(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133606
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】細長いデバイスに関するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 8/12 20060101AFI20230914BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
A61B8/12
A61B5/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023127865
(22)【出願日】2023-08-04
(62)【分割の表示】P 2020558890の分割
【原出願日】2019-04-23
(31)【優先権主張番号】62/662,440
(32)【優先日】2018-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ソーパー,ティモシー ディー.
(72)【発明者】
【氏名】アデバー,トロイ ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】カールソン,クリストファー アール.
(72)【発明者】
【氏名】コーン,ベンジャミン ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ドゥインダム,ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】ガッダ,テレサ ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー,オリバー ジェイ.
(57)【要約】
【課題】最小侵襲医療技法の間に操作者を助けるために、標的組織場所の改良されたリアルタイム視覚化を提供する。
【解決手段】医療システムは、カテーテルと、プロセッサとを含む。カテーテルは、第1のチャネルと、カテーテル基準系と関連付けられる遠位端部分とを含む。プロセッサは、患者解剖学的構造内のカテーテルによって提供される第1の撮像デバイスによって取り込まれる第1の画像を受信し、患者解剖学的構造の外側から第2の撮像デバイスによって取り込まれる患者解剖学的構造の第2の画像を受信する、ように構成される。第2の画像は、カテーテルと、第1の撮像デバイスとを含む。プロセッサは、更に、第2の画像に基づいて第1の撮像デバイスとカテーテルの遠位端との間の相対的な姿勢を決定し、第1の画像内の標的構造と関連付けられる標的場所を決定し、相対的な姿勢に基づいて第1の画像と関連付けられる画像基準系内の標的場所をカテーテル基準系に変換する、ように構成される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
命令を格納する非一時的な機械可読媒体であって、
前記命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、
患者解剖学的構造の内側の撮像プローブから解剖学的構造の第1の画像を受信させ、前記第1の画像は、画像基準系を有し、前記撮像プローブは、カテーテルの遠位端を越えて遠位に延出可能であり、前記カテーテルの前記遠位端は、カテーテル基準系を有し、
第1の外部撮像デバイスから前記患者解剖学的構造の第1の外部画像を受信させ、前記第1の外部画像は、前記カテーテル及び前記撮像プローブを含み、
前記第1の外部画像に基づいて前記撮像プローブと前記カテーテルの前記遠位端との間の相対的な姿勢を決定させ、
前記第1の画像中の標的構造と関連する標的場所を決定させ、
前記相対的な姿勢に基づいて前記画像基準系内の前記標的場所を前記カテーテル基準系に変換させる、
非一時的な機械可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2018年4月25日に出願された米国仮出願第62/662,440号の利益を主張し、その全文を参照によって本明細書に援用する。
【0002】
本開示は、操縦可能な細長いデバイスを制御するシステム及び方法に向けられている。
【背景技術】
【0003】
最小侵襲医療技法は、医療処置中に損傷を受ける組織の量を減らし、それによって、患者の回復時間、不快感、有害な副作用を減らすことを意図している。そのような最小侵襲技術は、患者解剖学的構造にある自然開口部を通じて或いは1つ又はそれよりも多くの外科的切開部を通じて実施されることがある。操作者は、これらの自然開口部又は切開部を通じて、標的組織場所に到達するために、(外科的、診断的、治療的、又は生検的器具を含む)最小侵襲医療器具を挿入することがある。1つのそのような最小侵襲技法の1つは、解剖学的通路に挿入されて、患者解剖学的構造内の関心領域に向かって進められる(ナビゲートされる)ことができる、可撓性カテーテルのような、可撓性及び/又は操縦可能な細長いデバイスを使用することである。標的組織場所に到達するのを助けるために、医療器具の場所及び動きは、患者解剖学的構造の術前又は術中画像と相関させられることがある。画像と相関させられる画像誘導器具を用いるならば、器具は、肺、結腸、腸、腎臓、心臓、循環系などのような解剖学的系内の、自然な又は外科的に作られた通路を進む(ナビゲートする)ことがある。しかしながら、最小侵襲医療デバイスは、例えば、標的組織場所が、最小侵襲医療デバイスを導入する通路の表面の下に位置するときには、標的組織場所を識別するのに十分な撮像能力を操作者(例えば、外科医又は他の医療従事者)に必ずしも提供するとは限らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、最小侵襲医療技法の間に操作者を助けるために、標的組織場所の改良されたリアルタイム視覚化を提供することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、本記述に続く請求項によって最良に要約される。
【0006】
幾つかの実施形態と一致して、方法がコンピューティングシステムによって実行される。方法は、患者解剖学的構造の内側の撮像プローブから解剖学的構造の第1の画像を受信することを含む。第1の画像は、画像基準系を有する。撮像プローブは、カテーテルの遠位端を越えて遠位に延出可能である。カテーテルの遠位端は、カテーテル基準系を有する。方法は、第1の外部撮像デバイスから患者解剖学的構造の第1の外部画像を受信することを更に含む。第1の外部画像は、カテーテルと、撮像プローブとを含む。方法は、第1の外部画像に基づいて撮像プローブとカテーテルの遠位端との間の相対的な姿勢を決定すること、第1の画像中の標的構造と関連付けられる標的場所を決定すること、及び相対的な姿勢に基づいて画像基準系内の標的場所をカテーテル基準系に変換することを更に含む。
【0007】
幾つかの実施形態と一致して、医療システムが、第1のチャネルと、遠位端部分とを含む、カテーテルを含む。遠位端部分は、カテーテル基準系と関連付けられる。医療システムは、プロセッサを更に含む。プロセッサは、患者解剖学的構造内のカテーテルによって提供される第1の撮像デバイスによって取り込まれる第1の画像を受信し、患者解剖学的構造の外側から第2の撮像デバイスによって取り込まれる患者解剖学的構造の第2の画像を受信する、ように構成される。第2の画像は、カテーテルと、第1の撮像デバイスとを含む。プロセッサは、第2の画像に基づいて、第1の撮像デバイスとカテーテルの遠位端との間の相対的な姿勢を決定し、第1の画像中の標的構造と関連付けられる標的場所を決定し、相対的な姿勢に基づいて第1の画像と関連付けられる画像基準系内の標的場所をカテーテル基準系に変換する、ように更に構成される。
【0008】
前述の一般的な記述及び以下の詳細な記述は、本質的に例示的かつ説明的であり、本開示の範囲を制限することなく本開示の理解を提供することを意図することが理解されるべきである。その点に関して、本開示の追加的な態様、構成、及び利点は、以下の詳細な記述から当業者に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】幾つかの実施形態に従った遠隔操作医療システムの簡略図である。
【0010】
【
図2A】幾つかの実施形態に従った医療機器システムの簡略図である。
【0011】
【
図2B】幾つかの実施形態に従った拡張医療ツールを備えた医療器具の簡略図である。
【0012】
【
図3A】幾つかの実施形態に従った挿入アセンブリに取り付けられた医療器具を含む患者座標空間の簡略化された側面図である。
【
図3B】幾つかの実施形態に従った挿入アセンブリに取り付けられた医療器具を含む患者座標空間の簡略化された側面図である。
【0013】
【
図4】幾つかの実施形態に従った撮像システムを含むカテーテルを図示している。
【0014】
【
図5】幾つかの実施形態に従った
図4の撮像システムによって生成された画像を図示している。
【0015】
【
図6】幾つかの実施形態に従った患者解剖学的構造の外側の撮像システムによって生成された患者解剖学的画像の外部画像を図示している。
【0016】
【
図7】幾つかの実施形態に従った撮像システムとツールとを含むカテーテルを図示している。
【0017】
【
図8】幾つかの実施形態に従った
図7の撮像システムによって生成された画像を図示している。
【0018】
【
図9】幾つかの実施形態に従った患者解剖学的構造の外側の撮像システムによって生成された患者解剖学的構造の外部画像を図示している。
【0019】
【
図10】幾つかの実施形態に従った撮像システムを使用して標的構造の場所を決定する方法を記載するフローチャートを図示している。
【0020】
【
図11】幾つかの実施形態に従ったディスプレイシステム上に仮想視覚化画像を提供する方法を記載するフローチャートを図示している。
【0021】
【
図12A】幾つかの実施形態に従った仮想視覚化画像を図示している。
【0022】
【
図12B】幾つかの実施形態に従った仮想視覚化画像を図示している。
【0023】
【
図13】幾つかの実施形態に従った仮想視覚化画像を図示している。
【0024】
【
図14】幾つかの実施形態に従った仮想視覚化画像を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の実施形態及びそれらの利点は、以下の詳細な記述を参照することによって最良に理解される。同等の参照番号は、図のうちの1つ又はそれよりも多くの図に図示される同等の要素を識別するために使用され、それらの中の表示は、本開示の実施形態を図示する目的のためのものであり、それらを限定する目的のためのものでないことが理解されるべきである。
【0026】
