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特開2023-133897端末プログラム、端末装置、サーバプログラム、サーバ装置およびコンピュータシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133897
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】端末プログラム、端末装置、サーバプログラム、サーバ装置およびコンピュータシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/79 20140101AFI20230920BHJP
   A63F 13/798 20140101ALI20230920BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20230920BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20230920BHJP
   A63F 13/49 20140101ALI20230920BHJP
【FI】
A63F13/79
A63F13/798
A63F13/53
A63F13/35
A63F13/49
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039141
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】槙石 隆
(72)【発明者】
【氏名】福西 藍
(57)【要約】
【課題】ユーザそれぞれに合うゲームの実行状況に対する実績を通知先に知らせることができる端末プログラム、端末装置、サーバプログラム、サーバ装置およびコンピュータシステムを提供する。
【解決手段】端末プログラムは、通知先ユーザの通知先端末5を、通知先ユーザに関連付けられた評価対象ユーザがゲームを実行した実行履歴を示す履歴情報を記憶する装置から、履歴情報を取得する履歴取得手段5631と、履歴情報に基づいて、評価対象ユーザの心身の状態または能力に関する評価情報に基づいて設定された判定条件に対する実行履歴の達成状況を特定する達成状況特定手段5641と、通知先ユーザに、達成状況を通知する通知手段566、として機能させるものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通知先ユーザの通知先端末を
前記通知先ユーザに関連付けられた評価対象ユーザがゲームを実行した実行履歴を示す履歴情報を記憶する装置から、前記履歴情報を取得する履歴取得手段と、
前記履歴情報に基づいて、前記評価対象ユーザの心身の状態または能力に関する評価情報に基づいて設定された判定条件に対する前記実行履歴の達成状況を特定する達成状況特定手段と、
前記通知先ユーザに、前記達成状況を通知する通知手段、として機能させる、
端末プログラム。
【請求項2】
前記判定条件は、前記ゲームの実行を制限させるための制限条件を含み、
前記達成状況特定手段は、前記制限条件に対する前記実行履歴の達成状況を特定し、
前記通知先端末を、
前記達成状況に基づいて、前記評価対象ユーザが前記ゲームを実行する評価対象端末に対して、前記評価対象ユーザによる前記ゲームの実行の制限を指示する制限指示手段としてさらに機能させる、
請求項1に記載の端末プログラム。
【請求項3】
前記通知先端末を、
前記評価対象ユーザの評価対象端末から、前記制限条件の緩和を要求する緩和要求を受け付ける第1受付手段と、
前記緩和要求に基づいて、前記制限条件を緩和する条件緩和手段、としてさらに機能させる、
請求項2に記載の端末プログラム。
【請求項4】
前記通知先端末を、
前記履歴情報に基づいて、前記評価対象ユーザによる前記ゲームの進行状況を特定する進行状況特定手段と、
前記進行状況に基づいて、前記制限条件の緩和の範囲を特定する範囲特定手段、としてさらに機能させ、
前記条件緩和手段は、前記特定された範囲内で、前記制限条件を緩和する、
請求項3に記載の端末プログラム。
【請求項5】
前記判定条件は、所定期間における、前記ゲームの実行回数の下限、および実行時間の下限の少なくともいずれかを規定するものであり、
前記達成状況特定手段は、前記達成状況として、前記下限に対して前記ゲームの実行履歴が未達成か否かを特定し、
前記通知手段は、前記達成状況特定手段により未達成と特定された場合、前記通知先ユーザに、前記未達成である旨を通知する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の端末プログラム。
【請求項6】
前記通知先端末を、
前記評価対象ユーザの生体情報を記憶する装置から、前記生体情報を取得する生体取得手段と、
前記生体情報に基づいて、前記判定条件を調整する条件調整手段、としてさらに機能させる、
請求項1から5のいずれか一項に記載の端末プログラム。
【請求項7】
前記条件調整手段は、負担特定手段を備え、
前記負担特定手段は、前記生体情報に基づいて、前記ゲームによる前記心身への負担を示す負担情報を特定し、
前記条件調整手段は、前記負担情報に基づいて、前記判定条件を調整する、
請求項6に記載の端末プログラム。
【請求項8】
前記通知先端末を、
前記評価対象ユーザが前記ゲームを実行する評価対象端末、または前記ゲームの実行を制御するサーバ装置から、前記評価対象ユーザにより実行されている前記ゲームの画像を示すゲーム画像データを受信する受信手段と、
前記ゲーム画像データに基づいて、前記通知先ユーザに、前記ゲームの画像を提示する画像提示手段、としてさらに機能させる、
請求項1から7のいずれか一項に記載の端末プログラム。
【請求項9】
前記通知先端末を、
前記進行状況に基づいて、前記通知先ユーザに、前記評価対象ユーザに対するメッセージの送信、および前記評価対象ユーザによる前記ゲームの実行に対する前記通知先ユーザの介入の少なくともいずれかを推奨する旨を示す推奨情報を提示する推奨提示手段と、
前記通知先ユーザから、前記推奨情報に対する、前記メッセージの送信の送信要求、および前記通知先ユーザの介入を要求する介入要求の少なくともいずれかを受け付ける第2受付手段と、
前記第2受付手段が前記送信要求を受け付けた場合、前記通知先端末に記憶された前記ゲームのプログラムが備えるメッセージ機能に対して、前記メッセージの送信を指示する送信指示手段と、
前記第2受付手段が前記介入要求を受け付けた場合、前記評価対象ユーザの評価対象端末に記憶された前記ゲームのプログラムに対して、前記ゲームの実行に対する前記通知先ユーザの介入を指示する介入指示手段、としてさらに機能させる、
請求項1から8のいずれか一項に記載の端末プログラム。
【請求項10】
通知先ユーザの端末装置であって、
前記通知先ユーザに関連付けられた評価対象ユーザがゲームを実行した実行履歴を示す履歴情報を記憶する装置から、前記履歴情報を取得する履歴取得部と、
前記履歴情報に基づいて、前記評価対象ユーザの心身の状態または能力に関する評価情報に基づいて設定された判定条件に対する前記実行履歴の達成状況を特定する達成状況特定部と、
前記通知先ユーザに、前記達成状況を通知する通知部と、を備える、
端末装置。
【請求項11】
サーバ装置を
評価対象ユーザの心身の状態または能力に関する評価情報に基づいて、前記評価対象ユーザのゲームの実行履歴に対する判定条件を設定する設定手段と、
前記評価対象ユーザの操作入力に応じて、前記ゲームを実行させるゲーム実行手段と、
前記判定条件に対する前記ゲーム実行手段により実行された前記ゲームの実行履歴の達成状況を特定する達成状況特定手段と、
前記評価対象ユーザに関連付けられた通知先ユーザの通知先端末に、前記達成状況を通知する通知手段、として機能させる、
サーバプログラム。
【請求項12】
評価対象ユーザの心身の状態または能力に関する評価情報に基づいて、前記評価対象ユーザのゲームの実行履歴に対する判定条件を設定する設定部と、
前記評価対象ユーザの操作入力に応じて、前記ゲームを実行させるゲーム実行部と、
前記判定条件に対する前記ゲーム実行部により実行された前記ゲームの実行履歴の達成状況を特定する達成状況特定部と、
