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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133819
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】手洗い装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 1/00 20060101AFI20230920BHJP
   A47K 1/09 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
A47K1/00 Q
A47K1/00 B
A47K1/09 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039025
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 賢一
(57)【要約】
【課題】見た目を良くできる手洗い装置を提供する。
【解決手段】手洗い器21と、壁面1に固定され、手洗い器21を支持する支持部材41F,41Tと、支持部材41F,41Tよりも前方に位置している前壁81と、を備えている。このような構成によれば、前壁81によって支持部材41F,41Tが隠れるから、見た目を良くできる。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手洗い器と、
壁面に固定され、前記手洗い器を支持する支持部材と、
前記支持部材よりも前方に位置している前壁と、を備えている手洗い装置。
【請求項2】
前記手洗い器に隣接する棚と、
前記棚を支持する棚支持部材と、を備え、
前記支持部材は、前記棚支持部材の一部を構成している、請求項1に記載の手洗い装置。
【請求項3】
前記手洗い器に隣接する棚と、
前記棚を支持する棚支持部材と、
前記棚支持部材よりも前方に位置している棚前壁と、を備えている、請求項1から請求項2までの何れか一項に記載の手洗い装置。
【請求項4】
前記前壁と連結されている側壁を備えている、請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の手洗い装置。
【請求項5】
前記棚支持部材は、壁面に固定される複数の支持部品と、前記複数の支持部品同士を連結する連結部品と、を備えている、請求項3に記載の手洗い装置。
【請求項6】
多目的バーを有し、
前記多目的バーは、前記手洗い器を支持している、請求項1から請求項5までの何れか一項に記載の手洗い装置。
【請求項7】
多目的バーを有し、
前記多目的バーは、前記支持部材に連結されている、請求項1から請求項6までの何れか一項に記載の手洗い装置。
【請求項8】
前記支持部材は、紙巻器の固定部を有している、請求項1から請求項7までの何れか一項に記載の手洗い装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、手洗い装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレ室などの壁面に固定される手洗い装置が知られている。例えば下記特許文献1に記載された手洗い装置は、手洗い器と、手洗い器を支持する支持部材とを備えている。支持部材は、壁面に固定される。手洗い器は、支持部材の上面に載置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-118181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような構成の手洗い装置は、支持部材が露出しているため、見た目を良くすることが難しかった。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、見た目を良くできる手洗い装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の手洗い装置は、手洗い器と、壁面に固定され、前記手洗い器を支持する支持部材と、前記支持部材よりも前方に位置している前壁と、を備えているものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】手洗い装置を示す分解斜視図
図2】手洗い装置を示す正面図
図3】手洗い装置を示す平面図
