IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アラクノフォース株式会社の特許一覧

特開2023-133653グリップおよびこれを用いた力覚提示装置
<>
  • 特開-グリップおよびこれを用いた力覚提示装置 図1
  • 特開-グリップおよびこれを用いた力覚提示装置 図2
  • 特開-グリップおよびこれを用いた力覚提示装置 図3
  • 特開-グリップおよびこれを用いた力覚提示装置 図4
  • 特開-グリップおよびこれを用いた力覚提示装置 図5
  • 特開-グリップおよびこれを用いた力覚提示装置 図6
  • 特開-グリップおよびこれを用いた力覚提示装置 図7
  • 特開-グリップおよびこれを用いた力覚提示装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133653
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】グリップおよびこれを用いた力覚提示装置
(51)【国際特許分類】
   G05G 5/03 20080401AFI20230920BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20230920BHJP
   G05G 9/04 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
G05G5/03 Z
G06F3/01 560
G05G9/04
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034732
(22)【出願日】2022-03-07
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-19
(71)【出願人】
【識別番号】519352241
【氏名又は名称】アラクノフォース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090538
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 恵三
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 誠
(72)【発明者】
【氏名】本多 健二
【テーマコード(参考)】
3J070
5E555
【Fターム(参考)】
3J070AA24
3J070BA17
3J070BA41
3J070BA51
3J070BA74
3J070CA02
3J070CC22
3J070DA41
3J070DA61
5E555AA08
5E555AA76
5E555BA01
5E555BA20
5E555BB01
5E555BB20
5E555BB38
5E555BC04
5E555BE16
5E555BE17
5E555DA24
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザーの手や腕とワイヤの干渉を解消できるグリップおよびこれを用いた力覚提示装置を提供する。
【解決手段】握り部と、モータで張力が制御されるワイヤと接続するワイヤ接続部と、を備え、長手方向に長い筒状のグリップで、ワイヤ接続部として、長手方向の一方の端部側で長手方向と直交する第1の方向におけるプラス方向およびマイナス方向に設けられる第1、第2のアームと、長手方向の他方の端部側で長手方向および前記第1の方向と直交する第2の方向におけるプラス方向およびマイナス方向に設けられる第3、第4のアームと、を有し、握り部が、第1、第2のアームの接続位置を含む第1の平面と、第3、第4のアームの接続位置を含む第2の平面と、の間に設けられる。そして、ワイヤとの各アームの接続位置を結ぶ立体は四面体を構成し、握り部の長手方向における中心が四面体の中心にある。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが手で握る握り部と、ユーザーに力覚が提示されるように、モータで張力が制御されるワイヤと接続するワイヤ接続部と、を備え、長手方向に長い筒状のグリップであって、
前記ワイヤ接続部として、
前記長手方向の一方の端部側にあって前記長手方向と直交する第1の方向におけるプラス方向およびマイナス方向に設けられる第1、第2のアームと、
前記長手方向の他方の端部側にあって前記長手方向および前記第1の方向と直交する第2の方向におけるプラス方向およびマイナス方向に設けられる第3、第4のアームと、
を有し、
それぞれの前記ワイヤと接続する前記第1乃至第4のアームの接続位置を結ぶ立体は四面体を構成し、
前記握り部が、前記長手方向において、
前記長手方向に直交する平面であって前記ワイヤと接続する前記第1、第2のアームの接続位置を含む第1の平面と、
前記長手方向に直交する平面であって前記ワイヤと接続する前記第3、第4のアームの接続位置を含む第2の平面と、
の間に設けられ、
