(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133811
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20230920BHJP
【FI】
A63F5/04 650
A63F5/04 605B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039013
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 完
【テーマコード(参考)】
2C182
2C518
【Fターム(参考)】
2C182CA10
2C518EA01
2C518EB07
2C518EB16
2C518EC09
2C518EC15
2C518EC17
2C518EC22
(57)【要約】
【課題】遊技機の利便性を向上させる。
【解決手段】遊技者所有の遊技価値を記憶可能な記憶部を有し、前記記憶部に記憶されている遊技価値に基づきゲームを実行可能とする遊技機において、前記記憶部に記憶されている遊技価値が、所定期間特定値となっていることに基づき、当該遊技機が特定の遊技者の占有状態となっていると判定可能な判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づき、前記占有状態となっていることを遊技者が認識可能な報知を実行可能な報知手段と、を備えた構成とした。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者所有の遊技価値を記憶可能な記憶部を有し、前記記憶部に記憶されている遊技価値に基づきゲームを実行可能とする遊技機において、
前記記憶部に記憶されている遊技価値が、所定期間特定値となっていることに基づき、当該遊技機が特定の遊技者の占有状態となっていると判定可能な判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づき、前記占有状態となっていることを遊技者が認識可能な報知を実行可能な報知手段と、
を備えた
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記特定値を、1回のゲームを実行するための最大値に設定した
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
1回のゲームを実行するための遊技価値を記憶可能なゲーム実行記憶部を備え、
前記判定手段は、前記ゲーム実行記憶部に記憶されている遊技価値が、前記記憶部に移行されたことを条件に、前記占有状態となっていると判定可能とした
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記判定手段は、前記占有状態が、前記所定期間を超えて特定期間となったことに基づき、前記占有状態が超過したことを判定可能とし、
前記報知手段は、前記判定手段の判定結果に基づき、前記占有状態が超過したことを遊技者が認識可能な報知を実行可能とした、
ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記報知手段は、
複数の情報を表示可能な表示手段と、
前記表示手段に前記占有状態に対応する情報を表示させることが可能な表示制御手段と、
を含み、
前記表示制御手段は、遊技状態に応じて前記占有状態に対応する情報を変更可能とした
ことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記判定手段は、遊技状態に応じて前記所定期間を変更可能とした
ことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の遊技機。
【請求項7】
前記判定手段は、所定条件の成立に基づき前記特定期間を変更可能とした
ことを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項8】
前記判定手段は、当該遊技機外部から休憩中を示す情報の受信に基づき、前記占有状態の判定を無効とした
ことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メダルなどの物理的な遊技媒体の介在なしに遊技を行えるスロットマシンなどの遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このような従来の遊技機には、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の遊技機は、遊技者所有の遊技価値を記憶可能な記憶部を有し、前記記憶部に記憶されている遊技価値に基づきゲームを実行可能とする遊技機において、前記記憶部に記憶されている遊技価値が、所定期間特定値となっていることに基づき、当該遊技機が特定の遊技者の占有状態となっていると判定可能な判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づき、前記占有状態となっていることを遊技者が認識可能な報知を実行可能な報知手段と、を備えた構成としている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態の遊技機における外観を示す概略正面図である。
【
図2】第1実施形態の遊技機における内部構成を示す概略斜視図である。
【
図3】第1実施形態の遊技機における制御構成を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態の遊技機における遊技方法を示すフローチャートである。
【
図5】第1実施形態の遊技機における占有状態にする際の操作手順を説明するための図である。
【
図6】第1実施形態の遊技機における主制御部での占有状態処理を示すフローチャートである。
【
図7】第1実施形態の遊技機における表示器での占有状態にするための説明画像を示す図である。
【
図8】第1実施形態の遊技機における表示器での占有状態中の画像の一例であり、通常遊技状態中における占有状態中の画像を示す図である。
【
図9】第1実施形態の遊技機における表示器での占有状態中の画像の一例であり、AT状態中における占有状態中の画像を示す図である。
【
図10】第1実施形態の遊技機における占有状態の第1報知および第2報知が行われるまでの時間を説明するための図である。
【
図11】第1実施形態の遊技機における主制御部での占有状態不能動化処理を示すフローチャートである。
【
図12】第1実施形態の遊技機における遊技状態の移行を説明するための図である。
【
図13】第1実施形態の遊技機における主制御部での差枚数計数処理を説明するためのフローチャートである。
【
図14】第1実施形態の遊技機における主制御部でのリミッタ監視処理を説明するためのフローチャートである。
【
図15】第1実施形態の遊技機における主制御部での差枚数表示処理を説明するためのフローチャートである。
【
図16】第1実施形態の遊技機における差枚数表示処理が行われた場合の表示器での画像を示す図である。
【
図17】第1実施形態の遊技機における疑似ボーナス状態中の表示器での演出画像を示す図である。
【
図18】第1実施形態の遊技機における疑似ボーナス状態中の演出画像の選択率を説明するための図表である。
【
図19】第1実施形態の遊技機におけるAT状態開始時の表示器での演出画像を示す図である。
【
図20】第1実施形態の遊技機におけるAT状態終了時の表示器での演出画像を示す図である。
【
図21】第1実施形態の遊技機におけるAT状態の開始画像および終了画像の選択率を説明するための図表である。
【
図22】第1実施形態の遊技機におけるAT状態終了後の遊技区間の移行先を説明するための図表である。
【
図23】第1実施形態の変形例1における差枚数表示処理が行われた場合の表示器での画像を示す図である。
【
図24】第1実施形態の変形例2における主制御部での差枚数表示処理を説明するためのフローチャートである。
【
図25】第1実施形態の変形例2における主制御部でのリミッタ監視処理を説明するためのフローチャートである。
【
図26】第2実施形態の遊技機における主制御部での第1差枚数計数処理を説明するためのフローチャートである。
【
図27】第2実施形態の遊技機における主制御部での第1リミッタ監視処理を説明するためのフローチャートである。
【
図28】第2実施形態の遊技機における主制御部での第2差枚数計数処理を説明するためのフローチャートである。
【
図29】第2実施形態の遊技機における主制御部での第2リミッタ監視処理を説明するためのフローチャートである。
【
図30】第2実施形態の遊技機における第1リミット値の選択率を説明するための図表である。
【
図31】第2実施形態の遊技機における有利区間移行後および第1リミッタ機能作動後の高確率状態を説明するための図表である。
【
図32】第2実施形態の遊技機におけるAT状態終了後の遊技区間の移行先を説明するための図表である。
【
図33】第2実施形態の遊技機における第1エンディング期間中の高確率状態延長抽選の当選確率を説明するための図表である。
【
図34】第2実施形態の遊技機における第1エンディング期間中の表示器での演出画像を示す図である。
【
図35】第2実施形態の遊技機における第2エンディング期間中の表示器での演出画像を示す図である。
【
図36】第2実施形態の遊技機における第1エンディング期間と第2エンディング期間が重複した場合の遊技状態および遊技区間の推移を説明するためのタイミングチャートである。
【
図37】第2実施形態の遊技機におけるAT状態中のフェイクエンディング演出が実行された場合の表示器での演出画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について説明する。
本実施形態の遊技機は、実物のメダル(遊技媒体)を使用せず、メダルをデータとして管理し、当該データ形式の疑似遊技媒体を使用して遊技を行う遊技機(以下、メダルレス遊技機という)である。
以下、メダルレス遊技機として、AT状態(ART)状態を有する6号機のスロットマシンに適用した例を説明するが、これに限らず、例えば、リアルボーナスの遊技が可能なAタイプのスロットマシンに本発明を適用することもできる。
なお、メダルレス遊技機で使用されるデータとしてのメダルを「遊技メダル」と称する。
【0008】
<第1実施形態>
本発明に係る遊技機の第1実施形態について、
図1~
図12を参照して説明する。
【0009】
図1は、メダルレス遊技機(遊技機)の外観を示す概略正面図である。
図2は、メダルレス遊技機(遊技機)の内部構成を示す概略斜視図である。
図1、2に示すように、メダルレス遊技機1は、筐体1bと、この筐体の開口部を開閉可能に覆う前扉1aを備えている。
前扉1aの中央部には、後方を視認可能な表示窓6が形成されており、この表示窓6を透して、リール41に表された図柄を視認することができる。
表示窓6の下方には、前側に突出する段部が形成されており、この段部の周辺に、ベットボタン2a、MAXベットボタン2b、演出ボタン2g、計数ボタン2c、精算ボタン2d、スタートレバー3、停止ボタン5などの操作手段や、遊技メダル数表示装置7、計数ボタンランプ2e、ベット数ランプ2fなどの報知手段を設けている。
表示窓6の側部には、有利区間ランプ13を設けており、表示窓6の上方には、遊技者に停止ボタン5の操作順序をナビゲートするナビランプ12を備えている。
前扉1aの上部には、報知手段として動作する表示器8を備えている。表示器8は、例えば、1画面の液晶表示器を例示することができるが、これに限らず、複数画面の構成(例えばメイン画面とサブ画面)でもよい。なお、表示器8に代え又は加えて前扉1aの下部(下パネル)に液晶表示器を設けても良く、必ずしも表示器8を設けなくてもよい。
【0010】
表示器8の側方には、報知手段として動作する、音による演出や報知を行うスピーカ9や、各役の入賞時や表示器8で表示される演出に対応して光の演出や報知を行うランプ11を備えている。
【0011】
筐体1bの内部には、遊技を統括的に制御するCPUを実装した主制御部10を備え、また、主制御部10の制御下で遊技の演出等に関する制御を行うCPUを実装した副制御部20を備えている。
また、筐体1bの内部には、ドラムユニット4を備えている。ドラムユニット4は、水平方向に並設される3つのリール41a~41cを備え、これらリール41が、ステッピングモータ(図示省略)の駆動によりそれぞれ回転可能に構成されている。
各リール41a~41cの外周面には、所定の配列に従って複数の図柄(識別情報)が表され、リール41の停止状態において、各リール41a~41cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が表示窓6を透して視認可能となっている。
筐体1bの内部には、主制御部10及び副制御部20を含む各装置に電力を供給するための電源装置15を設けている。
筐体1bの内部には、遊技メダル数クリアボタン14や確率設定装置16が設けられており、台間装置である専用ユニット19が、各メダルレス遊技機1に対応して遊技機の外部に隣接されている(図示省略)。
【0012】
図3に示すように、主制御部10には、ベットボタン2a、MAXベットボタン2b、精算ボタン2d、スタートレバー3、停止ボタン5、専用ユニット19、ドラムユニット4、有利区間ランプ13、計数ボタン2c、遊技メダル数表示装置7、遊技メダル数クリアボタン14、確率設定装置16、電源装置15などの各部が接続されている。
なお、
図3の破線部(専用ユニット19)は外部の機器であることを示している。
主制御部10は、遊技に関する抽選を実行可能な抽選手段として機能するほか、上記各部の動作を検知・制御したり、遊技状態を移行したり、所定のタイミングで、所定のコマンド(制御情報)を副制御部20に出力する。
また、主制御部10は、遊技者が所有する遊技価値(遊技メダル)を記憶可能な記憶部を有し、記憶部に記憶されている遊技価値に基づきゲームを実行させる制御を行う。
副制御部20には、ナビランプ12、計数ボタンランプ2e、ベット数ランプ2f、表示器8、スピーカ9、ランプ11、演出ボタン2gなどの各部が接続されている。
副制御部20は、演出制御手段として動作し、主制御部10からのコマンド(制御情報)に応じて、上記各部の動作を制御する。
主制御部10および副制御部20のうちの何れか一方或いは両方で、本発明における、判定手段、報知手段は、表示制御手段、区間制御手段、差数情報計数手段、有利区間終了制御手段、特別遊技状態終了制御手段、特定増加数変更制御手段、第1特典付与手段、第2特典付与手段、エンディング演出制御手段が構成される。
【0013】
要部の動作について説明する。
遊技メダル数表示装置7は、遊技価値表示手段であり、遊技に使用可能な遊技メダル(遊技価値)の総数を表示する。
このため、遊技者は、遊技メダル数表示装置7に表示されている遊技メダル数の範囲内で遊技メダルを投入して遊技を行うことができる。
遊技メダル数表示装置7は、記憶手段(RAMなど)と、例えば、7セグLEDで構成された遊技メダル数表示器7a(
図5参照)とを備え、主制御部10は、遊技メダルが貸し出されたり付与されたりした場合は、その貸出数や付与数を加算することで、加算結果(総計)を「遊技メダル数」として記憶手段に記憶(記録)し、遊技メダル数表示器7aに表示する。
また、主制御部10は、遊技メダルが投入されると、遊技メダル数表示装置7において「記憶・表示」している「遊技メダル数」から投入数を減算する。
遊技メダルの貸出しは、台間装置である専用ユニット19の貸出操作により行われ、遊技メダルの投入は、ベットボタン2a又はMAXベットボタン2bの操作により行われる。
遊技メダル数表示装置7において記憶・表示可能な遊技メダル数(遊技価値の量)には、上限値(例えば16300とする)が設定されており、例えば入賞による付与により遊技メダルの総計が上限値を超過すると遊技ができないように「遊技不可」の制御が実行される。
「遊技不可」の状態では、スタートレバー3、ベットボタン2a、MAXベットボタン2b、精算ボタン2dの各操作を受付けないようにしている。
【0014】
ベットボタン2a及びMAXベットボタン2bは、遊技の開始に際して遊技メダルを投入(ベット)するために使用される操作手段である。
ベットボタン2aは、押圧操作によりベット数「1」を設定(一時的にRAMに記憶)し、MAXベットボタン2bは、最大のベット数「3」を設定(一時的にRAMに記憶)する。
主制御部10は、ベットボタン2a又はMAXベットボタン2bの押下操作に応じ、対応するベット数を遊技メダル数表示装置7にて記憶・表示されている遊技メダル数から減算する。
【0015】
スタートレバー3は、遊技メダルが投入された後に、遊技者が遊技を開始する際に操作する操作手段である。
停止ボタン5は、スタートレバー3の操作に応じて回転するリール41を停止する際に押圧操作する操作手段である。
【0016】
計数ボタン2cは、遊技者が獲得した遊技メダルを計数処理する場合に操作する操作手段である。
具体的には、計数ボタン2cは、遊技メダル数表示器7aに表示される遊技メダル(遊技価値)の少なくとも一部を計数データとして専用ユニット19(外部)に出力するために操作する計数操作手段である。
このため、計数ボタン2cは、遊技を終了する際において操作されるが、これに限らず、原則いつでも(遊技中や遊技不可の状態でも)操作可能である。
計数ボタン2cは、押下態様によって計数の量が異なる。
例えば、計数ボタン2cが「短押し」(例えば500ミリ秒未満押下)された場合、主制御部10は、「1」の遊技メダルが計数されたこと、すなわち計数量「1」を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力する。この場合、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量「1」を減算する処理を実行する。
【0017】
計数ボタン2cが「長押し」(例えば500ミリ秒以上押下)された場合、主制御部10は、最大「50」の遊技メダルが計数されたこと、すなわち、最大計数量「50」を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力する。この場合、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量(最大「50」)を減算する処理を実行する。
例えば、遊技メダル数表示器7aにおいて「50以下」の遊技メダル数が表示されている状態において計数ボタン2cが長押しされた場合、最大「50」の遊技メダルが計数されることから、すべての遊技メダル数が計数される。
この場合、主制御部10は、計数量を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力すると共に、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量を減算する。
この結果、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数は「0」に更新される。
また、遊技メダル数表示器7aにおいて「50超」の遊技メダル数が表示されている状態において計数ボタン2cの長押しが継続された場合、1回目の長押し検知に応じ遊技メダル数「50」が計数され、2回目以降の長押し検知のたび(例えば300ミリ秒ごと)に最大「50」の遊技メダルが計数される。
この場合、主制御部10は、計数総量を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力すると共に、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数総量を減算する。
なお、長押し継続に基づく専用ユニット19への計数データの出力は、長押し継続の終了時に計数総量を特定可能な計数データを一括で出力してもよく、長押し検知のたびに計数量(最大50)を特定可能な計数データを個別出力してもよい。
専用ユニット19側では、例えば返却ボタン21(
図5参照)が操作されるまでの計数量の総数を持メダル数として管理する。
また、通常の計数ボタン2c以外に、例えば短押しで100枚計数できるボタンや、長押ししても500枚までで止めてくれる計数ボタンなど、別個の計数ボタンを設けてもよい。
【0018】
このように、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数は、計数処理によって減算することができる。
このため、遊技メダル数が上限値を超過することで「遊技不可」の状態になった場合、対処方法として、計数ボタン2cの操作により遊技メダル数を上限値以下に減らすことで「遊技不可」の状態を解除することができる。
【0019】
遊技メダル数クリアボタン14は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数をリセットする(0にする)ための店員用の操作手段である。
遊技メダル数クリアボタン14が操作された場合、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数を「0」に更新する。
このため、「遊技不可」の状態は、店員による遊技メダル数クリアボタン14の操作によっても解除することができる。
【0020】
精算ボタン2dは、設定されたベット数を遊技メダル数表示装置7に返却(移行)する場合に操作する操作手段である。
例えば、ベット数「1」が設定されている状態で精算ボタン2dが押下操作された場合、主制御部10は、ベット数をクリアすると共に、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダルに「1」を加算する。
ベット数「2」が設定されている状態で精算ボタン2dが押下操作された場合、主制御部10は、ベット数をクリアすると共に、遊技メダル数表示器7aにおいて表示されている遊技メダル数に「2」を加算する。
ベット数「3」が設定された状態で精算ボタン2dが押下操作された場合、主制御部10は、ベット数をクリアすると共に、遊技メダル数表示器7aにおいて表示されている遊技メダル数に「3」を加算する。
つまり、精算ボタン2dは、ベット数(賭け数)として設定された遊技メダル(遊技価値)を、遊技メダル数表示器7a(遊技価値表示手段)に表示される遊技メダル数(遊技価値)に加えるために操作可能な特定操作手段である。
このため、遊技者は、遊技を終了する場合、ベット数ランプ2fが点灯していることによりベット数が設定されていることを確認したときは、精算ボタン2dを押下すればよい。
これにより、設定中のベット数の遊技メダル数が遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数に加算されるため、その後、計数ボタン2cを押下操作すればベット数も合わせて返却することができる。
【0021】
なお、ベットボタン2aなど他の操作手段に精算ボタン2dの機能を持たせることもできる。
例えば、ベットボタン2aを「短押し」した場合はベット数「1」を設定し、ベットボタン2aを「長押し」した場合は精算ボタン2dの動作(上記返却動作)を行うようにできる。
【0022】
ベット数ランプ2fは、ベット数が設定されたことや、ベット数(1~3ベット)をLEDの点灯により、遊技開始前に報知する報知手段である。
副制御部20は、主制御部10からの制御情報の受信に基づき、ベット数「1」が設定された状態において1つのランプ(例えば
図1に示す「1BET」のランプ)を点灯し、ベット数「2」が設定された状態において2つのランプ(例えば
図1に示す「1BET」と「2BET」のランプ)を点灯し、ベット数「3」が設定された状態において3つのランプ(例えば、
図1に示す「1BET」と「2BET」と「3BET」のランプ)を点灯する制御を行う。
すなわち、ベット数ランプ2fは、賭け数表示手段であり、遊技における賭け数として設定されたベット数(遊技価値)を少なくとも遊技開始前に表示するようにしている。
副制御部20は、主制御部10からの遊技の開始(スタートレバー3の操作)を特定する情報の受信に基づき、ベット数ランプ2fを消灯する制御を行う。
【0023】
また、副制御部20は、主制御部10からの制御情報の受信に基づき、ベット数に対応する遊技メダルが投入された場合に、ベット数ランプ2fを消灯する制御を行う。
また、副制御部20は、主制御部10からの制御情報の受信に基づき、精算ボタン2dが操作されてベット数が遊技メダル数に移行された場合に、ベット数ランプ2fを消灯する制御を行う。
つまり、ベット数ランプ2fは、ベット数が設定された状態において点灯し、遊技メダルの投入、あるいは遊技メダルの精算(返却)に応じて消灯する。
なお、ベット数ランプ2fとは別個に、ベット数を表示するための表示手段を設けて、当該表示手段を主制御部10で直接制御するようにしてもよい。
【0024】
有利区間ランプ13は、遊技者にとって有利な状態である旨を報知する報知手段である。
有利区間ランプ13は、有利区間中に点灯するが、有利区間中で、かつ、メダルが増加する遊技状態(AT状態等)中に点灯するようにしてもよい。
ただし、有利区間ランプ13を設けつつ、ランプを点灯しないようにもできる。
また、有利区間ランプ13を設けなくてもよい。この場合、AT状態中の認識が困難にならないように、有利区間ランプ13に代えてAT状態中に点灯するランプなどを設けることが好ましい。
【0025】
確率設定装置16はAT状態の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能である。
主制御部10は、遊技場の店員による確率設定装置16における確率設定操作に基づき、何れか1つの設定値を記憶部に記憶し、当該記憶された設定値に基づいてAT状態の当選確率を制御する。例えば、設定1が最も低い当選確率であり、大きい数字ほど当選確率が高くなっている。
【0026】
専用ユニット19は、遊技メダルの貸し出しを行う貸出装置である。
専用ユニット19は、メダルレス遊技機1の外部に併設され、メダルレス遊技機1とは接続端子板を介してデータ通信可能に接続されている。
専用ユニット19において現金の投入(紙幣)などの貸出操作が行われると、専用ユニット19は、遊技メダルの貸出数を特定可能な貸出データをメダルレス遊技機1に出力する。
メダルレス遊技機1では、主制御部10が、入力した貸出データに基づいて遊技メダルの貸出数を特定し、当該貸出数を遊技メダル数表示装置7において記憶・表示している遊技メダル数に加算する。
【0027】
専用ユニット19は、遊技メダルの返却を行う返却装置でもある。
具体的には、メダルレス遊技機1は、計数ボタン2cの操作に基づき、遊技メダルの計数量を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力する。
専用ユニット19は、メダルレス遊技機1から出力された計数データを入力すると、当該計数データに基づき特定された遊技メダルの計数量を持メダル数として管理する。
【0028】
専用ユニット19には、例えば、7セグLEDで構成された持メダル数表示器19a(
図5参照)が設けられていて、記憶管理されている持メダル数を持メダル数表示器19aに表示するようになっている。
また、専用ユニット19は、カードユニット(図示省略)を備えており、カードユニット(図示省略)において持メダル数をICカードに記憶(記録)することができる。
ICカードは、専用ユニット19に設けられた返却ボタン21(
図5参照)の操作(返却操作)によりカードユニットから排出されることができる。
排出されたICカードは、遊技場に設けられた景品交換コーナーに渡すことで、持メダル数と景品とを景品交換したり、他の専用ユニット19のカードユニットに挿入することで、持メダル数を使用して再遊技することができる。
専用ユニット19と遊技メダル数表示装置7とは連動しており、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示している遊技メダル数が少なくとも「1」以上あればICカードを返却操作により排出できず、遊技メダル数が「0」の場合に限りICカードを返却操作により排出できるようになっている。
つまり、遊技者は、遊技メダル数をすべて計数した後でなければICカードを取得することができない。
これにより、遊技者が、残存する遊技メダルの返却漏れを無くすことができる。
【0029】
専用ユニット19は、ホールコンピュータや管理コンピュータと呼ばれるコンピュータと中継装置を介して又は直接接続することが可能であり、アウト、セーフなどの遊技情報や売上情報等をコンピュータに出力できるようになっている。
これにより、例えば、コンピュータにおいてアウト数、セーフ数、景品玉数などを遊技機毎に集計したり、これらの遊技情報により誤差玉を算出できるようになっている。
これにより、例えば、コンピュータにおいてアウト数、セーフ数、景品玉数などを遊技機毎に集計したり、これらの遊技情報により誤差玉を算出できるようになっている。
【0030】
また、専用ユニット19は、遊技者が係員(店員)を呼び出す際に操作する呼出ボタンや、係員が呼び出されたことを報知する呼出ランプ等が設けられた呼出装置(図示略)と中継装置を介して又は直接接続することが可能であり、メダルレス遊技機1から受信したゲームの実行情報や特別遊技状態(AT状態等)の発生情報などの遊技情報を呼出装置に出力できるようになっている。
【0031】
メダルレス遊技機1における遊技(メダルレス遊技ともいう)について、
図4のフローチャートを参照して説明する。
まずは、ステップS1で、遊技開始処理を実行する。
遊技開始処理では、まず、メダルレス遊技機1は、専用ユニット19から出力された貸出データを入力する。
具体的には、遊技者が、専用ユニット19において遊技メダルの貸出操作を行うと、専用ユニット19から貸出数を特定可能な貸出データが出力されるので、メダルレス遊技機1は、この貸出データを入力する。
メダルレス遊技機1は、貸出データを入力すると、主制御部10が、当該貸出データに基づいて貸出数を特定し、当該貸出数に対応する遊技メダル数を遊技メダル数表示装置7において記憶・表示させる。
「貸出数」が「100」の場合、遊技メダル数表示装置7において表示されている初期の遊技メダル数は「0」であるから、「0」から「100」(=0+100)に更新される。
遊技開始処理では、次に、遊技者による操作に応じ、遊技メダルの投入を行う。
具体的には、ベットボタン2a又はMAXベットボタン2bの操作に応じ、1回の遊技に使用される遊技メダル数としてベット数を設定する。
遊技メダル数表示装置7において遊技メダル数「100」が表示されている状態で、ベット数「3」が設定された場合、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数を「100」から「97」(=100-3)に更新し、副制御部20は、ベット数ランプ2fが有する「3BET」のランプを点灯させる。
1回の遊技に使用される遊技メダル数としてベット数(例えば3ベット)が設定されると、遊技開始可能な状態となり、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。
なお、メダルレス遊技機1をベット数「3」でのみゲームを実行可能としてもよい。
【0032】
次に、ステップS2で、抽選処理を実行する。
遊技開始な状態において、スタートレバー3が傾動操作されるとゲームが開始され、主制御部10は、複数の当選役の中から、今回ゲームの当選役を決定する内部抽選処理を実行する。
副制御部20は、スタートレバー3の傾動操作に応じ、ベット数ランプ2fを消灯する制御を行う。
ベット数ランプ2fの消灯により、投入(ベット)された遊技メダル数が使用されたことが示される。
【0033】
次に、ステップS3で、リール回転処理を実行する。
具体的には、主制御部10が、複数の図柄の表されたリール41a~41cの変動を開始させる。各リール41a~41cは、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達すると、各リール41a~41cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
【0034】
次に、ステップS4で、リール停止処理を実行する。
各停止ボタン5a~5cが押圧操作されると、主制御部10は、操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止表示するように、各リール41a~41cの停止制御を行う。
【0035】
次に、ステップS5で、入賞処理を実行する。
主制御部10は、リール41の停止制御では、停止ボタン5の操作タイミングに基づき、内部抽選処理の当選結果に応じた図柄の組合せで停止するように制御が行われるところ、第3停止操作後に、有効ライン上に停止した図柄の組合せを判定した結果、所定の図柄の組合せであるときに入賞と判定する。
なお、第3停止操作後とは、遊技者が第3リールを停止するために停止操作した停止ボタン5から指等を離した時点後のことをいい、第3リールとは、3つのリール41a~41cの停止操作が各1回ずつ計3回された場合において、その最後である3操作目に停止操作(第3停止操作)されたリールをいう。
【0036】
次に、ステップS6で、払出処理(付与処理)を実行する。
特定の小役について入賞したことが判定された場合、対応する数の遊技メダルを付与する(払い出す)処理を実行する。
主制御部10は、例えば、10枚役に入賞したことを判定した場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数に付与数「10」を加算する。
【0037】
次に、ステップS7で、遊技終了処理を実行する。
遊技終了処理では、遊技メダルの計数処理を実行する。
具体的には、遊技者により計数ボタン2cが操作されると、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7に記憶・表示されている遊技メダル数を計数する。
より具体的には、計数ボタン2cが短押しされた場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量「1」を減算する。
計数ボタン2cが長押しされた場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から最大計数量「50」を減算する。
計数ボタン2cの長押しが継続された場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から最大計数量「50」を続けて減算する。
これにより計数量を特定可能な計数データが専用ユニット19に出力される。
