(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133706
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】段積みパーツ
(51)【国際特許分類】
B65D 21/02 20060101AFI20230920BHJP
【FI】
B65D21/02 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038829
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】原田 裕也
【テーマコード(参考)】
3E006
【Fターム(参考)】
3E006AA01
3E006BA01
3E006EA01
(57)【要約】
【課題】容器の角部に安定して載置できる段積みパーツを実現する。
【解決手段】本発明の一態様の段積みパーツ(1)の外縁部分に相当する外側壁部(2)は、容器(50)の開口部側角部(60A)の外方側面(55BC)に近接した位置に、開口部側角部(60A)の外方側面(55BC)よりも容器(50)の内方側にあり、且つ、容器(50)の開口部側角部(60A)の端面(54B、54C)に当接する当接領域(22)を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の角部に載置して使用される段積みパーツであって、
前記段積みパーツは、前記容器の角部に載置された状態において、
前記容器と当接する当接部と、
前記段積みパーツの内方向への移動を規制する第1規制部と、
前記段積みパーツの外方向への移動を規制する第2規制部と、
を備え、
前記容器の前記角部は、前記段積みパーツを前記容器の前記角部に載置された状態において、
前記当接部に対向する位置にある端面と、
前記端面に隣接し、前記第1規制部および前記第2規制部のそれぞれに対向する位置にある側面と、
が設けられ、
前記容器の前記角部に載置された前記段積みパーツを上からみた場合、前記容器の外方側に向いた前記段積みパーツの外縁部分は、前記角部の先端部分に近接した位置において、当該先端部分と重畳するか、当該先端部分よりも前記容器の内方側にあり、
前記外縁部分は、前記角部の先端部分に近接した位置において、前記容器の前記端面に当接する当接領域を有する、
段積みパーツ。
【請求項2】
前記段積みパーツの前記外縁部分における、前記角部の先端部分に近接した位置に隣接した部分には、上下方向に伸びる外側壁部が設けられ、
前記段積みパーツの内縁部分は、前記外側壁部から空間を隔てて設けられた上下方向に伸びる内側壁部を有し、
前記外側壁部と前記内側壁部との離間部分には、連結リブが設けられ、
前記連結リブの下端部には、前記当接部が設けられ、
前記第1規制部は、前記外側壁部の下端部から更に下方に伸びた第1下方壁部であって、前記容器の外方側に向いた前記側面に対向する第1下方壁部を有し、
前記第2規制部は、前記内側壁部の下端部から更に下方に伸びた第2下方壁部であって、前記容器の内方側に向いた前記側面に対向する第2下方壁部を有する、
請求項1に記載の段積みパーツ。
【請求項3】
前記容器の前記角部は、第1の方向に沿って伸びた第1の前記端面と、当該第1の方向とは異なる第2の方向に沿って伸びた第2の前記端面とが同一平面内である領域を含み、
前記連結リブは、
前記第1の端面の上方に位置する第1の前記連結リブと、
前記第2の端面の上方に位置する第2の前記連結リブと、
を含み、
前記容器の前記角部に載置された前記段積みパーツを上からみた場合、
前記第1の連結リブは、前記第1の端面の幅方向および前記第1の方向のそれぞれに対して斜めに配置され、
前記第2の連結リブは、前記第2の端面の幅方向および前記第2の方向のそれぞれに対して斜めに配置されている、
請求項2に記載の段積みパーツ。
【請求項4】
前記容器の前記角部に載置された前記段積みパーツには、当該容器とは別の前記容器の前記角部を載置させることができ、
前記段積みパーツは、
前記別の容器の前記角部の前記端面に当接する第2当接部を、前記連結リブの上端部に含む、
請求項2または3に記載の段積みパーツ。
【請求項5】
前記容器の前記角部に載置された前記段積みパーツには、当該容器とは別の前記容器の前記角部を載置させることができ、
前記第1規制部は、前記第1下方壁部と、前記外側壁部の上端部から更に上方に伸びた第1上方壁部であって、前記別の容器の前記角部の外方側に向いた前記側面に対向する第1上方壁部とを有し、
前記第2規制部は、前記第2下方壁部と、前記内側壁部の上端部から更に上方に伸びた第2上方壁部であって、前記別の容器の内方側に向いた前記側面に対向する第2上方壁部とを有し、
前記段積みパーツの前記外縁部分は、前記当接領域に加えて、前記別の容器の前記角部の先端部分に近接した位置において、前記別の容器の前記端面に当接する当接領域を有する、
請求項2から4の何れか1項に記載の段積みパーツ。
【請求項6】
前記容器および前記別の容器のそれぞれの底部には、前記側面を内周面に含む凹形状あるいは貫通形状の受容部が設けられており、
前記段積みパーツは、
前記第2下方壁部が、前記底部を上にした状態の前記容器の当該底部の前記受容部に受容されて前記側面に対向することによって、当該容器の前記底部の前記角部に載置可能であり、
前記段積みパーツは、
前記第2上方壁部が、前記底部を下にした状態の前記別の容器の当該底部の前記受容部に受容されて前記側面に対向することによって、当該別の容器の前記底部の前記角部を載置可能である、
請求項5に記載の段積みパーツ。
【請求項7】
2つの容器を段積みする際に、容器同士の対向する角部に取り付けて使用される段積みパーツであって、
各前記角部には、
前記容器同士において対向する位置にある端面と、
前記端面に隣接し、前記容器の外方側および内方側のそれぞれに位置する側面と、
が設けられ、
前記段積みパーツは、
前記2つの容器のうちの下段の容器の前記端面に当接する第1当接部と、
下段の容器の前記側面に対向する下段側方規制部と、
前記2つの容器のうちの上段の容器の前記端面に当接する第2当接部と、
上段の容器の前記側面に対向する上段側方規制部と、
を含み、
前記下段の容器の前記角部に取り付けた前記段積みパーツを上からみた場合、前記下段の容器の外方側に向いた前記段積みパーツの外縁部分は、前記下段の容器の前記角部の先端部分に近接した位置において、当該先端部分と重畳するか、当該先端部分よりも前記容器の内方側にあり、