前記評価対象ユーザに関連付けられた通知先ユーザに、前記達成状況を通知する通知部と、を備える、
コンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末プログラム、端末装置、サーバプログラム、サーバ装置およびコンピュータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームを実行するユーザの保護者などの管理者アカウントに対して、このユーザのアカウントによるゲームのプレイ時間や管理者アカウントにより設定されたプレイ時間の上限に対する残り時間を表示する技術が知られている(非特許文献1参照)。この技術では、さらに、プレイ時間の時間帯別のプレイ時間の合計を表すグラフや所定期間あたりの平均プレイ時間も表示することができる。このような技術によれば、管理者アカウントのユーザは、自身が設定した適切なプレイ時間に対してどの程度ゲームを実行したかその実績を把握することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“子供だけでなく,“困った大人”にも使える! ゲーム機&スマホのペアレンタルコントロール機能ガイド”,[online],令和元年8月10日,Aetas株式会社,[令和4年2月6日],インターネット,<https://www.4gamer.net/games/999/G999905/20190731140/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ユーザそれぞれに合うゲームのプレイ時間やプレイ回数などのゲームの実行状況は異なりうるため、それぞれに合った実行状況に対してどの程度ゲームを実行したかの実績を、保護者などの通知先に知らせたいというニーズがある。しかしながら、上記従来技術では、プレイ時間について、管理者アカウントが設定した上限に対する残り時間を表示するのみであり、改善の余地がある。
【0005】
本開示は、ユーザそれぞれに合うゲームの実行状況に対する実績を通知先に知らせることができる端末プログラム、端末装置、サーバプログラム、サーバ装置およびコンピュータシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面は、通知先ユーザの通知先端末を
前記通知先ユーザに関連付けられた評価対象ユーザがゲームを実行した実行履歴を示す履歴情報を記憶する装置から、前記履歴情報を取得する履歴取得手段と、
前記履歴情報に基づいて、前記評価対象ユーザの心身の状態または能力に関する評価情報に基づいて設定された判定条件に対する前記実行履歴の達成状況を特定する達成状況特定手段と、
前記通知先ユーザに、前記達成状況を通知する通知手段、として機能させる、
端末プログラムである。
【0007】
また、第1の側面において、前記判定条件は、前記ゲームの実行を制限させるための制限条件を含み、
前記達成状況特定手段は、前記制限条件に対する前記実行履歴の達成状況を特定し、
前記通知先端末を、
前記達成状況に基づいて、前記評価対象ユーザが前記ゲームを実行する評価対象端末に対して、前記評価対象ユーザによる前記ゲームの実行の制限を指示する制限指示手段としてさらに機能させることができる。
【0008】
また、第1の側面において、前記通知先端末を、
前記評価対象ユーザの評価対象端末から、前記制限条件の緩和を要求する緩和要求を受け付ける第1受付手段と、
前記緩和要求に基づいて、前記制限条件を緩和する条件緩和手段、としてさらに機能させることができる。
【0009】
また、第1の側面において、前記通知先端末を、
前記履歴情報に基づいて、前記評価対象ユーザによる前記ゲームの進行状況を特定する進行状況特定手段と、
前記進行状況に基づいて、前記制限条件の緩和の範囲を特定する範囲特定手段、としてさらに機能させ、
前記条件緩和手段は、前記特定された範囲内で、前記制限条件を緩和することができる。
【0010】
また、第1の側面において、前記判定条件は、所定期間における、前記ゲームの実行回数の下限、および実行時間の下限の少なくともいずれかを規定するものであり、
前記達成状況特定手段は、前記達成状況として、前記下限に対して前記ゲームの実行履歴が未達成か否かを特定し、
前記通知手段は、前記達成状況特定手段により未達成と特定された場合、前記通知先ユーザに、前記未達成である旨を通知することができる。
【0011】
また、第1の側面において、前記通知先端末を、
前記評価対象ユーザの生体情報を記憶する装置から、前記生体情報を取得する生体取得手段と、
前記生体情報に基づいて、前記判定条件を調整する条件調整手段、としてさらに機能させることができる。
【0012】
また、第1の側面において、前記条件調整手段は、負担特定手段を備え、
前記負担特定手段は、前記生体情報に基づいて、前記ゲームによる前記心身への負担を示す負担情報を特定し、
前記条件調整手段は、前記負担情報に基づいて、前記判定条件を調整することができる。
【0013】
また、第1の側面において、前記通知先端末を、
前記評価対象ユーザが前記ゲームを実行する評価対象端末、または前記ゲームの実行を制御するサーバ装置から、前記評価対象ユーザにより実行されている前記ゲームの画像を示すゲーム画像データを受信する受信手段と、
前記ゲーム画像データに基づいて、前記通知先ユーザに、前記ゲームの画像を提示する画像提示手段、としてさらに機能させることができる。
【0014】
また、第1の側面において、前記通知先端末を、
前記進行状況に基づいて、前記通知先ユーザに、前記評価対象ユーザに対するメッセージの送信、および前記評価対象者による前記ゲームの実行に対する前記通知先ユーザの介入の少なくともいずれかを推奨する旨を示す推奨情報を提示する推奨提示手段と、
前記通知先ユーザから、前記推奨情報に対する、前記メッセージの送信の送信要求、および前記通知先ユーザの介入を要求する介入要求の少なくともいずれかを受け付ける第2受付手段と、
前記第2受付手段が前記送信要求を受け付けた場合、前記通知先端末に記憶された前記ゲームのプログラムが備えるメッセージ機能に対して、前記メッセージの送信を指示する送信指示手段と、
前記第2受付手段が前記介入要求を受け付けた場合、前記評価対象ユーザの評価対象端末に記憶された前記ゲームのプログラムに対して、前記ゲームの実行に対する前記通知先ユーザの介入を指示する介入指示手段、としてさらに機能させることができる。
【0015】
第2の側面は、
通知先ユーザの端末装置であって、
前記通知先ユーザに関連付けられた評価対象ユーザがゲームを実行した実行履歴を示す履歴情報を記憶する装置から、前記履歴情報を取得する履歴取得部と、
前記履歴情報に基づいて、前記評価対象ユーザの心身の状態または能力に関する評価情報に基づいて設定された判定条件に対する前記実行履歴の達成状況を特定する達成状況特定部と、
前記通知先ユーザに、前記達成状況を通知する通知部と、を備える、
端末装置である。
【0016】
第3の側面は、サーバ装置を
評価対象ユーザの心身の状態または能力に関する評価情報に基づいて、前記評価対象ユーザのゲームの実行履歴に対する判定条件を設定する設定手段と、
前記評価対象ユーザの操作入力に応じて、前記ゲームを実行させるゲーム実行手段と、
前記判定条件に対する前記ゲーム実行手段により実行された前記ゲームの実行履歴の達成状況を特定する達成状況特定手段と、
前記評価対象ユーザに関連付けられた通知先ユーザの通知先端末に、前記達成状況を通知する通知手段、として機能させる、
サーバプログラム。
【0017】
第4の側面は、
評価対象ユーザの心身の状態または能力に関する評価情報に基づいて、前記評価対象ユーザのゲームの実行履歴に対する判定条件を設定する設定部と、
前記評価対象ユーザの操作入力に応じて、前記ゲームを実行させるゲーム実行部と、
前記判定条件に対する前記ゲーム実行手段により実行された前記ゲームの実行履歴の達成状況を特定する達成状況特定部と、
前記評価対象ユーザに関連付けられた通知先ユーザに、前記達成状況を通知する通知部と、を備える、
コンピュータシステムである。
【0018】
本開示によれば、ユーザそれぞれに合うゲームの実行状況に対する実績を通知先に知らせることができる端末プログラム、端末装置、サーバプログラム、サーバ装置およびコンピュータシステムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態における通知システムの構成を示すブロック図である。
