(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133665
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】換気装置
(51)【国際特許分類】
F24F 7/08 20060101AFI20230920BHJP
F24F 13/20 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
F24F7/08 101G
F24F7/08 101H
F24F13/20 205
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038767
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】東条 匠
(72)【発明者】
【氏名】服部 慎也
(72)【発明者】
【氏名】宮部 竜太朗
(72)【発明者】
【氏名】神谷 和輝
(72)【発明者】
【氏名】樋口 智之
(57)【要約】
【課題】給気風路及び排気風路を容易に形成可能とすることで組立性を向上した換気装置を提供する。
【解決手段】換気装置は、屋外から屋内へ流通する給気流と屋内から屋外へ流通する排気流との間で熱交換し、四側面を有する矩形の熱交換素子と、給気流を吸い込むOAダクトと排気流を吹き出すEAダクトとを有する屋外側ブロックと、給気流を吹き出すSAダクトと排気流を吸い込むRAダクトとを有する屋内側ブロックと、RAダクトと熱交換素子とを連通する上流側排気風路を有する上流側排気ブロックと、EAダクトと熱交換素子とを連通する下流側排気風路を有する下流側排気ブロックと、内部空間にて四つのブロックと熱交換素子の配置を画定する本体ケースと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外から屋内へ流通する給気流と前記屋内から前記屋外へ流通する排気流との間で熱交換し、四側面を有する矩形の熱交換素子と、
前記給気流を吸い込むOAダクトと前記排気流を吹き出すEAダクトとを有する屋外側ブロックと、
前記給気流を吹き出すSAダクトと前記排気流を吸い込むRAダクトとを有する屋内側ブロックと、
前記RAダクトと前記熱交換素子とを連通する上流側排気風路を有する上流側排気ブロックと、
前記EAダクトと前記熱交換素子とを連通する下流側排気風路を有する下流側排気ブロックと、
内部空間にて四つの前記ブロックと前記熱交換素子の配置を画定する本体ケースと、を備え、
前記本体ケースは、
前記熱交換素子における矩形の第一側面に前記屋内側ブロックを対向させて配置し、
前記第一側面に対向する第三側面に前記屋外側ブロックを対向させて配置し、
前記第一側面と前記第三側面に隣接する第四側面に前記上流側排気ブロックを対向させるとともに前記上流側排気ブロックの一端と他端とを前記屋外側ブロックと前記屋内側ブロックとに接続させて配置し、
前記第一側面と前記第三側面に隣接する第二側面に前記下流側排気ブロックを対向させるとともに前記下流側排気ブロックの一端と他端とを前記屋外側ブロックと前記屋内側ブロックに接続させて配置することで、四つの前記ブロックに囲まれて形成された素子格納部に前記熱交換素子を位置させた、換気装置。
【請求項2】
第一シャフトを介して給気シロッコファンを回動する給気モータと該給気シロッコファンを内包する給気ケーシングとを有し前記給気流を生成する給気用遠心送風機と、
第二シャフトを介して排気シロッコファンを回動する排気モータと該排気シロッコファンを内包する排気ケーシングとを有し前記排気流を生成する排気用遠心送風機と、を備え、
前記給気モータ及び前記排気モータは、
前記素子格納部を介して取り出し可能に配置される、請求項1記載の換気装置。
【請求項3】
前記第一シャフト及び前記第二シャフトは、
前記給気モータ及び前記排気モータからそれぞれ下流側へ向けて立設した、請求項2記載の換気装置。
【請求項4】
前記熱交換素子は、
前記第一側面に前記給気流を吹き出す給気流吹出開口と、
前記第二側面に前記排気流を吹き出す排気流吹出開口と、を有し、
前記給気ケーシングは、
前記給気流を吸い込む給気開口が前記給気流吹出開口と対向して配置され、
前記排気ケーシングは、
前記排気流を吸い込む排気開口が前記排気流吹出開口と対向して配置される、請求項2記載の換気装置。
【請求項5】