前記外縁部分は、前記下段の容器の前記角部の先端部分に近接した位置において、前記下段の容器の前記端面に当接する当接領域を有する、
段積みパーツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器同士を段積みする際に容器と容器との間に配置される段積みパーツに関する。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂製の容器同士を段積みする際、下段の容器に対して上段の容器が滑り易く、不都合に上段の容器が落下する場合がある。そこで、下段の容器と上段の容器との間に滑り止め具を装着する態様が知られている。例えば、特許文献1には、下段の容器の隅部の上縁に嵌合される滑止具が記載されている。特許文献1の滑止具は、直角になるように折り曲げられた曲折板と、その曲折板の中間に、曲折板と直交するように突設された支持板とを備える。滑止具は、箱本体の隅部に嵌合されて取着される。
【0003】
ところで、容器(箱)は、様々な理由から多種の形状で実現されている。例えば、特許文献2に記載の運搬容器は、四隅が切り欠かれた形状を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】日本国実開昭49-139236号公報
【特許文献2】日本国実開平4-124921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に記載の運搬容器のような切り欠かれた形状の隅部を有する容器に、特許文献1に記載の滑止具を載置すると、段積みする際に滑止具が容器の隅部から外方に倒れてしまうといったことが懸念される。
【0006】
そこで、本発明の一態様は、容器の角部に安定して載置できる段積みパーツを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る段積みパーツは、容器の角部に載置して使用される段積みパーツであって、前記段積みパーツは、前記容器の角部に載置された状態において、前記容器と当接する当接部と、前記段積みパーツの内方向への移動を規制する第1規制部と、前記段積みパーツの外方向への移動を規制する第2規制部と、を備え、前記容器の前記角部は、前記段積みパーツを前記容器の前記角部に載置された状態において、前記当接部に対向する位置にある端面と、前記端面に隣接し、前記第1規制部および前記第2規制部のそれぞれに対向する位置にある側面と、が設けられ、前記容器の前記角部に載置された前記段積みパーツを上からみた場合、前記容器の外方側に向いた前記段積みパーツの外縁部分は、前記角部の先端部分に近接した位置において、当該先端部分と重畳するか、当該先端部分よりも前記容器の内方側にあり、前記外縁部分は、前記角部の先端部分に近接した位置において、前記容器の前記端面に当接する当接領域を有する。
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の他の一態様に係る段積みパーツは、2つの容器を段積みする際に、容器同士の対向する角部に取り付けて使用される段積みパーツであって、各前記角部には、前記容器同士において対向する位置にある端面と、前記端面に隣接し、前記容器の外方側および内方側のそれぞれに位置する側面と、が設けられ、前記段積みパーツは、前記2つの容器のうちの下段の容器の前記端面に当接する第1当接部と、下段の容器の前記側面に対向する下段側方規制部と、前記2つの容器のうちの上段の容器の前記端面に当接する第2当接部と、上段の容器の前記側面に対向する上段側方規制部と、を含み、前記下段の容器の前記角部に取り付けた前記段積みパーツを上からみた場合、前記下段の容器の外方側に向いた前記段積みパーツの外縁部分は、前記下段の容器の前記角部の先端部分に近接した位置において、当該先端部分と重畳するか、当該先端部分よりも前記容器の内方側にあり、前記外縁部分は、前記下段の容器の前記角部の先端部分に近接した位置において、前記下段の容器の前記端面に当接する当接領域を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、容器の角部に安定して載置できる段積みパーツを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る段積みパーツを、容器の開口部側の4つの角部にそれぞれ載置した状態を示した斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る段積みパーツを用いて、2つの容器を段積みした様子を示した斜視図である。
【
図3】
図1に示す段積みパーツの取り付け箇所を拡大して示した拡大斜視図である。
【
図4】図中の(a)は、段積みパーツ1を単体で、下段の容器に取り付ける側を見た斜視図であり、図中の(b)は、段積みパーツ1を単体で、上段の容器50側から見た斜視図である。
【
図5】
図1に示す段積みパーツを容器に載置した状態で、上方から、段積みパーツと、段積みパーツ越しに容器の角部の端面を見た上面図である。
【
図6】
図1に示す段積みパーツを単体で、下方から見た底面図である。
【
図7】
図1に示す容器の角部を示した上面図である。
【
図8】
図5に示す切断線A-A´における段積みパーツと容器の角部の切断面を示した矢視断面図である。
【
図9】
図5に示す切断線B-B´における段積みパーツと容器の角部の切断面を示した矢視断面図である。
【
図10】
図1に示す段積みパーツに別の容器を載置した状態の断面図である。
【
図11】
図10に示す切断線C-C´における段積みパーツと容器の角部の切断面を示した矢視断面図である。
【
図12】
図1に示す段積みパーツに別の容器を載置した状態の断面図である。
【
図13】
図1に示す段積みパーツに別の容器を底部を上にして載置させた状態の斜視図である。
【
図14】
図13に示す切断線E-E´における段積みパーツと上段の容器および下段の容器の切断面を示した矢視断面図である。
【
図15】
図1に示す段積みパーツを用いて容器同士を開口部側を向かい合わせに段積みした状態で、容器と容器との間に形成される空間に別の容器を倒した状態で入れた三つ組み段積みの態様を示した断面図である。
【
図16】
図1に示す段積みパーツを用いた段積みの態様を例示した斜視図である。
【
図17】
図1に示す段積みパーツを、角部に特殊形状の切り欠きを有した容器に載置した状態を示す斜視図である。
【
図19】