専用ユニット19は、入力した計数データに基づき計数量の総数を持メダル数として記憶する。
専用ユニット19では、返却操作に応じ、カードユニットにおいて持メダル数がICカードに記憶され、次いで、当該ICカードがカードユニットから排出される。
なお、ICカードは、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数が「0」の場合にのみ排出可能である。
このため、遊技者は、遊技メダル数表示装置7において表示されている遊技メダル数が「0」になるまで計数ボタン2cを操作して計数処理を実行させる必要がある。
遊技者は、排出されたICカードに基づいて再遊技や景品交換を行うことができる。
再遊技は、S1において現金を投入する代わりに、ICカードをカードユニットに挿入する。
これにより、専用ユニット19における貸出操作等に応じ遊技開始処理(S1)が実行可能になり、次いで、抽選処理(S2)~払出処理(S6)が実行可能になる。
【0038】
本発明に係るメダルレス遊技機1は、上述の構成に加え、以下の特徴的な構成を備えている。各項目の構成をそれぞれ単独で搭載してもよく、組み合わせて搭載してもよい。
【0039】
次に、本第1実施形態のメダルレス遊技機1(遊技機)における占有機能について説明する。
本第1実施形態のメダルレス遊技機1においては、従来の遊技機とは異なり、遊技メダルを使用しないで遊技を実行する構成であるので、メダルレス遊技機1には所謂下皿等の遊技メダルや遊技者の所有物(煙草等)を収納する機構が備えられていないものとなっている。
従来の遊技機では、例えば、遊技者が飲み物を購入する際に遊技機を一時的に離席する場合には、遊技機の下皿に遊技メダルや遊技者の所有物を入れておくことで、離席した遊技者が当該遊技機で継続して遊技を行う意思表示を行うことが一般的となっている。すなわち、遊技機の下皿に遊技者の所有物を入れておくことで、当該遊技機が離席中の遊技者の占有状態であることを報知して、他の遊技者が当該遊技機で遊技を行ってしまうことを防止するのである。
【0040】
しかしながら、遊技メダルを使用しないメダルレス遊技機1においては、下皿が設けられていないので、遊技者がメダルレス遊技機1を一時的に離席する際に、当該メダルレス遊技機1を占有していることの報知を行うことが困難となっている。
そこで、本第1実施形態のメダルレス遊技機1においては、以下のように占有機能を設けることで、メダルレス遊技機1を占有状態にしている旨の報知を実行可能としている。
【0041】
[遊技メダル数表示器での占有状態の報知]
まず、
図5、
図6を参照して、メダルレス遊技機1に対して、離席中の遊技者の占有状態であることを報知するための操作手順と、遊技メダル数表示器7aでの占有状態の報知について説明する。
図5は、メダルレス遊技機1において遊技中の遊技者が、一時的に離席する際に当該メダルレス遊技機1を占有状態にする場合の操作手順と、そのときの遊技メダル数表示器7aおよび持メダル数表示器19aの表示内容を示している。
なお、
図5は、遊技メダル数が「300」のときにメダルレス遊技機1を離席する場合を示している。
【0042】
まず、
図5(a)に示すように、遊技メダル数が「300」のときには、主制御部10の制御により遊技メダル数表示器7aに「300」の数値情報が表示される。
なお、このとき持メダル数が「0」の場合には、図示するように専用ユニット19の持メダル数表示器19aには「0」の数値情報が表示される。
【0043】
この状態で、遊技中の遊技者が離席する際には、
図5(b)に示すように、まず、MAXベットボタン2bを操作して、当該メダルレス遊技機1における最大のベット数である「3」(MAXベット)を設定する。
主制御部10は、MAXベットボタン2bからの検出信号を受信すると、ゲーム実行記憶部にベット数「3」を記憶(設定)するとともに、副制御部20に制御情報を送信して、副制御部20は、ベット数ランプ2fの「3BET」のランプを点灯するのである。
また、MAXベットが設定されると、主制御部10は、MAXベット分のメダル数を遊技メダル数表示器7aから減算して数値情報を「297」に変更する。
【0044】
次に、
図5(c)に示すように、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数が「0」になるまで計数ボタン2cを操作する。
主制御部10は、計数ボタン2cからの検出信号の受信に基づき、遊技メダル数が「0」になるまで計数ボタン2cが操作されると、遊技メダル数表示装置7において記憶されていた遊技メダル数をクリアするとともに、遊技メダル数表示器7aの数値情報を「0」に変更するのである。
また、専用ユニット19は、主制御部10からの制御情報の受信に基づき、それまで遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されていた遊技メダル数を記憶するとともに、持メダル数表示器19aの数値情報を「297」に変更する。
なお、計数ボタン2cの操作により計数される遊技メダル数は、遊技メダル数表示器7aに表示されている分のみとなっているので、遊技メダル数が「0」になった場合でも、その時点で設定されているベット数は維持されることとなり、ベット数「3」の設定はそのまま維持されるとともに、ベット数ランプ2fの「3BET」のランプは継続して点灯する。
【0045】
次に、
図5(d)に示すように、精算ボタン2dの操作により、設定されているベット数を遊技メダル数に移行する。
主制御部10は、精算ボタン2dからの検出信号を受信すると、ゲーム実行記憶部に記憶・設定されているベット数「3」(MAXベット)をクリアするとともに、副制御部20に制御情報を送信して、副制御部20は、ベット数ランプ2fの「3BET」のランプを消灯するのである。
また、MAXベットのクリアに応じて、主制御部10は、MAXベット分の遊技価値を記憶部に移行して遊技メダル数を「3」に変更するとともに、MAXベット分のメダル数を遊技メダル数表示器7aに加算して数値情報を「3」に変更するのである。
なお、この状態で、専用ユニット19の返却ボタン21が操作されると、持メダル数表示器19aに表示されている持メダル数分の遊技価値が記憶されたICカード(会員カードあるいはビジターカード)が専用ユニット19から排出される。
したがって、遊技メダル数表示装置7に遊技メダル数が「3」だけ残した状態で、その他の遊技者が保有する遊技価値が記憶されたICカードを持って離席することが可能となる。
【0046】
そして、MAXベット分の遊技価値が、遊技メダル数に移行された時点から所定時間(例えば、30秒)経過すると、
図5(e)に示すように、遊技メダル数表示器7aに表示されていた数値情報が、点灯から第1点滅間隔(例えば、0.5秒)による点滅に変化して占有状態が報知(第1報知)される。
主制御部10は、MAXベット分の遊技価値が、遊技メダル数に移行された時点から、占有状態の開始を監視するためのタイマーの計数を開始し、タイマーの計数値が所定値(30秒)となるまで遊技メダル数が変化しなかった時点で、メダルレス遊技機1が占有状態となったと判定して、遊技メダル数表示器7aの数値情報を、点灯から第1点滅間隔での点滅による表示態様に切り替えるのである。
したがって、遊技メダル数表示器7aの数値情報が、点灯から第1点滅間隔での点滅に表示態様が切り替えられることで、メダルレス遊技機1が離席中の遊技者の占有状態であることが報知(第1報知)されることとなる。
【0047】
なお、占有状態が報知(第1報知)されている間に、離席中の遊技者がメダルレス遊技機1に戻って、ICカードの挿入により持メダル数を遊技メダル数に変換すると、主制御部10は、占有状態を解除して、遊技メダル数表示器7aの表示態様を、第1点滅間隔での点滅から点灯に再度切り替えて占有状態の報知を終了することとなる。
【0048】
また、上記第1点滅間隔での点滅が行われている占有状態が、所定時間(例えば、30分)継続した場合には、
図5(f)に示すように、遊技メダル数表示器7aに表示されていた数値情報の表示態様が、第1点滅間隔による点滅から第2点滅間隔(例えば0.3秒)による点滅に変化して占有状態の報知態様が第1報知から第2報知に変更される。
主制御部10は、第1点滅間隔での点滅が行われている占有状態に移行された時点から、占有状態の超過を監視するためのタイマーの計数を開始し、タイマーの計数値が所定値(30分)となるまで遊技メダル数が変化しなかった時点で、メダルレス遊技機1の占有状態が超過した状態(超過状態)となったと判定して、遊技メダル数表示器7aの数値情報を、第1点滅間隔による点滅から第2点滅間隔による点滅による表示態様に切り替えるのである。
したがって、遊技メダル数表示器7aの数値情報が、第1点滅間隔による点滅から第2点滅間隔による点滅による表示態様が切り替えられることで、メダルレス遊技機1の占有状態が所定時間以上超過していることが報知されることとなる。
【0049】
なお、占有状態が超過状態となり第2報知が実行されている間に、離席中の遊技者がメダルレス遊技機1に戻って、ICカードの挿入により持メダル数を遊技メダル数に変換すると、主制御部10は、占有状態を解除して、遊技メダル数表示器7aの表示態様を、第2点滅間隔での点滅から点灯に再度切り替えて占有状態の報知を終了することとなる。
【0050】
なお、占有状態の開始を監視するための時間や、占有状態の超過を監視するための時間は上記以外でもよい。
また、占有状態の報知(第1報知)や、占有状態の超過状態の報知(第2報知)を遊技メダル数表示器7aの数値情報を点滅したり、点滅間隔を変更したりすることで実行するようにしているが、その他の表示態様を変更することで占有状態の報知や、占有状態の超過の報知を行うようにしてもよく、例えば、数値情報の表示色の変更により上記報知を実現するようにしてもよい。
また、MAXベット分の遊技価値が遊技メダル数に移行(精算)されたことを条件に占有状態を判定するようにしているが、他のベット数(例えば、ベット数「1」)分の遊技価値が遊技メダル数に移行(精算)されたことを条件に占有状態を判定するようにしてもよい。
【0051】
次に、
図6のフローチャートを参照して、主制御部10で実行される占有状態処理について説明する。
図6は、前述した占有状態の第1報知と、占有状態が超過した場合の第2報知とを実行するための占有状態処理を示している。
【0052】
まず、占有状態処理が実行されると、ステップS8において遊技メダル数が「0」か否かの判定を行う。
遊技メダル数が「0」の場合には、ステップS9に移行し、遊技メダル数が「1」以上の場合には、ステップS12に移行する。
次に、ステップS9で、精算ボタン2dが操作されたか否かの判定を行う。
精算ボタン2dが操作された場合には、ステップS10に移行し、精算ボタン2dが操作されていない場合には、ステップS12に移行する。
【0053】
次に、ステップS10で、遊技メダル数が「3」か否かの判定を行う。
遊技メダル数が「3」の場合には、ステップS11に移行し、遊技メダル数が「3」でない場合には、ステップS12に移行する。
次に、ステップS11で、タイマーの計数を開始する処理を行う。
この処理により、占有状態の開始、および占有状態の超過状態を監視するためのタイマーの計数が開始することとなる。
すなわち、遊技メダル数が「0」の状態において、精算ボタン2dが操作されて、ベット数を記憶するゲーム実行記憶部に記憶された遊技価値が、記憶部に移行(変換)されて遊技メダル数が「3」に変更された場合に、占有状態の開始を監視するためのタイマーの計数が開始されることとなるのである。
【0054】
また、精算ボタン2dは、ゲームが実行されていない場合に有効となるので、ゲームが実行されていないこともタイマーの計数が開始される条件となっているので、占有状態の判定はゲームが実行されていない場合に有効となるのである。
なお、上記例では、精算ボタン2dが操作されて遊技メダル数が「3」に変更された場合に、タイマーの計数を開始するようにしているが、精算ボタン2dの操作無しで、遊技メダル数が「3」となった場合にタイマーの計数を開始するようにしてもよい。例えば、持メダル数が「3」となっているICカードの挿入後に、持メダル数を遊技メダル数に変換して遊技メダル数が「3」となった場合にタイマーの計数を開始するようにしてもよい。
【0055】
次に、ステップS12で、タイマーが作動中か否かの判定を行う。
ステップS11での処理によりタイマーの計数が開始されて、当該タイマーが作動している場合には、ステップS13に移行し、タイマーが作動していない場合には、本占有状態処理を終了する。
次に、ステップS13で、占有状態の解除条件が成立したか否かの判定を行う。
占有状態の解除条件は、メダルレス遊技機1において、遊技者が遊技を再開するための状態変化があった場合に成立するものであり、例えば、持メダル数が遊技メダル数に変換された場合や、遊技メダル数からベット数の設定が行われた場合等で成立することとなる。
占有状態の解除条件が成立した場合には、ステップS14に移行し、占有状態の解除条件が成立していない場合には、ステップS15に移行する。
【0056】
ステップS13での判定の結果、占有状態の解除条件が成立した場合には、ステップS14で、タイマーの計数の終了、タイマーの計数値の初期化、占有状態の報知を終了する処理を行う。
ステップS14の処理により、離席した遊技者によるゲームの再開等の占有状態の解除条件が成立した場合に、それまで実行されていた占有状態の報知(第1報知および第2報知)が終了されて、作動中のタイマーの計数が終了されるとともに、タイマーの計数値が初期化されることとなる。
そして、占有状態の報知の終了により、占有状態の第1報知あるいは第2報知が実行されている場合には、遊技メダル数表示器7aの表示態様が、第1点滅間隔あるいは第2点滅間隔での点滅から点灯に切り替えられることとなる。
【0057】
一方、ステップS13での判定の結果、占有状態の解除条件が成立していない場合には、ステップS15で、タイマーの計数結果が第2時間を超過したか否かの判定を行う。
タイマーの計数結果が第2時間を超過した場合には、ステップS23に移行し、タイマーの計数結果が第2時間を超過していない場合には、ステップS26に移行する。
第2時間は、占有状態の超過状態となったことを判定するための基準時間であり、例えば、占有状態が30分以上となった場合には、占有状態が超過状態となっていると判定されることとなる。
【0058】
ステップS15での判定の結果、タイマーの計数結果が第2時間を超過していない場合には、ステップS23で、タイマーの計数結果が第1時間を経過したか否かの判定を行う。
タイマーの計数結果が第1時間を経過した場合には、ステップS24に移行し、タイマーの計数結果が第1時間を経過していない場合には、本占有状態処理を終了する。
第1時間は、占有状態の開始を判定するための基準時間であり、例えば、タイマーの計数が開始されてから30秒経過した場合に、占有状態と判定されることとなる。
なお、詳細は後述するが、第1時間は所定条件の成立に基づき変更可能となっている。
【0059】
次に、ステップS24で、占有状態の第1報知処理を行う。
占有状態の第1報知処理は、メダルレス遊技機1が離席中の遊技者の占有状態であることを報知するための処理であり、遊技メダル数表示器7aの表示態様が、点灯から第1点滅間隔での点滅に切り替えられて第1報知が実行されることとなる。
次に、ステップS25で、第1報知情報の外部出力処理を行う。
第1報知情報の外部出力処理は、管理コンピュータや呼出装置等の外部装置に対して、占有状態の第1報知が行われていることを特定可能な情報を送信する処理であり、当該情報の送信により外部装置においては、メダルレス遊技機1において占有状態の第1報知が行われていることが把握(管理)されることとなる。
そして、管理コンピュータにおいては、各メダルレス遊技機1における占有状態の発生回数や、発生時間等をデータ収集することとなる。
また、呼出装置においては、例えば、当該呼出装置に対応するメダルレス遊技機1における占有状態の発生を判定して、メダルレス遊技機1での第1報知に対応した所定の報知を、呼出装置に設けられた表示手段により実行することとなる。
その後、本占有状態処理を終了する。
【0060】
一方、ステップS15での判定の結果、タイマーの計数結果が第2時間を超過した場合には、ステップS26で、占有状態の第2報知処理を行う。
占有状態の第2報知処理は、メダルレス遊技機1の占有状態が超過状態であることを報知するための処理であり、遊技メダル数表示器7aの表示態様が、第1点滅間隔での点滅から第2点滅間隔での点滅に切り替えられて第2報知が実行されることとなる。
次に、ステップS27で、第2報知情報の外部出力処理を行う。
第2報知情報の外部出力処理は、管理コンピュータや呼出装置等の外部装置に対して、占有状態の第2報知が行われていることを特定可能な情報を送信する処理であり、当該情報の送信により外部装置においては、メダルレス遊技機1において占有状態の第2報知が行われていることが把握(管理)されることとなる。
そして、管理コンピュータにおいては、各メダルレス遊技機1における占有状態の超過状態の発生回数や、発生時間等をデータ収集することとなる。
また、呼出装置においては、例えば、当該呼出装置に対応するメダルレス遊技機1における占有状態の超過状態の発生を判定して、メダルレス遊技機1での第2報知に対応した所定の報知を、呼出装置に設けられた表示手段により実行することとなる。
その後、本占有状態処理を終了する。
なお、詳細は後述するが、第2時間は所定条件の成立に基づき変更可能となっている。
【0061】
以上のように、第1実施形態のメダルレス遊技機1においては、主制御部10は、ゲームが実行されていない場合に精算ボタン2dが操作されて記憶部の遊技メダル数が「3」に変更された場合に、タイマーの計数が開始され、このタイマーの計数結果が第1時間(例えば、30秒)を経過した場合に、メダルレス遊技機1が離席中の遊技者の占有状態と判定するのである。
そして、占有状態と判定された場合には、占有情報の第1報知が、例えば、遊技メダル数表示器7aにおいて行われることとなる。
【0062】
すなわち、主制御部10は、記憶部に記憶されている遊技価値(遊技メダル)が、所定期間(例えば、30秒)特定値(「3」)となっていることに基づき、当該遊技機(メダルレス遊技機1)が特定の遊技者(離席中の遊技者)の占有状態となっていると判定可能な判定手段を備えるのである。
また、主制御部10および遊技メダル数表示装置7(遊技メダル数表示器7a)は、判定手段の判定結果に基づき、占有状態となっていることを遊技者が認識可能な報知(第1報知)を実行可能な報知手段を構成するのである。
したがって、メダルレス遊技機1を一時的に離席したい遊技者は、メダルレス遊技機1に備えられている所定の操作手段を操作して、当該メダルレス遊技機1が占有状態であることの報知を実行させることが可能となり、安心して離席することが可能となるのである。
【0063】
また、占有状態にするためには、記憶部の遊技メダル数が1回のゲームを実行するための最大値である「3」となっていることが条件となるのである。
したがって、占有状態にするためには遊技メダル数が「3」必要となることから、不正にメダルレス遊技機1を占有状態にすることを防止できるのである。
また、占有状態中には遊技メダル数が「3」となっているので、占有状態を解除した後には、直ぐにゲームを実行することも可能となるのである。
【0064】
また、主制御部10は、ベット数に設定されている遊技価値(例えば、MAXベット)を、遊技メダル数に移行された場合に、占有状態と判定するのである。
すなわち、主制御部10は、1回のゲームを実行するための遊技価値を記憶可能なゲーム実行記憶部を備え、判定手段としての主制御部10は、ゲーム実行記憶部に記憶されている遊技価値が、遊技メダル数を記憶する記憶部に移行されたことを条件に、占有状態となっていると判定可能とするのである。
したがって、ゲームを実行する際に操作する手順を利用して、占有状態を成立させることが可能となり、容易に占有状態を成立させることが可能となるのである。
【0065】
また、主制御部10は、タイマーの計数値が、第2時間(例えば、30分)を超えた場合に、占有状態が超過状態となったと判定するのである。
そして、占有状態が超過状態と判定された場合には、占有情報の第2報知が、例えば、遊技メダル数表示器7aにおいて行われることとなる。
すなわち、判定手段としての主制御部10は、占有状態が、所定期間(30秒)を超えて特定期間(30分)となったことに基づき、占有状態が超過したことを判定可能とし、報知手段としての主制御部10および遊技メダル数表示装置7は、判定手段の判定結果に基づき、占有状態が超過したことを遊技者が認識可能な報知(第2報知)を実行可能とするのである。
【0066】
したがって、遊技者が長期間離席した場合には、係員に長期間の離席状態の発生を知らせることが可能なり、遊技店内のルールを守らない遊技者に対して適切な対応をとることが可能となる。また、長期間離席した場合には、第2報知が行われることを遊技者に知らしめることが可能となるので、遊技者が長期間離席してしまうことを未然に防止することも可能となるのである。
また、不正にメダルレス遊技機1が占有状態となっている場合には、そのことを係員に迅速に知らせることが可能となり、不正行為による遊技店側の不利益を極力抑えることが可能となるのである。
【0067】
なお、ベット数として設定された遊技メダルが遊技メダル数に変換されたことを条件に占有状態の判定を行うようにしているが、ベット数から遊技メダル数への変換無しで、遊技メダル数が所定期間特定値となった場合に占有状態を判定するようにしてもよい。
また、占有状態を判定する際の遊技メダル数の特定値は、「3」以外でもよく、「1」や「2」でもよい。
また、占有状態を判定する際の第1時間や、占有状態の超過状態を判定する際の第2時間を、遊技店側の外部操作により変更可能な手段をメダルレス遊技機1に設けるようにしてもよい。
【0068】
また、上記した例では、複数の遊技メダル数が記憶部に記憶されている状態から占有状態の報知を行うものとなっているが、予め3枚の持メダル数が記憶されているICカードを専用ユニット19に挿入することにより占有状態の報知を実行することも可能である。
例えば、複数の遊技メダル数が記憶されている状態において、そこから3枚分の遊技メダル数のみを計数し、その後、3枚の持メダル数が記憶されたICカードを排出し、その後、残りの遊技メダル数を計数して、残りの持メダル数が記憶されたカードを排出する。
そして、最初に排出された3枚の持メダル数が記憶されたICカードを再挿入して、3枚分の持メダル数を遊技メダル数に変換して、以降は
図5で示した操作手順を行うことで占有状態の報知を実行するのである。
また、3枚分の持メダル数が記憶されたICカードを作成する際には、最初に3枚の遊技メダル数を残して、その他の持メダル数が記憶されたICカードを作成して、その後、3枚の持メダル数が記憶されたICカードを作成するようにしてもよい。
予め3枚の持メダル数が記憶されているICカードを作成する際には、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数が「1」以上の場合でもICカードを返却操作により排出できるようにすることが好ましい。
また、メダルレス遊技機1に1回の操作で3枚の遊技メダル数のみを計数できるような専用のボタンを備えるようにしてもよい。
以上のように、遊技メダル数表示器7aでの占有状態の報知が行われる。
【0069】
[表示器での占有状態の報知]
次に、
図7~
図9を参照して、表示器8での占有状態に関わる各種報知について説明する。
本第1実施形態のメダルレス遊技機1においては、前述したように遊技メダル数表示器7aにおける表示態様を変更することで、占有状態の報知を行うようにしている。
また、主制御部10では、占有状態が発生した場合に、遊技メダル数表示器7a以外の表示器8でも占有状態の報知を行うようにしている。
したがって、占有状態が発生した場合には、遊技メダル数表示器7aと表示器8の双方で占有状態の報知が行われるのである。
なお、表示器8において占有状態の報知を行う場合には、主制御部10が占有状態の判定を行った際に、副制御部20に対して、占有状態の発生や占有状態の超過状態の発生を特定可能な制御情報を送信することで、副制御部20の制御により、占有状態の各種報知が行われるものとなっている。
【0070】
まず、
図7を参照して、占有状態の説明画像について説明する。
前述したように、メダルレス遊技機1を占有状態にするためには、所定の手順が必要となるが、遊技に不慣れな遊技者にとっては、占有状態にするための操作手順が分からない場合も少なくない。
そこで、本第1実施形態のメダルレス遊技機1においては、
図7に示すように、例えば、通常遊技状態中において、表示器8の画面主要部に、占有状態にするための操作手順を説明する占有状態説明画像22を表示するようにしている。
【0071】
なお、
図7では簡略化した画像を示しているが、前述の
図5および
図6で説明した、各種操作手段を使用した操作手順を示した画像を表示すればよい。
また、操作手順を示す画像は、占有状態にするための操作手順を遊技者が把握するものであれば何れでもよく、静止画でもよいし動画でもよい。
また、通常遊技状態中において常に占有状態説明画像22を表示するようにしてもよいし、通常遊技状態が所定期間継続した場合に表示されるデモ表示中の一部で占有状態説明画像22を表示するようにしてもよい。
また、例えば、演出ボタン2gの操作により占有状態説明画像22を表示するようにしてもよい。
【0072】
次に、
図8を参照して、通常遊技状態中における表示器8での占有状態の第1報知および第2報知について説明する。
まず、
図8(a)を参照して、通常遊技状態中における表示器8での占有状態の第1報知について説明する。
前述したように、主制御部10では、メダルレス遊技機1が占有状態となると遊技メダル数表示器7aの表示態様を第1点滅間隔での点滅に変更することで、占有状態の第1報知を行うこととなる。
また、主制御部10では、占有状態の第1報知を実行した場合には、副制御部20に対して占有状態の第1報知の実行を伝える制御情報を送信することで、表示器8において第1報知に対応した所定の画像を表示するようにしている。
したがって、占有状態となった場合には、遊技メダル数表示器7aおよび表示器8の双方において第1報知が実行されるのである。
【0073】
図8(a)は、通常遊技状態中において占有状態の第1報知が実行された場合の表示器8での画像を示している。
図8(a)に示すように、メダルレス遊技機1が占有状態となると、表示器8の画面略中央部であって、通常遊技状態中であることを報知する通常遊技状態中画像(図示略)の前方側に、占有状態であることを遊技者が認識可能な占有状態画像23が表示される。
占有状態画像23は、当該占有状態画像23の背景となる矩形状の第1枠画像23aと、第1枠画像23aの内側に配置され、当該メダルレス遊技機1で遊技している遊技者が離席していることを報知する「只今離席中」の文字情報からなる離席中画像23bと、占有状態が開始してからの経過時間を示す経過時間画像23cとから構成される。
なお、第1枠画像23aは、第1報知が実行されている間は白色の背景となり、経過時間画像23cは、占有状態の開始当初は「00:00」(0分0秒)が表示されて、経過時間に対応して数値情報が更新表示されることとなる。
したがって、占有状態画像23が表示されることで、メダルレス遊技機1が占有状態であることが報知されて、第1枠画像23aの表示により占有状態が超過状態となっていないことが報知されるとともに、その間の占有状態の経過時間も報知されることとなる。
【0074】
次に、
図8(b)を参照して、通常遊技状態中における表示器8での占有状態の第2報知について説明する。
前述したように、主制御部10では、メダルレス遊技機1の占有状態が超過状態となると、遊技メダル数表示器7aの表示態様を第2点滅間隔での点滅に変更することで、占有状態の第2報知が行われるが、主制御部10では、占有状態の第2報知を実行した場合に、副制御部20に対して占有状態の第2報知の実行を伝える制御情報を送信することで、表示器8において第2報知に対応した所定の画像を表示するようにしている。
【0075】
図8(b)は、通常遊技状態中において占有状態の第2報知が実行された場合の表示器8での画像を示している。
図8(b)に示すように、メダルレス遊技機1の占有状態が超過状態となり第2報知が実行されると、それまで表示されていた占有状態画像23における第1枠画像23aが第2枠画像23dに変更される。なお、離席中画像23bと経過時間画像23cは継続して表示される。
第2枠画像23dは、赤色の背景となっていて第1枠画像23aと比較して目立つ色となっている。
したがって、占有状態が超過状態となり、図示するような経過時間が「31:00」となった場合には、占有状態画像23における背景が第2枠画像23dに変更されることで、第2報知が実行されるのである。
【0076】
以上のように、占有状態の第1報知が実行された場合に、主制御部10からの制御情報を受信して、表示器8において第1報知に対応する占有状態画像23を表示するのである。
すなわち、報知手段は、複数の情報を表示可能な表示手段としての表示器8と、表示手段に占有状態に対応する情報を表示させることが可能な表示制御手段としての副制御部20とから構成され、占有状態に対応する情報として占有状態画像23を表示するのである。
したがって、占有状態が表示器8で報知されることとなり、他の遊技者に対してメダルレス遊技機1が占有状態であることを確実に認識させることが可能となるのである。
なお、占有状態画像23は、主制御部10からの制御情報により副制御部20により表示されるので、表示制御手段は、主制御部10と副制御部20の協働で実現すると捉えることもできる。
【0077】
また、占有状態が超過状態となり第2報知が実行されると、副制御部20は、占有状態画像23における第1枠画像23aを第2枠画像23dに変更するのである。
すなわち、表示制御手段としての副制御部20は、占有状態が超過状態となったことに基づき、占有状態に対応する情報(占有状態画像23)を変更可能とするのである。
したがって、占有状態の超過状態が表示器8で報知されることとなり、他の遊技者や係員に対して占有状態が超過状態となったことを確実に認識させることが可能となるのである。
【0078】
なお、占有状態画像23を表示器8の画面全体で表示するようにしてもよいし、画面の一部で表示するようにしてもよい。
また、占有状態の第1報知および第2報知の実行に対応して、スピーカ9から所定の効果音を出力するようにしてもよいし、ランプ11を所定の発光態様で発光させるようにしてもよい。
【0079】
次に、
図9を参照して、AT状態中における表示器8での占有状態の第1報知および第2報知について説明する。
まず、
図9(a)を参照して、AT状態中における表示器8での占有状態の第1報知について説明する。
主制御部10では、所定条件の成立に基づき、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態としてAT状態を発生可能としている。
そして、通常遊技状態中と同様に、AT状態中においても占有状態の報知を可能としている。
【0080】
図9(a)は、AT状態中において占有状態の第1報知が実行された場合の表示器8での画像を示している。
図9(a)に示すように、遊技状態がAT状態となると、表示器8の画面主要部において、AT状態中であることを報知するAT状態中画像24が表示される。
また、AT状態中にメダルレス遊技機1が占有状態となると、表示器8の画面右下側に、占有状態であることを遊技者が認識可能な特定占有状態画像25が表示される。
特定占有状態画像25は、当該特定占有状態画像25の背景となる矩形状の第1特定枠画像25aと、第1特定枠画像25aの内側に配置され、当該メダルレス遊技機1で遊技している遊技者が離席していることを報知する「只今離席中」の文字情報からなる特定離席中画像25bと、占有状態が開始してからの経過時間を示す特定経過時間画像25cとから構成される。
【0081】
また、特定占有状態画像25は、通常遊技状態中に表示される占有状態画像23よりも表示面積が小さく設定されていて、さらに画面の右下隅付近に表示されるので、AT状態中画像24の視認性を妨げないものとなっている。
なお、第1特定枠画像25aは、第1報知が実行されている間は白色の背景となり、特定経過時間画像25cは、占有状態の開始当初は「00:00」(0分0秒)が表示されて、経過時間に対応して数値情報が更新表示されることとなる。
したがって、特定占有状態画像25が表示されることで、メダルレス遊技機1がAT状態中であることを、および占有状態であることが報知されて、第1特定枠画像25aの表示により占有状態が超過状態となっていないことが報知されるとともに、その間の占有状態の経過時間も報知されることとなる。
【0082】
次に、
図9(b)を参照して、AT状態中における表示器8での占有状態の第2報知について説明する。
主制御部10では、通常遊技状態中において、メダルレス遊技機1の占有状態が超過状態となると、占有状態画像23における第1枠画像23aを第2枠画像23dに変更することで、第2報知を実行しているが、AT状態中においても占有状態が超過状態となった場合には第2報知を実行可能としている。
【0083】
図9(b)は、AT状態中において占有状態の第2報知が実行された場合の表示器8での画像を示している。
図9(b)に示すように、AT状態中において、メダルレス遊技機1の占有状態が超過状態となり第2報知が実行されると、それまで表示されていた特定占有状態画像25における第1特定枠画像25aが第2特定枠画像25dに変更される。なお、特定離席中画像25bと特定経過時間画像25cは継続して表示される。
第2特定枠画像25dは、赤色の背景となっていて第1特定枠画像25aと比較して目立つ色となっている。
したがって、AT状態中において占有状態が超過状態となり、図示するような経過時間が「31:00」となった場合には、特定占有状態画像25における背景が第2特定枠画像25dに変更されることで、第2報知が実行されるのである。
【0084】
以上のように、AT状態中において占有状態の第1報知が実行された場合には、副制御部20は、通常遊技状態中とは異なり、表示器8の画面の右下方部に特定占有状態画像25を表示するのである。
したがって、AT状態中においては占有状態の報知が、表示器8におけるAT状態中画像24を妨げない状態で実行されることとなり、そのときの遊技状態がAT状態であることを報知しつつ、他の遊技者に対してメダルレス遊技機1が占有状態であることを確実に認識させることが可能となるのである。
【0085】
また、AT状態中において占有状態が超過状態となり第2報知が実行されると、副制御部20は、特定占有状態画像25における第1特定枠画像25aを第2特定枠画像25dに変更するのである。
