(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133672
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】ファイル提供システム、ファイル提供方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20230920BHJP
G06F 21/62 20130101ALI20230920BHJP
【FI】
H04N1/00 838
H04N1/00 L
G06F21/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038778
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(72)【発明者】
【氏名】上野 将義
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA14
5C062AA17
5C062AA27
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB25
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC38
5C062AC41
5C062AE03
5C062AE14
5C062AE15
5C062AF01
5C062AF12
5C062AF14
5C062BC05
(57)【要約】
【課題】 簡易な手順でスキャナを適切に共用できるシステムを提供する。
【解決手段】 ファイル提供システムは、ファイル生成装置と、このファイル生成装置により生成されたデータファイルを提供するファイル提供装置とを含み、前記ファイル生成装置は、データファイルを要求する要求端末が、前記ファイル生成装置と同一のネットワークに接続していることを条件として、認証情報を生成する認証情報生成部と、前記認証情報生成部により生成された認証情報を、前記要求端末及び前記ファイル提供装置に送信する認証情報送信部とを有し、前記ファイル提供装置は、前記認証情報送信部により送信された認証情報と、前記要求端末から受信した認証情報とに基づいて認証を行う認証部と、前記認証部による認証に成功した場合に、前記ファイル生成装置により生成されたデータファイルを前記要求端末に送信するファイル送信部とを有する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイル生成装置と、このファイル生成装置により生成されたデータファイルを提供するファイル提供装置とを含むファイル提供システムであって、
前記ファイル生成装置は、
データファイルを要求する要求端末が、前記ファイル生成装置と同一のネットワークに接続していることを条件として、認証情報を生成する認証情報生成部と、
前記認証情報生成部により生成された認証情報を、前記要求端末及び前記ファイル提供装置に送信する認証情報送信部と
を有し、
前記ファイル提供装置は、
前記認証情報送信部により送信された認証情報と、前記要求端末から受信した認証情報とに基づいて認証を行う認証部と、
前記認証部による認証に成功した場合に、前記ファイル生成装置により生成されたデータファイルを前記要求端末に送信するファイル送信部と
を有する
ファイル提供システム。
【請求項2】
前記ファイル提供装置は、
前記認証部による認証に成功した要求端末を、他の端末に対してデータファイルの閲覧権限を付与できる端末として登録する権限登録部
をさらに有し、
前記ファイル送信部は、前記権限登録部により登録された要求端末から閲覧権限が付与された他の端末に対して、前記ファイル生成装置により生成されたデータファイルを送信する
請求項1に記載のファイル提供システム。
【請求項3】
前記ファイル生成装置は、Webサーバ機能を有するスキャナであり、
前記認証情報送信部は、前記要求端末からのWebアクセスに応じて、前記認証情報生成部により生成された認証情報を前記要求端末に返信する
請求項2に記載のファイル提供システム。
【請求項4】
前記ファイル生成装置は、
このファイル生成装置にWebアクセスするためのWebアクセス情報を、このファイル生成装置を識別する装置識別情報に関連付けて前記ファイル提供装置に登録するアクセス情報登録部
をさらに有し、
前記ファイル提供装置は、
前記要求端末から装置識別情報を受信した場合に、受信した装置識別情報に関連付けられたWebアクセス情報を前記要求端末に通知するアクセス情報通知部
をさらに有する
請求項3に記載のファイル提供システム。
【請求項5】
前記ファイル生成装置は、
前記ファイル生成装置を初期化するための初期化操作が行われた場合に、このファイル生成装置の装置識別情報を前記ファイル提供装置に送信して、このファイル生成装置に関する情報の初期化を指示する初期化指示部
をさらに有し、
