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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013331
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】新生瓦の研磨装置、新生瓦の研磨方法
(51)【国際特許分類】
   B24B 23/02 20060101AFI20230119BHJP
   B24B 23/00 20060101ALI20230119BHJP
   B24B 55/04 20060101ALI20230119BHJP
   B24B 55/10 20060101ALI20230119BHJP
   B24B 29/00 20060101ALI20230119BHJP
   E04G 23/02 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
B24B23/02
B24B23/00 A
B24B55/04 Z
B24B55/10
B24B29/00 E
E04G23/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021117422
(22)【出願日】2021-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】512064354
【氏名又は名称】日本パーミル株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】508324112
【氏名又は名称】株式会社ユーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】安西 英男
【テーマコード(参考)】
2E176
3C047
3C158
【Fターム(参考)】
2E176AA23
2E176BB05
2E176BB36
3C047FF07
3C047FF09
3C047HH01
3C047JJ16
3C158AA06
3C158AA18
3C158AC03
(57)【要約】
【課題】より的確に新生瓦を研磨することが可能でありながら、研磨の際に発生する粉塵の飛散を抑制することができる新生瓦の研磨装置を提供する。
【解決手段】研磨装置は、新生瓦の表層を研磨する回転ブラシと、回転ブラシの周囲を囲うように設けられるカバーとを備える。回転ブラシは、軸部31と、軸部31の外周面から外側に向かって延びるように取り付けられるブラシ32と、を有する。軸部31は、大径軸部310と、大径軸部310よりも小さい外径を有する小径軸部311と、を有する。ブラシ32は、大径軸部310の外周に取り付けられる小ブラシ320と、小径軸部311の外周に取り付けられ、小ブラシ320よりも長い全長を有する大ブラシ321と、を有している。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
新生瓦を研磨する研磨装置であって、
前記新生瓦の表層に対して所定の中心軸を中心に縦回転することにより前記新生瓦の表層を研磨する回転ブラシと、
前記回転ブラシの周囲を囲うように設けられるカバーと、を備え、
前記回転ブラシは、
前記中心軸を中心に回転する軸部と、
前記軸部の外周面から外側に向かって延びるように取り付けられるブラシと、を有し、
前記軸部は、
所定の外径を有する大径軸部と、
前記大径軸部よりも小さい外径を有する小径軸部と、を有し、
前記ブラシは、
前記大径軸部の外周に取り付けられる小ブラシと、
前記小径軸部の外周に取り付けられ、前記小ブラシよりも長い全長を有する大ブラシと、を有している
新生瓦の研磨装置。
【請求項2】
前記中心軸に平行な方向を軸方向とするとき、
前記回転ブラシから前記軸方向にずれて配置される補助輪を更に備える
請求項1に記載の新生瓦の研磨装置。
【請求項3】
前記補助輪は、前記回転ブラシに対して相対的に位置を変更可能である
請求項2に記載の新生瓦の研磨装置。
【請求項4】
前記中心軸に直交する軸線を所定の軸線とし、前記所定の軸線に平行な方向を高さ方向とするとき、
前記補助輪は、前記回転ブラシに対して前記高さ方向に相対的に位置を変更可能である
請求項3に記載の新生瓦の研磨装置。
【請求項5】
ユーザが把持可能なハンドルを更に備える
請求項1に記載の新生瓦の研磨装置。
【請求項6】
前記ハンドルは、前記回転ブラシに対して相対的に位置を変更可能である
請求項5に記載の新生瓦の研磨装置。
【請求項7】
前記中心軸に直交する軸線を所定の軸線とするとき、
前記ハンドルは、前記回転ブラシに対して、前記所定の軸線を中心とする回転方向に相対的に位置を変更可能である
請求項6に記載の新生瓦の研磨装置。
【請求項8】
前記所定の軸線に平行な方向を高さ方向とするとき、
前記ハンドルは、前記回転ブラシに対して高さ方向に相対的に位置を変更可能である
請求項7に記載の新生瓦の研磨装置。
【請求項9】
前記回転ブラシの回転により当該研磨装置が進行する方向を前方とし、その逆方向を後方とするとき、