前記屋外側ブロック、前記屋内側ブロック、前記上流側排気ブロックおよび前記下流側排気ブロックの少なくとも一つと前記素子格納部に格納された前記熱交換素子とに当接するパッキンを備えた、請求項1記載の換気装置。
【請求項6】
前記OAダクトと前記EAダクトの中心間距離と、前記SAダクトと前記RAダクトの中心間距離とに差異を設けた、請求項1記載の換気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、換気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、換気風量の増大、熱交換効率の向上を確保しながら、施工性、メンテナンス性にも優れた換気装置を開示する。この換気装置は、屋外の空気を建物内へ取り入れる給気経路と、建物内の空気を屋外へ排出する排気経路と、を有する。換気装置のエレメントユニットは、給気経路並びに排気経路を流動する空気間で少なくとも熱交換を行うエレメントを有する。換気装置のファンユニットは、エレメントで熱交換された給気経路側の空気を給気口を経由して建物内へ送風する給気ファンと、エレメントで熱交換された排気経路側の空気を排気口を経由して屋外へ排出する排気ファンと、を有する。換気装置は、エレメントユニットとファンユニットとを係脱可能に連結する連結手段を有し、エレメントユニットの側面部に、少なくともエレメントが着脱可能なエレメント着脱口と、エレメント着脱口を開閉可能に閉塞するエレメント着脱蓋を設け、ファンユニットの側面部に、少なくとも給気ファン及び排気ファンが着脱可能なファン着脱口と、ファン着脱口を開閉可能に閉塞するファン着脱蓋を設ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
給気風路及び排気風路を容易に形成できることが、換気装置の組立性を向上させる上では好ましい。特許文献1に開示された技術は、給気風路及び排気風路を形成するにあたり、エレメントユニットとファンユニットとを別々に組み立てる工程と、エレメントユニットとファンユニットとを連結手段を用いて連結する工程とが必要となる。そのため、特許文献1に開示された技術は、給気風路及び排気風路を形成するためには様々な工程が必要であり、換気装置の組立性において改善の余地があった。
【0005】
本開示の目的のひとつは、給気風路及び排気風路を容易に形成可能とすることで組立性を向上した換気装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示における換気装置は、屋外から屋内へ流通する給気流と屋内から屋外へ流通する排気流との間で熱交換し、四側面を有する矩形の熱交換素子と、給気流を吸い込むOAダクトと排気流を吹き出すEAダクトとを有する屋外側ブロックと、給気流を吹き出すSAダクトと排気流を吸い込むRAダクトとを有する屋内側ブロックと、RAダクトと熱交換素子とを連通する上流側排気風路を有する上流側排気ブロックと、EAダクトと熱交換素子とを連通する下流側排気風路を有する下流側排気ブロックと、内部空間にて四つのブロックと熱交換素子の配置を画定する本体ケースと、を備える。本体ケースは、熱交換素子における矩形の第一側面に屋内側ブロックを対向させて配置し、第一側面に対向する第三側面に屋外側ブロックを対向させて配置し、第一側面と第三側面に隣接する第四側面に上流側排気ブロックを対向させるとともに上流側排気ブロックの一端と他端とを屋外側ブロックと屋内側ブロックとに接続させて配置し、第一側面と第三側面に隣接する第二側面に下流側排気ブロックを対向させるとともに下流側排気ブロックの一端と他端とを屋外側ブロックと屋内側ブロックに接続させて配置することで、四つのブロックに囲まれて形成された素子格納部に熱交換素子を位置させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示における換気装置は、4つのブロックと熱交換素子を本体ケースの内部空間に格納することで容易に給気風路及び排気風路を形成できる。そのため、換気装置の組立性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態1における換気装置の構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1における換気装置の構成を模式的に示す平面図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1において本体ケースに4つのブロックを格納する手順の一部分を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1において4つのブロックにより画定する素子格納部に熱交換素子を格納する手順の一部分を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0010】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0011】