以下の記述では、本開示と矛盾しない幾つかの実施形態を記載する特定の詳細が説明される。実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が説明される。しかしながら、幾つかの実施形態は、これらの特定の詳細の一部又は全部を伴わずに実施されてよいことが、当業者に明らかであろう。本明細書に開示する具体的な実施形態は例示的であるが、限定的でないことを意味する。当業者は、本明細書に具体的に記載していないが本開示の範囲及び精神内にある他の要素を認識することがある。加えて、不要な反復を避けるために、1つの実施形態に関連して示し且つ記載する1つ又はそれよりも多くの構成は、他のことが特に記載されない限り或いは1つ又はそれよりも多くの構成が実施形態を非機能的にしない限り、他の実施形態に組み込まれてよい。
【0027】
幾つかの例において、よく知られている方法、手順、構成要素(コンポーネント)、及び回路は、実施形態の態様を不要に不明瞭にしないよう、詳細に記載されない。
【0028】
この開示は、様々な器具及び器具の一部分を、三次元空間におけるそれらの状態に関して記載する。本明細書で使用するとき、「位置(position)」という用語は、三次元空間(例えば、デカルトx、y、及びz座標に沿う3つの並進自由度)における物体又は物体の一部分の場所を指す。本明細書で使用するとき、「向き(orientation)」という用語は、物体又は物体の一部分の回転配置(3つの回転自由度、例えば、ロール、ピッチ、及びヨー)を指す。本明細書で使用するとき、「姿勢(pose)」という用語は、少なくとも1つの並進自由度における物体又は物体の一部分の位置を指し、少なくとも1つの回転自由度(最大で6つの自由度)における物体又は物体の一部分の向きを指す。本明細書で使用するとき、「形状(shape)」という用語は、物体に沿って測定される姿勢、位置、又は向きのセットを指す。
【0029】
図1は、幾つかの実施形態に従った遠隔操作医療システム100の簡略図である。幾つかの実施形態において、遠隔操作医療システム100は、例えば、外科的、診断的、治療的、又は生検的処置における使用に適している。本明細書において、幾つかの実施形態は、そのような処置に関して提供されるが、医療的又は外科的器具及び医療的又は外科的方法へのいかなる言及も非限定的である。本明細書に記載のシステム、器具、及び方法は、動物、人間の死体、動物の死体、人間又は動物の解剖学的構造の一部分、非外科的診断、ならびに産業システム及び汎用ロボット又は遠隔操作システムに使用されてよい。
【0030】
図1に示すように、医療システム100は、一般的に、患者Pに対して様々な処置を行う際に医療器具104を作動させるためのマニピュレータアセンブリ102を含む。マニピュレータアセンブリ102は、遠隔操作アセンブリ、非遠隔操作アセンブリ、又は動力化されることがあり且つ/或いは遠隔操作されることがある選択自由度と動力化されないことがあり且つ/或いは遠隔操作されないことがある選択自由度とを備えるハイブリッドの遠隔操作及び非遠隔操作アセンブリであってよい。マニピュレータアセンブリ102は、手術台Tに又はその付近に取り付けられる。マスタアセンブリ106は、操作者(例えば、
図1に図示する外科医、臨床医、又は医師)が、介入部位を調べて、マニピュレータアセンブリ102を制御することを可能にする。
【0031】
マスタアセンブリ106は、通常、患者Pが配置される手術台の側面のような、手術台Tと同じ部屋に配置される、操作者コンソールに配置されてよい。しかしながら、操作者Oは、患者Pと異なる部屋又は全く異なる建物に配置されることができることが理解されるべきである。マスタアセンブリ106は、一般的に、マニピュレータアセンブリ102を制御するための1つ又はそれよりも多くの制御デバイスを含む。制御デバイスは、ジョイスティック、トラックボール、データグローブ、トリガガン、手動コントローラ、音声認識デバイス、身体運動又は存在センサ、及び/又は同等物のような、任意の数の様々な入力デバイスを含んでよい。器具104を直接的に制御しているという強い感覚を操作者Oに提供するために、制御デバイスは、関連する医療器具104と同じ自由度を備えてよい。このようにして、制御デバイスは、テレプレゼンス又は制御デバイスが医療器具104と一体的であるという知覚を操作者Oに提供する。
【0032】
幾つかの実施形態において、制御デバイスは、関連する医療器具104よりも多い又は少ない自由度を有して、操作者Oに依然としてテレプレゼンスを提供することがある。幾つかの実施形態において、制御デバイスは、任意的に、6自由度で動く手動入力デバイスであってよく、手動入力デバイスは、器具を作動させる(例えば、把持ジョーを閉じる、電極に電位を印加する、医薬治療を給送する、且つ/或いは同等のことを行う)ための、作動可能なハンドルを含んでもよい。
【0033】
マニピュレータアセンブリ102は、医療器具104を支持し、1つ又はそれよりも多くの非サーボ制御リンク(例えば、一般的にセットアップ構造と呼ばれる、手作業で位置付けられて、所定の場所にロックされることがある、1つ又はそれよりも多くのリンク)、及び/又は1つ又はそれよりも多くのサーボ制御リンク(例えば、制御システムからのコマンドに応答して制御されてよい1つ又はそれよりも多くのリンク)、及びマニピュレータの運動学的構造を含んでよい。マニピュレータアセンブリ102は、任意的に、制御システム(例えば、制御システム112)からのコマンドに応答して医療器具104への入力を駆動する複数のアクチュエータ又はモータを含んでよい。アクチュエータは、任意的に、医療器具104に連結されるときに医療器具104を自然に又は外科的に作られた解剖学的開口部に前進させることがある駆動システムを含んでよい。他の駆動システムは、3つの程度の線形運動(例えば、X、Y、Zデカルト軸に沿う線形運動)及び3つの程度の回転運動(例えば、X、Y、Zデカルト軸についての回転)を含む複数の自由度において医療器具104の遠位端を移動させてよい。加えて、アクチュエータを用いて、生検デバイス及び/又は同等物のジョー内で組織を把持するための医療器具104の関節作動可能なエンドエフェクタを作動させることができる。レゾルバ、エンコーダ、ポテンショメータ、及び他の機構のようなアクチュエータ位置センサは、モータシャフトの回転及び向きを記述するセンサデータを医療システム100に提供してよい。この位置センサデータは、アクチュエータによって操作される物体の動きを決定するために使用されてよい。
【0034】
遠隔操作医療システム100は、マニピュレータアセンブリ102の器具に関する情報を受信するための1つ又はそれよりも多くのサブシステムを備えるセンサシステム108を含んでよい。そのようなサブシステムは、位置/場所センサシステム(例えば、電磁(EM)センサシステム)、医療器具104を構成することがある可撓性本体(フレキシブル本体)に沿う遠位端及び/又は1つ又はそれよりも多くのセグメントの位置、向き、速さ、速度、姿勢、及び/又は形状を決定するための形状センサシステム、及び/又は医療器具104の遠位端から画像を取り込むための視覚化システム(visualization system)を含んでよい。
【0035】
遠隔操作医療システム100は、センサシステム108のサブシステムによって生成される医療機器104及び手術部位の画像又は表現を表示するためのディスプレイシステム110を含んでもよい。ディスプレイシステム110及びマスタアセンブリ106は、操作者Oがテレプレゼンスの知覚を伴って医療器具104及びマスタアセンブリ106を制御し得るように方向付けられてよい。
【0036】
幾つかの実施形態において、医療器具104は、(以下でより詳細に議論する)視覚化システムを有してよく、視覚化システムは、手術部位の同時の又はリアルタイムの画像を記録し、ディスプレイシステム110の1つ又はそれよりも多くのディスプレイのような、医療システム100の1つ又はそれよりも多くのディスプレイを通じて、画像を操作者又は操作者Oに提供する、視認スコープアセンブリ(viewing scope assembly)を含んでよい。同時画像は、例えば、手術部位内に位置付けられる内視鏡によって取り込まれる二次元又は三次元画像であってよい。幾つかの実施形態において、視覚化システムは、医療器具104に一体的に又は取り外し可能に連結されてよい内視鏡構成要素を含む。しかしながら、幾つかの実施形態では、別個のマニピュレータアセンブリに取り付けられる別個の内視鏡を医療器具104と共に用いて、手術部位を撮像してよい。視覚化システムは、制御システム112のプロセッサを含むことがある1つ又はそれよりも多くのコンピュータプロセッサと相互作用するか或いはさもなければそれ(それら)によって実行される、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせとして実装されてよい。
【0037】
ディスプレイシステム110は、視覚化システムによって取り込まれる医療器具及び手術部位の画像を表示してもよい。幾つかの例において、遠隔操作医療システム100は、医療器具の相対的な位置が操作者Oの両眼及び両手の相対的な位置に類似するように、医療器具104及びマスタアセンブリ106の制御装置を構成してよい。このようにして、操作者Oは、あたかも実質的に真の存在(true presence)において作業空間を見るかのように、医療器具104及び手動制御装置を操作することができる。真の存在とは、画像の提示が、医療器具104を物理的に操作している医師の視点をシミュレートする真の透視画像であることを意味する。
【0038】
幾つかの例において、ディスプレイシステム110は、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴映像(MRI)、蛍光透視、サーモグラフィ、超音波、光干渉断層撮影(OCT)、熱撮像、インピーダンス撮像、レーザ撮像、ナノチューブX線撮像、及び/又は同等物のような、撮像技術からの画像データを用いて、術前又は術中に記録される手術部位の画像を提示してよい。術前又は術中画像データは、二次元、三次元、又は(例えば、時間ベース又は速度ベースの情報を含む)四次元画像として、及び/又は術前又は術中画像データセットから作成されるモデルからの画像として提示されてよい。
【0039】
幾つかの実施形態では、しばしば画像誘導外科的処置の目的のために、ディスプレイシステム110は、医療器具104の実際の場所が術前又は同時画像/モデルと位置合わせされる(すなわち、動的に参照される)仮想ナビゲーション画像を表示してよい。これは医療器具104の観点から内部手術部位の仮想画像を操作者Oに提示するために行われてよい。幾つかの例において、視点は、医療器具104の先端からのものであってよい。医療器具104の先端の画像及び/又は他のグラフィカル又は英数字インジケータを仮想画像上に重ね合わせて、操作者Oが医療器具104を制御するのを助けてよい。幾つかの例において、医療器具104は、仮想画像内で見えないことがある。