すなわち、表示制御手段としての副制御部20は、占有状態が超過状態となったことに基づき、占有状態に対応する情報(特定占有状態画像25)を変更可能とするのである。
したがって、AT状態中においても占有状態の超過状態が表示器8で報知されることとなり、他の遊技者や係員に対して占有状態が超過状態となったことをAT状態中においても確実に認識させることが可能となるのである。
【0086】
なお、
図9では、特別遊技状態としてAT状態中における占有状態に関わる第1報知および第2報知について例示したが、特別遊技状態として疑似ボーナス状態やCZ状態中においても、上記同様の報知を行うようにしてもよい。
また、特定占有状態画像25は、AT状態中画像24の視認性を低下させないようにできれば、表示面積や画面上での表示位置は何れでもよい。
また、AT状態中においても占有状態の第1報知および第2報知の実行に対応して、スピーカ9から所定の効果音を出力するようにしてもよいし、ランプ11を所定の発光態様で発光させるようにしてもよい。
以上のように、表示器8での占有状態の報知が行われる。
【0087】
[第1時間および第2時間の変更]
次に、
図10を参照して、占有状態における第1報知を開始するまでの第1時間、および第2報知を開始するまでの第2時間の変更について説明する。
前述したように、主制御部10では、精算ボタン2dが操作されて設定されたベット数「3」が、遊技メダル数「3」に変更された場合にタイマーの計数を開始し、タイマーの計数値が第1時間に達した場合に、占有状態と判定して第1報知を実行するようにしているが、主制御部10では、この第1時間を遊技状態に応じて変更可能としている。
【0088】
同様に、主制御部10では、タイマーの計数値が第2時間に達した場合に、占有状態の超過状態と判定して第2報知を実行するようにしているが、主制御部10では、この第2時間も種々の状態に応じて変更可能としている。
したがって、タイマーの計数が開始された時点の遊技状態やその他の状態に応じて、占有状態の第1報知および第2報知が開始されるまでの時間が変化することとなるのである。
【0089】
まず、
図10(a)を参照して、占有状態における第1報知を開始するまでの第1時間の変更について説明する。
図10(a)に示すように、主制御部10では、遊技状態が通常遊技状態においては、第1時間を「30秒」に設定するようにしている。
一方、特別遊技状態(AT状態等)においては、第1時間を「10秒」に設定するようにしている。
なお、主制御部10では、タイマーの計数開始時の遊技状態を参照して、上記各第1時間の設定をするようにしている。
【0090】
以上のように、主制御部10では、遊技状態に応じて占有状態における第1報知を開始するまでの第1時間を変更可能とし、特別遊技状態においては、通常遊技状態よりも短い時間を第1時間として設定するのである。
すなわち、判定手段としての主制御部10は、メダルレス遊技機1が占有状態であると判定(第1報知を開始)するまでの期間(所定期間)を変更可能とするのである。
したがって、遊技状態に応じて効率よく占有状態の報知を開始することが可能となるのである。
また、通常遊技状態においては、比較的第1時間が長くなるので、遊技者の操作等により誤って占有状態に移行してしまうことを防止することが可能となるのである。
また、特別遊技状態においては、比較的第1時間が短くなるが、特別遊技状態中においては、遊技メダル数が多数記憶されている可能性が高いので、誤って占有状態に移行してしまう可能性が低いことから、第1時間が短くても何ら問題なく占有状態の開始を監視できるばかりか、特別遊技状態中に離席する際には、迅速に占有状態の報知を開始することが可能となるのである。
また、特別遊技状態中においては不正行為(占有状態にしたまま退店等)が行われる可能性も低いので、第1時間を短くしても何ら問題は生じない。
【0091】
なお、特別遊技状態は、遊技者にとって有利な遊技状態であれば何れでもよく、AT状態、疑似ボーナス状態、CZ状態等でもよい。
また、最も遊技者に有利な遊技状態であるAT状態のみを特別遊技状態として、疑似ボーナス状態、CZ状態等においては、通常遊技状態と同様に第1時間を設定するようにしてもよい。
また、特別遊技状態中に設定する第1時間は、通常遊技状態中に設定する第1時間よりも短ければ上記した以外でもよい。
また、各第1時間を遊技店の好みに応じて変更可能としてもよいし、遊技状態に応じて第1時間を変更しないモードを設けるようにしてもよい。
【0092】
次に、
図10(b)を参照して、占有状態における第2報知を開始するまでの第2時間の変更について説明する。
図10(b)に示すように、主制御部10では、当日のゲーム数が50回以下の場合は、第2時間を「5分」に設定するようにしている。
したがって、遊技店の開店直後等の当日のゲーム数が少ない場合には、占有状態が超過状態と判定されるまでの時間が、基準時間である「30分」に比べて極めて短くなるのである。
これは、遊技店の開店直後は、多くの遊技者が遊技を行う遊技機を選定していることから、このときに占有状態となっていると遊技機選びをしている多くの遊技者に迷惑を掛けることとなるが、このような事態を防止するためである。
【0093】
また、当日の差枚数(付与されたメダル数-投入したメダル数)が-5000枚以下の場合は、第2時間を「10分」に設定するようにしている。
したがって、当日に遊技者側の不利益が大きくなっている場合は、占有状態が超過状態と判定されるまでの時間が、基準時間に比べて短くなるのである。
これは、遊技者側の不利益が大きくなっている場合は、不正に占有状態とされることも少なくなく、このような事態を防止するためである。
【0094】
また、当日の営業時間が18時以降の場合には、第2時間を「10分」に設定するようにしている。
したがって、遊技店の混雑が予想される18時以降の場合には、占有状態が超過状態と判定されるまでの時間が、基準時間に比べて短くなるのである。
これは、遊技店の混雑時に占有状態となっている遊技機が多いと、多くの遊技者に迷惑を掛けることとなるが、このような事態を防止するためである。
そして、上記以外のときには、基準時間として「30分」を設定するようにしている。
なお、主制御部10では、タイマーの計数開始時の上記各条件を参照して、各第2時間の設定をするようにしている。
また、主制御部10では、リアルタイムクロック(RTC)を設けて、上記各条件を監視することが好ましい。
【0095】
以上のように、主制御部10では、上記した各条件に応じて占有状態における第2報知を開始するまでの第2時間の変更可能とするのである。
すなわち、判定手段としての主制御部10は、所定条件の成立に基づき、占有状態の超過状態を開始するまでの特定期間(第2時間)を変更可能とするのである。
したがって、各種状態に応じて効率よく占有状態の第2報知を開始することが可能となり、遊技者が迷惑となるような不正行為を防止したり、遊技店の不利益を防止したりすることが可能となるのである。
【0096】
なお、上記した各効果が得られるものであれば、各第2時間は上記した以外でもよい。
また、各第2時間を遊技店の好みに応じて変更可能としてもよいし、各状態に応じて第2時間を変更しないモードを設けるようにしてもよい。
以上のように、占有状態における第1時間および第2時間の変更が行われる。
【0097】
[占有状態の不能動化処理]
次に、
図11を参照して、占有状態の不能動化処理について説明する。
前述したように、メダルレス遊技機1の上部の島設備(遊技機外部)には、呼出装置(図示略)が配設されていて、呼出装置に設けられている呼出ボタンを遊技者が操作すると、内蔵されている呼出しランプが点灯して係員を呼び出すことが可能となっている。
また、呼出装置には、メダルレス遊技機1からの各種遊技情報を入力して、当該メダルレス遊技機1の遊技データを表示可能となっている。
【0098】
また、呼出装置には、休憩機能(食事休憩機能)が備えられているものが一般的であり、遊技者が食事休憩等の比較的長い時間(例えば、40分)離席する際には、係員によるリモコン操作等により、当該メダルレス遊技機1が休憩中である旨の報知や休憩中の経過時間等を表示可能としている。
このように、呼出装置に休憩機能が設けられ、メダルレス遊技機1に占有機能が設けられていると、両方の報知が同時に行われてしまう場合もあり、このような場合には、他の遊技者や係員に対して紛らわしい報知となってしまう虞がある。
そこで、本第1実施形態のメダルレス遊技機1においては、呼出装置において休憩中の報知を行っている場合に、その旨を伝える情報を主制御部10に入力することで、主制御部10は、休憩中の報知が行われている場合には、占有状態を不能動化するような機能を設けている。
【0099】
図11のフローチャートは、上記占有状態の不能動化を実現するための、主制御部10で実行される占有状態不能動化処理を示している。
まず、ステップS21で、休憩中信号の入力があるか否かの判定を行う。
呼出装置からの休憩中信号が入力されている場合には、ステップS22に移行し、休憩中信号が入力されていない場合には、本占有状態不能動処理を終了する。
次に、ステップS22で、占有状態不能動化処理を実行する。
占有状態不能動化処理は、占有状態の各種報知を無効にする処理であり、例えば、占有状態の実行条件が成立した場合でも占有状態の判定を無効化したり、前述した
図6の処理自体を無効にしたりすることで、占有状態の各種報知が行われない(あるいは、実行中ならば中止)ようにするものである。
その後、本占有状態不能動化処理を終了する。
【0100】
以上のように、主制御部10は、呼出装置から休憩中信号が入力されている場合には、占有状態の実行条件が成立した場合でも、占有状態の報知を不能動化するのである。
すなわち、判定手段としての主制御部10は、遊技機外部から休憩中を示す情報の受信に基づき、占有状態の判定を無効とするのである。
したがって、既に呼出装置において休憩中の報知が行われている場合には、占有状態の報知は実行不能となり、両方の報知が同時に行われる、といった紛らわしい報知状態が生じてしまうことを防止可能となるのである。
また、休憩中においては、比較的長い時間遊技者が離席することとなるが、この間に、他の遊技者が不正に占有状態にしてしまうことも防止可能となるのである。
なお、呼出装置からの休憩中信号を入力するようにしているが、休憩機能が備えられているその他の装置からの信号を入力して占有状態の不能動化を行うようにしてもよい。
以上のように、占有状態の不能動化処理が行われる。
【0101】
次に、本第1実施形態のメダルレス遊技機1(遊技機)での遊技(ゲーム)の制御についてより詳しく説明する。
まず、ゲームの開始にあたり、ベット数の設定を行う。
そして、ベット数が所定数(例えば、3枚)になったときに、ゲームの開始条件の一つが成立して、1回のゲームを実行可能な状態となる。
【0102】
このゲーム実行可能な状態では、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー3が傾動操作されると、ゲームの開始条件の全てが成立して、ゲームが開始され、複数の図柄の表されたリール41a~41cが変動を開始するとともに、リプレイ役、小役などの複数の役(ハズレを含む)や、疑似ボーナス状態、AT状態の移行に対する今回ゲームの抽選結果をリール41の停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される。
内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回ゲームの当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。例えば、抽選によりリプレイ役やベル役等の抽選結果が導出される。
【0103】
また、主制御部10は、スタートレバー3からの信号を受信しても、前回のゲームでのリール41の回転開始からの経過時間が所定時間(例えば、4.1秒)経過していない場合には、リール41の回転開始を一時的に待機(待機時間を挿入)させてリール41の回転開始を遅延させることで、単位時間(例えば、1分間)当たりのゲームの実行回数が所定数(例えば、14回)以内となるようにゲーム数を制限する制限制御を行う。すなわち、主制御部10は、単位時間当たりのゲームの実行回数を所定数以内に制限可能なゲーム数制限手段を備えている。この制御により、1ゲームに要する最短実行時間が所定時間(例えば、4.1秒)に規定されることとなる。
なお、上記最短実行時間を監視する期間は、ゲーム間におけるリール41の回転開始時点を基準に設定する以外でもよく、例えば、停止ボタン5を有効とする時点を基準にしてもよく、単位時間当たりのゲーム回数を監視できれば何れの時点を基準にしてもよい。
【0104】
各リール41a~41cは、表示手段の一例であり、各リール41a~41cの周面には、複数の図柄(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー、BAR、7)が所定の配列で表されており、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。
このような定常回転に達すると、各リール41a~41cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
この状態で各停止ボタン5a~5cが押圧操作されると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止するように、各リール41a~41cが停止制御される。
各リール41a~41cの停止制御(引込停止制御)は、各々に引き込み範囲が設定されていて、停止操作が行われた時点の図柄から逆回転方向(上方向)にある所定数(例えば、4個)の図柄が引き込み可能となり、この引き込み範囲にある図柄の何れかに限り有効ライン上に停止可能となる。
【0105】
停止状態では、リール41a~41cそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が表示窓6から機外に臨むように停止(停止表示)し、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無が判定される。
入賞の判定は、表示窓6内の各リール41の中段図柄を結ぶ中段の入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定される。したがって、例えば、斜めのライン上に所定の図柄が揃った場合でも、実際にはそのときに中段に停止している、揃っていない図柄の組合せで入賞が判定されることとなる。
【0106】
小役、リプレイ役等の当選役の入賞は、このような入賞ライン上の図柄の組合せに基づいて判定される。
小役には、例えば、ベル役、スイカ役、チェリー役がある。
【0107】
ベル役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる二つのベル役が設けられている。例えば、対応する図柄の組合せを、入賞ライン上の「左リール41a・中リール41b・右リール41c」の順(以下同様)に、それぞれ「ベル・リプレイ・ベル」とする共通ベル役と、「ベル・ベル・ベル」とする押し順ベル役を設けることができる。
【0108】
共通ベル役は、停止ボタン5a~5cに対する操作順序(押し順という)に関係なく対応する図柄の組合せ(「ベル・リプレイ・ベル」)が停止する小役で、押し順ベル役は、特定の押し順に従うことにより対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止する小役である。
【0109】
さらに、押し順ベル役には、6通りある押し順(例えば、「5a→5b→5c」,「5c→5b→5a」など)のうちの1通りの押し順(特定の押し順)によって、停止ボタン5a~5cが操作されることで、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示される6つの押し順ベル役1~6が設けられている。このような押し順ベル役1~6は、他の5通りの押し順(特定の押し順以外の押し順)によって停止ボタン5a~5cが操作されると、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示されず、「ベル・ベル・リプレイ」などの他の図柄の組合せ(「ベルこぼし目」という)が停止表示されることになる。
【0110】
なお、押し順ベル役に当選したときに、2、3番目に操作する停止ボタン5を問わず、最初に操作する停止ボタン5のみが特定の押し順に従っていれば、押し順ベル役に対応する図柄の組合せが停止するようにリール41の停止制御を行うようにしてもよい。また、押し順ベルは、6通りに限らず、3通りの押し順ベル1~3を設けてもよい。
【0111】
スイカ役は、対応する図柄の組合せを「スイカ・スイカ・スイカ」とする小役(レア役)であり、「スイカ・スイカ・スイカ」が上段ライン若しくは下段ラインに停止する弱スイカ役と、「スイカ・スイカ・スイカ」が右上がりライン若しくは右下がりラインに停止する強スイカ役とがある。
チェリー役は、対応する図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とする小役(レア役)であり、「チェリー」が左リール41aの上段又は下段に停止する弱チェリー役と、「チェリー」が左リール41aの中段に停止する強チェリー役とがある。
【0112】
リプレイ役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる2つのリプレイ役が設けられ、対応する図柄の組合せを、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」とする通常リプレイ役(以下、リプレイ役と称する)と、「リプレイ・ベル・ベル」とするチャンスリプレイ役(チャンス役)とが設けられている。
「リプレイ・ベル・ベル」(チャンス目)は、チャンスリプレイ役の当選時に停止表示する図柄の組合せであり、スイカ役及びチェリー役とともに、内部抽選処理において当選確率が比較的低い、所謂レア役として設定されていて、そのうちの弱スイカ役と弱チェリー役は、弱レア役として設定され、弱スイカ役と弱チェリー役以外は、強レア役として設定されている。
【0113】
また、主制御部10及び副制御部20は、押し順ベル役に関する遊技状態として、AT(アシストタイム)を発生可能となっている。ATは、押し順ベル役が当選した場合に、当選した押し順ベル役の押し順を、表示器8及びナビランプ12により報知(押し順ナビを実行)する状態である。
すなわち、副制御部20は、ゲームの結果として特定結果(「ベル・ベル・ベル」)を導出するための操作情報(特定操作情報)を報知する制御を実行可能とするのである。
したがって、ATの発生により遊技者が容易に遊技メダルを獲得することが可能であり、後述する疑似ボーナス状態とAT状態中に制御される。
なお、ナビランプ12を、副制御部20を介さずに主制御部10により直接駆動制御可能な構成としてもよい。
【0114】
以上説明したような図柄の組合せに基づいて、小役、リプレイ役の当選がそれぞれ判定され(判定手段)、判定の結果、その図柄の組合せが上記それぞれに対応する図柄の組合せであるときに、入賞が成立して各入賞の成立に応じた遊技価値が付与される。
例えば、ベル役、チェリー役、スイカ役などの小役に対応する図柄の組合せの停止により、小役入賞の成立が判定され、遊技メダル数表示装置7における遊技メダル数が加算される。
【0115】
具体的には、ベル役(共通ベル役、押し順ベル役)において、対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、8枚の遊技メダルが付与される。
また、押し順ベル役の当選時に、特定の押し順以外の押し順(5通りの押し順)で停止ボタン5a~5cを操作したときには、遊技メダルの付与は行われない。
なお、押し順ベル役の当選時に、特定の押し順以外の押し順(5通りの押し順)で停止ボタン5a~5cを操作したときには、8枚よりも少ない枚数(例えば、1枚)の遊技メダルを付与してもよいし、特定の押し順以外の一部の押し順では、8枚よりも少ない枚数(例えば、1枚)の遊技メダルを付与して、それ以外の押し順では、遊技メダルを付与しないようにしてもよい。
また、ベル役については、後述するAT状態中において、遊技者が保有する遊技メダルが増加するような当選確率に設定されている。
【0116】
また、弱スイカ役及び強スイカ役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、2枚の遊技メダルが付与される。
また、弱チェリー役及び強チェリー役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、1枚の遊技メダルが付与される。
なお、各役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合に付与される遊技メダルの数は、上記した枚数以外でもよい。
【0117】
また、リプレイ役及びチャンスリプレイ役に対応する図柄の組合せの停止表示により、リプレイ役及びチャンスリプレイ役が判定され、次回ゲームにおいて遊技メダルの投入を行うことなく(ベット数の設定なしで)、前ゲームで設定したベット数と同様のベット数でのゲームが可能となる。
【0118】
また、各小役およびリプレイ役の当選確率は、各設定値において、ベル役>リプレイ役>弱チェリー役>弱スイカ役>チャンスリプレイ役>強チェリー役>強スイカ役の関係性、つまり、ベル役が最も当選し易く、強スイカ役が最も当選し難く設定されているものとする。
なお、各役の当選確率の関係性は、上記したもの以外でもよい。
【0119】
[遊技状態の移行]
次に、
図12を参照して、本第1実施形態におけるメダルレス遊技機1(遊技機)での遊技状態の移行について説明する。
本第1実施形態におけるメダルレス遊技機1においては、3枚の遊技メダルを費やして(3ベットして)ゲームを実行する3ベットゲームを実行可能としているが、
図12は、主制御部10の制御により実現される、3ベットゲームの実行時の遊技状態の移行態様を示している。
なお、本第1実施形態においては、3ベットゲームの実行時にのみ、遊技状態の移行制御を行うようにしていて、それ以外のゲーム(例えば、2ベットゲーム)では遊技状態を移行させない制御を行っているが、ゲームの実行自体を3ベット時のみ許容し、それ以外のベット数ではゲームの実行を禁止するようにしてもよい。
以降は、3ベットゲームを「ゲーム」と称する。
【0120】
図12に示すように、本第1実施形態のメダルレス遊技機1の遊技は、通常遊技状態、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態の複数の遊技状態において実行される。主制御部10は、所定の移行条件が成立することに基づいて、一の遊技状態から他の遊技状態へと移行するように制御可能となっている。
また、本第1実施形態の主制御部10は、上記遊技状態とは別に、遊技区間として通常区間および有利区間のいずれかに制御することが可能な区間制御手段を備えている。
通常区間は、押し順ナビが実行されることのない遊技区間であり、有利区間が終了された後、次ゲームが開始されることで開始され、有利区間移行条件が成立することで終了される。
通常区間では、有利区間ランプ13は消灯状態に制御される。
【0121】
また、通常区間では、有利区間移行条件が成立すること、例えば、内部抽選において所定の役(例えば、ベル役)に当選することで、有利区間に移行させることが決定される。
なお、通常区間における所定のレア役の当選に基づき、AT状態の移行条件を成立させてもよく、この場合には有利区間移行条件の成立後にAT状態に移行させることが好ましい。したがって、有利区間移行条件の成立後に押し順ナビが実行されることとなるので、通常区間においては押し順ナビは行われないこととなる。
また、主制御部10のリセット時には通常区間に制御される。
【0122】
有利区間は、押し順ナビが実行されることのある遊技区間であり、押し順ナビが実行され得ることで通常区間に比較して遊技者にとって有利な遊技区間である。
また、有利区間は、通常区間において有利区間移行条件が成立した後、次ゲームが開始されることで開始され、所定の有利区間終了条件が成立することで終了される。
有利区間では、有利区間ランプ13は点灯状態に制御される。
【0123】
なお、有利区間への移行後、押し順ナビの実行により遊技者が保有する遊技メダル数が増加する遊技状態(例えば、疑似ボーナス状態)となった時点で、有利区間ランプ13の点灯状態を開始してもよい。
また、有利区間へ移行した場合でも有利区間ランプ13を点灯させないようにしてもよいし、有利区間へ移行した場合でもAT状態に移行した場合にのみ点灯させるようにしてもよい。
また、有利区間ランプ13を設けなくてもよいが、代わりに主制御部10で制御されるAT状態ランプを設けて、AT状態中にAT状態ランプを点灯させることが好ましい。
【0124】
また、有利区間は、当該有利区間中における有利区間の終了条件の成立に基づき、通常区間に移行するものとなっている。
有利区間の終了条件としては、例えば、メダルレス遊技機1(主制御部10)がリセット(設定変更時も含む)された場合等が例示される。
なお、詳細は後述するが、基本的にはAT状態の終了時には有利区間は継続するものとなっているが、AT状態の終了時の差枚数カウンタの値に応じて有利区間を終了する場合もある。また、その他にAT状態終了時の一部で有利区間の終了条件を成立させるようにしてもよい。
【0125】
さらに、メダルレス遊技機1には、詳細は後述するが、遊技者が獲得する遊技メダル数を制限するための制限機能であるリミッタ機能(所謂リミッタ)が設けられていて、リミッタ機能が作動した場合にも有利区間の終了条件が成立するものとなっている。
例えば、1回の有利区間における差枚数(付与されたメダル数―投入されたメダル数)がリミット値(例えば、+2400枚)を超えた場合にリミッタ機能が作動するものとなっている。
有利区間は、押し順ナビが実行可能な遊技区間であるので、有利区間の終了により特別遊技状態(疑似ボーナス状態、AT状態)も強制的に終了することとなり、結果的にリミッタ機能の作動により遊技者が獲得する遊技メダル数が制限されることとなる。
【0126】
なお、リミッタ機能の作動条件として、上記以外に1回の有利区間におけるゲーム数(有利区間ゲーム数)が上限ゲーム数(例えば、3000ゲーム)に到達した場合を設けるようにしてもよい。
そして、上記した何れかの有利区間の終了条件が成立した場合に有利区間が終了するものとなっている。
【0127】
また、本第1実施形態においては、詳細は後述するが、AT状態中に上記リミッタ機能の作動を事前に判定し、この判定時からリミッタが作動するまでの期間をエンディング期間として設定し、遊技者に有利な状態が上限まで継続したことを事前に祝福するような演出(エンディング演出)を実行するようにしている。
また、本第1実施形態のメダルレス遊技機1では、ゲームの実行に基づき、上記押し順ナビの実行不能区間である通常区間と、押し順ナビの実行可能区間である有利区間の移行制御を行うようにしている。そして、メダルレス遊技機1の初期状態では通常区間に制御されるとともに、通常区間におけるゲームの実行時に、所定の移行条件が成立(例えば、ベル役に当選)した場合に、有利区間への移行が行われる。
【0128】
(通常遊技状態)
通常遊技状態は、メダルレス遊技機1の主制御部10がリセットされた場合等で滞在する遊技状態であり、遊技者にとっては不利な状態である。
図12に示すように、主制御部10は、通常遊技状態に滞在中には、CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態への移行抽選処理を行う。なお、メダルレス遊技機1の仕様等に応じて、通常遊技状態からAT状態に直接移行しないようにしてもよい。
メダルレス遊技機1の主制御部10がリセットされた場合等の通常遊技状態においては、遊技区間が通常区間に制御されていて、通常区間中における有利区間移行条件が成立した場合に遊技区間が通常区間から有利区間に移行する。
【0129】
また、通常遊技状態には通常確率状態と高確率状態とが設定されていて、各ゲームにおいて、疑似ボーナス状態への移行確率が、通常確率状態よりも高確率状態の方が高まるように制御されるものとなっている。
【0130】
確率状態の移行は、例えば、弱スイカ役や弱チェリー役当選時の30%の確率で、通常確率状態から高確率状態に移行するような制御が行われる。一方、所定の転落条件として、例えば、リプレイ役当選時、ベル役当選時、およびハズレ時の5%の確率で、高確率状態から通常確率状態へ移行する制御が行われる。
【0131】
疑似ボーナス状態の当選確率は、通常確率状態においては、例えば、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の20%の確率で設定され、高確率状態においては、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の50%の確率で設定されている。
確率状態が通常確率状態から高確率状態に変更すると、副制御部20の制御により、表示器8において高確率状態である旨の報知が行われ、例えば、通常遊技状態中には主人公キャラクタが草原を進んでいくようなステージが表示されている場合に、そのステージの背景を、昼間の背景から夕方の背景に変更させることで高確率状態である旨の報知を行うようにしている。
【0132】
ただし、高確率状態となった場合に確実にステージを変更させるのではなく、高確率状態中のゲームにおいて所定の確率(例えば、30%)でステージの変更抽選を行い、この変更抽選に当選した場合にのみステージを変更させるような制御が行われる。
また、通常確率状態中のゲームにおいても所定の確率(2%)でステージへの変更抽選が行われ、この変更抽選に当選した場合も高確率状態を示すステージに変更させるような制御が行われる。
【0133】
一方、夕方の背景からなるステージの滞在時にも昼間の背景への変更抽選が行われ、通常確率状態中のゲームでは相対的に高い確率(例えば、20%)で変更抽選に当選し、高確率状態中のゲームでは相対的に低い確率(例えば、5%)で変更抽選に当選するような制御が行われる。
したがって、夕方の背景からなるステージになっていても必ずしも高確率状態に滞在しているわけではなく、夕方の背景からなるステージは、あくまでも高確率状態を示唆するものとなっている。
【0134】
なお、確率設定装置16における設定値を変更した場合や、主制御部10がリセットされた場合には、通常区間を経て有利区間に移行した後、通常確率状態での通常遊技状態により実質的な遊技が開始可能となるが、確率設定装置16での設定値毎に、所定の確率で通常遊技状態を高確率状態で開始するようにしてもよい。
また、高確率状態中には、疑似ボーナス状態の他に、CZ状態やAT状態の当選確率を高めるようにしてもよい。
【0135】
また、通常遊技状態中のゲームでは、所定条件の成立に基づき疑似遊技(疑似ゲーム)が実行され、所定の遊技状態(例えば、疑似ボーナス状態)への移行を報知するゲームが実行される。
なお、疑似遊技に基づいても上記特典(CZ状態、疑似ボーナス状態、AT状態)の移行抽選を行うようにしてもよい。
【0136】
通常遊技状態中には、表示器8において、1ゲームで完結する個別演出が所定の確率で実行される。
個別演出は、主に遊技者の期待感を高めるために実行される演出であり、主制御部10での役の抽選結果に基づき実行される当選演出が含まれる。
また、その他、個別演出には、その時点の確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)に基づき実行されるものや、ゲームを説明するために実行されるもの等も含まれる。
また、個別演出には、所定のキャラクタ画像の表示器8への表示とともに、所定のセリフ画像が表示されるセリフ演出も含まる。
【0137】
当選演出は、主に役の抽選結果を報知するために実行される演出であり、所定のキャラクタの出現とともに当選した役(例えば、レア役)を報知可能なアイテムを表示したり、所定のキャラクタの出現とともに特典(疑似ボーナス状態等)の発生に対する期待度を示す、「チャンス」や「激アツ」の文字情報を表示したり等、当選した役の種類や、その当選した役(例えば、レア役)を契機とする特典の付与に関わる抽選結果に応じた画像が表示される演出である。
【0138】
・通常遊技状態から疑似ボーナス状態への移行処理(
図12の矢印a)
通常遊技状態(有利区間)中におけるゲームの実行によりゲーム数が計数され、当該ゲームの実行回数が予め定められた回数(特別回数:天井ゲーム数)となった場合に通常遊技状態から疑似ボーナス状態への移行が行われる。
天井ゲーム数は、遊技区間が通常区間から有利区間へ移行時、疑似ボーナス状態の終了時、AT状態の終了時に決定され、その時点の天井ゲーム数が設定されるものとなっている。
したがって、遊技区間が通常区間から有利区間へ移行時、疑似ボーナス状態の終了時、AT状態の終了時毎に異なる天井ゲーム数が設定可能となり、次回の疑似ボーナス状態が発生するまでの期間が変化するものとなるのである。
なお、天井ゲーム数を決定するためのモードとして、比較的小さい天井ゲーム数が決定される天国モードと、比較的大きい天井ゲーム数が決定される地獄モードと、平均的な天井ゲーム数が決定される通常モードとを設けて、遊技区間が通常区間から有利区間へ移行時、疑似ボーナス状態の終了時、AT状態の終了時に上記モードを決定するようにしてもよい。また、モードに応じて天井ゲーム数の選択肢の最大値を変更するようにしてもよい。
【0139】
また、通常遊技状態中におけるゲームの実行により、所定の役の当選時に疑似ボーナス状態への移行抽選が行われ、所定の確率で移行抽選に当選した場合にも通常遊技状態から疑似ボーナス状態への移行が行われる。
したがって、疑似ボーナス状態への移行は、上記天井ゲーム数の到達以外に、役の抽選結果に応じても行われるのである。
【0140】
より具体的には、主制御部10が特定の抽選結果として所定のレア役の当選に基づいて予め疑似ボーナス状態への移行抽選処理を行う。例えば、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の所定の確率(例えば、20%)で疑似ボーナス状態への移行処理を行う。
疑似ボーナス状態は、所定ゲーム数が実行されるまで継続するとともに、その間にAT状態の移行抽選を行う遊技状態である。疑似ボーナス状態の詳細については後述する。
【0141】