図2】第1実施形態における通知システムの概要を説明するための図である。
図3】第1実施形態における通知システムのデータ構成の一例を示す図である。
図4】第1実施形態における通知システムの一連の動作を表すシーケンス図である。
図5】第1実施形態における通知システムの概要を説明するための図である。
図6】第2実施形態における通知システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
本開示の第1実施形態(以下、「本実施形態」ともいう)にかかる通知システム1について、図面を参照して説明する。
【0021】
<通知システムの説明>
通知システム1は、コンピュータシステムの一態様であり、見守り対象のユーザ(以下、「評価対象ユーザ」ともいう)のゲームの実行状況が評価対象ユーザに合ったものであるかを見守るために、このゲームの実行状況を、通知先に設定された他のユーザ(例えば、評価対象ユーザの家族など)に通知するシステムである。以下、通知先に設定されたユーザを「通知先ユーザ」ともいう。
【0022】
本実施形態では、評価対象ユーザにゲームを提供するゲームシステムを通知システム1が兼ねる例を説明するが、本発明にかかる通知システムをこれに限定する趣旨ではない。他の例として、通知システムとゲームシステムとは、異なる個別のシステムであってもよい。
【0023】
図1に示すように、通知システム1は、サーバ装置2、通知先ユーザが使用する通知先端末5、および評価対象ユーザが使用する評価対象端末7にて構成される。通知先端末5および評価対象端末7を含む通知システム1のユーザが使用する端末について、以下、特に区別の必要がない場合は、総称して、「ユーザ端末」ともいう。通知システム1では、サーバ装置2および複数のユーザ端末が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続されている。
【0024】
サーバ装置2は、通知システム1を運営する運営者(以下、「システム運営者」ともいう)が使用する情報処理装置である。サーバ装置2は、所定のプログラム(以下、「サーバプログラム」ともいう)を実行することにより、ユーザ端末と連携して、評価対象ユーザのゲームの履歴情報を取得したり、ゲームの実行状況の通知に関する各種判定をするための条件(以下、単に「判定条件」ともいう)を設定したり、この設定された判定条件を通知先端末5に連携したりする機能を実現する。また、サーバ装置2は、例えば、Webサーバとして通知システム1を利用するためのWebサイト(以下、「見守りサイト」ともいう)を通知先ユーザに提供してもよい。
【0025】
「履歴情報」とは、通知先ユーザに関連付けられた評価対象ユーザがゲームを実行した実行履歴を示す情報である。履歴情報は、言い換えれば、いわゆるプレイログである。
【0026】
判定条件は、例えば、所定期間におけるゲームの実行量の下限(以下、単に「実行量の下限」ともいう)を規定するものであってもよい。このゲームの実行量とは、例えば、ゲームの実行回数の下限、および実行時間の下限の少なくともいずれかである。
【0027】
サーバ装置2は、ゲームシステムのサーバ(以下、「ゲームサーバ」ともいう)の機能も有する。サーバ装置2は、所定のプログラム(以下、「サーバプログラム」ともいう)を実行することにより、ゲームサーバの機能として、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲームを実行するユーザのアカウントごとのゲームデータおよびゲームの実行状況の管理を行う。ゲームデータとは、ゲーム進行に必要なデータおよびゲームのプレイデータなどを含む。
【0028】
ユーザ端末は、ユーザが使用する情報処理装置である。ユーザ端末は、スマートフォンやラップトップなどの汎用的な端末装置であってもよいし、通知システム1専用の装置であってもよい。ユーザ端末は、所定のプログラム(以下、「端末プログラム」ともいう)を実行することにより、ゲームの実行状況を通知するUIをユーザに提供する。
【0029】
端末プログラムは、例えば、通知システム1専用の通知用のアプリケーションプログラム(以下、「見守りアプリ」ともいう)やゲームのアプリケーションプログラム(以下、「ゲームアプリ」ともいう)であってもよい。ゲームアプリは、通知システム1が兼ねるゲームシステム用のアプリであってもよいし、通知システム1とは別個の既存のアプリであってもよい。また、見守りアプリとゲームアプリは、例えば、1つのアプリに統合されていてもよいし、異なる別個のアプリでもよい。また、端末プログラムは、他の例として、情報処理装置に汎用的に備わっているWebブラウザであってもよい。この場合、通知先ユーザは、Webブラウザ介してサーバ装置2が提供する見守りサイトを利用する。例えば、見守りアプリやゲームアプリの場合、通信ネットワーク6を介して、サーバ装置2やアプリケーションストアから見守りアプリやゲームアプリをユーザ端末にダウンロード、インストールおよびセットアップをして、通知システム1をユーザが利用できるようにする。本実施形態では、通知先端末5側で実行する処理が多いため、見守りアプリを主に利用する例を説明するが、見守りアプリに限定する趣旨ではなく、例えば、通知機能や提示機能などの一部の機能についてはWebブラウザを介して見守りサイトを利用してもよい。
【0030】
通知システム1では、ユーザそれぞれのアカウント発行にあたって、ユーザ識別情報(例えば、ユーザID)およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ユーザのアカウント認証に利用される。具体的には、このアカウント情報は、見守りアプリやWebブラウザからのログイン時、ユーザ端末からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2においてアカウント認証の処理が実行される。そして、アカウント認証を経て、サーバ装置2とユーザ端末との相互通信が可能となる。
【0031】
ここで図2を参照して、通知システム1の概要を説明する。本例では、評価対象ユーザの治療などの特定の目的のためにゲームを使用するにあたって、評価対象ユーザの家族にこの評価対象ユーザのゲームの実行状況を通知する例を説明する。また、通知システム1で発行されるアカウントは、例えば、通知先ユーザ用の通知用アカウントと、評価対象ユーザ用の評価対象用アカウントとを含んでもよい。
【0032】
(1)図2に示すように、通知システム1では、評価対象ユーザの家族である通知先ユーザが、評価対象ユーザの評価対象アカウントに対応する通知用アカウントの発行要求を、通知先端末5からサーバ装置2に対して行う。この際、この対応させる評価対象ユーザを特定するために、評価対象ユーザのユーザ識別情報をこの発行要求に含んでもよい。(2)サーバ装置2は、この発行要求を受け付けると、通知用アカウントを、特定された評価対象用アカウントに関連付けて発行する。(3)サーバ装置2は、発行した通知用アカウントのアカウント情報を通知先ユーザに通知先端末5から通知する。
【0033】
(4)医師免許などの特定の資格を有する第三者のユーザ(以下、「評価ユーザ」ともいう)は、自身のユーザ端末から、診察や処方を行っている患者である評価対象ユーザの心身の状態または能力を評価した情報(以下、「評価情報」ともいう)をサーバ装置2の記憶部に登録する。評価情報は、評価を行った評価ユーザを特定するための情報(評価ユーザ識別情報。例えば、評価ユーザID)と対応付けてサーバ装置2に記憶されることにより、正当な評価情報であることが特定されることが好ましい。本例では、評価情報が、認知機能レベルとして、「認知症高齢者の日常生活自立度」がランク「IIa」であることを示すものとする。また、評価情報は、他の例として、評価ユーザが設定した、評価対象ユーザに適した1日当たりの総プレイ時間を示してもよい。
【0034】
