(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133666
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】電気機器の筐体
(51)【国際特許分類】
H05K 7/00 20060101AFI20230920BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
H05K7/00 A
H05K5/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038768
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】水谷 衣里
(72)【発明者】
【氏名】上田 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】堀 達也
【テーマコード(参考)】
4E352
4E360
【Fターム(参考)】
4E352AA02
4E352AA16
4E352BB02
4E352CC07
4E352CC22
4E352DD06
4E352DD09
4E352DD12
4E352DD15
4E352DR02
4E352DR05
4E352DR19
4E352DR40
4E352GG12
4E352GG20
4E360BA08
4E360BB02
4E360BB12
4E360BB23
4E360BD02
4E360BD05
4E360EA18
4E360EB03
4E360EC11
4E360EC12
4E360ED23
4E360ED28
4E360FA02
4E360FA14
4E360GA07
4E360GA12
4E360GA41
4E360GB81
(57)【要約】
【課題】電源コードを収納する収納空間部を備えた電気機器の筐体において、電源コードの飛び出しを抑制しつつ、より簡便に収納と取り出しを行える電気機器の筐体を提供することを目的とする。
【解決手段】本体ケース1外へと延設される電源コード3と、本体ケース1の所定の側面に設けられた開口4と、開口4より本体ケース1の内側へ向けて形成され電源コード3を収納する収納空間部6と、を備え、収納空間部6は、開口4に面する主収納空間6bと、開口4に面さず主収納空間6bの上部に位置する副収納空間6cと、で構成され、収納された電源コード3が開口4から収納空間部6外へと飛び出すことを抑制するコード収納補助部6dを備える電気機器の筐体。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外郭を形成する本体ケースと、
前記本体ケース内に設けられ給電により所定機能を提供する機能提供部と、
前記機能提供部から前記本体ケース外へと延設される電源コードと、
前記本体ケースの所定の側面に設けられた開口と、
前記開口より前記本体ケースの内側へ向けて形成され前記電源コードを収納する収納空間部と、
前記開口を開閉する蓋部と、を備え、
前記収納空間部は、
前記開口に面する主収納空間と、
前記開口に面さず前記主収納空間の上部に位置する副収納空間と、で構成され、
収納された前記電源コードが前記開口から前記収納空間部外へと飛び出すことを抑制するコード収納補助部を備える電気機器の筐体。
【請求項2】
前記コード収納補助部は、
前記開口を含む前記主収納空間内に位置して前記電源コードの前記蓋部への接触を抑制する飛び出し抑制リブである請求項1記載の電気機器の筐体。
【請求項3】
前記電源コードは、
前記収納空間部の外部の所定位置より前記本体ケース外へと延設され、
コンセントに差し込み可能なプラグ部と、
前記機能提供部から前記プラグ部までを通電可能に接続する被覆コード部と、を備え、
前記収納空間部は、鉛直下方に底面を備え、
前記底面は、前記蓋部を閉じた際に、前記蓋部との間に前記被覆コード部が通過可能な隙間を備えた、請求項1に記載の電気機器の筐体。
【請求項4】
前記隙間と前記所定位置の距離は、前記隙間から前記収納空間部内に前記電源コードを収納する際に、前記被覆コード部の屈曲箇所に加わる負荷が一定値以下になる長さで設けられている、請求項3に記載の電気機器の筐体。