また、通常遊技状態において、所定のレア役の当選時に疑似ボーナス状態に当選する確率は、設定手段としての確率設定装置16における設定値に応じて変更可能となっていて、例えば、強チェリー役当選時には、設定1では10%、設定2では12%、設定3では14%、設定4では16%、設定5では18%、設定6では20%の各確率で疑似ボーナス状態に移行するようになっている。
【0142】
なお、疑似ボーナス状態への移行、すなわち、特典を付与するか否かの決定は、天井ゲーム数の消化や、抽選手段によるレア役の抽選以外で行うようにしてもよい。例えば、所定の役(例えば、ベル役)の当選(あるいは実際の成立回数)が所定回数となった時点で疑似ボーナス状態への移行を決定したり、その時点で疑似ボーナス状態の抽選を行ったりしてもよいし、役の抽選に応じて所定のポイントを加算させるようにするとともに、当選した役の種類や、役に当選した状態に応じて加算させるポイントを変更可能にして、このポイントが所定数となった時点で疑似ボーナス状態への移行を決定したり、その時点で疑似ボーナス状態の抽選を行ったりしてもよい。
【0143】
また、後述するAT状態中に、疑似ボーナス状態を発生させるようにしてもよい。
また、本第1実施形態では、疑似ボーナス状態の抽選契機役を、チャンス役と強チェリー役に設定しているが、その他の役の当選時に疑似ボーナス状態を抽選するようにしてもよい。
【0144】
ゲームの実行回数が天井ゲーム数に到達する直前の所定期間、および疑似ボーナス状態への移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態への移行前において、遊技者の疑似ボーナス状態への移行に対する期待感を高めるために、最終的に疑似ボーナス状態に移行することを報知する所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)の本前兆演出が表示器8において実行される。
【0145】
すなわち、主制御部10は、疑似ボーナス状態への移行を予め決定した場合でも、直ぐに疑似ボーナス状態への移行を行わず、その時点から所定数のゲームが実行された後に疑似ボーナス状態を発生するようにしていて、副制御部20は、主制御部10が、疑似ボーナス状態の発生を事前に決定したことに基づき、疑似ボーナス状態に移行する前の所定数のゲーム実行期間において、前兆演出としての本前兆演出を実行させる制御を行うのである。
したがって、副制御部20は、特典の付与として疑似ボーナス状態の移行が予め決定されている場合に、特典の付与前の所定期間において、複数のゲームに亘って本前兆演出を実行可能としているのである。
【0146】
また、天井ゲーム数に到達する前、および疑似ボーナス状態が上記移行抽選により決定された場合において、本前兆演出が実行される直前の期間には、所定ゲーム数分の待機期間(例えば、12ゲーム)が設定されていて、本前兆演出は、この待機期間の終了後に実行されることとなる。
待機期間中には、例えば、個別演出の実行確率が高められ、本前兆演出の実行に対する遊技者の期待感を高めるようになっている。
したがって、疑似ボーナス状態へ移行する場合には、待機期間と本前兆演出の実行後に移行することとなる。
【0147】
本前兆演出中においては、表示器8において、通常遊技状態中とは異なる背景からなるステージの画像に切り替わるとともに、登場するキャラクタが通常遊技状態中とは異なる動作を行う前兆ステージ上での演出画像が実行される。例えば、キャラクタが洞窟を進んでいくような前兆ステージ上での演出が複数のゲームを通して行われる。これらの演出は1のゲームが終了しても演出内容自体は変化することはない。例えば、所定のゲームにおいて各種イベント等の発生により画面の切替等は行われても、キャラクタが洞窟を進んでいくような演出内容自体は変化することなく次のゲームでも継続して行われる。したがって、本前兆演出は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
また、前兆ステージには、背景等が異なる複数パターンが用意されていて、副制御部20の制御により、その時点の疑似ボーナス状態の当選の有無に応じて何れかのパターンの前兆ステージが選択されることとなっている。
【0148】
また、ゲームの実行回数が天井ゲーム数に到達する直前ではない時期、および疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役(例えば、チャンス役)に当選したが、疑似ボーナス状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、疑似ボーナス状態に当選したときと同様に、最終的に疑似ボーナス状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、18ゲーム)のフェイク前兆演出が表示器8において実行される。
【0149】
すなわち、副制御部20は、主制御部10が疑似ボーナス状態の移行を事前に決定していない場合における所定条件の成立に基づき、複数のゲームに亘ってフェイク前兆演出を実行可能としているのである。
したがって、副制御部20は、主制御部10が疑似ボーナス状態への移行を事前に決定したか否かに関わらず、チャンス役の当選等の所定条件が成立した場合には、特典が付与されるか否かを示唆可能な演出(本前兆演出あるいはフェイク前兆演出)を、複数のゲームに跨って実行させることが可能となっているのである。
【0150】
なお、フェイク前兆演出は、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役に当選したが、疑似ボーナス状態への移行抽選に当選しなかった場合の、所定確率(例えば、50%)で実行するようにしてもよいし、必ず実行するようにしてもよい。
また、ゲームの実行回数が天井ゲーム数に到達する直前ではない時期においてフェイク前兆演出を実行する場合には、予め設定されている天井ゲーム数が選択され易い期間(ゾーン)に対応してフェイク前兆演出を実行することが好ましく、このようにすれば、天井ゲーム数が選択され易い期間に到達した場合に、かりに疑似ボーナス状態に移行しない場合でも遊技者の期待感を高めることが可能となるのである。
【0151】
また、レア役の当選に基づきフェイク前兆演出を実行する場合にも、疑似ボーナス状態に当選したときと同様に、フェイク前兆演出が実行される直前の期間には、所定ゲーム数分のフェイク待機期間(例えば、12ゲーム)が設定される。
本前兆演出とフェイク前兆演出は、基本的には演出画像(ステージ或いは登場するキャラクタ等)は同様に設定された複数のゲームに亘る一連の演出からなり、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けることができるようになっている。
【0152】
また、本前兆演出およびフェイク前兆演出においては、最終的に疑似ボーナス状態に移行するか否かの報知が行われるが、この場合、表示器8において、前兆演出の最終ゲームの数ゲーム前(例えば、2ゲーム前)から連続的な演出(連続演出)が実行される。連続演出は、例えば、味方キャラクタと敵キャラクタとが所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)の間対戦する画像からなる対戦演出で実行される。
【0153】
連続演出(対戦演出)は、ゲーム毎に味方キャラクタと敵キャラクタが所定の対戦種目上で競い合う演出画像が実行され、各ゲームの演出内容は次ゲームに引き継ぐような演出が実行される。例えば、所定のゲームで与えられた味方キャラクタが不利な状況となった場合には、その状況を次ゲームに持ち越すように演出が実行され、最終的に何れかのキャラクタが勝利するような演出が実行される。
なお、連続演出(対戦演出)において、登場する味方キャラクタの種類、敵キャラクタの種類、対戦種目の種類を、疑似ボーナス状態に移行するか否かに応じて変化させるようにしてもよい。
【0154】
また、予め決定されている疑似ボーナス状態への移行の有無により、各ゲームにおける味方キャラクタと敵キャラクタの対戦中の内容が設定されていて、例えば、疑似ボーナス状態に移行する場合には、移行しない場合よりも味方キャラクタが優勢となるゲームが多くなるように設定されている。
すなわち、連続演出は、複数のゲームに亘って(跨って)実行される一連の演出となっている。
また、連続演出には、ボタン演出が併行して実行される場合もある。
【0155】
そして、疑似ボーナス状態に移行する場合(本前兆演出の場合)には、疑似ボーナス状態への移行を報知する画像として、最終的に味方キャラクタが勝利する画像が表示され、疑似ボーナス状態に移行しない場合(フェイク前兆演出の場合)には、疑似ボーナス状態へ移行しないことを報知する画像として、最終的に味方キャラクタが敗北する画像が表示される。
【0156】
なお、連続演出ではなく、本前兆演出およびフェイク前兆演出の最終ゲームのみで完結する演出を実行し、その演出結果により疑似ボーナス状態への移行に関する報知を行ってもよい。
また、本前兆演出およびフェイク前兆演出は、上記待機期間を実行せずに発生させるようにしてもよい。また、フェイク前兆演出は、疑似ボーナス状態への移行契機となるレア役に当選した場合に、必ず発生させるようにしてもよいし、所定確率で発生させるようにしてもよい。
【0157】
また、レア役当選後に、本前兆演出中における連続演出のみを実行して疑似ボーナス状態等に移行させるようにしてもよい。
また、本前兆演出およびフェイク前兆演出のゲーム数は何れのゲーム数でもよいし、複数のゲーム数(例えば、15~20ゲーム)から選択的に決定するようにしてもよい。また、同様に、待機期間も複数のゲーム数(例えば、10~15ゲーム)から選択的に決定するようにして、待機期間が変化するようにしてもよい。
【0158】
なお、本前兆演出とフェイク前兆演出の実行期間として、選択し得るゲーム数を同じものに設定してもよいが、本前兆演出時には、フェイク前兆演出では選択しないゲーム数を選択可能としてもよい。このようにすれば、フェイク前兆演出ではありえない少ないゲーム数で前兆演出が終了した場合や、フェイク前兆演出ではありえない多いゲーム数まで前兆演出が継続した場合、本前兆演出が確定することとなるので、遊技者の期待感を向上させることが可能となる。
【0159】
・通常遊技状態からCZ状態への移行処理(
図12の矢印c)
主制御部10は、通常遊技状態においては、所定のレア役に当選したことに基づいて、CZ状態への移行抽選処理を行う。例えば、強スイカ役当選時の所定の確率(例えば、10%)でCZ状態への移行処理を行う。CZ状態への移行条件は、この移行抽選に当選したことである。
【0160】
なお、遊技者のCZ状態への移行に対する期待感を高めるために、所定のレア役に当選してCZ状態への移行が決定された場合でも、直ぐにCZ状態に移行させずに、最終的にCZ状態に移行することを報知する所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)のCZ状態の連続演出(本連続演出)を表示器8において実行してもよい。
【0161】
また、所定のレア役に当選したが、CZ状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、最終的にCZ状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)のCZ状態のフェイク連続演出を表示器8において実行してもよい。この場合、CZ状態の連続演出とフェイク連続演出は、基本的には登場するキャラクタ等を同様に設定して、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けるようにしてもよい。
【0162】
例えば、CZ状態の連続演出(あるいはフェイク連続演出)として、各ゲームを通じてキャラクタがスポーツ競技に挑戦するような演出画像を実行してもよい。この場合、連続演出(あるいはフェイク連続演出)中はその間のゲームを通してスポーツ競技が連続して実行され、CZ状態に当選していた場合には、最終的に競技に成功(例えば、サッカーでゴールに成功)し、CZ状態に当選していない場合には、競技に失敗する演出画像が実行される。
【0163】
・通常遊技状態からAT状態への移行処理(
図12の矢印g)
主制御部10は、通常遊技状態においては、所定のレア役に当選したことに基づいて、AT状態への移行抽選処理を行う。例えば、強チェリー役当選時に所定の確率(例えば、1%)でAT状態への移行処理を行う。AT状態への移行条件は、この移行抽選に当選したことである。
なお、通常遊技状態におけるAT状態への移行は、所定のレア役への当選を条件に行う以外に、何れの小役にも当選しなかったハズレ抽選結果が導出されたときの所定の確率(例えば、1%)で行うようにしてもよい。
【0164】
本第1実施形態においては、AT状態への移行は、遊技者の期待感を高めるために、主に疑似ボーナス状態を経由して実行されるようになっていることから、通常遊技状態から直接AT状態に移行する確率は極めて低い確率に設定されている。
なお、確率設定装置16での設定確率に応じて、通常遊技状態から直接AT状態に移行する確率を変更可能にしてもよいし、比較的高い設定値(例えば、設定4~6)の場合のみ通常遊技状態から直接AT状態への移行抽選に当選可能としてもよい。
また、通常遊技状態において、AT状態の移行抽選に当選した場合には、前述した疑似ボーナス状態の発生時と同様に待機期間の挿入と前兆演出が実行され、前兆演出の終了後にAT状態が発生するようになっている。
【0165】
なお、通常遊技状態から直接AT状態への移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態の発生時と異なる前兆演出の選択制御を行うようにしてもよく、例えば、直接AT状態へ移行する場合には、フェイク前兆演出においては出現率が低い(あるいは出現しない)キャラクタや背景から構成される前兆演出の選択率を、疑似ボーナス状態の発生時よりも高めるようにしてもよい。また、疑似ボーナス状態の発生時には実行されない前兆演出を、直接AT状態へ移行する場合にのみ実行するようにしてもよい。
【0166】
(CZ状態)
CZ状態は、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、通常遊技状態よりも各ゲームにおいて高確率で疑似ボーナス状態への移行抽選処理が行われるので、通常遊技状態に滞在中よりも疑似ボーナス状態へ移行しやすい遊技状態である。
なお、押し順ベル役当選時には押し順ナビは行われないが、押し順ベル役当選時に押し順ナビを実行するようにしてもよいし、押し順ベル役当選時の一部、すなわち押し順ベル役当選時の所定の確率(例えば、40%)で押し順ナビを実行するようにしてもよい。
【0167】
CZ状態に滞在中は、通常遊技状態に滞在中よりも、疑似ボーナス状態に移行しやすいので、CZ状態は、一連の遊技の流れにおいてチャンスゾーンとして位置付けられている。
CZ状態の遊技可能回数は、最小ゲーム数と10ゲームとして、10ゲーム以降はCZ状態中の終了抽選が主制御部10で行われ、当該終了抽選に当選した場合には、そのゲームでCZ状態が終了することとなる。
CZ状態中においては、主制御部10から副制御部20に対して、CZ状態に関する制御情報が送信され、主制御部10および副制御部20の制御により、表示器8において、CZ状態中の各種演出や残ゲーム数が表示器8に表示される。
【0168】
・CZ状態から疑似ボーナス状態への移行処理(
図12の矢印e)
CZ状態では、各ゲームにおいて疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行う。
疑似ボーナス状態の移行抽選処理の当選確率は、各ゲームの当選役に応じて、当選確率が設定されている。疑似ボーナス状態の移行抽選処理の当選確率は、例えば、レア役当選時が50%、ベル役当選時およびリプレイ役当選時が10%、ハズレ時が5%である。疑似ボーナス状態の移行抽選はCZ状態中のゲーム毎に行われるが、疑似ボーナス状態への移行の有無はCZ状態の最終ゲームで行われ、最終ゲームで疑似ボーナス状態への移行が報知された場合には、通常遊技状態のときと同様に、遊技状態が疑似ボーナス状態へ移行することとなる。
【0169】
すなわち、CZ状態は、疑似ボーナス状態に移行する確率が通常遊技状態よりも高められる点においては、前述した高確率状態と同様であるが、CZ状態においては、通常遊技状態では疑似ボーナス状態の移行抽選契機役ではない役(ベル役やリプレイ役)でも疑似ボーナス状態に移行する可能性が生ずることとなるので、高確率状態よりも遊技者にとって有利な状態となるのである。
なお、疑似ボーナス状態の移行抽選は、各役に内部当選した時点で実行されるので、当選した役に対応する図柄がリール41に停止しない場合(取りこぼし時)でも疑似ボーナス状態の移行抽選は実行される。
また、CZ状態の終了により疑似ボーナス状態へ移行した場合には、遊技区間は有利区間のまま継続する。
【0170】
また、各当選役の一部又は全部についての疑似ボーナス状態の当選確率は、上記以外でもよい。また、CZ状態中における疑似ボーナス状態の移行抽選契機役は、上記した以外でもよい。
また、ベル役の当選時に疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行うようにしたが、ベル役に対応する図柄が入賞することに基づいて疑似ボーナス状態の移行抽選処理を行うようにしてもよい。
【0171】
また、CZ状態中は、当該CZ状態中のゲームを通して、遊技者がCZ状態中であることを認識可能なCZ状態画像が表示器8で表示される。
また、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選したゲームが実行された場合に、当該ゲームの実行中においては、所定の準備演出画像(動画)が表示され、ゲームの終了後には疑似ボーナス状態に移行した旨を報知する報知画像が表示される。
例えば、CZ状態中においては、上記CZ状態画像として、主人公キャラクタが寝ている画像が表示されるものとし、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選したゲーム中においては、主人公キャラクタがクローズアップされることで、目覚めるか否かを演出する準備演出動画が表示され、ゲーム終了後に主人公キャラクタが目覚める報知画像が表示されることで、疑似ボーナス状態に当選した旨を報知する演出が実行される。
【0172】
また、CZ状態中における疑似ボーナス状態に非当選となるゲームが実行される場合の所定確率(例えば、10%)でも、上記準備演出画像が表示されるが、この場合には、ゲーム終了後には、主人公キャラクタが目覚めない報知画像が表示されることで、疑似ボーナス状態に非当選である旨を報知する演出が実行される。
【0173】
また、CZ状態中の10ゲーム以降のゲーム実行時においては、CZ状態の終了抽選が行われるが、この終了抽選に当選した場合には、ゲーム実行中に徐々に画面が暗くなる演出が実行されて、ゲーム終了後に画面が全て暗くなることでCZ状態が終了した旨を報知する演出が実行される。
また、CZ状態中の10ゲーム以降のゲーム実行時においては、終了抽選に非当選(継続)となる場合にも、所定の確率で上記同様に徐々に画面が暗くなる演出が実行されるが、この場合には、ゲーム終了後に画面が再び明るくなることで、CZ状態が継続する旨を報知する演出が実行される。
【0174】
なお、CZ状態中における疑似ボーナス状態の当選の有無を報知するための演出は、上記以外でもよく、例えば、所定ゲーム間に跨って味方キャラクタと敵キャラクタが対戦する演出を実行し、当該対戦演出の結果により疑似ボーナス状態への移行の有無を報知するようにしてもよい。
【0175】
・CZ状態から通常遊技状態への移行処理(
図12の矢印d)
CZ状態において、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選せずに、CZ状態の終了抽選に当選した場合には、当該ゲームの終了後に通常遊技状態に移行する。
このとき、ゲーム終了後に、表示器8の画面が真っ暗になり、疑似ボーナス状態へは移行せずにCZ状態の終了が報知される。
また、CZ状態の終了により通常遊技状態へ移行した場合には、遊技区間は有利区間のまま継続するが、遊技区間を有利区間から通常区間に移行させてもよい。
【0176】
なお、CZ状態から通常遊技状態への移行時に、主制御部10および副制御部20の制御により、確率設定装置16で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(表示器8、スピーカ9)により報知してもよい。例えば、表示器8において、複数のキャラクタのうちから所定のキャラクタを表示するようにする。そして、表示するキャラクタは確率設定装置16の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択されるので、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測することが可能となる。
【0177】
(疑似ボーナス状態)
特別遊技状態としての疑似ボーナス状態は、当該疑似ボーナス状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、押し順ベル役に対する押し順ナビが実行されることで、遊技メダルの獲得が極めて容易な遊技状態である。
【0178】
また、疑似ボーナス状態は、所定期間継続して、その間に実行される所定のゲームにおいて、AT状態の移行抽選が行われるものとなっている。
本第1実施形態においては、疑似ボーナス状態は、予め定められた期間(例えば、20ゲーム)実行されるものとなっている。
【0179】
疑似ボーナス状態中においては、押し順ナビが実行されることとなるが、押し順ベル役の当選確率は、押し順ナビに従って遊技者がゲームを実行すれば遊技メダルが増加する値となっている。したがって、多数の遊技メダルを獲得可能な疑似ボーナス状態中にAT状態の移行抽選に当選した場合には、疑似ボーナス状態の終了後にAT状態が発生することとなるので、遊技者が一定の遊技メダルを獲得しつつ、AT状態を発生させるためのゲームを実行することが可能となり、相乗的に遊技者に有利な状態が生じることとなるのである。
【0180】
また、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームでは、主制御部10の制御により、スタートレバー3の操作から停止ボタン5の操作が有効となるまでの期間が、通常のゲームよりも延長され、この期間に、リール41を正回転させた後、リール41において特別の図柄組合せを一旦停止させたのちに再度正回転させる、所謂リール演出が行われる疑似遊技(報知疑似遊技)が実行され、疑似ボーナス状態が発生したことが報知される。
なお、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームで報知疑似遊技を実行して特別の図柄組合せ(「7・7・7」等)を一旦停止させるのではなく、所定役(例えば、リプレイ役)の当選した次ゲームで疑似ボーナス状態を開始するものとして、当該所定役の当選時には、所定の押し順(例えば、「5c→5b→5a」)によりリール41を停止させた場合に特別の図柄組合せが停止するようにリール41の停止制御を行い、上記所定の役に当選した場合に上記所定の押し順を報知することで、疑似ボーナス状態が開始する1ゲーム前に特別の図柄組合せを形成可能としてもよい。
【0181】
報知疑似遊技が行われる期間は、例えば、15秒に設定され、この間は、停止ボタン5の操作が無効となるので、リール41が作動していてもゲームの進行が不能な状態となっている。
そして、報知疑似遊技の終了時には、特別の図柄組合せ(「7、7、7」等)が一旦停止(自動停止)することとなるので、疑似ボーナス状態は、遊技内容的にはAT状態と同様にナビが実行される状態となっているが、見た目上は所謂ボーナス状態(リアルボーナス状態)が発生したようなものとなり、AT状態との差別化が図られている。
【0182】
また、報知疑似遊技が終了すると、リール41が正回転での回転を自動的に開始するとともに、停止ボタン5の操作が有効となり本遊技が開始され、この時点から、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームの停止操作が通常のゲームと同様に可能となる。
また、リール演出中においては、副制御部20の制御により、表示器8において、リール演出に対応する演出画像として疑似ボーナス状態の発生を報知する表示が行われる。
【0183】
・疑似ボーナス状態からAT状態への移行処理(
図12の矢印f)
疑似ボーナス状態では、当該疑似ボーナス状態中の各ゲームの実行に基づきAT状態の移行抽選処理を行う。
本第1実施形態においては、疑似ボーナス状態中のゲーム毎にAT状態の移行抽選処理が実行されてAT状態に移行させるか否かが決定される。
そして、AT状態の移行抽選処理の結果、特別の条件の成立としてAT状態への移行条件が成立した場合には、疑似ボーナス状態の終了後に遊技状態がAT状態に移行することとなる。
また、疑似ボーナス状態の終了によりAT状態へ移行した場合には、遊技区間は有利区間のまま継続する。
【0184】
なお、本第1実施形態においては、AT状態の移行抽選処理は、疑似ボーナス状態の一部でAT状態に移行するように行われるものであれば何れでもよく、各ゲームで固定の確率でAT状態の移行抽選を行ってもよいし、レア役に当選した場合には、レア役以外に当選した場合よりも高い確率でAT状態の移行抽選を行ってもよい。
【0185】
また、AT状態の移行抽選処理は、疑似ボーナス状態中の全てで行ってもよいし、疑似ボーナス状態の終盤に、AT状態の移行抽選処理を行うための所定ゲーム数の期間(例えば、3ゲーム間)を設けて、この間でAT状態へ移行するか否かの抽選を行うようにしてもよい。
また、上記疑似ボーナス状態中のゲームにおけるAT状態の移行抽選処理の他に、疑似ボーナス状態の移行(開始)時にAT状態の移行抽選処理を行うようにしてもよい。
【0186】
また、疑似ボーナス状態中においては、ゲームの実行に対応して、主制御部10からの制御情報の受信に基づき、表示制御手段としての副制御部20の制御により、表示器8において所定の演出が実行される。
【0187】
例えば、疑似ボーナス状態中のゲームにおいてレア役に当選した場合には、当該レア役に当選したことを報知する演出が実行される。
また、疑似ボーナス状態の終盤の所定ゲーム間(例えば、3ゲーム間)においては、AT状態の移行抽選結果に応じた連続演出(対戦演出)が実行され、AT状態へ移行する抽選結果であった場合には、最終的に味方キャラクタが勝利する演出結果が導出され、AT状態へ移行する抽選結果でなかった場合には、最終的に味方キャラクタが敗北する演出結果が導出されて、AT状態の移行抽選結果が連続演出の結果として報知されることとなる。
【0188】
なお、連続演出中の演出態様は、AT状態の移行抽選の結果に基づき予め決定されることとなり、AT状態へ移行する抽選結果であった場合には、味方キャラクタが優勢となる演出態様が決定され、AT状態へ移行する抽選結果でなかった場合には、味方キャラクタが劣勢となる演出態様が決定される。ただし、上記連続演出が実行されている間のゲームにおいても、AT状態の移行抽選処理は行われるので、最終的な連続演出の結果は連続演出中のAT状態の移行抽選処理も加味して決定されることとなる。
また、疑似ボーナス状態中におけるAT状態の移行抽選処理の結果、AT状態へ移行することが決定された場合には、その時点からAT状態の移行が確定することを報知する演出を実行するようにしてもよい。
【0189】
また、その他疑似ボーナス状態中においては、遊技の興趣を高めるために、所定のキャラクタが登場する疑似ボーナス状態中の演出(疑似ボーナス演出)が表示器8で表示される。疑似ボーナス演出においては、例えば、登場する各キャラクタの紹介画像等が表示されるとともに、所定の楽曲がスピーカ9から出力される。
【0190】
また、疑似ボーナス状態中におけるAT状態の移行抽選は、上記した以外に実行してもよく、例えば、通常の操作態様(例えば、左リール41aを最初に停止操作する操作態様)でリール41を停止操作した場合には、リプレイ役に対応する図柄組合せが停止するが、通常の操作態様とは異なる変則操作態様(例えば、右リール41cを最初に停止操作する操作態様)でリール41を停止操作した場合には、特別の図柄組合せ(例えば、「BAR、BAR、BAR」)が停止する特定のリプレイ役を抽選可能とし、疑似ボーナス状態中の抽選ゲーム期間中以外の期間において特定のリプレイ役に当選した場合には、無条件(100%の確率)でAT状態に移行するようにしてもよい。
この場合、特定のリプレイ役に当選した場合には、表示器8において、変則操作態様、および特別の図柄組合せを狙うように促す画像を表示することが好ましい。
【0191】
また、疑似ボーナス状態中の連続演出(対戦演出)中に、ボタン演出を実行してもよい。
操作演出としてのボタン演出は、先ず、表示器8に演出ボタン2gの操作を促す操作ボタンを模した画像や、操作を指示する文字情報(例えば、「PUSH」)等からなる操作画像を表示し、その後、指示された演出ボタン2gが操作された場合に、所定の画像を表示器8に表示する一連の演出であり、例えば、対戦演出の最終ゲームが実行されるゲームの終了時に、操作ボタンを模した画像や操作画像を表示し、その後、指示された演出ボタン2gが操作された場合に、予め決定されている対戦抽選の結果を報知する画像を表示器8において表示する演出である。
この場合、対戦抽選の結果が当選であった場合には、非当選の場合よりもボタン演出が実行される確率が高くなるようにすることが好ましい。
【0192】
・疑似ボーナス状態から通常遊技状態への移行処理(
図12の矢印b)
疑似ボーナス状態において、特別の条件が成立せずにAT状態への移行権利が付与されなかった場合、すなわち、疑似ボーナス状態におけるAT状態の移行抽選処理の結果が当選とならなかった場合には、疑似ボーナス状態終了後に通常遊技状態に移行する。
なお、疑似ボーナス状態の終了により通常遊技状態へ移行した場合の一部で、遊技区間を有利区間から通常区間に移行させないようにしてもよい。
【0193】
なお、疑似ボーナス状態から通常遊技状態への移行時に、主制御部10および副制御部20の制御により、確率設定装置16で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(表示器8、スピーカ9)により報知してもよい。例えば、表示器8において、複数のキャラクタのうちから所定のキャラクタを表示し、この表示するキャラクタを確率設定装置16の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択することで、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測することが可能となる。
【0194】
(AT状態)
本第1実施形態におけるAT状態は、当該AT状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、押し順ベル役に対する押し順ナビが行われることで、遊技メダルの獲得が容易な遊技状態である。
【0195】
AT状態は、当該AT状態中に遊技者が実際に獲得した遊技メダル数(純増枚数)が所定数(例えば、100枚)となるまで継続するものとなっている。
すなわち、AT状態の移行時に、AT状態を継続可能な残メダル数(純増枚数)に初期値(例えば、100枚)を付与し、AT状態中の遊技メダルの付与毎にこの残メダル数を減算して、残メダル数が「0」となった場合にAT状態を終了するのである。
なお、AT状態の終了条件を、AT状態中に付与(払出)された遊技メダル数が所定数となった場合に成立するようにしてもよいし、AT状態中に実行されたゲーム数が所定数となった場合に成立するようにしてもよい。
また、継続期間の異なる複数種類のAT状態を設けて、AT状態の移行権利の獲得時に、何れかのAT状態を選択的に発生可能としてもよい。
【0196】
また、AT状態に移行した場合に、疑似ボーナス状態の移行時と同様に、最初のゲームにおいて報知疑似遊技を実行して、表示窓6内の所定のライン上に所定の図柄組合せを疑似停止して、AT状態の移行を報知するリール演出が実行してもよい。
【0197】
また、AT状態中においては、所定のレア役の当選に基づき、所定の特典を付与する上乗せ抽選が行われ、上乗せ抽選に当選した場合には、付与された特典に応じてAT状態の継続期間が延長されることとなる。
例えば、レア役当選時に、当選したレア役の種類毎に当選確率の異なる上乗せ抽選を行い、この上乗せ抽選に当選した場合には、残メダル数に所定の遊技メダル数を加算することで、AT状態の継続期間を延長するのである。
なお、上乗せ抽選の契機役は何れでもよいし、付与される特典の大きさの異なる複数の特典から何れかを選択するようにしてもよい。また、当選役に応じて付与する特典の大きさを変化させるようにしてもよい。
【0198】
また、本第1実施形態においては、AT状態中のゲームにおいて、所定の条件が成立した場合には、所定期間の間、上乗せ特化ゾーンが発生して、この特化ゾーン中にはゲーム数の上乗せ抽選が上乗せ特化ゾーン中以外よりも高められて実行される。
なお、特化ゾーンは遊技者に極めて有利となる状態であるので、上記所定の条件は、レア役のうち当選確率の低いものが当選した場合の所定確率で成立するようにすることが好ましい。
【0199】
・AT状態から疑似ボーナス状態への移行処理(
図12の矢印i)
AT状態中においても通常遊技状態中と同様に、主制御部10が特定の抽選結果として所定のレア役の当選に基づいて疑似ボーナス状態への移行抽選処理が行われ、例えば、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の所定の確率(例えば、20%)で疑似ボーナス状態への移行処理が行われる。
また、AT状態中に疑似ボーナス状態へ移行した場合には、遊技区間は有利区間のまま継続する。
【0200】
そして、AT状態中における疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合には、実行中のAT状態を一時的に中断して、遊技状態が疑似ボーナス状態に移行することとなる。
したがって、AT状態の残ゲーム数は疑似ボーナス状態への移行時に保留され、再度AT状態に復帰した場合に、保留された残ゲーム数に基づきAT状態が再開されるものとなる。
また、AT状態中に疑似ボーナス状態に移行した場合には、前述同様、所定期間(例えば、20ゲーム間)疑似ボーナス状態が実行されることとなる。
【0201】
ただし、AT状態中に疑似ボーナス状態に移行した場合には、通常遊技状態中に疑似ボーナス状態に移行した場合とは異なり、AT状態の移行抽選処理は行われず、予め定められたゲーム数が実行された場合に疑似ボーナス状態は終了し、AT状態に復帰することとなる。
