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  • 特開-シート製造方法及びシート製造装置 図1
  • 特開-シート製造方法及びシート製造装置 図2
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  • 特開-シート製造方法及びシート製造装置 図5
  • 特開-シート製造方法及びシート製造装置 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133770
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】シート製造方法及びシート製造装置
(51)【国際特許分類】
   B26F 1/42 20060101AFI20230920BHJP
【FI】
B26F1/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038952
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170818
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 秀輝
(74)【代理人】
【識別番号】100116920
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 光
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 章太郎
(72)【発明者】
【氏名】油井 拓紀
(72)【発明者】
【氏名】大楽 到
【テーマコード(参考)】
3C060
【Fターム(参考)】
3C060AA01
3C060AA03
3C060BA03
3C060BB08
3C060BD01
3C060BD03
3C060BE08
3C060BG02
3C060BG11
3C060BH01
(57)【要約】
【課題】シートを適切に製造することができるシート製造方法及びシート製造装置を提供すること。
【解決手段】シート製造装置1を用いてシート基材SからシートS1を打ち抜いてシートを製造するシート製造方法において、シート基材Sと抜き型4を重ねた状態で搬送テーブル11上にセットするセット工程と、シート基材S及び抜き型4を二つのローラ21、22の間に挿通して移動させることによりプレスを行うプレス工程とを含み、シート製造装置1は、プレスローラ2の上流側及び下流側の一方又は双方の位置であって、移送されるシート基材Sの上方の位置に、プレス時にシート基材Sの跳ね上がりを抑制する押え部材3を有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラプレス機を用いシート基材からシートを打ち抜いて前記シートを製造するシート製造方法において、
前記シート基材と抜き型を重ねた状態で前記ローラプレス機にセットするセット工程と、
前記シート基材及び前記抜き型を前記ローラプレス機の二つのローラの間に挿通して移動させることによりプレスを行うプレス工程と、を含み、
前記ローラプレス機は、前記ローラの上流側及び下流側の一方又は双方の位置であって、移送される前記シート基材の上方の位置に、プレス時に前記シート基材又は前記抜き型の跳ね上がりを抑制する押え部材を有している、
シート製造方法。
【請求項2】
前記押え部材は、回転可能なローラである、
請求項1に記載のシート製造方法。
【請求項3】
前記押え部材は、上下方向へ移動可能に設けられている、
請求項1又は2に記載のシート製造方法。
【請求項4】
前記押え部材は、前記シート基材の移送方向と平行な方向へ移動可能に設けられている、
請求項1~3のいずれか一項に記載のシート製造方法。
【請求項5】
シート基材からシートを打ち抜いて前記シートを製造するシート製造装置において、
前記シート基材と抜き型を重ねた状態で挟み込んで移動させるプレスローラと、
前記プレスローラの上流側及び下流側の一方又は双方の位置であって、移動する前記シート基材の上方の位置に設けられ、プレス時に前記シート基材又は前記抜き型の跳ね上がりを抑制する押え部材と、を備える、