前記ファイル提供装置は、
前記初期化指示部からの指示に応じて、受信した装置識別情報に関連付けられた登録情報を初期化する初期化部
をさらに有する
請求項4に記載のファイル提供システム。
【請求項6】
ファイル生成装置と、このファイル生成装置により生成されたデータファイルを提供するファイル提供装置とを含むファイル提供方法であって、
前記ファイル生成装置が、データファイルを要求する要求端末が、前記ファイル生成装置と同一のネットワークに接続していることを条件として、認証情報を生成する認証情報生成ステップと、
前記ファイル生成装置が、前記認証情報生成ステップにより生成された認証情報を、前記要求端末及び前記ファイル提供装置に送信する認証情報送信ステップと、
前記ファイル提供装置が、前記認証情報送信ステップにより送信された認証情報と、前記要求端末から受信した認証情報とに基づいて認証を行う認証ステップと、
前記ファイル提供装置が、前記認証ステップによる認証に成功した場合に、前記ファイル生成装置により生成されたデータファイルを前記要求端末に送信するファイル送信ステップと
を有するファイル提供方法。
【請求項7】
ファイル生成装置と、このファイル生成装置により生成されたデータファイルを提供するファイル提供装置とを含むファイル提供システムにおいて、
データファイルを要求する要求端末が、前記ファイル生成装置と同一のネットワークに接続していることを条件として、認証情報を生成する認証情報生成ステップと、
前記認証情報生成ステップにより生成された認証情報を、前記要求端末及び前記ファイル提供装置に送信する認証情報送信ステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイル提供システム、ファイル提供方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、デジタル複合機103のストレージ104にスキャンして得られたスキャンデータを保存し、スキャンデータ処理モジュール502は、スキャンを実行したデジタル複合機103及びスキャンを実行したユーザに関するスキャン情報を管理サーバ101に送信し、スキャン情報管理モジュール522は、送信されたスキャン情報を記憶管理することで、ユーザは、クライアント端末102からスキャンデータ取得モジュール541によって管理サーバ101へ自身のスキャンデータの保管先をスキャン情報に基づいて特定することが可能となり、クライアント端末102においてスキャンを実行した複合機103からスキャンデータを取得する画像処理システムが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、制御ユニットと前記制御ユニットに対応付けられた画像入力デバイスとをネットワークを介して制御する画像入力デバイス制御装置であって、認証情報を取得する認証情報取得手段と、画像データを格納する画像データ格納手段と、前記認証情報取得手段で取得した前記認証情報に応じたアクセス権を設定した記憶領域を前記画像データ格納手段内に生成する記憶領域生成手段と、前記画像入力デバイスから前記画像データを取得し、前記記憶領域生成手段で生成した前記記憶領域に格納する画像取得手段と、を備えることを特徴とする画像入力デバイス制御装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献3には、スキャナ10は、1回のNFC通信を利用して、仲介サーバ50にログインするためのアカウント情報AC1と、保存サーバ100にログインするためのアカウント情報AC2と、の双方を携帯端末150から受信し、スキャナ10は、アカウント情報AC1を利用して仲介サーバ50にログインした後に、仲介サーバ50からスキャン指示を受信する場合に、スキャンデータを仲介サーバ50に送信し、スキャナ10は、アカウント情報AC1,AC2が関連付けられる状態で、アカウント情報AC2を仲介サーバ50に送信し、仲介サーバ50は、アカウント情報AC2を利用して保存サーバ100にログインして、スキャンデータを保存サーバ100に送信する通信システムが開示されている。
【0005】
また、特許文献4には、クラウドサーバへのログイン情報を使用して、画像読取装置によって生成されるスキャンデータをクラウドサーバに記憶するためのジョブの内容を格納するデータファイルであるスキャンクラウドチケットを受信するスキャンクラウドチケット受信部と、スキャンクラウドチケットの受信に応じてジョブを起動するための起動操作を入力する起動操作入力部と、起動操作の入力に応じて画像読み取りを行ってスキャンデータを生成するスキャンデータ生成部と、スキャンクラウドチケットからログイン情報を取得して、取得したログイン情報を使用してクラウドサーバにログインするログイン処理部と、スキャンデータを画像読取装置からクラウドサーバにアップロードするアップロード処理部とを備える画像読取装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011-135522