【0202】
なお、AT状態中に疑似ボーナス状態に移行した場合に、当該疑似ボーナス状態中に所定役の当選を契機に上乗せ抽選を行うようにしてもよい。
また、AT状態中に疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合に、直ぐに疑似ボーナス状態に移行させずに、所定期間(例えば、3ゲーム間)前述同様に対戦演出(味方キャラクタが勝利する対戦演出)を実行した後に疑似ボーナス状態に移行させるようにしてもよい。
また、AT状態中に所定のレア役に当選して疑似ボーナス状態の移行抽選に非当選であった場合にも、対戦演出(味方キャラクタが敗北する対戦演出)を実行するようにしてもよい。
【0203】
・AT状態から通常遊技状態への移行処理(
図12の矢印h)
AT状態において、遊技者が獲得した遊技メダル数(純増枚数)が所定数に達した場合等のAT状態の終了条件が成立した場合には、AT状態終了後に通常遊技状態に移行する。
また、AT状態の終了により通常遊技状態へ移行した場合には、遊技区間は有利区間のまま継続する。
なお、AT状態の終了により通常遊技状態へ移行した場合の一部で、遊技区間を通常区間に移行させるようにしてもよい。
【0204】
また、AT状態の終了時には、所定期間(例えば、5秒)のAT終了状態が設定され、AT終了状態中は、ゲームの進行が一時的に不能となり、AT終了状態終了後に通常遊技状態に移行することとなる。
AT終了状態中においては、主制御部10および副制御部20の制御により、確率設定装置16で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報が報知手段により報知される。例えば、所定の画像が表示器8により表示されるとともに、所定の音声がスピーカ9により出力される。
以上のように第1実施形態のメダルレス遊技機1において遊技状態の移行が行われる。
【0205】
[リミッタ機能に関わる各処理]
次に、
図13~
図15を参照して、本第1実施形態のメダルレス遊技機1(遊技機)におけるリミッタ機能(制限機能)に関わる各処理ついて説明する。
前述したように、本第1実施形態のメダルレス遊技機1においては、有利区間中における遊技者の遊技メダルの獲得枚数に制限を設けるためにリミッタ機能を設けるようにしている。
【0206】
本第1実施形態のメダルレス遊技機1においては、1回の有利区間中における差枚数(付与された遊技メダル数―投入された遊技メダル数)が特定数(例えば、リミット値である+2400枚)を超えた場合にリミッタ機能が作動するものとなっている。
したがって、差枚数がマイナス値等の小さい値の状態でAT状態(あるいは疑似ボーナス状態)に移行した場合には、差枚数がプラス値等の大きい値の状態でAT状態に移行した場合よりも、その後、特定数に到達するまでに遊技者が実際に獲得可能な遊技メダル数(純増枚数)が多くなるのである。
【0207】
例えば、差枚数が+1000枚となっている状態でAT状態に移行した場合には、その後、リミッタ機能が作動するまでに1400枚(2400枚-1000枚)の遊技メダルを獲得可能となるが、差枚数が-2000枚となっている状態でAT状態に移行した場合には、その後、リミッタ機能が作動するまでに4400枚(2400枚+2000枚)の遊技メダルを獲得可能となるのである。
すなわち、AT状態の移行時における有利区間中の差枚数と特定数と差が大きいほど、リミッタ機能が作動するまでに遊技者が獲得可能な遊技メダル数が多くなるのである。
【0208】
まず、
図13のフローチャートを参照して、主制御部10において実行される差枚数計数処理について説明する。
図13は、1回の有利区間中における遊技メダルの投入数と遊技メダルの付与数(払出数)に基づいて、差枚数を計数するための差枚数計数処理を示している。
【0209】
まず、差枚数計数処理が開始されると、ステップS23で、有利区間中か否かの判定が行われる。
これは、遊技区間が有利区間中であるか否かを判定する処理であり、有利区間中の場合は、ステップS24に移行し、有利区間中でない場合(通常区間中の場合)は、本差枚数計数処理を終了する。
【0210】
次に、ステップS24で、ゲームが実行されたか否かの判定が行われる。
これは、有利区間中においてゲームが実行されたか否かを判定する処理であり、有利区間中においてゲームが実行された場合には、ステップS25に移行し、ゲームが実行されてない場合は、本差枚数計数処理を終了する。
【0211】
次に、ステップS25で、差枚数カウンタからベット数を減算する処理が行われる。
差枚数カウンタは、1回の有利区間中における差枚数の増減を監視するためのカウンタであり、ゲームの実行により当該ゲームに投入(賭け設定)された遊技メダル数(ベット数)が差枚数カウンタから減算されることとなる。
なお、差枚数カウンタはマイナス値も計数可能となっていて、±0枚となっている以降にゲームが実行された場合には、差枚数カウンタがマイナス値となる。
【0212】
次に、ステップS26で、遊技メダルが付与されたか否かの判定が行われる。
これは、有利区間中におけるゲームの結果により遊技メダルが付与されたか否かを判定する処理であり、所定の役に入賞して所定数の遊技メダルが付与(遊技メダル数が増加)された場合には、ステップS27に移行し、遊技メダルの付与が行われていない場合(ハズレの場合)は、ステップS28に移行する。
なお、遊技メダルの付与には、リプレイ役入賞時のベット数の自動設定も含まれる。
【0213】
次に、ステップS27で、差枚数カウンタに付与された遊技メダル数を加算する処理が行われる。
したがって、有利区間中に実行されたゲームの結果、所定数の遊技メダルが付与された場合には、付与された遊技メダル数が差枚数カウンタに加算されることとなる。
【0214】
次に、ステップS28で、有利区間が終了したか否かの判定が行われる。
これは、有利区間中における有利区間終了条件が成立して有利区間が終了したか否かを判定する処理であり、リミッタ機能が作動した場合や主制御部10がリセットされた場合等により、有利区間が終了した場合は、ステップS29に移行し、有利区間が終了していない場合は、本差枚数計数処理を終了する。
【0215】
次に、ステップS29で、差枚数カウンタを初期化する処理が行われる。
したがって、1回の有利区間が終了した場合には、差枚数カウンタが初期化(ゼロクリア)されることとなる。
その後、本差枚数計数処理を終了する。
【0216】
以上のように、主制御部10においては、1回の有利区間中においてゲームが実行された場合に、投入(賭け設定)された遊技メダル数(ベット数)および付与(払出)された遊技メダル数に応じて差枚数カウンタが計数されて、その時点の差枚数が管理されることとなる。
すなわち、主制御部10は、有利区間における遊技価値(遊技メダル)の投入に基づき、投入された遊技価値に対応して差数情報(差枚数カウンタ)を減算し、有利区間における遊技価値の付与に基づき、付与された遊技価値に対応して差数情報を加算する制御を実行可能な差数情報計数手段を備えるのである。
【0217】
次に、
図14のフローチャートを参照して、主制御部10において実行されるリミッタ監視処理について説明する。
図14は、前述した差枚数カウンタを参照して、1回の有利区間中における差枚数カウンタが特定数を超えた場合にリミッタ機能を作動させるためのリミッタ監視処理を示している。
【0218】
まず、リミッタ監視処理が開始されると、ステップS30で、有利区間中か否かの判定が行われる。
有利区間中の場合は、ステップS31に移行し、有利区間中でない場合(通常区間中の場合)は、本リミッタ監視処理を終了する。
【0219】
次に、ステップS31で、ゲームが終了したか否かの判定が行われる。
有利区間中において1回のゲームが終了した場合は、ステップS32に移行し、ゲームが終了していない場合(ゲームが実行されていない場合も含む)は、本リミッタ監視処理を終了する。
【0220】
次に、ステップS32で、差枚数カウンタの値がリミット値(特定数)を超えたか否かの判定が行われる。
これは、前述の差枚数計数処理において算出された差枚数カウンタの値が、リミッタ機能を作動させるための条件であるリミット値を超えたか否かを判定する処理であり、差枚数カウンタの値がリミット値を超えた場合は、ステップS33に移行し、リミット値を超えていない場合は、本リミッタ監視処理を終了する。
【0221】
次に、ステップS33で、特別遊技状態終了処理が行われる。
特別遊技状態終了処理は、AT状態あるいは疑似ボーナス状態等の特別遊技状態を終了させる処理であり、本処理により1回の有利区間中における遊技メダルの獲得が制限されることとなる。
その後、ステップS34に移行する。
【0222】
次に、ステップS34で、通常区間への移行処理が行われる。
これは、遊技区間を通常区間へ移行させる処理であり、本処理により1回の有利区間が終了することとなる。
したがって、上記特別遊技状態終了処理および通常区間への移行処理の実行によりリミッタ機能が作動することとなる。
その後、本リミッタ監視処理を終了する。
【0223】
以上のように、主制御部10では、差枚数カウンタの値がリミット値(+2400枚)を超えた場合に、リミッタ機能を作動させて遊技区間を有利区間から通常区間へ移行させるのである。
すなわち、主制御部10は、差数情報計数手段(主制御部10)により計数された差数情報が、特定数(リミット値)に達した場合に、有利区間を終了させる制御を実行可能な有利区間終了制御手段を備えるのである。
したがって、遊技者が獲得する遊技メダル数が制限されることとなり、メダルレス遊技機1の射幸性を低減させることが可能となるのである。
【0224】
次に、
図15のフローチャートを参照して、主制御部10において実行される差枚数表示処理について説明する。
図15は、確率設定装置16の操作により実行される差枚数表示処理を示している。
【0225】
まず、差枚数表示処理が開始されると、ステップS35で、設定キーがオンであるか否かの判定が行われる。
これは、メダルレス遊技機1の電源投入後に確率設定装置16のキー挿入口に設定キーを挿入して所定方向に回転させると設定キースイッチ(図示略)がオンとなるが、この設定キースイッチの検出を判定する処理であり、設定キーがオンとなっている場合は、ステップS36に移行し、設定キーがオンとなっていない場合は、本差枚数表示処理を終了する。
【0226】
次に、ステップS36で、差枚数表示指示処理が行われる。
差枚数表示指示処理は、副制御部20に対して差枚数の表示を行わせるための処理であり、その時点の差枚数カウンタの値を特定可能な情報や差枚数の表示を指示する情報等が副制御部20に対して送信される。
その後、本差枚数表示処理を終了する。
【0227】
以上のように、主制御部10は、メダルレス遊技機1の電源投入後に、遊技店側の操作により確率設定装置16のキー挿入口に設定キーを挿入して所定方向に回転されると、その時点の差枚数を表示するための情報を副制御部20に送信するのである。
そして、詳細は後述するが、副制御部20においては、受信した情報に基づき、表示器8においてその時点の差枚数を表示するための制御が行われるのである。
【0228】
また、図示は省略するが、メダルレス遊技機1の電源投入後に、遊技店側の操作により確率設定装置16のキー挿入口に設定キーを挿入して所定方向に回転されると、その時点の設定値を設定確認表示器に表示するための処理も行われる。
したがって、設定キーによる上記操作が行われると、表示器8における差枚数の表示と、設定確認表示による設定値の表示が同時に行われることとなるのである。
【0229】
なお、本第1実施形態においては、確率設定装置16のキー挿入口に設定キーを挿入に基づく所定操作により、差枚数を表示するようにしているが、遊技店側の操作(遊技者では不可能な操作)により差枚数を表示可能なものであれば、メダルレス遊技機1に設けられているその他の操作手段の操作により差枚数を表示するようにしてもよい。
以上のように、第1実施形態のメダルレス遊技機1におけるリミッタ機能に関わる各処理が行われる。
【0230】
[差枚数の報知]
次に、
図16を参照して、本第1実施形態のメダルレス遊技機1(遊技機)における差枚数の報知について説明する。
【0231】
前述したように、本第1実施形態のメダルレス遊技機1においては、差枚数(差枚数カウンタ)に応じてリミッタ機能が作動することとなるため、遊技店側では、主制御部10をリセットしない状態で営業を開始した場合に、その時点の差枚数が営業内容に影響を与えることとなる。
すなわち、メダルレス遊技機1には、主制御部10の記憶部をバックアップする機能(記憶保持機能)が備えられていることから、遊技店の開店に際して主制御部10をリセットしないと、前回営業日までの差枚数に基づいてリミッタ機能が作動することとなる。
【0232】
また、前述したように、遊技店側では、主制御部10をリセット(あるいは確率設定装置16の設定値を変更)することにより、差枚数カウンタを初期化することが可能となっている。
したがって、例えば、遊技店の開店に際して、その時点の差枚数カウンタの値を報知できる機能が設けられていれば、遊技店に対して差枚数カウンタの値を初期化するか否かを判断するための重要な情報を提供可能となるのである。
本第1実施形態のメダルレス遊技機1においては、以下のように差枚数(差枚数カウンタ)を報知可能な機能を有している。
【0233】
図16は、前述の主制御部10での差枚数表示指示処理(
図15参照)により、主制御部10から差枚数の表示を指示する情報および差枚数カウンタの情報が送信されたことに基づき、副制御部20において差枚数を報知(表示)するための差枚数表示処理が行われた場合の表示器8において表示される差枚数確認画像を示している。
すなわち、メダルレス遊技機1の電源投入後に、遊技店側の操作により確率設定装置16のキー挿入口に設定キーを挿入して所定方向に回転された場合における、その時点の差枚数確認画像を示している。
【0234】
なお、前述したように主制御部10では、差枚数カウンタの情報を記憶保持(バックアップ)する機能を有していることから、電源投入後に差枚数表示処理が行われた場合には、記憶保持されている差枚数カウンタの情報に基づき差枚数確認画像を表示させるようにしている。
したがって、主制御部10がリセットされていない場合には、遊技店の開店時には、前回営業日の閉店時に記憶保持された差枚数カウンタの情報に基づく差枚数確認画像が表示されることとなる。
【0235】
まず、
図16(a)は、差枚数カウンタが-3500枚となっている場合の表示器8における差枚数確認画像を示している。
図16(a)に示すように、表示器8において差枚数確認画像が表示されると、画面の右上にその時点の差枚数カウンタの値を示す差枚数画像30a(「差枚数-3500枚」)と、リミッタ機能が作動するまでに獲得可能な遊技メダル数を示す獲得可能枚数画像30b(「リミッタまで後+5900枚」)とが上下方向に並んで表示される。
【0236】
すなわち、その時点の差枚数カウンタの値が-3500枚であることと、リミッタ機能が作動するまでの差枚数カウンタの増加可能数(その時点の差枚数カウンタの値とリミット値までの差分情報)が5900枚(2400枚+3500枚)であることが表示されるのである。
なお、図示は省略しているが、表示器8においては、その他の画像(例えば、通常遊技状態中であることを報知する画像等)も表示されるが、差枚数確認画像はそれらの画像よりも優先順位が高い状態で表示される。
【0237】
次に、
図16(b)は、差枚数カウンタが+900枚となっている場合の表示器8における差枚数確認画像を示している。
図16(b)に示すように、表示器8において差枚数確認画像が表示されると、画面の右上にその時点の差枚数カウンタの値を示す差枚数画像30a(「差枚数+900枚」)と、リミッタ機能が作動するまでに獲得可能な遊技メダル数を示す特定獲得可能枚数画像30c(「リミッタまで後+1500枚」)とが上下方向に並んで表示される。
【0238】
本第1実施形態においては、リミッタ機能が作動するまでに獲得可能な遊技メダル数が所定数(例えば、2000枚)以下となっている場合に、獲得可能枚数画像30bから特定獲得可能枚数画像30cに切り替える制御が行われる。
したがって、特定獲得可能枚数画像30cは、獲得可能枚数画像30bと異なることを遊技者が認識可能な表示態様で表示され、例えば、当該画像部分の背景色が白色から赤色等に変化して、比較的に目立つ画像処理が行われて表示される。
【0239】
これは、リミッタ機能が作動するまでに獲得可能な遊技メダル数が所定数以下となっている場合には、その後直ぐにAT状態が発生すると、比較的少ない遊技メダルの獲得でリミッタ機能が作動してしまう可能性があることから、その状態であることを強調するためである。
【0240】
そして、確率設定装置16のキー挿入口に挿入されている設定キーを元の位置となる方向に回転されると差枚数表示処理が終了して、表示器8における差枚数確認画像が消去されることとなる。
【0241】
以上のように、副制御部20では、主制御部10から受信した差枚数カウンタを特定可能な情報に基づき、表示器8において、差枚数画像30aを含む差枚数確認画像を表示させるのである。
すなわち、報知制御手段としての副制御部20は、所定条件の成立に基づき、差数情報計数手段(主制御部10)により計数された差数情報(差枚数カウンタ)を報知する制御を実行可能とするのである。
【0242】
したがって、遊技店側では、差枚数カウンタをリセットするか否かを判断する際の重要な情報を得ることが可能となり、遊技店の営業方針に対応した適切な差枚数カウンタの取り扱いを行うことが可能となるのである。
例えば、差枚数カウンタが極めて小さい値であった場合には、そのまま営業を継続してしまうと、リミッタ機能が作動するまでに極めて多数の遊技メダルが付与されてしまい、遊技店側が極めて不利益となる可能性があることから、このような場合は差枚数カウンタをリセットすることが可能となるのである。
【0243】
また、副制御部20は、確率設定装置16のキー挿入口に設定キーを挿入して所定方向に回転されたことに基づき、差枚数確認画像を表示させるのである。
すなわち、報知制御手段としての副制御部20は、遊技者の有利度を設定可能な設定手段(確率設定装置16)に対して、設定キーによる所定操作が行われたことに基づき、差数情報(差枚数カウンタ)を報知する制御を実行可能とするのである。
したがって、差枚数カウンタの値が秘匿されて遊技店側のみが確認可能となり、不正行為等を防止することが可能となるのである。
【0244】
また、副制御部20は、その時点の差枚数カウンタの値とリミット値までの差分情報である獲得可能枚数画像30bを表示させるのである。
すなわち、報知制御手段としての副制御部20は、差数情報計数手段(主制御部10)により計数された差数情報(差枚数カウンタ)と、特定数(リミット値)との差分情報を報知する制御を実行可能とするのである。
したがって、容易にリミッタ機能が作動するまでの獲得可能な遊技メダル数を把握することが可能となり、より遊技店にとって有用な情報を提供することが可能となるのである。
【0245】
さらに、差枚数確認画像には、リミッタ機能が作動するまでに獲得可能な遊技メダル数が所定数(例えば、2000枚)以下となっている場合には、獲得可能枚数画像30bから特定獲得可能枚数画像30cに切り替わるので、獲得可能枚数が少ないことを遊技店側が直ぐに判断することが可能となり、さらに遊技店にとって有用な情報を提供することが可能となるのである。
【0246】
なお、差枚数確認画像を表示器8において表示するようにしているが、その他の表示手段において表示するようにしてもよい。
また、獲得可能枚数画像30bから特定獲得可能枚数画像30cに切り替える際の所定数(閾値)は、上記以外でもよい。
以上のように、第1実施形態のメダルレス遊技機1における差枚数の報知が行われる。
【0247】
[疑似ボーナス状態中の演出]
次に、
図17、
図18を参照して、本第1実施形態のメダルレス遊技機1における疑似ボーナス状態中の演出について説明する。
主制御部10では、所定条件の成立に基づき、遊技状態を疑似ボーナス状態に移行させるようにしているが、副制御部20では、主制御部10からの制御情報の受信に基づき、疑似ボーナス状態中においては、表示器8において疑似ボーナス状態中の演出を実行させるようにしている。
【0248】
疑似ボーナス状態中の演出は、表示器8において所定の演出画像を表示することで実行され、疑似ボーナス状態中であることが報知されたり、疑似ボーナス状態中の興趣性が高められたりすることとなる。
例えば、登場するキャラクタの紹介画像や、各種アクション画像等が表示されて演出効果が高められた演出が実行される。
なお、疑似ボーナス状態中には、スピーカ9から所定の効果音が出力され、ランプ11において所定態様の発光が行われる。
【0249】
図17は、副制御部20の制御により表示器8において表示される疑似ボーナス状態中の演出画像を示している。
まず、
図17(a)は、疑似ボーナス状態中の演出画像(演出情報)における通常画像(差数関連情報)を示している。
図17(a)に示すように、遊技状態が疑似ボーナス状態に移行すると、表示器8の画面の主要部に、疑似ボーナス状態中であることを報知したり、疑似ボーナス状態中の興趣性を高めたりする通常疑似ボーナス状態中画像34aが表示される。
なお、図示では簡略化しているが、通常疑似ボーナス状態中画像34aは、例えば、所定のキャラクタ画像や昼間の草原をイメージした背景画像から成る動画で表示される。
【0250】
また、表示器8の画面左上には、疑似ボーナス状態の残りゲーム数を示す数値情報が含まれる残りゲーム数画像33a(「残り20G」)が表示され、表示器8の画面右上には、当該疑似ボーナス状態中に遊技者が獲得した遊技メダル数(純増枚数)を示す数値情報が含まれる獲得メダル数画像33b(「獲得0枚」)が表示される。
なお、ゲームの実行に基づき、残りゲーム数画像33aの数値情報が減算されるとともに、遊技者による遊技メダルの獲得に基づき、獲得メダル数画像33bの数値情報が加算されて、疑似ボーナス状態中のゲーム結果が報知されることとなる。
【0251】
次に、
図17(b)は、疑似ボーナス状態中の演出画像(演出情報)における第1特別画像(差数関連情報)を示している。
副制御部20では、疑似ボーナス状態移行時の差枚数カウンタの値に基づく第1画像切替条件が成立した場合には、疑似ボーナス状態中の演出画像を第1特別画像に変更するようにしている。
したがって、通常では疑似ボーナス状態中の演出画像は、
図17(a)に示す通常画像が表示されるが、第1画像切替条件が成立した場合には、
図17(b)に示す第1特別画像に変更されることとなるのである。
なお、画像の切替条件についての詳細は後述する。
【0252】
図17(b)に示すように、遊技状態が疑似ボーナス状態に移行して、第1画像切替条件が成立した場合には、表示器8の画面の主要部に、第1特別画像として第1特別疑似ボーナス状態中画像34bが表示される。
第1特別疑似ボーナス状態中画像34bは、例えば、背景画像が昼間の草原から夕方の草原に変更されることで、通常疑似ボーナス状態中画像34aとの違いが出されている。
また、表示器8には、上記通常画像が表示される場合と同様に、残りゲーム数画像33aおよび獲得メダル数画像33bが表示される。
【0253】
次に、
図17(c)は、疑似ボーナス状態中の演出画像(演出情報)における第2特別画像(差数関連情報)を示している。
副制御部20では、疑似ボーナス状態移行時の差枚数カウンタの値に基づく第2画像切替条件が成立した場合には、疑似ボーナス状態中の演出画像を第2特別画像に変更するようにしている。
したがって、通常では疑似ボーナス状態中の演出画像は、
図17(a)に示す通常画像が表示されるが、第2画像切替条件が成立した場合には、
図17(c)に示す第2特別画像に変更されることとなるのである。
【0254】
図17(c)に示すように、遊技状態が疑似ボーナス状態に移行して、第2画像切替条件が成立した場合には、表示器8の画面の主要部に、第2特別画像として第2特別疑似ボーナス状態中画像34cが表示される。
第2特別疑似ボーナス状態中画像34cは、例えば、背景画像が昼間の草原から夜の草原に変更されることで、通常疑似ボーナス状態中画像34aとの違いが出されている。
また、表示器8には、上記基本画像が表示される場合と同様に、残りゲーム数画像33aおよび獲得メダル数画像33bが表示される。
【0255】
次に、
図18を参照して、副制御部20において実行される、疑似ボーナス状態中の演出画像の選択制御について説明する。
副制御部20では、疑似ボーナス状態移行時に、所定の乱数を抽出することで、疑似ボーナス状態中の演出画像を、通常画像、第1特別画像、あるいは第2特別画像にするか否かの選択を行うようにしている。
そして、上記演出画像を選択する際には、疑似ボーナス状態に移行した場合の差枚数を参照して演出画像の選択制御を行うようにしている。
したがって、疑似ボーナス状態に移行した場合の差枚数に応じて、上記第1画像切替条件および第2画像切替条件が成立することとなるのである。
なお、各演出画像の選択制御は、疑似ボーナス状態の権利を獲得した時点で実行される。したがって、天井ゲーム数に到達したときと、所定のレア役に当選して疑似ボーナス状態の移行抽選に当選したときに選択制御が実行される。
また、主制御部10からは、ゲームの実行毎に差枚数カウンタの値を特定可能な情報が送信され、副制御部20では、受信した情報に基づき上記選択制御が行われる。
【0256】
図18は、疑似ボーナス状態中の各演出画像の選択率を示している。
まず、
図18(a)は、当日のゲームにおいて疑似ボーナス状態の発生回数が3回目以内であった場合の各演出画像の選択率を示している。
主制御部10では、遊技店の開店からの疑似ボーナス状態の発生回数をカウントする手段を備えていて、このカウント値が「3」以下であった場合には、
図18(a)に示す各選択率で各演出画像を選択するのである。
【0257】
図18(a)に示すように、疑似ボーナス状態移行(権利獲得時)時の差枚数カウンタの値が、「1」以上であった場合には、80%の確率で通常画像(通常疑似ボーナス状態中画像34a)が選択され、20%の確率で第1特別画像(第1特別疑似ボーナス状態中画像34b)が選択され、0%の確率で第2特別画像(第2特別疑似ボーナス状態中画像34c)が選択されるような選択制御が行われる。
また、疑似ボーナス状態移行時の差枚数カウンタの値が、「0」~「-1999」の範囲内であった場合には、60%の確率で通常画像が選択され、40%の確率で第1特別画像が選択され、0%の確率で第2特別画像が選択されるような選択制御が行われる。
また、疑似ボーナス状態移行時の差枚数カウンタの値が、「-2000」以下であった場合には、50%の確率で通常画像が選択され、45%の確率で第1特別画像が選択され、5%の確率で第2特別画像が選択されるような選択制御が行われる。
【0258】
次に、
図18(b)は、当日のゲームにおいて疑似ボーナス状態の発生回数が4回目以降であった場合の各演出画像の選択率を示している。
図18(b)に示すように、疑似ボーナス状態移行(権利獲得時)時の差枚数カウンタの値が、「1」以上であった場合には、70%の確率で通常画像が選択され、30%の確率で第1特別画像が選択され、0%の確率で第2特別画像が選択されるような選択制御が行われる。
また、疑似ボーナス状態移行時の差枚数カウンタの値が、「0」~「-1999」の範囲内であった場合には、60%の確率で通常画像が選択され、40%の確率で第1特別画像が選択され、0%の確率で第2特別画像が選択されるような選択制御が行われる。
また、疑似ボーナス状態移行時の差枚数カウンタの値が、「-2000」以下であった場合には、50%の確率で通常画像が選択され、45%の確率で第1特別画像が選択され、5%の確率で第2特別画像が選択されるような選択制御が行われる。
【0259】
以上のように、1回の有利区間中の差枚数(差枚数カウンタ)が計数されて、その計数結果に基づき表示器8において疑似ボーナス状態中の演出画像が表示されることから、疑似ボーナス状態の移行時(権利獲得時)の差枚数に応じて、疑似ボーナス状態中の演出画像が種々変化することとなり、第1特別画像あるいは第2特別画像が表示された場合には、その時点の差枚数が示唆されることとなるのである。
すなわち、副制御部20は、差数情報計数手段(主制御部10)により計数された差数情報(差枚数カウンタ)に関連した差数関連情報(通常画像、第1特別画像、第2特別画像)を報知する制御を実行可能な報知制御手段を備え、差数関連情報の報知により、差数情報を示唆可能とするのである。
したがって、差数関連情報(通常画像、第1特別画像、第2特別画像)の報知により、遊技者の期待感を変化させることが可能となるのである。
また、差枚数の示唆により、遊技者が獲得可能な遊技メダル数を予測することが可能となるので、遊技を継続するか否かの判断も行えるのである。
【0260】
また、差数関連情報を、疑似ボーナス状態中の演出画像を利用して報知可能となるのである。
すなわち、報知制御手段としての副制御部20は、遊技者にとって有利な特別遊技状態(疑似ボーナス状態)の発生に関連して、差数関連情報(通常画像、第1特別画像、第2特別画像)を報知する制御を実行可能とするのである。
したがって、疑似ボーナス状態が発生した場合には、当該疑似ボーナス状態の発生に対する期待感の他に、差枚数の示唆によっても遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
また、差枚数の示唆は表示器8において行われることから、差枚数の示唆を確実に実行することが可能となるとともに、疑似ボーナス状態中の表示器8での演出を利用して効率よく上記示唆を実行することが可能となるのである。
【0261】
また、副制御部20は、疑似ボーナス状態中の演出画像として、通常画像、第1特別画像、第2特別画像を選択可能とし、その時点の差枚数カウンタの値が「1」以上の場合、「0」~「-1999」の場合、「-2000」以下の場合に応じて、各演出画像の選択率を変更することで差枚数の示唆を行うのである。
すなわち、報知制御手段としての副制御部20は、複数の演出情報(通常画像、第1特別画像、第2特別画像)からいずれかを選択して差数関連情報を報知するものとし、差数情報に応じて、複数の差数関連情報における選択率を変更可能とするのである。
したがって、差枚数の示唆を確実に実行することが可能となるのである。
【0262】
また、差枚数カウンタが「1」以上の場合よりも、「0」以下の場合の方が、第1特別画像が選択される確率が高くなり、「-2000」以下の場合には、第1特別画像が選択される確率がさらに高くなるとともに、第2特別画像が選択される確率も高くなるのである。
したがって、特別画像が表示された場合には、リミッタ機能が作動するまでに獲得可能な遊技メダル数が多くなっている可能性が生ずることとなり、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。また、通常画像→第1特別画像→第2特別画像の順に、遊技者の期待感を段階的に向上させることが可能となるのである。
また、特別画像が第2特別画像であった場合には、差枚数が「-2000」以下であることが確定することとなるので、遊技者の期待感をさらに向上させることが可能となるのである。
【0263】
また、当日のゲームにおいて疑似ボーナス状態の発生回数が3回目以内であった場合には、4回目以降の場合よりも、差枚数カウンタが「1」以上であるときの特別画像の選択率が低く(30%→20%)なるのである。
すなわち、報知制御手段としての副制御部20は、有利区間中における特別遊技状態(疑似ボーナス状態)の発生回数に応じて、複数の演出情報における選択率を変更可能とするのである。
差枚数カウンタが「1」以上であるときに特別画像が表示された場合には、当該画像の表示は差枚数カウンタの値を報知しないフェイク演出(所謂ガセ演出)となるが、上記のような選択制御が行われることにより、このフェイク演出の実行確率が、1回の有利区間中における疑似ボーナス状態の発生回数が3回目以内であった場合には、4回目以降の場合よりも低くなるのである。
したがって、遊技店の開店直後の所定期間においては、信憑性(信頼度)の高い演出画像が表示されることとなり、開店直後から遊技している遊技者に対して、有用な情報を提供可能となるとともに、開店直後の遊技機の稼働率を向上させることが可能となるのである。
【0264】
また、疑似ボーナス状態中のゲームにおいては、AT状態の移行抽選が通常遊技状態中よりも遊技者にとって有利に実行されることとなり、疑似ボーナス状態(第1特別遊技状態)はAT状態(第2特別遊技状態)の移行契機となっている。
したがって、この疑似ボーナス状態(第1特別遊技状態)中に差枚数の示唆が行われることにより、疑似ボーナス状態中においては、AT状態の移行に対する期待感に加えて、リミッタ機能が作動するまでに獲得可能な遊技メダル数の把握に対する期待感を向上させることが可能となるのである。
さらに、かりに今回の疑似ボーナス状態においてAT状態の移行権利が付与されなかった場合でも、期待度の高い差枚数の示唆が行われた場合には、次回以降の疑似ボーナス状態の発生に対する遊技者の遊技意欲を向上させることが可能となるのである。
また、遊技者の遊技意欲の向上により、遊技者は遊技を継続する可能性が高まり、メダルレス遊技機1の稼働率を向上させることも可能となるのである。
【0265】
なお、第1特別画像および第2特別画像は、通常画像と異なることを遊技者が認識できれば何れでもよく、登場するキャラクタの種類を異ならせたり、ステージを異ならせたりするものでもよい。
また、差枚数の示唆を表示器8で実行するようにしているが、その他の表示手段で示唆を実行するようにしてもよいし、スピーカ9からの音声やランプ11での発光態様により示唆を実行するようにしてもよい。
また、通常画像、第1特別画像および第2特別画像の選択制御は、その時点の差枚数カウンタの値が示唆されることとなれば、上記した以外の選択確率で各画像を選択してもよい。
また、疑似ボーナス状態の開始当初は通常画像を表示し、途中から特別画像(第1特別画像あるいは第2特別画像)に選択的に切り替えるようにしてもよい。
以上のように、疑似ボーナス状態中の演出が実行される。
【0266】
[AT状態中の演出]
次に、
図19~
図21を参照して、本第1実施形態のメダルレス遊技機1におけるAT状態中の演出について説明する。
前述したように、主制御部10および副制御部20では、疑似ボーナス状態中の演出をその時点の差枚数に応じて変化させるようにしているが、遊技状態がAT状態に移行した場合にも、差枚数に応じてAT状態中の種々の演出を変化させるようにしている。
例えば、AT状態の開始時に表示され、AT状態の開始を報知する演出や、AT状態の終了時に表示され、AT状態の終了を報知する演出を、差枚数に応じて変更可能としている。
