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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133370
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】固体撮像装置、及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20230914BHJP
   H01L 21/76 20060101ALI20230914BHJP
   H04N 25/704 20230101ALI20230914BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H01L21/76 L
H01L21/76 V
H01L27/146 D
H04N25/704
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116664
(22)【出願日】2023-07-18
(62)【分割の表示】P 2018095949の分割
【原出願日】2018-05-18
(31)【優先権主張番号】P 2017105715
(32)【優先日】2017-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】丸山 卓哉
(72)【発明者】
【氏名】八木 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】島田 翔平
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 信也
(72)【発明者】
【氏名】白石 勝一郎
(57)【要約】
【課題】撮像画像の劣化を抑制しつつ、位相差検出の精度の向上を図ることができるようにする。
【解決手段】1つのオンチップレンズに対して複数の光電変換素子を形成した画素を含む複数の画素を2次元状に配列した画素アレイ部を備え、画素の間に形成される画素間分離部及び画素間遮光部の少なくとも一方は、その一部が、画素の中心に向けて突起状にせり出して、突起部を形成している固体撮像装置が提供される。本技術は、例えば、位相差検出用の画素を有するCMOSイメージセンサに適用することができる。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つのオンチップレンズに対して複数の光電変換素子を形成した画素を含む複数の画素を2次元状に配列した画素アレイ部を備え、
前記画素の間に形成される画素間分離部及び画素間遮光部の少なくとも一方は、その一部が、前記画素の中心に向けて突起状にせり出して、第1の突起部と第2の突起部を形成しており、
前記複数の光電変換素子は、第1導電型の領域として形成され、
前記第1の突起部と前記第2の突起部は、前記複数の光電変換素子の間の第2導電型の領域に対して形成され、
前記第1の突起部と前記第2の突起部は、接触していない
固体撮像装置。
【請求項2】
前記画素は、正方単位の画素であり、
前記第1の突起部と前記第2の突起部は、前記正方単位の画素の中心に向けて形成される
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記画素間分離部及び前記画素間遮光部は、前記正方単位の画素に対応して形成され、
前記第1の突起部と前記第2の突起部は、前記画素間分離部及び前記画素間遮光部の少なくとも一方の対向する辺の一部が突起状にせり出して形成される
請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記画素間分離部は、前記複数の光電変換素子が形成される半導体層内に、正方格子状に掘り込まれた溝部に埋め込まれた物質によって、隣り合う画素の間を物理的に分離し、
前記画素間分離部の一部が、前記正方単位の画素の中心に向けて突起状にせり出し、前記第1の突起部と前記第2の突起部を形成している
請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記画素間遮光部は、前記オンチップレンズと前記複数の光電変換素子が形成される半導体層との間の領域に、正方格子状に形成された物質によって、隣り合う画素の間を遮光し、
前記画素間遮光部の一部が、前記正方単位の画素の中心に向けて突起状にせり出し、前記第1の突起部と前記第2の突起部を形成している
請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記画素間分離部は、前記複数の光電変換素子が形成される半導体層内に、正方格子状に掘り込まれた溝部に埋め込まれた物質によって、隣り合う画素の間を物理的に分離し、
前記画素間遮光部は、前記オンチップレンズと前記複数の光電変換素子が形成される半導体層との間の領域に、正方格子状に形成された物質によって、隣り合う画素の間を遮光し、
前記画素間分離部及び前記画素間遮光部の双方の一部が、前記正方単位の画素の中心に向けて突起状にせり出し、前記第1の突起部と前記第2の突起部を形成している
請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項7】
前記正方単位の画素は、前記オンチップレンズの直下に配置される、赤(R)、緑(G)、又は青(B)のカラーフィルタに応じて、R画素、G画素、又はB画素として構成され、
前記画素アレイ部に配列された複数の画素のうち、前記R画素、前記G画素、及び前記B画素の少なくとも1つの画素に対し、前記第1の突起部と前記第2の突起部が形成される
請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記R画素にのみ、前記G画素にのみ、又は前記B画素にのみに、前記第1の突起部と前記第2の突起部が形成される
請求項7に記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記R画素、前記G画素、及び前記B画素のすべての画素に、前記第1の突起部と前記第2の突起部が形成される
請求項7に記載の固体撮像装置。
【請求項10】
前記R画素、前記G画素、及び前記B画素のうち、組み合わされた2つの画素に、前記第1の突起部と前記第2の突起部が形成される
請求項7に記載の固体撮像装置。
【請求項11】
前記R画素、前記G画素、及び前記B画素を含む画素ごとに、前記第1の突起部と前記第2の突起部のせり出している部分の長さが異なる
請求項7に記載の固体撮像装置。
【請求項12】
前記第1の突起部と前記第2の突起部のせり出している部分の長さは、前記オンチップレンズによる集光スポット径に応じて決定される
請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項13】
前記第1の突起部と前記第2の突起部のせり出している部分の長さは、前記オンチップレンズのピッチの一辺の1/7から1/4の長さに対応している
請求項12に記載の固体撮像装置。
【請求項14】
光の入射側の面に対する前記第1の突起部と前記第2の突起部の断面は、突起状にせり出している部分ごとにその深さが異なっている
請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項15】
前記溝部は、光の入射側の面である第1の面、又は光の入射側の反対側の面である第2の面から掘り込まれる
請求項4に記載の固体撮像装置。
【請求項16】
前記正方単位の画素において、半導体層内に形成される前記複数の光電変換素子の間は、不純物によって分離されている
請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項17】
前記複数の光電変換素子の出力は、位相差検出に用いられる
請求項2に記載の固体撮像装置。
【請求項18】
前記第1導電型は、N型であり、
前記第2導電型は、P型である
請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項19】
1つの光電変換素子を形成した画素を含む複数の画素を2次元状に配列した画素アレイ部を備え、
前記画素アレイ部は、1つのオンチップレンズに対して配置された複数の画素を含み、
前記複数の画素を構成する画素の間に形成される画素間分離部及び画素間遮光部の少なくとも一方は、その一部が、前記複数の画素の中心に向けて突起状にせり出して、第1の突起部と第2の突起部を形成しており、
前記複数の光電変換素子は、第1導電型の領域として形成され、
前記第1の突起部と前記第2の突起部は、前記複数の光電変換素子の間の第2導電型の領域に対して形成され、
前記第1の突起部と前記第2の突起部は、接触していない
固体撮像装置。
【請求項20】
前記オンチップレンズは、行方向又は列方向に連続する2つの画素に跨がった楕円型の形状からなり、
前記画素間分離部及び前記画素間遮光部の少なくとも一方は、その一部が、前記2つの画素の間にせり出し、前記第1の突起部と前記第2の突起部を形成している
請求項19に記載の固体撮像装置。
【請求項21】
前記オンチップレンズは、2行2列の4つの画素に跨がった円型の形状からなり、
前記画素間分離部及び前記画素間遮光部の少なくとも一方は、その一部が、前記4つの画素の中心に向けてせり出し、前記第1の突起部と前記第2の突起部を形成している
請求項19に記載の固体撮像装置。
【請求項22】
1つのオンチップレンズに対して複数の光電変換素子を形成した画素を含む複数の画素を2次元状に配列した画素アレイ部を有し、
前記画素の間に形成される画素間分離部及び画素間遮光部の少なくとも一方は、その一部が、前記画素の中心に向けて突起状にせり出して、第1の突起部と第2の突起部を形成しており、
前記複数の光電変換素子は、第1導電型の領域として形成され、
前記第1の突起部と前記第2の突起部は、前記複数の光電変換素子の間の第2導電型の領域に対して形成され、
前記第1の突起部と前記第2の突起部は、接触していない
固体撮像装置
が搭載された電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、固体撮像装置、及び電子機器に関し、特に、撮像画像の劣化を抑制しつつ、位相差検出の精度の向上を図ることができるようにした固体撮像装置、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オートフォーカスの速度向上を図るために、像面位相差検出画素を配置した固体撮像装置が使用されている。
【0003】
この種の固体撮像装置においては、オンチップレンズで集光した光を瞳分割するために、金属膜等によって、部分的に遮光する方式が多く採用され、一般的であるが、遮光画素で得られる情報は、撮像画像の情報としては使用できないため、周辺の画素から得られる情報を用いて補間しなければならない。
【0004】
また、遮光画素は、有効画素に対し、全面配置ができないため、位相差画素全体が受ける光量が少なくなり、特に弱光量時における位相差検出の精度が低下するという欠点がある。
【0005】
これを回避するための技術としては、1つのオンチップレンズの下側に、光電変換素子を複数埋め込むことで、瞳分割を行う方式があり、例えば、一眼レフカメラやスマートフォン内蔵カメラ向けの固体撮像装置として採用されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-165126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、単一のオンチップレンズ直下に、2つの光電変換素子を有する固体撮像装置においては、一方の光電変換素子の出力に、他方の光電変換素子の出力が混じることで、位相差検出の精度の低下を招いてしまう場合がある。
【0008】
これを回避するための技術としては、2つの光電変換素子の間に、物理的な分離部を設けることが想定される。しかしながら、特にフォーカスが一致している場合に、この分離部が、光電変換素子での光電変換の妨げとなり、感度が低下してしまうことに加えて、この分離部にて光の散乱が発生することで、分光特性が劣化し、結果として、撮像画像の画質の低下を招いてしまう恐れがある。
【0009】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、撮像画像の劣化を抑制しつつ、位相差検出の精度の向上を図ることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本技術の一側面の固体撮像装置は、1つのオンチップレンズに対して複数の光電変換素子を形成した画素を含む複数の画素を2次元状に配列した画素アレイ部を備え、前記画素の間に形成される画素間分離部及び画素間遮光部の少なくとも一方は、その一部が、前記画素の中心に向けて突起状にせり出して、第1の突起部と第2の突起部を形成しており、前記複数の光電変換素子は、第1導電型の領域として形成され、前記第1の突起部と前記第2の突起部は、前記複数の光電変換素子の間の第2導電型の領域に対して形成され、前記第1の突起部と前記第2の突起部は、接触していない固体撮像装置である。
【0011】
本技術の一側面の固体撮像装置においては、1つのオンチップレンズに対して複数の光電変換素子を形成した画素を含む複数の画素を2次元状に配列した画素アレイ部が設けられ、前記画素の間に形成される画素間分離部及び画素間遮光部の少なくとも一方は、その一部が、前記画素の中心に向けて突起状にせり出すことによって、第1の突起部と第2の突起部が形成される。また、前記複数の光電変換素子は、第1導電型の領域として形成され、前記第1の突起部と前記第2の突起部は、前記複数の光電変換素子の間の第2導電型の領域に対して形成され、前記第1の突起部と前記第2の突起部は、接触していない構造となっている。
【0012】
本技術の一側面の固体撮像装置は、1つの光電変換素子を形成した画素を含む複数の画素を2次元状に配列した画素アレイ部を備え、前記画素アレイ部は、1つのオンチップレンズに対して配置された複数の画素を含み、前記複数の画素を構成する画素の間に形成される画素間分離部及び画素間遮光部の少なくとも一方は、その一部が、前記複数の画素の中心に向けて突起状にせり出して、第1の突起部と第2の突起部を形成しており、前記複数の光電変換素子は、第1導電型の領域として形成され、前記第1の突起部と前記第2の突起部は、前記複数の光電変換素子の間の第2導電型の領域に対して形成され、前記第1の突起部と前記第2の突起部は、接触していない固体撮像装置である。
【0013】
本技術の一側面の固体撮像装置においては、1つの光電変換素子を形成した画素を含む複数の画素を2次元状に配列した画素アレイ部が設けられ、前記画素アレイ部には、1つのオンチップレンズに対して配置された複数の画素が含まれ、前記複数の画素を構成する画素の間に形成される画素間分離部及び画素間遮光部の少なくとも一方は、その一部が、前記複数の画素の中心に向けて突起状にせり出すことによって、第1の突起部と第2の突起部が形成される。また、前記複数の光電変換素子は、第1導電型の領域として形成され、前記第1の突起部と前記第2の突起部は、前記複数の光電変換素子の間の第2導電型の領域に対して形成され、前記第1の突起部と前記第2の突起部は、接触していない構造となっている。
【0014】
本技術の一側面の電子機器は、1つのオンチップレンズに対して複数の光電変換素子を形成した画素を含む複数の画素を2次元状に配列した画素アレイ部を有し、前記画素の間に形成される画素間分離部及び画素間遮光部の少なくとも一方は、その一部が、前記画素の中心に向けて突起状にせり出して、第1の突起部と第2の突起部を形成しており、前記複数の光電変換素子は、第1導電型の領域として形成され、前記第1の突起部と前記第2の突起部は、前記複数の光電変換素子の間の第2導電型の領域に対して形成され、前記第1の突起部と前記第2の突起部は、接触していない固体撮像装置が搭載された電子機器である。
【0015】
本技術の一側面の電子機器に搭載される固体撮像装置においては、1つのオンチップレンズに対して複数の光電変換素子を形成した画素を含む複数の画素を2次元状に配列した画素アレイ部が設けられ、前記画素の間に形成される画素間分離部及び画素間遮光部の少なくとも一方は、その一部が、前記画素の中心に向けて突起状にせり出すことで、第1の突起部と第2の突起部が形成される。また、前記複数の光電変換素子は、第1導電型の領域として形成され、前記第1の突起部と前記第2の突起部は、前記複数の光電変換素子の間の第2導電型の領域に対して形成され、前記第1の突起部と前記第2の突起部は、接触していない構造となっている。
【発明の効果】
【0016】
本技術の一側面によれば、撮像画像の劣化を抑制しつつ、位相差検出の精度の向上を図ることができる。
【0017】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本技術を適用した固体撮像装置の一実施の形態の構成例を示す図である。
図2】1つのオンチップレンズの直下に2つの光電変換素子を有する画素の構造を示す断面図である。
図3】光電変換素子ごとの光の入射角に応じた出力結果を示す図である。
図4】1つのオンチップレンズの直下に2つの光電変換素子を有する画素の構造を示す図である。
図5】位相差検出の精度を向上させるための画素の構造を示す図である。
図6】一般的な画素の平面レイアウトを示す図である。
図7】一般的な画素の構造を示す断面図である。
図8】一般的な画素のシリコン層の内部のN型ポテンシャルを説明する図である。
図9】第1の実施の形態の画素の平面レイアウトを示す図である。
図10】第1の実施の形態の画素のシリコン層の内部のN型ポテンシャルを説明する図である。
図11】第1の実施の形態の画素の構造を示す第1の断面図である。
図12】第1の実施の形態の画素の構造を示す第2の断面図である。
図13】第1の実施の形態の画素の構造を示す第3の断面図である。
図14】第1の実施の形態の画素の構造を示す3次元の図である。
図15】第2の実施の形態の画素の構造を示す3次元の図である。
図16】第3の実施の形態の画素の構造を示す3次元の図である。
図17】第4の実施の形態の画素の構造を示す平面図である。
図18】第4の実施の形態の画素の構造の第1の変形例を示す平面図である。
図19】第4の実施の形態の画素の構造の第2の変形例を示す平面図である。
図20】第4の実施の形態の画素の構造の第3の変形例を示す平面図である。
図21】第4の実施の形態の画素の構造の第4の変形例を示す平面図である。
図22】第5の実施の形態の画素の構造を示す平面図である。
図23】入射光のスポットの径と突起部の長さとの関係を説明する図である。
図24】第6の実施の形態の画素の構造を示す平面図である。
図25】第7の実施の形態の画素の構造を示す平面図である。
図26】第7の実施の形態の画素の構造の変形例を示す平面図である。
図27】第8の実施の形態の画素の構造を示す平面図である。
図28】第9の実施の形態の画素の平面レイアウトを示す図である。
図29】第9の実施の形態の画素のシリコン層の内部のN型ポテンシャルを説明する図である。
図30】第9の実施の形態の画素の構造を示す断面図である。
図31】第10の実施の形態の画素の構造の第1の例を示す断面図である。
図32】第10の実施の形態の画素の構造の第2の例を示す断面図である。
図33】第10の実施の形態の画素の構造の第3の例を示す断面図である。
図34】第10の実施の形態の画素の構造の第4の例を示す断面図である。
図35】第10の実施の形態の画素の構造の第5の例を示す断面図である。
図36】第10の実施の形態の画素の構造の第6の例を示す断面図である。
図37】第10の実施の形態の画素の構造の第7の例を示す断面図である。
図38】第10の実施の形態の画素の構造の第8の例を示す断面図である。
図39】第10の実施の形態の画素の構造の第9の例を示す断面図である。
図40】第10の実施の形態の画素の構造の第10の例を示す断面図である。
図41】第10の実施の形態の画素の構造の第11の例を示す断面図である。
図42】第10の実施の形態の画素の電位分布を模式的に表した図である。
図43】第11の実施の形態の画素の構造の第1の例を示す断面図である。
図44】第11の実施の形態の画素の構造の第2の例を示す断面図である。
図45】第11の実施の形態の画素の構造の第3の例を示す断面図である。
図46】第11の実施の形態の画素の構造の第4の例を示す平面図である。
図47】第11の実施の形態の画素の構造の第5の例を示す平面図である。
図48】第11の実施の形態の画素の構造の第6の例を示す断面図である。
図49】第12の実施の形態の画素の構造の第1の例を示す断面図である。
図50】光電変換素子ごとの光の入射角に応じた出力結果を示す図である。
図51】第12の実施の形態の画素の構造の第2の例を示す断面図である。
図52】第12の実施の形態の画素の構造の第3の例を示す断面図である。
図53】第12の実施の形態の画素の構造の第4の例を示す断面図である。
図54】第12の実施の形態の画素の構造の第5の例を示す断面図である。
図55】第12の実施の形態の画素の構造の第6の例を示す平面図である。
図56】第12の実施の形態の画素の構造の第7の例を示す平面図である。
図57】第13の実施の形態の画素の平面レイアウトと断面の例を示す図である。
図58】一般的な画素の構造を示す断面図である。
図59】第13の実施の形態の画素の構造の第1の例を示す断面図である。
図60】第13の実施の形態の画素の構造の第2の例を示す断面図である。
図61】第13の実施の形態の画素の構造の第3の例を示す断面図である。
図62】各実施の形態の画素の回路構成を示す図である。
図63】本技術を適用した固体撮像装置を有する電子機器の構成例を示すブロック図である。
図64】本技術を適用した固体撮像装置の使用例を示す図である。
図65】本開示に係る技術を適用し得る積層型の固体撮像装置の構成例の概要を示す図である。
図66】積層型の固体撮像装置の第1の構成例を示す断面図である。
図67】積層型の固体撮像装置の第2の構成例を示す断面図である。
図68】積層型の固体撮像装置の第3の構成例を示す断面図である。
図69】本開示に係る技術を適用し得る積層型の固体撮像装置の他の構成例を示す断面図である。
図70】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
図71】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本技術の実施の形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行うものとする。
【0020】
1.固体撮像装置の構成
2.前提となる技術
3.本技術の実施の形態
(1)第1の実施の形態:画素間Si分離での突起部を設けた構造(基本構造)
(2)第2の実施の形態:画素間遮光での突起部を設けた構造
(3)第3の実施の形態:画素間Si分離と画素間遮光での突起部を設けた構造
(4)第4の実施の形態:R,G,B画素ごとに突起部を形成した構造
(5)第5の実施の形態:突起部の長さを調整した構造
(6)第6の実施の形態:画素ごとに突起部の長さを調整した構造
(7)第7の実施の形態:楕円型オンチップレンズを用いた構造
(8)第8の実施の形態:単一オンチップレンズに複数画素を配置した構造
(9)第9の実施の形態:光の入射側の反対側の面から物理分離した構造
(10)第10の実施の形態:PDの中央部分とその他の部分とで固定電荷量を変えた構造
(11)第11の実施の形態:同色のPDの中央部分を低屈折の領域とし、異色のPDの中央部分を金属の領域とした構造
(12)第12の実施の形態:OCLを複数種類の屈折率の異なる物質で構成した構造
(13)第13の実施の形態:同色のPDの中央部分に縦型トランジスタを形成した構造
4.画素の回路構成
5.変形例
6.電子機器の構成
7.固体撮像装置の使用例
8.本開示に係る技術を適用し得る積層型の固体撮像装置の構成例
9.移動体への応用例
【0021】
<1.固体撮像装置の構成>
【0022】
(固体撮像装置の構成例)
図1は、本技術を適用した固体撮像装置の一実施の形態の構成例を示す図である。
【0023】
図1のCMOSイメージセンサ10は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いた固体撮像装置の一例である。CMOSイメージセンサ10は、光学レンズ系(不図示)を介して被写体からの入射光(像光)を取り込んで、撮像面上に結像された入射光の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号として出力する。
【0024】
図1において、CMOSイメージセンサ10は、画素アレイ部11、垂直駆動回路12、カラム信号処理回路13、水平駆動回路14、出力回路15、制御回路16、及び入出力端子17を含んで構成される。
【0025】