(実施の形態1)
以下、
図1~4を用いて、実施の形態1を説明する。
【0012】
[1-1.構成]
換気装置1は、屋内空間の換気を行うと共に、屋外から屋内へ供給される空気(給気流AF1)に含まれる熱エネルギーと屋内から屋外へ排出される空気(排気流AF2)に含まれる熱エネルギーとの間で熱交換を行う。
【0013】
図1~3において、換気装置1は、本体ケース10と、屋外側ブロック20と、屋内側ブロック30と、上流側排気ブロック40と、下流側排気ブロック50と、素子格納部90と、熱交換素子60と、給気用遠心送風機70と、排気用遠心送風機80と、を備える。
【0014】
本体ケース10は、複数の板金部材を組み合わせて形成され、内部空間を有する矩形の筐体であり、第一ケース側面11と、第二ケース側面12と、第三ケース側面13と、第四ケース側面14と、を有する。本体ケース10は、内部空間にて屋外側ブロック20と、屋内側ブロック30と、上流側排気ブロック40と、下流側排気ブロック50と、熱交換素子60との配置を画定して内包する。
【0015】
第一ケース側面11は、第二ケース側面12及び第四ケース側面に隣接する平板状の部品であり、屋内側ブロック30と当接する。第一ケース側面11は、板金を加工して形成され、ケース開孔10aを有する。
【0016】
ケース開孔10aは、後述するOAダクト21、EAダクト22、SAダクト31及びRAダクト32を本体ケース10に対して貫通させるための孔である。
【0017】
第二ケース側面12は、第一ケース側面11及び第三ケース側面13に隣接する平板状の部品であり、屋外側ブロック20、屋内側ブロック30及び下流側排気ブロック50と当接する。第二ケース側面12は、板金を加工して形成される。
【0018】
第三ケース側面13は、第二ケース側面12及び第四ケース側面14に隣接する平板状の部品であり、屋外側ブロック20と当接する。第三ケース側面13は、板金を加工して形成され、ケース開孔10aを有する。
【0019】
第四ケース側面14は、第一ケース側面11及び第三ケース側面13に隣接する平板状の部品であり、屋外側ブロック20、屋内側ブロック30及び上流側排気ブロック40と当接する。第四ケース側面14は、板金を加工して形成される。
【0020】
屋外側ブロック20は、発泡スチロールを加工して形成される矩形の部材であり、本体ケース10の内部空間に配置されると共に第二ケース側面12、第三ケース側面13及び第四ケース側面14と当接する。屋外側ブロック20は、熱交換素子60を挟んで屋内側ブロック30と対向して配置される。屋外側ブロック20は、OAダクト21と、EAダクト22と、を有する。
【0021】
OAダクト21は、給気流AF1を流通する給気風路の一部を形成し、給気流AF1を本体ケース10へ吸い込む。OAダクト21は、ケース開孔10aを介して本体ケース10に貫通し、その一部分が本体ケース10の外側へ露出する。OAは、Outside Air(外気)を指し示す。
【0022】
EAダクト22は、排気流AF2を流通する排気風路の一部を形成し、排気流AF2を本体ケース10から吹き出す。EAダクト22は、ケース開孔10aを介して本体ケース10に貫通し、その一部分が本体ケース10の外側へ露出する。EAは、Exhaust Air(排気)を指し示す。
【0023】
屋内側ブロック30は、発泡スチロールを加工して形成される矩形の部材であり、本体ケース10の内部空間に配置されると共に、第一ケース側面11、第二ケース側面12及び第四ケース側面14と当接する。屋内側ブロック30は、熱交換素子60を挟んで屋外側ブロック20と対向して配置される。屋内側ブロック30は、SAダクト31と、RAダクト32と、を有する。
【0024】
SAダクト31は、給気風路の一部を形成し、給気流AF1を本体ケース10から吹き出す。SAダクト31は、ケース開孔10aを介して本体ケース10に貫通し、その一部分が本体ケース10の外側へ露出する。SAは、Supply Air(給気)を指し示す。
