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特開2023-133549特には風力タービン用の半潜水形フロート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133549
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】特には風力タービン用の半潜水形フロート
(51)【国際特許分類】
   B63B 35/00 20200101AFI20230914BHJP
   B63B 35/44 20060101ALI20230914BHJP
   B63B 35/38 20060101ALI20230914BHJP
   B63B 13/00 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
B63B35/00 T
B63B35/44 L
B63B35/38 Z
B63B13/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023126909
(22)【出願日】2023-08-03
(62)【分割の表示】P 2019558414の分割
【原出願日】2018-04-26
(31)【優先権主張番号】1753697
(32)【優先日】2017-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】522504167
【氏名又は名称】サイペン ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】トマ シャパラン
(72)【発明者】
【氏名】シリル モアレ
(72)【発明者】
【氏名】ジョエル グリヌー
(57)【要約】
【課題】本発明は、従来技術における風力タービン用の半潜水型フロートの概念規定を進歩させることを目的とする
【解決手段】本発明は、特に洋上風力タービン(1)用の、中央カラム(3)ならびに、中央カラムにポンツーンの形態のアーム(7)によって連結された3つの外側カラムを含む、少なくとも4つのカラムを含み、外側カラムおよびポンツーンアームはバラスト(10)を含む、半潜水形フロート(2)であって、バラスト(10)は重力によって充填され、そして圧縮空気を用いて空にされることを特徴とする、半潜水形フロート(2)に関する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央カラム(3)および、前記中央カラムにポンツーンの形態のアーム(7、8)によって連結された3つの外側カラム(4、5、6)を含む、少なくとも4つのカラムを含み、前記外側カラムおよびポンツーンの形態の前記アームは、バラスト(10)を含む、洋上風力タービン(1)用の半潜水形フロート(2)であって、前記バラスト(10)は、重力によって充填され、そして圧縮空気によって空にされるバラストであることを特徴とする、洋上風力タービン(1)用の半潜水形フロート(2)。
【請求項2】
前記アームの前記バラスト(10)が、前記中央カラム(3)中に延在する部分(12)を含む、請求項1記載の洋上風力タービン用の半潜水形フロート。
【請求項3】
空にするための前記圧縮空気が、支持艦船(15)によって運ばれ、そして前記バラストに連結するための連結手段(13)へと分岐手段(16)で結合された、圧縮空気源(14)によって供給される、請求項1または2記載の洋上風力タービン用の半潜水形フロート。
【請求項4】
前記圧縮空気源が、空気圧縮機(14)を形成する手段を含む、請求項3記載の洋上風力タービン用の半潜水形フロート。
【請求項5】
前記アームの前記バラスト(10)が、前記中央カラム(3)中に延在する部分(12)を含み、そして前記連結手段(13)が、前記中央カラム(3)中で、前記中央カラム中に延在する前記バラスト(10)の前記部分(12)と、前記圧縮空気源(14)に連結するための連結手段との間に、延在し、この中央カラムの上部に与えられる、連結パイプを含む、請求項3または4記載の洋上風力タービン用の半潜水形フロート。
【請求項6】
前記バラスト(10)が、前記外側カラム(4、5、6)中で立ち上がる部分(11)を含む、請求項1~5のいずれか1項記載の洋上風力タービン用の半潜水形フロート。
【請求項7】
前記カラムが、円筒形の断面を有する、請求項1~6のいずれか1項記載の洋上風力タービン用の半潜水形フロート。
【請求項8】
ポンツーンの形態の前記アームが、矩形の断面を有する、請求項1~7のいずれか1項記載の洋上風力タービン用の半潜水形フロート。