画素アレイ部11には、複数の画素100が2次元状(行列状)に配列される。画素100は、光電変換素子としてのフォトダイオード(PD:Photodiode)と、複数の画素トランジスタを有して構成される。例えば、画素トランジスタは、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅トランジスタ、及び選択トランジスタから構成される。
【0026】
なお、以下の説明では、画素アレイ部11に配列される画素として、画素100のほか、画素200、画素300、画素400、及び画素500についても説明する。
【0027】
垂直駆動回路12は、例えばシフトレジスタによって構成され、所定の画素駆動線21を選択して、選択された画素駆動線21に画素100を駆動するためのパルスを供給し、行単位で画素100を駆動する。すなわち、垂直駆動回路12は、画素アレイ部11の各画素100を行単位で順次垂直方向に選択走査し、各画素100の光電変換素子において受光量に応じて生成された信号電荷(電荷)に基づく画素信号を、垂直信号線22を通してカラム信号処理回路13に供給する。
【0028】
カラム信号処理回路13は、画素100の列ごとに配置されており、1行分の画素100から出力される信号を画素列ごとにノイズ除去などの信号処理を行う。例えば、カラム信号処理回路13は、画素固有の固定パターンノイズを除去するための相関二重サンプリング(CDS:Correlated Double Sampling)及びAD(Analog Digital)変換等の信号処理を行う。
【0029】
水平駆動回路14は、例えばシフトレジスタによって構成され、水平走査パルスを順次出力することによって、カラム信号処理回路13の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路13の各々から画素信号を水平信号線23に出力させる。
【0030】
出力回路15は、カラム信号処理回路13の各々から水平信号線23を通して順次に供給される信号に対し、信号処理を行って出力する。なお、出力回路15は、例えば、バッファリングだけする場合もあるし、黒レベル調整、列ばらつき補正、各種デジタル信号処理などが行われる場合もある。
【0031】
制御回路16は、CMOSイメージセンサ10の各部の動作を制御する。
【0032】
また、制御回路16は、垂直同期信号、水平同期信号、及びマスタクロック信号に基づいて、垂直駆動回路12、カラム信号処理回路13、及び水平駆動回路14などの動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。制御回路16は、生成したクロック信号や制御信号を、垂直駆動回路12、カラム信号処理回路13、及び水平駆動回路14などに出力する。
【0033】
入出力端子17は、外部と信号のやりとりを行う。
【0034】
以上のように構成される、図1のCMOSイメージセンサ10は、CDS処理及びAD変換処理を行うカラム信号処理回路13が画素列ごとに配置されたカラムAD方式と呼ばれるCMOSイメージセンサとされる。また、図1のCMOSイメージセンサ10は、例えば、裏面照射型のCMOSイメージセンサとすることができる。
【0035】
<2.前提となる技術>
【0036】
(画素の構造)
図2は、1つのオンチップレンズ711の直下に2つの光電変換素子713A,713Bを有する画素700の構造を示す断面図である。なお、画素700は、オンチップレンズ711と光電変換素子713A,713Bのほかに、カラーフィルタ712、画素間遮光部714、画素間分離部715、及び転送ゲート151A,151Bを含んで構成される。
【0037】
図2において、画素700は、1つのオンチップレンズ711に対し、光電変換素子713Aと光電変換素子713Bの2つの光電変換素子が設けられた構造からなる。なお、以下の説明では、このような構造を、2PD構造とも表記する。
【0038】
画素700において、オンチップレンズ711により集光された入射光ILは、カラーフィルタ712を通過して、光電変換素子713A又は光電変換素子713Bにおける光電変換領域に照射される。
【0039】
図2の例では、入射光ILが、その入射角θiに応じて、光電変換素子713Aの光電変換領域に集中的に照射されている。このとき、理想的には、光電変換素子713Aの出力を100とすれば、光電変換素子713Bの出力は0となっているべきであるが、実際には、光電変換素子713Bからも一定量の出力がなされる。
【0040】
図3には、光電変換素子713ごとの光の入射角θiに応じた出力結果を示している。図3においては、光電変換素子713Aの出力を、実線の曲線Aにより表し、光電変換素子713Bの出力を、点線の曲線Bにより表している。
【0041】
図3において、光電変換素子713Aの出力に応じた曲線Aと、光電変換素子713Bの出力に応じた曲線Bとは、入射角θiが0度となるとき、すなわち、光が真上から入射されたときにその出力の値が一致している。すなわち、曲線Aと曲線Bとは、入射角θi = 0のときの出力を対称軸とした線対称の関係を有している。
【0042】
このような関係を有していることから、例えば、図2に示したような光電変換素子713Aの光電変換領域に対し、入射光ILが集中的に照射されている場合に、光電変換素子713Aの出力だけでなく、光電変換素子713Bの出力が多くなってしまうと、位相差検出の精度の低下を招くことになる。例えば、図3において、入射角θaに注目すれば、光電変換素子713Aからの出力だけでなく、光電変換素子713Bからの出力がなされている。
【0043】
すなわち、光電変換素子713Aと光電変換素子713Bとは、位相差検出のために対になって用いられるが、一方の光電変換素子713(713A、又は713B)の出力に対し、他方の光電変換素子713(713B,又は713A)の出力が混じってしまうと、検出精度の低下に繋がることになる。
【0044】
ここで、一方の光電変換素子713の出力に対し、他方の光電変換素子713の出力が混じらないようにするための構造として、シリコン(Si)層内に形成される光電変換素子713Aと光電変換素子713Bとの間に、物理的な分離部を形成する構造が想定される。
【0045】
具体的には、図4には、図2に対応した2PD構造を有する画素700を示しており、その平面図やX-X'断面の図に示すように、画素間遮光部714や画素間分離部715は形成されているが、光電変換素子713Aと光電変換素子713Bとの間には、物理的な分離部は形成されていない。
【0046】
それに対し、図5には、光電変換素子の間に物理的な分離部が設けられた画素800を示している。図5の画素800において、光電変換素子813Aと光電変換素子813Bとの間には、シリコン層内に、素子間分離部816が形成され、光電変換素子813Aと光電変換素子813Bとが物理的に分離されている。
【0047】
このように、2PD構造を有する画素800においては、素子間分離部816を形成することで、一方の光電変換素子813(813A、又は813B)の出力に対し、他方の光電変換素子813(813B、又は813A)の出力が混じらないようにして、位相差検出の精度を向上させることができる。
【0048】
しかしながら、図5に示した画素800において、素子間分離部816を形成した場合には、特に、フォーカスが一致しているときに、素子間分離部816が、光電変換素子813A又は光電変換素子813Bの光電変換領域での光電変換の妨げとなって、感度が低下する恐れがある。また、素子間分離部816にて光の散乱(図5の「SL」)が発生することで、分光特性が劣化し、撮像画像の画質の低下をもたらすことが確認されている。
【0049】
<3.本技術の実施の形態>
【0050】
次に、本技術を適用した画素100の構造について説明するが、ここでは、比較のために、図6ないし図8を参照して、一般的な画素900の構造を説明した後に、図9ないし図62を参照して、本技術を適用した画素100の構造について説明する。
【0051】
(一般的な画素の構造)
まず、図6ないし図8を参照しながら、一般的な画素900の構造を説明する。図6は、一般的な画素900の平面レイアウトを示す図である。なお、画素900は、オンチップレンズ911、カラーフィルタ912、光電変換素子913A,913B、画素間遮光部914、画素間分離部915、及び転送ゲート951A,951Bを含んで構成される。
【0052】
図6においては、画素アレイ部に2次元状(行列状)に配列される複数の画素900のうち、一部の領域に配列配置される4行4列の画素900を代表して例示している。また、図6においては、画素アレイ部に配列された画素900のi行j列を、画素900-ijと表記している。
【0053】
この画素アレイ部においては、ベイヤー配列によって、複数の画素900を2次元状に配列している。ここで、ベイヤー配列とは、緑(G:Green)のG画素が市松状に配され、残った部分に、赤(R:Red)のR画素と、青(B:Blue)のB画素とが一列ごとに交互に配される配列パターンである。
【0054】
なお、以下の説明では、カラーフィルタとして、赤(R)の波長成分を透過するRカラーフィルタが設けられ、当該Rカラーフィルタを透過した光から、R成分の光に対応した電荷を得る画素を、R画素と表記する。また、緑(G)の波長成分を透過するGカラーフィルタを透過した光から、G成分の光に対応した電荷を得る画素を、G画素と表記する。また、青(B)の波長成分を透過するBカラーフィルタを透過した光から、B成分の光に対応した電荷を得る画素を、B画素と表記する。
【0055】
画素アレイ部において、各画素900は、2PD構造からなる正方単位の画素であって、正方格子状(正方形の格子状)に配置される画素間分離部915によって、シリコン層内で物理的に分離されている。なお、図6には示されていないが、この画素アレイ部においては、画素間遮光部914が、画素間分離部915と同様に、正方格子状に配置されている。
【0056】
また、各画素900は、2PD構造を有するため、シリコン層内に、光電変換素子913Aの光電変換領域と、光電変換素子913Bの光電変換領域とが形成されている。これらの光電変換領域は、図中の列方向の点線で示すように、シリコン層内の不純物によって分離されている。
【0057】
ここで、図6に示した平面図におけるX-X'断面であるが、図7に示すような断面図で表すことができる。ただし、ここでは、図6に示した4行4列の画素配列において、左上の画素900が、画素900-11であるものとする。したがって、X-X'断面の対象となる画素900は、G画素900-41,B画素900-42,G画素900-43,B画素900-44の4つである。
【0058】
図7において、G画素900-41は、光電変換素子913Aと光電変換素子913Bを有する2PD構造となっている。光電変換素子913Aでは、オンチップレンズ911により集光され、Gカラーフィルタ912を透過した光から、G成分の光に対応した電荷が生成される。また、光電変換素子913Bでは、光電変換素子913Aと同様に、G成分の光に対応した電荷が生成される。
【0059】
G画素900-43においては、G画素900-41と同様に、光電変換素子913Aと光電変換素子913Bによって、G成分に対応した電荷が生成される。また、B画素900-42,B画素900-44においては、光電変換素子913Aと光電変換素子913Bによって、B成分に対応した電荷が生成される。
【0060】
このようにして、各画素900において、光電変換素子913Aと光電変換素子913Bにより生成された電荷は、転送ゲート951Aと転送ゲート951Bを介して読み出され、位相差検出の情報として用いられる。
【0061】
ここで、図8には、画素900の光の入射側の面(光入射面)の平面図であって、シリコン層の内部のN型のポテンシャルを表している。すなわち、正方格子状に形成される画素間分離部915によって物理的に分離されている画素900において、光電変換素子913Aの光電変換領域と、光電変換素子913Bの光電変換領域は、N型の領域として形成され、それらの光電変換領域を除いた領域は、P型の領域として形成される。
【0062】
このような構造からなる画素900においては、光電変換領域を除いたP型の領域では、電荷が溜まらないため、P型の領域にて発生した電荷は、光電変換素子913Aと光電変換素子913Bのどちらの光電変換領域側に移動すればよいのかが分からない状態になってしまう。なお、N型となる光電変換領域では、その断面を考慮した場合に、転送ゲート951側に行くほど、その濃度が高くなるため、光入射面側では、濃度が低くなっている。そのため、光電変換領域において、N型の濃度の低い光の入射面側で発生した電荷は引き込みにくくなる。
【0063】
すなわち、図8においては、P型の領域A1,A2での光電変換素子間の分離性の寄与が低いため、光電変換素子913Aと光電変換素子913Bとの間を分離したいが、単に光電変換素子913Aと光電変換素子913Bとの間に物理的な分離部(図5の素子間分離部816)を設けた場合には撮像画像の画質が低下してしまうのは先に述べた通りである。
【0064】
そこで、本開示に係る技術(本技術)では、P型の領域A1,A2に対し、画素間分離部又は画素間遮光部から突起状にせり出した突起部を設けて、P型の領域にて発生した電荷の行き先を分けることで、撮像画像の劣化を抑制しつつ、位相差検出の精度の向上を図ることができるようにする。
【0065】
以下、本技術の具体的な内容について、第1の実施の形態ないし第13の実施の形態によって説明するが、まず、第1の実施の形態ないし第9の実施の形態で、突起部を設けた構造を説明し、その後に、第10の実施の形態ないし第13の実施の形態で、それ以外の構造についても説明する。
【0066】
(1)第1の実施の形態
【0067】
(画素の平面レイアウト)
図9は、第1の実施の形態の画素100の平面レイアウトを示す図である。
【0068】
図9においては、画素アレイ部11に2次元状に配列される複数の画素100のうち、一部の領域に配列される4行4列の画素100を代表して例示している。画素アレイ部11においては、ベイヤー配列によって、複数の画素100が、2次元状に配列されている。
【0069】
また、図9においては、画素アレイ部11に配列された画素100のi行j列を、画素100-ijと表記している。なお、この表記については、後述する他の実施の形態においても同様とされる。
【0070】
画素アレイ部11において、各画素100は、2PD構造からなる正方単位の画素であって、正方格子状に配置される画素間分離部115によって、シリコン層(半導体層)内で物理的に分離されている。
【0071】
ただし、画素アレイ部11に配列される画素100のうち、G画素100においては、画素間分離部115の一部が、G画素100の中心に向けて突起状にせり出すように形成されている。以下の説明では、この突起状にせり出している部分を、突起部115Pと表記する。
【0072】
例えば、図9に示した画素アレイ部11における4行4列の画素配列において、左上の画素100が、画素100-11であるとすれば、G画素100-12,G画素100-14,G画素100-21,G画素100-23,G画素100-32,G画素100-34,G画素100-41,及びG画素100-43が、突起部115Pが形成される対象のG画素100とされる。
【0073】
すなわち、これらのG画素100においては、画素間分離部115の一部が、G画素100の中心に向けて突起状にせり出して、突起部115Pが形成されている。ここで、図10に示すように、突起部115Pが形成されている領域は、上述した図8において、光電変換素子間の分離性の寄与が低いとされたP型の領域A1,A2に対応している。
【0074】
このP型の領域A1,A2に対応した2箇所の領域に、画素間分離部115から突起状にせり出した突起部115Pがそれぞれ形成されるようにすることで、P型の領域にて発生した電荷の行き先が分けられるため、感度の低下や混色の増加を抑制しつつ、位相差検出の精度向上を実現することができる。
【0075】
また、G画素100は、2PD構造を有するため、シリコン層に、光電変換素子113Aの光電変換領域と、光電変換素子113Bの光電変換領域とが形成されている。これらの光電変換領域は、図9の列方向の点線で示すように、シリコン層内の不純物によって分離されている。つまり、瞳分割を担うG画素100の中心には、物理的な分離部(図5の素子間分離部816)は形成せずに、シリコン層の内部の不純物分布によって、光電変換領域が分離されている。
【0076】
ここで、図9に示した平面図におけるX1-X1'断面であるが、図11に示すような断面図で表すことができる。ただし、ここでも、4行4列の画素配列において、左上の画素100が、画素100-11であるとすれば、X1-X1'断面の対象となるのは、G画素100-41,B画素100-42,G画素100-43,B画素100-44の4つである。
【0077】
図11において、G画素100-41は、光電変換素子113Aと光電変換素子113Bを有する2PD構造となっている。光電変換素子113Aでは、オンチップレンズ111により集光され、Gカラーフィルタ112を透過した光から、G成分の光に対応した電荷が生成される。また、光電変換素子113Bでは、光電変換素子113Aと同様に、G成分の光に対応した電荷が生成される。
【0078】
G画素100-43においては、G画素100-41と同様に、光電変換素子113Aと光電変換素子113Bによって、G成分に対応した電荷が生成される。また、B画素100-42,B画素100-44においては、光電変換素子113Aと光電変換素子113Bによって、B成分に対応した電荷が生成される。
【0079】
このようにして、各画素100において、光電変換素子113Aと光電変換素子113Bにより生成された電荷は、転送ゲート151Aと転送ゲート151Bを介して読み出され、位相差検出の情報として用いられる。
【0080】
なお、画素100-41ないし100-44は、2PD構造からなる正方単位の画素であって、正方格子状に配置される画素間遮光部114によって、隣り合う画素の間が遮光されている。画素間遮光部114は、例えば、タングステン(W)やアルミニウム(Al)を含む金属等の物質により形成され、オンチップレンズ111と、光電変換領域が形成されたシリコン層との間の領域に配置される。
【0081】
また、画素100-41ないし100-44は、正方格子状に配置される画素間分離部115によって、シリコン層内で隣り合う画素の間が物理的に分離されている。すなわち、ここでは、例えば、DTI(Deep Trench Isolation)技術を用いて、光電変換領域が形成されたシリコン層内に、光の入射側の面(光入射面)から、正方単位の画素の形状に応じて正方格子状に掘り込まれた溝部(トレンチ)に対し、例えば、酸化膜や金属等の物質を埋め込むことで、画素間分離部115が形成される。
【0082】
ここで、G画素100-41とG画素100-43には、光電変換素子113Aと光電変換素子113Bとの間に、突起部115Pが形成されている。すなわち、図11に示したG画素100-41とG画素100-43においては、画素間分離部115の一部が、そのG画素100の中心に向けて突起状にせり出すことで、突起部115Pが形成されている。
【0083】
また、図9に示した平面図におけるX2-X2'断面であるが、図12に示すような断面図で表すことができる。ただし、図12においては、図11と同様に、G画素100-41,B画素100-42,G画素100-43,B画素100-44が、X2-X2'断面の対象とされる。
【0084】
ここで、X2-X2'断面は、G画素100の中心を含む断面であるため、その中心に向けて突起状にせり出した突起部115Pは含まれていない。すなわち、図12に示したG画素100-41とG画素100-43において、光電変換素子113Aと光電変換素子113Bとの間には、突起部115Pが形成されていない。
【0085】
さらに、図9に示した平面図におけるY-Y'断面であるが、図13に示すような断面図で表すことができる。ただし、ここでも、4行4列の画素配列において、左上の画素100が、画素100-11であるとすれば、Y-Y'断面の対象となるのは、G画素100-12,B画素100-22,G画素100-32,B画素100-42の4つである。
【0086】
図13において、G画素100-12とG画素100-32では、画素間分離部115の一部が、そのG画素100の中心に向けて突起状にせり出すことで、突起部115Pが形成されている。ただし、図13に示した突起部115Pにおいては、せり出している部分ごとにその深さが異なっている(深さが均一ではない)。
【0087】
すなわち、図9に示した平面図で見たときに、突起部115Pは、画素間分離部115に対し、T字型に形成されていると捉えることができるが、図13に示すように、突起部115Pの根元部分は、画素間分離部115と同等の深さからなり、突起部115Pの先端側に行くほど、その深さが、徐々に浅くなっている。
【0088】
以上のように、G画素100においては、画素間分離部115の一部が、そのG画素100の中心に向けて突起状にせり出すことで、突起部115Pが形成されているが、図11ないし図13に示したように、その断面の切り口によって、突起部115Pの有無や、その形状(深さ)などが異なっている。
【0089】
換言すれば、2PD構造からなる画素100において、画素間分離部115の突起部115Pが形成される場合に、画素100の中心を含んでいない第1の断面(例えば、図11の断面)では、2つの光電変換領域の間に、突起部115Pの断面が含まれるが、画素100の中心を含む第2の断面(例えば、図12の断面)では、2つの光電変換領域の間に、突起部115Pの断面は含まれていない。
【0090】
(第1の実施の形態の画素の構造)
図14は、第1の実施の形態の画素100の立体的な構造を示す3次元の図である。
【0091】
図14においては、画素アレイ部11に2次元状に配列される複数の画素100のうち、任意の画素100(例えば、突起部115Pが形成されたG画素100)を図示している。画素アレイ部11において、隣り合う画素の間には、正方格子状に、画素間遮光部114と画素間分離部115が形成されている。
【0092】
画素間遮光部114は、タングステン(W)やアルミニウム(Al)等の金属により正方格子状に形成され、隣り合う画素の間を遮光している。また、画素間分離部115は、シリコン層内に掘り込まれた正方格子状の溝部(トレンチ)に埋め込まれた酸化膜や金属等により形成され、隣り合う画素の間を物理的に分離している。
【0093】
第1の実施の形態においては、2PD構造からなる正方単位の画素100に対し、正方格子状に形成される画素間遮光部114及び画素間分離部115のうち、画素間分離部115の一部が、画素100の中心に向けて突起状にせり出すことで、突起部115Pを形成している。
【0094】
突起部115Pの材料としては、画素間分離部115と同一の材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。例えば、画素間分離部115が酸化膜により形成される場合には、突起部115Pも酸化膜により形成することができる。また、例えば、画素間分離部115を金属により形成した場合に、突起部115Pが酸化膜により形成されるようにしてもよい。
【0095】
このように、画素100において、画素間分離部115に対し、2箇所に形成された突起部115Pは、シリコン層内で分離性の寄与が低い領域に対して形成されており、このような領域に対し、突起部115Pを形成することで、感度の低下や混色の増加を抑制しつつ、位相差検出の精度向上を実現することができる。
【0096】
なお、詳細な内容は、図22及び図23を参照して後述するが、オンチップレンズ111の直下では、突起部115Pによる物理的な分離(シリコン分離)がなされないようにするため、例えば、突起部115Pのせり出している部分の長さは、オンチップレンズ111による集光スポット径に応じて決定することができる。
【0097】
以上、第1の実施の形態について説明した。
【0098】
(2)第2の実施の形態
【0099】
(第2の実施の形態の画素の構造)
図15は、第2の実施の形態の画素100の立体的な構造を示す3次元の図である。
【0100】
図15においては、上述した図14と同様に、画素アレイ部11に2次元状に配列される複数の画素100のうち、任意の画素100が図示されている。画素アレイ部11において、隣り合う画素の間には、正方格子状に、画素間遮光部114と画素間分離部115が形成されている。
【0101】
第2の実施の形態においては、2PD構造からなる正方単位の画素100に対し、正方格子状に形成される画素間遮光部114及び画素間分離部115のうち、画素間遮光部114の一部が、画素100の中心に向けて突起状にせり出すことで、突起部114Pを形成している。
【0102】
なお、突起部114Pの材料としては、画素間遮光部114と同一の材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。