シート製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート製造方法及びシート製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート製造方法及びシート製造装置として、例えば、特開平11-034184号公報に記載されるように、上下に対向する二つのローラの間に抜き型と被加工シートを挿通させて、被加工シートを抜き型の形状に応じて打ち抜くものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-034184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような製造方法及び製造装置にあっては、被加工シートを適切に打ち抜くことができないおそれがある。例えば、被加工シートをローラの間に挿通すると、被加工シートがローラによってプレスされるが、ローラの前後の被加工シートの部分が跳ね上がってしまう。これにより、所望の形状に被加工シートを打ち抜くことが難しい。例えば、図6に示すように、被加工シート100から打ち抜かれたシート材101は、抜き型の刃型102に対し、ズレや伸びを生じ、適切なシート材101の製造が行えないこととなる。
【0005】
そこで、適切なシートの製造が行えるシート製造方法及びシート製造装置の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本開示の一態様に係るシート製造方法は、ローラプレス機を用いシート基材からシートを打ち抜いてシートを製造するシート製造方法において、シート基材と抜き型を重ねた状態でローラプレス機にセットするセット工程と、シート基材及び抜き型をローラプレス機の二つのローラの間に挿通して移動させることによりプレスを行うプレス工程とを含み、ローラプレス機は、ローラの上流側及び下流側の一方又は双方の位置であって、移送されるシート基材の上方の位置に、プレス時にシート基材又は抜き型の跳ね上がりを抑制する押え部材を有している。このシート製造方法によれば、ローラプレス機が押え部材を有することにより、プレス時においてローラの前後でシート基材又は抜き型が上方へ跳ね上がることが抑制される。これにより、抜き型によってシート基材からシートを適切に打ち抜くことができる。
【0007】
また、本開示の一態様に係るシート製造方法において、押え部材は、回転可能なローラであってもよい。この場合、押え部材が回転可能なローラとして構成されることにより、跳ね上がろうとするシート基材又は抜き型を押え部材によって移送方向へ円滑に案内することができる。
【0008】
また、本開示の一態様に係るシート製造方法において、押え部材は、上下方向へ移動可能に設けられていてもよい。この場合、押え部材が上下方向へ移動可能に設けられていることにより、押え部材でシート基材又は抜き型の跳ね上がりを抑制しつつ、シート基材の過剰な押さえ付けを低減することができる。また、本開示の一態様に係るシート製造方法において、押え部材は、シート基材の移送方向と平行な方向へ移動可能に設けられていてもよい。この場合、押え部材が移送方向へ移動可能に設けられていることにより、押え部材でシート基材又は抜き型の跳ね上がりを的確に抑制することができる。
【0009】
本開示の一態様に係るシート製造装置は、シート基材からシートを打ち抜いてシートを製造するシート製造装置において、シート基材と抜き型を重ねた状態で挟み込んで移動させるプレスローラと、プレスローラの上流側及び下流側の一方又は双方の位置であって移動するシート基材の上方の位置に設けられ、プレス時にシート基材又は抜き型の跳ね上がりを抑制する押え部材とを備えて構成される。このシート製造装置によれば、プレスローラの上流側及び下流側の一方又は双方の位置であって、移動するシート基材の上方の位置に押え部材が設けられることにより、プレス時においてシート基材又は抜き型が上方へ跳ね上がることが抑制される。これにより、抜き型によってシート基材からシートを適切に打ち抜くことができる。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る発明によれば、シートを適切に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施形態に係るシート製造装置の概要を示す垂直断面図である。
図2図1のシート製造装置の平面図である。