図4】手洗い装置を示す断面図であって、図3のA-A位置における断面に相当する断面図
図5】手洗い装置を示す断面図であって、図3のB-B位置における断面に相当する断面図
図6】手洗い装置を示す背面図
図7図6のC-C位置から見た手洗い装置を示す底面図
図8】装置本体を示す底面図
図9】手洗い装置を示す断面図であって、図7のD-D位置における断面に相当する断面図
図10】手洗い装置を示す断面図であって、図7のE-E位置における断面に相当する断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態>
手洗い装置10は、例えば住宅や事務所等のトイレ室(図示せず)の室内に配置される。手洗い装置10は、トイレ室の壁面1に固定され、手を洗うために使用される。手洗い装置10は、トイレ室の便器に座った状態の人から見て右側及び左側のいずれか一方の壁面に取り付けられる。ここでは、右側の壁面1に取り付けられる手洗い装置10について説明する。左側の壁面に取り付けられる手洗い装置10は、右側の壁面1に取り付けられる手洗い装置10を左右反転したものである。具体的には、左側の壁面に取り付けられる手洗い装置は、右側の壁面1に取り付けられる手洗い装置10と比べて手洗い器21と棚22とが左右逆に配置される。
【0009】
以下、各構成部材において、トイレ室の壁面1に取り付けられている状態(取付状態と称する)の上側を上側、下側を下側、トイレ室の壁面1側を後側、その反対側を前側とし、取付状態の手洗い装置10を前側から見たときの右側を右側、左側を左側として説明する。各図においてX軸の正方向側は右側、X軸の負方向側は左側を示す。各図においてY軸の正方向側は上側、Y軸の負方向側は下側を示す。各図においてZ軸の正方向側は前側、Z軸の負方向側は後側を示す。X軸及びZ軸は、水平方向に延び、Y軸は、鉛直方向に延びている。
【0010】
手洗い装置10は、図1に示すように、水栓11と、装置本体20と、支持部材40と、多目的バー50と、紙巻器60と、カバー70と、を備えている。水栓11は、プッシュ式であり、押し操作によって吐水し、押し操作によって止水する。水栓11は、装置本体20の上面から鉛直に立ち上がっている。水栓11は、図2に示すように、床面から延びた給水管2に接続される。
【0011】
装置本体20は、合成樹脂製であり、図1に示すように、手洗い器21と棚22とを一体に備えている。手洗い器21は、装置本体20の左側に配置されている。棚22は、装置本体20の右側に配置されている。取付状態の装置本体20を上側から見ると、壁面1に沿って長い形状をなしている(図3参照)。
【0012】
装置本体20は、図1に示すように、全体として扁平な箱形状をなしている。装置本体20は、上面部23と周面部24とを有している。取付状態において装置本体20の上面部23は、水平に配置される。上面部23の下面には、支持部材40及びカバー70を固定する部材固定部25が複数個所に設けられている。
【0013】
周面部24は、上面部23の外周縁から下方に垂下している。周面部24は、前壁24M、後壁24U及び左右の側壁24Sを有している(図3参照)。前壁24Mについては、後ほど詳しく説明する。後壁24Uは、取付状態において壁面1に沿って配置される。左右の側壁24Sは、前壁24Mの左右両端に連結されている。左右の側壁24Sは、取付状態において壁面1に対して直角に配置される。
【0014】
手洗い器21は、図1に示すように、鉢部28と、水栓配置部29とを備えている。鉢部28は、上面部23から下方へ窪んだ形状をなしている。鉢部28は、平面視、壁面1に沿って長い長方形状をなしている(図3参照)。鉢部28の後面28Uは、図4に示すように、壁面1と平行に配置される。鉢部28の前面28Mは、底面28Tに向かって後側に傾斜している。鉢部28の左右の側面28Sは、底面28Tに向かって互いに近付く側に傾斜している(図5参照)。
【0015】
底面28Tの最下位置には、排水孔31が形成されている。手洗い器21は、排水孔31から下方に延びた管部32を有している。管部32は、床面から延びた排水管3に接続される。水栓11の吐水は鉢部28で受け止められ、排水孔31から管部32を通って排水管3に流出する。
【0016】
鉢部28の後面28Uは、図6に示すように、周面部24の後壁24Uと面一に形成されている。鉢部28の後面28U及び後壁24Uには、縦横に延びた補強リブ27が形成されている。後壁24Uには、支持部材40を後側へ露出させる切欠き26が形成されている。