【0025】
RAダクト32は、排気風路の一部を形成し、排気流AF2を本体ケース10へ吸い込む。RAダクト32は、ケース開孔10aを介して本体ケース10に貫通し、その一部分が本体ケース10の外側へ露出する。RAは、Return Air(還気)を指し示す。
【0026】
上流側排気ブロック40は、発泡スチロールを加工して形成される矩形の部材であり、本体ケース10の内部空間に配置される。上流側排気ブロック40は、一端を屋外側ブロック20と接続し、他端を屋内側ブロック30と接続する。上流側排気ブロック40は、その一端と他端とに隣接する側面を第四ケース側面14に当接する。上流側排気ブロック40は、屋外側ブロック20と屋内側ブロック30との間に配置されると共に、熱交換素子60を挟んで下流側排気ブロック50と対向して配置される。上流側排気ブロック40は、上流側排気風路41を有する。
【0027】
上流側排気風路41は、排気風路の一部を形成し、RAダクト32と熱交換素子60とを連通する。上流側排気風路41は、排気風路において熱交換素子60より上流側に配置され、給気流AF1と熱交換する前の排気流AF2を流通する。
【0028】
下流側排気ブロック50は、発泡スチロールを加工して形成される矩形の部材であり、本体ケース10の内部空間に配置される。下流側排気ブロック50は、一端を屋外側ブロック20と接続し、他端を屋内側ブロック30と接続する。下流側排気ブロック50は、その一端と他端とに隣接する側面を第二ケース側面12に当接する。下流側排気ブロック50は、熱交換素子60を挟んで上流側排気ブロック40と対向して配置される。下流側排気ブロック50は、下流側排気風路51を有する。
【0029】
下流側排気風路51は、排気風路の一部を形成し、EAダクト22と熱交換素子60とを連通する。下流側排気風路51は、排気風路において熱交換素子60より下流側に配置され、給気流AF1と熱交換した後の排気流AF2を流通する。
【0030】
屋外側ブロック20、屋内側ブロック30、上流側排気ブロック40、下流側排気ブロック50は、それぞれ互いに独立した部材として設けられる。
【0031】
OAダクト21とEAダクト22の中心間距離と、SAダクト31とRAダクト32の中心間距離とは異なる。実施の形態1において、OAダクト21とEAダクト22の中心間距離は、SAダクト31とRAダクト32の中心間距離に比べて短い。
【0032】
素子格納部90は、本体ケース10の内部空間に4つのブロック(屋外側ブロック20、屋内側ブロック30、上流側排気ブロック40及び下流側排気ブロック50)を格納することで形成される(画定する)矩形空間であり、熱交換素子60を格納する。素子格納部90は、パッキン91を有する。
【0033】
パッキン91は、屋外側ブロック20、屋内側ブロック30、上流側排気ブロック40および下流側排気ブロック50の少なくとも一つと素子格納部90に格納された熱交換素子60とに当接する。パッキン91は、屋外側ブロック20、屋内側ブロック30、上流側排気ブロック40および下流側排気ブロック50に配置される。パッキン91は、屋外側ブロック20、屋内側ブロック30、上流側排気ブロック40および下流側排気ブロック50の各ブロックと当接することが好ましい。パッキン91は、熱交換素子60と当接した際に、熱交換素子60の四側面の外周端であって、全周にわたり当接することが好ましい。パッキン91は、熱交換素子60を素子格納部90へ格納した際に、熱交換素子60により押圧されるため、摩擦係数の小さい材料を選定することが好ましい。
【0034】
熱交換素子60は、素子格納部90に格納されることで給気風路と排気風路の一部を形成する矩形の六面体であり、給気流AF1に含まれる熱エネルギーと排気流AF2に含まれる熱エネルギーとの間で熱交換を行う。熱交換素子60は、複数の伝熱板を所定の間隔を設けて積層することで形成され、一層ごと交互に給気流AF1と排気流AF2を流通する。熱交換素子60は、第一側面61と、第二側面62と、第三側面63と、第四側面64と、取手65と、を有する。
【0035】
第一側面61は、熱交換素子60を形成する第三側面63と対向する面であり、給気流AF1を吹き出す給気流吹出開口61aを有し、屋外側ブロック20と対向する。
【0036】
第二側面62は、熱交換素子60を形成する第四側面64と対向する面であり、排気流AF2を吹き出す排気流吹出開口62aを有し、下流側排気ブロック50と対向する。
