/または直線もしくは曲線の経路に沿って行うことができる)、ターゲットまたはインプラントデバイスに縫合を追加することができる一方、第1の自動フィクスチャは、ターゲットまたはインプラントデバイスを正しい位置へ移動させてターゲットまたはインプラントデバイス上の正しい場所において所望の縫合を受け取る。本明細書に記載の自動縫製システムは、インプラントまたは心臓弁の先に指定された縫製パターンでプログラムすることができる。縫合糸張力管理も用いて、適切な張力を維持および使用することができる。
【0049】
いくつかの実装形態において、1つ以上の縫製動作のための完全に(またはほとんど)自動化された縫製プロセスが、2つのサブシステムまたは自動フィクスチャを含むことができ、一方のサブシステムまたは自動フィクスチャは、針の移動を変換することによってパターンを縫うように構成されている一方、他方のサブシステムまたは自動フィクスチャは、これと協調または同期し、多軸関節アーム(たとえば、5軸ロボットアーム)を利用してターゲットインプラントを縫製のために所望されるように把持して移動させることができる。縫製サブシステムまたは自動フィクスチャ内で、さまざまな種類の針を用いることができる。また、縫製サブシステムまたは自動フィクスチャは、針に取り付けられた縫合糸または糸を定張力に維持して、縫合糸または糸の線の弛みに関連する問題(たとえば、絡み合いのリスクなど)を回避するように構成された縫合糸張力デバイスを含むことができる。インプラント保持サブシステムまたは自動フィクスチャは、インプラントに損傷を与えないグリッパを含むことができ、インプラント保持デバイスおよびこれによって保持されたインプラントの経路を正確にマップするように構成することができる。
【0050】
図7は、例示的な縫合システム700のブロック図を示し、
図8Aは、システム700の例示的なバージョンの斜視図を示す。システム700の1つ以上の構成要素は、本明細書に記載するように、心臓弁デバイスまたは他のインプラントデバイスを縫合するために利用することができる。
図7および
図8Aにおけるシステム700の描写は、例示的であり限定的ではないことを意味するので、
図7および
図8Aに示すさまざまな構成要素をシステム700から省略することができるとともに、
図7および
図8Aに示していない他の構成要素をシステム700に追加することができる。これらは縮尺通り描かれておらず、構成要素はさまざまな大きさであり得る。たとえば、いくつかの実装形態において、針は、縫合線および穿刺をより小さくより正確にするため、
図8Aに示すより小さくなるように構成されている。
【0051】
図7に示すように、システム700は、1つ以上の電力入力、第1の自動フィクスチャ710(たとえば、縫製機のような)、第2の自動フィクスチャ720(たとえば、多軸ロボットまたは5軸ロボットのような)、フィードバックマイクロコントローラユニット(MCU)などを含むことができる。いくつかの実施形態において、電力入力は、自動フィクスチャの一方または両方(たとえば、関節アームおよび縫製機フィクスチャの一方または両方)に電力を供給するように構成することができるコンセント電力(たとえば、110ボルトの)であるが、他の電力入力も可能である。
【0052】
第1の自動フィクスチャ710は、コントローラ(たとえば、マイクロコントローラ)、1つ以上のアクチュエータ、糸または縫合糸供給システム、プログラミング、針ホルダまたは針グリッパ、回路、定張力コンポーネント、アルドゥイーノ、グリッパモータ、1つ以上のセンサ、配線、および/または他の構成要素を含むことができる。第2の自動フィクスチャ720は、コントローラ(たとえば、マイクロコントローラ)、1つ以上のアクチュエータ、把持フィクスチャ、プログラミング、回路、1つ以上のセンサ、CM-700、配線、および/または他の構成要素を含むことができる。第1の自動フィクスチャ710および第2の自動フィクスチャ720は統合および同期され、第2の自動フィクスチャ720(たとえば、多軸ロボットアーム)によって保持されて所望の位置へ移動したターゲット埋め込み可能デバイスに対して第1の自動フィクスチャ710(たとえば、縫製機)が縫合動作を実行して縫合機能を実行することができる。
【0053】
いくつかの実施形態において、システム700、たとえば自動フィクスチャの1つ以上は、縫合プロセスに従って、自動フィクスチャの1つ以上の構成要素および/または他の構成要素に指示するように構成された1つ以上のコントローラ(たとえば、マイクロコントローラ)を含む。コントローラは、フィクスチャ制御信号(たとえば、縫合フィクスチャ制御信号)および/または縫合プロセスの1つ以上のステップに関連するデータを生成および/または提供するように設計された1つ以上のハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントを含むことができる。たとえば、コントローラは、1つ以上のプロセッサを含むコンピューティングデバイス、ならびに揮発性および/または不揮発性データ記憶媒体を含むことができる1つ以上のデータ記憶デバイスまたはコンポーネントを含むことができる。いくつかの実施形態において、データストレージは、プロセススクリプトデータ(たとえば、縫合プロセススクリプトデータ)を格納するように構成され、これは、縫合プロセスのさまざまなステップおよび/またはステージについてシステム700の1つ以上のコンポーネントおよび/またはフィクスチャの配置を示すデータを含むことができる。複数のステップを含むプロセスが、プロセスのそれぞれのステップまたはステージごとに、自動フィクスチャの1つ以上の構成要素および/またはシステム700の1つ以上の追加構成要素のための位置情報を表す数値または他のデータセットによって少なくとも部分的に表され得る。たとえば、複数の縫合ステップを含む縫合プロセスが、縫合プロセスのそれぞれのステップまたはステージごとに、システム700のシステムの1つ以上の構成要素および/またはフィクスチャのための位置情報を表す数値または他のデータセットによって少なくとも部分的に表され得る。