図3】実施形態に係るシート製造方法及びシート製造装置におけるシート材の配置の説明図である。
図4】背景技術の説明図である。
図5】実施形態に係るシート製造方法及びシート製造装置の変形例の説明図である。
図6】背景技術の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0013】
図1は、シート製造装置の構成概要を示す垂直断面図である。図2は、シート製造装置の平面図である。
【0014】
図1に示すように、シート製造装置1は、プレスによってシート基材SからシートS1を打ち抜いてシートS1を製造するローラプレス機である。シート製造装置1は、プレスローラ2及び押え部材3を備えている。プレスローラ2は、二つのローラ21、22を有し、シート基材Sと抜き型4を重ねた状態でローラ21、22の間に挟み込んで移動させるプレス機構である。
【0015】
プレスローラ2は、搬送テーブル11に設けられている。搬送テーブル11は、シートS1を製造するための台部材であり、上面がシート基材S及びシートS1の移送路となる。搬送テーブル11は、例えば、シート基材S及びシートS1の移送方向Tを長手方向とする板体を含んで構成される。プレスローラ2のローラ21、22は、円柱体又は円筒体により構成され、水平方向であって搬送テーブル11における移送方向Tと直交する方向の軸線を中心に回転可能に設けられている。プレスローラ2のローラ21、22は、上下に並べて配置される。
【0016】
ローラ21は、駆動ローラであり、図示しないモータの駆動により回転力が与えられ、回転駆動できるように構成されている。このローラ21は、搬送テーブル11の内部に設けられ、外周面の上部が搬送テーブル11の上面と同じ位置又はほぼ同じ位置となるように設置される。これにより、ローラ21の回転駆動により、搬送テーブル11上のシート基材S等を移送方向Tに沿って移送することができる。
【0017】
ローラ22は、ローラ21の上方に設けられ、ローラ21の間にシート基材S等を挿通できるように、ローラ21から離間して設置されている。ローラ22は、シート基材Sの厚みなどによってローラ21との離間距離を調整できるように、昇降可能に構成されていてもよい。
【0018】
押え部材3は、プレス時にシート基材Sの跳ね上がりを抑制する部材であり、プレスローラ2の移送方向Tの上流側及び下流側の位置であって、移送されるシート基材Sの上方の位置に設けられている。押え部材3は、例えば、円筒体又は円柱体とされ、押えローラとして回転可能に構成される。この場合、押え部材3を押えローラとして構成することで、跳ね上がろうとするシート基材Sを移送方向Tへ円滑に案内することができる。
【0019】
図2に示すように、例えば、押え部材3は、ローラ22を回転可能に支持するフレーム23に対し回転可能に支持される。この場合、押え部材3は、固定式の部材となるが、移動可能に設けられていてもよい。例えば、押え部材3は、フレーム23に対し所定の範囲で上下移動に可能に設けられる。これにより、押え部材3により、シート基材Sの跳ね上がりを抑制しつつ、シート基材Sの過剰な押さえつけを低減することができる。また、例えば、押え部材3は、フレーム23に対し移送方向Tに移動可能に設けられる。すなわち、押え部材3は、移送方向Tと平行な方向に移動可能とされ、ローラ22に対し離間又は接近するように移動可能に設けられている。これにより、押え部材3を移送方向Tと平行な方向へ移動させローラ22からの距離を調整することによってシート基材Sの跳ね上がりを的確に抑制することができる。例えば、図4のようにプレス時にシート基材Sがプレスローラ2の前後で盛り上がる領域に押え部材3を移動させて配置することで、シート基材Sの跳ね上がりを的確に抑制することができる。なお、押え部材3の支持構造は、押え部材3を移動させて支持できるものであれば、いずれの支持構造であってもよい。
【0020】
押え部材3は、プレス時にシート基材Sの跳ね上がりを抑制できる構成であればよく、例えば、ローラ22と比べて小さく形成され、ローラ22の半分以下の大きさとしてもよい。ローラ22と押え部材3との距離は、プレス時にシート基材Sの跳ね上がりを適切に抑制できる距離とされ、シート基材Sの厚さや材質などに応じて適宜設定される。
【0021】