【0017】
水栓配置部29は、鉢部28と隣接して装置本体20の左端部に設けられている。水栓配置部29には、水栓11が取り付けられている。水栓11は、水栓配置部29を上下方向に貫通している。水栓配置部29は、平坦な上面を有している(図1参照)。
【0018】
棚22は、図1に示すように、平らな厚板状をなしている。棚22の上面は、平坦面である。棚22には、ハンドソープのボトルや携帯端末等、トイレの利用者の所有物を載置できる。棚22は、手洗い器21の右側に継目や段差なく連なっている。これにより、装置本体20の上面を容易に掃除できる。
【0019】
棚22は、図3に示すように、平面視、壁面1に沿って長い長方形状をなしている。棚22のXZ平面における前後方向の寸法は、手洗い器21のXZ平面における前後方向の寸法よりも小さい。棚22のXZ平面における左右方向の寸法は、手洗い器21のXZ平面における左右方向の寸法よりも小さい。
【0020】
支持部材40は、図1に示すように、3つの支持部品41F,41S,41Tと、1つの連結部品42と、を備えている。3つの支持部品41F,41S,41T及び連結部品42はそれぞれ金属製の板材によって形成されている。3つの支持部品41F,41S,41T及び連結部品42はそれぞれネジ等の締結具によって壁面1に固定される。
【0021】
各支持部品41F,41S,41Tは、水平部43と、鉛直部44と、垂直面部45と、を有している。水平部43は、取付状態において水平方向に延びる。水平部43は、締結具によって装置本体20の部材固定部25を固定する。鉛直部44は、取付状態において鉛直方向に延びる。鉛直部44は、締結具によって壁面1に前側から固定される。水平部43の前後方向の寸法は、鉛直部44の上下方向の寸法よりも大きい。垂直面部45は、水平部43と鉛直部44とを繋いでいる。
【0022】
3つの支持部品41F,41S,41Tは、装置本体20の複数個所を支持する。具体的には、3つの支持部品41F,41S,41Tは、装置本体20の左右方向の両端部及び中間部に配置されている。左端部に配置されている支持部品41Fは、手洗い器21を支持している(図5参照)。第一支持部品41Fは、水栓11よりも左側に位置している。右端部に配置されている第二支持部品41Sは、棚22を支持している。中間部に配置されている第三支持部品41Tは、手洗い器21及び棚22の両方を支持している。第三支持部品41Tは、棚22の下側であり、棚22と手洗い器21との境界部分に配置されている。第三支持部品41Tは、鉢部28と紙巻器60との間に位置している。第一支持部品41F及び第二支持部品41Sは、同一形状をなしている。第三支持部品41Tは、第一支持部品41F及び第二支持部品41Sと左右対称な形状をなしている。第一支持部品41F及び第三支持部品41Tは、手洗い器21を支持する手洗い支持部材を構成している。
【0023】
連結部品42は、図1に示すように、第二支持部品41Sと第三支持部品41Tとを連結している。連結部品42は、全体として左右方向に長い形状をなしている。連結部品42の長手方向の両端は、第二支持部品41S及び第三支持部品41Tのそれぞれに連結されている。
【0024】
連結部品42は、紙巻器60が固定される紙巻き固定部48と、壁面1に固定される壁面固定部49と、を備えている。紙巻き固定部48は、左右方向に長い長方形の板状をなしている。紙巻き固定部48の板面は、取付状態において水平に配置される。紙巻き固定部48には、締結具によって下側から紙巻器60が固定される。紙巻き固定部48には、複数の固定具締結孔48Hが形成されている。複数の固定具締結孔48Hは、左右方向に並べて形成されている。壁面固定部49は、紙巻き固定部48の後縁から上方に屈曲している。壁面固定部49は、締結具によって壁面1に前側から固定される。第二支持部品41S、第三支持部品41T及び連結部品42は、棚22を支持する棚支持部材を構成している。
【0025】
多目的バー50は、図1に示すように、金属製の板材によって形成されている。多目的バー50は、正面バー51、側面バー52、及び取付バー53を有している。正面バー51は、左右方向に延びている。側面バー52は、正面バー51の両端から後側に屈曲されて延びている。正面バー51と側面バー52とは直交している。左右の側面バー52の後端にはそれぞれ、締結具によって壁面1に前側から固定される壁面固定部54が設けられている。
【0026】