【特許文献2】特開2011-139341
【特許文献3】特開2014-197820
【特許文献4】特開2017-188880
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
簡易な手順でファイル生成装置を適切に共用できるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るファイル提供システムは、ファイル生成装置と、このファイル生成装置により生成されたデータファイルを提供するファイル提供装置とを含むファイル提供システムであって、前記ファイル生成装置は、データファイルを要求する要求端末が、前記ファイル生成装置と同一のネットワークに接続していることを条件として、認証情報を生成する認証情報生成部と、前記認証情報生成部により生成された認証情報を、前記要求端末及び前記ファイル提供装置に送信する認証情報送信部とを有し、前記ファイル提供装置は、前記認証情報送信部により送信された認証情報と、前記要求端末から受信した認証情報とに基づいて認証を行う認証部と、前記認証部による認証に成功した場合に、前記ファイル生成装置により生成されたデータファイルを前記要求端末に送信するファイル送信部とを有する。
【0009】
好適には、前記ファイル提供装置は、前記認証部による認証に成功した要求端末を、他の端末に対してデータファイルの閲覧権限を付与できる端末として登録する権限登録部をさらに有し、前記ファイル送信部は、前記権限登録部により登録された要求端末から閲覧権限が付与された他の端末に対して、前記ファイル生成装置により生成されたデータファイルを送信する。
【0010】
好適には、前記ファイル生成装置は、Webサーバ機能を有するスキャナであり、前記認証情報送信部は、前記要求端末からのWebアクセスに応じて、前記認証情報生成部により生成された認証情報を前記要求端末に返信する。
【0011】
好適には、前記ファイル生成装置は、このファイル生成装置にWebアクセスするためのWebアクセス情報を、このファイル生成装置を識別する装置識別情報に関連付けて前記ファイル提供装置に登録するアクセス情報登録部をさらに有し、前記ファイル提供装置は、前記要求端末から装置識別情報を受信した場合に、受信した装置識別情報に関連付けられたWebアクセス情報を前記要求端末に通知するアクセス情報通知部をさらに有する。
【0012】
好適には、前記ファイル生成装置は、前記ファイル生成装置を初期化するための初期化操作が行われた場合に、このファイル生成装置の装置識別情報を前記ファイル提供装置に送信して、このファイル生成装置に関する情報の初期化を指示する初期化指示部をさらに有し、前記ファイル提供装置は、前記初期化指示部からの指示に応じて、受信した装置識別情報に関連付けられた登録情報を初期化する初期化部をさらに有する。
【0013】
また、本発明に係るファイル提供方法は、ファイル生成装置と、このファイル生成装置により生成されたデータファイルを提供するファイル提供装置とを含むファイル提供方法であって、前記ファイル生成装置が、データファイルを要求する要求端末が、前記ファイル生成装置と同一のネットワークに接続していることを条件として、認証情報を生成する認証情報生成ステップと、前記ファイル生成装置が、前記認証情報生成ステップにより生成された認証情報を、前記要求端末及び前記ファイル提供装置に送信する認証情報送信ステップと、前記ファイル提供装置が、前記認証情報送信ステップにより送信された認証情報と、前記要求端末から受信した認証情報とに基づいて認証を行う認証ステップと、前記ファイル提供装置が、前記認証ステップによる認証に成功した場合に、前記ファイル生成装置により生成されたデータファイルを前記要求端末に送信するファイル送信ステップとを有する。
【0014】
また、本発明に係るプログラムは、ファイル生成装置と、このファイル生成装置により生成されたデータファイルを提供するファイル提供装置とを含むファイル提供システムにおいて、データファイルを要求する要求端末が、前記ファイル生成装置と同一のネットワークに接続していることを条件として、認証情報を生成する認証情報生成ステップと、前記認証情報生成ステップにより生成された認証情報を、前記要求端末及び前記ファイル提供装置に送信する認証情報送信ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0015】
簡易な手順でファイル生成装置を適切に共用できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】ファイル提供システム1の全体構成を例示する図である。
【
図2】ファイル提供システム1における処理の概要を説明する図である。
【
図3】ファイル提供サーバ2のハードウェア構成を例示する図である。