図17に示す容器の角部と段積みパーツとを上方から見た上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態の段積みパーツについて、詳細に説明する。
【0012】
<容器>
段積みパーツ1を載置する対象物である容器50は、
図1に示すように箱型の容器である。具体的には、容器50は、略四角形の底部51と、底部51の四辺の縁のそれぞれから上方に伸びた側壁部52A~52Dとを有し、底部51と側壁部52A~52Dとによって収容空間が形成されている。収容空間への収容物の出し入れは、底部51の反対側にある開口部53を通じて行うことが可能である。
【0013】
図1には、XYZ系の三次元座標を併せて示しており、XY平面は水平面を規定し、Z軸は鉛直方向(Z軸負方向が重力方向)を規定している。この三次元座標系を用いて
図1に示す容器50を説明すると、
図1に示す容器50は、底部51をZ軸負方向側にして、開口部53をZ軸正方向側にして、底部51を例えば床面に置いた、いわゆる通常の姿勢で置かれている状態を示している。なお、この通常の姿勢をとっている容器50のことを、以下で「通常置きの容器」と称することがある。これに対して、後述では、通常置きの容器とは上下逆さまの姿勢をとって、底部51をZ軸正方向側に向け、開口部53をZ軸負方向側に向けた容器50についても説明する。この上下逆さまの姿勢をとっている容器のことを、以下で「逆さ置きの容器」と称することがある。
【0014】
開口部53の周縁は、側壁部52A~52Dのそれぞれの上端部によって構成されている。これらの上端部には、XY平面内に広がる端面54A~54Dが設けられている。端面54Bおよび端面54DはX軸方向に沿って長尺であるとともにY軸方向に所定の幅を有する面であり、端面54Aおよび端面54CはY軸方向に沿って長尺であるとともにX軸方向に所定の幅を有する面である。容器50を開口部53側上方から見た場合に、開口部53の周縁は、四つの端面54A~54Dによって囲まれてなる。
【0015】
底部51の周縁は、側壁部52A~52Dのそれぞれの下端部によって囲まれている。これらの下端部には、XY平面内に広がる端面57A~57D(
図1では端面57B、端面57Cのみを示す)が設けられている。端面57A~57Dについては後述する。
【0016】
・開口部側角部60A(角部)
開口部側角部60Aは、開口部53側の端面54A~54D同士が概して直角に交わるようにして隣接する位置にそれぞれ形成されている。
【0017】
ところで、容器50における開口部側角部60Aの外縁部分には、切り欠き形状が設けられている。これを1つの開口部側角部60Aを例にとって、
図7に基づいて説明する。
図7は、
図1における一点鎖線で囲んだ開口部側角部60Aを、開口部53側の上方から見た拡大上面図である。
図7に示す開口部側角部60Aは、X軸方向に沿って長尺な端面54Bと、Y軸方向に沿って長尺な端面54Cとが直交するように隣接した位置にある。
図7に示す開口部側角部60Aの外縁部分は、端面54Bの長手方向(X軸方向)および端面54Cの長手方向(Y軸方向)のそれぞれに対して斜め方向に沿って伸びた縁を含む。要するに、開口部側角部60Aは、X軸方向に沿った辺とY軸方向に沿った辺とが直角に交わって形成されるようなピン角の角部ではない。このように開口部側角部60Aの外縁部分が切り欠き形状を有することにより、外部からの衝撃に対して開口部側角部60Aの破損を防ぐことができる。なお、開口部側角部60Aの外縁部分の形状は、破損防止の観点から切り欠き形状および湾曲形状のような非ピン角であることが好ましいが、ピン角であってもよい。また、後述するような特殊形状を有していてもよい。
【0018】
・底部側角部60B
容器50には、底部51側の端面57A~57D同士が隣接するそれぞれの位置にも、角部が形成されている。以下、この角部を底部側角部60Bと称する。
【0019】
底部側角部60Bのそれぞれも、開口部側角部60Aと同一の切り欠き形状を外縁部分に有している。底部側角部60Bの外縁部分の形状も、開口部側角部60Aと同様に、非ピン角の形状を有していることが好ましい。この場合、切り欠き形状であればその切り欠きの大きさ、湾曲形状であればその曲率を、開口部側角部60Aと底部側角部60Bとで互いに異なるようにしてもよい。なお、底部側角部60Bもピン角であってもよい。底部側角部60Bの詳細については後述する。
【0020】
図1に示すように開口部側角部60Aに載置された段積みパーツ1には、
図2に示すように、別の容器50を載置することができる。この場合、別の容器50の底部側角部60Bが、段積みパーツ1に載置される。なお、
図2の段積み形態は一例であり、これに限らず、後述する別の実施形態に示すように容器50の向きは逆さ置きであっても構わない。
【0021】
・開口部側角部60Aの外縁部分
開口部側角部60Aの外縁部分を更に説明するにあたり、まずは、開口部53側の各端面54A~54Dについて
図3を用いて説明する。
【0022】
図3は、
図1の一点鎖線で囲む領域の拡大斜視図である。
図3は、
図7と同じく、側壁部52Bと側壁部52Cとの隣接箇所の開口部側角部60Aを示す。側壁部52Bの上端部に位置する端面54Bには、容器外方側に、外方側面55B(側面)が隣接して設けられており、容器内方側に、内方側面56B(側面)が隣接して設けられている。また、側壁部52Cの上端部に位置する端面54Cにも、容器外方側に、外方側面55C(側面)が隣接して設けられており、容器内方側に、内方側面56C(側面)が隣接して設けられている。
【0023】
図3に示す開口部側角部60Aの外方側面は、外方側面55Bと、外方側面55Cと、これら外方側面55B、55Cの間に位置し、先述の斜め方向に沿って伸びた切り欠き形状の縁を縁辺に有する外方側面55BCとによって構成されている。
【0024】
側壁部52Aと側壁部52Dとの隣接箇所の開口部側角部60Aにも切り欠き形状の縁を縁辺に有する外方側面を有する。また、側壁部52Cと側壁部52Dとの隣接箇所および側壁部52Aと側壁部52Bとの隣接箇所の開口部側角部60Aにも切り欠き形状の縁を縁辺に有する外方側面を有する。
【0025】
要するに、容器50を開口部53よりも上方から見たときに、容器50は、各開口部側角部60Aの先端部分として、切り欠き形状を構成する四つの外方側面を含む。
【0026】
<段積みパーツ>
以下、この段積みパーツ1について説明する。
【0027】
段積みパーツ1は、
図1に示す容器50の各開口部側角部60Aに載置された状態で、開口部側角部60Aの端面(