【0054】
自動フィクスチャ710は針740を含むことができる。さまざまな針を用いることができる。NiTi/ニチノール、デルリン、コバルトクロム、ABSプラスチック、PEEKプラスチック、ポリカーボネートベースを有する強力プラスチックの1つ以上を含む非腐食性湾曲針を用いることができる。針740は、完全な円を形成しない半円形状または湾曲形状に湾曲させることができる。たとえば、いくつかの実装形態において、針は、円の回転の70度と220度との間または100度と190度との間の弧を形成する湾曲形状を有する。
【0055】
自動フィクスチャ710は、縫製プロセス中に針を保持するように構成された針グリッパまたは針把持機構を含むことができる。針グリッパはドリルチャックツールホルダを含むことができ、真空圧を用いることができ、機械的グリッパなどを含むことができる。自動フィクスチャ710はまた、容易に調節可能な糸のスプールを保持するために用いられるシステムのような張力デバイス730を含むことができ、糸を定張力に保つことができる。張力デバイスは、ばねシステム、ボルトおよびばねのシステム、ボルト、ナット、およびばねのシステム、ボビンテンションメータ、PIDコントローラなどを含むことができる。
【0056】
自動フィクスチャ720は、縫製が行われている間、ターゲットインプラントを保持するように構成されたホルダまたはホルダアセンブリ(たとえば、グリッパまたは把持フィクスチャ)を含むことができる。たとえば、グリッパは、縫製が行われている間、インプラントを保持するように構成された多突起グリッパ(たとえば、2または3突起グリッパ)とすることができる。任意選択で、グリッパは内側ベローグリッパ、有突起グリッパ、3Dプリントグリッパ、ケージドグリッパ、または別のタイプのグリッパとすることができる。いくつかの実施形態において、縫合ターゲット(たとえば、人工インプラントデバイス)を保持または固定するように構成された縫合ターゲットホルダセンブリは、
図10に示すターゲットホルダセンブリと同様であり得る。
【0057】
自動フィクスチャ720はまた、さまざまなセンサを含むことができる。たとえば、このフィクスチャは、縫製プロセス中の弁フィクスチャの位置および回転、ならびにプロセスに伴う力を検出するセンサを含むことができる。たとえば、自動フィクスチャ720はまた、把持力センサを含むことができ、これは、グリッパがインプラントに加える力を中継するように構成することができる。自動フィクスチャ720はまた、ジャイロスコープセンサを含むことができ、これは、第2の自動フィクスチャまたはその関節アームの回転を測定するように構成することができる。自動フィクスチャ720はまた、加速度計センサを含むことができ、これは、自動フィクスチャまたはその関節アームのエンドエフェクタの位置を測定するように構成することができる。
【0058】
複数の縫合糸または糸での縫合動作が可能であるが、いくつかの実装形態において、自動フィクスチャ720は、用いられる縫合糸または糸の量およびインプラントの体積を減らすために単一の縫合糸または糸の縫製動作を実行するように構成されている。自動フィクスチャ710は、湾曲針を備えた修正されたヘミングのような機械として構成することができ、これによって材料を通過するたびに針を移動するプロセスを排除して、単一の糸動作を可能にすることができる。これを行う1つの方法は、ヘミング機またはブラインドステッチヘミング機と同様の、縫合糸または糸を縫う、または適用することができる機械を用いることであり、この機械は、インプラントでの使用に合わせて特別に適合および大きさ決定されており、縫合中にインプラントを望み通り自動的に移動させる自動フィクスチャと連携している。このような機械を用いる手順の例を
図8B~
図8Oに示す。湾曲針は、縫合糸または糸が通過する、針の鋭利または貫通端の近く(または端部と針に沿った別の点、たとえば、針の中央との間)に穴を含むことができ、湾曲針が回転するにつれて、ステントまたはフレームに縫い付けられる材料(たとえば、カバー、シール、小葉、または他の材料)内へ、次いでそこから外へ湾曲針は縫合糸または糸を向けることができる。自動フィクスチャ720はまた、縫合糸または糸にループを形成して引っ張り、縫合糸の他の部分と組み合わせてデバイスに沿ってステッチングを形成する構成要素を含むことができる。自動フィクスチャ710は、自動フィクスチャ720が縫製をして(たとえば、固定経路に沿って湾曲針を移動させる)、所望の縫合パターンを作成するとき、ターゲットインプラントを移動、回転などさせるように構成されている。ターゲットインプラントの移動は3次元で行われる。自動フィクスチャは、プログラムされ、協調、同期して共に働き、さまざまなインプラント上にさまざまな所望の縫合パターンを達成する。
【0059】
図8B~
図8Hは、支持構造712(たとえば、
図1に関して説明したフレーム112)に固定されるべき布地または他の材料716(たとえば、
