(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133563
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】掃除機用のサイクロン分離器およびそれを有する掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/16 20060101AFI20230914BHJP
【FI】
A47L9/16
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023127185
(22)【出願日】2023-08-03
(62)【分割の表示】P 2021543193の分割
【原出願日】2020-01-24
(31)【優先権主張番号】62/796,654
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/821,357
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510053422
【氏名又は名称】シャークニンジャ オペレーティング エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】スー,カイ
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,アンドレ ディー.
(57)【要約】
【課題】サイクロン分離器およびダストカップを有する改良された掃除機を提供する。
【解決手段】掃除機300は、吸引モーター310と、吸引モーターに流体連結されるサイクロン分離器308と、サイクロン分離器を通って流れる空気から分離された破片を収集するように構成されたダストカップ306とを含み得る。サイクロン分離器は、チャンバーと、チャンバー内に延在する第一および第二の渦ファインダーとを含み得る。第一および第二の渦ファインダーは、チャンバーに別個に流体連結されており、吸引モーターは、第一及び第二の渦ファインダーを通ってチャンバーから空気を引き出すように構成される。ダストカップは、チャンバーの一部分を画定するとともに、チャンバーをダストカップに流体連結する破片出口の少なくとも一部をさらに画定するダストカップ側壁を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機であって、
吸引モーターと、
一つまたは複数の電池と、
ハンドルと、
前記吸引モーターに流体連結されたサイクロン分離器であって、
対向する平面を有する略切断された球体形状を有するチャンバーと、
前記対向する平面から前記チャンバーを部分的に横切って略互いに向かって延在する第一の渦ファインダー及び第二の渦ファインダーであって、前記第一の渦ファインダー及び前記第二の渦ファインダーの遠位端が互いに分離距離だけ離間している、前記第一の渦ファインダー及び第二の渦ファインダーとを含む、前記サイクロン分離器と、
前記第一及び第二の渦ファインダーは、前記チャンバーに別個に流体連結されており、前記吸引モーターは、前記第一及び第二の渦ファインダーを通って前記チャンバーから空気を引き出すように構成されており、
前記サイクロン分離器を通って流れる空気から分離された破片を収集するように構成されたダストカップと、を含み、前記ダストカップは、前記チャンバーの一部分を画定するとともに、前記チャンバーを前記ダストカップに流体連結する破片出口の少なくとも一部をさらに画定するダストカップ側壁を含み、
前記ダストカップ、前記サイクロン分離器、および前記吸引モーターは、長手方向軸に沿って整列され、
前記サイクロン分離器は、前記ダストカップと前記吸引モーターとの間に配置され、
前記吸引モーターは、前記ハンドルと前記サイクロン分離器との間に配置される、掃除機。
【請求項2】
前記第一の渦ファインダー及び前記第二の渦ファインダーが並列に配置される、請求項1に記載の掃除機。
【請求項3】
前記第一の渦ファインダー及び前記第二の渦ファインダーが直列に配置される、請求項1に記載の掃除機。
【請求項4】
前記サイクロン分離器が、前記チャンバーの少なくとも一部分の周りに延在するハウジングをさらに含む、請求項1に記載の掃除機。
【請求項5】
一つまたは複数のダクトが、前記チャンバーと前記ハウジングとの間に画定される、請求項4に記載の掃除機。
【請求項6】
前記一つまたは複数のダクトが、前記吸引モーターによって前記第一の渦ファインダー及び前記第二の渦ファインダーを通って引き出される空気が前記一つまたは複数のダクトを通過し、前記吸引モーター内に流れるように、前記第一の渦ファインダー及び前記第二の渦ファインダーおよび前記吸引モーターのうちの一つまたは複数に流体連結される、請求項5に記載の掃除機。
【請求項7】
前記ダストカップが、ダストカップドアをさらに含み、前記ダストカップ側壁は、前記ダストカップドアから延在する、請求項1に記載の掃除機。
【請求項8】
前記ダストカップドアが、ダストカップリリースの作動に応答して閉位置から開位置へと移行するように構成される、請求項7に記載の掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2019年1月25日に出願された「Cyclonic Separator for a Vacuum Cleaner and a Vacuum Cleaner having the same」と題する、米国仮特許出願第62/796,654号、2019年3月20日に出願された「Cyclonic Separator for a Vacuum Cleaner and a Vacuum Cleaner having the same」と題する、米国仮特許出願第62/821,357号の利益を主張し、その各々が参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に表面処理装置に関し、より具体的には掃除機用のサイクロン分離器に関する。
【背景技術】
【0003】
表面処理装置は、格納位置と使用中位置との間で移行可能であるように構成される掃除機を含み得る。掃除機は、表面上に堆積された破片が空気入口内に付勢され得るように、掃除機の空気入口内に空気を引き込むように構成される吸引モーターを含み得る。空気入口内に付勢された破片の少なくとも一部分は、後で処分するために掃除機のダストカップ内に堆積される。
【発明の概要】
【0004】
これらおよびその他の特徴の利点は、以下の図面とともに以下の詳細な説明を読むことによってより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態と一致する、掃除機の概略実施例である。
【0006】
【
図2】
図2は、本開示の実施形態と一致する、サイクロン分離器の概略断面側面図である。
【0007】
【
図3】
図3は、本開示の実施形態と一致する、掃除機の斜視図である。
【0008】
【
図4】
図4は、本開示の実施形態と一致する、開位置にダストカップドアを有する
図3の掃除機の斜視図である。
【0009】
【
図5】
図5は、本開示の実施形態と一致する、サイクロン分離器およびダストカップを掃除機の真空アセンブリーから分離させた、
図3の掃除機の斜視図である。
【0010】
【
図6】
図6は、本開示の実施形態と一致する、
図3の線VI-VIに沿った断面側面図である。
【0011】
図6Aは、本開示の実施形態と一致する、
図3の線VI.A-VI.Aに沿った断面側面図である。
【0012】
【
図7】
図7は、本開示の実施形態と一致する、