図3の例では端面54Bおよび端面54C)よりもZ軸正方向に所定の高さを有する。このため、段積みパーツ1に
図2に示すように別の容器を載置した場合、下段の容器50と、上段の容器50とは、所定の長さで離間する。なお、この長さは、段積みパーツ1の製造過程において適宜変更可能である。
【0028】
図4(a)に示す段積みパーツ1を大きく区分すると、略L字型の本体部分と、本体部分から分岐する分岐部分とに区分できる。
【0029】
(本体部分)
本体部分は、例えば
図2のように二つの容器50の間に配置された状態で、下段の容器50の開口部側角部60Aの端面54A~54Dと、下段の容器の底部側角部60Bの端面57A~57Dとの間に位置する部分である。
図4(a)に示すように、本体部分は、外側壁部2と、内側壁部3と、複数の連結リブ4とを有する。また、本体部分は、外側壁部2および内側壁部3に対して直交する方向に広がる支持板7を有する。外側壁部2は、上下方向(Z軸方向)に伸びた壁である。
【0030】
内側壁部3は、外側壁部2から空間を隔てて設けられ、容器50の内縁(開口部53の内周)に凡そ沿った形状を有しており、上下方向(Z軸方向)に伸びた壁である。
【0031】
各連結リブ4は、これら外側壁部2と内側壁部3との離間部分にあって、外側壁部2と内側壁部3とを繋いでいる。連結リブ4は、四箇所に設けられている。連結リブ4は、連結リブ4の下端部に、開口部側角部60Aの端面(
図3の例では端面54Bおよび端面54C)と当接する第1支持部44(当接部)を備える。連結リブ4の下端部である第1支持部44は、本体部分の下端部に相当する。
【0032】
本体部分は、外側壁部2と内側壁部3とが離間した中空構造となっている。そのため、段積みパーツ1を比較的軽量に実現することができ、段積みパーツ1の材料使用量を抑えて、低コストによって段積みパーツ1を実現することができる。
【0033】
外側壁部2は、容器50の外方側に向いた段積みパーツ1の外縁部分に相当する。外側壁部2は、
図3に示すように、開口部側角部60Aの外方側面55BC(先端部分)に近接した位置に、角領域20を有する。
【0034】
角領域20は、容器50の
図3と同じ開口部側角部60Aに載置された段積みパーツ1を上からみた
図5において破線で囲んだ領域に相当する。角領域20には、当接領域22(下方当接領域)が設けられている。
【0035】
当接領域22は、開口部側角部60Aの外方側面55BCよりも容器50の内方側にあり、且つ、
図5の例では容器50の開口部側角部60Aの端面54Bおよび端面54Cに当接する。当接領域22によって当接される容器50側の位置を、
図7に破線で示している。
【0036】
図8に示すように、段積みパーツ1は、段積みパーツ1の外縁部分が、開口部側角部60Aの端面54A~54Dに当接する当接領域22を有する。当該外縁部分(外側壁部2)は、本体部分の略L字型の屈曲箇所において、面取りされた形状となっている。具体的には、
図3等に示すように、当該屈曲箇所が湾曲している。
【0037】
(分岐部分)
分岐部分は、本体部分の下端部から下方向に伸びた分岐部分と、本体部分の上端部から上方向に伸びた分岐部分とを含む。本体部分の上端部から上方向に伸びた分岐部分については、後述することとし、以下では、本体部分の下端部から下方向に伸びた分岐部分について説明する。
【0038】
本体部分の下端部から下方向に伸びた分岐部分は、容器50に段積みパーツ1を載置した状態で、当該容器50の開口部側角部60Aの外方側面55A~55Dおよび内方側面56A~56Dにそれぞれ当接することができる。具体的には、
図4(a)に示すように、本体部分の下端部から下方向に伸びた分岐部分は、外側壁部2の下端部から更に下方に伸びた外側下方規制部25a、25b(第1規制部、第1下方壁部、下段側方規制部)と、内側壁部3の下端部から更に下方に伸びた内側下方規制部27a、27b(第2規制部、第2下方壁部、下段側方規制部)とにより構成される。
【0039】
外側下方規制部25a、25bは、
図3に示すように容器50の開口部側角部60Aに載置された状態において、段積みパーツ1の内方向への移動を規制する。
図3の例では、外側下方規制部25aは、容器50の外方側面55Bに当接することによってY軸正方向への段積みパーツ1の移動を規制する。外側下方規制部25bは、外方側面55Cに当接することによってX軸負方向への段積みパーツ1の移動を規制する。
【0040】
内側下方規制部27a、27bは、段積みパーツ1が
図3に示すように容器50の開口部側角部60Aに載置された状態において、段積みパーツ1の外方向への移動を規制する。内側下方規制部27aは、内方側面56Bに当接し、内側下方規制部27bは、内方側面56Cに当接する。
図4(a)に示すように、内側下方規制部27aは、外側下方規制部25aに対向する位置にあり、内側下方規制部27bは、外側下方規制部25bに対向する位置にある。
図9(
図5に示す切断線B-B´における矢視断面図)に示すように、内側下方規制部27aは、内方側面56Bに当接することによってY軸負方向への段積みパーツ1の移動を規制する。また、内側下方規制部27bは、内方側面56Cに当接することによってX軸正方向への段積みパーツ1の移動を規制する。
【0041】
内側下方規制部27aと、内側下方規制部27bとの間では、内側壁部3の下端部33が、開口部側角部60Aの内方側面56Bおよび内方側面56Cに当接または近接する構成となっている。
【0042】
・角領域20および当接領域22
角領域20は、先述の外側下方規制部25aと外側下方規制部25bとの間に構成されており、本体部分(外側壁部2)の下端部とZ軸上の位置が揃っている。すなわち、角領域20は、連結リブ4の下端部にある第1支持部44と同一平面上に広がる面である。
【0043】
角領域20における外側下方規制部25aに近接する部分と、外側下方規制部25bに近接する部分とは、開口部側角部60Aの端面(
図3の例では端面54Bおよび端面54C)に当接していない。一方で、これら当接していない部分に挟まれた位置に、先述の当接領域22がある。
【0044】
このように、段積みパーツ1の外縁部分における、開口部側角部60Aの先端部分である外方側面55BC(
図3)に近接した位置に、容器50の端面54Bおよび端面54Cに当接する当接領域22を含む角領域20が形成されていることにより、段積みパーツ1の載置安定性を実現することができる。すなわち、開口部側角部60Aの先端部分である外方側面55BC(