【0040】
幾つかの実施形態において、ディスプレイシステム110は、外部視点から手術部位内の医療器具104の仮想画像を操作者Oに提示するために、医療器具104の実際の場所が術前又は同時画像と位置合わせされる仮想ナビゲーション画像を表示してよい。医療器具104の一部分の画像又は他のグラフィカル又は英数字インジケータを仮想画像上に重ね合わせて、医療器具104の制御において操作者Oを助けてよい。本明細書に記載するように、データポイントの視覚的表現は、ディスプレイシステム110に描画(レンダリング)されてよい。例えば、測定されたデータポイント、移動させられたデータポイント、位置合わせされたデータポイント、及び本明細書に記載する他のデータポイントは、視覚的表現においてディスプレイシステム110に表示されてよい。データポイントは、ディスプレイシステム110上の複数のポイント又はドットによって、或いはデータポイントのセットに基づいて作成されるメッシュ又はワイヤモデルのような描画(レンダリング)されたモデルとして、ユーザインターフェースにおいて視覚的に表現されてよい。幾つかの例において、データポイントは、それらが表すデータに従ってカラーコード化されてよい。幾つかの実施形態では、各処理操作がデータポイントを変更するために実施された後に、視覚的表現がディスプレイシステム110においてリフレッシュされてよい。
【0041】
遠隔操作医療システム100は、制御システム112を含んでもよい。制御システム112は、少なくとも1つのメモリと、医療器具104、マスタアセンブリ106、センサシステム108、及びディスプレイシステム110の間の制御を行うための少なくとも1つのコンピュータプロセッサ(図示せず)とを含む。制御システム112は、ディスプレイシステム110に情報を提供するための命令を含む、本明細書に開示する態様に従って記載する方法の一部又は全部を実施するためのプログラムされた命令(例えば、命令を格納する非一時的な機械可読媒体)も含む。制御システム112は、
図1の簡略化された概略図において単一のブロックとして示されているが、システムは、2つ又はそれよりも多くのデータ処理回路を含んでよく、処理の1つの部分は、マニピュレータアセンブリ102上で又はマニピュレータアセンブリ102に隣接して任意的に実行され、処理の別の部分は、マスタアセンブリ106で実行される、及び/又は他のことである。制御システム112のプロセッサは、本明細書に開示し且つ以下により詳細に記載するプロセスに対応する命令を含む命令を実行してよい。任意の多種多様な集中型又は分散型データ処理アーキテクチャが使用されてよい。同様に、プログラムされた命令は、多数の別個のプログラム又はサブルーチンとして実装されてよく、或いはそれらは本明細書に記載する遠隔操作システムの多数の他の態様に統合されてよい。1つの実施形態において、制御システム112は、Bluetooth(登録商標)、IrDA、HomeRF、IEEE802.11、DECT、及びWireless Telemetryのような、無線通信プロトコルをサポートする。
【0042】
幾つかの実施形態において、制御システム112は、医療器具104からの力及び/又はトルクフィードバックを受信してよい。フィードバックに応答して、制御システム112は、マスタアセンブリ106に信号を送信してよい。幾つかの例において、制御システム112は、マニピュレータアセンブリ102の1つ又はそれよりも多くのアクチュエータに命令して、医療器具104を移動させてよい。医療器具104は、患者Pの身体にある開口部を介して患者Pの身体内の内部手術部位内に延びてよい。任意の適切な従来的な及び/又は特殊化されたアクチュエータが使用されてよい。幾つかの例において、1つ又はそれよりも多くのアクチュエータは、マニピュレータアセンブリ102から分離されてよく、或いはマニピュレータアセンブリ102と一体にされてよい。幾つかの実施形態において、1つ又はそれよりも多くのアクチュエータ及びマニピュレータアセンブリ102は、患者P及び手術台Tに隣接して位置付けられる遠隔操作カートの一部として提供される。
【0043】
制御システム112は、任意的に、画像誘導外科的処置の間に医療器具104を制御するときに操作者Oにナビゲーション支援を提供するために、仮想視覚化システムを更に含んでよい。仮想視覚化システムを使用する仮想ナビゲーションは、取得した解剖学的通路の術前又は術中データセットの参照に基づいてよい。仮想視覚化システムは、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴映像(MRI)、蛍光透視、サーモグラフィ、超音波、光干渉断層撮影(OCT)、熱撮像、インピーダンス撮像、レーザ撮像、ナノチューブX線撮像、及び/又は同等のことのような、撮像技術を用いて撮像される手術部位の画像を処理する。手動入力との組み合わせにおいて使用されてよいソフトウェアを用いて、記録された画像を、部分的又は全体的な解剖学的臓器又は解剖学的領域のセグメント化された二次元又は三次元の複合表現に変換してよい。画像データセットは、複合表現と関連付けらる。複合表現及び画像データセットは、通路の様々な場所よび形状並びにそれらの接続性を記述する。複合表現を生成するために使用される画像は、臨床処置中に術前又は術中に記録されてよい。幾つかの実施形態において、仮想視覚化システムは、標準的表現(すなわち、患者特異的でない表現)又は標準的表現及び患者特異的データのハイブリッドを用いてよい。複合表現及び複合表現によって生成された仮想画像は、運動の1つ又はそれよりも多くの段階(例えば、肺の吸気/呼気サイクル)の間の変形可能な解剖学的領域の静止姿勢を表すことがある。
【0044】
仮想ナビゲーション処置の間に、センサシステム108を用いて、患者Pの解剖学的構造に対する医療器具104の近似場所を計算してよい。その場所を用いて、患者Pの解剖学的構造のマクロレベル(外部)トラッキング(追跡)画像及び患者Pの解剖学的構造の仮想内部画像の両方を生成することができる。システムは、1つ又はそれよりも多くの電磁センサ、光ファイバセンサ、及び/又は他のセンサを実装して、仮想視覚化システムからの術前記録外科画像のような術前記録外科画像と共に医療器具を位置合わせ及び表示してよい。例えば、その全文を参照によって本明細書に援用する、(「Systems and Methods of Registration for Image Guided Surgery」を開示する)(2016年12月1日に公開された)特許文献1は、そのような1つのシステムを開示している。遠隔操作医療システム100は、照明システム、操縦制御システム、洗浄システム、及び/又は吸引システムのような、任意的な操作及び支持システム(図示せず)を更に含んでよい。幾つかの実施形態において、遠隔操作医療システム100は、1つよりも多くのマニピュレータアセンブリ及び/又は1つよりも多くのマスタアセンブリを含んでよい。遠隔操作マニピュレータアセンブリの正確な数は、他の要因の中でも、外科的処置及び手術室内の空間的制約に依存する。マスタアセンブリ106は、同じ場所に配置されてよく、或いは別個の場所に位置付けられてよい。複数のマスタアセンブリは、1人よりも多くの操作者が1つ又はそれよりも多くの遠隔操作マニピュレータアセンブリを様々な組み合わせにおいて制御することを可能にする。
【0045】
図2Aは、幾つかの実施形態に従った医療器具システム200の簡略図である。幾つかの実施形態において、医療器具システム200は、遠隔操作医療システム100で実行される画像誘導医療処置において医療器具104として使用されてよい。幾つかの例において、医療器具システム200は、非遠隔操作探索的処置のために、或いは内視鏡のような従来的な手動操作医療器具を含む処置において使用されてよい。任意的に、医療器具システム200は、患者Pのような患者の解剖学的通路内の場所に対応するデータポイントのセットを収集する(すなわち、測定する)ために使用されてよい。
【0046】
医療器具システム200は、駆動ユニット204に連結される、可撓性カテーテルのような、細長いデバイス202を含む。細長いデバイス202は、近位端217と、遠位端又は先端部分218とを有する、可撓性本体216を含む。幾つかの実施態様において、可撓性本体216は、約3mmの外径を有する。他の可撓性本体の外径は、より大きくてもより小さくてもよい。
【0047】
医療器具システム200は、以下に更に詳細に記載するように、1つ又はそれよりも多くのセンサ及び/又は撮像デバイスを使用して、可撓性本体216に沿う1つ又はそれよりも多くのセグメント224及び/又は遠位端218の位置、向き、速さ、速度、姿勢、及び/又は形状を決定するためのトラッキングシステム230を更に含む。遠位端218と近位端217との間の可撓性本体216の全長は、セグメント224に効果的に分割されてよい。トラッキングシステム230は、任意的に、
図1の制御システム112のプロセッサを含んでよい1つ又はそれよりも多くのコンピュータプロセッサと相互作用するか或いはさもなければそれ(それら)によって実行される、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせとして実装されてよい。
【0048】
トラッキングシステム230は、任意的に、形状センサ222を使用して、遠位端218及び/又はセグメント224の1つ又はそれよりも多くをトラッキングしてよい。形状センサ222は、任意的に、可撓性本体216と整列させられる(例えば、内部チャネル(図示せず)内に設けられる、或いは外部に取り付けられる)光ファイバを含んでよい。1つの実施形態において、光ファイバは、約200μmの直径を有する。他の実施形態において、寸法は、より大きくてもより小さくてもよい。形状センサ222の光ファイバは、可撓性本体216の形状を決定するための光ファイバ曲げセンサを形成する。1つの代替では、ファイバブラッググレーティングを含む光ファイバが、1つ又はそれよりも多くの次元において構造のひずみ測定値を提供するために使用される。三次元における光ファイバの形状及び相対的な位置をモニタリング(監視)するための様々なシステム及び方法は、(「Fiber optic position and shape sensing device and method relating thereto」を開示する)(2005年7月13日に出願された)特許文献2、(「Fiber-optic shape and relative position sensing」を開示する)(2004年7月16日に出願された)特許文献3、及び(「Optical Fibre Bend Sensor」を開示する)(1998年6月17日に出願された)特許文献4に記載されており、それらは全て文献の全文を参照によって本明細書に援用する。幾つかの実施形態におけるセンサは、レイリー散乱、ラマン散乱、ブリユアン散乱、及び蛍光散乱のような、他の適切なひずみ感知技法を利用してよい。幾つかの実施形態において、細長いデバイスの形状は、他の技法を用いて決定されてよい。例えば、可撓性本体216の遠位端姿勢の履歴を使用して、時間間隔に亘る可撓性本体216の形状を再構成することができる。幾つかの実施形態において、トラッキングシステム230は、位置センサシステム220を使用して遠位端218を任意的に及び/又は追加的にトラッキングしてよい。位置センサシステム220は、外部的に生成される電磁場に曝されることがある1つ又はそれよりも多くの導電性コイルを含む位置センサシステム220を備えるEMセンサシステムの構成要素であってよい。その場合、EMセンサシステムの各コイルは、外部的に生成される電磁場に対するコイルの位置及び向きに依存する特性を有する誘導電気信号を生成する。幾つかの実施形態において、位置センサシステム220は、6自由度、例えば、3つの位置座標X、Y、Z、並びに基点のピッチ、ヨー、及びロールを示す3つの配向角、又は5つの自由度、例えば、3つの位置座標X、Y、Z、並びに基点のピッチ及びヨーを示す2つの配向角を測定するように構成及び位置決めされてよい。位置センサシステムの更なる記述は、(「Six-Degree of Freedom Tracking System Having a Passive Transponder on the Object Being Tracked」を開示する)(1999年8月11日に出願された)特許文献5に提供されており、その全文を参照によって本明細書に援用する。
