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特開2023-133890ゲームプログラム、ゲームシステム、端末装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133890
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲームシステム、端末装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/79 20140101AFI20230920BHJP
   A63F 13/45 20140101ALI20230920BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20230920BHJP
   A63F 13/71 20140101ALI20230920BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20230920BHJP
【FI】
A63F13/79
A63F13/45
A63F13/35
A63F13/71
A63F13/533
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039132
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】槙石 隆
(72)【発明者】
【氏名】福西 藍
(57)【要約】
【課題】より適切なゲームをユーザに提供することが可能なゲームプログラムを提供する。
【解決手段】このゲームプログラムは、ゲーム用端末装置5の制御部56を、ゲーム実行手段564と、指定情報設定手段563と、として機能させる。ゲーム実行手段564はゲームを実行する。指定情報設定手段563は、ゲームの実行条件を指定する医療モードパラメータを診断情報に基づいて設定する。ゲーム実行手段564は、医療モードパラメータが設定されていない場合、医療モードパラメータに基づく変更が加えられていない状態でゲームを実行し、医療モードパラメータが設定されている場合、医療モードパラメータに基づく変更が加えられている状態でゲームを実行する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ゲームを実行するゲーム実行手段と、
前記ゲームの実行条件を指定する指定情報を、ユーザの心身の状態または能力に関する評価情報に基づいて設定する指定情報設定手段と、として機能させ、
前記ゲーム実行手段は、
前記指定情報が設定されていない場合、前記指定情報に基づく変更が加えられていない状態で前記ゲームを実行し、
前記指定情報が設定されている場合、前記指定情報に基づく変更が加えられている状態で前記ゲームを実行する
ゲームプログラム。
【請求項2】
前記評価情報は、前記ユーザの心身の状態または能力を診断した第三者を特定することが可能な情報を含む
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、
前記評価情報と第1認証情報とを関連付けて管理する第1サーバ装置、および前記ゲームの進行を管理する第2サーバ装置と通信を行う通信手段と、
前記第1認証情報が記憶される記憶手段と、として更に機能させ、
前記通信手段は、前記記憶手段に記憶された前記第1認証情報を用いて前記第1サーバ装置と通信を行うことにより、前記第1認証情報に関連付けられた前記評価情報を前記第1サーバ装置から取得し、
前記指定情報設定手段は、前記通信手段により取得された前記評価情報に基づいて前記指定情報を設定する
請求項1または2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記ゲームにログインする際に用いられる第2認証情報が前記第2サーバ装置により更に管理され、
前記記憶手段には、前記第2認証情報が更に記憶され、
前記ゲーム実行手段は、
前記第2認証情報を用いて前記第2サーバ装置による認証を受ける際に、前記指定情報を前記第2サーバ装置に送信するとともに、
前記指定情報に対応した前記第2サーバ装置からの指示に基づいて、前記指定情報に基づく変更が加えられた状態で前記ゲームを実行する
請求項3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記第1認証情報は、前記第2認証情報に関連付けられていない状態で前記第1サーバ装置により管理され、
前記第2認証情報は、前記第1認証情報に関連付けられていない状態で前記第2サーバ装置により管理されている
請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータを、
前記第1認証情報を用いて前記第1サーバ装置の認証を受けることにより、前記第1サーバ装置から前記評価情報を取得するアプリケーションを実行するアプリケーション実行手段として更に機能させる
請求項4または5に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記アプリケーション実行手段は、前記第2認証情報に関連付けられない状態で前記第1認証情報を管理し、
前記ゲーム実行手段は、前記第1認証情報に関連付けられない状態で前記第2認証情報を管理する
請求項6に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記ゲーム実行手段は、
前記ユーザの心身の状態または能力を診断した第三者に対応した第3認証情報が前記評価情報に関連付けられている場合、前記指定情報に基づく変更が加えられた状態で前記ゲームを実行し、
前記第3認証情報が前記評価情報に関連付けられていない場合、前記指定情報に基づく変更が加えられていない状態で前記ゲームを実行する
請求項1~7のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
前記ゲーム実行手段は、前記指定情報に基づく変更が加えられた状態で実行可能なゲームを複数有するものであり、前記評価情報に基づいて複数の前記ゲームのうちのいずれを実行するかを決定する
請求項1~8のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項10】
前記ゲーム実行手段は、前記指定情報に基づいて、前記ゲームの進行に関する優遇度合いを変更する
請求項1~9のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項11】
前記コンピュータを、
前記ゲームの画面をディスプレイに表示する表示制御手段として更に機能させ、
前記通信手段は、前記ゲームのプレイ履歴を前記第1サーバ装置に送信可能であり、
前記通信手段から前記第1サーバ装置から送信される前記プレイ履歴は、前記第1認証情報と関連付けられて前記第1サーバ装置により管理され、
前記表示制御手段は、前記通信手段から前記第1サーバ装置への前記ゲームのプレイ履歴の送信の許可および禁止を切り替えることが可能な画面を前記ディスプレイに表示する
請求項3~7のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項12】
前記指定情報は、前記ゲームの制御パラメータである
請求項1~11のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項13】
前記指定情報は、前記ゲームの制御パラメータに関連付けられた関連パラメータである
請求項1~11のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項14】
ゲームを実行するゲーム実行部と、
前記ゲームの実行条件を指定する指定情報を、ユーザの心身の状態または能力に関する評価情報に基づいて設定する指定情報設定部と、を備え、
前記ゲーム実行部は、
前記指定情報が設定されていない場合、前記指定情報に基づく変更が加えられていない状態で前記ゲームを実行し、
前記指定情報が設定されている場合、前記指定情報に基づく変更が加えられている状態で前記ゲームを実行する
ゲームシステム。
【請求項15】
前記ユーザにより操作される端末装置と、
前記評価情報と第1認証情報とを関連付けて管理する第1サーバ装置と、
前記ゲームの進行を管理する第2サーバ装置と、を備え、
前記端末装置は、前記指定情報設定部と、前記ゲーム実行部と、前記第1サーバ装置および前記第2サーバ装置と通信を行う通信部と、前記第1認証情報が記憶される記憶部と、を有し、
前記通信部は、前記記憶部に記憶された前記第1認証情報を用いて前記第1サーバ装置と通信を行うことにより、前記第1認証情報に関連付けられた前記評価情報を前記第1サーバ装置から取得し、
前記指定情報設定部は、前記通信部により取得された前記評価情報に基づいて前記指定情報を設定する
請求項14に記載のゲームシステム。
【請求項16】
前記端末装置または前記第2サーバ装置を送信元装置とするとき、
前記送信元装置は、前記ゲームのプレイ履歴を前記第1サーバ装置に送信し、
前記第1サーバ装置は、前記送信元装置から送信される前記プレイ履歴を前記第1認証情報と関連付けて管理することが可能であり、