図1に関して説明したスカート116)を有するターゲットデバイスまたは縫合ターゲットにステッチを形成するための例示的なプロセスを示す。これらの図は、簡素化および明確化のため、材料または布地716および支持構造712の側面断面図を用いてこのプロセスを示している。
図8Bに示すように、このプロセスは、自動フィクスチャ(たとえば、自動フィクスチャ710、自動縫製フィクスチャなど)において針740およびステッチルーパ745を用い、針740の移動およびステッチルーパの移動は、共通のモータ、共通のギアなどの使用を通して共に協調および/またはロックされる。針740は、湾曲針または直線針であり得る。針740は、針740の穴を通過する縫合糸743を保持する。ステッチルーパ745は、縫合糸743の一部を保持し、ステッチングプロセス中に縫合糸743のその部分でループを形成するように構成されている2つ以上のタインを含む。針740は、ステッチルーパ745のタインの間を通過して、材料または布地716上にステッチを形成するように構成することができる。
【0060】
図8Cは、針740がスカート116を通して挿入されて縫合糸が挿入点でスカートを通過している状態を示す。
図8Dは、ステッチルーパ745が針740に向かって移動してステッチルーパが縫合糸743の一部と針740との間を通過している状態を示す。
図8Eは、針740が同じ挿入点を通して引き抜かれた状態を示す。縫合糸743は、ステッチルーパ745の周りに巻き付けられたままとなって、材料または布地716の引き抜かれた針740とは反対側に縫合糸743の一部を維持する。
図8Fは、ステッチルーパが回転して縫合糸743にループを形成している状態を示す。加えて、材料または布地716は、針740に対して移動する(たとえば、自動フィクスチャまたは他の手段の移動によって)。
図8Gは、針740に対する材料または布地716の移動により、新たな挿入点で材料または布地716を通して針740が挿入されている状態を示す。針は、ステッチルーパ745のタインおよび縫合糸743によって形成されたループを通過している。ステッチルーパ745が引き抜かれる(たとえば、図において上方へ移動する)と、ステッチルーパ745によって保持された縫合糸743の部分はステッチルーパ745のタインから滑り落ちて、縫合糸743によって形成されたループは、針740によって保持された縫合糸743の部分の周りを締め付ける。
図8Hは、このプロセスによって形成されたステッチ756を示す。このプロセスは、材料716上の新たな場所におけるステッチについて
図8Cに示すステップで繰り返す。
【0061】
図8I~
図8Oは、支持構造712に固定されるべき材料または布地716を備えたターゲットデバイスまたは縫合ターゲットにステッチを形成するための別の一例のプロセスを示す。このプロセスは、自動フィクスチャ(たとえば、自動フィクスチャ710、自動縫製フィクスチャなど)において湾曲針740およびステッチルーパ745を用いる。このプロセスは、材料または布地の方を見下ろして示されているので、これらの図において針の湾曲は明らかではない。しかしながら、針740の湾曲により、材料または布地716の角度を変更する必要なく、および/または材料もしくは布地716をつまむもしくは束ねる必要なく、支持構造の両側の材料または布地716の2点を通して針740を挿入することが可能になる。
【0062】
図8Iは、湾曲針740が針740の遠位端で針740の穴を通して縫合糸743を固定している状態を示す。ステッチルーパ745は、プロセス中に縫合糸743の一部を固定するように構成された複数のタインを含む。ステッチルーパ745は、針740が挿入点を通して引き抜かれる間、縫合糸743の一部を保持するように構成されている。ステッチルーパ745はまた、縫合糸743にループを形成し、縫合糸によって形成されたループを位置決めして、次のステッチのための新たな挿入点を作成する前に、針740が形成されたループを通過するように構成されている。
【0063】
図8Jは、針740が支持構造712の下で材料または布地716を通過する2つの挿入点を形成している状態を示す。2つの挿入点は、材料または布地716を支持構造712に固定するステッチを形成する相補的な目標場所になるように構成される。
図8Kは、ステッチルーパ745が針740に向かって移動して縫合糸の一部を固定している状態を示す。ステッチルーパ745は、縫合糸743の一部と針740との間を通過して縫合糸743の一部を固定する。
図8Lは、針740が作成したばかりの同じ挿入点を通して針740が引き抜かれる一方、ステッチルーパ745は縫合糸743の一部を固定して、縫合糸743のその部分がこれらの挿入点を通過しないようにしている状態を示す。
図8Mは、ステッチルーパ745も回転させる方法で、ステッチルーパ745が引き抜かれた針に向かって移動している状態を示す。この移動により、縫合糸743にループが生成される。
図8Nは、布地716が移動して、針740が再び前進しているとき、これにより2つの新たな挿入点が作成されることになる状態を示す。針740は、前進するにつれて、ステッチルーパ745上の縫合糸743によって形成されたループを通過する。
図8Oは、引き抜かれてその開始場所に戻された後のステッチルーパ745を示す。ステッチルーパ745のこの移動により、縫合糸743によって形成されたループがステッチルーパ745から除去される。加えて、2つの新たな挿入点を通る針740の前進により、縫合糸743によって形成されたループが引っ張られて縫合糸743の周りのループを締め、これによってステッチ756を形成する。このプロセスは次いで、
