(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023133928
(43)【公開日】2023-09-27
(54)【発明の名称】空気清浄方法及び空気清浄装置
(51)【国際特許分類】
F24F 8/80 20210101AFI20230920BHJP
F24F 8/108 20210101ALI20230920BHJP
A61L 9/00 20060101ALI20230920BHJP
【FI】
F24F8/80 125
F24F8/108 110
F24F8/80 232
F24F8/80 216
F24F8/80 220
A61L9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022039190
(22)【出願日】2022-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】591075836
【氏名又は名称】大陽工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180415
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 滋人
(74)【代理人】
【識別番号】100097205
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 正樹
(72)【発明者】
【氏名】猪野 博之
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180AA16
4C180AA19
4C180CC03
4C180DD03
4C180DD09
4C180HH05
4C180HH15
(57)【要約】
【課題】人や物が頻繁に動き得る室内空間から有効に微細物を除去することができるとともに、天井でのカビ発生を有効に防止することのできる空気清浄方法を提供することである。
【解決手段】床と天井との間に挟まれた空間を有する部屋の空気を清浄化する空気清浄方法であって、前記床と前記天井との間の空間における前記床から4分の1の高さと前記床から2分の1の高さとの間の中間層部分から空気を集める第1ステップと、その集められた空気を清浄化する第2ステップと、前記床と前記天井との間の空間における前記天井側4分の1の上層部分に清浄化された前記空気を放出する第3ステップと、を有する構成となる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床と天井との間に挟まれた空間を有する部屋の空気を清浄化する空気清浄方法であって、
前記床と前記天井との間の空間における前記床から4分の1の高さと前記床から2分の1の高さとの間の中間層部分から空気を集める第1ステップと、
その集められた空気を清浄化する第2ステップと、
前記床と前記天井との間の空間における前記天井側4分の1の上層部分に清浄化された前記空気を放出する第3ステップと、を有する空気清浄方法。
【請求項2】
床と天井との間に挟まれた空間を有する部屋の空気を清浄化する空気清浄方法であって、
前記床から1メートル以上で2メートルまでの高さの中間層部分から空気を集める第1ステップと、
その集められた空気を清浄化する第2ステップと、
前記中間層部分より上方で前記床と前記天井との間の空間における前記天井側4分の1の上層部分に清浄化された前記空気を放出する第3ステップと、を有する空気清浄方法。
【請求項3】
前記第3ステップは、前記上層部分の高さ方向の上側半分の範囲内に清浄化された前記空気を放出する、請求項1及び2のいずれかに記載の空気清浄方法。
【請求項4】
前記第3ステップは、前記天井の面と平行な方向に空気を放出する、請求項3記載の空気清浄方法。
【請求項5】
前記第3ステップは、前記天井の面に沿うように空気を放出する、請求項4記載の空気清浄方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の空気清浄方法に用いられる空気清浄装置であって、
前方に空気を放出する吹出口が形成された上部ブロックと、
前記上部ブロックから垂下するように設けられ、前記上部ブロック側の端部から他方の端部まで延びるダクトが形成された中部ブロックと、
前記中部ブロックの前記上部ブロック側の端部と逆側の端部に結合し、吸気口が形成された下部ブロックと、を有し、
前記上部ブロックには、前記中部ブロックの前記ダクトに連通して前記吹出口に続く上通風路が形成され、