前記端末装置は、前記ゲームの画面をディスプレイに表示する表示制御部を更に有し、
前記表示制御部は、前記送信元装置から前記第1サーバ装置への前記ゲームのプレイ履歴の送信の許可および禁止を切り替えることが可能な画面を前記ディスプレイに表示する
請求項15に記載のゲームシステム。
【請求項17】
前記端末装置とは別の補助端末装置を更に備え、
前記第1サーバ装置は、前記補助端末装置からの要求に基づいて、前記送信元装置から前記第1サーバ装置への前記ゲームのプレイ履歴の送信の許可および禁止を切り替える
請求項16に記載のゲームシステム。
【請求項18】
前記端末装置または前記第2サーバ装置を送信元装置とするとき、
前記送信元装置は、前記ゲームのプレイ履歴を前記第1サーバ装置に送信し、
前記第1サーバ装置は、前記送信元装置から送信される前記プレイ履歴を前記第1認証情報と関連付けて管理することが可能であり、
前記端末装置は、前記ゲームの画面をディスプレイに表示する表示制御部を更に有し、
前記表示制御部は、前記第1サーバ装置が前記プレイ履歴を前記第1認証情報と関連付けて記憶することの許可および禁止を切り替えることが可能な画面を前記ディスプレイに表示する
請求項15に記載のゲームシステム。
【請求項19】
前記端末装置とは別の補助端末装置を更に備え、
前記第1サーバ装置は、前記補助端末装置からの要求に基づいて、前記プレイ履歴を前記第1認証情報と関連付けて記憶するか否かを変更する
請求項18に記載のゲームシステム。
【請求項20】
ゲームを実行するゲーム実行部と、
前記ゲームの実行条件を指定する指定情報を、ユーザの心身の状態または能力に関する評価情報に基づいて設定する指定情報設定部と、を備え、
前記ゲーム実行部は、
前記指定情報が設定されていない場合、前記指定情報に基づく変更が加えられていない状態で前記ゲームを実行し、
前記指定情報が設定されている場合、前記指定情報に基づく変更が加えられている状態で前記ゲームを実行する
端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲームシステム、および端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1に記載のゲームシステムはユーザに認知訓練ゲームを提供する。このゲームシステムでは、ユーザのパフォーマンスに基づいてゲームの難易度を最適化することにより、ユーザの認知能力の改善を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2017-518856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のゲームシステムでは、例えばユーザのゲーム上のパフォーマンスがユーザの実際の心身の状態などから乖離しているような場合に、適切なゲームをユーザに提供できない可能性がある。
本開示の目的は、より適切なゲームをユーザに提供することが可能なゲームプログラム、ゲームシステム、および端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の側面は、コンピュータを、
ゲームを実行するゲーム実行手段と、
前記ゲームの実行条件を指定する指定情報を、ユーザの心身の状態または能力に関する評価情報に基づいて設定する指定情報設定手段と、として機能させ、
前記ゲーム実行手段は、
前記指定情報が設定されていない場合、前記指定情報に基づく変更が加えられていない状態で前記ゲームを実行し、
前記指定情報が設定されている場合、前記指定情報に基づく変更が加えられている状態で前記ゲームを実行する
ゲームプログラムである。
【0006】
第1の側面において、前記評価情報は、前記ユーザの心身の状態または能力を診断した第三者を特定することが可能な情報を含むことができる。
第1の側面において、前記コンピュータを、
前記評価情報と第1認証情報とを関連付けて管理する第1サーバ装置、および前記ゲームの進行を管理する第2サーバ装置と通信を行う通信手段と、
前記第1認証情報が記憶される記憶手段と、として更に機能させ、
前記通信手段は、前記記憶手段に記憶された前記第1認証情報を用いて前記第1サーバ装置と通信を行うことにより、前記第1認証情報に関連付けられた前記評価情報を前記第1サーバ装置から取得し、
前記指定情報設定手段は、前記通信手段により取得された前記評価情報に基づいて前記指定情報を設定することができる。
【0007】
第1の側面において、前記ゲームにログインする際に用いられる第2認証情報が前記第2サーバ装置により更に管理され、
前記記憶手段には、前記第2認証情報が更に記憶され、
前記ゲーム実行手段は、
前記第2認証情報を用いて前記第2サーバ装置による認証を受ける際に、前記指定情報を前記第2サーバ装置に送信するとともに、
前記指定情報に対応した前記第2サーバ装置からの指示に基づいて、前記指定情報に基づく変更が加えられた状態で前記ゲームを実行することができる。
【0008】
第1の側面において、前記第1認証情報は、前記第2認証情報に関連付けられていない状態で前記第1サーバ装置により管理され、
前記第2認証情報は、前記第1認証情報に関連付けられていない状態で前記第2サーバ装置により管理されていることができる。
【0009】
第1の側面において、前記コンピュータを、
前記第1認証情報を用いて前記第1サーバ装置の認証を受けることにより、前記第1サーバ装置から前記評価情報を取得するアプリケーションを実行するアプリケーション実行手段として更に機能させることができる。
【0010】
第1の側面において、前記アプリケーション実行手段は、前記第2認証情報に関連付けられない状態で前記第1認証情報を管理し、
前記ゲーム実行手段は、前記第1認証情報に関連付けられない状態で前記第2認証情報を管理することができる。
【0011】
第1の側面において、前記ゲーム実行手段は、
前記ユーザの心身の状態または能力を診断した第三者に対応した第3認証情報が前記評価情報に関連付けられている場合、前記指定情報に基づく変更が加えられた状態で前記ゲームを実行し、
前記第3認証情報が前記評価情報に関連付けられていない場合、前記指定情報に基づく変更が加えられていない状態で前記ゲームを実行することができる。
【0012】
第1の側面において、前記ゲーム実行手段は、前記指定情報に基づく変更が加えられた状態で実行可能なゲームを複数有するものであり、前記評価情報に基づいて複数の前記ゲームのうちのいずれを実行するかを決定することができる。
第1の側面において、前記ゲーム実行手段は、前記指定情報に基づいて、前記ゲームの進行に関する優遇度合いを変更することができる。
【0013】
第1の側面において、前記コンピュータを、
前記ゲームの画面をディスプレイに表示する表示制御手段として更に機能させ、
前記通信手段は、前記ゲームのプレイ履歴を前記第1サーバ装置に送信可能であり、
前記通信手段から前記第1サーバ装置から送信される前記プレイ履歴は、前記第1認証情報と関連付けられて前記第1サーバ装置により管理され、
前記表示制御手段は、前記通信手段から前記第1サーバ装置への前記ゲームのプレイ履歴の送信の許可および禁止を切り替えることが可能な画面を前記ディスプレイに表示することができる。
【0014】
第1の側面において、前記指定情報は、前記ゲームの制御パラメータであることができる。
第1の側面において、前記指定情報は、前記ゲームの制御パラメータに関連付けられた関連パラメータであることができる。
【0015】
第2の側面は、ゲームを実行するゲーム実行部と、
前記ゲームの実行条件を指定する指定情報を、ユーザの心身の状態または能力に関する評価情報に基づいて設定する指定情報設定部と、を備え、
前記ゲーム実行部は、
前記指定情報が設定されていない場合、前記指定情報に基づく変更が加えられていない状態で前記ゲームを実行し、
前記指定情報が設定されている場合、前記指定情報に基づく変更が加えられている状態で前記ゲームを実行する
ゲームシステムである。
【0016】
第2の側面において、前記ユーザにより操作される端末装置と、
前記評価情報と第1認証情報とを関連付けて管理する第1サーバ装置と、
前記ゲームの進行を管理する第2サーバ装置と、を備え、
前記端末装置は、前記指定情報設定部と、前記ゲーム実行部と、前記第1サーバ装置および前記第2サーバ装置と通信を行う通信部と、前記第1認証情報が記憶される記憶部と、を有し、
前記通信部は、前記記憶部に記憶された前記第1認証情報を用いて前記第1サーバ装置と通信を行うことにより、前記第1認証情報に関連付けられた前記評価情報を前記第1サーバ装置から取得し、
前記指定情報設定部は、前記通信部により取得された前記評価情報に基づいて前記指定情報を設定することができる。
【0017】
第2の側面において、前記端末装置または前記第2サーバ装置を送信元装置とするとき、
前記送信元装置は、前記ゲームのプレイ履歴を前記第1サーバ装置に送信し、
前記第1サーバ装置は、前記送信元装置から送信される前記プレイ履歴を前記第1認証情報と関連付けて管理することが可能であり、
前記端末装置は、前記ゲームの画面をディスプレイに表示する表示制御部を更に有し、