【0267】
図19を参照して、AT状態の開始時に表示器8において表示される演出画像について説明する。
図19は、AT状態に移行する直前のゲーム終了後に表示器8において表示されるAT状態の開始画像を示している。
【0268】
まず、
図19(a)は、AT状態の開始画像(演出情報)における通常開始画像(差数関連情報)を示している。
図19(a)に示すように、AT状態に移行する直前のゲームの終了後には、表示器8の画面の略中央部に、AT状態に移行することを示す「おめでとうAT状態確定」の文字情報からなるAT状態開始文字画像36が表示される。
また、AT状態の通常開始画像には、AT状態開始文字画像36の背景となる背景画像も含まれる。
背景画像は、例えば、荒野をイメージした背景からなり、通常開始画像においては、図示するような太陽画像35aを含む昼間の画像が表示される。
なお、図示では、背景画像として太陽画像35aのみが表示されてその他の画像は省略されている。
【0269】
次に、
図19(b)は、AT状態の開始画像(演出情報)における特別開始画像(差数関連情報)を示している。
副制御部20では、AT状態移行時の差枚数カウンタの値に基づく開始画像切替条件が成立した場合には、開始画像を特別開始画像に変更するようにしている。
したがって、通常ではAT状態における開始画像は、
図19(a)に示す通常開始画像が表示されるが、開始画像切替条件が成立した場合には、
図19(b)に示す特別開始画像に変更されることとなるのである。
なお、開始画像の切替条件についての詳細は後述する。
【0270】
図19(b)に示すように、開始画像切替条件が成立して特別開始画像が表示された場合には、通常開始画像と同様にAT状態開始文字画像36が表示器8の画面の主要部に表示される。
また、特別開始画像が表示された場合には、AT状態開始文字画像36の背景画像が、図示するような月画像35bを含む夜の画像に変更される。
また、月画像35bには、満月、半月、三日月の3種類の画像が予め設けられていて、AT状態の移行権利が付与された終了時点の差枚数カウンタの値に応じて、何れかの画像を選択的に表示するような制御が副制御部20により行われる。
なお、特別開始画像における月画像35bの選択制御についての詳細は後述する。
【0271】
次に、
図20を参照して、AT状態の終了時に表示器8において表示される演出画像について説明する。
図20は、AT状態が終了することとなる最終ゲームのゲーム終了後に表示器8において表示されるAT状態の終了画像を示している。
【0272】
まず、
図20(a)は、AT状態の終了画像(演出情報)における通常終了画像(差数関連情報)を示している。
図20(a)に示すように、AT状態の最終ゲームのゲーム終了後において、表示器8にAT状態の通常終了画像が表示されると、画面の略中央部に、AT状態が終了したことを示す「AT状態終了」の文字情報からなるAT状態終了文字画像37aが表示される。
また、AT状態終了文字画像37aの下方部には、当該AT状態中に実行されたゲーム数を示す実行ゲーム数結果画像37b(「ゲーム数50G」)と、当該AT状態中に遊技者が獲得した遊技メダル数(純増枚数)を示す獲得メダル数結果画像37c(「獲得枚数150枚」)とが上下に並んだ状態で表示される。
また、AT状態の通常終了画像には、AT状態終了文字画像37a、実行ゲーム数結果画像37b、および獲得メダル数結果画像37cの背景となる背景画像も含まれる。
終了画像における背景画像は、開始画像の背景画像と同様に、例えば、荒野をイメージした背景からなり、通常終了画像においては、図示するような太陽画像35aを含む昼間の画像が表示される。
【0273】
次に、
図20(b)は、AT状態の終了画像(演出情報)における特別終了画像(差数関連情報)を示している。
副制御部20では、AT状態終了時の差枚数カウンタの値に基づく終了画像切替条件が成立した場合には、終了画像を特別終了画像に変更するようにしている。
したがって、通常ではAT状態における終了画像は、
図20(a)に示す通常終了画像が表示されるが、終了画像切替条件が成立した場合には、
図20(b)に示す特別終了画像に変更されることとなるのである。
なお、終了画像の切替条件についての詳細は後述する。
【0274】
図20(b)に示すように、終了画像切替条件が成立して特別終了画像が表示された場合には、通常終了画像と同様にAT状態終了文字画像37a、実行ゲーム数結果画像37b、および獲得メダル数結果画像37cが表示器8の画面の主要部に表示される。
また、特別終了画像が表示された場合には、AT状態終了文字画像37a等の背景画像が、図示するような月画像35bを含む夜の画像に変更される。
また、月画像35bには、満月、半月、三日月の3種類の画像が予め設けられていて、AT状態の終了時点の差枚数カウンタの値に応じて、何れかの画像を選択的に表示するような制御が副制御部20により行われる。
なお、特別終了画像における月画像35bの選択制御についての詳細は後述する。
【0275】
次に、
図21を参照して、副制御部20において実行される、AT状態中の演出画像の選択制御について説明する。
副制御部20では、AT状態の移行権利獲得時に、所定の乱数を抽出することで、上記した開始画像切替条件や終了画像切替条件を成立させるか否かの抽選や、特別開始画像や特別終了画像の背景を三日月、半月、満月の何れかにするかの抽選を行うようにしている。
そして、AT状態の開始画像を選択する際には、AT状態の移行権利を獲得した時点の差枚数を参照し、AT状態の終了画像を選択する際には、AT状態の終了時点の差枚数を参照して、上記各演出画像の選択制御を行うようにしている。
したがって、AT状態の開始画像を選択する際には、AT状態の移行権利を獲得した時点の差枚数に応じて、演出情報として通常開始画像、特別開始画像(三日月)、特別開始画像(半月)、特別開始画像(満月)の何れかが選択され、AT状態の終了画像を選択する際には、AT状態が終了した時点(最終ゲーム終了時)の差枚数に応じて、演出情報として通常終了画像、特別終了画像(三日月)、特別終了画像(半月)、特別終了画像(満月)の何れかが選択されるのである。
なお、主制御部10からは、ゲームの実行毎に差枚数カウンタの値を特定可能な情報が送信され、副制御部20では、受信した情報に基づき上記選択制御が行われる。
【0276】
図21は、AT状態の各演出画像の選択率を示している。
まず、
図21(a)は、AT状態の開始画像の選択率を示している。
図21(a)に示すように、AT状態の移行権利獲得時の差枚数カウンタの値が、「1」以上であった場合には、90%の確率で通常開始画像(背景に太陽)が選択され、10%の確率で特別開始画像(背景に三日月)が選択され、0%の確率で特別開始画像(背景に半月)が選択され、0%の確率で特別開始画像(背景に満月)が選択されるような選択制御が行われる。
また、AT状態の移行権利獲得時の差枚数カウンタの値が、「0」~「-1999」の範囲内であった場合には、70%の確率で通常開始画像(背景に太陽)が選択され、20%の確率で特別開始画像(背景に三日月)が選択され、10%の確率で特別開始画像(背景に半月)が選択され、0%の確率で特別開始画像(背景に満月)が選択されるような選択制御が行われる。
また、AT状態の移行権利獲得時の差枚数カウンタの値が、「-2000」以下であった場合には、60%の確率で通常開始画像(背景に太陽)が選択され、20%の確率で特別開始画像(背景に三日月)が選択され、15%の確率で特別開始画像(背景に半月)が選択され、5%の確率で特別開始画像(背景に満月)が選択されるような選択制御が行われる。
【0277】
次に、
図21(b)は、AT状態の終了画像の選択率を示している。
図21(b)に示すように、AT状態の終了時(最終ゲーム終了時)の差枚数カウンタの値が、「1」以上であった場合には、80%の確率で通常終了画像(背景に太陽)が選択され、15%の確率で特別終了画像(背景に三日月)が選択され、5%の確率で特別終了画像(背景に半月)が選択され、0%の確率で特別終了画像(背景に満月)が選択されるような選択制御が行われる。
【0278】
また、AT状態の終了時の差枚数カウンタの値が、「0」~「-1999」の範囲内であった場合には、70%の確率で通常終了画像(背景に太陽)が選択され、20%の確率で特別終了画像(背景に三日月)が選択され、10%の確率で特別終了画像(背景に半月)が選択され、0%の確率で特別終了画像(背景に満月)が選択されるような選択制御が行われる。
また、AT状態の終了時の差枚数カウンタの値が、「-2000」以下であった場合には、60%の確率で通常終了画像(背景に太陽)が選択され、20%の確率で特別終了画像(背景に三日月)が選択され、15%の確率で特別終了画像(背景に半月)が選択され、5%の確率で特別終了画像(背景に満月)が選択されるような選択制御が行われる。
【0279】
以上のように演出画像の選択制御が行われて、その選択結果に基づき表示器8においてAT状態の開始時および終了時の演出画像が表示されることから、AT状態の開始時(移行権利獲得時)および終了時の差枚数に応じて、AT状態の開始時および終了時の演出画像が種々変化することとなる。
すなわち、報知制御手段としての副制御部20は、遊技者にとって有利な特別遊技状態(AT状態)の開始時および終了時において、差数関連情報を報知する制御を実行可能とし、差数情報(差枚数カウンタ)に基づき複数の演出情報(通常開始画像、特別開始画像、通常終了画像、特別終了画像)からいずれかを選択して差数関連情報を報知するものとし、特別遊技状態の開始時および終了時において、個別に差数関連情報の選択制御を実行可能とするのである。
したがって、AT状態の開始時および終了時の演出画像に応じて、その時点の差枚数カウンタの値が示唆されることとなるので、遊技者の期待感を複数の時期において変化させることが可能となるのである。
また、差枚数カウンタの示唆は表示器8において行われることから、差枚数カウンタの示唆を確実に実行することが可能となるとともに、AT状態中の各種演出を利用して効率よく上記示唆を実行することが可能となるのである。
【0280】
また、差枚数カウンタが「1」以上の場合よりも、「0」以下の場合の方が、特別開始画像および特別終了画像が選択される確率が高くなり、「-2000」以下の場合には、特別開始画像および特別終了画像が選択される確率がさらに高くなることとなる。
したがって、特別開始画像および特別終了画像が表示された場合には、リミッタ機能が作動するまでに獲得可能な遊技メダル数が多くなっている可能性が生ずることとなり、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。また、特別開始画像および特別終了画像における背景上の月の形状に応じて、遊技者の期待感を段階的に向上させることが可能となるのである。
また、特別開始画像(半月)および特別終了画像(半月)が表示された場合には、差枚数が「0」以下であることが確定することとなるので、遊技者の期待感をさらに向上させることが可能となるのである。
また、特別開始画像(満月)および特別終了画像(満月)が表示された場合には、差枚数が「-2000」以下であることが確定することとなるので、遊技者の期待感を極めて向上させることが可能となるのである。
【0281】
また、AT状態の開始時の演出画像(開始画像)を選択する場合には、AT状態の開始時(移行権利獲得時)の差枚数を参照するのに対して、AT状態の終了時の演出画像(終了画像)を選択する場合には、AT状態の終了時の差枚数を参照するので、AT状態終了時には、当該AT状態中に付与された遊技メダル数分を加味して差枚数の示唆を実行することが可能となるのである。
また、AT状態の開始時よりも終了時の方が、差枚数が「1」以上の場合における通常終了画像の選択率が低くなる(90%→80%)とともに特別終了画像の選択率が高くなる(例えば、三日月の選択率が10%→15%)ので、差枚数が「1」以上の場合にフェイク演出としての特別終了画像が表示される確率が高くなるのである。
すなわち、報知制御手段としての副制御部20は、特別遊技状態の開始時および終了時において、複数の演出情報における選択率を変更可能とするのである。
したがって、AT状態終了時に期待度の低い終了画像が表示されてしまうことで、その時点で遊技者が遊技を終了してしまうことを極力防止することが可能となるのである。
【0282】
なお、特別開始画像および特別終了画像は、通常開始画像および通常終了画像と異なることを遊技者が認識できれば何れでもよく、登場するキャラクタの種類を異ならせたり、ステージを異ならせたりするものでもよい。
また、差枚数の示唆を表示器8で実行するようにしているが、その他の表示手段で示唆を実行するようにしてもよいし、スピーカ9からの音声やランプ11での発光態様により示唆を実行するようにしてもよい。
【0283】
また、各特別開始画像および各特別終了画像の選択制御は、その時点の差枚数カウンタの値が示唆されることとなれば、上記した以外の選択確率で各画像を選択してもよい。
また、AT状態の開始画像は、AT状態に移行する直前のゲームにおけるゲーム終了後に表示するようにしているが、AT状態の最初のゲームにおけるゲーム実行中に表示するようにしてもよい。
また、AT状態の開始時に表示される演出画像と、終了時に表示される演出画像を変更することで、差枚数の示唆を行うようにしているが、疑似ボーナス状態中と同様にAT状態中に表示される演出画像を変更することで差枚数の示唆を行うようにしてもよい。
以上のように、AT状態中の演出が実行される。
【0284】
[AT状態終了後の遊技区間の移行制御]
次に、
図22の図表を参照して、AT状態終了後の遊技区間の移行制御について説明する。
図22は、主制御部10の制御により実現する、AT状態終了後における遊技区間の移行先を示している。
【0285】
前述したように、有利区間中においてAT状態に移行すると、AT状態中の遊技メダルの付与により、差枚数カウンタが加算されることとなるが、本第1実施形態においては、AT状態の終了時の差枚数カウンタの値に応じて、遊技区間を有利区間のまま継続させるか、有利区間を終了して通常区間に移行させるかを決定するようにしている。
【0286】
図22に示すように、主制御部10では、AT状態の終了時点の差枚数カウンタの値が+999未満であった場合には、有利区間をそのまま継続させ、AT状態の終了時点の差枚数カウンタの値が+1000以上であった場合には、有利区間を終了して通常区間に移行させるようにしている。
なお、主制御部10においては、遊技区間が通常区間へ移行した場合に、差枚数カウンタを初期化する処理を行うようにしている。
すなわち、主制御部10は、特別遊技状態(AT状態)の終了時に、差数情報(差枚数カウンタ)が所定数を超えていたことに基づき、差数情報(差枚数カウンタ)を初期化可能な差数情報初期化手段を備えるのである。
【0287】
したがって、AT状態の終了時点の差枚数カウンタの値に応じて、遊技区間が変化することとなり、差枚数カウンタが比較的に小さい値であった場合には、有利区間がそのまま継続して差枚数カウンタの値が保持されることとなるが、差枚数カウンタが比較的に大きい値であった場合には、有利区間が終了して通常区間に移行されることにより、差枚数カウンタの値が初期化されることとなるのである。
【0288】
これは、AT状態の移行時に、遊技者が実際に獲得可能な遊技メダル数を所定数(1400枚)以上とするための制御であり、AT状態の移行時に差枚数カウンタの値が何れであっても、そのAT状態中にリミッタ機能が作動するまでに獲得可能な遊技メダル数を少なくとも所定数(1400枚)とすることが可能となるのである。
【0289】
すなわち、AT状態中に遊技者が多数の遊技メダルを獲得したことにより、AT状態の終了時点の差枚数カウンタの値が+1000以上となっていた場合には、その後、直ぐに次のAT状態が発生すると、次の遊技者があまり遊技メダルを獲得しない状態で差枚数カウンタの値がリミット値(+2400枚)に達してしまう可能性が生じてしまうこととなり、このような事態を防止することが可能となるのである。
【0290】
なお、AT状態中にリミッタ機能が作動するまでに、遊技者に一定の遊技メダル数の獲得を確保できるものであれば、上記遊技区間を変更することとなる閾値は上記以外の何れでもよい。
以上のように、AT状態終了後の遊技区間の移行制御が行われる。
【0291】
〔第1実施形態の変形例1〕
次に、
図23を参照して、本第1実施形態の変形例1における差枚数の報知ついて説明する。
本第1実施形態の変形例1においては、差枚数の報知のみが、前述した第1実施形態のメダルレス遊技機1と異なっていて、その他については前述のメダルレス遊技機1と同様であるので、異なる点のみ説明する。
【0292】
図23は、前述の主制御部10での差枚数表示処理(
図15参照)により、主制御部10から差枚数の表示を指示する情報および差枚数カウンタの情報が送信されたことに基づき、副制御部20において差枚数表示処理が行われた場合の表示器8において表示される差枚数確認画像を示している。
すなわち、メダルレス遊技機1の電源投入後に、遊技店側の操作により確率設定装置16のキー挿入口に設定キーを挿入して所定方向に回転された場合における差枚数確認画像を示している。
【0293】
なお、本第1実施形態の変形例1においては、副制御部20では、現在の差枚数カウンタの情報の他に、メダルレス遊技機1の電源投入時の差枚数カウンタの情報を個別に記憶保持しておき、差枚数表示処理が行われる毎に、現在の差枚数カウンタの情報の他に各記憶保持されている過去の差枚数カウンタの情報に基づき差枚数確認画像を表示するようにしている。
【0294】
まず、
図23(a)は、現在の差枚数カウンタが-3500枚となっている場合の表示器8における差枚数確認画像を示している。
【0295】
図23(a)に示すように、表示器8において差枚数確認画像が表示されると、画面の右上に、前々回の電源投入時に記憶保持された差枚数カウンタの値を示す第1差枚数画像30d(「前々回差枚数-1200枚」)と、前回の電源投入時に記憶保持された差枚数カウンタの値を示す第2差枚数画像30e(「前回差枚数-2000枚」)と、現在の差枚数カウンタの値を示す第3差枚数画像30f(「今回差枚数-3500枚」)とが上下方向に並んで表示される。
また、第3差枚数画像30fの下方部に、リミッタ機能が作動するまでに獲得可能な遊技メダル数を示す獲得可能枚数画像30b(「リミッタまで後+5900枚」)が表示される。
【0296】
メダルレス遊技機1の電源投入は、通常では遊技店の開店に際して実行されることから、通常では、第1差枚数画像30dは前々日の開店時の差枚数カウンタの値となり、第2差枚数画像30eは前日の開店時の差枚数カウンタの値となるのである。
すなわち、遊技店の営業日における開店時毎の差枚数カウンタの値が履歴情報として報知されることとなるのである。
【0297】
なお、副制御部20では、当日の電源投入時の差枚数カウンタの値も、その時点の差枚数カウンタの値と別個に記憶保持しているが、この情報は次回の電源投入時のための記憶情報となる。すなわち、当日の電源投入時の差枚数カウンタの値は、次回の電源投入時に第2差枚数画像30eにおいて表示されることとなるのである。
【0298】
次に、
図23(b)は、前回の電源投入時に主制御部10がリセットされた場合であって、現在の差枚数カウンタが-1500枚となっている場合の表示器8における差枚数確認画像を示している。
【0299】
図23(b)に示すように、表示器8において差枚数確認画像が表示されると、画面の右上に、前々回の電源投入時に記憶保持された差枚数カウンタの値を示す第1差枚数画像30d(「前々回差枚数-1200枚」)と、前回の電源投入時に記憶保持された差枚数カウンタの値を示す第2差枚数画像30e(「前回差枚数0枚」)と、現在の差枚数カウンタの値を示す第3差枚数画像30f(「今回差枚数-1500枚」)とが上下方向に並んで表示される。
また、第3差枚数画像30fの下方部に、リミッタ機能が作動するまでに獲得可能な遊技メダル数を示す獲得可能枚数画像30b(「リミッタまで後+3900枚」)が表示される。
【0300】
前述したように、電源投入時に差枚数カウンタの値がリセットされた場合には、そのリセットされた値が記憶保持されることから、次回以降の電源投入時にリセットされた情報を含む履歴情報が表示されるのである。
したがって、
図23(b)においては、前日の開店時に差枚数カウンタの値がリセットされたことが報知されることとなる。
【0301】
なお、
図23(c)に示すように、差枚数確認画像に現在の確率設定装置16における設定値を示す情報を含ませてもよい。
すなわち、図示するように、獲得可能枚数画像30bの下方に、現在の確率設定装置16における設定値を示す設定値画像30g(「設定値3」)を表示するようにしてもよいのである。
【0302】
以上のように、第1実施形態の変形例1においては、差枚数確認画像が表示されると、副制御部20の制御により、その時点の差枚数カウンタの値の他、過去の電源投入時毎(営業日毎)の差枚数カウンタにおける履歴情報が表示されることとなるのである。
すなわち、報知制御手段としての副制御部20は、差数情報計数手段(主制御部10)により計数された差数情報(差枚数カウンタ)に対して、所定期間毎(営業日毎)の履歴情報を報知する制御を実行可能とするのである。
【0303】
したがって、遊技店においては、現在の差枚数カウンタの値の他、過去の差枚数カウンタの推移も確認することが可能となり、差枚数カウンタをリセットするか否かを判断する際のより重要な参考情報を得ることが可能となり、過去の経緯を踏まえて当日の営業戦略を立てた上で差枚数カウンタの取り扱いを行うことが可能となるのである。
【0304】
また、電源投入時に差枚数カウンタの値がリセットされた場合には、リセットされた情報を含む履歴情報が表示されるのである。
すなわち、報知制御手段としての副制御部20は、履歴情報として、初期化手段(主制御部10)により差数情報が初期化されたことを特定可能な情報を報知する制御を実行可能とするのである。
したがって、遊技店においては、数日前等において差枚数カウンタの値がリセットされたことを確認した上で、差枚数カウンタをリセットするか否かを判断することが可能となるのである。
【0305】
また、差枚数確認画像として、現在の確率設定装置16における設定値を示す情報が表示されるのである。
したがって、確率設定装置16における設定値を確認した上で、差枚数カウンタをリセットするか否かを判断することが可能となるのである。
なお、履歴情報として、3日以上前の差枚数カウンタの値を含んで表示するようにしてもよい。
以上のように、第1実施形態の変形例1におけるメダルレス遊技機1が構成される。
【0306】
〔第1実施形態の変形例2〕
次に、
図24、
図25を参照して、本第1実施形態の変形例2について説明する。
本第1実施形態の変形例2においては、差枚数カウンタに関わる処理と、リミッタ機能に関わる処理が前述の第1実施形態と異なるのみであり、その他については前述のメダルレス遊技機1と同様であるので、異なる点のみ説明する。
【0307】
まず、本第1実施形態の変形例2のメダルレス遊技機1においては、主制御部10は、リミッタ機能を、1回の有利区間中における差枚数カウンタの値が特定数(例えば、リミット値である+2400枚)を超えた場合の他に、1回の有利区間中におけるゲームの実行回数が所定数(例えば、リミット値である3000回)を超えた場合に作動させるようにしている。
したがって、1回の有利区間中における差枚数カウンタの値が特定数を超えていない場合でも、1回の有利区間中におけるゲームの実行回数が所定数を超えた場合には、リミッタ機能が作動して有利区間が終了することとなる。
また、本第1実施形態の変形例2のメダルレス遊技機1においては、以下のように差枚数カウンタに関わる処理と、リミッタ機能に関わる処理を行うようにしている。
【0308】
まず、
図24のフローチャートを参照して、本第1実施形態の変形例2の主制御部10において実行される差枚数カウンタ初期値設定処理について説明する。
図24に示すように、差枚数カウンタ初期値設定処理が行われると、ステップS37で、有利区間に移行したか否かの判定が行われる。
通常区間のゲームにおいて有利区間移行条件が成立して、遊技区間が通常区間から有利区間に移行した場合は、ステップS38に移行して、遊技区間が通常区間から有利区間に移行していない場合(遊技区間の移行がない場合)は、本差枚数カウンタ初期値設定処理を終了する。
【0309】
次に、ステップS48で、差枚数カウンタに「+9000」をセットする処理が行われる。
したがって、前述の第1実施形態においては、1回の有利区間において参照される差枚数カウンタの初期値として、「0」が設定されるが、本変形例2においては、差枚数カウンタの初期値として「+9000」が設定されるのである。
これは、リミッタ機能がゲーム数の実行により作動した場合でも、差枚数カウンタの値がマイナス値となることを避けるための処理であり、例えば、1回の有利区間中におけるゲームの実行回数が、リミット値である3000回に達した場合に、その全てのゲームで遊技メダルの付与が行われなかった場合(3000回×(-3枚))でも差枚数カウンタの値が「0」未満となってしまうことを防止することが可能となるのである。
その後、本差枚数カウンタ初期値設定処理を終了する。
【0310】
次に、
図25のフローチャートを参照して、本第1実施形態の変形例2の主制御部10において実行されるリミッタ監視処理について説明する。
図25に示すように、リミッタ監視処理が実行されると、ステップS39で、有利区間中か否かの判定が行われる。
有利区間中の場合は、ステップS40に移行し、有利区間中でない場合(通常区間中の場合)は、本リミッタ監視処理を終了する。
【0311】
次に、ステップS40で、ゲームが終了したか否かの判定が行われる。
有利区間中のゲームが終了した場合は、ステップS41に移行し、ゲームが終了していない場合(ゲームが実行されていない場合も含む)は、本リミッタ監視処理を終了する。
【0312】
次に、ステップS41で、差枚数カウンタの値が「+11400」を超えたか否かの判定が行われる。
差枚数カウンタの値が「+11400」を超えた場合は、ステップS42に移行し、「+11400」を超えていない場合は、ステップS44に移行する。
本変形例2においては、差枚数カウンタの初期値を「+9000」にしたことに伴い、リミット値も「+11400」としている。
したがって、1回の有利区間中においてリミッタ機能が作動するまでの差枚数カウンタの差数は、前述の第1実施形態と同様に、「+2400」(11400-9000)となるのである。
【0313】
次に、ステップS42で、特別遊技状態終了処理が行われる。
特別遊技状態終了処理は、AT状態あるいは疑似ボーナス状態等の特別遊技状態を終了させる処理であり、本処理により1回の有利区間中における遊技メダルの獲得が制限されることとなる。
その後、ステップS43に移行する。
【0314】
次に、ステップS43で、通常区間への移行処理が行われる。
これは、遊技区間を通常区間へ移行させる処理であり、本処理により1回の有利区間が終了することとなる。
したがって、上記特別遊技状態終了処理および通常区間への移行処理の実行によりリミッタ機能が作動することとなる。
その後、本リミッタ監視処理を終了する。
【0315】
一方、ステップS44に移行した場合には、ゲーム数カウンタが「3000」を超えたか否かの判定が行われる。
ゲーム数カウンタは、1回の有利区間中におけるゲーム数を計数するためのカウンタであり、ゲーム数カウンタの値が「3000」を超えた場合は、ステップS42に移行し、「3000」を超えていない場合は、本リミッタ監視処理を終了する。
そして、ゲーム数カウンタの値が「3000」を超えた場合は、ステップS42およびステップS43で、特別遊技状態終了処理および通常区間への移行処理が実行されてリミッタ機能が作動することとなる。
したがって、変形例2においては、1回の有利区間中におけるゲーム数が3000回を超えた場合にもリミッタ機能が作動することとなるのである。
【0316】
以上のように、第1実施形態の変形例2においては、主制御部10は、1回の有利区間中における差枚数カウンタの値がリミット値を超えた場合の他に、1回の有利区間中におけるゲームの実行回数がリミット値(3000回)を超えた場合にも作動するのである。
すなわち、有利区間終了制御手段としての主制御部10は、有利区間中に実行されたゲーム数が所定数(3000回)に達した場合に、有利区間を終了させる制御を実行可能とするのである。
そして、差枚数カウンタの初期値として、3000回のゲームの全てにおいて遊技メダルの付与が行われなかった場合でも、差枚数カウンタの値が「0」未満とならない値を設定するのである。
すなわち、上記差数情報(差枚数カウンタ)の初期値として、上記所定数のゲームの全てにおいて遊技価値(遊技メダル)が付与されなかった場合でも、差数情報が0以上となる値を設定するのである。
【0317】
したがって、リミッタ機能の作動の監視に際して、差枚数カウンタの値がマイナス値となることを防止可能となり、効率よくリミッタ機能の作動に関わる各処理を実行することが可能となるのである。
なお、差枚数カウンタの初期値を「9000」に設定しているが、「9000」以上の値を設定するようにしてもよい。ただし、この場合には差枚数カウンタのリミット値も変更する必要がある。
【0318】
以上、第1実施形態のメダルレス遊技機1においては、差枚数カウンタの値がリミット値を超えた場合に、リミッタ機能を作動させるようにしているが、当日の差枚数(当日差枚数カウンタ)を管理し、当日の差枚数が所定数(例えば、+19000枚)を超えた場合に、遊技停止状態に制御するようにしてもよい。なお、遊技停止状態はリセットのみで解除されるようにすることが好ましい。
【0319】
また、疑似ボーナス状態やAT状態においては、所定確率で差枚数を示唆可能な演出画像(特別画像、特別開始画像、特別終了画像)を表示するようにしているが、差枚数を示唆可能な演出画像の選択制御は上記した以外でもよい。
例えば、リセットや前回の疑似ボーナス状態(あるいはAT状態)からのゲーム数に応じて差枚数を示唆可能な演出画像を選択するようにしてもよい。
また、確率設定値に応じて差枚数を示唆可能な演出画像を選択するようにしてもよい。
また、役の抽選結果に応じて所定のポイントを付与し、そのポイントに応じて差枚数を示唆可能な演出画像を選択するようにしてもよい。
また、疑似ボーナス状態終了時に確率設定値を示唆する画像を表示可能とし、この設定示唆画像に差枚数を示唆可能な演出画像を併せて表示するようにしてもよい。
【0320】
また、差枚数を示唆可能な演出画像を表示する以外に、演出画像に差枚数カウンタの値を含ませて差枚数カウンタ自体を報知するようにしてもよい。
また、差枚数カウンタ自体を報知する場合に、差枚数を示唆可能な演出画像を表示する場合の所定確率や、所定条件の成立に基づき、差枚数カウンタの値を含ませるようにしてもよい。
以上のように、第1実施形態のメダルレス遊技機1が構成される。
【0321】
<第2実施形態>
次に、本発明に係る遊技機の第2実施形態について、
図26~
図37を参照して説明する。
【0322】
第2実施形態のメダルレス遊技機1においては、リミッタ機能の作動に関わる制御が第1実施形態のメダルレス遊技機1と異なっている。
前述した第1実施形態のメダルレス遊技機1においては、1回の有利区間中の差枚数がリミット値を超えた場合にリミッタ機能を作動させるようにしているが、本第2実施形態のメダルレス遊技機1においても、第1実施形態と同様のリミッタ機能を備えていて、さらに、上記リミッタ機能に加えて、リミッタ機能が作動するまでに、補助的なリミッタ機能を作動可能としていて、有利区間中の差枚数に応じてこの補助的なリミッタ機能が作動した場合にも特別遊技状態(AT状態等)を終了させるようにしている。
本第2実施形態のメダルレス遊技機1においては、上記補助的なリミッタ機能を第1のリミッタ機能としていて、第1実施形態におけるリミッタ機能を第2のリミッタ機能としている。
【0323】
ただし、第2実施形態のメダルレス遊技機1においては、第1のリミッタ機能が作動した場合でも、特別遊技状態は終了させるが有利区間は終了させないようにしている。
したがって、1回の有利区間中において第2のリミッタ機能が作動するまでに、第1のリミッタ機能が作動する可能性を持たせていて、第1のリミッタ機能が作動した場合には、特別遊技状態が一旦終了する場合が生ずることとなるのである。
つまり、最終的に第2のリミッタ機能が作動するまでの有利区間中において、第1のリミッタ機能を作動可能としていて、第1のリミッタ機能が作動した場合でも、有利区間は継続することとなり、引き続いて第2のリミッタ機能の作動が監視されるのである。
【0324】
本第2実施形態のメダルレス遊技機1においては、第1のリミッタ機能が加わった点、および第1のリミッタ機能に関連した各種制御(処理)が行われる点のみが、前述した第1実施形態のメダルレス遊技機1と異なっていて、その他については前述のメダルレス遊技機1と同様であるので、異なる点のみ説明する。
【0325】
〔第2実施形態のリミッタ機能〕
まず、
図26~
図32を参照して、本第2実施形態のメダルレス遊技機1(遊技機)における、第1のリミッタ機能、第2のリミッタ機能、およびそれに付随する機能について説明する。
【0326】
まず、
図26のフローチャートを参照して、本第2実施形態の主制御部10において実行される第1差枚数計数処理について説明する。
図26は、有利区間中における遊技メダルの投入数と遊技メダルの付与数(払出数)に基づいて、差枚数を計数するための第1差枚数計数処理を示していて、この第1差枚数計数処理により、上記第1のリミッタ機能を作動させるための差枚数を計数するようにしている。
【0327】
まず、第1差枚数計数処理が開始されると、ステップS44で、有利区間中か否かの判定が行われる。
これは、遊技区間が有利区間中であるか否かを判定する処理であり、有利区間中の場合は、ステップS45に移行し、有利区間中でない場合(通常区間中の場合)は、本第1差枚数計数処理を終了する。
【0328】
次に、ステップS45で、ゲームが実行されたか否かの判定が行われる。
これは、有利区間中においてゲームが実行されたか否かを判定する処理であり、有利区間中においてゲームが実行された場合には、ステップS46に移行し、ゲームが実行されてない場合は、本第1差枚数計数処理を終了する。
【0329】
次に、ステップS46で、第1差枚数カウンタからベット数を減算する処理が行われる。
第1差枚数カウンタは、第1のリミッタ機能を作動させるために有利区間中における差枚数の増減を監視するためのカウンタであり、ゲームの実行により当該ゲームに投入(賭け設定)された遊技メダル数(ベット数)が第1差枚数カウンタから減算されることとなる。
【0330】