前記下部ブロックには、前記中部ブロックの前記ダクトに連通して前記吸気口に続く下通風路が形成され、
更に、前記吸気口から空気を導入して、その空気を前記下部通風路、前記ダクト及び前記上通風路を通して前記吹出口から放出させる送風機と、
前記吸気口から導入される空気を浄化する清浄器と、を有する空気清浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井と床に挟まれた空間を有する部屋の空気を清浄化する空気清浄方法及びそれに用いられる空気清浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載の空気清浄機が知られている。この空気清浄機は、天井と床に挟まれた空間を有する部屋の床に設置されて使用される。この空気清浄機の本体の下部に吸入口が形成され、その本体の天面に吹出口が形成されている。本体内には吸入口と吹出口とを連通する通風路が形成され、その通風路には、空気を浄化するためのフィルタが設けられている。また、通風路には、吸入口から空気を導入してその空気を吹出口から放出させるファン(送風機)が設けられている。吹出口付近には、当該吹出口からの空気の吹出し方向をかえるためのルーバーが設けられている。
【0003】
このような空気清浄機は、部屋の床に近い空間に浮遊する埃、微生物、カビ胞子等の微細物を含む空気を吸入口から吸い込むことができる。吸入口から吸い込まれて通風路内を通過する空気からフィルタによってその微細物が除去される。そして、その微細物が除去されて清浄化された空気が更に通風路を通って吹出口から吹出される。このような空気清浄機によれば、部屋内のベッドに横たわる利用者等、部屋内の比較的低位に位置する利用者に清浄な空気を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、大規模小売店舗等の商業施設のような大規模な室内空間では、商品等の物や人が頻繁に動いている。このような環境において、部屋の床に近い空間を浮遊する埃等の微細物を空気とともに吸い込んで除去する(清浄化する)前述したような従来の空気清浄機では、頻繁に動く人や物から飛散したり、それらの動きによって舞い上がったりする微細物を効果的に除去して空気を清浄化することが難しい。
【0006】
また、商標施設等の大規模な室内空間では、空調機による冷暖房の入り切り等によって、昼夜における温度の差が大きい。このため、その温度差によって、暖かく水蒸気を多く含み得る空気が触れる天井において結露が発生する可能性が高い。このような環境下において、この室内空間に浮遊するカビ胞子(微細物)が有効に除去されないと、付近において空気の淀みやすい天井にカビ胞子が付着してその天井に多くのカビが発生してしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、特に、人や物が頻繁に動き得る室内空間から有効に微細物を除去することができるとともに、天井でのカビ発生を有効に防止することのできる空気清浄方法及びその空気清浄方法に用いられる空気清浄装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る空気清浄方法は、床と天井との間に挟まれた空間を有する部屋の空気を清浄化する空気清浄方法であって、前記床と前記天井との間の空間における前記床から4分の1の高さと前記床から2分の1の高さとの間の中間層部分から空気を集める第1ステップと、その集められた空気を清浄化する第2ステップと、前記床と前記天井との間の空間における前記天井側4分の1の上層部分に清浄化された前記空気を放出する第3ステップと、を有する構成となる。
【0009】
このような構成によれば、人等の活動によって多くの微細物が浮遊するとともに、比較的温度環境が安定した部屋空間の中間層部分から空気が集められ、その空気の清浄化が行われる。そして、その清浄化された比較的温度状態が安定している空気が部屋空間の比較的空気の淀みやすい天井付近を含む上層部分に放出される。
【0010】
また、本発明に係る空気清浄方法は、床と天井との間に挟まれた空間を有する部屋の空気を清浄化する空気清浄方法であって、前記床から1メートル以上で2メートルまでの高さの中間層部分から空気を集める第1ステップと、その集められた空気を清浄化する第2ステップと、前記中間層部分より上方で前記床と前記天井との間の空間における前記天井側4分の1の上層部分に清浄化された前記空気を放出する第3ステップと、を有する構成となる。