前記新生瓦において前記カバーにより覆われている部分よりも前方に位置する前方領域、及び前記新生瓦において前記カバーにより覆われている部分よりも後方に位置する後方領域の少なくとも一方の領域を吸引する吸引部を更に備える
請求項1~8のいずれか一項に記載の新生瓦の研磨装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の研磨装置を用いて新生瓦を研磨する方法であって、
前記回転ブラシの回転により前記研磨装置が進行する方向を前方とし、その逆方向を後方とし、前後方向に直交する方向を左右方向とするとき、
ユーザが前記研磨装置に対して左右方向のいずれか一方に位置した状態で前記研磨装置を前後方向にスライド移動させて前記新生瓦を研磨する
新生瓦の研磨方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新生瓦の研磨装置、及び新生瓦の研磨方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アスベスト(石綿)を含む屋根材としてスレートや新生瓦等がある。スレートや新生瓦は粘土瓦と比較して非常に軽く且つ安価であるため、外装材や屋根材として多く使用されている。しかしながら、アスベストの粉塵が発生する環境下で人が長時間滞在する等してアスベストを大量に吸い込むと、肺癌の発生率が上昇するおそれがあることが指摘されている。そのため、アスベストを含む屋根材を使用している建築物の解体工事や改装工事には非常に厳しい規制が課せられている。このようなアスベストを含む屋根材を除去することが可能な装置としては、以下の特許文献1に記載の除去装置がある。
【0003】
特許文献1に記載の除去装置は、吸塵機と、フードとを備えている。吸塵機は、屋根材を取り外す際に発生する粉塵を、フィルタを介して吸引する。フードは、吸塵機から延設される吸引ホースの先端部に取り付けられており、屋根材の表面に当接している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-205110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、アスベストを含む屋根材を使用している建築物が老朽化している場合には、屋根材を張り替えることが望ましいが、その建築物が例えば工場の建屋である場合、屋根材の張り替えを行うことが困難な場合がある。具体的には、工場の建屋の屋根材を張り替えるとなると、屋根材の張り替えを行っている期間、長期間に亘ってその建屋で製品を製造することができなくなるおそれがある。また、屋根材を張り替えるには多額の資金が必要である。このような事情から、老朽化している屋根材の張り替えに踏み切れない事業者が多く存在する。
【0006】
そこで、発明者は、屋根材の表面に所定の補強剤を塗布することにより屋根材を補強して、屋根材を延命化する方法を検討している。このような方法で屋根材を補強する場合、屋根材の表面に補強剤を適切に塗布するためには、屋根材の表層を研磨する等して、屋根材の表面に堆積している異物等を除去する必要がある。例えば屋根材として新生瓦が用いられている場合には、上下方向に重なるように2つの新生瓦が配置されるため、それらの新生瓦の間に形成される段差、いわゆる入隅に異物が堆積され易い。この点、特許文献1に記載のスレート除去装置は、屋根材を取り外す際に発生する粉塵を吸引することはできるものの、新生瓦の入隅に堆積する異物を除去することは難しい。そのため、新生瓦が用いられる屋根材をより的確に研磨することが可能な新たな装置が望まれている。また、新生瓦の表層を実際に研磨するとなると、研磨の際に発生する新生瓦の粉塵が周囲に飛散する可能性があるため、それを抑制する対策が必要である。
【0007】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より的確に新生瓦を研磨することが可能でありながら、研磨の際に発生する粉塵の飛散を抑制することができる新生瓦の研磨装置及び研磨方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する研磨装置は、新生瓦を研磨する研磨装置であって、新生瓦の表層に対して所定の中心軸を中心に縦回転することにより新生瓦の表層を研磨する回転ブラシと、回転ブラシの周囲を囲うように設けられるカバーと、を備える。回転ブラシは、中心軸を中心に回転する軸部と、軸部の外周面から外側に向かって延びるように取り付けられるブラシと、を有する。軸部は、所定の外径を有する大径軸部と、大径軸部よりも小さい外径を有する小径軸部と、を有する。ブラシは、大径軸部の外周に取り付けられる小ブラシと、小径軸部の外周に取り付けられ、小ブラシよりも長い全長を有する大ブラシと、を有している。
【0009】