前記表示制御部は、前記送信元装置から前記第1サーバ装置への前記ゲームのプレイ履歴の送信の許可および禁止を切り替えることが可能な画面を前記ディスプレイに表示することができる。
【0018】
第2の側面において、前記端末装置とは別の補助端末装置を更に備え、
前記第1サーバ装置は、前記補助端末装置からの要求に基づいて、前記送信元装置から前記第1サーバ装置への前記ゲームのプレイ履歴の送信の許可および禁止を切り替えることができる。
【0019】
第2の側面において、前記端末装置または前記第2サーバ装置を送信元装置とするとき、
前記送信元装置は、前記ゲームのプレイ履歴を前記第1サーバ装置に送信し、
前記第1サーバ装置は、前記送信元装置から送信される前記プレイ履歴を前記第1認証情報と関連付けて管理することが可能であり、
前記端末装置は、前記ゲームの画面をディスプレイに表示する表示制御部を更に有し、
前記表示制御部は、前記第1サーバ装置が前記プレイ履歴を前記第1認証情報と関連付けて記憶することの許可および禁止を切り替えることが可能な画面を前記ディスプレイに表示することができる。
【0020】
第2の側面において、前記端末装置とは別の補助端末装置を更に備え、
前記第1サーバ装置は、前記補助端末装置からの要求に基づいて、前記プレイ履歴を前記第1認証情報と関連付けて記憶するか否かを変更することができる。
【0021】
第3の側面は、ゲームを実行するゲーム実行部と、
前記ゲームの実行条件を指定する指定情報を、ユーザの心身の状態または能力に関する評価情報に基づいて設定する指定情報設定部と、を備え、
前記ゲーム実行部は、
前記指定情報が設定されていない場合、前記指定情報に基づく変更が加えられていない状態で前記ゲームを実行し、
前記指定情報が設定されている場合、前記指定情報に基づく変更が加えられている状態で前記ゲームを実行する
端末装置である。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、より適切なゲームをユーザに提供することが可能なゲームプログラム、ゲームシステム、および端末装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態のゲームシステムの概略構成を示すブロック図である。
図2】実施形態のゲームシステムの概略構成を示すブロック図である。
図3】実施形態のゲーム、およびその調整項目の一例を示す図表である。
図4】実施形態の情報管理サーバ装置の概略構成を示すブロック図である。
図5】実施形態のゲーム用端末装置の概略構成を示すブロック図である。
図6】実施形態のゲーム、ユーザの疾患、疾患のクラス、およびその調整項目の一例を示す図表である。
図7】実施形態のゲームサーバ装置の概略構成を示すブロック図である。
図8】実施形態のゲームシステムの動作例を示すシーケンスチャートである。
図9】実施形態のゲームシステムの動作例を示すシーケンスチャートである。
図10】実施形態の第3変形例のゲーム中にディスプレイに表示される画面例である。
図11】実施形態の第3変形例のゲーム中にディスプレイに表示される画面例である。
図12】実施形態の第4変形例のゲーム、ユーザの疾患、疾患のクラス、その調整項目、および指定パラメータの一例を示す図表である。
図13】実施形態の第4変形例のゲーム、指定パラメータ、およびゲームの調整項目の一例を示す図表である。
図14】実施形態の第5変形例のゲームシステムの概略構成を示すブロック図である。
図15】実施形態の第6変形例のゲームシステムの概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[実施形態]
本開示のゲームシステムの第1実施形態について図面を参照して説明する。
<ゲームの説明>
図1に示されるゲームシステム1では、登録用端末装置2、情報管理サーバ装置3、ゲームサーバ装置4、およびゲーム用端末装置5が、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されており、ゲーム用端末装置5においてゲームが実行される。
【0025】
本実施形態のゲームは、ゲームシステム1において実行されるオンラインのゲームであり、例えば、もの探しゲームやパズルゲームなどを含む。
もの探しゲームは、例えばプレイヤキャラクタを操作しながら、各ステージの仮想ゲーム空間内に隠された複数の指定アイテムを制限時間内に探し出すものである。このゲームでは、制限時間内に複数の指定アイテムの全てを探しだすことにより、そのステージをクリアすることができる。
【0026】
パズルゲームは、例えばゲーム画面に次々に出現する複数色のパーツのうち、同一色のパーツを所定数そろえて消していくものである。パズルゲームでは、ステージ毎に目標数が設定されており、1ステージに設定された行動回数内で目標数だけパーツを消すと、そのステージをクリアすることができる。
【0027】
このようなゲームは、ゲーム用端末装置5のユーザが、そのゲームを一人でプレイしたり、その他のユーザとともに複数人で対戦または協力してプレイしたりすることができる。
このようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器であるゲーム用端末装置5を用いて実行される。以下では、ゲーム用端末装置5がスマートフォンである場合を例示する。
【0028】
<ゲームシステムの概要>
図2に示されるように、ゲームシステム1は、登録用端末装置2、情報管理サーバ装置3、ゲームサーバ装置4、およびゲーム用端末装置5により構成される。
【0029】
登録用端末装置2は診断者により用いられる。診断者は、認知機能の低下などの何らかの疾患を有するユーザを診断することが可能な第三者である。診断者は、例えば特定の医師、複数の医師からなるグループ、当該医師やグループが所属する医療機関である。登録用端末装置2はパーソナルコンピュータ、スマートフォン、およびタブレットなどである。診断者は、患者であるユーザを診断した後に登録用端末装置2を操作することにより、そのユーザの診断結果の情報である診断情報を情報管理サーバ装置3に登録することができる。診断情報には、診断者の氏名、診断者の識別番号、ユーザの氏名、ユーザの識別番号、ユーザの疾患の名称、その疾患のクラスなどの情報が含まれている。クラスとは、疾患の重症度の度合いを数値化したものである。クラスの数値が大きいほど、重症度が大きいことを示す。本実施形態では、診断情報が、ユーザの心身の状態または能力に関する評価情報に相当する。また、本実施形態では、診断者の診断を受けたユーザが、ゲーム用端末装置5を用いてゲームをプレイするプレイヤに相当する。以下では、診断者が診断したユーザ、およびゲームのプレイヤをまとめて「ユーザ」と称する。
【0030】
情報管理サーバ装置3には、登録用端末装置2から送信される診断情報がユーザ毎に対応付けられて記憶されている。情報管理サーバ装置3は、ゲーム用端末装置5を用いたユーザ認証が成立することに基づいて、ユーザの診断情報を暗号化してゲーム用端末装置5に送信する。
【0031】
ゲームサーバ装置4は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム用端末装置5のゲームデータの管理、より詳細にはアカウント毎のゲームデータの管理、およびゲームの進行の管理を行う。
各ユーザには、ゲーム用端末装置5に対応付けられて、情報管理サーバ装置3で用いられる第1アカウント情報、およびゲームサーバ装置4で用いられる第2アカウント情報が割り当てられている。各アカウント情報には、ユーザの識別番号およびパスワードが含まれている。第1アカウント情報および第2アカウント情報は互いに異なっている。本実施形態では、第1アカウント情報が第1認証情報に相当し、第2アカウント情報が第2認証情報に相当する。
【0032】
ゲーム用端末装置5は、情報管理サーバ装置3にログインする際に第1アカウント情報を情報管理サーバ装置3に送信する。第1アカウント情報は、情報管理サーバ装置3にログインする際のユーザ認証に利用される。ユーザ認証を経て情報管理サーバ装置3とゲーム用端末装置5との間で相互通信が可能となる。ログイン後、情報管理サーバ装置3は、ユーザの診断情報を暗号化してゲーム用端末装置5に送信する。ゲーム用端末装置5は、情報管理サーバ装置3から取得した診断情報に基づいて医療モードパラメータを生成する。医療モードパラメータは、診断者の診断情報に応じてゲーム内容に変更を加えるための制御パラメータであり、例えばゲームの難易度や、ゲーム内で付与されるゲーム媒体の付与数などに変更を加える制御パラメータである。ゲーム媒体とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内で使用できるアイテムなどである。
【0033】
例えば、本実施形態のゲームシステム1では、図3に示されるように、もの探しゲーム、およびパズルゲームのそれぞれに対して3つの項目が調整可能となっている。
