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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133363
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】光照射システム
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/04 20060101AFI20230914BHJP
【FI】
B60R11/04
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116400
(22)【出願日】2023-07-18
(62)【分割の表示】P 2021074640の分割
【原出願日】2014-05-30
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(71)【出願人】
【識別番号】508320239
【氏名又は名称】株式会社ユピテル鹿児島
(72)【発明者】
【氏名】時任 康広
(72)【発明者】
【氏名】中井 康人
(57)【要約】
【課題】遠方から近方にかけて効率的に照らし出すことができる光照射システムを提供すること。
【解決手段】ドライブレコーダの車室内撮影用カメラ1の本体ケース2にカメラユニット42を搭載し、カメラユニット42B近傍に半値角±10度の赤外線LED39Aと、赤外線LED39Aよりも相対的に放射強度の小さな半値角±60度の赤外線LED39Bとを補助照明として配置する。そして本体ケース2を吊り下げ用ブラケット3で車両のフロントガラスの内側に装着してカメラユニット42で撮影する際に特に夜間等暗い場合に赤外線LED39A、39Bを補助照明として赤外線を照射して撮影をする。これによって前部座席側を広い範囲で明瞭に照らし出すことができると同時に後部座席をスポット的に明瞭に照らし出すことができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられるカメラであって、
本体ケースと、
前記本体ケース内に配置される撮影方向に向けられるレンズ部と、
前記本体ケースを支持する支持部材と、
を有し、
前記支持部材は、
前記本体ケースの上方に位置し、前記車両に固定するための固定部材が貼り付けられる天板部と、
前記天板部の左右の一方の側から下垂する第1の下垂板部と、
前記天板部の左右の他端の側から下垂する第2の下垂板部と、
前記第1の下垂板部及び前記第2の下垂板部は、前記本体ケースに対する前記支持部材の相対的な姿勢を変更可能にして前記本体ケースに取り付けられる
カメラ。
【請求項2】
前記第1の下垂板部、及び前記第2の下垂板部のそれぞれには、前記天板部側とは反対側の先端寄りに取り付け孔が形成され、
前記本体ケースには、前記第1の下垂板部、及び前記第2の下垂板部のそれぞれの前記取り付け孔に対応する位置に孔が形成され、
前記第1の下垂板部の前記取り付け孔、及び当該取り付け孔に対応する位置に形成された前記孔を通過するように設けられたネジ部を有する第1の固定用ノブと、
前記第2の下垂板部の前記取り付け孔、及び当該取り付け孔に対応する位置に形成された前記孔を通過するように設けられたネジ部を有する第2の固定用ノブと、
を有し、
前記第1の固定用ノブ及び前記第2の固定用ノブの位置を回動中心として前記本体ケースを揺動させることで前記相対的な姿勢を変更可能にした
請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
前記第1の下垂板部、及び前記第2の下垂板部のそれぞれは、前記天板部に対して略直交する
請求項1又は2に記載のカメラ。
【請求項4】
前記レンズ部が前記車両の車室内の方向に向けられるようにして、前記支持部材が前記車両に固定される
請求項1から3のいずれか1項に記載のカメラ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物を照らし出すために使用する光照射システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
対象物を照らし出すために使用される光照射システムを応用した機器として、例えば、ドライブレコーダが挙げられる。ドライブレコーダにおいては車両内に設置されて主に車両内の映像を記録する機種があり、これは例えば、交通事故が発生した際の車内の様子を記録したり、通常の運転時において車両内の人の様子、例えばタクシーの乗客や運転手の挙動を監視するために使用されることを念頭においている。このようなドライブレコーダの一例として特許文献1を示す。特許文献1のドライブレコーダでは車両内のルームミラー近傍に車載用撮影ユニット10を取り付け、前部座席から後部座席にかけての広い領域を撮影して記録することが可能となっている。特許文献1で使用されるような電子カメラでは受光素子(CCD素子やCMOS素子)の感度に限界があるため、夜間等暗い場所では光量が足らず必ずしも鮮明な撮像を得ることができない。そのため、車載用撮影ユニット10には複数の赤外線LED17が赤外線カメラ15に隣接した位置に配置されて鮮明な映像が撮影できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-253987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で例示するように従来技術では撮影に必要となる不足する光量を補うために単純に赤外線を撮影対象物に照射するに過ぎなかった。例えば多くの赤外線発光素子を設けたり、赤外線発光素子の放射強度を大きくして赤外線を照射すれば撮影対象物は確かに明るくなるので鮮明な撮像が得られるわけであるが、多くの赤外線発光素子を設けたり、無制限に明るくすることは消費電力も多くなり高コスト化を招来することになる。また、高負荷で使用することで赤外線LEDのような発光素子の寿命も短くなる傾向となってしまう。更に、電源供給に制限があるためそもそも無制限に電力を消費できないような環境で使用する場合もある。一方、撮影対象物はすべてが同じ明るさの赤外線で照らし出されなければいけないわけではない。例えば、近方の対象物は遠方の対象物と比べると相対的に放射強度が大きくなくとも距離が近い分だけ強度が小さくとも鮮明な撮像が得られやすいはずである。そのため、遠方から近方にかけて撮影対象物を照明によって照らし出す際に必要な範囲を適切な光量で効率的に照らし出す技術が求められていた。尚、上記では赤外線を照射するドライブレコーダを例にとったが、人の眼では認識できない赤外線だけでなく可視光や紫外線を利用して対象物を照らし出す場合においても同様の課題が生じる。また、可視光の照明であればカメラのような撮影手段は必ずしも必須要件ではない。
本発明は、上記諸問題を解消するためになされたものであり、その目的は、遠方から近方にかけて効率的に照らし出すことができる光照射システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、第1の手段として、第1の光照射手段と、第2の光照射手段とを備え、前記第1の光照射手段は、前記第2の光照射手段よりも放射強度の大きな光を狭い範囲に照射可能であり、前記第2の光照射手段は、前記第1の光照射手段よりも放射強度の小さな光を広い範囲に照射可能とすることがよい。
このような構成であると、遠方については放射強度の大きな光によって照らし出して遠方の必要な領域をより明瞭に見ることができると同時に、近方の広い領域は相対的に放射強度の小さな光を使用して広角度で照らし出して近方をより広範囲により明瞭に見ることができ、ユーザーは遠方から近方にかけての必要な範囲を同時に適切な明るさで認識することができる。特に、第1の光照射手段と第2の光照射手段の照射強度と照射領域を視認対象とその関係で適切に設定するとよく、このような構成によれば、無駄なく効率的に消費電力を抑制しつつ、必要な範囲を視認可能とすることが可能となる。
光照射システムは、それぞれ放射強度が順に大きくなりかつより狭い範囲を照射可能になる複数の光照射手段を組み合わせて構成するとよい。例えば、n個の光照射手段を設け、光照射手段Aは最も放射強度の小さな光を最も広い範囲に照らすものとし、光照射手段Bは光照射手段Aよりも放射強度の大きな光をより狭い範囲に照らすものとし、光照射手段Cは光照射手段Bよりも放射強度の大きな光をより狭い範囲に照らすものとし・・・、光照射手段nは光照射手段n-1よりも放射強度の大きな光をより狭い範囲に照らすものとするとよい。
光照射システムに備える放射強度と照射範囲の異なる光照射手段の個数は、視認が必要な領域の個数とするとよい。視認が必要な領域は、基準位置からの距離が段階的に異なる位置とするとよい。段階的に異なる位置としては、例えば、所定値以上の差がある位置とするとよい。特に基準位置からの距離に所定以上の差がある複数の異なる照射対象領域に対応付けて光照射手段を設けるとよい。基準位置は例えばいずれかの光照射手段の位置とするとよい。例えば、車両において、基準位置をルームミラーの近傍として後方車室内を照らす場合、車両が前後2列のシートの車両であれば、運転席・助手席を照らす光照射手段Aと後部座席を照らす光照射手段Bとの2つの光照射手段を設けるとよい。また例えば、車両の後部座席が前後2列あり合計3列のシートの車両であれば、運転席・助手席を照らす光照射手段Aとその後ろの第一の後部座席を照らす光照射手段Bとさらにその後ろの第二の後部座席を照らす光照射手段Cの3つの光照射手段を設けるとよい。前後の座席の間には、基準位置からの距離に所定値以上の差があり、このような場合に、本光照射システムは、各列の座席にいる者を従来に比べより確実に照らし出すことができる。特に第1の光照射手段から第nの光照射手段の照射範囲はそれぞれの列においてほぼ同一の幅に照射範囲となるようにそれぞれの照射範囲を設定するとよい。このようにすれば車両において各列を同様の幅で照らすことができる。但し、全ての光照射手段を運転席よりも前に設置する場合には、各列における照射範囲の幅として第1の光照射手段の照射する照射範囲の幅が第2以降の光照射手段の照射する幅よりも広い幅に設定するとよい。特に、運転者の運転状況は例えば運転者のハンドル操作や足元付近などまで広く照らす一方、後部座席の人はその顔などが照らされるようにするとよい。