図3)に近接した位置において、段積みパーツ1の外縁部分の当接領域22が、容器50の端面54Bおよび端面54Cに当接する。これにより、容器50外方への段積みパーツ1の移動が規制される。したがって、段積みパーツ1が容器50外方へ倒れることがなく、安定して容器50の端面に載置される。
【0045】
・本体部分の連結リブ4
先述の連結リブ4について
図6を用いて更に説明する。
図6に示すように、四箇所の連結リブ4のうち、開口部側角部60Aの先端部分に近い位置に設けられた第1の連結リブ4pおよび第2の連結リブ4qは、X軸方向およびY軸方向のそれぞれに対して斜めに配置されている。
図3の例で具体的に説明すると、容器50の開口部側角部60Aに載置された段積みパーツ1を上からみた場合、第1の連結リブ4pは、端面54BのY軸方向である幅方向およびX軸方向である長手方向(第1の方向)のそれぞれに対して斜めに配置されている。また、第2の連結リブ4qは、端面54CのX軸方向である幅方向およびY軸方向である長手方向(第2の方向)のそれぞれに対して斜めに配置されている。換言すれば、第1の連結リブ4pおよび第2の連結リブ4qは、容器50の中心から放射方向に沿って設けられている。
【0046】
第1の連結リブ4pおよび第2の連結リブ4qを上述のように斜めに配置することにより、端面54Bおよび端面54Cの幅方向に沿った長さよりも長い構成として実現される。このため、第1の連結リブ4pおよび第2の連結リブ4qのそれぞれの下端部に設けられた第1支持部44が、比較的長い長さに渡って開口部側角部60Aの端面と当接することになる。これにより、段積みする上段の容器50(
図2)の荷重負荷を受ける面積が大きく、好適に荷重負荷を分散させることができ、下段の容器50に対する段積みパーツ1の載置安定性の向上を図ることができる。
【0047】
以下、
図2のように段積みパーツ1に別の容器を載置する際に関係する段積みパーツ1の構成、および上段の容器について説明する。
【0048】
<上段の容器>
図2に示す上段の容器50について
図10および
図11を用いて説明する。上段の容器50は、
図1で説明した容器50と同一構成の容器である。上段の容器50を段積みパーツ1に載置する場合、容器50の底部51が段積みパーツ1に当接するようにすれば、
図2に示すように、上段の容器50は通常置きの容器の向きで、通常置きの下段の容器50の上に段積みすることができる。
【0049】
・容器50の底部51(底部側角部60B)
上段の容器50は、
図10に示すように、底部51が段積みパーツ1の本体部分の上端部に当接することによって、段積みパーツ1に載置される。
【0050】
底部51は、容器50の収容空間における下面側(Z軸負方向側)に相当する部分である。より詳細には、底部51は、
図11に示すように容器50の開口部53側に向かって凹んだ複数の凹形状51aを有する中央部分51cと、中央部分51cの周囲にある周縁部分51fとにより構成されている。
【0051】
中央部分51cにおける底部側角部60Bの周縁部分51fに隣接した位置には、後述するように段積みパーツ1の内側上方規制部28a、28bが受容される受容部80が設けられている。受容部80は、別例として、底部51から下方に伸びるリブ形状部で囲まれた部位であってもよいし、貫通孔(貫通形状)であってもよい。
【0052】
周縁部分51fは、
図1に示す側壁部52Aの下端部と、側壁部52Bの下端部と、側壁部52Cの下端部と、側壁部52Dの下端部とによって構成される。これら側壁部52A~52Dの下端部は、端面57A~57Dと、端面57A~57Dに隣接している外方側面58A~58Dと、端面57A~57Dに隣接している内方側面59A~59Dとを含む。外方側面58A~58Dは、底部側角部60Bの外縁部分を構成する。内方側面59A~59Dは、受容部80の内周面に含まれる。なお、
図11では、端面57Bにそれぞれ隣接する外方側面58Bと内方側面59B、および端面57Cにそれぞれ隣接する外方側面58Cと内方側面59Cを図示している。
図11の例では、上段の容器50の底部51の底部側角部60Bは、X軸方向に沿って長尺な端面57Bと、Y軸方向に沿って長尺な端面57Cとが直交するように隣接した位置にある。
【0053】
図11に示すように、底部側角部60Bの外縁部分は、端面57Bおよび端面57Cのそれぞれに対して斜め方向に縁が伸びている。要するに、底部側角部60Bは、X軸方向に沿った辺とY軸方向に沿った辺とが直角に交わって形成されるようなピン角の角部ではなく、開口部側角部60Aの外縁部分と同様に、切り欠き形状あるいは湾曲形状である。または、後述するような特殊形状を有していてもよい。
図11の例では、底部側角部60Bの外方側面は、外方側面58Bと、外方側面58Cと、これら外方側面の間に位置し、X、Y軸方向に対して斜め方向に沿って伸びた縁を縁辺に有する外方側面58BCとによって構成されている。この外方側面58BCが、先述の切り欠き形状の外縁端面に相当する。要するに、上段の容器50の底部51を下段の容器50側から見上げるように見たときに、各底部側角部60Bの外縁部分が、切り欠き形状の外縁端面(先端部分)を含む。
【0054】
<上段の容器を載置する際に関係する段積みパーツ1の構成>
段積みパーツ1は、
図4(b)に示すように、連結リブ4(4p、4qも含む)の上端部に、上段の容器の角部の端面に当接する第2支持部48(第2当接部)を含む。
【0055】
ここで、本実施形態1では、各連結リブ4(4p、4qも含む)は、Z軸方向に沿って、第1支持部44から第2支持部48まで連続している。例えば支持板7を境界にして、第1支持部44と第2支持部48とが別々に設けられていて互いが連続していなくてもよい。ただし、第1の連結リブ4pおよび第2の連結リブ4qのように連続している方が、段積みパーツ1の強度が高くなるため、好ましい。
【0056】
上段の容器50が段積みパーツ1に載置した状態で、段積みパーツ1の本体部分の上端部に、端面57A~57Dが当接する。具体的には、底部51の端面57A~57D(
図11の例では端面57Bおよび端面57C)が、段積みパーツ1の連結リブ4の上端部に設けられた第2支持部48に当接している。
【0057】
また、先述した本体部分の上端部から上方向に伸びた分岐部分は、段積みパーツ1に載置した上段の容器50の底部側角部60Bの外方側面58A~58Dおよび内方側面59A~59Dにそれぞれ当接することができる。具体的には、本体部分の上端部から上方向に伸びた分岐部分は、外側壁部2の上端部から更に上方に伸びた外側上方規制部26a、26b(第1規制部、第1上方壁部)と、内側壁部3の上端部から更に上方に伸びた内側上方規制部28a、28b(第2規制部、第2上方壁部)とにより構成される。