前記握り部の前記長手方向における中心が前記四面体の中心にあることを特徴とするグリップ。
【請求項2】
前記握り部は、長手方向に長い筒状であって、軽量化のために前記一方の端部側と前記他方の端部側を前記長手方向に接続するロッドが周方向に離散的に設けられることを特徴とする請求項1に記載のグリップ。
【請求項3】
前記第1乃至第4のアームおよび前記ロッドの少なくとも一方が、カーボンロッドで形成されることを特徴とする請求項1に記載のグリップ。
【請求項4】
前記第1乃至第4のアームのそれぞれに2本もしくは1本の前記ワイヤが接続することを特徴とする請求項1に記載のグリップ。
【請求項5】
前記長手方向が鉛直方向となるように配置される請求項1乃至4のいずれか1項に記載のグリップと、
前記グリップに接続される複数本のワイヤと、
前記複数本のワイヤのそれぞれが接続する複数のモータと、
を有し、
前記モータが前記ワイヤの張力を制御することで、前記グリップを握るユーザーに力覚を提示することを特徴とする力覚提示装置。
【請求項6】
前記モータと同軸にロータリーエンコーダが設けられることを特徴とする請求項5に記載の力覚提示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリップおよびこれを用いた力覚提示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モータがワイヤの張力を制御することで、ワイヤが接続されるグリップとしてのエンドエフェクタを握るユーザーの手に力覚が提示される力覚提示装置として、球状のエンドエフェクタを備えるものが特許文献1に示される。これについて、図6乃至図8を用いて説明する。
【0003】
図6は、卓上型の力覚提示ユニット1を用いた映像表示システムとしてゲームシステムの全体構成を示す。机などテーブル4の上に、卓上型の力覚提示ユニット1と、椅子5に座ったユーザー(操作者)10によって映像変化が可能であるように全体映像が表示される表示手段としてのモニタ3が設置されている。モニタ3には、例えばゲーム用の映像として、固定ブロック部3aと、可動ブロック部3bや3cが表示されている。
【0004】
そして、ユーザー10は、可動ブロック部3bや3cを掴んだ状態として、固定部3aに衝突させる、あるいはモニタ内の床面に衝突させるというモニタ3における映像変化を生じさせることができる。そして衝突したときに、力覚提示ユニット1により、ユーザー10の手に力覚が提示される。これにより、ユーザーはより現実的な感覚でゲームを楽しむことができる。
【0005】
図7および図8に示す力覚提示ユニット1は、ユーザーの手に力覚(触覚)を伝えるデバイスであるハプティックデバイスとして、ロータリーエンコーダ付きのモータM1乃至M8と、該モータの駆動力をユーザーの手に伝えるワイヤF1乃至F8と、を備える。そして、ワイヤを介してモータと接続されるグリップとして球状のエンドエフェクタを備える。エンドエフェクタ2には、ワイヤの結合部としての結合突起部(第1結合突起部としてP3、P4、第2結合突起部としてP1、P2)が設けられている。
【0006】
ユーザー10は、エンドエフェクタ2を把持し、エンドエフェクタ2を左右方向、前後方向、上下方向(鉛直方向)に移動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2021-082168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような球状のグリップとしてのエンドエフェクタに対し、ユーザーの手や腕とワイヤの干渉が生ずる場合が考えられ、更なる改良が望まれていた。
【0009】
本発明者は、ユーザーが握るグリップに関し、それぞれのワイヤとの接続位置を結ぶ立体が四面体を構成する条件の下、この四面体との関係においてユーザーが握るグリップの中心位置および軽量で剛性の高い形状や素材に関し鋭意検討を重ねた。
【0010】
本発明の目的は、ユーザーの手や腕とワイヤの干渉を抑えることができるグリップおよびこれを用いた力覚提示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係るグリップは、ユーザーが手で握る握り部と、ユーザーに力覚が提示されるように、モータで張力が制御されるワイヤと接続するワイヤ接続部と、を備え、長手方向に長い筒状のグリップであって、前記ワイヤ接続部として、前記長手方向の一方の端部側にあって前記長手方向と直交する第1の方向におけるプラス方向およびマイナス方向に設けられる第1、第2のアームと、前記長手方向の他方の端部側にあって前記長手方向および前記第1の方向と直交する第2の方向におけるプラス方向およびマイナス方向に設けられる第3、第4のアームと、を有し、それぞれの前記ワイヤと接続する前記第1乃至第4のアームの接続位置を結ぶ立体は四面体を構成し、前記握り部が、前記長手方向において、前記長手方向に直交する平面であって前記ワイヤと接続する前記第1、第2のアームの接続位置を含む第1の平面と、前記長手方向に直交する平面であって前記ワイヤと接続する前記第3、第4のアームの接続位置を含む第2の平面と、の間に設けられ、前記握り部の前記長手方向における中心が前記四面体の中心にあることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の他の一態様は、前記握り部は、軽量化のために前記一方の端部側と前記他方の端部側を前記長手方向に接続するロッドが周方向に離散的に設けられる。