具体的には、もの探しゲームでは、各ステージをクリアするために必要な探し物のノルマ数(発見回数)、ゲーム内でブースターアイテムがユーザに自動付与される確率、および1ステージの制限時間の延長度合いなどを調整可能である。このゲームのブースターアイテムは、例えばユーザが操作するプレイヤキャラクタの速度を上昇させることが可能な消費アイテムである。例えば認知機能が低下しているユーザに対しては、ゲームの難易度を低下させるために、ノルマ数を減少させる調整、ブースターアイテムが付与される確率を上昇させる調整、1ステージの制限時間を延長する調整などが行われる。このような場合、もの探しゲームにおける医療モードパラメータとは、探し物のノルマ数、ブースターアイテムの自動付与の確率、および1ステージの制限時間の延長度合いのそれぞれの調整量に相当する。
【0034】
一方、図3に示されるように、パズルゲームでは、1ステージ当たりの行動回数、ゲーム内でブースターアイテムがユーザに自動付与される確率、および新たに出現する複数のパーツにおいて同色が隣接するように配置される確率などが調整可能である。このゲームのブースターアイテムは、例えばゲーム画面内の一定範囲のピースを消すことが可能な爆弾のような消費アイテム、すなわちパズルに詰まったときに強制的に進行させることが可能な消費アイテムである。例えば認知機能が低下しているユーザに対しては、ゲームの難易度を低下させるために、1ステージ当たりの行動回数を増加させる調整、ブースターアイテムが付与される確率を上昇させる調整、および新たに出現する複数のパーツにおいて同色が隣接するように配置される確率を上昇させる調整などが行われる。このような場合、パズルゲームにおける医療モードパラメータとは、1ステージ当たりの行動回数、ゲーム内でブースターアイテムがユーザに自動付与される確率、および新たに出現する複数のパーツにおいて同色が隣接するように配置位置を決定する確率のそれぞれの調整量に相当する。
【0035】
図2に示されるように、ゲーム用端末装置5はユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム用端末装置5は通信ネットワーク6を介してゲームサーバ装置4からゲームプログラムの受信、具体的にはダウンロードおよびインストールを行う。各ユーザには、ゲーム用端末装置5に対応付けられて、識別番号およびパスワードを含むアカウント情報が割り当てられている。
【0036】
ゲーム用端末装置5は、ゲームにログインする際に第2アカウント情報および医療モードパラメータをゲームサーバ装置4に送信する。第2アカウント情報は、ゲームにログインする際のユーザ認証に利用される。ユーザ認証を経てゲームサーバ装置4とゲーム用端末装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲームサーバ装置4は、医療モードパラメータに応じたゲームデータ、すなわち難易度やゲーム媒体の付与数に変更が加えられたゲームデータをゲーム用端末装置5に送信する。ゲーム用端末装置5は、ゲームサーバ装置4からゲームデータを受信すると、ユーザの操作に基づいて、医療モードパラメータに応じたゲームを進行させる。本実施形態では、医療モードパラメータが、ゲームの実行条件を指定する指定情報に相当する。
【0037】
ゲームのプレイログ(プレイ履歴)はゲーム用端末装置5から情報管理サーバ装置3およびゲームサーバ装置4に送信されて記憶される。診断者は、登録用端末装置2を操作することにより、情報管理サーバ装置3に記憶されているユーザのゲームのプレイログを確認することができる。診断者は、ゲームのプレイログの確認を通じてユーザの現在の疾患の状態や治療度合いを把握することができる。
【0038】
このように、本実施形態のゲームシステム1では、診断者の診断情報に応じたゲームをユーザがプレイ可能である。例えばユーザの認知機能が低下している場合には、ユーザの認知機能およびそのクラスに対応したゲームをユーザがプレイ可能である。このようなゲームをユーザがプレイすることにより、ユーザの認知機能の低下を抑制することが可能である。このように、本実施形態の医療モードパラメータに応じたゲームは、ユーザの疾患を治療する目的で用いられる。
【0039】
<ゲームシステムの構成>
以下、情報管理サーバ装置3、ゲームサーバ装置4、およびゲーム用端末装置5の各ハードウェア構成について説明する。
<情報管理サーバ装置の構成>
図4に示されるように、情報管理サーバ装置3は、ネットワークインターフェース31、記憶部32、および制御部33を有している。ネットワークインターフェース31および記憶部32はバス39を介して制御部33と電気的に接続されている。
【0040】
ネットワークインターフェース31は通信ネットワーク6を介してゲームサーバ装置4および各ゲーム用端末装置5と通信可能に接続されている。
記憶部32は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、およびSSD(Solid State Drive)などにより構成されている。記憶部32には、診断者DB(Data Base)321、およびユーザDB322などの各種データが記憶されている。
【0041】
診断者DB321には、情報管理サーバ装置3に診断情報を登録することが可能な診断者毎に診断者のアカウント情報などが記憶されている。診断者のアカウント情報には、診断者の識別番号およびパスワードなどが含まれている。
ユーザDB322には、ゲームをプレイするユーザ毎に、ユーザの第1アカウント情報、ユーザの診断情報、および各ゲームのプレイログなどが関連付けられて記憶されている。
【0042】
なお、例えば診断者がユーザの診断を行ったものの、その診断結果を情報管理サーバ装置3に登録していない場合、あるいはそもそも診断者がユーザの診断を行っていない場合、ユーザDB322にはユーザの診断情報が記憶されていない。
また、ユーザは、ゲーム用端末装置5を操作することにより第1アカウント情報の作成および変更などを行うことが可能であるが、診断者DB321に登録されている情報、およびユーザDB322に記憶されているユーザの診断情報の作成および変更を行うことができない。診断者は、登録用端末装置2を操作することにより、診断者DB321に登録されている情報、およびユーザDB322に記憶されているユーザの診断情報の作成および変更を行うことが可能である。
【0043】
図4に示される制御部33は、CPUおよび半導体メモリを有するマイクロコンピュータで構成されており、情報管理サーバ装置3の動作を制御する。制御部33は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段331、および照合手段332として機能する。本実施形態では、これらの手段331,332が情報処理部、および照合部にそれぞれ相当する。
【0044】
―照合手段―
照合手段332は、登録用端末装置2から送信される診断者のアカウント情報に基づいて診断者の認証を行う。また、照合手段332は、ゲーム用端末装置5から送信されるユーザの第1アカウント情報に基づいてユーザの認証を行う。
【0045】
―情報処理手段―
情報処理手段331は、ネットワークインターフェース31を介して情報管理サーバ装置3と登録用端末装置2との間、および情報管理サーバ装置3とゲーム用端末装置5との間で各種データを送受信する。情報処理手段331が登録用端末装置2およびゲーム用端末装置5との間で送受信する主なデータは図2に示される通りである。
【0046】
なお、図4に示される情報処理手段331は、ゲーム用端末装置5から送信される第1アカウント情報に基づいてユーザの認証が行われたとき、その第1アカウント情報に含まれるユーザの識別番号に対応した診断情報がユーザDB322に記憶されているか否かを判断する。情報処理手段331は、ユーザDB322に診断情報が記憶されている場合には、それをゲーム用端末装置5に送信する。一方、情報処理手段331は、ユーザDB322に診断情報が記憶されていない場合には、それをゲーム用端末装置5に送信することはない。
【0047】
<ゲーム用端末装置の構成>
図5に示されるように、ゲーム用端末装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62、およびタッチパッド63が外部接続または内蔵されている。また、ゲーム用端末装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55、および制御部56を有している。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、および記憶部55はバス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0048】
ネットワークインターフェース51は、情報管理サーバ装置3およびゲームサーバ装置4との間で各種データを送受信するために通信ネットワーク6に通信可能に接続されている。
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に基づいて動画形式でゲーム画像を描画する。ゲーム画像には、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトが含まれる。グラフィック処理部52は、例えば液晶型のディスプレイ61に接続されており、動画形式で描画されたゲーム画像をゲーム画面としてディスプレイ61上に表示する。