【請求項9】
ポンツーンの形態の前記アーム(7,8)が、対応するバラスト部分中に、区画の境界を画定する仕切り壁(20、21、22)を含む、請求項1~8のいずれか1項記載の洋上風力タービン用の半潜水形フロート。
【請求項10】
前記カラム(4)が鋼で、そして前記アームがコンクリートで造られ、そして前記カラムが、前記アーム(7)に、ポンツーンの形態の前記アームの前記コンクリート中に埋め込まれたポストストレス部材(27)で結合された固定用フランジ(25)によって連結されている、請求項1~9のいずれか1項記載の洋上風力タービン用の半潜水形フロート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特には洋上風力タービン用の、フロートに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、本発明は、鋼またはコンクリートから、または鋼およびコンクリートから、造られた、ハイブリッドフロートとも称される、半潜水型フロートに関することができる。
そのようなハイブリッドフロートは、従来技術において、例えば特許文献、国際公開第2014/031009号から既に知られている。
この文献には、中央カラム、およびポンツーンの形態のアームによって中央カラムと連結された3つの外側カラムを含む、少なくとも4つのカラムを含むそのようなフロートが記載されている。
この文献では、外側カラムは、中央カラムに、星型の配置に連結されている。
【0003】
このフロートの外側カラムおよびポンツーンを形成するアームは、更にまたバラストを含み、このフロートの浮力の水準を調整することを可能にさせる。
このことは、この風力タービンを、電力生産用地に輸送および設置することを可能にさせる。
このいわゆるハイブリッドの性質のフロートは、例えばカラムについては鋼で作られた、そして例えばそれらの間の、ポンツーンを形成する支柱についてはコンクリートで作られた、混合した構造を用いる。
【0004】
前述の従来技術の文献では、それらのバラストを、ポンプ操作によって空にする手段もまた提供されている。
それらのポンプを用いる手段は、実際に、その組立体の浮力を変化させるようにそれらのバラストの外に、水をポンプで送ることを可能にさせる。
従って、この従来技術の文献には、風力タービン用の半潜水型フロートの概念がおおまかに記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、この種類のフロートの概念規定を進歩させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために、本発明は、特には洋上風力タービン用の、中央カラムおよび、中央カラムにポンツーンの形態のアームによって連結された3つの外側カラムを含む、少なくとも4つのカラムを含み、外側カラムおよびポンツーンアームはバラストを含む、半潜水型のフロートであって、そのバラストは、重力によって充填され、そして圧縮空気を用いて空にされることを特徴とする半潜水型のフロートに関する。
【0007】
本発明によるフロートの他の特徴によれば、以下の事項が単独で、または組み合わせて考慮される。
- アームのバラストは、中央カラム中で延在する部分を含む。
- 空にするための圧縮空気は、支援艦船によって運ばれ、そしてバラストに連結するための連結手段への分岐手段に結合された、圧縮空気源によって供給される。
- 圧縮空気源は、空気圧縮機を形成する手段を含んでいる。
- 分岐手段は、中央カラム中に延在するパラストの部分と、この中央カラムの上部に提供される圧縮空気源に連結するための連結手段との間で、中央カラム中に延在する連結パイプを含んでいる。
- バラストは、外側カラム中に立ち上がる部分を含む。
- これらのカラムは円筒形の断面を有している。
- ポンツーンアームは、矩形の断面を有している。
- ポンツーンアームは、対応するバラスト部分中に区画の境界を確定する仕切り壁を含んでいる。
- これらのカラムは鋼で、そしてこれらのアームはコンクリートで作られ、そしてこれらのカラムは、ポンツーンアームのコンクリート中に埋め込まれたポストストレス部材で結合された固定用フランジによってアームに連結されている。
【0008】
本発明は、例として単独で与えられる、そして添付の図面を参照してなされる、以下の説明を読むことによって、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明による洋上風力タービンの潜水形フロートの例示的な態様の透視図を示している。