(5)サーバ装置2は、上記(4)で登録された評価情報に基づいて、評価対象ユーザのゲームの実行履歴に対する判定条件を設定する。例えば、レベルIIaの評価対象ユーザの認知症の改善のために、判定条件として、1日当たりの総プレイ時間の下限を「30分」と設定する。サーバ装置2は、例えば、「認知症高齢者の日常生活自立度」のランクごとに1日当たりの総プレイ時間の下限を設定したテーブルを記憶する記憶部55を参照して、このテーブルに基づいて、1日当たりの総プレイ時間の下限を設定してもよい。このように、評価対象ユーザは、認知症の改善のために、30分以上ゲームを実行することを目標に設定される。(6)サーバ装置2は、設定された判定条件を示す条件情報を、通知先端末5に送信する。
【0035】
評価ユーザは、例えば、医師、資格を有する専門家、医療機関、および/または専門機関などである。
【0036】
評価情報は、評価ユーザから評価(診断)された情報であって、例えば、ユーザの健康状態、認知症状、精神疾患、認知機能レベル、ストレスレベル、身体障害レベル、職業能力レベル、および/または知的能力レベルなどを示す情報である。
【0037】
(7)評価対象ユーザが、評価対象端末7でゲームを実行すると、そのゲームを実行した実行履歴を示す履歴情報が、評価対象端末7からサーバ装置2に送信される。(8)サーバ装置2は、この履歴情報を通知先端末5に送信する。
【0038】
(9)通知先ユーザは、通知先端末5の見守りアプリにログインする。(10)見守りアプリは、上記の履歴情報に基づいて、上記(6)で送信された条件情報が示す判定条件に対する評価対象ユーザの実行履歴の達成状況を特定する。例えば、1日当たりの総プレイ時間の下限を「30分」と設定されて、かつ履歴情報の実行履歴が1日当たりの総プレイ時間の実績を「10分」と示す場合、通知先端末5の見守りアプリなどは、実行履歴の達成状況を「未達成」と特定する。(11)見守りアプリは、通知先ユーザに、通知先端末5を介して特定された達成状況(未達成)を通知する。
【0039】
<通知先端末の構成>
図1に戻って説明を続ける。以下、通知先端末5のハードウェア構成および機能構成について説明する。
【0040】
通知先端末5は、ネットワークインタフェース51、記憶部55および制御部56を有する。ネットワークインタフェース51および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0041】
ネットワークインタフェース51は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介してサーバ装置2と他のユーザ端末と通信可能接続されている。
【0042】
出力部52は、画面による出力の場合(言い換えれば、画面表示の場合)、制御部56の制御によって(具体的には、制御部56から出力される制御のための情報に基づいて)、各種画像やテキストなどを含む見守りサイトや見守りアプリの画面を出力するための出力情報を生成する。そして出力部52は、この生成した出力情報に基づいて接続されたディスプレイ(不図示)上に見守りアプリの各種画面を出力する。また、出力部52は、音声による出力の場合、制御部56から出力される情報に基づいて、音声を再生および合成して、接続されたスピーカ(不図示)に音声出力させる。
【0043】
入力部53は、接続されたタッチパッドやキーボードなどの周辺機器(不図示)に対するユーザの操作入力に関するデータをこれらの周辺機器との間で送受信する。例えば、ユーザは、このタッチパッドをタッチすることで、通知先端末5に操作信号を入力する。
【0044】
撮像部54は、制御部56の制御によって、外付けまたは内蔵するカメラ(不図示)により、通知先端末5を操作するユーザの顔などを含む所定の範囲を撮像して画像情報を取得する。
【0045】
記憶部55は、主記憶装置、補助記憶装置または外部記憶装置などのプログラムやデータを記憶する装置である。記憶部55は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部55には、本実施形態にかかる端末プログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザ情報551などが記憶されている。
【0046】
本実施形態にかかるプログラム(端末プログラムを含む)は、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0047】
ユーザ情報551は、ユーザのアカウントごとに(言い換えれば、ユーザ識別情報ごとに)、アカウント情報、対応する評価対象ユーザのユーザ識別情報およびゲームの履歴情報、適用される判定条件を示す条件情報などが、関連付けられて記憶されている。
【0048】
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置5の動作を制御する、すなわちデータの演算、加工及び転送並びにプログラムの実行や他の装置の制御などを担う処理装置(例えば、プロセッサなど)である。制御部56は、記憶部55に格納されているプログラムを実行することにより、通知先端末5における様々な機能を実現することができる。
【0049】
制御部56は、端末プログラムを含む各種プログラムを実行することにより、通信手段561、受付手段562、取得手段563、特定手段564、条件調整手段565、通知手段566、および指示手段567として機能する。
【0050】
―通信手段―
通信手段561は、ネットワークインタフェース51を介してサーバ装置2や他のユーザ端末との通信を行う機能である。
【0051】
通信手段561は、入力部がタッチパッドから受信した各種操作信号に応じて、サーバ装置2や他のユーザ端末が把握可能な情報を生成して送信する。例えば、通信手段561は、アカウント情報、アカウントの発行要求、条件情報のダウンロード要求、新たなゲームデータのダウンロード要求、ユーザ情報、ゲームデータなどを、サーバ装置2に送信する。また、通信手段561は、ダウンロード要求に応じてサーバ装置2から送られてきた新たなゲームデータ、条件情報などを、サーバ装置2から受信する。
【0052】
-受付手段―
受付手段562は、ユーザから、各種選択や指示、または要求などを受け付ける。受付手段562は、例えば、通知先ユーザから、通知用アカウントの発行要求や発行された通知用アカウントの認証要求(言い換えれば、見守りサイトや見守りアプリへのログイン要求)を受け付ける。
【0053】
-第1受付手段―
受付手段562は、第1受付手段5621を備えてもよい。第1受付手段5621は、評価対象端末7から、判定条件に含まれる制限条件であってゲームの実行を制限するための制限条件の緩和を要求する緩和要求を受け付ける。
【0054】
-取得手段―
取得手段563は、サーバ装置2や他のユーザ端末から、各種情報を取得する。
【0055】
-履歴取得手段―
取得手段563は、履歴取得手段5631を備える。履歴取得手段5631は、通知先ユーザに関連付けられた評価対象ユーザの履歴情報を記憶する装置から、この履歴情報を取得する。「履歴情報を記憶する装置」とは、例えば、記憶部55であってもよいし、サーバ装置2(具体的には、サーバ装置2が備える記憶部)であってもよいし、評価対象端末7であってもよい。
【0056】
-特定手段―
特定手段564は、評価対象ユーザのゲームに関する各種状況や各種範囲を特定する。
【0057】
-達成状況特定手段―
特定手段564は、達成状況特定手段5641を備えてもよい。達成状況特定手段5641は、履歴取得手段5631により取得された履歴情報に基づいて、評価対象ユーザの評価情報に基づいて設定された判定条件に対する、評価対象ユーザのゲームの実行履歴の達成状況を特定する。
【0058】
判定条件は、例えば、ゲームの実行を制限させるための条件(以下、「制限条件」ともいう)を含んでもよい。達成状況特定手段5641は、例えば、この制限条件に対する、評価対象ユーザのゲームの実行履歴の達成状況を特定してもよい。
【0059】
達成状況特定手段5641は、例えば、達成状況として、設定された実行量の下限に対してゲームの実行履歴が未達成か否かを特定してもよい。
【0060】
<判定条件>
ここで、図3を参照して、判定条件の一例を説明する。図3に示すように、判定条件は、No.1~5の項目(以下、「条件項目」ともいう)のいずれか1つから構成されていてもよいし、複数から構成されていてもよい。特定手段564は、評価対象ユーザの評価情報に基づいて、複数の条件項目の中から判定条件として適用する条件項目を特定してもよい。