図3の線VII-VIIに沿った断面斜視図である。
【0013】
図7Aは、本開示の実施形態と一致する、回転楕円体形状のチャンバーを有する掃除機の実施例の斜視図である。
【0014】
図7Bは、本開示の実施形態と一致する、
図7Aの掃除機の断面側面図である。
【0015】
図7Cは、本開示の実施形態と一致する、
図7Aの掃除機の別の断面側面図である。
【0016】
【
図8】
図8は、本開示の実施形態と一致する、直列に構成されるサイクロン分離器を有する真空システムの概略断面側面図である。
【0017】
【
図9】
図9は、本開示の実施形態と一致する、並列に構成されるサイクロン分離器を有する真空システムの概略断面側面図である。
【0018】
【
図10】
図10は、本開示の実施形態と一致する、並列に構成されるサイクロン分離器を有する表面クリーニングヘッドの概略断面側面図である。
【0019】
【
図11】
図11は、本開示の実施形態と一致する、
図10の表面クリーニングヘッドの概略断面斜視図である。
【0020】
【
図12】
図12は、本開示の実施形態と一致する、ワンド拡張アクセサリーに連結された
図3の掃除機の斜視図である。
【0021】
【
図13】
図13は、本開示の実施形態と一致する、表面クリーニングヘッドアクセサリーに連結される
図3の掃除機の斜視図である。
【0022】
【0023】
【
図15】
図15は、本開示の実施形態と一致する、表面クリーニングアクセサリーに連結された
図3の掃除機の斜視図であり、掃除機に連結するように構成される隙間ツールアクセサリーの斜視図である。
【0024】
【
図16】
図16は、本開示の実施形態と一致する、
図3の掃除機の実施例のさまざまなオリフィス(例えば、吸引モーターへの入口)直径に対する空気力、空気流、および吸引の実施例を示す表である。
【0025】
【
図17】
図17は、本開示の実施形態と一致する、
図3の掃除機の実施例のサイクロン分離器の実施例の効率を示す表である。
【0026】
【
図18】
図18は、本開示の実施形態と一致する、ロボット掃除機の実施例の側面図である。
【0027】
【
図19】
図19は、本開示の実施形態と一致する、直立型掃除機の斜視図である。
【0028】
【
図20】
図20は、本開示の実施形態と一致する、
図19の掃除機のサイクロン分離器およびダストカップの別の斜視図である。
【0029】
【
図21】
図21は、本開示の実施形態と一致する、
図20のサイクロン分離器およびダストカップの断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示は、一般に、掃除機と併用するためのサイクロン分離器に関する。サイクロン分離器の実施例は、掃除機の吸引モーターに流体連結されるように構成されるチャンバーを含む。第一および第二の渦ファインダーは、チャンバー内に延在する。第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダーは、チャンバーの対向する側面から延在する。第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダーはそれぞれ、空気が流れることができ、直列(例えば、空気が第二の渦ファインダーの周りでサイクロン状に拡張する前に第一の渦ファインダーの周りでサイクロン状に流れる)、または並列(例えば、空気が第一の渦ファインダーまたは第二の渦ファインダーのいずれかの周りでサイクロン状に流れる)に動作するように構成され得る、それぞれの流体経路を画定することができる。
【0031】
第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダーの遠位端は、分離距離だけチャンバー内で互いに間隔を置いてもよい。分離距離は、渦ファインダーの周りの繊維質の破片(例えば、毛髪)のラッピングを低減および/または防止し得る。従って、チャンバーは、渦ファインダーの間に延在する捕捉プレートを含まなくてもよい。捕捉プレートの省略は、掃除機の性能を改善し得る(例えば、チャンバー内の閉塞の発生を低減することによって)。一部の実例では、チャンバーは、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダーがそれぞれ延在する対向する平面を有する切断された球の形状を有し得る。こうした構成は、そこを流れる空気からの破片の分離効率を改善してもよく、それによって、掃除機内のフィルターが掃除される頻度を減少させ、より長い時間にわたって掃除機のより一貫した性能を可能にし得る。
【0032】
図1は、掃除機100の概略実施例を示す。掃除機100は、ワンド102と、クリーニングアクセサリー104(例えば、一つまたは複数のブラシロールを有する表面クリーニングヘッド)と、真空アセンブリー106とを含む。ワンド102の少なくとも一部分は、クリーニングアクセサリー104を真空アセンブリー106に流体連結する空気チャネル108(隠線で示される)を画定する。真空アセンブリー106の少なくとも一部分は、ワンド102に連結され、ダストカップ110と、サイクロン分離器112と、吸引モーター114(隠線で示される)とを含む。吸引モーター114は、例えば、ブラシレス直流(DC)モーターまたはブラシ付きDCモーター(例えば、カーボンブラシDCモーター)を含み得る。サイクロン分離器112は、ワンド102に沿った第一の位置で空気チャネル108に流体連結され、クリーニングアクセサリー104は、ワンド102に沿った第二の位置で空気チャネル108に流体連結される。一部の実例では、掃除機100は、クリーニングアクセサリー104なしで使用され得る(例えば、ワンド102のみが、表面を掃除するために使用される)。
【0033】
吸引モーター114は、空気が吸引モーター114を通ってサイクロン分離器112内に流れ込み、真空アセンブリー106から排出されるように、空気経路116に沿って空気を引き込むように構成される。言い換えれば、吸引モーター114は、サイクロン分離器112に流体連結されると一般的に説明され得る。空気がサイクロン分離器112を通って流れるとき、空気流内に混入された任意の破片の少なくとも一部分は、空気流からサイクロン作用によって分離され、ダストカップ110内に堆積される。一部の実例では、サイクロン分離器112を通過した後、および吸引モーター114を通過する前に、空気は、プレモーターフィルターを通過し得る。一部の実例では、真空アセンブリー106から排出される前に、および吸引モーター114を通過した後、空気はポストモーターフィルターを通過し得る。ポストモーターフィルターは、高効率微粒子空気(HEPA)フィルターであり得る。
【0034】
掃除機100は一般に直立型掃除機として示されるが、掃除機100は任意のタイプの掃除機であり得る。例えば、掃除機100は、手持ち式掃除機、キャニスター掃除機、ロボット掃除機、および/または任意の他のタイプの掃除機であり得る。
【0035】
図2は、
図1のサイクロン分離器112の実施例の概略断面側面図を示しており、実施例のサイクロン分離器は、平行に動作する二つの渦ファインダーを含む。示されるように、サイクロン分離器112は、ハウジング200と、サイクロンチャンバー202とを含む。ハウジング200は、サイクロンチャンバー202の少なくとも一部分の周りに延在し、サイクロンチャンバー202の少なくとも一部分を画定し得る。追加的に、または代替的に、サイクロンチャンバー202は、一つまたは複数のチャンバー側壁209によって少なくとも部分的に画定され得る。サイクロンチャンバー202は、一つまたは複数の空気入口204と、複数の空気出口206とを含む。一つまたは複数の空気入口204は、ワンド102内に画定される空気チャネル108に流体連結される。各空気出口206は、それぞれの渦ファインダー208に流体連結される。各渦ファインダー208は、その周りのサイクロンの進展を促進するように構成され得る。
