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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133630
(43)【公開日】2023-09-25
(54)【発明の名称】ナイフ
(51)【国際特許分類】
   B26B 3/02 20060101AFI20230915BHJP
【FI】
B26B3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038711
(22)【出願日】2022-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】519199509
【氏名又は名称】エルカミーノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179431
【弁理士】
【氏名又は名称】白形 由美子
(72)【発明者】
【氏名】川口 勇樹
(72)【発明者】
【氏名】高久 麻由
【テーマコード(参考)】
3C061
【Fターム(参考)】
3C061AA02
3C061BA18
3C061BB08
3C061BB13
3C061EE18
(57)【要約】
【課題】常に切れ味の良い、テーブルナイフ、ステーキナイフを提供することを課題とする。また、切れ味が良いだけではなく、安全性にも配慮したナイフを提供することを課題とする。
【解決手段】ナイフ本体と、替刃からなる替刃式ナイフとすることによって、切れ味が悪くなった場合には、替刃を交換することによって常に切れ味の良いナイフを提供することができる。また、切刃の長さが短く、切刃が露出する領域も調整することができるため、安全性を担保することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブルナイフ、又はステーキナイフであって、
ナイフ本体と、切刃を備えた替刃からなることを特徴とする替刃式ナイフ。
【請求項2】
前記ナイフ本体に差込部が設けられ、
前記替刃には嵌挿孔が設けられ、
嵌挿孔に差込部を嵌挿することによって替刃が装着される請求項1記載の替刃式ナイフ。
【請求項3】
ナイフ本体が刃部と柄部からなり、
刃部に前記差込部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の替刃式ナイフ。
【請求項4】
刃部に切刃の一部が露出するように切り欠き部が設けられていることを特徴とする請求項3記載の替刃式ナイフ。
【請求項5】
ナイフ本体が刃部と柄部からなり、
刃部に切り欠き部が設けられ、
刃部の柄部側に基部が設けられ、
基部に差込部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の替刃式ナイフ。
【請求項6】
柄部からなるナイフに差込部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の替刃式ナイフ。
【請求項7】
ナイフ本体が柄部からなり、
前記替刃には嵌挿孔が設けられ、
ナイフ本体に替刃を把持する把持部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の替刃式ナイフ。
【請求項8】
前記替刃は鋼製であることを特徴とする請求項1~7いずれか1項記載の替刃式ナイフ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は飲食用ナイフに関する。常に切れ味よく、かつ安全性にも配慮したナイフに関する。
【背景技術】
【0002】
カトラリーナイフは、小児も含む不特定の人が使用することが前提となっている。そのため、切断機能が必要なことはもちろんであるが、それとともに安全性が求められる。また、錆などを生じない耐食性も必要とされる。カトラリーナイフは、包丁のように鋼で形成された「刃」がついていない。そのため、野菜、魚など比較的柔らかい食物を切る際には問題とはならないが、肉などの硬めの食材を切る場合には、切れ味が悪いという問題が生じる。
【0003】