【0061】
複数の条件項目のそれぞれについて、例えば、ゲームの実行量の上限を定めるものか下限を定めるものか区分けされていてもよい。例えば、No.2の条件項目「最低プレイ回数/週」は、1週間あたりのゲームの実行回数の下限を設けるものである。実行履歴が示す実績がこの下限に達成しない場合、達成状況特定手段5641は、実行履歴の達成状況を「未達成」と特定する。また、例えば、No.3の条件項目「最大総プレイ時間/日」は、1日あたりのゲームのプレイ時間の合計の上限を設けるものである。実行履歴が示す実績がこの上限に達成した場合、達成状況特定手段5641は、実行履歴の達成状況を「達成」と特定する。
【0062】
複数の条件項目のそれぞれについて、条件項目に対する制限値(上限値や下限値)の設定を必須とするか否か設定されていてもよい。例えば、No.2の条件項目「最低プレイ回数/週」は、必須「〇」とされているため、No2.の条件項目が判定条件として適用されている場合は、下限値(例えば、5回/週など)を設定しないとゲームが開始(言い換えれば、ゲームが起動)されないように制御してもよい。
【0063】
-進行状況特定手段―
図1に戻って説明を続ける。特定手段564は、進行状況特定手段5642を備えてもよい。進行状況特定手段5642は、履歴取得手段5631により取得された履歴情報に基づいて、評価対象ユーザによるゲームの進行状況を特定する。進行状況特定手段5642は、例えば、履歴情報に基づいて、ゲームに含まれる複数のステージ(言い換えれば、メインクエストなどであってもよい)のうちどのステージまでクリアしたか特定してもよい。
【0064】
進行状況特定手段5642は、例えば、履歴情報に基づいて、進行状況として、ゲームに含まれる特定のステージにおける進行具合(例えば、順調に進行している、進行が停滞しているなど)を特定してもよい。進行状況特定手段5642は、例えば、評価対象ユーザごとに、1つのステージにおける開始からクリアするまでのプレイ時間の所定期間における統計値(例えば、中央値や平均値など)を算出して、算出された統計値と特定のステージにかかっているプレイ時間を比較することで特定対象のステージにおける進行具合を示してもよい。具体的には、進行状況特定手段5642は、算出された統計値を基準として、特定のステージの開始から特定時点までのプレイ時間が、所定の範囲内であれば「標準」、所定の範囲の上限を超える場合は「停滞」、所定の範囲の下限を下回る場合は「順調」というように段階別(本例では、3段階)に特定してもよい。また、進行状況特定手段5642は、他の例として、1つのステージあたりの操作入力をミスした回数やゲームオーバになった回数をカウントして、このカウントした回数が設定された閾値を超えた場合、進行具合を「停滞」と特定してもよい。
【0065】
-範囲特定手段―
特定手段564は、範囲特定手段5643を備えてもよい。範囲特定手段5643は、進行状況特定手段5642により特定された進行状況に基づいて、制限条件の緩和の範囲を特定する。
【0066】
範囲特定手段5643は、例えば、進行状況に基づいて、ゲームに含まれる複数のステージのうち序盤のステージまでしかクリアできていない、すなわちゲームの進行状況が初期段階であると判定された場合は、制限条件の緩和の範囲を、設定された標準よりも広くとるように特定してもよい。具体的には、範囲特定手段5643は、制限条件の条件項目のうち特に制限種別が「上限」の項目について、その上限を緩めるよう変動させてもよい。範囲特定手段5643は、例えば、図3のNo.4の条件項目について、1日当たりの最大総プレイ時間が「1時間」と設定されており、かつ設定された標準が「1.3倍」の場合、ゲームの初期段階においては、緩和の範囲を「1.5倍」と特定し、1日当たりの最大総プレイ時間を「1時間30分」と変動させてもよい。
【0067】
範囲特定手段5643は、例えば、進行状況に基づいて、ゲームに含まれる複数のステージのうち終盤のステージまでクリアできている、すなわちゲームの進行状況が後期の段階であると判定された場合は、制限条件の緩和の範囲を、設定された標準より狭くとるように特定してもよい。範囲特定手段5643は、例えば、図3のNo.4の条件項目について、1日当たりの最大総プレイ時間が「1時間」と設定されており、かつ設定された標準が「1.3倍」の場合、ゲームの後期の段階においては、緩和の範囲を「1.1倍」と特定し、1日当たりの最大総プレイ時間を「1時間6分」と変動させてもよい。他の例として、範囲特定手段5643は、このような場合、緩和の範囲を「0.8倍」と特定し、1日当たりの最大総プレイ時間を「48分」と特定し、元の「1時間」より小さくなるように変動させてもよい。
【0068】
例えば、ゲームの初期段階では評価対象ユーザをゲームに定着させるために、ある程度ゲームを進行させたユーザと比較して緩い制限が求められる場合がある。他方、ゲームの中期や後期の段階では、もはや緩い制限が必要なくなる場合がある。このように、画一的な制限条件ではなく、進行状況に柔軟に対応する制限条件が求められる場合がある。上記構成によれば、評価対象ユーザのゲームの進行状況に基づいて緩和の範囲を特定するため、進行状況に応じた制限条件の緩和を行うことができる。
【0069】
-条件調整手段―
条件調整手段565は、各種の情報に基づいて判定条件を調整する。
【0070】
-条件緩和手段―
条件調整手段565は、条件緩和手段5651を備えてもよい。条件緩和手段5651は、第1受付手段5621により受け付けられた緩和要求に基づいて、制限条件を緩和する。条件緩和手段5651は、例えば、図3のNo.5の条件項目について、最大連続プレイ時間が「1時間」と設定されており、かつ最大連続プレイ時間を「1時間30分」とする要求が緩和要求に示されている場合、最大連続プレイ時間を「1時間30分」に変動させてもよい。
【0071】
上記構成によれば、条件緩和手段5651は、評価対象ユーザからの緩和要求により制限条件を緩和することができる。このため、評価対象ユーザの意向にそった制限条件とすることができる。
【0072】
条件緩和手段5651は、例えば、範囲特定手段5643により特定された範囲内で、制限条件を緩和してもよい。条件緩和手段5651は、例えば、図3のNo.5の条件項目について、最大連続プレイ時間が「1時間」と設定されており、特定された緩和の範囲が「1.5倍」であり、かつ最大連続プレイ時間を「1時間10分」とする緩和要求である場合、最大連続プレイ時間を「1時間10分」に変動させてもよい。他方、条件緩和手段5651は、例えば、図3のNo.5の条件項目について、最大連続プレイ時間の設定と緩和の範囲とが同じであって、緩和要求が最大連続プレイ時間を「1時間40分」とする要求である場合、この緩和要求を却下してもよい。
【0073】
上記構成によれば、条件緩和手段5651は、進行状況により特定された緩和の範囲内で評価対象ユーザからの緩和要求により制限条件を緩和することができる。このため、評価対象ユーザの意向に沿いつつ、進行状況にあった制限条件とすることができる。
【0074】
-通知手段―
通知手段566は、通知先ユーザに、各種の情報を通知する。通知手段566は、通知先ユーザに、達成状況特定手段5641により特定された達成状況を通知する。通知手段566は、例えば、通知先ユーザの表示要求に応じて、見守りサイトや見守りアプリの画面で、判定条件に対する達成状況(例えば、「未達成」または「達成」など)を表示させてもよい。通知手段566は、他の例として、見守りアプリによるプッシュ通知により、表示や音で通知させてもよい。
【0075】
上記構成によれば、通知手段566は、評価対象ユーザの心身の状態または能力に関する評価情報に基づいた判定条件に対するゲームの実行履歴の達成状況を、通知先ユーザに通知することができる。このため、通知システム1は、評価対象ユーザに合うゲームの実行状況に対する実績を通知先に知らせることができる。
【0076】
通知手段566は、例えば、達成状況特定手段5641により実行履歴が未達成と特定された場合、通知先ユーザに、設定された実行量の下限に対して、評価対象ユーザによるゲームの実行履歴が未達成である旨を通知してもよい。
【0077】