【0006】
ここに、第1の光照射手段及び第2の光照射手段はそれぞれ単数であっても複数であってもよい。数に制限がなければ最適な電力効率となるような設計が考えやすくなり、様々な仕様の光デバイスに対応しやすくなる。また、第1の光照射手段及び第2の光照射手段が同じ数あっても異なる数であってもよいが、特に同じ数であれば配置バランスがよくなる。
また、具体的な光照射手段としては、例えばLED(発光ダイオード)や白熱灯である。LEDであると同じ光量でLEDではない例えば白熱灯に比べて消費電力が少なくなり、例えば車両のようなバッテリー電源からの給電において無駄に電気を消費しないためよい。また、コンパクト化にも貢献するためユーザにとって例えば狭い車両内で機器を設置する場合に有利である。また、消費電力が少ないため電源部が発熱しにくくなり、特に他の電子機器側の電源部から分岐して給電される場合には電力消費が多くなるため、このように消費電力が少ないLEDを使用することがよい。
【0007】
第2の手段として、前記第1の光照射手段が照射する光は半値角±10~30度であり、前記第2の光照射手段が照射する光は半値角±45~60度であることがよい。
半値角とは光軸位置における光の放射強度が半分になる位置の角度であって、光の指向性の尺度となるものである。半値角は光軸を基準として左右(つまり±方向)方向への角度で示す。このような角度を持った光であるためユーザーにとって遠方から近方にかけての広い範囲を同時に妥当な明るさで認識することが可能となる。特に車内フロントガラス付近に設けた光照射手段から光を照射する場合に、このような構成とすれば、運転席・助手席側の人を広範囲に照らすことができるとともに、後部座席の人を明るく照らすことができる。
【0008】
第3の手段として、前記第1の光照射手段及び前記第2の光照射手段が照射する光は赤外線領域を含み、当該赤外線を検出してその検出内容を人が認知可能な状態で出力する出力手段を備えることがよい。
このようにすれば、近方も遠方も必要な領域を夜間等にも人が認知可能となる。検出は、例えば、センサ等で行うようにするとよく、特にマトリックス状に配置されたセンサを用いるとよく、例えば、赤外線カメラを用いるとよい。出力は、例えば、検出強度が所定以上か否かを判別して出力する構成としてもよいが、例えば、可視光に変換して出力するとよい。出力は例えば音声等で行うようにしてもよいが、光で行うようにするとよい。
出力はリアルタイムで行うようにしてもよいが、特に記録しておき、後に記録した内容を読みだして行うようにするとよい。例えば、検出は赤外線カメラで行い、出力はカメラの映像として記録しておき、後に記録した映像をパソコン等のモニター上に再生して出力する構成とするとよい。
【0009】
第4の手段として、前記第1の光照射手段及び前記第2の光照射手段は互いに近傍に配置されており、前記第1及び第2の光照射手段による照射方向は略同一方向であることがよい。
このようにすれば、第1の光照射手段による第1の照射領域の略中心部に第2の光照射手段による第2の照射領域が形成されることになる。したがって、照射領域全体のうち、中心部をより遠くまで視認できるとともに、近傍は周辺部を広く視認できる。
【0010】
第5の手段として、前記第1の光照射手段及び前記第2の光照射手段は車両前方位置から車室内を照射するように設置可能であり、前記第1の光照射手段を車両内において運転席から遠方となる後部座席をスポット的に照らし出す照射範囲及び照射強度とし、第2の光照射手段を運転席や助手席を含む近傍を広角度で照らし出す照射範囲及び照射強度とすることがよい。
このようにすれば、ユーザー(例えばタクシーの運転手やタクシー会社)は後部座席に着座する人の顔周辺をしっかりと確認することが可能となるとともに、同時に前部座席に着座する人(運転手と助手席に座る人)の様子全体もしっかりと確認することができる。
【0011】
第6の手段として、前記第1の光照射手段及び前記第2の光照射手段の前面には前記第1の光照射手段及び前記第2の光照射手段から照射される赤外線の透過を許容するとともに、前記第1の光照射手段及び前記第2の光照射手段を肉眼で視認させないようにするため可視光を吸収又は反射させるカバー体を配置することがよい。
これによってユーザは直接第1及び第2の光照射手段を目視して確認することができ、その位置に第1及び第2の光照射手段があることを意識することが少なくなる。また、第三者に気づかれることもなくなるため、第三者からユーザーがその存在の指摘を受けるという煩わしさも回避できる。特に、赤外線は透過でき、可視光を遮断するカバー体とするとよい。
【0012】
第7の手段として、前記第1の光照射手段によって照射される領域と、前記第2の光照射手段によって照射される領域と、を含む領域の少なくとも一部を撮影可能な撮影手段を備えていることがよい。
これによって、光を照射して照らし出された領域をユーザーは対象物が照射されている位置とは異なる位置で確認したり、撮影した結果を記録することで後から確認することができる。撮影した映像は、例えばリアルタイムに表示するようにしてもよいが、特に録画しておき録画した映像を後に再生して表示するようにするとよい。
【0013】
第8の手段として、前記撮影手段の撮影方向は前記第1の光照射手段及び前記第2の光照射手段によって照射される光の照射方向であることがよい。
これによって、撮影方向が第1及び第2の光照射手段によって照射された光によって照らし出された対象物に対向することとなり、もっとも効率よく光の反射によって照らし出された対象物を撮影できるため、ユーザーはよい条件の撮影映像を見ることができる。
第9の手段として、前記第1及び第2の光照射手段は前記撮影手段の近傍にあり、前記第1及び第2の光照射手段による光の照射方向と撮影手段による撮影方向は略同一方向であることがよい。
【0014】
第10の手段として、前記第1の光照射手段及び前記第2の光照射手段が照射する光は赤外線であって、前記撮影手段とともに前記第1の光照射手段及び前記第2の光照射手段は車両内に配置されることがよい。
第1及び第2の光照射手段が照射する光は赤外線であるため、光を照射されていることをユーザー、あるいは第三者に知られることがなく、薄暗い室内であってもあるいは夜間であっても撮影映像として記録することができる。室内としては、例えば車両の室内とするとよい。車両の室内はその大きさが規定された範囲に収まっているためである。
【0015】
第11の手段として、前記第1の光照射手段及び前記第2の光照射手段は前記撮影手段が搭載されている筐体に搭載されることがよい。
筐体単位で移動させたり設置したりできるため、ユーザーの設置の際の作業効率が向上する。
第12の手段として、前記筐体は支持部材によって支持される構造であり、前記支持部材を前記筐体の横幅よりも内側位置で前記筐体に連結させていることがよい。
これによって、支持部材の外方への張り出し量が減り、コンパクト化が図られることとなる。その結果、ユーザーが狭い例えば車両内に設置する際においても、設置場所に裕度ができ、邪魔に感じにくくなる。また、支持部材の横幅よりも内側位置の位置となるため、筐体あるいは筐体側の部材が幅広で大きく外方に張り出している場合に筐体を揺動させる際に支持部材との干渉が生じにくくなり、揺動量が多くなるためユーザーがある場所に設置させた際に筐体の変位できる範囲に裕度ができて様々な方向に向けて光を照射させることが可能となる。
第13の手段として、前記筐体は支持部材によって支持される構造であり、前記支持部材を前記筐体の後方側に張り出した位置に連結させていることがよい。
第1及び第2の光照射手段の照射位置がより前方に配置されるため、光が遠くまで届きやすくなる。また、支持部材の位置が筐体から離間した後方に配置されるため、筐体あるいは筐体側の部材が幅広で大きく外方に張り出している場合にその筐体を揺動させる際に支持部材との干渉が生じにくくなり、揺動量が多くなるためユーザーがある場所に設置させた際に筐体の変位できる範囲に裕度ができて様々な方向に向けて光を照射させることが可能となる。
【0016】
第14の手段として、前記撮影手段の画角内に前記第1又は第2の光照射手段を配置させないことがよい。
これによってユーザーは不要な第1又は第2の光照射手段が映り込んだ撮影画像を見ることがなく、見たい対象物だけが写った画像だけを見ることができる。
第15の手段として、前記撮影手段のレンズ面よりも前方に前記第1又は第2の光照射手段を配置させないことがよい。
これによってユーザーは不要な第1又は第2の光照射手段が映り込んだ撮影画像を見ることがなく、見たい対象物だけが写った画像だけを見ることができる。
第16の手段として、前記第2の光照射手段が照射する光の半値角よりも前記撮影手段の前記撮影手段の画角を大きくすることがよい。
これによってユーザーは必ず光照射手段によって照射された範囲を見ることができ、せっかく照らし出された対象物が画像になっていないという不具合が生じることがない。
【0017】
第17の手段として、撮影手段は前記第1の光照射手段及び前記第2の光照射手段とともに前記カバー体で覆われていることがよい。
これによってユーザは第1及び第2の光照射手段とともに撮影手段を直接目視することがなく、その位置に撮影手段、第1及び第2の光照射手段があることを意識することが少なくなる。また、第三者に気づかれることもなくなるため、第三者からユーザーがその存在の指摘を受けるという煩わしさも回避できる。特に撮影手段で撮影されているということは第三者には必ずしも好意的には解されないため、このようにカバー体で覆われてレンズ等が直接目視できないことはよい。
【0018】