【0037】
第三側面63は、熱交換素子60を形成する第一側面61と対向する面であり、給気流AF1を吸い込む給気流吸込開口63aを有し、屋内側ブロック30と対向する。
【0038】
第四側面64は、熱交換素子60を形成する第二側面62と対向する面であり、排気流AF2を吸い込む排気流吸込開口64aを有し、上流側排気ブロック40と対向する。
【0039】
取手65は、熱交換素子60を運搬する際に把持する部品である。
【0040】
給気用遠心送風機70は、屋内側ブロック30に配置され、給気流AF1を生成する。給気用遠心送風機70は、給気シロッコファン71と、給気ケーシング72と、給気モータ73と、を有する。
【0041】
給気シロッコファン71は、空気を昇圧するための遠心羽根車である。
【0042】
給気ケーシング72は、給気シロッコファン71を内包し、給気開口72aを有する。
【0043】
給気開口72aは、給気流AF1を吸い込む円形の開口であり、給気流吹出開口61aを有する第一側面61と対向して配置される。
【0044】
給気モータ73は、第一シャフト73aを介して給気シロッコファン71を回動可能に軸支する。給気モータ73は、熱交換素子60を外した状態で、素子格納部90を介して屋内側ブロック30に着脱可能に配置される。つまり、第一シャフト73aを除くロータやステータなどの構成部材が給気開口72aに対して上流側に配置されることで、給気モータ73は、素子格納部90を介して容易に屋内側ブロック30に着脱可能となる。
【0045】
第一シャフト73aは、給気モータ73から給気流AF1の下流側へ向けて立設する。
【0046】
排気用遠心送風機80は、下流側排気ブロック50に配置され、排気流AF2を生成する。排気用遠心送風機80は、排気シロッコファン81と、排気ケーシング82と、排気モータ83と、を有する。
【0047】
排気シロッコファン81は、空気を昇圧するための遠心羽根車である。
【0048】
排気ケーシング82は、排気シロッコファン81を内包し、排気開口82aを有する。
【0049】
排気開口82aは、排気流AF2を吸い込む円形の開口であり、排気流吹出開口62aを有する第二側面62と対向して配置される。
【0050】
排気モータ83は、第二シャフト83aを介して排気シロッコファン81を回動可能に軸支する。排気モータ83は、熱交換素子60を外した状態で、素子格納部90を介して下流側排気ブロック50に着脱可能に配置される。つまり、第二シャフト83aを除くロータやステータなどの構成部材が排気開口82aに対して上流側に配置されることで、排気モータ83は、素子格納部90を介して容易に下流側排気ブロック50に着脱可能となる。
【0051】
第二シャフト83aは、排気モータ83から排気流AF2の下流側へ向けて立設する。
【0052】
[1-2.組立]
以上のように構成された換気装置1について、その組立の一部分を
図3~4を用いて説明する。
【0053】
図3は、4つのブロック(屋外側ブロック20、屋内側ブロック30、上流側排気ブロック40及び下流側排気ブロック50)を本体ケース10に格納する様子を破線の矢印で示している。屋外側ブロック20は、OAダクト21とEAダクト22を本体ケース10の内部空間側からケース開孔10aに挿入して本体ケース10に格納される。屋内側ブロック30は、SAダクト31とRAダクト32を本体ケースの内部空間側からケース開孔10aに挿入して本体ケース10に格納される。上流側排気ブロック40は、屋外側ブロック20と屋内側ブロック30を格納した本体ケース10の内部空間に格納されることで、屋外側ブロック20と屋内側ブロック30に接続する。下流側排気ブロック50は、屋外側ブロック20、屋内側ブロック30及び上流側排気ブロック40を格納した本体ケース10の内部空間に格納されることで、屋外側ブロック20と屋内側ブロック30に接続する。4つのブロックが本体ケース10の内部空間に格納されることにより、素子格納部90となる矩形空間が画定する(形成される)。
【0054】
図4は、熱交換素子60を4つのブロックにより画定した素子格納部90に格納する様子を破線の矢印で示している。熱交換素子60は、取手65を把持された状態で素子格納部90(
図4のハッチング部分)へ格納(挿入)される。パッキン91は、熱交換素子60が素子格納部90へ格納されることで、熱交換素子60により押圧された状態となる。素子格納部90への熱交換素子60の格納が完了すると同時に、OAダクト21からSAダクト31へ至る給気風路とRAダクト32からEAダクト22へ至る排気風路が形成される。