【0036】
示されるように、渦ファインダー208は、サイクロンチャンバー202の対向する側面から互いに向かってサイクロンチャンバー202内に延在する。渦ファインダー208の遠位端は、分離距離210だけ互いに間隔を置いている。サイクロンチャンバー202は、空気経路116に沿ってサイクロンチャンバー202内に流れる空気の少なくとも一部分が、渦ファインダー208の各々の周りのサイクロン運動に付勢されるように構成される。例えば、空気経路116は、渦ファインダー208の中心軸から間隔を置いた位置でサイクロンチャンバー202に入ることができる。このように、空気経路116は、渦ファインダー208に向かって付勢され、空気経路116に沿って流れる空気のサイクロン運動を促進する。
【0037】
また示されるように、渦ファインダー208は、その中にそれぞれの流体経路216を画定し、それぞれがそれぞれの空気出口206に流体連結される。空気出口206は、ハウジング200とサイクロンチャンバー202との間に画定される一つまたは複数のダクト218に流体連結される。ダクト218は、サイクロンチャンバー202を、例えば、
図1の吸引モーター114に流体連結するように構成される。言い換えれば、ダクト218は、吸引モーター114によって渦ファインダー208を通って引き出される空気がダクト218を通過するように、一つまたは複数の渦ファインダー208を吸引モーター114に流体連結する。従って、吸引モーター114が吸引を生成するとき、空気は、吸引モーター114を通過する前に、ダクト218および渦ファインダー208を通って引き出される。ダクト218は、ハウジング200の側壁および/またはサイクロンチャンバー202の側壁によって少なくとも部分的に画定され得る。追加的に、または代替的に、ダクト218は、別個の導管によって少なくとも部分的に画定され得る。
【0038】
渦ファインダー208は、その周りのサイクロンの進展を促進する形状を有し得る。例えば、渦ファインダー208は、円筒形状、円錐台形の形状、および/またはその周りのサイクロンの進展を促進するように構成される任意の他の形状または形状の組み合わせを有し得る。
【0039】
図3は、
図1の掃除機100の実施例であり得る掃除機300の斜視図を示す。示されるように、掃除機300は、ハンドル301と、ワンド302と、電源303(例えば、一つまたは複数の電池)と、ワンド302に流体連結される真空アセンブリー304とを含む。ハンドル301は、ワンド302の少なくとも一部分および/または真空アセンブリー304の少なくとも一部分のうちの一つまたは複数に連結される。電源303は、例えば、一つまたは複数の電池を含み得る。一部の実例では、一つまたは複数の電池は、例えば、2セル~5セルの範囲のセル数、1,500ミリアンペア時間(mAh)~2,500mAhの範囲のエネルギー容量、および9ボルト~12ボルトの範囲の電圧出力を有し得る。追加的に、または代替的に、電源303は、例えば、コンセントを介して、掃除機300を電力グリッドに電気的に結合するように構成され得る。
【0040】
真空アセンブリー304は、ダストカップ306と、サイクロン分離器308と、吸引モーター310とを含む。ダストカップ306、サイクロン分離器308、および吸引モーター310は、真空アセンブリー長手方向軸311に沿って整列される(例えば、ダストカップ306、サイクロン分離器308、および吸引モーター310は、真空アセンブリー長手方向軸311に沿って中央で整列され得る)。真空アセンブリー長手方向軸311は、掃除機300の掃除機長手方向軸313に平行に延在する。サイクロン分離器308は、ダストカップ306と吸引モーター310との間に配置される。示されるように、吸引モーター310は、ハンドル301とサイクロン分離器308との間に配置され、電源303(例えば、一つまたは複数の電池)は、吸引モーター310とハンドル301との間に配置される。こうした構成は、ユーザーが片手で掃除機300を操作するために実行する必要のある労力の量を減少させ得る。しかし、他の配置も可能である。例えば、吸引モーター310は、ダストカップ306およびサイクロン分離器308からオフセットされ得る。さらなる例として、ダストカップ306は、吸引モーター310とサイクロン分離器308との間に配置され得る。
【0041】
サイクロン分離器308および吸引モーター310は、ワンド302に流体連結される。ワンド302は、サイクロン分離器308および吸引モーター310に流体連結される空気チャネル312を画定する。吸引モーター310は、空気を空気チャネル312の空気入口314に引き込むように構成される。吸引モーター310は、例えば、30ミリメートル(mm)~80mmの範囲の外径を有し得る。
【0042】
ダストカップ306は、サイクロン分離器308を流れる空気から分離された破片を(例えば、サイクロン作用によって)収集するよう構成される。ダストカップ306内に収集された破片は、ダストカップリリース316の作動に応答して、ダストカップ306から除去され得る。ダストカップリリース316の作動は、ダストカップドア318を閉位置(例えば、
図3に示されるように)から開位置(例えば、
図4に示されるように)に向かって遷移させてもよい。開位置にあるとき、ダストカップ306内に集められた破片は、そこから空にすることができる。示されるように、開位置と閉位置との間で移行するとき、ダストカップドア318は、ヒンジ322によって画定される旋回軸320の周りを旋回する。一部の実例では、ヒンジ322は、ダストカップドア318を例えば、開位置に向けて付勢するための付勢機構(例えば、ばね)を含み得る。
【0043】
追加的に、または代替的に、ダストカップリリース316の作動は、ダストカップ306全体を真空アセンブリー304から分離することを可能にし得る。一旦取り外されると、ダストカップ306の開放端部が露出し、そこから回収された破片を空にすることができる。
【0044】
一部の実例では、サイクロン分離器308およびダストカップ306は、真空アセンブリー304から分離され得る。これにより、サイクロン分離器308およびダストカップ306をより簡単に掃除することができる。例えば、これにより、サイクロン分離器308およびダストカップ306を、吸引モーター310に損傷を生じさせる可能性なしに、水を使用して掃除することができる。サイクロン分離器308およびダストカップ306は、アセンブリーリリース324の作動に応答して、真空アセンブリー304から分離され得る。
【0045】
例えば、
図5に示されるように、アセンブリーリリース324が起動されると、サイクロン分離器308およびダストカップ306は、サイクロン分離器308およびダストカップ306を、例えば、真空アセンブリー長手方向軸311と実質的に平行な方向に移動させることによって、真空アセンブリー304から分離することができる。また示されるように、ワンド302は、一つまたは複数のダストカップ306および/またはサイクロン分離器308の少なくとも一部分に連結され得る。このように、ワンド302は、ダストカップ306およびサイクロン分離器308とともに取り外される。こうした構成によって、掃除機300のユーザーがワンド302をより簡単に掃除することが可能になり得る。
【0046】
