(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133881
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】船舶
(51)【国際特許分類】
B63B 11/04 20060101AFI20230920BHJP
B63B 29/02 20060101ALI20230920BHJP
B63H 21/38 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
B63B11/04 A
B63B11/04 B
B63B29/02
B63H21/38 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039121
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】503218067
【氏名又は名称】住友重機械マリンエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】岡山 優
(57)【要約】
【課題】燃料貯留部を合理的に配置することができる船舶を提供する。
【解決手段】燃料貯留部60は少なくとも上甲板19より上に設けられる。従って、燃料貯留部60は、船体11の上甲板19より上側の位置で燃料を貯留しておくことができる。また、平面視において、燃料貯留部60と居住区33とは、少なくとも一部で重なるように配置される。ここで、船体11には、上甲板19上の居住区33を支持するための既存の補強構造が設けられている。燃料貯留部60が平面視において居住区と重なるように配置されている場合、既存の補強構造を用いて燃料貯留部60を支持することができる。また、燃料貯留部60が平面視において居住区33と重なるように配置されていれば、燃料貯留部60が居住区33の見通しを妨げることを回避することができる。このように、燃料貯留部60を合理的に配置することができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上甲板を有する船体と、
前記船体に設けられる居住区と、
燃料を貯留する燃料貯留部と、を備え、
前記燃料貯留部は少なくとも前記上甲板より上に設けられ、
平面視において、前記燃料貯留部と前記居住区とは、少なくとも一部で重なるように配置される、船舶。
【請求項2】
前記燃料貯留部は、前記燃料として、水素、アンモニア、液化天然ガスの少なくともいずれかを貯留する、請求項1に記載の船舶。
【請求項3】
前記燃料貯留部は、前記居住区を含む上部構造の一層目に設けられる、請求項1又は2に記載の船舶。
【請求項4】
前記燃料貯留部と、機関室に配置されたエンジンとは引出配管で接続され、
前記燃料貯留部から引き出された前記引出配管は、前記船体における上下方向に延びる隔壁を貫通することなく、前記エンジンに接続される、請求項1~3の何れか一項に記載の船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、船舶に求められる環境規制から、アンモニア、水素、液化天然ガス等の燃料を貯留するタンクを船体に設ける場合がある。例えば、特許文献1に示す船舶では、アンモニアを貯留するタンクを設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述のような燃料貯留部は、船体の上甲板の上に設けられる。しかしながら、上記燃料を貯留する燃料貯留部の場合、重量が重くなるばかりか貯留容量も大きくなる。従って、上甲板の上に燃料貯留部を配置するための補強構造が必要になったり、配置によっては居住区や操舵室からの見通しを妨げるなどの問題が生じる。従って、燃料貯留部の合理的な配置が求められていた。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、アンモニア、液化天然ガス、水素等の燃料貯留部を合理的に配置することができる船舶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る船舶は、上甲板を有する船体と、船体に設けられる居住区と、燃料を貯留する燃料貯留部と、を備え、燃料貯留部は少なくとも上甲板より上に設けられ、平面視において、燃料貯留部と居住区とは、少なくとも一部で重なるように配置される。
【0007】
本発明に係る船舶において、燃料貯留部は少なくとも上甲板より上に設けられる。従って、燃料貯留部は、船体の上甲板より上側の位置で燃料を貯留しておくことができる。また、平面視において、燃料貯留部と居住区とは、少なくとも一部で重なるように配置される。ここで、船体には、上甲板上の居住区を支持するための既存の補強構造が設けられている。燃料貯留部が平面視において居住区と重なるように配置されている場合、既存の補強構造を用いて燃料貯留部を支持することができる。また、燃料貯留部が平面視において居住区と重なるように配置されていれば、燃料貯留部が居住区や操舵室の見通しを妨げることを回避することができる。このように、燃料貯留部を合理的に配置することができる。