ブラシは、一般的に、その全長が長くなるほど、剛性が低くなる。したがって、上記構成によれば、軸部には、剛性の異なるブラシが取り付けられていることになる。また、上記構成のように、全長の短い小ブラシを大径軸部に取り付け、且つ全長の長い大ブラシを小径軸部に取り付けるようにすれば、回転ブラシ全体の外径を均一化することが可能である。このように、上記構成によれば、ブラシの部分的な剛性を異ならせつつ、回転ブラシの全体の外径を均一化することができるため、より確実にブラシを新生瓦の入隅に接触させることができる。結果として、より的確に新生瓦を研磨することが可能である。しかも、ブラシの周囲を囲うように設けられるカバーにより、ブラシが新生瓦の表層を研磨することにより発生する粉塵の飛散も抑制できる。
【0010】
上記の新生瓦の研磨装置において、中心軸に平行な方向を軸方向とするとき、回転ブラシから軸方向にずれて配置される補助輪を更に備えることが好ましい。
この構成によれば、新生瓦に補助輪を接触させることにより、研磨装置の姿勢を安定化させ易くなる。
【0011】
上記の新生瓦の研磨装置において、補助輪は、回転ブラシに対して相対的に位置を変更可能であることが好ましい。例えば、中心軸に直交する軸線を所定の軸線とし、所定の軸線に平行な方向を高さ方向とするとき、補助輪は、回転ブラシに対して高さ方向に相対的に位置を変更可能であることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、回転ブラシに対して補助輪を相対的に変位させることにより、新生瓦に対する研磨装置の姿勢を任意に変更することが可能となる。
上記の新生瓦の研磨装置において、ユーザが把持可能なハンドルを更に備えることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、ユーザがハンドルを把持することにより研磨装置を操作し易くなる。
上記の新生瓦の研磨装置において、ハンドルは、回転ブラシに対して相対的に位置を変更可能であることが好ましい。例えば、中心軸に直交する軸線を所定の軸線とするとき、ハンドルは、回転ブラシに対して、所定の軸線を中心とする回転方向に相対的に位置を変更可能であることが好ましい。また、所定の軸線に平行な方向を高さ方向とするとき、ハンドルは、回転ブラシに対して高さ方向に相対的に位置を変更可能であることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、回転ブラシに対してハンドルを相対的に変位させることが可能であるため、ユーザの好みに合ったハンドルの位置を実現し易くなる。
上記の新生瓦の研磨装置において、回転ブラシの回転により当該研磨装置が進行する方向を前方とし、その逆方向を後方とするとき、新生瓦においてカバーにより覆われている部分よりも前方に位置する前方領域、及び新生瓦においてカバーにより覆われている部分よりも後方に位置する後方領域の少なくとも一方の領域を吸引する吸引部を更に備えることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、新生瓦の粉塵がカバーから漏れるような場合であっても、その漏れた粉塵を吸引部により吸引可能であるため、より的確に粉塵の飛散を抑制することができる。
上記の研磨装置を用いて新生瓦を研磨する方法であって、回転ブラシの回転により研磨装置が進行する方向を前方とし、その逆方向を後方とし、前後方向に直交する方向を左右方向とするとき、ユーザが研磨装置に対して左右方向のいずれか一方に位置した状態で研磨装置を前後方向にスライド移動させて新生瓦を研磨する。
【0016】
この方法によれば、より容易に新生瓦を研磨することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の新生瓦の研磨装置及び研磨方法によれば、より的確に新生瓦を研磨することが可能でありながら、研磨の際に発生する粉塵の飛散を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態の新生瓦の研磨装置の概略構成を模式的に示す図。
図2】第1実施形態の新生瓦の斜視構造を示す斜視図。
図3】第1実施形態の新生瓦の断面構造を示す断面図。
図4】第1実施形態の研磨機本体の部分断面構造を示す断面図。
図5】第1実施形態の研磨機本体の側面構造を示す側面図。
図6】第1実施形態の補助輪の正面構造を示す正面図。
図7】第1実施形態のハンドルにおける軸部の先端部の断面構造を示す断面図。
図8】第1実施形態の研磨機本体の動作例を示す断面図。
図9】第1実施形態の回転ブラシの断面構造を示す断面図。
図10】第1実施形態のカバーの斜視構造を示す斜視図。
図11】第1実施形態の研磨機本体の動作例を示す断面図。
図12】第1実施形態の変形例のカバーにおける吸塵口の平面構造を示す平面図。
図13】第2実施形態の研磨機本体の部分断面構造を示す断面図。
図14】第2実施形態の研磨機本体の可動部の拡大構造を示す拡大図。
図15】第3実施形態の研磨機本体の側面構造を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、新生瓦の研磨装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
<第1実施形態>