また示されるように、プレモーターフィルターホルダ502は、サイクロン分離器308から延在し得る。プレモーターフィルターホルダ502は、プレモーターフィルターを受けるように構成され得る。例えば、プレモーターフィルターホルダ502は、吸引モーター310の少なくとも一部分を受けるためのレセプタクル504を画定し得る。吸引モーター310がレセプタクル504内に受けられる時、プレモーターフィルターは、吸引モーター310に引き込まれた空気が吸引モーター310を通過するまえに、プレモーターフィルターを通過するように、吸引モーター310の少なくとも一部の周りに延在し得る。
【0047】
図6は、
図3の線VI-VIに沿った
図3の掃除機300の断面側面図である。示されるように、サイクロン分離器308は、ハウジング602と、チャンバー604とを含む。ハウジング602は、チャンバー604の周りに少なくとも部分的にチャンバー604を囲むように延在するように構成される。一部の実例では、チャンバー604は、ハウジング602の一つまたは複数の側壁606によって少なくとも部分的に画定され得る。
【0048】
示されるように、チャンバー604は、第一および第二の渦ファインダー608および610を含み得る。第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー608および610は、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー608および610の周りを流れる空気中のサイクロン運動の進展を促進するように構成される。第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー608および610の周りの空気のサイクロン運動は、空気中に混入された破片が空気から落ちることを促進する。
【0049】
第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー608および610は、渦ファインダー608および610の各々が互いに向かってチャンバー604内に延在するように、チャンバー604の対向する側面上に配置され得る。第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー608および610は、チャンバー604を通って(例えば、中央を通って)延在する共通軸613に沿って延在し得る。一部の実例では、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー608および610は、共通軸613に沿って中央で整列され得る。渦ファインダー608および610の遠位端612および614は、分離距離616だけ互いに間隔を置いてもよい。分離距離616は、渦ファインダー608および/または610のうちの一つまたは複数の周りに繊維質の破片(例えば、毛髪)のラッピングを低減および/または防止し得る。そのため、チャンバー604は、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー608および610の間に延在する捕捉プレートを含まなくてもよい。物理的捕捉プレートの省略は、(例えば、捕捉プレートと一つまたは複数の渦ファインダー608および/または610との間の)チャンバー604内に破片が詰まることによって引き起こされる、チャンバー604内の障害物の発生を低減し得る。
【0050】
第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー608および610は、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー608および610のそれぞれの近位端622および624の周りに延在するプラットフォーム618および620を含み得る。プラットフォーム618および620は、渦ファインダー608および610がチャンバー604内に収容されるときに、チャンバー604の少なくとも一部分を画定するように構成され得る。一部の実例では、プラットフォーム618および620は、渦ファインダー608および610がチャンバー604から(例えば、掃除目的のために)取り外され得るように、チャンバー604の一部分を画定する側壁に取り外し可能に連結されるように構成され得る。
【0051】
第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー608および610は、並列に動作するよう構成され、空気が通ることができるそれぞれの流体経路626および628をそれぞれ画定することができる。流体経路626および628は、チャンバー604とハウジング602との間に画定されるそれぞれのダクト630および632にチャンバー604を流体連結する。示されるように、遠位端612および614は、チャンバー604内の空気が流体経路626および628を通って流れることができるように、メッシュ領域634および636を含む。メッシュ領域634および636は、それを通して空気が流れることができる複数の開口部を含み、空気透過性メッシュを画定する。メッシュ領域634および636を画定する開口部(またはメッシュ細孔サイズ)のサイズは、所定の閾値サイズを超える粒子サイズを有する破片粒子が通ることを一般的に防止するようにすることができる。近位端622および624は、ダクト630および632のそれぞれのものに流体連結される出口631および633を含み得る。ダクト630および632は、吸引モーター310に流体連結される。
【0052】
図6Aは、
図3の線VI.A-VI.Aに沿った断面側面図を示す。示されるように、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー608および610は、ダクト630および632を介して平行な構成で吸引モーター310に流体連結される。並列構成が示されるが、他の構成も可能である。例えば、渦ファインダー608および610は、直列に動作するよう構成され得る(例えば、渦ファインダー608または610のうちの一方の周りで空気がサイクロン状に流れてから、渦ファインダー608または610の他方の周りでサイクロン状に流れるように配置される)。
【0053】
図7は、
図3の線LV-LVに沿った、
図3の掃除機300の斜視断面図を示す。示されるように、ワンド302内に延在する空気チャネル312は、サイクロン分離器308のチャンバー604に流体連結される。空気チャネル出口702は、ワンド302のワンド中央軸704が渦ファインダー608および610の中心軸と交差しないように、渦ファインダー608および610から間隔を置いている。ワンド中心軸704は、真空アセンブリー長手方向軸311に実質的に平行に延在し得る。こうした構成は、中に閉じ込められた破片によって引き起こされる空気チャネル312内の目詰まりを低減および/または防止し得る。
【0054】
空気チャネル出口702は、渦ファインダー608および610から垂直に離間し得る。このように、空気チャネル出口702から出る空気は、メッシュ領域634および636のうちの一つまたは複数を通過する前に、方向を変える(例えば、下向きに付勢される)ように付勢される。一部の実例では、ワンド中心軸704は、渦ファインダー608および610から垂直に離間している一方で、渦ファインダー608と610との間に中央で延在し得る。示されるように、ワンド中心軸704は、ワンド302が中央に位置する真空アセンブリー長手方向軸311の上方(例えば、掃除機300の上部表面に近接する)に位置するように、中央に位置する真空アセンブリー長手方向軸311から垂直に離間している。しかしながら、例えば、ワンド中心軸704は、ワンド302が中央に位置する真空アセンブリー長手方向軸311(例えば、掃除機300の底部表面に近接する)の下方に位置付けられるように、中央に位置する真空アセンブリー長手方向軸311から垂直に離間し得る、他の構成も可能である。