【0049】
オーディオ処理部53は、スピーカ62に接続されており、制御部56の指示に基づいてゲーム音声を再生および合成するとともに、そのゲーム音声をスピーカ62から出力させる。
操作部54は、タッチパッド63に接続されており、操作および入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。ユーザはタッチパッド63をタッチ操作することでゲーム用端末装置5に操作信号を入力することができる。
【0050】
記憶部55はHDD、SSD、RAM、およびROMなどで構成されている。記憶部55には、ゲームサーバ装置4からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、情報管理サーバ装置3にログインする際に用いられる第1アカウント情報、およびゲームにログインする際に用いられる第2アカウント情報などが格納されている。本実施形態では、記憶部55が記憶手段に相当する。
【0051】
制御部56は、CPUや半導体メモリを有するマイクロコンピュータで構成されており、ゲーム用端末装置5の動作を制御する。制御部56は、各種プログラムを実行することにより、通信手段561、アプリケーション実行手段562、指定情報設定手段563、ゲーム実行手段564、音声制御手段565、および表示制御手段566として機能する。本実施形態では、これらの手段561~566が、通信部、アプリケーション実行部、指定情報設定部、ゲーム実行部、音声制御部、および表示制御部にそれぞれ相当する。
【0052】
―通信手段―
通信手段561はネットワークインターフェース51を介して情報管理サーバ装置3、およびゲームサーバ装置4と通信を行う。通信手段561は、操作部54がタッチパッド63から受信した各種操作信号に基づいて、情報管理サーバ装置3、およびゲームサーバ装置4が把握可能な情報を生成するとともに、その情報を情報管理サーバ装置3、およびゲームサーバ装置4に送信する。通信手段561が情報管理サーバ装置3およびゲームサーバ装置4との間で送受信する主なデータは図2に示される通りである。
【0053】
―アプリケーション実行手段―
図5に示されるアプリケーション実行手段562は、ユーザによるタッチパッド63の操作に基づいてランチャーアプリを起動する。ランチャーアプリは、ディスプレイ61に表示される画面を任意に変更可能なアプリケーションである。本実施形態のアプリケーション実行手段562は、ランチャーアプリを実行した際に、本実施形態のゲームシステム1が提供するゲーム、およびそれに関連するアプリケーションのみを選択可能な画面をディスプレイ61に表示する。これにより、本実施形態のゲームシステム1が提供するゲームとは別のゲームをユーザが選択することを未然に防止している。
【0054】
アプリケーション実行手段562は、ランチャーアプリを実行する際に、記憶部55に記憶されている第1アカウント情報を情報管理サーバ装置3に通信手段561を介して送信する。情報管理サーバ装置3では、第1アカウント情報に基づく認証が行われるとともに、その認証が成立し、且つ第1アカウント情報に含まれるユーザの識別番号に対応した診断情報がユーザDB322に記憶されている場合には、その診断情報をゲーム用端末装置5に送信する。この場合、アプリケーション実行手段562は、情報管理サーバ装置3から送信された診断情報を通信手段561により受信すると、これを指定情報設定手段563に通知する。
【0055】
一方、情報管理サーバ装置3は、第1アカウント情報に基づく認証が成立した際に、その第1アカウント情報に含まれるユーザの識別番号に対応した診断情報がユーザDB322に記憶されていない場合には、ゲーム用端末装置5に診断情報を送信することはない。この場合、アプリケーション実行手段562は診断情報を取得することができない。
【0056】
なお、アプリケーション実行手段562は第1アカウント情報の入力をユーザに要求してもよい。具体的には、アプリケーション実行手段562は、第1アカウント情報の入力、具体的には第1アカウント情報に対応したユーザの識別番号およびパスワードの入力が可能な画面をディスプレイ61に表示する。アプリケーション実行手段562は、この画面においてユーザがタッチパッド63を操作して入力した情報を第1アカウント情報として情報管理サーバ装置3に送信してもよい。
【0057】
―指定情報設定手段―
指定情報設定手段563は、ランチャーアプリ上で動作するものであって、アプリケーション実行手段562から診断情報が通知された場合には、その診断情報に基づいて医療モードパラメータを設定する。具体的には、指定情報設定手段563は、診断情報に含まれるユーザの疾患内容、そのクラス、および医療モードパラメータとの関係を示すマップを有している。指定情報設定手段563は、そのマップに基づいて、診断情報に含まれるユーザの疾患の内容およびクラスから医療モードパラメータを設定する。
【0058】
具体的には、指定情報設定手段563は、診断情報に含まれるユーザの疾患内容が認知機能の低下であり、且つそのクラスが3~5である場合、もの探しゲームにおける第1~第3の調整項目を図6に示されるように設定する。図6に示される、もの探しゲームの第1~第3の調整項目は、図3に示される第1~第3の調整項目に相当する。すなわち、この場合には、各ステージをクリアするためのノルマ数が「-25[%]」だけ調整され、ブースターアイテムが付与される確率が「+20[%]」だけ調整され、1ステージの制限時間が「+20[%]」だけ調整されることを表している。本実施形態では、これらの項目の調整量が、もの探しゲームに対して設定される医療モードパラメータに相当する。
【0059】
指定情報設定手段563は、診断情報に含まれるユーザの疾患の内容が認知機能の低下であり、且つそのクラスが6~10である場合、もの探しゲームにおける第1~第3の調整項目を図6に示されるように調整する。すなわち、この場合には、各ステージをクリアするためのノルマ数が「-50[%]」だけ調整され、ブースターアイテムが付与される確率が「+50[%]」だけ調整され、1ステージの制限時間が「+50[%]」だけ調整されることを表している。
【0060】
また、指定情報設定手段563は、診断情報に含まれるユーザの疾患の内容が認知機能の低下であり、且つそのクラスが3~5である場合、パズルゲームにおける第1~第3の調整項目を図6に示されるように調整する。図6に示されるパズルゲームの第1~第3の調整項目は、図3に示されるパズルゲームの第1~第3の調整項目に相当する。すなわち、この場合には、1ステージ当たりの行動回数が「+50[%]」だけ調整され、ブースターアイテムの付与確率が「15[%]」だけ調整され、新たに出現する複数のパーツにおいて同色が隣接するように配置される確率が「20[%]」だけ調整されることを表している。本実施形態では、これらの項目の調整量が、パズルゲームに対して設定される医療モードパラメータに相当する。
【0061】
指定情報設定手段563は、このようなユーザの疾患の内容およびクラスに応じた医療モードパラメータの設定を、ユーザに提供される各ゲームに対して行う。本実施形態では、医療モードパラメータが指定情報に相当する。
なお、指定情報設定手段563は、アプリケーション実行手段562から診断情報が通知されない場合には、医療モードパラメータを設定することはない。したがって、ゲームに対して医療モードパラメータが設定されていない場合もある。
【0062】
―ゲーム実行手段―
ゲーム実行手段564は、ユーザによるタッチパッド63の操作に基づいて、仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを、記憶部55から読み込む、またはゲームサーバ装置4から受信する。ゲーム実行手段564は、仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを用いてゲームプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52により処理されることで、その処理後のゲーム画像がディスプレイ61に逐次表示される。
【0063】
ゲーム実行手段564は、ゲームサーバ装置4と通信を行って、ゲームサーバ装置4からゲーム用端末装置5に送信されるゲームデータに応じたゲームを実行する。具体的には、ゲーム実行手段564は、ランチャーアプリにおいて複数のゲームのうちのいずれかが選択された場合、選択されたゲームに対応した医療モードパラメータを指定情報設定手段563に対して要求する。指定情報設定手段563は、選択されたゲームに対応した医療モードパラメータが存在する場合には、その医療モードパラメータをゲーム実行手段564に通知する。そして、ゲーム実行手段564は、取得した医療モードパラメータ、選択されたゲームの識別番号、および第2アカウント情報をゲームサーバ装置4に送信する。第2アカウント情報に基づく認証がゲームサーバ装置4により行われて、その認証が成立すると、ゲームの識別番号および医療モードパラメータに応じたゲームデータがゲームサーバ装置4からゲーム用端末装置5に送信される。ゲーム実行手段564は、ゲームサーバ装置4から送信されるゲームデータに応じたゲーム、換言すれば医療モードパラメータに基づく変更が加えられたゲームを実行する。