【0008】
燃料貯留部は、燃料として、水素、アンモニア、液化天然ガスの少なくともいずれかを貯留してよい。これらの燃料の燃料貯留部は、化石燃料に比して容積が大きくなる傾向にあるが、平面視において居住区と重なるように配置することで、十分なスペースを確保できる。
【0009】
燃料貯留部は、居住区を含む上部構造の一層目に設けられてよい。この場合、燃料貯留部の重心高さを低くすることができる。また、居住区の既存の補強構造で燃料貯留部を支持しやすくなる。また、機関室と居住区との間に燃料貯留部を配置することができるので、燃料貯留部が機関室からの居住区に対する騒音の緩衝材として機能することができる。
【0010】
燃料貯留部と、機関室に配置されたエンジンとは引出配管で接続され、燃料貯留部から引き出された引出配管は、船体における上下方向に延びる隔壁を貫通することなく、エンジンに接続されてよい。この場合、引出配管を短くすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、燃料貯留部を合理的に配置することができる船舶を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る船舶の一例を示す概略断面図である。
【
図4】変形例に係る船舶の船尾側の構造の概略平面図である。
【
図5】変形例に係る船舶の船尾側の構造の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、「前」「後」の語は船体の進行方向に対応するものであり、「横」の語は船体の左右(幅)方向に対応するものであり、「上」「下」の語は船体の上下方向に対応するものである。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る船舶の一例を示す概略断面図である。船舶1は、例えば原油や液体ガス等の石油系液体貨物を運搬する船舶であり、例えば、オイルタンカーである。なお、船舶は、オイルタンカーに限定されず、例えば、バルクキャリア、その他、様々な種類の船舶であってよい。
【0015】
船舶1は、
図1に示すように、船体11と、推進器12と、を備えている。船体11は、船首部2と、船尾部3と、機関室4と、ポンプ室5と、貨物室6と、を有している。船体11の上部には(または船内には)上甲板19が設けられている。船首部2は、船体11の前方側に位置している。船尾部3は、船体11の後方側に位置している。船尾部3は、上から順に舵機室36、舵機室下スペース37、及び船尾構造38を有している。舵機室36は、舵15を操舵するための舵取機などを配置するためのスペースである。舵機室下スペース37は、舵機室7の下側に設けられるスペースである。船尾構造38は、舵機室下スペース37の下側に設けられ、推進軸系の一部を構成する部分である。
【0016】
船首部2は、例えば満載喫水状態における造波抵抗の低減が図られた形状を有している。推進器12は、船体11を推進させるものであり、例えばスクリューシャフトが用いられている。推進器12は、推進時に船尾部3における喫水線(海Wの水面)よりも下方に設置される。また、船尾部3における喫水線よりも下方には、推進方向を調整するための舵15が設置されている。
【0017】
機関室4は、船尾部3の船首側に隣り合う位置に設けられている。機関室4は、推進器12に駆動力を付与するためのエンジン16を配置するための区画である。上甲板19上には、機関室4の上方に居住区33、及び排気用の煙突34が設けられる。なお、上甲板19上に設けられる、居住区33を含む構造物を上部構造100と称する場合がある。ポンプ室5は、機関室4の船首側に隣り合う位置に設けられている。ポンプ室5は、ポンプ17等が配置される区画である。貨物室6は、船首部2とポンプ室5との間に設けられている。貨物室6は、例えば石油系貨物を収容するための区画である。貨物室6は、外板20と内底板21の二重船殻構造を採用することによって、複数のカーゴオイルタンク26と複数のバラストタンク27とに区画されている。カーゴオイルタンク26は、船舶1によって運搬される石油系貨物を積載する。バラストタンク27は、船の大きさ等に応じた量のバラスト水を収容する。
【0018】
図2及び
図3を参照して、船舶1の船尾側の構造について詳細に説明する。
図2は、船舶1の船尾側の構造の概略側面図である。
図3は、船舶1の船尾側の構造の概略平面図である。
【0019】
図3に示すように、機関室4の前側に隣り合う位置にはポンプ室5が設けられる。機関室4の後側に隣り合う位置には船尾部3が設けられる。機関室4の左右に隣り合う位置には空所41及びC重油などの燃料貯留部42が設けられる。機関室4は、前側において隔壁51でポンプ室5と区切られている。機関室4は、後側において隔壁52で船尾部3と区切られている。機関室4は、左右側において隔壁53,54で空所41及び燃料貯留部42と区切られている。なお、空所41及び燃料貯留部42が設けられず、機関室4が外板まで延びている構造が採用されてもよい。隔壁51及び隔壁52は互いに前後方向に離間して配置されており、上下方向及び横方向に延びる壁部である。隔壁53,54は、互いに左右方向に離間して配置されており、上下方向及び前後方向に延びる壁部である。