例えば、治療や心身の症状の改善などを目的に評価対象ユーザがゲームを実行している場合、ゲームをほとんど実行しない状態は評価対象ユーザにとって望ましくない場合がある。上記構成によれば、通知手段566は、治療や心身の症状の改善などに向けて実行すべきゲームの実行量の下限が設定された上で、その下限に対する達成状況を通知することができる。このため、通知手段566は、通知先ユーザに、評価対象ユーザが実行量の下限に対して「未達成」であることを把握させることができる。これにより、通知先ユーザに、評価対象ユーザがゲームをほとんど実行していない状態の場合などにおいて、評価対象ユーザにゲームの実行を促すように行動させることができる。
【0078】
-指示手段―
指示手段567は、サーバ装置2や他のユーザ端末に対して各種の指示を行う。
【0079】
-制限指示手段―
指示手段567は、制限指示手段5671を備えてもよい。制限指示手段5671は、達成状況特定手段5641により特定された制限条件に対する達成状況に基づいて、評価対象ユーザがゲームを実行する評価対象端末7に対して、この評価対象ユーザによるゲームの実行の制限を指示する。制限指示手段5671は、例えば、図3のNo.5の条件項目について、最大連続プレイ時間が「1時間」と設定されており、かつ達成状況が「達成」または「超過」の場合、評価対象端末7のゲームを開始(言い換えれば、ゲームアプリを起動)できないように指示してもよい。また、制限指示手段5671は、この制限に伴い、制限された旨を、プッシュ通知などにより、評価対象端末7に通知してもよい。
【0080】
上記構成によれば、制限指示手段5671は、ユーザの心身の状態や能力に関する評価情報に基づいて設定された制限条件の制限を超えてしまう場合などにおいて、それ以上ゲームをできないようにゲームの実行を制限させることができる。このため、制限指示手段5671は、ユーザの心身の状態や能力に鑑みて設定された上限を超過しないように、より実効的な手段を通じて、ゲームのやり過ぎなどを防止することができる。
【0081】
<通知システムの動作の流れ>
図4を参照して、通知システム1における通知の処理の流れ・相互作用の一例について説明する。
【0082】
図4(a)は、サーバ装置2が判定条件を設定して、通知先端末5に、この設定した判定条件を共有する際の処理の流れ・相互作用を示すシーケンス図である。
【0083】
図4(a)に示すように、まず、サーバ装置2は、評価情報に基づいて、評価対象ユーザのゲームの実行履歴に対する判定条件を設定する(ステップst11)。次いで、サーバ装置2は、設定した判定条件を示す条件情報を、通知先端末5に送信する(ステップst12)。次いで、通知先端末5は、受信した条件情報に基づいて、特定手段564が各種情報を特定するために、判定条件を設定する(ステップst13)。
【0084】
図4(b)は、通知先端末5が共有された判定条件(制限条件を含む)をもって、評価対象ユーザのゲームの実行履歴の達成状況を特定して通知先ユーザに通知し、これにより評価対象ユーザのゲームの制限を指示する際の処理の流れ・相互作用を示すシーケンス図である。
【0085】
図4(b)に示すように、まず、評価対象端末7は、評価対象ユーザの操作入力に応じて、ゲームを実行する(ステップst21)。次いで、評価対象端末7は、この評価対象ユーザがゲームを実行した実行履歴を示す履歴情報を、サーバ装置2に送信する(ステップst22)。次いで、サーバ装置2は、受信した履歴情報を記憶する(ステップst23)。
【0086】
次いで、サーバ装置2は、記憶している履歴情報であって通知先ユーザに関連付けられた評価対象ユーザの履歴情報を、通知先端末5に送信する(ステップst24)通知先端末5は、サーバ装置2から、送信された履歴情報を取得する(ステップst25)。通知先端末5は、この取得された履歴情報に基づいて、設定された判定条件(制限条件を含む)に対する実行履歴の達成状況を特定する(ステップst26)。通知先端末5は、通知先ユーザに、特定された達成状況を通知する(ステップst27)。
【0087】
判定条件に含まれる制限条件に対する履歴情報が示す評価対象ユーザのゲームの実行履歴の達成状況が「達成」、例えば、ゲームの実行履歴が図3のNo.5の条件項目が規定する上限(最大連続プレイ時間)に達した場合、サーバ装置2と通知先端末5と評価対象端末7とは、複合フラグメントopt1(Option1)が示すエリア内の処理を実行する。具体的には、まず、通知先端末5は、評価対象端末7に対して評価対象ユーザによるゲームの実行の制限を指示するための指示情報を生成する(ステップst28)。例えば、図3のNo.5の条件項目が規定する上限に実行履歴が達した場合、通知先端末5は、指示情報として、設定されたインターバル時間が経過するまでゲームを実行できないようにする指示する指示情報を生成する。通知先端末5は、生成された指示情報を、サーバ装置2を介して、評価対象端末7に送信する(ステップst29)。評価対象端末7は、受信した指示情報に基づいて、評価対象ユーザによるゲームの実行を制限する。例えば、図3のNo.5の条件項目が規定する上限が制限条件として適用される場合、評価対象端末7は、設定されたインターバル時間が経過するまでゲームの実行を開始または継続できないように制限する。
【0088】
以上をまとめると、通知先端末5の制御部56(コンピュータ)を、通知先ユーザに関連付けられた評価対象ユーザがゲームを実行した実行履歴を示す履歴情報を記憶する装置から、履歴情報を取得する履歴取得手段5631と、履歴情報に基づいて、評価対象ユーザの心身の状態または能力に関する評価情報に基づいて設定された判定条件に対する実行履歴の達成状況を特定する達成状況特定手段5641と、通知先ユーザに、達成状況を通知する通知手段566、として機能させるものである。
【0089】
<効果>
本実施形態によれば、評価対象ユーザの心身の状態または能力に関する評価情報に基づいた判定条件に対するゲームの実行履歴の達成状況を、通知先ユーザに通知することができる。このため、評価対象ユーザに合うゲームの実行状況に対する実績を通知先に知らせることができる。
【0090】
[変形例]
なお、本発明を上記実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されない。以下のような場合も本発明に含まれる。
【0091】
[第1変形例]
上記実施形態では示していないが、評価対象ユーザの生体の現状の状態を活用して、さらに評価対象ユーザに合う実行状況に調整してもよい。この「生体の現状の状態」とは、具体的には、後述するウェアラブルデバイスなどが評価対象ユーザの生体の状態を測定した際の状態をいう。
【0092】
-生体取得手段―
取得手段563は、生体取得手段(不図示)を備えてもよい。生体取得手段は、評価対象ユーザの生体情報を記憶する装置から、この生体情報を取得する。
【0093】
生体情報とは、ユーザの生体に関する情報であり、例えば、特定の時点(具体的には、測定時点)における、ユーザの脳波、静脈、心拍、活動量、呼吸の状態、睡眠深度、体温、血中酸素濃度、血圧、身長、および/または体重などを示す情報である。また、生体情報は、例えば、ユーザの顔画像であってもよい。
【0094】
生体情報を記憶する装置は、例えば、静脈、心拍、活動量、呼吸の状態、睡眠深度、睡眠時間、体温、および/または血圧などのユーザの生体の状態を計測するウェアラブルデバイスであってもよい。また、このように計測された生体の状態を示す生体情報をウェアラブルデバイスから取得して記憶するサーバ装置2や評価対象端末7、または自装置5の記憶部55であってもよい。
【0095】
条件調整手段565は、例えば、生体取得手段により取得された生体情報に基づいて、判定条件を調整してもよい。条件調整手段565は、例えば、生体情報に基づいて、所定期間(例えば、1か月間または半年間など)における体温の平均値を算出する。次に、条件調整手段565は、算出した平均値を基準として、その日の朝に取得された生体情報の体温が設定された基準より一定程度(例えば、体温であれば+5℃など)上回る場合、体調が良好ではないと判定する。そして、条件調整手段565は、体調が良好ではないと判定された日は、判定条件のうち制限種別が「下限」の条件項目について、その下限を低くするよう調整してもよい。