【0049】
幾つかの実施形態において、トラッキングシステム230は、代替的に及び/又は追加的に、呼吸のような交互運動のサイクルに沿う器具システムの既知のポイントについて格納された履歴的な姿勢、位置、又は向きデータに依存してよい。この格納されたデータは、可撓性本体216に関する形状情報を開発するために使用されてよい。幾つかの例では、位置センサ220内のセンサに類似する電磁(EM)センサのような一連の位置センサ(図示せず)が、可撓性本体216に沿って位置付けられてよく、次に、形状感知のために使用されてよい。幾つかの例では、特に解剖学的通路が一般的に静止的であるならば、処置中に取られるこれらのセンサのうちの1つ又はそれよりも多くのセンサからのデータの履歴を使用して、細長いデバイス202の形状を表現してよい。
【0050】
可撓性本体216は、医療器具226を受け入れるようなサイズ及び形状とされたチャネル221を含む。
図2Bは、幾つかの実施形態に従って延在させられた医療器具226を備える可撓性本体216の簡略図である。幾つかの実施形態において、医療器具226は、手術、生検、切除(アブレーション)、照明、洗浄、又は吸引のような処置のために使用されてよい。医療器具226は、可撓性本体216のチャネル221を通じて展開されることができ、解剖学的構造内の標的場所で使用されることができる。医療器具226は、例えば、画像キャプチャプローブ、生検機器、レーザ切除ファイバ、及び/又は他の外科的、診断的、又は治療的ツールを含んでよい。医療器具は、メス、鈍らブレード、光ファイバ、電極、及び/又は同等物のような、単一の作業部材を有するエンドエフェクタを含んでよい。他のエンドエフェクタは、例えば、鉗子、グラスパ(把持器)、はさみ、クリップアプライヤ、及び/又は同等物を含んでよい。他のエンドエフェクタは、電気外科手術電極、トランスデューサ、センサ、及び/又は同等物のような、電気的に活性化されたエンドエフェクタを更に含んでよい。様々な実施形態において、医療器具226は、標的解剖学的場所から試料組織又は細胞のサンプリングを除去するために使用されてよい生検器具である。医療器具226は、同様に可撓性本体216内の画像キャプチャプローブと共に使用されてよい。様々な実施形態において、医療器具226は、表示のために視覚化システム231によって処理される且つ/或いは遠位端218及び/又はセグメント224の1つ又はそれよりも多くのトラッキングをサポートするようトラッキングシステム230に提供される(ビデオ画像を含む)画像を取り込むために可撓性本体216の遠位端218に又はその付近に立体視又は平面視カメラを備える遠位部分を含む、画像キャプチャプローブであってよい。画像キャプチャプローブは、取り込んだ画像データを送信するためにカメラに連結されるケーブルを含んでよい。幾つかの例において、画像キャプチャ器具は、視覚化システム231に連結するファイバスコープのような光ファイバ束であってよい。画像キャプチャ器具は、例えば、可視スペクトル、赤外スペクトル、及び/又は紫外スペクトルのうちの1つ又はそれよりも多くの画像データを取り込む、単一又は複数スペクトルであってよい。代替的に、医療器具226自体が画像キャプチャプローブであってよい。医療器具226は、処置を行うためにチャネル221の開口から前進させられ、次に、処置が完了したときに、チャネル内に後退させられてよい。医療器具226は、可撓性本体216の近位端217から或いは可撓性本体216に沿う別の任意的な器具ポート(図示せず)から取り外されてよい。
【0051】
医療器具226は、追加的に、医療器具226の遠位端を制御可能に曲げるために、その近位端と遠位端との間に延在する、ケーブル、リンケージ(リンク装置)、又は他の作動制御装置(図示せず)を収容してよい。操縦可能な器具は、(「Articulated Surgical Instrument for Performing Minimally Invasive Surgery with Enhanced Dexterity and Sensitivity」を開示する)(2005年10月4日に出願された)特許文献6及び(「Passive Preload and Capstan Drive for Surgical Instruments」を開示する)(2008年9月30日に出願された)特許文献7に詳細に記載されており、それらの全文を参照によって本明細書に援用する。
【0052】
可撓性本体216は、例えば、遠位端218の破点線描写219によって示すように、遠位端218を制御可能に曲げるために駆動ユニット204と遠位端218との間に延在する、ケーブル、リンケージ、又は他の操縦制御装置(図示せず)も収容してよい。幾つかの例では、少なくとも4つのケーブルが、遠位端218のピッチを制御するための独立的な「上下」操縦と、遠位端281のヨーを制御するための「左右」操縦とを提供するために使用される。操縦可能な細長いデバイスは、(「Catheter with Removable Vision Probe」を開示する)(2011年10月14日に出願された)特許文献8に詳細に記載されており、その全文を参照によって本明細書に援用する。医療器具システム200が遠隔操作アセンブリによって作動させられる実施形態において、駆動ユニット204は、遠隔操作アセンブリのアクチュエータのような駆動要素に取り外し可能に連結し、そのような駆動要素から電力を受け取る、駆動入力を含んでよい。幾つかの実施形態において、医療器具システム200は、医療器具システム200の動きを手動制御するための、把持機能、手動アクチュエータ、又は他の構成要素を含んでよい。細長いデバイス202は、操縦可能であってよく、或いは、代替的に、システムは、遠位端218の曲げの操作者制御のための一体化された機構を備えずに操縦不能であってい。幾つかの例において、医療器具を展開して、標的手術場所で使用することができる、1つ又はそれよりも多くの管腔が、可撓性本体216の壁に画定される。
【0053】
幾つかの実施形態において、医療器具システム200は、肺の検査、診断、生検、又は治療における使用のための、気管支鏡又は気管支カテーテルのような、可撓気管支器具を含んでよい。医療器具システム200は、結腸、腸、腎臓及び腎杯、脳、心臓、血管系を含む循環系、及び/又は同等器官を含む、様々な解剖学的系のいずれかにおける、自然に又は外科的に作られた接続された通路を介した、他の組織のナビゲーション及び治療にも適している。
【0054】
追跡システム230からの情報は、ナビゲーションシステム232に送信され、ナビゲーションシステム232で、視覚化システム231からの情報及び/又は術前に得られたモデル(例えば、患者解剖学的構造の解剖学的構造モデル)と組み合わされて、医師又は他の操作者にリアルタイムの位置情報を提供する。幾つかの例において、リアルタイム位置情報は、医療器具システム200の制御における使用のために、
図1のディスプレイシステム110に表示されてよい。幾つかの例において、
図1の制御システム116は、医療器具システム200を位置決めするためのフィードバックとして位置情報を利用してよい。手術用器具を外科画像と位置合わせし且つ表示するために光ファイバセンサを使用するための様々なシステムが、「Medical System Providing Dynamic Registration of a Model of an Anatomic Structure for Image-Guided Surgery」を開示する2011年5月13日に出願された特許文献9に提供されており、その全文を参照によって本明細書に援用する。
【0055】
幾つかの例において、医療器具システム200は、
図1の医療システム100内で遠隔操作されてよい。幾つかの実施形態において、
図1のマニピュレータアセンブリ102は、直接操作者制御と置換されてよい。幾つかの例では、直接操作者制御は、器具の手持ち操作のための様々なハンドル及び操作者インターフェースを含んでよい。
【0056】
図3A及び
図3Bは、幾つかの実施形態に従った挿入アセンブリに取り付けられた医療器具を含む患者座標空間の簡略化された側面図である。
図3A及び
図3Bに示すように、外科環境300は、
図1の台Tに位置付けられた患者Pを含む。患者Pは、患者の大きな移動が鎮静、拘束、及び/又は他の手段によって制限されるという意味において、手術環境内で静止的であってよい。患者Pの呼吸及び心臓の動きを含む周期的な解剖学的な動きは、患者が息を止めて呼吸の動きを一時的に停止させることを求められない限り、継続することがある。従って、幾つかの実施形態において、データは、特定の呼吸相で集められ、その位相でタグ付けされ、識別されてよい。幾つかの実施形態において、データが収集される位相は、患者Pから収集される生理学的情報から推測されてよい。外科環境300内で、点収集器具304(point gathering instrument)が、器具キャリッジ306に連結される。幾つかの実施形態において、点収集器具304は、EMセンサ、形状センサ、及び/又は他のセンサモダリティを使用してよい。器具キャリッジ306は、外科環境300内に固定された挿入ステージ308に取り付けられる。代替的に、挿入ステージ308は、可動であってよいが、外科環境300内に(例えば、トラッキングセンサ又は他のトラッキングデバイスを介して)既知の位置を有してよい。器具キャリッジ306は、挿入運動(すなわち、A軸に沿う動き)、任意的に、ヨー、ピッチ、及びロールを含む多方向における細長いデバイス310の遠位端318の動きを制御するために点収集器具304に連結する、マニピュレータアセンブリ(例えば、マニピュレータアセンブリ102)の構成要素であってよい。器具キャリッジ306又は挿入ステージ308は、挿入ステージ308に沿う器具キャリッジ306の動きを制御するサーボモータ(図示せず)のようなアクチュエータを含んでよい。