図1に示されるように、本実施形態の研磨装置10は、建築物2の屋根材として用いられている新生瓦3の表層を研磨するための装置である。新生瓦3は、セメント及びアスベスト(石綿)を主材料とするものであり、図2に示されるように板状に形成されている。図3に示されるように、建築物2の屋根材は、複数の新生瓦3を交互に複数重ね合わせることにより構成されている。重ね合わせられた新生瓦3の間には段差3aが形成されている。以下では、この段差3aを「入隅3a」と称する。このような新生瓦3が用いられている屋根材では、時間の経過に伴って、新生瓦3の表面に異物が堆積する。特に、入隅3aの部分に異物が堆積し易い。
【0020】
図1に示されるように、研磨装置10は、研磨機本体11と、粉塵回収缶12と、吸塵機13とを備えている。研磨機本体11及び粉塵回収缶12は第1ホース14を介して互いに接続されている。粉塵回収缶12及び吸塵機13は第2ホース15を介して互いに接続されている。
【0021】
研磨機本体11は新生瓦3の表層を実際に研磨する部分である。研磨機本体11は、新生瓦3の上面に設置された後、作業者により操作される。作業者が研磨機本体11を新生瓦3の上面に対して、図2に矢印S1,S2で示される方向にスライド移動させると、新生瓦3の表層が研磨機本体11により研磨される。以下では、矢印S1,S2で示される方向を「スライド方向S1,S2」と称する。
【0022】
なお、図1では、ユーザが研磨機本体11に対して下方に位置している状況が一例として図示されているが、ユーザが研磨機本体11に対して上方に位置していてもよい。
研磨機本体11が新生瓦3の表層を研磨することにより発生する粉塵は、吸塵機13の吸引力に基づいて第1ホース14を通じて粉塵回収缶12に吸引される。
【0023】
粉塵回収缶12は、研磨機本体11が新生瓦3の表層を研磨することにより発生する粉塵のうち、粉塵残土等の比較的大きなアスベスト含有粉塵を回収する部分である。粉塵回収缶12で回収することができない比較的小さなアスベスト含有粉塵は、吸塵機13の吸引力に基づいて、第2ホース15を通じて吸塵機13に更に吸引される。
【0024】
吸塵機13は、電力の供給に基づいて駆動することにより、研磨機本体11が新生瓦3の表層を研磨することにより発生する粉塵を吸引する装置である。吸塵機13は、粉塵回収缶12から第2ホース15を通じて吸引される空気中に含まれる小さなアスベスト含有粉塵を捕集するダストパック130や、ダストパック130で回収することができない更に微少なアスベスト含有粉塵を捕集するための多層フィルタ構造131を内部に有している。多層フィルタ構造131は、例えばメインフィルタ、マイクロフィルタ、及びHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタ等の複数のフィルタを組み合わせることにより構成されている。メインフィルタは、ダストパックで捕集することができないアスベスト含有粉塵を捕集することが可能なフィルタである。マイクロフィルタは、メインフィルタで捕集することができないミクロン単位の粉塵を捕集することが可能なフィルタである。HEPAフィルタは、マイクロフィルタで捕集することができないナノ単位の粉塵を捕集することが可能なフィルタである。
【0025】
次に、本実施形態の研磨機本体11の具体的な構造について説明する。
図4に示されるように、研磨機本体11は、本体部20と、回転ブラシ30と、カバー40と、補助輪50と、ハンドル60とを備えている。
【0026】
本体部20は、フレーム21と、減速機22と、ベルト23とを有している。
フレーム21は、アルミニウム等の金属材料により形成されている。フレーム21は、縦フレーム210と、横フレーム211とを有している。縦フレーム210は、矢印Z1,Z2で示される方向に延びるように形成されている。横フレーム211は、縦フレーム210の略中央部に連結されている。横フレーム211は、縦フレーム210の略中央部から、矢印X1で示される方向に延びるように形成されている。
【0027】
以下では、矢印Z1で示される方向を「上方Z1」と称し、矢印Z2で示される方向を「下方Z2」と称する。また、矢印X1で示される方向を「右方向X1」と称し、その反対方向を「左方向X2」と称する。上下方向Z1,Z2及び左右方向X1,X2は互いに直交している。本実施形態では、上下方向Z1,Z2が高さ方向に相当する。
【0028】
縦フレーム210の下端部には、その厚さ方向に貫通する挿入孔210bが形成されている。挿入孔210bにはベアリング70が設けられている。ベアリング70は回転軸80の左端部を回転可能に支持している。図4では、回転軸80の中心軸が「m10」で示されている。回転軸80の左端面には左軸部81が設けられている。回転軸80の左軸部81は縦フレーム210の左側面から突出している。
【0029】
回転軸80は、縦フレーム210の右側面から右方向X1に延びるように形成されている。回転軸80の右端部には回転ブラシ30が取り付けられている。回転軸80の右端面には、ねじ部82が形成されている。このねじ部82にナット83がねじ込まれることにより、回転軸80に対して回転ブラシ30が一体的に組み付けられている。したがって、回転ブラシ30は回転軸80と一体となって軸線m10を中心に回転可能である。