【請求項5】
前記底面は、前記蓋部に対向する一端の形状が円弧である、請求項2から4のいずれかに記載の電気機器の筐体。
【請求項6】
前記蓋部は前記開口に対して着脱可能である、請求項2から5のいずれかに記載の電気機器の筐体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気機器の筐体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電源コード収納は、空気清浄機能や除湿機能が取り付けられた電気機器の筐体に活用される。従来の電気機器として、装置本体の筐体内に電源コードを収納する電源コード収納部が設けられ、該収納部に対し蓋が開閉可能ないし着脱可能に設けられた電気機器であり、蓋の電源コード収納部側の側面に電源コードを巻き付けるためのガイドを設けたものが知られている。このような従来の電気機器では、電源コードをガイドに整然と巻き付けることで、電源コードを電源コード収納部へと収納を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の電気機器の筐体は、電源コードが電源コード収納部の外へと飛び出すことのないようにガイドへと電源コードを巻き付けるものである。これにより、電源コードの収納時にはガイドに巻き付ける動作が必要であり、電源コードの取り出し時にはガイドからほどく動作が必要であり、該動作の更なる簡便性が求められている。
【0005】
本発明は、電源コードの飛び出しを抑制しつつ、より簡便に収納と取り出しを行える電気機器の筐体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
外郭を形成する本体ケースと、前記本体ケース内に設けられ給電により所定機能を提供する機能提供部と、前記機能提供部から前記本体ケース外へと延設される電源コードと、前記本体ケースの所定の側面に設けられた開口と、前記開口より前記本体ケースの内側へ向けて形成され前記電源コードを収納する収納空間部と、前記開口を開閉する蓋部と、を備え、前記収納空間部は、前記開口に面する主収納空間と、前記開口に面さず前記主収納空間の上部に位置する副収納空間と、で構成され、収納された前記電源コードが前記開口から前記収納空間部外へと飛び出すことを抑制するコード収納補助部を備える電気機器の筐体により、所期の目的を達成する。
【発明の効果】
【0007】
上記の構成により、電源コードの収納空間部外への飛び出しを抑制しつつ、簡便に収納と取り出しを行える電源コード収納部を備えた電気機器の筐体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態における電気機器の筐体の背面側斜視図
【
図5】蓋部を取り外した状態における同筐体の背面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0010】
(実施の形態1)
以下、
図1~
図7を用いて本実施の形態に係る電気機器について説明する。
【0011】
最初に、
図1~
図4を参照しながら電気機器における機能提供部の構成を説明する。なお、
図1は本発明の実施の形態における電気機器の筐体30の背面側斜視図であり、
図2は電気機器の筐体30の正面側斜視図である。
図3は本発明の実施の形態における電気機器の筐体30の分解斜視図であり、
図4は電気機器の筐体30の断面概略図である。
【0012】
図1、
図2に示すように、電気機器の筐体30は、外郭を形成する箱形状の本体ケース1を備える。
【0013】
本体ケース1は、吸込口7と、吹出口8と、蓋部5と、を備え、内部に後述する機能提供部2を備える。
【0014】
吸込口7は、屋内空間の空気を本体ケース1内に吸い込むための開口であり、本体ケース1の正面に設けられている。
【0015】
吹出口8は、本体ケース1内から屋内空間に空気を吹き出すための開口であり、本体ケース1の上部(天面)に設けられている。吹出口の上方には、回動自在なルーバー14が備えられている。
【0016】
蓋部5は、本体ケース1の一部と接続して開口を開閉するものであるが、詳細は後述する。
【0017】