【0058】
外側上方規制部26a、26bは、上段の容器50の底部側角部60Bが載置した状態において、上段の容器の底部側角部60Bの外方側面に対向し、当接することによって、上段の容器50の外方向への移動を規制する。
図11の例では、上段の容器50の外方側面58Bまたは外方側面58Cが、外側上方規制部26aまたは外側上方規制部26bに当接することによってY軸負方向またはX軸正方向への上段の容器50の移動を規制する。
【0059】
内側上方規制部28a、28bは、上段の容器50の底部側角部60Bが載置した状態において、上段の容器50の底部側角部60Bの内方側面に対向し、当接することによって、上段の容器50の内方向への移動を規制する。
図11の例では、上段の容器50の内方側面59Bまたは内方側面59Cが、内側上方規制部28aまたは内側上方規制部28bに当接することによってY軸正方向またはX軸負方向への上段の容器50の移動を規制する。
【0060】
ここで、外側下方規制部25a(あるいは外側下方規制部25b)と内側下方規制部27a(あるいは内側下方規制部27b)との間の距離は、外側上方規制部26a(あるいは外側上方規制部26b)と内側上方規制部28a(あるいは内側上方規制部28b)との間の距離と等しい。
【0061】
外側上方規制部26aと、外側上方規制部26bとの間には、外側壁部2の上端部が露出している。この上端部は、
図11の例のように底部51の底部側角部60Bの外方側面58BC(先端部分)に近接した位置に、先述の角領域20と同じ角領域20´を有している。角領域20´は、
図11内に破線で囲んだ領域に相当する。角領域20´は、一部において、底部51の底部側角部60Bの端面57A~57Dに当接する当接領域22´(上方当接領域)を有する。
【0062】
当接領域22´は、
図11に点線で囲んだ領域である。すなわち、段積みパーツ1は、上段の容器を載置させた場合に、上段の容器50の底部側角部60Bの外方側面58BC(先端部分)に近接した位置に、角領域20´を有し、この角領域20´には、底部側角部60Bの外方側面58BCよりも容器50の内方側にあり、且つ、
図11の例では底部側角部60Bの端面57Bおよび端面57Cに当接する当接領域22´が設けられている。ここで、角領域20´(当接領域22´)は、連結リブ4の上端部にある第2支持部48と同一平面上に広がる面である。すなわち、角領域20、20´および当接領域22,22´、22a、22bは、特許請求の範囲における当接部(第1当接部または第2当接部の一部)でもある。
【0063】
このように段積みパーツ1の外縁部分が、底部側角部60Bの端面に当接する当接領域22´を有するために、当該外縁部分は、本体部分の略L字型の屈曲箇所において、面取りされた形状となっている。
【0064】
図11の例では、内側上方規制部28aは、外側上方規制部26aに対向する位置にあり、内側上方規制部28bは、外側上方規制部26bに対向する位置にある。
【0065】
ここで、
図11および
図12に示すように、内側上方規制部28bは、受容部80に受容されて内方側面59Cに対向する。内側上方規制部28bは、内方側面59Cに当接することによってX軸負方向への上段の容器50の移動を規制する。同様に、
図11に示す内側上方規制部28aも、受容部80に受容されて内方側面59Bに対向し、内方側面59Bに当接することによってY軸正方向への上段の容器50の移動を規制する。
【0066】
以上のことから分かるように、段積みパーツ1における上段の容器側の構成は、下段の容器側の構成と同一である。すなわち、上段の容器を段積みパーツ1に載置する際に、段積みパーツ1が上段の容器に対して当接等する構成は、段積みパーツ1が下段の容器に載置される際に下段の容器に対して当接等する構成と同一である。このため、段積みパーツ1は、上下方向の向きは問わず、上下どちら側を使っても下方に位置する容器に載置することができ、上下どちら側を使っても上方に位置する容器を載置することができる。
【0067】
ここで、内方側面59B、59Cに段積みパーツ1の内側上方規制部28a、28bを当接させた状態で、外方側面58Bと外側上方規制部26aとの間、および外方側面58Cと外側上方規制部26bとの間には、
図11に示すように所定の距離d1の間隙があってよい。
【0068】
以上のように、段積みパーツ1の外縁部分における、上段の容器50の底部側角部60Bの外方側面58BC(
図11)に近接した位置に、上段の容器50の端面57Bおよび端面57Cに当接する当接領域22´を含む角領域20´が形成されていることにより、段積みパーツ1の載置安定性を実現することができる。この構成は、仮に段積みパーツ1を、逆さ置きの容器50の底部51の底部側角部60Bに載置した場合に、有意である。すなわち、上述の構成とすれば、底部側角部60Bの外方側面58BCに近接した位置において、段積みパーツ1の外縁部分の当接領域22´が、容器50の端面57Bおよび端面57Cに当接することによって逆さ置きの容器50外方への段積みパーツ1の移動が規制される。これにより、段積みパーツ1が逆さ置きの容器50外方へ倒れることがなく、安定して逆さ置きの容器50の端面に載置される。
【0069】
ここで、
図12に示すように、外側壁部2の厚さd2は、外側下方規制部25bの厚さd3よりも厚く構成されている。これは、図示しないが、外側壁部2の厚さd2に対する、他の外側下方規制部および外側上方規制部の厚さも同様に構成されている。また、図示しないが、内側壁部3の厚さが、内側下方規制部および内側上方規制部の厚さよりも厚く構成されている。これは、換言すれば、段積みパーツ1を容器50と組み合わせる際に、組み合わせ初期段階で分岐部分は広く開口していることから、段積みパーツ1と容器50とが接触しにくい。これにより、容易に組み合わせが実現できる。
【0070】
容器50および段積みパーツ1は、樹脂製(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなど)である。なお、本実施形態で例示している容器50は直方体を有しているが、これに限定されるものではなく、立方体であってもよい。
【0071】
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0072】
〔実施形態2〕
本実施形態2と、上述の実施形態1とは、段積みパーツ1自体は同一であるが、段積みする容器の姿勢が異なっている点が相違する。