【0011】
このような構成によれば、人等の活動によって多くの微細物が浮遊し得るとともに、比較的温度環境が安定した、人の上半身が位置し得る床から1メートル以上で2メートルまでの部屋空間の中間層部分から空気が集められ、その空気の清浄化が行われる。そして、その清浄化された空気が部屋空間の比較的空気の淀みやすい天井付近を含む上層部分に放出される。
【0012】
本発明に係る空気清浄方法において、前記第3ステップは、前記上層部分の高さ方向の上側半分の範囲内に清浄化された前記空気を放出する、構成とすることができる。
【0013】
このような構成によれば、清浄化された比較的温度状態が安定している空気が、比較的空気の淀みやすい天井付近に更に近い範囲に放出され得る。
【0014】
本発明に係る空気清浄方法において、前記第3ステップは、前記天井の面と平行な方向に空気を放出する、構成とすることができる。
【0015】
このような構成によれば、清浄化された比較的温度状態が安定している空気をより遠方までとどけることができる。
【0016】
本発明に係る空気清浄方法において、前記第3ステップは、前記天井の面に沿うように空気を放出する、構成とすることができる。
【0017】
このような構成により、清浄化された比較的温度状態が安定している空気を、付近において空気の淀みやすい天井に触れつつより遠くまでとどけることができる。
【0018】
本発明に係る空気清浄装置は、上述したいずれかの空気清浄方法に用いられる空気清浄装置であって、前方に空気を放出する吹出口が形成された上部ブロックと、前記上部ブロックから垂下するように設けられ、前記上部ブロック側の端部から他方の端部まで延びるダクトが形成された中部ブロックと、前記中部ブロックの前記上部ブロック側の端部と逆側の端部に結合し、吸気口が形成された下部ブロックと、を有し、前記上部ブロックには、前記中部ブロックの前記ダクトに連通して前記吹出口に続く上通風路が形成され、前記下部ブロックには、前記中部ブロックの前記ダクトに連通して前記吸気口に続く下通風路が形成され、更に、前記吸気口から空気を導入して、その空気を前記下部通風路、前記ダクト及び前記上通風路を通して前記吹出口から放出させる送風機と、
前記吸気口から導入される空気を浄化する清浄器と、を有する構成となる。
【0019】
このような構成の空気清浄器を、床と天井の間に挟まれた空間を有する部屋において、吸気口が、前記床と前記天井との間の空間における前記床から4分の1の高さと前記床から2分の1の高さとの間の中間層部分に配置され、吹出口が、前記床と前記天井との間の空間における前記天井側4分の1の上層部分に配置されるように、設置することができる。このような状態において、人等の活動によって多くの微細物が浮遊するとともに、比較的温度環境が安定した部屋空間の中間層部分の空気が下部ブロックの吸気口から導入されて、清浄器によってその空気の清浄化が行われる。その清浄化された比較的温度状態が安定しいる空気が下部ブロックの下通風路、中部ブロックのダクト及び上部ブロックの上通風路を通って吹出口から部屋空間の比較的空気の淀みやすい天井付近を含む上層部分に吹出される。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る空気清浄方法及び空気清浄装置によれば、部屋空間の比較的温度環境が安定した中間層部分から集められて清浄化された空気が部屋空間の比較的空気の淀みやすい天井付近を含む上層部分に放出されるので、特に、人や物が頻繁に動き得る室内空間から有効に微細物を除去することができるとともに、天井付近での空気の淀みを防止してその天井での結露を防止し、その結果、天井でのカビの発生を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係る空気清浄方法に用いられる空気清浄装置の外観の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す空気清浄装置の内部構造と、その空気清浄装置とそれが設置される部屋の空間との関係とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0023】
本発明の実施の形態に係る空気清浄法に用いられる空気清浄装置について、
図1及び
図2を参照して説明する。
【0024】