機能提供部2は、給電により所定機能を提供するものであり、本実施の形態においては吸込口7から吸い込んだ空気を除湿し、吹出口8から吹き出す機能(除湿機能)を提供する。
【0018】
続いて、
図3、
図4を用いて機能提供部2の詳細構造を説明する。
【0019】
機能提供部2は、給電により所定機能を提供するものであり、送風部9と、除湿手段10と、再生ユニット11と、貯水部12と、送風路13と、を備える。なお、本発明において機能提供部2は、所定機能として除湿機能を提供するものであるが、これは空気清浄機器の空気清浄機能などであってもよく、その機能を限定するものではない。
【0020】
送風部9は、吸込口7から吹出口8へと空気を導くものであり、本発明においてはシロッコファンである。
【0021】
除湿手段10は、除湿ロータ15と、支持枠16と、駆動手段17とを有している。
【0022】
除湿ロータ15は、円板形状であり、当該円板形状における中心軸が、除湿装置の稼働状態において水平かつ回転可能に立設され、駆動手段17により回転する。除湿ロータ15は、吸湿部18と、放湿部19と、を備える。
【0023】
吸湿部18は、除湿ロータ15の一部であり、送風路13内を通過する空気から水分を吸着する。
【0024】
放湿部19は、除湿ロータ15の一部であり、通過する空気へと水分を放出する。
【0025】
支持枠16は、本体ケース1における正面側と背面側とを仕切るように配置され、中央部には、円形の開口箇所16aを有している。除湿ロータ15は、本体ケース1における背面と支持枠16との間に配置され、支持枠16の開口箇所16aを塞ぐように、回動自在に設けられている。
【0026】
駆動手段17は、除湿ロータ15を回転させるものであり、本実施の形態においては電気によって駆動するモーターが用いられる。
【0027】
再生ユニット11は、循環風路20と、発熱部21と、熱交換器22と、循環送風機23とを有する。
【0028】
循環風路20は、循環送風機23と、発熱部21と、放湿部19と、熱交換器22と、をこの順に連通し、空気を通過させる環状の風路である。
【0029】
発熱部21は、電熱線を用いて熱を発生させるものであり、循環風路20内において放湿部19の一方側面(本体ケース1における背面側)に対向する位置に設けられている。発熱部21は、発熱することにより放湿部19を加熱し、放湿部19から循環風路20の下流側へ向けて水分を放出させている。
【0030】
熱交換器22は、放湿部19から放出された水分を含む循環風路20内の空気と、送風路13内の空気との間で熱交換を行うものである。熱交換器22は、本体ケース1において、除湿ロータ15と水平方向に隣り合うように配置されている。
【0031】
循環送風機23は、本体ケース1における背面と支持枠16との間に設けられ、循環風路20内で空気の循環を行うものであり、本発明においてはシロッコファンである。
【0032】
貯水部12は、本体ケース1の下方に着脱可能に設けられたタンクであり、送風路13および循環風路20内での凝縮により発生した水を集めて貯水するものである。
【0033】
送風路13は、吸込口7と吹出口8とを連通する風路であり、除湿風路13aと、冷却風路13bと、を備える。
【0034】
除湿風路13aは、本体ケース1の吸込口7と、放湿部19と、送風部9とをこの順に連通し、吹出口8に至る風路である。吸込口7から吸い込まれた空気は、放湿部19で水分が吸着され、除湿される。
【0035】
冷却風路13bは、本体ケース1の吸込口7と、熱交換器22と、送風部9とをこの順に連通し、吹出口8に至る風路である。吸込口7から吸い込まれた空気によって、熱交換器22を通過する循環風路内の空気が冷却される。除湿風路13aと冷却風路13bとを通過したそれぞれの空気は、送風部9で混合され、吹出口8から本体ケース外へ送風される。
【0036】
以上の構成において、機能提供部2の提供する除湿機能について説明する。
【0037】