第18の手段として、光照射手段として、光照射手段Xより可視光を視認しやすい光照射手段Yと、光照射手段Yより可視光を視認しにくい光照射手段Xとを備え、光照射手段Yについて複数の光源から構成する場合、光源同士の間に撮影手段のレンズを挟まない構成とするとよい。
このようにすれば、撮影手段の存在を認識されにくくすることができる。
第19の手段として、光照射手段として、光照射手段Xより可視光を視認しやすい光照射手段Yと、光照射手段Yより可視光を視認しにくい光照射手段Xとを備え、光照射手段Yについて複数の光源から構成する場合、光源同士を概ね水平に配置するとよい。
このようにすれば、斜めの位置に光るものが見えて、違和感があるという問題を解決できる。特に、光源同士を概ね水平かつレンズを挟まない位置に配置するとよい。特に第1の光照射手段を光照射手段Y、第2の光照射手段を光照射手段Xとするとよい。
【0019】
第20の手段として、前記第1の光照射手段の数が複数である場合には前記第1の光照射手段を前記撮影手段のレンズを斜めに挟む位置には配置しないことがよい。
第1の光照射手段からの赤外線は第2の光照射手段からの赤外線よりも放射強度が大きく、かつ赤外線の中に近赤外線が含まれている場合にはカバー体で覆われていても人の眼に赤く認識される可能性があるため、第1の光照射手段の存在がわかってしまう場合がある。その場合に複数(例えば2つの)の第1の光照射手段が斜め位置に配置されていると不安定な印象を与え、かついかにもその間に何かあるような印象を与えてしまう可能性がある。特に撮影手段で撮影されているということは第三者には必ずしも好意的には解されないため、そのような印象がないことがユーザーにとってよい。そのため、複数の第1の光照射手段を配置する場合に撮影手段のレンズを斜めに挟む位置に配置させないようにすることで、第三者の疑いを受けにくくしている。
【0020】
第21の手段として、前記撮影手段が撮影する対象者から前記撮影手段の存在を視認できる部位を隠す手段を備えることがよい。
これによって、撮影手段が視認されにくくなるため、撮影されていることがわかりにくできる。撮影手段の存在を視認できる部位としては、特に撮影手段のレンズとするとよい。視認する対象者としては、特に乗客とするとよい。
第22の手段として、前記隠す手段の少なくとも一部に車両内に存在する物を擬態する部位を設けることがよい。
このようにすれば、隠している不自然さが減少するため撮影手段が対象者からよりわかりにくくなる。擬態する部位の擬態の態様としては、例えば車両のスピーカやエアコンの吹き出し口やミラーなどとするとよいが、特に撮影手段の取り付け位置の近傍に存在する物を擬態するとよい。例えば、ルームミラーの近傍に撮影手段を取り付ける場合には、擬態する部位は、ミラーを擬態するとよい。
【0021】
第23の手段として、前記擬態する部位は、人が見るための部位であることがよい。
このようにすることで視線を集めてより撮影手段によって対象者の顔が撮影されやすくできる。例えば、ルームミラーや化粧用ミラーであるとよい。
第24の手段として、前記車両内に存在する物はその方向が可変である物であり、前記擬態する部位もその方向が可変であることがよい。
このように構成すると、車両内において擬態する部位を様々な方向に変位させて乗車する者の使用に適した位置にセットすることができる。
第25の手段として、前記隠す手段の側は、前記撮影手段の側と着脱自在であることがよい。
これによって隠す手段を配設するには設置場所が狭い場合や、あえて使用する必要がない場合等では外すことも可能である。また、隠す手段の側の部材を、例えばオプション部品として販売して、必要な人だけが購入して取り付けるようにすることができ、必要のない人は購入する必要がなくなる。
第26の手段として、撮影手段の撮影方向を変更する手段の固定力を前記隠す手段の方向を変更する手段の固定力よりも強くすることがよい。
これによって、一旦固定した撮影手段の撮影方向が、隠す手段を操作することで不用意に動いてしまうという不具合が生じにくい。特に、隠す手段の方向は手で変更可能な固定力であり、撮影方向を変更する手段は手で動かしても動きにくい例えばネジやクランプ等による機械的な固定力とするとよい。
【0022】
第27の手段として、前記撮影手段の少なくともレンズ前面には前記撮影手段の撮影機能を阻害しにくく、かつ前記撮影手段を肉眼で視認させないようにするための第2のカバー体を着脱可能に配置することがよい。
これによって、第2のカバー体を撮影手段の前面に配置しても撮影が可能であり、撮影手段の少なくともレンズが視認されないため、撮影されていることがわかりにくい。また、着脱可能であるため第2のカバー体を配設するには車内が狭い場合や使用する必要がない場合等では外すことも可能である。「撮影機能を阻害しにくく」とは、例えば、第2のカバー体が可視光を吸収又は反射させることで、撮影手段を肉眼で視認させないようにすることが可能であり、その場合に撮影可能な程度に可視光を透過させることがよい。「撮影機能を阻害しにくく」としては、例えば「撮影機能を阻害しない」構成が最も望ましい。
第28の手段として、前記第2のカバー体は前記第1の光照射手段及び前記第2の光照射手段の前面に配置され、前記第1の光照射手段及び前記第2の光照射手段から照射される赤外線を透過させることがよい。
これによって、第1の光照射手段及び第2の光照射手段が視認されないため、車内の撮影のための光照射手段が発見されずに結果として撮影されていることがわかりにくい。また、第1の光照射手段及び第2の光照射手段を撮影手段の近傍に配置されている場合には1つの第2のカバー体によって撮影手段とともに一緒に隠すことができるため、コンパクト化に貢献する。
【0023】
第29の手段として、前記第2のカバー体を前記撮影手段が搭載されている筐体に対して支持させるようにすることがよい。
これによって、第2のカバー体を支持するために筐体とは別個の部材が不要となり、筐体の取り付けと同時に取り付け作業ができるため取り付けの手間が省けることとなる。
第30の手段として、前記第2のカバー体は前記筐体に対して相対的に変位可能に保持され、所定以上の外力が作用しないと変位せずに特定の位置での保持状態が維持されることがよい。
つまり、第2のカバー体は筐体に対して例えば、揺動したり回動したりしてその位置を変えることができるが、同時にある設定した位置で停止できなければならない。そのため、このように所定以上の外力が作用しないと変位せずに保持状態が維持される構成であれば、別途その位置で固定するための例えばネジ等の手段を必要としないため、一々、そのネジ等を緩めたり締めたりせずとも自在にかつ簡単に最適な位置に配置することができる。
また、この保持力は多少の揺れや自重によって一旦設定した停止位置がずれてしまうことのない程度の保持力であり、かつ所定以上の力で操作することで変位できる程度の保持力であることがよい。例えば、車両内に配置した場合に車両の振動で位置がずれることのない程度の保持力で、一方手で簡単に操作して位置を変えることができる程度であることがよい。例えば、摩擦力によって保持力を発現させることがよい。
【0024】
第31の手段として、前記筐体側と前記第2のカバー体側との間には自在継ぎ手機構が構成され、前記第2のカバー体は前記自在継ぎ手機構によって前記筐体に対して相対的に変位可能とされていることがよい。
このような機構を設けることで、筐体に対して第2のカバー体を自由な方向に向けることができ、撮影手段において撮影方向を一定にしても第2のカバー体のみを例えばバックミラーや化粧用ミラーに使用するために向きを変更させることができる。
自在継ぎ手機構は例えば、球体の周囲をその球体と同じカーブの包囲体で包囲するような構成がよい。球体と包囲体は筐体側と第2のカバー体のどちら側になってもよい。包囲体は球体を包囲するために分割して分割体として構成されていることがよく、その場合には前後で2分割しても、左右で2分割しても3分割以上の部材で構成するようにしてもよい。また、球体は完全な球でなく球の一部のみで構成されるものであってもよい。
【0025】
第32の手段として、前記自在継ぎ手機構は摩擦によって前記第2のカバー体を前記筐体に対して所定の保持位置で保持させる保持手段を有することがよい。
このような構成とすれば、ある位置に保持させるために例えばネジ等の手段を必要とすることがなく、一々、ネジ等を緩めずとも自在に最適な向きにすることができるため操作が楽であり、多少の揺れや自重によって一旦決めた保持位置が狂ってしまうこともない。この保持力は多少の揺れや自重によって一旦設定した停止位置がずれてしまうことのない程度の保持力であり、かつ所定以上の力で操作することで変位できる程度の保持力であることがよい。例えば、車両内に配置した場合に車両の振動で位置がずれることのない程度の保持力で、一方手で簡単に操作して位置を変えることができる程度であることがよい。
摩擦を与える保持手段としては球体の表面に圧力をもって当接する突起状の部材でもよく、包囲体自身の素材の滑りにくさ、例えば弾性のあるゴムのような素材で接触面に摩擦を発生させるようなものでもよい。
摩擦を与える保持手段は上記の球体を包囲する包囲体の内側に形成することがよい。これによって包囲体で球体を包囲すると同時に自在継ぎ手機構に摩擦を与えることができるからである。
包囲体は分割体として構成されていて、その分割体の内側に保持手段が設けられている場合において、分割体を組み立てて球体を包囲させる際にはその分割体の組み立てに伴って分割体が変形して保持手段を変形に伴って発生する押圧力で球体に押しつける構成がよい。これによって分割体を組み立てて自在継ぎ手機構を構築するに伴って第2のカバー体と筐体との間に摩擦を与えることができる。
包囲体は柔軟性と適度な弾性があることがよい。特に包囲体の内側に保持手段が設けられている場合には変形させて付勢させて摩擦力を与えることができるからである。固い素材に柔軟性と適度な弾性を与えるために例えば形状を曲げやすいように変形させることがよい。例えば、部分的にスリットを形成することがよい。また、素材として柔軟性があるもの、例えば、ナイロンや弾性のあるゴムのような素材を使用することがよい。