【
図4】スキャナ4のうち、制御部分のハードウェア構成を中心に例示する図である。
【
図5】ファイル提供サーバ2の機能構成を例示する図である。
【
図7】ファイル提供サーバ2の装置情報DB370に格納される情報を例示する図である。
【
図8】ファイル提供システム1における初回アクセス時の全体動作(S10)を説明するシーケンス図である。
【
図9】ファイル提供サーバ2における2回目以降のアクセス処理(S20)を説明するフローチャートである。
【
図10】スキャナ4におけるスキャナ初期化処理(S30)を説明するフローチャートである。
【
図11】ユーザ追加画面800、ログイン画面802、データ表示画面804及びスキャン画面806を例示する図である。
【
図12】管理者画面及び初期化画面を例示する図である。
【
図13】リクエスト改ざんによる不正アクセスを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、ファイル提供システム1の全体構成を例示する図である。
図1に例示するように、ファイル提供システム1は、ファイル提供サーバ2と、スキャナ4と、ユーザ端末6とを含み、スキャナ4及びユーザ端末6は、インターネット7を介してファイル提供サーバ2に接続している。本例では、スキャナ4及びユーザ端末6Aが同一のローカルエリアネットワーク70A(LAN70A)に接続しており、このLAN70A及びインターネット7を介してファイル提供サーバ2に接続している。LAN70Aは、ルータ72Aを介してインターネット7に接続しており、ルータ72Bを介してインターネット7に接続するLAN70Bとは異なるネットワークである。つまり、ユーザ端末6Aは、ユーザ端末6Bとは異なるネットワークに属するコンピュータ端末である。
ファイル提供サーバ2は、サーバ装置であり、スキャナ4から受信したデータファイルを一時保存場所に格納し、ユーザ端末6からの要求に応じて、一時保存場所に格納していたデータファイルをユーザ端末6に返信する。
スキャナ4は、原稿から光学的に画像を読み取る画像読取装置である。スキャナ4は、WiFiにより直接ネットワーク(LAN70)に接続してもよいし、コンピュータ端末を介してネットワーク(LAN70)に接続してもよい。また、スキャナ4は、原稿から読み取った画像データそのものをファイル提供サーバ2に送信してもよいし、原稿から読み取った画像データに対してOCR処理等のデータ処理を行い、その処理結果をファイル提供サーバ2に送信してもよい。
ユーザ端末6は、ユーザが操作するコンピュータ端末であり、例えば、タブレット端末やスマートフォンなどである。
【0018】
上記構成において、ユーザ端末6からスキャナ4を簡易に利用したい。具体的には、スキャナ4のドライバソフトウェアなどをユーザ端末6にインストールすることなく、スキャナ4を利用したい。
また、ユーザは、アカウント情報(ユーザID及びパスワードなど)の管理を面倒であると感じているため、アカウント登録レスで、スキャナ4を利用できるようにしたい。アカウント登録レスの1つの方法として、Webアプリのログイン情報としてスキャナ4のシリアル番号を使う方法が考えられる。しかし、シリアル番号は容易に推測が可能であるため、スキャナ4を所有していない第三者がデータに不正アクセスすることが可能である。
また、Webアプリの制約上、ネイティブアプリとは異なりスキャナ情報へ直接アクセスができない。そのため、ユーザが入力したシリアル番号に対応する利用デバイス(スキャナ4)とつながっているかどうかをアプリ側で判定できない。
【0019】
そこで、本実施形態のファイル提供システム1では、
図2に例示するように、以下の3点を利用することで、第三者による不正アクセスを防止し、かつ、ユーザ端末6のWebアプリからスキャナ4にアクセスができるようにする。
(1)ユーザーがスキャナ4のシリアル番号を知っていること
(2)スキャナ4とユーザ端末6が同一ネットワーク上に存在すること(外部からのアクセスを防ぐ)
(3)スキャナ4の内部でWebサーバ(URLはプライベートIPアドレスを基に生成)を立てること(Webアプリとスキャナ4との間の通信経路を用意)
さらに、ユーザ端末6のWebアプリと、スキャナ4との間の通信時に、スキャナ4側でワンタイムパスワードを生成する。それを三者間(スキャナ4、ファイル提供サーバ2、ユーザ端末6のWebアプリ)で共有する。そして、ファイル提供サーバ2は、ユーザがスキャナ4を所有しているかどうかを判定し、所有している場合のみ、このスキャナ4で生成されたデータファイルへのアクセスを許可する。
【0020】
図3は、ファイル提供サーバ2のハードウェア構成を例示する図である。なお、ファイル提供サーバ2は、本発明に係るファイル提供装置の一例である。
図3に例示するように、ファイル提供サーバ2は、CPU200、メモリ202、HDD204、ネットワークインタフェース206(ネットワークIF206)、表示装置208、及び、入力装置210を有し、これらの構成はバス212を介して互いに接続している。