【0064】
なお、医療モードパラメータに基づく変更が加えられたゲームでは、例えば動画の広告導線や課金導線が自動的に非表示になる。
一方、ユーザが選択したゲームに医療モードパラメータが設定されていない場合、ゲーム実行手段564は指定情報設定手段563から医療モードパラメータを取得することができない。この場合、ゲーム実行手段564は、選択されたゲームの識別番号、および第2アカウント情報をゲームサーバ装置4に送信する。第2アカウント情報に基づく認証がゲームサーバ装置4により行われて、その認証が成立すると、ゲームの識別番号に応じたゲームデータがゲームサーバ装置4からゲーム用端末装置5に送信される。ゲーム実行手段564は、ゲームサーバ装置4から送信されるゲームデータに応じたゲーム、換言すれば医療モードパラメータに基づく変更が加えられていない通常のモードでゲームを実行する。
【0065】
また、例えばユーザがランチャーアプリを用いずにゲームを起動したような場合にも、同様にゲーム実行手段564からゲームサーバ装置4に医療モードパラメータが送信されることはないため、ゲーム実行手段564は通常のモードでゲームを実行する。
なお、ゲーム実行手段564は、第2アカウント情報の入力をユーザに要求してもよい。具体的には、ゲーム実行手段564は、第2アカウント情報の入力、具体的には第2アカウント情報に対応したユーザの識別番号およびパスワードの入力が可能な画面をディスプレイ61に表示する。ゲーム実行手段564は、この画面においてユーザがタッチパッド63を操作して入力した情報を第2アカウント情報としてゲームサーバ装置4に送信してもよい。
【0066】
ゲーム実行手段564は、ユーザがゲームを終了する都度、そのゲームのプレイログを情報管理サーバ装置3およびゲームサーバ装置4に通信手段561を介してそれぞれ送信する。ゲームのプレイログには、ゲームの進捗情報やプレイヤの入力履歴情報などが含まれている。ゲームの進捗情報は、例えばクエストのクリアを目的とするゲームの場合、どのクエストまでクリアしたかという情報や当該クエストの結果などである。クエストの結果は、例えばクリアの可否、得点、残り時間、手数などである。プレイヤの入力履歴は、ユーザがタッチパッド63を操作した座標や操作時間である。また、パズルゲームであれば、プレイヤの入力履歴は、どのパズルピースを消したか、そのためにどのような操作を行ったか、およびどのピースをタッチしてどのように移動させたかなどである。
【0067】
―音声制御手段―
音声制御手段565は、ゲームの実行にあたり、ゲーム用端末装置5に対するユーザの操作などに基づいてスピーカ62の音声出力を制御する。
―表示制御手段―
表示制御手段566は、ゲーム用端末装置5に対するユーザの操作などに基づいてディスプレイ61の表示出力を制御する。例えば、表示制御手段566は、ランチャーアプリに対応した画面や、ゲームに対応した画面などをディスプレイ61に表示する。
【0068】
<ゲームサーバ装置の構成>
図7に示されるように、ゲームサーバ装置4は、ネットワークインターフェース41、記憶部42、および制御部43を有している。ネットワークインターフェース41および記憶部42はバス49を介して制御部43と電気的に接続されている。
【0069】
ネットワークインターフェース41は通信ネットワーク6を介して登録用端末装置2と通信可能に接続されている。
記憶部42は、HDD、RAM、ROM、およびSSDなどで構成されている。記憶部42には、本実施形態のゲームプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB421などの各種データが記憶されている。
【0070】
ユーザDB421には、ゲームをプレイするユーザ毎に、ユーザの第2アカウント情報、ユーザに付与された仮想媒体、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関する情報、および各ゲームのプレイログなどが対応付けられて記憶されている。
図7に示される制御部43は、CPUおよび半導体メモリを有するマイクロコンピュータで構成されており、ゲームサーバ装置4の動作を制御する。制御部43は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段431、および照合手段432として機能する。本実施形態では、これらの手段431,432が情報処理部および照合部にそれぞれ相当する。
【0071】
―情報処理手段―
情報処理手段431は、ネットワークインターフェース41を介してゲームサーバ装置4とゲーム用端末装置5との間で各種データを送受信する。情報処理手段431がゲームサーバ装置4およびゲーム用端末装置5との間で送受信する主なデータは図2に示される通りである。
【0072】
―照合手段―
図7に示される照合手段432は、ゲーム用端末装置5から受信したユーザの識別番号を用いてユーザアカウントの認証を行う。
<ゲームシステムの動作の流れ>
図8および図9を参照して、本実施形態のゲームシステム1の動作例について説明する。
【0073】
図8に示されるように、ユーザを診断した診断者が登録用端末装置2を操作して情報管理サーバ装置3にログインした後、ユーザの診断結果の情報である診断情報を登録用端末装置2に入力すると、登録用端末装置2は、その診断情報、およびユーザの識別番号などを含む登録情報を情報管理サーバ装置3に送信する(ステップS10)。情報管理サーバ装置3は、登録用端末装置2から送信される登録情報を受信すると(ステップS20)、登録情報に含まれる診断情報とユーザの識別番号とを関連付けてユーザDB322に記憶させる(ステップS21)。
【0074】
その後、ユーザがゲーム用端末装置5を操作してランチャーアプリを起動すると(ステップS30)、ゲーム用端末装置5のアプリケーション実行手段562は、記憶部55に記憶されている第1アカウント情報を用いて情報管理サーバ装置3にログインする(ステップS31)。情報管理サーバ装置3は、ログイン時にゲーム用端末装置5から送信される第1アカウント情報を受信した後(ステップS22)、その第1アカウント情報に基づく認証を行う(ステップS23)。このユーザ認証が成立すると、情報管理サーバ装置3は、第1アカウント情報に含まれるユーザの識別番号に対応した診断情報をユーザDB322から読み込むとともに(ステップS24)、読み込んだ診断情報を暗号化してゲーム用端末装置5に送信する(ステップS25)。
【0075】
ゲーム用端末装置5のアプリケーション実行手段562は、情報管理サーバ装置3から送信される診断情報を受信すると(ステップS32)、当該診断情報を復号化した上で指定情報設定手段563に通知する。指定情報設定手段563は、アプリケーション実行手段562から通知される診断情報を受信すると(ステップS40)、当該診断情報に基づいて医療モードパラメータを生成する(ステップS41)。
【0076】
その後、ユーザがゲーム用端末装置5を操作してランチャーアプリ上で所定のゲームを起動すると、図9に示されるように、ゲーム用端末装置5のゲーム実行手段564は、記憶部55に記憶されている第2アカウント情報を用いてゲームサーバ装置4にログインする(ステップS50)。その際、ゲーム実行手段564は、指定情報設定手段563により生成された医療モードパラメータを第2アカウント情報と共にゲームサーバ装置4に送信する。
【0077】
ゲームサーバ装置4は、ログイン時にゲーム用端末装置5から送信される第2アカウント情報を受信した後(ステップS60)、その第2アカウント情報に基づく認証を行う(ステップS61)。このユーザ認証が成立すると、ゲームサーバ装置4は、ゲーム用端末装置5から送信される医療モードパラメータに対応したゲームデータを生成するとともに(ステップS62)、生成したゲームデータをゲーム用端末装置5に送信する(ステップS63)。
【0078】
ゲーム用端末装置5のゲーム実行手段564は、ゲームサーバ装置4から送信されるゲームデータを受信すると(ステップS51)、受信したゲームデータに基づいてゲームを開始する(ステップS52)。これにより、ユーザは、医療モードパラメータが反映されたゲームをプレイすることができる。
【0079】
その後、ユーザがゲームを終了すると(ステップS53)、ゲーム用端末装置5のゲーム実行手段564は、ゲームのプレイログを情報管理サーバ装置3およびゲームサーバ装置4に送信する(ステップS54)。ゲームサーバ装置4は、ゲーム用端末装置5から送信されるゲームのプレイログを受信すると(ステップS64)、これをユーザDB421に記憶させる(ステップS65)。
【0080】