空気清浄装置10は、上部ブロック11、中部ブロック12、及び下部ブロック13を有し、それらが縦方向に直列的に結合した構造となっている。このように3つのブロックが結合して縦方向に長い形状の空気清浄装置10は、その背面で柱120の壁面に固定され、上部ブロック11の上面が天井110に接する一方下部ブロック13の下端と床100との間に空間が形成されるように、部屋(例えば、大規模小売店舗等の商業施設)内に設置される。
【0025】
中部ブロック12は、所定厚さ(柱120の壁面に垂直な方向の厚さ)の箱形状であって、その内部には下端から上端まで続くダクト12dctが形成されている。上部ブロック11は、中部ブロック12から続く立上り部11aと、その立上り部11aから続いて前方に突出する突出部11bとを有する構造となっている。上部ブロック11の突出部11bの前面には、横方向に平行に延びる2つの吹出口14a、14bが形成されている。また、上部ブロック11内には、中部ブロック12のダクト12dctに連通して2つの吹出口14a、14bに続く上通風路11pthが形成されている。上通風路11pth内には送風機16が設けられている。
【0026】
下部ブロック13は、中部ブロック12と同じ厚さで中部ブロック12より短い箱形状であって、その下面に吸気口15aが、2つの側面に吸気口15b、15cがそれぞれ形成されている。下部ブロック13の内部には、中部ブロック12のダクト12dctに連通して3つの吸気口15a、15b、15cに続く下通風路13pthが形成されている。また、下部ブロック13の下通風路13pth内には、下通風路13pthを通る空気の清浄化を行う清浄器17が設けられている。清浄器17は、フィルタ(例えば、HEPAフィルタ)、光触媒及びその光触媒を活性化させる紫外線光源(UVLED)等で構成することができる。
【0027】
上述した構造の空気清浄装置10では、下部ブロック13の下通風路13pth、中部ブロック12のダクト12dct、及び上部ブロック11の上通風路11pthが、3つの吸気口15a、15b、15cから2つの吹出口14a、14bまで続く1つの通路として形成される。そして、上部ブロック13の送風機16が動作することにより、下部ブロック13の3つの吸引口15a、15b、15cから下通風路13pth導入された空気が清浄器17を通って清浄化されて、その清浄化された空気が下通風路13pthから更にダクト12dct(中部ブロック12)及び上通風路11pthを通って2つの吹出口14a、14b(上部ブロック11)から吹出される(
図2における太矢印参照)。
【0028】
また、上述したような構造の空気清浄装置10が部屋(例えば、大規模小売店舗等の商業施設)内に設置されることにより、
図2に示すように、下部ブロック13の3つの吸気口15a、15b、15cは、床100と天井110との間の空間(高さH)における床100から4分の1の高さ(h1)と床100から2分の1の高さ(h2)との間の中間層部分Emに位置する。また、上部ブロック11の2つの吹出口14a、14bは、床10と天井110との間の空間(高さH)における天井110側の4分の1の上層部分Eu、特に、その上層部分Euの高さ方向の上側半分の範囲Euuに位置する。
【0029】
例えば、床100からの天井110の高さH=3.85mの施設空間において、中間層部分Emは、床100からの高さh1=0.963mから床100からの高さh2=1.925mのまでの高さまでの領域として設定することができる。また、上層部分Euは、天井110から下方0.9623mまでの領域として、更に、その上側半分の範囲Euuは、天井110から0.481mまでの領域として、それぞれ設定することができる。
【0030】
上述したように配置された空気清浄装置10を動作させる(送風機16を動作させる)ことにより、床100と天井110とに挟まれた空間では、次のように空気の清浄化及びその清浄化された空気の吹出しが行われる。
【0031】
部屋空間の中間層部分Emの空気が空気清浄装置10の3つの吸引口15a、15b、15cから導入され(ステップ1)、その空気が下部ブロック13の下通風路13pthを通りつつ清浄器17によって清浄化される(ステップ2)。そして、清浄化された空気が、下部ブロック13の下通風路13pthから中部ブロック12のダクト12dcを通って上部ブロック11の上通風路11phに流入する。清浄化されて上通風路11pthに流入した空気は、2つの吹出口14a、14bから、天井110の面に平行に、また、その天井110の面に沿うように、上層部分Euの特にその上側半分の範囲Euu内に吹き出される(ステップ3)。
【0032】