CPU200は、例えば、中央演算装置である。
メモリ202は、例えば、揮発性メモリであり、主記憶装置として機能する。
HDD204は、例えば、ハードディスクドライブ装置であり、不揮発性の記録装置としてコンピュータプログラム(例えば、
図5のサーバプログラム3)やその他のデータファイルを格納する。
ネットワークIF206は、有線又は無線で通信するためのインタフェースであり、例えば、インターネット7への接続を実現する。
表示装置208は、例えば、液晶ディスプレイである。
入力装置210は、例えば、キーボード及びマウスである。
なお、本例では、ファイル提供サーバ2が実体を伴うサーバ装置である場合を具体例として説明しているが、これに限定されるものではなく、例えば、クラウドサーバであってもよい。
【0021】
図4は、スキャナ4のうち、制御部分のハードウェア構成を中心に例示する図である。
図4に例示するように、スキャナ4は、CPU400、揮発性のメモリ402、不揮発性メモリ404、ネットワークインタフェース406(ネットワークIF406)、及び、タッチパネル408を有し、これらの構成はバス412を介して互いに接続している。
CPU400は、例えば、中央演算装置である。
メモリ402は、例えば、揮発性メモリであり、主記憶装置として機能する。
不揮発性メモリ404は、例えば、不揮発性の記録装置としてコンピュータプログラム(例えば、
図6のスキャナプログラム5)やその他のデータファイルを格納する。
ネットワークIF406は、有線又は無線で通信するためのインタフェースである。
タッチパネル408は、例えば、液晶タッチパネルである。
【0022】
図5は、ファイル提供サーバ2の機能構成を例示する図である。
図5に例示するように、本例のファイル提供サーバ2には、サーバプログラム3がインストールされ、動作すると共に、装置情報データベース370(装置情報DB370)が構成されている。サーバプログラム3は、例えば、CD-ROM等の記録媒体に格納されており、この記録媒体を介して、ファイル提供サーバ2にインストールされる。
サーバプログラム3は、装置情報登録部300、アクセス情報通知部310、認証部320、権限登録部330、初期化部340、及びファイル返信部350を有する。
なお、サーバプログラム3の一部又は全部は、ASICなどのハードウェアにより実現されてもよく、また、OS(Operating System)の機能を一部借用して実現されてもよい。
【0023】
サーバプログラム3において、装置情報登録部300は、ファイル生成装置に関する情報を、ファイル生成装置を識別する装置識別情報に関連付けて装置情報DB370に登録する。本例の装置情報登録部300は、スキャナ4にアクセスするためのアクセス情報(URL)を、このスキャナ4のシリアル番号に関連付けて装置情報DB370に登録する。
【0024】
アクセス情報通知部310は、ユーザ端末6(要求端末)から装置識別情報を受信した場合に、受信した装置識別情報に関連付けられたWebアクセス情報をこのユーザ端末6に通知する。Webアクセス情報は、例えば、URLである。本例のアクセス情報通知部310は、ユーザ端末6のWebアプリを介してスキャナ4のシリル番号を受信した場合に、受信したシリアル番号に関連付けられたURLを装置情報DB370から読み出し、読み出されたURLをこのユーザ端末6に返信し、このURLに対応するスキャナ4にリダイレクトさせる。
【0025】
認証部320は、スキャナ4(
図6の認証情報送信部520)から受信した認証情報と、ユーザ端末6から受信した認証情報とに基づいて認証を行う。本例の認証部320は、スキャナ4から受信されたワンタイムパスワードと、所定の期間内にユーザ端末6から受信したワンタイムパスワードとを比較し、これらのワンタイムパスワードが一致した場合に、認証成功と判定する。
【0026】
権限登録部330は、認証部320による認証に成功したユーザ端末6を、他の端末に対してデータファイルの閲覧権限を付与できる管理者権限端末として装置情報DB370に登録する。管理者権限には、他の端末に対してデータファイルの閲覧権限を付与する権限と、スキャナ4により生成されたデータファイルを閲覧・取得する権限とが含まれている。本例の権限登録部330は、認証部320による認証に成功したユーザ端末6のCookieを管理者権限端末のCookieとして装置情報DB370に登録する。
【0027】
初期化部340は、スキャナ4(
図6の初期化指示部540)からの指示に応じて、受信した装置識別情報に関連付けられた登録情報を初期化する。本例の初期化部340は、スキャナ4(
図6の初期化指示部540)から受信したシリアル番号に関連付けられた情報を、装置情報DB370から消去する。
【0028】