図8Jに示すステップで繰り返して追加のステッチを形成する。
【0064】
有利には、
図8B~
図8Oに記載および例示のプロセスは、布地にステッチを形成するために用いることができ、ステッチを形成するために用いられる針は、プロセス中に決して解放されない。
【0065】
図7および
図8Aを参照すると、システム700は、1つ以上の自動フィクスチャ(たとえば、自動フィクスチャ710および自動フィクスチャ720の両方など)をそれぞれ取り付けることができるフレームを含むことができる。いくつかの実施形態において、16”×12”×12”のフレームを用いることができる。フレームの側部は閉じることができ、またはフレームの側部は開くことができ、このためオペレータが進行中のプロセスを見て、フィクスチャに何らかのエラーがないか確認することができる。自動フィクスチャ720は、機械の前部に取り付けることができ、このため、縫製領域を出て、ターゲットインプラントを取り上げ、回転して縫製領域に戻ることもできる。
【0066】
いくつかの実施形態において、自動縫合フィクスチャは、互いに物理的に結合された1つ以上の電動アクチュエータ(たとえば、サーボアクチュエータ)を含む。1つ以上のモータコンポーネント(たとえば、サーボモータコンポーネント)を用いて自動縫合フィクスチャを構築することによって、システム700は、比較的安価であり、および/または有利に、強化された運動範囲、ならびに複数の回転軸を提供することができる。いくつかの実施形態において、自動縫合フィクスチャの1つ以上は、共にデイジーチェーン接続され、ソフトウェアスクリプトを用いて実装される複数のアクチュエータデバイス(たとえば、サーボアクチュエータデバイス)を含み、ターゲットインプラントデバイスを位置決めする目的で協働的機能性を提供する。たとえば、アクチュエータデバイスまたはサーボアクチュエータデバイス(たとえば、サーボモータデバイス)は、水平にまたは垂直にまたはある角度で取り付けられ、または取り付けられるように構成することができ、任意の方向に関節運動することができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、第2の自動縫合フィクスチャまたはアセンブリは、1つ以上の電動アクチュエータを関節運動、動作、および/または配置して、ターゲットデバイス(たとえば、心臓弁、インプラント、もしくは他の縫合ターゲット)を、プロセス(たとえば、縫合プロセス)の少なくとも一部を実行する他のフィクスチャによるこれとの便利な係合もしくは相互作用のための所望の、もしくは適切な位置もしくは提示に、提示するように構成された1つ以上のコンポーネントを含む。いくつかの実施形態において、自動縫合フィクスチャは、この自動フィクスチャに関連する、またはこれによって保持されるターゲット(たとえば、縫合ターゲット)を関節運動させるという目的のために自動フィクスチャ(たとえば、自動縫合フィクスチャ)に所望の運動範囲を提供する所望の構成で互いに据え付け、取り付け、または接続された複数の電動アクチュエータを含む。いくつかの実施形態において、ターゲットホルダコンポーネントまたはアセンブリが、電動アクチュエータの1つ以上に関連し、または接続され得る。電動アクチュエータはそれぞれ、モータなどによって駆動される1つ以上の回転またはさもなければ関節部材を含むことができる。自動縫合フィクスチャおよび関連する構成要素の例を、
図7および
図8Aにさらに詳細に示し、これらに関連して本明細書でより詳細に説明している。
【0068】
いくつかの実施形態において、コントローラは、配置スクリプト、縫合プロセススクリプト、および/またはオペレータによって提供されるユーザ入力に基づいて、フィクスチャ(またはフィクスチャの電動アクチュエータ)の配置および/または動作を指示するための1つ以上の制御信号を提供する。たとえば、システム700(または
図9を参照して本明細書で説明するシステム1000)は、ユーザ入力デバイス(たとえば、
図9に示すユーザ入力デバイス1010など)を含むことができ、これはオペレータによって用いられてコントローラおよび/または自動縫合フィクスチャアセンブリの動作を開始または指示する入力を提供することができる。たとえば、ユーザ入力デバイス1010は、電子ディスプレイに関連するグラフィックユーザインターフェースに関連するユーザ入力のための機構のような、任意の適切なユーザ入力インターフェースを含むことができ、オペレータがインターフェースとの相互作用を通じて入力を提供することができる。いくつかの実施形態において、ユーザ入力デバイスは、1つ以上の物理的なスイッチ、ボタン、ペダル、センサなどを含み、ユーザが、このような機構の係合を通じて入力を提供することができる。いくつかの実施形態において、音声コマンドおよび/または音声認識ソフトウェアを用いて入力を提供することができる。信号を送信して、現在の縫合動作の1つのステップまたはステージから後続のステップまたはステージに進むことができ、たとえば、入力をコントローラに提供して、自動フィクスチャおよびターゲットを順番に各位置へ移動させるスクリプトを通じてシステムを進めることができる。これらは、針の既知の一貫した経路または固定経路がインプラントのフレームまたは金属に接触することがなく、針への損傷および他の問題を回避する位置にターゲットが常に移動するように連携することができる。
【0069】