特に、肉を切るために用いるテーブルナイフやステーキナイフ(以下、ナイフということもある。以下で、単に「ナイフ」と記載した場合には、テーブルナイフ、ステーキナイフを言うものとする。)は、切れ味が悪いと、味にも影響を与えるだけではなく、食事を楽しむための雰囲気も損なわれる。レストランのように食事を味わい楽しむ場合には、特に切れ味の良いナイフであることが必要とされる。そこで、ギザ刃(鋸刃)にするなど刃の形状を工夫したナイフも存在する。ただ、ギザ刃のナイフは皿を傷つける恐れもあり、平刃のナイフで、かつ切れ味の良いナイフが求められている。また、ギザ刃、平刃と言っても、包丁のように鋼で形成された「刃」が付けてあるわけではなく、押し切りによって切断を行っているため、包丁のような切れ味を求めることはできない。
【0004】
そのため、ナイフの硬度を高くすることによって、切断機能を向上する試みが行われており、一定の硬度値を達成できる金属配合量を工夫したナイフが提案されている。特許文献1は、飲食用ナイフの刃部として特定組成のオーステナイト系ステンレスを用いることによって、耐食性、硬度ともに優れたナイフを製造したことが開示されている。しかしながら、特許文献1に開示されているナイフも「刃」が形成されているわけではなく、押し切りによって切ることには変わりがなく、硬度が高いとはいえ、切れ味の良さについてはさほど改善されているとはいえない。
【0005】
安全カミソリやカッターナイフでは、使い捨ての替刃によって、切れ味が悪くなった刃を交換して用いることが行われている。鋼による刃が形成された替刃を用いれば、常に切れ味の良い状態を維持することができる。しかし、テーブルナイフやステーキナイフは、替刃式のものは製造されていない。その理由としては、安全カミソリやカッターナイフとは異なり、テーブルナイフ等は刃部が大きいことが理由に挙げられる。大人から子どもまで使用することを考えると、切れ味が良いナイフは、一方で安全性の点で問題が生じる虞がある。また、替刃は一般的に用いられているナイフの刃部に比べて薄く、重さも軽いことから、柄部に対して刃部の重量が軽くなり、使用感のうえで、通常のナイフと大きく異なることも替刃式のカトラリーナイフが開発されない理由の一つと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10-127957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、替刃によって切れ味の良さを担保しながら、使用感が通常のナイフと同等であり、安全性に配慮したテーブルナイフやステーキナイフを提供することを課題とする。特に、レストランで食事を提供する際に用いる切れ味の良いナイフを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、替刃式テーブルナイフに関する。
(1)テーブルナイフ、又はステーキナイフであって、ナイフ本体と、切刃を備えた替刃からなることを特徴とする替刃式ナイフ。
替刃式のナイフとすることによって、切れ味が悪くなった場合には、替刃を交換することができる。その結果、常に切れ味の良い状態を保って食事をすることができる。
(2)前記ナイフ本体に差込部が設けられ、前記替刃には嵌挿孔が設けられ、嵌挿孔に差込部を嵌挿することによって替刃が装着される(1)記載の替刃式ナイフ。
ナイフ本体に設けられた差込部に、替刃を差し込むことにより簡単に替刃を装着することができる。また、構造が単純であることから、洗浄も容易であり、ナイフを清潔に保つことができる。
(3)ナイフ本体が刃部と柄部からなり、刃部に前記差込部が設けられていることを特徴とする(2)記載の替刃式ナイフ。
替刃の切刃の一部がナイフ本体と重なる構成とすることができるため、露出する切刃部分を短くすることができる。そのため、安全性の高い替刃式ナイフとすることができる。
(4)刃部に切刃の一部が露出するように切り欠き部が設けられていることを特徴とする(3)記載の替刃式ナイフ。
切り欠き部の大きさを調節することによって、切刃の露出する領域を調整するとともに、軽量化を図ることができる。
(5)ナイフ本体が刃部と柄部からなり、刃部に切り欠き部が設けられ、刃部の柄部側に基部が設けられ、基部に差込部が設けられていることを特徴とする(2)記載の替刃式ナイフ。
ナイフ本体の刃部に切り欠き部が設けられていることから、切刃全体が露出している。切刃全長を使用することができるため、切れ味の非常に良いナイフとすることができる。