【0055】
[1-3.効果等]
以上のように、給気風路及び排気風路は、4つのブロックを本体ケース10の内部空間に格納し、4つのブロックを格納することで画定する素子格納部90に熱交換素子60を格納することで形成される。つまり、換気装置1は、4つのブロックを連結する作業工程や4つのブロックを連結する部品などが不要であり、本体ケース10の矩形の内部空間に4つのブロックと熱交換素子60を納めるだけで給気風路及び排気風路を形成することが可能である。そのため、換気装置1は、その組立性を向上することができる。
【0056】
また、給気モータ73は、第一シャフト73aを除くロータやステータなどの構成部品が給気開口72aの上流側となるように屋内側ブロック30に着脱可能に配置される。つまり、給気モータ73の交換を行う作業者は、熱交換素子60を素子格納部90から取り外すことで、素子格納部90を介して容易に給気モータ73の交換を行うことができる。そのため、換気装置1は、そのメンテナンス性を向上することができる。
【0057】
また、排気モータ83は、第二シャフト83aを除くロータやステータなどの構成部品が排気開口82aの上流側となるように下流側排気ブロック50に着脱可能に配置される。つまり、排気モータ83の交換を行う作業者は、熱交換素子60を素子格納部90から取り外すことで、素子格納部90を介して容易に排気モータ83の交換を行うことができる。
【0058】
また、換気装置1は、第一側面61と給気開口72aとが対向して配置される。つまり、お互いの開口面が正面を向き合うことになるので、給気流吹出開口61aから給気開口72aへ至る給気流AF1の流れる向きが変化することを抑制できる。そのため、換気装置1は、熱交換素子60と給気用遠心送風機70との間の給気風路における圧力損失を低減できる。
【0059】
また、換気装置1は、第二側面62と排気開口82aをと対向して配置される。つまり、お互いの開口面が正面を向き合うことになるので、排気流吹出開口62aから排気開口82aへ至る排気流AF2の流れる向きが変化することを抑制できる。そのため、熱交換素子60と排気用遠心送風機80との間の排気風路における圧力損失を低減できる。
【0060】
パッキン91は、4つのブロックと熱交換素子との間の気密性を向上し、設計上の意図とは異なる部分へ給気流AF1及び排気流AF2が漏れる量を低減することができる。そのため、換気装置1は、パッキン91がない場合と比べて送風効率及び熱交換効率を向上することができる。
【0061】
また、OAダクト21とEAダクト22の中心距離とSAダクト31とRAダクト32の中心距離とに差異を設けることで、屋外側ブロック20を本体ケース10の内部空間へ格納する位置と屋内側ブロック30を本体ケース10の内部空間へ格納する位置とを容易に特定することが可能となる。そのため、換気装置1は、その組立性を向上することができる。
【0062】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1および2を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。
【0063】
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0064】
実施の形態1において、屋外側ブロック20を本体ケース10の内部空間へ格納した後、屋内側ブロック30を本体ケース10に格納する説明をしたが、屋内側ブロック30を本体ケース10の内部空間へ格納した後、屋外側ブロック20を本体ケース10の内部空間へ格納してもよい。
【0065】
実施の形態1において、上流側排気ブロック40を本体ケース10の内部空間へ格納した後、下流側排気ブロック50を本体ケース10の内部空間へ配置する説明をしたが、下流側排気ブロック50を本体ケース10の内部空間へ配置した後、上流側排気ブロック40を本体ケース10の内部空間へ配置してもよい。
【0066】
実施の形態1において、OAダクト21とEAダクト22の中心間距離は、SAダクト31とRAダクト32の中心間距離に比べて短いとしたが、OAダクト21とEAダクト22の中心間距離は、SAダクト31とRAダクト32の中心間距離に比べて長くしてもよい。
【0067】
(発明の概要)
本開示における換気装置1の概要を以下に記載する。