自動縫合フィクスチャの構成により、比較的小さく、人工ヒトインプラントデバイスのような、比較的小さなデバイスの配置および動作を支援するように設計された用途における使用に便利な自動縫合フィクスチャのための重量および/または大きさを提供することができる。システムおよび自動フィクスチャの大きさが比較的小さいことにより、人工心臓弁インプラントを縫合するためによく用いられるもののような、よりコンパクトなワークスペースにおける使用も可能になり、たとえば、大きさが小さいことにより、比較的小さな机またはテーブルにもフィットしてこの上で用いることができ、これにより建物および作業領域のより効率的な使用が可能になる。いくつかの実施形態において、自動縫合フィクスチャの個々のアクチュエータデバイス(たとえば、個々のサーボアクチュエータデバイス)は、ブラシレスポテンショスタットおよび/または磁気エンコーダデバイスを含む。いくつかの実施形態において、アクチュエータデバイスは、アナログ電圧信号を伴う圧電制御を用いて実装される。いくつかの実施形態において、自動縫合フィクスチャの1つ以上の構成要素は、たとえば、0~2μsの間に離間された制御信号のようなパルス幅変調制御信号を用いて制御される。いくつかの実施形態において、自動縫合糸フィクスチャの複数のモータコンポーネント(たとえば、複数のサーボモータコンポーネント)が、3本リード接続のような多重信号と1つ以上の共通のリードを共有する。いくつかの実施形態において、自動縫合フィクスチャは、4つまたは5つ以上のサーボモータデバイスを含む。本明細書に開示されるデバイスおよびフィクスチャは、遠隔制御可能または部分的に遠隔制御可能であり得る。
【0070】
本開示による縫合システムは、1つ以上の自動縫合フィクスチャ、たとえば、縫合ターゲット(たとえば、人工ヒト心臓弁インプラント)を所望の縫合位置または他のプロセス位置に関節運動させるための自動縫合フィクスチャ720を含むことができる。
図9は、自動縫合フィクスチャ1070を制御するための例示的な制御システム1000を示すブロック図を示す。自動縫合フィクスチャ1070(これは上述の自動フィクスチャのいずれかまたはすべてを表すことができる)は、コントローラモジュール1030から制御信号を受け取るように構成されている。コントローラモジュール1030は、自動縫合フィクスチャ1070および/またはその1つ以上の構成要素の動作を少なくとも部分的に指示するための制御信号を生成するように構成されたソフトウェアおよび/またはハードウェアコンポーネントの組合せを含むことができる。
【0071】
いくつかの実施形態において、コントローラ1030は、縫合スクリプト情報1034またはそのデータストレージにおいてコントローラによって維持されるか、もしくは他の方法でコントローラ1030によってアクセスされる他のスクリプトもしくはプログラム情報にアクセスするように構成された1つ以上のプロセッサおよび/またはコントローラ回路を含む。コントローラ1030は、縫合スクリプト情報または他のスクリプトもしくはプログラム情報を解釈し、これに少なくとも部分的に基づいて自動縫合フィクスチャ1070および/または別の自動フィクスチャを制御するための制御信号を生成するように設計された配置制御回路1032を含むことができる。
【0072】
縫合スクリプト情報1034または他のスクリプトまたはプログラム情報は、コントローラ1030が実装するように設計された1つ以上の縫合プロセスまたは他のプロセスに関する自動縫合フィクスチャ1070の1つ以上の構成要素のための順次配置情報を含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態において、配置制御回路1032は、縫合プロセスの各ステップについて順番に位置情報を提供するように構成されている。1つの位置ステップから別の位置ステップへの前進は、タイマー、またはユーザ入力または他の機構に基づいて、コントローラ1030によって指示することができる。
【0073】
自動縫合糸フィクスチャ1070は複数の電動アクチュエータ1071を含むことができ、これらはコントローラ1030に通信可能に結合することができる。いくつかの実施形態において、電動アクチュエータは、デイジーチェーン構成で互いに結合され、電動アクチュエータの2つ以上は順番に共に結合または配線されている。
【0074】
電動アクチュエータ1071のそれぞれは、DC、AC、またはブラシレスDCモータのようなモータを含むことができる。モータはサーボモータとすることができる。いくつかの実施形態において、モータ1072は、モータ制御回路1076によって指示されるように、パルス符号化変調(PCM)を用いて制御される。たとえば、モータ制御回路1076は、パルス印加を一定期間印加することができ、ロータコンポーネント1073の角度的配置は、少なくとも部分的にパルスの長さによって決定される。モータ1072に加えられる力の量は、ロータ1073の回転距離に比例することができる。
【0075】