ファイル返信部350は、権限登録部330により管理者権限が付与されたユーザ端末6(すなわち、認証部320による認証に成功したユーザ端末6)に対して、スキャナ4により生成されたデータファイルを送信する。本例のファイル返信部350は、権限登録部330により管理者権限が付与されたユーザ端末6に対して、このユーザ端末6を指定してスキャナ4によりスキャンされたスキャンデータのリストを返信し、リストの中から選択されたスキャンデータをユーザ端末6に送信する。
また、ファイル返信部350は、権限登録部330により管理者権限が付与されたユーザ端末6から閲覧権限が付与された他の端末に対して、スキャナ4により生成されたデータファイルを送信する。本例のファイル返信部350は、管理者権限が付与されたユーザ端末6を指定してスキャナ4によりスキャンされたスキャンデータのリストを、閲覧権限を付与した他の端末に返信し、リストの中から選択されたスキャンデータを当該端末に送信する。
【0029】
図6は、スキャナ4の機能構成を例示する図である。
図6に例示するように、本例のスキャナ4には、スキャナプログラム5がインストールされ、動作する。本例のスキャナプログラム5は、スキャナ4に予めインストールされているが、これに限定されるものではなく、例えば、CD-ROM等の記録媒体に格納されており、この記録媒体を介して、スキャナ4にインストールされてもよい。
スキャナプログラム5は、アクセス情報登録部500、認証情報生成部510、認証情報送信部520、Webサーバ生成部530、初期化指示部540、データファイル生成部550、及びデータファイル転送部560を有する。
なお、スキャナプログラム5の一部又は全部は、ASICなどのハードウェアにより実現されてもよく、また、OS(Operating System)の機能を一部借用して実現されてもよい。
【0030】
スキャナプログラム5において、アクセス情報登録部500は、自機(スキャナ4)にWebアクセスするためのWebアクセス情報を、このスキャナ4を識別する装置識別情報に関連付けてファイル提供サーバ2に登録する。本例のアクセス情報登録部500は、自機(スキャナ4)のプライベートIPアドレスを基に生成されたURLを、このスキャナ4のシリアル番号に関連付けてファイル提供サーバ2に登録する。
【0031】
認証情報生成部510は、データファイルを要求するユーザ端末6が、自機(スキャナ4)と同一のネットワーク(LAN70)に接続していることを条件として、認証情報を生成する。本例の認証情報生成部510は、データファイルを要求するユーザ端末6が、自機(スキャナ4)と同一のLAN70に接続していることを条件として、所定の期間だけ有効となるワンタイムパスワードを生成する。
【0032】
認証情報送信部520は、認証情報生成部510により生成された認証情報を、ユーザ端末6及びファイル提供サーバ2に送信する。本例の認証情報送信部520は、認証情報生成部510により生成されたワンタイムパスワードを、データファイルを要求しているユーザ端末6、及び、ファイル提供サーバ2に送信する。
【0033】
Webサーバ生成部530は、自機(スキャナ4)内にWebサーバの機能を起動させる。本例のWebサーバ生成部530は、自機(スキャナ4)のプライベートIDアドレスを用いたWebサーバを生成し、同一LAN内のユーザ端末6からのWebリクエストに対応する機能を実現させる。
【0034】
初期化指示部540は、スキャナ4を初期化するための初期化操作が行われた場合に、このスキャナ4の装置識別情報をファイル提供サーバ2に送信して、このスキャナ4に関する情報の初期化を指示する。本例の初期化指示部540は、ユーザによる初期化操作が行われた場合に、このスキャナ4のシリアル番号及びユーザ名をファイル提供サーバ2に送信して、このシリアル番号及びユーザ名に関連付けられた情報を装置情報DB370から消去させる。
【0035】
データファイル生成部550は、スキャナ4を制御して、データファイルを生成する。本例のデータファイル生成部550は、ユーザによるスキャン操作に応じて、スキャナ4を制御して、原稿から画像データを読み取り、読み取られた画像データに基づいてスキャンデータを生成する。スキャンデータは、所定の画像処理が施された画像データであってもよいし、画像データからOCR処理により抽出された文字列情報であってもよい。
【0036】
データファイル転送部560は、データファイル生成部550により生成されたデータファイルを、スキャナ4の装置識別情報に関連付けてファイル提供サーバ2に転送する。本例のデータファイル転送部560は、データファイル生成部550により生成されたスキャンデータを、スキャナ4のシリアル番号及びユーザ名に関連付けてファイル提供サーバ2に転送する。転送されたスキャンデータは、シリアル番号及びユーザ名に関連付けて装置情報DB370に一時保存される。
【0037】
図7は、ファイル提供サーバ2の装置情報DB370に格納される情報を例示する図である。