【0026】
第33の手段として、前記筐体は支持部材によって支持される構造であり、前記自在継ぎ手機構を前記支持部材よりも前方に配置することがよい。
これによって、第2のカバー体をより前方に張り出すように配置させることができ、筐体の取り付け面から離間させられるので特に筐体を大きく稼動させた場合に周囲に干渉しにくくなる。
また、この第30~33の手段から把握できるその他の技術的思想として、筐体を第1の装置とし、第2のカバー体を第2の装置として、ドライブレコーダや光照射システム以外の機器に適用することが可能である。
【0027】
第34の手段として、他の電子機器と接続され、前記他の電子機器側の制御手段によって制御されていることがよい。
これによって独自の制御手段を必要とせず、他の電子機器からの制御によって対象物を照らし出すことができる。また、撮影手段を備えている場合には他の電子機器からの制御によって撮影を実行し、撮影した画像を記録することができる。これによって、単独の制御手段だけで他の電子機器と一緒に制御することができて低コスト化に寄与する。また、ユーザーは別に設定操作をしなくとも他の電子機器側の設定と同時に設定ができるため、設定動作が簡略化されるため使いやすい。
第35の手段として、前記他の電子機器側の電源部から分岐して給電されることがよい。
これによって別個の電源部が不要となって、ユーザーは取り付けの煩わしさが軽減される。また、例えば車両では電子機器の給電はシガーライターを使用することが多いが、電源部が複数あると別個にシガーソケットを用意したり、二股形状の特殊シガーソケットを用意したりしなければならなくなるがそのような面倒さもない。
【発明の効果】
【0028】
上記各請求項の発明によれば、遠方から近方にかけて効率的に照らし出すことができる光照射システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明にかかる実施の形態のドライブレコーダの車室内撮影用カメラの取り 付け用ブラケットを取り外して示す分解斜視図。
図2】同じ実施の形態のドライブレコーダの車室内撮影用カメラの側面図。
図3】同じ実施の形態のドライブレコーダの車室内撮影用カメラの分解斜視図。
図4】カバーパネルの裏面側からの斜視図。
図5】第1のケース片の裏面側からの斜視図。
図6】同じ実施の形態のドライブレコーダの車室内撮影用カメラの背面図。
図7図6のA-A位置における断面図。
図8図6のB-B位置における断面図。
図9】実施の形態のドライブレコーダの車室内撮影用カメラとドライブレコーダの 接続関係を説明する模式図。
図10】実施の形態のライブレコーダの車室内撮影用カメラとドライブレコーダに 関する電気的構成を説明するブロック図。
図11】実施の形態のドライブレコーダを使用して撮影した実施例1の撮影画像。
図12】実施の形態のドライブレコーダを使用して撮影した実施例2の撮影画像。
図13】実施の形態のドライブレコーダを使用して撮影した実施例3の撮影画像。
図14】実施の形態のドライブレコーダの赤外線LEDを変更して撮影した比較例 1の撮影画像。
図15】実施の形態のドライブレコーダの赤外線LEDを変更して撮影した比較例 2の撮影画像。
図16】同じ実施の形態のドライブレコーダの車室内撮影用カメラにミラー装置を 装着した状態の斜視図。
図17】ミラー装置の本体の分解斜視図。
図18】ミラー装置の固定用リングの斜視図。
図19】(a)は車室内撮影用カメラにミラー装置の装着方法(あるいは取り外し 方法)を説明する側面図、(b)は同じく装着した状態の側面図。
図20】ミラー装置を構成する本体と固定用リングの破断側面図。
図21】固定用リングの概念を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施の形態である車両内部を撮影するためのドライブレコーダを図面に基づいて説明する。
まず図1図8に基づいてドライブレコーダの車室内撮影用カメラの概略構成について説明する。本実施の形態のドライブレコーダの車室内撮影用カメラ1(以下カメラ1とする)は本体ケース2と本体ケース2の外周に取り付けられる支持部材としての吊り下げ用ブラケット3とから外観が構成されている。尚、以下の説明においては図2の左方を前方側とし、図6における上方側を上側として説明する。
本体ケース2は前後一対の第1及び第2のケース片2A、2Bを組み合わせて構成されている。まず第1のケース片2A側の構成について説明する。
【0031】
図3図5及び図7等に示すように、超耐熱ABS樹脂製の第1のケース片2Aは椀型形状の外形をなし、外側に凸となるように湾曲して延出された断面円形の外周を有する第1の椀型部4と、第1の椀型部4の前端よりもわずかに後退した位置に形成された円板形状体からなる前面プレート5によって基本骨格が形成されている。前面プレート5の中央には円形のレンズ用透孔5aが形成されている。レンズ用透孔5aの周囲であって透孔5aの縁から等距離でかつ90度ずつ変位した位置(透孔5aを包囲する正方形の角位置)にはレンズ用透孔5aよりも小径の円形の4つの小透孔5bが形成されている。
図3及び図7等に示すように、前面プレート5の前面にはごく浅い凹部6が形成されている。凹部6内の下方中央位置には位置決め用の部材として小突片7が形成されている。図5に示すように、第1のケース片2Aの内側となる前面プレート5の裏面であって第1の椀型部4の内側壁面に隣接した位置にはネジ受けとなる3つの円筒形形状のスタッド8が形成されている。各スタッド8の先端にはネジ孔が形成されている。スタッド8は上方側の小透孔5bの近傍に水平に2つ、下方中央位置に1つそれぞれ120度ずつ均等にずれた位置に配置されている。第1のケース片2Aの内側であって第1の椀型部4の内側壁面に隣接した上方中央位置には位置決め用の部材としてスタッド9が形成されている。スタッド9の先端には小孔が形成されている。レンズ用透孔5aの両側にはそれぞれ基板取り付け用ネジ孔10が形成されている。
【0032】
次に第2のケース片2B側の構成について説明する。
図3図6及び図7等に示すように超耐熱ABS樹脂製の第2のケース片2Bは外側に凸となるように湾曲して延出された断面円形の外周を有する第2の椀型部11と、第2の椀型部11の後方から略円筒状に延出された突出壁部12と、突出壁部12の後方を塞ぐ略円形の外形の後面プレート13によって基本骨格が形成されている。後面プレート13には後方に突出する左右一対のブラケット用軸受け14が形成されている。後面プレート13から若干下方にずれた位置にはケーブル用透孔16が形成されている。後面プレート13の背面のケーブル用透孔16の上部領域はわずかに凹状に成形された隅丸長方形のラベル貼着面13aとされており、カメラ1の型番等の情報が記入されたラベル(図示せず)が貼着される。
突出壁部12から後面プレート13にかけての外周には周方向において120度ずつ均等にずれた位置に断面半円状に窪んだ3つの案内溝15が形成されている。図7に示すように、各案内溝15は第2の椀型部11の裏面から前方に突出するスタッド18の内部空間に連通されており、各スタッド18前端には小透孔19が形成されている。これら第2のケース片2B側のスタッド18は上記第1のケース片2A側のスタッド8と対応関係にある。第2のケース片2Bの内側であって第2の椀型部11の内側壁面に隣接した上方中央位置には位置決め用の部材として小突起20が形成されている。小突起20は第1のケース片2A側のスタッド9と対応関係にある。
【0033】
一対のブラケット用軸受け14は中空の突起体であって、その断面の外周形状はアーチ状に形成されている。ブラケット用軸受け14の平面に構成された外側面14aは突出壁部12と一体化したデザインとされている。外側面14aには内部空間に連通するノブ用軸孔17が開口されている。図6に示すように、ブラケット用軸受け14は第2のケース片2Bの上下方向において中央位置に両端に配置され、左右のノブ用軸孔17を結んだ軸方向が後面プレート13の直径方向と一致するように配置されている。図3図7及び図8に示すように、ブラケット用軸受け14の内部空間は隔壁22によって隔てられたナット収容部23と逃げ部24とに分けられている。ナット収容部23及び逃げ部24は第2のケース片2Bの前方に向かって開放されている。隔壁22にはノブ用軸孔17と中心が一致する円形の透孔22aが形成されている。ナット収容部23の底位置(後ろ位置)には3カ所が120度の角度で面取りされた後述するナット61の六角形状に対応した係合面23aが形成されている。後面プレート13の内側であってケーブル用透孔16を挟んだ両側にはケーブルホルダー取り付け用のネジ孔が設けられたスタッド25が形成されている。
【0034】
以上のような構成の第1のケース片2Aと第2のケース片2Bはそれぞれ第1の椀型部4と第2の椀型部11の端部同士が連結されており、第1のケース片2A側のスタッド8と第2のケース片2B側のスタッド18とが照合された状態でネジ30によって締結されて本体ケース2が構成されている。締結の際に、ネジ30は第2のケース片2B側の案内溝15に案内されながら進出してスタッド18の小透孔19を介してスタッド8側のネジ孔に螺合されることとなる。
また、第1の椀型部4と第2の椀型部11の端部は真円形状であるため第1のケース片2Aと第2のケース片2Bの周方向における正しい相対的な連結位置が分かりにくい。そのため、連結の際に第2のケース片2B側の小突起20を第1のケース片2A側のスタッド9に係合させることで第1の椀型部4と第2の椀型部11の周方向の相対的な位置決めがされている。小突起20がスタッド9に係合された状態で、対応関係にある第1のケース片2A側のスタッド8と第2のケース片2B側のスタッド18とが照合されることとなる。図1図2等に示すように、このように第1及び第2のケース片2A、2Bが組み合わされて本体ケース2が構成された状態では第1の椀型部4と第2の椀型部6の接続面が滑らかに連結されて所定の曲率の球面の一部(球帯形状)が本体ケース2の外周に形成される。この球帯形状はちょうど第1の椀型部4と第2の椀型部6の接続位置において最も大径となって前後方向に窄んでいくような曲面となっている。