多目的バー50は、図1に示すように、第一支持部品41F及び第三支持部品41Tに連結されている。第一支持部品41F及び第三支持部品41Tの前端は、多目的バー50に支持されている。多目的バー50は、第一支持部品41F及び第三支持部品41Tを介して装置本体20を支持する。装置本体20は、支持部材40と多目的バー50との両方に支持される。
【0027】
多目的バー50は、図2に示すように、手洗い器21の真下に配置される。正面バー51は、前壁24Mの下端と平行をなして水平に延びている。正面バー51の左右方向の寸法は、手洗い器21の左右方向の寸法と同等である。正面バー51は、鉢部28の下端よりも若干下側に位置している。
【0028】
取付バー53は、図1に示すように、左右の側面バー52の前後方向略中心から上側に延びている。各取付バー53は、側面バー52と直交している。各取付バー53の上端には、締結具によって第一支持部品41F及び第三支持部品41Tに下側から固定される部品固定部55が設けられている。部品固定部55は、第一支持部品41F及び第三支持部品41Tの水平部43に下側から連結される。
【0029】
紙巻器60は、棚22の真下に配置される。紙巻器60は、締結具によって連結部品42の紙巻き固定部48に下側から固定される。紙巻器60は、紙切板61と、紙支持バー62と、固定片63と、を備えている。紙切板61、紙支持バー62及び固定片63はいずれも金属製である。
【0030】
紙切板61は、紙支持バー62にセットされたロールペーパーの上側を覆う。紙切板61は、ロールペーパーの上面に沿うように緩く湾曲している。紙切板61は、回転軸61Rを中心に上下方向に変位する。紙切板61は、回転軸61Rから前側に延出している。紙切板61は、回転軸61Rを構成する上バー65に引っ掛かる掛かり部64を有している(図10参照)。掛かり部64は、紙切板61の上端部に設けられている。
【0031】
紙支持バー62は、ロールペーパーを支持する。紙支持バー62は、金属製の棒状部材を屈曲して形成される。紙支持バー62は、回転軸61Rに沿って延びる上バー65と、上バー65の左端から下方に延びる延出バー66と、延出バー66の下端から右方に向かって延びる下バー67とを有している(図6参照)。上バー65は、紙切板61を回転自在に保持している(図10参照)。上バー65の中心軸は、紙切板61の回転軸61Rと一致している。紙支持バー62は、手洗い器21とは反対側からロールペーパーをセットできる。ロールペーパーは、下バー67の右側から下バー67にセットされる。
【0032】
固定片63は、図1に示すように、締結具によって紙巻き固定部48に下側から固定される。固定片63は、板状をなしている。紙巻き固定部48に対する固定片63の取り付け位置は、紙巻き固定部48に形成された複数の固定具締結孔48Hによって左右方向に調整できる。これによって、手洗い装置10を左側の壁面に取り付ける場合や右側の壁面1に取り付ける場合等に応じて紙巻器60の左右方向の位置を変更できる。固定片63には、左右方向に上バー65が通されている。上バー65は、締結具によって固定片63に固定されている。
【0033】
カバー70は、合成樹脂製である。カバー70は、図1に示すように、手洗いカバー71と、棚カバー72とを備えている。手洗いカバー71と棚カバー72とは別体に形成されている。手洗いカバー71は、手洗い器21の下面を覆う。棚カバー72は、棚22の下面を覆う。手洗いカバー71及び棚カバー72は、それぞれ締結具によって装置本体20の部材固定部25に下側から固定される。
【0034】
カバー70は、図7に示すように、装置本体20の下面に取り付けられている。手洗いカバー71及び棚カバー72は同一平面上に配置されている。カバー70の周囲は、周面部24に囲まれている。カバー70は、3つの支持部品41F,41S,41T及び連結部品42の下側を覆っている。3つの支持部品41F,41S,41T及び連結部品42は、装置本体20及びカバー70によって覆われるから、外部に露出しない。
【0035】
前壁24Mは、図2に示すように、前側から見ると水平方向に長い帯状をなしている。前壁24Mの上端及び下端は、互いに平行をなして水平に延びている。前壁24Mは、手洗い前壁81、棚前壁82及び中間前壁83を有している。手洗い前壁81は、前壁24Mを前側から見て左側の部分である。棚前壁82は、前壁24Mを前側から見て右側の部分である。中間前壁83は、手洗い前壁81と棚前壁82との間に位置している。
【0036】