送風部9により吸込口7から除湿風路13a内に吸引された屋内空間の空気は、吸湿部18により水分が吸湿されることで除湿される。除湿された空気は、吹出口8から屋内空間へと送風される。吸湿部18にて吸湿された水分は、除湿ロータ15の回転駆動により放湿部19に移動し、発熱部21の加熱により循環風路20内へ放出される。放湿部19から放出された水分を含んだ空気は、循環送風機23の送風により、熱交換器22へと送風される。熱交換器22では、熱交換器22内を通過する循環風路20内の空気と、熱交換器22を通過する冷却風路13b内の空気とが熱交換を行う。この際、循環風路20内の空気は、冷却風路13b内の空気により冷却され、凝縮が発生する。この凝縮で発生した水は、貯水部12に集められ貯水される。熱交換器22を冷却し、温度が上昇した冷却風路13bの空気は、送風部9により、除湿風路13aの空気と混合され吹出口8から屋内空間へ送風される。このようにして、屋内空間の空気の除湿がなされる。
【0038】
以上が、電気機器が備える機能提供部2が提供する機能の一例である。
【0039】
続いて、
図5、
図6を用いて電源収納部31の構成を説明する。なお、
図5は本発明の実施の形態における電気機器の筐体30の蓋部を取り外した状態における正面図であり、
図6は本発明の実施の形態における電気機器の筐体30の収納空間部を表す断面図である。
【0040】
本体ケース1は、更に電源収納部31を備えている。
【0041】
電源収納部31は、機能提供部2に電気を供給するための部品と、該部品を収納する空間とで構成され、開口4と、収納空間部6と、電源コード3と、を備えている。
【0042】
開口4は、本体ケース1の側面である背面に設けられており、鉛直上方向へと伸びる縦長の開口である。開口4は、電源コード3の収納空間部6に対する出入り口となる。なお、鉛直上方及び後述する鉛直下方とは、電気機器が動作可能に設置された状態における方向を示す。
【0043】
収納空間部6は、開口4より本体ケース1の内側へ向けて形成され、鉛直下方に底面6aを備えた箱形状の空間であり、電源コード3を収納するためのものである。収納空間部6は、主収納空間6bと、副収納空間6cと、コード収納補助部6dと、を備える。
【0044】
底面6aは、収納空間部6の鉛直下方に設けられた面であり、蓋部5を閉じた際に、蓋部5との間に後述する被覆コード部が通過可能な隙間25を備えている。
【0045】
主収納空間6bは、開口4に面し、本体ケース1の内側へ向けて空間を形成している。なお、主収納空間6bは、開口4に面していると同時に、その空間の境界に開口4を含んでいる。
【0046】
副収納空間6cは、主収納空間6bの鉛直上方向に連接されているが、開口4に面していない。ここで開口4に面していないとは、副収納空間6cの正面側には内壁28が配置されている。収納空間部6に収納された電源コード3は、一部が副収納空間6c内に収納される。
【0047】
コード収納補助部6dは、収納された電源コード3が開口4から収納空間部6外へと飛び出ることを抑制するものであるが詳細は後述する。
【0048】
電源コード3は、本体ケース1の使用される空間に設けられたコンセントに接続されることで機能提供部2へと電気を供給するものであり、プラグ部3aと、被覆コード部3bと、を備えている。電源コード3は、収納空間部6の外部において、収納空間部6より下方の所定位置より本体ケース1外へと延設されているものであり、電源コード固定部24によって本体ケース1の所定位置に固定されている。
【0049】
プラグ部3aは、被覆コード部3bの一方側の終端に設けられており、コンセントに接続可能な端子を備えている。プラグ部3aは、コンセント接続時に電気を被覆コード部3bへと送電する。
【0050】
被覆コード部3bは、一方側の終端がプラグ部3aに接続され、他方側の終端が機能提供部2へと電気を分配する電源基盤(図示せず)に接続されたケーブルである。被覆コード部3bは、芯線(図示せず)と、被覆体3cで構成されている。
【0051】
芯線は、プラグ部3aから電源基盤までを繋ぐ導電性の線である。
【0052】
被覆体3cは、素材として絶縁体が用いられており、芯線の周りを覆っている。被覆体3cは、芯線の保護と使用者への感電を防ぐためのものである。
【0053】
次に、本実施の形態における蓋部について説明する。
【0054】