【0035】
次に、本体ケース2内外に配設されるカメラ1の構成部材について説明する。
図1及び図3に示すように、第1のケース片2Aの前面プレート5に形成された凹部6内には可視光領域の光を透過させずに(つまり吸収する)赤外線を透過させる光学特性の黒色のカバーパネル33が配設されている。カバーパネル33は中央にレンズ用透孔5aと同径の円形のレンズ用透孔33aが形成されたリング状の板体とされている。カバーパネル33の下部位置には位置決め用の部材として小切り欠き34が形成されている。図4に示すように、カバーパネル33の裏面には両面テープからなる貼着面35が形成されている。カバーパネル33は貼着面35によって前面プレート5前面に貼着される。貼着面35には4カ所の中抜き部35aが形成されている。中抜き部35aはテープが配設されていない部分であって、カバーパネル33の光の透過特性を保持させている部分である。凹部6内にカバーパネル33を配設する際には凹部6側に形成した小突片7がこの小切り欠き34に係合されるようにカバーパネル33を凹部6内に配置する。このような位置関係で中抜き部35aはちょうど前面プレート5の4つの小透孔5bに面した位置に配置されることとなる。
【0036】
図3に示すように、本体ケース2内であって第1のケース片2Aの裏面位置には第1の基板37が配設されている。第1の基板37はネジ38によって基板取り付け用ネジ孔10を介して取着されている。
第1の基板37は略8角形の板状体形状とされ、上方側左右二カ所と下端中央位置の一カ所の計三カ所が切り欠き状に形成されて三点支持部37aが形成されている。第1の基板37はネジ38をネジ孔10に締結する際に3つの三点支持部37aがそれぞれ対応する第1のケース片2A側のスタッド8の外周に当接する。第1の基板37の中央には第1のケース片2Aのレンズ用透孔5aよりも若干大径のレンズ用透孔37aが形成されている。レンズ用透孔37aの周囲には4つの赤外線LED39A、39Bが配設されている。
赤外線LED39A、39Bは上記4つの小透孔5bに対応する位置に配設されており、同様にレンズ用透孔37aの周囲であって透孔37aの縁から等距離でかつ90度ずつ変位した位置に配置されている。すなわち、4つの赤外線LED39A、39Bは上方に水平方向に赤外線LED39Aが2つ配置され、そのLED39Aの真下位置であって水平方向に赤外線LED39Bが2つ、つまり2行2列の行列の要素の配置位置となるように配置されている。
赤外線LED39A、39Bは上記第1のケース片2Aに形成された4つの小透孔5bに面して配置され、かつ前面プレート5の前面を越えない範囲で近接して(本実施の形態では前面プレート5の後面から0.4mm後方まで進出)配置されている。上方側に配置された2つの赤外線LED39A(第1のLED)は狭い範囲を大きな放射強度で照らす役割の光源であり、本実施の形態では半値角±10度のものを使用した。下方側に配置された2つの赤外線LED39B(第2のLED)は赤外線LED39Aに対して相対的に広い範囲を相対的に小さな放射強度で照らす役割の光源であり、本実施の形態では半値角±60度のものを使用した。赤外線LED39A、39Bは薄暗い室内や夜間における撮影での補助照明としての役割を果たす。
【0037】
図3に示すように、第1の基板37の後方には第2の基板40が配設されている。第2の基板40は第1のケース片2Aのスタッド8と第2のケース片2Bのスタッド18の間に挟持されている。つまり、ネジ30によって第1のケース片2Aと第2のケース片2Bを締結することに伴って両スタッド8、18が相対的に接近して第2の基板40は固定されることとなる。
第2の基板40は略8角形の板状体形状とされ、コネクタによって第1の基板37と接続されている。ている。第2の基板40の第1の基板37の上方にはネジ30の通過を許容する左右一対の透孔41が形成されている(図3では手前側のみ図示)。透孔41の形成位置は第1の基板37側の上方に位置した2つの三点支持部37aに対応した位置とされている。第2の基板40の前面にはカメラユニット42が配設されている。カメラユニット42は受光素子として例えばCCD素子やCMOS素子を使用した電子カメラであって、可視光~赤外線領域までを感度とする。カメラユニット42は制御回路等が配設されたカメラベース42Aとレンズ部42Bから構成されている。レンズ部42Bはレンズ群から構成され画角が180度となる広角レンズとされている。
本体ケース2内に配置された状態でレンズ部42Bは第1の基板37のレンズ用透孔37aと第1のケース片2Aのレンズ用透孔5aとカバーパネル33のレンズ用透孔33aをそれぞれ挿通して図1及び図2等に示すように先端がカバーパネル33よりも若干前方に突出する(本実施の形態では赤外線LED39A、39B前面から6mm、カバーパネル33前面から4.7mm)。レンズ部42Bにおけるレンズの光軸は照射される赤外線の指向する正面方向と平行に配置されている。このような進出位置においてレンズ部42Bの広角レンズは実際には大きな収差が発生するものの210度程度までの対象物は撮影可能である。但し、映像中に本体ケース2(第1のケース片2A)が撮影されないような進出位置に制限されている。
【0038】
図3に示すように、第2の基板40の後方にはケーブルホルダー45が配設されている。ケーブルホルダー45は横長の野球のホームベース状の外観とされ、合成ゴム製素材で構成されている。ケーブルホルダー45の中央には後方に向かって半球状に膨出した係合突部47が形成されている。係合突部47が形成される位置にはケーブル用の透孔48が形成されている。透孔48から下方に向かってスリット49が形成され、透孔48の左右位置にはネジ孔50が形成されている。ケーブルホルダー45は係合突部47がケーブル用透孔16に内側から嵌合された状態で第2のケース片2B側のスタッド25に対してネジ孔50を照合させてネジ51によって固定されている。ケーブルホルダー45が固定された状態で第2のケース片2B側の最後部に形成されているナット収容部23及び逃げ部24の開放された前面位置に配置されることとなり、ナット収容部23に収納されているナット61の脱落が防止される。ケーブルホルダー45の透孔48にはケーブル53が挿通されて先端側で第1及び第2の基板37、40に接続されている(図3ではケーブル53は一部のみ図示されている)。ケーブル53はスリット49を押し広げながら透孔48位置に配置することが可能となっている。
【0039】
次に本体ケース2に取り付けられた吊り下げ用ブラケット3の本体ケース2への取り付けに関する構成部材について説明する。
図1に示すように、本体ケース2の第2のケース片2B側に形成されたブラケット用軸受け14には吊り下げ用ブラケット3が取り付けられている。合金製の吊り下げ用ブラケット3は固定部材としての両面テープが貼着される天板部55と天板部55の両端から下垂する下垂板部56から構成されている。下垂板部56は略直角三角形状に形成されている。下垂板部56の先端寄りには取り付け孔57が形成されている。下垂板部56は後方側の肉が削がれるように先細りに形成されているため、取り付け孔57は天板部55に対して前方にオフセットした位置に形成されることとなる。
【0040】
このような吊り下げ用ブラケット3は次のように本体ケース2へ取り付けられる。
吊り下げ用ブラケット3の左右の下垂板部56は歯付座金58と平座金59を介して固定用ノブ60によって任意の締め付け度合いで第2のケース片2Bに対して相対的に回動可能に取着される。連結手段としての固定用ノブ60はつまみ部60aとネジ部60bから構成されている。そして、図1のように下垂板部56の外側面において取り付け孔57と照合させるように歯付座金58と平座金59を配置し(平座金59が外側となる)、固定用ノブ60のネジ部60bをこれら3つの部材(下垂板部56、歯付座金58、平座金59)を挿通させて先端をブラケット用軸受け14の外側面14aに形成されたノブ用軸孔17内に挿入する。図7及び図8に示すように、ブラケット用軸受け14内のナット収容部23内にはナット61が係合面23aに係合した状態で収容されている。また、ナット61はブラケット用軸受け14の外壁と隔壁22に挟まれている。そのためナット61はスラスト方向及びラジアル方向のいずれの方向に荷重がかかっても移動(変位)することはない。この状態でつまみ部60aを操作してネジ部60bをナット61に螺合させながら進出させることでナット61との協働作用によって下垂板部56がつまみ部60aと外側面14aとの間にしっかりと挟持されることとなる。左右の固定用ノブ60の軸心を結ぶ直線(つまり吊り下げ用ブラケット3の回動軸)はレンズ部42Bにおけるレンズの光軸と直交する。
図2の仮想線で示すように、吊り下げ用ブラケット3は天板部55が上方に配置されている状態で(図2の仮想線の位置)、天板部55はブラケット用軸受け14の位置よりも後方側に延出されることとなるため本体ケース2の上方への相対的な揺動(図2における矢印S方向)の際に天板部55が邪魔となることがない。また、この状態でつまみ部60aよりも前方側に天板部55に進出しておらず、天板部55が水平状態にある場合にその状態から吊り下げ用ブラケット3が後方に倒伏しても(つまり仮想線状態から実線方向に揺動しても)常に吊り下げ用ブラケット3は本体ケース2の後方位置に配置されることとなり、後述するミラー装置75を装着した場合でもミラー装置75が干渉しないような十分な揺動領域を確保することができる。
【0041】
図9に示すように、カメラ1は他の電子機器としてカメラ1の親機となる一体型のドライブレコーダ65にケーブル53によって接続されている。ドライブレコーダ65はフロントガラスに取り付けられ、車両の前方外側方向を撮影する。図10はカメラ1とドライブレコーダ65に関する電気的構成を説明するブロック図である。尚、本実施の形態とは直接関係のない構成については図示を省略している。