(6)柄部からなるナイフに差込部が設けられていることを特徴とする(2)記載の替刃式ナイフ。
ナイフ本体の刃部を欠く構造となることから、ナイフ重量を軽くすることができるとともに、切刃全長を使用することができるため、切れ味の良いナイフとすることができる。
(7)ナイフ本体が柄部からなり、前記替刃には嵌挿孔が設けられ、ナイフ本体に替刃を把持する把持部が設けられていることを特徴とする(1)記載の替刃式ナイフ。
把持部によって替刃を把持するシンプルな構造となっている。そのため、洗浄が容易である。
(8)前記替刃は鋼製であることを特徴とする(1)~(7)いずれか1つ記載の替刃式ナイフ。
替刃を鋼製とすることによって、力を入れずに切断を可能とし、切れ味の良いナイフとすることができる。力を入れずに切断することが可能であることから、皿を傷つけるおそれがない。
【発明の効果】
【0009】
テーブルナイフやステーキナイフを替刃式とすることによって、ナイフの切れ味が悪くなったら刃を交換し、常に切れ味よく保つことができる。また、替刃をテーブルナイフ等の刃部よりも小さく設計することで、安全性が高いナイフとすることができる。さらに、サイズの大きい使い捨ての替刃は、替刃の価格が高くなるが、本実施形態で示すように、替刃のサイズを小さくすることができるため、コストを低く抑えることができるというメリットもある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1の替刃式ナイフを示す図。(A)は替刃を取り付けたナイフ、及び差込部とストッパを示す。(A-1)は替刃を取り付けたナイフ刃部の点線で示した部分の側面図、(A-2)は同じ部分の替刃を外したナイフ刃部の側面図、(A-3)は(A-2)を矢印方向から見た刃部を示す図。(B)は替刃を、(C)は替刃を取り付けたナイフ刃部の裏面を示す図。
図2】実施形態2の替刃式ナイフを示す図。
図3】実施形態3の切り欠き部を設けたナイフを示す図。(A)は替刃を取り付けたナイフを、(B)は替刃を外したナイフ本体を示す図。
図4】実施形態4の切り欠き部を設けたナイフを示す図。(A)は替刃を取り付けたナイフを、(B)は替刃を外したナイフ本体を示す図。(C)は差込部、基部の拡大斜視図。
図5】実施形態5の替刃式ナイフを示す図。(A)は替刃を取り付けたナイフを、(B)はナイフ本体を示す図。
図6】実施形態6の替刃式ナイフを示す図。(A)は替刃を取り付けたナイフを(B)は替刃を外したナイフ本体の側面図。(C)は替刃を外したナイフ本体の上面図、及び把持部の拡大図。(D)は替刃を取り付けたナイフの替刃部分のナイフ本体での位置を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明を実施するための形態について図面を用いて説明するが、本発明のナイフはこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能である。
【0012】
上述のように、一般にテーブルナイフやステーキナイフには、包丁のような鋼で形成された刃はついていない。ここでは、包丁に形成されているような鋼で形成された刃も、テーブルナイフやステーキナイフのように鋼で形成されていない刃も、物と接し、物を切るための部分を「刃」と総称する。また、包丁や後述する替刃のようにステンレス鋼などの鋼によって鋭角な領域が形成されているものついては、特に、その領域のことを「切刃」と言う。
【0013】
以下の実施形態で説明するように、ここでは替刃の脱着は、替刃の嵌挿孔に、ナイフ本体の差込部を挿入して固定する形式、あるいはナイフ本体の把持部に替刃を挿入して固定する方式としている。替刃を挿入することによる固定は、構造をシンプルにすることが可能であり着脱も簡便であることから好ましく用いることができる。また、シンプルな構造である方が洗浄等によって、カトラリーを清潔にかつ美しく保つためにも好ましい。しかし、同時にカトラリーナイフはデザイン性も要求されることから、デザインに合った固定方式を使用することができる。例えば、ネジ、クリップによる固定など、替刃をずれることなく固定することができればどのような固定方法でも構わない。
【0014】
[実施形態1]