【0073】
図13では、段積みパーツ1に載置される容器50が逆さ置きの容器である。要するに、逆さ置きの容器50は、開口部53を下段の容器50に向け、底部51を上方に向けている姿勢である。このように段積みすることにより、下段の容器50の開口部53と、上段の容器50の開口部53が向き合った状態となり、段積みした容器50によって、内部に一つの大きな収容空間が形成される。
【0074】
図14の例では、上段の逆さ置きの容器50の開口部側にある端面54A、54B同士の隣接位置にある開口部側角部60Aに、段積みパーツ1の角領域20´が対向して、角領域20´の当接領域22´が開口部側角部60Aの端面54Aおよび端面54Bに当接している。
【0075】
ここで、
図14の例では、上段の逆さ置きの容器50の端面54Aに隣接している外方側面55Aが、段積みパーツ1の外側上方規制部26bに当接している。また、上段の逆さ置きの容器50の端面54Aに隣接している内方側面56Aが、段積みパーツ1の内側上方規制部28bに当接している。
【0076】
本実施形態2に示すように開口部53を向き合わせて容器50を段積みした場合も、容器と容器との間には、段積みパーツ1の本体部分のZ軸方向の長さほど離間する。
図14では、この離間距離をd4で示す。なお、
図15に示すように内部に形成された一つの大きな収容空間に、更に別の容器50を横倒しにして収容してもよい。横倒しの容器50は、段積みした容器50と同一構成の容器であってもよく、別の構成の容器であってもよい。
【0077】
〔実施形態3〕
本実施形態3と、上述の実施形態1とは、段積みパーツ1自体は同一であるが、段積みする容器の個数と、その姿勢が異なっている点が相違する。
【0078】
図16では、四つの容器が段積みされている。一番下の容器50は開口部53を上にした通常置きの容器、下から二段目の容器50は開口部53を下にした逆さ置きの容器、下から三段目の容器50は開口部53を上にした通常置きの容器、一番上の容器50は開口部53を上にした通常置きの容器で段積みされている。このように、本実施形態3では、段積みパーツ1を用いることにより、逆さ置きの容器50にも通常置きの容器50にもどちらにも取り付けることができる。
【0079】
〔実施形態4〕
本実施形態4と、上述の実施形態1とは、段積みパーツ1自体は同一であるが、容器の開口部側角部60Aおよび底部側角部60Bの形状が、
図3等に示した切り欠き形状とは異なる形状である点において相違する。
【0080】
説明の便宜上、
図17では、一部の開口部側角部60Aに、段積みパーツ1を載置していない。本実施形態4で用いる容器50は、開口部側角部60Aが、端面同士の隣接箇所を矩形に切り欠いた形状である点において、
図1に示した切り欠き形状と異なる。この矩形に切り欠いた形状について、
図18を用いて説明する。
図18に示すように、開口部側角部60Aには、端面54Bと端面54Cとが隣接する箇所において、外方側面55Bと外方側面55Cとが当該箇所において仮想的に直角に交わる箇所が、矩形に切り欠かれている。この矩形の切り欠きによって、開口部側角部60Aの先端部分は、第1の先端部分55BCaと第2の先端部分55BCbとによって構成される。
【0081】
なお、この矩形に切り欠いた形状は、底部側角部60Bにおける端面同士の隣接箇所にも設けられている。
【0082】
段積みパーツ1は、このような特殊形状の切り欠きを有する開口部側角部60A(底部側角部60B)であっても、載置したときに安定性を有している。これについて、
図19を用いて説明する。
【0083】
段積みパーツ1の外縁部分は、開口部側角部60Aの先端部分(第1の先端部分55BCaおよび第2の先端部分55BCb)に近接した位置において、角領域20を有する。角領域20には、当接領域22aと、当接領域22bとが設けられている。当接領域22aは、開口部側角部60Aの外方側面の第1の先端部分55BCaよりも容器50の内方側にあり、且つ、
図19の例では容器50の開口部側角部60Aの端面54Bに当接している。同じく、当接領域22bは、開口部側角部60Aの外方側面の第2の先端部分55BCbよりも容器50の内方側にあり、且つ、
図19の例では容器50の開口部側角部60Aの端面54Cに当接している。当接領域22aおよび当接領域22bによって当接される容器50側の位置を、
図18に破線で示している。
【0084】
以上の本実施形態4の態様であっても、段積みパーツ1の外縁部分の当接領域22a、22bが、容器50の端面54Bおよび端面54Cに当接する。これにより、容器50外方への段積みパーツ1の移動が規制される。したがって、段積みパーツ1が容器50外方へ倒れることがなく、安定して容器50の端面に載置される。
【0085】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る段積みパーツ1は、容器の角部に載置して使用される段積みパーツであって、前記段積みパーツは、前記容器の角部に載置された状態において、前記容器と当接する当接部と、前記段積みパーツの内方向への移動を規制する第1規制部と、前記段積みパーツの外方向への移動を規制する第2規制部と、を備え、前記容器の前記角部は、前記段積みパーツを前記容器の前記角部に載置された状態において、前記当接部に対向する位置にある端面と、前記端面に隣接し、前記第1規制部および前記第2規制部のそれぞれに対向する位置にある側面と、が設けられ、前記容器の前記角部に載置された前記段積みパーツを上からみた場合、前記容器の外方側に向いた前記段積みパーツの外縁部分は、前記角部の先端部分に近接した位置において、当該先端部分と重畳するか、当該先端部分よりも前記容器の内方側にあり、前記外縁部分は、前記角部の先端部分に近接した位置において、前記容器の前記端面に当接する当接領域を有する。
【0086】
前記態様1の構成によれば、容器の角部に安定して載置できる段積みパーツを実現する。
【0087】
本発明の態様2に係る段積みパーツ1は、前記態様1において、前記段積みパーツの前記外縁部分における、前記角部の先端部分に近接した位置に隣接した部分には、上下方向に伸びる外側壁部が設けられ、前記段積みパーツの内縁部分は、前記外側壁部から空間を隔てて設けられた上下方向に伸びる内側壁部を有し、前記外側壁部と前記内側壁部との離間部分には、連結リブが設けられ、前記連結リブの下端部には、前記当接部が設けられ、前記第1規制部は、前記外側壁部の下端部から更に下方に伸びた第1下方壁部であって、前記容器の外方側に向いた前記側面に対向する第1下方壁部を有し、前記第2規制部は、前記内側壁部の下端部から更に下方に伸びた第2下方壁部であって、前記容器の内方側に向いた前記側面に対向する第2下方壁部を有する。