ドライブレコーダ65側では制御手段としてのコントローラMCと、電源(ここではシガーライターを使用)から供給される12V電源電圧を所定の定電圧に降圧して負荷側(つまり外部機器)に供給するレギュレータRが筐体66内に収納されている。コントローラMCには外側用監視カメラユニット67、A/Dコンバータ68、Gセンサ69、SDカードリーダー/ライター70等がそれぞれ接続されている。また、子機側となるカメラ1のカメラユニット42、A/Dコンバータ71、赤外線LED39A、39B等がそれぞれ接続されている。また、レギュレータRからはコントローラMCとドライブレコーダ65とカメラ1の両方に収容されている外部機器に給電されている。
コントローラMCは周知のCPUやROM及びRAM等のメモリ、タイマ等を備えるマイコン等から構成されている。コントローラMCの指示によって外側用監視カメラユニット67とカメラユニット42の両方の画像がA/Dコンバータ68、71によってデジタル変換され、ROM内のプログラムに基づいて所定の画像処理が実行される。コントローラMCは通常の運転時においては取得した画像データを順次RAM内に保存しており、RAM内において所定の格納領域がいっぱいになると順次格納領域の先頭に戻って画像データを新たに上書きしていく。そして、Gセンサ69が所定の加速度の値を検出した場合(つまり、何らかの事故イベントがあったと判断した場合)にはそのイベント前後のタイミングの画像データをSDカードリーダー/ライター70によってSDメモリカードに記録させる。
【0042】
以上のように構成されたカメラ1は、ドライブレコーダ65とともに例えば車両のフロントガラスの内側に装着される。具体的には吊り下げ用ブラケット3の天板部55を両面テープによってフロントガラスの内側に貼着させレンズ部42の光軸が車両内部側を向くように本体ケース2を吊り下げ、適宜固定用ノブ60位置を回動中心として本体ケース2を揺動させて撮影方向を決定する。
カメラ1装着位置として最も好ましい位置の一例は助手席正面のフロントガラス上部位置である。但し、他の位置、例えば運転席と助手席の中間位置のフロントガラス上部位置としたり、逆にフロントガラス下部位置とすることも自由である。
撮影方向を設定する際には指向性の強い(つまり狭い範囲のみ明るい)上側の赤外線LED39Aの照射される位置を目標とすることがよい。ユーザーは後部座席に乗客が着座することを念頭において上側の赤外線LED39Aが前部座席のヘッドレストの高さ付近で運転席と助手席の間に目視される後部座席を目標とする。これは後部座席の乗客の上半身、特に顔周辺がよく見えるように設定する操作である。レンズ部42Bにおけるレンズの光軸はそもそも赤外線LED39Aの近傍に配設されているためレンズの光軸も自ずと後部座席の乗客の上半身方向となる。
【0043】
次に、このように構成されるカメラ1に着脱可能な補助具としてのミラー装置75について説明する。
図16図21に示すように、ミラー装置75は本体76と固定用リング77の2つの部材から構成されている。本体76は超耐熱ABS樹脂製の一体成形品であって、ミラー取り付け部78とミラー取り付け部78から突出するリング部79を有している。図17に示すように、ミラー取り付け部78は正面形状として隅丸の長方形形状をなしており、最前面から若干後退した全周縁には平面に形成されたミラー取り付け用の貼着面78aが形成されている。ミラー取り付け部78の内部には奥行きの少ない(幅狭の)側壁78bと背面壁78cによって浅い皿状の狭い空間が構成されている。背面壁78cの中央位置にはリング部79の開口部前端79aが露出されている。貼着面78aにはミラー部80が貼着されている。ミラー部80はミラー取り付け部78の外周よりもわずかに小さな相似形状の外形とされ、透明なガラス製基板の裏面に蒸着処理を行って可視光~赤外線に対して所定の反射及び透過特性を有するコート層を成膜させている(コート層の透過-反射特性:入射角:25°、入射偏光:N偏光、可視光の平均反射率38±3%、可視光の平均透過率24%、赤外線の平均透過率93%以上)。つまり、ミラー部80はマジックミラー(いわゆるハーフミラー)となっており、基本的に可視光を反射して鏡として機能するとともに可視光を透過できる。また赤外線LED39A、39Bからの赤外線も透過できるためミラー部80を通して外光や赤外線LED39A、39Bからの赤外線を反射した周囲の景色のレンズ部42Bによる撮影が可能となっている。ミラー取り付け部78はその後方(車両の前方側)に配置される本体ケース2よりも全体が大きく構成されている。
【0044】
図18に示すように、リング部79はその開口部前端79aがミラー取り付け部78の背面壁78cの中央位置に開口するようにミラー取り付け部78の後方に突出している。開口部前端79は背面壁78cの内面と略面一とされている。開口部前端79の内径はちょうど第1のケース片2Aの前面の外径と一致する。リング部79の内周面76aは本体ケース2の第1のケース片2Aの第1の椀型部4の外周曲面形状に対応するカーブ面形状とされている。すなわち、内周面76aは第1の椀型部4の球帯の外周形状と凹凸関係で密着できるように、その外周形状と同じ曲率の逆に内側に凹となる曲面で構成されている。内周面76aは後方側が最も広く構成されており前方側ほど狭くなるような窄んだ形状となっている。そのカーブ形状は図20の破断図で示すように二次曲線となるカーブで示される。リング部79の外周にはネジ用の雌ネジが螺設された複数の(4カ所)スタッド81が形成されている。
【0045】
固定用リング77はナイロン製の一体成形品であって、周方向に同幅に形成された無端ベルト状の環状体とされている。固定用リング77の外周前端側の縁位置にはネジ穴用の複数の(4カ所)スタッド84が形成されている。本体76と異なる素材を使用しているのはナイロンの柔軟性が高いためである。
固定用リング77の内周面77aは第2のケース片2Bの第2の椀型部11の外周曲面形状に対応するカーブ面形状とされている。すなわち、内周面77aは第2の椀型部11の球帯の外周形状と凹凸関係で密着できるように、その外周形状と同じ曲率の逆に内側に凹となる曲面で構成されている。内周面77aは前方側が最も広く構成されており後方側ほど狭くなるような窄んだ形状となっている。そのカーブ形状は図20の破断図で示すように二次曲線となるカーブで示される。固定用リング77の内周面77aの後端縁寄り位置には内側に向かってわずかに突出するフランジ状の突起体83が形成されている。
固定用リング77には周方向に沿って所定の均等な間隔で複数の(ここでは各縁側において60°間隔で6つ)スリット85が形成されている。各スリット85はその切り欠き領域として縁位置から幅方向に幅全体の半分よりもわずかに進出した位置まで及んでいる。前方側の縁位置に形成されたスリット85群と後方側の縁位置に形成されたスリット85群との位相は30°ずつずれて配置されている。つまり、固定用リング77の幅方向において均等な間隔で前後交互となるようにスリット85が配置されている。このようにスリット85が構成されているため、固定用リング77は周方向において直線的に連続した領域はない。つまり図21の矢印で示すように周方向にくねった帯状の構成となる。このような構成では、例えば固定用リング77は前側のスリット85間Pや後側スリット85間Qのより狭い領域での曲げやすさが発現することとなる。また、隣接するスリット85間のこのような周方向の曲げやすさ以外にも、このように多くのスリットを幅方向に深く切れ込ませることで様々なスリット85間の方向への曲げやすさが発現することとなるため、全体としての外力に対する柔軟性を向上させることができる。また、全体として均等にスリット85が配置されているため、全域において均等な柔軟性を与えることができる。
【0046】
このような構成のミラー装置75は次のようにカメラ1の本体ケース2に取り付けることが可能となる。尚、取り付け作業の際には一旦、邪魔になる吊り下げ用ブラケット3を外すか、吊り下げ用ブラケット3の装着をする前にミラー装置75の取り付け作業をする必要がある。本体ケース2からのミラー装置75を取り外す場合も同様である。
図19(a)に示すように、本体76を本体ケース2の第1のケース片2Aの前側から本体ケース2の後方に導き、固定用リング77を第2のケース片2Bの後側から本体ケース2の前方に導くようにして、両者を互いに接近させ、ネジ87によって両者のスタッド81、84同士を介して固定する。
ネジ87の締め付け動作に伴って、本体76と固定用リング77は接近し、本体ケース2側の第1及び第2の椀型部4、11の球面部分(以下、本体ケース2側の球面とする)に接近して包囲していく。このとき、本体76側のリング部79の内周面76aは最終的に本体ケース2側の球面に密着できるものの、固定用リング77側の内周面77aには突起体83が形成されているためこれが干渉して内周面77a全域が球面に本体ケース2側に密着することはない。固定用リング77はネジ87の締め付けに伴って若干変形して突起体83を本体ケース2側の球面に押しつけた状態で自身は変形によって付勢力を与えられた状態で本体76と連結されることとなる。ネジ87の締め付けが完了して本体76と固定用リング77が完全に連結された状態においては、本体76の内周面76aの全域と固定用リング77側の内周面77aの多くの領域が本体ケース2側の球面と密着し、かつ突起体83が適度な摩擦力を持って本体ケース2側の球面と接することとなる。この状態で本体ケース2とミラー装置75との間には自在継ぎ手機構が成立することとなる。連結された固定用リング77とリング部79とは前後方向が窄んでいるため本体ケース2が脱落することはない。従って、本体ケース2の周囲においてミラー装置75を適度な位置保持力を有しながら所定の回動範囲内で自在にその向きを変えることが可能となる。
【0047】