図1において、シート基材Sと抜き型4は、重ねた状態でプレスされる。シート基材Sは、被加工物であり、長尺状のシート材である。このシート基材Sは、例えば繊維シートが用いられる。具体的には、シート基材Sは、所定の方向に繊維を配列させ樹脂を含浸させたものが用いられる。シート基材Sは、複数の繊維シートを積層したものであってもよい。
【0022】
抜き型4は、シート基材SからシートS1を打ち抜くための型体であり、シート基材Sと同じ又はほぼ同じ横幅の大きさで形成される。抜き型4には、表面から突出する刃41が形成されている。刃41は、シートS1の外形に応じた形状で突条として形成される。刃41の突出長は、例えば、シート基材Sの厚さよりも長く形成される。抜き型4とシート基材Sを重ねた状態で、抜き型4及びシート基材Sの厚み方向に押圧することにより、刃42の形状に応じてシートS1が打ち抜かれる。
【0023】
次に、本実施形態に係るシート製造装置1の動作及びシート製造方法を説明する。
【0024】
まず、図3に示すように、セット工程が行われ、シート基材Sと抜き型4が重ねた状態でシート製造装置1にセットされる。すなわち、シート製造装置1の搬送テーブル11上にシート基材Sと抜き型4が重ねてセットされる。このとき、例えば、抜き型4の上に弾性体51、弾性体51の上にシート基材S、シート基材Sの上にカバー材52が順次重ねてセットされる。弾性体51は、例えばスポンジなどの弾性変形可能な板状部材である。カバー材52は、例えば樹脂などにより構成される板状部材である。弾性体51は、プレス時にシート基材S及び抜き型4を含む積層体の変形を許容するための部材である。カバー材52は、抜き型4の刃41をローラ22の周面に直接接触させないための部材である。なお、本実施形態では、抜き型4、弾性体51、シート基材S及びカバー材52を重ねてプレスを行っているが、それ以外の部材を重ねて抜き型4、弾性体51、シート基材S及びカバー材52を含む積層体としてプレスを行う場合もある。
【0025】
次いで、プレス工程が行われ、プレスローラ2が作動し、ローラ21が回転駆動する。そして、図1に示すように、ローラ22とローラ21の間にシート基材S及び抜き型4が挿通され、シート基材Sがプレスされる。すなわち、シート基材S及び抜き型4に厚み方向へ押圧力が与えられる。これにより、抜き型4の刃41がシート基材Sを厚み方向に貫通し、シート基材SからシートS1が打ち抜かれる。
【0026】
このプレス工程において、プレスローラ2にプレスされるシート基材Sは、ローラ21とローラ22の位置で厚み方向へ圧縮されるため、その前後の位置で跳ね上がる応力が発生する。このとき、押え部材3がプレスローラ2の上流側及び下流側の位置に設けられているため、シート基材Sが跳ね上がることが抑制される。つまり、シート基材S、カバー材52、弾性体51が跳ね上がることが抑制され、刃41の形状に応じてシートS1を所望の形状に打ち抜くことができる。
【0027】
これに対し、押え部材3が設けられていない場合には、シートS1を所望の形状に打ち抜くことが難しい。図4に示すように、押え部材3が設けられていない場合、プレスローラ2の前後の位置でシート基材S、カバー材52、弾性体51が跳ね上がってしまい、図6に示すように、シートS1(シート材101)の位置ずれや移送方向への形状の伸びが生じやすい。
【0028】
これは以下のような現象に起因するものと考えられる。プレスローラ2により局所的な変形を与えながらシート基材S等を下流側へ移送させることにより、弾性体51が上流側へ引っ張られて伸びる。プレスローラ2を過ぎた後に弾性体51の伸びが元に戻るが、その時にシート基材Sを下流側に引っ張る力が働き、シート基材Sを下流側へ移送していく。シート基材Sの移送がある程度進むと、プレスローラ2の下流側にあるカバー材52の先端側が垂れ下がり、抜き型4に倣う形状となる。このため、プレスローラ2より下流側に移送されたシートS1等の余剰部分がプレスローラ2より下流側の中腹のカバー材52と弾性体51の間に波打つ形で溜まる。抜き型4が全てプレスローラ2を通り過ぎるタイミングで、抜き型4に上下に押圧する力がなくなり、カバー材52が全面に亘って弾性体51に倣う。このため、カバー材52と弾性体51の間に溜まっていたシートS1の波打ちが平らに強制され、上流側へ押し出される。このような現象により、図6に示すように、下流側のシートS1(シート材101)は下流側にずれを生じ、上流側のシートS1(シート材101)は上流側にずれを生ずる。
【0029】