【0055】
示されるように、チャンバー604はアーチ形状を有する。アーチ形状は、球または円筒の少なくとも一部分を画定し得る。例えば、チャンバー604は、対向する平面627および629(
図6参照)を有する切断された球の形状を有してもよく、渦ファインダー608および610は、それぞれの平面から延在する。アーチ形状は、空気チャネル出口702を出ている空気を渦ファインダー608および610に向かって付勢するように構成される。こうした構成は、それぞれの渦ファインダー608および610の周りに延在するサイクロンの形成を促進し得る。一部の実例では、チャンバー604は、回転楕円体形状(例えば、偏球回転楕円体形状または扁長回転楕円体形状)を有し得る。回転楕円体形状のチャンバー604は、球状または円筒形チャンバー604と比較して、掃除機300がより薄い輪郭を有することを可能にし得る。
図7A、7B、および7Cは、扁長回転楕円体形状を有するチャンバー752を有する掃除機750の実施例を示す。示されるように、扁長回転楕円体形状のチャンバー752への空気入口754は、掃除機750の底部表面756に近接して配置され得る。こうした構成は、空気入口754が掃除機750の上部表面760に近接して配置される構成と比較して、ダストカップ758内の破片が、ダストカップドア759を使用してより簡単に空にされるようにし得る。ダストカップ758の貯蔵能力は、少なくとも部分的に、掃除機750の上部表面760に対する破片出口762の位置に基づいてもよい(例えば、破片出口762と上部表面760との間の分離距離が減少するにつれて、ダストカップ758の貯蔵能力は増加し得る)。
【0056】
また
図7に示すように、ダストカップドア318は、チャンバー604の一部分を画定するダストカップ側壁706を含む。ダストカップ側壁706は、チャンバー604内に開口部(例えば、破片出口)701を画定し、チャンバー604をダストカップ306に流体連結して、チャンバー604内に流れる空気からサイクロン状に分離された破片をダストカップ306に堆積させることができるように構成される。中央に位置する真空アセンブリー長手方向軸311に対する開口部701の位置は、ダストカップ306の破片貯蔵能力に影響を与え得る。例えば、開口部701は、中央に位置する真空アセンブリー長手方向軸311とワンド中心軸704との間の位置に配置され得る。ダストカップドア318が開位置に向かって移行すると、チャンバー604内の環境への開口部が生成される。従って、ダストカップ306が空になった時、チャンバー604内の任意の破片もチャンバー604から空にすることができる。
【0057】
図8は、サイクロン分離器802を有する真空システム800の概略実施例を示す。サイクロン分離器802は、チャンバー808内に配置される第一の渦ファインダー804および第二の渦ファインダー806を含む。チャンバー808は、第一の入口810、第二の入口812、第一の出口814、および第二の出口816を含む。チャンバーダクト818は、第一の出口814から第二の入口812に延在し、出口ダクト820は、第二の出口816から吸引モーター822に延在する。
【0058】
第一の渦ファインダー804は、第一の出口814に流体連結され、第二の渦ファインダー806は、第二の出口816に流体連結される。示されるように、第一の渦ファインダー804は、第一の出口814からチャンバー808内に延在し、第二の渦ファインダー806は、第二の出口816からチャンバー808内に延在する。第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー804および806は、互いに向かってチャンバー808内に延在し得る。例えば、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー804および806は、共通軸824に沿って長手方向に延在し得る。共通軸824は、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー804および806の中央長手方向軸に対応し得る。
【0059】
第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー804および806はそれぞれ、その中に延在する流体通路826および828を画定する。第一の流体通路826は、第一の出口814に流体連結され、第二の流体通路828は、第二の出口816に流体連結される。各渦ファインダー804および806は、対応するメッシュ領域830および832を含む。メッシュ領域830および832は、対応する流体通路826または828をチャンバー808に流体連結するように構成される。第一のメッシュ領域830は、第二のメッシュ領域832とは異なるメッシュ細孔サイズを有するように構成され得る。例えば、第一のメッシュ領域830は、第二のメッシュ領域832よりも大きな破片を通過させるように構成され得る。言い換えれば、第一のメッシュ領域830のメッシュ細孔サイズは、第二のメッシュ領域832の細孔サイズよりも大きいことを測定し得る。このように、第一および第二の渦ファインダー804および806は、通る空気をフィルターリングするように構成されると一般的に説明され得る。
【0060】
第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー804および806の遠位端834および836は、分離距離838だけ離間し得る。分離距離838は、混入した破片を有する空気がチャンバー808の第一の入口810に混入されるとき、一つまたは複数の渦ファインダー804および/または806の周りの繊維質の破片(例えば、毛髪)のラッピングを低減および/または防止し得る。そのため、チャンバー808は、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー804および806の間に延在する捕捉プレートを含まなくてもよい。
【0061】
動作中、吸引モーター822は、空気を空空気流経路840に沿って真空システム800内に引き込むように構成される。示されるように、空空気流経路840は、第一の入口810からチャンバー808内に延在する。チャンバー808に入ると、空気流経路840は、第一の渦ファインダー804の周りにサイクロン状に延在し、第一のメッシュ領域830の一部分を通過し、第一の渦ファインダー804の第一の流体通路826に入る。次に、空気流経路840は、チャンバーダクト818を通り第二の入口812を通り、空気流経路840が第二の渦ファインダー806の周りにサイクロン的に延びるように、チャンバー808内に戻って延びる。第二のメッシュ領域832は、空気流経路840がそれを通り第二の流体通路828内に延在し得るように構成される。このように、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー804および806は、一般に、直列に配置されるとして記述され得る。第二の流体通路828から、空気流経路840は、第二の出口816を通って、出口ダクト820を通って、吸引モーター822内に延在する。一部の実例では、プレモーターフィルター829は、第二の出口816と吸引モーター822(例えば、出口ダクト820内)との間の空気流経路840内に位置付けられてもよい。