【0103】
このように、上述した第1の実施の形態では、画素間分離部115に対し、突起部115Pを形成した場合を説明したが、第2の実施の形態においては、画素間遮光部114に対し、突起部114Pを形成している。
【0104】
すなわち、画素100において、画素間遮光部114に対し、2箇所に形成された突起部114Pは、シリコン層内で分離性の寄与が低い領域に対して形成されており、このような領域に対し、突起部114Pを形成することで、感度の低下や混色の増加を抑制しつつ、位相差検出の精度向上を実現することができる。
【0105】
なお、詳細な内容は、図22及び図23を参照して後述するが、例えば、突起部114Pのせり出している部分の長さは、オンチップレンズ111による集光スポット径に応じて決定することができる。
【0106】
以上、第2の実施の形態について説明した。
【0107】
(3)第3の実施の形態
【0108】
(第3の実施の形態の画素の構造)
図16は、第3の実施の形態の画素100の立体的な構造を示す3次元の図である。
【0109】
図16においては、上述した図14及び図15と同様に、画素アレイ部11に2次元状に配列される複数の画素100のうち、任意の画素100が図示されている。画素アレイ部11において、隣り合う画素の間には、正方格子状に、画素間遮光部114と画素間分離部115が形成されている。
【0110】
第3の実施の形態においては、2PD構造からなる正方単位の画素100に対し、正方格子状に形成される画素間遮光部114及び画素間分離部115の双方の一部が、画素100の中心に向けて突起状にせり出すことで、突起部114P及び突起部115Pを形成している。
【0111】
なお、突起部114Pの材料としては、画素間遮光部114と同一の材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。また、突起部115Pの材料としては、画素間分離部115と同一の材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。
【0112】
このように、上述した第1の実施の形態では、画素間分離部115に対し、突起部115Pを形成した場合を説明し、上述した第2の実施の形態では、画素間遮光部114に対し、突起部114Pを形成した場合を説明したが、第3の実施の形態においては、画素間遮光部114と画素間分離部115の双方に対し、突起部114Pと突起部115Pがそれぞれ形成されている。
【0113】
すなわち、画素100において、画素間遮光部114に対し、2箇所に形成された突起部114Pは、シリコン層内で分離性の寄与が低い領域に対して形成されている。また、画素100において、画素間分離部115に対し、2箇所に形成された突起部115Pは、シリコン層内で分離性の寄与が低い領域に対して形成されている。このような領域に対し、突起部114Pと突起部115Pを形成することで、感度の低下や混色の増加を抑制しつつ、位相差検出の精度向上を実現することができる。
【0114】
なお、詳細な内容は、図22及び図23を参照して後述するが、例えば、突起部114Pと突起部115Pのせり出している部分の長さは、オンチップレンズ111による集光スポット径に応じて決定することができる。
【0115】
以上、第3の実施の形態について説明した。
【0116】
(4)第4の実施の形態
【0117】
(G画素にのみ突起部を形成した構造)
図17は、第4の実施の形態の画素100の構造を示す平面図である。
【0118】
図17においては、画素アレイ部11に2次元状に配列される複数の画素100のうち、一部の領域に配列される4行4列の画素100を代表して例示しているが、ベイヤー配列で配置される画素100のうち、G画素100にのみ、画素間分離部115に対し、突起部115Pが形成されている。
【0119】
例えば、図17に示した4行4列の画素配列において、左上の画素100が、画素100-11であるとすれば、G画素100-12,G画素100-14,G画素100-21,G画素100-23,G画素100-32,G画素100-34,G画素100-41,及びG画素100-43が、突起部115Pを形成した対象のG画素100とされる。
【0120】
ここで、G画素100の出力から得られる情報と、R画素100及びB画素100の出力から得られる情報とを比較した場合に、G画素100の出力から得られる情報が最も多く、例えば、位相差検出の情報を取得する際に、G画素100の出力から得られる情報が支配的であるとするときには、図17に示しているような、突起部115PをG画素100にのみ形成する構成を採用することができる。
【0121】
なお、図17に示したG画素100にのみ、画素間分離部115に対し、突起部115Pを形成した構造は、上述した図9に示した構造と同様とされる。また、画素100に対する、図中の列方向の点線で示すように、光電変換素子113Aの光電変換領域と、光電変換素子113Bの光電変換領域とは、シリコン層内の不純物によって分離されている。
【0122】
また、図17においては、上述した第1の実施の形態に対応して、画素間分離部115に対し、突起部115Pが形成される場合を説明したが、上述した第2の実施の形態に対応して、G画素100にのみ、画素間遮光部114に対し、突起部114Pが形成されるようにしてもよい。さらに、上述した第3の実施の形態に対応して、G画素100にのみ、画素間遮光部114及び画素間分離部115の双方に対し、突起部が形成されるようにしてもよい。
【0123】
(すべての画素に突起部を形成した構造)
図18は、第4の実施の形態の画素100の構造の第1の変形例を示す平面図である。
【0124】
図18においては、画素アレイ部11にベイヤー配列で配置される複数の画素100のうち、任意の4行4列の画素100を例示しているが、すべての画素100で、画素間分離部115に対し、突起部115Pが形成されている。
【0125】
例えば、図18に示した4行4列の画素配列において、左上の画素100が、画素100-11であるとすれば、R画素100(100-11,100-13,100-31,100-33)と、G画素100(100-12,100-14,100-21,100-23,100-32,100-34,100-41,100-43)と、B画素100(100-22,100-24,100-42,100-44)が、突起部115Pを形成した対象の画素100とされる。
【0126】
ここで、R画素100,G画素100,及びB画素100において、突起部115Pを形成した場合には、すべての画素100の出力から位相差検出の情報が得られるため、例えば、位相差検出の情報を、すべての画素100から取得したいときには、図18に示しているような、突起部115Pをすべての画素100に対して形成する構成を採用することができる。
【0127】
なお、図18においては、上述した第1の実施の形態に対応して、画素間分離部115に対し、突起部115Pが形成される場合を説明したが、上述した第2の実施の形態に対応して、すべての画素100で、画素間遮光部114に対し、突起部114Pが形成されるようにしてもよい。さらに、上述した第3の実施の形態に対応して、すべての画素100で、画素間遮光部114及び画素間分離部115の双方に対し、突起部が形成されるようにしてもよい。
【0128】
(R画素にのみ突起部を形成した構造)
図19は、第4の実施の形態の画素100の構造の第2の変形例を示す平面図である。
【0129】
図19においては、画素アレイ部11にベイヤー配列で配置される複数の画素100のうち、任意の4行4列の画素100を例示しているが、R画素100にのみ、画素間分離部115に対し、突起部115Pが形成されている。
【0130】
例えば、図19に示した4行4列の画素配列において、左上の画素100が、画素100-11であるとすれば、R画素100-11,R画素100-13,R画素100-31,及びR画素100-33が、突起部115Pを形成した対象のR画素100とされる。
【0131】
なお、図19においては、上述した第1の実施の形態に対応して、画素間分離部115に対し、突起部115Pが形成される場合を説明したが、上述した第2の実施の形態に対応して、R画素100にのみ、画素間遮光部114に対し、突起部114Pが形成されるようにしてもよい。さらに、上述した第3の実施の形態に対応して、R画素100にのみ、画素間遮光部114及び画素間分離部115の双方に対し、突起部が形成されるようにしてもよい。
【0132】
(B画素にのみ突起部を形成した構造)
図20は、第4の実施の形態の画素100の構造の第3の変形例を示す平面図である。
【0133】
図20においては、画素アレイ部11にベイヤー配列で配置される複数の画素100のうち、任意の4行4列の画素100を例示しているが、B画素100にのみ、画素間分離部115に対し、突起部115Pが形成されている。
【0134】
例えば、図20に示した4行4列の画素配列において、左上の画素100が、画素100-11であるとすれば、B画素100-22,B画素100-24,B画素100-42,及びB画素100-44が、突起部115Pを形成した対象のB画素100とされる。
【0135】
なお、図20においては、上述した第1の実施の形態に対応して、画素間分離部115に対し、突起部115Pが形成される場合を説明したが、上述した第2の実施の形態に対応して、B画素100にのみ、画素間遮光部114に対し、突起部114Pが形成されるようにしてもよい。さらに、上述した第3の実施の形態に対応して、B画素100にのみ、画素間遮光部114及び画素間分離部115の双方に対し、突起部が形成されるようにしてもよい。
【0136】
(G,B画素にのみ突起部を形成した構造)
図21は、第4の実施の形態の画素100の構造の第4の変形例を示す平面図である。
【0137】
図21においては、画素アレイ部11にベイヤー配列で配置される複数の画素100のうち、任意の4行4列の画素100を例示しているが、G画素100とB画素100にのみ、画素間分離部115に対し、突起部115Pが形成されている。
【0138】
例えば、図21に示した4行4列の画素配列において、左上の画素100が、画素100-11であるとすれば、G画素100(100-12,100-14,100-21,100-23,100-32,100-34,100-41,100-43)と、B画素100(100-22,100-24,100-42,100-44)が、突起部115Pを形成した対象の画素100とされる。
【0139】
なお、図21においては、上述した第1の実施の形態に対応して、画素間分離部115に対し、突起部115Pが形成される場合を説明したが、上述した第2の実施の形態に対応して、G画素100とB画素100にのみ、画素間遮光部114に対し、突起部114Pが形成されるようにしてもよい。さらに、上述した第3の実施の形態に対応して、G画素100とB画素100にのみ、画素間遮光部114及び画素間分離部115の双方に対し、突起部が形成されるようにしてもよい。
【0140】
また、ここでは、突起部115Pを形成した画素100の組み合わせとして、G画素100とB画素100との組み合わせを例示したが、例えば、R画素100とG画素100とを組み合わせたり、あるいは、R画素100とB画素100とを組み合わせたりするなど、突起部115Pを形成する画素100の組み合わせのパターンは、任意である。
【0141】
以上、第4の実施の形態について説明した。
【0142】
(5)第5の実施の形態
【0143】
(突起部の長さの決定)
図22は、第5の実施の形態の画素100の構造を示す平面図である。
【0144】
図22において、画素100では、正方格子状に配置される画素間分離部115の一部が、当該画素100の中心に向けて突起状にせり出し、突起部115Pを形成している。この突起部115Pにおけるせり出している部分の長さ(以下、突出し長ともいう)は、任意の長さとされるが、例えば、次のように決定することができる。
【0145】
すなわち、例えば、オンチップレンズ111の光軸方向(積層方向)の高さを変更する場合などに、何らかの理由で、光電変換素子113A,113Bが形成されたシリコン(Si)層における光入射面の集光スポットSの径が大きくなると、光の散乱を避けるために、突起部115Pの突出し長を短くする必要がある。
【0146】
このように、突起部115Pの突出し長は、オンチップレンズ111の集光スポットSの径と相関があるので、突起部115Pの突出し長を、オンチップレンズ111の集光スポットSの径に応じて決定することができる。
【0147】
例えば、本技術の発明者は、詳細なるシミュレーションを行うことで、突起部115Pの突出し長を、L1とし、オンチップレンズ111のピッチの一辺の長さを、L2としたときに、L1は、L2の1/7から1/4程度の長さとすることが好適であることを見出した。
【0148】
ここで、図23には、シリコン層の光入射面に対し、オンチップレンズ111の位置が高い場合の構造を、図23のAの断面図で表し、オンチップレンズ111の位置が低い場合の構造を、図23のBの断面図で表している。なお、図23の断面図は、図9に示した平面図におけるY-Y'断面に対応している。
【0149】
図23のAにおいては、シリコン層の光入射面に対するオンチップレンズ111の光軸方向の高さを、Hとし、入射光ILによる光入射面の集光スポットを、Sで表している。一方で、図23のBにおいては、シリコン層の光入射面に対するオンチップレンズ111の光軸方向の高さを、Hとし、入射光ILによる光入射面の集光スポットを、Sで表している。
【0150】
図23のAと図23のBとで、オンチップレンズ111の高さを比較すれば、H > Hの関係となる。そして、オンチップレンズ111の高さがこのような関係を有することから、図23のAと図23のBとで、集光スポットの径を比較すれば、S < Sの関係となる。
【0151】
このような関係に基づき、図23のAにおいては、集光スポットSの径に応じて、突起部115Pの突出し長L1が調整され、図23のBにおいては、集光スポットSの径に応じて、突起部115Pの突出し長L1が調整される。ただし、先に述べたように、集光スポットの径が大きいほど、光の散乱を避けるために突出し長を短くする必要があるため、S < Sの関係に応じて、L1 > L1の関係となる。
【0152】
なお、ここでは、画素間分離部115の突起部115Pの突出し長を、オンチップレンズ111の集光スポットSの径に応じて決定する方法を説明したが、画素間遮光部114の突起部114Pのせり出している部分の長さ(突出し長)についても同様に、オンチップレンズ111の集光スポットSの径に応じて決定することができる。
【0153】
また、上述した突起部115Pの突出し長の決定方法は一例であって、オンチップレンズ111の集光スポットSの径を用いる方法以外の方法によって、突起部115Pの突出し長が決定されるようにしてもよい。
【0154】
以上、第5の実施の形態について説明した。
【0155】
(6)第6の実施の形態
【0156】
(画素ごとに突起部の長さを変えた構造)
図24は、第6の実施の形態の画素100の構造を示す平面図である。
【0157】
図24においては、画素アレイ部11にベイヤー配列で配置される複数の画素100のうち、任意の4行4列の画素100を例示しているが、すべての画素100で、画素間分離部115に対し、突起部115Pが形成されている。
【0158】
例えば、図24に示した4行4列の画素配列において、左上の画素100が、画素100-11であるとすれば、R画素100(100-11,100-13,100-31,100-33)と、G画素100(100-12,100-14,100-21,100-23,100-32,100-34,100-41,100-43)と、B画素100(100-22,100-24,100-42,100-44)が、突起部115Pを形成した対象の画素100とされる。
【0159】
ここで、図24においては、R画素100,G画素100,B画素100の色画素ごとに、突起部115Pの突出し長の長さが異なっている。すなわち、図24においては、G画素100に形成された突起部115Pの突出し長と比べて、R画素100に形成された突起部115Pの突出し長は、短くなっている一方で、B画素100に形成された突起部115Pの突出し長は、長くなっている。
【0160】
すなわち、R画素100の突起部115Pの突出し長を、L1とし、G画素100の突起部115Pの突出し長を、L1とし、B画素100の突起部115Pの突出し長を、L1としたとき、L1 > L1 > L1の関係となる。
【0161】
例えば、赤(R)の波長は、緑(G)や青(B)の波長と比べて長いため、R画素100では、G画素100やB画素100と比べて、光の散乱が発生する可能性が高いので、R画素100の突起部115Pの突出し長を、G画素100やB画素100の突出し長と比べて、短くするなどの対応が想定される。
【0162】
なお、ここでは、画素間分離部115の突起部115Pの突出し長を、画素100ごとに変える場合を説明したが、画素間遮光部114の突起部114Pのせり出している部分の長さ(突出し長)についても同様に、画素100ごとに変えるようにしてもよい。
【0163】
また、上述した説明では、R画素100,G画素100,B画素100のすべてについて、突起部115Pの突出し長を変える場合を説明したが、例えば、G画素100とB画素100の突起部115Pの突出し長を同一の長さとし、R画素100の突起部115Pの突出し長のみを短くするなど、突起部115Pの突出し長を変える画素100の組み合わせは、任意である。さらに、異なる色の画素100だけでなく、同色の画素100で、突起部115Pの突出し長を変えるようにしてもよい。
【0164】
以上、第6の実施の形態について説明した。
【0165】
(7)第7の実施の形態
【0166】
(行方向の楕円型オンチップレンズを用いた構造)
図25は、第7の実施の形態の画素100の構造を示す平面図である。
【0167】
図25においては、画素アレイ部11に、2次元状に配列される複数の画素100のうち、任意の4行4列の画素100を例示している。ただし、図25に示した4行4列の画素配列において、各画素100は、1つの光電変換素子113を有する構造からなる。すなわち、図25において、各画素100は、2PD構造ではなく、いわば1PD構造となっている。ここでは、上述した2PD構造の画素100と区別するために、1PD構造の画素100を、画素100(1PD)と表記するものとする。
【0168】
ここで、例えば、図25に示した4行4列の画素配列において、左上の画素100(1PD)が、画素100-11(1PD)であるとすれば、同一行に配置されたG画素100-21(1PD)とG画素100-22(1PD)に対し、楕円型のオンチップレンズ111Eが形成されている。なお、図示はしていないが、G画素100-21(1PD)とG画素100-22(1PD)を除いた他の画素100(1PD)においては、1つのオンチップレンズ111に対し、1つの光電変換素子113が形成されている。
【0169】
すなわち、同一行に配置された2画素(G画素100-21(1PD),100-22(1PD))から構成される画素においては、1つのオンチップレンズ111Eに対し、G画素100-21(1PD)の光電変換素子113と、G画素100-22(1PD)の光電変換素子113とが設けられた構造からなる。そして、ここでは、同一行に配置されたG画素100-21(1PD)の光電変換素子113と、G画素100-22(1PD)の光電変換素子113のそれぞれの出力を用いることで、位相差検出が行われる。
【0170】
また、ここでは、楕円型のオンチップレンズ111Eが、G画素100-21(1PD)とG画素100-22(1PD)に対し、行方向に跨がった構造からなる場合において、画素間分離部115に形成される突起部115Pが、G画素100-21(1PD)とG画素100-22(1PD)との間に形成されるようにしている。
【0171】
この場合においても、画素間分離部115の一部が、G画素100-21(1PD)とG画素100-22(1PD)からなる領域の中心に向けて突起状にせり出すことで、突起部115Pが、2箇所に形成されている。また、突起部115Pの突出し長は、例えば、楕円型のオンチップレンズ111Eの集光スポットの径に応じて決定することができる。
【0172】
(列方向の楕円型オンチップレンズを用いた構造)
図26は、第7の実施の形態の画素100の構造の変形例を示す平面図である。
【0173】
図26においては、画素アレイ部11に、2次元状に配列される複数の画素100のうち、任意の4行4列の画素100を例示している。ただし、図26に示した4行4列の画素配列の画素100は、上述した図25に示した画素100と同様に、1PD構造からなり、この1PD構造の画素100を、画素100(1PD)と表記するものとする。
【0174】
ここで、例えば、図26に示した4行4列の画素配列において、同一列に配置されたG画素100-12(1PD)とG画素100-22(1PD)に対し、楕円型のオンチップレンズ111Eが形成されている。なお、図示はしていないが、G画素100-12(1PD)とG画素100-22(1PD)を除いた他の画素100(1PD)においては、1つのオンチップレンズ111に対し、1つの光電変換素子113が形成されている。
【0175】
すなわち、同一列に配置された2画素(G画素100-12(1PD),100-22(1PD))から構成される画素においては、1つのオンチップレンズ111Eに対し、G画素100-12(1PD)の光電変換素子113と、G画素100-22(1PD)の光電変換素子113とが設けられた構造からなる。そして、ここでは、同一列に配置されたG画素100-12(1PD)の光電変換素子113と、G画素100-22(1PD)の光電変換素子113のそれぞれの出力を用いることで、位相差検出が行われる。
【0176】
また、ここでは、楕円型のオンチップレンズ111Eが、G画素100-12(1PD)とG画素100-22(1PD)に対し、列方向に跨がった構造からなる場合において、画素間分離部115に形成される突起部115Pが、G画素100-12(1PD)とG画素100-22(1PD)との間に形成されるようにしている。
【0177】
この場合においても、画素間分離部115の一部が、G画素100-12(1PD)とG画素100-22(1PD)からなる領域の中心に向けて突起状にせり出すことで、突起部115Pが、2箇所に形成されている。また、突起部115Pの突出し長は、例えば、楕円型のオンチップレンズ111Eの集光スポットの径に応じて決定することができる。
【0178】
なお、ここでは、画素間分離部115の突起部115Pが、楕円型のオンチップレンズ111Eごとに配置される同一行の2つの画素100(1PD)や、同一列の2つの画素100(1PD)に対して形成される場合を説明したが、画素間遮光部114の突起部114Pが形成されるようにしてもよい。
【0179】
また、上述した説明では、楕円型のオンチップレンズ111Eに対し、2つのG画素100(1PD)が配置される場合を説明したが、G画素100(1PD)に限らず、R画素100(1PD)やB画素100(1PD)が、楕円型のオンチップレンズ111Eに対して配置されるようにしてもよい。
【0180】
以上、第7の実施の形態について説明した。
【0181】
(8)第8の実施の形態
【0182】
(単一オンチップレンズに複数画素を配置した構造)
図27は、第8の実施の形態の画素100の構造を示す平面図である。
【0183】
図27においては、画素アレイ部11に、2次元状に配列される複数の画素100のうち、任意の4行4列の画素100を例示している。ただし、図27に示した4行4列の画素配列の画素100は、上述した図25及び図26に示した画素100と同様に、1PD構造からなり、この1PD構造の画素100を、画素100(1PD)と表記するものとする。
【0184】
ここで、図27に示した4行4列の画素配列においては、同一色からなる4つの画素100(1PD)ごとに、円型のオンチップレンズ111が形成されている。
【0185】
例えば、図27に示した4行4列の画素配列において、左上の画素100(1PD)が、画素100-11(1PD)であるとすれば、R画素100-11(1PD),R画素100-12(1PD),R画素100-21(1PD),及びR画素100-22(1PD)からなる4つのR画素100(1PD)(から構成される画素)に対し、1つのオンチップレンズ111-11が形成されている。
【0186】
また、円型のオンチップレンズ111-11が、4つのR画素100(1PD)(100-11(1PD),100-12(1PD),100-21(1PD),100-22(1PD))に跨がった構造からなる場合において、画素間分離部115の一部が、4つのR画素100(1PD)からなる領域の中心に向けて突起状にせり出すことで、突起部115Pが4箇所に形成されている。
【0187】