一方、情報管理サーバ装置3は、ゲーム用端末装置5から送信されるゲームのプレイログを受信すると(ステップS26)、受信したゲームのプレイログをユーザDB322に記憶させる(ステップS27)。この情報管理サーバ装置3のユーザDB322に記憶されたゲームのプレイログは診断者により利用される。具体的には、診断者が登録用端末装置2を操作して情報管理サーバ装置3にログインした後、ゲームのプレイログを要求したとする(ステップS11)。この場合、情報管理サーバ装置3は、その要求を受信すると(ステップS28)、ユーザDB322に記憶されているゲームのプレイログを登録用端末装置2に送信する(ステップS29)。登録用端末装置2は、情報管理サーバ装置3から送信されるプレイログを受信すると(ステップS12)、それをディスプレイに表示する(ステップS13)。診断者は、このような操作を行うことにより、自身が診察しているユーザ毎のゲームのプレイログを任意のタイミングで確認して、ユーザの疾患の状態や治療度合いを把握する。
【0081】
以上をまとめると、本実施形態のゲームシステム1では、ゲーム用端末装置5の制御部56(コンピュータ)を、ゲーム実行手段564と、指定情報設定手段563と、として機能させる。ゲーム実行手段564はゲームを実行する。指定情報設定手段563は、ゲームの実行条件を指定する医療モードパラメータ(指定情報)を、ユーザの心身の状態または能力に関する診断情報(評価情報)に基づいて設定する。ゲーム実行手段564は、医療モードパラメータが設定されていない場合、医療モードパラメータに基づく変更が加えられていない状態でゲームを実行し、医療モードパラメータが設定されている場合、医療モードパラメータに基づく変更が加えられている状態でゲームを実行する。
【0082】
<効果>
上記のゲームシステム1の構成によれば、医療モードパラメータが設定されている場合、それに応じた変更が加えられている状態でゲームが実行される。これにより、ユーザの心身の状態または能力に対応した、より適切なゲームをユーザに提供することができる。
【0083】
上記のゲームシステム1では、診断情報(評価情報)が、ユーザの心身の状態または能力を診断した診断者(第三者)を特定することが可能な情報を含んでいる。この構成によれば、診断情報の信頼性を高めることができる。
上記のゲームシステム1では、ゲーム用端末装置5の制御部56(コンピュータ)を、通信手段561と、記憶部55(記憶手段)と、として更に機能させる。通信手段561は、診断情報(評価情報)と第1アカウント情報(第1認証情報)とを関連付けて管理する情報管理サーバ装置3(第1サーバ装置)、およびゲームの実行を管理するゲームサーバ装置4(第2サーバ装置)と通信を行う。記憶部55には、第1アカウント情報(第1認証情報)が記憶されている。通信手段561は、記憶部55に記憶された第1アカウント情報を用いて情報管理サーバ装置3と通信を行うことにより、第1アカウント情報に関連付けられた診断情報を情報管理サーバ装置3から取得する。指定情報設定手段563は、通信手段561により取得された診断情報に基づいて医療モードパラメータ(指定情報)を設定する。この構成によれば、診断情報に対応した医療モードパラメータを容易に設定することが可能となる。
【0084】
ゲームにログインする際に用いられる第2アカウント情報(第2認証情報)はゲームサーバ装置4(第2サーバ装置)により更に管理されている。ゲーム用端末装置5の記憶部55(記憶手段)には、第2アカウント情報が更に記憶されている。ゲーム用端末装置5のゲーム実行手段564は、第2アカウント情報を用いてゲームサーバ装置4による認証を受ける際に、医療モードパラメータ(指定情報)をゲームサーバ装置4に送信する。ゲーム用端末装置5のゲーム実行手段564は、医療モードパラメータに対応したゲームサーバ装置4からの指示に基づいて、医療モードパラメータに基づく変更が加えられた状態でゲームを実行する。この構成によれば、医療モードパラメータに対応したゲームを容易に実行することが可能となる。
【0085】
第1アカウント情報(第1認証情報)は、第2アカウント情報(第2認証情報)に関連付けられていない状態で情報管理サーバ装置3(第1サーバ装置)により管理されている。第2アカウント情報は、第1アカウント情報に関連付けられていない状態でゲームサーバ装置4により管理されている。この構成によれば、第1アカウント情報および第2アカウント情報が同時に漏洩するような状況を回避することが可能である。
【0086】
ゲーム用端末装置5の制御部56(コンピュータ)を、アプリケーション実行手段562として更に機能させる。アプリケーション実行手段562は、第1アカウント情報(第1認証情報)を用いて情報管理サーバ装置3(第1サーバ装置)の認証を受けることにより、情報管理サーバ装置3から診断情報(評価情報)を取得するランチャーアプリ(アプリケーション)を実行する。この構成によれば、ユーザがランチャーアプリを起動するだけで情報管理サーバ装置3から診断情報を取得することができるため、診断情報の取得が容易になる。
【0087】
ゲーム用端末装置5のアプリケーション実行手段562は、第2アカウント情報(第2認証情報)に関連付けられていない状態で第1アカウント情報(第1認証情報)を管理する。ゲーム用端末装置5のゲーム実行手段564は、第1アカウント情報に関連付けられていない状態で第2アカウント情報を管理する。この構成によれば、第1アカウント情報および第2アカウント情報が同時に漏洩するような状況を回避することが可能である。
【0088】
ゲーム用端末装置5のゲーム実行手段564は、医療モードパラメータ(指定情報)に基づいて、ゲームの難易度(ゲームの進行に関する優遇度合い)などを変更する。この構成によれば、医療モードパラメータに対応した、より適切なゲームをユーザに提供し易くなる。
【0089】
<第1変形例>
本変形例のゲームシステム1では、診断者の氏名および識別番号の少なくとも一方が診断情報に含まれていない場合、その診断情報は信頼性を欠くものであると判断して、その診断情報に対応した医療モードパラメータに基づくゲームの起動を禁止する。
【0090】
具体的には、ゲーム用端末装置5のゲーム実行手段564は、診断者の氏名および識別番号の少なくとも一方が診断情報に含まれている場合、すなわち診断者の氏名および識別番号の少なくとも一方が診断情報に関連付けられている場合、医療モードパラメータに基づく変更が加えられている状態でゲームを実行する。しかしながら、ゲーム実行手段564は、診断者の氏名および識別番号の少なくとも一方が診断情報に含まれていない場合、医療モードパラメータに基づく変更が加えられていない状態でゲームを実行する。本実施形態では、診断者の氏名および識別番号の少なくとも一方が第3認証情報に相当する。
【0091】
本変形例のゲームシステム1の構成によれば、診断情報の信頼性が高い場合に限って、医療モードパラメータに対応したゲームが実行されるため、ゲームの信頼性を高めることが可能である。
<第2変形例>
本変形例のゲームシステム1では、ゲーム用端末装置5のゲーム実行手段564が、医療モードパラメータに基づいて複数のゲームのうちのいずれを実行するかを決定する。具体的には、ゲーム実行手段564は、医療モードパラメータに基づいて、認知機能に関する疾患をユーザが有していると判断した場合、認知機能を改善することが可能なゲーム、例えばパズルゲームを実行する。あるいは、ゲーム実行手段564は、医療モードパラメータに基づいて、認知機能に関する疾患のクラスが所定値以下である場合には、パズルゲームを起動し、認知機能に関する疾患のクラスが所定値を超えている場合には、もの探しゲームを実行する。
【0092】
本変形例のゲームシステム1の構成によれば、ユーザの実際の疾患に応じた、より適切なゲームをユーザに提供することが可能となる。
<第3変形例>
本変形例のゲーム用端末装置5の表示制御手段566は、ユーザのゲームが終了したとき、図10に示されるような選択画面70をディスプレイ61に表示する。選択画面70は、ゲームのプレイログを情報管理サーバ装置3に送信するか否かをユーザが選択することが可能な画面である。選択画面70には、送信許可ボタン700と、送信禁止ボタン701とが設けられている。
【0093】
ユーザが送信許可ボタン700を操作した場合、ゲーム用端末装置5の通信手段561は、第1アカウント情報に含まれるユーザの識別番号と関連付けてゲームのプレイログを情報管理サーバ装置3に送信する。一方、ユーザが送信禁止ボタン701を操作した場合、ゲーム用端末装置5の通信手段561はゲームのプレイログを情報管理サーバ装置3に送信しない。この場合、診断者はユーザのゲームのプレイログを見ることができない。
【0094】
なお、送信許可ボタン700および送信禁止ボタン701のいずれが操作されたかに関わらず、ゲーム用端末装置5の通信手段561はゲームのプレイログをゲームサーバ装置4に送信する。
このように、本変形例のゲーム用端末装置5の表示制御手段566は、ゲーム用端末装置5(送信元装置)から情報管理サーバ装置3へのゲームのプレイログの送信の許可および禁止を切り替えることが可能な切り替え画面をディスプレイ61に表示する。この構成によれば、例えばユーザとは別の他人が、医療モードパラメータに対応したゲームをプレイしたような場合に、そのゲームのプレイログが情報管理サーバ装置3に誤って登録されることを回避できる。
【0095】