【0068】
換気装置1は、屋外から屋内へ流通する給気流AF1と屋内から屋外へ流通する排気流AF2との間で熱交換し、四側面(第一側面61、第二側面62、第三側面63及び第四側面64)を有する矩形の熱交換素子60と、給気流AF1を吸い込むOAダクト21と排気流AF2を吹き出すEAダクト22とを有する屋外側ブロック20と、給気流AF1を吹き出すSAダクト31と排気流AF2を吸い込むRAダクト32とを有する屋内側ブロック30と、RAダクト32と熱交換素子60とを連通する上流側排気風路41を有する上流側排気ブロック40と、EAダクト22と熱交換素子60とを連通する下流側排気風路51を有する下流側排気ブロック50と、内部空間にて四つのブロック(屋外側ブロック20、屋内側ブロック30、上流側排気ブロック40及び下流側排気ブロック50)と熱交換素子60の配置を画定する本体ケース10と、を備える。本体ケース10は、熱交換素子60における矩形の第一側面61に屋内側ブロック30を対向させて配置し、第一側面61に対向する第三側面63に屋外側ブロック20を対向させて配置し、第一側面61と第三側面63に隣接する第四側面64に上流側排気ブロック40を対向させるとともに上流側排気ブロック40の一端と他端とを屋外側ブロック20と屋内側ブロック30とに接続させて配置し、第一側面61と第三側面63に隣接する第二側面62に下流側排気ブロック50を対向させるとともに下流側排気ブロック50の一端と他端とを屋外側ブロック20と屋内側ブロック30に接続させて配置することで、四つのブロックに囲まれて形成された素子格納部90に熱交換素子60を位置させる。
【0069】
換気装置1は、第一シャフト73aを介して給気シロッコファン71を回動する給気モータ73と給気シロッコファン71を内包する給気ケーシング72とを有し給気流AF1を生成する給気用遠心送風機70と、第二シャフト83aを介して排気シロッコファン81を回動する排気モータ83と排気シロッコファン81を内包する排気ケーシング82とを有し排気流AF2を生成する排気用遠心送風機80と、を備える。給気モータ73及び排気モータ83は、素子格納部90を介して取り出し可能に配置される。
【0070】
第一シャフト73a及び第二シャフト83aは、給気モータ73及び排気モータ83からそれぞれ下流側へ向けて立設する。
【0071】
熱交換素子60は、第一側面61に給気流AF1を吹き出す給気流吹出開口61aと、第二側面62に排気流AF2を吹き出す排気流吹出開口62aと、を有する。給気ケーシング72は、給気流AF1を吸い込む給気開口72aが給気流吹出開口61aと対向して配置される。排気ケーシング82は、排気流AF2を吸い込む排気開口82aが排気流吹出開口62aと対向して配置される。
【0072】
換気装置1は、屋外側ブロック20、屋内側ブロック30、上流側排気ブロック40および下流側排気ブロック50の少なくとも一つと素子格納部90に格納された熱交換素子60とに当接するパッキンを備える。
【0073】
換気装置1は、OAダクト21とEAダクト22の中心間距離と、SAダクト31とRAダクト32の中心間距離とに差異を設けた。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本開示は、組立において給気風路及び排気風路の形成が煩雑となり得る換気装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 換気装置
10 本体ケース
10a ケース開孔
11 第一ケース側面
12 第二ケース側面
13 第三ケース側面
14 第四ケース側面
20 屋外側ブロック
21 OAダクト
22 EAダクト
30 屋内側ブロック
31 SAダクト
32 RAダクト
40 上流側排気ブロック
41 上流側排気風路
50 下流側排気ブロック
51 下流側排気風路
60 熱交換素子
61 第一側面
61a 給気流吹出開口
62 第二側面
62a 排気流吹出開口
63 第三側面
63a 給気流吸込開口
64 第四側面
64a 排気流吸込開口
65 取手
70 給気用遠心送風機
71 給気シロッコファン
72 給気ケーシング
72a 給気開口
73 給気モータ
73a 第一シャフト
80 排気用遠心送風機
81 排気シロッコファン
82 排気ケーシング
82a 排気開口
83 排気モータ
83a 第二シャフト
90 素子格納部
91 パッキン
AF1 給気流
AF2 排気流