図19(b)に示すように、ネジ87の締め付けが完了した状態において、固定用リング77は第2の椀型部11の外周の球面の全域を包囲するのではなく、後方の突出壁部12との間に包囲しない領域が形成される(図19(b)のS部分)。この包囲しない領域はミラー装置75を本体ケース2に対して自在に回動させた場合のミラー装置75の進出領域となる。また、所定以上に回動させた場合にはミラー装置75は突出壁部12に干渉してそれ以上の回動が阻止されることとなる。つまり、突出壁部12はミラー装置75の必要以上の回動を規制する規制手段となっている。
また、ネジ87の締め付けが完了した状態においては、本体ケース2側の前面位置に配設されているレンズ部42Bはミラー取り付け部78の内部に形成された空間内においてミラー部80背面から若干の距離をおいて配置され、ミラー装置75の回動範囲内においてミラー部80に接することのないよう配置される。また、本体ケース2はレンズ部42Bにおけるレンズの光軸と固定用リング77(又はリング部79)の中心軸が一致する状態で第1のケース片2Aの前面が開口部前端79と略面一となるように配置される。
また、吊り下げ用ブラケット3は直接本体ケース2に取り付けられているため、ミラー装置75を回動させても吊り下げ用ブラケット3の回動軸とレンズの光軸の直交関係は維持される。そして、回動可能な範囲でミラー装置75のミラー取り付け部78に正対した方向(ミラー部80に正対した位置)からは本体ケース2がその背後に隠されるように配置されるため、本体ケース2(カメラ1)が目視されることはない。
また、ミラー装置75はカメラ1において必須な構成ではないため、使用しなくともカメラ1としての機能は十全に発揮できる。
【0048】
<実施例について>
以上のような構成において、上記実施の形態のカメラ1を使用して車両内を撮影した結果(ミラー装置75は装着していない状態での実施)について実施例として比較例との比較において以下に説明する。比較例はLEDのみ条件を変えて撮影した。尚、撮影は夜間であって、赤外線の補助光がない条件での撮影では他の条件が同じであっても映像データとして暗すぎてしまい写っているものの判別は困難である。
(実施例1)
上側2つの赤外線LED39Aとして半値角±10度、放射強度55mW/sr(IF(順電流)=70mA)の素子(OPTSUPPLY社製 型番SFH4641)を使用し、下側2つの赤外線LED39Bとして半値角±60度、放射強度20mW/sr(IF(順電流)=100mA)の素子(OPTSUPPLY社製 型番OSI5LAS1C1A)を使用した。実際の電流値として定格よりも低い1個当たり50mAとした。レンズの画角は上記のように180度でカメラ1は助手席の正面であってフロントガラスの内側上部位置に設置し、上記のようにヘッドレストの高さ付近で運転席と助手席の間に目視される後部座席の若干運転席寄りを目標とした。撮影においては人の乗車位置を変えた3つのパターンについてその写り具合を検証した。その結果を図11に示す。
図11では助手席はちょうど設置したカメラ1の正面でかつ近い位置であるため、全体に鮮明に撮影されている。運転席側は正面からずれているため、助手席ほどではないがカメラ1に近い位置での撮影であるため人(運転手)の足まで鮮明に撮影されている。また、画角が大きいため運転席側の扉まで写っているが、その扉も鮮明に撮影されている。また、後部座席は人(乗客)の顔が十分判別できる程度に鮮明に撮影されている。
【0049】
(実施例2)
実施例1と同様に上側2つの赤外線LED39Aとして半値角±10度、放射強度55mW/sr(IF(順電流)=70mA)の素子(OPTSUPPLY社製 型番SFH4641)を使用し、下側2つの赤外線LED39Bとして半値角±60度、放射強度20mW/sr(IF(順電流)=100mA)の素子(OPTSUPPLY社製 型番OSI5LAS1C1A)を使用した。但し、電流値として1個当たり30mAとした。赤外線LEDの明るさは電流の大きさに比例するため、実施例1よりも全体に照明として暗くなるが、その分使用電力は実施例1よりも少なくなる。カメラ1の設置条件は実施例1と同様である。その結果を図12に示す。
図12では前部座席については実施例1と遜色はない。また、後部座席も人(乗客)の顔が十分判別できる程度に鮮明に撮影されているため、この程度に電流値を小さくすることは問題なく実用領域である。
【0050】
(実施例3)
実施例1及び2と同様に上側2つの赤外線LED39Aとして半値角±10度、放射強度55mW/sr(IF(順電流)=70mA)の素子(OPTSUPPLY社製 型番SFH4641)を使用し、下側2つの赤外線LED39Bとして半値角±60度、放射強度20mW/sr(IF(順電流)=100mA)の素子(OPTSUPPLY社製 型番OSI5LAS1C1A)を使用した。但し、電流値として1個当たり20mAとした。カメラ1の設置条件は実施例1と同様である。その結果を図13に示す。
図13では全体に暗い印象となっており、前部座席については実施例1及び2と比べるとかなり暗いものの映像としては十分使用範囲である。一方、後部座席は人(乗客)の顔も若干判別しにくくなっている。但し、若干照射方向が下寄りなのでもう少し上方に変位させると判別は十分可能と考えられる。実施例3については、上側の赤外線LED39Aの一方あるいは両方にかける電流値を25~30mA程度まで大きくし、若干暗い前部座席についてはそのままか、あるいは若干電流値を上げる(例えば下側の赤外線LED39Bの一方あるいは両方とも電流値を25mA程度とする)ことでより実用領域に対応したものとすることが可能と考えられる。
【0051】
(比較例1)
4つの赤外線LEDともすべて半値角±60度、放射強度20mW/sr(IF(順電流)=100mA)の素子(OPTSUPPLY社製 型番OSI5LAS1C1A)を使用した。実際の電流値として1個当たり50mAとした。カメラ1の設置条件は実施例1と同様である。その結果を図14に示す。
図14では上記実施例1、2と同様に前部座席側は全体に鮮明に撮影されている。しかし、後部座席は上記実施例3よりも更に暗く写っており、人(乗客)の顔をはっきりと判別することはできなかった。
(比較例2)
4つの赤外線LEDともすべて半値角±10度、放射強度55mW/sr(IF(順電流)=70mA)の素子(OPTSUPPLY社製 型番SFH4641)を使用した。実際の電流値として1個当たり50mAとした。カメラ1の設置条件は実施例1と同様である。その結果を図15に示す。
上記実施例1~3及び比較例1と比べると前部座席側は全体に暗く、例えば運転席の人の足はかなり判別が難しかった。一方、後部座席は人(乗客)の顔は若干照射方向が下寄りとなっているものの十分な明るさであるため判別可能であった。
【0052】
以上のように構成することで、本実施の形態のカメラ1では次のような効果か奏される。
(1)上側の赤外線LED39Aによって後部座席の狭い範囲を大きな放射強度で照らし、下側の赤外線LED39Bによってそれよりも相対的に車内全体の広い範囲を相対的に小さな放射強度で照らすようにしたため、後部座席は特に照らしたい対象物である後部座席に座る乗客をスポット的に照らし出すことができ、一方、前部座席側は広い範囲を小さな放射強度で照らすものであってもカメラユニット42に近いため十分に照らし出すことができることとなって効率のよく車内を撮影して記録することができる。上記比較例1のようにすべて赤外線LED39Aと同じ赤外線LEDを使用したのでは、あるスポット的な対象物のみ明瞭に記録できるが車両内全体を判別するには好ましくない。また、比較例2のようにすべて赤外線LED39Bと同じ赤外線LEDを使用したのでは車両において特に判別した対象物である後部座席に座る乗客を判別するには不十分でやはり好ましくない。実施例はいずれもそのようなことがなく、運転者や経営者等のユーザーが後から映像を解析する際に非常に優れた情報源となる。
(2)実施例1と比較例1や2と比べると同じ量の電流を流しているにも関わらず、上記のように実施例1のほうが前部座席側も明瞭で後部座席の照らしたい対象物も明瞭であることがわかる。つまり本実施の形態のカメラ1では消費電力が同じであってもより優れた映像を得ることができ、ユーザーが利用してより正確な映像解析を行うことができる。
(3)本実施の形態のカメラ1はドライブレコーダ65に接続され、ドライブレコーダ65の筐体66内のレギュレータRから分岐して給電されている。そのため、レギュレータRは負荷抵抗を考慮すると負荷側に無制限に電力を供給できるわけではない。そのため、このように2種類の赤外線LED39A、39Bを使用することでそれほど電力を消費しなくとも必要に足る映像を得ることができる。また、カメラ1はドライブレコーダ65のコントローラMCによって制御されているため、処理量が1つのカメラだけの場合に比べてコントローラMCの負荷は大きくなる。その結果、筐体66内の温度がどうしても上昇する傾向となる。そのためレギュレータRの電力消費を抑制してレギュレータRの由来の熱を抑制するという観点からも2種類の赤外線LED39A、39Bを使用することがよい。
(4)カメラ部42Bの前端はカバーパネル33前面から突出しており、画角が180度(実際は180度よりも若干広い領域まで見える)であり、広範囲を照らし出す下側の赤外線LED39Aの半値角よりも大きいため、赤外線の及ぶ範囲は確実に映像として捉えることができ、判別可能な重要な周辺領域の記録を見逃してしまうような不具合がない。
一方、カメラ部42Bの前端はカバーパネル33前面から突出しているため、画角は非常に大きいものの、赤外線LED39A、39Bは画角の外に配置されることとなる。そのため、赤外線LED39A、39Bが映像内に取り込まれることはない。
(5)カメラ1においてレンズ部42Bと赤外線LED39A、39Bとは同じ本体ケース2に搭載され、同じ方向を向いているため、カメラ1を配置する際にそれぞれ別個に調整する必要がなく、ユーザーの設置作業が簡略化される。