【0088】
前記態様2の構成によれば、段積みパーツは、概ね中空の構造となっていることから、軽量化を実現できるとともに、段積みパーツに用いる材料の量を抑え、低コストにて段積みパーツを実現することができる。
【0089】
本発明の態様3に係る段積みパーツ1は、前記態様2において、前記容器の前記角部は、第1の方向に沿って伸びた第1の前記端面と、当該第1の方向とは異なる第2の方向に沿って伸びた第2の前記端面とが同一平面内である領域を含み、前記連結リブは、前記第1の端面の上方に位置する第1の前記連結リブと、前記第2の端面の上方に位置する第2の前記連結リブと、を含み、前記容器の前記角部に載置された前記段積みパーツを上からみた場合、前記第1の連結リブは、前記第1の端面の幅方向および前記第1の方向のそれぞれに対して斜めに配置され、前記第2の連結リブは、前記第2の端面の幅方向および前記第2の方向のそれぞれに対して斜めに配置されている。
【0090】
前記態様3の構成によれば、第1の連結リブと第2の連結リブとがそれぞれ角部の端面の幅方向に沿った長さよりも長い距離、当接した構成を実現できる。これにより、段積みパーツを段積みする容器の荷重負荷を受ける面積が大きく、好適に荷重負荷を分散させることができ、容器に対する段積みパーツ1の載置安定性の向上を図ることができる。
【0091】
本発明の態様4に係る段積みパーツ1は、前記態様2または3において、前記容器の前記角部に載置された前記段積みパーツには、当該容器とは別の前記容器の前記角部を載置させることができ、前記段積みパーツは、前記別の容器の前記角部の前記端面に当接する第2当接部を、前記連結リブの上端部に含む。
【0092】
前記態様4の構成によれば、連結リブの下端部で下段の容器に当接して支持する一方で、当該連結リブの上端部で上段の容器に当接して支持する構成が実現でき、一続きの連結リブ構造で段積みする2つの容器を支える構成を実現できる。これにより、仮に、上段の容器に当接して支持するリブと、下段の容器に当接して支持するリブとが鉛直方向に異なる位置にある態様と比べ、段積みパーツの強度を向上させることができる。
【0093】
本発明の態様5に係る段積みパーツ1は、態様2から4において、前記容器の前記角部に載置された前記段積みパーツには、当該容器とは別の前記容器の前記角部を載置させることができ、前記第1規制部は、前記第1下方壁部と、前記外側壁部の上端部から更に上方に伸びた第1上方壁部であって、前記別の容器の前記角部の外方側に向いた前記側面に対向する第1上方壁部とを有し、前記第2規制部は、前記第2下方壁部と、前記内側壁部の上端部から更に上方に伸びた第2上方壁部であって、前記別の容器の内方側に向いた前記側面に対向する第2上方壁部とを有し、前記段積みパーツの前記外縁部分は、前記当接領域に加えて、前記別の容器の前記角部の先端部分に近接した位置において、前記別の容器の前記端面に当接する当接領域を有する。
【0094】
前記態様5の構成によれば、段積みパーツは、上下方向の向きは問わず、上下どちら側を使っても下方に位置する容器に載置することができ、上下どちら側を使っても上方に位置する容器を載置することができる。なお、段積みパーツに対して上段の容器の向きは、通常置きまたは逆さ置きのどちらでもよい。
【0095】
本発明の態様6に係る段積みパーツ1は、態様5において、前記容器および前記別の容器のそれぞれの底部には、前記側面を内周面に含む凹形状あるいは貫通形状の受容部が設けられており、前記段積みパーツは、前記第2下方壁部が、前記底部を上にした状態の前記容器の当該底部の前記受容部に受容されて前記側面に対向することによって、当該容器の前記底部の前記角部に載置可能であり、前記段積みパーツは、前記第2上方壁部が、前記底部を下にした状態の前記別途の容器の当該底部の前記受容部に受容されて前記側面に対向することによって、当該別途の容器の前記底部の前記角部を載置可能である。
【0096】
前記態様6の構成によれば、受容部が設けられた底部を有する容器に対しても、段積みパーツを安定して載置することができる。
【0097】
本発明の態様7に係る段積みパーツ1は、2つの容器を段積みする際に、容器同士の対向する角部に取り付けて使用される段積みパーツであって、各前記角部には、前記容器同士において対向する位置にある端面と、前記端面に隣接し、前記容器の外方側および内方側のそれぞれに位置する側面と、が設けられ、前記段積みパーツは、前記2つの容器のうちの下段の容器の前記端面に当接する第1当接部と、下段の容器の前記側面に対向する下段側方規制部と、前記2つの容器のうちの上段の容器の前記端面に当接する第2当接部と、上段の容器の前記側面に対向する上段側方規制部と、を含み、前記下段の容器の前記角部に取り付けた前記段積みパーツを上からみた場合、前記下段の容器の外方側に向いた前記段積みパーツの外縁部分は、前記下段の容器の前記角部の先端部分に近接した位置において、当該先端部分と重畳するか、当該先端部分よりも前記容器の内方側にあり、前記外縁部分は、前記下段の容器の前記角部の先端部分に近接した位置において、前記下段の容器の前記端面に当接する当接領域を有する。
【0098】
前記態様7の構成によれば、容器の角部に安定して載置できる段積みパーツを実現する。
【0099】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
1 段積みパーツ
2 外側壁部
3 内側壁部
4 連結リブ
4p 第1の連結リブ
4q 第2の連結リブ
20 角領域
22、22´、22a、22b 当接領域
25a、25b 外側下方規制部(第1下方壁部)
26a、26b 外側上方規制部(第1上方壁部)
27a、27b 内側下方規制部(第2下方壁部)
28a、28b 内側上方規制部(第2上方壁部)
44 第1支持部
48 第2支持部
50 容器
51 底部
52A、52B、52C、52D 側壁部
53 開口部
54A、54B、54C、54D、57A、57B、57C、57D 端面
55BCa 第1の先端部分
55BCb 第2の先端部分
55A、55B、55C、55D、55AB、55BC、55CD、55AD、58A、58B、58BC、58C 外方側面
56A、56B、56C、56D、59A、59B、59C、59D 内方側面
60A 開口部側角部
60B 底部側角部
80 受容部