次に、ステップS47で、第1差枚数カウンタは「0」未満か否かの判定が行われる。
第1差枚数カウンタが「0」未満の場合には、ステップS48に移行し、「0」未満でない場合(「0」以上の場合)には、ステップS49に移行する。
【0331】
次に、ステップS48で、第1差枚数カウンタを「0」にする処理を行う。
したがって、第1差枚数カウンタは、「0」未満となることがなく、「0」以上の範囲で差枚数を計数することとなり、有利区間中における遊技メダルの純増枚数(増加数)を計数することとなる。
【0332】
次に、ステップS49で、遊技メダルが付与されたか否かの判定が行われる。
これは、有利区間中におけるゲームの結果により遊技メダルが付与されたか否かを判定する処理であり、所定の役に入賞して所定数の遊技メダルが付与(遊技メダル数が増加)された場合には、ステップS50に移行し、遊技メダルの付与が行われていない場合(ハズレの場合)は、ステップS51に移行する。
なお、遊技メダルの付与には、リプレイ役入賞時のベット数の自動設定も含まれる。
【0333】
次に、ステップS50で、第1差枚数カウンタに付与された遊技メダル数を加算する処理が行われる。
したがって、有利区間中に実行されたゲームの結果、所定数の遊技メダルが付与された場合には、付与された遊技メダル数が第1差枚数カウンタに加算されることとなる。
【0334】
次に、ステップS51で、有利区間が終了したか否かの判定が行われる。
これは、有利区間中における有利区間終了条件が成立して有利区間が終了したか否かを判定する処理であり、第2のリミッタ機能が作動した場合や主制御部10がリセットされた場合等により、有利区間が終了した場合は、ステップS52に移行し、有利区間が終了していない場合は、ステップS53に移行する。
【0335】
次に、ステップS52で、第1差枚数カウンタを初期化する処理が行われる。
したがって、1回の有利区間が終了した場合には、第1差枚数カウンタが初期化(ゼロクリア)されることとなる。
なお、主制御部10がリセットされた場合も第1差枚数カウンタは初期化される。
その後、本第1差枚数計数処理を終了する。
【0336】
一方、有利区間が終了していない場合は、ステップS53で、AT状態が終了したか否かの判定が行われる。
AT状態が終了した場合は、ステップS52に移行して、その後ステップS52で第1差枚数カウンタが初期化(ゼロクリア)され、AT状態が終了していない場合は、本第1差枚数計数処理を終了する。
【0337】
以上のように、第2実施形態のメダルレス遊技機1においては、主制御部10は、有利区間中においてゲームが実行された場合に、投入(賭け設定)された遊技メダル数(ベット数)および付与(払出)された遊技メダル数に応じて第1差枚数カウンタを計数するのである。
【0338】
また、第1差枚数カウンタは、「0」以上の範囲で差枚数の計数を実行することとなるので、有利区間中における遊技メダルの純増枚数(増加数)を計数することとなるのである。
また、第1差枚数カウンタは、有利区間終了時(リセット時も含む)と、AT状態の終了時に初期化されることとなる。したがって、有利区間終了(あるいはリセット)毎、およびAT状態の終了毎に、新たな第1差枚数カウンタの計数が開始されることとなる。
すなわち、主制御部10は、有利区間終了(あるいはリセット)後、およびAT状態の終了後における差枚数の増加数を第1差枚数カウンタにより計数するのである。
【0339】
次に、
図27のフローチャートを参照して、本第2実施形態の主制御部10において実行される第1リミッタ監視処理について説明する。
図27は、前述した第1差枚数カウンタを参照して、有利区間中における第1差枚数カウンタが所定数に達した場合に第1のリミッタ機能を作動させるための第1リミッタ監視処理を示している。
すなわち、第1差枚数カウンタの値は、前述したように有利区間終了時とAT状態終了時に初期化されて、その後の有利区間中における遊技メダルの純増枚数(増加数)を示すので、この計数結果が特定増加数に達した場合に、第1のリミッタ機能を作動させて特別遊技状態(AT状態等)を終了させることとなるが、この際の第1リミッタ監視処理を示している。
【0340】
まず、第1リミッタ監視処理が開始されると、ステップS54で、有利区間中か否かの判定が行われる。
有利区間中の場合は、ステップS55に移行し、有利区間中でない場合(通常区間中の場合)は、本第1リミッタ監視処理を終了する。
【0341】
次に、ステップS55で、ゲームが終了したか否かの判定が行われる。
有利区間中において1回のゲームが終了した場合は、ステップS56に移行し、ゲームが終了していない場合(ゲームが実行されていない場合も含む)は、本第1リミッタ監視処理を終了する。
【0342】
次に、ステップS56で、第1差枚数カウンタの値が第1リミット値を超えたか否かの判定が行われる。
これは、前述の第1差枚数計数処理において算出された第1差枚数カウンタの値が、第1のリミッタ機能を作動させるための条件である第1リミット値を超えたか否かを判定する処理であり、第1差枚数カウンタの値が第1リミット値を超えた場合は、ステップS57に移行し、第1リミット値を超えていない場合は、本第1リミッタ監視処理を終了する。
第1差枚数カウンタは、有利区間移行後およびAT状態終了後の遊技メダルの純増枚数(増加数)を示しているので、第1差枚数カウンタが第1リミット値、すなわち、有利区間移行後およびAT状態終了後の遊技メダルの純増枚数(増加数)が、特定増加数としての第1リミット値を超えた場合にステップS57に移行することとなる。
なお、第1リミット値は、詳細は後述するが所定条件に応じて変更可能となっている。
【0343】
次に、ステップS57で、特別遊技状態終了処理が行われる。
特別遊技状態終了処理は、AT状態あるいは疑似ボーナス状態等の特別遊技状態を終了させる処理であり、本処理により有利区間中における遊技メダルの純増枚数(増加数)が特定増加数としての第1リミット値を超えた場合に特別遊技状態が終了することとなる。
なお、このときには、例えば、AT状態の継続期間を管理する残メダル数が残っていた場合でも特別遊技状態は終了(強制終了)することとなる。したがって、本処理により第1のリミッタ機能が作動することとなるのである。
その後、ステップS58に移行する。
【0344】
次に、ステップS58で、第1差枚数カウンタを初期化する処理が行われる。
したがって、第1のリミッタ機能が作動した場合には、第1差枚数カウンタが初期化されることとなり、次回の第1のリミッタ機能を作動させるために第1差枚数カウンタの計数が再開されることとなる。
つまり、第1差枚数カウンタは、有利区間終了時の他に、AT状態終了時にも初期化されるので、その後、新たな第1のリミッタ機能の作動が監視されることとなり、1回の有利区間中に第1のリミッタ機能が複数回作動する可能性が生ずるのである。
その後、本第1リミッタ監視処理を終了する。
【0345】
以上のように、第2実施形態のメダルレス遊技機1においては、主制御部10は、有利区間移行後、前回のAT状態終了後の遊技メダルの純増枚数(増加数)を示す第1差枚数カウンタの値が、特定増加数としての第1リミット値(例えば、2400枚)に達した場合に、第1のリミッタ機能を作動させて特別遊技状態を終了(強制終了)させるのである。
また、第1のリミッタ機能が作動した場合でも有利区間はそのまま継続することとなるのである。
すなわち、主制御部10は、差数情報計数手段(主制御部10)により計数された差数情報(第1差枚数カウンタ)の増加数が特定増加数(例えば、2400枚)に達した場合に、特別遊技状態(例えば、AT状態)を終了させる制御を実行可能な特別遊技状態終了制御手段を備えるのである。
【0346】
したがって、第2のリミッタ機能が作動する以前においても、第1のリミッタ機能の作動により遊技者が獲得する遊技メダル数が制限されることとなり、メダルレス遊技機1の射幸性を低減させることが可能となるのである。
また、第1のリミッタ機能が作動した場合には、特別遊技状態のみが終了され、有利区間はそのまま継続することとなるので、1回の有利区間において複数回リミッタ機能が作動するような多彩な遊技内容を実現でき、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
なお、第1差枚数カウンタを疑似ボーナス状態終了時にも初期化するようにしてもよい。
【0347】
次に、
図28のフローチャートを参照して、本第2実施形態の主制御部10において実行される第2差枚数計数処理について説明する。
図28は、1回の有利区間中における遊技メダルの投入数と遊技メダルの付与数(払出数)に基づいて、差枚数を計数するための第2差枚数計数処理を示していて、この第2差枚数計数処理により、第2のリミッタ機能を作動させるための差枚数が計数される。
【0348】
まず、第2差枚数計数処理が開始されると、ステップS59で、有利区間中か否かの判定が行われる。
これは、遊技区間が有利区間中であるか否かを判定する処理であり、有利区間中の場合は、ステップS60に移行し、有利区間中でない場合(通常区間中の場合)は、本第2差枚数計数処理を終了する。
【0349】
次に、ステップS60で、ゲームが実行されたか否かの判定が行われる。
これは、有利区間中においてゲームが実行されたか否かを判定する処理であり、有利区間中においてゲームが実行された場合には、ステップS61に移行し、ゲームが実行されてない場合は、本第2差枚数計数処理を終了する。
【0350】
次に、ステップS61で、第2差枚数カウンタからベット数を減算する処理が行われる。
第2差枚数カウンタは、第2のリミッタ機能を作動させるために1回の有利区間中における差枚数の増減を監視するためのカウンタであり、ゲームの実行により当該ゲームに投入(賭け設定)された遊技メダル数(ベット数)が第2差枚数カウンタから減算されることとなる。
なお、第1差枚数カウンタは、前述したように「0」未満とならないような補正処理が行われるが、第2差枚数カウンタについては上記補正処理は行われない。したがって、第2差枚数カウンタは「0」未満の値(マイナス値)も計数されることとなる。
【0351】
次に、ステップS62で、遊技メダルが付与されたか否かの判定が行われる。
これは、有利区間中におけるゲームの結果により遊技メダルが付与されたか否かを判定する処理であり、所定の役に入賞して所定数の遊技メダルが付与(遊技メダル数が増加)された場合には、ステップS63に移行し、遊技メダルの付与が行われていない場合(ハズレの場合)は、ステップS64に移行する。
なお、遊技メダルの付与には、リプレイ役入賞時のベット数の自動設定も含まれる。
【0352】
次に、ステップS63で、第2差枚数カウンタに付与された遊技メダル数を加算する処理が行われる。
したがって、有利区間中に実行されたゲームの結果、所定数の遊技メダルが付与された場合には、付与された遊技メダル数が第2差枚数カウンタに加算されることとなる。
【0353】
次に、ステップS64で、有利区間が終了したか否かの判定が行われる。
これは、有利区間中における有利区間終了条件が成立して有利区間が終了したか否かを判定する処理であり、第2のリミッタ機能が作動した場合や主制御部10がリセットされて有利区間が終了した場合は、ステップS65に移行し、有利区間が終了していない場合は、本第2差枚数計数処理を終了する。
【0354】
次に、ステップS65で、第2差枚数カウンタを初期化する処理が行われる。
したがって、1回の有利区間が終了した場合には、第2差枚数カウンタが初期化(ゼロクリア)されることとなる。
つまり、第2差枚数カウンタは、有利区間終了時に初期化されるので、1回の有利区間中を通して第2差枚数カウンタが計数されることとなり、1回の有利区間中において第2のリミッタ機能の作動が監視されるのである。
その後、本第2差枚数計数処理を終了する。
【0355】
以上のように、第2実施形態のメダルレス遊技機1においては、主制御部10は、1回の有利区間中においてゲームが実行された場合に、投入(賭け設定)された遊技メダル数(ベット数)および付与(払出)された遊技メダル数に応じて第2差枚数カウンタを計数し、その時点の差枚数を管理することとなる。
すなわち、主制御部10は、有利区間における遊技価値(遊技メダル)の投入に基づき、投入された遊技価値に対応して差数情報(第2差枚数カウンタ)を減算し、有利区間における遊技価値の付与に基づき、付与された遊技価値に対応して差数情報を加算する制御を実行可能な差数情報計数手段を備えるのである。
また、1回の有利区間中を通して第2差枚数カウンタが計数されることとなり、1回の有利区間中における差枚数の増減が監視されることとなるのである。
【0356】
次に、
図29のフローチャートを参照して、本第2実施形態の主制御部10において実行される第2リミッタ監視処理について説明する。
図29は、前述した第2差枚数カウンタを参照して、1回の有利区間中における第2差枚数カウンタが特定数に達した場合に第2のリミッタ機能を作動させるための第2リミッタ監視処理を示している。
すなわち、1回の有利区間中における遊技メダルの差枚数が特定数に達した場合に、特別遊技状態(AT状態等)およびそのときの有利区間を終了させるための第2リミッタ監視処理を示している。
つまり、前述の第1実施形態におけるリミッタ監視処理(
図14参照)と機能的には同様の処理が行われるのである。
【0357】
まず、第2リミッタ監視処理が開始されると、ステップS66で、有利区間中か否かの判定が行われる。
有利区間中の場合は、ステップS67に移行し、有利区間中でない場合(通常区間中の場合)は、本第2リミッタ監視処理を終了する。
【0358】
次に、ステップS67で、ゲームが終了したか否かの判定が行われる。
有利区間中において1回のゲームが終了した場合は、ステップS68に移行し、ゲームが終了していない場合(ゲームが実行されていない場合も含む)は、本第2リミッタ監視処理を終了する。
【0359】
次に、ステップS68で、第2差枚数カウンタの値が第2リミット値を超えたか否かの判定が行われる。
これは、前述の第2差枚数計数処理において算出された第2差枚数カウンタの値が、第2のリミッタ機能を作動させるための条件である第2リミット値(特定数である「+2400」)を超えたか否かを判定する処理であり、第2差枚数カウンタの値が第2リミット値を超えた場合は、ステップS69に移行し、第2リミット値を超えていない場合は、本第2リミッタ監視処理を終了する。
第2差枚数カウンタは、遊技区間が有利区間に移行した後の遊技メダルの差枚数を示しているので、第2差枚数カウンタが第2リミット値、すなわち、1回の有利区間における差枚数が、特定数としての第2リミット値を超えた場合にステップS68に移行することとなる。
【0360】
次に、ステップS69で、特別遊技状態終了処理が行われる。
特別遊技状態終了処理は、AT状態あるいは疑似ボーナス状態等の特別遊技状態を終了させる処理であり、本処理により1回の有利区間中における差枚数が、特定数としての第2リミット値を超えた場合に特別遊技状態が終了することとなる。
なお、このときには、例えば、AT状態の継続期間を管理する残メダル数が残っていた場合でも特別遊技状態は終了(強制終了)することとなる。
その後、ステップS70に移行する。
【0361】
次に、ステップS70で、通常区間への移行処理が行われる。
これは、遊技区間を通常区間へ移行させる処理であり、本処理により1回の有利区間が終了することとなる。
したがって、上記特別遊技状態終了処理および通常区間への移行処理の実行により第2のリミッタ機能が作動することとなり、その後新たな有利区間への移行により、新たな第2のリミッタ機能の作動の監視が開始されることとなる。
その後、本第2リミッタ監視処理を終了する。
【0362】
以上のように、第2実施形態のメダルレス遊技機1においては、主制御部10は、1回の遊技区間中における第2差枚数カウンタの値が、特定数としての第2リミット値(+2400)に達した場合に、第2のリミッタ機能を作動させて特別遊技状態およびそのときの有利区間を終了させるのである。
すなわち、主制御部10は、差数情報計数手段(主制御部10)により計数された差数情報(第2差枚数カウンタ)が、特定数(第2リミット値である+2400)に達した場合に、有利区間を終了させる制御を実行可能な有利区間終了制御手段を備えるのである。
したがって、1回の有利区間中において遊技者が獲得する遊技メダル数が制限されることとなり、メダルレス遊技機1の射幸性を低減させることが可能となるのである。
【0363】
上記のような各リミッタ機能に関わる制御が行われることから、本第2実施形態のメダルレス遊技機1においては、1回の有利区間中における差枚数(第2差枚数カウンタ)の値が、第2リミット値(+2400)に達した場合に第2のリミッタ機能が作動し、第2のリミッタ機能が作動するまでに、遊技者が獲得した遊技メダルの純増枚数が、第1リミット値(2400枚)に達した場合に第1のリミッタ機能が作動することとなるのである。
そして、第1のリミッタ機能が作動した場合には、有利区間はそのまま継続して特別遊技状態が終了することとなり、第2のリミッタ機能が作動した場合には、有利区間および特別遊技状態の両方が終了することとなる。
【0364】
次に、
図30を参照して、第1のリミッタ機能の作動に関わる第1リミット値の選択率について説明する。
前述したように、本第2実施形態のメダルレス遊技機1においては、有利区間中のゲームの実行に基づき第1差枚数カウンタを計数し、この第1差枚数カウンタの値が第1リミット値を超えた場合に、第1のリミッタ機能を作動させて特別遊技状態を終了させるようにしている。
主制御部10では、第1のリミッタ機能を作動させるための、第1差枚数カウンタの判定値である第1リミット値を、第1のリミッタ機能の監視を開始する際に変更可能としている。
すなわち、第1差枚数カウンタは、有利区間終了時(リセットも含む)、AT状態終了時に初期化されて、その後新たな第1のリミッタ機能の監視が開始されることとなるが、このときに新たな第1のリミッタ機能の作動に関わる第1リミット値を複数の値から選択して設定可能としているのである。
【0365】
図30は、有利区間終了(リセットも含む)、AT状態終了により以前の第1のリミッタ機能に関わる監視が終了して、新たな第1のリミッタ機能の作動に関わる監視が開始される際の第1リミット値の選択肢、および選択肢に対応する選択確率を示している。
なお、主制御部10では、通常区間において有利区間移行条件が成立したとき(例えば、ベル役に当選したゲーム実行時)、AT状態が終了した後の最初のゲーム実行時に、および第1のリミッタ機能が作動した後の最初のゲーム実行時に、所定の乱数を抽出することで、各第1リミット値の選択制御を行うようにしている。
【0366】
図30に示すように、40%の確率で第1リミット値を「1000枚」(「+1000」)にすることが選択され、30%の確率で第1リミット値を「1500枚」(「+1500」)にすることが選択され、30%の確率で第1リミット値を「2000枚」(「+2000」)にすることが選択されるように第1リミット値の選択制御が行われる。
そして、選択された第1リミット値を用いて新たな第1のリミッタ機能を作動させるための判定処理(
図27のステップS56参照)が行われることとなる。
【0367】
以上のように、主制御部10では、有利区間終了(リセットも含む)、AT状態終了、および第1のリミッタ機能の作動時において、新たな第1のリミッタ機能に対応する第1リミット値を、複数の値から何れかを選択的に決定するのである。
したがって、第1のリミッタ機能を作動させる際において、第1差枚数カウンタと比較する第1リミット値を変更可能とするのである。
前述したように第1差枚数カウンタの値は、有利区間終了後(リセットも含む)、AT状態終了後における遊技メダル数の純増枚数(増加数)を示すので、この純増枚数(増加数)と比較判定される特定増加数としての第1リミット値が変更可能となるのである。
すなわち、主制御部10は、特定増加数(第1リミット値)を変更可能な特定増加数変更制御手段を備えるのである。
したがって、第1のリミッタ機能が作動するまでの遊技メダルの純増枚数が種々変化することとなり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0368】
なお、第1リミット値の選択肢を4以上設けるようにしてもよい。
また、各選択肢における遊技メダル数は上記以外でもよいし、各選択確率は上記以外でもよい。
また、確率設定装置16での設定値に応じて各選択確率を変更するようにしてもよい。
【0369】
次に、
図31を参照して、リミッタ機能の作動後における高確率状態の移行について説明する。
前述の第1実施形態のメダルレス遊技機1と同様に、本第2実施形態のメダルレス遊技機1においても、疑似ボーナス状態の移行抽選を高確率で実行する高確率状態を発生可能としている。
また、本第2実施形態のメダルレス遊技機1においては、遊技区間が通常区間から有利区間に移行した場合に、その後所定回数のゲームが実行されるまでの間において高確率状態を発生するようにしている。
さらに、第1のリミッタ機能が作動した場合にも、その後所定回数のゲームが実行されるまでの間において高確率状態を発生するようにしている。
【0370】
図31は、遊技区間が通常区間から有利区間に移行した場合、および第1のリミッタ機能が作動した場合の高確率状態の移行期間を示している。
図31に示すように、遊技区間が通常区間から有利区間に移行した場合には、その後30回のゲームが実行されるまでの間は、確率状態を高確率状態に移行するようにしている。
また、第1のリミッタ機能が作動した場合にも、その後30回のゲームが実行されるまでの間は、確率状態を高確率状態に移行するようにしている。
【0371】
なお、第1のリミッタ機能が作動した場合には、特別遊技状態が終了することとなるので、結果的に特別遊技状態の終了後に確率状態が高確率状態に移行することとなる。
また、主制御部10がリセットされた場合に、遊技区間が有利区間から通常区間へ移行されるが、第2のリミッタ機能が作動した場合にも有利区間が終了することとなるので、結果的にその後通常区間から有利区間への移行時に、確率状態が高確率状態に移行することとなる。
【0372】
以上のように、第1のリミッタ機能の作動により特別遊技状態が終了した後においては、遊技者に対する第1の特典の付与として確率状態が高確率状態に移行することとなり、その後所定期間疑似ボーナス状態の移行抽選が高確率で実行されることとなるのである。
すなわち、メダルレス遊技機1は、特別遊技状態終了制御手段(主制御部10)による特別遊技状態(例えば、AT状態)の終了に基づき、第1の特典(高確率状態)を付与可能な第1特典付与手段(主制御部10)を備えるのである。
したがって、リミッタ機能が作動した直後に、遊技者が遊技を止めてしまうことを防止でき、メダルレス遊技機1における稼働率の低下を防止することが可能となるのである。
【0373】
また、本第2実施形態のメダルレス遊技機1においては、確率状態が通常確率状態から高確率状態に移行すると、副制御部20の制御により、表示器8において高確率状態である旨の報知が行われる。例えば、通常遊技状態中には主人公キャラクタが草原を進んでいくようなステージが表示されている場合に、そのステージの背景を、昼間の背景から夕方の背景に変更させることで高確率状態である旨の報知を行うようにしている。
また、本第2実施形態のメダルレス遊技機1においては、リミッタ機能が作動した場合に、そのリミッタ機能が第1のリミッタ機能であるか第2のリミッタ機能であるかを遊技者が認識できないようにしている。
例えば、第1のリミッタ機能が作動した場合でも、第2のリミッタ機能が作動した場合と同様に、点灯していた有利区間ランプ13を消灯するようにしている。
【0374】
また、表示器8においても、第1のリミッタ機能および第2のリミッタ機能の作動により特別遊技状態が終了した場合でも、同様の終了報知を行うようにしている。
すなわち、各リミッタ機能の作動後には、表示器8において高確率状態である旨の同様の報知が行われ、例えば、第2のリミッタ機能の作動を契機に高確率状態に移行した場合でも、遊技者はどちらのリミッタ機能が作動したかを把握できないこととなる。
したがって、例えば、遊技者が第2のリミッタ機能が作動した場合に遊技を止めようとしていた場合でも、リミッタ機能の作動時には、第1のリミッタ機能が作動したのか、第2のリミッタ機能が作動したのかを遊技者は認識できないので、リミッタ機能の作動を契機に遊技者が遊技を終了してしまうことを防止できるのである。
【0375】
なお、遊技区間が通常区間から有利区間に移行した場合と、第1のリミッタ機能が作動した場合とで、異なる期間高確率状態に制御するようにしてもよい。
また、遊技者に付与する第1の特典は、上記以外でもよく、例えば、AT状態の移行抽選を高確率状態にするようにしてもよい。
また、確率設定装置16での設定値に応じて、高確率状態にする期間を変更するようにしてもよい。
以上のように、第2実施形態におけるリミッタ機能が実現される。
【0376】
[第2実施形態におけるAT状態終了後の遊技区間の移行制御]
次に、
図32の図表を参照して、本第2実施形態のメダルレス遊技機1におけるAT状態終了後の遊技区間の移行制御について説明する。
図32は、主制御部10の制御により実現する、AT状態終了後における遊技区間の移行先を示している。
【0377】
前述したように、有利区間中においてAT状態に移行すると、AT状態中の遊技メダルの付与により、第2差枚数カウンタが加算されることとなるが、本第2実施形態においては、AT状態の終了時の第2差枚数カウンタの値に応じて、遊技区間を有利区間のまま継続させるか、有利区間を終了して通常区間に移行させるかを決定するようにしている。
【0378】
図32に示すように、主制御部10では、AT状態の終了時点の第2差枚数カウンタの値が「+999」未満であった場合には、有利区間をそのまま継続させ、AT状態の終了時点の第2差枚数カウンタの値が「+1000」以上であった場合には、有利区間を終了して通常区間に移行させるようにしている。
【0379】
なお、主制御部10においては、遊技区間が通常区間へ移行した場合に、前述したように第2差枚数カウンタを初期化する処理を行うようにしている。
したがって、AT状態の終了時点の第2差枚数カウンタの値が「+1000」以上であった場合には、第1差枚数カウンタが初期化されることとなるのである。
【0380】
また、第1のリミッタ機能の作動によるAT状態終了時においても、上記遊技区間の移行制御は行われるので、第1のリミッタ機能の作動によるAT状態の終了時点の第2差枚数カウンタの値が「+1000」以上であった場合も、有利区間が終了して通常区間に移行することとなる。
すなわち、区間制御手段としての主制御部10は、特別遊技状態終了制御手段(主制御部10)による特別遊技状態(AT状態)の終了時における差数情報(第2差枚数カウンタ)が、所定数(「+1000」)を超えていたことに基づき、有利区間を終了可能とするのである。
【0381】
したがって、AT状態の終了時点の第2差枚数カウンタの値に応じて、遊技区間が変化することとなり、第2差枚数カウンタが比較的に小さい値であった場合には、有利区間がそのまま継続して第2差枚数カウンタの値が保持されることとなるが、第2差枚数カウンタが比較的に大きい値であった場合には、有利区間が終了して通常区間に移行されることにより、第2差枚数カウンタの値が初期化されることとなるのである。
【0382】
これは、AT状態の移行時に、遊技者が実際に獲得可能な遊技メダル数を所定数(1400枚)以上とするための制御であり、AT状態の移行時に第2差枚数カウンタの値が何れであっても、そのAT状態中に第2のリミッタ機能が作動するまでに獲得可能な遊技メダル数を少なくとも所定数(1400枚)とすることが可能となるのである。
【0383】
すなわち、AT状態中に遊技者が多数の遊技メダルを獲得したことにより、AT状態の終了時点の第2差枚数カウンタの値が「+1000」以上となっていた場合には、その後、直ぐに次のAT状態が発生すると、次の遊技者があまり遊技メダルを獲得しない状態で第2差枚数カウンタの値が第2リミット値(「+2400」)に達してしまう可能性が生じてしまうこととなり、このような事態を防止することが可能となるのである。
【0384】
なお、AT状態中に第2のリミッタ機能が作動するまでに、遊技者に一定の遊技メダル数の獲得を確保できるものであれば、上記遊技区間を変更することとなる閾値は上記以外の何れでもよい。
以上のように、第2実施形態におけるAT状態終了後の遊技区間の移行制御が行われる。
【0385】
[第2実施形態におけるエンディング演出]
次に、
図33~
図37を参照して、本第2実施形態のメダルレス遊技機1における、エンディング演出について説明する。
本第2実施形態のメダルレス遊技機1においては、前述の第1実施形態と同様に、主制御部10からの制御情報の受信に基づく副制御部20の制御により、各遊技状態に応じた種々の演出を表示器8において実行するようにしている。
例えば、AT状態中においては、表示器8においてAT状態中の演出を実行させるようにしている。
【0386】
AT状態中の演出は、表示器8において所定の演出画像が表示されることで実行され、AT状態中であることが報知されたり、AT状態中の興趣性が高められたりすることとなる。
例えば、キャラクタが登場して所定の場所(街中等)を走っていく演出画像(動画)が表示されることとなる。
なお、AT状態中には、スピーカ9から所定の効果音が出力され、ランプ11において所定態様の発光が行われることとなる。
【0387】
また、AT状態中において第2のリミッタ機能が作動した場合には、その時点での遊技者が獲得可能な最大の遊技メダル数が付与されることとなるので、第2のリミッタ機能が作動した場合には、第2のリミッタ機能が作動したことを祝福するようなエンディング演出を表示器8において実行するようにしている。
主制御部10では、AT状態中における第2のリミッタ機能が作動することとなる直前の所定期間を、エンディング期間(第2エンディング期間)として設定していて、副制御部20では、このエンディング期間に到達した場合に、表示器8においてエンディング演出を実行するようにしていて、AT状態中の演出画像が、通常のAT状態中の演出画像からエンディング期間に対応する演出画像に切り替えられることとなる。
例えば、AT状態中の残メダル数により算出される増加予定の第2差枚数カウンタの値が、第2リミット値(+2400)に達した場合に、第2のリミッタ機能が作動することを事前に判定し、その時点から第2のリミッタが作動するまでをエンディング期間として設定してエンディング演出を実行するようにしている。
【0388】
なお、エンディング期間は、第2のリミッタ機能が作動する所定期間前であれば、何れの期間でもよく、例えば、第2のリミッタが作動することを事前に判定したことを条件に、第2差枚数カウンタが第2リミット値に到達する所定期間前(例えば、第2差枚数カウンタが+1400となった時点)から設定するようにしてもよいし、所定ゲーム数前から設定するようにしてもよい。
【0389】
また、本第2実施形態のメダルレス遊技機1においては、AT状態中における第1のリミッタ機能が作動することとなる直前の所定期間においても、エンディング期間(第1エンディング期間)を設定するようにしていて、副制御部20では、このエンディング期間(第1エンディング期間)に到達した場合にも、表示器8において第2エンディング期間と同様のエンディング演出を実行するようにしている。
例えば、AT状態中の残メダル数により算出される増加予定の第1差枚数カウンタの値が、第1リミット値(2400枚)に達した場合に、第1のリミッタ機能が作動することを事前に判定し、その時点から第1のリミッタが作動するまでをエンディング期間(第1エンディング期間)として設定してエンディング演出を実行するようにしている。
【0390】
また、本第2実施形態のメダルレス遊技機1においては、後述するように、遊技者の期待感や遊技の興趣を向上させるために、AT状態中におけるエンディング期間となっていない時期においても、エンディング演出(フェイクエンディング演出)を実行するようにしている。
【0391】
まず、
図33を参照して、第1エンディング期間中における高確率状態の延長抽選について説明する。
本第2実施形態のメダルレス遊技機1においては、前述したように第1のリミッタ機能が作動した後に、確率状態を高確率状態に移行させるようにしている。
また、主制御部10では、第1エンディング期間中のゲームにおいて、役の抽選結果に基づいて、高確率状態の継続期間を延長させる延長抽選を実行するようにしている。
したがって、第1エンディング期間中におけるゲームの結果に応じて、第1のリミッタ機能が作動した後に移行する高確率状態の継続期間が、予め設定されている初期時の期間から延長される可能性があるのである。
【0392】
図33は、第1エンディング期間中のゲームにおいて、高確率状態の延長抽選が行われた場合の当選確率を示している。
なお、主制御部10では、第1エンディング期間中のゲームにおいて、所定の乱数を抽出することで、高確率状態の延長抽選を行うようにしている。
【0393】
図33に示すように、第1エンディング期間中のゲームにおいて、弱レア役に当選した場合には、60%の確率で「延長なし」(延長抽選に非当選)が選択され、30%の確率で「10ゲーム延長」(その時点の高確率状態の継続期間に10ゲーム分を加算)が選択され、10%の確率で「20ゲーム延長」(その時点の高確率状態の継続期間に20ゲーム分を加算)が選択されるように延長抽選が行われる。
【0394】
また、第1エンディング期間中のゲームにおいて、強レア役に当選した場合には、0%の確率で「延長なし」(延長抽選に非当選)が選択され、70%の確率で「10ゲーム延長」(その時点の高確率状態の継続期間に10ゲーム分を加算)が選択され、30%の確率で「20ゲーム延長」(その時点の高確率状態の継続期間に20ゲーム分を加算)が選択されるように延長抽選が行われる。
なお、レア役当選毎に高確率状態の延長抽選が行われ、各当選時のゲーム数が合計されて最終的に合計されたゲーム数分高確率状態の継続期間が延長されることとなる。
【0395】
以上のように、第1エンディング期間中のゲームにおいては、高確率状態の延長抽選が行われて、延長抽選に当選した場合には第1のリミッタ機能が作動した後に移行する高確率状態の継続期間が延長されるのである。
すなわち、メダルレス遊技機1は、特別遊技状態終了制御手段(主制御部10)による特別遊技状態(AT状態)の終了前の所定期間(第1エンディング期間)中におけるゲームの実行に基づき、第1の特典(高確率状態)に関連した第2の特典(高確率状態の延長)を付与可能な第2特典付与手段を備えるのである。
したがって、第1エンディング期間中における遊技者の期待感を向上させることが可能ととなるとともに、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0396】