替刃式ナイフ1は、ナイフ本体2と替刃21から構成されている。ナイフ本体2は、刃部3と柄部4を備えている(図1(A))。ここでは、ステンレス等の金属が、溶接、抜き打ち成型等により成形された一体型のものを図示しているが、柄部は木製、あるいは樹脂製等、異なる材質のものであってもよい。また、柄部や刃部に種々の模様を施しても良い。例えば、刃部の峰5や、刃部と柄部の境のつば6に模様を施す等、他のカトラリーに合わせてデザインを施すことができる。
【0015】
ナイフ本体2は全長20cm~25cm程度であり、刃部3、柄部4の長さは同程度かあるいはどちらかが幾分長くなるように適宜デザインすることができる。すなわち、刃部3の長さは8cm~14cm程度の長さを備えている。また、実施形態1の刃部3は従来のナイフと同様の平刃が形成されている。
【0016】
替刃21には、切刃22が設けられている(図1(B))。切刃22は、ステンレス鋼などの硬く、薄い金属板が鋭利な片刃又は両刃を備えるように加工されている。替刃21には、ナイフ本体2に嵌挿させるための嵌挿孔23が設けられている。嵌挿孔23はナイフ本体2に設けられている差込部7に嵌挿させることによって固定される。差込部7はナイフ本体2の片側に設けられており、嵌挿孔23が嵌挿され固定されるための溝8を備えた凸形状をしている(図1(A-2)、(A-3))。溝8は、替刃の嵌挿孔を差し込むことによって、ナイフ本体の刃部2に替刃21が密着するように形成されている(図1(A-1))。
【0017】
また、ナイフ本体2には、替刃21の位置が固定できるように凸状のストッパ9が設けられている。ストッパ9を設けることによって、より確実に替刃21の位置を固定することができる(図1(A-1))。また、ここでは、嵌挿孔を替刃に、差込部をナイフ本体に設ける構成としているが、嵌挿孔をナイフ本体に、差込部を替刃に設ける構成とすることもできる。
【0018】
替刃21は、ナイフ本体2の刃部3の先端に替刃の先端が合うように配置される。切刃22は、刃部3から0.1mm以上3mm以下、好ましくは0.3mm以上0.7mm以下ナイフ本体2の外側に出るように配置されている(図1(C))。切断したい食べ物に直接切刃22が接することから、ステーキなどの硬い食べ物であっても力を入れることなく切断することができる。また、切刃22がナイフ本体2から外側に出ている刃の長さは、刃部3に対して短いものとなり、1.5cm以上7.5cm以下、好ましくは2cm以上6cm以下の長さとなっている。非常に鋭利な切刃を備えているが、短い部分であることから安全性が高いものとなっている。また、厚さがナイフ本体の刃部を合わせた厚みとなることも、安全性を高くしている。なお、ここで、切刃等、刃の長さは、刃の最外側を刃に沿って曲線的に測定した長さを言う。
【0019】
[実施形態2]
実施形態2に示す替刃式ナイフ1aは、ナイフ本体2aの差込部7aの位置を変えることによって、替刃21がナイフ本体2aの刃部先端ではなく、中央部に位置するように固定されている(図2)。ストッパ9aの位置も、差込部7aの位置に合わせて適切な位置に設ければ良い。実施形態2のナイフは、ナイフ中央部に替刃21が固定されていることから、より力をかけずに切ることができる。また、ナイフ本体の刃部の先端を丸くすることにより、より安全性の高い構造とすることができる。差込部やストッパの位置を変えるだけで、同形状の替刃21を使用して、刃の位置を変えることができる。食べる食材に合わせて適切な位置に刃が装着されたナイフを提供することができる。
【0020】
[実施形態3]
実施形態3の替刃式ナイフ1bはナイフ本体2bの刃部に切り欠き部が設けられている(図3)。切り欠き部は、替刃21の切刃22がほとんど露出するように設けられている(図3(B))。替刃21は、実施形態1や2のナイフと同様に嵌挿孔がナイフ本体の差込部7bに差し込まれ、ストッパ9bで固定される。替刃は、その先端部はナイフ本体の切り欠き部により露出しており、柄部に近い部分では、ナイフ本体に密着している(図3(A))。替刃21は、非常に薄く可撓性があることから、ナイフ本体に沿って少し撓むことによって無理なく固定される。実施形態3のナイフは、切刃がほとんど露出しているため、非常に切れ味が良いナイフとなるが、切刃部分は従来のナイフに比べて長さが短いため、安全性も担保できる。また、ナイフの大きさや重さは従来のナイフとあまり変わることがない。
【0021】
[実施形態4]