【0013】
また、本発明の他の一態様は、前記第1乃至第4のアームおよび前記ロッドの少なくとも一方が、カーボン製である。これにより、更なり軽量化が図られる。
【0014】
また、本発明の他の一態様は、前記第1乃至第4のアームのそれぞれに2本もしくは1本の前記ワイヤが接続する。これにより、それぞれに2本のワイヤが接続する場合は、6自由度(3方向並進、3方向回転)を与えることができる。また、それぞれに1本のワイヤが接続する場合は、3自由度(3方向並進)を与えることができる。
【0015】
また、本発明に係る力覚提示装置は、長手方向が鉛直方向となるように配置される上記グリップと、前記グリップに接続される複数本のワイヤと、前記複数本のワイヤのそれぞれが接続する複数のモータと、を有し、前記モータが前記ワイヤの張力を制御することで、前記グリップを握るユーザーに力覚を提示することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の他の一態様は、前記モータと同軸にロータリーエンコーダが設けられる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ユーザーの手や腕とワイヤの干渉を抑えることができるグリップおよびこれを用いた力覚提示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係るグリップを用いた力覚提示装置の全体構成を示す図
図2】本発明の実施形態に係るグリップを示す斜視図
図3】(a)は本発明の実施形態に係るグリップの上端部側から見た図、(b)は本発明の実施形態に係るグリップの下端部側から見た図
図4】ワイヤと接続するアームの接続位置を結ぶ立体が四面体を構成し、握り部の長手方向における中心が四面体の中心にあることを示す図
図5】アームR1、R2を左右方向、アームR3、R4を前後方向(奥行方向)として商品デザイン化した場合の一例としての外観図で、(a)はワイヤを除いた図でワイヤを破線で示した図、(b)はワイヤを備えた図
図6】従来のグリップとしてのエンドエフェクタを用いた卓上型の力覚提示ユニットを基にした映像表示システムの全体構成を示す図
図7】力覚提示ユニットにおける従来のグリップとしてのエンドエフェクタを用いた操作状況を示す外観図
図8】従来のグリップとしてのエンドエフェクタを用いた力覚提示ユニットをユーザー側から見た外観図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係わるグリップおよびこれを用いた力覚提示装置を図面を用いて説明する。
【0020】
(第1の実施形態)
(グリップおよびこれを用いた力覚提示装置)
本実施形態における力覚提示装置は、図1に示すようにグリップの形状や可動範囲(可動範囲を大きくしている)を除いて基本的には図7および図8で説明したものと同様である。なお、符号Hは図7図8に示すものと同様のフレーム構造を示している。
【0021】
ユーザーに力覚(触覚)を伝えるデバイスであるハプティックデバイスとして、モータM1乃至M8と、該モータの駆動力をグリップの握り部を握るユーザーの手に伝えるように張力が制御されるワイヤF1乃至F8と、を備える。そして、ワイヤの長さからグリップの位置を検出できるように、それぞれのモータと同軸にロータリーエンコーダが設けられる。
【0022】
グリップに関し、X方向(左右方向)、Y方向(前後方向)、Z方向(重力方向である上下方向)における対応する2本のワイヤの長さが検出されると、グリップの並進に関するX方向、Y方向、Z方向における方向判別(プラス方向かマイナス方向か)と共に絶対的な位置検出が可能となる。このために4本のワイヤが用いられる。
【0023】
そして、グリップの回転情報を検出するためには、グリップの異なる2点の位置情報を検出する必要があることから、更に4本のワイヤ(計8本のワイヤ)の長さ検出を行う。
【0024】
本実施形態におけるグリップの握り部Gは、図1乃至図3に示すように、鉛直方向である長手方向に長い筒状として円筒状である。そして、グリップはユーザーが手で握る握り部Gと、ユーザーに力覚が提示されるように、モータで張力が制御されるワイヤと接続するワイヤ接続部Q1乃至Q4を備えるアームR1乃至R4と、を有する。なお、一般的な握り部Gの握り方としては、握り部Gの上方側および下方側に隙間を設けた状態で中央部をユーザーが片手で握るようにする。そして、ワイヤ接続部Q1、Q2が形成されるように、長手方向の一方の端部側(上端部側)においては、長手方向と直交する第1の方向におけるプラス方向に設けられる第1のアームR1、およびマイナス方向に設けられる第2のアームR2を備える。この場合、上端部側の肉厚に係る円環状部(図1乃至図3では簡略化のため円として図示)と、第1のアームR1および第2のアームR2が同一平面を構成する。