図27の画素配列においては、G画素100-13(1PD),G画素100-14(1PD),G画素100-23(1PD),及びG画素100-24(1PD)からなる4つのG画素100(1PD)(から構成される画素)に対し、1つのオンチップレンズ111-12が形成されている。また、円型のオンチップレンズ111-12が、4つのG画素100(1PD)(100-13(1PD),100-14(1PD),100-23(1PD),100-24(1PD))に跨がった構造からなる場合において、画素間分離部115の一部が、4つのG画素100(1PD)からなる領域の中心に向けて突起状にせり出すことで、突起部115Pが4箇所に形成されている。
【0188】
また、図27の画素配列においては、G画素100-31(1PD),G画素100-32(1PD),G画素100-41(1PD),及びG画素100-42(1PD)からなる4つのG画素100(1PD)(から構成される画素)に対し、1つのオンチップレンズ111-21が形成されている。また、円型のオンチップレンズ111-21が、4つのG画素100(1PD)(100-31(1PD),100-32(1PD),100-41(1PD),100-42(1PD))に跨がった構造からなる場合において、画素間分離部115の一部が、4つのG画素100(1PD)からなる領域の中心に向けて突起状にせり出すことで、突起部115Pが4箇所に形成されている。
【0189】
また、図27の画素配列においては、B画素100-33(1PD),B画素100-34(1PD),B画素100-43(1PD),及びB画素100-44(1PD)からなる4つのB画素100(1PD)(から構成される画素)に対し、1つのオンチップレンズ111-22が形成されている。また、円型のオンチップレンズ111-22が、4つのB画素100(1PD)(100-33(1PD),100-34(1PD),100-43(1PD),100-44(1PD))に跨がった構造からなる場合において、画素間分離部115の一部が、4つのG画素100(1PD)からなる領域の中心に向けて突起状にせり出すことで、突起部115Pが4箇所に形成されている。
【0190】
このように、図27の画素配列においては、1つのオンチップレンズ111及び1つのカラーフィルタ112を設けた画素(4つの画素100(1PD)から構成される画素)に対し、4つの画素100(1PD)の光電変換素子113がそれぞれ設けられた構造からなる。そして、ここでは、1つのオンチップレンズ111及び1つのカラーフィルタ112を共有している4つの画素100(1PD)の光電変換素子113のそれぞれの出力を用いることで、位相差検出が行われる。ここでは、1つのオンチップレンズ111に対し、2行2列の画素100(1PD)が配置されていることから、例えば、行方向と列方向の両方の方向で、位相差検出の情報を得ることができる。
【0191】
なお、ここでは、画素間分離部115の突起部115Pが、1つのオンチップレンズ111ごとに配置される2行2列の画素100(1PD)に対して形成される場合を説明したが、画素間遮光部114の突起部114Pが形成されるようにしてもよい。
【0192】
以上、第8の実施の形態について説明した。
【0193】
(9)第9の実施の形態
【0194】
(画素の平面レイアウト)
図28は、第9の実施の形態の画素100の平面レイアウトを示す図である。
【0195】
図28においては、画素アレイ部11にベイヤー配列で配列される複数の画素100のうち、任意の4行4列の画素100を例示している。ただし、図28に示した4行4列の画素配列の画素100は、上述した図9等に示した画素100と同様に、2PD構造となっている。
【0196】
また、図28においては、上述した図9等と同様に、4行4列の画素配列の画素100のうち、G画素100においては、画素間分離部115の一部が、G画素100の中心に向けて突起状にせり出し、突起部115Pが形成されている。より具体的には、図29に示すように、画素間分離部115の突起部115Pは、上述した図8において、光電変換素子間の分離性の寄与が低いとされたP型の領域A1,A2に対応する領域に形成されている。
【0197】
ここで、図28に示した平面図におけるX-X'断面であるが、図30に示すような断面図で表すことができる。ただし、ここでは、4行4列の画素配列において、左上の画素100が、画素100-11であるとすれば、X-X'断面の対象となるのは、G画素100-41,B画素100-42,G画素100-43,B画素100-44の4つである。
【0198】
図30の断面図は、上述した図11の断面図と基本的に同様の構造を有しているが、画素間分離部115の加工の方法(製造過程)が異なっている。
【0199】
すなわち、上述した図11においては、DTI技術を用いて、光の入射側の面(光入射面)から、シリコン層に対し、溝部(トレンチ)を掘り込んで、その溝部に、酸化膜や金属等の物質を埋め込むことで、画素間分離部115が形成されている。一方で、図30においては、光の入射側の反対側の面(転送ゲート151A,151B側の面)から、シリコン層に対し、溝部(トレンチ)を掘り込んで、その溝部に、酸化膜や金属等の物質を埋め込むことで、画素間分離部115が形成されている。
【0200】
以上、第9の実施の形態について説明した。
【0201】
(10)第10の実施の形態
【0202】
ところで、CMOSイメージセンサ等の固体撮像装置においては、単一のオンチップレンズの直下の2つの光電変換素子の間の素子間分離を、不純物をインプランテーション法により注入すること(以下、不純物インプラという)により実現した場合に、次のような問題を生じることが想定される。すなわち、不純物インプラによって電界をつけにくい光入射面(例えば裏面側)のシリコン界面近傍や、素子間分離部の電界が弱い箇所で発生した電荷(負電荷、すなわち、電子(キャリア))が、所望の左右の光電変換素子に蓄積されずに、位相差検出の精度が低下する問題である。
【0203】
そこで、第10の実施の形態においては、CMOSイメージセンサ10(図1)の画素アレイ部11に2次元状に配列される画素200として、左右の光電変換素子の中央部分と、その他の部分とのシリコン界面の固定電荷量を変えて、中央部から左右の光電変換素子へのポテンシャル勾配を形成した構造を採用する。このような構造を採用することで、シリコン界面の近傍にて光電変換された電荷(電子)を、所望の左右の光電変換素子に蓄積して、位相差の検出精度を向上させることができる。
【0204】
以下、図31ないし図42を参照しながら、第10の実施の形態の画素の構造について説明する。
【0205】
(構造の第1の例)
図31は、第10の実施の形態の画素の構造の第1の例を示す断面図である。
【0206】
図31において、画素200は、2PD構造からなり、オンチップレンズ211、カラーフィルタ212、光電変換素子213A,213B、画素間遮光部214、及び画素間分離部215を含んで構成される。
【0207】
なお、画素200において、オンチップレンズ211ないし画素間分離部215は、上述した実施の形態の画素100(図11等)を構成するオンチップレンズ111、カラーフィルタ112、光電変換素子113A,113B、画素間遮光部114、及び画素間分離部115にそれぞれ対応しているため、ここでは、その説明を適宜省略する。ただし、図31の画素200において、画素間分離部215は、酸化膜により形成されている。
【0208】
画素200において、オンチップレンズ211により集光された入射光ILは、カラーフィルタ212を通過して、光電変換素子213A又は光電変換素子213Bにおける光電変換領域に照射される。
【0209】
図31のAは、入射光ILの集光スポットが左右の光電変換素子213A,213Bの中央部から左側にずれている場合、すなわち、位相差のずれがある場合を示している。一方で、図31のBは、入射光ILの集光スポットが左右の光電変換素子213A,213Bの中央部にある場合、すなわち、位相差のずれがない場合を示している。
【0210】
ここで、シリコン層(半導体層)において、左右の光電変換素子213A,213Bの中央部分と、その他の部分では、光の入射側のシリコン界面の固定電荷量が異なっている。
【0211】
具体的には、光の入射側のシリコン界面において、中央部の領域である中央領域221(第1の領域)における固定電荷量と、当該中央部を除いた領域(中央部の左右の領域)である左右領域222(第2の領域)における固定電荷量を比較すると、中央領域221における固定電荷量が、左右領域222における固定電荷量よりも多くなっている。
【0212】
このように、光の入射側のシリコン界面における中央領域221と左右領域222との固定電荷量を変えて、左右の光電変換素子213A,213Bとの中央部から、左右の光電変換素子213A,213Bへのポテンシャル勾配を形成することで、シリコン界面にて光電変換された電子を、所望の左右の光電変換素子213A,213Bに蓄積することができる。
【0213】
例えば、図31のAの画素200では、図中の入射光ILで示したような位相差のずれがある場合において、シリコン界面の近傍にて光電変換された電子が、ポテンシャル勾配によって所望の左右の光電変換素子213A,213Bに蓄積され、分離比が向上されるため、位相差の検出精度を向上させることができる。
【0214】
(構造の第2の例)
図32は、第10の実施の形態の画素の構造の第2の例を示す断面図である。
【0215】
図32は、図31に示した画素200の断面のうち、光の入射側のシリコン界面における中央領域221と左右領域222を含む領域を拡大して示している。この拡大図に示すように、シリコン層210(の界面層220)上に形成された絶縁層230においては、酸化膜231と酸化膜233に対し、High-k膜232AとHigh-k膜232Bからなる層を積層した構造となっている。
【0216】
High-k膜は、二酸化シリコン(SiO2)等の絶縁膜より比誘電率の高い材料からなる高誘電率絶縁膜(高誘電率膜)である。
【0217】
ここで、絶縁層230において、High-k膜232Aは、界面層220における左右領域222に対応するように、酸化膜231上に形成される。また、絶縁層230において、High-k膜232Bは、界面層220における中央領域221に対応するように、酸化膜231上に形成される。なお、絶縁層230において、High-k膜232AとHigh-k膜232Bからなる層の上層は、酸化膜233が形成される。
【0218】
High-k膜232AとHigh-k膜232Bとは、異なる高誘電率膜であって、例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)や酸化ハフニウム(HfO2)などを用いることができる。また、酸化膜231と酸化膜233としては、例えば、二酸化シリコン(SiO2)を用いることができる。
【0219】
このように、図32の画素200においては、絶縁層230として、左右の光電変換素子213A,213Bの中央部の固定電荷量が多い中央領域221に対応した部分に、High-k膜232Bが形成され、当該中央部を除いた固定電荷量が少ない左右領域222に対応した部分に、High-k膜232Aが形成される構造を有している。
【0220】
このような構造を有することで、図32の画素200では、図中の入射光ILで示したような位相差ずれがある場合に、シリコン界面の近傍にて光電変換された電子が、所望の左右の光電変換素子213A,213Bに蓄積されるため、位相差の検出精度を向上させることができる。
【0221】
(構造の第3の例)
図33は、第10の実施の形態の画素の構造の第3の例を示す断面図である。
【0222】
図33は、上述した図32と同様に、図31に示した画素200の断面のうち、シリコン界面の中央領域221と左右領域222を含む領域の拡大図を示しているが、上述した図32の拡大図と比べて、絶縁層230の断面の構造が異なっている。
【0223】
すなわち、図33の絶縁層230においては、酸化膜231と酸化膜233との間に形成される層が、High-k膜232Aのみからなる下層と、High-k膜232A及びHigh-k膜232Bからなる上層とを積層した構造であって、凹型の形状となるHigh-k膜232Aの凹みの部分に、High-k膜232Bを埋め込んだ構造となっている。
【0224】
このように、図33の画素200においては、絶縁層230として、左右の光電変換素子213A,213Bの中央部の固定電荷量が多い中央領域221に対応する部分に、High-k膜232A,232B(A+B)が形成され、当該中央部を除いた固定電荷量が少ない左右領域222に対応する部分に、High-k膜232A(A)が形成される構造を有している。
【0225】
換言すれば、中央領域221に対応した部分のHigh-k膜と、左右領域222に対応した部分のHigh-k膜の少なくとも一方の膜は、2以上の異なる高誘電率膜が積層されていると言える。
【0226】
このような構造を有することで、図33の画素200では、図中の入射光ILで示したような位相差ずれがある場合に、シリコン界面の近傍にて光電変換された電子が、所望の左右の光電変換素子213A,213Bに蓄積されるため、位相差の検出精度を向上させることができる。
【0227】
(構造の第4の例)
図34は、第10の実施の形態の画素の構造の第4の例を示す断面図である。
【0228】
図34は、上述した図32等と同様に、図31に示した画素200の断面のうち、シリコン界面の中央領域221と左右領域222を含む領域の拡大図を示しているが、上述した図32等の拡大図と比べて、絶縁層230の断面の構造が異なっている。
【0229】
すなわち、図34の絶縁層230においては、酸化膜231と酸化膜233との間に形成される層が、High-k膜232Aのみからなる下層と、High-k膜232B及びHigh-k膜232Cからなる上層とを積層した構造となっている。ここで、High-k膜232Cは、High-k膜232A,232Bと異なる高誘電率膜である。
【0230】
このように、図34の画素200においては、絶縁層230として、左右の光電変換素子213A,213Bの中央部の固定電荷量が多い中央領域221に対応した部分に、High-k膜232A,232C(A+C)が形成され、当該中央部を除いた固定電荷量が少ない左右領域222に対応した部分に、High-k膜232A,232B(A+B)が形成される構造を有している。
【0231】
換言すれば、中央領域221に対応した部分のHigh-k膜と、左右領域222に対応した部分のHigh-k膜の少なくとも一方の膜は、2以上の異なる高誘電率膜が積層されていると言える。
【0232】
このような構造を有することで、図34の画素200では、図中の入射光ILで示したような位相差ずれがある場合に、シリコン界面の近傍にて光電変換された電子が、所望の左右の光電変換素子213A,213Bに蓄積されるため、位相差の検出精度を向上させることができる。
【0233】
(構造の第5の例)
図35は、第10の実施の形態の画素の構造の第5の例を示す断面図である。
【0234】
図35は、上述した図32等と同様に、図31に示した画素200の断面のうち、シリコン界面の中央領域221と左右領域222を含む領域の拡大図を示しているが、上述した図32等の拡大図と比べて、絶縁層230の断面の構造が異なっている。
【0235】
すなわち、図35の絶縁層230においては、酸化膜231と酸化膜233との間に形成される層が、High-k膜232Aのみからなる第1の層と、High-k膜232B及びHigh-k膜232Cからなる第2の層と、High-k膜232Dを一部に含む第3の層とを積層した構造となっている。
【0236】
ここで、High-k膜232Dは、High-k膜232Aないし232Cと異なる高誘電率膜である。また、絶縁層230において、第3の層におけるHigh-k膜232Dを除いた部分は、その上層となる酸化膜233の一部を含んで形成される。
【0237】
このように、図35の画素200においては、絶縁層230として、左右の光電変換素子213A,213Bの中央部の固定電荷量が多い中央領域221に対応した部分に、High-k膜232A,232C,232D(A+C+D)が形成され、当該中央部を除いた固定電荷量が少ない左右領域222に対応した部分に、High-k膜232A,232B(A+B)が形成される構造を有している。
【0238】
換言すれば、中央領域221に対応した部分のHigh-k膜と、左右領域222に対応した部分のHigh-k膜の少なくとも一方の膜は、2以上の異なる高誘電率膜が積層されていると言える。また、中央領域221に対応した部分のHigh-k膜は、左右領域222に対応した部分のHigh-k膜よりも、High-k膜の積層数が多いとも言える。
【0239】
このような構造を有することで、図35の画素200では、図中の入射光ILで示したような位相差ずれがある場合に、シリコン界面の近傍にて光電変換された電子が、所望の左右の光電変換素子213A,213Bに蓄積されるため、位相差の検出精度を向上させることができる。
【0240】
(構造の第6の例)
図36は、第10の実施の形態の画素の構造の第6の例を示す断面図である。
【0241】
図36は、上述した図32等と同様に、図31に示した画素200の断面のうち、シリコン界面の中央領域221と左右領域222を含む領域の拡大図を示しているが、上述した図32等の拡大図と比べて、絶縁層230の断面の構造が異なっている。
【0242】
すなわち、図36の絶縁層230においては、酸化膜231と酸化膜233との間に形成される層が、High-k膜232Aのみからなる第1の層と、High-k膜232B及びHigh-k膜232Cからなる第2の層と、High-k膜232D及びHigh-k膜232Eからなる第3の層とを積層した構造となっている。ここで、High-k膜232Eは、High-k膜232Aないし232Dと異なる高誘電率膜である。
【0243】
このように、図36の画素200においては、絶縁層230として、左右の光電変換素子213A,213Bの中央部の固定電荷量が多い中央領域221に対応する部分に、High-k膜232A,232C,232D(A+C+D)が形成され、当該中央部を除いた固定電荷量が少ない左右領域222に対応する部分に、High-k膜232A,232B,232E(A+B+E)が形成される構造を有している。
【0244】
換言すれば、中央領域221に対応した部分のHigh-k膜と、左右領域222に対応した部分のHigh-k膜の少なくとも一方の膜は、2以上の異なる高誘電率膜が積層されていると言える。また、中央領域221に対応した部分のHigh-k膜と、左右領域222に対応した部分のHigh-k膜とは、同一の積層数であるとも言える。
【0245】
このような構造を有することで、図36の画素200では、図中の入射光ILで示したような位相差ずれがある場合に、シリコン界面の近傍にて光電変換された電子が、所望の左右の光電変換素子213A,213Bに蓄積されるため、位相差の検出精度を向上させることができる。
【0246】
(構造の第7の例)
図37は、第10の実施の形態の画素の構造の第7の例を示す断面図である。
【0247】
図37は、上述した図32等と同様に、図31に示した画素200の断面のうち、シリコン界面の中央領域221と左右領域222を含む領域の拡大図を示しているが、上述した図32等の拡大図と比べて、絶縁層230の断面の構造が異なっている。
【0248】
すなわち、図37の絶縁層230においては、酸化膜231と酸化膜233との間に形成される層が、High-k膜232Aのみからなる第1の層と、High-k膜232Aを一部に含む第2の層とを積層した構造となっている。また、絶縁層230において、第2の層におけるHigh-k膜232Aを除いた部分は、その上層となる酸化膜233の一部を含んで形成される。
【0249】
このように、図37の画素200においては、絶縁層230として、左右の光電変換素子213A,213Bの中央部の固定電荷量が多い中央領域221に対応する部分と、当該中央部を除いた固定電荷量が少ない左右領域222に対応する部分とで、異なる高さのHigh-k膜232Aが形成される構造を有している。
【0250】
換言すれば、図37の絶縁層230において、High-k膜232Aは、中央部の中央領域221に対応した部分が、中央部を除いた左右領域222に対応した部分と比べて高くなって、凸形状の構造となっていると言える。また、このような構造から、図37の絶縁層230において、中央領域221に対応した部分と、左右領域222に対応した部分とは、酸化膜233の厚みが異なっているとも言える。
【0251】
このような構造を有することで、図37の画素200では、図中の入射光ILで示したような位相差ずれがある場合に、シリコン界面の近傍にて光電変換された電子が、所望の左右の光電変換素子213A,213Bに蓄積されるため、位相差の検出精度を向上させることができる。
【0252】
(構造の第8の例)
図38は、第10の実施の形態の画素の構造の第8の例を示す断面図である。
【0253】
図38は、上述した図32等と同様に、図31に示した画素200の断面のうち、シリコン界面の中央領域221と左右領域222を含む領域の拡大図を示しているが、上述した図32等の拡大図と比べて、絶縁層230の断面の構造が異なっている。
【0254】
すなわち、図38の絶縁層230においては、酸化膜231と酸化膜233との間に形成される層が、High-k膜232Aのみからなる層を形成しているが、その層の一部であって、中央部の中央領域221に対応した部分が、中央部を除いた左右領域222に対応した部分に対して下側に突き出した構造となっている。
【0255】
このように、図38の画素200においては、絶縁層230として、左右の光電変換素子213A,213Bの中央部の固定電荷量が多い中央領域221に対応する部分と、当該中央部を除いた固定電荷量が少ない左右領域222に対応する部分とで、酸化膜231の厚みが異なる構造を有している。
【0256】
このような構造を有することで、図38の画素200では、図中の入射光ILで示したような位相差ずれがある場合に、シリコン界面の近傍にて光電変換された電子が、所望の左右の光電変換素子213A,213Bに蓄積されるため、位相差の検出精度を向上させることができる。
【0257】
(構造の第9の例)
図39は、第10の実施の形態の画素の構造の第9の例を示す断面図である。
【0258】
上述した図31ないし図38においては、画素間分離部215が、酸化膜により形成される場合を示したが、画素間分離部215の材料としては、酸化膜に限らず、例えば、金属などの他の材料を用いることができる。図39は、画素200において、上述した画素間分離部215の代わりに、金属を埋め込むことで、画素間分離部215Aを形成した場合の構造を示している。
【0259】
ここでは、例えば、DTI技術を用いて、光電変換領域が形成されたシリコン層内に、光入射面側から、正方単位の画素の形状に応じて正方格子状に掘り込まれた溝部(トレンチ)に対し、金属を埋め込むことで、画素間分離部215Aが形成される。ここで、金属としては、例えば、タングステン(W)やアルミニウム(Al)、銀(Ag)、ロジウム(Rh)などを用いることができる。
【0260】
例えば、図39のAの画素200では、図中の入射光ILで示したような位相差のずれがある場合において、シリコン界面の近傍にて光電変換された電子が、ポテンシャル勾配によって所望の左右の光電変換素子213A,213Bに蓄積される際に、画素間分離部215Aによって、シリコン層内で隣り合う画素の間が物理的に分離されているため、当該電子が、隣り合う画素に流れ込むことを防止することができる。なお、図39のBに示すように、位相差がない場合についても同様に、電子が隣り合う画素に流れ込むことを防止することができる。
【0261】
このように、図39の画素200においては、画素間分離部215Aを形成して、金属による異色間の画素間分離によって、バルク内の混色を抑制し、分離比を向上させることができる。なお、上述した説明では、画素間分離部215(215A)の材料として、酸化膜と金属を説明したが、他の物質を用いるようにしてもよい。
【0262】
なお、図39の画素200においては、画素間分離部215Aを形成するに際し、光電変換領域が形成されたシリコン層210内に、光入射面側から溝部を掘り込んで金属を埋め込むことになるが、その際に、溝部の側壁に、ピニング膜(負の固定電荷膜)、及び絶縁膜を設けることができる。ここで、ピニング膜としては、例えば、酸化ハフニウム(HfO2)や、酸化タンタル(Ta2O5)などを用いることができる。また、絶縁膜としては、例えば、二酸化シリコン(SiO2)などを用いることができる。
【0263】
(構造の第10の例)
図40は、第10の実施の形態の画素の構造の第10の例を示す断面図である。
【0264】
上述した図31ないし図38、又は図39においては、酸化膜からなる画素間分離部215、又は金属からなる画素間分離部215Aによって、隣り合う画素の間を物理的に分離する構造を示したが、シリコン層内の不純物によって分離するようにしてもよい。