【0096】
評価情報が示す評価は、医師などの評価ユーザが診断などで評価したものであるため、定期的に評価していたとしても評価対象ユーザの生体の現状の状態をふまえることが困難な場合がある。上記構成によれば、条件調整手段565は、その日のコンディションなどの評価対象ユーザの現状の生体の状態をふまえて判定条件を調整することができ、より評価対象ユーザに合う実行状況に調整することができる。
【0097】
-負担特定手段―
条件調整手段565は、負担特定手段(不図示)を備えてもよい。負担特定手段は、生体取得手段により取得された生体情報に基づいて、ゲームによる評価対象ユーザの心身への負担(言い換えれば、評価対象ユーザのゲームによる感情やストレスの状態)を示す負担情報を特定する。負担特定手段は、例えば、生体情報に含まれる評価対象ユーザの脳波に基づいて、評価対象ユーザの感情の状態(例えば、ポジティブまたはネガティブ)を特定してもよい。負担特定手段は、他の例として、生体情報に含まれる評価対象ユーザの顔画像を解析する。負担特定手段は、この解析の結果に基づいて、評価対象ユーザのストレスの状態を推定してもよい。
【0098】
条件調整手段565は、例えば、負担特定手段により特定された負担情報に基づいて、判定条件を調整してもよい。
【0099】
上記構成によれば、条件調整手段565は、ゲームによる評価対象ユーザの心身への負担をふまえて判定条件を調整することができる。このため、評価対象ユーザの現状の心身の状態により合った実行状況とすることができる。
【0100】
[第2変形例]
上記実施形態では示していないが、通知システム1は、通知先ユーザに、評価対象ユーザによるゲームの画像(静止画および動画を含む)を提供することで、ゲームの実行状況をより具体的に伝えてもよい。また、通知システム1は、通知先ユーザに、評価対象ユーザが実行中のゲームを支援するために、メッセージを送信させたり、またはアイテムを投入させたり自身が操作するプレイヤキャラクタをこのゲームに参加させたりするなどしてもよい。
【0101】
-受信手段―
通信手段561は、受信手段(不図示)を備えてもよい。受信手段は、評価対象ユーザがゲームを実行する評価対象端末7、またはゲームの実行を制御するサーバ装置2から、評価対象ユーザにより実行されているこのゲームの画像を示す画像データ(以下、「ゲーム画像データ」ともいう)を受信する。ゲーム画像データは、言い換えれば、通知先ユーザが評価対象ユーザのゲームの実行を観戦するためのデータでもある。
【0102】
-第2受付手段―
受付手段233は、第2受付手段(不図示)を備えてもよい。第2受付手段は、通知先ユーザから、推奨情報に対する、評価対象ユーザに対するメッセージの送信の送信要求、および通知先ユーザの介入を要求する介入要求の少なくともいずれかを受け付ける。
【0103】
制御部56は、端末プログラムを含む各種プログラムを実行することにより、画像提示手段、および/または推奨提示手段として機能してもよい。
【0104】
-画像提示手段―
画像提示手段は、受信手段により受信されたゲーム画像データに基づいて、通知先ユーザに、ゲームの画像を提示する。
【0105】
例えば、特定のステージの特定のポイントで評価対象ユーザが度々つまずいて停滞している場合、特定のポイントにかかるシーンの動画が静止画を見ればどのようにつまずいてしまっているかが一目瞭然で分かる場合がある。上記構成によれば、このような場合において、画像提示手段は、ゲームの画像を提示することで、より具体的により分かりやすくゲームの実行状況を通知先ユーザに伝えることができる。
【0106】
-推奨提示手段―
推奨提示手段は、進行状況に基づいて、通知先ユーザに、(ア)評価対象ユーザに対するメッセージの送信、および(イ)評価対象ユーザによるゲームの実行に対する通知先ユーザの介入の少なくともいずれかを推奨する旨を示す推奨情報を提示する。この推奨情報は、言い換えれば、通知先ユーザに、評価対象ユーザのゲームの実行を支援するためにメッセージ送信や介入を促すための情報である。また、推奨提示手段は、例えば、負担特定手段により特定された負担体情報にさらに基づいて、推奨情報を提示してもよい。推奨提示集団は、具体的には、負担情報に基づいて、評価対象ユーザにおけるゲーム実行中のストレスの状態が設定された閾値を超える場合、推奨情報を生成してもよい。
【0107】
評価対象ユーザの進行状況が「停滞」と特定されている場合など、評価対象ユーザ自身の力だけではゲームを停滞したままとなってしまうことがある。上記構成によれば、通知先ユーザにゲームを支援するためのメッセージ送信や介入を推奨することができるため、評価対象ユーザのゲームの実行の支援をするように、通知先ユーザを促すことができる。
【0108】
-送信指示手段―
指示手段567は、送信指示手段(不図示)を備えてもよい。送信指示手段は、第2受付手段が送信要求を受け付けた場合、通知先端末5に記憶されたゲームのプログラム(例えば、ゲームアプリ)が備えるメッセージ機能(チャット機能を含む)に対して、評価対象ユーザに対するメッセージの送信を指示する。
【0109】
-介入指示手段―
指示手段567は、介入指示手段(不図示)を備えてもよい。介入指示手段は、第2受付手段が介入要求を受け付けた場合、評価対象ユーザの評価対象端末7に記憶されたゲームのプログラムに対して、ゲームの実行に対する通知先ユーザの介入を指示する。介入指示手段が介入を指示する指示情報は、例えば、通知先ユーザが選択したアイテムが、評価対象ユーザのゲームのプレイヤキャラクタに対して投入されるように指示するものであってもよい。このような構成によれば、介入指示手段は、実際に評価対象ユーザのゲームに通知先ユーザを介入させることができる。このため、介入指示手段は、通知先ユーザに、より実効的な支援をさせることができる。
【0110】
ここで、図5を参照して、通知システムが、通知先ユーザに、評価対象ユーザによるゲームの画像に提供し、ゲームに介入させる例を説明する。
【0111】
(1-1)図5に示すように、通知システム1において、評価対象端末7は、評価対象ユーザのゲームの履歴情報をサーバ装置2に送信する。(1-2)評価対象端末7またはその他の装置が、評価対象ユーザの生体情報をサーバ装置2に送信する。
【0112】
(2)サーバ装置2は、送信された生体情報に基づいて、ゲームによる評価対象ユーザの心身への負担を示す負担情報を特定する。(3)サーバ装置2は、この特定された負担情報に基づいて、評価対象ユーザにおけるゲーム実行中のストレスの状態が設定された閾値を超える場合、推奨情報を生成する。(4)サーバ装置2は、実行中のゲームのゲーム画像データとこの生成された推奨情報を通知先端末5に送信する。(5)通知先端末5は、見守りアプリの画面810において、送信されたゲーム画像データに基づいて評価対象ユーザのゲームの画像810aを表示する。また、通知先端末5は、見守りアプリの画面810において、推奨情報810bを表示する。表示された推奨情報810bは、上記(ア)のメッセージの送信の送信要求の入力を受け付けるための要求入力手段810b1と、上記(イ)評価対象ユーザのゲームの実行に対する通知先ユーザの介入(本例では、アイテムを投入することとする)の介入要求の入力を受け付けるための要求入力手段810b2を含んでいてもよい。
【0113】
(6)および(7)通知先端末5は、通知先ユーザから受け付けたメッセージの送信要求または介入要求に基づいて、サーバ装置2を介して、評価対象端末7に対して、メッセージを送信またはゲームの介入を指示するための指示情報を送信する。
【0114】
(8)評価対象端末7は、例えば、上記(イ)評価対象ユーザのゲームの実行に対する通知先ユーザの介入の場合、実行中のゲームアプリに対して、指示した介入を実行する。評価対象端末7は、例えば、ゲームアプリの画面820で、通知先ユーザによる介入があった旨を通知してもよい。
【0115】
[第2実施形態]
本開示の第2実施形態(以下、「本実施形態」ともいう)にかかる通知システム1aについて説明する。以下、第1実施形態の通知システム1との相違点を中心に説明する。
【0116】