また、AT状態の終了が確定している第1エンディング期間中に、AT状態の継続期間が延長される可能性のある上乗せ抽選の契機役であるレア役に当選した場合には、当該レア役の当選が上乗せ抽選に対して無効となるので、所謂無駄引き感(引き損感)を遊技者に与えてしまう虞があるが、このような事態を防止することも可能となるのである。
また、当選確率がより低い強レア役に当選した場合には、弱レア役に当選した場合よりも、延長抽選の当選することが確定し、さらにより大きいゲーム数分高確率状態が延長される確率が高まるのである。
したがって、強レア役に当選した場合には、遊技者の期待感をより向上させることが可能となるのである。
【0397】
なお、上記延長抽選における高確率状態の継続期間を延長させる選択肢として、30ゲーム以上延長させるものを設けるようにしてもよい。
また、各選択肢に対応する選択確率は上記以外でもよい。
また、確率設定装置16での設定値に応じて各選択確率を変更するようにしてもよい。
【0398】
次に、
図34、
図35を参照して、副制御部20の制御により表示器8において表示されるAT状態中の演出画像について説明する。
まず、
図34を参照して、AT状態中において第1のリミッタ機能が作動する所定期間前であって、第1エンディング期間中における表示器8での演出画像について説明する。
なお、
図34は、第1リミット値として「2000枚」が設定されている場合に、AT状態中における遊技者が獲得する遊技メダル数(純増枚数)が第1リミット値(2000枚)を超えることが確定して第1エンディング期間に移行している状態において、遊技者が獲得した遊技メダル数(純増枚数)が1900枚に到達した以降における表示器8における演出画像を示している。
【0399】
図34(a)に示すように、AT状態において、第1エンディング期間に移行した場合には、表示器8の画面主要部に、エンディング期間に移行したことを報知したり、リミッタ機能が作動することを祝福したりする第1エンディング中画像40aが表示される。
第1エンディング中画像40aは、エンディング期間に移行したことを遊技者が認識可能であれば何れでもよく、所定のキャラクタを登場させたり、所定の背景画像を表示させたりするものでもよい。また、動画でもよいし静止画でもよい。
また、表示器8の画面右上には、AT状態中に遊技者が獲得した遊技メダル数を報知する獲得メダル数画像33b(「獲得1900枚」)が表示される。
獲得メダル数画像33bは、疑似ボーナス状態中とAT状態中を通して遊技者が獲得した遊技メダル数を報知するので、疑似ボーナス状態中と同様のものが表示される。
なお、エンディング演出中には、スピーカ9からエンディング演出に対応する効果音が出力され、ランプ11においてエンディング演出に対応する態様の発光が行われる。
また、AT状態中には、AT状態の残メダル数を報知する残メダル数画像44(
図37参照)が表示されるが、エンディング演出中においては当該画像は非表示となる。
【0400】
次に、
図34(b)は、第1エンディング期間中において、レア役に当選したゲーム実行中における表示器8での演出画像を示している。
図34(b)に示すように、第1エンディング期間中において、レア役に当選した場合には、表示器8で表示されている第1エンディング中画像40aを、第2エンディング中画像40bに変更可能としている。
第2エンディング中画像40bは、第1エンディング中画像40aと異なることを遊技者が認識可能な画像からなり、例えば、第1エンディング中画像40aにおける背景色が青色から黄色に変更されたものとなっている。
【0401】
副制御部20においては、第1エンディング期間中のゲームにおいてレア役に当選した場合に、所定の確率で第2エンディング中画像40bに変更するような制御を行うようにしていて、例えば、レア役に当選して高確率状態の延長抽選に当選した場合には、30%の確率で第2エンディング中画像40bに変更し、レア役に当選したが高確率状態の延長抽選には当選しなかった場合には、10%の確率で第2エンディング中画像40bに変更するようにしている。
したがって、第2エンディング中画像40bが表示された場合には、高確率状態の継続期間が延長されたことは確定しないが、高確率状態の継続期間が延長されたことが示唆されるのである。
なお、第2エンディング中画像40bの背景色を複数段階で変更可能(例えば、黄色→緑色→赤色)とし、高確率状態の延長抽選毎に背景色を段階的に変更可能としてもよい。
また、第2エンディング中画像40bの背景色の複数段階の変更により、延長されるゲーム数の合計値を示唆するようにしてもよい。
【0402】
そして、第1エンディング期間中において、第1差枚数カウンタが第1リミット値に達したゲームが実行された場合には、
図34(c)に示すように、獲得メダル数画像33bが第1リミット値を示す値(「獲得2000枚」)となり、AT状態が終了することとなる。
【0403】
次に、
図34(d)は、AT状態が終了することとなるゲームの終了後の表示器8での演出画像を示している。
図34(d)に示すように、第1のリミッタ機能の作動により、AT状態が終了することとなるゲームの終了後においては、AT状態の終了を報知する「AT状態終了」の文字情報からなるAT状態終了文字画像37aが表示器8の画面上方部に表示される。
また、AT状態終了文字画像37aの下方部には、当該AT状態中に実行された総ゲーム数を示す総ゲーム数画像37b(「ゲーム数670G」)と、当該AT状態中に遊技者が獲得した総遊技メダル数を示す総メダル獲得数画像37c(「獲得枚数2000枚」)とが上下方向に並んで表示される。
また、AT状態終了時には、第1実施形態と同様に、背景画像としてAT状態の終了画像(図示では、三日月の月画像35bを含む特別終了画像)が表示されて、その時点の第2差枚数カウンタの値が示唆される。
なお、AT状態の終了画像の選択については、前述した第1実施形態と同様となるので、ここでの説明は省略する。
【0404】
そして、AT状態が終了するゲームの次ゲームが開始されると、
図34(e)に示すように、表示器8の画面主要部において、確率状態が高確率状態であることを報知する高確率状態中画像42が表示される。
したがって、第1のリミッタ機能の作動により高確率状態に移行した場合には、表示器8において高確率状態であることが報知されるのである。
なお、高確率状態中画像42は遊技者が認識可能なものであれば何れでもよく、例えば、通常遊技状態中に表示されるステージ上の背景を変更することで高確率状態を報知するものでもよい。
【0405】
次に、
図35を参照して、AT状態中において第2のリミッタ機能が作動する所定期間前であって、第2エンディング期間中における表示器8での演出画像について説明する。
なお、
図35は、AT状態中において第2差枚数カウンタの値が第2リミット値(+2400)を超えることが確定して第2エンディング期間に移行している状態において、遊技者が獲得した遊技メダル数(純増枚数)が2200枚に到達した以降における表示器8における演出画像を示している。
【0406】
図35(a)に示すように、AT状態において、第2エンディング期間に移行した場合には、表示器8の画面主要部に、エンディング期間に移行したことを報知したり、リミッタ機能が作動することを祝福したりする第1エンディング中画像40aが表示される。
したがって、第2エンディング期間に移行した場合でも、第1エンディング期間中と同様に、第1エンディング中画像40aが表示されることとなる。
また、表示器8の画面右上には、AT状態中に遊技者が獲得した遊技メダル数を報知する獲得メダル数画像33b(「獲得2500枚」)が表示される。
【0407】
次に、
図35(b)は、第2エンディング期間中において、レア役に当選したゲーム実行中における表示器8での演出画像を示している。
図35(b)に示すように、第2エンディング期間中において、レア役に当選した場合には、第1エンディング期間中と同様に、表示器8で表示されている第1エンディング中画像40aを、第2エンディング中画像40bに変更可能としている。
ただし、第2のリミッタ機能の作動終了後に遊技区間が通常区間に移行した場合には、遊技に関わるデータは初期化されてしまうので、第2エンディング期間中においては、高確率状態の延長抽選は行われないものとなっている。
【0408】
したがって、第2エンディング期間中における第2エンディング中画像40bの表示は、高確率状態の延長とは無関係となり、所謂フェイク演出となるのである。
すなわち、遊技者は当該エンディング演出が第1エンディング期間で実行されているものか、第2エンディング期間で実行されているものかを認識できないので、第2エンディング期間においても、レア役に当選した場合の所定確率で、第1エンディング期間と同様に第2エンディング中画像40bへの切り替え表示を行うのである。
【0409】
例えば、副制御部20は、第2エンディング期間中のゲームにおいて弱レア役に当選した場合には、20%の確率で第2エンディング中画像40bに変更し、強レア役に当選した場合には、50%の確率で第2エンディング中画像40bに変更するようにしている。
なお、上記フェイク演出を実行する場合に、第2エンディング中画像40bの背景色を複数段階で変更可能(例えば、黄色→緑色→赤色)とし、レア役の当選に基づき背景色を段階的に変更可能としてもよい。
【0410】
そして、第2エンディング期間中において、第2差枚数カウンタが第2リミット値に達したゲームが実行された場合には、
図35(c)に示すように、その時点で遊技者が獲得した遊技メダル数を報知する獲得メダル数画像33b(「獲得2800枚」)が表示されて、AT状態が終了することとなる。
なお、
図35は、第2差枚数カウンタの値が「-400」となっている時点で、AT状態が開始された場合を示しているので、第2差枚数カウンタが第2リミット値に達した時点では、獲得メダル数画像33bには、「獲得2800枚」(2400枚+400枚)の数値情報が表示されることとなる。
また、第2のリミッタ機能の作動によりAT状態が終了した場合でも、AT状態の終了画像として、例えば、図示するような月画像35bを含む特別終了画像を表示可能としているが、第2のリミッタ機能の作動後には、遊技区間が通常区間に移行して遊技データ(第2差枚数カウンタ等)は初期化されるため、第2差枚数カウンタの値の示唆とは無関係なAT状態の終了画像が表示されることとなる。
例えば、副制御部20は、AT状態終了時に所定の選択確率で通常終了画像と特別終了画像を選択して表示すればよい。
これにより、第2のリミッタ機能の作動によりAT状態が終了した場合でも、第1のリミッタ機能の作動によりAT状態が終了した場合と区別が付かなくなるのである。
【0411】
以上のように、本第2実施形態のメダルレス遊技機1においては、主制御部10は、第2のリミッタ機能の作動により有利区間を終了させる前の所定期間を第2エンディング期間として設定し、副制御部20は、第2エンディング期間中に表示器8においてエンディング演出を実行するのである。
また、主制御部10は、第1のリミッタ機能の作動によりAT状態を終了させる前の所定期間を第1エンディング期間として設定し、副制御部20は、第1エンディング期間中においても、第2エンディング期間と同様に表示器8においてエンディング演出を実行するのである。
【0412】
すなわち、副制御部20は、有利区間終了制御手段(主制御部10)による有利区間の終了前の特定期間(第2エンディング期間)中において、有利区間が終了することを事前に遊技者に認識させることが可能なエンディング演出を実行可能なエンディング演出制御手段を備えるのである。
そして、エンディング演出制御手段としての副制御部20は、特別遊技状態終了制御手段(主制御部10)による特別遊技状態(AT状態)の終了前の所定期間(第1エンディング期間)中においても、エンディング演出を実行可能とするのである。
したがって、遊技の興趣性を向上させることが可能となるとともに、遊技者にリミッタ機能が作動したことに対する達成感を与えることが可能となるのである。
【0413】
また、第1のリミッタ機能が作動する場合と、第2のリミッタ機能が作動する場合とで、表示態様が同一のエンディング演出を実行するのである。
したがって、遊技者はリミッタ機能が作動した場合に、それが第1のリミッタ機能なのか第2のリミッタ機能なのかの認識が出来ないので、リミッタ機能の作動を契機に遊技を終了してしまうことを防止可能となり、例えば、第2のリミッタ機能が作動した場合に遊技を終了しようとしている遊技者に対して、遊技を継続させることが可能となるのである。
【0414】
また、第1エンディング期間(エンディング演出)中のゲームにおいて、レア役に当選した場合には、高確率状態の延長抽選が行われることとなるが、レア役に当選した場合には、エンディング演出の表示態様を変更(第1エンディング中画像40aから第2エンディング中画像40bに変更)可能とするのである。
したがって、エンディング演出の表示態様を変更により、高確率状態の継続期間が延長されたことを示唆することが可能となり、遊技者の期待感を向上させることが可能とするのである。
また、第2エンディング期間(エンディング演出)中のゲームにおいて、レア役に当選した場合にも、フェイク演出として上記同様にエンディング演出の表示態様を変更可能とするので、レア役当選時もエンディング演出の表示態様が変更されないことで、その時点が第2エンディング期間であることを遊技者が認識してしまうことを防止可能となるのである。
なお、エンディング期間は、リミッタ機能が作動する所定期間前であれば何れの期間に設定してもよい。
【0415】
次に、
図36を参照して、第1エンディング期間と第2エンディング期間とが重複した場合の制御について説明する。
本第2実施形態のメダルレス遊技機1においては、前述したように、第1差枚数カウンタの値が第1リミット値に達する所定期間前に第1エンディング期間を設定し、第2差枚数カウンタの値が第2リミット値に達する所定期間前に第2エンディング期間を設定するようにしているが、両方のリミッタ機能が作動する時期が近いものであった場合には、第1エンディング期間と第2エンディング期間とが重複してしまう可能性がある。
本第2実施形態の主制御部10は、第1エンディング期間と第2エンディング期間とが重複した場合に、第2エンディング期間を優先して第1エンディング期間を無効にするような制御を行うようにしている。
【0416】
図36のタイミングチャートは、第1エンディング期間と第2エンディング期間とが重複した場合における、遊技状態と遊技区間の遷移を示している。
図36に示すように、第1エンディング期間中のゲームにおいて、第2エンディング期間の開始条件が成立した場合(タイミングt0)に、継続されていた第1エンディング期間を無効とし、第2エンディング期間を開始することとなる。
【0417】
したがって、本来ならば第1エンディング期間の終了時(タイミングt1)にAT状態が終了することとなるが、第1エンディング期間の無効によりそのまま継続することとなる。
そして、第2エンディング期間の終了時(タイミングt2)に、AT状態が終了して遊技区間も通常区間に移行することとなる。
すなわち、本来ならば第1差枚数カウンタの値が第1リミット値に到達した時点(タイミングt1)でAT状態が終了するところを、第2差枚数カウンタの値が第2リミット値に到達する時点(タイミングt2)までAT状態が延長されるのである。
【0418】
そして、通常区間への移行とともに遊技状態も通常遊技状態に移行し、通常区間中のゲームにおいて有利区間移行条件(ベル役の当選)が成立した時点(タイミングt3)で、遊技区間が有利区間に移行することとなる。
【0419】
以上のように、第1エンディング期間中のゲームにおいて、第2エンディング期間の開始条件が成立した場合には、第1エンディング期間が無効とされ、第1差枚数カウンタの値が第1リミット値に達した場合でもAT状態を終了させずに継続させるのである。
すなわち、特別遊技状態終了制御手段としての主制御部10は所定期間(第1エンディング期間)中におけるゲームの実行により、特定期間(第2エンディング期間)に到達した場合には、差数情報の増加数(第1差枚数カウンタの値)が特定増加数(第1リミット値)に達した場合でも、前記特別遊技状態の終了を無効とするのである。
したがって、第1エンディング期間(第1のリミッタ機能)が無効とされる分、AT状態の継続期間が延長されることとなるので、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
なお、第2エンディング期間中のゲームにおいて、第1エンディング期間の開始条件が成立した場合も、第1エンディング期間を無効とするが、重複した時点で遊技者に有利となるエンディング期間を優先するようにしてもよい。
【0420】
次に、
図37を参照して、フェイクエンディング演出について説明する。
本第2実施形態のメダルレス遊技機1においては、前述したように、エンディング期間(第1エンディング期間、第2エンディング期間)中に表示器8においてエンディング演出を実行するようにしている。
また、副制御部20は、AT状態中において、第1エンディング期間および第2エンディング期間に移行する以前の所定期間に、フェイクエンディング演出を実行可能としている。
【0421】
フェイクエンディング演出は、リミッタ機能とは無関係に実行される演出であり、当該フェイクエンディング演出の実行によりAT状態は終了しないものとなっている。
また、フェイクエンディング演出は、第1エンディング期間および第2エンディング期間中に実行されるエンディング演出と同一の表示態様の演出画像を表示器8において表示することで実行される。
したがって、フェイクエンディング演出が実行された場合でも、遊技者はそれがエンディング演出であるかフェイクエンディング演出であるかを認識できないものとなっている。
【0422】
また、副制御部20は、第1エンディング期間および第2エンディング期間に移行する以前のAT状態中のゲームにおいて、所定の乱数を抽出することで、所定の確率でフェイクエンディング演出を実行するようにしている。
フェイクエンディング演出は、所定期間(例えば、100枚の純増枚数となるまで)実行するものとなっていて、所定期間の経過時にはフェイクエンディング演出は終了して、その後は通常のAT状態中の演出画像が復帰表示されることとなる。
【0423】
図37は、フェイクエンディング演出が実行された場合の表示器8での演出画像を示している。
図37(a)に示すように、AT状態において、フェイクエンディング演出が実行されると、表示器8の画面主要部に、第1エンディング中画像40aが表示される。
したがって、フェイクエンディング演出中も、第1エンディング期間中と第2エンディング期間と同様に、第1エンディング中画像40aが表示されることとなる。
また、表示器8の画面右上には、AT状態中に遊技者が獲得した遊技メダル数を報知する獲得メダル数画像33b(「獲得1400枚」)が表示される。
【0424】
なお、フェイクエンディング演出の実行中のゲームにおいて、レア役に当選した場合には、第1エンディング期間中と同様に、表示器8で表示されている第1エンディング中画像40aを、第2エンディング中画像40bに変更可能とすることが好ましい。
また、AT状態中にレア役に当選した場合には、ゲーム数の上乗せ抽選が行われるが、このときの上乗せ抽選に当選した場合には、上乗せゲーム数の報知はフェイクエンディング演出の終了後に実行(所謂後報知)することが好ましい。
【0425】
次に、
図37(b)は、フェイクエンディング演出の最終ゲームのゲーム実行中の表示器8での演出画像を示している。
フェイクエンディング演出が実行されるゲームにおいて、遊技メダルの純増枚数が所定数(例えば、100枚)に達した場合には、フェイクエンディング演出が終了することとなるが、この最終ゲームのゲーム実行中においては、表示器8の画面主要部に対戦演出画像43aが表示されて対戦演出が実行される。
【0426】
対戦演出は、例えば、味方キャラクタと敵キャラクタが対戦して、その結果によりAT状態の継続の有無を報知する演出であり、1ゲームで完結する演出となっている。
したがって、フェイクエンディング演出の最終ゲームのゲーム終了後には、AT状態は継続することとなるので、
図37(c)に示すように、当該ゲーム終了後に味方キャラクタが勝利する対戦勝利画像43bが表示器8において表示されることとなる。
なお、フェイクエンディング演出は、その間の遊技メダルの純増枚数が100枚となった時点で終了するので、獲得メダル数画像33bには、「獲得1502枚」が表示されることとなる。
また、リミッタ機能が作動することとなるエンディング演出の最終ゲームで上記同様の対戦演出を実行するようにしてもよく、この場合には、AT状態は終了することとなるので、敵キャラクタが勝利する画像を表示することが好ましい。
【0427】
そして、フェイクエンディング演出の最終ゲームの次ゲームが開始されると、
図37(d)に示すように、表示器8の主要部に、フェイクエンディング演出が実行される前に表示されていた演出画像であって、AT状態中であることを報知したり、AT状態中の興趣性を高めたりするAT状態中画像45が復帰表示されることとなる。
なお、エンディング演出およびフェイクエンディング演出中には一時的に非表示となっていたAT状態の残メダル数を報知する残メダル数画像44(「残り300枚」)が復帰表示されることとなる。
【0428】
以上のように、副制御部20は、AT状態中におけるエンディング演出が実行される前の時期に、表示器8においてエンディング演出と表示態様を同一とするフェイクエンディング演出を実行するのである。
すなわち、エンディング演出制御手段としての副制御部20は、所定期間(第1エンディング期間)に移行前の時期においても、エンディング演出を実行可能とするのである。
したがって、エンディング演出が実行された時点で、AT状態の終了することが確定してしまうことを防止でき、エンディング演出が実行されたことにより遊技者の期待感が低下してしまうことを防止可能となるのである。
なお、フェイクエンディング演出の実行時期や実行期間は、上記した以外でもよく、実行期間を変更可能としてもよい。ただし、エンディング期間と重複しないように実行することが好ましい。
【0429】
以上、第2実施形態のメダルレス遊技機1においては、第1差枚数カウンタと第2差枚数カウンタを設けて、第1のリミッタ機能および第2のリミッタ機能を作動させるようにしているが、1つの差枚数カウンタで、第1および第2リミッタ機能の作動を監視するようにしてもよい。
【0430】
また、エンディング演出とフェイクエンディング演出とが重複しないように実行するようにしているが、フェイクエンディング演出中においても、第1あるいは第2エンディング期間に到達可能とし、フェイクエンディング演出中においても、第1あるいは第2エンディング期間に到達した場合に、フェイクエンディング演出を終了させずに、そのままエンディング演出をリミッタ機能が作動まで継続させるようにしてもよい。
したがって、この場合は、フェイクエンディング演出が途中から本当のエンディング演出に変更することとなる。
また、この場合、フェイクエンディング演出の最終ゲームで対戦演出を実行し、対戦結果を引き分けにして、その後のゲームでそのままエンディング演出を継続させるようにしてもよい。
以上のように、第2実施形態のメダルレス遊技機1が構成される。
【0431】
以上説明したように、本発明においては、遊技者所有の遊技価値(遊技メダル)を記憶可能な記憶部を有し、前記記憶部に記憶されている遊技価値に基づきゲームを実行可能とする遊技機(メダルレス遊技機1)において、前記記憶部に記憶されている遊技価値が、所定期間(第1時間)特定値(「3」)となっていることに基づき、当該遊技機が特定の遊技者の占有状態となっていると判定可能な判定手段(主制御部10)と、前記判定手段の判定結果に基づき、前記占有状態となっていることを遊技者が認識可能な報知(第1報知)を実行可能な報知手段(主制御部10、遊技メダル数表示装置7)と、を備えた構成としている。
したがって、遊技機を一時的に離席した遊技者は、遊技機に備えられている所定の操作手段を操作して、当該遊技機が占有状態であることの報知を実行させることが可能となり、安心して離席することが可能となる。
なお、判定手段および報知手段は、主制御部10が備えるものであってもよいし副制御部20が備えるものであってもよい。また、主制御部10と副制御部20の協働により構成されるものであってもよい。
【0432】
また、前記特定値を、1回のゲームを実行するための最大値(「3」)に設定した構成としている。
したがって、不正に遊技機を占有状態にすることを防止でき、また、占有状態を解除した後には、直ぐにゲームを実行することも可能となる。
【0433】
また、1回のゲームを実行するための遊技価値を記憶可能なゲーム実行記憶部を備え、前記判定手段は、前記ゲーム実行記憶部に記憶されている遊技価値が、前記記憶部に移行されたことを条件に、前記占有状態となっていると判定可能な構成としている。
したがって、ゲームを実行する際に操作する手順を利用して、占有状態を成立させることが可能となり、容易に占有状態を成立させることが可能となる。
【0434】
また、前記判定手段は、前記占有状態が、前記所定期間を超えて特定期間(第2時間)となったことに基づき、前記占有状態が超過したことを判定可能とし、前記報知手段は、前記判定手段の判定結果に基づき、前記占有状態が超過したことを遊技者が認識可能な報知(第2報知)を実行可能な構成としている。
したがって、遊技者が長期間離席した場合には、係員に長期間の離席状態の発生を知らせることが可能なり、遊技店内のルールを守らない遊技者に対して適切な対応をとることが可能となる。また、長期間離席した場合には、所定の報知が行われることを遊技者に知らしめることが可能となるので、遊技者が長期間離席してしまうことを未然に防止することが可能となる。
また、不正に遊技機が占有状態となっている場合には、そのことを係員に迅速に知らせることが可能となり、不正行為による遊技店側の不利益を極力抑えることが可能となる。
【0435】
また、前記報知手段は、複数の情報を表示可能な表示手段(表示器8)と、前記表示手段に前記占有状態に対応する情報を表示させることが可能な表示制御手段(副制御部20)と、を含み、前記表示制御手段は、遊技状態に応じて前記占有状態に対応する情報を変更可能な構成としている。
したがって、占有状態が表示手段で報知されることとなり、他の遊技者に対して遊技機が占有状態であることを確実に認識させることが可能となる。
なお、表示制御手段は、主制御部10が備えるものであってもよいし副制御部20が備えるものであってもよい。また、主制御部10と副制御部20の協働により構成されるものであってもよい。
【0436】
また、前記判定手段は、遊技状態に応じて前記所定期間を変更可能な構成としている。
したがって、遊技状態に応じて効率よく占有状態の報知を開始することが可能となる。
【0437】
また、前記判定手段は、所定条件の成立に基づき前記特定期間を変更可能な構成としている。
したがって、各種状態に応じて効率よく占有状態が超過状態となったことの報知を開始することが可能となり、遊技者が迷惑となるような不正行為を防止したり、遊技店の不利益を防止したりすることが可能となる。
【0438】
また、前記判定手段は、当該遊技機外部から休憩中を示す情報の受信に基づき、前記占有状態の判定を無効とする構成とした。
したがって、既に遊技機の外部の装置において休憩中の報知が行われている場合には、占有状態の報知は実行不能となり、両方の報知が同時に行われる、といった紛らわしい報知状態が生じてしまうことを防止可能となる。
また、休憩中においては、比較的長い時間遊技者が離席することとなるが、この間に、他の遊技者が不正に占有状態にしてしまうことも防止可能となる。
【0439】
一方、従来の遊技機として、特許文献(特開2015-134010)には、メダルレスで遊技が可能なスロットマシンが開示されている。
しかしながら、このような従来の遊技機では、利便性を向上させる上で十分とはいえないものであった。
本実施形態の遊技機によれば、従来の遊技機が改善すべき上記課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0440】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、主制御部10は、CPUを搭載する主基板を2枚とすることもできる。
この場合、主制御部10は、主制御CPUが搭載された主制御基板とメダル数制御CPUが搭載されたメダル数制御基板とで構成することができる。
具体的には、メダル数制御CPUに、遊技メダル数表示装置7の制御や、計数ボタン2c、遊技メダル数クリアボタン14、専用ユニット19の動作に応じた制御を担わせ、それ以外の遊技を統括的に制御する動作を主制御CPUに担わせることができる。
【0441】
また、主制御部10が担う動作の一部又は全部を副制御部20が担う構成でもよく、副制御部20が担う動作の一部又は全部を主制御部10が担う構成でもよい。
例えば、副制御部20により遊技メダル数表示装置7を制御してもよく、計数ボタン2c、遊技メダル数クリアボタン14、専用ユニット19の動作に応じた制御を副制御部20が担ってもよい。
また、主制御部10により計数ボタンランプ2eやベット数ランプ2fの動作を制御してもよい。
【0442】
また、本実施形態において、遊技機は、スロットマシンである例を示したが、パチンコ機でもよい。
すなわち、遊技球などの遊技媒体を外部に払い出さず、内部循環させてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機でもよい。
この場合、遊技機は、遊技メダル数表示装置7に対応する遊技球数表示装置を設けることができる。
その上で、例えば、遊技球数表示装置において記憶・表示されている遊技球数の多寡に応じて報知態様を変更してもよく、また、計数ボタンを長押しした場合には短押しの場合よりも計数の量を多くし、遊技球数表示装置において記憶・表示されている遊技球数が0となった後も長押しされたまま遊技球を獲得した場合に、当該遊技球を計数してもよい。
【符号の説明】
【0443】
1 メダルレス遊技機
2a ベットボタン
2b MAXベットボタン
2c 計数ボタン
2d 精算ボタン
2f ベット数ランプ
7 遊技メダル数表示装置
7a 遊技メダル数表示器
8 表示器
14 遊技メダル数クリアボタン
19 専用ユニット
19a 持メダル数表示器
21 返却ボタン
【手続補正書】
【提出日】2022-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
一方、ステップS13での判定の結果、占有状態の解除条件が成立していない場合には、ステップS15で、タイマーの計数結果が第2時間を超過したか否かの判定を行う。
タイマーの計数結果が第2時間を超過した場合には、ステップS19に移行し、タイマーの計数結果が第2時間を超過していない場合には、ステップS16に移行する。
第2時間は、占有状態の超過状態となったことを判定するための基準時間であり、例えば、占有状態が30分以上となった場合には、占有状態が超過状態となっていると判定されることとなる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
ステップS15での判定の結果、タイマーの計数結果が第2時間を超過していない場合には、ステップS16で、タイマーの計数結果が第1時間を経過したか否かの判定を行う。
タイマーの計数結果が第1時間を経過した場合には、ステップS17に移行し、タイマーの計数結果が第1時間を経過していない場合には、本占有状態処理を終了する。
第1時間は、占有状態の開始を判定するための基準時間であり、例えば、タイマーの計数が開始されてから30秒経過した場合に、占有状態と判定されることとなる。
なお、詳細は後述するが、第1時間は所定条件の成立に基づき変更可能となっている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
次に、ステップS17で、占有状態の第1報知処理を行う。
占有状態の第1報知処理は、メダルレス遊技機1が離席中の遊技者の占有状態であることを報知するための処理であり、遊技メダル数表示器7aの表示態様が、点灯から第1点滅間隔での点滅に切り替えられて第1報知が実行されることとなる。
次に、ステップS18で、第1報知情報の外部出力処理を行う。
第1報知情報の外部出力処理は、管理コンピュータや呼出装置等の外部装置に対して、占有状態の第1報知が行われていることを特定可能な情報を送信する処理であり、当該情報の送信により外部装置においては、メダルレス遊技機1において占有状態の第1報知が行われていることが把握(管理)されることとなる。
そして、管理コンピュータにおいては、各メダルレス遊技機1における占有状態の発生回数や、発生時間等をデータ収集することとなる。
また、呼出装置においては、例えば、当該呼出装置に対応するメダルレス遊技機1における占有状態の発生を判定して、メダルレス遊技機1での第1報知に対応した所定の報知を、呼出装置に設けられた表示手段により実行することとなる。
その後、本占有状態処理を終了する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
一方、ステップS15での判定の結果、タイマーの計数結果が第2時間を超過した場合には、ステップS19で、占有状態の第2報知処理を行う。
占有状態の第2報知処理は、メダルレス遊技機1の占有状態が超過状態であることを報知するための処理であり、遊技メダル数表示器7aの表示態様が、第1点滅間隔での点滅から第2点滅間隔での点滅に切り替えられて第2報知が実行されることとなる。
次に、ステップS20で、第2報知情報の外部出力処理を行う。
第2報知情報の外部出力処理は、管理コンピュータや呼出装置等の外部装置に対して、占有状態の第2報知が行われていることを特定可能な情報を送信する処理であり、当該情報の送信により外部装置においては、メダルレス遊技機1において占有状態の第2報知が行われていることが把握(管理)されることとなる。
そして、管理コンピュータにおいては、各メダルレス遊技機1における占有状態の超過状態の発生回数や、発生時間等をデータ収集することとなる。
また、呼出装置においては、例えば、当該呼出装置に対応するメダルレス遊技機1における占有状態の超過状態の発生を判定して、メダルレス遊技機1での第2報知に対応した所定の報知を、呼出装置に設けられた表示手段により実行することとなる。
その後、本占有状態処理を終了する。
なお、詳細は後述するが、第2時間は所定条件の成立に基づき変更可能となっている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】