【0025】
また、ワイヤ接続部Q3、Q4Q2が形成されるように、長手方向の他方の端部側(下端部側)にあって長手方向および第1の方向と直交する第2の方向におけるプラス方向に第3のアームR3、マイナス方向に第4のアームR4を備える。この場合、下端部側の肉厚に係る円環状部(図1乃至図3では簡略化のため円として図示)と、第3のアームR3および第4のアームR4が同一平面を構成する。
【0026】
また、軽量で剛性の高い円筒形状である握り部Gは、図2に示すように一方の端部側(上端部側)と他方の端部側(下端部側)を長手方向に接続するロッドGa、Gbなどが周方向に離散的に設けられている。すなわち、上端部側の第1の円環状部と、下端部側の第2の円環状部と、両者と長手方向に結合する円周方向に複数のロッドで握り部Gが構成され、また第1、第2の円環状部において剛性確保の補強のため互いに異なるロッド部同士を直線状(例えば互いに平行)に補強ロッドで結合させ、更にプラス方向のアームとマイナス方向のアームがそれぞれ上端部側の円環状部と下端部側の円環状部とに結合されて、グリップが構成される。ここで、上記の補強ロッドとプラス方向のアームとマイナス方向のアームとを、一体化したロッドとして形成することもできる。なお、円周方向のロッドGa、Gbなどに関しては、例えば、円周方向で60度毎に6本設けられる。
【0027】
更なる軽量化のために、第1乃至第4のアームR1乃至R4およびロッドG1,G2の少なくとも一方が、カーボンロッドのような軽量で剛性の高い素材で構成されることが好ましい。
【0028】
ここで、図4に示すように、それぞれのワイヤと接続する第1乃至第4のアームの接続位置を結ぶ立体は四面体(例えば)を構成する。そして、以下の構成により、握り部Gの長手方向における中心が四面体の中心G0にあるように、ロッドG1,G2などの高さに対するアームR1乃至R4の長さが設定されている。
【0029】
そして、この条件が確保されるように、握り部Gが、長手方向において、長手方向に直交する平面であってワイヤと接続する第1のアームR1、第2のアームR2の接続位置Q1,Q2を含む第1の平面と、長手方向に直交する平面であってワイヤと接続する第3のアームR3、第4のアームR4の接続位置Q3,Q4を含む第2の平面と、の間に設けられる。
【0030】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、力覚提示ユニットとして、8個のモータを設け、各モータに対応するワイヤを2本づつ計8本設ける構成としたが、本実施形態では、4個のモータを設け、各モータに対応するワイヤを1本づつ計4本設ける構成とする。他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0031】
このような本実施形態では、グリップの握り部Gに並進3自由度を含む4自由度を与えることができる。
【0032】
(変形例)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0033】
上述した実施形態では、グリップの握り部を円筒状として説明したが、本発明はこれに限定されず、長手方向に直交する断面形状が円環状(外形形状は円形)の替わりに肉厚部が角形に設けられる形状(外形形状が三角形、四角形などn角形(nは3以上の整数)でその中心側が空白部)とすることができる。
【0034】
そして、長手方向において、各断面が同じ断面積の場合に限らず、両端部側に比べ中央部側で断面積が変わる(例えば、中央部で断面積が小さくなる鼓状)ようにしても良い。
【0035】
また、上述した実施形態では、グリップに関し、上端部側の円環状部と、第1のアームR1および第2のアームR2が同一平面を構成するとしたが、上端部側の円環状部に対し、第1のアームR1および第2のアームR2が上方に跳ね上がっている構成としても良い。同様に、下端部側の円環状部と、第3のアームR3および第4のアームR4が同一平面を構成するとしたが、下端部側の円環状部に対し、第3のアームR3および第4のアームR4が下方に跳ね上がっている構成としても良い。
【0036】
また、握り部Gは、ユーザーの手の指が長手方向(鉛直方向)に直交する方向に挿入可能な空間部を備えるようにしても良い。この場合、ユーザーは手と共に指を用いて確実にグリップの握り部Gを把持できる。
【0037】
また、上述した実施形態では、アームR1、R2を前後方向(奥行方向)、アームR3、R4を左右方向に示したが、アームR1、R2を左右方向、アームR3、R4を前後方向(奥行方向)とすることもできる。このような配置として商品デザイン化した場合の一例としての外観図を図5に示す。(a)はワイヤを除いた図でワイヤを破線で示した図、(b)はワイヤを備えた図である。