【0020】
図2に示すように、上部構造100は、上甲板19上において、機関室4の上方に設けられる。上部構造100は、階層F1~階層F5を有している。上部構造100の一層目の階層F1には燃料貯留部60が設けられる。上部構造100の階層F2,F3,F4には、居住区が設けられる。上部構造100の最上階の階層F5には、操舵室71が設けられる。このように、燃料貯留部60の上側に居住区33が設けられる。また、機関室4と居住区33との間全てに、燃料貯留部60が介在するように設けられる。なお、上部構造100は5層に限定されず、複数層あればよく、例えば、3層であってもよく4層であってもよい。また、大型船では6層であってもよい。
【0021】
燃料貯留部60は、燃料として、水素、アンモニア、液化天然ガスの少なくともいずれかを貯留する。燃料貯留部60は、機関室4に配置されたエンジン16と引出配管L1で接続される。エンジン16は、上部構造100よりも後側にずれた位置に配置されている。従って、引出配管L1は、燃料貯留部60の下面から引き出されて下方へ延びる配管部L1aと、配管部L1aの下端から、後方へ延びる配管部分L1bと、を有する。この引出配管L1は、配管部L1aの上端部が上甲板19を貫通しているが、他の壁部は貫通することなく、機関室4の空間を延びて、エンジン16に接続されている。なお、機関室4内におけるエンジン16の位置は特に限定されず、引出配管L1の配回し構造も特に限定されない。
【0022】
このように、燃料貯留部60から引き出された引出配管L1は、船体11における上下方向に延びる隔壁(後述の隔壁51,52,53,54など)を貫通することなく、エンジン16に接続される。なお、船体11の隔壁とは、機関室4の空間内に設けられた室内の仕切り板などは含まれず、船体11の内部空間を仕切って部屋を形成する壁部のことを意味する。なお、引出配管L1の引き出し経路は、
図2に示すものに限定されない。
【0023】
図3において、上部構造100の壁部は、仮想線で示されている。
図3に示すように、上部構造100の前壁部101は、機関室4の前側の隔壁51上に設けられる(
図2も参照)。上部構造100の後壁部102は、隔壁52から前側へ離間した位置において、ウェブフレーム56(
図2参照)上に設けられる。上部構造100の側壁部103,104は、機関室4の横側の隔壁53,54上に設けられる。このように、隔壁51,53,54及びウェブフレーム56は、居住区33を上甲板19の下側から支持する補強構造として機能する。
【0024】
平面視において、燃料貯留部60と居住区33とは、少なくとも一部で重なるように配置される。本実施形態では、上部構造100の一層目の階層F1全体が燃料貯留部60として構成される。従って、燃料貯留部60は、居住区33からはみ出ることなく、全域で重なる。また、燃料貯留部60の外形は、居住区33の外形と一致するように重なる。上部構造100の前壁部101の階層F1の部分が、燃料貯留部60の前壁部61に該当する。上部構造100の後壁部102の階層F1の部分が、燃料貯留部60の後壁部62に該当する。上部構造100の側壁部103,104の階層F1の部分が、燃料貯留部60の側壁部63,64に該当する。また、上甲板19が燃料貯留部60の底壁部66に該当し、階層F1と階層F2を仕切る隔壁が燃料貯留部60の上壁部67に該当する(
図2参照)。
【0025】
そのため、燃料貯留部60の前壁部61は、機関室4の前側の隔壁51上に設けられる(
図2も参照)。燃料貯留部60の後壁部62は、隔壁52から前側へ離間した位置において、ウェブフレーム56(
図2参照)上に設けられる。燃料貯留部60の側壁部63,64は、機関室4の横側の隔壁53,54上に設けられる。このように、隔壁51,53,54及びウェブフレーム56は、燃料貯留部60を上甲板19の下側から支持する補強構造として機能する。
【0026】
なお、燃料貯留部60の各壁部61,62,63,64,66,67自体が、燃料を貯留するための空間を形成する壁部として用いられてよい。また、各壁部61,62,63,64,66,67で形成される空間の内部に、燃料を貯留するタンクなどを配置してもよい。また、燃料貯留部60の内部に隔壁などを設けてもよい。
【0027】
次に、本実施形態に係る船舶1の作用・効果について説明する。
【0028】
まず、比較例として、
図1において仮想線で示すように、アンモニアタンク200を居住区33の前側において、上甲板19上に設ける構造について説明する。アンモニアタンク200は、化石燃料のタンクに比べて、必要な容積が大きく(約3倍)、重量も重い(約2倍)ため、上甲板19上に配置することが困難である。例えば、アンモニアタンク200の重量を支持するために、既存の船舶1に追加する形で補強構造を設ける必要がある。
【0029】