【0030】
縦フレーム210の上端部には、その厚さ方向に貫通する挿入孔210aが形成されている。挿入孔210aには減速機22が挿入されて固定されている。減速機22の出力軸220は縦フレーム210の左側面から突出している。図5に示されるように、減速機22にはモータ24が連結されている。モータ24はコード240を介して図示しない電源に接続される。モータ24は、電源からコード240を介して供給される電力に基づいて駆動する。減速機22は、モータ24の出力トルクを複数の歯車を介して減速して出力する。なお、図5では、横フレーム211や補助輪50の図示が省略されている。
【0031】
図4に示されるように、ベルト23は、減速機22の出力軸220と回転軸80の左軸部81とを連結している。具体的には、回転軸80の左軸部81にはプーリ230が設けられている。同様に、減速機22の出力軸220にもプーリ231が設けられている。各プーリ230,231にベルト23が巻回されることにより、減速機22の出力軸220がベルト23を介して回転軸80の左軸部81に連結されている。
【0032】
補助輪50は横フレーム211の右端面に取り付けられている。補助輪50は脚部51と車輪52とを有している。図6に示されるように、脚部51は、上下方向Z1,Z2に延びるように形成される矩形状の部材からなる。脚部51には、その上端部から下方Z2に延びるように長孔510が形成されている。脚部51の下端部には車輪52が設けられている。車輪52は軸線m20を中心に回転する。図4に示されるように、車輪52の中心軸m20は回転ブラシ30の中心軸m10に平行である。回転ブラシ30の中心軸m10に平行な方向を軸方向Daとするとき、補助輪50は、回転ブラシ30から軸方向Daにずれて位置するように本体部20に取り付けられている。
【0033】
補助輪50の脚部51は、長孔510に挿入されるボルト53により横フレーム211の右端面に締結されて固定されている。ユーザは、ボルト53を緩めれば、横フレーム211に対して補助輪50を相対的に変位させる、例えば上方Z1に変位させることができる。横フレーム211に対して補助輪50を相対的に変位させた後、ユーザがボルト53を再び締め付けることにより、本体部20に対して補助輪50が固定される。
【0034】
ハンドル60は横フレーム211の略中央部に取り付けられている。ハンドル60は略T字状に形成されており、上下方向Z1,Z2に延びるように形成される円筒状の軸部61と、左右方向X1,X2に延びるように形成される把持部62とを有している。把持部62は、ユーザが両手で掴む部分である。図7に示されるように、軸部61の先端部には第1貫通孔611及び第2貫通孔612が形成されている。軸部61の中心軸を「m30」とするとき、各貫通孔611,612は、中心軸m30に直交する方向に軸部61を貫通するように形成されている。第1貫通孔611及び第2貫通孔612は、軸部61の中心軸m30を中心とする回転方向Dcに90度だけずれて形成されている。
【0035】
図7に二点鎖線で示されるように、横フレーム211の上面には突出部211aが形成されている。突出部211aは軸線m30を中心に円柱状に形成されている。突出部211aにはハンドル60の軸部61の先端部が挿入されている。突出部211aには、その中心軸m30に直行する方向に貫通する貫通孔211bが形成されている。図7では、突出部211aの貫通孔211bの位置とハンドル60の第1貫通孔611の位置とが一致している場合を図示している。突出部211aの貫通孔211b及びハンドル60の第1貫通孔611にはピン63が挿入されている。ハンドル60及び横フレーム211はピン63を介して一体的に連結されている。
【0036】
図7に示されるように突出部211aの貫通孔211b及びハンドル60の第1貫通孔611にはピン63が挿入されている場合、ハンドル60の把持部62は、図4に示される状態になっている。すなわち、把持部62は、研磨機本体11を正面から見たときに、左右方向X1,X2に延びるように配置される。
【0037】
一方、ユーザは、突出部211aの貫通孔211b及びハンドル60の第1貫通孔611からピン63を取り外すことにより、横フレーム211に対してハンドル60を回転方向Dcに相対的に変位させることが可能となる。このとき、ユーザが突出部211aの貫通孔211bの位置までハンドル60の第2貫通孔612の位置を移動させた後、それらにピン63を挿入すると、図8に示される状態でハンドル60を横フレーム211に連結させることができる。この状態では、研磨機本体11を正面から見たときに、ハンドル60の把持部62が左右方向X1,X2に直交する方向に延びるように配置される。すなわち、ハンドル60は、図4に示される位置に対して90度だけ回転した姿勢で本体部20に固定された状態になる。このように、ハンドル60は、本体部20に対してハンドル回転方向Dcに相対的に変位可能に取り付けられている。