ところで、床100と天井110とに挟まれた空間を有する部屋(例えば、大規模小売店舗等の商業施設)では、比較的温度が低くなる床100付近から、比較的温度が高くなる天井110付近まで、徐々に上昇するような温度勾配がある。特に、天井高の大規模小売店舗等の商業施設の部屋空間では比較的大きな温度勾配が生じ得る。このような温度勾配が生じ得る室内空間において、中間層部分Em(
図2参照)ではその室内空間の温度分布における中庸的な温度になる。また、その室内空間では、空調機による冷暖房の入り切りによって昼夜における温度差が大きい。このため、その温度差によって暖かく水蒸気を多く含み得る空気が集まり易い天井110において結露が発生する可能性が高い。一方、床100面の温度の影響や天井110面の温度の影響を受け難い室内空間の中間層部分Emでは、昼夜における温度差が床100付近や天井100付近に比べて小さい。従って、床100からも、また、天井110からも離れている中間層部分Emの温度状態は、天井部分110付近や床100付近に比べて、中庸的な温度状態で比較的安定している。
【0033】
また、物や人が頻繁に動いている大規模小売店舗等の施設等の室内空間では、その頻繁に動く人や物から飛散したり、それらの動きによって舞い上がったりする埃、微生物、及びカビ胞子等の微細物が中間層部分Emに多く浮遊し得る。
【0034】
このような環境の室内空間での上述したような空気清浄装置10を用いた空気清浄方法によれば、温度環境が比較的安定している一方、カビ胞子等の多くの微細物が浮遊し得る中間層部分Emから集められる空気が清浄化される。そして、その清浄化されて温度状態が比較的安定した空気が、付近において空気の淀みやすい天井110に沿って平行に放出される。このようにして、カビ胞子等の微細物が除去されて温度状態が比較的安定した空気が天井110の表面に供給されるようになるので、人や物が頻繁に動き得る室内空間から有効にカビ胞子等の微細物を除去(清浄化)することができるとともに、天井110付近での空気の淀みを防止してその天井110での結露を防止し、その結果、天井110でのカビの発生を有効に防止することができる。
【0035】
上述した実施の形態では、空気を集める中間層部分Emは、床100と天井110との間の空間における床100から4分の1の高さh1と床100から2分の1の高さh2との間の範囲として設定されたが、比較的天井高の室内空間において、床100から1メートル以上で2メートルまでの高さの範囲として設定するようにしてもよい。
【0036】
また、上述した実施の形態では、空気清浄装置10からの清浄化された空気が上層部分Euの特にその上側半分の範囲Euuに吹出されるものであったが、それに限定されず、上層部分Euのいずれの範囲に吹出されるものであってもよい。ただし、その上層部分Euの上側半分の範囲Euuにおいてできるだけ天井110に近い範囲に清浄化された空気を放出することが、温度状態が安定した清浄な空気を天井110の面に効率的に送り続けて天井110付近での空気の淀みを更に効果的に防止できるという点で、より好ましい。
【0037】
また、中間層部分Emから空気を集めていればよく、その中間層部分Eに加えて、それらから逸脱する領域から空気を集めることがあってもよい。
【0038】
本発明に係る空気清浄方法が適用される部屋は、前述したような大規模小売店舗等の商業施設に限定されない。ただし、比較的天井高の部屋であることが好ましい。
【0039】
更に、本発明に係る空気清浄方法は、前述した構造の空気清浄装置10を用いることに限定されず、他の構造の空気清浄装置を用いることもできる。
【0040】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上述した実施の形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明に係る空気清浄方法及び空気清浄装置によれば、特に、人や物が頻繁に動き得る室内空間から有効に微細物を除去することができるとともに、天井でのカビ発生を有効に防止することができるという効果を有し、天井と床に挟まれた空間を有する部屋の空気を清浄化する空気清浄方法及び空気清浄装置として有用である。
【符号の説明】
【0042】
10 空気清浄装置
11 上部ブロック
11a 立上り部
11b 突出部
11pth 上通風路
12 中間ブロック
12dct ダクト
13 下部ブロック
13pth 下通風路
14a、14b 吹出口
15a、15b、15c 吸気口
16 送風機
17 清浄器
100 床
110 天井
120 柱