蓋部5は、開口4の縁部に着脱可能なものであり、着脱によって開口4を開閉する(着脱方式)。蓋部5は、開口4を開放させた際に、副収納空間6cを暴露することなく主収納空間6bが出現し、収納空間部6への電源コード3の収納と取り出しが可能になる。
【0055】
次に、収納された電源コード3が開口4から収納空間部6外へと飛び出しを抑制するコード収納補助部6dの構成の一例を示す。
【0056】
本実施の形態において、コード収納補助部6dは、開口4を含む主収納空間6b内に設けられ、電源コード3の蓋部5への接触を抑制する飛び出し抑制リブ26である。
【0057】
図5に示すように、飛び出し抑制リブ26は、平面を有する略板状であり、開口4と同一平面上かつ開口4の高さ方向における中央近傍からやや下方に配置される。さらに詳しくは、飛び出し抑制リブ26は、蓋部5の内側であって開口4の周囲を形成する縁部側面から他方側の縁部側面に向けて所定距離伸びており、突出方向先端と他方側の縁部側面との間には電源コード3の通過が可能な幅の通過用空間29が維持されている。これにより、開口4の一部を電源コード3が出入り不可能となるように規制を行うものである。
【0058】
以上の構成において、電源コード3の収納空間部6への収納の手順について説明する。
【0059】
最初に、電源コード3を収納空間部6内へと収納可能な長さとなるように折り畳んで束状にまとめる。ここで収納可能な長さとは、主収納空間6bの高さと副収納空間6cの高さとの合計以下であり、かつ主収納空間6bの高さ以上を指す。折り畳む際、電源コード3にはあらかじめ適切な長さに折り畳めるよう、いわゆるクセが付与されているため容易に折り返しに適切な位置が特定できる。
次に、束状の電源コード3を蓋部5により開かれた状態の開口4から収納空間部6内へ侵入させる。この時、束状の電源コード3の上端を副収納空間6c内へと所定の距離を挿入しながら侵入させる。なお、電源コード3は開口4の飛び出し抑制リブ26によって遮蔽されていない位置、つまり前述の通過用空間29より侵入させる。次に、束状の電源コード3を飛び出し抑制リブ26の平面に対向する位置(
図5における左側)へと水平方向に移動させる。最後に、蓋部5により開口4を閉塞する。この時、被覆コード部3bは、隙間25を介して収納空間部6の内外へと伸びている。
【0060】
次に、電源コード3の収納空間部6外への飛び出しを抑制する仕組みについて説明する。
【0061】
上記の通り、電源コード3は、収納空間部6内に折り畳んだ束状で収納される。折り畳まれた電源コード3は、弾性力によって広がろうとするため、飛び出すことを抑制していない場合、蓋部5により開かれた状態の開口4より収納空間部6外へと飛び出す。本発明において、電源コード3は、飛び出し抑制リブ26に対向する位置に収納されている。これにより、弾性力によって広がる電源コード3は、飛び出し抑制リブ26に接触することで、飛び出しが抑制される。また、副収納空間6c内に収納された電源コード3の一部は、副収納空間6cが開口4と面しておらず、内壁28が存在するため、弾性力によって広がった際でも副収納空間6cの背面側の内壁28により飛び出しが抑制される。以上のように、飛び出し抑制リブ26と副収納空間6cの内壁28との2箇所で収納空間部6外への飛び出しの抑制を行うものである。これにより、電源コード3の飛び出しを防止することができる電気機器の筐体30を提供することができる。
【0062】
次に、電源コード3の収納空間部6からの取り出しの手順について説明する。
【0063】
最初に、蓋部5により開口4を開かれた状態とする。次に、束状の電源コード3を飛び出し抑制リブ26に対向していない位置へと水平方向に移動させる。次に、束状の電源コードを収納空間部6内より開口4の通過用空間29を介して取り出す。
【0064】
上記の通り、収納空間部6内に収納された電源コード3は、飛び出し抑制リブ26に対向していない位置へと水平方向に移動させるだけで取り出し可能となる。これにより、電源コードの飛び出しを防止しつつ、より簡便に収納と取り出しを行える電気機器の筐体30を提供することができる。
【0065】