【0038】
図5に示すものは、ワイヤ駆動型6自由度力覚提示デバイスとして、駆動部がワイヤ、DCモータおよびプーリで構成され、その軽量性により操作時の大幅な慣性低減が可能であり、他の力覚デバイスにはない極めて忠実性の高い力覚提示を実現できる。
【0039】
標準仕様としては、ワークスペース(両手)が400(左右方向)×500(高さ方向)×500(前後方向)mmで最大提示力が10N(各並進方向)である。
【0040】
なお、フレームサイズおよびモータを自由にカスタマイズすることで、1:1スケールでの操作も可能にする広大な作業空間と、極めて品質の優れた力触覚インタラクションを実現するスケーラビリティの高い力覚提示デバイスとなる。
【0041】
因みに、フレームの高さ50cmおよび幅40cmのタイプでは、マスタスレーブ構成のロボットアームのハプティック遠隔操作などに活用できる。
【0042】
そして、本発明はゲーム用に限られず、手術などの教育用、訓練用、あるいは介護などの訓練用にも適用できる。
【符号の説明】
【0043】
G・・グリップの握り部、G1、G2・・グリップのロッド、R1乃至R4・・グリップのアーム、F1乃至F8・・ワイヤ、M1乃至M8・・モータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが手で握る握り部と、ユーザーに力覚が提示されるように、モータで張力が制御されるワイヤと接続するワイヤ接続部と、を備え、長手方向に長い筒状のグリップであって、
前記ワイヤ接続部として、
前記長手方向の一方の端部側にあって前記長手方向と直交する第1の方向におけるプラス方向およびマイナス方向に設けられる第1、第2のアームと、
前記長手方向の他方の端部側にあって前記長手方向および前記第1の方向と直交する第2の方向におけるプラス方向およびマイナス方向に設けられる第3、第4のアームと、
を有し、
それぞれの前記ワイヤと接続する前記第1乃至第4のアームの接続位置を結ぶ立体は四面体を構成し、
前記握り部が、前記長手方向において、
前記長手方向に直交する平面であって前記ワイヤと接続する前記第1、第2のアームの接続位置を含む第1の平面と、
前記長手方向に直交する平面であって前記ワイヤと接続する前記第3、第4のアームの接続位置を含む第2の平面と、
の間に設けられ、かつ、
前記握り部は、前記長手方向に長い筒状であって、軽量化のために前記一方の端部側と前記他方の端部側を前記長手方向に接続するロッドが周方向に離散的に設けられ、
前記握り部の前記長手方向における中心が前記四面体の中心にあることを特徴とするグリップ。
【請求項2】
前記第1乃至第4のアームおよび前記ロッドの少なくとも一方が、カーボンロッドで形成されることを特徴とする請求項1に記載のグリップ。
【請求項3】
前記第1乃至第4のアームのそれぞれに2本もしくは1本の前記ワイヤが接続することを特徴とする請求項1または2に記載のグリップ。
【請求項4】
前記長手方向が鉛直方向となるように配置される請求項1乃至のいずれか1項に記載のグリップと、
前記グリップに接続される複数本のワイヤと、
前記複数本のワイヤのそれぞれが接続する複数のモータと、
を有し、
前記モータが前記ワイヤの張力を制御することで、前記グリップを握るユーザーに力覚を提示することを特徴とする力覚提示装置。
【請求項5】
前記モータと同軸にロータリーエンコーダが設けられることを特徴とする請求項に記載の力覚提示装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係るグリップは、ユーザーが手で握る握り部と、ユーザーに力覚が提示されるように、モータで張力が制御されるワイヤと接続するワイヤ接続部と、を備え、長手方向に長い筒状のグリップであって、前記ワイヤ接続部として、前記長手方向の一方の端部側にあって前記長手方向と直交する第1の方向におけるプラス方向およびマイナス方向に設けられる第1、第2のアームと、前記長手方向の他方の端部側にあって前記長手方向および前記第1の方向と直交する第2の方向におけるプラス方向およびマイナス方向に設けられる第3、第4のアームと、を有し、それぞれの前記ワイヤと接続する前記第1乃至第4のアームの接続位置を結ぶ立体は四面体を構成し、前記握り部が、前記長手方向において、前記長手方向に直交する平面であって前記ワイヤと接続する前記第1、第2のアームの接続位置を含む第1の平面と、前記長手方向に直交する平面であって前記ワイヤと接続する前記第3、第4のアームの接続位置を含む第2の平面と、の間に設けられ、かつ、前記握り部は、前記長手方向に長い筒状であって、軽量化のために前記一方の端部側と前記他方の端部側を前記長手方向に接続するロッドが周方向に離散的に設けられ、前記握り部の前記長手方向における中心が前記四面体の中心にあることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】