いくつかの実施形態において、電動アクチュエータは、位置センサ(たとえば、デジタルエンコーダ、磁気エンコーダ、レーザなど)のような、1つ以上のサーボフィードバックコンポーネント1074を含むサーボアクチュエータデバイスである。サーボフィードバックコンポーネント1074の使用は、電動アクチュエータ1071が許容可能な程度の精度でコントローラ1030によって指示されるように配置されるという所望のレベルの信頼性を達成するために所望され得る。サーボフィードバックコンポーネント1074は、ロータ1073の位置および/または速度を示すアナログ信号をモータ制御回路1076に提供することができ、これにより、安定した正確なロータ位置をより速く達成するための位置の比較的正確な制御が有利に可能になり得る。自動縫合フィクスチャ1070を用いるインプラント縫合動作において縫合される心臓弁または他のインプラントデバイスの材料または布の寸法に少なくとも部分的に起因して、インプラントデバイスの比較的正確な配置が必要または所望であることがある。たとえば、縫合される布地または他の材料は、間に比較的小さな隙間を有するリブを形成する織りストランドを含むことができる。いくつかの実施形態において、自動縫合フィクスチャ1070は、0.2mm以下の精度内で縫合ターゲット人工ヒトインプラントデバイスを関節運動させるように構成することができる。サーボモータデバイスおよびコンポーネントが説明されているが、いくつかの実施形態において、1つ以上の電動アクチュエータは、ステッパモータ、または他の種類のモータサブシステムを含むことができる。
【0076】
電動アクチュエータ1071はモータ制御回路1076をさらに含むことができ、これはコントローラ1030から受け取られた制御信号に従ってモータ1072を駆動することができる。いくつかの実施形態において、モータ1072は、サーボフィードバック機構1074および/またはモータ制御回路1076と組み合わせて、ロータ1073および/または取り付けられた支持部材を所望の期間、設定位置に保持するように有利に構成することができる。モータ1072は、関連するロータ1073の比較的滑らかな転換および/または正確な配置を提供することができる。モータ1072は、その大きさに対して比較的強力にすることができ、ロータ1073および/または関連する支持部材に存在する機械的負荷に比例する力を引き出すことができる。
【0077】
いくつかの実施形態において、サーボフィードバックコンポーネント1074は、ロータ1073に接続された電位差計を含み、これは電動アクチュエータ1071の出力デバイスであり得る。ロータ1073は、電位差計および制御回路1076にリンクすることができ、電位差計は、制御回路からの信号と結合され、回転範囲、たとえば、0°~180°の間、またはこれ以上にわたってロータ1073(および関連する支持部材)の角度を制御する。いくつかの実施形態において、ロータ1073の回転範囲は1つ以上の機械的ストップによって制限され、これは関連するギア機構内に組み込むことができる。電位差計(または内部回転エンコーダのような他のサーボ機構)により、制御回路1076がモータまたはロータの現在の角度を監視することが可能になる。ロータ1073が正しい角度にあるとき、モータ1072は、コントローラ1030から次の位置決め信号が受け取られるまでアイドリングすることができる。
【0078】
自動縫合フィクスチャ1070は、縫合ターゲットホルダデバイスまたはアセンブリ1080(本明細書では縫合ターゲットホルダまたはアセンブリと呼ぶが、これは、他の手順のためにターゲットデバイスもしくはコンポーネントを保持する他の種類のターゲットホルダデバイス、グリッパ、またはアセンブリとすることができる)をさらに含むことができる。縫合ターゲットホルダ1080は、複数のアクチュエータの遠位延長アームアクチュエータデバイスのような、電動アクチュエータ1071の1つに物理的に結合することができる。縫合ターゲットホルダ1080は、縫合されることが所望されている人工心臓弁デバイス、または他の人工ヒトインプラントデバイスを保持する、またはこれに取り付けられるように構成することができる。縫合ターゲットホルダ1080は、任意の適切な、もしくは所望の形状、構成および/または寸法を有することができ、ターゲットデバイスまたはインプラントデバイスをさまざまな異なる方法で保持または固定するように構成することができる。縫合ターゲットホルダデバイスまたはアセンブリの一例の実施形態を、
図10に関連して以下に説明する。しかしながら、このような実施形態は単に一例として提供されており、他の種類の縫合ターゲットホルダを開示されたシステムに実装することができるということが理解されるべきである。
【0079】
図10は、例示的なホルダコンポーネント1880に結合された関節アーム1878および/または1つ以上のアクチュエータを示す。いくつかの実施形態において、ホルダコンポーネント1880が、インプラントデバイスまたは他のターゲットフォームもしくはデバイスを固定するための境界を提供する目的で、自動縫合フィクスチャの遠位関節アーム1878またはエンドアクチュエータに固定または固着されている。ホルダコンポーネントまたはアセンブリ1880は、本明細書に開示される任意のプロセスまたは実施形態に従ってその縫合を可能にする目的で、インプラントデバイスまたは他のターゲットデバイス、もしくはその一部を保持または固定するように設計または構成することができる。ホルダコンポーネント1880は、円筒フォーム1885を固定、またはさもなければ含むように構成することができ、これはターゲットデバイスまたはインプラント(たとえば、外科用弁インプラントデバイス1818用の布地で覆われた支持ステント)を引っ張るような大きさまたは寸法にすることができる。たとえば、弁インプランデバイス1818は、図示のように、複数の交連ポスト部分1892を含むことができ、これらは、ホルダコンポーネント1880に向かう方向を向くように配置することができ、このため、最終的にインプラントデバイス1818の流入端を表すことになるものの上に縫い目1818をステッチすることができる。円筒状フォームまたはコンポーネント1885は、手持ちのインプラントデバイスホルダと同様の方法で設計することができ、これはいくつかの実施形態において関節アーム1878および関連する構成要素の支援なしで縫合手順を実行する際に用いることができる。布1825は、強固なワイヤフレーム構造の周りに配置することができ、ステッチ1818の縫い目は、布1825でワイヤフレームを実質的に覆うために実行される。縫い目1818は、