【0265】
図40の画素200は、隣り合う画素の間に物理的な分離部(画素間分離部)を形成せずに、シリコン層の内部の不純物分布によって、隣り合う画素の間を分離する構造を有している。ここでは、図40のAに、入射光ILによる位相差ずれがある場合を示す一方で、図40のBには、入射光ILによる位相差ずれがない場合を示している。
【0266】
(構造の第11の例)
図41は、第10の実施の形態の画素の構造の第11の例を示す断面図である。
【0267】
図41は、上述した図31と同様に、画素200の断面を示しているが、上述した図31の断面と比べて、左右の光電変換素子213A,213Bの中央部に、透明電極241が形成されている点が異なる。なお、図41のAは、入射光ILによる位相差ずれがある場合を示す一方で、図41のBには、入射光ILによる位相差ずれがない場合を示している。
【0268】
図41の画素200においては、透明電極241に対し、負バイアスを印加することで、左右の光電変換素子213A,213Bの中央部から、左右の光電変換素子213A,213Bへのポテンシャル勾配を形成することができる。これにより、図41の画素200では、シリコン界面の近傍にて光電変換された電子を、所望の左右の光電変換素子213A,213Bに蓄積することができる。
【0269】
例えば、図41のAの画素200では、図中の入射光ILで示したような位相差のずれがある場合において、透明電極241に負バイアスを印加してポテンシャル勾配を形成することで、シリコン界面の近傍にて光電変換された電子が、所望の左右の光電変換素子213A,213Bに蓄積されるため、位相差の検出精度を向上させることができる。
【0270】
(電位分布の模式図)
図42は、第10の実施の形態の画素の電位分布を模式的に表した図である。
【0271】
なお、図42においては、比較のために、図42のBに、本技術を適用した画素200の電位分布を示すとともに、図42のAに、一般的な画素900の電位分布を示している。ここでは、左右の光電変換素子やその間の領域上に描かれた線によって電位分布を表しているが、これらの線が密なほど、電位勾配がついていることを表している。
【0272】
図42のAの画素900の電位分布に示すように、一般的に、シリコン層において光入射面(例えば裏面側)や、左右の光電変換素子913A,913Bの中央部の領域は、電位勾配をつけにくいものである。
【0273】
それに対して、画素200では、光入射面(例えば裏面側)のシリコン界面における中央領域221と左右領域222との固定電荷量を変えることで、光入射面や中央部の領域にて電位勾配をつけやすくして、左右の光電変換素子213A,213Bとの中央部から、左右の光電変換素子213A,213Bへのポテンシャル勾配を形成している。
【0274】
また、図42のAに示した転送パスPと、図42のBに示した転送パスPは、画素900と画素200の電位分布から導かれた転送経路をそれぞれ示している。ここで、電子の転送に際しては、電位と拡散の効果があるため、転送に時間がかかるとその分だけ拡散してしまい、電子を、所望の光電変換素子213(213A又は213B)に蓄積できなくなることが想定される。
【0275】
例えば、図42のAにおいては、転送パスPが、下方向のパスと左斜め下方向のパスとの組み合わせになっており、電子の転送に時間がかかって拡散してしまう恐れがある。一方で、例えば、図42のBにおいては、転送パスPが、左斜め下方向のパスのみとなっており、電子の転送を素早く行うことができる。
【0276】
すなわち、図42のBの画素200では、光入射面(例えば裏面側)のシリコン界面における中央領域221と左右領域222との固定電荷量を変えることで電位勾配がついているため、いわば素子境界の横方向(積層方向と垂直な方向)の電界アシストによって、転送パスPが実現され、より迅速に電子の転送を行うことができる。そのため、図42のBの画素200では、シリコン界面の近傍にて光電変換された電子を、所望の光電変換素子213(213A又は213B)に蓄積することが可能となる。
【0277】
以上、第10の実施の形態について説明した。
【0278】
(11)第11の実施の形態
【0279】
上述したように、CMOSイメージセンサ等の固体撮像装置においては、単一のオンチップレンズの直下に複数の光電変換素子を形成した画素の構造を採用することで、各画素から得られる位相差検出用の信号に基づき、距離情報が得られるため、撮像と測距を同時に行うことが可能となる。また、当該画素において、左右の光電変換素子の間は、不純物インプラによる分離構造を用いることができる。
【0280】
このような構造を採用することで、撮像用の信号と位相差検出用の信号を同時に取得することができるが、1つのオンチップレンズから入射された光を光電変換する際に、左右の光電変換素子の中心に位置する分離壁となる部分で、光電変換の対象となる成分が発生することになる。
【0281】
この分離壁は、インプラ分離で形成されるため、ある程度の幅を有していることから、その領域で光電変換された電荷(電子)は、位相差として想定される側の光電変換素子と反対側の光電変換素子に流れることで不要な成分(混色成分)となる恐れがある。この影響により、分離比が不足して位相差検出の精度が低下することになる。
【0282】
また、例えば、画素において、左右の光電変換素子の中心に位置する分離壁を、インプラ分離ではなく、低屈折材などを用いた分離構造にした場合、その領域に入射された光が屈折され、より角度のついた光として、隣接する他の画素の光電変換素子に入射されやすくなってしまい、異色の光学混色が生じる恐れがある。
【0283】
そこで、第11の実施の形態においては、CMOSイメージセンサ10(図1)の画素アレイ部11に2次元状に配列される画素300として、同色の光電変換素子の中央部分(同色間中央部)に低屈折の埋め込み素子分離領域を形成するとともに、異色の光電変換素子の中央部分(異色間中央部)に金属の埋め込み素子分離領域を形成した構造を採用する。このような構造を採用することで、分離比を向上させるとともに、混色を防止することができる。
【0284】
以下、図43ないし図48を参照しながら、第11の実施の形態の画素の構造について説明する。
【0285】
(構造の第1の例)
図43は、第11の実施の形態の画素の構造の第1の例を示す断面図である。
【0286】
図43において、画素300は、2PD構造からなり、オンチップレンズ311、カラーフィルタ312、光電変換素子313A,313B、画素間遮光部314、及び画素間分離部315を含んで構成される。
【0287】
なお、画素300において、オンチップレンズ311ないし画素間分離部315は、上述した実施の形態の画素100(図11等)を構成するオンチップレンズ111、カラーフィルタ112、光電変換素子113A,113B、画素間遮光部114、及び画素間分離部115にそれぞれ対応しているため、ここでは、その説明を適宜省略する。
【0288】
また、説明の都合上、画素300ごとの色を、特に区別する必要がある場合には、R画素300を、「300(R)」と表記し、G画素300を、「300(G)」と表記するものとする。
【0289】
画素300において、オンチップレンズ311により集光された入射光ILは、カラーフィルタ312を通過して、光電変換素子313A又は光電変換素子313Bにおける光電変換領域に照射される。
【0290】
ここで、G画素300において、光電変換素子313Aと光電変換素子313Bとの間の同色間中央部321には、光入射面側に、低屈折材(埋め込み素子)を埋め込んで、素子分離領域としての低屈折領域331を形成している。この低屈折材としては、例えば、酸化膜やガラス等の低屈折材を用いることができる。より具体的には、低屈折材として、例えば、光電変換領域を形成したシリコン層310(半導体層)に対して低い屈折率からなる材料を用いることができる。
【0291】
低屈折領域331の断面形状は、テーパーがつけられており、光入射面に近づくにつれて幅が広がる三角形状となっている。また、同色間中央部321においては、光入射面から所定のバルク深さ(例えば数100nm程度)で、分離材としての低屈折材(埋め込み素子)がなくなり、その下側の領域は不純物により分離されている。
【0292】
また、G画素300とR画素300とが左右に隣接している場合に、G画素300の右側の光電変換素子313Bと、R画素300の左側の光電変換素子313Aとの間の異色間中央部322には、光入射面側から、画素300の形状に応じて掘り込まれた溝部(トレンチ)に金属を埋め込んで、画素間分離部315を形成している。ここで、金属としては、例えば、タングステン(W)やアルミニウム(Al)、銀(Ag)、ロジウム(Rh)などを用いることができる。
【0293】
このように、図43の画素300においては、同色間中央部321に、その断面が逆三角形状となる低屈折領域331を形成した構造を有しているため、低屈折領域331に入射した光は、その屈折面により進行方向が曲げられることになる。例えば、画素300において、低屈折領域331に入射した光のうち、右斜め上方向から入射した光は、屈折面331Aにより屈折されて左側の光電変換素子313Aに入射する一方で、左斜め上方向から入射した光は、屈折面331Bにより屈折されて光電変換素子313Bに入射することになる(図中の矢印)。
【0294】
そのため、オンチップレンズ311により集光される光の集光スポットが、左右の光電変換素子313A,313Bの間の同色間中央部321に形成された低屈折領域331に入射したとき、その入射光は、ある深さまで光電変換されずにそのまま進行し、ある深さに達したときに光電変換素子313A又は光電変換素子313Bに入射して光電変換されることになる。特に、図43の画素300において、同色間中央部321における光入射面の中心に入射した光を、左右の光電変換素子313A,313Bに分けることが可能となる。
【0295】
ここで、同色間中央部321において、分離壁をインプラ分離により形成した場合、分離壁となる領域で光電変換された電子が、位相差として想定される側の光電変換素子と反対側の光電変換素子に流れることに起因して位相差検出の精度が低下する恐れがあるのは先に述べた通りである。
【0296】
それに対して、図43の画素300では、同色間中央部321に形成された低屈折領域331を用いた分離構造を有し、低屈折領域331に入射した入射光ILが、ある深さまで光電変化されずにそのまま左右の光電変換素子313A,313Bに入射するため、そのような事象を回避することができる。その結果として、図43の画素300においては、光学的、かつ電気的に分離比を向上させて、位相差の検出精度を向上させることができる。
【0297】
一方で、同色間中央部321において、低屈折領域331を用いた分離構造にした場合には、その低屈折領域331に入射された光が屈折され、より角度のついた光として、異色の隣接する画素300の光電変換素子313に入射する恐れがあるのは先に述べた通りである。
【0298】
それに対して、図43の画素300では、同色間中央部321において低屈折領域331を用いた分離構造を設けるとともに、異色間中央部322においては、金属からなる画素間分離部315を形成しているため、同色間中央部321に形成された低屈折領域331により屈折された光が、画素間分離部315により反射される。その結果として、図43の画素300においては、異色の光学混色を防止することができる。
【0299】
なお、図43の画素300においては、光電変換領域が形成されたシリコン層310内に、光入射面側から、溝部(トレンチ)を掘り込んで金属を埋め込むことで、画素間分離部315を形成するが、溝部の側壁には、ピニング膜(負の固定電荷膜)、及び絶縁膜を設けることができる。ここで、ピニング膜としては、例えば、酸化ハフニウム(HfO2)や、酸化タンタル(Ta2O5)などを用いることができる。また、絶縁膜としては、例えば、二酸化シリコン(SiO2)などを用いることができる。
【0300】
(構造の第2の例)
図44は、第11の実施の形態の画素の構造の第2の例を示す断面図である。
【0301】
図44の画素300は、図43の画素300と比べて、同色間中央部321の断面の形状が異なっている。すなわち、図44の画素300の同色間中央部321においては、テーパーの形状からなる低屈折領域331の分離形状(断面の形状)が、光入射面から所定のバルク深さ(例えば数100nm程度)で、一定の幅で下側に延びており、その下側の領域の形状が、長方形の形状(縦長の形状)となっている。
【0302】
つまり、図43の画素300の同色間中央部321では、低屈折領域331の下側の領域には、分離材としての低屈折材を形成せずに不純物により分離していたが、図44の画素300の同色間中央部321では、低屈折領域331が一定の幅で下側に延びることで、その下側の長方形(縦長の形状)の部分によって、光電変換素子313Aと光電変換素子313Bとの間が分離されている。
【0303】
このように、図44の画素300においては、低屈折領域331における三角形状の部分とその下側に延びた部分によって、いわば素子間分離部を形成することで、光電変換素子313Aと光電変換素子313Bとが物理的に分離されている。これにより、図44の画素300では、一方の光電変換素子313(313A、又は313B)の出力に対し、他方の光電変換素子313(313B、又は313A)の出力が混じらないようにして、位相差検出の精度を向上させることができる。
【0304】
(構造の第3の例)
図45は、第11の実施の形態の画素の構造の第3の例を示す断面図である。
【0305】
図45の画素300は、図43の画素300と比べて、同色間中央部321の断面の形状が異なっている。すなわち、図45の画素300の同色間中央部321において、低屈折領域331の分離形状(断面の形状)は、光入射面から、その反対側の面(トランジスタ素子面側)までテーパーがつけられており、台形状(上底よりも下底の方が短い台形)の形状となっている。
【0306】
このように、図45の画素300においては、低屈折領域331における台形状の部分によって、いわば素子間分離部を形成することで、光電変換素子313Aと光電変換素子313Bとを物理的に分離している。これにより、図45の画素300では、一方の光電変換素子313の出力に対し、他方の光電変換素子313の出力が混じらないようにして、位相差検出の精度を向上させることができる。
【0307】
(構造の第4の例)
図46は、第11の実施の形態の画素の構造の第4の例を示す平面図である。
【0308】
図46に示した平面図において、X-X'断面が、図43の画素300の断面図に対応している。すなわち、図46の画素300において、低屈折領域331を含む同色間中央部321は、光電変換素子313Aと光電変換素子313Bとの間に形成され、光入射面側から見た場合に、その形状が、長方形の形状(縦長の形状)となっている。
【0309】
ここで、図中の点線は、入射光ILを表しており、オンチップレンズ311により集光される光が、低屈折領域331に入射したとき、その入射光は、ある深さまで光電変換されずにそのまま進行し、ある深さに達したときに光電変換素子313A又は光電変換素子313Bに入射して光電変換されることになる。
【0310】
なお、ここでは、図46に示した平面図が、図43の画素300の断面図に対応している場合を示したが、図44の画素300、又は図45の画素300についても同様に、同色間中央部321(の低屈折領域331)は、光電変換素子313Aと光電変換素子313Bとの間に形成されている。
【0311】
(構造の第5の例)
図47は、第11の実施の形態の画素の構造の第5の例を示す平面図である。
【0312】
図47に示した平面図において、X-X'断面が、図43の画素300の断面図に対応している。すなわち、図47の画素300において、低屈折領域331を含む同色間中央部321は、光電変換素子313Aと、光電変換素子313Bと、光電変換素子313Cと、光電変換素子313Dの4つの光電変換素子313に対して形成され、光入射面側から見た場合に、その形状が、菱形の形状となっている。
【0313】
ここで、図中の点線は、入射光ILを表しており、オンチップレンズ311により集光される光が、低屈折領域331に入射したとき、その入射光は、ある深さまで光電変換されずにそのまま進行し、ある深さに達したときに、光電変換素子313Aないし313Dのいずれかに入射して光電変換されることになる。
【0314】
なお、ここでは、図47に示した平面図が、図43の画素300の断面図に対応している場合を示したが、図44の画素300、又は図45の画素300についても同様に、同色間中央部321(の低屈折領域331)を、4つの光電変換素子313に対して形成することができる。
【0315】
また、図46及び図47に示した同色間中央部321(の低屈折領域331)による分離レイアウトは、一例であって、2つの光電変換素子313に対する長方形の形状や、4つの光電変換素子313に対する菱形の形状以外の他の分離レイアウトを用いるようにしてもよい。
【0316】
(構造の第6の例)
図48は、第11の実施の形態の画素の構造の第6の例を示す断面図である。
【0317】
図48の画素300は、図44の画素300と比べて、異色間中央部322の断面の形状が異なっている。すなわち、図48の画素300の異色間中央部322においては、金属からなる画素間分離部315の下側の領域(深さ方向の領域)に、低屈折材からなる低屈折領域341が形成されている。
【0318】
より具体的には、光電変換領域が形成されたシリコン内に掘り込まれた溝部(トレンチ)に対し、物質を埋め込むことで、異色の画素間を分離するための分離部が形成されるが、図48の画素300では、フロントサイドトレンチ(Front Side Trench)として低屈折材を埋め込むことで、低屈折領域341が形成され、バックサイドトレンチ(Back Side Trench)として金属を埋め込むことで、画素間分離部315が形成される。
【0319】
そして、図48の画素300において、異色間中央部322は、画素間分離部315と低屈折領域341とを組み合わせた構造によって、例えば、図48に示したG画素300の右側の光電変換素子313BとR画素300の左側の光電変換素子313Aとの間など、異色の画素間の分離がなされるようにしている。
【0320】
以上、第11の実施の形態について説明した。
【0321】
(12)第12の実施の形態
【0322】
上述したように、単一のオンチップレンズの直下に複数の光電変換素子を形成した画素を有する固体撮像装置においては、各画素から得られる位相差検出用の信号に基づいて、距離情報を得ることができる。
【0323】
しかしながら、一般的な画素の構造では、分離比と混色とのトレードオフが発生していたため、混色を抑えつつ、位相差検出の精度を上げることが困難となっていた。従来、このようなトレードオフを解消するために、単純にバルクのみで位相差の情報を取得したり、高精度な検出の際にはオンチップレンズを用いずに光導波路を用いて分離比を高めたりしていたが、混色を抑えつつ、より位相差検出の精度を向上させることが求められていた。
【0324】
そこで、第12の実施の形態においては、CMOSイメージセンサ10(図1)の画素アレイ部11に2次元状に配列される画素400として、オンチップレンズを複数種類の屈折率の異なる物質で構成した構造を採用する。このような構造を採用することで、混色を抑えつつ、より位相差検出の精度を向上させることができる。ここで、混色には、単一のオンチップレンズの直下に形成された複数の光電変換素子の間の混色も含んでいるものとする。
【0325】
以下、図49ないし図56を参照しながら、第12の実施の形態の画素の構造について説明する。
【0326】
(構造の第1の例)
図49は、第12の実施の形態の画素の構造の第1の例を示す断面図である。
【0327】
図49において、画素400は、2PD構造からなり、オンチップレンズ411、カラーフィルタ412、光電変換素子413A,413B、画素間遮光部414、及び画素間分離部415を含んで構成される。
【0328】
なお、画素400において、オンチップレンズ411ないし画素間分離部415は、上述した実施の形態の画素100(図11等)を構成するオンチップレンズ111、カラーフィルタ112、光電変換素子113A,113B、画素間遮光部114、及び画素間分離部115にそれぞれ対応しているため、ここでは、その説明を適宜省略する。
【0329】
また、説明の都合上、画素400ごとの色を、特に区別する必要がある場合には、R画素400を「400(R)」、G画素400を「400(G)」、B画素400を「400(B)」とそれぞれ表記するものとする。
【0330】
画素400において、オンチップレンズ411は、屈折率の異なる2種類の物質として、部材411A及び部材411Bから構成される。オンチップレンズ411においては、部材411BがV字型に掘り込まれた形状を有し、そのV字型の部分に、部材411Aの一部(光入射面の反対側の部分)が埋め込まれている。
【0331】
すなわち、部材411A(第1の部材)は、光が入射される曲面と、部材411BのV字型の部分に対応した部分を含み、部材411B(第2の部材)は、光が入射される曲面と反対側の面と、V字型の形状からなる部分を含んでいる。なお、ここでは、部材411Aと部材411Bとの接合部がV字型の形状からなる場合を説明するが、接合部の形状は、V字型以外の他の形状であってもよい。
【0332】
例えば、部材411Aは、部材411Bよりも屈折率が高い材料である高屈折材(High-n材料)から構成される。一方で、例えば、部材411Bは、部材411Aよりも屈折率の低い材料である低屈折材(Low-n材料)から構成される。また、オンチップレンズ411の光入射側の面には、反射防止膜431が形成されている。
【0333】
画素400において、オンチップレンズ411に入射した入射光ILは、図49の矢印で示すように、部材411Aの光入射面で屈折された後に、部材411Aと部材411Bとの境界で屈折されて、光電変換素子413Aの光電変換領域に照射される。
【0334】
このように、図49の画素400においては、オンチップレンズ411を、屈折率の異なる部材411Aと部材411Bから構成して、光電変換素子413A,413Bのそれぞれに対して入射した光が混じることなく(混色することなく)、所望の左右の光電変換素子413A,413Bに蓄積するようにしている。
【0335】
図50は、図49の画素400における光電変換素子413ごとの光の入射角に応じた出力結果を示している。
【0336】
なお、図50においては、比較のために、図49の画素400の光電変換素子413A,413B(本技術の構造)の出力結果とともに、一般的な画素900の左右の光電変換素子913A,913B(従来の構造)の出力結果も示している。ただし、画素900では、オンチップレンズ911の構造が、画素400のオンチップレンズ411の構造と異なる。すなわち、画素900において、オンチップレンズ911は、屈折率の異なる複数の物質から構成されていないものとする。
【0337】
すなわち、図50においては、図49の画素400について、左側の光電変換素子413Aの出力を実線の曲線A1で表し、右側の光電変換素子413Bの出力を点線の曲線B1で表している。また、一般的な画素900について、左側の光電変換素子913Aの出力を実線の曲線A2で表し、右側の光電変換素子913Bの出力を点線の曲線B2で表している。
【0338】
ここで、左側の光電変換素子413Aの出力に応じた曲線A1と、右側の光電変換素子413Bの出力に応じた曲線B1とは、入射角θiが0度となるとき、すなわち、光が真上から入射されたときにその出力の値が一致している。すなわち、曲線A1と曲線B1とは、入射角θi = 0のときの出力を対称軸とした線対称の関係を有している。
【0339】
同様に、左側の光電変換素子913Aの出力に応じた曲線A2と、右側の光電変換素子913Bの出力に応じた曲線B2とは、入射角θi = 0のときの出力を対称軸とした線対称の関係となっている。
【0340】
このとき、図49の画素400の曲線A1,B1と、一般的な画素900の曲線A2,B2とを比べれば、次のような関係を有している。
【0341】
すなわち、入射角θiが負となる場合であって、曲線A1と曲線A2に注目した場合、光電変換素子413Aの出力と、光電変換素子913Aの出力のピークの値は、略同一とされるが、光電変換素子413Aの出力に対しては光電変換素子413Bの出力が混じる一方で、光電変換素子913Aの出力に対しては光電変換素子913Bの出力が混じることになる。
【0342】
このとき、曲線B1と曲線B2に注目すれば、光電変換素子413Bの出力は、光電変換素子913Bの出力と比べて小さいため、光電変換素子413Aの出力に対して混じる光電変換素子413Bの出力が低減されていることになる。
【0343】