【0062】
第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー804および806の周りを移動する空気は、渦ファインダー804および806の周りのサイクロン運動に付勢される。空気のサイクロン運動は、その中に混入された破片を、混入から抜け出させ、ダストカップ842内に堆積させ得る。一部の実例では、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー804および806は、その周りを流れる空気から分離された破片が、各渦ファインダー804および806に対して異なる平均サイズを有するように構成され得る。例えば、第一の渦ファインダー804の周りを流れる空気から分離された破片は、第二の渦ファインダー806の周りを流れる空気から分離された破片よりも大きな平均サイズを有し得る。このように、チャンバー808は、一般に、第一の破片フィルターリング領域844および第二の破片フィルターリング領域846を有するものとして記述されてもよく、第一の破片フィルターリング領域844は、第一の渦ファインダー804に対応し、第二の破片フィルターリング領域846は、第二の渦ファインダー806に対応する。
【0063】
図9は、サイクロン分離器902を有する真空システム900の概略実施例を示す。サイクロン分離器902は、チャンバー908内に配置される第一の渦ファインダー904および第二の渦ファインダー906を含む。チャンバー908は、第一の入口910、第二の入口912、および出口914を含む。
【0064】
第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー904および906はそれぞれ、その中に延在する流体通路916および918を画定する。第一および第二の流体通路916および918は、出口914に流体連結される。一部の実例では、第一の流体通路916は、第二の流体通路918を介して出口914に流体連結され得る。例えば、第一および第二の流体通路916および918が一緒に流体連結され得るように、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー904および906に一つまたは複数の開口部が提供され得る。
【0065】
各渦ファインダー904および906は、対応するメッシュ領域920および922を含み得る。メッシュ領域920および922は、チャンバー908を第一および第二の流体通路916および918のうちの対応する一つに流体連結するように構成される。各メッシュ領域920および922は、望ましいサイズの破片が通過することを可能にするメッシュ細孔サイズを有するように構成され得る。一部の実例では、メッシュ領域920および922はそれぞれ異なるメッシュ細孔サイズを有し得る。あるいは、メッシュ領域920および922は、同じメッシュ細孔サイズを有し得る。
【0066】
動作中、吸引モーター924は、空気を第一の空気流経路926または第二の空気流経路928に沿って真空システム900内に引き込むように構成される。第一の空気流経路926は、第一の入口910を通ってチャンバー908内に延在し、第一の渦ファインダー904の周りをサイクロニックに回り、第一のメッシュ領域920の一部分を通過する。第二の空気流経路928は、第二の入口912を通ってチャンバー908内に延在し、第二の渦ファインダー906の周りをサイクロニックに回り、第二のメッシュ領域922の一部分を通過する。示されるように、第一の空気流経路926は、第一の流体通路916を通って延在し、第二の流体通路918内の第二の空気流経路928と収束し、共通の空気流経路930を形成する。このように、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー904および906は、一般に並列に配置されるとして記述され得る。共通の空気流経路930は、出口914を通って第二の流体通路918から吸引モーター924内に延在する。一部の実例では、プレモーターフィルター929は、吸引モーター924と出口914との間の位置で共通の空気流経路930内に配置され得る。
【0067】
第一の空気流経路926に沿って流れる空気は、第一の渦ファインダー904の周りにサイクロン状に流れ、第一の渦ファインダー904に沿って第二の渦ファインダー906の方向に長手方向に移動する。第二の空気流経路928に沿って流れる空気は、第二の渦ファインダー906の周りにサイクロン状に流れ、第二の渦ファインダー906に沿って第一の渦ファインダー904の方向に長手方向に移動する。従って、第一および第二の空気流経路926および928に従って、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー904および906の周りにサイクロン状に流れる空気は、一般に、捕捉ライン932に向かって収束するものとして記述され得る。第一および第二の空気流経路926および928が捕捉ライン932に向かって収束するため、チャンバー908は、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー904および906の間に延在する捕捉プレートを含まなくてもよい。
【0068】
第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー904および906の周りの空気流経路に沿って移動する空気は、渦ファインダー904および906の周りのサイクロン運動に付勢される。空気のサイクロン運動は、その中に混入された破片を、混入から抜け出させ、ダストカップ934内に堆積させ得る。
【0069】
一部の実例では、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー904および906は、互いに直接的に流体連結される(例えば、単一の連続体として形成される)。これらの例では、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー904および906は、捕捉ライン932の位置に基づいて画定され得る(例えば、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー904および906は、捕捉ライン932の対向する側面上に配置される)。
【0070】
図10は、第一の平面における表面クリーニングヘッド1000の概略断面側面図を示し、
図11は、第二の平面における表面クリーニングヘッド1000の概略断面側面図を示す。
【0071】
図10に示すように、表面クリーニングヘッド1000は、攪拌器1002(例えば、ブラシロール)と、掃除される表面(例えば、床)に概ね平行に延在する軸の周りに攪拌器1002を回転させるように構成される攪拌器駆動モーター1003と、サイクロン分離器1004と、ダストカップ1006と、表面クリーニングヘッド1000の空気入口1010を通して空気を引くように構成される吸引モーター1008とを含む。吸引モーター1008は、サイクロン分離器1004を介して空気入口1010に流体連結される。
【0072】
示されるように、攪拌器1002は、吸引モーター1008が起動されたときに空気が攪拌器の少なくとも一部分の上に流れるように、空気入口1010内に配置される。このように、動作中、攪拌器1002によって掃除される表面から攪拌される破片の少なくとも一部分は、空気入口1010を通って流れる空気内に混入される。空気入口1010からの空気がサイクロン分離器1004を通って流れるとき、サイクロン分離器は、中に混入された破片の少なくとも一部分が空気のサイクロン運動によって気流から分離されるように、空気をサイクロン運動に付勢するように構成される。空気から分離された破片は、ダストカップ1006内に堆積される。