また、蓋部5で開口を閉塞した状態において、電源コード3が弾性力によって広がり蓋部5へと接触した場合、蓋部5が外れ開口4より電源コード3が飛び出す可能性がある。本発明において、飛び出し抑制リブ26は、開口4もしくは開口4より内側の主収納空間6bに位置しているため、電源コード3は、弾性力によって広がった際に蓋部5へと接触することがない。これにより、更に電源コード3の飛び出しを防止することができる電気機器の筐体30を提供することができる。
【0066】
次に、
図7を用いて電源コードの収納においてさらなる安全を考慮した構成について説明をする。
【0067】
図7は本発明の実施の形態における電気機器の筐体の収納空間部の部分拡大断面図である。
【0068】
被覆コード部3bは、屈曲による負荷が一定値より大きくなると芯線が断線し、機能提供部2へと電気を供給できなくなる故障が生じうる。芯線の断線は、発火などの複数の不安全に繋がる恐れがある。本実施の形態において、被覆コード部3bは、隙間25を介して収納空間部6に収納されるものであり、本体ケース1外へと延設される所定位置から隙間25の距離が近いほど屈曲させる角度が鋭角に近づき、屈曲による負荷が大きくなる。
【0069】
上記の不安全を防止するために、隙間25は、隙間25から収納空間部6内に電源コード3を収納する際に、被覆コード部3bの屈曲箇所に加わる負荷が一定値以下になるような長さとなる位置に設けられることが望ましい。なお、屈曲箇所とは所定位置から隙間25の間に位置する箇所のことを指す。なお、一定値とは、例えば所定箇所から隙間25が半径38mm、水平に対して角度25度の位置に設けた際に屈曲箇所へかかる負荷より小さい値である。
【0070】
以上の構成としたことにより、芯線の断線を抑制し、安全性が向上した電気機器の筐体30を提供することができる。
【0071】
また、底面6aは、蓋部5に対向する一端27の形状が円弧であることが望ましい。
【0072】
被覆コード部3bは、隙間25を介して収納空間部6に収納される際に、蓋部5に対向する一端27に接触する。一端27の形状を丸みのある円弧とすることにより、隙間25を通過する被覆コード部3bの形状を円弧と同様に丸みのある形とすることができる。これにより、一端27の形状を丸みのない形状とした場合に比べ、被覆コード部3bの屈曲角度は比較的緩やかになる。
【0073】
以上の構成としたことにより、芯線の断線を抑制し、安全性が向上した電気機器の筐体30を提供することができる。
【0074】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素あるいは各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。前述の実施の形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施の形態の」「実施の形態では」等との表記を付して説明しているが、そのような表記のない内容に設計変更が許容されないわけではない。特に、本実施の形態において、電源コード3は、収納空間部6の内部より本体ケース1外へ向けて延設されるものであってもよく、これは発明の実施者が適宜選択できるものである。また、本実施の形態において、蝶番で止められた部分を軸に弧を描いて開閉する開き戸方式であってもよく、これは発明の実施者が適宜選択できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0075】
家庭用の電気機器の筐体の電源コード収納を目的とした活用が期待されるものである。
【符号の説明】
【0076】
1 本体ケース
2 機能提供部
3 電源コード
3a プラグ部
3b 被覆コード部
3c 被覆体
4 開口
5 蓋部
6 収納空間部
6a 底面
6b 主収納空間
6c 副収納空間
6d コード収納補助部
7 吸込口
8 吹出口
9 送風部
10 除湿手段
11 再生ユニット
12 貯水部
13 送風路
13a 除湿風路
13b 冷却風路
14 ルーバー
15 除湿ロータ
16 支持枠
16a 開口箇所
17 駆動手段
18 吸湿部
19 放湿部
20 循環風路
21 発熱部
22 熱交換器
23 循環送風機
24 電源コード固定部
25 隙間
26 飛び出し抑制リブ
27 一端
28 内壁
29 通過用空間
30 電気機器の筐体
31 電源収納部