また、アンモニアタンク200をサドル201を介して上甲板19上に配置するに伴い、船舶1の安定性が低下するという問題がある。また、居住区33の見通しをアンモニアタンク200が妨げてしまうという問題がある。また、アンモニアタンク200を設けることで、N2O排出抑制対策(燃焼時副生成物)を上甲板19上で行う必要がある。また、漏洩・排出時のアンモニアの毒性対策、侵入熱により発生するBOGの処理、腐食性のための材料選定の注意、NOx対策との組み合わせの最適化、未燃アンモニアの排出対策などを、上甲板19上で行わなくてはならない。
【0030】
これに対し、本実施形態に係る船舶1において、燃料貯留部60は少なくとも上甲板19より上に設けられる。従って、燃料貯留部60は、船体11の上甲板19より上側の位置で燃料を貯留しておくことができる。また、平面視において、燃料貯留部60と居住区33とは、少なくとも一部で重なるように配置される。ここで、船体11には、上甲板19上の居住区33を支持するための既存の補強構造が設けられている。燃料貯留部60が平面視において居住区と重なるように配置されている場合、既存の補強構造を用いて燃料貯留部60を支持することができる。また、燃料貯留部60が平面視において居住区33と重なるように配置されていれば、燃料貯留部60が居住区33の見通しを妨げることを回避することができる。このように、燃料貯留部60を合理的に配置することができる。
【0031】
燃料貯留部60は、燃料として、水素、アンモニア、液化天然ガスの少なくともいずれかを貯留してよい。これらの燃料の燃料貯留部60は、化石燃料に比して容積が大きくなる傾向にあるが、平面視において居住区33と重なるように配置することで、十分なスペースを確保できる。
【0032】
燃料貯留部60は、居住区33を含む上部構造100の一層目に設けられてよい。この場合、通常の上甲板に配置する場合に比して、燃料貯留部60の重心高さを低くすることができる。また、居住区33の既存の補強構造で燃料貯留部60を支持しやすくなる。また、機関室4と居住区33との間に燃料貯留部60を配置することができるので、燃料貯留部60が居住区33に対する騒音の緩衝材として機能することができる。
【0033】
燃料貯留部60と、機関室4に配置されたエンジン16とは引出配管L1で接続され、燃料貯留部60から引き出された引出配管L1は、船体11における上下方向に延びる隔壁を貫通することなく、エンジン16に接続されてよい。この場合、引出配管L1を短くすることができる。
【0034】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
【0035】
例えば、
図4に示す構造を採用してもよい。
図4に示す船舶1では、上部構造100の一層目の階層F1の一部に燃料貯留部60が設けられている。この場合、平面視において、燃料貯留部60と居住区33とは、居住区33の一部に対して重なるように配置している。具体的には、階層F1の右側領域に燃料貯留部60が設けられ、左側領域にバッファ室80が設けられる。バッファ室80は、特に用途は限定されないが、機械室などに活用してもよいし、燃料貯留部60との間の空所として確保してもよい。燃料貯留部60の左側の側壁部63は、階層F1でバッファ室80と区切るための隔壁として機能する。バッファ室80の壁部は、側壁部63以外では、上部構造100の壁部と一致する。
【0036】
上部構造100の前壁部101の階層F1の右側の部分が、燃料貯留部60の前壁部61に該当する。上部構造100の後壁部102の階層F1の右側の部分が、燃料貯留部60の後壁部62に該当する。上部構造100の側壁部104の階層F1の部分が、燃料貯留部60の側壁部64に該当する。
【0037】
また、例えば、
図5に示す構造を採用してもよい。
図5に示す船舶1では、上部構造100の一層目の階層F1からはみ出るように燃料貯留部60が設けられている。この場合、平面視において、燃料貯留部60と居住区33とは、居住区33の一部に対して燃料貯留部60の一部と重なるように配置している。具体的には、階層F1の右側領域に燃料貯留部60が設けられ、左側領域にバッファ室80が設けられる。
【0038】
上部構造100の前壁部101の階層F1の右側の部分が、燃料貯留部60の前壁部61に該当する。上部構造100の後壁部102の階層F1の右側の部分が、燃料貯留部60の後壁部62に該当する。燃料貯留部60の右側の側壁部64は、上部構造100の側壁部104の階層F1の部分よりも、右側へ離間した位置に配置される。そのため、燃料貯留部60の右側の一部が、平面視において、居住区33からはみ出るように配置されている。
【0039】
また、上述の実施形態では、燃料貯留部60が、上部構造100の一階目の階層F1に設けられていたが、階層F1に限らない。また、一階目の階層F1の用途は特に限定されず、居住区33以外の用途でも用いられてもよく、機関室4の延長部分として用いることも可能である。また、上部構造100の階層のうち、一層だけに燃料貯留部60が設けられるものに限定されず、二階以上に燃料貯留部60を設けてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1…船舶、11…船体、16…エンジン、33…居住区、60…燃料貯留部、100…上部構造、L1…引出配管。