【0073】
図11に示すように、サイクロン分離器1004は、その中に延在する第一および第二の渦ファインダー1102および1104を有するチャンバー1100を含む。第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー1102および1104は、チャンバー1100の対向する遠位端1106および1108から長手方向に延在する。示されるように、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー1102および1104は、渦ファインダー1102および1104のそれぞれの中央長手方向軸に一般に対応する共通軸1110に沿って延在する。第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー1102および1104の遠位端1101および1103は、分離距離1105だけ離間し得る。分離距離1105は、渦ファインダー1102および/または1104のうちの一つまたは複数の周りに繊維質の破片(例えば、毛髪)のラッピングを低減および/または防止し得る。そのため、チャンバー1100は、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー1102および1104の間に延在する捕捉プレートを含まなくてもよい。
【0074】
チャンバー1100は、チャンバー1100の対向する端部領域1116および1118に画定される第一および第二のチャンバー入口1112および1114を含む。第一の端部領域1116は、第一の端部領域距離に対して第一の遠位端1106から長手方向に延在してもよく、第二の端部領域1118は、第二の端部領域距離に対して第二の遠位端1108から長手方向に延在し得る。第一および第二の端部領域距離は、チャンバー1100の合計長手方向長さの45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、または5%未満を測定し得る。
【0075】
第一および第二のチャンバー入口1112および1114はそれぞれ、空気入口1010に流体連結される。示されるように、第一および第二のチャンバー入口1112および1114はそれぞれ、空気入口1010の開口部面積よりも小さい面積を測定する開口部面積を有する。例えば、第一および第二のチャンバー入口1112および1114のそれぞれの開口部面積の総和は、空気入口1010の開口部面積よりも小さく測定し得る。こうした構成は、表面クリーニングヘッド1000の側面に隣接する位置で、表面クリーニングヘッド1000を流れる空気の流速を増加させ得る。これにより、表面クリーニングヘッド1000の側面に隣接する位置での空気流における破片の混入が改善され、表面クリーニングヘッド1000の全体的なクリーニング性能が改善され得る。
【0076】
動作中、吸引モーター1008は、入口空気流経路1120に沿って空気を空気入口1010に進入させる。入口空気流経路1120は、攪拌器1002の一部分の上に延在し、第一のチャンバー空気流経路1122および第二のチャンバー空気流経路1124に分岐する。第一のチャンバー空気流経路1122は、第一のチャンバー入口1112を通って、チャンバー1100内に延在する。チャンバー1100に入ると、第一のチャンバー空気流経路1122は、第一の渦ファインダー1102の周りにサイクロン的に延び、第一の渦ファインダー1102の第一のメッシュ領域1126の一部分を通過し、第一の渦ファインダー1102に画定される第一の流体通路1128に入る。第一の流体通路1128から、第一のチャンバー空気流経路1122は、第一のチャンバーダクト1130を通って共通プレナム1132内に延在する。第二のチャンバー空気流経路1124は、第二のチャンバー入口1114を通って、チャンバー1100内に延在する。チャンバー1100に入ると、第二のチャンバー空気流経路1124は、第二の渦ファインダー1104の周りにサイクロン的に延在し、第二の渦ファインダー1104の第二のメッシュ領域1134の一部分を通過し、第二の渦ファインダー1104に画定される第二の流体通路1136に入る。第二の流体通路1136から、第二のチャンバー空気流経路1124は、第二のチャンバーダクト1138を通って共通プレナム1132内に延在する。共通プレナム1132に入ると、第一および第二のチャンバー空気流経路1122および1124は、吸引モーター1008を通って延在する出口空気流経路1140に収束する。一部の実例では、出口空気流経路1140は、吸引モーター1008を通過する前に、プレモーターフィルター1141を通って延在し得る。このように、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダー1102および1104は、一般に並列に配置されるとして記述され得る。
【0077】
図12は、ワンド拡張アクセサリー1202に連結された掃除機300の実施例を示す。ワンド拡張アクセサリー1202は、ワンド302に連結するように構成される。
【0078】
図13は、表面クリーニングヘッドアクセサリー1302に連結された掃除機300の実施例を示す。表面クリーニングヘッドアクセサリー1302は、掃除される表面(例えば、床)と係合するように構成される一つまたは複数のブラシロール1303(
図10を参照)を含む。表面クリーニングヘッドアクセサリー1302は、ワンド302またはワンド拡張アクセサリー1202に連結するように構成される。示されるように、掃除機300は、表面クリーニングヘッドアクセサリー1302に連結されたときに、ドッキングステーション1304と係合するように構成され得る。ドッキングステーション1304は、電源303の一つまたは複数の電池を再充電するように構成され得る。
【0079】
図14は、
図13の表面クリーニングヘッドアクセサリー1302に連結された掃除機300の断面図を示す。示されるように、電源303は、例えば、一つまたは複数の電池1402を含み得る。一つまたは複数の電池1402は、リチウムイオン電池を含み得る。また示されるように、表面クリーニングヘッドアクセサリー1302は、追加の電源1404を含み得る。追加の電源1404は、例えば、ブラシロール1303を回転させるように構成される一つまたは複数のモーターに電力を供給するように構成される一つまたは複数のバッテリ1406を含み得る。一つまたは複数の電池1406は、例えば、一つまたは複数のニッケル金属水素化物電池を含み得る。一部の実例では、電源303は、表面クリーニングヘッドアクセサリー1302に電力を供給することができる。例えば、ワンド302および/またはワンド拡張アクセサリー1202は、電力を運ぶように構成され得る(例えば、その中に延在する一つまたは複数のワイヤを使用する)。
【0080】
図15は、表面クリーニングアクセサリー1502に連結された掃除機300を示す。一部の実例では、掃除機300は、隙間ツールアクセサリー1504に連結され得る。表面クリーニングアクセサリー1502および隙間ツールアクセサリー1504は、ワンド302に連結するように構成され得る。
【0081】
図16は、300Wの電力およびブラシレスDCモーターを有する掃除機300の実施例のさまざまなオリフィス(例えば、入口)直径に対する空気力、空気流、および吸引の実施例を示す表である。