【0057】
細長いデバイス310は、器具本体312に連結される。器具本体312は、器具キャリッジ306に対して連結され且つ固定される。幾つかの実施形態では、光ファイバ形状センサ314が、器具本体312上で近位点316に固定される。幾つかの実施形態において、光ファイバ形状センサ314の近位点316は、器具本体312と共に移動可能であってよいが、近位点316の場所は、(例えば、トラッキングセンサ又は他のトラッキングデバイスを介して)知られていることがある。形状センサ314は、近位点316から細長いデバイス310の遠位端318のような別の点への形状を測定する。点収集装置304は、医療器具システム200と実質的に類似してよい。
【0058】
位置測定デバイス320が、器具本体312が挿入軸Aに沿って挿入ステージ308上を移動するときに、器具本体312の位置に関する情報を提供する。位置測定デバイス320は、器具キャリッジ306の動き、結果的に、器具本体312の動きを制御するアクチュエータの回転及び/又は向きを決定する、レゾルバ、エンコーダ、ポテンショメータ、及び/又は他のセンサを含んでよい。幾つかの実施態様において、挿入ステージ308は、直線的である。幾つかの実施形態において、挿入ステージ308は、湾曲させられてよく、或いは湾曲区画と線形区画との組み合わせを有してよい。
【0059】
図3Aは、挿入ステージ308に沿った後退位置にある器具本体312及び器具キャリッジ306を示している。この後退位置において、近位点316は、軸A上の位置L
0にある。挿入ステージ308に沿うこの位置において、近位点316の場所のA成分は、挿入ステージ308上の器具キャリッジ306、よって、近位点316の位置を記述するベース基準を提供するために、ゼロ及び/又は別の基準値に設定されてよい。器具本体312及び器具キャリッジ306のこの後退位置に伴って、細長いデバイス310の遠位端318は、患者Pの入口オリフィスの正に内側に位置付けられることがある。また、この位置において、位置測定デバイス320は、ゼロ及び/又は別の基準値(例えば、I=0)に設定されてよい。
図3Bにおいて、器具本体312及び器具キャリッジ306は、挿入ステージ308の線形トラックに沿って前進し、細長いデバイス310の遠位端318は患者P内に前進している。この前進位置において、近位点316は、軸A上の位置L
1にある。幾つかの例では、挿入ステージ308に沿う器具キャリッジ306の動きを制御する1つ又はそれよりも多くのアクチュエータ及び/又は器具キャリッジ306及び/又は挿入ステージ308と関連付けられた1つ又はそれよりも多くの位置センサからのエンコーダ及び/又は他の位置データを用いて位置L
0に対する近位点316の位置L
xを決定する。幾つかの例において、位置L
xは、細長いデバイス310の遠位端318が患者Pの解剖学的構造の通路内に挿入される距離又は挿入深さのインジケータとして更に使用されてよい。
【0060】
図4、
図5、
図6、
図7、
図8、
図9、及び
図10を参照すると、幾つかの実施形態において、標的構造の場所は、カテーテル内に統合される或いはカテーテルによって送達される撮像プローブ(例えば、超音波プローブ)を使用して確認/決定されてよい。様々な実施形態において、標的構造場所を決定及び/又は確認するための超音波技術の使用は、小さな直径(例えば、約10mm以下)の結節に向けられた生検又は他の巣状療法(focal therapies)におけるより高い精度を可能にすることがある。
図4、
図5、及び
図6は、撮像プローブ又はツールのいずれかを挿入するために使用されてよいチャネルを含むカテーテルを図示している。
図7、
図8、及び
図9は、撮像プローブ及びツールを同時に提供するように構成されたカテーテルを図示している。
図10は、撮像プローブを使用して標的構造の場所を決定するための方法を図示している。
【0061】
図4の例は、標的構造P
M(例えば、腫瘍、病変、結節)及び付近の解剖学的通路402の仮想画像400を図示している。通路402は、通路壁404を含む。通路402は、座標系(Xp、Yp、Zp)を備える患者基準系(patient reference frame)内に配置される。患者基準系は、固定的な基準系(すなわち、医療処置中に移動しない基準系)であってよい。(例えば、術前又は術中モデリングから得られる)複数の通路402の画像は、
図1を参照して前述した方法を使用して患者基準系に位置合わせされてよい。標的構造P
Mの場所は、術前又は術中撮像内で決定され、よって、患者基準系内で知られる。この実施形態において、解剖学的通路は、肺の気管支通路であるが、この開示のシステム及び方法は、結腸、腸、腎臓、心臓、及び/又は類似器官のような解剖学的構造を含む、循環系、消化系、腎系、及び生殖器系のような、解剖学的系における他の自然に又は外科的に作られた通路における使用に適することがある。
【0062】
(可撓性本体216に実質的に類似する)可撓性カテーテル本体408は、標的構造へのアクセスを可能にするカテーテル駐機場所(park location)にナビゲートされて(進められて)よい。カテーテルは、カテーテルの遠位端部分が標的構造に向かう方向に照準される(pointed)ことを可能にする向きにおいて、カテーテル駐機位置に位置付けられてよい。このようにして、可撓性カテーテル本体408を通じて挿入されるツールは、標的構造への照準ベクトル(pointing vector)に沿って挿入される。カテーテルは、例えば、視覚内視鏡、EMセンサ、及び/又は光ファイバ形状ベースのナビゲーション技法を用いて、ナビゲートされてよい。可撓性カテーテル本体408を通じて撮像プローブ406を挿入することができる。1つの実施形態において、撮像プローブ406は、超音波プローブ406である。超音波プローブ406は、側面向き(side-facing)トランスデューサ、前方向き(forward-facing)トランスデューサ、湾曲トランスデューサ、半径方向トランスデューサ、及び/又は同等物のような、超音波トランスデューサを使用してよい。ある例において、超音波プローブは、トランスデューサの回転軸に対して概ね垂直な方向における撮像のための回転超音波トランスデューサを含む、側面撮像トランスデューサを使用する。側面撮像(side-imaging)プローブは、撮像平面412に沿う断面(すなわち、半径方向)画像を生成する。任意的に、超音波プローブ406は、
図4に示すように、交換可能でありよりもむしろ、カテーテルと一体的であってよい。カテーテル基準系及び座標系(Xc、Yc、Zc)が、カテーテル408の遠位端部分410に画定され、
図1を参照して前述した方法を用いて患者座標系と位置合わせされる。
図4の実施形態において、トランスデューサの回転軸は、カテーテル基準系のZc方向に概ね沿っている。
【0063】
幾つかの態様では、側面撮像プローブが、解剖学的通路の外側に位置する組織を含む、回転軸から半径方向距離にある組織の画像を生成する。他の実施形態では、前方視(forward-looking)超音波プローブを使用して撮像トランスデューサの遠位の組織を撮像してよい。超音波プローブは、狭い解剖学的通路をナビゲートするために比較的小さくてよい。例えば、超音波プローブは、約1.4mmの遠位端直径を有してよい。
【0064】
図5は、
図4に示す撮像平面412内の超音波プローブ406によって生成された画像500を図示している。画像500は、基準座標系及び座標系(X
I、Y
I、Z
I)を有する。標的構造502(P
I)は、画像基準系内で識別される。それは、例えば、臨床医によって、画像分析アルゴリズムによって、又はこれら2つの組み合わせによって識別されてよい。超音波スキャンは、呼吸サイクル及び/又は心サイクルのためにゲート化されてよい。画像500は、二次元であるが、三次元画像が、複数の二次元超音波スキャンから構築されてよい。画像基準系内の標的構造P
Iの場所と関連付けられるデータが、カテーテル座標系又は(カテーテル座標系と位置合わせされた)患者座標系にP
Pとして変換される。超音波プローブによって決定された標的構造P
Pの場所は、補正ベクトル414を決定するために、カテーテル又は患者基準系内の術前又は術中撮像から決定された標的構造P
Mの場所と比較されてよい。補正ベクトル414は、標的構造P
Mの場所と標的構造P
Pの場所との間のオフセット値である。
【0065】
様々な実施形態では、画像座標系をカテーテル座標系に変換するために、画像座標系とカテーテル座標系との間の相対的な三次元姿勢が決定される。幾つかの実施形態において、それは撮像プローブ及びカテーテル上のセンサによって直接的に測定される。そのようなセンサは、EMセンサ、光ファイバ形状センサ、又は同等物を含んでよい。撮像プローブ及びカテーテル上のセンサは、同じタイプである必要はない。
【0066】
幾つかの実施形態において、画像座標系(XI、YI、ZI)とカテーテル座標系(XC、YC、ZC)との間の相対的な姿勢は、撮像プローブがカテーテルの先端を越えて直線的に延び、カテーテル端の姿勢が知られていると仮定すると、カテーテル座標系に対する画像座標系の挿入長L及び/又はロール角を測定することによって計算されることができる。幾つかの実施形態において、相対的な姿勢は、カテーテル遠位端に対する標的の相対的な位置の仮定(例えば、カテーテル端は標的を指している)に基づいて決定される。それらの実施形態において、カテーテルによって送達される撮像プローブは、カテーテルの照準方向に沿って位置すると仮定され、よって、カテーテル遠位端からの距離のみが決定される必要がある。そのような距離は、仮定された距離であってよく、或いは外部撮像を用いて決定されてよい。一例では、(例えば、取り込んだ超音波画像から)カテーテル基準系内の標的場所及び画像基準系内の標的場所を決定した後に、画像基準系とカテーテル基準系との間の変換が決定されてよい。
【0067】