なお、図11に示されるように、選択画面70には、登録許可ボタン711と、登録禁止ボタン712とが設けられていてもよい。ユーザが登録許可ボタン711を操作した場合、ゲーム用端末装置5の通信手段561は、第1アカウント情報に関連付けてゲームのプレイログを記憶することを情報管理サーバ装置3に対して要求する。ユーザが登録禁止ボタン712を操作した場合、ゲーム用端末装置5の通信手段561は、第1アカウント情報に関連付けてゲームのプレイログを記憶しないように情報管理サーバ装置3に対して要求する。
【0096】
このように、本変形例のゲーム用端末装置5の表示制御手段566は、情報管理サーバ装置3がプレイログを第1アカウント情報と関連付けて記憶することの許可および禁止を切り替えることが可能な画面をディスプレイ61に表示してもよい。このような構成によっても、例えばユーザとは別の他人が、医療モードパラメータに対応したゲームをプレイしたような場合に、そのゲームのプレイログが情報管理サーバ装置3に誤って登録されることを回避できる。
【0097】
なお、ゲームのプレイログに関しては、ゲーム用端末装置5から情報管理サーバ装置3に送信するという方法に代えて、ゲームサーバ装置4から情報管理サーバ装置3に送信するという方法を採用することもできる。後者の方法を採用した場合であっても、本変形例の構成を適用することは可能である。
【0098】
<第4変形例>
本変形例のゲームシステム1では、医療モードパラメータに代えて、医療モードパラメータに関連付けられた指定パラメータを用いる。具体的には、図12に示されるように、本変形例では、もの探しゲームに関しては、認知機能のクラスが3~5の場合に指定パラメータαが関連付けられ、認知機能のクラスが6~10の場合に指定パラメータβが関連付けられる。また、パズルゲームに関しては、認知機能のクラスが3~5である場合に指定パラメータγが関連付けられる。ゲーム用端末装置5の指定情報設定手段は、例えば情報管理サーバ装置3から送信される診断情報に基づいて、図12に示されるように指定パラメータを決定するとともに、決定した指定パラメータをゲームサーバ装置4に送信する。
【0099】
ゲームサーバ装置4の記憶部42には、図13に示されるような各ゲームの調整項目と指定パラメータとの関係を示すマップが予め記憶されている。ゲームサーバ装置4の情報処理手段431は、ゲーム用端末装置5から送信される指定パラメータを受信すると、当該指定パラメータから図13に示されるマップに基づいてゲームの調整項目を決定するとともに、決定された調整項目に対応したゲームデータをゲーム用端末装置5に送信する。これにより、ゲーム用端末装置5では、診断情報に応じたゲームが起動する。
【0100】
本変形例のように、ゲームサーバ装置4とゲーム用端末装置5との間で送受信される情報として、医療モードパラメータに代えて、それに関連付けられた指定パラメータを用いれば、医療モードパラメータ自体が外部に漏洩することを回避できる。そのため、情報漏洩のセキュリティ性を向上させることができる。本実施形態では、指定パラメータが関連パラメータに相当する。
【0101】
<第5変形例>
本変形例のゲームシステム1では、例えばユーザの家族などがゲームのプレイログを閲覧することにより、ユーザの状態を見守ることができるようになっている。
具体的には、図1に示されるように、本実施形態のゲームシステム1は、ユーザが使用するゲーム用端末装置5とは別に、例えばユーザの家族などが所持する補助端末装置7を更に備えている。補助端末装置7は、通信ネットワーク6を介して情報管理サーバ装置3と通信を行うことにより、ユーザのゲームのプレイログを情報管理サーバ装置3から取得するとともに、取得したゲームのプレイログを表示する。これにより、ユーザの家族などは補助端末装置7によりユーザのゲームのプレイログを閲覧することができる。
【0102】
また、ユーザがプレイ中のゲーム画面を情報管理サーバ装置3が補助端末装置7にリアルタイムで送信してもよい。この場合、補助端末装置7は、情報管理サーバ装置3から送信されるゲームのプレイ画面を表示する。これにより、ユーザの家族などは補助端末装置7により、ユーザがプレイしているゲームをリアルタイムで観戦することができる。
【0103】
なお、本変形例の補助端末装置7には上記の第3変形例のゲーム用端末装置5の構成を適用してもよい。これにより、情報管理サーバ装置3は、補助端末装置7からの要求に基づいて、ゲーム用端末装置5から情報管理サーバ装置3へのゲームのプレイログの送信の許可を切り替えることになる。あるいは、情報管理サーバ装置3は、補助端末装置7からの要求に基づいて、ゲームのプレイログを第1アカウント情報と関連付けて記憶するか否かを変更することになる。これらの構成によれば、ユーザの家族などが補助端末装置7を操作することで、誤ったゲームのプレイログが情報管理サーバ装置3に登録されることを回避できる。
【0104】
<第6変形例>
本変形例のゲームシステム1では、ゲーム用端末装置5に指定情報設定手段563を設けるという構成に代えて、図4に破線で示されるように情報管理サーバ装置3に指定情報設定手段333が設けられている。このゲームシステム1では、ゲーム用端末装置5からランチャーアプリを通じて情報管理サーバ装置3にログインする操作が行われて、その認証が成立すると、図14に示されるように、情報管理サーバ装置3の指定情報設定手段333は、ユーザの識別番号に対応した診断情報から医療モードパラメータを生成するとともに、生成された医療モードパラメータをゲーム用端末装置5に送信する。このような構成によれば、情報管理サーバ装置3とゲーム用端末装置5との間では、診断情報に代えて医療モードパラメータが送受信されることになるため、ユーザにとってセンシティブが情報である診断情報が外部に漏洩することを未然に回避することができる。
【0105】
また、このように情報管理サーバ装置3において医療モードパラメータが作成されるのであれば、ゲーム用端末装置5は、情報管理サーバ装置3から送信される医療モードパラメータをゲームサーバ装置4に転送するだけでよい。そのため、ゲーム用端末装置5ではランチャーアプリを用いなくてもよい。
【0106】
さらに、図4に破線で示されるように情報管理サーバ装置3に指定情報設定手段333を設ける場合には、情報管理サーバ装置3からゲーム用端末装置5に送信される情報として、医療モードパラメータに代えて、第4変形例のような指定パラメータを用いてもよい。このような構成によれば、診断情報だけでなく、医療モードパラメータの漏れを防ぐことができるため、セキュリティ性を更に向上させることができる。
【0107】
<第7変形例>
本変形例のゲームシステム1では、第6変形例と同様に、情報管理サーバ装置3に指定情報設定手段333が設けられており、情報管理サーバ装置3において医療モードパラメータが生成される。この医療モードパラメータが情報管理サーバ装置3からゲームサーバ装置4に直接送信される点で、第6変形例と異なる。
【0108】
具体的には、図15に示されるように、ユーザがゲーム用端末装置5を操作してゲームを起動した際に、ゲーム用端末装置5の通信手段561は、第1アカウント情報を用いて情報管理サーバ装置3にログインするとともに、第2アカウント情報を用いてゲームサーバ装置4にログインする。情報管理サーバ装置3では、ログイン時に用いられた第1アカウント情報に基づく認証が成立すると、指定情報設定手段333が、ユーザの識別番号に対応した診断情報から医療モードパラメータを生成するとともに、生成された医療モードパラメータをゲームサーバ装置4に送信する。一方、ゲームサーバ装置4では、ログイン時に用いられた第2アカウント情報に基づく認証が成立すると、情報管理サーバ装置3から送信される医療モードパラメータに基づくゲームデータを生成するとともに、生成したゲームデータをゲーム用端末装置5に送信する。
【0109】
このような構成であっても、医療モードパラメータに対応したゲームをゲーム用端末装置5でプレイすることが可能である。
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0110】
上記の実施形態では、ゲーム用端末装置5がスマートフォンである場合を例示したが、ゲーム用端末装置5は、ゲームセンターなどに提供されるアミューズメント機器であってもよい。
上記のゲームは、アクションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、およびパズルゲームなどであってもよく、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0111】
上記の実施形態では、サーバ装置3,4およびゲーム用端末装置5が一体となってゲームプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0112】
3…情報管理サーバ装置(第1サーバ装置)
4…ゲームサーバ装置(第2サーバ装置、送信元装置)
5…ゲーム用端末装置(送信元装置)
7…補助端末装置
55…記憶部(記憶手段)
56…制御部(コンピュータ)
561…通信手段(通信部)
562…アプリケーション実行手段
563…指定情報設定手段(指定情報設定部)
564…ゲーム実行手段(ゲーム実行部)
566…表示制御手段
図1
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