このような不具合を解消すべく、本実施形態に係るシート製造装置及びシート製造方法では、押え部材3を用いることにより、シートS1のずれや伸びを抑制して、適切なシートS1の製造が可能になる。
【0030】
以上説明したように、本実施形態に係るシート製造装置1及びシート製造方法によれば、押え部材3を設けてシートS1を製造することにより、プレス時においてシート基材Sが上方へ跳ね上がることが抑制される。これにより、抜き型4によってシート基材SからシートS1を適切に打ち抜くことができ、シートS1を適切に製造することができる。
【0031】
また、本実施形態に係るシート製造装置1及びシート製造方法において、押え部材3が回転可能なローラとして構成される。これにより、跳ね上がろうとするシート基材Sを押え部材によって移送方向Tへ円滑に案内することができる。従って、シートS1の製造を円滑に行うことができる。
【0032】
また、本実施形態に係るシート製造装置1及びシート製造方法において、押え部材3が上下方向へ所定の範囲で移動可能に設けられる。これにより、押え部材3でシート基材Sの跳ね上がりを抑制しつつ、シート基材Sの過剰な押さえつけを低減することができる。従って、シートS1を適切に製造することができる。また、本実施形態に係るシート製造装置1及びシート製造方法において、押え部材3が移送方向Tへ移動可能に設けられる。これにより、押え部材3を移送方向Tと平行な方向に移動させてシート基材Sの跳ね上がりを的確に抑制することができる。図4に示すように、プレス時のシート基材S、カバー材52及び弾性体51が跳ね上がろうとするが、この跳ね上がりはシート基材S、カバー材52及び弾性体5の撓みやすさなどの材質やプレスローラ2の押圧力によって異なる。このため、この跳ね上がりの状態に応じて押え部材3を適切な位置に移動させて設置することにより、シート基材Sの跳ね上がりを的確に抑制することができる。
【0033】
なお、以上のように本開示の実施形態に係るシート製造装置1及びシート製造方法について説明したが、本開示のシート製造装置及びシート製造方法は上述した実施形態に限定されるものではない。本開示は、特許請求の範囲の記載の要旨を逸脱しない範囲で様々な変形態様をとることができる。
【0034】
例えば、上述した実施形態においては、押え部材3をローラとして設けていたが、ローラ以外の形態、形状であってもよい。具体的には、図5に示すように、押え部材3Aとして、板状に構成してもよい。この場合であっても、押え部材3Aによって、プレス時においてシート基材Sが上方へ跳ね上がることを抑制することができ、シートS1を適切に製造することができる。また、押え部材3Aを下方へ突出するように湾曲した形状としてもよい。これにより、カバー材52との摩擦抵抗を低減してシート基材Sを円滑に案内することができる。
【0035】
また、上述した実施形態においては、押え部材3をプレスローラ2の上流側及び下流側の双方に設ける場合について説明したが、押え部材3をプレスローラ2の上流側及び下流側のいずれか一方に設けてもよい。この場合、押え部材3を設けない場合と比べて、プレス時においてシート基材Sが上方へ跳ね上がることを抑制することができ、シートS1を適切に製造することができる。
【0036】
また、上述した実施形態においては、抜き型4の上にシート基材Sを重ねてプレスを行う場合について説明したが、シート基材Sの上に抜き型4を重ねてプレスを行ってもよい。例えば、カバー材52の上にシート基材Sを重ね、シート基材Sの上に弾性体51を重ね、弾性体51の上に抜き型4を重ねてセットし、このシート基材S及び抜き型4を含む積層体をプレスすることによりシートS1を製造してもよい。この場合、押え部材3によってプレス時の抜き型4の跳ね上がりが抑制される。これにより、抜き型4によってシート基材SからシートS1を適切に打ち抜くことができ、シートS1を適切に製造することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 シート製造装置
2 プレスローラ
3 押え部材
3A 押え部材
4 抜き型
11 搬送テーブル
21 ローラ
22 ローラ
23 フレーム
41 刃
51 弾性体
52 カバー材
S シート基材
S1 シート
T 移送方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6