図7に例示するように、ファイル提供サーバ2は、装置管理情報と、ファイル管理情報とを格納する。
装置管理情報には、スキャナ4を識別するシリアル番号と、このスキャナ4にアクセスするためのURLと、このスキャナ4から受信したワンタイムパスワードと、このワンタイムパスワードで認証に成功したユーザ端末6のCookieとが互いに関連付けて登録される。
ファイル管理情報には、スキャナ4から転送されたファイルの識別情報と、このファイルに関して管理者権限を有するユーザ端末のCookieと、このファイルに関して閲覧権限を有するユーザ端末のCookieとが互いに関連付けて登録される。
【0038】
図8は、ファイル提供システム1における初回アクセス時の全体動作(S10)を説明するシーケンス図である。
図8に例示するように、ステップ100(S100)において、ユーザがスキャナ4のタッチパネル408を操作して、スキャナ4にユーザを追加する。具体的には、スキャナ4は、
図11(A)に例示するユーザ追加画面800をタッチパネル408に表示して、ユーザ名の入力操作を受け付ける。
ステップ102(S102)において、スキャナ4(Webサーバ生成部530)は、自機(スキャナ4)内にWebサーバを起動させる。WebサーバのIPアドレスは、プライベートIPアドレスである。
ステップ104(S104)において、スキャナ4(アクセス情報登録部500)は、起動したWebサーバにアクセスするためのURLと、自機(スキャナ4)のシリアル番号を、ファイル提供サーバ2に通知する。
【0039】
ステップ106(S106)において、ファイル提供サーバ2(装置情報登録部300)は、スキャナ4から通知されたURL及びシリアル番号を互いに関連付けて装置情報DB370に登録する。
ステップ108(S108)において、ファイル提供サーバ2は、URL及びシリアル番号の登録が完了した旨をスキャナ4に通知する。
ステップ110(S110)において、スキャナ4は、ファイル提供サーバ2側の準備が完了した旨を表示して、ユーザ端末6のWebアプリでログインすることを促す。
【0040】
ステップ112(S112)において、ユーザ端末6は、Webアプリを起動させて、スキャナ4のシリアル番号を入力する。具体的には、ユーザ端末6は、
図11(B)に例示するログイン画面802を表示して、スキャナ4のシリアル番号の入力を受け付ける。
ステップ114(S114)において、ユーザ端末6は、入力されたシリアル番号をファイル提供サーバ2に送信する。
ステップ116(S116)において、ファイル提供サーバ2(アクセス情報通知部310)は、ユーザ端末6から受信したシリアル番号に関連付けられているURLを、装置情報DB370から読み出し、読み出されたURLをユーザ端末6に返信する。
【0041】
ステップ118(S118)において、ユーザ端末6は、ファイル提供サーバ2から受信したURLに基づいて、自動的にスキャナ4にアクセスする。
ステップ120(S120)において、スキャナ4(認証情報生成部510)は、Webアクセスしてきたユーザ端末6が同一ネットワーク(LAN70A)に接続していることを条件として、ワンタイムパスワードを生成する。
ステップ122(S122)において、スキャナ4(認証情報送信部520)は、生成されたワンタイムパスワードをファイル提供サーバ2に通知する。
ステップ124(S124)において、スキャナ4(認証情報送信部520)は、さらに、同じワンタイムパスワードをユーザ端末6に通知する。
【0042】
ステップ126(S126)において、ユーザ端末6は、スキャナ4から通知されたワンタイムパスワードを用いて、ファイル提供サーバ2に認証要求を行う。
ステップ128(S128)において、ファイル提供サーバ2(認証部320)は、スキャナ4から通知されたワンタイムパスワードと、ユーザ端末6から受信したワンタイムパスワードを比較して、認証処理を行う。
ステップ130(S130)において、ファイル提供サーバ2(権限登録部330)は、認証に成功したユーザ端末6のCookieを、管理者権限を有する端末のものとして装置情報DB370に登録する。
【0043】
ステップ132(S132)において、ファイル提供サーバ2は、ユーザ追加が正常に完了した旨をユーザ端末6に通知する。ユーザ追加が完了すると、
図11(D)に例示するように、スキャナ4のタッチパネル408には、ユーザ名が追加されたスキャン画面806が表示される。
ステップ134(S134)において、ユーザ端末6は、スキャンデータを要求する。
ステップ136(S136)において、ファイル提供サーバ2(ファイル送信部350)は、スキャンデータを要求してきたユーザ端末6のCookieに基づいて、管理者権限を有する端末であることを特定すると、このユーザ名でスキャナ4によりスキャンされたスキャンデータのリストをユーザ端末6に返信する。これにより、