(6)本体ケース2を連結する(組み立てる)際にはスタッド9を小突起20に係合させることで第1のケース片2Aと第2のケース片2Bを正しい位置で連結することができる。また、同様に第1のケース片2Aの前面にカバーパネル33を装着する際には凹部6内の小突片7がカバーパネル33側の小切り欠き34に係合されるようにすることでカバーパネル33正しい位置で装着することができる。また、このように方向性のない円形形状の部材を組み立てる場合の位置決め機構を設けているため、メーカーにおいて組み立てる場合やユーザにおいて一旦分解したカメラ1を組み立てる場合に作業が簡略化される。
(7)第2の基板40はスタッド8、18によって三点支持されているので、取り付け時に多少の傾きがあっても四点支持などよりもがたつきにくい。また、第1の基板37は2点でネジ38によって基板取り付け用ネジ孔10に固定されているが、周囲から支持部としてのスタッド8によって支えられているためがたつきにくい。
(8)吊り下げ用ブラケット3は本体ケース2から更に後方に張り出した一対のブラケット用軸受け14に取り付けられているため、吊り下げ用ブラケット3に対する本体ケース2の可動範囲(揺動範囲)が広くなっている。また、天板部55はブラケット用軸受け14の位置よりも後方側に延出されることとなるため、これによっても本体ケース2の可動範囲(揺動範囲)が広くなっている。そのため、ユーザーは本体ケース2を任意の揺動位置に自在に配置させることが可能となっている。
(9)吊り下げ用ブラケット3は本体ケース2の最大幅(第1のケース片2Aと第2のケース片2Bのちょうど連結位置)よりも内側にある一対のブラケット用軸受け14を挟む位置に配置されており、自身も本体ケース2の幅の外方にはみ出すことがない。そのため、カメラ1全体のコンパクト化に寄与し、ユーザーが特に狭い車両内にカメラ1を設置する際に有利となる。
(10)ラケット用軸受け14内に配設された固定用ノブ60を固定するためのナット収容部23内においてナット61は独自に脱落防止手段を備えずに、別用途の部材であるケーブルホルダー45を取り付ける際に同時に脱落防止がされるようにしている。そのため部品点数が少なくなって、組み立て工程が減り、結果としてコスト削減となる。ケーブルホルダー45によるナット61の脱落防止は、ケーブル53の本体ケース2内への進入位置を下寄りにしたため実現が可能となっている。ケーブル53を下寄りとすることで中央位置にラケット用軸受け14とナット収容部23を設ける余裕ができ、ケーブル53の下動に伴って同様に下寄りに配置されたケーブルホルダー45でナット収容部23を閉鎖することが可能となったからである。
(11)上側の赤外線LED39Aは特に放射強度が大きいため近赤外線の領域がカバーパネル33前面から目視されてしまう可能性がある。もしタクシーにカメラ1が設置された場合には特に照射方向である乗客がこれに気づく可能性がある。もし、赤外線LED39Aが上記のように水平に配置されておらず、カメラ部42Bを挟んで斜めに配置されているとすると、いかにも不自然に見受けられて乗客にカメラの存在を疑わせる可能性がある。上記カメラ1はごく自然に見える水平方向に2つ赤外線LED39Aが配置されているので、そのような可能性は非常に少なくなる。また、上下の上側に赤外線LED39Aが配置されているため運転者からは見えにくくわずらわしく感じにくい。
【0053】
(12)ミラー装置75によってミラー部80に正対した方向からの目視ではカメラ1が完全に隠れるため、カメラ1の存在が車両の乗客からわかりにくくなりカメラ1で撮影されていることに気づかれにくく、カメラ1での撮影を望まない乗客から指摘を受ける可能性が少なくなる。特に後部座席に着座した場合にはミラー部80からの距離があってカメラ1が見えないミラー部80に概ね正対する状態となるため、特に前席以外の後部座席側の乗客を念頭におく場合にミラー装置75を装着するとよい。
(13)自在継ぎ手機構がミラー装置75とカメラ1との間で(より具体的にはミラー装置75側のリング部79の内周面76a及び固定用リング77側の内周面77aとカメラ1側の本体ケース2側の球面との間で)構成され、ミラー部80を自在に回動させることができるので、カメラ1の存在を隠すと同時に車内用のバックミラーや化粧用のミラーとして実際に実用的に使用することが可能となっている。
(14)自在継ぎ手機構においては突起体83が適度な摩擦力を持って本体ケース2側の球面と接し、その摩擦力はミラー装置75を回動させる際に人の手の力で容易に動かすことが可能な程度のそれほど大きくない保持力であり、一方車両の振動でその位置が容易に変動してしまうような弱い保持力でもない。そのため、ミラー装置75を特になんらの保持状態を解除する操作も必要としないで回動させることができ、特に別個の固定手段がなくとも任意の回動位置で保持させることができる。
(15)ミラー装置75が大きく回動するとレンズの撮影画像内に本体ケース2側が大きく映り込んでしまうため、回動しすぎないほうがよい。また、ミラー装置75の回動量が大きいと角度的にミラー取り付け部78の背後の本体ケース2が現れてしまう可能性もあるため、やはり回動しすぎないほうがよい。そのため、上記ではミラー装置75は回動量が規制されてこのようなことが防止されている。本体76に対して固定用リング77を分割して組み立てるようにしているため、本体ケース2に対して簡単な組み立て作業で取り付けることができる。
(16)ミラー装置75側の本体76に対して固定用リング77を連結するだけで、固定用リング77が柔軟性の高い素材であるナイロンとスリット85の作用で適度に撓んで突起体83を本体ケース2側の球面に適度な摩擦力で押しつけることが可能であるため、このような摩擦力を与えるための組み立て時の操作が軽減される。
(17)吊り下げ用ブラケット3は本体ケース2から更に後方に張り出した一対のブラケット用軸受け14に取り付けられており、本体ケース2側への進出が抑制されている。そのため、本体ケース2を大きく揺動させた場合でもミラー取り付け部78が吊り下げ用ブラケット3に干渉しにくくなっている。
【0054】
本発明を、以下のように具体化して実施してもよい。
・上記赤外線LED39A、39Bは各2つずつ計4つであったが、この数と種類は一例であって例えば更に放射強度や半値角の異なる第3のLEDを備えるようにしてもよく、また同じLEDの数も2つでなく1つでも3つ以上であってもよい。また、同じ赤外線LEDを電流値を変えて放射強度を変更するようにしてもよい。
・赤外線LEDは上記ではLEDチップとして第1の基板37に搭載させていたが、チップではなく通常の砲弾型のLEDでもよい。
・赤外線LEDの配置は上記では同じ種類で水平に配置するようにしていたが、水平以外に斜めに配置したりランダムに配置するようにしてもよい。いずれもレンズ部42Bの近傍に存在することがよい。
上記実施の形態ではレンズの光軸と赤外線LED39A、39Bの赤外線の指向する正面方向とは平行に配置されていたが、平行でなくともよい。各赤外線LEDがそれぞれ別方向を向いていてもよい。
・ケーブル53はUSBケーブルを用いるようにしてもよい。その場合には取り外しが容易となるため、例えばカメラ1をメインドライブレコーダ65から取り外してメインドライブレコーダ65のみを使用するようにすることも可能である。
・カメラ1が独立した制御部(コントローラ)と電源供給部(レギュレータ)を持っていてもよい
上記ではカメラ1の動作の始動・停止のための独立した入切スイッチがなかったが、これを設けるようにしてもよい。カメラ1に設けてもメインドライブレコーダ65に設けてもよい。
・上記レンズ部42Bの広角レンズは180度であったが他の画角でもよい。
・本体ケース2や吊り下げ用ブラケット3の形状は上記以外でもよい。吊り下げ用ブラケット3のケース2への支持位置を変更してもよい。
・上記実施の形態では補助光として赤外線を使用したが、状況に応じて赤外線以外の光、例えば可視光線や紫外線を使用した光照射システムとしてもよい。
・材質は上記以外の材質で実現するようにしてもよい。その場合に上記の固定用リング77のナイロンのように特に変形する部材については特に柔軟性がある材質を使用することがよい。
・カバーパネル33は上記では黒色であったが、特に色は限定されるものではない。白濁色で構成するようにしてもよい。また、カバーパネル33は可視光を吸収するだけではなく反射するものであってもよい。
【0055】
・他の電子機器に応用してもよい。
・上記では一例としてカメラ1の本体ケース2との間で自在に回動するミラー装置75に上記のような自在継ぎ手機構を適用するようにしたが、カメラ1やミラー装置75以外の他の第1の装置と第2の装置の間で自在に回動させる際に使用するようにしてもよい。
・上記実施の形態のミラー装置75では本体76と固定用リング77とを前後で2分割したが、左右で2分割したり3分割以上の部材で構成するようにしてもよい。
・上記固定用リング77に形成したスリット85は一例であって、形状や数は適宜変更可能である。要はスリット85を形成することで予定した柔軟性を与えて部材を撓ませることができればよい。
・柔軟性を与えるためにはスリット85という形状的な手法以外に、材質を変更することも可能である。例えば、固定用リング77をより柔軟性のある弾性ゴム体で構成することも可能である。
・摩擦で回動しにくくするために、上記では固定用リング77を固定作業と同時に撓ませるようにして突起体83を自在継ぎ手の球体側に押しつけるようにしていたが、固定作業とは別の操作で突起体83を自在継ぎ手の球体側に押しつけるような構成でもよい。要は自在継ぎ手機構において回動を制動するためのなんらか摩擦手段を設けるようにできればよい。
・ミラー装置75の回動規制手段として上記では突出壁部12がその機能を果たしていたが、それ以外に別個に規制手段を設けてもよい。
・その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において変更した態様で実施することは自由である。
【符号の説明】
【0056】
1…照射システムとしてのドライブレコーダの車室内撮影用カメラ、39A,39B2…赤外線LED。
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