一方で、入射角θiが正となる場合であって、曲線B1と曲線B2に注目した場合、光電変換素子413Bの出力と、光電変換素子913Bの出力のピークの値は、略同一とされるが、光電変換素子413Bの出力に対しては光電変換素子413Aの出力が混じる一方で、光電変換素子913Bの出力に対しては光電変換素子913Aの出力が混じっている。
【0344】
このとき、曲線A1と曲線A2に注目すれば、光電変換素子413Aの出力は、光電変換素子913Aの出力と比べて小さいため、光電変換素子413Bの出力に対して混じる光電変換素子413Aの出力が低減されていることになる。
【0345】
このように、図49の画素400においては、オンチップレンズ411を、屈折率の異なる部材411Aと部材411Bから構成することで、一方の光電変換素子413(413A、又は413B)の出力に対し、他方の光電変換素子413(413B、又は413A)の出力が混じらないようにして、位相差検出の精度を向上させることができる。その結果として、CMOSイメージセンサ10を搭載した電子機器では、より高精度なオートフォーカスを実現することができる。
【0346】
(構造の第2の例)
図51は、第12の実施の形態の画素の構造の第2の例を示す断面図である。
【0347】
図51の画素400は、図49の画素400と比べて、左右の光電変換素子413A,413Bの間に素子間分離部416が形成されるとともに、オンチップレンズ411の断面の形状が異なっている。すなわち、図51の画素400において、オンチップレンズ411は、部材411A及び部材411Bの屈折率の異なる2種類の物質のほかに、さらに異なる物質からなる部材411Cを含んでいる。
【0348】
オンチップレンズ411においては、部材411Bが光入射面側にV字型に掘り込まれた形状を有し、そのV字型の部分に、部材411Aの一部(光入射面の反対側の部分)が埋め込まれている。また、オンチップレンズ411では、部材411Bが光入射面の反対側にもV字型に掘り込まれた形状を有し、そのV字型の部分に、部材411C(の全部)が埋め込まれている。
【0349】
ここでは、部材411Bに対して部材411Aと部材411CをV字型の断面になるように形成するに際して、それらのV字型の頂点が接するとともに、部材411CのV字型の断面が、部材411AのV字型の断面よりも小さくなるような形状になるようにしたが、図51に示した断面の形状は一例であって、他の形状を採用してもよい。
【0350】
また、オンチップレンズ411において、部材411Aを、高屈折材(High-n材料)から構成し、部材411Bを、低屈折材(Low-n材料)から構成した場合に、部材411Cは、シリコン層410に形成した素子間分離部416に入射される光の量を低減させることが可能な屈折率の材料から構成することができる。この場合において、部材411Cの屈折率は、部材411A及び部材411Bと異なる屈折率とすることができる。なお、部材411Cの屈折率は、部材411Aと同一の屈折率としてもよい。
【0351】
このように、図51の画素400においては、左右の光電変換素子413A,413Bの間に素子間分離部416を設ける場合に、オンチップレンズ411を、部材411A及び部材411Bのほかに、部材411Cを含めた構造とすることで、素子間分離部416への光の入射量を低減することができる。
【0352】
(構造の第3の例)
図52は、第12の実施の形態の画素の構造の第3の例を示す断面図である。
【0353】
図52の画素400は、図51の画素400と比べて、素子間分離部416が設けられ、かつ、オンチップレンズ411が部材411Aないし部材411Cを含んで構成される点で一致しているが、オンチップレンズ411の材料に応じて色ごとに、その光軸方向(積層方向)の高さが最適化されている点が異なっている。
【0354】
図52では、各画素400において、部材411A、部材411B、部材411Cの屈折率を、n,n,nで表している。また、G画素400において、オンチップレンズ411は、その曲率半径をrで表し、その高さをhで表している。同様に、R画素400では、オンチップレンズ411の曲率半径と高さを、r,hで表し、B画素400では、オンチップレンズ411の曲率半径と高さを、r,hで表している。
【0355】
ここで、G画素400における高さhと、R画素400における高さhと、B画素400における高さhは、オンチップレンズ411の材料、すなわち、部材411Aないし部材411Cの屈折率n,n,nに合わせて色ごとに最適化されている。
【0356】
例えば、オンチップレンズ411の色ごとの高さh,h,hの関係であるが、色収差を考慮に入れれば、下記の式(1)のような関係とすることができる。
【0357】
> h > h ・・・(1)
【0358】
なお、ここでは、色ごとに最適化するためのパラメータとして、オンチップレンズ411の高さhを調整する場合について例示したが、他のパラメータが用いられるようにしてもよい。例えば、オンチップレンズ411の曲率半径rを調整する場合には、例えば、色収差を考慮して、下記の式(2)のような関係とすることができる。
【0359】
> r > r ・・・(2)
【0360】
このように、図52の画素400においては、オンチップレンズ411の材料(複数種類の部材の屈折率)に応じて色ごとにその高さや曲率半径等のパラメータを最適化することで、例えば、各色の量子効率や分離比を向上させたり、あるいは、混色を抑制したりすることができる。
【0361】
なお、図52には、G画素400において、部材411Bにおける部材411Aとの境界面と水平面とがなす角度をθで表している。同様に、R画素400、B画素400では、部材411Bにおける部材411Aとの境界面と水平面とがなす角度をθ,θで表している。例えば、これらの角度θ,θ,θを、上述したオンチップレンズ411の高さhや曲率半径r以外のパラメータとして用いて最適化されるようにしてもよい。
【0362】
(構造の第4の例)
図53は、第12の実施の形態の画素の構造の第4の例を示す断面図である。
【0363】
図53の画素400は、図49の画素400と比べて、素子間分離部416が設けられるとともに、オンチップレンズ411における部材411Aと部材411Bとの間に、制御部材421が設けられる点で異なっている。
【0364】
制御部材421は、例えば、フォトニック結晶から構成される。フォトニック結晶は、屈折率が周期的に変化するナノ構造体である。オンチップレンズ411においては、部材411Aと部材411Bとの間に、制御部材421を形成して、光の入射角度依存を制御可能な構造としている。
【0365】
すなわち、画素400においては、フォトニック結晶としての制御部材421を設けることで、例えば、図中の左側の方向からの入射光に対して左側の光電変換素子413Aに光が入らないように全反射させる構造としたり、あるいは、図中の右側の方向からの入射光に対して右側の光電変換素子413Bに光が入らないように全反射させる構造としたりすることができる。つまり、画素400では、フォトニック結晶の入射角度依存を効率良く利用して、より入射角度依存性を高めるような構造にしている。
【0366】
このように、図53の画素400においては、オンチップレンズ411における部材411Aと部材411Bとの間に、フォトニック結晶としての制御部材421を形成して、光の入射角度依存を制御可能な構造とすることで、混色を抑えながら、より位相差検出の精度を向上させることができる。
【0367】
(構造の第5の例)
図54は、第12の実施の形態の画素の構造の第5の例を示す断面図である。
【0368】
図54の画素400は、図53の画素400と比べて、各色に対応したカラーフィルタ412が取り除かれ、分光の機能を制御部材421(421R,421G,421B)が有している点で異なっている。
【0369】
制御部材421(421R,421G,421B)は、例えば、フォトニック結晶から構成される。ここで、フォトニック結晶では、特定の波長の光だけが周期構造体と共鳴して反射や透過を起こすため、この特性を利用してカラーフィルタと同様に分光の機能を持たせることができる。
【0370】
すなわち、図54のG画素400においては、部材411Aと部材411Bとの間に、フォトニック結晶としての制御部材421Gを形成するに際して、フォトニック結晶構造によって緑(G)の波長成分を透過するフィルタとして機能させることを可能とすることで、Gカラーフィルタ412を設けない構造としている。
【0371】
同様に、図54のR画素400においては、制御部材421Rを形成する際に、フォトニック結晶構造によって赤(R)の波長成分を透過するフィルタとして機能させることで、Rカラーフィルタ412を設けない構造としている。同様にまた、図54のB画素400においては、フォトニック結晶構造によって青(B)の波長成分を透過するフィルタとして機能させることで、Bカラーフィルタ412を設けない構造としている。
【0372】
このように、図54の画素400においては、フォトニック結晶としての制御部材421を設ける際に、フォトニック結晶構造を用いて各色のカラーフィルタと同等に機能させることで、フォトニック結晶の入射角度依存を効率良く利用して、より入射角度依存性を高めるような構造とするだけでなく、カラーフィルタ412を設けない構造とすることができる。
【0373】
(構造の第6の例)
図55は、第12の実施の形態の画素の構造の第6の例を示す平面図である。
【0374】
画素400は、画素アレイ部11(図1)に2次元状(行列状)に配列されるが、画素アレイ部11(図1)に配列される画素のうち、すべての画素を画素400と同様の構造とすることは勿論、その一部の画素を画素400と同様の構造とするようにしてもよい。
【0375】
例えば、図55に示すように、画素アレイ部11において、近傍の同色の画素(同色の2×2の4画素)で画素回路を共有した共有画素を、規則的に配列した配列パターンを採用した場合においても、一部の画素を、画素400と同様の構造とすることができる。
【0376】
ただし、図55に示した画素配列において、各画素400は、1つの光電変換素子を有する構造(1PD構造)からなる。ここでは、上述した2PD構造の画素400と区別するために、1PD構造の画素400を、画素400(1PD)と表記するものとする。
【0377】
ここで、例えば、図55に示した画素配列において、同一行に配置されたG画素400-11(1PD)とG画素400-12(1PD)に対し、楕円型のオンチップレンズ411Eが形成されている。このオンチップレンズ411Eは、上述したオンチップレンズ411(図49等)と同様に、屈折率の異なる複数種類の物質からなる構造を有している。
【0378】
すなわち、1つのオンチップレンズ411Eに対し、G画素400-11(1PD)の1つの光電変換素子413(例えば、図49の光電変換素子413Aに相当)と、G画素400-12(1PD)の1つの光電変換素子413(例えば、図49の光電変換素子413Bに相当)とが設けられた構造からなる。そして、ここでは、同一行に配置されたG画素400-11(1PD)の光電変換素子413と、G画素400-12(1PD)の光電変換素子413のそれぞれの出力を用いて、位相差検出が行われる。
【0379】
同様にまた、同一行に配置されたG画素400-21(1PD)とG画素400-22(1PD)などについても、楕円型のオンチップレンズ411Eが形成され、それらのG画素400(1PD)の光電変換素子413(例えば、図49の光電変換素子413A,413Bに相当)のそれぞれの出力を用いた位相差検出が行われる。
【0380】
さらに、例えば、同一列に配置されたG画素400-33(1PD)とG画素400-43(1PD)や、G画素400-34(1PD)とG画素400-44(1PD)などのように、列方向に、楕円型のオンチップレンズ411Eが形成されるようにしてもよい。
【0381】
なお、図55に示した画素配列においては、楕円型のオンチップレンズ411Eに対し、2つのG画素400(1PD)が配置される場合を説明したが、R画素400(1PD)やB画素400(1PD)が、行方向又は列方向の楕円型のオンチップレンズ411Eに対して配置されるようにしてもよい。
【0382】
(構造の第7の例)
図56は、第12の実施の形態の画素の構造の第7の例を示す平面図である。
【0383】
図56に示すように、画素アレイ部11(図1)において、ベイヤー配列を採用した場合においても、一部の画素を、画素400と同様の構造とすることができる。ただし、図56に示した画素配列においても、各画素400は、1つの光電変換素子を有する構造(1PD構造)からなり、この1PD構造の画素400を、画素400(1PD)と表記するものとする。
【0384】
ここで、例えば、図56に示した画素配列において、同一列に配置されたG画素400-22(1PD)とG画素400-32(1PD)に対し、楕円型のオンチップレンズ411Eが形成されている。このオンチップレンズ411Eは、上述したオンチップレンズ411(図49等)と同様に、屈折率の異なる複数種類の物質からなる構造を有している。
【0385】
すなわち、1つのオンチップレンズ411Eに対し、G画素400-22(1PD)の1つの光電変換素子413(例えば、図49の光電変換素子413Aに相当)と、G画素400-32(1PD)の1つの光電変換素子413(例えば、図49の光電変換素子413Bに相当)とが設けられた構造からなり、それらのG画素400(1PD)の光電変換素子413のそれぞれの出力を用いた位相差検出が行われる。
【0386】
同様にまた、同一列に配置されたG画素400-27(1PD)とG画素400-37(1PD)などについても、楕円型のオンチップレンズ411Eが形成され、それらのG画素400の光電変換素子413(例えば、図49の光電変換素子413A,413Bに相当)のそれぞれの出力を用いた位相差検出が行われる。
【0387】
さらに、例えば、同一行に配置されたG画素400-71(1PD)とG画素400-72(1PD)や、G画素400-66(1PD)とG画素400-67(1PD)などのように、行方向の楕円型のオンチップレンズ411Eが形成されるようにしてもよい。
【0388】
なお、図56に示したベイヤー配列においては、楕円型のオンチップレンズ411Eに対し、2つのG画素400(1PD)が配置される場合を説明したが、R画素400(1PD)やB画素400(1PD)が、行方向又は列方向の楕円型のオンチップレンズ411Eに対して配置されるようにしてもよい。
【0389】
以上、第12の実施の形態について説明した。
【0390】
(13)第13の実施の形態
【0391】
図57は、CMOSイメージセンサの画素アレイ部に2次元状に配列される画素の構造を示している。
【0392】
図57において、画素900は、光電変換素子913Aと光電変換素子913Bを有する2PD構造からなる。光電変換素子913A,913Bでは、オンチップレンズ911により集光され、赤(R),緑(G),又は青(B)の各色の波長を透過するカラーフィルタを透過した光から、各色の成分に対応した電荷が生成される。
【0393】
画素900において、光電変換素子913Aと光電変換素子913Bにより生成された電荷は、転送ゲートを介して読み出され、位相差検出の情報として用いられる。
【0394】
ところで、画素900において、一方の光電変換素子913の出力に対し、他方の光電変換素子913の出力が混じらないようにするための構造として、左右の光電変換素子913の間に、物理的な分離部を形成する構造を採用することができる。
【0395】
図58は、左右の光電変換素子の間に物理的な分離部が設けられた画素の構造を示している。
【0396】
図58の画素900においては、光電変換素子913Aと光電変換素子913Bとの間に、素子間分離部916が形成され、物理的に分離されている。このように、素子間分離部916を形成することで、一方の光電変換素子913の出力に対し、他方の光電変換素子913の出力が混じらないようにして、位相差検出の精度を向上させることができる。
【0397】
しかしながら、画素900において、位相差の特性を改善するために、光電変換素子913Aと光電変換素子913Bとの間に、光入射面側(裏面側)からDTI技術を用いて素子間分離部916を形成した場合、集光スポットが加工面直上に位置するため、加工界面からの光の散乱(図58の矢印SL)が発生することで、分光特性が劣化し、撮像画像が劣化してしまう恐れがある。
【0398】
そこで、第13の実施の形態では、CMOSイメージセンサ10(図1)の画素アレイ部11に2次元状に配列される画素500として、同色の光電変換素子の中央部分(同色間中央部)に、縦型トランジスタを形成した構造を採用する。このような構造を採用することで、より効率的に、入射光を所望の左右の光電変換素子に光学分離することができる。
【0399】
以下、図59ないし図61を参照しながら、第13の実施の形態の画素の構造について説明する。
【0400】
(構造の第1の例)
図59は、第13の実施の形態の画素の構造の第1の例を示す断面図である。
【0401】
図59において、画素500は、2PD構造からなり、オンチップレンズ511、カラーフィルタ512、光電変換素子513A,513B、画素間遮光部514、及び画素間分離部515を含んで構成される。
【0402】
なお、画素500において、オンチップレンズ511ないし画素間分離部515は、上述した実施の形態の画素100(図11等)を構成するオンチップレンズ111、カラーフィルタ112、光電変換素子113A,113B、画素間遮光部114、及び画素間分離部115にそれぞれ対応しているため、ここでは、その説明を適宜省略する。
【0403】
画素500において、オンチップレンズ511により集光された入射光ILは、カラーフィルタ512を透過して、光電変換素子513A又は光電変換素子513Bにおける光電変換領域に照射される。
【0404】
ここで、画素500において、光電変換素子513Aと光電変換素子513Bとの間の同色間中央部521には、光入射面の反対側の面(表面側)から、シリコン層510内に、縦型トランジスタ531を形成している。すなわち、ここでは、光電変換素子513A,513Bに対してそれぞれ設けられる転送トランジスタ151のほかに、それらの素子の間に、縦型トランジスタ531が設けられている。
【0405】
このように、同色間中央部521において、光入射面(裏面側)から素子間分離部を形成するのではなく、その反対側の面(表面側)から縦型トランジスタ531を形成することで、加工面直上に光を集中させることなく、左右の光電変換素子513A,513Bに対し、効率的な光学分離を実現することができる。
【0406】
また、ここでは、同色間中央部521に形成された縦型トランジスタ531の機能を利用するようにしてもよい。すなわち、縦型トランジスタ531に対し、電圧(例えば正の電圧)を印加することで、光電変換素子513Aと光電変換素子513Bとの間(縦型トランジスタ531の上部)に、ブルーミングパス(チャネル)を生成することが可能となる。画素500では、このブルーミングパスを介して、左右の光電変換素子513A,513Bに蓄積された電荷をやりとりすることができる。
【0407】
ここで、画素500は、画像取得用の画素と、位相差検出用の画素の両方の用途に用いることができるため、オートフォーカス時には、位相差検出用の画素として機能する一方で、オートフォーカス終了後の撮像時には、画像取得用の画素として機能することができる。
【0408】
そして、画素500が画像取得用の画素として機能する際に、例えば、左右の光電変換素子513A,513Bのうち、一方の光電変換素子513(513A又は513B)に蓄積される電荷が飽和しそうになったとき(左右の光電変換素子513A,513Bにより生成される電荷がアンバランスなとき)に、ブルーミングパスを介して他方の光電変換素子513(513B又は513A)に蓄積させることで、電荷が飽和することを抑制することができる。これにより、画素500においては、縦型トランジスタ531に対する電圧の制御によって、出力リニアリティを制御することが可能となる。
【0409】
なお、画素500において、光電変換素子513A,513Bと、隣接する画素の光電変換素子との間の異色間中央部522には、光入射面(裏面側)から、シリコン層510内に、金属などの画素間分離部515が形成されている。ここで、金属としては、例えば、タングステン(W)やアルミニウム(Al)、銀(Ag)、ロジウム(Rh)などを用いることができる。
【0410】
また、図59の画素500においては、画素間分離部515を形成するに際し、光電変換領域が形成されたシリコン層510内に、光入射面側から溝部を掘り込んで金属を埋め込むことになるが、その際に、溝部の側壁に、ピニング膜(負の固定電荷膜)、及び絶縁膜を設けることができる。ここで、ピニング膜としては、例えば、酸化ハフニウム(HfO2)や、酸化タンタル(Ta2O5)などを用いることができる。また、絶縁膜としては、例えば、二酸化シリコン(SiO2)などを用いることができる。
【0411】
このように、図59の画素500においては、光電変換素子513Aと光電変換素子513Bとの間の同色間中央部521に、光入射面の反対側の面(表面側)から縦型トランジスタ531を形成した構造とすることで、光電変換素子513A,513Bの受光面側に加工面を出さずに溝部(トレンチ)を形成することができるため、高い位相差分離特性を得ることができる。
【0412】
(構造の第2の例)
図60は、第13の実施の形態の画素の構造の第2の例を示す断面図である。
【0413】
図60の画素500は、図59の画素500と比べて、異色間中央部522において、画素間分離部515の代わりに、縦型トランジスタ532が形成されている。
【0414】
すなわち、図60の画素500においては、同色間中央部521に、光入射面の反対側の面(表面側)から縦型トランジスタ531を形成するとともに、異色間中央部522にも、光入射面の反対側の面(表面側)から縦型トランジスタ532を形成した構造としている。
【0415】
異色間中央部522において、光入射面(裏面側)から画素間分離部を形成するのではなく、その反対側の面(表面側)から縦型トランジスタ532を形成することで、画素間分離部を形成した構造よりは劣るものの、長波長光による混色の抑制効果を維持することができる。
【0416】
また、ここでは、異色間中央部522に形成された縦型トランジスタ532の機能を利用するようにしてもよい。すなわち、縦型トランジスタ532に対し、電圧(例えば負の電圧)を印加することで、シリコン層510内に電荷(負の電荷)を発生させてピニングを強化することができる。その結果として白点の抑制が可能となる。さらに、ここでも、同色間中央部521に形成された縦型トランジスタ531に対して電圧(例えば正の電圧)を印加することで、左右の光電変換素子513A,513Bの出力リニアリティを制御することが可能となる。
【0417】
このように、図60の画素500においては、同色間中央部521と異色間中央部522に、光入射面の反対側の面(表面側)から、縦型トランジスタ531と縦型トランジスタ532をそれぞれ形成した構造とすることで、高い位相差分離特性を得るとともに、長波長光による混色の抑制効果を維持しつつ、ピニングの強化や出力リニアリティの制御を実現することができる。
【0418】
(構造の第3の例)
図61は、第13の実施の形態の画素の構造の第3の例を示す断面図である。
【0419】
図61の画素500は、図59の画素500と比べて、同色間中央部521だけでなく、異色間中央部522においても、縦型トランジスタ532が形成されている。
【0420】
すなわち、図61の画素500においては、異色間中央部522にて、光入射面(裏面側)から、金属等の画素間分離部515を形成するとともに、その反対側の面(表面側)から縦型トランジスタ532を形成した構造としている。
【0421】
このような構造を採用することで、異色間中央部522にて、単に画素間分離部541のみを形成した場合と比べて、縦型トランジスタ532をさらに形成している分だけ、混色の抑制効果を高めることができる。
【0422】
また、ここでも、異色間中央部522に形成された縦型トランジスタ532の機能を利用して、縦型トランジスタ532に対し、電圧(例えば負の電圧)を印加することで、ピニングを強化することができ、白点の抑制が可能となる。なお、同色間中央部521に形成された縦型トランジスタ531に対して電圧(例えば正の電圧)を印加することで、左右の光電変換素子513A,513Bの出力リニアリティを制御することが可能となる。
【0423】
このように、図61の画素500においては、異色間中央部522に、光入射面(裏面側)から、画素間分離部515を形成するとともに、同色間中央部521と異色間中央部522に、光入射面と反対側の面(表面側)から、縦型トランジスタ531と縦型トランジスタ532をそれぞれ形成した構造とすることで、高い位相差分離特性を得るとともに、混色の抑制効果をさらに高め、さらには、ピニングの強化や出力リニアリティの制御を実現することができる。
【0424】
以上、第13の実施の形態について説明した。
【0425】
<4.画素の回路構成>
【0426】