幾つかの例において、挿入長Lは、例えば、エンコーダ又はステッピングモータを用いて決定されてよい。ロール角は、様々な技法を用いて決定されてよい。例えば、超音波プローブは、カテーテルにキー止めされる(keyed)ロールアライメント構成(ロール整列構成)を含んでよく、その場合、ロールアライメント構成は、超音波プローブに、カテーテルを通じて延びるカテーテルロール軸(Zc)についての固定的な向きを維持させる。ロールアライメント構成は、画像基準系及び座標系(XI、YI、ZI)のロール角が、カテーテル基準系及び座標系(XC、YC、ZC)に対して位置合わせされることを可能にする。幾つかの実施形態において、ロールアライメント構成は、カテーテル内の同様に形作られたチャネルと整合する(match)ようにキー止めされた成形突起(shaped protrusion)である。代替的な実施形態において、ロールアライメント構成は、カテーテル内の突起と整合するように形作られたチャネルであってよい。1つよりも多くのロールアライメント構成を用いて、カテーテルロール軸についての固定的な向きにプローブを維持してよい。別の代替的な実施形態において、カテーテル座標系に対する画像座標系のロール角は、患者解剖学的構造の外側に配置されるロールセンサによって決定されてよい。更に別の代替的な実施形態において、ロール角は、撮像プローブによって記録された画像内のカテーテルに対する既知の角度を有する1つ又はそれよりも多くのマーカ又は他の構成によって決定されてよい。例えば、構成又はマーカは、カテーテルの周囲に配置されてよく、カテーテルに対するコントラスト(例えば、超音波コントラスト)を有してよい。別の代替的な実施形態において、組み合わせられたロール及び挿入長は、カテーテルの近位端の周りのプローブ上のパターンを観察することによって、或いはプローブの近位端の周りのカテーテル上のパターンを観察することによって決定されてよい。様々な位置合わせ技法(例えば、オプティカルフロー(optical flow))を用いて、画像座標系及びカテーテル座標系を位置合わせしてよい。
【0068】
図6を参照すると、幾つかの実施形態において、画像座標系とカテーテル座標系との間の相対的な姿勢は、1つ又はそれよりも多くの外部画像を用いて決定され、その場合、各外部画像は、カテーテル画像と、撮像プローブ画像とを含む。そのような外部画像は、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴映像(MRI)、蛍光透視、サーモグラフィ、超音波、光干渉断層撮影(OCT)、熱撮像、インピーダンス撮像、レーザ撮像、ナノチューブX線撮像、及び/又は同等物(例えば、蛍光透視)によって提供されてよい。
図6の例では、ディスプレイシステム110が、外部蛍光透視撮像デバイスからの患者解剖学的構造の同時の又はリアルタイムの外部画像602を表示する。外部画像602は、カテーテル408、超音波プローブ406、及び患者解剖学的構造内の骨(例えば、肋骨604-1、604-2)の画像を含む。幾つかの実施形態では、操作者が、(例えば、入力デバイスを用いて)入力を提供して、超音波プローブ406及びカテーテル408の遠位端410の場所位置を識別してよい。
図6の例において、ディスプレイシステム110は、タッチスクリーンを含み、操作者は、タッチスクリーンを使用して、外部画像602内で(例えば、マーカ「X」を使用することによって)カテーテル408の遠位端410を識別してよく、(例えば、マーカ「Δ」を使用することによって)超音波プローブ406を識別してよい。操作者は、ボタン606を選択することによって、識別された場所を制御システムに送信してよい。
【0069】
幾つかの実施形態において、制御システムは、画像602を分析して画像602内の超音波プローブ406及びカテーテル408の遠位端410の位置を自動的に検出する画像分析アルゴリズムを使用することによって、画像座標系とカテーテル座標系との間の相対的な姿勢を決定してよい。幾つかの例では、画像602内の既知の解剖学的ランドマーク寸法(例えば、連続する鎖骨604-1及び604-2の間の距離d1)を用いて、画像602内の超音波プローブ406及びカテーテル408の遠位端410の位置の間の距離d2を決定してよい。
【0070】
幾つかの実施態様では、2つ又はそれよりも多くの外部画像を用いて、超音波プローブ406及びガイドカテーテル408の遠位端410の場所及び/又は相対的な位置を決定する。2つ又はそれよりも多くの外部画像を使用することによって、超音波プローブ406とカテーテル408とを含む患者解剖学的構造の三次元画像が、各外部画像上の超音波プローブ406及びカテーテル408の遠位端410の場所に基づいて複数の二次元外部画像から構築されてよい。各外部画像上の超音波プローブ406及びカテーテル408の遠位端410の場所は、操作者入力又は制御システムによって実行されるデジタル画像処理のいずれかに基づいて識別されてよい。幾つかの実施態様において、2つ又はそれよりも多くの外部画像は、異なる視野方向から同じ外部撮像デバイス(例えば、蛍光透視撮像デバイス)によって提供される。代替的な実施形態において、2つ又はそれよりも多くの外部画像は、異なる撮像技術(コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴映像(MRI)、蛍光透視、サーモグラフィ、超音波、光干渉断層撮影(OCT)、熱撮像、インピーダンス撮像、レーザ撮像、又はナノチューブX線撮像など)を用いて、2つ又はそれよりも多くの外部撮像デバイスで提供される。
【0071】
図7、
図8、及び
図9を参照すると、幾つかの実施形態において、カテーテルは、ツールと同時に撮像プローブ(例えば、超音波プローブ)を提供してよい。それらの実施形態において、撮像プローブからの第1の画像は、ツール及び標的構造の両方を含むことがあり、それは標的構造及びツールの先端の位置を確認又は決定するために使用されてよい。幾つかの実施形態では、ツールの先端の追加的な場所データが、標的構造の場所を決定するために用いられることがある第1の画像以外のソース(例えば、患者解剖学的構造の外部画像、カテーテルの遠位端の既知の姿勢)に基づいて決定されてよい。撮像プローブからの第1の画像及びツールの先端の場所データを用いることによって、標的構造の位置は、医療処置(例えば、生検、切除など)の間に決定されることがある。一例では、患者解剖学的構造の仮想視覚化画像が、生検処置の間に操作者に提供されてよく、それは生検器具の画像及び標的構造の画像を含み、標的構造内への生検器具の挿入の視覚化を提供する。
【0072】
図7の例を参照すると、標的構造810及び付近の解剖学的通路802の仮想画像800が図示されている。通路802は、通路壁804を含む。
図7に示すように、生検器具806は、生検処置中にカテーテル808のチャネルに挿入される。カテーテル808は、標的構造810へのアクセスを提供する位置及び/又は向きに操縦される。カテーテルの操縦は、カテーテルの能動的な操縦制御によって直接的に或いは操縦可能な生検器具806をナビゲートすることによって間接的に達成されてよい。生検器具806は、カテーテル808から解剖学的通路802の壁804を通じて標的構造810に接触するように延出されて、組織サンプルが採取されることが可能にされるが、幾つかの例では、生検器具860の延出は、カテーテル808の遠位端814が適切に位置決めされるまで遅らされてよい。代替的な例において、生検器具806は、切除ツール又は解剖ツールのような治療デバイスと置換されてよい。
【0073】
図7の例において、カテーテル808は、カテーテル808の遠位端814に統合された撮像プローブ812(例えば、超音波プローブ)を含む。代替的な実施形態では、撮像プローブ(例えば、超音波プローブ)は、カテーテルの第2のチャネルを通して同時に挿入されてよい一方で、生検器具は、カテーテルの第1のチャネルを通じて挿入される。撮像プローブ812は、生検器具806及び標的構造810の術中及びリアルタイムの画像を取得するために通路802内に配置される。様々な実施形態において、生検器具806及び標的構造810のそれらの画像は、撮像プローブ812によって取り込まれた画像を位置合わせし、且つ/或いは標的構造810、生検器具806及び生検器具806のツール先端816に対して撮像プローブ812を局所化することを更に支援するために使用されてよい。
【0074】
図7の例において、撮像プローブ812は、前方向き超音波プローブであり、それは撮像プローブ812の遠位にある(例えば、生検器具806が標的構造810を貫通するときの)標的構造810及び生検器具806の両方の画像を取り込むために用いられる。代替的な実施形態において、撮像プローブ812は、側面撮像プローブ812の撮像平面(例えば、
図4の撮像プローブ406の撮像平面412)に沿う断面(すなわち、半径方向)画像を生成することによって、標的構造810及び生検器具806の両方の画像を取り込むための側面撮像プローブを含む。様々な実施形態では、超音波プローブを使用することによって、解剖学的通路の外側に位置する物体(例えば、標的構造810、生検器具806の一部分)の画像が取り込まれることがある。
【0075】
図8の例を参照すると、
図7に示す前方向き超音波プローブ812によって生成された画像850を図示している。画像850は、画像基準系及び座標系(X
I、Y
I、Z
I)を有し、標的構造810の画像と、ツール先端816を含む生検器具806の画像とを含む。様々な実施形態において、標的構造810、生検器具806、及びツール先端816は、画像基準系内で識別される。それらは、例えば、操作者(例えば、臨床医)によって、画像分析アルゴリズムによって、或いはこれらの2つの組み合わせによって識別されてよい。画像850は、二次元であるが、三次元画像が、複数の2次元超音波画像から構築されてよい。画像基準系内のツール先端816及び標的構造810の場所と関連付けられるデータが、カテーテル座標系又は(カテーテル座標系と位置合わせされた)患者座標系に変換される。カテーテル座標系又は患者座標系内の標的構造810及びツール先端816の場所データは、ディスプレイシステム110上で視覚的仮想化画像を提供するために用いられてよい。
【0076】
様々な実施形態では、撮像プローブ812によって提供される画像850に基づいて決定されるツール先端816の第1の場所データに加えて、ソース(例えば、カテーテル808の遠位端814の既知の姿勢、外部撮像デバイスからの外部画像)に基づいてツール先端816の第2の場所データを用いて、標的構造810の場所を決定してよい。幾つかの実施形態において、ツール先端816のそのような第2の場所データは、カテーテル808の遠位端814の既知の姿勢に基づいて決定される。例えば、ツール先端816の第2の場所データは、ツール先端816がカテーテル808の遠位端814と同じ方向に沿っていることを示してよい。更に、例えば、ツール先端816の第2の位置データは、ツール先端816がカテーテル808の遠位端814から所定の距離(例えば、15mm)にあることを示してよい。
【0077】
図9を参照すると、幾つかの実施形態では、ツール先端816の第2の場所データが、外部撮像デバイスによって提供される患者解剖学的構造の外部画像に基づいて決定されてよい。