図17は、サイクロン分離器308の実施例の効率を示す表である。
【0082】
図18は、サイクロン分離器1802を有するロボット掃除機1800の実施例を示す。サイクロン分離器1802は、チャンバー1804の対向する端部からチャンバー1804内に延在する複数の渦ファインダー1806および1808を有するチャンバー1804を含む。渦ファインダー1806および1808は、平行な構成で配置される。しかしながら、渦ファインダー1806および1808は、直列に配置され得る。
【0083】
示されるように、チャンバー1804は、扁長回転楕円体形状を有する。扁長回転楕円体形状は、チャンバー1804が球状形状を有する時と比較して、ロボット掃除機1800の高さを減少させ得る。チャンバー1804のチャンバー入口1810は、ロボット掃除機1800の一つまたは複数の空気入口1812に流体連結される。そのため、チャンバー入口1810は、渦ファインダー1806と1808とロボット掃除機1800の底部表面(例えば、掃除される表面に最も近いロボット掃除機1800の表面)との間に配置され得る。一部の実例では、チャンバー入口1810は、ロボットクリーナー1800の底部表面によって少なくとも部分的に画定され得る。
【0084】
図19は、真空アセンブリー1902を有する直立型掃除機1900の斜視図を示す。真空アセンブリー1902は、吸引モーター1904と、ダストカップ1906と、サイクロン分離器1908とを含む。
【0085】
図20は、サイクロン分離器1908およびダストカップ1906の斜視図であり、
図21は、サイクロン分離器1908およびダストカップ1906の断面図を示す。示されるように、サイクロン分離器1908は、チャンバー2000の対向する側面から延在する第一および第二の渦ファインダー2002および2004を有するチャンバー2000を含む。チャンバー2000は、空気入口2006、破片出口2008、第一の出口2010、および第二の出口2012を含む。第一および第二の出口2010および2012は、渦ファインダー2002および2004を吸引モーター1904に流体連結する。破片出口2008は、チャンバー2000を通って流れる空気から分離された破片がダストカップ1906内に堆積されるように構成される。示されるように、入口ダクト2100は、空気入口2006から、チャンバー2000の外側表面2102に沿って延在し得る。このように、入口ダクト2100は、アーチ形状を有すると一般的に説明され得る。入口ダクト2100のアーチ形状は、サイクロン分離器1908の分離効率を改善し得る(例えば、空気流からサイクロン的に分離された破片の量が改善され得る)。入口ダクト2100の形状および位置はまた、サイクロン分離器1908の別の掃除機構成要素(例えば、ホース、表面クリーニングヘッド、および/または任意の他の掃除機構成要素のうちの一つまたは複数)への流体連結を容易にするように構成され得る。
【0086】
本開示と一致する掃除機の実施例は、吸引モーターと、吸引モーターに流体連結されるサイクロン分離器とを含み得る。サイクロン分離器は、チャンバーと、チャンバー内に延在する第一および第二の渦ファインダーとを含み得る。第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダーは、チャンバーの対向する側面から延在し得る。
【0087】
一部の実例では、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダーの遠位端は、分離距離だけ互いに間隔を置いてもよい。一部の実例では、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダーは並列に配置され得る。一部の実例では、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダーは、直列に配置され得る。一部の実例では、サイクロン分離器は、チャンバーの少なくとも一部分の周りに延在するハウジングをさらに含み得る。一部の実例では、一つまたは複数のダクトは、チャンバーとハウジングとの間に画定され得る。一部の実例では、一つまたは複数のダクトが、吸引モーターによって第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダーを通って引き出される空気が一つまたは複数のダクトを通過し、吸引モーター内に流れるように、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダーおよび吸引モーターのうちの一つまたは複数に流体連結され得る。一部の実例では、チャンバーはアーチ形状を有し得る。一部の実例では、チャンバーは、対向する平面を有する切断された球に対応する形状を有してもよく、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダーは平面から延在する。一部の実例では、掃除機は、ダストカップをさらに含んでもよく、ダストカップは、サイクロン分離器を通って流れる空気からサイクロン的に分離された破片を収集するように構成される。一部の実例では、ダストカップは、ダストカップドアを含み得る。一部の実例では、ダストカップドアは、ダストカップリリースの作動に応答して、閉位置から開位置に移行するように構成され得る。
【0088】
本開示による掃除機のためのサイクロン分離器の実施例は、吸引モーターに流体連結されるように構成されるチャンバー、およびチャンバー内に延在する第一および第二の渦ファインダーを含み得る。第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダーは、チャンバーの対向する側面から延在し得る。
【0089】
一部の実例では、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダーの遠位端は、分離距離だけ互いに間隔を置いてもよい。一部の実例では、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダーは並列に配置され得る。一部の実例では、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダーは、直列に配置され得る。一部の実例では、サイクロン分離器は、チャンバーの少なくとも一部分の周りに延在するハウジングをさらに含み得る。一部の実例では、一つまたは複数のダクトは、チャンバーとハウジングとの間に画定され得る。一部の実例では、一つまたは複数のダクトは、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダーのうちの一つまたは複数に流体連結されてもよく、吸引モーターによって第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダーを通って引き出される空気が一つまたは複数のダクトを通過し、吸引モーター内に流れるように、吸引モーターに流体連結されるように構成され得る。一部の実例では、チャンバーは、対向する平面を有する切断された球に対応する形状を有してもよく、第一の渦ファインダーと第二の渦ファインダーは平面から延在する。
【0090】
本発明の原理は本明細書に記載されるが、本記述は、例としてのみ行われ、本発明の範囲に限定されないことは、当業者によって理解されるべきである。その他の実施形態は、本明細書に示される例示的な実施形態に加えて、本発明の範囲内で意図される。当業者による修正および置換は、本発明の範囲内であると考えられ、以下の特許請求の範囲を除いて限定されるべきではない。