図62は、各実施の形態の画素100の回路構成を示す図である。
【0427】
図62においては、図中の上段と下段にそれぞれ設けられた2つの画素100によって、浮遊拡散領域(FD:Floating Diffusion)が共有されている。ただし、各画素100は、光電変換素子113Aと光電変換素子113Bを有する2PD構造からなり、1つのオンチップレンズ111及び1つのカラーフィルタ112を共有している。また、転送トランジスタ151A,151Bは、上述した転送ゲート151A,151Bに対応している。
【0428】
光電変換素子113Aとしてのフォトダイオードのアノードは接地されており、フォトダイオードのカソードは、転送トランジスタ151Aのソースに接続されている。転送トランジスタ151Aのドレインは、それぞれリセットトランジスタ152のソース及び増幅トランジスタ153のゲートに接続されている。
【0429】
光電変換素子113Bとしてのフォトダイオードのアノードは接地されており、フォトダイオードのカソードは、転送トランジスタ151Bのソースに接続されている。転送トランジスタ151Bのドレインは、それぞれリセットトランジスタ152のソース及び増幅トランジスタ153のゲートに接続されている。
【0430】
上段の2つの画素のそれぞれの転送トランジスタ151A,151Bのドレインと、リセットトランジスタ152のソース及び増幅トランジスタ153のゲートとの接続点が、浮遊拡散領域(FD)161を構成している。同様に、下段の2つの画素のそれぞれの転送トランジスタ151A,151Bのドレインと、リセットトランジスタ152のソース及び増幅トランジスタ153のゲートとの接続点が、浮遊拡散領域(FD)161を構成している。
【0431】
リセットトランジスタ152のドレイン及び増幅トランジスタ153のソースは、電源に接続されている。増幅トランジスタ153のドレインは、選択トランジスタ154のソースに接続されており、選択トランジスタ154のドレインは、垂直信号線22に接続されている。
【0432】
転送トランジスタ151A,151Bのゲート、リセットトランジスタ152のゲート、及び選択トランジスタ154のゲートは、画素駆動線21を介して、垂直駆動回路12(図1)にそれぞれ接続されており、駆動信号としてのパルスがそれぞれ供給される。
【0433】
次に、図62に示した画素100の基本機能について説明する。
【0434】
リセットトランジスタ152は、そのゲートに入力される駆動信号RSTに従って、浮遊拡散領域(FD)161に蓄積されている電荷の排出をオン/オフする。
【0435】
光電変換素子113Aは、入射光を光電変換し、その光量に応じた電荷を生成し、蓄積する。転送トランジスタ151Aは、そのゲートに入力される駆動信号TRGに従って、光電変換素子113Aから浮遊拡散領域(FD)161への電荷の転送をオン/オフする。
【0436】
光電変換素子113Bは、入射光を光電変換し、その光量に応じた電荷を生成し、蓄積する。転送トランジスタ151Bは、そのゲートに入力される駆動信号TRGに従って、光電変換素子113Bから浮遊拡散領域(FD)161への電荷の転送をオン/オフする。
【0437】
浮遊拡散領域(FD)161は、光電変換素子113Aから転送トランジスタ151Aを介して転送されてくる電荷、又は光電変換素子113Bから転送トランジスタ151Bを介して転送されてくる電荷を蓄積する機能を有している。浮遊拡散領域(FD)161の電位は、蓄積された電荷量に応じて変調される。
【0438】
増幅トランジスタ153は、そのゲートに接続された浮遊拡散領域(FD)161の電位変動を入力信号とする増幅器として動作し、その出力信号電圧は、選択トランジスタ154を介して垂直信号線22に出力される。
【0439】
選択トランジスタ154は、そのゲートに入力される駆動信号SELに従って、増幅トランジスタ153からの電圧信号の垂直信号線22への出力をオン/オフする。
【0440】
以上のように、2PD構造からなる画素100は、垂直駆動回路12(図1)から供給される駆動信号(TRG,RST,SEL)に従って駆動される。
【0441】
なお、図62においては、第1の実施の形態ないし第9の実施の形態の画素100の回路構成について説明したが、第10の実施の形態の画素200、第11の実施の形態の画素300、第12の実施の形態の画素400、又は第13の実施の形態の画素500についても同様の回路構成を採用することができる。
【0442】
<5.変形例>
【0443】
(実施の形態の組み合わせの例)
上述した9つの実施の形態は、それぞれが単独の実施の形態として成立することは勿論、複数の実施の形態の全て又は一部を可能な範囲で組み合わせた形態を採用するようにしてもよい。
【0444】
例えば、上述した第7の実施の形態に対し、第2の実施の形態を組み合わせることで、行方向又は列方向の楕円型のオンチップレンズ111Eに対し、行方向又は列方向に複数の画素100(1PD構造の画素100)を配置した構成で、当該複数の画素100において、画素間遮光部114によって、突起部114Pが形成されるようにすることができる。
【0445】
また、例えば、上述した第7の実施の形態に対し、第3の実施の形態を組み合わせることで、行方向又は列方向の楕円型のオンチップレンズ111Eに対し、行方向又は列方向に複数の画素100(1PD構造の画素100)を配置した構成で、当該複数の画素100において、画素間分離部115による突起部115Pとともに、画素間遮光部114によって、突起部114Pが形成されるようにすることができる。
【0446】
例えば、上述した第8の実施の形態に対し、第2の実施の形態を組み合わせることで、1つのオンチップレンズ111に対し、2行2列の画素100(1PD構造の画素100)を配置した構成で、当該2行2列の画素100において、画素間遮光部114によって、突起部114Pが形成されるようにすることができる。
【0447】
また、例えば、上述した第8の実施の形態に対し、第3の実施の形態を組み合わせることで、1つのオンチップレンズ111に対し、2行2列の画素100(1PD構造の画素100)を配置した構成で、当該2行2列の画素100において、画素間分離部115による突起部115Pとともに、画素間遮光部114によって、突起部114Pが形成されるようにすることができる。
【0448】
さらに、例えば、第10の実施の形態ないし第13の実施の形態のいずれかに対し、上述した第1の実施の形態ないし第9の実施の形態のいずれかを組み合わせることで、例えば、画素200(画素300、画素400、又は画素500)において、画素間分離部215(画素間分離部315、画素間分離部415、又は画素間分離部515)によって突起部215P(突起部315P、突起部415P、又は突起部515P)が形成されるようにしてもよい。
【0449】
この場合において、例えば、画素200(画素300、画素400、又は画素500)において、画素間遮光部214(画素間遮光部314、画素間遮光部414、又は画素間遮光部514)によって突起部214P(突起部314P、突起部414P、又は突起部514P)が形成されるようにしてもよい。
【0450】
なお、上述した説明では、画素100は、1つのオンチップレンズ111に対し、左右の光電変換素子113A,113Bを設けた構造(2PD構造)からなるとして説明したが、左右の光電変換素子113A,113Bを、左画素100A、右画素100Bとして捉えるようにしてもよい。すなわち、画素100は、光電変換素子113Aを有する左画素100Aと、光電変換素子113Bを有する右画素100Bから構成される画素部であるとも言える。
【0451】
同様にして、画素200(画素300、画素400、又は画素500)についても、光電変換素子213A(光電変換素子313A、光電変換素子413A、又は光電変換素子513A)を有する左画素200A(左画素300A、左画素400A、又は左画素500A)と、光電変換素子213B(光電変換素子313B、光電変換素子413B、又は光電変換素子513B)を有する右画素200B(右画素300B、右画素400B、又は右画素500B)から構成される画素部と捉えることができる。
【0452】
なお、上述した説明では、画素100の光電変換素子113A,113Bとして、フォトダイオード(PD)が用いられる場合を説明したが、例えば、光電変換膜などの他の部材(素子)が用いられるようにしてもよい。また、オンチップレンズ111は、焦点検出を行う画素上のレンズであって、マイクロレンズであるとも言える。これらについては、画素200、画素300、画素400、又は画素500についても同様である。
【0453】
また、上述した説明では、画素100に対して、画素間遮光部114及び画素間分離部115が正方格子状に形成されるとして説明したが、正方格子状に限らず、例えば、長方形を含む矩形などの他の形状であってもよい。さらにまた、画素100についても正方単位に限らず、他の単位で形成されるようにしてもよい。これらについては、画素200、画素300、画素400、又は画素500についても同様である。
【0454】
また、上述した説明では、画素アレイ部11(図1)に2次元状に配列される画素100(画素200、画素300、画素400、又は画素500)として、R画素、G画素、及びB画素を示したが、例えば、白(W:White)に対応したW画素や、赤外線(IR:infrared)に対応したIR画素など、RGB画素以外の画素が含まれるようにしてもよい。なお、W画素は、全波長領域の光を透過させてその光に対応した電荷を得る画素である。また、IR画素は、赤外線(IR)を透過し、赤外光の波長帯に対して感度を有する画素である。
【0455】
(固体撮像装置の他の例)
また、上述した実施の形態では、画素が2次元状に配列されてなるCMOSイメージセンサに適用した場合を例に挙げて説明したが、本技術はCMOSイメージセンサへの適用に限られるものではない。すなわち、本技術は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサなど、画素が2次元配列されてなるX-Yアドレス方式の固体撮像装置全般に対して適用可能である。
【0456】
さらに、本技術は、可視光の入射光量の分布を検知して画像として撮像する固体撮像装置への適用に限らず、赤外線やX線、あるいは粒子等の入射量の分布を画像として撮像する固体撮像装置全般に対して適用可能である。また、上述した実施の形態では、1つのオンチップレンズ111に対し、2つの光電変換素子113が形成された2PD構造の画素100を中心に説明したが、本技術は、1つのオンチップレンズ111に対し、複数の光電変換素子113が形成された画素100についても同様に適用することができる。
【0457】
<6.電子機器の構成>
【0458】
図63は、本技術を適用した固体撮像装置を有する電子機器の構成例を示すブロック図である。
【0459】
電子機器1000は、例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置や、スマートフォンやタブレット型端末等の携帯端末装置などの電子機器である。
【0460】
電子機器1000は、固体撮像装置1001、DSP回路1002、フレームメモリ1003、表示部1004、記録部1005、操作部1006、及び、電源部1007から構成される。また、電子機器1000において、DSP回路1002、フレームメモリ1003、表示部1004、記録部1005、操作部1006、及び電源部1007は、バスライン1008を介して相互に接続されている。
【0461】
固体撮像装置1001は、上述したCMOSイメージセンサ10(図1)に対応しており、画素アレイ部11(図1)に2次元状に配列される画素100として、上述した第1の実施の形態ないし第9の実施の形態に示した画素100を採用することができる。これにより、電子機器1000では、第1の実施の形態ないし第9の実施の形態に示した画素100(像面位相差検出画素)から得られる位相差検出用の信号に基づき位相差を検出して、合焦対象物に対してフォーカスを合わせる制御を行うことができる。
【0462】
また、画素アレイ部11(図1)に2次元状に配列される画素として、上述した第10の実施の形態ないし第13の実施の形態に示した画素200、画素300、画素400、又は画素500を配列するようにしてもよい。この場合においても、電子機器1000では、画素200、画素300、画素400、又は画素500から得られる位相差検出用の信号に基づき位相差を検出して、合焦対象物に対してフォーカスを合わせる制御を行うことができる。
【0463】
なお、画素100は、1つのオンチップレンズ111に対し、2つの光電変換素子113A,113Bを設けた構造(2PD構造)からなるため、光電変換素子113A,113Bに蓄積された電荷を合算して生成される画素信号(A+B信号)を、画像取得用の信号として用いるとともに、光電変換素子113Aに蓄積された電荷から得られる画素信号(A信号)と、光電変換素子113Bに蓄積された電荷から得られる画素信号(B信号)とをそれぞれ独立に読み出して、位相差検出用の信号として用いることができる。
【0464】
このように、画素100は、2PD構造を有し、画像取得用の画素と、位相差検出用の画素(像面位相差検出画素)の両方の用途に用いることができる。また、詳細な説明は省略するが、画素200、画素300、画素400、及び画素500についても同様に、2PD構造を有することから、画像取得用の画素と、位相差検出用の画素の両方の用途に用いることができる。
【0465】
DSP回路1002は、固体撮像装置1001から供給される信号を処理するカメラ信号処理回路である。DSP回路1002は、固体撮像装置1001からの信号を処理して得られる画像データを出力する。フレームメモリ1003は、DSP回路1002により処理された画像データを、フレーム単位で一時的に保持する。
【0466】
表示部1004は、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等のパネル型表示装置からなり、固体撮像装置1001で撮像された動画又は静止画を表示する。記録部1005は、固体撮像装置1001で撮像された動画又は静止画の画像データを、半導体メモリやハードディスク等の記録媒体に記録する。
【0467】
操作部1006は、ユーザによる操作に従い、電子機器1000が有する各種の機能についての操作指令を出力する。電源部1007は、DSP回路1002、フレームメモリ1003、表示部1004、記録部1005、及び、操作部1006の動作電源となる各種の電源を、これら供給対象に対して適宜供給する。
【0468】
電子機器1000は、以上のように構成される。本技術は、以上説明したように、固体撮像装置1001に適用される。具体的には、CMOSイメージセンサ10(図1)は、固体撮像装置1001に適用することができる。固体撮像装置1001に本技術を適用して、画素100において、分離性寄与が低い領域に対し、画素間遮光部114又は画素間分離部115によって突起部を形成することで、撮像画像の劣化を抑制しつつ、位相差検出の精度の向上を図ることができる。
【0469】
<7.固体撮像装置の使用例>
【0470】
図64は、本技術を適用した固体撮像装置の使用例を示す図である。
【0471】
CMOSイメージセンサ10(図1)は、例えば、以下のように、可視光や、赤外光、紫外光、X線等の光をセンシングする様々なケースに使用することができる。すなわち、図64に示すように、鑑賞の用に供される画像を撮影する鑑賞の分野だけでなく、例えば、交通の分野、家電の分野、医療・ヘルスケアの分野、セキュリティの分野、美容の分野、スポーツの分野、又は、農業の分野などにおいて用いられる装置でも、CMOSイメージセンサ10を使用することができる。
【0472】
具体的には、鑑賞の分野において、例えば、デジタルカメラやスマートフォン、カメラ機能付きの携帯電話機等の、鑑賞の用に供される画像を撮影するための装置(例えば、図63の電子機器1000)で、CMOSイメージセンサ10を使用することができる。
【0473】
交通の分野において、例えば、自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用センサ、走行車両や道路を監視する監視カメラ、車両間等の測距を行う測距センサ等の、交通の用に供される装置で、CMOSイメージセンサ10を使用することができる。
【0474】
家電の分野において、例えば、ユーザのジェスチャを撮影して、そのジェスチャに従った機器操作を行うために、テレビ受像機や冷蔵庫、エアーコンディショナ等の家電に供される装置で、CMOSイメージセンサ10を使用することができる。また、医療・ヘルスケアの分野において、例えば、内視鏡や、赤外光の受光による血管撮影を行う装置等の、医療やヘルスケアの用に供される装置で、CMOSイメージセンサ10を使用することができる。
【0475】
セキュリティの分野において、例えば、防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等の、セキュリティの用に供される装置で、CMOSイメージセンサ10を使用することができる。また、美容の分野において、例えば、肌を撮影する肌測定器や、頭皮を撮影するマイクロスコープ等の、美容の用に供される装置で、CMOSイメージセンサ10を使用することができる。
【0476】
スポーツの分野において、例えば、スポーツ用途等向けのアクションカメラやウェアラブルカメラ等の、スポーツの用に供される装置で、CMOSイメージセンサ10を使用することができる。また、農業の分野において、例えば、畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の、農業の用に供される装置で、CMOSイメージセンサ10を使用することができる。
【0477】
<8.本開示に係る技術を適用し得る積層型の固体撮像装置の構成例>
【0478】
図65は、本開示に係る技術を適用し得る積層型の固体撮像装置の構成例の概要を示す図である。
【0479】
図65のAは、非積層型の固体撮像装置の概略構成例を示している。固体撮像装置23010は、図65のAに示すように、1枚のダイ(半導体基板)23011を有する。このダイ23011には、画素がアレイ状に配置された画素領域23012と、画素の駆動その他の各種の制御を行う制御回路23013と、信号処理するためのロジック回路23014とが搭載されている。
【0480】
図65のB及びCは、積層型の固体撮像装置の概略構成例を示している。固体撮像装置23020は、図65のB及びCに示すように、センサダイ23021とロジックダイ23024との2枚のダイが積層され、電気的に接続されて、1つの半導体チップとして構成されている。
【0481】
図65のBでは、センサダイ23021には、画素領域23012と制御回路23013が搭載され、ロジックダイ23024には、信号処理を行う信号処理回路を含むロジック回路23014が搭載されている。
【0482】
図65のCでは、センサダイ23021には、画素領域23012が搭載され、ロジックダイ23024には、制御回路23013及びロジック回路23014が搭載されている。
【0483】
図66は、積層型の固体撮像装置23020の第1の構成例を示す断面図である。
【0484】
センサダイ23021には、画素領域23012となる画素を構成するPD(フォトダイオード)や、FD(フローティングディフュージョン)、Tr(MOS FET)、及び、制御回路23013となるTr等が形成される。さらに、センサダイ23021には、複数層、本例では3層の配線23110を有する配線層23101が形成される。なお、制御回路23013(となるTr)は、センサダイ23021ではなく、ロジックダイ23024に構成することができる。
【0485】
ロジックダイ23024には、ロジック回路23014を構成するTrが形成される。さらに、ロジックダイ23024には、複数層、本例では3層の配線23170を有する配線層23161が形成される。また、ロジックダイ23024には、内壁面に絶縁膜23172が形成された接続孔23171が形成され、接続孔23171内には、配線23170等と接続される接続導体23173が埋め込まれる。
【0486】
センサダイ23021とロジックダイ23024とは、互いの配線層23101及び23161が向き合うように貼り合わされ、これにより、センサダイ23021とロジックダイ23024とが積層された積層型の固体撮像装置23020が構成されている。センサダイ23021とロジックダイ23024とが貼り合わされる面には、保護膜等の膜23191が形成されている。
【0487】
センサダイ23021には、センサダイ23021の裏面側(PDに光が入射する側)(上側)からセンサダイ23021を貫通してロジックダイ23024の最上層の配線23170に達する接続孔23111が形成される。さらに、センサダイ23021には、接続孔23111に近接して、センサダイ23021の裏面側から1層目の配線23110に達する接続孔23121が形成される。接続孔23111の内壁面には、絶縁膜23112が形成され、接続孔23121の内壁面には、絶縁膜23122が形成される。そして、接続孔23111及び23121内には、接続導体23113及び23123がそれぞれ埋め込まれる。接続導体23113と接続導体23123とは、センサダイ23021の裏面側で電気的に接続され、これにより、センサダイ23021とロジックダイ23024とが、配線層23101、接続孔23121、接続孔23111、及び、配線層23161を介して、電気的に接続される。
【0488】
図67は、積層型の固体撮像装置23020の第2の構成例を示す断面図である。
【0489】
固体撮像装置23020の第2の構成例では、センサダイ23021に形成する1つの接続孔23211によって、センサダイ23021(の配線層23101(の配線23110))と、ロジックダイ23024(の配線層23161(の配線23170))とが電気的に接続される。
【0490】
すなわち、図67では、接続孔23211が、センサダイ23021の裏面側からセンサダイ23021を貫通してロジックダイ23024の最上層の配線23170に達し、且つ、センサダイ23021の最上層の配線23110に達するように形成される。接続孔23211の内壁面には、絶縁膜23212が形成され、接続孔23211内には、接続導体23213が埋め込まれる。上述の図66では、2つの接続孔23111及び23121によって、センサダイ23021とロジックダイ23024とが電気的に接続されるが、図67では、1つの接続孔23211によって、センサダイ23021とロジックダイ23024とが電気的に接続される。
【0491】
図68は、積層型の固体撮像装置23020の第3の構成例を示す断面図である。
【0492】
図68の固体撮像装置23020は、センサダイ23021とロジックダイ23024とが貼り合わされる面に、保護膜等の膜23191が形成されていない点で、センサダイ23021とロジックダイ23024とが貼り合わされる面に、保護膜等の膜23191が形成されている図66の場合と異なる。
【0493】
図68の固体撮像装置23020は、配線23110及び23170が直接接触するように、センサダイ23021とロジックダイ23024とを重ね合わせ、所要の加重をかけながら加熱し、配線23110及び23170を直接接合することで構成される。
【0494】
図69は、本開示に係る技術を適用し得る積層型の固体撮像装置の他の構成例を示す断面図である。
【0495】
図69では、固体撮像装置23401は、センサダイ23411と、ロジックダイ23412と、メモリダイ23413との3枚のダイが積層された3層の積層構造になっている。
【0496】
メモリダイ23413は、例えば、ロジックダイ23412で行われる信号処理において一時的に必要となるデータの記憶を行うメモリ回路を有する。
【0497】
図69では、センサダイ23411の下に、ロジックダイ23412及びメモリダイ23413が、その順番で積層されているが、ロジックダイ23412及びメモリダイ23413は、逆順、すなわち、メモリダイ23413及びロジックダイ23412の順番で、センサダイ23411の下に積層することができる。
【0498】
なお、図69では、センサダイ23411には、画素の光電変換部となるPDや、画素Trのソース/ドレイン領域が形成されている。
【0499】
PDの周囲にはゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成され、ゲート電極と対のソース/ドレイン領域により画素Tr23421、画素Tr23422が形成されている。
【0500】
PDに隣接する画素Tr23421が転送Trであり、その画素Tr23421を構成する対のソース/ドレイン領域の一方がFDになっている。
【0501】
また、センサダイ23411には、層間絶縁膜が形成され、層間絶縁膜には、接続孔が形成される。接続孔には、画素Tr23421、及び、画素Tr23422に接続する接続導体23431が形成されている。