図9は、外部透視撮像デバイスからの患者解剖学的構造の同時又はリアルタイムの外部画像902を表示するディスプレイシステム110を図示している。外部画像902は、カテーテル808、カテーテル808の遠位端814に統合された超音波プローブ812、生検器具806、及び生検器具806のツール先端816の画像を含む。
【0078】
幾つかの実施形態において、操作者(例えば、臨床医)は、外部画像902中のカテーテル808の遠位端814及びツール先端816の場所を識別するよう(例えば、入力デバイスを用いて)入力を提供してよい。
図9の例において、ディスプレイシステム110は、タッチスクリーンを含み、操作者は、タッチスクリーンを用いて、外部画像902上で(例えば、マーカ「X」を用いて)カテーテル808の遠位端814の場所を識別し、(例えば、マーカ「Δ」を用いて)ツール先端816の場所を識別してよい。次に、操作者は、(例えば、ボタン906を用いて)識別された場所を制御システムに提出してよい。
【0079】
幾つかの実施形態において、制御システムは、画像分析アルゴリズムを使用することによって、外部画像902中のカテーテル808の遠位端814及びツール先端816の場所を識別してよい。例えば、画像分析アルゴリズムを使用して、外部画像902中のカテーテル808の遠位端814及びツール先端816を自動的に検出してよい。幾つかの例において、外部画像902中の既知の解剖学的ランドマーク寸法(例えば、連続する鎖骨904-1及び904-2の間の距離d3)を使用して、カテーテル808の遠位端814とツール先端816との間の距離d4を決定してよい。
【0080】
図10の例を参照すると、幾つかの実施形態に従った撮像プローブを使用して標的構造場所を決定する方法1000が例示されている。方法1000は、一連の操作又はプロセス1002乃至1014として図示されている。例示のプロセス1002乃至1014の全てが、方法1000の全ての実施形態において実施されることがあるとは限らない。加えて、
図10に明示的に示されていない1つ又はそれよりも多くのプロセスが、プロセス1002乃至1014の前に、後に、間に、或いはそれらの一部として含められてよい。幾つかの実施形態において、プロセスのうちの1つ又はそれよりも多くは、少なくとも部分的に、非一時的な有形の機械可読媒体に格納される実行可能なコードの形態で実装されてよく、実行可能なコードは、1つ又はそれよりも多くのプロセッサ(例えば、制御システム112のプロセッサ)によって実行されるときに、1つ又はそれよりも多くのプロセッサにプロセスのうちの1つ又はそれよりも多くを実行させることがある。
【0081】
方法1000は、プロセス1002で開始し、プロセス1002では、解剖学的構造の第1の画像が患者解剖学的構造の内側に配置される撮像プローブ(例えば、超音波プローブ)から受信される。幾つかの実施態様では、
図4に示すように、撮像プローブ406は、カテーテル408の遠位端410を越えて遠位に延出可能である。プロセス1002で、制御システム112が、
図4の撮像プローブ406から標的構造PIを含む解剖学的構造の
図5の画像500を受信する。代替的な実施形態では、
図7に示すように、撮像プローブ812は、カテーテル808と一体化され、カテーテル808の遠位端812に配置される。プロセス1002で、制御システム112が、
図7の撮像プローブ806によって取り込まれる標的構造810を含む解剖学的構造の
図8の画像850を受信する。更に他の代替的な実施形態では、撮像プローブが、カテーテルの第2のチャネルを通じて同時に挿入されてよい一方で、器具(例えば、生検器具)は、カテーテルの第1のチャネルを通じて挿入される。
【0082】
プロセス1004で、制御システム112は、患者解剖学的構造の外側に位置する外部撮像デバイスから患者解剖学的構造の1つ又はそれよりも多くの外部画像を受信し、その場合、そのような外部画像は、カテーテル、撮像プローブ、及び/又は器具の画像を含む。幾つかの実施形態では、
図6に示すように、制御システム112は、患者解剖学的構造の外側に配置される外部撮像デバイスから
図6の1つ又はそれよりも多くの外部画像602を受信する。外部画像の各々は、カテーテル408の画像と、
図4の撮像プローブ406の画像とを含む。幾つかの実施形態では、
図9に示すように、制御システム112が、患者解剖学的構造の外側に配置される外部撮像デバイスから
図9の1つ又はそれよりも多くの外部画像902を受信する。外部画像902の各々は、カテーテル808の画像、撮像プローブ812の画像、及び
図8のツール806を含む。
【0083】
次に、方法1000は、プロセス1010に進み、プロセス1010では、撮像プローブと関連付けられる画像基準系とカテーテルの遠位端と関連付けられるカテーテル基準系との間の相対的な姿勢が決定される。そのような相対的な姿勢は、画像基準系の第1の画像中の標的構造及び器具(例えば、ツール先端)の場所データをカテーテル基準系に変換するために使用されてよい。幾つかの実施形態において、相対的な姿勢は、撮像プローブ及びカテーテル上のセンサによって直接的に測定されてよい。そのようなセンサは、EMセンサ、光ファイバ形状センサ、又は同等物を含んでよい。代替的な実施形態において、相対的な姿勢は、(例えば、患者解剖学的構造に対する異なる視野方向を有する外部撮像デバイスによって提供される)2つ又はそれよりも多くの外部画像を使用することによって決定されてよい。それらの実施形態において、撮像プローブ及びカテーテルの両方の三次元位置が、2つ又はそれよりも多くの外部画像を使用して決定されてよく、相対的な姿勢は、撮像プローブ及びカテーテルのそれらの三次元位置を使用して決定されてよい。
【0084】
幾つかの実施形態において、プロセス1010は、1つ又はそれよりも多くの外部画像に基づいて撮像プローブとカテーテルの遠位端との間の相対的な位置を決定するためにプロセス1006を使用し、撮像プローブとカテーテルの遠位端との間の相対的な向きを決定するためにプロセス1008を使用する。それらの実施形態において、プロセス1010は、プロセス1006で決定される相対的な位置及びプロセス1008で決定される相対的な向きを使用して相対的な姿勢を決定する。
【0085】
幾つかの実施形態では、プロセス1006で、撮像プローブとカテーテルの遠位端との間の相対的な位置が、撮像プローブとカテーテルの遠位端との間の一定の距離(例えば、15mm)を仮定することによって並びに撮像プローブがカテーテルの遠位端と同じ向きに沿っていると仮定することによって提供される。別の代替的な実施形態では、
図6及び
図9に示すように、撮像プローブとカテーテルの遠位端との間の相対的な位置は、(例えば、操作者入力、画像分析アルゴリズム、及び/又はそれらの組み合わせを用いて)1つ又はそれよりも多くの外部画像に基づいて決定される。例えば、
図6に示すように、外部画像602中のカテーテル408の遠位端410及び撮像プローブ406の位置は、操作者入力、画像分析アルゴリズム、及び/又はそれらの組み合わせによって識別されてよい。
【0086】
プロセス1008で、撮像プローブとカテーテルの遠位端との間の相対的な向きが決定される。幾つかの実施形態では、プロセス1008で、カテーテルは、カテーテル駐機場所にナビゲーションされ、カテーテル駐機場所で、カテーテルの遠位端は、解剖学的ランドマーク(例えば、分岐)と整列させられる。それらの実施形態では、撮像プローブとカテーテルの遠位端との間の相対的な向きは、(例えば、操作者入力、画像分析アルゴリズム、及び/又はそれらの組み合わせを用いて)撮像プローブからの第1の画像中に検出される同じ解剖学的ランドマークに基づいて決定される。代替的な実施形態において、撮像プローブは、固定的な向きを維持するためにカテーテル内に直接的に統合される。ある例において、撮像プローブは、カテーテルの遠位端で埋め込まれてよい。別の例において、撮像プローブは、撮像プローブにカテーテルを通じて延びるカテーテルロール軸(Zc)についての固定的な向きを維持させるために、カテーテルにキー止めされるロールアライメント構成を含んでよい。更に別の例において、撮像プローブは、少なくとも部分的に、カテーテルに対して回転可能に固定される(例えば、キー止めされる)シースによって取り囲まれる。キー止めされるシースは、第1の画像中に識別可能な領域を生成するための1つ又はそれよりも多くのマーカ(例えば、エコー発生構成)を含んでよく、次に、それは撮像プローブとカテーテルの遠位端との間の基準ロール角として使用されてよい。更に他の代替的な実施形態では、撮像プローブとカテーテルとの間のロール角が、患者解剖学的構造の外側に配置されるロールセンサを使用して決定されてよい。別の実施形態において、カテーテルは、標的が画像のほぼ中央にあるように方向付けられる。その実施形態において、カテーテルは、標的がカテーテルシャフトに沿って真っ直ぐ前方にあり、撮像プローブとカテーテルの遠位端との間の相対的な向きが必要とされないように、方向付けられる。
【0087】
プロセス1012で、撮像プローブ及びツールを(例えば、生検中に)同時に提供するカテーテルについて、ツールの先端についての第1の場所データ及び第2の場所データが決定される。
図8に示すように、ツール先端の第1の場所データは、
図7の撮像プローブ812によって提供される画像850を使用して決定される。
図9に示すように、ツール先端の第2の場所データは、(例えば、操作者入力、画像分析アルゴリズム、及び/又はそれらの組み合わせを使用して)外部撮像デバイスによって提供される外部画像902に基づいて決定される。
【0088】
プロセス1014で、カテーテル基準系及び/又は患者基準系内の標的構造の場所データは、画像基準系内の標的構造の場所データ、撮像プローブとカテーテルの遠位端との間の相対的な姿勢、第1のツール先端場所データ、第2のツール先端場所データ、及び/又はそれらの組み合わせに基づいて決定されてよい。例えば、第1の画像中の標的構造の場所データは、相対的な姿勢に基づいて画像基準系からカテーテル基準系に変換されてよい。更に、例えば、カテーテル基準系内の標的構造の場所データは、患者基準系に変換されてよい。カテーテル基準系及び/又は患者基準系内の標的構造のそれらの場所データを使用して、標的構造を含む患者解剖学的構造の仮想視覚化画像を操作者に提供してよい。
【0089】
図11、
図12A、
図12B、
図13及び
図14を参照すると、様々な視覚的仮想化画像が、カテーテル基準系及び/又は患者基準系内の標的構造の場所データを用いて操作者に提供されてよい。
図11は、撮像プローブからの第1の画像に基づいて決定される標的構造の場所データを使用して、ディスプレイシステム上に仮想視覚化画像中の標的構造を提示する方法1100を例示している。
図12A~
図12Bは、患者解剖学的構造の解剖学的モデルにおける標的構造の仮想表現を含む、様々な仮想視覚化画像を図示している。
図13及び