図2図2は、そのようなフロートのバラストを示す概略の側面図を示している。
図3図3は、そのようなフロートの、およびそれらのバラストを示す部分的な破断図を示している。
図4図4は、そのようなバラストを空にするための手段を示す概略図を示している。
図5図5は、そのようなフロートの外側カラムおよびポンツーンアームの間の連結を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、実際に、特には洋上風力タービンのための、半潜水形フロートを示している。
この洋上風力タービンは、この図1で共通の参照番号1によって示されており、そしてそのフロートは、共通の参照番号2によって示されている。
【0011】
本願において、ハイブリッドフロート、すなわち、その部品を造るのに2種の異なる材料を用いたフロート、が説明されている。
従って、そして前述した従来技術の文献に記載されているように、そのようなフロートは、例えば鋼またはコンクリートで造られた、共通の参照番号3によって示された中央カラムならびに共通の参照番頭4、5および6によって示された3つの外側カラムを含む、少なくとも4つのカラムを含んでいる。
【0012】
それらの外側カラム4、5および6は、中心カラム3へと、鋼もしくはコンクリートから造られたポンツーンの形態のアーム(またはポンツーンアーム)によってに連結され、その内の2つ、例えば7および8が、この図1に示されている。
【0013】
また先に示したように、中央および外側カラムは、鋼もしくはコンクリートカラムであることができ、そして円筒形の断面を有しており、一方で、ポンツーンアームは、鋼もしくはコンクリートで造られていることができ、そして矩形の断面を有している。
このフロートでは、外側カラムおよびポンツーンアームはバラストを含んでいる。
【0014】
そのようなバラストが、例えば図2、3および4に示されている。
実際に、それらの図には、中央カラム3、外側カラム、例えば4、およびこの外側カラムを中央カラムへと連結するポンツーンアーム、例えばアーム7、が示されている。
示されているように、外側カラムおよびポンツーンアームは、バラスト、例えば、それらの図2~4に共通の参照番号10によって示されているバラスト、を含んでいる。
【0015】
それらの末端の1つの近くで、それらのバラストはフロートの外側カラムで延在しており、そして例えば、図4により明確に示されているように、対応する外側カラム4中に立ち上がる部分、例えばこの図4に共通の参照番号11によって示されたバラスト部分を、含んでいる。
それらの末端の他方で、それらのバラストは、例えば、中央カラム3中で延在する部分を含み、この部分は、それらの図の中で、バラスト10について、共通の参照番号12によって示されている。
【0016】
また、これらの図において見られるように、これらのカラムは、円筒形の断面を有することができ、一方でポンツーンアームは、矩形の断面を有することができる。
より具体的には、そして特には図4に示されているように、フロートのこの中央カラム3はまた、バラストを、空にするための圧縮空気源へと連結するための連結手段を含んでいる。
【0017】
従って、記載されたフロートにおいて、これらのバラストは重力によって充填され、そして圧縮空気によって空にされる。
それらの図には、そして特には図4には、中央カラム中に延在しているバラスト部分、例えば12を、それらのバラストを空にするための圧縮空気源へと連結するための、この図で共通の参照番号13によって示された、連結手段が示されている。
この圧縮された空気源は、この図4で共通の参照番号14によって示されている。
【0018】
実際に、この圧縮空気源は、例えば、この図4で共通の参照番号15によって示された支援艦船などによって運ばれ、そして、この圧縮空気源を、バラストへと連結するための手段13へ連結するための、共通の参照番号16によって示された分岐手段で結合された、例えば空気圧縮機を形成する手段を含むことができる。
【0019】
実際に、そのようなフロートにおいて、それらのバラストが、圧縮空気パイプまたは空にするための経路に連結されており、バラストへと、それらを空にすることを確実にするように圧縮機を連結することが可能であることを理解することができる。
慣用の種類のそのような迅速な連結手段が、それ故に、圧縮空気源のバラストへの連結を可能にするように、例えば中央カラムの上部に与えられている。
【0020】
圧縮機が、さらにまた、例えば電力生産用地で、幾つかの風力タービンの間で共有されることができる。