【0038】
図9に示されるように、回転ブラシ30は、軸部31と、ブラシ32とを有している。
軸部31は軸線m10を中心に円筒状に形成されている。軸部31は、所定の外径を有する大径軸部310と、大径軸部310よりも小さい外径を有する小径軸部311とを備えている。小径軸部311は、大径軸部310の軸方向Daの両側面にそれぞれ設けられている。
【0039】
ブラシ32は、軸部31の大径軸部310の外周に取り付けられる小ブラシ320と、小径軸部311の外周に取り付けられる大ブラシ321とを有している。このように、全長の短い小ブラシ320が大径軸部310に取り付けられ、且つ全長の長い大ブラシ321が小径軸部311に取り付けられることにより、回転ブラシ30の全体の外径を均一化することが可能となっている。
【0040】
図4に示されるように、回転ブラシ30は回転軸80と一体となって軸線m10を中心に回転する。これにより、研磨機本体11は、図5に示される矢印Y1で示される方向に進行する。矢印Y1で示される方向は上下方向Z1,Z2及び左右方向X1,X2の両方に直交する方向である。以下では、矢印Y1で示される方向を「前方Y1」と称し、その逆方向を「後方Y2」と称する。
【0041】
図4に示されるように、カバー40は、回転ブラシ30の外周を覆うようにフレーム21に取り付けられている。なお、図4では、カバー40の外形のみが二点鎖線で示されている。図5に示されるように、カバー40は、上側カバー41と、下側カバー42とを有している。
【0042】
上側カバー41は、軸線m10を中心に略半円筒状に形成されている。上側カバー41は、金属材料、例えばSPC材等の鋼材やアルミニウムにより形成されている。上側カバー41は、その下端部に開口部を有している。
下側カバー42は、略矩形環状に形成されており、上側カバー41の下端部に全周に渡って接着等により接合されている。下側カバー42は、弾性材料、例えば透明なゴムにより形成されている。
【0043】
上側カバー41の背面には円筒状の吸塵口412が設けられている。吸塵口412はカバー40の内部空間に連通されている。吸塵口412には第1ホース14が接続されている。
図5及び図10に示されるように、上側カバー41において前方Y1に設けられる前面には水管90が設けられている。水管90は左右方向X1,X2に延びるように形成されている。水管90には、左右方向X1,X2に所定の間隔をあけて複数の噴射口91が形成されている。水管90には、図示しないホースを介して水が供給されている。ホースの途中には、水管90への水の供給及び供給の停止をユーザが手動で切り替えることが可能なコックバルブ等が設けられている。
【0044】
次に、本実施形態の研磨装置10の動作例について説明する。
新生瓦3の表層を研磨する際には、まず、新生瓦3の上面に研磨機本体11を配置した後、本体部20に対する補助輪50の相対的な位置を調整する。具体的には、ユーザは、図4に示される補助輪50のボルト53を緩めた後、例えば補助輪50を上方Z1に移動させてボルト53を締め付ける。これにより、補助輪50が本体部20に対して相対的に上方Z1に変位した状態で固定される。このように補助輪50の位置を調整することにより、新生瓦3の入隅3aに回転ブラシ30を接触させつつ補助輪50を新生瓦3の上面に接触させれば、図11に示されるように研磨機本体11が新生瓦3に対して傾斜した姿勢を取ることができる。また、ユーザは本体部20に対する補助輪50の相対的な位置を上下方向Z1,Z2に調整することにより、新生瓦3からハンドル60までの位置を任意に調整することができる。
【0045】
一方、ユーザは、ハンドル60の位置を図11に示される位置で固定することにより、すなわち把持部62が前後方向に延びるようにハンドル60の位置を固定することにより、新生瓦3の入隅3aに沿った方向に研磨機本体11を移動させ易くなる。
図11に示されるように研磨機本体11を新生瓦3の表面に配置した後、ユーザは水管90に水を供給することにより、水管90から、カバー40の前方Y1に位置する新生瓦3の所定の領域に水を噴射する。これにより、新生瓦3の表層に水を含ませることができるため、回転ブラシ30により新生瓦3の表層を研磨した際に発生する粉塵が空気中に飛散することを抑制できる。
【0046】
ユーザは、新生瓦3の表層を実際に研磨する際には、図5に示されるコード240を電源に接続することによりモータ24に電力を供給する。これによりモータ24が行動すると、モータ24の出力トルクが減速機22及びベルト23を介して回転軸80に伝達されることにより、回転ブラシ30が回転軸80と一体となって中心軸m10を中心に回転する。すなわち、回転ブラシ30が新生瓦3の表面に対して縦回転する。このとき、回転ブラシ30の下端部が新生瓦3の表面に接触しているため、回転ブラシ30の回転により、新生瓦3の表面から所定の深さまでの領域に存在する表層が削り取られる。
【0047】