図3Aに示して説明したように、補剛バンドの周りに布1825を固定することができる。
【0080】
ホルダコンポーネント1880は、経カテーテル心臓弁縫合用途、または外科的心臓弁縫合動作、または他のインプラント縫合手順のような、特定の用途のために設計することができる。弁は、動物(たとえば、ヒト)用であり得る。外科用弁構成を
図10に示しているが、
図10のホルダデバイス1880および/または他の構成要素は、経カテーテル心臓弁もしくは他の弁または他のデバイスのための縫合プロセスおよび/または他のプロセスを支持するように設計または構成することができるということが理解されるべきである。たとえば、
図10の図は、インプラントデバイス1818を所望の位置に保持するように設計された円筒状フォーム1885を示しているが、このような円筒状フォームは、経カテーテル心臓弁に関しては必要でないことがある。たとえば、円筒状フォーム1885に代えて、ホルダ1880は代わりに経カテーテル心臓弁の強固な円筒状ワイヤフレームを固定するように構成することができ、この一実施形態を、
図1に関連して上に例示および説明している。
【0081】
ある手順または用途(たとえば、縫合補助用途)に利用されるホルダの具体的な種類は、プロセスごとに決定することができる。すなわち、特定のアダプタが、別個の動作もしくは手順のそれぞれに、または別個の種類の弁もしくは他のターゲットに適切または所望であり得る。いくつかの実施形態において、インプラントデバイスの単一の縫合手順が、複数の異なる種類のホルダデバイスの使用を伴うことができる。
【0082】
縫合システムが特定の手順、プログラム、またはスクリプトでプログラムされた後に縫合手順を実行することができる。1つ以上のプロセッサおよび/またはメモリデバイスのような、1つ以上のコンピュータコンポーネントを利用して、手順指示スクリプトまたはプログラムを格納および実行することができ、オペレータがオンデマンドで手順スクリプトまたはプログラムを再生することができるようになる。
【0083】
この手順は、縫合プロセススクリプトまたはプログラムをロードすることを含み、これは事前プログラムすることができる。所望のスクリプトまたはプログラムは、さまざまな方法で、たとえば、システムまたはシステムのコンピュータに入力を提供して、ストレージまたはメモリから所望のスクリプトまたはプログラムをロードすることによって、ロードすることができる。
【0084】
この手順は、自動縫合フィクスチャ(もしくは自動フィクスチャ)の配置を誘発すること、および/または縫合動作もしくは他の動作もしくはステップを実行することを伴うことができる。
【0085】
縫合動作または他の動作もしくはステップが実行されると、関係する縫合動作または他の動作もしくはステップが縫合手順または他の手順の最終動作またはステップを表せば、プロセスは終了することができる。しかしながら、縫合動作もしくは手順または他の動作もしくは手順の追加のステップが残っていれば、プロセスは、誘発、配置、または実行ステップを繰り返すことができ、縫合プロセスまたは手順の後続のステップを誘発することができるため、プロセス1700は後続のステップの完了を伴うことができる。
【0086】
実施形態に応じて、本明細書に記載のプロセスまたはアルゴリズムのいずれかのいくつかの行為、事象、または機能を異なる順序で実行することができ、追加、合併、または完全に省略してもよい。したがって、いくつかの実施形態において、すべての記載した行為または事象がプロセスの実施に必要であるわけではない。また、いくつかの実施形態において、順次ではなく同時に行為または事象を実行することができる。たとえば、マルチスレッド処理、割り込み処理、および/以上のプロセッサもしくはプロセッサコアを用いることもできる。
【0087】
本明細書で用いる条件付き文言、たとえば、とりわけ、「can(できる)」、「could(可能性がある)」、「might(かもしれない)」、「may(でもよい)」、「e.g.(たとえば)」などは、特に具体的に記述されていない、または用いられたような文脈内で別様に理解されない限り、その通常の意味で意図され、いくつかの実施形態が、いくつかの特徴、要素および/またはステップを含む一方、他の実施形態はこれらを含まないということを伝えるように一般に意図されている。したがって、このような条件付き文言は一般に、特徴、要素および/またはステップが1つ以上の実施形態に何らかの方法で要求されること、または1つ以上の実施形態が、これらの特徴、要素および/もしくはステップがいずれかの特定の実施形態に含まれているか、または実行されるべきかを、作者の入力またはプロンプティングの有無にかかわらず、決定するためのロジックを必ず含むことを意味するように意図していない。「comprising(備える)」、「including(含む)」、「having(有する)」などの用語は同義語であり、それらの通常の意味で用いられ、オープンエンド方式で包括的に用いられ、追加の要素、特徴、行為、動作などを除外しない。また、「or(または)」という用語はその包括的意味で用いられ(その排他的な意味ではなく)、たとえば、要素のリストを接続するために用いられるとき、「or(または)」という用語は、このリストにおける要素の1つ、いくつか、またはすべてを意味する。「X、YおよびZの少なくとも1つ」という句のような接続的文言は、特に具体的に記述されていない限り、用いられたような文脈で理解され、ある物品、用語、要素などがX、YまたはZのいずれかであり得ることを一般に伝えている。したがって、このような接続的文言は一般に、いくつかの実施形態に、Xの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つおよびZの少なくとも1つがそれぞれ存在することが要求されるということを意味することを意図しない。