本実施形態にかかる通知システム1aでは、サーバ装置2が達成状況や進行状況などを特定したり、判定条件を調整したり、達成状況を通知したりする。このような態様によれば、通知先端末5において、複雑な特定処理を実行する必要がなく主に出力処理や入力処理を実行すればよいため、通知システム1a専用のプログラム(例えば、見守りアプリなど)をインストールしなくても、Webブラウザを介して見守りサイトを利用するのみで、通知先ユーザは、ゲームの達成状況を把握したりゲームへの介入をしたりすることができる。なお、図6に示されるサーバ装置2の制御部23の各手段について、図1に示される通知先端末5の制御部56の各手段と同じ機能を有するもの(同じ名前の手段)については、重複する説明を割愛する。
【0117】
図6に示すように、サーバ装置2は、ネットワークインタフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインタフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0118】
ネットワークインタフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介して各ユーザ端末と通信可能接続されている。
【0119】
記憶部22は、主記憶装置、補助記憶装置または外部記憶装置などのプログラムやデータを記憶する装置である。記憶部22は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるサーバプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザ情報221などの各種データなどが記憶されている。
【0120】
ユーザ情報221は、通知先端末5のユーザ情報551が記憶するアカウント情報や条件情報、履歴情報などの各種情報のマスタデータが記憶されている。
【0121】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置2の動作を制御する、すなわちデータの演算、加工及び転送並びにプログラムの実行や他の装置の制御などを担う処理装置(例えば、プロセッサなど)である。制御部23は、記憶部22に格納されているプログラムを実行することにより、サーバ装置2における様々な機能を実現することができる。
【0122】
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、通信手段231、照合手段232、受付手段233、設定手段234、取得手段235、特定手段236、条件調整手段237、通知手段238、ゲーム実行手段239、および提示手段240として機能する。
【0123】
―通信手段―
通信手段231は、各ユーザ端末との間で各種データを送受信する。通信手段231は、受信手段2311と、送信手段2312と、を備えてもよい。受信手段2311は、例えば、評価対象端末7から、評価対象ユーザにより実行されているゲームの画像を示すゲーム画像データを受信する。送信手段2312は、第2受付手段2332がメッセージの送信要求を受け付けた場合、評価対象端末7に対して、このメッセージを送信する。
【0124】
-照合手段―
照合手段232は、ユーザ端末から受信したユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0125】
―受付手段―
受付手段233は、例えば、第1受付手段2331と、第2受付手段2332と、を備えてもよい。第1受付手段2331は、評価対象端末7から、制限条件の緩和を要求する緩和要求を受け付ける。第2受付手段2332は、通知先端末5aから、推奨情報に対する、メッセージの送信を要求する送信要求、および通知先ユーザの介入を要求する介入要求を受け付ける。
【0126】
―設定手段―
設定手段234は、評価情報に基づいて、評価対象ユーザのゲームの実行履歴に対する判定条件を設定する。設定手段234は、例えば、評価されたレベル(例えば、認知機能レベルや知的能力レベルなど)ごとに適用する条件項目を設定したテーブルを記憶する記憶部22を参照して、このテーブルに基づいて、判定条件を設定してもよい。
【0127】
―取得手段―
取得手段235は、例えば、評価取得手段2351と、生体取得手段2352と、を備えてもよい。評価取得手段2351は、評価ユーザのユーザ端末から、評価情報を取得する。生体取得手段2352は、評価対象ユーザの生体情報を記憶する装置から、この生体情報を取得する。
【0128】
―特定手段―
特定手段236は、例えば、達成状況特定手段2361と、進行状況特定手段2362と、範囲特定手段2363と、を備えてもよい。達成状況特定手段は、判定条件に対する、後述するゲーム実行手段239により実行されたゲームの実行履歴の達成状況を特定する。達成状況特定手段2361のその他の機能と、進行状況特定手段2362と、範囲特定手段2363と、については、制御部23の同じ名前の手段と同じ機能を有するため、説明を割愛する。
【0129】
―条件調整手段―
条件調整手段237については、制御部23の同じ名前の手段と同じ機能を有するため、説明を割愛する。条件調整手段237は、例えば、条件緩和手段2371を備えてもよい。条件緩和手段2371についても、制御部23の同じ名前の手段と同じ機能を有するため、説明を割愛する。
【0130】
―通知手段―
通知手段238は、評価対象ユーザに関連付けられた通知先ユーザの通知先端末5aに、達成状況特定手段2361により特定された達成状況を通知する。また、通知手段238は、達成状況特定手段2361により実行履歴が未達成と特定された場合、通知先端末5aに未達成である旨を通知してもよい。
【0131】
―ゲーム実行手段―
ゲーム実行手段239は、評価対象ユーザの操作入力に応じて、評価対象端末7においてゲームを実行させる。ゲーム実行手段239は、例えば、制限手段2391と、介入手段2392と、を備えてもよい。制限手段2391は、達成状況特定手段2361により特定された達成状況に基づいて、評価対象ユーザによるゲームの実行を制限する。介入手段2392は、第2受付手段が介入要求を受け付けた場合、ゲーム実行手段239による評価対象ユーザのゲームの実行に対して、通知先ユーザを介入させる。
【0132】
―提示手段―
提示手段240は、画像提示手段2401と、推奨提示手段2402と、を備える。画像提示手段2401は、評価対象端末7から受信したゲーム画像データに基づいて、通知端先末5aに、ゲームの画像を通知先ユーザに対して提示させる。推奨提示手段2402は、進行状況に基づいて、通知先端末5aに、推奨情報を通知先ユーザに対して提示させる。
【0133】
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0134】
ゲームは、アクションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、およびパズルゲームなどであってもよく、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0135】
上記実施形態では、サーバ装置2および複数のユーザ端末が一体となってプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。プログラムのすべての手段、すなわち、受付手段、関連付け手段、変更手段、解除手段などが、サーバ装置2単体、通知先端末5単体、サーバ装置および通知先端末5とは別の通信端末単体、これらのうち組み合わせられる2つの装置(例えば、サーバ装置2と通知先端末5での分散処理など)、に備えられていてもよい。また、サーバ装置、通知先端末、通信端末を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかも、適宜変更が可能である。
【0136】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0137】
1 通知システム
2 サーバ装置
23 制御部
5 通知先端末
56 制御部
563 取得手段
5631 履歴取得手段
564 特定手段
5641 達成状況特定手段
566 通知手段
7 評価対象端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6