実施形態4の替刃式ナイフ1cは、ナイフ本体2cの替刃21を装着する部分が替刃の形状に沿った切り欠き部になっており、切り欠き部に替刃21を装着する構成となっている(図4)。図4(A)は替刃21を装着したところ、図4(B)は替刃を外したナイフ本体2cを示すが、切り欠き部は、替刃21がピッタリと嵌るように刃部に形成されている。また、ナイフ本体2cには、中央に棒状の差込部7cが突出するように設けられている。差込部7cは、替刃21の嵌挿孔23を嵌挿するために左右に2本の溝8cが設けられており、嵌挿孔23を嵌挿することにより、替刃21を固定することができる(図4(C))。差込部7cの柄部側には、差込部よりも厚みが薄い基部10cが設けられている。基部10cの柄部側は、厚みを設けることによって、替刃21の基部が固定されるストッパ9cとして機能する。差込部7cに挿入された替刃21は、基部10cの上に密着し、ストッパ9cに替刃の端部が接することによりしっかりと固定される。
【0022】
実施形態4のナイフは、ナイフ本体に切り欠き部が設けられているため、重量を軽くすることができる。また、切刃がナイフ本体に隠れることなく露出する構造となっていることから、切断能力は高い構造となっている。しかし、替刃式となっていることから、切刃部分は小さく保つことが可能であり、安全性も担保することができる。
【0023】
[実施形態5]
実施形態5の替刃式ナイフ1dのナイフ本体2dは柄部4dのみから構成されている(図5(B))。ナイフ本体2dの柄部の先端には、替刃21を装着するための基部10d及び差込部7dが設けられている。棒状の差込部7dには、実施形態4のナイフの差込部と同様に中央に替刃21の嵌挿孔23は嵌め込むための溝が形成されており、替刃21を脱着可能に取り付けることができる(図5(A))。柄部の替刃取り付け側に基部10dが設けられ、基部10d上に差込部7dが設けられている。基部10dは、差込部や柄部と比較して、厚みが薄く形成されていることから、基部10dと柄部との境がストッパ9dとして機能する。
【0024】
実施形態5の替刃式ナイフ1dは非常にシンプルな構造であることから、製造が容易であるだけではなく、ナイフ本体の洗浄が容易である。さらに、ナイフ本体が柄部のみとなっていることから、非常に軽量である。また、ナイフとしての重量のバランスについても、柄部の長さを工夫することにより、違和感なく使用できるものを製造することができる。
【0025】
[実施形態6]
実施形態6の替刃式ナイフ1eのナイフ本体2eは、柄部4eのみから構成されている(図6(B))。柄部に替刃21を取り付けるための把持部11eが設けられている(図6(C))。把持部11eは、クリップのように替刃を挟み込んで把持し、把持部先端に設けられた突出部12eによって、替刃が外れないようになっている。また、ナイフ本体には替刃の基部を差し込むための溝が切ってあり、替刃を差し込み固定することができる(6(D))。
【0026】
実施形態6の替刃式ナイフ(図6(A))は、実施形態5の替刃式ナイフと同様に、非常にシンプルな構造であることから、製造が容易であるだけではなく、ナイフ本体の洗浄が容易である。さらに、ナイフ本体が柄部のみとなっていることから、非常に軽量である。
【0027】
以上説明したように、替刃式ナイフは、刃を取り替えることによって、常に切れ味を保つことができる。また、切刃の長さを調節することにより、安全性も担保したものとすることができる。また、ここでは、ほぼ同形状の替刃によるバリエーションを説明したが、替刃の形状を変えたものを製造できることは言うまでもない。替刃の形状はナイフ本体の形状やデザインに合わせて変えることが可能であるし、また、替刃形状によって、ナイフ本体に固定する方式についても適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0028】
1、1a、1b、1c、1d、1e…替刃式ナイフ、2、2a、2b、2c、2d、2e…ナイフ本体、3…刃部、4、4d、4e…柄部、5…峰、6…つば、7、7a、7b、7c、7d…差込部、8、8c…溝、9、9a、9b、9c、9d…ストッパ、10c、10d…基部、11e…把持部、12e…突出部、21…替刃、22…切刃、23…嵌挿孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6