図14は、患者解剖学的構造の外部画像中の標的構造の仮想表現を含む様々な仮想視覚化画像を図示している。
【0090】
図11を参照すると、撮像プローブからの第1の画像に基づいて決定される標的構造の場所データを使用してディスプレイシステム上に仮想視覚化画像内の標的構造を提示する方法1100が例示されている。方法1100は、一連の操作又はプロセス1102乃至1110として例示されている。例示のプロセス1102乃至1110の全てが、方法1100の全ての実施形態で実施されることがあるとは限らない。加えて、
図11に明示的に例示されていない1つ又はそれよりも多くのプロセスが、プロセス1102乃至1110の前に、後に、間に、或いはその一部として含められてよい。幾つかの実施形態では、1つ又はそれよりも多くのプロセスが、少なくとも部分的に、非一時的な有形の機械可読媒体に格納される実行可能なコードの形態で実装されてよく、実行可能なコードは、1つ又はそれよりも多くのプロセッサ(例えば、制御システム112のプロセッサ)によって実行されるときに、1つ又はそれよりも多くのプロセッサにプロセスのうちの1つ又はそれよりも多くを実行させることがある。
【0091】
方法1100は、プロセス1102で開始し、プロセス1102では、視覚化基準系(例えば、解剖学的モデルと関連付けられたモデル基準系又は外部画像と関連付けられた患者基準系)に変換された標的構造の場所データが受信される。視覚化基準系内の標的構造の場所データは、方法1000において記載したように、撮像プローブによって提供される画像に基づいて決定されてよい。
【0092】
プロセス1104で、幾つかの実施形態では、患者解剖学的構造の患者解剖学的モデルの画像と標的構造の画像とを含む仮想視覚化画像が、操作者に提供される。それらの実施形態において、視覚化基準系は、モデル基準系である。
図12Aを参照すると、幾つかの例において、仮想視覚化画像は、解剖学的モデルの全体的眺望(ビュー)を含む。具体的には、
図12Aに図示するように、幾つかの例において、ディスプレイシステム110は、患者解剖学的構造の仮想視覚化画像1202を、通路を含む解剖学的モデル1204として表示する。解剖学的モデル1204は、前述のように外部撮像ソースを用いて収集される術前又は術中から生成されることができる。仮想視覚化画像1202は、追加的に、モデル基準系内の標的構造1214の場所データを使用して、標的構造1214の同時の、更新された、又はリアルタイムの画像の視覚的表現を提供することができる。幾つかの実施形態において、標的構造1214の画像は、撮像プローブによって提供される複数の画像を使用して生成される三次元画像である。撮像プローブによって提供される1つ又はそれよりも多くの画像に基づいて仮想視覚化画像1202内の正しい場所及び向きを備える標的構造1214の画像を投影することによって、仮想視覚化画像1202は、病変が位置した標的構造の場所の改良された空間認識を操作者に提供する。加えて、仮想視覚化画像1202は、解剖学的モデル1204の通路1208内のカテーテル1206及びカテーテル1206の遠位端1210から延びるツール1212の同時の又はリアルタイムの仮想画像を含むことができる。
【0093】
図12Bに示すように、幾つかの例において、ディスプレイシステム110は、
図12Aの解剖学的モデル1204の通路1208の内部図を含む患者解剖学的構造の同時又はリアルタイムの仮想視覚化画像1250を表示する。仮想視覚化画像1250は、カテーテル1206及びカテーテル1206の遠位端1210から延びるツール1212の仮想画像を提供する。
【0094】
プロセス1106で、幾つかの実施形態において、仮想視覚化画像は、撮像プローブによって提供される画像に基づいて決定される標的構造の更新された標的場所を含む患者解剖学的構造の解剖学的モデル上の画像を含む。そのような更新された標的場所は、更に、標的構造への最適なアクセスのためのより良好な照準方向(aiming direction)を提供することがある。
【0095】
幾つかの実施形態では、プロセス1106で、仮想視覚化画像は、撮像プローブによって提供される画像に基づいて標的構造への最適なアクセスのための最適なカテーテル駐機場所の表示(indication)を含む。幾つかの実施形態において、最適なカテーテル駐機場所は、撮像プローブが通路1208の複数の異なる場所(例えば、標的構造の画像を取り込むことを可能にする通路1208のセグメントの異なる場所)及び/又は異なる向きにあるときに撮像プローブによって取り込まれる複数の順次的な画像に基づいて決定される。それらの順次的な画像の各々について、標的構造表面積測定が(例えば、画像のピクセルの総数に亘る標的構造ピクセル数の比を使用して)計算される。幾つかの実施形態において、標的構造表面積測定値は、撮像プローブを、標的構造表面積測定値を最大化する最適な姿勢に導くことがある。幾つかの実施形態では、(例えば、生検を実施するための)最適なカテーテル駐機場所及び/又は最適なカテーテルの向きが、最適な撮像プローブの姿勢に基づいて決定される。
【0096】
幾つかの実施形態において、自動化された最適化は、標的構造表面積測定値に基づいて決定されるカテーテル駆動経路を生成するために使用されてよい。カテーテル駆動経路は、最適な標的構造表面積測定を達成するために標的構造表面積測定の勾配に沿ってカテーテルを駆動することを可能にする。幾つかの例では、最適なカテーテル駐機場所及び最適なカテーテルの向きを使用して、領域内のカテーテルの先端を用いた自動スキャニングを駆動することができる。
【0097】
プロセス1108で、患者解剖学的構造の外側の外部撮像デバイスからの外部画像と標的構造の画像とを含む仮想視覚化画像が、操作者に提供される。標的構造の画像が、患者基準系内の標的構造の場所データを用いて仮想視覚化画像内に提供される。例えば、
図13に示すように、ディスプレイシステム110が、生検中のリアルタイムの外部画像1302を含む仮想視覚化画像1300を含む。リアルタイムの外部画像1302は、カテーテル808の画像、カテーテル808の遠位端814に統合された撮像プローブ812、ツール806、及びツール先端816を含む。標的構造1304の画像が、患者基準系内の撮像プローブによって提供される標的構造の場所データを使用して、仮想視覚化画像中に提供される。
図13の例では、生検中の標的構造1304内へのツール先端816の挿入の仮想視覚化は、標的構造1304及びツール先端816の両方の画像を取り込む撮像プローブを使用することによって実現される。
【0098】
プロセス1110で、撮像プローブの場所データに基づく基準カテーテル画像及び患者解剖学的構造の外側の外部撮像デバイスからの外部画像を含む仮想視覚化画像が、操作者に提供される。
図14の例では、ディスプレイシステム110が、仮想視覚化画像1402を含む。仮想視覚化画像1402は、カテーテル1406のリアルタイム画像を含む、生検中のリアルタイム外部画像1404を含む。プロセス1110で、撮像プローブがカテーテルのチャネルから除去され、ツール1410(例えば、生検針)がそのチャネルに挿入される。
図14の例では、標的構造1408の画像が、患者基準系内の標的構造の場所データに基づいて外部画像1404中に提供される。更に、カテーテル1412の基準画像が、撮像プローブが標的構造の画像を取り込むように駆動されるときに、撮像プローブ及びカテーテルの事前収集場所データに基づいて、外部画像1404中に提供される。
【0099】
この開示のシステム及び方法は、肺の接続された気管支通路のために使用されることがある。システム及び方法は、結腸、腸、腎臓、脳、心臓、循環系、又は同等器官を含む、様々な解剖学的系のいずれかにおいて、自然に又は外科的に作られた接続された通路を介して、他の組織のナビゲーション及び治療にも適することがある。システム及び方法は、器官のトレース可能な表面の周りのナビゲーションにも適することがある。この開示の方法及び実施形態は、非外科用途にも適している。
【0100】
本発明の実施形態における1つ又はそれよりも多くの要素は、制御システム112のようなコンピュータシステムのプロセッサ上で実行するようソフトウェアにおいて実装されてよい。ソフトウェアにおいて実装されるとき、本発明の実施形態の要素は、本質的に、必要なタスクを実行するコードセグメントである。プログラム又はコードセグメントは、伝送媒体又は通信リンクを通じて搬送波に具現化されるコンピュータデータ信号によってダウンロードされてよいプロセッサ可読記憶媒体又はデバイスに格納されることができる。プロセッサ可読記憶デバイスは、光媒体、半導体媒体、及び磁気媒体を含む、情報を格納することができる任意の媒体を含んでよい。プロセッサ可読記憶デバイスの例は、電子回路、半導体デバイス、半導体メモリデバイス、読出し専用記憶装置(ROM)、フラッシュメモリ、消去可能プログラマブル読出し専用記憶装置(EPROM)、フロッピーディスケット、CD-ROM、光ディスク、ハードディスク、又は他の記憶デバイスを含む。コードセグメントは、インターネット、イントラネットなどのような、コンピュータネットワークを介してダウンロードされてよい。
【0101】
提示されるプロセス及びディスプレイは、本来的には、如何なる特定のコンピュータ又は他の装置にも関連しない場合があることに留意のこと。様々な汎用システムが、本明細書中の教示に従ったプログラムと共に使用されてよく、或いは記載の動作を実行するためにより特殊化された装置を構築することが便利なことが分かる場合がある。様々なこれらのシステムのための所要の構造は、請求項中に要素として現れる。加えて、本発明の実施形態は、如何なる特定のプログラミング言語をも参照して記載されない。様々なプログラミング言語を使用して本明細書に記載の本発明の教示を実装してよいことが理解されるであろう。
【0102】
本発明の特定の例示的な実施形態が添付の図面に記載され且つ示されているが、そのような実施形態は例示であるに過ぎず、広範な本発明を限定するものではないこと、及び本発明の実施形態は、図示及び記載の特定の構成及び配置に限定されないことが理解されるべきである。何故ならば、様々な端お修正が当業者の心に思い浮かぶことがあるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0103】
【特許文献1】国際公開第2016/191298号
【特許文献2】米国特許出願第11/180,389号明細書
【特許文献3】米国特許出願第12/047,056号明細書
【特許文献4】米国特許第6,389,187号明細書
【特許文献5】米国特許第6,380,732号明細書
【特許文献6】米国特許第7,316,681号明細書
【特許文献7】米国特許出願第12/286,644号明細書
【特許文献8】米国特許出願第13/274,208号明細書
【特許文献9】米国特許出願第13/107,562号明細書
【外国語明細書】