支持艦船などは、さらにまた、それらの手段を、それらの設置および運転の費用を低減させるために、例えば、施設の、異なる風力タービンの間で移動するのに用いられることができる。
実際には、慣用の種類の迅速な連結手段が、その艦船によって運ばれた圧縮機を、バラストを空にするための圧縮空気経路へと連結するために用いられることができる。
それらのバラストは、さらにまた、重力によって充填され、そして前述のように、圧縮空気によって空にされる。
【0021】
また、図4には、バラストが、例えばその中に、封止されていても、またはされていなくともよい、境界を確定する仕切り壁を含み、それらのバラストの分割区画を構成する、という事実が示されている。
例えば、図4で共通の参照番号10によって示されたバラストは、3つの中間的仕切り壁、それぞれ20、21および22を含んでおり、後者の中に異なる区画を画定することを可能にする。
【0022】
図5には、ポンツーンアーム、例えば7、および外側カラム、例えば4、の間の連結手段の例が示されている。
この連結は、例えば、共通の参照番号25によって示されたフランジによって造られていることができ、これに、鋼製のカラム4が、1つの方法または他の方法、例えば溶接もしくはネジ止めによって固定される。
【0023】
このフランジは、その一部が、ポンツーンアーム、例えば7のコンクリート中に埋め込まれたポストストレス部材27の通過のための、穴、例えば26、を含んでいる。
このことが、さらにまた、鋼で造られたフランジを、ポンツーンアームへと固定すること、そしてカラムをこのアームへと、例えば溶接によって、固定すること、を確実にすることを可能にする。
勿論のこと、更に他の態様を考慮することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-08-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央カラム(3)および、前記中央カラムにポンツーンの形態のアーム(7、8)によって連結された3つの外側カラム(4、5、6)を含む、少なくとも4つのカラムを含み、前記外側カラムおよびポンツーンの形態の前記アームは、バラスト(10)を含む、洋上風力タービン(1)用の半潜水形フロート(2)を含む組立体であって、前記バラスト(10)は、圧縮空気によって空にされるバラストであ
前記半潜水形フロート(2)は、前記バラスト(10)を圧縮空気源(14)に連結するための連結手段(13)を有しており、
前記バラスト(10)は重力によって充填されるバラストであること、そして前記組立体が、支持艦船(15)、前記連結手段(13)への分岐手段(16)、および前記バラスト(10)を空にするための排出用の圧縮空気を供給する前記圧縮空気源(14)を有していることを特徴とし、前記圧縮空気源(14)が前記支持艦船(15)によって運ばれ、そして前記分岐手段(16)と結合されている、
洋上風力タービン(1)用の半潜水形フロート(2)を含む組立体
【請求項2】
前記アームの前記バラスト(10)が、前記中央カラム(3)中に延在する部分(12)を含む、請求項1記載の組立体
【請求項3】
前記圧縮空気源が、空気圧縮機(14)を形成する手段を含む、請求項1または2記載の組立体
【請求項4】
前記アームの前記バラスト(10)が、前記中央カラム(3)中に延在する部分(12)を含み、そして前記連結手段(13)が、前記中央カラム(3)中で、前記中央カラム中に延在する前記バラスト(10)の前記部分(12)と、前記圧縮空気源(14)に連結するための連結手段との間に、延在し、この中央カラムの上部に与えられる、連結パイプを含む、請求項1~3のいずれか1項記載の組立体
【請求項5】
前記バラスト(10)が、前記外側カラム(4、5、6)中で立ち上がる部分(11)を含む、請求項1~のいずれか1項記載の組立体
【請求項6】
前記カラムが、円筒形の断面を有する、請求項1~のいずれか1項記載の組立体
【請求項7】
ポンツーンの形態の前記アームが、矩形の断面を有する、請求項1~のいずれか1項記載の組立体
【請求項8】
ポンツーンの形態の前記アーム(7,8)が、対応するバラスト部分中に、区画の境界を画定する仕切り壁(20、21、22)を含む、請求項1~のいずれか1項記載の組立体
【請求項9】
前記カラム(4)が鋼で、そして前記アームがコンクリートで造られ、そして前記カラムが、前記アーム(7)に、ポンツーンの形態の前記アームの前記コンクリート中に埋め込まれたポストストレス部材(27)で結合された固定用フランジ(25)によって連結されている、請求項1~のいずれか1項記載の組立体