図11(C)に例示するデータ表示画面804がユーザ端末6上に表示され、データ一覧の中から、所望のスキャンデータを取得できる。
【0044】
図9は、ファイル提供サーバ2における2回目以降のアクセス処理(S20)を説明するフローチャートである。
図9に示すように、ステップ200(S200)において、ファイル提供サーバ2の権限登録部330は、ユーザ端末6からWebアクセスを検知すると、Cookieに基づいて、ユーザ端末6の権限を特定する。
ステップ205(S205)において、権限登録部330は、Webアクセスしてきたユーザ端末6が管理者権限を有する場合に、リストの返信をファイル送信部350に指示してS225の処理に移行し、Webアクセスしてきたユーザ端末6が管理者権限を有しない場合に、S210の処理に移行する。
【0045】
ステップ210(S210)において、権限登録部330は、Webアクセスしてきたユーザ端末6が閲覧権限を有する場合に、リストの返信をファイル送信部350に指示してS225の処理に移行し、Webアクセスしてきたユーザ端末6が閲覧権限を有しない場合に、S215の処理に移行する。
ステップ215(S215)において、権限登録部330は、管理者権限を有するユーザ端末6による許可が必要である旨をユーザ端末6に表示する。
【0046】
ステップ220(S220)において、権限登録部330は、管理者権限を有するユーザ端末6に対して、
図12(A)に例示する管理者画面を表示して、閲覧権限を付与する操作を受け付ける。権限登録部330は、閲覧権限を付与する操作を受け付けた場合に、閲覧権限が付与された端末のCookieを閲覧権限に関連付けて登録してS225の処理に移行し、所定の期間内に、閲覧権限を付与する操作を受け付けなかった場合に、S230の処理に移行する。
ステップ225(S225)において、ファイル送信部540は、スキャンデータのリストをユーザ端末6に返信し、リスト内で選択されたスキャンデータをユーザ端末6に送信する。
ステップ230(S230)において、権限登録部330は、スキャンデータへのアクセスが不可である旨をユーザ端末6に表示する。
【0047】
図10は、スキャナ4におけるスキャナ初期化処理(S30)を説明するフローチャートである。
図10に示すように、ステップ300(S300)において、スキャナ4の初期化指示部540は、
図12(B)に例示する初期化画面をタッチパネル408に表示して、ユーザによる初期化操作を受け付ける。初期化指示部540は、初期化操作を受け付けるまで待機し(S300:No)、初期化操作を受け付けた場合に(S300:Yes)、S305の処理に移行する。
ステップ305(S305)において、初期化指示部540は、スキャナ4のシリアル番号とユーザ名を指定して、ファイル提供サーバ2に対して初期化を指示する。ファイル提供サーバ2では、初期化部340が、初期化指示部540により指定されたシリアル番号及びユーザ名に関連付けられた情報を装置情報DB370から消去する。
【0048】
ステップ310(S310)において、初期化指示部540は、ファイル提供サーバ2から初期化完了通知があるまで待機し(S310:No)、ファイル提供サーバ2から初期化完了通知があると、S315の処理に移行する。
ステップ315(S315)において、初期化指示部540は、ユーザにより指定された初期化処理が完了した旨をタッチパネル408に表示する。
これにより、スキャナ4の所有者が代わった場合などに、ファイル提供サーバ2上に前所有者の情報が残ることを防止できると共に、管理者権限を有するユーザ端末6に対して不要な問合せが発生しないようにできる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態のファイル提供システム1によれば、スキャナ4のシリアル番号をキーとして、スキャナ4にWebアクセスするためのURLを通知し、このURLに基づくWebアクセスがあった場合に、ユーザ端末6が同一ネットワークに存在することを条件として、スキャナ4がワンタイムパスワードを生成し、生成されたワンタイムパスワードをファイル提供サーバ2及びユーザ端末6に通知する。これにより、アカウント登録レスであるにも関わらず、第三者による不正アクセスを防止できる。具体的には、
図13に例示するように、スキャナ4と異なるネットワークに存在する端末からファイル提供サーバ2に対して、パスワード送信のリクエストが行われたとする。この時、スキャナ4が手順7で発行したワンタイムパスワードを、不正アクセスした端末が入手する方法はない。その結果、手順10のワンタイムパスワードの検証において不一致となり、スキャンデータへのアクセスは失敗する。
【0050】
なお、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0051】
1 ファイル提供システム
2 ファイル提供サーバ
3 サーバプログラム
4 スキャナ
5 スキャナプログラム
6 ユーザ端末