【0502】
さらに、センサダイ23411には、各接続導体23431に接続する複数層の配線23432を有する配線層23433が形成されている。
【0503】
また、センサダイ23411の配線層23433の最下層には、外部接続用の電極となるアルミパッド23434が形成されている。すなわち、センサダイ23411では、配線23432よりもロジックダイ23412との接着面23440に近い位置にアルミパッド23434が形成されている。アルミパッド23434は、外部との信号の入出力に係る配線の一端として用いられる。
【0504】
さらに、センサダイ23411には、ロジックダイ23412との電気的接続に用いられるコンタクト23441が形成されている。コンタクト23441は、ロジックダイ23412のコンタクト23451に接続されるとともに、センサダイ23411のアルミパッド23442にも接続されている。
【0505】
そして、センサダイ23411には、センサダイ23411の裏面側(上側)からアルミパッド23442に達するようにパッド孔23443が形成されている。
【0506】
本開示に係る技術は、以上のような固体撮像装置に適用することができる。
【0507】
<9.移動体への応用例>
【0508】
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0509】
図70は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0510】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図70に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(Interface)12053が図示されている。
【0511】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0512】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0513】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0514】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0515】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0516】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0517】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0518】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12030に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0519】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図70の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0520】
図71は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0521】
図71では、撮像部12031として、撮像部12101、12102、12103、12104、12105を有する。
【0522】
撮像部12101、12102、12103、12104、12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102、12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0523】
なお、図71には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0524】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0525】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0526】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0527】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0528】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。具体的には、図1のCMOSイメージセンサ10は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、撮像画像の劣化を抑制しつつ、位相差検出の精度の向上を図ることができるため、例えば、より高品質な撮像画像を取得して、より正確に歩行者等の障害物を認識することが可能になる。
【0529】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0530】
また、本技術は、以下のような構成をとることができる。
【0531】
(1)
1つのオンチップレンズに対して複数の光電変換素子を形成した画素を含む複数の画素を2次元状に配列した画素アレイ部を備え、
前記画素の間に形成される画素間分離部及び画素間遮光部の少なくとも一方は、その一部が、前記画素の中心に向けて突起状にせり出して、突起部を形成している
固体撮像装置。
(2)
前記画素は、正方単位の画素であり、
前記突起部は、前記正方単位の画素の中心に向けて形成される
前記(1)に記載の固体撮像装置。
(3)
前記画素間分離部は、前記複数の光電変換素子が形成される半導体層内に、正方格子状に掘り込まれた溝部に埋め込まれた物質によって、隣り合う画素の間を物理的に分離し、
前記画素間分離部の一部が、前記正方単位の画素の中心に向けて突起状にせり出し、前記突起部を形成している
前記(2)に記載の固体撮像装置。
(4)
前記画素間遮光部は、前記オンチップレンズと前記複数の光電変換素子が形成される半導体層との間の領域に、正方格子状に形成された物質によって、隣り合う画素の間を遮光し、
前記画素間遮光部の一部が、前記正方単位の画素の中心に向けて突起状にせり出し、前記突起部を形成している
前記(2)に記載の固体撮像装置。
(5)
前記画素間分離部は、前記複数の光電変換素子が形成される半導体層内に、正方格子状に掘り込まれた溝部に埋め込まれた物質によって、隣り合う画素の間を物理的に分離し、
前記画素間遮光部は、前記オンチップレンズと前記複数の光電変換素子が形成される半導体層との間の領域に、正方格子状に形成された物質によって、隣り合う画素の間を遮光し、
前記画素間分離部及び前記画素間遮光部の双方の一部が、前記正方単位の画素の中心に向けて突起状にせり出し、前記突起部を形成している
前記(2)に記載の固体撮像装置。
(6)
前記正方単位の画素は、前記オンチップレンズの直下に配置される、赤(R)、緑(G)、又は青(B)のカラーフィルタに応じて、R画素、G画素、又はB画素として構成され、
前記画素アレイ部に配列された複数の画素のうち、前記R画素、前記G画素、及び前記B画素の少なくとも1つの画素に対し、前記突起部が形成される
前記(1)ないし(5)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(7)
前記R画素にのみ、前記G画素にのみ、又は前記B画素にのみに、前記突起部が形成される
前記(6)に記載の固体撮像装置。
(8)
前記R画素、前記G画素、及び前記B画素のすべての画素に、前記突起部が形成される
前記(6)に記載の固体撮像装置。
(9)
前記R画素、前記G画素、及び前記B画素のうち、組み合わされた2つの画素に、前記突起部が形成される
前記(6)に記載の固体撮像装置。
(10)
前記R画素、前記G画素、及び前記B画素を含む画素ごとに、前記突起部のせり出している部分の長さが異なる
前記(6)ないし(9)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(11)
前記突起部のせり出している部分の長さは、前記オンチップレンズによる集光スポット径に応じて決定される
前記(2)ないし(10)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(12)
前記突起部のせり出している部分の長さは、前記オンチップレンズのピッチの一辺の1/7から1/4の長さに対応している
前記(11)に記載の固体撮像装置。
(13)
光の入射側の面に対する前記突起部の断面は、突起状にせり出している部分ごとにその深さが異なっている
前記(2)ないし(12)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(14)
前記溝部は、光の入射側の面である第1の面、又は光の入射側の反対側の面である第2の面から掘り込まれる
前記(3)又は(5)に記載の固体撮像装置。
(15)
前記正方単位の画素において、半導体層内に形成される前記複数の光電変換素子の間は、不純物によって分離されている
前記(2)ないし(14)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(16)
前記複数の光電変換素子の出力は、位相差検出に用いられる
前記(2)ないし(15)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(17)
1つの光電変換素子を形成した画素を含む複数の画素を2次元状に配列した画素アレイ部を備え、
前記画素アレイ部は、1つのオンチップレンズに対して配置された複数の画素を含み、
前記複数の画素を構成する画素の間に形成される画素間分離部及び画素間遮光部の少なくとも一方は、その一部が、前記複数の画素の中心に向けて突起状にせり出して、突起部を形成している
固体撮像装置。
(18)
前記オンチップレンズは、行方向又は列方向に連続する2つの画素に跨がった楕円型の形状からなり、
前記画素間分離部及び画素間遮光部の少なくとも一方は、その一部が、前記2つの画素の間にせり出し、前記突起部を形成している
前記(17)に記載の固体撮像装置。
(19)
前記オンチップレンズは、2行2列の4つの画素に跨がった円型の形状からなり、
前記画素間分離部及び画素間遮光部の少なくとも一方は、その一部が、前記4つの画素の中心に向けてせり出し、前記突起部を形成している
前記(17)に記載の固体撮像装置。
(20)
1つのオンチップレンズに対して複数の光電変換素子を形成した画素を含む複数の画素を2次元状に配列した画素アレイ部を有し、
前記画素の間に形成される画素間分離部及び画素間遮光部の少なくとも一方は、その一部が、前記画素の中心に向けて突起状にせり出して、突起部を形成している
固体撮像装置
が搭載された電子機器。
(21)
1つのオンチップレンズに対して複数の光電変換素子を形成した画素を含む複数の画素を2次元状に配列した画素アレイ部を備え、
前記複数の光電変換素子を形成した半導体層における光の入射面側の界面又はその近傍において、前記複数の光電変換素子の間の第1の領域と、前記第1の領域を除いた第2の領域とは、固定電荷量が異なる
固体撮像装置。
(22)
前記第1の領域における固定電荷量は、前記第2の領域における固定電荷量よりも多くなる
前記(21)に記載の固体撮像装置。
(23)
前記半導体層上に形成される絶縁層は、酸化膜とともに、前記第1の領域に対応した部分の第1の膜と、前記第2の領域に対応した部分の第2の膜とを含み、
前記第1の膜、及び前記第2の膜は、異なる高誘電率膜により形成される
前記(21)又は(22)に記載の固体撮像装置。
(24)
前記第1の膜、及び前記第2の膜の少なくとも一方の膜は、2以上の異なる高誘電率膜が積層されている
前記(23)に記載の固体撮像装置。
(25)
前記第1の膜は、前記第2の膜よりも積層数が多い
前記(24)に記載の固体撮像装置。
(26)
前記半導体層上に形成される絶縁層は、酸化膜及び高誘電率膜を含み、
前記絶縁層において、前記第1の領域に対応した部分と、前記第2の領域に対応した部分とは、前記酸化膜の厚みが異なる
前記(21)又は(22)に記載の固体撮像装置。
(27)
前記画素は、前記オンチップレンズの直下に配置されるカラーフィルタに応じた色の画素として構成される
前記(21)ないし(26)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(28)
第1の色に応じた画素に形成される第1の光電変換素子と、前記第1の色と異なる第2の色に応じた画素に形成される第2の光電変換素子との間は、不純物により分離される
前記(27)に記載の固体撮像装置。
(29)
第1の色に応じた画素に形成される第1の光電変換素子と、前記第1の色と異なる第2の色に応じた画素に形成される第2の光電変換素子との間は、酸化膜又は金属を含む画素間分離部により分離される
前記(27)に記載の固体撮像装置。
(30)
特定の色に応じた画素に形成される前記複数の光電変換素子の間に、透明電極を形成している
前記(27)に記載の固体撮像装置。
(31)
前記画素は、R画素、G画素、及びB画素を含む
前記(27)ないし(30)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(32)
1つのオンチップレンズに対して複数の光電変換素子を形成した画素を含む複数の画素を2次元状に配列した画素アレイ部を備え、
前記複数の光電変換素子を形成した半導体層における光の入射面側の界面又はその近傍において、前記複数の光電変換素子の間の第1の領域と、前記第1の領域を除いた第2の領域とは、固定電荷量が異なる
固体撮像装置
が搭載された電子機器。
(33)
1つのオンチップレンズに対して複数の光電変換素子を形成した画素を含む複数の画素を2次元状に配列した画素アレイ部を備え、
特定の色に応じた画素に形成される前記複数の光電変換素子の間に、低屈折材を含む第1の埋め込み素子を埋め込んだ第1の分離領域を形成し、
第1の色に応じた画素に形成される第1の光電変換素子と、前記第1の色と異なる第2の色に応じた画素に形成される第2の光電変換素子との間に、金属を含む第2の埋め込み素子を埋め込んだ第2の分離領域を形成している
固体撮像装置。
(34)
前記第1の分離領域の断面は、光の入射側の面に近づくにつれて幅が広がるテーパー形状とされる
前記(33)に記載の固体撮像装置。
(35)
前記第1の分離領域の断面は、三角形状とされる
前記(34)に記載の固体撮像装置。
(36)
前記第1の分離領域の断面は、光の入射側の面から所定の深さで前記第1の埋め込み素子がなくなり、
前記第1の分離領域の下側の領域は、不純物によって分離される
前記(35)に記載の固体撮像装置。
(37)
前記第1の分離領域の断面は、光の入射側の面から所定の深さまでは三角形状とされ、前記所定の深さを超えると長方形の形状とされる
前記(34)に記載の固体撮像装置。
(38)
前記第1の分離領域の断面は、光の入射側の面から、光の入射側の反対側の面まで、テーパーがついた台形状の形状とされる
前記(34)に記載の固体撮像装置。
(39)
前記第1の分離領域の平面は、光の入射側の面から見た場合に、長方形の形状とされる
前記(33)ないし(38)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(40)
前記第1の分離領域の平面は、光の入射側の面から見た場合に、菱形の形状とされる
前記(33)ないし(38)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(41)
前記第2の埋め込み素子は、低屈折材をさらに含み、
前記第2の分離領域の断面は、光の入射側の面から所定の深さまで前記金属が埋め込まれるとともに、光の入射側の反対側の面から所定の深さまで前記低屈折材が埋め込まれる
前記(33)ないし(40)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(42)
前記第2の分離領域の側壁に、固定電荷膜を形成している
前記(33)ないし(41)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(43)
前記画素は、前記オンチップレンズの直下に配置されるカラーフィルタに応じた色の画素として構成される
前記(33)ないし(42)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(44)
前記画素は、R画素、G画素、及びB画素を含む
前記(43)に記載の固体撮像装置。
(45)
1つのオンチップレンズに対して複数の光電変換素子を形成した画素を含む複数の画素を2次元状に配列した画素アレイ部を備え、
特定の色に応じた画素に形成される前記複数の光電変換素子の間に、低屈折材を含む第1の埋め込み素子を埋め込んだ第1の分離領域を形成し、
第1の色に応じた画素に形成される第1の光電変換素子と、前記第1の色と異なる第2の色に応じた画素に形成される第2の光電変換素子との間に、金属を含む第2の埋め込み素子を埋め込んだ第2の分離領域を形成している
固体撮像装置
が搭載された電子機器。
(46)
1つのオンチップレンズに対して複数の光電変換素子を形成した画素を含む複数の画素を2次元状に配列した画素アレイ部を備え、
前記オンチップレンズは、複数種類の物質により形成される
固体撮像装置。
(47)
前記オンチップレンズは、屈折率の異なる2種類の物質により形成される
前記(46)に記載の固体撮像装置。
(48)
前記オンチップレンズは、第1の屈折率を有する第1の部材と、前記第1の屈折率よりも低い第2の屈折率を有する第2の部材から構成され、
前記第1の部材は、光が入射される曲面と、前記第2の部材のV字型の形状からなる部分に対応した部分を含み、
前記第2の部材は、光が入射される曲面と反対側の面と、V字型の形状からなる部分を含む
前記(47)に記載の固体撮像装置。
(49)
前記オンチップレンズは、屈折率の異なる3種類の物質により形成される
前記(46)に記載の固体撮像装置。
(50)
前記オンチップレンズは、第1の屈折率を有する第1の部材と、第2の屈折率を有する第2の部材と、第3の屈折率を有する第3の部材から構成され、
前記画素に形成される前記複数の光電変換素子の間は、素子間分離部により物理的に分離されており、
前記第1の部材は、光が入射される曲面と、前記第2の部材のV字型の形状からなる部分に対応した部分を含み、
前記第2の部材は、光が入射される曲面と反対側の面と、V字型の形状からなる部分を含み、
前記第3の部材は、前記素子間分離部に対応した領域に形成される
前記(49)に記載の固体撮像装置。
(51)
前記画素は、特定の色に応じた画素として構成され、
特定の色ごとに、前記画素における前記オンチップレンズの高さが異なる
前記(49)に記載の固体撮像装置。
(52)
前記画素は、R画素、G画素、及びB画素を含み、
前記R画素、前記G画素、前記B画素の順に、前記オンチップレンズの高さが低くなる
前記(51)に記載の固体撮像装置。
(53)
前記画素は、特定の色に応じた画素として構成され、
特定の色ごとに、前記画素における前記オンチップレンズの曲率半径が異なる
前記(49)に記載の固体撮像装置。
(54)
前記画素は、R画素、G画素、及びB画素を含み、
前記R画素、前記G画素、前記B画素の順に、前記オンチップレンズの曲率半径が小さくなる
前記(53)に記載の固体撮像装置。
(55)
前記画素は、前記オンチップレンズの直下に配置されるカラーフィルタに応じた色の画素として構成される
前記(46)ないし(54)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(56)
前記オンチップレンズを形成する部材に対し、光の入射角度依存を制御する制御部材を形成する
前記(46)に記載の固体撮像装置。
(57)
前記オンチップレンズは、第1の屈折率を有する第1の部材と、前記第1の屈折率よりも低い第2の屈折率を有する第2の部材から構成され、
前記第1の部材は、光が入射される曲面と、前記第2の部材のV字型の形状からなる部分に対応した部分を含み、
前記第2の部材は、光が入射される曲面と反対側の面と、V字型の形状からなる部分を含み、
前記制御部材は、前記第1の部材と前記第2の部材との間に形成される
前記(56)に記載の固体撮像装置。
(58)
前記制御部材は、フォトニック結晶である
前記(56)又は(57)に記載の固体撮像装置。
(59)
前記画素は、前記制御部材による分光に応じた色の画素として構成される
前記(56)ないし(58)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(60)
前記画素は、R画素、G画素、及びB画素を含む
前記(59)に記載の固体撮像装置。
(61)
1つのオンチップレンズに対して複数の光電変換素子を形成した画素を含む複数の画素を2次元状に配列した画素アレイ部を備え、
前記オンチップレンズは、複数種類の物質により形成される
固体撮像装置
が搭載された電子機器。
(62)
1つのオンチップレンズに対して複数の光電変換素子を形成した画素を含む複数の画素を2次元状に配列した画素アレイ部を備え、
特定の色に応じた画素に形成される前記複数の光電変換素子の間に、光の入射側の反対側の面から、第1の縦型トランジスタを形成している
固体撮像装置。
(63)
前記第1の縦型トランジスタに電圧を印加して、前記複数の光電変換素子の間に、ブルーミングパスを生成する
前記(62)に記載の固体撮像装置。
(64)
第1の色に応じた画素に形成される第1の光電変換素子と、前記第1の色と異なる第2の色に応じた画素に形成される第2の光電変換素子との間に、光の入射側の反対側の面から、第2の縦型トランジスタを形成している
前記(62)又は(63)に記載の固体撮像装置。
(65)
前記第2の縦型トランジスタに電圧を印加して、電荷を発生させる
前記(64)に記載の固体撮像装置。
(66)
前記第1の光電変換素子と前記第2の光電変換素子との間に、光の入射側の面から、画素間分離部を形成している
前記(64)又は(65)に記載の固体撮像装置。
(67)
前記画素は、前記オンチップレンズの直下に配置されるカラーフィルタに応じた色の画素として構成される
前記(62)ないし(66)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(68)
前記画素は、R画素、G画素、及びB画素を含む
前記(67)に記載の固体撮像装置。
(69)
1つのオンチップレンズに対して複数の光電変換素子を形成した画素を含む複数の画素を2次元状に配列した画素アレイ部を備え、
特定の色に応じた画素に形成される前記複数の光電変換素子の間に、光の入射側の反対側の面から第1の縦型トランジスタを形成している
固体撮像装置
が搭載された電子機器。
【符号の説明】
【0532】
10 CMOSイメージセンサ, 11 画素アレイ部, 100,100-ij 画素, 111,111E オンチップレンズ, 112 カラーフィルタ, 113A,113B 光電変換素子, 114 画素間遮光部, 114P 突起部, 115 画素間分離部, 115P 突起部, 151A,151B 転送ゲート部, 200 画素, 210 シリコン層, 211 オンチップレンズ, 212 カラーフィルタ, 213A,213B 光電変換素子, 214 画素間遮光部, 215 画素間分離部, 220 界面層, 221 中央領域, 222 左右領域, 230 絶縁層, 231 酸化膜, 232A,232B,232C,232D,232E High-k膜, 233 酸化膜, 241 透明電極, 300 画素, 310 シリコン層, 311 オンチップレンズ, 312 カラーフィルタ, 313A,313B 光電変換素子, 314 画素間遮光部, 315 画素間分離部, 321 同色間中央部, 322 異色間中央部, 331 低屈折領域, 341 低屈折領域, 400 画素, 410 シリコン層, 411,411E オンチップレンズ, 411A,411B,411C 部材, 412 カラーフィルタ, 413A,413B 光電変換素子, 414 画素間遮光部, 415 画素間分離部, 416 素子間分離部, 421,421R,421G,421B 制御部材, 500 画素, 510 シリコン層, 511 オンチップレンズ, 512 カラーフィルタ, 513A,513B 光電変換素子, 514 画素間遮光部, 515 画素間分離部, 521 同色間中央部, 522 異色間中央部, 531 縦型トランジスタ, 532 縦型トランジスタ, 1000 電子機器, 1001 固体撮像装置, 12031 撮像部
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