【0088】
実施形態の上の説明において、開示を簡素化してさまざまな発明の態様の1つ以上の理解を助けるという目的で、さまざまな特徴がその単一の実施形態、図、または説明にまとめられていることがあるということが理解されるべきである。しかしながら、この開示の方法は、任意の請求項に、その請求項において明示的に規定されているより多くの特徴が要求されるという意図を反映しているとして解釈されるべきではない。また、本明細書の特定の実施形態において例示および/または説明された任意の構成要素、特徴、もしくはステップを任意の他の実施形態に適用または使用することができる。さらに、各実施形態にはいずれの構成要素、特徴、ステップ、または構成要素、特徴、もしくはステップの群も必要または必須ではない。したがって、本明細書に開示および以下の請求項の本発明の範囲は、上述の特定の実施形態によって限定されるべきではなく、以下の請求項の公正な解釈によってのみ決定されるべきであるということが意図される。
【0089】
本明細書に記載の方法は、提示された方法の1つ以上の実施形態を示すステップを含む。本明細書の手順もしくは方法の1つ以上のステップ、もしくはその一部と、機能、論理、または効果が同等である他のステップおよび方法が考えられ得る。加えて、特定の方法のステップが起こる順番は、記載の対応するステップの順番に厳密に従ってもそうでなくてもよい。本明細書の一実施形態に関して説明した構成要素、特徴、ステップなどは、本明細書の他の場所で説明した他の実施形態に組み合わせる、または含めることができる。
【0090】
本明細書に記載のシステム、アセンブリ、デバイス、装置、方法などの構成要素、態様、特徴などは、ハードウェア、ソフトウェア、または両方の組合せにおいて実装することができる。本明細書に記載のシステム、アセンブリ、デバイス、装置、方法などの構成要素、態様、特徴などがソフトウェアにおいて実装される場合、このソフトウェアは、1つ以上の非一時的機械可読媒体に実行可能な形式で格納することができる。さらに、このソフトウェアおよび上述の方法の関係するステップは、データおよび命令のセットとしてソフトウェアに実装することができる。機械可読媒体は、機械(たとえば、コンピュータ)によって読み取り可能な形で情報を提供(たとえば、格納および/または移送)する任意の機構を含む。たとえば、機械可読媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、DVDの、電気的、光学的、音響的または他の形の伝播信号(たとえば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号)、EPROM、EEPROM、FLASH、磁気または光学カード、または電子命令を格納するのに適した任意の種類の媒体を含む。機械可読媒体に格納されたユニット、システム、および/または方法を表す情報を、本明細書に記載のユニット、システム、および/または方法を作成するプロセスにおいて用いることができる。本発明を実装するために用いられるハードウェアは、集積回路、マイクロプロセッサ、FPGA、デジタル信号コントローラ、ストリームプロセッサ、および/または他の構成要素を含むことができる。
【符号の説明】
【0091】
110 弁
112 フレーム
116 スカート
118 支持ポスト
156 縫合糸
180 下端
182 上端
184 交連
193 小葉
210 弁
291 封止リング
292 フレーム部材
293 小葉
294 交連ポスト
320 ワイヤフォーム
322 交連
324 尖部
326 補剛バンド
340 布地
342 支持ステント
344 尖部
346 交連
350 縫い目
352 流入縁
392 支持ステント
405 オペレータ
406 第1の手
407 第2の手
408 下向き角度
409 視線
410 インプラントデバイス
460 拡大システム
461 接眼レンズコンポーネント
463 屈折要素
506 第1の手
507 第2の手
509 縫合針
510 インプラントデバイス
700 システム
710 第1の自動フィクスチャ
712 支持構造
716 布地
720 第2の自動フィクスチャ
730 張力デバイス
740 針
743 縫合糸
745 ステッチルーパ
756 ステッチ
1000 制御システム
1010 ユーザ入力デバイス
1030 コントローラモジュール
1032 配置制御回路
1034 縫合スクリプト情報
1070 自動縫合フィクスチャ
1071 電動アクチュエータ
1072 モータ
1073 ロータ
1074 サーボフィードバックコンポーネント
1076 モータ制御回路
1080 縫合ターゲットホルダ
1818 インプラントデバイス
1825 布
1878 関節アーム
1880 ホルダコンポーネント
1885 円筒状フォーム
1892 交連ポスト部分
【外国語明細書】