中間前壁83は、図3に示すように、手洗い前壁81と棚前壁82とを繋いでいる。中間前壁83は、手洗い前壁81の右端から棚前壁82の左端まで延びている。中間前壁83は手洗い前壁81及び棚前壁82に対して直交している。中間前壁83の高さ寸法は、手洗い前壁81及び棚前壁82の高さ寸法と等しい(図10参照)。
【0037】
前壁24Mは、図9及び図10に示すように、装置本体20の上面から鉛直に垂下している。前壁24Mの下端は、各支持部品41F,41S,41Tの鉛直部44の下端よりも下側に位置している。これによって、前側から見ると、3つの支持部品41F,41S,41Tは前壁24Mによって隠される(図2参照)。
【0038】
手洗い前壁81は、図9に示すように、第一支持部品41F及び第三支持部品41Tよりも前方に位置している。取付状態において手洗い前壁81は、壁面1と平行に配置される。手洗い前壁81の下端は、上下方向において手洗いカバー71の下面とほぼ同じ高さもしくは、少し下側に位置している。手洗い前壁81の下端は、鉢部28の上下方向の中心あたりに位置している。手洗い前壁81の下端と正面バー51との間には、タオルを容易に通せる間隔があいている。前後方向において正面バー51の位置と手洗い前壁81の位置は同じである。これによって、多目的バー50は、平面視、手洗い器21によって隠される(図3参照)。
【0039】
棚前壁82は、図10に示すように、第二支持部品41S、第三支持部品41T及び連結部品42よりも前方に位置している。取付状態において棚前壁82は、壁面1と平行に配置される。棚前壁82の下端は、紙巻器60の上バー65の下端よりも下側に位置している。手洗い装置10を前側から見ると、棚前壁82によって紙切板61の上端部及び固定片63は隠される(図2参照)。
【0040】
手洗い装置10をトイレ室の壁面1に取り付ける作業の一例を説明する。最初に、3つの支持部品41F,41S,41T、連結部品42及び多目的バー50を互いに連結し、1つの壁面取付部材を構成する。具体的には、図1に示すように、多目的バー50の左右の部品固定部55と、第一支持部品41F及び第三支持部品41Tそれぞれの水平部43とを、締結具によって連結する。第二支持部品41S及び第三支持部品41Tそれぞれの垂直面部45と、連結部品42の両端部とを、締結具によって連結する。
【0041】
次いで、組み付けられた壁面取付部材をトイレ室の壁面1の所定位置に固定する。具体的には、3つの支持部品41F,41S,41Tの鉛直部44と、連結部品42の壁面固定部49と、多目的バー50の壁面固定部54とをそれぞれ締結具によって壁面1に固定する。壁面取付部材の固定位置は、紙巻器60の位置を基準に定める。これによって、手洗い器21、棚22、及び多目的バー50の配置を一度に完了できる。
【0042】
次に、予め給水管2に手洗いカバー71を通した後、壁面1に固定された壁面取付部材の上側に装置本体20を被せ付ける。装置本体20の部材固定部25を、3つの支持部品41F,41S,41Tそれぞれの水平部43に、締結具によって下側から固定する。これにより、装置本体20は、壁面取付部材に固定される。
【0043】
次に、装置本体20の下側にカバー70を取り付ける。具体的には先ず、手洗いカバー71を装置本体20の周面部24の内側に嵌め込む。次いで、手洗いカバー71を装置本体20の部材固定部25に締結具によって下側から固定する。手洗いカバー71は、水栓配置部29の下面、及び鉢部28の周囲を覆った状態になる。また、棚カバー72を装置本体20の周面部24の内側に嵌め込み、棚カバー72を装置本体20の部材固定部25に締結具によって下側から固定する。棚カバー72は、棚22の下面を覆った状態になる。
【0044】
次に、紙巻器60を固定する。具体的には、紙巻器60は、紙巻き固定部48の下面に固定片63を重ね合わせ、下側から締結具により固定される。以上によって、手洗い装置10をトイレ室の壁面1に取り付ける作業が完了する。
【0045】
上記のように構成された実施形態によれば、以下の効果を奏する。手洗い装置10は、手洗い器21と、手洗い支持部材を構成する第一支持部品41F及び第三支持部品41Tと、手洗い前壁81と、を備えている。第一支持部品41F及び第三支持部品41Tは、壁面1に固定され、手洗い器21を支持する。手洗い前壁81は、第一支持部品41F及び第三支持部品41Tよりも前方に位置している。この構成によれば、手洗い前壁81によって第一支持部品41F及び第三支持部品41Tが隠れるから、見た目を良くできる。
【0046】
