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特開2023-133853施錠機構の取付構造及びその取付方法
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  • 特開-施錠機構の取付構造及びその取付方法 図1
  • 特開-施錠機構の取付構造及びその取付方法 図2
  • 特開-施錠機構の取付構造及びその取付方法 図3
  • 特開-施錠機構の取付構造及びその取付方法 図4
  • 特開-施錠機構の取付構造及びその取付方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133853
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】施錠機構の取付構造及びその取付方法
(51)【国際特許分類】
   E05B 9/08 20060101AFI20230920BHJP
   E05B 65/02 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
E05B9/08 C
E05B65/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039074
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】391063396
【氏名又は名称】株式会社ナイキ
(74)【代理人】
【識別番号】100141586
【弁理士】
【氏名又は名称】沖中 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】小山 裕康
(57)【要約】
【課題】扉のパネルに施錠機構を取り付ける取付作業を、簡単に行うことができるようにした施錠機構の取付構造を提供すること。
【解決手段】スチール製の収納庫の扉のパネルPに形成した取付穴2に施錠機構1を取り付けるようにした施錠機構の取付構造において、施錠機構1のシリンダ部11に、取付穴2に形成したキー溝21に嵌入するキー部11aと、取付穴2の周縁部20に係止される可動爪部12aとを備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉のパネルに形成した取付穴に施錠機構を取り付けるようにした施錠機構の取付構造において、前記施錠機構のシリンダ部に、取付穴に形成したキー溝に嵌入するキー部と、取付穴の周縁部に係止される可動爪部とを備えてなることを特徴とする施錠機構の取付構造。
【請求項2】
施錠機構のシリンダ部に、取付穴の周縁部に係止される可動爪部を備えた合成樹脂製の円筒形状をしたホルダーを嵌着してなることを特徴とする請求項1に記載の施錠機構の取付構造。
【請求項3】
扉のパネルに形成した取付穴に施錠機構を取り付けるようにした施錠機構の取付方法において、
施錠機構に、かんぬきを備えるとともに、施錠機構のシリンダ部に、取付穴に形成したキー溝に嵌入するキー部と、取付穴の周縁部に係止される可動爪部とを備えてなり、
取付穴に施錠機構のかんぬきの先端部から基部までを挿入し、
取付穴に形成したキー溝にキー部を合致させた状態で、取付穴に施錠機構のシリンダ部を嵌入して、取付穴の周縁部に可動爪部を係止させ、
取付穴の周縁部をシリンダ部のフランジと可動爪部とで挟持するようにする
ことを特徴とする施錠機構の取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スチール製の収納庫等における施錠機構の取付構造及びその取付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スチール製の収納庫等に用いられる施錠機構においては、扉のパネルに形成した円形の取付穴に施錠機構を直接取り付ける取付構造が採用されていた。
この施錠機構の取付構造は、具体的には、扉のパネルに形成した円形の取付穴に施錠機構のシリンダ部を嵌入し、取付穴の周縁部をシリンダ部のフランジとシリンダ部に係合する止め輪やシリンダ部に螺合するナットとで挟持することで、扉のパネルに施錠機構を直接取り付けるようにしている(例えば、特許文献1~2参照。)。
【0003】
ところで、従来の施錠機構の取付構造は、扉のパネルに施錠機構を取り付ける際に、シリンダ部に止め輪を係合したり、シリンダ部にナットを螺合する必要があるため、扉のパネルに施錠機構を取り付ける取付作業に手数を要するという問題があり、特に、収納庫本体に多くの扉を取り付けるようにした個人用ロッカー等の場合は、この問題が顕著であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭58-136551号公報
【特許文献2】実開平3-74760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記スチール製の収納庫等における施錠機構の取付構造が有する問題点に鑑み、扉のパネルに施錠機構を取り付ける取付作業を、簡単に行うことができるようにした施錠機構の取付構造及びその取付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の施錠機構の取付構造は、扉のパネルに形成した取付穴に施錠機構を取り付けるようにした施錠機構の取付構造において、前記施錠機構のシリンダ部に、取付穴に形成したキー溝に嵌入するキー部と、取付穴の周縁部に係止される可動爪部とを備えてなることを特徴とする。
【0007】
この場合において、施錠機構のシリンダ部に、取付穴の周縁部に係止される可動爪部を備えた合成樹脂製の円筒形状をしたホルダーを嵌着してなるようにすることができる。
【0008】
また、本発明の施錠機構の取付方法は、扉のパネルに形成した取付穴に施錠機構を取り付けるようにした施錠機構の取付方法において、
施錠機構に、かんぬきを備えるとともに、施錠機構のシリンダ部に、取付穴に形成したキー溝に嵌入するキー部と、取付穴の周縁部に係止される可動爪部とを備えてなり、
取付穴に施錠機構のかんぬきの先端部から基部までを挿入し、
取付穴に形成したキー溝にキー部を合致させた状態で、取付穴に施錠機構のシリンダ部を嵌入して、取付穴の周縁部に可動爪部を係止させ、
取付穴の周縁部をシリンダ部のフランジと可動爪部とで挟持するようにする