ところで、ブラシは、一般的に、その全長が長くなるほど剛性が低くなる。この点、本実施形態の回転ブラシ30の軸部31は、図9に示されるように、その中央部に小ブラシ320を有するとともに、その両側部に大ブラシ321を有している。すなわち、回転ブラシ30は、剛性の異なるブラシを有している。また、全長の短い小ブラシ320を大径軸部310に取り付け、且つ全長の長い大ブラシ321を小径軸部311に取り付けるようにすれば、回転ブラシ30の全体の外径を均一化することが可能である。このように、本実施形態の回転ブラシ30では、ブラシ32の部分的な剛性を異ならせつつ、回転ブラシ30の外径を均一化することができるため、図11に示されるように回転ブラシ30を新生瓦3の入隅3aに接触させた際に、高い剛性を有する小ブラシ320が入隅3aの角部3bに接触する。そのため、入隅3aの角部3bに堆積する異物をより確実に除去することが可能である。また、低い剛性を有する大ブラシ321は変形し易いため、入隅3aの角部3bの周辺の部分に密着し易い。よって、入隅3aの角部3bの周辺の部分に堆積する異物もより確実に除去することができる。
【0048】
回転ブラシ30の回転により新生瓦3の表層が削りとられることにより発生する粉塵には、新生瓦3の表層に付着している異物だけでなく、新生瓦3の表層の一部、すなわちアスベストが含まれている。このカバー40内に発生するアスベスト含有粉塵は、図1に示される吸塵機13の吸引力に基づいて第1ホース14を介して粉塵回収缶12に吸引される。
【0049】
粉塵回収缶12では、第1ホース14を介して吸引される粉塵のうち、比較的大きなアスベスト含有粉塵が回収される。粉塵回収缶12で回収することができないアスベスト含有粉塵は吸塵機13の吸引力に基づいて第2ホース15を通じて吸塵機13に更に吸引される。吸塵機13では、その内部に設けられるダストパック130及び多層フィルタ構造131により、微少なアスベスト含有粉塵が回収される。
【0050】
ユーザは研磨機本体11に対して右方向X1に位置した状態でハンドル60を把持する。この状態でユーザが研磨機本体11を新生瓦3に対して前後方向Y1,Y2にスライド移動させれば、新生瓦3の任意の領域を研磨することができる。なお、状況に応じてユーザは研磨機本体11に対して左方向X2に位置してもよい。
【0051】
以上説明した本実施形態の研磨装置10及び研磨方法によれば、以下の(1)~(6)に示される作用及び効果を得ることができる。
(1)回転ブラシ30は、軸部31と、ブラシ32とを有している。軸部31は、大径軸部310と、小径軸部311とを有している。ブラシ32は、小ブラシ320と、大ブラシ321とを有している。小ブラシ320は大径軸部310の外周に取り付けられている。大ブラシ321は、小径軸部311の外周に取り付けられ、小ブラシ320よりも長い全長を有している。この構成によれば、回転ブラシ30の全体の外径を均一化することができるため、より確実にブラシ32を新生瓦3の入隅3aに接触させることができる。結果として、より的確に新生瓦3を研磨することが可能である。しかも、ブラシ32の周囲を囲うように設けられるカバー40により、ブラシ32が新生瓦3の表層を研磨することにより発生する粉塵の飛散も抑制できる。
【0052】
(2)補助輪50は、回転ブラシ30から軸方向Daにずれて配置されている。この構成によれば、新生瓦3に補助輪50を接触させることにより、研磨装置10の姿勢を安定化させ易くなる。
(3)補助輪50は回転ブラシ30に対して相対的に位置を変更可能である。具体的には、補助輪50は、回転ブラシ30に対して上下方向Z1,Z2に相対的に位置を変更可能である。この構成によれば、回転ブラシ30に対して補助輪50を相対的に変位させることにより、新生瓦3に対する研磨装置10の姿勢を任意に変更することが可能となる。
【0053】
(4)研磨装置10は、ユーザが把持可能なハンドル60を更に備えている。この構成によれば、ユーザがハンドル60を把持することにより研磨装置10を操作し易くなる。
(5)ハンドル60は回転ブラシ30に対して相対的に位置を変更可能である。具体的には、ハンドル60は、回転ブラシ30に対して回転方向Dcに相対的に位置を変更可能である。この構成によれば、回転ブラシ30に対するハンドル60の相対的な位置を変更することにより、ユーザの好みに合ったハンドル60の位置を実現し易くなる。
【0054】
(6)ユーザが研磨機本体11に対して左右方向X1,X2のいずれか一方に位置した状態で研磨機本体11を前後方向Y1,Y2にスライドさせて新生瓦3を研磨する。この研磨方法によれば、より容易に新生瓦を研磨することが可能となる。
(変形例)
次に、第1実施形態の研磨装置10の変形例について説明する。
【0055】
図12に示されるように、本変形例の研磨装置10では、カバー40に形成される吸塵口412が、第1ホース14との接続部分からカバー40に近づくほど幅が広くなるように形成されている。この構成によれば、吸塵口412において粉塵が詰まり難くなるため、より的確に粉塵を除去することが可能となる。
【0056】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の研磨装置10について説明する。以下、第1実施形態の研磨装置10との相違点を中心に説明する。