手洗い装置10は、棚22と、棚支持部材を構成する第二支持部品41S、第三支持部品41T及び連結部品42と、を備えている。棚22は、手洗い器21に隣接している。棚支持部材は、棚22を支持する。手洗い支持部材のうち第三支持部品41Tは、棚支持部材を構成している。この構成によれば、手洗い支持部材の一部は、棚支持部材に兼用されるから、部品点数を低減できる。
【0047】
手洗い装置10は、第二支持部品41S、第三支持部品41T及び連結部品42よりも前方に位置している棚前壁82を備えている。この構成によれば、棚前壁82によって第二支持部品41S、第三支持部品41T及び連結部品42が隠れるから、見た目を良くできる。
【0048】
棚支持部材は、壁面1に固定される第二支持部品41S及び第三支持部品41Tと、第二支持部品41S及び第三支持部品41T同士を連結する連結部品42と、を備えている。この構成によれば、棚支持部材の剛性を高め、棚22の耐久性を向上できる。
【0049】
手洗い装置10は、多目的バー50を有している。多目的バー50は、手洗い器21を支持している。この構成によれば、多目的バー50にタオルや掃除道具などを掛けることができるから、利便性を向上できる。多目的バー50は、支持部材40とともに手洗い器21を支持するから、手洗い器21を安定させることができる。
【0050】
多目的バー50は、第一支持部品41F及び第三支持部品41Tに連結されている。この構成によれば、多目的バー50及び支持部材40の剛性を高め、手洗い装置の耐久性を向上できる。
【0051】
支持部材40は、紙巻き固定部48を有している。この構成によれば、支持部材40の一部は、紙巻き固定部48に兼用されるから、部品点数を低減できる。
【0052】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態において前壁24Mは装置本体20に設けられている。これに限らず、前壁は、カバーに設けてもよい。
(2)上記実施形態において給水管2及び排水管3は床面から延びている。これに限らず、給水管及び排水管は、壁面から延びていても良い。
(3)上記実施形態において装置本体20は手洗い器21と棚22とを一体に有している。これに限らず、装置本体は、手洗い器と棚とを別体に有していてもよい。この場合、手洗い器は、例えば陶器製であってもよい。棚は、例えばセラミック製であってよい。
(4)上記実施形態において第三支持部品41Tは、手洗い支持部材及び棚支持部材の両方を兼ねている。これに限らず、棚支持部材と手洗い支持部材とをそれぞれ専用の支持部品のみによって構成してもよい。
(5)上記実施形態において手洗い装置は多目的バー50を備えている。これに限らず、手洗い装置は多目的バーを備えていなくてもよい。
(6)上記実施形態において多目的バーは、支持部材40及び壁面1の両方に固定される。これに限らず、多目的バーは、支持部材及び壁面のいずれか一方のみに固定されてもよい。
(7)上記実施形態において手洗い装置は紙巻器60を備えている。これに限らず、手洗い装置は紙巻器を備えていなくても良い。
(8)上記実施形態において紙巻器60は、棚支持部材に固定される。これに限らず、紙巻器は、壁面に独立して固定されてもよい。
(9)上記実施形態において棚22の前後方向の寸法及び左右方向の寸法はそれぞれ、手洗い器21の前後方向の寸法及び左右方向の寸法よりも小さい。これに限らず、棚の前後方向の寸法及び左右方向の寸法は、手洗い器の前後方向の寸法及び左右方向の寸法と等しくてもよいし、手洗い器の前後方向の寸法及び左右方向の寸法より大きくてもよい。
(10)上記実施形態において手洗い前壁81の下端は、鉢部28の上下方向の中心あたりに位置している。これに限らず、手洗い前壁の下端は、鉢部の下端と同じ位置もしくは鉢部の下端よりも下側に位置してもよい。言い換えると、手洗い前壁の大きさは、鉢部の全体を隠す大きさにしても良い。この場合、手洗いカバーも鉢部を隠すことになり、鉢部を露出させないようにできる。
【符号の説明】
【0053】
1…壁面、10…手洗い装置、21…手洗い器、22…棚、41F…第一支持部品(手洗い支持部材)、41S…第二支持部品(棚支持部材)、41T…第三支持部品(手洗い支持部材、棚支持部材)、42…連結部品(棚支持部材)、48…紙巻き固定部(紙巻器の固定部)、50…多目的バー、81…手洗い前壁、82…棚前壁
図1
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