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の施錠機構の取付構造及びその取付方法によれば、キー溝の位置にキー部を合致させた状態で、取付穴に施錠機構のシリンダ部を嵌入して、取付穴の周縁部に可動爪部を係止させ、取付穴の周縁部をシリンダ部のフランジと可動爪部とで挟持するようにすることで、扉のパネルに形成した取付穴に施錠機構を直接ワンタッチで取り付けることができ、扉のパネルに施錠機構を取り付ける取付作業を、簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の施錠機構の取付構造に用いる施錠機構を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は背面図、(e)は取付穴、(f)は鍵である。
図2】同施錠機構の本体を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は背面図、(d)は底面図、(e)は右側面図、(f1)は(e)のA線端面図、(f2)は(e)のB線端面図、(f3)は(e)のC線端面図、(f4)は(e)のD線端面図、(f5)は(e)のE線端面図、(f6)は(e)のF線端面図、(f7)は(e)のG線端面図、(f8)は(e)のH線端面図、(f9)は(e)のI線端面図、(g1)は(b)のJ線端面図、(g2)は(b)のK線端面図、(g3)は(b)のL線端面図である。
図3】同施錠機構のホルダーを示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は背面図、(d)は底面図、(e)は右側面図、(f)は(d)のA線端面図、(g)は(a)のB線端面図、(h)は(a)のC線端面図である。
図4】本発明の施錠機構の取付構造を適用したスチール製の収納庫の扉に施錠機構を取り付ける工程を示す説明図(平面視)である。
図5】同施錠機構の取付構造を適用したスチール製の収納庫の扉に施錠機構を取り付ける工程を示す説明図(斜視)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の施錠機構の取付構造及びその取付方法の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0012】
図1図5に、本発明の施錠機構の取付構造及びその取付方法をスチール製の収納庫の扉に適用した一実施例を示す。
この施錠機構の取付構造は、スチール製の収納庫の扉のパネルPに形成した円形の取付穴2に施錠機構1を取り付けるようにした施錠機構の取付構造において、施錠機構1のシリンダ部11に、取付穴2に形成したキー溝21に嵌入するキー部11aと、取付穴2の周縁部20に係止される可動爪部12aとを備えるようにしている。
【0013】
この場合において、施錠機構1のシリンダ部11は、金属製のものからなり、キー部11aを一体に形成するとともに、シリンダ部11の外周に円筒形状をしたホルダー12を嵌着し、さらに、キーKによって施解錠される錠前13と、キーKによって錠前13を回転操作することにより、カム機構14を介して直線動作するかんぬき15とを備えるようにしている。
【0014】
施錠機構1のシリンダ部11に形成したキー部11aの幅方向の寸法は、取付穴2に形成したキー溝21の幅方向の寸法に対して、所定の寸法公差になるように設定するようにする。
【0015】
施錠機構1は、直線動作するかんぬき15を備えたもののほか、キーKによって錠前13を回転操作することによりかんぬきを回転動作させるもの(回転ラッチ錠)を用いるこ
ともできる。
【0016】
シリンダ部11の外周に嵌着される円筒形状をしたホルダー12は、ポリアセタール樹脂(POM)等の合成樹脂製のものからなり、取付穴2の周縁部20に係止される可動爪部12aを備えるようにしている。
【0017】
ホルダー12に備えた可動爪部12aは、その先端部が、円筒形状をしたホルダー12の外周面より、無負荷状態で外周側に1~2mm程度(本実施例においては、1.2mm。)突出した形状に形成され、扉のパネルPに形成した取付穴2に施錠機構1のシリンダ部11を嵌入したとき、ばね性により内方に向けて変形して、取付穴2を通過した後、ホルダー12の外周面より外周側に突出した状態に復帰するようにしている。
ここで、円筒形状をしたホルダー12の外径は、取付穴2の直径より0.1~0.5mm程度(本実施例においては、0.2mm。)小さく形成するようにしている。
【0018】
ホルダー12に備えた可動爪部12aの先端部と施錠機構1のシリンダ部11のフランジ11bの下面との間隔は、扉のパネルPの厚み(本実施例においては、1.0mm。)と略同寸法(本実施例においては、1.0mm。)になるように設定するようにする。
【0019】
次に、この施錠機構1の取付方法について、かんぬき15を取り付けた状態の施錠機構1をスチール製の収納庫の扉に取り付ける場合を例に説明する。
まず、取付穴2に施錠機構1のかんぬき15の先端部から基部までを挿入する(図4(1)~(3)、図5(1)~(3))。
次に、取付穴2に形成したキー溝21にキー部11aを合致させた状態で、取付穴2に施錠機構1のシリンダ部11を嵌入することで、取付穴2の周縁部20に取付穴2を通過したホルダー12の可動爪部12aを係止させる(図4(4)~(5)、図5(4)~(5))。
これにより、取付穴2の周縁部20を施錠機構1のシリンダ部11のフランジ11bとホルダー12に備えた可動爪部12aとで挟持することで、取付穴2に形成したキー溝21にシリンダ部11に形成したキー部11aが嵌入されていることと相俟って、施錠機構1を扉のパネルPに形成した円形の取付穴2に、シリンダ部11の軸方向に動いたり、シリンダ部11の軸まわりに回転したりすることなく、確実に取り付けることができる。
【0020】
この施錠機構1の取付構造及びその取付方法によれば、扉のパネルPに形成した取付穴2に、かんぬき15を取り付けた状態の施錠機構1を直接ワンタッチで取り付けることができ、施錠機構1をかんぬき15を取り付けた状態で取り付けることができることと相俟って、扉のパネルPに施錠機構を取り付ける取付作業を、簡単に行うことができる。
【0021】
以上、本発明の施錠機構の取付構造及びその取付方法について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明の施錠機構の取付構造及びその取付方法は、扉のパネルに施錠機構を取り付ける取付作業を、簡単に行うことができることから、オフィス等において用いられる従業員毎に割り当てられた扉体付き収納庫(個人用ロッカー)に好適に用いることができるほか、スチール製の収納庫等に広く用いることができる。
【符号の説明】
【0023】
1 施錠機構
11 シリンダ部
11a キー部
12 ホルダー
12a 可動爪部
13 錠前
14 カム機構
15 かんぬき
2 取付穴
20 周縁部
21 キー溝
K キー
P 扉のパネル
図1
図2
図3
図4
図5