図13に示されるように、本実施形態の研磨装置10では、ハンドル60の軸部61の途中部分に可動部100が更に設けられている。
【0057】
具体的には、ハンドル60の軸部61は、その中心軸m30に直交する断面形状が矩形状に形成されている。軸部61は、把持部62に連結される上側軸部64と、横フレーム211に連結される下側軸部65とに分割されて構成されている。図14に示されるように、下側軸部65の上端面には凹部650が形成されている。上側軸部64の下端部640は下側軸部65の凹部650に挿入されている。
【0058】
下側軸部65の凹部650の両側壁651,652及び上側軸部64の下端部640には、それらを貫通するように貫通孔66が形成されている。図14には、貫通孔66の中心軸が「m40」で示されている。この貫通孔66に挿入されるボルト67とナット68との締結構造により上側軸部64及び下側軸部65が互いに締結されて固定されている。
【0059】
下側軸部65の両側壁651,652のそれぞれの内面651a,652aには、軸線m40を中心とする回転方向Ddに凹部及び凸部を交互に有する凹凸構造が形成されている。上側軸部64の下端部640の右側面640a及び左側面640bにも同様の凹凸構造が形成されている。下側軸部65の両側壁651,652に形成される凹凸構造、及び上側軸部64の下端部640に形成される凹凸構造は、軸線m40を中心とする回転方向Ddにおいて互いに係合している。この係合構造により、上側軸部64が、下側軸部65に対して、軸線m40を中心とする回転方向Ddに位置ずれし難くなっている。
【0060】
本実施形態の研磨装置10では、ナット68を緩めることにより、上側軸部64を下側軸部65に対して軸線m40を中心とする回転方向に変位させることが可能となる。これにより、図13に示されるように本体部20に対してハンドル60を上下方向Z1,Z2に相対的に変位させることができる。ユーザはハンドル60を任意の回転位置まで変位させた後、ボルト67に対してナット68を締め付けることにより、本体部20に対するハンドル60の位置を固定することができる。
【0061】
以上説明した本実施形態の研磨装置10によれば、以下の(6)に示される作用及び効果を更に得ることができる。
(6)ハンドル60は、回転ブラシ30に対してハンドル回転方向Ddに相対的に位置を変更可能である。この構成によれば、ユーザの好みに合ったハンドル60の位置を実現し易くなる。
【0062】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態の研磨装置10について説明する。以下、第1実施形態の研磨装置10との相違点を中心に説明する。
図15に示されるように、本実施形態の研磨装置10では、カバー40の前方Y1に吸引部110が設けられている。吸引部110の下端部は開口している。吸引部110の上端部は分岐ホース111を介して第1ホース14に接続されている。
【0063】
本実施形態の研磨装置10では、図1に示される吸塵機13が駆動した際に第1ホース14及び分岐ホース111を介して吸引部110に吸引力が発生する。これにより、吸引部110は、新生瓦3においてカバー40により覆われている部分よりも前方Y1に位置する前方領域を吸引する。
【0064】
以上説明した本実施形態の研磨装置10によれば、以下の(7)に示される作用及び効果を更に得ることができる。
(7)新生瓦3の粉塵がカバー40の前方Y1から漏れるような場合であっても、その漏れた粉塵を吸引部110により吸引可能であるため、より的確に粉塵の飛散を抑制することができる。
【0065】
<他の実施形態>
なお、上記実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・第3実施形態の研磨装置10では、カバー40の後方Y2に吸引部110が設けられていてもよい。この場合、吸引部110は、新生瓦3においてカバー40により覆われている部分よりも後方Y2に位置する後方領域を吸引する。あるいは、カバー40の前方Y1及び後方Y2に吸引部110がそれぞれ設けられていてもよい。さらに、カバー40の右方向X1及び左方向X2の少なくとも一方に吸引部110が設けられていてもよい。
【0066】
・本開示は上記の具体例に限定されるものではない。上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素、及びその配置、条件、形状等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
【符号の説明】
【0067】
3…新生瓦、10…研磨装置、20…本体部、30…回転ブラシ、31…軸部、32…ブラシ、40…カバー、50…補助輪、60…ハンドル、110…吸引部、310…大径軸部、311…小径軸部、320…小ブラシ、321…大ブラシ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15